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Title:
PIEZOELECTRIC ACTUATOR, LENS BARREL AND OPTICAL DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/151081
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a piezoelectric actuator having reduced sizes, a lens barrel and an optical device.  A piezoelectric actuator (4) is provided with: a first actuator (40) including first piezoelectric elements (41, 42) to be displaced in a first direction (Z); a second actuator (30), which includes second piezoelectric elements (31, 32) to be displaced in a second direction (Y) intersecting with the first direction, and is arranged in a direction intersecting with the first direction with respect to the first actuator; and a relative displacement member (10), which is arranged between the first actuator and the second actuator and can be relatively displaced in the first direction with respect to the first actuator.

Inventors:
ASHIZAWA TAKATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060628
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 10, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIKON CORP (JP)
ASHIZAWA TAKATOSHI (JP)
International Classes:
H02N2/00; G02B7/04
Foreign References:
JPH04281A1992-01-06
JP2005312192A2005-11-04
JPS61182112A1986-08-14
JP2003110919A2003-04-11
Attorney, Agent or Firm:
KAMATA, Hisao (JP)
Hisao Kamata (JP)
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Claims:
 第1の方向に変位する第1の圧電素子を含む第1のアクチュエータと、
 前記第1の方向と交差する第2の方向に変位する第2の圧電素子を含み、前記第1のアクチュエータに対して前記第1の方向と交差する方向に配置された第2のアクチュエータと、
 前記第1のアクチュエータと前記第2のアクチュエータとの間に設けられ、前記第1のアクチュエータに対して前記第1の方向に相対移動可能な相対移動部材とを備え、
 前記第2のアクチュエータは、前記第2の圧電素子の変位によって前記相対移動部材と前記第1のアクチュエータとを加圧接触させる加圧状態と、当該加圧を解除した非加圧状態とに切り替え可能であり、
 前記相対移動部材は、前記加圧状態であるときの前記第1の圧電素子の変位によって前前記第1の方向に相対移動すること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第2のアクチュエータは、前記第1の圧電素子の変位後に非加圧状態とされ、
 前記第1の圧電素子は、前記第2のアクチュエータが非加圧状態であるときに前記相対移動の時とは反対の方向に変位する
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項1又は請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第1のアクチュエータは、前記加圧状態で前記相対移動部材に接触しかつ前記第1の圧電素子の変位に連動して前記第1の方向に移動する第1の接触部を備え、
 前記相対移動部材は、前記第1の接触部との間に生ずる摩擦力によって前記相対移動をすること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項3に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第2のアクチュエータは、前記加圧状態及び前記非加圧状態のいずれにおいても前記相対移動部材に接触する第2の接触部を備え、
 前記第1の接触部と前記相対移動部材との間に発生する摩擦力は、前記加圧状態では前記第2の接触部と前記相対移動部材との間に発生する摩擦力よりも大きく、前記非加圧状態では、前記第2の接触部と前記相対移動部材との間に発生する摩擦力よりも小さいこと
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第1のアクチュエータは、前記第2の方向に変位する第3の圧電素子を含み、当該第3の圧電素子の変位に応じて前記相対移動部材と前記第2のアクチュエータとを加圧接触させる加圧状態と当該加圧を解除した非加圧状態との間を移行可能に設けられ、
 前記第2のアクチュエータは、前記第1の方向に変位する第4の圧電素子を含み、
 前記相対移動部材は、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータがともに加圧状態であるときの前記第1の圧電素子及び前記第4の圧電素子の変位によって、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータに対して前記第1の方向に相対移動すること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項5に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータは、ともに前記第1の圧電素子の変位後に非加圧状態とされ、
 前記第1の圧電素子及び前記第4の圧電素子は、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータがともに非加圧状態であるときに前記相対移動の時とは反対の方向に変位すること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項5又は請求項6に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第1の圧電素子と前記第3の圧電素子、及び、前記第2の圧電素子と前記第4の圧電素子は、それぞれ前記第2の方向に積層されていること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第1の方向に貫通する貫通孔を規定する貫通孔規定部を備え、
 前記相対移動部材は、前記貫通孔を貫通して配置され、
 前記貫通孔規定部には、前記相対移動部材との間に発生する摩擦力によって、自重による前記相対移動部材の前記相対移動を抑制する摩擦部材が配置されていること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
 前記第2のアクチュエータが非加圧状態のときに前記相対移動部材を保持し、当該相対移動部材の保持状態において、前記相対移動部材との間に発生する摩擦力によって自重による前記相対移動部材の前記相対移動を抑制する保持機構を備えること
 を特徴とする圧電アクチュエータ。
 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の圧電アクチュエータと、
 前記圧電アクチュエータに備えられた前記相対移動部材に連動するレンズと
 を備えるレンズ鏡筒。
 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の圧電アクチュエータを備えること
 を特徴とする光学機器。
Description:
圧電アクチュエータ、レンズ鏡 、光学機器

 本発明は、圧電アクチュエータ、レンズ 筒、及び、光学機器に関するものである。

 進行性振動波を利用する直進型圧電アク ュエータとしては、2つの加圧用圧電素子と ひとつの伸縮用圧電素子の組み合わせによっ て、尺取り虫運動を行うものが知られている (例えば、特許文献1参照)。

特開昭55-100059号公報

 しかし、上記特許文献の圧電アクチュエー は、構造が複雑であるため小型化が困難で る。
 本発明の課題は、小型化が可能な圧電アク ュエータ、レンズ鏡筒、及び、光学機器を 供することである。

 本発明は、以下のような解決手段により、 記課題を解決する。
 請求項1の発明は、第1の方向に変位する第1 圧電素子を含む第1のアクチュエータと、前 記第1の方向と交差する第2の方向に変位する 2の圧電素子を含み、前記第1のアクチュエ タに対して前記第1の方向と交差する方向に 置された第2のアクチュエータと、前記第1 アクチュエータと前記第2のアクチュエータ の間に設けられ、前記第1のアクチュエータ に対して前記第1の方向に相対移動可能な相 移動部材とを備え、前記第2のアクチュエー は、前記第2の圧電素子の変位によって前記 相対移動部材と前記第1のアクチュエータと 加圧接触させる加圧状態と、当該加圧を解 した非加圧状態とに切り替え可能であり、 記相対移動部材は、前記加圧状態であると の前記第1の圧電素子の変位によって前前記 1の方向に相対移動することを特徴とする圧 電アクチュエータである。

 請求項2の発明は、請求項1に記載の圧電ア チュエータにおいて、前記第2のアクチュエ タは、前記第1の圧電素子の変位後に非加圧 状態とされ、前記第1の圧電素子は、前記第2 アクチュエータが非加圧状態であるときに 記相対移動の時とは反対の方向に変位する とを特徴とする圧電アクチュエータである
 請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記 の圧電アクチュエータにおいて、前記第1の アクチュエータは、前記加圧状態で前記相対 移動部材に接触しかつ前記第1の圧電素子の 位に連動して前記第1の方向に移動する第1の 接触部を備え、前記相対移動部材は、前記第 1の接触部との間に生ずる摩擦力によって前 相対移動をすることを特徴とする圧電アク ュエータである。
 請求項4の発明は、請求項3に記載の圧電ア チュエータにおいて、前記第2のアクチュエ タは、前記加圧状態及び前記非加圧状態の ずれにおいても前記相対移動部材に接触す 第2の接触部を備え、前記第1の接触部と前 相対移動部材との間に発生する摩擦力は、 記加圧状態では前記第2の接触部と前記相対 動部材との間に発生する摩擦力よりも大き 、前記非加圧状態では、前記第2の接触部と 前記相対移動部材との間に発生する摩擦力よ りも小さいことを特徴とする圧電アクチュエ ータである。

 請求項5の発明は、請求項1から請求項3まで いずれか1項に記載の圧電アクチュエータに おいて、前記第1のアクチュエータは、前記 2の方向に変位する第3の圧電素子を含み、当 該第3の圧電素子の変位に応じて前記相対移 部材と前記第2のアクチュエータとを加圧接 させる加圧状態と当該加圧を解除した非加 状態との間を移行可能に設けられ、前記第2 のアクチュエータは、前記第1の方向に変位 る第4の圧電素子を含み、前記相対移動部材 、前記第1のアクチュエータ及び前記第2の クチュエータがともに加圧状態であるとき 前記第1の圧電素子及び前記第4の圧電素子の 変位によって、前記第1のアクチュエータ及 前記第2のアクチュエータに対して前記第1の 方向に相対移動することを特徴とする圧電ア クチュエータである。
 請求項6の発明は、請求項5に記載の圧電ア チュエータにおいて、前記第1のアクチュエ タ及び前記第2のアクチュエータは、ともに 前記第1の圧電素子の変位後に非加圧状態と れ、前記第1の圧電素子及び前記第4の圧電素 子)は、前記第1のアクチュエータ及び前記第2 のアクチュエータがともに非加圧状態である ときに前記相対移動の時とは反対の方向に変 位することを特徴とする圧電アクチュエータ である。
 請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記 の圧電アクチュエータにおいて、前記第1の 圧電素子と前記第3の圧電素子、及び、前記 2の圧電素子と前記第4の圧電素子は、それぞ れ前記第2の方向に積層されていることを特 とする圧電アクチュエータである。

 請求項8の発明は、請求項1から請求項7まで いずれか1項に記載の圧電アクチュエータに おいて、前記第1の方向に貫通する貫通孔を 定する貫通孔規定部を備え、前記相対移動 材は、前記貫通孔を貫通して配置され、前 貫通孔規定部には、前記相対移動部材との に発生する摩擦力によって、自重による前 相対移動部材の前記相対移動を抑制する摩 部材が配置されていることを特徴とする圧 アクチュエータである。
 請求項9の発明は、請求項1から請求項7まで いずれか1項に記載の圧電アクチュエータに おいて、前記第2のアクチュエータが非加圧 態のときに前記相対移動部材を保持し、当 相対移動部材の保持状態において、前記相 移動部材との間に発生する摩擦力によって 重による前記相対移動部材の前記相対移動 抑制する保持機構を備えることを特徴とす 圧電アクチュエータである。
 請求項10の発明は、請求項1から請求項9まで のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ 、前記圧電アクチュエータに備えられた前 相対移動部材に連動するレンズとを備える ンズ鏡筒である。
 請求項11の発明は、請求項1から請求項9まで のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ 備えることを特徴とする光学機器である。
 なお、上記構成は、適宜改良してもよく、 た、少なくとも一部を他の構成物に代替し もよい。

 本発明によれば、小型化が可能な圧電ア チュエータ、レンズ鏡筒、及び、光学機器 提供することができる。

第1実施形態のレンズ鏡筒の要部断面図 である。 図1に示すレンズ鏡筒に備えられた圧電 アクチュエータを示す図である。 図2に示す圧電アクチュエータの動作を 説明する図である。 図2に示す圧電アクチュエータの動作を 示す図である。 第2実施形態の圧電アクチュエータを示 す図である。 図5に示す圧電アクチュエータの動作を 示す図である。 第3実施形態の圧電アクチュエータを示 す図である。 第4実施形態の圧電アクチュエータを示 す図である。 図8に示す圧電アクチュエータの動作を 示す図である。

[第1実施形態]
 以下、図面を参照して、本発明を適用した 電アクチュエータを含むレンズ鏡筒の実施 態について説明する。
 図1は、第1実施形態のレンズ鏡筒の要部断 図である。
 以下、理解を容易にするために、図1を含む 各図にX-Y-Z軸によって形成される3次元座標系 を設定して説明する。
 レンズ鏡筒100は、図示しないカメラボディ 着脱可能に装着される交換レンズ鏡筒であ 、固定筒1、フォーカスレンズ群2、フォー ス群保持枠3、圧電アクチュエータ4等を備え ている。

 固定筒1は、円筒形状に形成され、その内径 側にはフォーカスレンズ群2を含む複数の撮 レンズが収容されている。撮影レンズの光 Aは、図1に示す座標系のZ軸と平行になって る。固定筒1は、レンズ鏡筒100が図示しない ウント機構を介してカメラボディに接続さ た状態で、カメラボディに対する位置が拘 される。
 フォーカスレンズ群2は、撮影者等からの手 動入力に応じて、又は、カメラボディに備え られた図示しないオートフォーカス制御部か らの信号に応じて、固定筒1に対して光軸方 に進退動作を行う。レンズ鏡筒100は、フォ カスレンズ群2の進退動作によって、例えば 主要な被写体等にピント合わせを行うよう なっている。

 フォーカス群保持枠3は、フォーカスレンズ 群2を保持する枠体であり、円筒状に形成さ た本体部3aと、本体部3aの外周面の一部から 径側に突き出して設けられた突出部3bとを えている。
 圧電アクチュエータ4は、フォーカスレンズ 群2を固定筒1に対して光軸方向に駆動する駆 装置であり、出力部材10と駆動部20とを備え ている。

 図2は、図1に示すレンズ鏡筒に備えられた 電アクチュエータを示す図である。
 この図2において、(a)は、圧電アクチュエー タをZ軸方向(光軸方向)からみた断面図であり 、(b)は、圧電アクチュエータをX軸方向(光軸A に直交する方向)からみた断面図である。
 図3は、図2に示す圧電アクチュエータの動 を説明する図であり、(a)、(b)は、変位前後 状態をそれぞれ示している。

 出力部材10は、フォーカス群保持枠3に設け れた突出部3bのマウント側(カメラボディ側) の面部にビスV1(図1参照)によって固定された 柱状の部材であり、ステンレス鋼によって 成されている。出力部材10とフォーカスレ ズ群2とは、固定筒1に対して一体的に移動す る。
 出力部材10は、光軸Aに平行に延在しており その光軸Aに直交する断面形状は、略正方形 になっている。出力部材10における光軸Aに平 行な4つの面部(以下、側面部と称する)のうち 、2つの側面部は、X-Z平面に略平行になって り、他の2つの側面部は、Y-Z平面に略平行に っている(図2参照)。以下、X軸方向、Y軸方 を、それぞれ左右方向、上下方向と称する ともに、出力部材10のY軸に直交する2つの側 部をそれぞれ上面部10a、下面部10bと称して 明する。

 駆動部20は、出力部材10を固定筒1に対して 動する部分である。
 図2(a)に示すように、圧電アクチュエータ4 駆動部20は、支持部21、加圧用アクチュエー 30、駆動用アクチュエータ40等を備えている 。
 加圧用アクチュエータ30及び駆動用アクチ エータ40は、Y軸(上下)方向に配列され、出力 部材10は、加圧用アクチュエータ30と駆動用 クチュエータ40との間を通過して配置されて いる。加圧用アクチュエータ30は、出力部材1 0の上面部10aに対向して配置され、駆動用ア チュエータ40は、出力部材10の下面部10bに対 して配置されている。

 支持部21は、加圧用アクチュエータ30及び 駆動用アクチュエータ40を支持する部分であ 、固定筒1に固定されている。これによって 、加圧用アクチュエータ30及び駆動用アクチ エータ40が固定筒1に固定される。

 支持部21は、駆動用アクチュエータ40を支持 する部分である固定部22と、加圧用アクチュ ータ30を支持する部分である調整部23とを備 えている。
 固定部22は、図2(a)に示すように、固定筒1に 形成された取付面部1aに対向する取付面部22a 、この取付面部22aに直交する支持面部22bと 備えた板状部材であり、光軸Aに直交する断 面形状が略L字型になっている。固定部22は、 取付面部22aに貫通孔H1を備えており、この貫 孔H1を貫通する複数本(例えば、2~4本程度)の ビスV2によって、固定筒1に固定される(なお 図2においてビスV2は1本のみを示す)。

 調整部23は、固定筒1の取付面部1aに対向 る取付面部23aと、この取付面部23aに直交す 支持面部23bとを備えた断面L字型である板状 材である。調整部23は、ビスV3によって固定 部22に固定される。固定部22には、取付面部22 aにビスV3が貫通する貫通孔H2が形成されてい 。貫通孔H2は、Y軸に平行な長孔になってお 、調整部23の固定部22に対する取り付け位置 をY軸方向で調節することができる。これに って、支持部21は、加圧用アクチュエータ30 駆動用アクチュエータ40との間の距離(図2(a) において、符号Dを付す)を微調整することが きるようになっている。

 加圧用アクチュエータ30は、出力部材10を駆 動用アクチュエータ40に対して押圧するもの あり、図2(b)に示すように、一組の圧電素子 31、32と摺動部材33とを備えている。
 一組の圧電素子31、32、及び、摺動部材33は それぞれ平面視で正方形又は長方形の板状 形成されている。これらの圧電素子31、32の 両面には、それぞれ銀電極(図示省略)が設け れている。一方の圧電素子31は、電極板34を 介して調整部23の支持面部23bに対向して配置 れている。摺動部材33は、出力部材10の上面 部10aに対向して配置されている。他方の圧電 素子32は、一方の圧電素子31と摺動部材33との 間に配置されている。

 一組の圧電素子31、32の間、及び、他方の 圧電素子32と摺動部材33との間にも、それぞ 電極板35、36が配置されている。電極板34及 電極板36は、それぞれ接地されたGND電極であ る。電極板35は、直流電圧である駆動信号が 示しない駆動回路のB相から印加される駆動 電極である。

 圧電素子31、32は、図3(a)に矢印P1を付して示 すように、Y軸に平行な方向(光軸Aに直交する 方向)に分極されたPZT(チタン酸ジルコン酸鉛) 圧電体である。一方の圧電素子31の分極方向 他方の圧電素子32の分極方向は、それぞれ 方向になっている。一組の圧電素子31、32は 図3(a)、(b)に示すように電極板35に駆動信号( B相駆動信号)が印加された場合にd33の圧電効 によって、それぞれ当該信号の印加方向(Y 方向)に寸法が変化する。
 加圧用アクチュエータ30は、一組の圧電素 31、32のY軸方向の寸法が変化することによっ て、摺動部材33が出力部材10を加圧する加圧 態(図3(a)参照)と、摺動部材33が出力部材10か 離間しての加圧を解除した非加圧状態(図3(b )参照)との間とを移行する。なお、本実施形 の加圧用アクチュエータ30は、フォーカス ンズ群2を駆動するとき以外は、常時加圧状 にある。

 駆動用アクチュエータ40は、出力部材10を光 軸方向(Z軸方向)に駆動するものであり、一組 の圧電素子41、42と摩擦部材43とを備えている 。
 一組の圧電素子41、42、及び、摩擦部材43は それぞれ平面視で正方形又は長方形の板状 形成されている。これらの圧電素子41、42の 両面には、それぞれ銀電極(図示省略)が設け れている。一方の圧電素子41は、電極板44を 介して固定部22の支持面部22bに対向して配置 れている。摩擦部材43は、出力部材10の下面 部10bに対向して配置されている。他方の圧電 素子42は、一方の圧電素子41と摩擦部材43との 間に配置されている。

 一組の圧電素子41、42の間、及び、他方の 圧電素子42と摩擦部材43との間にも、それぞ 電極板45、46が配置されている。電極板44及 電極板46は、それぞれ接地されたGND電極であ る。電極板45は、直流電圧である駆動信号が 示しない駆動回路のA相から印加される駆動 電極である。

 圧電素子41、42は、図2(a)に矢印P2を付して示 すように、Z軸に平行な方向(光軸Aに平行な方 向)に分極されたPZT圧電体である。一方の圧 素子41の分極方向と他方の圧電素子42の分極 向は、それぞれ逆方向になっている。一組 圧電素子41、42は、図3(b)に示すように電極 45に駆動信号(A相駆動信号)が印加された場合 にd15の圧電効果によって、それぞれ当該信号 の印加方向に直交する方向(Z軸方向)に変位す る。
 駆動用アクチュエータ40は、一組の圧電素 41、42がZ軸方向に変位することによって摩擦 部材43がZ軸方向に移動し、摩擦力によって出 力部材10がZ軸方向に移動する。

 ここで、出力部材10と摺動部材33との間の摩 擦力、及び、出力部材10と摩擦部材43との間 摩擦力について説明する。
 摺動部材33は、例えば、PTFE(ポリテトラフル オロエチレン)含有ポリオキシメチレンによ て形成され、摩擦部材43は、例えば、GF(ガラ ス繊維)含有ポリカーボネートによって形成 れている。
 そして、出力部材10を駆動する際に出力部 10と摩擦部材43との間に発生する摩擦力が、 力部材10と摺動部材33との間に発生する摩擦 力よりも大きくなるように、摩擦係数(静止 擦係数)が設定されている。具体的には、出 部材10と摩擦部材43との間の摩擦係数は、例 えば、0.5以上が好ましく、出力部材10と摺動 材33との間の摩擦係数は、例えば、0.3以下 あることが好ましい。

 次に、圧電アクチュエータ4に備えられた駆 動部20が出力部材10を駆動する際の動作を説 する。ここでは、一例として、出力部材10を プラスZ方向に駆動する際の動作を説明する
 図4は、図2に示す圧電アクチュエータの動 を示す図である。

〈状態(a):初期状態〉
 A相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V)、B相駆 動信号が低レベルの電圧値L(0V)の初期状態で る。
 駆動用アクチュエータ40は、Z軸方向の変位 発生していない状態となっている。一方の 圧用アクチュエータ30は、出力部材10を駆動 用アクチュエータ40に向けて押圧した状態と っている。したがって、出力部材10は、駆 部20に対して実質的に固定された状態になっ ている。圧電アクチュエータ4は、時刻aから 刻bまで、図4(a)に示す状態が続く。
 なお、圧電アクチュエータ4は、初期状態で 加圧用アクチュエータ30が出力部材10を加圧 きるように、加圧用アクチュエータ30と駆動 用アクチュエータ40との距離(図2(a)で符号Dを す)が予め出力部材10のY軸方向の寸法よりも 小さくなっている。圧電アクチュエータ4の み立て時に加圧用アクチュエータ30と駆動用 アクチュエータ40との間に出力部材10を通過 せる際には、加圧用アクチュエータ30にB相 動信号を印加してY軸方向の寸法を短くし、 の状態で加圧用アクチュエータ30と駆動用 クチュエータ40との間に出力部材10を挿入す 。

〈状態(b):駆動用アクチュエータ変位〉
 A相駆動信号が高レベルの電圧値H(正の所定 圧値)、B相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V) の状態である。
 加圧用アクチュエータ30が出力部材10を駆動 用アクチュエータ40に向けて押圧した状態でA 相駆動信号が印加されると、駆動用アクチュ エータ40は、圧電素子41、42がプラスZ方向に れぞれ変位する。
 前述のように、摩擦部材43と出力部材10との 間の摩擦力は、摺動部材33と出力部材10との の摩擦力よりも大きいので、圧電素子41、42 Z軸方向への変位に応じて摩擦部材43がZ軸方 向へ移動する場合、出力部材10は、摺動部材3 3に摺動しながらプラスZ方向に直進移動する これによってフォーカスレンズ群2が光軸方 向に直進移動する。圧電アクチュエータ4は 時刻bから時刻cまでの間、図4(b)に示す状態 続く。

〈状態(c):加圧用アクチュエータ変位〉
 A相駆動信号が高レベルの電圧値H(正の所定 圧値)、B相駆動信号が高レベルの電圧値H(正 の所定電圧値)の状態である。
 駆動用アクチュエータ40が変位したままの 態で加圧用アクチュエータ30にB相駆動信号 入力され、これによって加圧用アクチュエ タ30の圧電素子31、32がそれぞれ変位する。 して、圧電素子31、32の変位に応じて、摺動 材33が出力部材10から離間し、加圧用アクチ ュエータ30による出力部材10の押圧が解除さ る。圧電アクチュエータ4は、時刻cから時刻 dまでの間、図4(c)に示す状態が続く。

〈状態(d):駆動用アクチュエータ復帰〉
 A相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V)、B相駆 動信号が高レベルの電圧値H(正の所定電圧値) の状態である。
 出力部材10の押圧が解除された状態でA相駆 信号を解除すると、駆動用アクチュエータ4 0の圧電素子41、42が状態(a)のときの位置にそ ぞれ復帰する。このとき、摩擦部材43と出 部材10とは接触状態であるが、加圧用アクチ ュエータ30による加圧力が作用していないた 、摩擦部材43と出力部材10との間に発生する 摩擦力が実質的に無視できる程度に小さくな る。したがって、駆動用アクチュエータ40の 電素子41、42が変位しても出力部材10がZ軸方 向に移動することがない。圧電アクチュエー タ4は、時刻dから時刻eまでの間、図4(d)に示 状態が続く。

〈状態(e):初期状態〉
 状態(a)と同じくA相駆動信号が低レベルの電 圧値L(0V)、B相駆動信号が低レベルの電圧値L(0 V)の初期状態である。圧電アクチュエータ4は 、初期状態(a)から初期状態(e)に復帰するまで の動作を1サイクルとし、この1サイクルの周 は、例えば、20kHz以上の超音波領域に設定 れている。これにより、圧電アクチュエー 4は、高速で出力部材10、すなわち、フォー スレンズ群2を光軸方向に駆動する。また、 電素子31、32、41、42を超音波領域のサイク で変位させるので、静音性にも優れる。

 なお、出力部材10を図4に示す場合とは逆の 向(マイナスZ方向)に駆動する際には、上述 たサイクル((a)、(b)、(c)、(d)、(e)の順序)と 、逆の順序((e)、(d)、(c)、(b)、(a)の順序)で圧 電アクチュエータ4を駆動すればよい。
 すなわち、初期状態(状態(e))から、まず、 圧用アクチュエータ30による押圧を解除し( 態(d))、この状態で駆動用アクチュエータ40 変位(状態(c))させる(出力部材10は移動しない )。この後、加圧用アクチュエータ30によって 出力部材10を押圧し(状態(b))、駆動用アクチ エータ40を初期位置に復帰させる(状態(a))。

 以上説明した第1実施形態の圧電アクチュエ ータ4によれば、以下の効果を得ることがで る。
(1)圧電アクチュエータ4は、出力部材10を駆動 する駆動用アクチュエータ40、及び、出力部 10を駆動用アクチュエータ40に対して加圧す る加圧用アクチュエータ30の2つのアクチュエ ータによって出力部材10を駆動する簡単な構 なので、小型化が可能である。
(2)摩擦部材43が常時、出力部材10に接触して るので、摺動部材33が出力部材10から離間し も、出力部材10の姿勢が不安定になること 抑制できる。
(3)レンズ鏡筒100は、フォーカスレンズ群2を 電アクチュエータ4によってダイレクトに駆 するので、例えば、カム機構やヘリコイド 構等の回転-直進変換機構によって駆動する 場合に比べ、変換損失を抑制することができ 、エネルギー効率が向上する。

[第2実施形態]
 次に、本発明を適用した圧電アクチュエー の第2実施形態について説明する。この第2 施形態及び後述するその他の実施形態にお て、上述した第1実施形態と同様な機能を果 す部分には、同一の符号又は末尾に統一し 符号を付して、重複する説明や図面を適宜 略する。

 図5は、第2実施形態の圧電アクチュエータ 示す図である。
 この図5において、(a)は、圧電アクチュエー タをZ軸方向(光軸方向)からみた断面図であり 、(b)は、圧電アクチュエータをX軸方向(光軸A に直交する方向)からみた断面図である。
 第2実施形態の圧電アクチュエータ104は、第 1実施形態の圧電アクチュエータ4に対し、圧 素子の配置が異なる。以下、第2実施形態の 圧電アクチュエータ104の圧電素子の配置につ いて説明する。

 圧電アクチュエータ104は、支持部21の固 部22に固定された第1のアクチュエータ130と 支持部21の調整部23に固定された第2のアクチ ュエータ140とを備えており、出力部材10は、 1のアクチュエータ130と第2のアクチュエー 140との間を通過している。

 第1のアクチュエータ130は、図5(b)に示すよ に、一組の加圧用圧電素子131a、131b、及び、 一組の駆動用圧電素子132a、132bを備えている 一方の加圧用圧電素子131aは、固定部22に取 付けられ、他方の加圧用圧電素子131bは、一 方の加圧用圧電素子131aの上に積層されてい 。
 また、一方の駆動用圧電素子132aは、他方の 加圧用圧電素子131bの上に積層され、他方の 動用圧電素子132bは、一方の駆動用圧電素子1 32aの上に積層されている。さらに、他方の駆 動用圧電素子132bの上には、摩擦部材133が積 されている。

 一組の加圧用圧電素子131a、131bの間、及 、一組の駆動用圧電素子132a、132bの間には、 駆動電極である電極板135a、135bがそれぞれ配 されている。また、一方の駆動用圧電素子1 32aと固定部22との間、他方の加圧用圧電素子1 31bと一方の駆動用圧電素子132aとの間、及び 他方の駆動用圧電素子132bと摩擦部材133と間 は、それぞれGND電極である電極板134a、134b 134cが配置されている。

 一組の加圧用圧電素子131a、131bは、第1実施 態の加圧用アクチュエータ30に備えられた 組の圧電素子31、32と同様のものであり、電 板135aにB相駆動信号が入力されることによ て、その厚さ方向(Y軸方向)に変位する。
 一組の駆動用圧電素子132a、132bは、第1実施 態の駆動用アクチュエータ40と同様のもの あり、電極板135bにA相駆動信号が入力される ことによって、その厚さ方向に直交する方向 (Z軸方向)に変位する。

 第2のアクチュエータ140は、その配置が異 なる以外は第1のアクチュエータ130と実質的 同じものなので、その説明を省略する。こ 第2のアクチュエータ140には、第1のアクチュ エータ130と同様に摩擦部材143が設けられ、出 力部材10は、一組の摩擦部材133、143にそれぞ 接触している。

 次に、圧電アクチュエータ104の動作を説明 る。
 図6は、図5に示す圧電アクチュエータの動 を示す図である。
〈状態(a):初期状態〉
 A相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V)、B相駆 動信号が低レベルの電圧値L(0V)の状態である
 この状態(a)では、第1のアクチュエータ130に 備えられた加圧用圧電素子131a、131b、及び、 2のアクチュエータ140に備えられた加圧用圧 電素子141a、141bが出力部材10をそれぞれ相手 に向けて押圧している。圧電アクチュエー 104は、時刻aから時刻bまで、図6(a)に示す状 が続く。

〈状態(b):駆動用圧電素子変位〉
 A相駆動信号が高レベルの電圧値H(正の所定 圧値)、B相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V) の状態である。
 加圧用圧電素子131a、131b、141a、141bが出力部 材10を互いに押圧した状態でA相駆動信号が入 力されると、第1のアクチュエータ130に備え れた駆動用圧電素子132a、132b、及び、第2の クチュエータ140に備えられた駆動用圧電素 142a、142bがそれぞれプラスZ方向に変位し、 れによって出力部材10が光軸方向に移動する 。圧電アクチュエータ104は、時刻bから時刻c で、図6(b)に示す状態が続く。

〈状態(c):加圧用圧電素子変位〉
 A相駆動信号が高レベルの電圧値H(正の所定 圧値)、B相駆動信号が高レベルの電圧値H(正 の所定電圧値)の状態である。
 駆動用圧電素子132a、132b、142a、142bがそれぞ れ変位したままの状態でB相駆動信号が入力 れると、これに応じて加圧用圧電素子131a、1 31b、141a、141bは、それぞれY軸方向の寸法が小 さくなる方向に変位する。そして、これらの 圧電素子の変位に応じて摩擦部材133、143がそ れぞれ出力部材10から離間する。なお、摩擦 材133、143が出力部材10から離間してから再 接触するまでの時間は、極めて短いので、 重等によって出力部材10の姿勢が不安定に可 能性は実質的に無視できる。圧電アクチュエ ータ104は、時刻cから時刻dまで、図6(c)に示す 状態が続く。

〈状態(d):駆動用圧電素子復帰〉
 A相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V)、B相駆 動信号が高レベルの電圧値H(正の所定電圧値) の状態である。
 出力部材10の押圧が解除された状態でA相駆 信号を解除すると、加圧用圧電素子131a、131 b、141a、141bは、それぞれ状態(a)の初期状態の 位置に復帰する。このとき、摩擦部材133、143 と出力部材10とは、それぞれ非接触状態であ ので、出力部材10は、Z軸方向に移動するこ がない。圧電アクチュエータ104は、時刻dか ら時刻eまで、図6(d)に示す状態が続く。

〈状態(e):初期状態〉
 状態(a)と同じA相駆動信号が低レベルの電圧 値L(0V)、B相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V) 初期状態である。

 第2実施形態の圧電アクチュエータ104は、2 のアクチュエータ130、140が協働して出力部 10を駆動するので高い出力が得られる。した がって、第1実施形態と同じ出力をより小型 圧電素子で得ることができ、圧電アクチュ ータ104を全体的に小型化することができる
 また、第1実施形態の圧電アクチュエータ4 おいて、駆動用アクチュエータ40は、加圧用 アクチュエータ30に備えられた摺動部材33と 力部材10との間の摩擦力に抗して出力部材10 駆動するのに対し、第2実施形態の圧電アク チュエータ104は、駆動用圧電素子132a、132b、1 42a、142bの変位がロス無く出力部材10に伝達さ れるので効率がよい。

[第3実施形態]
 次に、本発明を適用した圧電アクチュエー の第3実施形態について説明する。
 図7は、第3実施形態の圧電アクチュエータ 示す図である。
 第3実施形態の圧電アクチュエータ204は、第 2実施形態と同様に第1のアクチュエータ130及 第2のアクチュエータ140によって出力部材10 駆動するが、支持部221が第1のアクチュエー タ130及び第2のアクチュエータ140に加えて出 部材10も支持している点が異なる。

 支持部221は、第1のアクチュエータ130を支持 する第1支持部222と、第2のアクチュエータ140 支持する第1支持部223と、出力部材10を支持 る第3支持部224を備えている。
 第3支持部224は、Z軸に略直交(光軸Aに略直交 )する板状の部分であり、固定筒1(図5(a)参照) 固定されている。
 第3支持部224の中央部には、出力部材10の上 方向寸法、左右方向寸法よりも上下方向寸 、左右方向寸法が大きい貫通穴225が形成さ ている。そして、この貫通穴225の内側面側 は、出力部材10の外側面と接触する摩擦部 226が固定されている。摩擦部材226の形状は に限定されず、図7に示すように、出力部材1 0の上下の面部にのみ接触させてもよいし、 力部材10の上下左右の全ての面部に接触させ てもよい。

 ここで、出力部材10と摩擦部材226との間の 擦係数は、第1のアクチュエータ130及び第2の アクチュエータ140がそれぞれ出力部材10から 間した状態(図6の状態(c)、(d)参照)であって 、出力部材10の自重によるZ軸方向への移動 抑制できる程度の摩擦力を発生するように 定されている。
 ただし、この摩擦部材226と出力部材10との の摩擦係数は、出力部材10を光軸方向に駆動 する際(図6の状態(b)参照)に摩擦部材226と出力 部材10との間に発生する摩擦力が、第1のアク チュエータ130及び第2のアクチュエータ140に えられた摩擦部材133、143と出力部材10との間 に発生する摩擦力よりも小さくなるように設 定されている。

 第3実施形態の圧電アクチュエータ204の動作 は、第2実施形態の圧電アクチュエータ104と 質的に同じであるので、その説明は省略す 。
 第3実施形態の圧電アクチュエータ204は、第 1のアクチュエータ130及び第2のアクチュエー 140に備えられた摩擦部材133、143が出力部材 ら離間する際(図6の状態(c)及び(d)参照)であ ても、出力部材10が常時摩擦部材226に支持 れているので、出力部材をより安定して駆 することができる。

[第4実施形態]
 次に、本発明を適用した圧電アクチュエー の第4実施形態について説明する。
 図8は、第4実施形態の圧電アクチュエータ 示す図である。
 第4実施形態の圧電アクチュエータ304は、第 2実施形態と同様に出力部材10を駆動する第1 アクチュエータ130及び第2のアクチュエータ1 40によって駆動する。また、圧電アクチュエ タ304は、出力部材10を挟み込んで配置され 第3のアクチュエータ330及び第4のアクチュエ ータ340を備えている。

 第3のアクチュエータ330は、第1のアクチュ ータ130に対して光軸方向に隣接した状態で 持部322に支持されている。第4のアクチュエ タ340は、第2のアクチュエータ140に対して光 軸方向に隣接した状態で支持部323に支持され ている。
 第3のアクチュエータ330は、第1のアクチュ ータ130に備えられた加圧用圧電素子131a、131b と同様の構成を有する1組の加圧用圧電素子 2つ、Y軸方向に積層して形成されており、合 計で4枚の加圧用圧電素子331a~dを備えている 加圧用圧電素子331aと加圧用圧電素子331bとの 間、及び、加圧用圧電素子331cと加圧用圧電 子331dとの間には、それぞれ駆動電極である 極板334a、334bが配置されており、これらの 極板344a、344bにC相駆動信号が入力されると 第3のアクチュエータ330は、Y軸方向の寸法が 長くなる方向に変位する。
 第4のアクチュエータ340の構成は、第3のア チュエータ330と実質的に同一である。

 第3のアクチュエータ330及び第4のアクチュ ータ340は、4枚の加圧用圧電素子の上に積層 れた摩擦部材333、343をそれぞれ備えている
 この摩擦部材333、343と出力部材10との間の 擦係数は、第1のアクチュエータ130及び第2の アクチュエータ140がそれぞれ出力部材10から 間した状態(図9の状態(c)、(d)参照)であって 、出力部材10の自重によるZ軸方向への移動 抑制できる程度の摩擦力が発生するように 定されている。

 図9は、図8に示す圧電アクチュエータの動 を示す図である。
〈状態(a):初期状態〉
 A相駆動信号、B相駆動信号及びC相駆動信号 、いずれも低レベルの電圧値L(0V)の初期状 である。
 この初期状態において、第1のアクチュエー タ130及び第2のアクチュエータ140は、出力部 10をそれぞれ相手方に向けて加圧している。 これに対し、第3のアクチュエータ330及び第4 アクチュエータ340は、それぞれの摩擦部材3 33、334が出力部材10から離間している。圧電 クチュエータ304は、時刻aから時刻bまで、図 9(a)に示す状態が続く。

〈状態(b):駆動用アクチュエータ変位〉
 A相駆動信号が高レベルの電圧値H(正の所定 圧値)、B相駆動信号及びC相駆動信号が低レ ルの電圧値L(0V)の状態である。
 A相に駆動信号が入力され、第1のアクチュ ータ130及び第2のアクチュエータ140は、それ れZ軸方向に変位し、出力部材10は、これに じて光軸方向に駆動される。圧電アクチュ ータ304は、時刻bから時刻cまで、図9(b)に示 状態が続く。

〈状態(c):加圧用アクチュエータ切替〉
 A相駆動信号、B相駆動信号及びC相駆動信号 、いずれも高レベルの電圧値H(正の所定電 値)の状態である。
 A相に加えてB相及びC相にそれぞれ駆動信号 入力される。第1のアクチュエータ130及び第 2のアクチュエータ140は、Z軸方向への変位を 持したまま、それぞれY軸方向の寸法が短く なる方向に変位し、摩擦部材133、134が出力部 材10からそれぞれ離間する。また、これと略 時に第3のアクチュエータ330及び第4のアク ュエータ340は、それぞれY軸方向の寸法が長 なる方向に変位し、出力部材10を互いの方 に向けて加圧することによって出力部材10を 実質的に固定筒1に固定する。圧電アクチュ ータ304は、時刻cから時刻dまで、図9(c)に示 状態が続く。

〈状態(d):駆動用アクチュエータ復帰〉
 A相駆動信号が低レベルの電圧値L(0V)、B相駆 動信号及びC相駆動信号が高レベルの電圧値H( 正の所定電圧値)の状態である。
 第3のアクチュエータ330及び第4のアクチュ ータ340が出力部材10を保持した状態でA相に する駆動信号が解除され、第1のアクチュエ タ130及び第2のアクチュエータ140は、それぞ れ(a)の初期状態と同じ状態に復帰する。圧電 アクチュエータ304は、時刻dから時刻eまで、 9(d)に示す状態が続く。

〈状態(e):初期状態〉
 A相駆動信号、B相駆動信号及びC相駆動信号 、いずれも低レベルの電圧値L(0V)の初期状 である。
 B相及びC相に対する駆動信号が解除され、 3のアクチュエータ330及び第4のアクチュエー タ340は、これに応じて出力部材10の保持を解 する。また、これと略同時に第1のアクチュ エータ130及び第2のアクチュエータ140は、Y軸 向の寸法が長くなる方向に変位し、出力部 10を保持する。

 以上説明した第4実施形態の圧電アクチュエ ータ304によれば、第2実施形態と同様の効果 加え、出力部材10を常時保持しているので、 第3実施形態の圧電アクチュエータ204と同様 、出力部材10を安定して駆動させることがで きる。
 また、第3実施形態の圧電アクチュエータ204 は、摩擦部材226と出力部材10との間の摩擦力 抗して出力部材10を駆動するのに対し、第4 施形態の圧電アクチュエータ304は、駆動用 電素子132a、132b、142a、142bの変位がロス無く 出力部材10に伝達されるので効率がよい。

[変形形態]
 本発明は、以上説明した実施形態に限定さ ることなく、以下に示すような種々の変形 変更が可能であり、これらも本発明の技術 範囲内に含まれる。
(1)実施形態の圧電アクチュエータは、レンズ 鏡筒に備えられたフォーカスレンズを固定筒 に対して駆動するものであったが、圧電アク チュエータによる駆動対象はこれに限られず 、例えば、ズームレンズ等の他の光学系を駆 動対象としてもよい。また、駆動対象の駆動 方向は、光軸に平行な方向に限らず、例えば 、光軸と交差する方向でもよく、例えば、ブ レ補正レンズを光軸に垂直な面内で駆動する のに用いてもよい。さらに、圧電アクチュエ ータの駆動対象は、レンズに限られない。ま た、実施形態において、圧電アクチュエータ はレンズ鏡筒に備えられたが、この種の光学 機器に限らず、例えば、X-Yステージやプリン タ装置等の各種電子機器に備えられてもよい 。
(2)実施形態の圧電アクチュエータは、固定筒 に固定された駆動部が出力部材を固定筒に対 して駆動する構成であったが、これに限らず 、出力部材が固定され、この固定部材に対し て駆動部が移動するようにしてもよい。
(3)第1実施形態において、加圧用アクチュエ タに備えられた摺動部材は、非加圧状態で 力部材から離間したが、駆動用アクチュエ タが駆動時とは反対の方向に変位する際に 力部材を摩擦部材に対して押圧しなければ これに限らず、摺動部材に接触していても い。
(4)第1実施形態の圧電アクチュエータは、出 部材の上下の面部を挟んで加圧用、駆動用 アクチュエータが設けられたが、これに加 て左右の面部を挟んで加圧用、駆動用のア チュエータを設けてもよい。
(5)実施形態の出力部材は、駆動方向に直交す る断面が矩形であったが、これに限らず円形 や、四角形以外の多角形でもよい。
(6)実施形態において、駆動用アクチュエータ 及び加圧用アクチュエータは、光軸方向の位 置が略同じであったが、これに限らず、光軸 方向の位置が異なっていてもよい。
(7)各実施形態において、加圧用圧電素子及び 駆動用圧電素子は、それぞれ分極方向が反対 である一組の圧電素子によって構成されてい たが、これに限らず、一枚の圧電素子や、3 以上の圧電素子で構成されていてもよい。

 4 圧電アクチュエータ : 10 出力部材 : 30 加圧用アクチュエータ : 31、32 加圧用 電素子 : 40 駆動用アクチュエータ : 41、4 2 駆動用圧電素子 : 100 レンズ鏡筒




 
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