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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060974
Kind Code:
A1
Abstract:
A pneumatic tire in which compression strain in a carcass turnup portion is further suppressed to suppress fatigue breakage particularly at the turnup section, enhancing durability of a bead portion. In the carcass of a tire, the inter-cord distance at a portion between a carcass body portion and a carcass turnup portion gradually decreases from a bead core toward the outside in the radial direction of the tire to once reach a minimal value and then gradually increases to be a maximal value. When the tire is mounted to an applicable rim and inflated to a specified inner pressure, if the height Hf of a flange measured from a base line of therim is 1, the heights HA and HB from the baseline to those portions of the carcass body portion which have the minimal and maximal values and the maximum height HT of the tire satisfy the relationships of HT ≥ 8.00, 1.26 ≤ HA ≤ 2.14, and 2.43 ≤ HB ≤3.75, and at the same time, the ratio b/a between the minimal value a and the maximal value b of the inter-cord distance is in the range exceeding 1.00.

Inventors:
OOGANE SHUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070439
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
OOGANE SHUN (JP)
International Classes:
B60C15/00; B60C9/08
Domestic Patent References:
WO2002085647A12002-10-31
Foreign References:
JPH02267012A1990-10-31
JPH01111504A1989-04-28
JP2007191090A2007-08-02
JPH01317814A1989-12-22
JPH04185510A1992-07-02
Other References:
See also references of EP 2216189A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigasek, Chiyoda-ku Tokyo 13, JP)
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Claims:
 一対のビードコア間にわたってトロイダル状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプライからなるカーカス本体部と、該カーカス本体部から各ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びる該プライからなるカーカス折返し部を有するカーカスを骨格とする空気入りタイヤであって、
 該カーカス本体部とカーカス折返し部との間のコード間距離は、該ビードコアからタイヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦極小値aとなり、次いで漸増して極大値bとなり、
 さらに、該タイヤを適用リムに装着して規定の内圧を充填した際における、該適用リムのベースラインからのフランジ高さH f を1としたとき、同ベースラインから前記極小値および極大値となるカーカス本体部の部位までの高さH A およびH B と、タイヤ最大高さH T とが夫々、
 H T ≧8.00
 1.26≦H A ≦2.14
 2.43≦H B ≦3.75
を満足し、
 かつコード間距離の極小値aおよびコード間距離の極大値bの比b/aが1.00を超えることを特徴とする空気入りタイヤ。
前記比b/aが1.40以上4.00以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
前記比b/aが2.00以上3.00以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤ、特にビード の耐久性を向上した空気入りタイヤに関す 。

 建設車両用の空気入りタイヤは、一対の ードコア間にわたってトロイダル状に跨る 数本のコードをゴム被覆したプライからな カーカス本体部と、該カーカス本体部から ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側 ら外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延 る該プライからなるカーカス折返し部を有 る。

 この種のタイヤは、大きな荷重が負荷さ ながら、突起物または岩石などの凹凸の激 い荒れ地を走行する機会が多いため、苛酷 環境下においても、その使用に耐えられる うに、ビード部の耐久性を向上させること 知られている。

 しかし、大きな荷重が加わりタイヤが撓 と、ビード部の耐久性の向上に寄与するカ カス折返し部に圧縮歪みが発生し、特に苛 な環境下において、この圧縮歪が繰り返し ーカス折返し部に発生すると疲労破断が生 てしまう。

 このようなカーカス折返し部の疲労破断 、タイヤの寿命を著しく低下させることに るため、カーカス折返し部の疲労破断を抑 することが、この種のタイヤに要求される 題の一つとなっている。

 カーカス折返し部の疲労破断を引き起こ 圧縮歪の発生は、ビード部が倒れ込んだ際 生じる、略カーカス本体を曲げの中立軸と た曲げ変形において、カーカス折返し部が 縮側にあることが原因とされている。そこ 、カーカス折返し部の圧縮歪を抑制するた に、カーカス折り返し部をカーカス本体部 できる限り近づけることが圧縮歪を低減で る代表的な手法として一般的に知られてい 。

 さらに、この手法は、適用リムのリムフ ンジとビード部との接触部分におけるカー ス折り返し部の変形によって発生する、ビ ド部の外側表面とカーカス折り返し部との のゴムのせん断歪を抑制する効果もあり、 ーカス折り返し部に沿って発生するゴムの パレーションを抑制するのにも有効である

 しかしながら、カーカス折返し部とカー ス本体部を近づけただけでは、カーカス折 し部とカーカス本体部との間に存在するゴ のせん断歪みを助長することになり、カー ス折返し部とカーカス本体部との間のゴム セパレーションを、タイヤの使用期間の中 早期に発生させてしまうことになる。

 さらに、カーカス折返し部とカーカス本 部を近づけて圧縮歪を抑制させたとしても 圧縮歪を抑制させた箇所からタイヤ径方向 側の部分では、カーカス折返し部をカーカ 本体部に近づけたことによって、逆にカー ス折返し部の曲げ剛性を低下させてしまう とになる。

 すなわち、カーカス折返し部の圧縮歪を 制するには、カーカス折返し部をカーカス 体部に近づけることが有効な対策として知 れているが、一方で、カーカス折返し部と ーカス本体部との間のゴムのせん断歪みを 長してしまい、カーカス折返し部の曲げ剛 が低下してしまうことが問題となっている

 そこで、特許文献1では、カーカス本体部と カーカス折返し部との間のコード間距離が、 ビードコアからタイヤ径方向外側へ向かって 、漸減して一旦極小値となり、次いで漸増し て一旦極大値となり、さらに漸減してカーカ ス折返し部の端部において最小値となるよう にカーカス形状を構成し、このタイヤを適用 リムに装着した際に、適用リムのリムベース ラインから極小値および極大値のカーカス本 体部の点までの高さとリムフランジの高さを 調整することによって、カーカス折返し部と カーカス折返し部との間のゴムのせん断歪を 抑制し、かつカーカス折返し部の曲げ剛性の 低下を抑制して、カーカス折返し部の圧縮歪 を低減する技術が提案されている。

特開平4-185510号公報

 しかしながら、近年の建設車両用タイヤで 、タイヤの大型化や重荷重化が進められて る上、軽量化を目的として、タイヤ高さH T に対するリムフランジ高さH f を低く設定する傾向にあり、ビード部の倒れ こみ量が大きくなり易く、カーカス折り返し 部、特にその中間部の疲労破断を誘発し易い ため、従来技術の構成で対応することが困難 な状況となっている。

 そこで、本発明は、現状の過酷な使用状 下においても、カーカス折返し部の圧縮歪 さらに抑制して、特にカーカス折返し部の 労破断を抑制することによって、ビード部 耐久性を向上させた空気入りタイヤについ 提供することを目的とする。

 まず、タイヤが撓み変形した時に、カー ス折返し部に発生する歪みについて、図1に タイヤを適用リムに装着して規定の内圧を充 填した際の、ビード部とサイドウォール部の 一部の幅方向断面を示して説明する。なお、 図1において、1はビードコア、2はカーカス本 体部、3はカーカス折返し部、4は適用リム、5 はリムフランジを示す。

 ここで、適用リムとは、タイヤの性能を 効に発揮させるために適したリムである。 た、規定の内圧とは、『自動車メーカーが 車両毎に指定した、装着位置ごとのタイヤ 室圧力値(ゲージ圧力値)』を指す。また、 文中で記載するタイヤ気室の圧力とは、特 記載しない場合はゲージ圧(ゲージに示され 圧力)を指す。

 さて、タイヤに荷重が加わるとタイヤが撓 、カーカス本体部2を曲げの中立軸としてビ ード部およびサイドウォール部の一部に曲げ 変形が発生する。その際、図1(a)に示すよう 、リムフランジ5の径方向外側の領域Cでは、 矢印C 1 の方向へ曲げ変形が生じる結果、矢印C 2 で示すように圧縮変形が生じる。さらに領域 Cの径方向外側の領域Tでは、矢印T 1 の方向へ曲げ変形が生じる結果、矢印T 2 で示すように引張り変形が生じる。

 このように、タイヤの曲げ変形時には、 ード部およびサイドウォール部の一部に圧 変形および引張り変形が発生することによ て、それぞれの領域にあたるカーカス折返 部には、それら変形に伴う圧縮力および引 り力が作用する。その結果、図1(b)に示すよ うに、それぞれの領域において圧縮歪と引張 り歪が発生することになる。

 ここで、カーカス折返し部3をカーカス本 体部2に近づけることによって、圧縮歪が抑 されることは上述した通りであるが、発明 らは、領域Tにおいて発生する引張力を領域C のカーカス折返し部に作用させることによっ て、カーカス折返し部3に発生する圧縮歪を らに抑制することができることを見出し、 発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明の要旨は次の通りである
(1)一対のビードコア間にわたってトロイダル 状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプラ イからなるカーカス本体部と、該カーカス本 体部から各ビードコアの周りにそれぞれタイ ヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向 外側へ延びる該プライからなるカーカス折返 し部を有するカーカスを骨格とする空気入り タイヤであって、
 該カーカス本体部とカーカス折返し部との のコード間距離は、該ビードコアからタイ 径方向外側へ向かって漸減して、一旦極小 aとなり、次いで漸増して極大値bとなり、
 さらに、該タイヤを適用リムに装着して規 の内圧を充填した際における、該適用リム ベースラインからのフランジ高さH f を1としたとき、同ベースラインから前記極 値および極大値となるカーカス本体部の部 までの高さH A およびH B と、タイヤ最大高さH T とが夫々、
 H T ≧8.00
 1.26≦H A ≦2.14
 2.43≦H B ≦3.75
を満足し、
 かつコード間距離の極小値aおよびコード間 距離の極大値bの比b/aが1.00を超えることを特 とする空気入りタイヤ。

(2)比b/aが1.40以上4.00以下であることを特徴 する上記(1)に記載の空気入りタイヤ。

(3)比b/aが2.00以上3.00以下であることを特徴 する(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。

 本発明は、タイヤを適用リムに装着して 定の内圧を充填した際のベースラインから 記極大値および極小値となるカーカス本体 の部位までの高さを厳密に制御したことに って、カーカス折返し部とカーカス本体部 の間のゴムに働くせん断歪を抑制すると共 、カーカス折返し部の曲げ剛性を低下させ ことなく、カーカス折返し部に生じる圧縮 を抑制することができる。その結果、この 縮歪の起因によるカーカス折返し部の疲労 断は抑制され、ビード部の耐久性が向上す 。さらに、極大値および極小値となる部位 のコード間距離の比を制御することによっ 、せん断歪の抑制をより促進することがで る。

圧縮力および引張力が発生する領域お び圧縮歪および引張歪の変位を示す図であ 。 本発明に従う空気入りラジアルタイヤ 幅方向断面を示す。 圧縮歪および引張歪の変位の変化を示 図である。 本発明に従う空気入りラジアルタイヤ ビード部およびサイドウォール部の一部の 方向断面を示す。 極小値、極大値およびコード間距離と ード部の耐久性との関係を示す図である。

符号の説明

1 ビードコア
2 カーカス本体部
3 カーカス折返し部
4 適用リム
5 リムフランジ
6 ベルト
7 トレッド部
8 タイヤ

 以下、本発明を具体的に説明する。
 図2に本発明に従う空気入りタイヤの幅方向 断面の半分を示し、図4にこの空気入りタイ のビード部を拡大した幅方向断面を示す。
 図2において、1はビードコア、2は一対のビ ドコア間にわたってトロイダル状に跨る複 本のコードをゴム被覆したプライからなる ーカス本体部であり、3はカーカス本体部2 らプライを各ビードコアの周りにそれぞれ イヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径 向外側へ延びるカーカス折返し部である。 して、カーカスは、カーカス本体部2とカー ス折返し部3からなる。
 このカーカス本体部2の径方向外側にベルト 6を配置し、このベルト6のさらに径方向外側 トレッド部7を設け、タイヤ8が構成されて る。なお、図1と同様に4は適用リム、5でリ フランジを示し、BLはタイヤの赤道を通って 、タイヤの回転軸と平行に延びる適用リムの ベースライン(以下、リムベースラインとい )を示す。

 カーカス本体部2とカーカス折返し部3と 間のコード間距離は、ビードコア1付近から イヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦 小値となり、次いで、タイヤ径方向外側へ かって漸増して極大値となる形態になる。

 すなわち、カーカス折返し部3とカーカス 本体部2との間のコード間距離を漸減して極 値としたことによって、カーカス折返し部3 作用する圧縮歪が低減される。なぜなら、 ーカス折返し部3をカーカス本体部2に近づ たことによって、曲げの中立軸にカーカス 返し部3が近づき、その領域におけるカーカ 折返し部3の圧縮作用が軽減されるからであ る。その結果、カーカス折返し部3の圧縮歪 抑制して、疲労破断を抑制することができ 。

 さらに、カーカス折返し部3とカーカス本 体部2との間のコード間距離を漸減させたこ によって、カーカス折返し部3と外側表面間 の距離が開き、この領域におけるカーカス 返し部3と外側表面との間に生じるせん断歪 が緩和されるため低減される。その結果、カ ーカス折返し部3とゴムとのセパレーション 抑制することができる。

 また、極小値から径方向外側へ、カーカ 折返し部3とカーカス本体部2との間のコー 間距離を漸増して極大値をとることによっ 、その領域におけるカーカス折返し部が曲 の中立軸から離れ、引張り力が更に強くな ため引張り歪が増加する。そのため、図3に すように、領域Tが増加し、その増加分だけ 圧縮力の作用が低減することになる。その結 果、カーカス折返し部3に作用する圧縮歪を 減することができるため、カーカスの疲労 断を抑制することができる。

 ここで、図4に示すように、極小値におけ るカーカス本体部2のコードの中心点をA、極 値におけるカーカス本体部2のコードの中心 点をBとし、Aからカーカス折返し部3に下ろし た法線とカーカス折返し部3が交わるコード 中心点をA´、Bからカーカス折返し部3に下ろ した法線とカーカス折返し部3が交わるコー の中心点をB´とした際に、コード間距離A~A´ をa、コード間距離B~B´をbとする。

 このとき、コード間距離極小値aは、ビー ドコアの断面最大径Lの0.18~0.33倍であること 好ましい。すなわち、ビードコアの断面最 径Lの0.18倍未満では、ビード部の曲げ剛性が 不足し、ビード部の倒れ込みが大きくなって しまう。そのため、カーカス折返し部とカー カス本体部との間に存在するゴムのせん断歪 みの増大を招いてしまう。一方、ビードコア の断面最大径Lの0.33倍を超えると、カーカス 返し部3がカーカス本体部2から離れすぎて まい、カーカス折返し部3に発生する圧縮歪 顕著に増加してしまう。また、ビード部の 側表面にカーカス折返し部3が近づきすぎる ことによって、ビード部の外側表面とカーカ ス折返し部3との間のゴムのせん断歪みが増 し、ビード部の耐久性を向上することがで なくなってしまう。

 さて、図2および図4に示すように、タイヤ 大高さH T、 リムベースラインBLから極小値となるカーカ 本体部2の部位Aまでの高さH A 、そしてリムベースラインBLから極大値とな カーカス本体部2の部位Bまでの高さH B は、リムベースラインBLからリムフランジ5の 高さH f を1とした際、
 H T ≧8.00
 1.26≦H A ≦2.14
 2.43≦H B ≦3.75
を満足することが肝要である。

 まず、タイヤ最大高さH T を8.00以上とするのは、タイヤ最大高さH T が8.00未満、換言すると、リムフランジ高さH f がタイヤの最大高さの1/8を超えて高くなると 、本発明で課題とするビード部の耐久性の問 題は生じることが少ない。従って、本発明で は、リムフランジ高さH f の低い、換言すると、リムフランジ高さH f に対してタイヤ最大高さH T が8.00以上のタイヤを対象とする。

 かような前提の下、H A が1.26未満であると、ビードコア1からコード 距離の極小値の変化が極端に大きくなり、 ーカス折返し部3をカーカス本体部2へ凸形 とするのに急な曲率変化を必要とすること ら、タイヤ製造が困難となる。
 さらに、リムフランジ5の下端付近における ビード部の曲げ剛性が低下してビード部の倒 れ込み量が大きくなるため、カーカス折返し 部3とカーカス本体部2との間のゴムに働くせ 断歪の増加が顕著になる。
 これに加えて、カーカス折返し部3沿いのゴ ムのせん断歪の増加を顕著にさせ、カーカス 折返し部3のカーカス本体部側およびリムフ ンジ側のゴムとのセパレーションを招くこ になるため、タイヤの寿命が低下してしま 。

 一方、H A が2.14を超えると、カーカス折返し部3に圧縮 が作用する領域に対し極小値の位置が径方 外側へ寄りすぎてしまうため、径方向内側( ビードコア側)の圧縮歪が大きくなってしま 。
 さらに、リムフランジ5付近のカーカス折返 し部3が、カーカス本体部2と逆方向に凸とな 形状となるため、ビード部の外側表面とカ カス折返し部3との間のゴムに働くせん断歪 が増大して、カーカス折返し部3とゴムとの パレーションの発生を抑制することが難し なる。

 なお、高さH A は、カーカス折返し部3に生じる圧縮歪が顕 に増加し始める領域に設定することによっ 、本発明の有利な効果をさらに発揮するこ ができるため、
 1.4≦H A ≦1.9
とすることが好ましい。

 次に、H B が2.43未満であると、極大値となる位置でカ カス折返し部3に働く圧縮歪が強くなり、カ カス折返し部3に引張歪を作用させて圧縮歪 を低減させる効果が減少してしまい、カーカ ス折返し部3の疲労破断を抑制することが難 くなる。

 一方、H B が3.75を超えると、圧縮力の作用領域から極 値が離れすぎてしまうため、カーカス折返 部3に引張歪を作用させて圧縮歪を低減させ 効果が減少してしまい、カーカス折返し部3 の疲労破断を抑制することができなくなる。
 さらに、カーカス折り返し部3の端部付近の サイドウォール部領域において、カーカス折 返し部3に加わる張力が高くなり、この張力 カーカス折返し部の端部がビードコア1から き抜ける方向に作用する。その結果、カー ス折返し部3の端部付近におけるゴムのせん 断歪が増加し、カーカス折返し部3の端部に 裂が発生する。

 なお、高さH B は、引張り力を強く作用させて、圧縮力が減 少することによって、圧縮歪が顕著に減少す る領域に設定することによって、本発明の有 利な効果をさらに発揮できることから、2.8≦ H B ≦3.4とすることが好ましい。

 さらに、コード間距離極小値aおよびコー ド間距離極大値bによる比b/aが1.00を超えるこ が肝要である。すなわち、比b/aが1.00以下で あると、圧縮歪を低減させることが不可能と なってしまう。なぜなら、比b/aが1.00以下と る形状では、引張り変形が発生する領域Tに いて、その引張り力が増加されないため、 縮歪を十分低減する効果が失われてしまう その結果、カーカス折返し部3の疲労破断の 抑制ができなくなる。

 ここで、ビード部全体の厚みが厚くなり 特に、極大値となる付近での増厚から、カ カス折返し部3およびカーカス本体部2との のゴムにおけるの発熱や蓄熱の増加による セパレーション発生を回避を解消するため 、比b/aは1.40以上4.00以下とすることが好まし い。

 さらに、重荷重環境下または低内圧環境 におけるカーカス折返し部3の疲労破断やカ ーカス折返し部3およびカーカス本体部2との のゴムの発熱や蓄熱の増加を抑制するには 比b/aを2.00以上3.00以下とすることが好まし 。

 図2に示すタイヤの構造に従って、表1~4に示 す種々の仕様の下、サイズ59/80R63の建設車両 の空気入りラジアルタイヤを試作した。得 れたタイヤを、幅が1117.6mm、フランジ高さH f が127mmのリムに組み込み、内圧を600kPaの規定 に調整した。なお、タイヤの最大高さH T は、フランジ高さH f の9.21倍である。
 かくして得られたタイヤ車輪について、ビ ド部の耐久試験を行った。その結果を表1~4 示す。また、ビード部の耐久性(指数)に与 る、極小値の位置、極大値の位置、コード 距離比b/aの影響を、それぞれ、図5(a)、(b)お び(c)に示す。

 ビード部の耐久性は、ドラム径が7mのド ム耐久試験機にて、ドラム速度を8km/hとし、 ドラム荷重として、正規荷重996.4kNの150%~180% 荷重を、ステップロード方式によって付与 る試験にて評価した。なお、ステップロー 方式は、測定対象の空気入りラジアルタイ に、12時間にわたるドラム荷重を負荷する際 、スタート時を正規荷重の150%として、以後 規荷重の10%を加えながら、最終的に正規荷 の180%を負荷するものである。その結果は、 来例の評価を100として、各々を指数化した

 また、故障箇所については、試験後の空 入りラジアルタイヤを試験後の空気入りラ アルタイヤを切断および解剖することによ て調査した。

 表1~4より、コード間距離比b/aが1.00(一定)で ード間距離が極大値および極小値を持たな 従来例と極大値および極小値を有する発明 とを比較すると、発明例全てにおいて、ビ ド部の耐久性が向上していることが分かる さらに、極大値の位置H B が特許文献1の範囲内である比較例4の空気入 ラジアルタイヤと発明例の空気入りラジア タイヤでは、上述した耐久試験を行いビー 部の耐久性を測定すると、発明例の空気入 ラジアルタイヤの方が優れていることが分 る。

 図5(a)~(c)より、極小値の高さH A が1.6付近、極大値の高さH B が3.1付近およびコード間距離比b/aが2.5付近で あるときにビード部の耐久性が高くなってい ることが分かる。すなわち、極小値の高さH A が1.6付近であるときに、カーカス折返し部の 圧縮歪が効果的に低減され、極大値の高さH B が3.1付近であるときに、カーカス折返し部に 引張力が効果的に作用し、コード間距離比b/a が2.5付近であるときに、圧縮歪の低減および 引張力の両者の組み合わせが最適となること が分かる。