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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143288
Kind Code:
A1
Abstract:
A pneumatic tire in which durability of bead sections is enhanced by appropriately determining the cross-sectional shape and arrangement of bead wires. The pneumatic tire has a pair of bead sections where bead cores constructed from bead wires extending in the circumferential direction of the tire are embedded, a pair of side wall sections extending radially outward from the pair of bead sections, a tread section extending between the pair of side wall sections, and a carcass toroidally extending to each of the above mentioned sections and having opposite ends turned back around the bead cores. In a cross section in the width direction of the tire, each bead wire has a complementary shape mutually complementarily engaging with an adjacent bead wire.

Inventors:
YAMAZAKI SHINICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059356
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
YAMAZAKI SHINICHIRO (JP)
International Classes:
B60C15/04; B60C15/06
Foreign References:
JPS49119301A1974-11-14
JPS63312207A1988-12-20
JPS53102389A1978-09-06
JPS5563205U1980-04-30
JP2007022414A2007-02-01
JP2005313735A2005-11-10
JPH07279070A1995-10-24
JP2005145082A2005-06-09
JPS49119301A1974-11-14
JPS63312207A1988-12-20
Other References:
See also references of EP 2159082A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 タイヤ周方向に延びる複数本のビードワイヤで構成してなるビードコアを埋設した一対のビード部と、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間に跨って延びるトレッド部とを具え、これら各部に亘ってトロイド状に延び、両端部を前記ビードコアの周りに折り返してなるカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、
 タイヤ幅方向断面にて、前記ビードワイヤは、隣接するビードワイヤと相互に補完的に係合する相補的形状部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
 前記ビードワイヤは、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ径方向に対して傾斜して直線状に延びるとともに相互に平行する二つの直線部を有し、前記相補的形状部は、前記二つの直線部間に配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記相補的形状部は、前記二つの直線部間の全体に亘って延びる、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードワイヤの前記相補的形状部のタイヤ幅方向の長さは、該ビードワイヤのタイヤ幅方向の長さの20%以上である、請求項1~3の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードワイヤは、タイヤ幅方向断面にて、同一形状の二つの方形をずらして重ねてなる輪郭形状を有する、請求項1~4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードワイヤは、タイヤ幅方向断面における重心に関して点対称をなす、請求項1~5の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードワイヤの直線部から前記相補的形状部への遷移領域に形成される角部は面取りされている、請求項2~6の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 タイヤ幅方向断面にて、前記ビードコアのタイヤ径方向下側及び上側の輪郭線は直線状に延びる、請求項1~7の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 タイヤ幅方向断面にて、前記ビードコアのタイヤ径方向下側の前記輪郭線とタイヤ径方向とのなす角は75度以上90度以下の範囲にある、請求項1~8の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 タイヤ幅方向断面にて、前記ビードワイヤの横幅はその縦幅よりも大きい、請求項1~9の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 隣接する前記ビードワイヤは、互いに接触している、請求項1~10の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードコアは、前記ビードワイヤを金属帯により、又は該ビードコアの延在方向に螺旋状に巻回されたテキスタイルにより集束固定してなる、請求項1~11の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードコアは、複数本の前記ビードワイヤをタイヤ径方向に積層状に複数回巻回したものをタイヤ幅方向に並列に配置して構成したものであり、同一ビードワイヤの巻き始め端と、巻き終わり端とのタイヤ周方向位置が異なる、請求項1~12の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードコアは、複数本の前記ビードワイヤをタイヤ径方向に積層状に複数回巻回したものをタイヤ幅方向に並列に配置して構成したものであり、各ビードワイヤの巻き始め端及び巻き終わり端のタイヤ周方向位置がそれぞれ相互に異なる、請求項1~13の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードコアの、タイヤ幅方向における断面形状は、平行四辺形又は長方形である、請求項1~14の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
 前記ビードコアと前記カーカスとの間、及び前記ビードコアのタイヤ径方向上側の少なくとも一方に、85Hs以上のゴム硬度を有するゴム部材を配置した、請求項1~15の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 この発明は、タイヤ周方向に延びる複数 のビードワイヤで構成してなるビードコア 埋設した一対のビード部と、該ビード部か タイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウ ール部と、両サイドウォール部間に跨って びるトレッド部とを具え、さらにこれら各 に亘ってトロイド状に延び、両端部を前記 ードコアの周りに折り返してなるカーカス 有する空気入りタイヤに関するものである

 一般に空気入りタイヤのビードコアは、 ムとの嵌合性を高め気密性を確保するとい 機能のみならずカーカスを係留するという 要な機能を有している。また通常、これら 適正に機能させるためには、加硫時のビー コアの崩れを抑制したり、リム組み性を良 したりする必要がある。

 そこで、従来、特開昭49-119301号公報に記 されているように、タイヤ幅方向断面にて 行な対向二辺を持つ四辺形断面のビードワ ヤを、タイヤ幅方向かつタイヤ径方向に相 に接触するように巻回してビードコアを成 し、それにより相互に隣接するビードワイ 同士の接触面積を大きくしてビードコアの 状安定性を向上させる提案がなされている

 また、特開昭63-312207号公報に記載されて るように、タイヤ幅方向断面にてタイヤ径 向で対向する辺が平行し、かつ側部の対向 の対辺距離が可変的である形状のビードワ ヤを用いることでビードコアの形状安定性 びリム組み性の良化を図る提案がなされて る。

 しかしながら、上記文献に記載されてい ようなタイヤは、加硫時におけるビードコ の崩れの抑制やリム組み性の良化等は成し るものの、タイヤの耐久性、特には、ビー 部の耐久性には着眼されていないため、近 増加しつつある重荷重化への要求に照らし わせてみると、ビード部の耐久性という点 は十分とはいえない。つまり、ビードワイ は、空気充填時や経時変化時にはタイヤ幅 向断面にてカーカスが引き抜ける方向へ回 する変形を受けることになるから、この変 がカーカスの係留力を低下させ、いわゆる ーカス引き抜けを引き起こしビード部の耐 性を低下させるという問題がある。

 それゆえこの発明は、ビードワイヤの断 形状及び配置の適正化を図ることによりカ カス引き抜けを抑制し、ビード部の耐久性 向上させることを目的するものである。

 この発明は、上記目的を達成するために されたものであり、タイヤ周方向に延びる 数本のビードワイヤで構成してなるビード アを埋設した一対のビード部と、該ビード からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイ ウォール部と、両サイドウォール部間に跨 て延びるトレッド部とを具え、これら各部 亘ってトロイド状に延び、両端部を前記ビ ドコアの周りに折り返してなるカーカスを する空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方 断面にて、前記ビードワイヤは、隣接する ードワイヤと相互に補完的に係合する相補 形状部を有することを特徴とする空気入り イヤである。

 かかる空気入りタイヤにあっては、ビー コア内の隣接するビードワイヤが相補的形 部により互いに係合しているので、相互に 力を伝達し易い。そのため、空気充填時や 時変化時等にビードコアに付加される回転 力は効率的に分散され、ビードコア全体と ての回転変化は小さくなる(即ち、回転剛性 が大きくなる)。また、ビードコアに回転応 が付加された場合に、上記相補的形状部は 接するビードワイヤの移動を制限するよう 用するため、ビードワイヤのタイヤ径方向 の移動は抑制される。この結果、ビードコ に回転応力が付加された際の各ビードワイ の、タイヤ幅方向断面における張力分布は 一化される。

 なお、この発明の空気入りタイヤにあっ は、ビードワイヤは、タイヤ幅方向断面に 、タイヤ径方向に対して傾斜して直線状に びるとともに相互に平行する二つの直線部 有し、相補的形状部は、二つの直線部間に 置されていることが好ましい。

 また、相補的形状部は、二つの直線部間 全体に亘って延びることが好ましい。

 さらに、ビードワイヤの相補的形状部の イヤ幅方向の長さは、該ビードワイヤのタ ヤ幅方向の長さの20%以上であることが好ま い。

 さらに、ビードワイヤは、タイヤ幅方向 面にて、同一形状の二つの方形をずらして ねてなる輪郭形状を有することが好ましい

 さらに、ビードワイヤは、タイヤ幅方向 面における重心に関して点対称をなすこと 好ましい。

 さらに、ビードワイヤの直線部から相補 形状部への遷移領域に形成される角部は面 りされていることが好ましい。ここでいう 面取り」には、上記角部に直線状の傾斜を けることのみならず、丸みをつけることも む。

 さらに、タイヤ幅方向断面にて、ビード アのタイヤ径方向下側及び上側の輪郭線は 線状に延びることが好ましく、さらに下側 輪郭線とタイヤ径方向とのなす角を75度以 90度以下の範囲にすることが好ましい。

 さらに、タイヤ幅方向断面にて、ビード イヤの横幅はその縦幅よりも大きいことが ましい。ここでいう「縦幅」とはタイヤ幅 向断面においてビードワイヤのタイヤ径方 の長さを指し、また「横幅」とはビードワ ヤのタイヤ幅方向の長さを指すものとする

 さらに、隣接するビードワイヤは、互い 接触していることが好ましい。

 さらに、ビードコアは、ビードワイヤを 属帯により、又は該ビードコアの延在方向 螺旋状に巻回されたテキスタイルにより集 固定してなることが好ましい。

 さらに、ビードコアは、複数本のビード イヤをタイヤ径方向に積層状に複数回巻回 たものをタイヤ幅方向に並列に配置して構 したものであり、同一ビードワイヤの巻き め端と、巻き終わり端とのタイヤ周方向位 が異なることが好ましい。

 さらに、ビードコアは、複数本のビード イヤをタイヤ径方向に積層状に複数回巻回 たものをタイヤ幅方向に並列に配置して構 したものであり、各ビードワイヤの巻き始 端及び巻き終わり端のタイヤ周方向位置が れぞれ相互に異なる好ましい。

 さらに、ビードコアの、タイヤ幅方向に ける断面形状は、平行四辺形又は長方形で ることが好ましい。

 さらに、ビードコアとカーカスとの間、 びビードコアのタイヤ径方向上側の少なく も一方に、85Hs以上のゴム硬度を有するゴム 部材を配置することが好ましい。なおここで いう「ゴム硬度」は、JIS K6253に従う、デュ メータ硬さ・タイプA試験機を用いて、試験 度23℃にて測定したときのゴム硬さを意味 る。

 この発明によれば、互いに隣接するビー ワイヤ間に相補的形状部を形成することに り、ビードコア全体としての回転剛性を大 くしてカーカス引き抜けを抑制することが き、従ってビード部の耐久性は顕著に向上 る。

図1は、リムに適用されたこの発明に従 う実施の形態の空気入りタイヤのビード部を タイヤ幅方向断面にて示す断面図である。 図2は、図1に示すビードコアの一部を 大して示す拡大断面図である。 図3は、この発明の空気入りタイヤに好 適に適用可能な種々のビードワイヤを例示す るタイヤ幅方向の断面図である。 図4は、この発明の空気入りタイヤに好 適に適用可能な種々のビードワイヤを例示す るタイヤ幅方向の断面図である。 図5は、この発明の空気入りタイヤに好 適に適用可能な種々のビードワイヤを例示す るタイヤ幅方向の断面図である。 図6(a)~(c)は、この発明の空気入りタイ に好適に適用可能な種々のビードワイヤを 示するタイヤ幅方向の断面図である。 図7(a)は、この発明の空気入りタイヤに 好適に適用可能なビードコアの模式的な側面 図であり、図7(b)は、図7(a)に示すビードコア タイヤ幅方向断面を模式的に示す断面図で る。 図8(a)、(b)は、それぞれこの発明に従う 空気入りタイヤに好適に適用可能なビードコ アの巻き始め端及び巻き終わり端を模式的に 示す斜視図である。 図9は、リムに適用されたこの発明に他 の従う実施の形態の空気入りタイヤのビード 部をタイヤ幅方向断面にて示す断面図である 。 図10は、リムに適用されたこの発明に の従う実施の形態の空気入りタイヤのビー 部のタイヤ幅方向の断面図である。

符号の説明

 1 ビード部
 2 ビードコア
 3 ビードワイヤ
 4 カーカス
 5 リム
 7 直線部
 7a 上側直線部
 7b 下側直線部
 8a、8b 輪郭線
 9 相補的形状部
 9a 補完形状部
 9b 被補完形状部
 10 角部
 11 金属帯
 15 巻き始め端
 17 巻き終わり端
 19 高硬度ゴム

 以下に、この発明の実施の形態を図面に づき説明する。ここに図1は、リムに適用さ れたこの発明の一実施形態の空気入りタイヤ (以下「タイヤ」という)のビード部のタイヤ 方向断面を示す断面図である。図2は、図1 ビードコアを拡大して示す拡大断面図であ 。

 この実施形態のタイヤは、図1に示すよう に、慣例に従いビード部1と、カーカス4と、 示しないトレッド部の補強に供される、カ カス4のクラウン部外周を取り囲んで積層し た、図示しないゴム被覆スチールコードの複 数層からなる図示しないベルト層とを具える 。カーカス4は、ラジアルカーカス又はバイ スカーカスの何れでも良い。また、カーカ 4は、例えばスチールコードをラジアル配列 はバイアス配列してなるプライを、一対の ードコア2間に亘ってトロイド状に跨って配 置し、ビードコア2の周りにタイヤの内から へ巻き返すことによって、ビードコア2にそ 両端が固定されている。

 ここでは、ビードコア2は、タイヤ幅方向 に複数列(例えば、8列)に並列する環状のビー ドワイヤ3を複数段(例えば、6段)の積層状に み重ねてなるものである。そして、図2に示 ように、各ビードワイヤ3(ここでは、説明 便宜上、図2の紙面向かって左側からビード イヤ3a、ビードワイヤ3b及びビードワイヤ3c する)は、タイヤ幅方向断面において、タイ ヤ径方向に対して傾斜して直線状に延びる直 線部7と、相互に隣接するビードワイヤ3a,3b,3c 間で形状的に相互に補完し合う相補的形状部 9とを具えてなる。直線部7は、タイヤ径方向 上側(紙面向かって上側)と下側(紙面向かっ 下側)に相互に平行して延びる上側直線部7a び下側直線部7bを有する。相補的形状部9は ビードワイヤ3の二つの直線部7a、7b間に配 され、隣接する他のビードワイヤ3を補完す 部分である補完形状部9aと、隣接する他の ードワイヤ3の補完形状部9aに補完される被 完形状部9bとで構成される。例えば、ビード ワイヤ3bは、凸状をなすその補完形状部9aに 隣接するビードワイヤ3aの凹状の被補完形状 部9bを補完し、その一方で反対側に隣接する ードワイヤ3cの補完形状部9aによって補完さ れている。なお、これらタイヤ幅方向に相互 に隣接するビードワイヤ間の相互補完的な係 合は、それらビードワイヤ間において完結す るものである。つまり、図2に示すように、 れぞれの補完形状部9a及び被補完形状部9bに り、ビードワイヤ3aとビードワイヤ3bとが、 及びビードワイヤ3bとビードワイヤ3cとが係 される。

 かかる実施形態の空気入りタイヤにあっ は、隣接するビードワイヤ3は補完形状部9a び被補完形状部9bを介して互いに係合して るので、相互に応力を伝達し易い。よって 空気充填時や経時変化時等にビードコア2に 転応力が付加されても、かかる回転応力は ビードワイヤ3間に効果的に分散され、ビー ドコア2全体として回転変形は小さくなり、 い換えれば回転剛性は大きくなる。また、 ードコア2に回転応力が付加された場合に、 記相補的形状部9は隣接するビードワイヤ3 移動を制限するよう作用するため、ビード イヤ3のタイヤ径方向への移動は抑制される この結果、ビードコア2に回転応力が付加さ れた際の各ビードワイヤ3の、タイヤ幅方向 面における張力分布は均一化される。

 このようにこの発明の空気入りタイヤに れば、互いに隣接するビードワイヤ3間に相 補的形状部9を形成することにより、ビード ア全体としての回転剛性を大きくしてカー ス4の引き抜けを抑制することができ、従っ 、ビード部1の耐久性は顕著に向上する。

 次に、この発明に好適に利用可能な種々 ビードワイヤ3について図3~6に基づいて説明 する。

 上述したように、補完形状部9a及び被補完 状部9bの形状は、隣接するビードワイヤ3同 を形状的に相互に補完し得るものであれば いので、それらは、図1及び2に限定されるも のではない。例えば、図3(a)~(u)に示すように 凸部及び凹部が複数であったり、曲線状で ったり、キー及びキー溝型であったりして 良い。図3(a)~(d)、(i)~(l)及び(m)~(q)では、相補 的形状部9は、二つの直線部7a、7b間に全体に って延在している。これによれば、各ビー ワイヤ3の相補的形状部9は、二つの直線部7a 、7b間に全体に亘って延在しているので、空 充填時や経時変化時等に起因した回転応力 ビードワイヤ3に付加されても、相補的形状 部9に局所的に力が加わることがなく、すな ち相補的形状部9に加わる力は効果的に分散 れる。その結果、ビードワイヤ3の変形量は 少なくなり、回転剛性はさらに高まる。図3(e )~(h)に示すビードワイヤ3は、タイヤ幅方向断 面にて、同一形状の二つの方形S 1 、S 2 をずらして重ねてなる輪郭形状を有するもの である。また、ビードワイヤ3は、図3(a)及び( b)に示すように、タイヤ径方向に上下に隣接 るビードワイヤ3は左右に揃えて配置しても 良く、又は図3(c)及び(d)に示すように左右に らして配置しても良い。

 また、図3に示す例では、タイヤ幅方向断 面にて、ビードコア2のタイヤ径方向上側及 下側の輪郭線8a、8bは直線状に延びている。 れによれば、ビードコア2のタイヤ径方向下 側及び上面に凹凸が生じることがなく、ビー ドワイヤ3を束ねて使用する場合に形状くず し難いので、すなわちビードコアの断面形 の安定性が高まるので、加硫時のビードコ 2の崩れが抑制される。しかも、リムからの 圧力がビードワイヤ3の特定の箇所に集中す ることがないため、ビードワイヤ全体に均等 に力がかかり、これらによって構成されるビ ードコア全体にも均等に力がかかることにな るので、回転剛性としては高いものになる。 加えて、下側の輪郭線8bとタイヤ径方向との す角度は、75度以上90度以下の範囲にあるこ とが好ましい(特に、図3(a)参照)。このように すれば、ビードワイヤ3を巻回してビードコ 2を形成した際にビードコア2に所定のテーパ 角度与え、ひいてはリムと当接するビード部 1の下部に適正なテーパ角度を与えることが きる。

 図4(a)~(e)に示す例は、タイヤ幅方向断面 て、隣接するビードワイヤ3間での相補的な 合が、タイヤ径方向に隣接するビードワイ 3間で行われるものである。

 図5(a)~(e)に示す例では、少なくとも、ビ ドコアの直線状の輪郭線を構成するビード イヤの直線部7a、7bから該ビードワイヤの相 的形状部への遷移領域に形成される角部10 、面取りされている。このようにすれば、 ードコアに回転応力が生じた際の当該角部10 に加わる応力を効果的に分散させることがで きるので、ビードコアの耐久性をさらに向上 させることができる。なお、このような観点 からビードワイヤ3の全ての角部を面取りす ことがより好ましい。

 図6(a)に示す例では、ビードワイヤ3は、 イヤ幅方向断面における該ビードワイヤ3の 心Pに関して点対称をなすものである。この ようにすれば、ビードワイヤ3に回転応力が わった際に、かかる重心Pを基点に引張力と 縮力とを均等に分配することができるので ビードワイヤ3の回転時におけるビードワイ ヤ3の変形を抑制することができ、その結果 ビードコアの回転剛性を一層高めることが きる。

 図6(b)に示す例では、タイヤ幅方向断面に て、ビードワイヤ3の横幅Wはその縦幅Hよりも 大きい。これによれば、タイヤ径方向への巻 きつけ回数を多くすることができるので、ビ ードワイヤ3の端部における応力集中の影響 効果的に低減してビード部1の耐久性を向上 せることができる。

 加えて、図2及び図6(c)に示す例では、ビー ワイヤの相補的形状部のタイヤ幅方向の長 、すなわち隣接するビードワイヤがタイヤ 方向で係合している長さの総和(ここでは、 完形状部9aのタイヤ幅方向の長さX 1 と被補完形状部9bのタイヤ幅方向の長さX 2 とを足したもの)は、該ビードワイヤのタイ 幅方向の長さXの20%以上である。このように れば、十分な係合力が得られるので、ビー コアの回転剛性をさらに効果的に高めるこ ができる。

 ところで、上記の実施形態では、隣接す ビードワイヤ3は互いに直接的に接触してい るが、隣接するビードワイヤ間に被覆ゴム等 を介在させることもできる(図示せず)。しか ならが、被覆ゴムの経時的なクリープ変形 起因するビードコア2の形状くずれを防止す るという観点からは、隣接するビードワイヤ 3を互いに直接接触させることが好ましい(図1 ~4参照)。このように、隣接するビードワイヤ 3を相互に直接接触させることで、被覆ゴム 介在させた場合に比べてビードコア2の全体 しての経時的変化を小さくすることができ ので、さらにカーカス4の引き抜けを抑制す ることができるとともにカーカス4の端部の みを小さくすることができる。

 また、図7(a),(b)に示すように、ビードコ 2は、金属帯11により集束固定されているこ が好ましい。このようにすれば、加硫時及 走行時のビードコア2の形状崩れを抑制する とができる。なお、金属体11には例えば、 チールやアルミニウム合金製のものが好適 採用できる。またこれに代えて、例えば、 イロン、レーヨン、ポリエステル等のテキ タイルを用いることもできる。

 さらに、図7(a)に示すように、ビードコア 2は、複数本のビードワイヤ3をタイヤ径方向 積層状に複数回巻回したものをタイヤ幅方 に並列に配置した上で、同一ビードワイヤ3 の巻き始め端15と、巻き終わり端17とのタイ 周方向位置を相互に異ならせることが好ま い。このように複数本のビードワイヤ3で構 されるビードコア2は、1本のビードワイヤ3 タイヤ径方向に順次巻回して構成されたビ ドコア2に比べ、ビードコア2の生産に要す 時間が大幅に短縮できる。しかしながら、 ードワイヤ3の巻き始め端15や巻き終わり端17 がビードコア2周上の一箇所に集中すると、 の段差に応力集中しやすく破壊強度の低下 招き、特に巻き始め端15が曲げ応力の支点と なりビード部1の損傷を起こすことがある。 こで、同一ビードワイヤ3の巻き始め端15と き終わり端17とをタイヤ周方向位置で異なら せることにより、ビードコア2の生産効率を 上させつつ、応力集中を低減させることが きる。この場合、図7(a)に示すように、巻き め端15及び巻き終わり端17とビードコア2の 心点Cとをそれぞれ結んでなる線分が相互に わってなる角度θを、40度以上80度以下の範 内にすることが好ましく、特には60度とす ことが好ましい。なぜなら、この角度θが40 未満の場合は、応力集中の低減の効果が十 でなく、80度を超えるとビードコア2の周上 重量バランスを低下させタイヤのユニフォ ティーが悪化するからである。

 さらに、ビードコア2は、図8(a)、(b)に示 ように複数本のビードワイヤ3をタイヤ径方 に積層状に複数回巻回したものをタイヤ幅 向に並列に配置した上で、各ビードワイヤ3 の巻き始め端15及び巻き終わり端17のタイヤ 方向位置をそれぞれ相互に異ならせること 好ましい。ビードコア2を複数本のビードワ ヤ3で構成すると生産効率の面から有利であ ることは、上述の通りである。しかしながら 、各ビードワイヤ3の巻き始め端15及び巻き終 わり端17のタイヤ周方向位置がそれぞれ相互 同一の場合、すなわちこれら端15及び17がタ イヤ幅方向に揃っている場合、これら段差に 応力集中しやすく破壊強度の低下を招くとと もに応力の支点となりビード部1の損傷を起 すことがある。そこで、各ビードワイヤ3の 15及び17を、周方向位置でそれぞれに異なら せることで、ビードコア2の生産効率を向上 せつつ、応力集中を低減させることができ 。

 さらに、ビードコア全体の、タイヤ幅方 における断面形状は、図3(a)及び(b)に示すよ うな長方形又は図3(c)及び(d)に例示すような 行四辺形であることが好ましい。このよう すれば、ビードコア全体の断面形状として 型し易い形状となる。

 さらに、図9に示すように、ビードコア2 カーカス4との間、及びビードコア2のタイヤ 径方向上側の少なくとも一方に、85Hs以上の ム硬度を有する高硬度ゴム19を配置すること が好ましい。一般に、ゴム硬度の高いゴムは 、低いゴムに比べて加硫時の流動が小さいこ とから、このように、ビードコア2とカーカ 4との間に高硬度ゴム19を配置すれば、加硫 のビードコア周辺のゴムの流動を小さくす ことができ、ビードコア2の崩れを抑制する とができる。また、ビードコア2のタイヤ径 方向上側に高硬度ゴム19を配置することで、 重負荷時のビード部1の倒れ込みを抑制し、 ビード部1内に発生するせん断歪みを小さく ることができるので、ビード部1の耐久性を 上させることができる。

 なお、上述したところは、この発明の実 形態の一部を示したに過ぎず、この発明の 旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互 組み合わせたり、種々の変更を加えたりす ことができる。例えば、ビードコア2の周り にタイヤの内から外へ巻き返して配置された カーカス4を、図10に示すようにさらにビード コア2の周りを包囲するように配置させても く、このようにすればカーカス4をさらに引 抜かれ難くし、ビード部1の耐久性を一層高 めることができる。また、ビードワイヤ3の イヤ幅方向断面における断面形状も、この 細書に例示的に示したものには限られるも ではない。

 次に、この発明の効果を確認するために この発明に従うタイヤ(実施例)及び従来技 のタイヤ(従来例)を試作し以下の試験により 比較検討を行った。

 試験に用いたタイヤはいずれも、タイヤ イズ11R22.5のチューブレスのトラック・バス 用ラジアルタイヤであり、以下の諸元を有す る。

 実施例1のタイヤは、図1に示したビード を有するタイヤであり、ビードコアは、図5( a)に示すタイヤ幅方向断面を有する金属製の ードワイヤを、図1に示す向きにタイヤ幅方 向8本並列に配置し、そしてタイヤ径方向に6 に巻き重ね金属帯により集束固定されてな 。なお、各ビードワイヤ間は、直接接触し おり、ビードワイヤの直線部とタイヤ径方 のなす角度(ビードコアのタイヤ径方向下側 の輪郭線とタイヤ径方向とのなす角度)は75度 であり、同一ビードワイヤの巻き始め端と、 巻き終わり端との周方向位置は異なり、具体 的には、巻き始め端及び巻き終わり端とビー ドコアの中心点とをそれぞれ結んでなる線分 が相互に交わってなる角度(図7(a)参照)は、60 であり、各ビードワイヤの巻き始め端及び き終わり端のタイヤ周方向位置はそれぞれ 互に異なるものである。また、このタイヤ 、1層のカーカスの両端部がビードコアの周 りにタイヤ内側から外側に折り返され、トレ ッド部のカーカス外周側には4層のベルト層 配置した構成である。なお、ビード部以外 構造については慣例の空気タイヤに従うも であり説明を省略する。

 実施例2のタイヤは、ビードワイヤが、図 5(b)に示すタイヤ幅方向断面を有することを いて、実施例1のタイヤと同じ構成を有する

 実施例3のタイヤは、ビードワイヤが、図 5(c)に示すタイヤ幅方向断面を有することを いて実施例1~2のタイヤと同じ構成を有する

 実施例4のタイヤは、ビードワイヤが、図 5(d)に示すタイヤ幅方向断面を有することを いて実施例1~3のタイヤと同じ構成を有する

 実施例5のタイヤは、ビードワイヤが、図 5(e)に示すタイヤ幅方向断面を有することを いて実施例1~4のタイヤと同じ構成を有する

 従来例1のタイヤは、上記図5(a)~(e)に示す ードワイヤに代えて丸素線のビードワイヤ 用いてビードコアを構成したものである(図 示せず)。すなわちビードコアは、実施例1~5 同一金属製の1.8mm径の1本のビードワイヤを イヤ径方向内側から順に、7、8、9、8、7及び 6列となるようにタイヤ幅方向及びタイヤ径 向にコイル状に巻き重ねてなり、その断面 状は六角形である。なお、ビードワイヤの き数は、上記実施例1~5のタイヤ幅方向断面 おけるビードワイヤの総断面積と同一とな ように決定されている。また、その以外の 成は、実施例1~5のタイヤと同じである。

 これらの各試験タイヤを以下に示す方法 より、ビードコアの回転変化及びビード部 耐久性の試験を行った。

(ビードコアの回転変化試験)
 ビードコアの回転変化試験は、上記タイヤ サイズ8.25のリムに装着し、内部に空気圧を 加える前と700kPa(相対圧)の空気圧を付与した きのタイヤ幅方向断面におけるビードコア それぞれCTスキャン装置を用いて撮影し、 ードコアの相対的な角度変化を計測した。 の結果を表1に示す。

(耐久性試験)
 ビード部の耐久性試験は、上記タイヤを同 くサイズ8.25のリムに装着し、室温が45℃の 、内部に700kPa(相対圧)の空気圧を適用し、 内ドラム試験機を用い、これらタイヤを57kN 荷重(正規荷重の180%)の作用下で60km/hの速度 負荷転動させ、ビード部1が故障するまでの 走行距離を計測した。その結果を表1に示す

 表1の結果から明らかなように、タイヤ幅 方向に隣接するビードワイヤを相補的な形状 により相互に係合することにより、ビードコ ア全体の回転剛性が向上し、ビード部の耐久 性が著しく向上することが確認された。

 さらに、その相補的な形状を構成する補 形状部及び被補完形状部を、図5(e)に示すよ うなキー及びキー溝型で形成することにより 、ビード部の耐久性が一層向上することが分 った。

 以上の説明から明らかなように、この発 によって、ビードコア全体としての回転剛 を大きくしてカーカス引き抜けを抑制する とができ、もってビード部の耐久性の向上 可能な空気入りタイヤを提供することが可 となった。