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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA DISPLAY PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060529
Kind Code:
A1
Abstract:
A technology which is capable of adjusting imbalanced color caused by aged deterioration of a luminescent material for each color (keeping a color balance as uniform as possible) on a PDP. The PDP has a cell structure for each of R, G, B colors in the pixel, wherein an area of a discharge electrode in a cell region is formed to be smaller in a B-color cell, for example, than in the other color cells according to deterioration characteristics of luminescent materials (9R, 9G, 9B) for each color, and an area for forming the luminescent materials on the cell unit is formed to be larger in the B-color cell than in other color cells according tothe area of the discharge electrode. Such an allocation adjusts to keep the characteristics of each color cell to be kept uniform.

Inventors:
SAITO JUN (JP)
SASAKI TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071763
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 09, 2007
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
SAITO JUN (JP)
SASAKI TAKASHI (JP)
International Classes:
H01J11/12; H01J11/24; H01J11/36
Foreign References:
KR20040042641A2004-05-20
JPH10308179A1998-11-17
JP2002056781A2002-02-22
JP2002063848A2002-02-28
JP2001006557A2001-01-12
Attorney, Agent or Firm:
TSUTSUI, Yamato (6th Floor Kokusai Chusei Kaikan,14, Gobancho, Chiyoda-ku, Tokyo 76, JP)
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Claims:
 放電空間が形成される基板構造体において、第1方向に伸び少なくとも維持放電に用いる第1の電極を少なくとも含む電極群によりセル群が構成され、当該セル群は、第1、第2、第3の各色の蛍光体を含んで構成される第1、第2、第3の各色のセルが所定の順序で繰り返し配列され、当該各色のセルのセットにより画素が構成されるプラズマディスプレイパネルであって、
 前記放電空間は、少なくとも前記第1方向と交差する第2方向に伸びる隔壁により、前記セル群に対応して区画され、前記隔壁間の領域において少なくとも底面部分に前記蛍光体が形成され、
 前記画素の各色のセルのセットの構造として、前記各色の蛍光体の劣化特性の大小に応じて、少なくとも1色のセルと、他の色のセルとにおいて、
 セル単位での前記放電空間に面する領域における前記電極のうち放電の発生に係わる電極部分の面積が、前記少なくとも1色のセルでは他の色のセルよりも小さくなるように形成され、
 かつ、前記電極部分の面積に応じて、当該セル単位での前記蛍光体の形成の面積が、前記少なくとも1色のセルでは他の色のセルよりも大きくなるように形成され、
 前記電極部分の面積及び前記蛍光体の面積の配分により、前記各色のセルの特性が均一に調整されていること、を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
 前記画素の各色のセルのセットの構造として、前記各色の蛍光体の劣化特性の順序に応じて、
 セル単位での前記放電空間に面する領域における前記電極のうち放電の発生に係わる電極部分の面積が、前記劣化特性が大きくなる順に小さくなるように形成され、
 かつ、前記電極部分の面積に応じて、当該セル単位での前記蛍光体の形成の面積が、前記劣化特性が大きくなる順に大きくなるように形成され、
 前記電極部分の面積及び前記蛍光体の面積の配分により、前記各色のセルの特性が均一に調整されていること、を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
 前記蛍光体の面積に係わり、前記第1方向における前記隔壁の間隔を前記色に応じて変えた構造を有すること、を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
 前記第1の電極は、前記各セルの内側方向に張り出して当該電極対による放電ギャップを形成する張り出し部を持つ透明電極を含んで構成され、
 前記電極部分の面積に係わり、前記透明電極の張り出し部の面積を前記色に応じて変えた構造を有すること、を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
 請求項4記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
 前記透明電極の張り出し部の前記第2方向の長さ及び前記放電ギャップの長さを一定とし、前記張り出し部の前記第1方向の幅を前記色に応じて変えた構造を有すること、を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
Description:
プラズマディスプレイパネル

 本発明は、カラー表示可能なプラズマデ スプレイパネル(PDP)に関し、特に、蛍光体 表示セル構造に関する。

 ストライプリブ型などのカラーPDP及びそ 表示装置(PDP装置)において、画素を構成す ための赤(R),緑(G),青(B)の各色(色素)のセル(表 示セル、放電セルなどとも称する)を有する それらのセルでは、各色に対応する蛍光体 用いられている。例えば、前後で2枚の平行 板の間において、ストライプ状のリブ(隔壁 )で区画される放電空間及びセルの内部に、 別(表示列毎)に蛍光体(蛍光体層)が塗布され ことにより形成されている。

 上記蛍光体は、放電(サステイン放電)時 生成されるイオン及び紫外線により損傷さ るため、経年劣化する。即ち、当該蛍光体 、経時時間(PDP駆動累積経過時間)に従い、発 光量(輝度)が徐々に低下する。しかしながら 蛍光体の経年変化(劣化)の特性、即ち劣化 度(経時時間に対する発光量減少量)などの値 は、色素(R,G,B等)に応じて異なる。各色の蛍 体の劣化速度は、詳しくは、蛍光体材料や 造プロセス等に応じて異なる。これら各色 蛍光体の発光量の差異は、経時時間ととも 大きくなり、特に、白色表示時に顕著とな 。各色の発光量を調整して任意の色温度の 色を表示させる技術は、ホワイトバランス と称される。

 カラーPDPにおける各色の蛍光体において 製造時には、画素(各色のセルのセット)の 示のための発光量(輝度)に係わる色バランス (ホワイトバランス)が設計される。しかしな ら、上記のように各色の蛍光体につき経年 化の特性が異なる場合、それを原因として 経時後(長時間駆動後)には、画素の色バラ スが乱れる、という問題がある。例えば、R, G,Bの各色の蛍光体(所定の蛍光体材料及び製 方法)によるセル(Rセル,Gセル,Bセル)のセット を持つカラーPDPの構成において、経時時間(PD P駆動累積経過時間)に対する各色の蛍光体の 光量(減少量)を観測する。これらの蛍光体 セットの特性として、例えば、劣化速度がR, G,Bの順に大きくなる場合、即ちR色の劣化が 較的小さくかつB色の劣化が比較的大きいと う場合がある。この場合、経時後には、蛍 体による発光量(輝度)において、R色が大き B色が小さいという差異により、画素の色バ ランスが乱れ、表示品質を下げることになる 。

 上記各色の蛍光体のセルのセットにおけ 色バランスを調整ないし修正するための手 として、以下のような従来技術を用いるこ が考えられる。

 (1) 蛍光体及びセルにおける、色毎の使 階調(最大階調)を、発光量に関して一番劣化 した蛍光体の色の使用階調(最大階調)に合わ るように下げる調整を行う技術(第1の従来 術とする)がある。例えば、特開2003-29699号公 報(特許文献1)記載の技術がある。この特許文 献1の技術では、PDP駆動累積経過時間に対応 た放電パルス数補正曲線により、色毎に放 パルス(サステインパルス)数を設定する。即 ち、経時時間が大きいほど放電回数(量)が少 くなるように、色毎に発光量(輝度)を補正 ることにより、劣化の少ない色の最大階調 、劣化の大きい色の最大階調に合わせる。 れにより、色バランスの乱れが修正される このように、特許文献1の技術は、各色の発 量(輝度)がなるべく均一の状態になるよう 維持するための一手段として使用可能であ 。

 (2) 各色のセルのセットにおいて、色毎 リブ間隔(換言すればセル横幅、セル容積な )が異なる(不均一になる)ように設計する構 により、ホワイトバランスを任意に設計す 技術(第2の従来技術とする)がある。リブ間 の違いは、リブ間に形成される蛍光体の面 や容積の違いと対応している。例えば、特 平11-54047号公報(特許文献2)記載の技術があ 。この特許文献2の技術では、特に、B色の蛍 光体のセルのリブ間隔を最大に設計する構成 により、白色の色温度を9,000度以上に設計す 旨が記載されている。なお、白色の色温度 11,000度以上に設計する場合のリブ間隔の比 は、R:G:Bで1.15:1:1.23である旨が記載されてい る。なお、特許文献2では、蛍光体の劣化特 等については記載されていない。

 (3) また、色毎に、セル内の透明電極(対)の 面積が異なるように調整する技術(第3の従来 術とする)がある。例えば、特開2000-243300号 報(特許文献3)記載の技術がある。この技術 用いると、色毎に、セルの透明電極(対)の 積に応じて、放電量を調整することができ 。放電量の調整(違い)により、蛍光体の劣化 の特性を調整することができる。

特開2003-29699号公報

特開平11-54047号公報

特開2000-243300号公報

 前述のように、カラーPDPにおける各色の ルの蛍光体の色バランスを調整する手段が 要であり、いくつかの手段が考えられる。 かしながら、前記従来技術を用いた場合、 下のような問題がある。

 (1) 前記第1の従来技術を用いた場合、劣 の少ない蛍光体の色の使用階調(最大階調) 下げることで、総合的な発光量(輝度)が下が る。換言すれば、蛍光体の特性上使用可能な 分を未使用にすることで、その未使用分が無 駄になる。従って、色バランスを維持できる ものの、発光量(輝度)の点ではあまり望まし ない。

 (2) 前記第2の従来技術を用いた場合、前 特許文献2に従い、例えばR,G,Bのうち劣化速 が最大のB色の蛍光体のセルの容積を、他の 色よりも小さくなるように設計する場合、B の蛍光体の形成の面積ないし容積が小さく る。このようにセル内の蛍光体が放電空間 露出する表面積が相対的に小さい場合、イ ン衝突密度や紫外線の照射密度が相対的に くなり、B色の劣化速度が元来よりも更に大 くなる。これにより、ホワイトバランスが しく乱れてしまうことになる。

 仮に、第2の従来技術に第1の従来技術を 用する構成とした場合、例えば劣化速度が 大のB色以外のR色,G色の最大階調以下の高階 の一部を、B色の劣化状態の最大階調に合わ せて未使用とすることにより、色バランスを 調整する。これにより、使用可能な階調数が 減少し、即ち総合的な輝度が下がり、色再現 能力が低下してしまうことになる。

 (3) 前記第3の従来技術(特許文献3)を用い 場合、セルの透明電極の面積を小さくする 、放電量が少なくなることで蛍光体劣化を 制できるが、代わりに、発光量(輝度)が減 することになる(即ち色バランスの乱れにつ がる)。

 本発明は以上のような問題に鑑みてなさ たものであり、その主な目的は、PDP(カラー PDP)において、望ましくは総合的な発光量(輝 )を下げることなく(換言すれば前記第1の従 技術を用いた場合のように使用可能な階調 を損なうことなく)、各色の蛍光体の経年劣 化による色バランスの乱れを調整(色バラン をなるべく均一に維持)することができる技 を提供することである。

 本願において開示される発明のうち、代 的なものの概要を簡単に説明すれば、次の おりである。前記目的を達成するために、 表的な実施の形態は、カラーPDPにおいて、 下に示す構成を有することを特徴とする。

 本形態では、各色素に関する放電による 光体の経年劣化の問題に対し、まず、放電 を減少させることで劣化を抑制(低減)させ 。放電量を減少させる手段として、セルの 電(蛍光体に影響するサステイン放電などの 電)に係わる電極(放電電極、具体的には表 電極、特に透明電極)の面積を小さくする構 (第1の手段:前記第3の従来技術と対応する) する。ただ、当該セルの放電電極の面積を さくする構成のみだと、放電量が少なくな ことで蛍光体劣化を抑制できるものの、発 量(輝度)が減少することになる(即ち色バラ スの乱れにつながる)。よって、本形態では 上記セルの放電電極面積を小さくする構成( 第1の手段)と共に、それに応じて(相関して) 当該セル内部の、発光に係わる蛍光体の形 の面積ないし容積等(あるいはセルの発光領 の開口面積等)を大きくする構成(第2の手段: 前記第2の従来技術と対応する)とする。当該 ルの蛍光体面積等を大きくすることで、当 セルの発光量(輝度)が増加する。このよう 第2の手段による輝度の増加により第1の手段 による輝度の減少を補償(バランス調整)する

 上記により、各色の蛍光体のセットの特 (劣化の特性)を考慮しつつ、各色のセルに じて上記放電電極面積(第1の手段)及び蛍光 面積等(第2の手段)が不均一になるようにし セットにおける色バランスを調整した構成 する。なお念のため、上記原理は、第1の手 に対する第2の手段の作用を逆に考えても通 用する。即ち、色に応じて、セルの蛍光体面 積等を大きくして発光量を大きくする構成( 2の手段)に応じて、セルの放電電極面積を小 さくして放電量を小さくする構成(第1の手段) とすることで、セットの色バランスを調整す る構成、と捉えることもできる。

 なお、色毎に放電量を変化させる手段と ては、前述の第1の従来技術のように放電パ ルス数(使用階調)を変化(減少)させる手段を いた場合、総合的な輝度が下がり、あまり ましくない。よって、本形態では、そのよ な手段ではなく、特に、前記色毎に電極面 を変化させる構成(第1の手段)を採用する。 た、色毎に放電量を変化させる手段として 、隣接する各色のセル毎に放電電圧(駆動電 出力等)を変化させることは困難である。そ の理由は、同一の行(ライン)に属する全セル バス電極を共有するためである。よって、 形態では、そのような放電電圧を変化させ 構成ではなく、前記色毎に電極面積を変化 せる構成(第1の手段)を採用する。

 本形態のPDP(パネル)は、例えば以下の構 である。まず基本構成例としては、第1、第2 、第3の各種類の色の蛍光体及びそれが内部 形成される各色のセルのセット(画素)として 、R,G,Bの各色の蛍光体及び対応するRセル,Gセ ,Bセルのセットを有する。パネルの表示領 (画面)のセル群における色の配列は、第1方 (例えば画面内の水平方向)に、R,G,Bの順で繰 返しの構成である。

 パネル構造例としては、基板構造体にお て、内部の放電空間及びセル群などが形成 れるものであり、放電に係わる電極(例えば 表示電極(維持電極と走査電極))、放電空間を セルに対応して区画する隔壁等の構造物(少 くとも第2方向(画面内の垂直方向)に伸びる ブ)、リブ間(セル内部)に放電空間に露出す ように形成される各色の蛍光体(例えばリブ の底面及び側面に形成される)、等を有する 。

 本形態は、主な特徴としては、上記第1(R) ,第2(G),第3(B)の蛍光体及びセルのセット(画素) の構造において、蛍光体特性、例えば特定色 で他色に比べて劣化速度が大きい場合に対応 して以下の構成とする。即ち、当該特性に応 じて、当該特定色、例えば第3(B)のセルでは 他色(第1(R),第2(G))のセルと比べて、セルの放 電電極の面積(例えば透明電極対の面積)を減 させる構成(前記放電量を減少させる第1の 段)とし、かつそれに相関して、当該セルの 光体の面積等(例えば隔壁の間隔)を増加さ る構成(前記発光量を増加させる第2の手段) し、これにより色バランスを調整した構成 する。

 またあるいは、本形態は、上記第1(R),第2( G),第3(B)の蛍光体及びセルのセットの構造に いて、蛍光体特性、例えば第1(R),第2(G),第3(B) の色の順で、劣化速度が大きくなる場合に対 応して、以下の構成とする。即ち、当該特性 に応じて、第1(R),第2(G),第3(B)の色の順で、セ の放電電極の面積を減少させる構成(前記放 電量を減少させる第1の手段)とし、かつそれ 相関して、当該セルの蛍光体の面積等を増 させる構成(前記発光量を増加させる第2の 段)とし、これにより色バランスを調整した 成とする。

 本願において開示される発明のうち、代 的なものによって得られる効果を簡単に説 すれば以下のとおりである。代表的な実施 形態によれば、各色の蛍光体の経年劣化に る色バランスの乱れを調整することができ 。即ち、経年後においても、階調数(初期の 色表現能力)を損なうことなく、色バランス 均一に維持することができる。

 特に、前記特許文献1等の技術(第1の従来 術)と比較した場合の利点として、経年後に おける画面全体での輝度低下が少ないことが 挙げられる。第1の従来技術のような処理(階 制限処理)を実行する場合、色バランスのた めに、劣化が少ない色の最高輝度が、劣化が 最大の色の最高輝度に合わせて制限される。 よって、経年後の画面全体の輝度の減少量は 、蛍光体の経年劣化による減少量と、上記最 高輝度制限による減少量との和である。一方 、本形態の場合、上記階調制限処理(輝度制 )が必要無いのでこれを使用しない構成とす ことにより、経年後の画面全体の輝度の減 量は、蛍光体の経年劣化による減少量のみ ある。従って、総合的な輝度の減少が少な ので、従来の技術よりも優れている。

 本形態は、色に応じて、セル内の放電電 面積を変化させる構成(第1の手段)と、蛍光 面積等(リブ間隔等)を変化させる構成(第2の 手段)と、の組み合わせの構成を有するが、 なる組み合わせの構成とは異なり、セル構 による放電及び発光等の特性の総合的な改 により、総合的な輝度を確保しつつ、色バ ンスの維持状態を長期間確保することが実 される。

本発明の一実施の形態(実施の形態1等) PDP(カラーPDP)における基本構造例を説明す ための、画素(セル)構造を分解斜視で示す図 である。 本発明の一実施の形態のPDPの基本構造 において、表示ライン方向(x方向)の断面構 を示す図である。 本発明の一実施の形態のPDPの基本構造 において、表示列方向(y方向)の断面構造を す図である。 本発明の一実施の形態のPDPの基本構造 において、サブフィールド法による基本的 駆動波形の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態1のPDPにおける画素 (セル)構造として、表示面側から見た平面概 構成を示す図である。 本発明の実施の形態2のPDPにおける画素 (セル)構造として、表示面側から見た平面概 構成を示す図である。 本発明の実施の形態3のPDPにおける画素 (セル)構造として、表示面側から見た平面概 構成を示す図である。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て詳細に説明する。なお、実施の形態を説 するための全図において、同一部には原則 して同一符号を付し、その繰り返しの説明 省略する。

 <概要及び原理等>
 本実施の形態の概要及び原理等は以下であ 。本実施の形態では、画素を構成するR,G,B 各色の蛍光体の特性に応じて、当該色のセ 毎の透明電極面積を不均一に調整する構成( 1の手段)と、それに応じて、当該色のセル の蛍光体の表面積(リブ間隔)を不均一に調整 する構成(第2の手段)と、の組み合わせにより 、画素の色バランスを調整した構成である。 所定の材料及び製造方法によるR,G,Bの蛍光体 セットを有し、その劣化特性に応じて、上 面積等の配分が設計される。

 まず、第1の手段として、特に、劣化速度 が大きい例えばB色ほど、当該セル内の放電 極の面積を小さくする構成(即ち同じ放電電 に対する放電量を小さくする構成)とする。 第1の手段としては、特に、各色のセル毎に 放電面(放電領域)に対応する透明電極(対)の 積を増減する構成(第3の従来技術と対応す )を用いる。

 第1の手段の作用効果として、当該セルの 放電ギャップを構成する透明電極対の面積の 減少により、当該電極対でのサステイン放電 等の放電の発生の際における放電量が減少す る。即ち同じ表示電極に対する同じ放電電圧 (駆動電圧出力)の印加に対して、当該表示電 における隣接の各色のセルの放電で、異な 放電量となる。当該放電量の減少に伴い、 オン発生量及び紫外線照射量が減少する。 ち当該セル内の蛍光体を損傷させる原因で るイオンや紫外線が減少することにより、 該蛍光体の劣化が長期的に抑制される。

 また、第2の手段として、特に、劣化速度 が大きい例えばB色ほど、当該セルのリブ間 領域に形成される蛍光体表面積を大きくす 構成(即ち同じ放電量に対する蛍光体の発光 を大きくする構成)とする。第2の手段とし は、特に、各色のセル毎に、ストライプリ のリブ間隔(セル横幅)を増減する構成(第2の 来技術と対応する)を用いる。更に、上記発 光量の増減の手段としては、当該セルの発光 領域の開口面積(開口率)などを増減する構成 、上記リブ間隔の増減の構成の代わりに、 たは加えて、用いてもよい。

 第2の手段の作用効果として、蛍光体表面 積の増加に伴い、蛍光体に対するイオン衝突 密度及び紫外線照射密度が低下する(単位面 あたりの衝突イオン数や紫外線照射量が減 する)。また特に、蛍光体表面積の増加に伴 、当該セルの発光量(輝度)が向上する。あ いは、セルの発光領域の開口面積が増加す 場合には、その増加に伴い、当該セルの表 (点灯)の輝度が向上する。

 上記第1の手段かつ第2の手段の作用効果 より、総合的に、各色の蛍光体(セル)のセッ トにおける劣化速度の抑制(均一化)、かつ発 量の向上(均一化)が可能となる。このよう 各色の特性の均一化(バランス調整)により、 下記効果が得られる。

 第1の効果として、初期設計時のホワイト バランスを長期間維持することができる。即 ち、PDP駆動累積経過時間に伴い、各色の発光 量(輝度)がほぼ均一に低下する特性となり、 れらの比率が崩れにくい。

 第2の効果として、階調とホワイトバラン スのトレードオフが不要である。即ち、本カ ラーPDPの構造自体によってホワイトバランス が維持されるため、例えば制御回路等により 前述の第1の従来技術のような処理(階調制限 理)を実行する必要が無い。その結果、従来 技術のPDPよりも、総合的な輝度が確保される 。

 なお、セルのサステイン放電等の放電の めの電圧(駆動電圧出力等)と、セルの輝度 は、ほぼ比例的な関係にあり、前記第1の手 による電極面積の減少(それによる放電量の 減少)は、駆動電圧出力を低下させる場合に 、セルの輝度の低下につながる。しかしな ら、それは、前記第2の手段による作用効果( 蛍光体表面積増加による発光量向上など)に り補償されることで、全体的に調整される で、総合的な輝度の低下は無い。

 <PDP(1)>
 まず、図1において、各実施の形態のPDP(パ ル)10の基本構造の一例について説明する。 施の形態ごとの詳細構造については後述す 。本例のカラーPDPは、ノーマル構成(交流駆 ・面放電・反射型)であり、ストライプリブ 型、三電極(X,Y,A)型、セルごとに透明電極の り出し部を有する構成などである。

 図1で、PDP10における画素に対応付けられ R,G,Bの各色のセルのセットの部分の構造を している。なお、説明のため、図示するよ に、xは、第1方向(横方向、画面内の水平方 (表示ライン方向))、yは、第2方向(縦方向、 面内の垂直方向(表示列方向))、zは、第3方向 (パネル面に対する垂直方向(発光出力方向)) する。

 PDP10の表示領域(画面)では、カラー動画像 を表示するために、マトリクス状にセル群が 配列されている。セルは、蛍光体9を含んで り、三種類の各電極(維持電極2X、走査電極2Y 、アドレス電極6)の交差、及び隔壁8による放 電空間30の区画などに対応して構成される概 である。各色のセル(Rセル,Gセル,Bセル)は、 後述する各色の発光領域40、及び放電領域50 含む(対応付けられる)ものとする。R,G,Bの3色 の発光量の配分を変化させること(具体的に サブフィールド法におけるサステイン放電 数など)により、多様な色(多階調)が表現さ る。

 なお、PDP10を含んでなるPDPモジュールな しPDP装置は、PDP10の背面側がシャーシに固定 され、シャーシに固定される駆動制御回路等 の回路基板部と、PDP10の電極端部とが、フレ シブル基板モジュール等により接続される 成である。

 PDP10は、前後で平行に対向する2枚のガラ 基板1,5を主とする、前面基板構造体(第1構 体)11と背面基板構造体(第2構造体)12を、対向 して組み合わせて成る。それらの構造体(11,12 )の間の内部空間に、放電ガスが気密に封入 れることにより、放電空間30が構成される。 放電空間30は、図1中では、保護層4と誘電体 7との間における、隔壁8(81~83)間の溝状の領 である。なお実際には、放電空間30の厚さに 比べてガラス基板1,5の厚さが十分大きい等、 比率等は異なる。

 第1構造体11において、ガラス基板1は、ソ ーダライムガラス等を使用できる(ガラス基 5も同様)。ガラス基板1上に、x方向に伸びて y方向に繰り返し、表示電極2(2X,2Y)群が配置 れている。表示電極2は、維持動作用の維持 電極2Xと、維持動作及び走査動作用(兼用)の 査電極2Yと、を有する。表示電極2は、隣接 る維持電極2Xと走査電極2Yの対により表示ラ ンを構成する。なお、電極配列構成として 、本例ではノーマル構成(表示電極2(2X,2Y)の が順次繰り返し配列され、非放電領域(逆ス リット)を有する構成)である。

 表示電極2(2X,2Y)は、本例では、光透過性 透明電極2aと、非透過性のバス電極2bと、か 成る。例えば、バス電極2bは、Cu,Cr等の金属 から成り(例えばCr-Cu-Crの三層構造)、透明電 2aよりも電気的抵抗が低く、直線状であり、 端部が駆動回路部側と接続されている。透明 電極2aは、例えばITOからなり、バス電極2bと 気的に接続されており、バス電極2bとz方向 重なる本線部分と、本線部分から連続して ルごとに内側方向に例えば矩形形状で張り す張り出し部とを有する形状である。

 ガラス基板1上、表示電極2群は、誘電体 3により覆われている。そして、誘電体層3上 に、更に、保護層4(例えばMgO層)が形成されて いる。少なくとも、セルに対応する領域(放 領域50)に対しては、誘電体層3及び保護層4等 が設けられている。本例では、誘電体層3及 保護層4は、PDP10の表示領域(画面)に対応した 全面に形成されている。誘電体層3(誘電体層7 も同様)は、低融点ガラス材料を使用できる また、図1中では、ガラス基板1の表面に、各 色のセルに対応する発光領域40R,40G,40Bを示し いる。

 第2構造体12において、ガラス基板5上に、 表示電極2と交差するy方向に伸びて、x方向に 繰り返し、アドレス電極6群が配置されてい 。アドレス電極6は、例えばバス電極2bと同 の金属製の構造である。本例では、アドレ 電極6は、隣接するリブ81~83の中間の位置へ 線される。維持電極2Xと走査電極2Yの対(表示 ライン)、及びアドレス電極6(表示列)の交差 分に、セルが対応付けられる。アドレス電 6群は、例えば誘電体層7により全面的に覆わ れている。

 誘電体層7上、アドレス電極6間(セル間)に 対応する位置に、y方向に並行に伸びるスト イプ状に、隔壁8(81~83)が形成されている。隔 壁(リブ)8は、放電空間30をセル群に対応して 画する。なおリブ構造としては、x方向及び y方向(x-y平面に平行な隔壁)の隔壁部を持つボ ックス形状なども可能である。各リブ81~83(y 向の隔壁部)は、セル(放電領域50)に対応して 、放電空間30を表示列ごとに区画する。リブ8 は、低融点ガラス材料等を使用でき、サンド ブラスト法などにより形成される。

 アドレス電極6の上方、リブ8で区画された 示列対応の溝状の領域には、R,G,Bの各色の蛍 光体9(9R,9G,9B)が、表示列毎に色分けして、当 順序で反復して形成されている。蛍光体9は 、リブ8間の溝状の領域のうち、底面(誘電体 7の上面)と側面(リブ8の側面)にわたって、 定厚さ以上で層状に形成されている。また 図1中では、リブ8の上端面の位置に、各色の セルに対応する発光領域40R,40G,40Bを示してい 。蛍光体9は、リブ8間の領域に、例えば従 同様の蛍光体ペーストの塗布方法などによ 形成される。即ち、蛍光体ペーストをリブ8 の領域に塗布し、当該ペーストを含む部分 加熱により、蛍光体成分が、リブ8間の領域 における底面や側面などに固着される。各色 の蛍光体9としては下記材料を使用できる。 ち、G色の蛍光体9Gは、Zn 2 SiO 4 :Mn、B色の蛍光体9Bは、BaMgAl 10 O 7 、R色の蛍光体9Rは、(Yx,Gd 1-x )Bo 3 :Euである。

 ガラス基板1、透明電極2a、誘電体層3、保 護層4等は、セルでの発光を前面側(z方向)へ 過させるために、前述したような光透過性 材料が用いられる。

 色バランス(ホワイトバランス)の設計と ては、例えば、本パネルから出力されるR,G,B の輝度比が0.3:0.6:0.1(色温度=約10,000K)になるよ うにする。

 <PDP(2)>
 図2において、図1のPDP10のx方向-z方向の面で の断面概略を示している。第1構造体11の保護 層4と、第2構造体12の誘電体層7との間で、リ 8(81~83)により区画される領域に、放電空間30 に露出して、各色の蛍光体9(9R,9G,9B)が形成さ ている。R,G,Bの各セルにおいて、Rセルでは 左右のリブ81,82の間の領域に、誘電体層7上 と、リブ81,82の側面に、R色の蛍光体9Rが塗 等の方法により形成されている。同様に、G ルでは、左右のリブ82,83の間にG色の蛍光体9 Gが、Bセルでは、左右のリブ83,81の間にB色の 光体9Bが、それぞれ形成されている。各リ 81~83は、高さ及び横幅が同じとする。

 また、説明を簡単にするため、例えばリ 8の断面形状を矩形として概略的に示してい る。実際には、各リブ81~83は、第2構造体12側 サンドブラスト等の方法により形成される で、例えば当該断面が台形状(上端面側で細 くなる)である。また実際には、リブ8の形状 に応じて、表示面側の発光領域40R,40G,40Bの きさなども変化する。

 また、各色のセルの横幅に概略的に対応 るリブ8(81~83)間隔を、LR,LG,LBで示している。 当該間隔は、図2中では、リブ81~83の中心位置 同士の間隔を示している(なおリブ8の側面同 の間隔を考えても構わない)。図2中では、LR =LG=LBの場合である。

 また図2では、表示電極2については、各 のセルごとの、透明電極2aの張り出し部(2aR,2 aG,2aB)(図5等で後述)での断面を示している。 電極の位置及び横幅等は一例である。走査 極2Yとアドレス電極6との間では、電圧印加 基づき、放電空間30等を介してアドレス放電 が行われる。

 後述する特徴構成では、各色のセルの内 、即ちリブ8間の領域に、放電空間30に露出 て形成される、蛍光体9の表面積(ないし容 等)を考える。この各色の蛍光体9の表面積は 、図2等からもわかるように、リブ81~83同士の 間隔を変えることで、増減される。なお、蛍 光体表面積としては、概略的には、リブ81~83 側面及び誘電体層7上面における蛍光体9が 布される面の面積などを考えてもよい。

 <PDP(3)>
 図3において、図1のPDP10のy方向-z方向の面で の断面概略(Rセルの場合)を示している。図3 は、アドレス電極6、及び表示電極2の透明電 極2aの張り出し部(2aR)での断面を示している

 ガラス基板1上、透明電極2a、バス電極2b 順で積層されている。表示電極2(2X,2Y)の透明 電極2aの対により、特に張り出し部2aRの先端( エッジ部)同士の間に、長さaで示すような放 ギャップが構成されている。

 表示ラインを構成する維持電極2Xと走査 極2Yの対において、その間で、特に透明電極 2aによる放電ギャップ(長さa)で、電圧印加に づき、放電空間30で、Aで示すようなサステ ン放電等の放電が行われる。

 また、図3中では、Rセルの発光領域40Rは 非透過性のバス電極2b面部分を含まない。ま た、Rセルの放電領域50Rは、y方向で隣接する ルの構造などにもよるが、本例では、放電 間30に面しているバス電極2b面部分も含む。

 セルにおける放電空間30(第2の領域(放電 域)50と対応する)には、放電ガスが充満され いる。放電ガスは、例えば、Ne,Xe,Heの混合 スが使用され、圧力が450~500Torrである。なお 本例ではy方向の隣接セル間に、x方向に伸び 横隔壁部は存在しないので、y方向の隣接セ ルでは、放電空間30が通じている。従って、 2の領域(放電領域)50Rは、バス電極2bの下側 含んでいる。なお、上記x方向の横隔壁部が 在する構成の場合、当該横隔壁部に対応す 面は、第1の領域40R、第2の領域50Rには含ま ない。

 <セル及び領域>
 本実施の形態における特に放電量や発光量 どに係る説明のために、以下のように、単 領域(面ないし容量等)に関する用語を定義 る。図1~図3等に示すように、各色のセルご に、第1の領域(発光領域)40(40R,40G,40B)、及び 第2の領域(放電領域)50(50R,50G,50B)を有する。

 第1の領域(発光領域)40は、第1構造体11(ガ ス基板1、誘電体層3)側で、表示面側におけ 、セル開口面に対応する領域であり、矢印 ように発光が前面側(z方向)に取り出される 域である。第1の領域40は、表示電極2におけ る透明電極2aの張り出し部(2aR等)の面を含み バス電極2b(及びそれに重なる透明電極2aの本 線部)の面部分、及びリブ8に対応する面部分 含まない。

 第2の領域(放電領域)50は、特に、放電空 30、リブ8間の領域等に対応する、放電の発 に係わる領域である。第2の領域50は、表示 極2における透明電極2a及びバス電極2bの面部 分を含み、リブ8対応部分を含まない。なお 2の領域50にバス電極2b面部分などを含むのは 、当該部分も放電空間30での放電に影響する らである。なお放電に一番影響するのは、 セル内の個別の透明電極2aの張り出し部(放 ギャップ形成部分)である。第2の領域50に対 応する容量(リブ8間の領域)内には、蛍光体9 形成されている。第2の領域50に対応する面( 電面)では、サステイン放電が行われる。

 <PDP駆動方法>
 図4において、PDP10の基本的な駆動方式(サブ フィールド法及びアドレス表示分離方式)、 動波形の例、セル点灯プロセス等について 明する。PDP装置の駆動制御回路から、表示 ータ等に基づき、PDP10の電極群(2X,2Y,6)へ駆動 波形を印加することにより駆動する。PDP10の 面に対応するフィールド(フィールド期間) 、所定の輝度の重み付けが与えられた複数 サブフィールド(SF)から構成される。サブフ ールド(サブフィールド期間)は、例えばリ ット、アドレス、サステインといった概略3 の動作期間で構成され、これらの反復によ 所望のセルを点灯(発光)させる。また、フ ールド中の点灯するサブフィールドを選択 組み合わせることで、画素(セル)の輝度(階 )が表現される。図4ではサブフィールド(SF) おける各電極(2X,2Y,6)に対する駆動波形例(PX,P Y,PA)を示している。

 第1のステップとして、リセット動作期間 (TR)では、表示電極2等への駆動波形の印加に り、表示電極2対での放電(リセット放電)に る、全セルの初期化(次のアドレス動作期間 に備える状態にすること)が行われる。

 第2のステップとして、アドレス動作期間 (TA)では、選択するセルに対し、アドレス電 6及び走査電極2Y等への駆動波形(アドレスパ ス、走査パルス)の印加により、アドレス電 極6と走査電極2Yとの間での放電(アドレス放 )、及びそれに続く表示電極2対での放電、を 発生させる。

 第3のステップとして、サステイン動作期 間(TS)では、表示電極2群への駆動波形(サステ インパルス)の印加により、直前のアドレス 作で選択されているセルで、表示電極2対(2X, 2Y)の間での放電(サステイン放電)を発生させ 当該セルでの発光が行われる。

 セル内の蛍光体9は、サステイン放電動作 の結果、放電ガスから放射される紫外線によ って励起され、対応する色で発光する。各色 の発光が、表示面(第1の領域40)側へ透過され 取り出されることで、表示の輝度となる。 の発光の副作用として、蛍光体9は、紫外線 、及び放電ガスが紫外線を照射する過程で生 成されるイオンによって、損傷される。この 損傷の累積が、経年劣化の原因である。

 図4で、リセット動作期間(TR)では、まず 前半(a)、維持電極2Xに、負の書き込み電圧が 印加され、走査電極2Yに、正の書き込み電圧( 緩やかに上昇する波形)が印加される。これ より、セルの発光を抑えながら、表示電極2 に、正と負の壁電荷がそれぞれ蓄積される 次に、後半(b)、維持電極2Xに、正の調整電 が印加され、走査電極2Yに、負の調整電圧( 波)が印加される。これにより、壁電荷の量 減るとともに、全セルの壁電荷がほぼ等し なる。

 アドレス動作期間(TA)では、選択対象セル に対し、維持電極2Xに、正の走査電圧が印加 れ、走査電極2Yに、負の走査パルスが印加 れ、アドレス電極6に、正のアドレスパルス 印加される。これにより選択されたセルは 放電を開始する。また例えば、前半(c)では 上記波形印加により、一方側(正側)の表示 インの表示電極2対をアドレス動作し、後半( d)では、同様の波形の印加により、他方側(逆 側)の表示ラインの表示電極2対をアドレス動 する。

 サステイン動作期間(TS)では、表示電極2 の群に、まず、負及び正の維持パルスが印 される(e)。これにより、点灯セルの放電状 が維持される。続いて、表示電極2対の群に 互いに極性の異なる維持パルスが繰り返し 加される(f)。これにより、点灯セルでの放 が繰り返し行われる。維持パルスの印加後( g)には、例えばリセット動作につながる調整 波形が表示電極2に印加される。

 (実施の形態1)
 以上を踏まえ、図1~図5を用いて、本発明の 施の形態1のPDP10の特徴及び詳細について説 する。実施の形態1のPDP10の概要は以下であ 。前述のPDP10において、R,G,Bの順の蛍光体及 びセルによるセット(画素)において、劣化速 の特性が、小さい(遅い)方から大きい(速い) 方へ順に、概略的に、R(小),G(小),B(大)である 合、即ちR色,G色の劣化速度が同程度で小さ 、B色のみそれらよりも大きい場合、に対応 した構成である。そして、本PDP10では、劣化 一番大きいB色のみ、他色よりも、セル(第2 領域50)の透明電極2a(張り出し部)対の面積( にその横幅)を小さくする構成とし、かつそ に応じて、当該B色の蛍光体9Bの表面積を、 該セルのリブ8間隔(第1の領域40)を大きくす ことで大きくする構成として、これらの配 構成により当該セットの色バランスをほぼ 一になるように調整した構成である。

 図5において、実施の形態1のPDP10における 画素構造として、R,G,Bのセルのセットを表示 側から見た平面(x方向-y方向の面)の概略構 を示している。表示電極2(2X,2Y)対において、 x方向のバス電極2b対及びy方向のリブ8により まれる領域が、概略的に各セル(第1の領域40 、第2の領域50)に対応する。そして、透明電 2a対において、各セルの中心位置でセル内側 に張り出す、矩形の張り出し部2aR,2aG,2aBを有 、当該張り出し部の対により各セルの放電 ャップが構成されている。各セルの放電ギ ップの長さ(a)、及び張り出し部2aR,2aG,2aBの 長さ(b)は、一定である。なお表示電極2対で 称構成である。リブ8の間隔(LR,LG,LB)は、図5 では、リブ8中心軸同士の間隔ではなく、リ ブ8側面同士の間隔(第1の領域40,第2の領域50の 横幅と同じ)として示している。y方向では、 色のセルの縦幅は、一定とする。

 基本として、PDP10の画面全体における画 のサイズ(横幅:LP)が一定に設計される。そし て、当該画素サイズ(LP)内において、前述の 理に従い、R,G,Bの各色のセルにおける、透明 電極2a(張り出し部2aR,2aG,2aB)面積と、x方向の ブ8間隔(LR,LG,LB)との配分が以下のように設計 される。

 第1に、各色のセルの透明電極2aの張り出 部2aR,2aG,2aBの横幅(ER,EG,EB)において、劣化特 の順に対応して、Bセル(EB)のみ小さくなる うに設計される。即ち、ER=EG>EBである。か つ、第2に、各色のセルのリブ8間隔(LR,LG,LB)に おいて、劣化特性の順に対応して、Bセル(LB) み大きくなるように設計される。即ち、LR=L G<LBである。

 上記により、各セルにおいて、放電電極 積、即ち透明電極2a(張り出し部2aR,2aG,2aB)対 面積は、Bセルのみ小さくなり、かつ、その 分、蛍光体9表面積は、Bセルのみ大きくなる 即ち、Bセルでは他のセルよりも、透明電極 2aを用いた放電の放電量が小さくなると共に その分、蛍光体9の発光量が大きくなる。

 前述の原理に従い、Bセルでは、他のセル に比べ、蛍光体9B表面積の増加に伴い、蛍光 9Bの劣化が低減される。また特に、発光量( 度)が向上する。あるいは、第1の領域40Bの 積の増加に伴い、表示(点灯)の輝度が向上す る。

 各色のセルにおける透明電極2aの張り出 部の横幅(ER,EG,EB)の比率は、例えば、1:1:0.90 する。各色のセルにおけるリブ8間隔(LR:LG:LB) の比率は、例えば、1:1:1.2等とする。

 上記放電電極面積及び蛍光体9表面積の調 整では、第1の領域40または第2の領域50に対応 して大きさが調整される。なお概略的には第 1の領域40または第2の領域50の一方のみ用いて 調整してもよい。上記放電電極面積は、特に 、第2の領域50に含まれる電極面積を考えれば よい。当該面積は、透明電極2aの矩形の張り し部(2aR,2aG,2aB)の面積に加え、バス電極2b部 の面積も含まれる。概略的に見積もる場合 、バス電極2bの影響については各セルで大 無しと考えて、上記張り出し部の面積のみ えればよい。

 上記調整・設計につき詳しくは以下であ 。セルの透明電極面積、サステイン駆動電 (電流)、及び輝度は、ほぼ比例関係にある とが知られている(例えば特許文献3)。即ち 例えばRセルの透明電極面積を大きくした場 、一般には、当該Rセルでのサステイン放電 のための駆動(表示電極への駆動波形の印加) 、当該放電を開始(発生)させるために必要 電圧(放電開始電圧)が大きくなり、また、当 該放電の結果による発光量及び輝度が大きく なる。

 上記に関し、本実施の形態では、Bセルの 透明電極2a対は、Rセル,Gセルのそれと比較し 面積が小さく構成されるので、Bセルのみで 考えるとサステイン駆動電圧は低くなる。換 言すれば、同じ表示電極2に対する同じサス イン駆動電圧の印加に対しては、隣接する 色のセルでのサステイン放電に関して、Bセ ではRセル,Gセルに比較して放電量が小さく る。これにより、前述の原理に従い、下記 用効果を得る。

 Bセルでの放電量の低減に伴い、蛍光体9B 損傷する原因であるイオン及び紫外線が減 し、更に、Bセル横幅(リブ83とリブ81の間隔) 拡大による効果(蛍光体9B表面積の増加に伴う イオン衝突密度及び紫外線照射密度の低減) 重畳される。これらにより、単位面積あた の衝突イオン数、及び紫外線照射量が減少 るため、B色の蛍光体9Bの劣化速度が抑制さ る。なお、Bセルの放電電極面積の減少によ 輝度(発光量)の低下は、蛍光体9B表面積の増 加による輝度(発光量)の上昇の効果によって 償されるので、総合的な輝度の低下(悪影響 )は無い。

 以上のように各色のセルの蛍光体9の劣化 速度がほぼ均一化される構成により、実施の 形態1のカラーPDPは、前述した効果、即ち、 期間駆動しても、階調制限処理が不要で階 数が損なわれず、色バランスが良好に維持 れる効果が得られる。

 (実施の形態2)
 更に図6を用いて、本発明の実施の形態2のPD P10について説明する。実施の形態2のPDP10の概 要は以下である。実施の形態1と基本同様のPD P10において、R,G,Bの順の蛍光体9及びセルによ るセット(画素)において、劣化速度の特性が 小さい方から順に、概略的に、R(小),G(中),B( 大)である場合、即ちR色の劣化速度が一番小 く、B色の劣化速度が一番大きい場合、に対 応した構成である。そして、本PDP10では、劣 速度が大きくなるR,G,Bの順に、セル(第2の領 域50)の透明電極2a(張り出し部)対の面積(特に の横幅)を小さくする構成とし、かつそれに 応じて、同順で、当該色の蛍光体9の表面積 、当該セルのリブ8間隔(第1の領域40)を大き することで大きくする構成として、これら 配分構成により当該セットの色バランスを ぼ均一になるように調整した構成である。

 上記配分構成は、換言すれば、G色の劣化 速度を中程度としたとき、Rセルでは、放電 極面積を大きくし、かつ、蛍光体表面積(リ 間隔)を小さくする。そして逆に、Bセルで 、放電電極面積を小さくし、かつ、蛍光体 面積(リブ間隔)を大きくする、というもので ある。

 図6において、実施の形態2のPDP10における 画素構造を、実施の形態1(図5)同様に示して る。画素サイズ(LP)内において、前述の原理 従い、R,G,Bの各色のセルにおける、透明電 2a(張り出し部2aR,2aG,2aB)面積と、x方向のリブ8 間隔(LR,LG,LB)との配分が以下のように設計さ る。第1に、各色のセルの透明電極2aの張り し部2aR,2aG,2aBの横幅(ER,EG,EB)において、劣化 性の順に対応して、R,G,Bの順で小さくなるよ うに設計される。即ち、ER>EG>EBである。 つ、第2に、各色のセルのリブ8間隔(LR,LG,LB) おいて、劣化特性の順に対応して、R,G,Bの で大きくなるように設計される。即ち、LR< ;LG<LBである。

 上記により、各セルにおいて、放電電極 積、即ち透明電極2a(張り出し部2aR,2aG,2aB)対 面積は、Rセルで大きくBセルで小さくなり かつ、その分、蛍光体9表面積は、Rセルで小 さくBセルで大きくなる。即ち、Rセル,Gセル,B セルの順で、透明電極2aを用いた放電の放電 が小さくなると共に、その分、蛍光体9の発 光量が大きくなる。

 前述の原理に従い、Rセル,Gセル,Bセルの で、蛍光体9表面積の増加に伴い、蛍光体9の 劣化が低減される。また特に、発光量(輝度) 向上する。あるいは、第1の領域40の面積の 加に伴い、表示(点灯)の輝度が向上する。

 各色のセルにおける透明電極2aの張り出 部の横幅(ER,EG,EB)の比率は、例えば、1:0.97:0.9 0とする。各色のセルにおけるリブ8間隔(LR:LG: LB)の比率は、例えば、1:1.1:1.2等とする。

 以上のように各色のセルの蛍光体9の劣化 速度がほぼ均一化される構成により、実施の 形態2のカラーPDPは、前述した効果、即ち、 期間駆動しても、階調制限処理が不要で階 数が損なわれず、色バランスが良好に維持 れる効果が得られる。

 (実施の形態3)
 更に図7を用いて、本発明の実施の形態3のPD P10について説明する。実施の形態3のPDP10の概 要は以下である。実施の形態1と基本同様のPD P10において(実施の形態2に対しても同様に適 可能)、R,G,Bの順の蛍光体9及びセルによるセ ット(画素)において、劣化速度の特性(B色の 化速度が一番大きい場合)に応じて、セルの 明電極2a(対)の構造を工夫して放電電極面積 を調整した構成である。本構成として、放電 ギャップ長さ(a)、及び、張り出し部(対)のエ ジ部分の横幅(ER,EG,EB)については一定としつ つ、色に応じて、それ以外の部分のサイズを 変えることで、放電電極面積を調整した構成 である。これらにより当該セットの色バラン スをほぼ均一になるように調整した構成であ る。

 図7において、実施の形態3のPDP10における 画素構造を同様に示している。実施の形態3 は、各色のセルにおける透明電極2aのT字形 の張り出し部2aR,2aG,2aBを有し、張り出し部2aR ,2aG,2aBは、本線部分と連続している、相対的 横幅が小さい括れの部分(T字の縦軸部)と、 の括れの部分に連続している、相対的に横 が大きく、放電ギャップを形成する矩形の 分(T字の横軸部)と、を有する。なお表示電 2対で対称形状である。

 画素サイズ(LP)内において、R,G,Bの各色の ルにおける、リブ8間隔(LR,LG,LB)の配分につ ては前述同様であり(LR=LG<LB)、透明電極2a( り出し部2aR,2aG,2aB)面積の配分が以下のよう 設計される。

 透明電極2aのT字の張り出し部2aR,2aG,2aBの 形部分(エッジ部)の横幅(ER,EG,EB)を一定とし 矩形部分(エッジ部)の縦長さ(FR,FG,FB)におい 、劣化特性の順に対応して、Bのみ小さくな ように設計される。即ち、FR=FG>FBである これにより、張り出し部2aR,2aG,2aBの面積は、 Bセルのみ小さくなる。

 放電ギャップ長さ(a)及びエッジ部の横幅( ER等)を一定にすることが望ましい理由は、色 ごとに当該サイズを変えてしまうと、放電量 などに影響し、その分、適切なバランスの設 計が難しくなるためである。

 本設計に関して、詳しくは以下である。 施の形態1等のように、色ごとにセルの透明 電極2a対における放電ギャップを形成する部 (例えば矩形)の横幅(ER,EG,EB)が異なる場合、 該放電ギャップにおける放電開始電圧に差 が生じることになる。この差異は、透明電 2a間の放電ギャップの長さの調整によって 殺(調整)することが可能である。ただし、放 電ギャップ長さを色ごとに不均一とした構成 の場合、製造工程上、歩留まりを下げる原因 となるため、好ましくないことがある。

 そこで、本実施の形態のように、透明電 2aの構成に関して、各色の放電ギャップの さ(a)を一定とし(換言すれば各張り出し部の 長さ(b)が同じ)、かつ、張り出し部の横幅を 変えることで面積(放電電極面積)を変える構 とする。また特に、放電ギャップ近傍の矩 (エッジ部)の横幅(ER等)を変えると、その分 放電開始電圧等が変化するので、当該横幅( ER等)を均一に設計する。そして特に、当該矩 形(エッジ部)の縦長さ、ないし張り出し部の ス電極2b近傍部分(括れの部分)での幅(面積) 変化させることで電極面積を不均一に設計 る。図7では、張り出し部2aR,2aG,2aBの矩形(エ ッジ部)に関して、横長さ(ER等)が同じであり 縦長さ(FR,FG,FB)がFR=FG>FBの構成である。

 以上のような構成により、実施の形態3の カラーPDPは、放電ギャップ近傍の電極形状の 一定化による安定的な設計で、実施の形態1 と同様の効果が得られる。

 <他の構成例>
 以上の実施の形態の他の構成例として以下 可能である。まず、PDP10構造としてノーマ な表示電極2の配列構成としたが、所謂ALIS構 成(表示電極2(2X,2Y)が交互に繰り返し配列され 、隣接するすべての表示電極2(2X,2Y)対により 示ラインが構成される構成)なども可能であ る。また、透明電極2aの形状は、例えば個別 張り出し部を持たずに、隣接セルで共通と る平面板での直線状なども可能である。

 また、各色のセルの蛍光体9の形成の面積 を変える手段として、各色のセルの縦幅を変 える構成が考えられる。例えば、各セル横幅 を一定として、表示電極2の位置等を各セル 変えることで、セル縦幅のみを不均一に設 した構成とする。ただし、この構成の場合 隣接セルのセル縦幅で差異が生じることで 表示面における非発光領域が生じ、その分 セル横幅を変える構成と比べても非発光領 が増えるので、パネルの総合的なサイズが きくなる。

 また、各色のセルの蛍光体9の形成の面積 を変える手段として、リブ8間の領域に対す 蛍光体9の形成の高さ(量)を変える構成など 可能である。特にリブ8の側面への蛍光体9の 固着の高さを変えることで、蛍光体表面積等 を調整する構成などである。

 また、各色のセルのリブ8間隔を変える手 段としては、リブ8自体の幅を変える構成が えられる。色に応じて各リブ81~83の横幅を変 えることで調整する構成である。

 また、カラーPDPとしては、R,G,Bの3色のセ トによるものに限らず、4色以上のセットに よるものも可能であり、同様に適用可能であ る。

 以上、本発明者によってなされた発明を 施の形態に基づき具体的に説明したが、本 明は前記実施の形態に限定されるものでは く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更 能であることは言うまでもない。

 本発明は、カラーPDP等に利用可能である