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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114666
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a pneumatic tire comprising a vehicle-mounted inner bead filler sheet (32IN) disposed at a tire side portion on the vehicle-mounted inner side, and a vehicle-mounted outer bead filler sheet (32OUT) disposed at a tire side portion on the vehicle-mounted outer side. The vehicle-mounted inner side bead filler sheet height (H1) is set larger than the vehicle-mounted outer side bead filler sheet height (H2). As a result, the rigidity of the tire side portion on the vehicle-mounted inner side can be set relatively higher than the rigidity of the tire side portion on the vehicle-mounted outer side, thereby to facilitate the transmission, as intended by the driver, of a steering force to the road surface, and the increase in the rigidity of the vehicle-mounted outer side of a high input due to the roughness of the road surface can be suppressed to suppress the vibration to be applied to the tire and accordingly to the vehicle.

Inventors:
FUKUNAGA TAKAYUKI (JP)
NAGAI SHU (JP)
ITO TOSHIHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054531
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
March 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
FUKUNAGA TAKAYUKI (JP)
NAGAI SHU (JP)
ITO TOSHIHARU (JP)
International Classes:
B60C13/00; B60C5/00; B60C15/06
Foreign References:
JP2000309208A2000-11-07
JPS6374704A1988-04-05
JP2003320821A2003-11-11
JPH06143945A1994-05-24
JP2005075295A2005-03-24
JPS638005A1988-01-13
JP2003320821A2003-11-11
JP2005075295A2005-03-24
Other References:
See also references of EP 2127912A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-ku, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 一対のビードコアと、
 前記一対のビードコアに跨り、端部分を前記ビードコアの周りに折り返してなるカーカスと、
 一方のビードコアから他方のビードコアへ延びる、カーカスの本体部分と、前記ビードコアの周りに折り返したカーカスの折返し部分との間に配置されてなる前記ビードコアから半径方向外方へ延びるビードフィラーと、
 前記カーカスのクラウン域の外周側に配置されたベルトと、
 前記ベルトの外周側に配置されたトレッドゴムと、
 前記カーカスの幅方向外側に配置されるサイドゴムと、
 を具え、
 車両への装着姿勢で車両の内側となるタイヤサイド部に、タイヤの半径方向内方から外方へ向けて配置されるシート状の車両装着内側ビードフィラーシートを設け、車両装着内側のタイヤサイド部の剛性を車両装着外側のタイヤサイド部の剛性よりも高くしてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
 車両への装着姿勢で車両の外側となるタイヤサイド部に、タイヤの半径方向内方から外側へ向けて配置されるシート状の車両装着外側ビードフィラーシートを具え、
 タイヤ断面高さを計測する際のリム径ラインを通り、かつタイヤ中心軸線に平行とされた基準線からタイヤ半径方向外方へ計測した際の、前記基準線から前記車両装着内側ビードフィラーシートの半径方向外方端までの車両装着内側ビードフィラーシート高さをH1、前記基準線からタイヤ半径方向外方へ計測した際の、前記車両装着外側ビードフィラーシートのタイヤ半径方向外方端までの外側ビードフィラーシート高さをH2としたときに、H1/H2が105~160%であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記車両装着内側ビードフィラーシート、及び前記車両装着外側ビードフィラーシートがゴムで形成され、
 前記車両装着内側ビードフィラーシートのゴム硬度が、前記車両装着外側ビードフィラーシートのゴム硬度よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
 前記車両装着内側ビードフィラーシート、及び前記車両装着外側ビードフィラーシートが、前記ビードフィラーと同種のゴム種で形成されてなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、高速走行時の性能を向上させ 空気入りタイヤに関するものである。

 タイヤの性能向上に対する要求が高まるに れ、操縦安定性、乗心地、低騒音性、耐摩 性能など、従来の考え方では背反すると考 られてきた複数の性能を同時に満足させる 々な手法が提案されてきた。
 その一つの流れとして、タイヤをその赤道 に関し非対称化する手法がある。例えば、 イヤの、車両への装着姿勢の下で、タイヤ 装着内側と外側とで上記の各性能に対する 与が異なることに着目し、タイヤ内部の構 を赤道面に対して非対称とする手法が数多 提案されている(例えば、特許文献1~3)。

 勿論、赤道面に対してトレッドパターンを 対称とすることや、断面形状を非対称とす 改良案は多い。
 以上の非対称化技術は、タイヤが車両に装 された際の使用環境において、サスペンシ ンの挙動やアライメントがタイヤ赤道面に して非対称である結果として、直進中、コ ナリング中を問わずタイヤに作用する力が イヤ赤道面に対してやはり非対称となるこ に着目して、タイヤの装着内側と外側での 能分離を提案したものである。

 そのような技術として、例えば操縦安定 に関し、高速、大舵角入力下でのコーナリ グ性能を向上することを目的としたものに 、当該条件下で車両のコーナリングの外側 挟み込むように傾斜した際、コーナリング 外側に位置するタイヤ、そしてそのタイヤ 中でも、特に車両装着外側の部位に大きな 方向力が作用することに着目し、この横方 力に拮抗させて車両の姿勢を安定させるべ 、車両装着外側のサイドウォール部の剛性 高めた内部構造や断面形状がある。

 また、乗心地の向上を目的とする例として 、ネガティブキャンバーを付与された車両 おいて、車両の上下運動に伴いタイヤに加 られる変形が車両装着内側において特に大 くなることに着目し、縦方向の振動減衰性 を向上させるよう車両装着内側サイド部の 率を小さくしたタイヤ断面形状がある。

特開昭63-8005号公報

特開2003-320821号公報

特開2005-75295号公報

 操縦安定性を向上させるために、コーナリ グ時にはたらく横方向力に拮抗させて車両 姿勢を安定させるべく、サイドウォール部 剛性を高めた内部構造や断面形状にする手 によれば、タイヤの縦剛性の増加により乗 地が悪化してしまう。
 また、乗心地を向上させるために、サイド ォール部の剛性を低下させて路面凹凸から 入力を吸収させる手法によれば、操縦安定 が悪化してしまう。
 これら背反する性能を両立するべく、車両 の装着姿勢のタイヤの車両装着外側の剛性 高くする非対称形状や構造が数多く提案さ ているが、満足できる性能のものはなかっ 。

 本発明は、車両装着姿勢のタイヤの、車 の内側の剛性を高くすることにより、これ の背反する性能、即ち、操縦安定性と乗心 とを効果的に両立させることができる空気 りタイヤを提供することを目的としている

 発明者の種々の実験、検討の結果、以下の とが分かった。
 車両への乗心地を悪化させ、あるいは直進 定性、微小舵角での操縦安定性を低下させ 外的要因として最も大きなものは、上下方 、左右方向を問わず、走行中の車両に振動 与える路面の凹凸である。

 この凹凸が装着姿勢のタイヤの、車両装 外側にぶつかった場合と、車両装着内側に つかった場合についての比較を行ってみる 、凹凸の大きさが同じであれば、殆どの乗 車においては、車輪取り付け支持部(ホイー ルのハブ面)がオフセットされており、荷重 荷の割合の大きい車両装着外側の方がより きな振動となる。そのため、車両装着外側 の振動入力と内側での振動入力では、外側 の振動入力を抑制する方がより効果的と考 られる。

 請求項1に記載の発明は、上記事実に鑑みて なされたものであって、一対のビードコアと 、前記一対のビードコアに跨り、端部分を前 記ビードコアの周りに折り返してなるカーカ スと、一方のビードコアから他方のビードコ アへ延びる、カーカスの本体部分と、前記ビ ードコアの周りに折り返したカーカスの折返 し部分との間に配置されてなる前記ビードコ アから半径方向外方へ延びるビードフィラー と、前記カーカスのクラウン域の外周側に配 置されたベルトと、前記ベルトの外周側に配 置されたトレッドゴムと、前記カーカスの幅 方向外側に配置されるサイドゴムとを具え、 車両への装着姿勢で車両の内側となるタイヤ サイド部に、タイヤの半径方向内方から外方 へ向けて配置されるシート状の車両装着内側 ビードフィラーシートを設け、車両装着内側 のタイヤサイド部の剛性を車両装着外側のタ イヤサイド部の剛性よりも高くしてなること を特徴としている。
 ここで、「車両装着内側のタイヤサイド部 配置」とは、カーカスの外面に配置するこ はもちろんのこと、サイドゴムの半径方向 方に配置することを含むものとする。

 次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作 用を説明する。
 請求項1に記載の空気入りタイヤでは、タイ ヤの、装着内側となるタイヤサイド部に補強 用の車両装着内側ビードフィラーシートを設 けたので、車両装着内側のタイヤサイド部の 剛性を、車両装着外側のサイド部の剛性より も相対的に、高くすることができる。

 車両は、コーナリング時に外側車輪にポジ に働く横方向力が掛かることから、予めネ ティブキャンバーに設定しておくことによ 、コーナリング時の接地性が確保される。
 請求項1の空気入りタイヤを車両の前輪に用 いると、トレッドの車両装着内側部分の路面 に接触する接地圧が、車両装着外側部分の路 面に接触する接地圧よりも高くなり、ドライ バーの意図する操舵力の路面への伝達を容易 にならしめることができ、操縦安定性が向上 する。
 また、相対的に、車両装着外側のタイヤサ ド部の剛性が、車両装着内側のサイド部の 性よりも小さくなっており、路面凹凸によ 入力の大きな、車両装着外側の剛性増加が えられているので、タイヤ、ひいては車両 加わる振動を緩和することが可能となる。

 また、この空気入りタイヤでは、生タイ 製造時に、車両装着内側ビードフィラーシ トを追加するだけで良いので、新たにモー ドを作る必要は無く、従来通りのモールド 使用できる。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 空気入りタイヤにおいて、車両への装着姿 で車両の外側となるタイヤサイド部に、タ ヤの半径方向内方から外側へ向けて配置さ るシート状の車両装着外側ビードフィラー ートを具え、タイヤ断面高さを計測する際 リム径ラインを通り、かつタイヤ中心軸線 平行とされた基準線からタイヤ半径方向外 へ計測した際の、前記基準線から前記車両 着内側ビードフィラーシートの半径方向外 端までの車両装着内側ビードフィラーシー 高さをH1、前記基準線からタイヤ半径方向外 方へ計測した際の、前記車両装着外側ビード フィラーシートのタイヤ半径方向外方端まで の外側ビードフィラーシート高さをH2とした きに、H1/H2が105~160%であることを特徴として いる。

 次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作 用を説明する。
 H1/H2を105~160%とすることで、高い操縦安定性 を得ることができる。
 なお、H1/H2が105%未満では、車両装着内側の イヤサイド部の剛性向上が不十分となり、 縦安定性の向上が不十分となる。
 一方、H1/H2が160%を越えると、車両装着内側 タイヤサイド部の剛性が高くなり過ぎて、 心地が悪化する。

 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載 空気入りタイヤにおいて、前記車両装着内 ビードフィラーシート、及び前記車両装着 側ビードフィラーシートがゴムで形成され 前記車両装着内側ビードフィラーシートの ム硬度が、前記車両装着外側ビードフィラ シートのゴム硬度よりも高いことを特徴と ている。

 次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作 用を説明する。
 車両装着内側ビードフィラーシートのゴム 度を、車両装着外側ビードフィラーシート ゴム硬度よりも高くすることで、車両装着 側のタイヤサイド部の剛性をより高めるこ ができ、高い操縦安定性を得ることができ 。

 請求項4に記載の発明は、請求項2または 求項3に記載の空気入りタイヤにおいて、前 車両装着内側ビードフィラーシート、及び 記車両装着外側ビードフィラーシートが、 記ビードフィラーと同種のゴムで形成され ことを特徴としている。

 次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作 用を説明する。
 車両装着内側ビードフィラーシート、及び 両装着外側ビードフィラーシートを、ビー フィラーと同種のゴムで形成することで、 イヤサイド部の剛性を高めることができる また、製造時のゴム種を増やすことなく、 スト低減になる。

 以上説明したように本発明の空気入りタ ヤによれば、操縦安定性と乗心地の向上を 立することができる、という優れた効果が る。

本発明の一実施形態に係る空気入りタ ヤの中心軸線に沿った断面図である。 本発明の他の実施形態に係る空気入り イヤの中心軸線に沿った断面図である。

符号の説明

    10  空気入りタイヤ
    12  ビード部
    14  ビードコア
    16  カーカス
    18  ベルト
    24  トレッドゴム
    28  サイドゴム
    30  ビードフィラー
    32 IN  車両装着内側ビードフィラーシート
    32 OUT  車両装着外側ビードフィラーシート

 以下、図面を参照して本発明の実施形態に る空気入りタイヤ10を詳細に説明する。
 図1にタイヤ幅方向段面図で示すように、リ ム11に装着された本実施形態の空気入りタイ 10は、一対のビード部12と、一対のビード部 12にトロイド状に跨り、端部分側がビードコ 14の周りで折り返された1乃至複数枚(本実施 形態で1枚)のカーカスプライからなるカーカ 16と、このカーカス16のクラウン域の外周側 に位置する複数枚のベルト層からなるベルト 18と、ベルト18の外周側の両側部部分に配設 れたベルト補強層20と、ベルト補強層20のさ に外周側でトレッド部22を形成するトレッ ゴム24と、サイドウォール部26、及びビード 12の外側面を形成するためにカーカス16の外 面側に配置されるサイドゴム28とを具えた、 ジアル構造とすることができるタイヤであ 。
 なお、符号11Aは、リム11に設けられたリム ランジである。また、図1中の矢印OUTは車両 の装着姿勢で、車両の外側となるタイヤ部 を示し、矢印INは、同様の姿勢で、車両の 側となるタイヤ部分を示す。

 一方のビードコア14と他方のビードコア14と に跨るカーカス16の本体部16Aと、ビードコア1 4の周りに折り返した、カーカスの端部分を じるカーカス16の折返し部16Bとの間には、ビ ードコア14のタイヤ半径方向外方に向けて延 るビードフィラー30が配置されている。ビ ドフィラー30は、タイヤ半径方向外方に向け て厚さが漸減している。
 また、ビードフィラー30は、サイドゴム28よ りも高硬質のゴムで形成されている。

 車両装着内側のタイヤサイド部には、例え カーカス16の外面に密着するように車両装 内側ビードフィラーシート32 IN が貼り付けられており、車両装着外側のタイ ヤサイド部には、カーカス16の外面に密着す ように車両装着外側ビードフィラーシート3 2 OUT が貼り付けられている。

 車両装着内側ビードフィラーシート32 IN 、及び車両装着外側ビードフィラーシート32 OUT は、各々一定厚さであり、サイドゴム28より 高硬質のゴムで形成されている。
 なお、車両装着内側ビードフィラーシート3 2 IN 、及び車両装着外側ビードフィラーシート32 OUT を構成するゴムは、ビードフィラー30を構成 るゴムと同種のゴムとすることが好ましく 本実施形態では、車両装着内側ビードフィ ーシート32 IN を構成するゴム、及び車両装着外側ビードフ ィラーシート32 OUT を構成するゴムは、ビードフィラー30と同じ ムを用いている。
 車両装着内側ビードフィラーシート32 IN 、及び車両装着外側ビードフィラーシート32 OUT の厚さtは、各々0.5~2.0mmの範囲内であり、サ ドゴム28の厚さは1.5~6.0の範囲に設定するこ が好ましい。

 車両装着内側ビードフィラーシート32 IN のタイヤ半径方向内方端、及び車両装着外側 ビードフィラーシート32 OUT のタイヤ半径方向内方端は、各々、隣接する ビードフィラー30のタイヤ半径方向外方端よ もタイヤ半径方向内方に位置している。
 このため、車両装着内側ビードフィラーシ ト32 IN のタイヤ半径方向内方の一部分、及び車両装 着外側ビードフィラーシート32 OUT のタイヤ半径方向内方の一部分は、各々隣接 するビードフィラー30のタイヤ半径方向外方 一部分と、カーカス16の折返し部16Bを挟ん オーバーラップしている。
 これにより、特にビード部12の剛性を高め 操縦安定性を向上することができる。

 タイヤ断面高さをSH、タイヤ断面高さSHを計 測する際のリム径ラインを通り、かつタイヤ 中心軸線に平行とされた基準線Lからタイヤ 径方向外方へ計測した際の、基準線Lから車 装着内側ビードフィラーシート32 IN のタイヤ半径方向外方端までの、車両装着内 側ビードフィラーシート高さをH1、基準線Lか ら車両装着外側ビードフィラーシート32 OUT のタイヤ半径方向外方端までの、車両装着外 側ビードフィラーシート高さをH2としたとき 、車両装着内側ビードフィラーシート高さH 1は、タイヤ断面高さSHよりも小さく、かつ車 両装着外側ビードフィラーシート高さH2より 大きく設定されている。

 ここで、車両装着内側ビードフィラーシー 高さH1は、タイヤ断面高さSHの50~70%に設定す ることが好ましく、H1/H2は105~160%に設定する とが好ましい。
 なお、基準線Lから車両装着内側ビードフィ ラーシート32 IN のタイヤ半径方向内方端までの距離をh1、基 線Lから車両装着外側ビードフィラーシート 32 OUT のタイヤ半径方向内方端までの距離をh2とし ときに、本実施形態ではh1=h2である。

 車両装着内側ビードフィラーシートは、少 くともタイヤ最大幅位置付近を覆って配置 れている。
 これにより、走行中の車両の、上下方向の 動を吸収することができるとともに、左右 向及びねじれ方向の剛性は高まり、操縦安 性を高めることができる。

 (作用)
 次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作 を説明する。
 本実施形態の空気入りタイヤ10では、車両 着内側のタイヤサイド部に車両装着内側ビ ドフィラーシート32 IN を設け、車両装着外側のタイヤサイド部に車 両装着外側ビードフィラーシート32 OUT を設け、車両装着内側ビードフィラーシート 高さH1をタイヤ断面高さSHの50~70%に設定する 共に、H1/H2を105~160%に設定することで、車両 着内側のタイヤサイド部の剛性を車両装着 側のサイド部の剛性よりも相対的に高く設 している。

 これにより、ドライバーの意図する操舵 の路面への伝達を容易にならしめる一方、 面凹凸による入力の大きな車両装着外側の 性増加が抑えられるので、タイヤ、ひいて 車両に加わる振動を抑制することが可能と る。

 なお、車両装着内側ビードフィラーシー 高さH1が、タイヤ断面高さSHの50%未満では、 車両装着内側のタイヤサイド部の剛性向上が 不十分となり、操縦安定性の向上が不十分と なる。

 一方、車両装着内側ビードフィラーシー 高さH1が、タイヤ断面高さSHの70%を越えると 、車両装着内側のタイヤサイド部の剛性が高 くなり過ぎ、乗心地が悪化する。

 次に、H1/H2が105%未満では、車両装着内側 タイヤサイド部の剛性向上が不十分となり 操縦安定性の向上が不十分となる。

 一方、H1/H2が160%を越えると、車両装着内 のタイヤサイド部の剛性が高くなり過ぎ、 心地が悪化する。

[その他の実施形態]
 上記実施形態の空気入りタイヤ10では、車 装着内側ビードフィラーシート32 IN と車両装着外側ビードフィラーシート32 OUT が設けられていたが、場合によっては図2に すように車両装着外側ビードフィラーシー 32 OUT は無くても良い。

 また、上記実施形態の空気入りタイヤ10で 、車両装着内側ビードフィラーシート32 IN を構成するゴムと車両装着外側ビードフィラ ーシート32 OUT を構成するゴムが同じゴム種であったが、車 両装着内側ビードフィラーシート32 IN を構成するゴム硬度を、車両装着外側ビード フィラーシート32 OUT を構成するゴム硬度よりも高くしても良い。 これにより、車両装着内側のタイヤサイド部 の剛性を更に高め、操縦安定性を更に高める ことができる。

 本発明の効果を確かめるために、従来例の 気入りタイヤ1種、比較例の空気入りタイヤ 1種、及び本発明の適用された実施例の空気 りタイヤ2種を用意し、実車にて走行試験を い、操縦安定性、及び乗心地の比較を行っ 。
 ここで、従来例はビードフィラーシートを 置しない構造、実施例1は図2に示すような 造、実施例2は図2に示すような構造、比較例 1は、車両装着外側ビードフィラーシートと 両装着内側ビードフィラーシートとを同一 長さで配置した構造、比較例2は、ビードフ ラーの半径方向外方端が、カーカスの折返 部の半径方向外方端より半径方向外方に位 した例である。
 なお、従来例、比較例1,2は、ビードフィラ とビードフィラーシート以外の構造につい は改変を要しないため、実施例に順ずるも とした。

 試験は、長い直線部分を含む周回路及び やかなカーブから急激なカーブを含むハン リング評価路からなるテストコース内を、 速から100km/h程度までの、公道上で一般的な ドライバーが経験する速度域で実車走行し、 操縦安定性(ハンドル応答性)、及び乗心地を ストドライバーがフィーリング評価した。

 なお、試験条件は以下の通りである。
タイヤサイズ:225/55R17
リムサイズ:7.5J×17
試験車両:トヨタ自動車株式会社製のセルシ
タイヤ空気圧:220kPa(前後輪共)
 評価は、以下の表1に記載した通りであり、 10点満点表示とし、数値が大きいほど性能に れていることを表す。

 試験結果が示す通り、本発明の適用され 実施例の空気入りタイヤは、従来例および 較例1,2よりも操縦安定性、及び乗心地共に 上していることが分かる。