Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PISTON COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/156101
Kind Code:
A1
Abstract:
A rear part of a rotating shaft (22) of a piston compressor (10) is formed as a rotary valve (35). The rotary valve (35) causes a suction pressure region (14b) to sequentially communicate with suction paths (33). As a result, refrigerant is introduced from the suction pressure region (14b) into each rear compression chamber (29a). The rotary valve (35) has a suction cutout (40). The suction cutout (40) always communicates with the suction pressure region (14b). The suction cutout (40) causes the suction pressure region (14b) to sequentially communicate with the suction paths (33). The suction cutout (40) is formed by cutting the rear part of the rotating shaft (22) from a rear end surface (22b) of the rotating shaft (22) up to a position facing the entire region of a suction path entrance (33a).

Inventors:
MITSUI TSUBASA (JP)
BANNO NOBUTOSHI (JP)
YAGI KIYOSHI (JP)
HIROTA SUGURU (JP)
SUZUKI YASUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061101
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 18, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOYOTA JIDOSHOKKI KK (JP)
MITSUI TSUBASA (JP)
BANNO NOBUTOSHI (JP)
YAGI KIYOSHI (JP)
HIROTA SUGURU (JP)
SUZUKI YASUSHI (JP)
International Classes:
F04B27/08
Foreign References:
JP2007138925A2007-06-07
JPH09151846A1997-06-10
JPH05312146A1993-11-22
JPH0566066A1993-03-19
JP2007270790A2007-10-18
Attorney, Agent or Firm:
ONDA, Hironori et al. (Ohmiya-cho 2-chome Gifu-sh, Gifu 31, JP)
Download PDF:
Claims:
 ピストン圧縮機であって、前記ピストン圧縮機は、
 前記ピストン圧縮機のフロントとリヤを規定する回転シャフトと、
 ハウジングであって、前記ハウジングはリヤ軸孔、複数のシリンダボア、複数の吸入通路、および吸入圧領域を有し、前記リヤ軸孔は前記回転シャフトを回転可能に支持するように前記回転シャフトの後部を収容し、前記リヤ軸孔の周面は、前記回転シャフトの後部を回転可能に支持し、複数の前記シリンダボアは前記リヤ軸孔の周囲に配列されることと、
 前記シリンダボアにそれぞれ収容される複数のピストンであって、前記ピストンは前記シリンダボア内にリヤ圧縮室を区画形成することと、
 前記回転シャフトと一体回転するカム体であって、前記カム体は前記回転シャフトの回転運動を各々の前記ピストンの往復運動に変換することと、
を備え、
 各々の前記吸入通路は、前記リヤ軸孔を各々の前記リヤ圧縮室に連通し、各々の前記吸入通路は前記リヤ軸孔の周面において開口する吸入通路入口を有し、前記吸入圧領域は前記リヤ軸孔よりもリヤに位置し、前記リヤ軸孔の周面はシール周面を有し、前記シール周面は、前記回転シャフトのリヤ端面と、前記吸入通路入口との間において、前記リヤ軸孔の周面と、前記回転シャフトの周面との間をシールし、
 前記回転シャフトの後部はロータリバルブとして形成され、前記ロータリバルブは前記吸入圧領域を複数の吸入通路に順次連通させることによって、前記吸入圧領域から各々の前記リヤ圧縮室に冷媒を導入し、前記ロータリバルブは吸入切欠を有し、前記吸入切欠は前記吸入圧領域に常時連通し、前記吸入切欠は前記吸入圧領域を各々の前記吸入通路に順次連通させ、前記吸入切欠は、前記回転シャフトの後部を、前記回転シャフトの前記リヤ端面から、前記吸入通路入口全体に対向する位置まで切削することによって形成される、ピストン圧縮機。
 前記回転シャフトは、前記吸入切欠において前記回転シャフトの軸方向に延びる平面を有する、請求項1に記載のピストン圧縮機。
 前記回転シャフトは、前記平面を前記回転シャフトの周面に接続する切欠接続面を有し、前記切欠接続面は前記平面と前記回転シャフトの周面の間で緩やかに湾曲する、請求項1または2に記載のピストン圧縮機。
 前記ピストンは両頭ピストンであり、前記両頭ピストンは前記シリンダボア内にフロント圧縮室も区画形成し、前記フロント圧縮室への冷媒吸入構造は差圧開閉弁である、請求項1~3の何れか一項に記載のピストン圧縮機。
 ピストン圧縮機であって、前記ピストン圧縮機は、
 回転シャフトであって、前記回転シャフトは第1端と、第1端とは反対側の第2端面とを有することと、
 ハウジングであって、前記ハウジングは軸孔、複数のシリンダボア、複数の吸入通路、および吸入圧領域を有し、前記軸孔は前記回転シャフトを回転可能に支持するように前記第2端面を収容し、前記第1端は前記ハウジングの外部に突出し、複数の前記シリンダボアは前記軸孔の周囲に配列され、各々の前記吸入通路はそれぞれ対応する前記シリンダボアを前記軸孔に連通し、各々前記吸入通路は前記軸孔の周面において開口する吸入通路入口を有し、前記第1端と前記吸入圧領域の間に前記第2端面が位置することと、
 前記シリンダボアにそれぞれ収容される複数のピストンであって、各々の前記ピストンは前記シリンダボア内に圧縮室を区画形成し、前記回転シャフトの回転運動は前記ピストンの往復運動に変換されることと
を備え、
 前記回転シャフトの周面には、前記第2端面から前記吸入通路入口まで延びる吸入切欠が形成され、前記吸入切欠は前記吸入圧領域に常時連通し、前記吸入切欠は、前記回転シャフトの回転に連動して前記吸入圧領域を各々の前記吸入通路に順次連通させる、ピストン圧縮機。
 ピストン圧縮機のロータリバルブの製造方法であって、前記ピストン圧縮機は、
 回転シャフトであって、前記回転シャフトは第1端と、第1端とは反対側の第2端面とを有することと、
 ハウジングであって、前記ハウジングは軸孔、複数のシリンダボア、複数の吸入通路、および吸入圧領域を有し、前記軸孔は前記回転シャフトを回転可能に支持するように前記第2端面を収容し、前記第1端は前記ハウジングの外部に突出し、複数の前記シリンダボアは前記軸孔の周囲に配列され、各々の前記吸入通路はそれぞれ対応する前記シリンダボアを前記軸孔に連通し、各々前記吸入通路は前記軸孔の周面において開口する吸入通路入口を有し、前記第1端と前記吸入圧領域の間に前記第2端面が位置することと、
 前記シリンダボアにそれぞれ収容される複数のピストンであって、各々の前記ピストンは前記シリンダボア内に圧縮室を区画形成し、前記回転シャフトの回転運動は前記ピストンの往復運動に変換されることと、
を備え、
 前記製造方法は、前記回転シャフトの周面を、前記第2端面と前記吸入通路入口の間で切削することによって吸入切欠を形成することを含み、吸入切欠は前記吸入圧領域に常時連通し、前記吸入切欠は、前記回転シャフトの回転に連動して前記吸入圧領域を各々の前記吸入通路に順次連通させる、ピストン圧縮機のロータリバルブの製造方法。
 
Description:
ピストン圧縮機

 本発明は、ロータリバルブを備えるピス ン圧縮機に関する。ロータリバルブは、吸 圧領域を複数の圧縮室に順次連通させる。

 図5は、特許文献1に開示される両頭ピス ン圧縮機80を示す。複数の両頭ピストン82は フロントシリンダブロック81Aが有する複数 フロントシリンダボア91Aに、複数のフロン 圧縮室85Aを区画形成する。同様に、複数の 頭ピストン82は、リヤシリンダブロック81B 有する複数のリヤシリンダボア91Bに、複数 リヤ圧縮室85Bを区画形成する。回転シャフ 83は、フロントシリンダブロック81Aのフロン ト軸孔92Aと、リヤシリンダブロック81Bのリヤ 軸孔92Bとを貫通する。斜板84は、回転シャフ 83の回転運動を、各々の両頭ピストン82の往 復運動に変換する。

 フロントシリンダブロック81Aは、各々の ロント圧縮室85Aをフロント軸孔92Aに連通す 複数のフロント吸入通路90Aを有する。リヤ リンダブロック81Bは、各々のリヤ圧縮室85B リヤ軸孔92Bに連通する複数のリヤ吸入通路9 0Bを有する。

 回転シャフト83は、フロントロータリバ ブ86Aとリヤロータリバルブ86Bとを有する。 ロントロータリバルブ86Aは、リヤハウジン 93に位置する吸入室88を、各々のフロント圧 室85Aに順次連通する。リヤロータリバルブ8 6Bは、吸入室88を、各々のリヤ圧縮室85Bに順 連通する。

 回転シャフト83は軸内通路87、フロント窓通 路89A、およびリヤ窓通路89Bを有する。軸内通 路87は吸入室88に常時連通する。回転シャフ 83が回転することによって、フロント窓通路 89Aはフロント吸入通路90Aに間欠的に連通し、 またリヤ窓通路89Bはリヤ吸入通路90Bに間欠的 に連通する。フロント窓通路89Aとリヤ窓通路 89Bは、互いに周方向に180度反対に位置する。

特開2003-172253号公報

 軸内通路87は回転シャフト83の軸方向に延 び、リヤ窓通路89Bは径方向に延びる。つまり 軸内通路87とリヤ窓通路89Bは、互いに延びる 向が異なる2つの孔状通路である。リヤロー タリバルブ86Bの形成工程は、2つの加工工程 必要とする。まず軸内通路87を形成するため 、中実状態の回転シャフト83を、回転シャフ 83のリヤ端面から軸方向に孔開け加工する 次にリヤ窓通路89Bを形成するため、回転シ フト83の外周面から、径方向に窓空け加工、 すなわち孔開け加工する。つまりリヤロータ リバルブ86Bの形成工程は、2回の孔開け工程 必要とし、加工手間が掛かる。

 本発明の目的は、回転シャフトの切削工程 けでロータリバルブを形成できるピストン 縮機を提供することにある。
 本発明の一観点によれば、ピストン圧縮機 提供される。ピストン圧縮機は、ピストン 縮機のフロントとリヤを規定する回転シャ トを有する。ハウジングは、リヤ軸孔、複 のシリンダボア、複数の吸入通路、および 入圧領域を有する。リヤ軸孔は回転シャフ を回転可能に支持するように回転シャフト 後部を収容する。リヤ軸孔の周面は、回転 ャフトの後部を回転可能に支持する。複数 シリンダボアは、リヤ軸孔の周囲に配列さ る。複数のピストンは、シリンダボアにそ ぞれ収容される。各々のピストンは、シリ ダボア内にリヤ圧縮室を区画形成する。カ 体は、回転シャフトと一体回転する。カム は、回転シャフトの回転運動を、各々のピ トンの往復運動に変換する。各々の吸入通 は、リヤ軸孔を、各々のリヤ圧縮室に連通 る。各々の吸入通路は、リヤ軸孔の周面に いて開口する吸入通路入口を有する。吸入 領域は、リヤ軸孔よりもリヤに位置する。 ヤ軸孔の周面はシール周面を有する。シー 周面は、回転シャフトのリヤ端面と、吸入 路入口との間において、リヤ軸孔の周面と 回転シャフトの周面との間をシールする。 転シャフトの後部は、ロータリバルブとし 形成される。ロータリバルブは、吸入圧領 を複数の吸入通路に順次連通させる。その 果、吸入圧領域から、各々のリヤ圧縮室に 媒が導入される。ロータリバルブは吸入切 を有する。吸入切欠は吸入圧領域に常時連 する。吸入切欠は、吸入圧領域を各々の吸 通路に順次連通させる。吸入切欠は、回転 ャフトの後部を、回転シャフトのリヤ端面 ら、吸入通路入口全体に対向する位置まで 削することによって形成される。

 本発明の別の一観点によれば、ピストン 縮機のロータリバルブの製造方法が提供さ る。ピストン圧縮機は、回転シャフトを備 る。回転シャフトは第1端と、第1端とは反 側の第2端面とを有する。ハウジングは、軸 、複数のシリンダボア、複数の吸入通路、 よび吸入圧領域を有する。軸孔は、回転シ フトを回転可能に支持するように、第2端面 を収容する。第1端は、ハウジングの外部に 出する。複数のシリンダボアは、軸孔の周 に配列される。各々の吸入通路は、それぞ 対応するシリンダボアを軸孔に連通する。 々吸入通路は、軸孔の周面において開口す 吸入通路入口を有する。第1端と吸入圧領域 間に、第2端面が位置する。複数のピストン は、シリンダボアにそれぞれ収容される。各 々のピストンは、シリンダボア内に圧縮室を 区画形成する。回転シャフトの回転運動は、 ピストンの往復運動に変換される。製造方法 は、回転シャフトの周面を、第2端面と吸入 路入口の間で切削することによって吸入切 を形成することを含む。吸入切欠は、吸入 領域に常時連通する。吸入切欠は、回転シ フトの回転に連動して、吸入圧領域を各々 吸入通路に順次連通させる。

本発明に係る一実施形態に係るピスト 圧縮機の縦断面図。 図2(a)は、図1の回転シャフトの側面図 図2(b)は、図2(a)の回転シャフトを90°回転し 側面図。 図1の3-3線断面図。 図1の要部拡大図。 背景技術のロータリバルブを有する圧 機の縦断面図。

 図1~図4は、本発明を具体化した一実施形 に係る圧縮機10を示す。圧縮機10は、固定容 量型の両頭ピストン圧縮機である。図1の左 は、圧縮機10のフロントを示し、図1の右方 、圧縮機10の後部を示す。

 図1に示すように、圧縮機10は、フロント らリヤに向かって順に、フロントハウジン 13、フロントシリンダブロック11、リヤシリ ンダブロック12、およびリヤハウジング14を する。複数の締付ボルトBが、フロントシリ ダブロック11、リヤシリンダブロック12、フ ロントハウジング13、およびリヤハウジング1 4を締付け固定する。その結果、これらフロ トハウジング13、フロントシリンダブロック 11、リヤシリンダブロック12、およびリヤハ ジング14は、互いに接合され、圧縮機10のハ ジングを構成する。本実施形態では、締付 ルトBは5本である。フロントハウジング13と リヤハウジング14は、それぞれ5個ずつボルト 通孔BHを有する。各々の締付ボルトBの先端の ネジ部BNは、それぞれボルト通孔BHを通過し 、リヤハウジング14に螺合される。

 フロントハウジング13はフロント吐出室13 a、フロント吸入室13b、およびフロント連通 R1を有する。フロント吸入室13bは、フロント 連通路R1によってボルト通孔BHに接続される リヤハウジング14には、リヤ吐出室14a、リヤ 吸入室14b、およびが形成される。フロント吐 出室13aとリヤ吐出室14aは、それぞれ圧縮機10 吐出圧領域である。フロント吸入室13bとリ 吸入室14bは、それぞれ圧縮機10の吸入圧領 である。フロントシリンダブロック11は、吸 入孔Pと吐出孔(図示略)を有する。吸入孔Pと 出孔は、外部冷媒回路(図示略)に接続される 。

 圧縮機10と外部冷媒回路は、車両空調装 の冷凍回路を構成する。外部冷媒回路は、 入孔Pから吐出孔に向かって順に、コンデン (図示略)、膨張弁(図示略)、およびエバポレ ータ(図示略)を有する。

 フロントハウジング13とフロントシリン ブロック11の間には、フロントからリヤに向 かって順に、リテーナ形成プレート17、吐出 形成プレート16、フロントバルブプレート15 、および吸入弁形成プレート18が配置される フロントバルブプレート15は、フロント吐 室13aに連通可能なフロント吐出ポート15aと フロント吸入室13bに連通可能な吸入ポート15 bとを有する。吐出弁形成プレート16は、フロ ント吐出ポート15aを開閉するフロント吐出弁 16aを有する。リテーナ形成プレート17は、フ ント吐出弁16aの開度を規制するフロントリ ーナ17aを有する。吸入弁形成プレート18は 吸入ポート15bを開閉するフロント吸入弁18a 有する。フロントシリンダブロック11は、フ ロント吸入弁18aの開度を規制する壁面を形成 するための規制切欠11cを有する。

 リヤシリンダブロック12とリヤハウジン 14の間には、フロントからリヤに向かって順 に、リヤバルブプレート19、吐出弁形成プレ ト20、およびリテーナ形成プレート21が配置 される。リヤバルブプレート19は、リヤ吐出 14aに連通可能なリヤ吐出ポート19aを有する 吐出弁形成プレート20は、リヤ吐出ポート19 aを開閉するリヤ吐出弁20aを有する。リテー 形成プレート21は、リヤ吐出弁20aの開度を規 制するリヤリテーナ21aを有する。

 フロント吐出弁16a、フロント吸入弁18a、 よびリヤ吐出弁20aは、それぞれフラップ弁 あり、差圧開閉弁として機能する。たとえ フロント吸入弁18aは、フロント吸入室13bと ロントシリンダブロック11の間の差圧によ て開閉する。つまりフロントシリンダブロ ク11への冷媒吸入構造は、差圧開閉弁である 。

 フロントシリンダブロック11は、中央部 貫通するフロント軸孔11aを有する。リヤシ ンダブロック12は、中央部を貫通するリヤ軸 孔12aを有する。回転シャフト22は、フロント 孔11aとリヤ軸孔12aを挿通し、フロントハウ ング13を貫通して圧縮機10の外部に突出する 。回転シャフト22の前端には、車両エンジン らの駆動力が伝達される。つまり回転シャ ト22は、圧縮機10の外部に突出する第1端と ての前端と、前端とは反対側の第2端面とし のリヤ端面22bとを有する。回転シャフト22 、圧縮機10のフロントとリヤを規定する。フ ロントバルブプレート15は、回転シャフト22 よって挿通される挿通孔15cを有する。

 リヤバルブプレート19、吐出弁形成プレ ト20、およびリテーナ形成プレート21は、そ ぞれ貫通孔19c,20c,21cを有する。貫通孔19c,20c, 21cは、リヤプレート貫通孔32を構成する。リ プレート貫通孔32は、リヤ吸入室14bをリヤ 孔12aに常時連通する。

 フロント軸孔11aの周面は、回転シャフト2 2を回転可能に支持するフロント軸受面11bを する。リヤ軸孔12aの周面は、回転シャフト22 を回転可能に支持するリヤ軸受面12bを有する 。つまりフロント軸受面11bはフロント滑り軸 受として機能し、リヤ軸受面12bはリヤ滑り軸 受として機能する。換言すれば、フロントシ リンダブロック11とリヤシリンダブロック12 、ボールベアリングを介することなく、回 シャフト22を回転可能に直接支持する。フロ ントハウジング13は、軸封装置23を収容する 容室13cを有する。軸封装置23は、フロントハ ウジング13と回転シャフト22の間をシールす リップシールを有する。

 フロントシリンダブロック11は、回転シ フト22の周囲に配列される複数のフロントシ リンダボア28を有する。リヤシリンダブロッ 12は、回転シャフト22の周囲に配列される複 数のリヤシリンダボア29を有する。フロント リンダボア28とリヤシリンダボア29の組は、 両頭ピストン30を往復動可能に収容する。両 ピストン30とフロントバルブプレート15は、 フロントシリンダボア28内にフロント圧縮室2 8aを区画形成する。両頭ピストン30とリヤバ ブプレート19は、リヤシリンダボア29内にリ 圧縮室29aを区画形成する。

 本実施形態において、フロントシリンダ ア28、リヤシリンダボア29、両頭ピストン30 フロント圧縮室28a、およびリヤ圧縮室29aは それぞれ5個である。つまり本実施形態の圧 縮機10は10気筒である。

 フロントシリンダブロック11とリヤシリ ダブロック12は、両者間にクランク室25を区 形成する。クランク室25は、斜板24を収容す る斜板室である。斜板24は回転シャフト22と 体化される。つまり斜板24は、回転シャフト 22と一体回転するように回転シャフト22に固 される。回転シャフト22に対する斜板24の傾 は、一定である。斜板24は、回転シャフト22 によって貫通される円環状の斜板基部24aを有 する。斜板基部24aとフロントシリンダブロッ ク11の間には、フロントスラストベアリング2 6が配置される。斜板基部24aとリヤシリンダ ロック12の間には、リヤスラストベアリング 27が配置される。フロントスラストベアリン 26とリヤスラストベアリング27は、回転シャ フト22の軸方向移動を規制する。すなわちフ ントスラストベアリング26とリヤスラスト アリング27は、回転シャフト22が軸線L方向に 移動することを規制する。

 各々の両頭ピストン30は、一対のシュー31 を介して、斜板24に連結される。一対のシュ 31は、斜板24を挟むように配置される。斜板 24は、回転シャフト22の回転運動を、両頭ピ トン30の往復運動に変換するカム体として機 能する。クランク室25は、吸入孔Pとボルト通 孔BHにそれぞれ連通する。フロントハウジン 13は、クランク室25をフロント吸入室13bに連 通するフロント連通路R1を有する。リヤシリ ダブロック12とリヤハウジング14は、クラン ク室25をリヤ吸入室14bに連通するリヤ連通路R 2を有する。よって、外部冷媒回路から吸入 Pを通過してクランク室25に導入された冷媒 スは、フロント吸入室13bとリヤ吸入室14bに れぞれ導入される。

 リヤシリンダブロック12は、各々のリヤ 縮室29aをリヤ軸孔12aに連通する複数の吸入 路33を有する。吸入通路33はリヤ圧縮室29aと 数であり、本実施形態では吸入通路33は5個 ある。各々の吸入通路33は、リヤ軸孔12aに 通する吸入通路入口33aと、それぞれ対応す リヤ圧縮室29aに連通する吸入通路出口33bと 有する。つまり各々の吸入通路入口33aは、 ヤ軸受面12bにおいてリヤ軸孔12aに開口する 各々の吸入通路出口33bは、吸入通路入口33a りもフロントに位置する。各々の吸入通路33 は、吸入通路出口33bから吸入通路入口33aに向 かって、リヤからフロントに斜めに延びる。 各々の吸入通路出口33bは、リヤシリンダブロ ック12のリヤ端面12cに接するように位置する 各々の吸入通路入口33aは、リヤシリンダブ ック12のリヤ端面12cからフロントに離間し 位置する。

 吸入通路入口33aと、リヤシリンダブロッ 12のリヤ端面12cの間には、リヤ軸受面12bの 部が位置する。リヤ軸受面12bの一部は、吸 通路入口33aと、リヤシリンダブロック12のリ ヤ端面12cとの間において、リヤ軸孔12aの周面 と、シャフト周面22aとの間をシールするシー ル周面である。リヤ軸孔12aは、リヤシリンダ ブロック12のリヤ端面12cにおいて、リヤプレ ト貫通孔32に開口する。リヤバルブプレー 19は、リヤハウジング14に対向する対向面19d 有する。吸入通路入口33aとリヤバルブプレ ト19の間に、リヤシリンダブロック12の一部 が位置する。吸入通路入口33aは、リヤバルブ プレート19からフロントに離間する。

 図4は、吸入通路33の軸方向寸法Mを示す。 吸入通路33の軸方向寸法Mは、リヤシリンダブ ロック12のリヤ端面12cから、吸入通路入口33a フロント端までの寸法を示す。

 図3と図4に示すように、回転シャフト22の 後部には、吸入切欠40が形成される。吸入切 40は、シャフト周面22aを切削することによ て形成される。その結果、回転シャフト22の 後部は、ロータリバルブ35として機能する。 入切欠40はリヤ軸孔12aに収容され、リヤ軸 面12bによって包囲される。吸入切欠40は、回 転シャフト22が回転することによって、リヤ 入室14bを各々の吸入通路33に順次連通させ 。つまりロータリバルブ35は、リヤ吸入室14b の冷媒ガスを各々のリヤ圧縮室29aに順次導入 する。吸入切欠40は、リヤプレート貫通孔32 通じて、リヤ吸入室14bに常時開口する。つ り吸入切欠40はリヤ吸入室14bに常時開口する 。

 このようにリヤ圧縮室29aへの冷媒吸入構 は、ロータリバルブ35である。つまりフロ ト圧縮室28aへの冷媒吸入構造は、リヤ圧縮 29aへの冷媒吸入構造とは異なる。

 図2(a)と図2(b)に示すように、吸入切欠40は 、回転シャフト22の後部において、シャフト 面22aを一部分だけ切欠くことによって形成 れる。吸入切欠40は、切削工程によって形 できる。よって吸入切欠40は、回転シャフト 22のリヤ端面22bからフロントに延び、且つ、 ャフト周面22aから凹む。

 回転シャフト22の後部は、吸入切欠40を有 することによって、切欠底面40aと切欠接続面 40bを有する。切欠底面40aは、シャフト周面22a よりも回転シャフト22の径方向内方に位置す 。切欠底面40aは、回転シャフト22の軸方向 すなわち軸線方向Lに延びる平面である。

 切欠接続面40bは、切欠底面40aから、シャ ト周面22aまで延びる。本実施形態の切欠接 面40bは、切欠底面40aからシャフト周面22aま 、滑らかに湾曲する。すなわち切欠接続面4 0bは、リヤからフロントに向かって凸の円弧 に湾曲する。切欠接続面40bは、切欠底面40a 、シャフト周面22aとの間の段差部を構成す 。

 図4は、吸入切欠40の軸方向寸法Nを示す。 吸入切欠40は、回転シャフト22のリヤ端面22b ら、吸入通路入口33aに対応する位置まで延 る。つまり吸入切欠40の軸方向寸法Nは、回 シャフト22のリヤ端面22bから、吸入切欠40の 端までの寸法を示す。吸入切欠40の軸方向 法Nは、吸入通路33の軸方向寸法Mよりも大き 。よって吸入切欠40は、吸入行程のリヤ圧 室29aに冷媒ガスを導入する場合、吸入通路 口33aの全体に連通する。よって吸入切欠40は 、リヤ吸入室14bから吸入通路33への冷媒ガス れを妨げない。

 図3において、回転シャフト22は反時計方 に回転すると想定して、以下説明する。シ フト周面22aと、切欠底面40aとの間には、先 縁41と後行縁42が規定される。先行縁41と後 縁42は、それぞれ回転シャフト22の軸方向に 延びる直線状である。先行縁41は、後行縁42 りも回転シャフト22の回転方向の先行側に位 置する。つまり先行縁41は、各々のリヤ圧縮 29aの吸入開始タイミングを決定する第1側縁 である。後行縁42は、各々のリヤ圧縮室29aの 入終了タイミングを設定する第2側縁である 。

 図3に示すように、圧縮機10の軸方向に対 る垂直断面において、切欠底面40aは、先行 41から後行縁42まで延びる直線に見える。こ の直線の寸法を、切欠底面40aの弦寸法Kと称 る。図2(b)は、切欠底面40aの弦寸法Kを示す。 切欠底面40aの弦寸法Kは、各々のリヤ圧縮室29 aの吸入行程を円滑に行うことができる大き に設定される。つまり吸入開始タイミング おいて吸入切欠40を吸入通路入口33aに連通さ せ、吸入終了タイミングにおいて吸入切欠40 吸入通路入口33aから遮断できるように、切 底面40aの弦寸法Kは設定される。

 以下、吸入切欠40の形成工程を説明する 吸入切欠40は、回転シャフト22の後部を、切 工具で切削することによって形成される。 削工具は、シャフト周面22aを、回転シャフ 22のリヤ端面22bから、吸入切欠40の軸方向寸 法Nだけ切削する。たとえば切削工具は、円 状の刃部を先端に備える。切削工具は、た えばエンドミルである。刃部を回転させな ら、切削工具をたとえば先行縁41から後行縁 42まで直線状に移動させる。その結果、切欠 面40aと切欠接続面40bを形成する。

 リヤ圧縮室29aが吸入行程の場合、すなわ 両頭ピストン30が図1の右方から左方に移動 る場合、リヤ吸入室14bの冷媒ガスは、吸入 欠40と吸入通路入口33aを通過して、リヤ圧 室29aに吸入される。

 吸入切欠40の先行縁41が吸入通路入口33aに 連通開始するタイミングは、両頭ピストン30 リヤ圧縮室29aの上死点から僅かに下死点寄 に移動したタイミングである。

 リヤ吸入室14bの冷媒ガスは、切欠底面40a 沿って、回転シャフト22の軸方向に流れる 切欠接続面40bは、冷媒ガスの流れ方向を、 転シャフト22の軸方向から、回転シャフト22 径方向へ滑らかに変化させる。よって、吸 切欠40の冷媒ガスは、吸入通路33を通過して 、リヤ圧縮室29aに吸入される。

 吸入切欠40の後行縁42が吸入通路入口33aから 離間するタイミングは、両頭ピストン30から ヤ圧縮室29aの下死点付近に位置するタイミ グである。
 吸入切欠40は、リヤ軸受面12bとシャフト周 22aとの間に、潤滑油を誘導する。リヤ吸入 14bの冷媒ガスは、吸入切欠40に流入する際、 潤滑油を吸入切欠40に持込む。吸入切欠40に ける潤滑油は、リヤ軸受面12bに付着する。 転シャフト22が回転することによって、潤滑 油は、リヤ軸受面12bとシャフト周面22aとの間 に引込まれる。よってリヤ軸受面12bは潤滑さ れる。

 リヤ圧縮室29aが吐出行程の場合、すなわ 両頭ピストン30が図1の左方から右方に移動 る場合、リヤ圧縮室29aの冷媒ガスは、リヤ 出弁20aを押し退けてリヤ吐出室14aに吐出さ 、吐出孔から外部冷媒回路に流出する。

 フロント圧縮室28aが吸入行程の場合、す わち両頭ピストン30が図1の左方から右方に 動する場合、フロント吸入室13bの冷媒ガス 、フロント吸入弁18aを押し退けて、フロン 圧縮室28aに吸入される。

 フロント圧縮室28aが吐出行程の場合、す わち両頭ピストン30が図1の右方から左方に 動する場合、フロント圧縮室28aの冷媒ガス 、フロント吐出弁16aを押し退けてフロント 出室13aに吐出され、吐出孔から外部冷媒回 に流出する。

 本実施形態は、以下の利点を有する。
 (1)リヤ圧縮室29aへの冷媒吸入構造は、ロー リバルブ35である。回転シャフト22の後部に 吸入切欠40を形成することによって、ロータ バルブ35を構成する。吸入切欠40は、シャフ ト周面22aを切削工具によって切削するだけで 形成される。従って本実施形態は、2回の孔 け工程を必要とする背景技術とは異なり、 ータリバルブ35を容易に形成できる。その結 果、背景技術よりも回転シャフト22と圧縮機1 0の製造コストを抑制できる。

 (2)回転シャフト22は、回転シャフト22の軸 方向に延びる切欠底面40aを有する。つまり吸 入切欠40は、回転シャフト22の後部の周面を 切削工具によって直線状に切削するだけで 成できる。よって吸入切欠40を形成し易い。

 (3)切欠接続面40bは、切欠底面40aからシャ ト周面22aに向かって円弧状に湾曲する。よ てリヤ吸入室14bの冷媒ガスは、切欠底面40a 沿って回転シャフト22の軸方向に流れた後 吸入通路33に向かって滑らかに方向転換する 。よって、たとえば冷媒ガス流れがロータリ バルブ内の流路の壁に衝突して流れ方向を変 化させるような場合よりも、本実施形態はロ ータリバルブ35における冷媒ガス流れ易さを 上できる。その結果、ロータリバルブ35に ける冷媒ガスの流速低下を抑制できる。つ り、リヤ圧縮室29aへの冷媒ガスの吸入効率 下を抑制できる。

 (4)吸入通路入口33aと、リヤシリンダブロッ 12のリヤ端面12cとの間には、リヤ軸受面12b 一部が存在する。吸入切欠40は、回転シャフ ト22のリヤ端面22bから、吸入通路入口33aの全 に対応する位置まで軸方向に延びる。よっ 、吸入切欠40における冷媒ガスに含まれる 滑油は、回転シャフト22のリヤ端面22bと、吸 入通路入口33aとの間においても、リヤ軸受面 12bを潤滑できる。
よって、たとえば吸入通路入口にだけ対応す るリヤ窓通路89Bを有する背景技術とは異なり 、本実施形態はリヤ軸受面12bの潤滑性を向上 できる。

 (5)フロント圧縮室28aへの冷媒吸入構造は 差圧開閉弁であるフロント吸入弁18aである リヤ圧縮室29aへの冷媒吸入構造だけが、ロ タリバルブ35である。よって、回転シャフ 22の後部の一部にのみ吸入切欠40を設ければ い。よって、例えば回転シャフト22の全長 亘って軸内通路87を形成するような場合より も、回転シャフト22の強度を維持し易い。吸 切欠40を形成する手間も簡単である。

 上記実施形態は以下のように変更してもよ 。
 圧縮機10は、両頭ピストン圧縮機であるこ に限らず、片頭ピストン圧縮機であっても い。つまりフロント圧縮室28aを削除しても い。

 圧縮機10は、固定容量型であることに限 ず、可変容量型ピストン圧縮機であっても い。つまり回転シャフト22に対する斜板24の 角を、可変に構成する。クランク室25の圧 を制御することによって斜板24の傾角を変更 し、その結果、圧縮機10の吐出容量を変更し もよい。

 回転シャフト22の回転運動をピストンの往 運動に変換するカム体は、斜板であること 限らない。つまりカム体は、斜板以外の形 を有するものであってもよい。
 圧縮機10の気筒数は、10気筒であることに限 らない。

 外部冷媒回路に接続される吸入孔Pは、フロ ントシリンダブロック11に形成することに限 ず、リヤハウジング14に形成してもよい。
 切欠底面40aは、平面でなくてもよい。

 切欠接続面40bは、円弧状に湾曲すること 限らず、斜面であってもよい。斜面は、切 底面40aから、シャフト周面22aまで延びる。 欠接続面40bの形状は、回転シャフト22を切 する切削工具の刃部の形状に合わせて変更 てもよい。

 フロント圧縮室28aへの冷媒吸入構造は、 圧開閉弁であることに限らず、ロータリバ ブであってもよい。