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Title:
PLANAR LIPID-BILAYER MEMBRANE ARRAY USING MICROFLUID AND ANALYSIS METHOD WITH THE USE OF THE PLANAR LIPID-BILAYER MEMBRANE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069608
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a planar lipid-bilayer membrane array using a microfluid which is advantageous in being highly portable, enabling the reduction of analysis time, requiring only a smaller amount of a reagent and achieving a high reproducibility in parallel automation: and an analysis method with the use of this planar lipid-bilayer membrane. Planar lipid-bilayer membrane arrays using a microfluid that are planar lipid-bilayer membrane arrays (PDMS device) (1) using a microfluid having been preliminarily saturated with water by dipping in water, which comprise microchannels (2) wherein the planar lipid-bilayer membrane arrays (1) areconnected to a liquid supply port and are arranged in parallel and microchambers (3) having openings in both sides of the microchannels (2).

Inventors:
TAKEUCHI SHOJI (JP)
SUZUKI HIROAKI (JP)
OTA SADAO (JP)
TAN WEI-HEONG (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071368
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO (JP)
TAKEUCHI SHOJI (JP)
SUZUKI HIROAKI (JP)
OTA SADAO (JP)
TAN WEI-HEONG (JP)
International Classes:
G01N33/543; G01N33/68; G01N37/00
Foreign References:
JP2000508528A2000-07-11
JP2006312141A2006-11-16
Other References:
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See also references of EP 2219032A4
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Attorney, Agent or Firm:
SHIMIZU, Mamoru (11-12 Kanda-mitoshiro-cho,Chiyoda-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
(a)マイクロ流体による平面脂質二重膜アレイであって、
(b)該平面脂質二重膜アレイが、
 (i)送液口に接続され、並列に配置されるマイクロチャネルと、
 (ii)該マイクロチャネルの両側部に開口を有するマイクロチャンバーとを具備することを特徴とするマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイ。
 請求項1記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイクロチャネルの両側部の開口は、該マイクロチャネルに対してジグザグに配置されることを特徴とするマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイ。
 請求項1記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、前記平面脂質二重膜アレイが予め水中に浸して水で飽和させたアレイであることを特徴とするマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイ。
 請求項3記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、該アレイはPDMSからなることを特徴とするマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイ。
 請求項1記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイクロチャネルの両側部は、前記マイクロチャネルの両側壁であることを特徴とするマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイ。
 請求項1記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイクロチャネルの両側部は、前記マイクロチャネルの天井壁と床壁であることを特徴とするマイクロ流体による膜タンパク質分析用平面脂質二重膜アレイ。
 請求項1記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイクロチャネルの高さは7μm、前記マイクロチャンバーは幅17μm、高さ19μmであることを特徴とするマイクロ流体による膜タンパク質分析用平面脂質二重膜アレイ。
 請求項1記載のマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイにおいて、1つのマイクロシリンジと、該マイクロシリンジに接続される1つのチューブとを備え、該チューブ内に先端から膜タンパク質及び蛍光物質入りの緩衝液と、脂質入りの有機溶媒と、溶解物を含まない緩衝液とが順次注入され、前記チューブの先端を前記送液口に接続することを特徴とするマイクロ流体による平面脂質二重膜アレイ。
(a)マイクロ流体による平面脂質二重膜アレイを予め水中に浸して水で飽和させる工程と、
(b)該水で飽和させた平面脂質二重膜アレイに並列に配置されるマイクロチャネルと、該マイクロチャネルの両側部に開口を有するマイクロチャンバーとを用いて、前記開口に前記マイクロチャンバーをシールする平面脂質二重膜を形成することを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
 請求項9記載の平面脂質二重膜を用いた分析方法において、前記マイクロチャネルの両側部の開口は、該マイクロチャネルに対してジグザグに配置することを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
 請求項9記載の平面脂質二重膜を用いた分析方法において、
(a)前記マイクロチャネルと前記マイクロチャンバーとに膜タンパク質及び蛍光物質入りの緩衝液を注入する工程と、
(b)前記マイクロチャネルに脂質入りの有機溶媒を注入する工程と、
(c)溶解物を含まない緩衝液を前記マイクロチャネルに注入する工程とを施すことを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
 請求項11記載の平面脂質二重膜を用いた分析方法において、前記膜タンパク質はα-Hemolysin、前記蛍光物質はカルセイン、前記脂質がphosphatidycoline(PC)、前記有機溶媒がhexadecaneであることを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
 請求項11記載の平面脂質二重膜を用いた分析方法において、前記膜タンパク質はα-Hemolysin、前記蛍光物質はカルセイン、前記脂質がphosphatidycoline(PC)、前記有機溶媒がsqualenであることを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
 請求項11において作製された平面脂質二重膜を変形させ、リポソームを形成し、そのリポソームにヘモリシンを導入して平面脂質二重膜の透過の度合を計測することを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
 請求項14記載の平面脂質二重膜を用いた分析方法において、前記ヘモリシンとともに蛍光材料を含ませたリポソーム内の蛍光密度の減少度合を計測することを特徴とする平面脂質二重膜を用いた分析方法。
Description:
マイクロ流体による平面脂質二 膜アレイ及びその平面脂質二重膜を用いた 析方法

 本発明は、マイクロ流体による平面脂質 重膜アレイ及びその平面脂質二重膜を用い 分析方法に係り、特に、マイクロ流体によ 膜タンパク質分析用平面脂質二重膜アレイ びそれを用いた膜タンパク質の分析方法に するものである。

 塩基配列が解読されたゲノムの数の増加 伴い、タンパク質研究の機会が増えてきて る(非特許文献1参照)。ゲノム研究に革命を たらしたDNAアレイチップの完成後、タンパ 質の発現及び相互作用の高いスループット 析を可能にした“タンパク質アレイチップ は、大いに求められている(非特許文献2参 )。特に、膜タンパク質の機能性に焦点をあ た研究はそれらがセルの内外で種々の分子 移動を制御するのに不可欠であるため重要 ある。

 しかしながら、イオンチャネル、ポンプ 受容体(レセプター)、輸送体(トランスポー )のような膜タンパク質を取り扱うことは、 それらが全てのバイオ膜の基本的な構造であ る脂質二重膜に組み込まれた時のみ機能する ので難しい課題であった(非特許文献3参照)。 結果として、タンパク質チップの最初のター ゲットは、殆ど水溶性タンパク質であった。

 パッチクランプ法(非特許文献4参照)及び人 の脂質二重膜(非特許文献5参照)実験は、膜 ンパク質の基本的研究において2つの主に確 立された方法であった。しかしながら、この 2つの方法は、実施するための熟練した技術 求められ、高いスループット操作の欠如の めに良好な再現性が実現されていないもの あった。近年、いくつかの研究グループが マイクロ流体装置において平面二重膜を生 することによってこれらの問題を克服する みを行ってきた(非特許文献6、7、8参照)。集 積されたマイクロ流体システムは、携帯性、 分析時間の短縮、求められる試薬の少量化、 及び高い再現性をもち、並行自動化といった 利点がある巨大なアレイを提供する。それら の利点が膜輸送の分析に対して高いスループ ットと定量的な測定を引き出すことは認識さ れているが、そのような利点を有する単純な 技術又は装置はまだ存在していない。
V.Santoni,M.Molley,T.Rabilloud,“Membrane proteins  and proteomics:Un amour impossible?”,Electrophoresis,21 ,1054-1070,2000 H.Zhu,M.Bilgin,R Bangham,David Hall,Antonio Casamay or,P.Bertone,N.Lan,R.Jansen,S.Bidlingmaier,T.Houfek,T.Mitche ll,P.Miller,R.A.Dean,M.Gerstein,and M.Snyder,“Global Ana lysis of Protein Activities using Proteome Chips”,Sc ience.,Vol.293,2101-2105,2001 M.Bloom,E.Evans,O.G.Mouritsen,“Physical Properties of the Fluid Lipid-Bilayer Compornent of Cell Membra nes:a Perspective”,Q.Rev.Biophys.,Aug;24(3),293-397,1991 B.Alberts et al.,“Molecular Biology of the Cel l;4thEd.,”,Garland Science,2002 T.Ide,and T.Yanagida,“An Artificial Lipid Bilaye r Formed on an Agarose Coated Glass for Simultaneous  Electrical and Optical Measurement of Single Ion Ch annels”,Biochem.Biophys.Res.Comm.,265,pp.595-599,1999 R.Hemmier,G.Bose,E.Wagner,and R.Peters,“Nanopore U nitary Permeability Measured by Electochemical and Opt ical Single Transporter Recording”,BioPhys.,Vol.88,4000 -4007,2005 N.Malmstadt,M.A.Nash,R.F.Purnell,and J.J.Schmidt,“A utomated Formation of Lipid-Bilayer Membranes in a Mi crofluidic Device”,Nano Lett.,Vol.6,No.9,1961-1965,2006 M.Mayer,J.K.Kriebel,M.T.Tosteson,and G.M.Whitesides, Microfabricated Teflon Membranes for Low-Noise Record ings of Ion Channels in Planar Lipid Bilayers”,BioP hys.,Vol.85,2684-2695,2003

 上記したように、上記の利点を有する単 な方法又はそのための装置はまだ存在して ない。

 本発明は、上記状況に鑑みて、携帯性、 析時間の短縮、求められる試薬の少量化、 び高い再現性をもつ並行自動化といった利 を有するマイクロ流体による平面脂質二重 アレイ及びその平面脂質二重膜を用いた分 方法を提供することを目的とする。

 本発明は、上記目的を達成するために、
 〔1〕マイクロ流体による平面脂質二重膜ア レイにおいて、この平面脂質二重膜アレイが 、送液口に接続され、並列に配置されるマイ クロチャネルと、このマイクロチャネルの両 側部に開口を有するマイクロチャンバーとを 具備することを特徴とする。

 〔2〕上記〔1〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイ ロチャネルの両側部の開口は、このマイク チャネルに対してジグザグに配置されるこ を特徴とする。

 〔3〕上記〔1〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、前記平面 質二重膜アレイが予め水中に浸して水で飽 させたアレイであることを特徴とする。

 〔4〕上記〔3〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、このアレ はPDMSからなることを特徴とする。

 〔5〕上記〔1〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイ ロチャネルの両側部は、前記マイクロチャ ルの両側壁であることを特徴とする。

 〔6〕上記〔1〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイ ロチャネルの両側部は、前記マイクロチャ ルの天井壁と床壁であることを特徴とする

 〔7〕上記〔1〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、前記マイ ロチャネルの高さは7μm、前記マイクロチャ バーは幅17μm、高さ19μmであることを特徴と する。

 〔8〕上記〔1〕記載のマイクロ流体によ 平面脂質二重膜アレイにおいて、1つのマイ ロシリンジと、このマイクロシリンジに接 される1つのチューブとを備え、このチュー ブ内に先端から膜タンパク質及び蛍光物質入 りの緩衝液と、脂質入りの有機溶媒と、溶解 物を含まない緩衝液とが順次注入され、前記 チューブの先端を前記送液口に接続すること を特徴とする。

 〔9〕平面脂質二重膜を用いた分析方法に おいて、マイクロ流体による平面脂質二重膜 アレイを予め水中に浸して水で飽和させる工 程と、この水で飽和させた平面脂質二重膜ア レイに並列に配置されるマイクロチャネルと 、このマイクロチャネルの両側部に開口を有 するマイクロチャンバーとを用いて、前記開 口に前記マイクロチャンバーをシールする平 面脂質二重膜を形成することを特徴とする。

 〔10〕上記〔9〕記載の平面脂質二重膜を いた分析方法において、前記マイクロチャ ルの両側部の開口は、このマイクロチャネ に対してジグザグに配置することを特徴と る。

 〔11〕上記〔9〕記載の平面脂質二重膜を いた分析方法において、前記マイクロチャ ルと前記マイクロチャンバーとに膜タンパ 質及び蛍光物質入りの緩衝液を注入する工 と、前記マイクロチャネルに脂質入りの有 溶媒を注入する工程と、溶解物を含まない 衝液を前記マイクロチャネルに注入する工 とを施すことを特徴とする。

 〔12〕上記〔11〕記載の平面脂質二重膜を 用いた分析方法において、前記膜タンパク質 はα-Hemolysin、前記蛍光物質はカルセイン、前 記脂質がphosphatidycoline(PC)、前記有機溶媒がhex adecaneであることを特徴とする。

 〔13〕上記〔11〕記載の平面脂質二重膜を 用いた分析方法において、前記膜タンパク質 はα-Hemolysin、前記蛍光物質はカルセイン、前 記脂質がphosphatidycoline(PC)、前記有機溶媒がsqu alenであることを特徴とする。

 〔14〕上記〔11〕において作製された平面 脂質二重膜を変形させ、リポソームを形成し 、そのリポソームにヘモリシンを導入して平 面脂質二重膜の透過の度合を計測することを 特徴とする。

 〔15〕上記〔14〕記載の平面脂質二重膜を 用いた分析方法において、前記ヘモリシンと ともに蛍光材料を含ませたリポソーム内の蛍 光密度の減少度合を計測することを特徴とす る。

本発明の実施例を示すPDMS装置のマイク ロチャンバーを有するマイクロチャネルの概 念図である。 本発明の実施例を示す平面脂質二重膜 シールされているマイクロチャンバーを示 図である。 本発明の実施例を示すマイクロチャン ーへ平面脂質二重膜を形成する方法を示す である。 本発明の実施例を示す膜タンパク膜質( α-Hemolysin)が形成されたナノ孔を通じてマイ ロチャネルへ蛍光物質(カルセイン)が分散す るためにマイクロチャンバー内の蛍光密度が 急激に減少する様子を示す図である。 本発明の実施例を示すマイクロチャン ー内の蛍光強度の変化の特性を示す図であ 。 本発明の実施例を示す送液口からマイ ロ流体による平面脂質二重膜アレイ(PDMS装 )までの構造を示す模式図である。 本発明の実験システムを示す図である 本発明の平面脂質二重膜を用いたリポ ームの形成による膜透過を計測する様子を す図である。

 本発明のマイクロ流体による平面脂質二 膜アレイは、予め水中に浸して水で飽和さ たマイクロ流体による平面脂質二重膜アレ であって、この平面脂質二重膜アレイが、 液口に接続され、並列に配置されるマイク チャネルと、このマイクロチャネルの両側 に開口を有するマイクロチャンバーとを具 する。

 以下、本発明の実施の形態について詳細 説明する。

 図1は本発明の実施例を示すPDMS装置のマ クロチャンバーを有するマイクロチャネル 概念図である。図2はその平面脂質二重膜で ールされているマイクロチャンバーを示す である。

 これらの図において、1はPDMS(Polydimethylsilo xane)装置、2はPDMS装置1に形成されたマイクロ ャネル、3はマイクロチャネル2の両側部に 互に開口を有するマイクロチャンバーであ 。ここでは、マイクロチャネル2の両側部と ては、マイクロチャネルの横壁である両側 を例に挙げているが、マイクロチャネル2の 両側部は、マイクロチャネルの縦壁である天 井壁と床壁であってもよい。ここで、各マイ クロチャネル2の高さは7μmであり、各マイク チャンバー3の寸法は、例えば、幅17μm、高 19μmである。

 ここで、後述するがマイクロチャンバー3 の開口部に形成される平面脂質二重膜5の膜 積は小さいほど膜自体は安定化するが、比 積が大きすぎるとPDMS装置1が有機溶媒により 大きく膨潤することになり、問題が生じる。 例えば、マイクロチャンバー3の幅が7μmの場 、上記した膨潤によりマイクロチャンバー3 が閉じてしまった。また、10μmの場合でもマ クロチャンバー3が変形し、平面脂質二重膜 の形成を妨げる要因になってしまった。そこ で、マイクロチャンバー3の幅は17μmに最適化 した。

 また、マイクロチャネル2の高さは、平面 脂質二重膜5の安定化のために、マイクロチ ネル2の間隔80μmに比べて7μmと低くなってお 、PDMS装置1の構造が潰れてしまうという課 が存在するが、これに対しては、マイクロ ャネル2の両側部に交互に開口を有するマイ ロチャンバーを配置する構成としたので、 インマイクロチャネルの中心にはPDMSの柱4 整列しており、PDMS装置1の構造を堅牢にして マイクロチャネルの構造が潰れるのを防止す るようにした。

 また、このPDMS装置1は並列に構成された 大な数のマイクロチャンバーをセットする とができる。

 さらに、この各マイクロチャンバー3の開 口部は平面脂質二重膜5でシールされており その平面脂質二重膜5に存在するナノ孔〔α-H emolysinモノマーが七量体化(heptamerizes)された に形成された〕6を通じた蛍光分子の移動が 光顕微鏡下で蛍光密度の変化として計測さ る。

 なお、上記したアレイ材料としてはPDMSが 好適であるが、このPDMSに限定されることな 、ガラス、SU-8、シリコン、アクリル樹脂、P ETなど無機やプラスチック材料を用いるよう してもよい。

 この装置は、携帯性、分析時間の短縮、 められる試薬の少量化、及び高い再現性の 行自動化を図ることができる。

 図3は本発明の実施例を示すマイクロチャ ンバーへ平面脂質二重膜を形成する方法を示 す図であり、図3(a)はPDMS装置を水に浸漬して 和させる様子、図3(b)は膜タンパク質(α-Hemol ysin)及び蛍光物質(Calcein:カルセイン)入りの緩 衝液(バッファ液)を注入する様子、図3(c)は脂 質溶液〔phosphatidycoline(PC)入りの有機溶媒(hexad ecane:ヘキサデカン)〕を注入する様子、図3(d) 溶解物を含まない緩衝液をマイクロチャネ に注入する(フラッシュする)様子、図3(e),(f) は平面脂質二重膜が形成されたマイクロチャ ンバーを示す図、図3(g)はマイクロチャンバ に形成された脂質二重膜の拡大図である。 お、上記した有機溶媒のヘキサデカンに代 て、有機溶媒のsqualene(スクワレン)を用いる ともでき、その応用を広げることができる

 まず、図3(a)に示すように、シャーレ11に った水12にPDMS装置13を12時間以上浸漬して飽 和させる。これは実施中、水がPDMS装置13へ吸 収されるのを防ぐためである。次いで、図3(b )に示すように、水で飽和されたPDMS装置13の イクロチャネル14及びマイクロチャンバー15 膜タンパク質(α-Hemolysin)及び蛍光物質(Calcein :カルセイン)入りのリン酸緩衝液(バッファ液 )16を注入する。次いで、図3(c)に示すように リン酸緩衝液(バッファ液)16が充填されてい マイクロチャンバー15内に脂質溶液〔phosphat idycoline(PC)入りの有機溶媒(hexadecane:ヘキサデ ン)〕17を注入する。次いで、図3(d)に示すよ に、溶解物を含まない緩衝液18をマイクロ ャネル14に注入する。すると、図3(e)及び(f) 示すように、緩衝液18の流れと有機溶媒がPDM S装置に吸収されることにより、マイクロチ ンバー15を覆っている有機溶媒の膜は薄くな り、マイクロチャンバー15の開口部が平面脂 二重膜19でシールされる。なお、図3(d)にお ては、平面脂質二重膜が破れたものも示さ ている。

 このように、本発明によれば、平面脂質 重膜19が容易に作製され、膜タンパク質の 析を迅速、かつ的確に行うことができる。

 図4は本発明の実施例を示す膜タンパク質 (α-Hemolysin)が形成したナノ孔を通じてマイク チャネルへ蛍光物質(カルセイン)が分散す ためにマイクロチャンバー内の蛍光密度が 激に減少する様子を示す図である。

 図5(a)はマイクロチャンバー内の蛍光強度 の経過を示す図であり、膜タンパク質(α-Hemol ysin)がない場合、蛍光強度の減少は光退色に るものだけである。一方、膜タンパク質(α- Hemolysin)がある場合には、形成されたナノ孔 ら蛍光物質が分散していくため、その減少 急速であることが分かる。

 図5(b)は図5(a)に基づいて計算した移動比k 示す図である。ここで、(df/dt=-kf)、つまり 移動比kは含まれる膜タンパク質(α-Hemolysin) 数に比例する。

 このように、イオンチャネル、ポンプ、 容体(レセプター)、輸送体(トランスポータ) のような膜タンパク質を操作することができ る。

 図6は本発明の実施例を示す送液口からマ イクロ流体による平面脂質二重膜アレイ(PDMS 置)までの構造を示す模式図、図7は実験シ テムを示す図である。

 図3に示した溶解物を含まない緩衝液18の 速が大きい場合、マイクロチャンバーの開 部に残った脂質を含んだ有機溶媒(脂質溶液 17)の膜に、緩衝液18の流れによる過度の力学 ストレスがかかり、平面膜質二重膜が作製 れる前に割れてしまうといった問題が生じ 。これを防止するために、図6に示すように 、送液口21から液体を注入する時の流路22,23,2 4,25を並列化することにより、低速度の送液 可能とした。流速を低減させることで、脂 を含む有機溶媒膜に緩衝液18の流れにより加 わる力学的ストレスを減少させるようにした 。これにより、平面脂質二重膜の作製前に割 れてしまう確率を抑えることができた。

 次に、実験システムについて説明する。

 本発明において平面脂質二重膜の作製方 を行う場合には、上記したように、緩衝液/ 脂質溶液/溶解物を含まない緩衝液が混ざる となく、かつ連続してマイクロチャネル内 送液されねばならない。しかし、溶液ごと シリンジを入れ替えていては、空気の混入 どでミセル状の汚れが大量に発生するとい 問題があった。

 本発明では、一本のシリンジを用いて、 つのチューブに連続して溶液を充填するこ で、間に空気が入ることなくそれぞれのプ セスを行えるようにした。

 なお、上記実施例では、送液のためには リンジが好適であるが、これに限定される のではなく、他のポンプやピペットを用い 手操作で送液を行うことも可能である。

 図7において、31はマイクロシリンジ、32 このマイクロシリンジ31に接続されるチュー ブである。このチューブ32には溶解物を含ま い緩衝液(バッファ液)33と脂質溶液34と蛍光 質(Calcein:カルセイン)及び膜タンパク質(α-He molysin)を含むリン酸緩衝液(バッファ液)35が入 れられている。36は上述したPDMS(Polydimethylsilox ane)装置(膜タンパク質分析用平面脂質二重膜 レイ)である。

 このように構成することにより、一本の イクロシリンジ31を用いて、一つのチュー 32に連続してリン酸緩衝液35/脂質溶液34/溶解 物を含まない緩衝液33の液体を充填すること でき、間に空気が入ることなく、平面脂質 重膜の作製プロセスを実施することができ 。

 図8は本発明の平面脂質二重膜を用いたリ ポソームの形成による膜透過を計測する様子 を示す図である。

 まず、水で飽和されたPDMSを数時間大気中 に放置した後、図8(a)に示すように、α-ヘモ シン無しで平面脂質二重膜を形成した。次 で、図8(b)に示すように、PDMSへ緩衝液が吸収 されると、平面脂質二重膜がチャンバー内に 引き込まれ、図8(c)に示すように、リポソー が得られる。図8(d)に示すように、α-ヘモリ ン及びcalcein(蛍光材料)を含む緩衝液が導入 れると、図8(e)に示すように、リポソーム内 にcalceinが分散される。図8(f)に示すように、 部緩衝液が交換されると、calceinがα-ヘモリ シンを通じてリポソームの外へと分散される 。そのことは、図8(g)に示すように、リポソ ム内の蛍光強度が減ることで観察できた。

 このように、上記した方法によって作製 れた平面脂質二重膜を変形させ、リポソー を形成し、そのリポソームにヘモリシンを 入して平面脂質二重膜の透過の度合を計測 ることができる。

 これにより、膜タンパク質の分析を行う とができる。

 本発明によれば、上記したように、
 (1)実施中に水がPDMSへ吸収されるのを防ぐた めに、水中にPDMS装置(脂質二重膜アレイ)を12 間以上漬け、飽和しておくようにした。

 (2)膨大な数のマイクロチャンバーを有す マイクロチャネル内に順次リン酸緩衝液/脂 質溶液/溶解物を含まない緩衝液を注入する とで、簡便に脂質二重膜を形成することが き、各マイクロチャンバーは膜タンパク質 含む平面脂質二重膜によってシールされる そのマイクロチャンバー(2pl)は小さい容積で あるため、蛍光密度の変化を良好に観察して 、蛍光分子の膜透過を観察することができる 。つまり、膜タンパク質(α-Hemolysin)が形成し ナノ孔を通じて蛍光物質(Calcein:カルセイン) の透過の量的測定を良好に行うことができる 。

 また、一分子レベルで、定量的な膜タン ク質の解析実験を可能にした。

 すなわち、並列マイクロチャネルに沿っ 、マイクロチャンバーが高密度に配列され 構造とした高集積化により、一視野に多数 マイクロチャンバー(20倍光学レンズで176個) が測定可能になるため、膨大な数の定量的な 生化学実験解析が可能になった。

 また、マイクロチャンバーを利用するこ で、一分子レベルでの膜タンパク質の活性 系のパラメータに大きな変化(蛍光輝度変化 )を及ぼすため精確な検出が可能になった。

 なお、平面脂質二重膜を張って、膜タン ク質なしで計測を行うこともできる。例え 、平面脂質二重膜に蛍光分子を入れて、そ 光具合で環境の汚染度を計測することがで る。また、膜タンパク質を使わなくても、 度応答性の平面脂質二重膜を使用すること より、物質を通過したり、止めたりするこ もできる。

 また、本発明は上記実施例に限定される のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の 形が可能であり、これらを本発明の範囲か 排除するものではない。

 本発明によれば、以下のような効果を奏 ることができる。

 (1)携帯性、分析時間の短縮、求められる 薬の少量化、及び高い再現性をもつ並行自 化などの利点を有する。

 (2)並列に構成された膨大な数のマイクロ ャンバーをセットすることができ、膜タン ク質の分析を迅速、かつ的確に行うことが きる。

 本発明のマイクロ流体による膜タンパク 分析用平面脂質二重膜アレイは、並列に構 された膨大な数のマイクロチャンバーと組 合わせることにより、膜タンパク質の分析 利用可能である。