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Title:
POLISHING TOOL AND POLISHING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108463
Kind Code:
A1
Abstract:
A polishing device (10) comprises a supporting table (12) for a polishing object (11), a rotating shaft (13a) arranged vertically above the supporting table, and a polishing tool (40) including a grind stone holding member (32) connected with the rotating shaft and to which annular ultrasonic vibrators (31a, 31b) are fixed, and an annular grind stone (33) provided at the lower end of the circumferential edge of the grind stone holding member. At a position between the fixing position of the annular ultrasonic vibrator of the grind stone holding member and the connecting position with the rotating shaft, an annular air phase containing region (36) is provided by multiply forming annular air phase containing bands including discontinuous air phase arranged annularly, and ultrasonic vibration generated from the annular ultrasonic vibrator is prevented by the annular air phase containing region from being transmitted linearly to a region closer to the side of the connecting position with the rotating shaft than the annular air phase containing region of the grind stone holding member. Since the polishing device (10) can impart ultrasonic vibration generated from the ultrasonic vibrator efficiently to the grind stone, the polishing object can be polished with high precision.

Inventors:
OHNISHI KAZUMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054181
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OHNISHI KAZUMASA (JP)
International Classes:
B24B1/04; B24B37/00; B24B45/00
Domestic Patent References:
WO2006137453A12006-12-28
Foreign References:
JPH09291557A1997-11-11
JP2004293433A2004-10-21
JP2006184079A2006-07-13
JPH10156706A1998-06-16
JPH05200659A1993-08-10
Attorney, Agent or Firm:
YANAGAWA, Yasuo et al. (2-14 Yotsuya, Shinjuku-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 上側表面に研磨対象物を支持する支持テーブル;支持テーブルの上方に、支持テーブルに対して垂直に配置された回転軸;そして、回転軸の下端部に支持テーブルと平行に接続されている、電源に電気的に接続する環状超音波振動子を固定した砥石保持部材と該砥石保持部材の周縁部の下端に備えられた環状の砥石とを含む研磨具から構成された研磨装置であって、該研磨具の砥石保持部材の環状超音波振動子の固定位置と回転軸との接続位置との間の位置に、環状に形成もしくは配置した連続もしくは非連続の空気相を含む環状空気相含有帯域を多重に形成してなる環状空気相含有領域が設けられていて、この環状空気相含有領域により、環状超音波振動子から発生される超音波振動が砥石保持部材の環状空気相含有領域よりも回転軸との接続位置の側の領域に直線的に伝達されないようにされていることを特徴とする研磨装置。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材に連結領域を介して断続的に形成された内周側の複数の貫通溝と連結領域を介して断続的に形成された外周側の複数の貫通溝とから構成されていて、内周側の連結領域は、外周側の貫通溝に接するように配置され、かつ外周側の連結領域は、内周側の貫通溝に接するように配置されている請求項1に記載の研磨装置。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材に連結領域を介して断続的に形成された内周側の複数の貫通孔と連結領域を介して断続的に形成された外周側の複数の貫通孔とから構成されていて、内周側の連結領域は、外周側の貫通孔に接するように配置され、かつ外周側の連結領域は、内周側の貫通孔に接するように配置されている請求項1に記載の研磨装置。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材の上側から上下方向に延びた非貫通の円環状上側溝と砥石保持部材の下側から上下方向に延びた非貫通の円環状下側溝とから構成されていて、上側溝と下側溝との深さの合計が砥石保持部材の上下方向の厚みよりも大きい請求項1に記載の研磨装置。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材の内部で、かつ環状超音波振動子の内周側に備えられた多孔質環状部材から構成されている請求項1に記載の研磨装置。
 上記砥石保持部材が円板部材と該円板部材の周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み、環状空気相含有領域が、該円筒状部材に連結領域を介して断続的に形成された上側の複数の貫通溝と連結領域を介して断続的に形成された下側の複数の貫通溝とから構成されていて、上側の連結領域は、下側の貫通溝に接するように配置され、かつ下側の連結領域は、上側の貫通溝に接するように配置されている請求項1に記載の研磨装置。
 上記砥石保持部材が円板部材と該円板部材の周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み、環状空気相含有領域が、該円筒状部材の外側から厚み方向に延びた非貫通の円環状外側溝と円筒状部材の内側から厚み方向に延びた非貫通の円環状内側溝とから構成されていて、外側溝と内側溝との深さの合計が円筒状部材の厚みよりも大きい請求項1に記載の研磨装置。
 上記砥石保持部材が円板部材と該円板部材の周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み、環状空気相含有領域が、円筒状部材の内部で、かつ環状超音波振動子の上側に備えられた多孔質環状部材から構成されている請求項1に記載の研磨装置。
 支持テーブルが回転する請求項1に記載の研磨装置。
 中央に回転軸接続部を備え、電源に電気的に接続する環状超音波振動子を固定した砥石保持部材と該砥石保持部材の周縁部の下端に備えられた環状の砥石とを含む研磨具であって、該砥石保持部材の環状超音波振動子の固定位置と回転軸接続部との間の位置に、環状に形成もしくは配置した連続もしくは非連続の空気相を含む環状空気相含有帯域を多重に形成してなる環状空気相含有領域が設けられていて、この環状空気相含有領域により、環状超音波振動子から発生される超音波振動が砥石保持部材の環状空気相含有領域よりも回転軸接続部の側の領域に直線的に伝達されないようにされていることを特徴とする研磨具。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材に連結領域を介して断続的に形成された内周側の複数の貫通溝と連結領域を介して断続的に形成された外周側の複数の貫通溝とから構成されていて、内周側の連結領域は、外周側の貫通溝に接するように配置され、かつ外周側の連結領域は、内周側の貫通溝に接するように配置されている請求項10に記載の研磨具。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材に連結領域を介して断続的に形成された内周側の複数の貫通孔と連結領域を介して断続的に形成された外周側の複数の貫通孔とから構成されていて、内周側の連結領域は、外周側の貫通孔に接するように配置され、かつ外周側の連結領域は、内周側の貫通孔に接するように配置されている請求項10に記載の研磨具。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材の上側から上下方向に延びた非貫通の円環状上側溝と砥石保持部材の下側から上下方向に延びた非貫通の円環状下側溝とから構成されていて、上側溝と下側溝との深さの合計が砥石保持部材の上下方向の厚みよりも大きい請求項10に記載の研磨具。
 環状空気相含有領域が、砥石保持部材の内部で、かつ環状超音波振動子の内周側に備えられた多孔質環状部材から構成されている請求項10に記載の研磨具。
 上記砥石保持部材が円板部材と該円板部材の周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み、環状空気相含有領域が、該円筒状部材に連結領域を介して断続的に形成された上側の複数の貫通溝と連結領域を介して断続的に形成された下側の複数の貫通溝とから構成されていて、上側の連結領域は、下側の貫通溝に接するように配置され、かつ下側の連結領域は、上側の貫通溝に接するように配置されている請求項10に記載の研磨具。
 上記砥石保持部材が円板部材と該円板部材の周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み、環状空気相含有領域が、該円筒状部材の外側から厚み方向に延びた非貫通の円環状外側溝と円筒状部材の内側から厚み方向に延びた非貫通の円環状内側溝とから構成されていて、外側溝と内側溝との深さの合計が円筒状部材の厚みよりも大きい請求項10に記載の研磨具。
 上記砥石保持部材が円板部材と該円板部材の周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み、環状空気相含有領域が、円筒状部材の内部で、かつ環状超音波振動子の上側に備えられた多孔質環状部材から構成されている請求項10に記載の研磨具。
Description:
研磨具及び研磨装置

 本発明は、ガラスやシリコンなどから形 された研磨対象物の表面の研磨に有利に用 ることができる研磨具及び研磨装置に関す 。

 従来より、薄膜型電子デバイスを形成す ために、ガラス基板、シリコン基板、シリ ンナイトライド基板、サファイア基板、あ いはシリコンカーバイド基板などの各種の 板が用いられている。これらの基板の表面 、研磨装置を用いて平滑に研磨される。ま 、レンズやプリズムなどの光学部品にも、 の表面を平滑に研磨することが必要とされ 場合がある。研磨装置は、このような各種 研磨対象物の表面を研磨したり、あるいは 磨対象物をその表面の研磨を繰り返して所 の厚みに加工したりするために用いられて る。

 図1は、特許文献1に記載の研磨装置が備 る研磨具の構成例を示す平面図であり、そ て図2は、図1に記入した切断線I-I線に沿って 切断した研磨具1の断面図である。

 図1及び図2に示す研磨具1は、回転駆動装 (例、モータ)の回転軸に接続される接続板2 接続板2の周囲に複数の連結部3aとスペース 3bとからなる連結手段3を介して連結されて る環状弾性体4、環状弾性体4に環状に配置 れた状態で固定されている超音波振動子5、 よび環状弾性体4の周縁部の下端に備えられ た環状の砥石6から構成されている。この研 具1の接続板2は、円盤状の取り付け部材を介 して回転軸に固定される。接続板2が備える 計で四個のねじ孔7の各々には、接続板2を前 記の取り付け部材に取り付けるためのボルト が挿入される。

 この研磨具を備える研磨装置では、回転 を駆動して研磨具1を回転させ、そして各々 の超音波振動子5から発生される超音波振動 環状弾性体4を介して砥石6に付与しながら、 この砥石6の下面を加工対象物の表面に接触 せることにより、加工対象物の表面の研磨 行なわれる。

 この研磨具1の環状弾性体4の前記連結部3aと 連結部3aとの間の部分は、連結部3aと接続し いる部分よりも大きく超音波振動し易い。 のため、各々の超音波振動子5から発生され 超音波振動は、連結部3a、そして接続板2を して回転軸には伝わり難く、その大部分が 石6に付与される。このように、砥石6に超 波振動が効率良く付与されると、砥石6が大 な振幅で超音波振動して砥石と研磨対象物 の摩擦抵抗が低減されるため、不要な機械 動の発生が抑制される。このため、同文献 研磨具1を用いることにより、研磨対象物を 高い精度で研磨することができる。

国際公開第06/137453号パンフレット

 前記の特許文献1の研磨具を用いることに より、研磨対象物を高い精度で研磨すること はできる。しかしながら、超音波振動子から 発生される超音波振動の一部分が、連結手段 の連結部、そして接続板などを通して回転軸 へと伝わり、僅かではあるが超音波振動のエ ネルギーの損失を生じる。

 本発明の課題は、超音波振動子から発生 れる超音波振動を砥石に効率良く付与する とができる研磨具及び研磨装置を提供する とにある。

 本発明は、上側表面に研磨対象物を支持 る支持テーブル;支持テーブルの上方に、支 持テーブルに対して垂直に配置された回転軸 ;そして、回転軸の下端部に支持テーブルと 行に接続されている、電源に電気的に接続 る環状超音波振動子を固定した砥石保持部 と砥石保持部材の周縁部の下端に備えられ 環状の砥石とを含む研磨具から構成された 磨装置であって、前記の研磨具の砥石保持 材の環状超音波振動子の固定位置と回転軸 の接続位置との間の位置に、環状に形成も くは配置した連続もしくは非連続の空気相 含む環状空気相含有帯域を多重に形成して る環状空気相含有領域が設けられていて、 の環状空気相含有領域により、環状超音波 動子から発生される超音波振動が砥石保持 材の環状空気相含有領域よりも回転軸との 続位置の側の領域に直線的に伝達されない うにされていることを特徴とする研磨装置 ある。

 本発明の研磨装置の好ましい態様は、下記 通りである。
 (1)環状空気相含有領域が、砥石保持部材に 結領域を介して断続的に形成された内周側 複数の貫通溝と連結領域を介して断続的に 成された外周側の複数の貫通溝とから構成 れていて、内周側の連結領域は、外周側の 通溝に接するように配置され、かつ外周側 連結領域は、内周側の貫通溝に接するよう 配置されている。
 (2)環状空気相含有領域が、砥石保持部材に 結領域を介して断続的に形成された内周側 複数の貫通孔と連結領域を介して断続的に 成された外周側の複数の貫通孔とから構成 れていて、内周側の連結領域は、外周側の 通孔に接するように配置され、かつ外周側 連結領域は、内周側の貫通孔に接するよう 配置されている。
 (3)環状空気相含有領域が、砥石保持部材の 側から上下方向に延びた非貫通の円環状上 溝と砥石保持部材の下側から上下方向に延 た非貫通の円環状下側溝とから構成されて て、上側溝と下側溝との深さの合計が砥石 持部材の上下方向の厚みよりも大きい。
 (4)環状空気相含有領域が、砥石保持部材の 部で、かつ環状超音波振動子の内周側に備 られた多孔質環状部材から構成されている
 (5)上記砥石保持部材が円板部材と円板部材 周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み 環状空気相含有領域が、円筒状部材に連結 域を介して断続的に形成された上側の複数 貫通溝と連結領域を介して断続的に形成さ た下側の複数の貫通溝とから構成されてい 、上側の連結領域は、下側の貫通溝に接す ように配置され、かつ下側の連結領域は、 側の貫通溝に接するように配置されている
 (6)上記砥石保持部材が円板部材と円板部材 周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み 環状空気相含有領域が、円筒状部材の外側 ら厚み方向に延びた非貫通の円環状外側溝 円筒状部材の内側から厚み方向に延びた非 通の円環状内側溝とから構成されていて、 側溝と内側溝との深さの合計が円筒状部材 厚みよりも大きい。
 (7)上記砥石保持部材が円板部材と円板部材 周縁から下方に延びた円筒状部材とを含み 環状空気相含有領域が、円筒状部材の内部 、かつ環状超音波振動子の上側に備えられ 多孔質環状部材から構成されている。
 (8)支持テーブルが回転する。

 本発明はまた、中央に回転軸接続部を備 、電源に電気的に接続する環状超音波振動 を固定した砥石保持部材と砥石保持部材の 縁部の下端に備えられた環状の砥石とを含 研磨具であって、前記の砥石保持部材の環 超音波振動子の固定位置と回転軸接続部と 間の位置に、環状に形成もしくは配置した 続もしくは非連続の空気相を含む環状空気 含有帯域を多重に形成してなる環状空気相 有領域が設けられていて、この環状空気相 有領域により、環状超音波振動子から発生 れる超音波振動が砥石保持部材の環状空気 含有領域よりも回転軸接続部の側の領域に 線的に伝達されないようにされていること 特徴とする研磨具にもある。

 本発明の研磨具の好ましい態様は、前記 研磨装置の好ましい態様を示す(1)~(7)に記載 された研磨具である。

 なお、本明細書において、「環状超音波 動子」には、環状に並べて配置された複数 の超音波振動子片の集合体も含まれる。同 に、「環状の砥石」には、環状に並べて配 された複数個の砥石片の集合体も含まれる

 本発明の研磨具の砥石保持部材には、環 超音波振動子の固定位置と回転軸接続部と 間の位置に、空気相を含む環状空気相含有 域を多重に形成してなる環状空気相含有領 が設けられている。この研磨具の環状超音 振動子から発生される超音波振動は、環状 気相含有領域に含まれる複数の空気相が形 する超音波反射面の何れかによって反射さ て実質的に回転軸に漏れることはなく、こ ため環状の砥石に極めて効率良く付与され 。従って、本発明の研磨具においては、環 の砥石が大きな振幅で超音波振動し、環状 砥石と研磨対象物との摩擦抵抗が低減され ため、不要な機械振動の発生が効果的に抑 される。このため、本発明の研磨具を用い ことにより、研磨対象物を極めて高い精度 研磨することができる。

 本発明の研磨装置を添付の図面を用いて 明する。図3は、本発明の研磨装置の構成例 を示す正面図である。図4は、図3に示す研磨 40を、研磨具40に接続する回転軸13aを図に記 入した切断線II-II線に沿って切断した状態で す平面図である。そして図5は、図4に記入 た切断線III-III線に沿って切断した研磨具40 拡大断面図である。

 図3~図5に示すように、本発明の研磨装置1 0は、上側表面に研磨対象物11を支持する支持 テーブル12;支持テーブル12の上方に、支持テ ブル12に対して垂直に配置された回転軸13a; して、回転軸13aの下端部に支持テーブル12 平行に接続されている、電源14に電気的に接 続する環状超音波振動子31a、31bを固定した砥 石保持部材32と、砥石保持部材32の周縁部の 端に備えられた環状の砥石33とを含む研磨具 (本発明の研磨具)40などから構成されている この研磨装置10は、研磨具40の砥石保持部材3 2の環状超音波振動子31a、31bの固定位置34aと 回転軸13aとの接続位置(研磨具40の回転軸接 部)34bとの間の位置に、環状に配置した非連 の空気相を含む環状空気相含有帯域を二重 形成してなる環状空気相含有領域36が設け れていて、この環状空気相含有領域36により 、環状超音波振動子31a、31bから発生される超 音波振動が砥石保持部材32の環状空気相含有 域36よりも回転軸との接続位置34bの側の領 に直線的に伝達されないようにされている とに大きな特徴がある。

 支持テーブル12は、基台15に設置された回 転駆動装置(例、モータ)16の回転軸16aに支持 れて回転可能とされている。支持テーブル 、例えば、その表面に沿って直線的に移動( 復移動)させることもできる。

 支持テーブル12の上方には、研磨対象物11 の上面に研削液(代表例、水)を供給するパイ 18aを備えた研削液供給装置18が配置されて る。研削液供給装置18は、基台15の上面に立 された支柱21の上部に支持固定されている この支柱21は、図3の紙面において支持テー ル12の後方側に配置されている。なお、研削 液は、公知の方法に従って、前記砥石保持部 材の環状の砥石よりも内周側の位置に形成し た透孔を介して研磨対象物の上面に供給する こともできる。

 研磨具40は、回転駆動装置13の回転軸13aに 接続されている。回転駆動装置13は、送りね 23のナット23bに支持固定されている。この りねじ23のねじ軸23aは、基台15の上面に設置 れた回転駆動装置17に接続されている。こ 回転駆動装置17を駆動してねじ軸23aを回転さ せることにより、ナット23bに支持された回転 駆動装置13を研磨具40と共に昇降させること できる。また、前記のナット23bは、基台15の 上面にねじ軸23aと平行に立設された支柱22に えられたベアリング24に固定されている。 のため、前記のようにねじ軸23aを回転させ 際に、ナット23b、回転駆動装置13及び研磨具 40が、ねじ軸23aを中心に回転することはない

 研磨具40は、環状超音波振動子31a、31bを える砥石保持部材32、そして砥石保持部材32 周縁部の下端に備えられた環状の砥石33な から構成されている。

 環状の砥石33としては、例えば、ダイヤ ンド砥粒に代表される砥粒を、金属ボンド レジンボンドで結着して環状に形成した砥 を用いることができる。通常、砥粒の平均 径は0.1乃至50μmの範囲内に設定される。

 なお、環状の砥石には、環状に並べて配 された複数個(例えば、2乃至50個)の砥石片 集合体も含まれる。このように、環状の砥 を複数個の砥石片から構成すると、環状の 石(特にサイズの大きいもの)の作製が容易に なる。また、砥石への超音波振動の付与によ り、あるいは砥石と研磨対象物との摩擦によ り砥石内部に生じる応力が低減されるため、 砥石の破損(例、クラックの発生)を防止する とができる。

 砥石保持部材32は、例えば、アルミニウ 、青銅、ステンレススチール、もしくはア ミニウム合金(例、ジュラルミン)に代表され る金属材料、あるいはセラミック材料などの 超音波振動の伝達性に優れる材料から形成さ れる。

 砥石保持部材32は、回転軸13aの周囲に嵌 合わされてボルト38aにより固定されたスリ ブ32a、スリーブ32aの下面にボルト38bにより 定された円板状の保持部材本体32b、そして 持部材本体32bの下面に仮接着剤(例、ホット ルト接着剤)により固定され、更にボルト38c により締め付け固定された砥石保持リング32c から構成されている。

 スリーブ32a、保持部材本体32b及び砥石保 リング32cは、一体に形成することもできる 但し、スリーブ32aと保持部材本体32bとを分 可能に構成すると、保持部材本体32bの厚み 小さな値に設定することにより、環状超音 振動子31a、31bから発生される超音波振動に り保持部材本体32bを砥石33と共に大きな振 で超音波振動させることができる。その一 で、スリーブ32aの軸方向の長さを大きな値 設定することにより、保持部材本体32bをス ーブ32aを介して回転軸13aに安定に支持固定 ることができる。また、保持部材本体32bと 石保持リング32cとを分離可能に構成すると 後に説明するロータリートランス25の電力受 容ユニット25bと、環状超音波振動子31a、31bと の電気配線28b、28cを取り外すことなく、使用 により摩耗した砥石33を砥石保持リング32cと に取り外して別の新しいものに簡単に交換 ることができる。

 砥石保持部材32の形状は、研磨具を安定 回転させるため、回転軸を中心として対称 形状に設定することが好ましい。例えば、 石保持部材の保持部材本体の平面形状は、 形に限らず、多角形に設定することもでき 。

 砥石保持部材32の環状超音波振動子31a、31 bの固定位置34aと、回転軸13aとの接続位置34b の間の位置には、環状に配置した非連続の 気相を含む環状空気相含有帯域を二重に形 してなる環状空気相含有領域36が設けられて いる。この環状空気相含有領域36により、環 超音波振動子31a、31bから発生される超音波 動が砥石保持部材32の環状空気相含有領域36 よりも回転軸との接続位置34bの側(研磨具40の 場合には内周側)の領域に直線的に伝達され いようにされている。この環状空気相含有 域36の機能については、後に詳しく説明する 。

 なお、前記の「砥石保持部材の環状超音 振動子の固定位置」とは、研磨具40のよう 砥石保持部材32の環状超音波振動子31a、31bの 内周側に環状空気相含有領域36が形成されて る場合には、砥石保持部材32の環状超音波 動子31a、31bの内縁に対応する位置を意味す 。但し、前記の「環状超音波振動子の内縁 とは、砥石保持部材32に互いに内径の異なる 二以上の環状超音波振動子が固定されている 場合には、最も小さな内径を持つ環状超音波 振動子の内縁を意味する。また、前記の「砥 石保持部材の回転軸との接続位置」とは、砥 石保持部材32の回転軸13aに接触する位置を意 する。

 環状超音波振動子31a、31bの各々としては 例えば、環状の圧電体41と、圧電体41の上面 及び下面の各々に付設された一対の電極層42 から構成される環状の圧電振動子が用いら ている。

 圧電体41の材料の代表例としては、ジル ン酸チタン酸鉛系の圧電セラミック材料が げられる。電極層42の材料の例としては、銀 やリン青銅などの金属材料が挙げられる。

 環状超音波振動子31a、31bの各々の圧電体4 1は、例えば、その厚み方向に分極処理され 。研磨具40の場合には、例えば、環状超音波 振動子31aの圧電体41は垂直且つ上向きに、そ て環状超音波振動子31bの圧電体41は垂直且 下向きに分極処理されている。

 環状超音波振動子31a、31bの各々は、例え 、エポキシ樹脂を用いて砥石保持部材32に 定される。このエポキシ樹脂により、環状 音波振動子31a、31bの各々と、砥石保持部材32 とが互いに電気的に絶縁される。また、環状 超音波振動子31a、31bの各々の表面に、例えば 、絶縁性の塗料を塗布することにより、環状 超音波振動子の一対の電極層が、研磨の際に 用いる研削液(代表例、水)を介して互いに電 的に短絡することを防止することができる

 なお、環状超音波振動子には、環状に並 て配置された複数個(例えば、2乃至30個)の 音波振動子片の集合体も含まれる。このよ に、環状超音波振動子を、複数個の超音波 動子片から構成すると、環状の砥石の直径 大きい場合、すなわち砥石保持部材のサイ が大きい場合に、これに対応する大きな直 の環状超音波振動子を、複数個の超音波振 子片を用いて容易に構成することができる

 また、環状超音波振動子の個数に特に制 はないが、実用的には、1乃至4個の範囲内 あることが好ましい。環状超音波振動子の 数が多いほど、環状の砥石を大きな振幅に 超音波振動させることができる。しかしな ら、環状超音波振動子の個数が多すぎると 砥石保持部材に環状超音波振動子を付設し 各々の環状超音波振動子を電源に電気的に 続する作業に手間がかかる。

 研磨装置10が備えるロータリートランス25 は、研磨対象物11を研磨する際に研磨具40と に回転する環状超音波振動子31a、31bの各々 、電源14の電気エネルギーを供給するために 用いられている。

 ロータリートランス25は、電力供給ユニ ト25aと電力受容ユニット25bとが互いに僅か 間隔をあけて近接配置された構成を有して る。電力供給ユニット25a及び電力受容ユニ ト25bは、それぞれ円環状の形状に設定され いる。前記の電力供給ユニット25aは、回転 動装置13の底部に固定されている。そして電 力受容ユニット25bは、砥石保持部材32の頂部 固定されている。

 電力供給ユニット25aは、円環状のステー コア26a及びステータコイル27aから構成され いる。そして電力受容ユニット25bは、円環 のロータコア26b及びロータコイル27bから構 されている。ステータコア26a及びロータコ 26bの各々は、例えば、フェライトなどの磁 材料から形成され、その周方向に沿って円 状の溝が形成されている。ステータコイル2 7a及びロータコイル27bの各々は、ステータコ 26a及びロータコア26bの各々に形成された円 状の溝に沿って導線をコイル状に巻いたも である。

 ステータコイル27aには、電気配線28aを介 て電源14が電気的に接続されている。そし ロータコイル27bには、電気配線28b、28cの各 を介して環状超音波振動子31a、31が電気的に 接続されている。なお、電気配線28cは、砥石 保持部材32に形成された透孔32dを通って、下 の環状超音波振動子31bに電気的に接続され いる。

 このロータリートランス25のステータコ ル27aに、電源14から発生される電気エネルギ ーを供給することにより、ステータコイル27a とロータコイル27bとが互いに磁気的に結合さ れる。このため、ステータコイル27aに供給さ れた電気エネルギーは、ロータコイル27b(す わち電力受容ユニット25b)が回転軸13aと共に 転している場合であってもロータコイル27b 伝達する。従って、電源14から発生される 気エネルギーを、研磨対象物11を研磨する際 に回転軸13aと共に回転する研磨具40の環状超 波振動子31a、31bの各々に付与することがで る。

 そして、環状超音波振動子31a、31bの各々 (環状超音波振動子として用いる環状の圧電 振動子の各々の電極層に)、電源14から発生さ れる電気エネルギー(例、交流電圧)を付与す ことにより発生した超音波振動は、砥石保 部材32を介して環状の砥石33に付与される。

 前記のロータリートランスに代えて、例 ば、スリップリングを用いることもできる ロータリートランスは、互いに非接触に配 されている電力供給ユニットと電力受容ユ ットを介して電気エネルギーを伝達するた 、回転軸の回転数が100000回転/分程度までは 、回転軸と共に回転する研磨具の環状超音波 振動子に安定に電力を供給できるという利点 を有している。一方、スリップリングは、回 転軸の回転数が5000回転/分程度を超えると、 転する研磨具の環状超音波振動子に安定に 力を供給することが難しくなる。

 研磨装置10においては、例えば、下記の 順により加工対象物の研磨が行なわれる。

 先ず、研磨対象物11を、例えば、ホット ルト型接着剤を用いて鋼製の保持具(図示し いない)に仮固定する。そして、支持テーブ ル12の上面に、前記の研磨対象物11が仮固定 れた保持具を、例えば、電磁力を利用して 定する。

 次に、回転駆動装置16を作動させ、回転 16aを支持テーブル12と共に回転させる。そし て研削液供給装置18のパイプ18aの先端から研 液を噴出させ、研磨対象物11の表面に研削 を供給する。その一方で、電源14から発生さ れる電気エネルギーをロータリートランス25 介して環状超音波振動子31a、31bの各々に付 する。これにより、環状超音波振動子31a、3 1bの各々から発生される超音波振動は、砥石 持部材32を介して環状の砥石33に付与される 。

 続いて、駆動装置13を作動させ、回転軸13 aを研磨具40と共に回転させ、次いで駆動装置 17を作動させ、研磨具40を次第に下降させる このような操作により、超音波振動が付与 れた環状の砥石33の外周面の下端近傍の部位 が、研磨対象物11の側面の上端近傍の部位に 触し、そして研磨対象物11の表面(上面)の全 体が研磨(研削)される。そして、研磨具40を に下降させながら、所定の厚みになるまで 磨対象物11の研磨を続ける。

 次に、研磨具40の砥石保持部材32が備える 環状空気相含有領域36の機能について説明す 。

 研磨具40の環状空気相含有領域36は、砥石 保持部材32の内周側に備えられた合計で四個 空気相35aを含む環状空気相含有帯域36aと、 周側に備えられた合計で四個の空気相35bを む環状空気相含有帯域36bとが二重に配置さ た構成を有している。

 一般に、異なる二つの物質が互いに接触 て界面を形成している場合に、各々の物質 固有の音響インピーダンスの値が互いに大 く異なると、一方の物質中を他方の物質に かって伝わる音波の大部分は前記界面にて 射され、他方の物質には殆ど伝わらないこ が知られている。前記の音響インピーダン は、物質の密度と、この物質中での音速と 積により定まる。そして、固体と気体とで 、両者の密度の値、すなわち音響インピー ンスの値が互いに大きく異なるため、例え 、固体中を伝わる音波の大部分は、固体と 体との界面にて反射されて気体中には殆ど わらない。

 従って、前記のように砥石保持部材32に 気相35a、35bが備えられていると、この砥石 持部材(固体)32と空気相(気体)35a、35bの各々 の界面からなる超音波(振動)反射面が形成さ れる。

 そして研磨具40では、前記のように各々 気相を含む環状空気相含有帯域36a、36bから 成される環状空気相含有領域36により、環状 超音波振動子31a、31bから発生される超音波振 動が砥石保持部材32の環状空気相含有領域36 りも回転軸との接続位置34bの側(研磨具40の 合には内周側)の領域に直線的に伝達されな ようにされている。

 すなわち、砥石保持部材32の内周側にて いに隣接する空気相35a、35aにより形成され 超音波反射面の間の位置の外周側に、空気 35bにより形成される超音波反射面を配置し そして外周側にて互いに隣接する空気相35b 35bにより形成される超音波反射面の間の位 の内周側に、空気相35aにより形成される超 波反射面を配置することにより、前記の超 波振動の伝達を防止している。

 このため、環状超音波振動子31a、31bから 生される超音波振動は、前記の環状空気相 有領域36に到達すると、空気相35a、35bによ 形成される超音波反射面にて反射され、砥 保持部材32の外周側、そして環状の砥石33へ 伝わり、この環状の砥石33を超音波振動さ るために有効に用いられる。このため、環 超音波振動子31a、31bから発生される超音波 動により、環状の砥石33を大きな振幅にて超 音波振動させることができる。前記のように 、環状の砥石33が大きな振幅にて超音波振動 ると、環状の砥石33と研磨対象物11との摩擦 抵抗が低減し、不要な機械振動の発生が十分 に抑制される。このため、研磨具40を用いる とにより、研磨対象物を高い精度で研磨す ことができる。

 図4に示すように、環状空気相含有領域36 、砥石保持部材32に連結領域37aを介して断 的に形成された内周側の複数(例えば、四個) の貫通溝43aと、連結領域37bを介して断続的に 形成された外周側の複数(例えば、四個)の貫 溝43bとから構成されていて、内周側の連結 域37aは、外周側の貫通溝43bに接するように 置され、かつ外周側の連結領域37bは、内周 の貫通溝43aに接するように配置されている とが好ましい。これにより、環状超音波振 子31a、31bから発生される超音波振動の殆ど 、空気相35a、35bにより形成される超音波反 面の何れかによって反射され、環状の砥石3 3を超音波振動させるために極めて有効に用 られる。

 前記の貫通溝43a、43bの各々は、例えば、 電加工あるいは切削加工などを利用して容 に形成することができる。

 研磨具40のように、砥石保持部材32の環状 超音波振動子31a、31bの内周側に環状空気相含 有領域36を設ける場合には、超音波反射面を 成する空気相35a、35bが、砥石保持部材32の 状超音波振動子31a、31bの固定位置34aに形成 れる円筒面(砥石保持部材を環状超音波振動 の内縁に沿って切断した断面が形成する円 面)の面積の85乃至100%(特に、90乃至100%)の範 内の領域に、前記円筒の直径方向に重ねて 置されていることが好ましい。

 なお、前記の図1及び図2に示す特許文献1 研磨具1のように、研磨具1を回転軸に接続 るためにボルトが挿入されるねじ孔7は、ボ トが挿入されることでねじ孔7の内部の空気 相が排除されて超音波反射面を形成しないた め、本発明の研磨具の空気相を構成しない。

 図6は、本発明の研磨具の別の構成例を示 す平面図である。そして図7は、図6に記入し 切断線IV-IV線に沿って切断した研磨具60の拡 大断面図である。

 図6及び図7に示す研磨具60の構成は、環状 空気相含有領域66が、砥石保持部材62の上側 ら上下方向に延びた非貫通の円環状上側溝73 aと、砥石保持部材62の下側から上下方向に延 びた非貫通の円環状下側溝73bとから構成され ていて、上側溝73aと下側溝73bとの深さの合計 が砥石保持部材62の上下方向の厚みよりも大 いこと以外は図4に示す研磨具40と同様であ 。

 この研磨具60においては、前記の上側溝73 aの内部の空気相(環状に形成した連続の空気 )65aと連結領域67aとにより環状空気相含有帯 域66aが構成され、そして下側溝73bの内部の空 気相65bと連結領域67bとにより環状空気相含有 帯域66bが構成されている。そして、前記の環 状空気相含有帯域66aと環状空気相含有帯域66b とにより、環状空気相含有領域66が構成され いる。

 研磨具60の空気相65a、65b及び連結領域67a 67bは、ぞれぞれ連続した環状の形状にある このため、研磨具60は、図4の研磨具40と比較 して、超音波振動を付与することにより環状 の砥石33を周方向において均一に超音波振動 せることができるため、研磨対象物を研磨 る精度が高いという利点を有している。

 前記の上側溝73aと下側溝73bとの深さの合 は、砥石保持部材62の上下方向の厚みより 大きく、前記厚みの1.5倍(特に、1.1倍)以下で あることが好ましい。上側溝73aと下側溝73bと の深さの合計が、砥石保持部材62の厚みの1.5 を超えると、砥石保持部材62の剛性が低下 て、この砥石保持部材62に環状の砥石33が不 定に支持されるため、研磨対象物を研磨す 精度が低下する傾向にある。

 図8は、本発明の研磨具の更に別の構成例 を示す平面図である。そして図9は、図8に記 した切断線V-V線に沿って切断した研磨具80 拡大断面図である。

 図8及び図9に示す研磨具80の構成は、環状 空気相含有領域86が、砥石保持部材82の内部 、かつ環状超音波振動子31a、31bの内周側に えられた多孔質環状部材93から構成されてい ること以外は図4の研磨具40と同様である。

 この研磨具80の環状空気相含有領域86は、 多孔質環状部材93の内部にて環状部材93の周 向に沿って環状に配置している気泡(空気相) 85を含む環状空気相含有帯域が、環状空気相 有領域86の径方向に多重に配置された構成 有している。

 研磨具80の環状空気相含有領域86の空気相 は、多孔質環状部材93の内部に均一に分散配 された多数の気泡85から構成されている。 のため、研磨具80は、図4の研磨具40と比較し て、超音波振動を付与することにより環状の 砥石33を周方向において均一に超音波振動さ ることができ、また砥石保持部材82の剛性 高いため、研磨対象物を研磨する精度が高 という利点を有している。

 砥石保持部材82の保持部材本体82bは、保 部材本体82bの多孔質環状部材93よりも外周側 の部分と内周側の部分とを予め別々に作製し ておき、両者の間に多孔質環状部材93を配置 て、これらを、例えば、接着あるいは溶接 ることにより容易に作製することができる

 多孔質環状部材93は、例えば、多孔質金 材料から形成される。多孔質環状部材93は、 例えば、青銅、ステンレススチール、ニッケ ル、あるいはチタンなどの金属粉末(もしく 金属繊維)を圧縮成形して焼結することによ 作製することができる。多孔質環状部材93 気泡85の直径は、その製造方法にもよるが、 一般に10nm~数mmの範囲内にある。

 多孔質環状部材93の密度(かさ密度)は、保 持部材本体82bの多孔質環状部材93よりも外周 の部分の密度の5~75%の範囲内の値に設定す ことが好ましい。多孔質環状部材93の密度を 、前記の保持部材本体82bの外周側の部分の密 度の5%未満の値に設定すると、砥石保持部材8 2の剛性が低下して、この砥石保持部材82に環 状の砥石33が不安定に支持されるため、研磨 象物を研磨する精度が低下する傾向にある その一方で、多孔質環状部材93の密度を、 記の保持部材本体82bの外周側の部分の密度 75%を超える値に設定すると、環状部材93に含 まれる気泡(空気相)85により形成される超音 反射面で反射される超音波振動の量が少な なる。

 図10は、本発明の研磨具の更に別の構成 を示す平面図である。そして図11は、図10に 入した切断線VI-VI線に沿って切断した研磨 100の拡大断面図である。

 図10及び図11に示す研磨具100の構成は、環 状空気相含有領域106が、砥石保持部材102に連 結領域107aを介して断続的に形成された内周 の複数の貫通孔113aと、連結領域107bを介して 断続的に形成された外周側の複数の貫通孔113 bとから構成されていて、内周側の連結領域10 7aは、外周側の貫通孔113bに接するように配置 され、かつ外周側の連結領域107bは、内周側 貫通孔113aに接するように配置されているこ 以外は図4の研磨具40と同様である。

 この研磨具100においては、前記の複数の 通孔113aの内部の空気相105aと複数の連結領 107aとにより環状空気相含有帯域106aが構成さ れ、そして複数の貫通孔113bの内部の空気相10 5bと複数の連結領域107bとにより環状空気相含 有帯域106bが構成されている。そして、前記 環状空気相含有帯域106aと環状空気相含有帯 106bとにより、環状空気相含有領域106が構成 されている。

 研磨具100は、図4の研磨具40と比較して、 状空気相含有領域106の貫通孔113a、113bを、 えば、ドリルを用いた孔あけ加工により簡 に形成することができるという利点を有し いる。

 また、図11に示すように、研磨具100に接 される回転軸13aの周囲に二個(あるいは二個 上)のロータリートランス115a、115bを配置し これらのロータリートランス115a、115b各々 用いて、環状超音波振動子31a、31bの各々に 気エネルギーを供給することができる。な 、これらのロータリートランス115a、115bは、 両者の間に配置されたパーマロイ製の筒体116 により互いに磁気的に遮蔽されている。

 そして、例えば、ロータリートランス115a 、115bを用いて、環状超音波振動子31a、31bの 々に互いに同相の交流電圧(例、正弦波電圧) を付与することにより、環状超音波振動子31a 、31bの各々を、その直径方向に互いに同相に て超音波振動させることができる。これによ り、環状超音波振動子31aがその直径が拡大す るように変位する際には、これと同時に環状 超音波振動子31bもまたその直径が拡大するよ うに変位するため、砥石保持部材102の外周縁 部は外周側に変位する。そして環状超音波振 動子31aがその直径が縮小するように変位する 際には、これと同時に環状超音波振動子31bも またその直径が縮小するように変位するため 、砥石保持部材102の外周縁部は内周側に変位 する。その結果、砥石保持部材102の外周縁部 は、環状の砥石33と共に図11に記入した矢印11 9aが示す方向(研磨対象物の表面に対して平行 な方向)に振動する。

 環状の砥石33を研磨対象物の表面に平行 方向に振動させることにより、研磨対象物 表面を高い精度にて研磨することができる

 その一方で、例えば、ロータリートラン 115a、115bを用いて、環状超音波振動子31a、31 bの各々に互いに逆相の交流電圧(例、正弦波 流電圧)を付与することにより、環状超音波 振動子31a、31bの各々を、その直径方向に互い に逆相にて超音波振動させることができる。 これにより、環状超音波振動子31aがその直径 が拡大するように変位する際には、これと同 時に環状超音波振動子31bがその直径が縮小す るように変位するため、砥石保持部材102は湾 曲し、その外周縁部は下側に変位する。そし て環状超音波振動子31aがその直径が縮小する ように変位する際には、これと同時に環状超 音波振動子31bがその直径が拡大するように変 位するため、砥石保持部材102は湾曲し、その 外周縁部は上側に変位する。その結果、砥石 保持部材102の外周縁部は、環状の砥石33と共 図11に記入した矢印119bが示す方向(研磨対象 物の表面に対して概ね垂直な方向)に振動す 。

 環状の砥石33を研磨対象物の表面に概ね 直な方向に振動させることにより、研磨対 物の表面を高い速度(短い時間)で研磨するこ とができる。

 このように、ロータリートランス115a、115 bを備える研磨装置を用いることにより、研 対象物を荒加工する際には、超音波振動子31 a、31bの各々に互いに逆相の交流電圧を付与 て研磨対象物の表面を高い速度で研磨し、 して研磨対象物を仕上げ加工する際には、 状超音波振動子31a、31bの各々に互いに同相 交流電圧を付与して研磨対象物の表面を高 精度で研磨することができる。すなわち、 のような研磨装置を用いることにより、研 対象物を短時間で粗加工し、次いで高い精 で仕上げ加工することができる。

 また、前記のように環状超音波振動子を 数個の超音波振動子片から構成し、これら 超音波振動子片に、複数個(例えば、二個) ロータリートランスを介して正弦波交流電 及び余弦波交流電圧を適宜付与することに り、環状の砥石に超音波振動の進行波を励 することができる。環状超音波振動子によ 超音波振動の進行波を励起する方法は、前 の特許文献1に詳しく記載されている。また 環状超音波振動子により超音波振動の進行 を励起する方法としては、環状超音波振動 により超音波モータのステータに超音波振 の進行波を励起する公知の方法を適用する ともできる。

 図12は、本発明の研磨具の更に別の構成 を示す斜視図である。そして図13は、図12に 入した切断線VII-VII線に沿って切断した研磨 具120の拡大断面図である。

 図12及び図13に示す研磨具120の構成は、砥 石保持部材122が円板部材122aと、円板部材の12 2aの周縁から下方に延びた円筒状部材122bとを 含み、環状空気相含有領域126が、円筒状部材 122bに連結領域127aを介して断続的に形成され 上側の複数の貫通溝133aと、連結領域127bを して断続的に形成された下側の複数の貫通 133bとから構成されていて、上側の連結領域1 27aは、下側の貫通溝133bに接するように配置 れ、かつ下側の連結領域127bは上側の貫通溝1 33aに接するように配置されていること、そし て前記円筒状部材122bの下面に環状超音波振 子31が固定されていること以外は図4に示す 磨具40と同様である。

 この研磨具120においては、前記の上側の 数の貫通溝133aの内部の空気相125aと複数の 結領域127aとにより環状空気相含有帯域126aが 構成され、そして前記の下側の複数の貫通溝 133bの内部の空気相125bと複数の連結領域127bと により環状空気相含有帯域126bが構成されて る。そして、前記の環状空気相含有帯域126a 環状空気相含有帯域126bとにより、環状空気 相含有領域126が構成されている。

 そして、環状超音波振動子31から発生さ る超音波振動の殆どは、前記の環状空気相 有領域126に到達すると、空気相125a、125bによ り形成される超音波反射面の何れかによって 反射され、砥石保持部材122の下側、そして環 状の砥石33へと伝わり、この環状の砥石33を 音波振動させるために極めて有効に用いら る。このため、環状超音波振動子31から発生 される超音波振動により、環状の砥石33を大 な振幅にて超音波振動させることができる このため、研磨具120を用いることにより、 磨対象物を高い精度で研磨することができ 。

 研磨具120は、円筒状部材122bの壁体の厚み を小さな値に設定することにより、環状の砥 石33を研磨対象物の表面に平行な方向に大き 振幅にて超音波振動させることができると う利点を有している。

 なお、研磨具120のように、砥石保持部材1 22の環状超音波振動子31の上側に環状空気相 有領域126が形成されている場合には、前記 「砥石保持部材の環状超音波振動子の固定 置」とは、砥石保持部材122の環状超音波振 子31の上端に対応する位置を意味する。

 また、このような場合には、超音波反射 を形成する空気相125a、125bが、砥石保持部 122の環状超音波振動子31の固定位置44aに形成 される円環面(砥石保持部材を環状超音波振 子の上面に沿って切断した断面が形成する 環面)の面積の85乃至100%(特に、90乃至100%)の 囲内の領域に、円筒状部材122bの軸方向に重 て配置されていることが好ましい。

 図14は、本発明の研磨具の更に別の構成 を示す一部切り欠き斜視図である。そして 15は、図14に記入した切断線VIII-VIII線に沿っ 切断した研磨具140の拡大断面図である。

 図14及び図15に示す研磨具140の構成は、砥 石保持部材142が円板部材142aと、円板部材142a 周縁から下方に延びた円筒状部材142bとを含 み、環状空気相含有領域146が、円筒状部材142 bの外側から厚み方向に延びた非貫通の円環 外側溝153aと、円筒状部材142bの内側から厚み 方向に延びた非貫通の円環状内側溝153bとか 構成されていて、外側溝153aと内側溝153bとの 深さの合計が円筒状部材142bの厚みよりも大 くされていること、そして前記円筒状部材14 2bの下面に環状超音波振動子31が固定されて ること以外は以外は図4の研磨具40と同様で る。

 この研磨具140においては、前記の外側溝1 53aの内部の空気相145aと連結領域147aとにより 状空気相含有帯域146aが構成され、そして内 側溝153bの内部の空気相145bと連結領域147bとに より環状空気相含有帯域146bが構成されてい 。そして、環状空気相含有帯域146aと環状空 相含有帯域146bとにより、環状空気相含有領 域146が構成されている。

 図14の研磨具140は、前記の図6の研磨具60 同様に、超音波振動を付与することにより 状の砥石33を周方向において均一に超音波振 動させることができるため、研磨対象物を研 磨する精度が高いという利点を有している。

 前記の外側溝153aと内側溝153bとの深さの 計は、円筒状部材142bの壁体の厚みよりも大 く、前記厚みの1.5倍(特に、1.1倍)以下であ ことが好ましい。外側溝153aと内側溝153bとの 深さの合計が、円筒状部材142bの壁体の厚み 1.5倍を超えると、砥石保持部材142の剛性が 下して、この砥石保持部材142に環状の砥石33 が不安定に支持されるため、研磨対象物を研 磨する精度が低下する。

 図16は、本発明の研磨具の更に別の構成 を示す斜視図である。そして図17は、図16に 入した切断線IX-IX線に沿って切断した研磨 160の拡大断面図である。

 図16及び図17に示す研磨具160の構成は、砥 石保持部材162が円板部材162aと、該円板部材16 2aの周縁から下方に延びた円筒状部材162bとを 含み、環状空気相含有領域166が、円筒状部材 162bの内部で、かつ環状超音波振動子31の上側 に備えられた多孔質環状部材173から構成され ていること、そして前記円筒状部材162bの下 に環状超音波振動子31が固定されていること 以外は以外は図4の研磨具40と同様である。

 この研磨具160の環状空気相含有領域166は 多孔質環状部材173の内部にて環状部材173の 方向に沿って環状に配置している気泡(空気 相)165を含む環状空気相含有帯域が、環状空 相含有領域166の軸方向に多重に配置された 成を有している。

 図16の研磨具160は、前記の図8の研磨具80 同様に、超音波振動を付与することにより 状の砥石33を周方向において均一に超音波振 動させることができ、また砥石保持部材162の 剛性も高いため、研磨対象物を研磨する精度 が高いという利点を有している。

従来の研磨装置が備える研磨具の構成 示す平面図である。 図1に記入した切断線I-I線に沿って切断 した研磨具1の断面図である。 本発明の研磨装置の構成例を示す正面 である。 図3に示す研磨具40を、研磨具40に接続 る回転軸13aを図に記入した切断線II-II線に沿 って切断した状態で示す平面図である。 図4に記入した切断線III-III線に沿って 断した研磨具40の拡大断面図である。 本発明の研磨具の別の構成例を示す平 図である。 図6に記入した切断線IV-IV線に沿って切 した研磨具60の拡大断面図である。 本発明の研磨具の更に別の構成例を示 平面図である。 図8に記入した切断線V-V線に沿って切断 した研磨具80の拡大断面図である。 本発明の研磨具の更に別の構成例を示 す平面図である。 図10に記入した切断線VI-VI線に沿って 断した研磨具100の拡大断面図である。 本発明の研磨具の更に別の構成例を示 す斜視図である。 図12に記入した切断線VII-VII線に沿って 切断した研磨具120の拡大断面図である。 本発明の研磨具の更に別の構成例を示 す一部切り欠き斜視図である。 図14に記入した切断線VIII-VIII線に沿っ 切断した研磨具140の拡大断面図である。 本発明の研磨具の更に別の構成例を示 す斜視図である。 図16に記入した切断線IX-IX線に沿って 断した研磨具160の拡大断面図である。

符号の説明

1 研磨具
2 接続板
3 連結手段
3a 連結部
3b スペース部
4 環状弾性体
5 超音波振動子
6 砥石
7 ねじ孔
10 研磨装置
11 研磨対象物
12 支持テーブル
13 回転駆動装置
13a 回転軸
14 電源
15 基台
16、17 回転駆動装置
16a 回転軸
18 研削液供給装置
18a パイプ
21、22 支柱
23 送りねじ
23a ねじ軸
23b ナット
24 ベアリング
25 ロータリートランス
25a 電力供給ユニット
25b 電力受容ユニット
26a ステータコア
26b ロータコア
27a ステータコイル
27b ロータコイル
28a、28b、28c 電気配線
31、31a、31b 環状超音波振動子
32 砥石保持部材
32a スリーブ
32b 保持部材本体
32c 砥石保持リング
32d 透孔
33 環状の砥石
34a 環状超音波振動子の固定位置
34b 回転軸との接続位置
35a、35b 空気相
36 環状空気相含有領域
36a、36b 環状空気相含有帯域
37a、37b 連結領域
38a、38b、38c ボルト
40 研磨具
41 圧電体
42 電極層
43a、43b 貫通溝
44a 環状超音波振動子の固定位置
60 研磨具
62 砥石保持部材
66 環状空気相含有領域
65a、65b 空気相
66a、66b 環状空気相含有帯域
67a、67b 連結領域
73a 円環状上側溝
73b 円環状下側溝
80 研磨具
82 砥石保持部材
82b 保持部材本体
85 気泡(空気相)
86 環状空気相含有領域
93 多孔質環状部材
100 研磨具
102 砥石保持部材
105a、105b 空気相
106 環状空気相含有領域
106a、106b 環状空気相含有帯域
107a、107b 連結領域
113a、113b 貫通孔
115a、115b ロータリートランス
116 筒体
119a、119b 環状の砥石33の振動方向を示す矢印
120 研磨具
122 砥石保持部材
122a 円板部材
122b 円筒状部材
125a、125b 空気相
126 環状空気相含有領域
126a、126b 環状空気相含有帯域
127a、127b 連結領域
133a、133b 貫通溝
140 研磨具
142 砥石保持部材
142a 円板部材
142b 円筒状部材
145a、145b 空気相
146 環状空気相含有領域
146a、146b 環状空気相含有帯域
147a、147b 連結領域
153a 円環状外側溝
153b 円環状内側溝
160 研磨具
162 砥石保持部材
162a 円板部材
162b 円筒状部材
165 気泡(空気相)
166 環状空気相含有領域
173 多孔質環状部材