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Patent Searching and Data


Title:
POLYFUNCTIONAL FLUORINE-CONTAINING COMPOUND AND METHOD FOR PRODUCING THE COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123013
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a polyfunctional fluorine-containing compound and a method for producing the compound. A crosslinking agent composed of the compound, a curable composition containing the compound, and a cured product obtained by curing the composition are also disclosed. The polyfunctional fluorine-containing compound is a compound having 2 or more groups represented by general formula (1). -S-CX2CHF-Z-O-Rf (1) [In the formula, X's may be the same or different and each represents H or F; Z represents -CF2- or a single bond; Rf represents a fluorine-containing alkyl group with 1-40 carbon atoms, which has at least one group represented by the following formula: -O-C(=O)-Xa-Rb or a fluorine-containing alkyl group with 2-100 carbon atoms, which has an ether bond and at least one group represented by the following formula: -O-C(=O)-Xa-Rb; Xa represents -NH- or a single bond; and Rb represents an organic group having at least one terminal double bond.]

Inventors:
TANAKA YOSHITO (JP)
ISHIKAWA TAKUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056131
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
TANAKA YOSHITO (JP)
ISHIKAWA TAKUJI (JP)
International Classes:
C07C323/52; C07C319/20; C08L101/06; C09D4/00; C09D7/63; C09D201/00
Foreign References:
JPS62167751A1987-07-24
JP2004051790A2004-02-19
JP2004501241A2004-01-15
Attorney, Agent or Firm:
Saegusa & Partners et al. (JP)
Patent business corporation 3 Edakuni [Hajime] patent firm (JP)
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Claims:
 一般式(1)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf  (1)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、Zは-CF 2 -又は単結合であり、Rfは少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基であり、X a は-NH-又は単結合であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有機基である。]
で表される基を2以上有する化合物。
 一般式(1a)
[式中、TはO、N及びSからなる群から選ばれる少なくとも一種のヘテロ原子を有していてもよい炭化水素であり、pは2以上の整数であり、X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前記に同じである。]
で表される請求項1に記載の化合物。
 一般式(1b)
[式中、R 4 は同一又は異なって単結合、-C a H 2a -、-C b H 2b -B-C c H 2c -又は-S-C d H 2d -であり、a、b、c及びdは同一又は異なって1以上の整数であり、Bは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は-O-であり、Aは-C e H 2e -又は-C f H 2f -E-C g H 2g -であり、e、f及びgは同一又は異なって1以上の整数であり、Eは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は-O-であり、R 5 はH、置換基を有していてもよいアルキル基又は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基であって、R 6 はH、置換基を有していてもよいアルキル基又は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基であって、qは0以上の整数であり、X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前記に同じである。]
で表される請求項2に記載の化合物。
 一般式(1c)
[式中、Qは置換基を有していてもよい脂肪族環、置換基を有していてもよいヘテロ脂肪族環、置換基を有していてもよい芳香族環又は置換基を有していてもよいヘテロ芳香族環であり、該置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキル基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、R 7 はH、アルキル基又は含フッ素アルキル基であり、R 8 及びR 9 は同一又は異なってH、アルキル基又は含フッ素アルキル基であり、rは2以上の整数であり、X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前記に同じである。]で表される請求項2に記載の化合物。
 XがH、Zが-CF 2 -である請求項1~4のいずれかに記載の化合物。
 XがF、Zが単結合である請求項1~4のいずれかに記載の化合物。
 Rfが少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖の含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数2~50のエーテル結合を有する直鎖又は分岐鎖の含フッ素アルキル基である請求項1~6のいずれかに記載の化合物。
 分子内に2以上の一般式(1-1)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf 1   (1-1)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、Zは-CF 2 -又は単結合であり、Rf 1 は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-NH-R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-NH-R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有機基である。]
で表される基を有する化合物の製造方法であって、分子内に2以上の一般式(2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (2)
[式中、Rf a は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1~40の含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基であり、X及びZは前記に同じ。]
で表される基を有する化合物を一般式(3)
O=C=N-R b       (3)
[式中、R b は前記に同じである。]
で表される化合物と反応させることを特徴とする製造方法。
 分子内に2以上の一般式(1-2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf 2   (1-2)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、Zは-CF 2 -又は単結合であり、Rf 2 は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有機基である。]
で表される基を有する化合物の製造方法であって、分子内に2以上の一般式(2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (2)
[式中、Rf a は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1~40の含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基であり、X及びZは前記に同じ。]
で表される基を有する化合物を一般式(4)
X b -C(=O)-R b       (4)
[式中、X b は、HO-、R 10 O-、F-又はCl-であり、R 10 は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい含フッ素アルキル基であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有機基である。]
で表される化合物と反応させることを特徴とする製造方法。
 請求項1~7のいずれかに記載の化合物からなる塗料用架橋剤。
 請求項1~7のいずれかに記載の化合物を含有する硬化性組成物。
 請求項11に記載の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
Description:
多官能含フッ素化合物及び該化 物の製造方法

 本発明は、多官能含フッ素化合物及び該 合物の製造方法、該化合物からなる架橋剤 該化合物を含む硬化性組成物及び該組成物 硬化させた硬化物に関する。

 分子内にフッ素原子を有する含フッ素化 物は、光の透過性や光に対する耐久性に優 ており、含フッ素化合物を含む材料は、塗 の架橋剤、光デバイス関連の封止部材用材 等として使用されている。これらの用途に 用される含フッ素化合物は、他の成分と反 する官能基を分子内に複数有することが望 れる。

 しかしながら、含フッ素化合物の合成に 、フッ素原子を有する特殊な原料が必要で る。また、含フッ素化合物の反応性は一般 な有機化合物とは異なることが多いので、 常の有機合成の手法によって目的とする化 物を得ることは難しい。

 特に、分子内に複数の官能基を有する多 能含フッ素化合物は合成が容易ではなく、 能基数が3以上の多官能含フッ素化合物にな ると、市販されているものは皆無の状況であ る。

 このような状況下、分子内に複数の官能基 有する新規な多官能含フッ素化合物が求め れている。

国際公開WO2004/016689パンフレット

 本発明は、多官能含フッ素化合物及び該 合物の製造方法、該化合物からなる架橋剤 該化合物を含む硬化性組成物及び該組成物 硬化させた硬化物を提供することを課題と る。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意研究を重ねた結果、多官能チオール化 物と水酸基を有する含フッ素アリル化合物 のエンチオール反応、又は多官能チオール 合物と水酸基を有する含フッ素ビニルエー ル化合物とのエンチオール反応により、少 くとも1つの水酸基を有する多官能含フッ素 化合物を合成し、さらに、該水酸基とのエス テル化反応又はウレタン化反応により、末端 に炭素-炭素二重結合を2個以上もつ多官能含 ッ素化合物を合成できることを見出した。 られた多官能含フッ素化合物は、分子内に 数の硬化性部位を有するので、塗料の架橋 として好適に使用できる。また、炭素-炭素 二重結合を分子内に複数有する本発明の多官 能含フッ素化合物を、他の成分と混合して硬 化性組成物とし、これを硬化させて硬化物を 製造することもできる。本発明は、この様な 知見に基づき、さらに検討を重ねて完成され たものである。

 本発明は、下記項1~12に示す新規な多官能含 フッ素化合物、該化合物の製造方法、該化合 物からなる架橋剤、該化合物を含む硬化性組 成物及び該組成物を硬化させた硬化物を提供 する。
項1. 一般式(1)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf  (1)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、Z -CF 2 -又は単結合であり、Rfは少なくとも1つの式:- O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基であり、X a は-NH-又は単結合であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
で表される基を2以上有する化合物。
項2. 一般式(1a)

[式中、TはO、N及びSからなる群から選ばれる なくとも一種のヘテロ原子を有していても い炭化水素であり、pは2以上の整数であり X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前記 同じである。]
で表される項1に記載の化合物。
項3. 一般式(1b)

[式中、R 4 は同一又は異なって単結合、-C a H 2a -、-C b H 2b -B-C c H 2c -又は-S-C d H 2d -であり、a、b、c及びdは同一又は異なって1以 上の整数であり、Bは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は- O-であり、Aは-C e H 2e -又は-C f H 2f -E-C g H 2g -であり、e、f及びgは同一又は異なって1以上 整数であり、Eは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は-O- あり、R 5 はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基であって、R 6 はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基であって、qは0以上の整 数であり、X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異 って前記に同じである。]
で表される項2に記載の化合物。
項4. 一般式(1c)

[式中、Qは置換基を有していてもよい脂肪族 、置換基を有していてもよいヘテロ脂肪族 、置換基を有していてもよい芳香族環又は 換基を有していてもよいヘテロ芳香族環で り、該置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキ ル基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも 種であり、R 7 はH、アルキル基又は含フッ素アルキル基で り、R 8 及びR 9 は同一又は異なってH、アルキル基又は含フ 素アルキル基であり、rは2以上の整数であり 、X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前 に同じである。]で表される項2に記載の化合 物。
項5. XがH、Zが-CF 2 -である項1~4のいずれかに記載の化合物。
項6. XがF、Zが単結合である項1~4のいずれか 記載の化合物。
項7. Rfが少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~20の直鎖又は 岐鎖の含フッ素アルキル基、又は少なくと 1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数2~50のエーテル 合を有する直鎖又は分岐鎖の含フッ素アル ル基である項1~6のいずれかに記載の化合物
項8. 分子内に2以上の一般式(1-1)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf 1   (1-1)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、Z -CF 2 -又は単結合であり、Rf 1 は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-NH-R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-NH- R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
で表される基を有する化合物の製造方法であ って、分子内に2以上の一般式(2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (2)
[式中、Rf a は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1~40 含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの 水酸基を有する炭素数2~100のエーテル結合を する含フッ素アルキル基であり、X及びZは 記に同じ。]
で表される基を有する化合物を一般式(3)
O=C=N-R b       (3)
[式中、R b は前記に同じである。]
で表される化合物と反応させることを特徴と する製造方法。
項9. 分子内に2以上の一般式(1-2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf 2   (1-2)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、Z -CF 2 -又は単結合であり、Rf 2 は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
で表される基を有する化合物の製造方法であ って、分子内に2以上の一般式(2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (2)
[式中、Rf a は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1~40 含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの 水酸基を有する炭素数2~100のエーテル結合を する含フッ素アルキル基であり、X及びZは 記に同じ。]
で表される基を有する化合物を一般式(4)
X b -C(=O)-R b       (4)
[式中、X b は、HO-、R 10 O-、F-又はCl-であり、R 10 は置換基を有していてもよいアルキル基又は 置換基を有していてもよい含フッ素アルキル 基であり、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
で表される化合物と反応させることを特徴と する製造方法。
項10. 項1~7のいずれかに記載の化合物からな 塗料用架橋剤。
項11. 項1~7のいずれかに記載の化合物を含有 る硬化性組成物。
項12. 項11に記載の硬化性組成物を硬化して られる硬化物。

  I.多官能含フッ素化合物
 本発明の多官能含フッ素化合物は、下記一 式(1)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf  (1)
[式中、Xは同一又は異なってH又はFであり、
Zは-CF 2 -又は単結合であり、
Rfは少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基であり、
X a は-NH-又は単結合であり、
R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
で表される基を2以上有することを特徴とす 化合物である。

 一般式(1)のRfにおいて、「少なくとも1つの :-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基」の含フッ素アルキル基は、炭素 1~20の含フッ素アルキル基が好ましく、炭素 1~12の含フッ素アルキル基がより好ましい。 該含フッ素アルキル基は、直鎖、分岐鎖又は 環状のいずれであってもよい。

 一般式(1)のRfにおいて、「少なくとも1つの :-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基」の含フッ アルキル基は、炭素数2~50のエーテル結合を 有する含フッ素アルキル基が好ましく、炭素 数2~25のエーテル結合を有する含フッ素アル ル基がより好ましい。該含フッ素アルキル は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであっ もよい。

 Rf中に少なくとも1つ存在する式:-O-C(=O)-X a -R b で表される置換基において、X a は-NH-又は単結合である。また、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。R b の具体例としては、下記一般式

[式中、MはH、Cl、F又はCH 3 であり、jは1~20の整数であり、kは1~10の整数 あり、2j+1-kは0以上の整数である。]
で表される基が挙げられる。

 これらの化合物において、jは1~10の整数 あることが好ましく、1~6の整数であること より好ましい。kは1~6の整数であることが好 しく、1~3の整数であることがより好ましい

 R b はこれらの置換基の中でも、下記一般式

[式中、j、k及び2j+1-kは前記に同じ。]
で表される基が反応性の点から好ましい。

 また、R b の具体例としては、多価イソシアネート化合 物と末端二重結合を有するモノアルコールを ウレタン化反応させて得られる化合物から、 該化合物中に存在する未反応のイソシアネー ト基(O=C=N-)1個を除いた基(部位)も挙げられる

 該多価イソシアネート化合物としては、 えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6- リレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイ シアネートと2,6-トリレンジイソシアネート との混合イソシアネート、P,P’-ジフェニル タンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイ シアネート、パラフェニレンジイソシアネ ト、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、 イソホロンジイソシアネート、水素化キシリ レンジイソシアネート等が挙げられる。

 また、該末端二重結合を有するモノアル ールとしては、例えば、2-ヒドロキシエチ アクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリ レート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート 2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒ ドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシ チルメタクリレート等のアクリロイル基又 メタクリロイル基を有するモノアルコール ;アリルアルコール、アリルセロソルブ、ト リメチルプロパンジアリルエーテル等のアリ ル基を有するモノアルコール類が挙げられる 。

 また、R b の具体例としては、下記一般式

[式中、RはH、CH 3 、F、CF 3 又はClである。]
で表される基も挙げられる。

 これらの中でも、下記一般式

で表される基が好ましい。

 一般式(1)のRfにおいて、式:-O-C(=O)-X a -R b で表される基は、Rf中に少なくとも1つ存在す ればよく、Rf中の該置換基の数は通常1~10程度 、好ましくは1~6程度、より好ましくは1~3程度 である。

 これらの末端二重結合を少なくとも2つ有 する本発明の多官能含フッ素化合物は、該置 換基が官能基となるので、塗料の架橋剤等と して使用できる。

 一般式(1)のRfにおいて、「少なくとも1つの :-O-C(=O)-X a -R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基」及び「少なくとも1つの式:-O-C(=O)- X a -R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基」の具体的 構造式としては、例えば、以下の構造式で すことができる。

[式中、l及びmは同一又は異なって1~10の整数 あり、nは0~5の整数であり、n1は1~10の整数で り、X a 及びR b は前記に同じであり、各繰り返し単位はこの 順に限られず、ブロックでもよくランダムで もよい。]

[式中、s、t及びuは同一又は異なって0又は1で あり、n a 、n b 及びn c は同一又は異なって0以上の整数であって、n a +n b +n c =1~10であり、X 1 、X 4 、X 5 及びX 7 は同一又は異なってF又はCF 3 であり、X 2 、X 3 及びX 6 は同一又は異なってH又はFであり、n2は1~5の 数であり、n、n1、X a 及びR b は前記に同じであり、各繰り返し単位はこの 順に限られず、ブロックでもよくランダムで もよい。]
等が挙げられる。

 Rfはこれらの中でも、下記構造式で表さ るものが好ましい。

[式中、n、n1、X a 及びR b は前記に同じ。]

[式中、n、n1、n2、X a 及びR b は前記に同じ。]

 一般式(1)-S-CX 2 CHF-Z-O-Rfの中でも、XがHかつZが-CF 2 -である化合物、又はXがFかつZが単結合であ 化合物が好ましい。

 一般式(1)で表される化合物の中でも、下 一般式(1a)

[式中、TはO、N及びSからなる群から選ばれた なくとも一種のヘテロ原子を有していても い炭化水素であり、
pは2以上の整数である。]
で表される化合物が好ましい。

 一般式(1a)において、X、Z及びRfはそれぞ 同一又は異なり、上記一般式(1)で表される 合物のものと同じである。

 また、一般式(1a)で表される化合物において 、式:-(S-CX 2 CHF-Z-O-Rf)で表される基は、p個(pは2以上の整数 )存在し、それぞれ同一又は異なる。pは通常2 ~20の整数、好ましくは2~10の整数、より好ま くは2~6の整数である。

 一般式(1a)で表される化合物の具体例とし ては、例えば、下記一般式(1b)

[式中、R 4 は同一又は異なって単結合、-C a H 2a -、-C b H 2b -B-C c H 2c -又は-S-C d H 2d -であり、
a、b、c及びdは同一又は異なって1以上の整数 あり、
Bは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は-O-であり、
Aは-C e H 2e -又は-C f H 2f -E-C g H 2g -であり、
e、f及びgは同一又は異なって1以上の整数で り、
Eは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は-O-であり、
R 5 はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基であって、
R 6 はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基であって、
qは0以上の整数であり、
X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前記 同じであり、式:-(S-CX 2 CHF-Z-O-Rf)で表される基は同一又は異なる。]
で表される化合物が挙げられる。

 一般式(1b)中、R 4 は同一又は異なって単結合、-C a H 2a -、-C b H 2b -B-C c H 2c -又は-S-C d H 2d -である。a、b、c及びdは同一又は異なって1以 上の整数であり、好ましくは1~20の整数、よ 好ましくは1~10の整数である。

 また、R 4 が-C b H 2b -B-C c H 2c -で示される基において、Bは-S-、-C(=O)O-、-OC(= O)-又は-O-である。ただし、R 4 において、-C a H 2a -、-C b H 2b -B-C c H 2c -及び-S-C d H 2d -はそれぞれ紙面の右側結合子が一般式(1b)中 -S-CX 2 CHF-Z-O-RfのS原子に結合する。Bはこれらの中で も、-OC(=O)-が好ましい。

 一般式(1b)中、Aは-C e H 2e -又は-C f H 2f -E-C g H 2g -である。
e、f及びgは同一又は異なって1以上の整数で り、好ましくは1~20の整数、より好ましくは1 ~10の整数である。Eは-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-又は- O-である。Eはこれらの中でも、-O-が好ましい 。

 一般式(1b)において、R 5 はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基である。

 R 5 で示される「置換基を有していてもよいアル キル基」のアルキル基としては、炭素数1~12 直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げ れる。例えば、メチル、エチル、n-プロピル 、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ ブチル、tert-ブチル、ペンチル、シクロペン ル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル シクロデシル等の炭素数1~12のアルキル基が 挙げられる。より好ましくは、炭素数1~8のア ルキル基である。該アルキル基は置換されて いてもよく、該置換基としては、本発明に悪 影響を与えないものであれば特に限定はない 。該置換基としては、例えば、-OH、-COOH、-COO CH 3 、-NH 2 、-COOCH 2 CH 3 、-COOCH 2 CF 3 等が挙げられる。該アルキル基は、これらの 群から選ばれる少なくとも一種で1~3個置換さ れていてもよい。

 一般式(1b)において、R 6 はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -S-CX 2 CHF-Z-O-Rfで表される基である。

 R 6 で示される「置換基を有していてもよいアル キル基」のアルキル基としては、炭素数1~12 直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げ れる。例えば、メチル、エチル、n-プロピル 、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ ブチル、tert-ブチル、ペンチル、シクロペン ル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル シクロデシル等の炭素数1~12のアルキル基が 挙げられる。より好ましくは、炭素数1~8のア ルキル基である。該アルキル基は置換されて いてもよく、該置換基としては、本発明に悪 影響を与えないものであれば特に限定はない 。該置換基としては、例えば、-OH、-COOH、-COO CH 3 、-NH 2 、-COOCH 2 CH 3 、-COOCH 2 CF 3 等が挙げられる。該アルキル基は、これらの 群から選ばれる少なくとも一種で1~3個置換さ れていてもよい。

 一般式(1b)において、qは0以上の整数であ 。qは0~10の整数であることが好ましく、0~5 整数であることがより好ましく、0又1である ことが特に好ましい。

 一般式(1b)で表される化合物の中でも、特 に好ましい化合物として、下記一般式で表さ れる化合物が挙げられる。

[式中、X、Z、Rf、b及びcはそれぞれ同一又 異なって前記に同じである。]

[式中、X、Z、Rf、b、c、f及びgはそれぞれ同 一又は異なって前記に同じである。]

[式中、X、Z、Rf、b、c及びeはそれぞれ同一 は異なって前記に同じである。]

[式中、X、Z、Rf、b及びcはそれぞれ同一又 異なって前記に同じである。]

[式中、X、Z、Rf、b及びcそれぞれ同一又は異 って前記に同じであり、R 5 は炭素数1~12の直鎖、分岐鎖又は環状のアル ル基である。]

 さらに、一般式(1a)で表される化合物の具 体例としては、例えば、下記一般式(1c)

[式中、Qは置換基を有していてもよい脂肪族 、置換基を有していてもよいヘテロ脂肪族 、置換基を有していてもよい芳香族環又は 換基を有していてもよいヘテロ芳香族環で り、
該置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキル基 -OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも 種であり、
R 7 はH、アルキル基又は含フッ素アルキル基で り、
R 8 及びR 9 は同一又は異なってH、アルキル基又は含フ 素アルキル基であり、
rは2以上の整数であり、
X、Z及びRfはそれぞれ同一又は異なって前記 同じであり、
式:-(S-CX 2 CHF-Z-O-Rf)で表される基は同一又は異なる。]
で表される化合物が挙げられる。

 一般式(1c)において、X、Z及びRfはそれぞ 同一又は異なり、上記一般式(1)で表される 合物のものと同じである。

 一般式(1c)のQにおいて、置換基を有してい もよい脂肪族環は、単環、複環のいずれで ってもよい。また、置換基を有する場合、 置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキル基、- OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも 種である。

 該置換基-COOR 7 において、R 7 はH、アルキル基又は含フッ素アルキル基で る。該アルキル基としては、例えば、炭素 1~12の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が げられる。該含フッ素アルキル基としては 例えば、炭素数1~12の直鎖、分岐鎖又は環状 の含フッ素アルキル基が挙げられる。

 また、置換基-CONR 8 R 9 において、R 8 及びR 9 は同一又は異なってH、アルキル基又は含フ 素アルキル基である。該アルキル基として 、例えば、炭素数1~12の直鎖、分岐鎖又は環 のアルキル基が挙げられる。また、該含フ 素アルキル基としては、例えば、炭素数1~12 の直鎖、分岐鎖又は環状の含フッ素アルキル 基が挙げられる。

 一般式(1c)で表される化合物において、rは2 上の整数であり、-(S-CX 2 CHF-Z-O-Rf)で表される基は、一般式(1c)で表され る化合物中に2つ以上存在する。rは通常2~20の 整数、好ましくは2~10の整数、より好ましく 2~6の整数である。

 置換基を有していてもよい脂肪族環の炭 数は、通常3~100程度、好ましくは3~50程度、 り好ましくは3~12程度である。

 置換基を有していてもよい脂肪族環の具 例としては、下記一般式で表される脂肪族 が挙げられる。

[式中、それぞれの脂肪族環は一般式(1c)と じ置換基を有していてもよく、X、Z及びRfは 前記一般式(1)で表される化合物のものと同じ であり、rは一般式(1c)のものと同じである。]

 一般式(1c)のQにおいて、置換基を有してい もよいヘテロ脂肪族環は、単環、複環のい れであってもよい。また、置換基を有する 合、該置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキ 基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも 種である。R 7 、R 8 及びR 9 は、前記置換基を有していてもよい脂肪族環 のものと同じである。

 置換基を有していてもよいヘテロ脂肪族 の炭素数は、通常2~100程度、好ましくは2~50 度、より好ましくは2~12程度である。

 ヘテロ脂肪族環に含まれるヘテロ原子と ては、例えば、O、N及びSからなる群から選 れた少なくとも一種が挙げられる。

 該置換基を有していてもよいヘテロ脂肪 環の具体例としては、下記一般式で表され ヘテロ脂肪族環が挙げられる。

[式中、それぞれのヘテロ脂肪族環は一般 (1c)と同じ置換基を有していてもよく、X、Z びRfは前記一般式(1)で表される化合物のもの と同じであり、rは一般式(1c)のものと同じで る。]

 一般式(1c)のQにおいて、置換基を有してい もよい芳香族環は、単環、複環のいずれで ってもよい。また、置換基を有する場合、 置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキル基、- OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも 種である。R 7 、R 8 及びR 9 は、前記置換基を有していてもよい脂肪族環 のものと同じである。

 置換基を有していてもよい芳香族環の炭 数は、通常6~100程度、好ましくは6~50程度、 り好ましくは6~20程度である。

 置換基を有していてもよい芳香族環の具 例としては、下記一般式で表される芳香族 が挙げられる。

[式中、それぞれの芳香族環は一般式(1c)と じ置換基を有していてもよく、X、Z及びRfは 前記一般式(1)で表される化合物のものと同じ であり、rは一般式(1c)のものと同じである。]

 一般式(1c)のQにおいて、置換基を有してい もよいヘテロ芳香族環は、単環、複環のい れであってもよい。また、置換基を有する 合、該置換基はそれぞれ炭素数1~12のアルキ 基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも 種である。R 7 、R 8 及びR 9 は、前記置換基を有していてもよい脂肪族環 のものと同じである。

 置換基を有していてもよいヘテロ芳香族 の炭素数は、通常4~100程度、好ましくは4~50 度、より好ましくは4~20程度である。

 置換基を有していてもよいヘテロ芳香族 の具体例としては、下記一般式で表される テロ芳香族環が挙げられる。

[式中、それぞれのヘテロ芳香族環は一般 (1c)と同じ置換基を有していてもよく、X、Z びRfは前記一般式(1)で表される化合物のもの と同じであり、rは一般式(1c)のものと同じで る。]

  II.製造方法
II-1.第一の製造方法
 本発明の多官能含フッ素化合物の第一の製 方法は、分子内に2以上の下記一般式(2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (2)
[式中、Rf a は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1~40 含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの 水酸基を有する炭素数2~100のエーテル結合を する含フッ素アルキル基であり、
Xは同一又は異なってH又はFであり、
Zは-CF 2 -又は単結合である。]
で表される基を有する化合物を、下記一般式 (3)
O=C=N-R b       (3)
[式中、R b は前記に同じである。]
で表される化合物と反応させて、分子内に2 上の下記一般式(1-1)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf 1   (1-1)
[式中、Rf 1 は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-NH-R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-NH- R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基であり、R b 、X及びZは前記に同じ。]
で表される基を有する化合物を得ることを特 徴とする。

 本発明の第一の製造方法によって得られる 分子内に2以上の一般式(1-1)で表される基を する化合物」は、本発明の多官能含フッ素 合物である前記「一般式(1)で表される基を2 以上有する化合物」のRf中のX a が-NH-の化合物である。

 一般式(2)のRf a において、「少なくとも1つの水酸基を有す 炭素数1~40の含フッ素アルキル基」の含フッ アルキル基は、炭素数1~20の含フッ素アルキ ル基が好ましく、炭素数1~12の含フッ素アル ル基がより好ましい。該含フッ素アルキル は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであっ もよい。

 一般式(2)のRf a において、「少なくとも1つの水酸基を有す 炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素 アルキル基」の含フッ素アルキル基は、炭素 数2~50のエーテル結合を有する含フッ素アル ル基が好ましく、炭素数2~25のエーテル結合 有する含フッ素アルキル基がより好ましい 該含フッ素アルキル基は、直鎖、分岐鎖又 環状のいずれであってもよい。

 一般式(2)で表される化合物において、Rf a に少なくとも1つ存在する水酸基(-OH)が直接結 合している炭素は、その化学結合様式から1 、2級及び3級の3種類の炭素に分類すること できる。

 本発明の第一の製造方法においては、一般 (2)で表される化合物と一般式(3)で表される 合物との反応性の観点から、Rf a に少なくとも1つ存在する水酸基(-OH)が直接結 合している炭素は1級炭素であることが望ま い。

 一般式(2)のRf a において、「少なくとも1つの水酸基を有す 炭素数1~40の含フッ素アルキル基」及び「少 くとも1つの水酸基を有する炭素数2~100のエ テル結合を有する含フッ素アルキル基」の 体的な構造式としては、例えば、以下の構 式で表すことができる。

[式中、l及びmは同一又は異なって1~10の整 であり、nは0~5の整数であり、n1は1~10の整数 あり、各繰り返し単位はこの順に限られず ブロックでもよくランダムでもよい。]

[式中、s、t及びuは同一又は異なって0又は1で あり、n a 、n b 及びn c は同一又は異なって0以上の整数であって、n a +n b +n c =1~10であり、X 1 、X 4 、X 5 及びX 7 は同一又は異なってF又はCF 3 であり、X 2 、X 3 及びX 6 は同一又は異なってH又はFであり、n2は1~5の 数であり、n及びn1は前記に同じであり、各 り返し単位はこの順に限られず、ブロック もよくランダムでもよい。]
等が挙げられる。

 Rf a はこれらの中でも、下記構造式で表されるも のが好ましい。

[式中、n、n1及びn2は前記に同じ。]

[式中、n、n1及びn2は前記に同じ。]

 さらに、Rf a はこれらの中でも、特に下記構造式で表され るものが好ましい。

[式中、nは前記に同じ。]

 一般式(1)-S-CX 2 CHF-Z-O-Rfの中でも、XがHかつZが-CF 2 -である化合物、又はXがFかつZが単結合であ 化合物が好ましい。

 一般式(3)O=C=N-R b で表される化合物において、R b は一般式(1)と同じ「少なくとも1つの末端二 結合を有する有機基」である。

 一般式(3)で表される化合物の具体例とし は、下記一般式

[式中、MはH又はCH 3 であり、jは1~20の整数であり、kは1~10の整数 あり、2j+1-kは0以上の整数である。]
で表される化合物が挙げられる。

 これらの化合物において、jは1~10の整数 あることが好ましく、1~6の整数であること より好ましい。kは1~6の整数であることが好 しく、1~3の整数であることがより好ましい

 これらの中でも、

[式中、M、j、k及び2j+1-kは前記に同じ。]
で表される化合物が反応性の点から好ましい 。

 また、一般式(3)で表される化合物において R b の「少なくとも1つの末端二重結合を有する 機基」としては、前記一般式(1)で表される 合物と同じく、多価イソシアネート化合物 末端二重結合を有するモノアルコールをウ タン化反応させて得られる化合物から、該 合物中に存在する未反応のイソシアネート (O=C=N-)1個を除いた基(部位)も挙げられる。

 該多価イソシアネート化合物としては、 えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6- リレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイ シアネートと2,6-トリレンジイソシアネート との混合イソシアネート、P,P’-ジフェニル タンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイ シアネート、パラフェニレンジイソシアネ ト、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、 イソホロンジイソシアネート、水素化キシリ レンジイソシアネート等が挙げられる。

 また、末端二重結合を有するモノアルコ ルとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル クリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレ ート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2 -ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒド ロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブ ルメタクリレート等のアクリロイル基又は タクリロイル基を有するモノアルコール類; アリルアルコール、アリルセロソルブ、トリ メチルプロパンジアリルエーテル等のアリル 基を有するモノアルコール類が挙げられる。

 本発明の第一の製造方法において、分子 に2以上の一般式(2)で表される基を有する化 合物の使用量は、分子内の水酸基の数によっ て異なり、例えば、水酸基1つに対して一般 (3)で表される化合物が1つ反応するのに足る を使用すればよい。本明細書においては、 の量を当量という。分子内に2個水酸基をも つ化合物においては、当量は分子量の1/2とな り、同様に分子内に3個水酸基をもつ化合物 は当量は分子量の1/3となる。

 分子内に2以上の一般式(2)で表される基を 有する化合物の使用量は、一般式(3)で表され る化合物に対して、通常、0.01~2当量程度、好 ましくは0.1~1.5当量程度、より好ましくは0.5~1 .2当量程度の量である。換言すれば、分子内 2以上の一般式(2)で表される基を有する化合 物中の水酸基1モルに対して、一般式(3)で表 れる化合物を通常、0.5~100モル程度、好まし は0.67~10モル程度、より好ましくは0.83~2モル 程度使用すればよい。

 本発明の第一の製造方法においては、分 内に2以上の前記一般式(2)で表される基を有 する化合物と一般式(3)で表される化合物とが ウレタン化反応(付加反応)してウレタン結合 形成する。一方、一般式(3)で表される化合 中に存在する末端二重結合は、実質的に反 せずに、本発明の多官能含フッ素化合物の 応性官能基となる。

 本発明の多官能含フッ素化合物は、一般 (3)で表される化合物中に存在する上記置換 由来の反応性末端二重結合が分子内に複数 在するので、塗料の架橋剤、添加剤として 適に使用できる。また、本発明の多官能含 ッ素化合物を含む硬化性組成物とし、これ 硬化させて硬化物を製造することもできる

 本発明の第一の製造方法によって得られ 「分子内に2以上の一般式(1-1)で表される基 有する化合物」中に未反応のOH基が存在す 場合、該未反応のOH基は、本発明の多官能含 フッ素化合物を硬化性組成物として用いる場 合には、硬化反応基として作用する。

 本発明の第一の製造方法において、分子 に2以上の一般式(2)で表される基を有する化 合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以 を混合して使用してもよい。

 該ウレタン化反応は、分子内に2以上の一 般式(2)で表される基を有する化合物と一般式 (3)で表される化合物とを混合又は混合物を加 熱することによって容易に進行する。

 該ウレタン化反応の加熱温度(反応温度) 、通常5~90℃程度、好ましくは10~70℃程度、 り好ましくは20~60℃程度である。

 本発明の第一の製造方法においては、分 内に2以上の一般式(2)で表される基を有する 化合物と一般式(3)で表される化合物にさらに 触媒を使用しても良い。該触媒は、特に限定 されず、ウレタン化反応に使用される従来公 知のものを使用すればよく、市販品が容易に 入手可能である。

 該触媒としては、例えば、テトラエチル タネート、テトラブチルチタネート等の有 チタン系化合物、オクチル酸スズ、ジブチ スズオキサイド、ジブチルスズジラウレー 等の有機スズ系化合物、塩化第一スズ、臭 第一スズ等のハロゲン系第一スズ等が挙げ れる。

 本発明の第一の製造方法においては、触 を使用することにより、より短時間でウレ ン化反応が進行し、目的とする多官能含フ 素化合物が得られる。

 ウレタン化反応に使用する触媒の使用量 、特に限定されず、適宜調整すればよいが 例えば、一般式(3)で表される化合物100質量 に対して、通常0.0001~3質量部程度、好まし は0.001~1質量部程度、より好ましくは0.01~0.5 量部程度である。

 本発明の製造方法においては、さらに溶 を使用しても良い。溶媒を使用する場合、 媒としては、ウレタン化反応の進行を妨げ い一般的に使用される従来公知の溶媒を使 すればよい。

 溶媒としては、例えば、メチルイソブチ ケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)等の トン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ テル系溶媒;HCFC225(ジクロロペンタフルオロ ロパン)等のフッ素系の溶媒等を使用すれば よい。OH基を有するアルコール系の溶媒は、 レタン化反応の進行を妨げるため好ましく い。また、系内に水があってもウレタン化 応の進行が妨げられるため、各溶媒は使用 に脱水することがより好ましい。

 本発明の第一の製造方法においては、必 に応じて、さらに他の成分を添加しても良 。他の成分としては、例えば、酸化防止剤 レべリング剤、無機フィラー、有機フィラ 等が挙げられる。

 酸化防止剤を使用する場合、使用量は、 般式(3)で表される化合物100質量部に対して 通常0.01~10質量部程度、好ましくは0.1~2質量 程度、より好ましくは0.5~1質量部程度であ 。

  II-2.第二の製造方法
 本発明の多官能含フッ素化合物の第二の製 方法は、分子内に2以上の下記一般式(2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (2)
[式中、Rf a は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1~40 含フッ素アルキル基、又は少なくとも1つの 水酸基を有する炭素数2~100のエーテル結合を する含フッ素アルキル基であり、X及びZは 記に同じ。]
で表される基を有する化合物を一般式(4)
X b -C(=O)-R b       (4)
[式中、X b は、HO-、R 10 O-、F-又はCl-であり、R 10 はアルキル基又は含フッ素アルキル基であり 、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
で表される化合物と反応させることにより、 分子内に2以上の下記一般式(1-2)
-S-CX 2 CHF-Z-O-Rf 2   (1-2)
[式中、Rf 2 は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-R b で表される基を有する炭素数1~40の含フッ素 ルキル基、又は少なくとも1つの式:-O-C(=O)-R b で表される基を有する炭素数2~100のエーテル 合を有する含フッ素アルキル基であり、
R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基であり、
X及びZは前記に同じである。]
で表される基を有する化合物を得ることを特 徴とする製造方法である。

 本発明の第二の製造方法によって得られる 分子内に2以上の一般式(1-2)で表される基を する化合物」は、本発明の多官能含フッ素 合物である前記一般式(1)で表される基を2以 上有する化合物のRf中のX a が単結合の化合物である。

 本発明の第二の製造方法において、一般 (2)で表される基を2以上有する化合物は、前 記本発明の第一の製造方法と同じものである 。

 本発明の第二の製造方法において、一般式( 4)で表される化合物は、
X b -C(=O)-R b       (4)
[式中、X b は、HO-、R 10 O-、F-又はCl-であり、R 10 はアルキル基又は含フッ素アルキル基であり 、R b は少なくとも1つの末端二重結合を有する有 基である。]
である。

 一般式(4)において、R 10 はアルキル基又は含フッ素アルキル基である 。該アルキル基としては、例えば、直鎖、分 岐鎖又は環状の炭素数1~12のアルキル基が挙 られる。例えば、メチル、エチル、n-プロピ ル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イ ソブチル、tert-ブチル、ペンチル、シクロペ チル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチ 、シクロデシル等の炭素数1~12のアルキル基 が挙げられる。該含フッ素アルキル基として は、炭素数1~12の直鎖、分岐鎖又は環状の含 ッ素アルキル基が挙げられる。例えば、-CF 3 、-CH 2 CF 3 、CH 2 CF 2 CF 3 、-CF 2 CF 2 CF 3 等が挙げられる。

 一般式(4)において、R b は前記一般式(1)と同じ「少なくとも1つの末 二重結合を有する有機基」である。

 一般式(4)で表される化合物の具体例とし は、下記一般式

[式中、RはH、CH 3 、F、CF 3 又はClであり、X b は前記に同じ。]
で表される化合物が挙げられる。

 これらの中でも、α,β-不飽和環カルボン ハライドである下記一般式

[式中、Rは前記に同じ。]
で表される化合物が好ましい。

 さらに、これらの中でも、下記一般式

で表される化合物が好ましい。

 本発明の第二の製造方法において、分子 に2以上の一般式(2)で表される基を有する化 合物の使用量は、第一の製造方法と同様、分 子内の水酸基の数によって異なり、例えば、 水酸基1つに対して一般式(4)で表される化合 が1つ反応するのに足る量を使用すればよい 本明細書においては、この量を当量という 分子内に2個水酸基をもつ化合物においては 、当量は分子量の1/2となり、同様に分子内に 3個水酸基をもつ化合物では当量は分子量の1/ 3となる。

 分子内に2以上の一般式(2)で表される基を 有する化合物の使用量は、一般式(4)で表され る化合物に対して、通常、0.01~2当量程度、好 ましくは0.1~1.5当量程度、より好ましくは0.5~1 .2当量程度の量である。換言すれば、分子内 2以上の一般式(2)で表される基を有する化合 物中の水酸基1モルに対して、一般式(4)で表 れる化合物を通常、0.5~100モル程度、好まし は0.67~10モル程度、より好ましくは0.83~2モル 程度使用すればよい。

 本発明の第二の製造方法においては、分子 に2以上の一般式(2)で表される基を有する化 合物の水酸基と一般式(4)で表される化合物の X b -C(=O)-基とがエステル化反応してエステル結 を形成する。一方、一般式(4)で表される化 物中に存在する末端二重結合は、実質的に 応せずに、本発明の多官能含フッ素化合物 反応性官能基となる。

 本発明の多官能含フッ素化合物は、一般 (4)で表される化合物中に存在する上記置換 由来の反応性末端二重結合が分子内に複数 在するので、塗料の架橋剤、添加剤として 適に使用できる。また、本発明の多官能含 ッ素化合物を含む硬化性組成物とし、これ 硬化させて硬化物を製造することもできる

 本発明の第二の製造方法によって得られ 「分子内に2以上の一般式(1-2)で表される基 有する化合物」中に未反応のOH基が存在す 場合、該未反応のOH基は、本発明の多官能含 フッ素化合物を硬化性組成物として用いる場 合には、硬化反応基として作用する。

 本発明の第二の製造方法において、分子 に2以上の一般式(2)で表される基を有する化 合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以 を混合して使用してもよい。

 該エステル化反応は、分子内に2以上の一 般式(2)で表される基を有する化合物と一般式 (4)で表される化合物とを混合又は混合物を加 熱することによって容易に進行する。該エス テル化反応の反応温度は、通常-20~40℃程度で ある。

 本発明の第二の製造方法においては、反 によってHClやHFが副生するが、これらを補 する目的で適当な塩基を加えることが望ま い。塩基としては、ピリジン、N,N-ジメチル ニリン、テトラメチル尿素、トリエチルア ン等の3級アミン、金属マグネシウム等が挙 げられる。

 また、反応の際に原料である一般式(3)で される化合物や生成物である分子内に2以上 の前記一般式(1-2)で表される基を有する化合 中の炭素-炭素二重結合が重合反応を起こす ことを禁止するための禁止剤を共存させても よい。該禁止剤としては、ハイドロキノン、 t-ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモ メチルエーテル等が挙げられる。

 本発明の製造方法においては、さらに溶 を使用しても良い。溶媒を使用する場合、 媒としては、エステル化反応の進行を妨げ い一般的に使用される従来公知の溶媒を使 すればよい。

 溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル テトラヒドロフランのようなエーテル系溶 、2-ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチ アミノケトン、2-ヘプタノンなどのケトン系 溶媒、プロピレングリコールモノメチルエー テル、プロピレングリコールモノエチルエー テル、プロピレングリコールモノブチルエー テル、プロピレングリコールモノメチルエー テルアセテート、プロピレングリコールモノ エチルエーテルアセテート、プロピレングリ コールモノブチルエーテルアセテート、ジプ ロピレングリコールジメチルエーテルなどの プロピレングリコール系溶媒、CH 3 CCl 2 F(HCFC-141b)、CF 3 CF 2 CHCl 2 /CClF 2 CF 2 CHClF混合物(HCFC-225)、パーフルオロヘキサン、 パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン) メトキシ-ノナフルオロブタン、1,3-ビストリ フルオロメチルベンゼンなどの含フッ素溶剤 、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ク ロロトルエンなどの芳香族炭化水素類あるい はこれらの2種以上の混合溶媒などがあげら る。OH基を有するアルコール系の溶媒は、エ ステル化反応の進行を妨げるため好ましくな い。また、系内に水があってもエステル化反 応の進行が妨げられるため、各溶媒は使用前 に脱水することがより好ましい。

 本発明の製造方法においては、必要に応 て、さらに他の成分を添加しても良い。他 成分としては、例えば、酸化防止剤、レべ ング剤、無機フィラー、有機フィラー等が げられる。

 酸化防止剤を使用する場合、使用量は、 般式(2)で表される化合物100質量部に対して 通常0.01~10質量部程度、好ましくは0.1~2質量 程度、より好ましくは0.5~1質量部程度であ 。

  II-3.一般式(2)で表される基を有す 化合物の製造方法
 本発明の第一製造方法及び第二の製造方法 使用する、前記分子内に2以上の一般式(2)で 表される基を有する化合物は、例えば、分子 内に2以上のチオール基を有する化合物を下 一般式(2-1)
CX 2 =CF-Z-O-Rf a       (2-1)
[式中、X、Z及びRf a は前記に同じである。]
で表される化合物と反応させることにより得 られる。

 以下、分子内に一般式(2)で表される基を する化合物の製造方法について説明する。

  II-4.分子内に2以上のチオール基を 有する化合物
 一般式(2)で表される基を有する化合物の製 方法において、原料となる「分子内に2以上 のチオール基を有する化合物」としては、例 えば下記一般式(3a)

[式中、TはO、N及びSからなる群から選ばれた なくとも1種のヘテロ原子を有していてもよ い炭化水素であり、pは2以上の整数である。]
で表される化合物が挙げられる。

 一般式(3a)において、T及びpは一般式(1a)の ものと同じである。

 一般式(3a)で表される化合物の具体例とし ては、例えば、下記一般式(3b)

[式中、R 5b はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -SHで表される基であって、R 6b はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -SHで表される基であって、R 4 、A及びqは前記に同じである。]
で表される化合物が挙げられる。

 一般式(3b)において、R 5b はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -SHで表される基である。

 R 5b で示される「置換基を有していてもよいアル キル基」のアルキル基としては、炭素数1~12 直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げ れる。例えば、メチル、エチル、n-プロピル 、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ ブチル、tert-ブチル、ペンチル、シクロペン ル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル シクロデシル等の炭素数1~12のアルキル基が 挙げられる。より好ましくは、炭素数1~8のア ルキル基である。該アルキル基は置換されて いてもよく、該置換基としては、本発明に悪 影響を与えないものであれば特に限定はない 。該置換基としては、例えば、-OH、COOH、-COOC H 3 、-NH 2 、-COOCH 2 CH 3 、-COOCH 2 CF 3 等が挙げられる。該アルキル基は、これらの 群から選ばれる少なくとも1種で1~3個置換さ ていてもよい。

 一般式(3b)において、R 6b はH、置換基を有していてもよいアルキル基 は式:-R 4 -SHで表される基である。

 R 6b で示される「置換基を有していてもよいアル キル基」のアルキル基としては、炭素数1~12 直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げ れる。例えば、メチル、エチル、n-プロピル 、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ ブチル、tert-ブチル、ペンチル、シクロペン ル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル シクロデシル等の炭素数1~12のアルキル基が 挙げられる。より好ましくは、炭素数1~8のア ルキル基である。該アルキル基は置換されて いてもよく、該置換基としては、本発明に悪 影響を与えないものであれば特に限定はない 。該置換基としては、例えば、-OH、COOH、-COOC H 3 、-NH 2 、-COOCH 2 CH 3 、-COOCH 2 CF 3 等が挙げられる。該アルキル基は、これらの 群から選ばれる少なくとも1種で1~3個置換さ ていてもよい。

 一般式(3b)で表される化合物の中でも、特 に好ましい化合物として、下記一般式で表さ れる化合物が挙げられる。

[式中、b及びcはそれぞれ同一又は異なって 前記に同じである。]

[式中、b、c及びeはそれぞれ同一又は異な て前記に同じである。]

[式中、b、c、f及びgはそれぞれ同一又は異 って前記に同じである。]

[式中、b及びcはそれぞれ同一又は異なって 前記に同じである。]

[式中、b及びc、R 5b それぞれ同一又は異なって前記に同じである 。]

 一般式(3b)で表される化合物としては、例 えば、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ) タン、ペンタエリスリトールテトラキス(3- ルカプトブチレート)、トリメチロールプロ パントリス(3-メルカプトプロピオネート)、 ンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプ プロピオネート)、ジペンタエリスリトール キサキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2 -ジメルカプトエタン、1,2-ジメルカプトプロ ン、1,3-ジメルカプトプロパン、ジメルカプ トブタン、ジメルカプトヘキサン、テトラキ スメルカプトメチルメタン、ジメルカプトメ タン、トリメルカプトメタン、1,2,3-トリメル カプトプロパン、1,2,3,4-テトラメルカプトブ ン、ジメルカプトメタン、1,1-ジメルカプト エタン、1,2-ジメルカプトエタン、1,1-ジメル プトプロパン、1,2-ジメルカプトプロパン、 1,3-ジメルカプトプロパン、2,2-ジメルカプト ロパン、1,1-ジメルカプトブタン、1,2-ジメ カプトブタン、1,3-ジメルカプトブタン、1,4- ジメルカプトブタン、2,2-ジメルカプトブタ 、2,3-ジメルカプトブタン、1,2-ジメルカプト エチルチオ-3-メルカプトプロパン、1,2-ビス-2 -メルカプトエチルチオ-3-メルカプトプロパ 、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス (2-メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メル プトメチルチオ)メタン、2,3-ジメルカプト-1 -プロパノール等が挙げられる。

 また、一般式(3a)で表される化合物の具体 例としては、例えば、下記一般式(3c)

[式中、Q及びrは前記一般式(1c)のものと同じ ある。]
で表される化合物が挙げられる。

 一般式(3c)において、Qは、前記一般式(1c)と じ置換基を有していてもよい脂肪族環、置 基を有していてもよいヘテロ脂肪族環、置 基を有していてもよい芳香族環又は置換基 有していてもよいヘテロ芳香族環である。 置換基はそれぞれアルキル基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも1 である。

 一般式(3c)のQにおいて、置換基を有してい もよい脂肪族環は、単環、複環のいずれで ってもよい。また、置換基を有する場合、 置換基はそれぞれアルキル基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも1 である。

 該置換基-COOR 7 において、R 7 はH、アルキル基又は含フッ素アルキル基で る。該アルキル基としては、例えば、炭素 1~10の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が げられる。また、該含フッ素アルキル基と ては、例えば、炭素数1~10の直鎖、分岐鎖又 は環状の含フッ素アルキル基が挙げられる。

 また、置換基-CONR 8 R 9 において、R 8 及びR 9 は同一又は異なってH、アルキル基又は含フ 素アルキル基である。該アルキル基として 、例えば、炭素数1~10の直鎖、分岐鎖又は環 のアルキル基が挙げられる。また、該含フ 素アルキル基としては、例えば、炭素数1~10 の直鎖、分岐鎖又は環状の含フッ素アルキル 基が挙げられる。

 一般式(3c)で表される化合物において、r 2以上の整数であり、-(SH)で表される基は、 般式(3c)で表される化合物中に2つ以上存在す る。rは通常2~20の整数、好ましくは2~10の整数 、より好ましくは2~6の整数である。

 置換基を有していてもよい脂肪族環の炭 数は、通常3~100程度、好ましくは3~50程度、 り好ましくは3~12程度である。

 該置換基を有していてもよい脂肪族環の 体例としては、下記式で表される脂肪族環 挙げられる。

[式中、それぞれの脂肪族環は一般式(3c)と じ置換基を有していてもよく、該置換基及 rは前記一般式(1c)で表される化合物のもの 同じである。]

 一般式(3c)のQにおいて、置換基を有してい もよいヘテロ脂肪族環は、単環、複環のい れで合ってもよい。また、置換基を有する 合、該置換基はそれぞれアルキル基、-OH、-C OOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも1 である。R 7 、R 8 及びR 9 は、前記置換基を有していてもよい脂肪族環 のものと同じである。

 置換基を有していてもよいヘテロ脂肪族 の炭素数は、通常2~100程度、好ましくは2~50 度、より好ましくは2~12程度である。

 ヘテロ脂肪族環に含まれるヘテロ原子と ては、例えば、O、N及びSからなる群から選 れた少なくとも1種が挙げられる。

 置換基を有していてもよいヘテロ脂肪族 の具体例としては、下記式で表されるヘテ 脂肪族環が挙げられる。

[式中、それぞれのヘテロ脂肪族環は一般 (3c)と同じ置換基を有していてもよく、該置 基及びrは前記一般式(1c)で表される化合物 ものと同じである。]

 一般式(3c)において、Qが置換基を有して てもよいヘテロ脂肪族環である化合物の具 例としては、2,5-ジメルカプトメチル-1,4-ジ アン、4,5-ジメルカプトメチル-1,3-ジチアン が挙げられる。

 一般式(3c)のQにおいて、置換基を有してい もよい芳香族環は、単環、複環のいずれで ってもよい。また、置換基を有する場合、 置換基はそれぞれアルキル基、-OH、-COOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも1 である。R 7 、R 8 及びR 9 は、前記置換基を有していてもよい脂肪族環 のものと同じである。

 置換基を有していてもよい芳香族環の炭 数は、通常6~100程度、好ましくは6~50程度、 り好ましくは6~20程度である。

 置換基を有していてもよい芳香族環の具 例としては、下記式で表される芳香族環が げられる。

[式中、それぞれの芳香族環は一般式(3c)と じ置換基を有していてもよく、該置換基及 rは一般式(1c)で表される化合物のものと同 である。]

 一般式(3c)において、Qが置換基を有して てもよい芳香族環である化合物の具体例と ては、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメル カプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン 1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,2-ジメルカ トトルエン、1,3-ジメルカプトトルエン、1,4 -ジメルカプトトルエン、1,3,5-トリメルカプ トルエン、1,2-ジメルカプトキシレン、1,3-ジ メルカプトキシレン、1,4-ジメルカプトキシ ン、1,3-ジメルカプトトリレン、1,3,5-トリメ カプトトリレン等が挙げられる。

 一般式(1c)のQにおいて、置換基を有してい もよいヘテロ芳香族環は、単環、複環のい れで合ってもよい。また、置換基を有する 合、該置換基はそれぞれアルキル基、-OH、-C OOR 7 、-CONR 8 R 9 、―NH 2 、-COCl、―SO 2 F、―SO 3 H及び-CNからなる群から選ばれる少なくとも1 である。R 7 、R 8 及びR 9 は、前記置換基を有していてもよい脂肪族環 のものと同じである。

 置換基を有していてもよいヘテロ芳香族 の炭素数は、通常4~100程度、好ましくは4~50 度、より好ましくは4~20程度である。

 ヘテロ芳香族環に含まれるヘテロ原子と ては、例えば、O、N及びSからなる群から選 れた少なくとも1種が挙げられる。

 置換基を有していてもよいヘテロ芳香族 の具体例としては、下記式で表されるヘテ 芳香族環が挙げられる。

[式中、それぞれのヘテロ芳香族環は一般 (3c)と同じ置換基を有していてもよく、該置 基及びrは一般式(1c)で表される化合物のも と同じである。]

 本発明の分子内に2以上のチオール基(-SH 、メルカプト基)を有する化合物は、従来公 の製造方法によって得られる化合物であり 市販品を使用することもできる。本発明の 子内に2以上のチオール基を有する化合物は 、例えば、The Chemistry of the thiol group (Chemi stry of Functional Groups) By Saul Patai: John Wiley  and Sons Ltd 出版等に記載の方法に準じて合 成することができる。例えば、チオ尿素を反 応させて、イソチウロニウム塩化し、これを 加水分解するイソチウロニウム塩法等が挙げ られる。

  II-5.一般式(2-1)で表される化合物
 一般式(2-1)で表される化合物としては、例 ば以下のものが挙げられる。

[式中、n及びn1は前記に同じ。]

[式中、n及びn1は前記に同じ。]

[式中、n及びn1は前記に同じ。]

[式中、n、n1及びn2は前記に同じ。]

 さらに、これらの中でも、特に下記構造 で表されるものが好ましい。

[式中、nは前記に同じ。]

[式中、nは前記に同じ。]

[式中、nは前記に同じ。]

[式中、nは前記に同じ。]

 さらに、一般式(2-1)で表される化合物は れらの中でも、下記構造式で表されるもの 特に好ましい。

[式中、n及びmは前記に同じ。]

 本発明の一般式(2-1)で表される化合物は 従来公知の製造方法によって得られる化合 であり、市販品を使用することもできる。

 本発明の一般式(2-1)で表される化合物の 造方法としては、例えば、国際公開WO95/33782 ンフレットに記載されている方法が具体的 挙げられる。

 また、三共出版 「フッ素化学入門」 独 立行政法人 日本学術振興会 フッ素化学 第 155委員会編 に記載されている具体的な合成 ートに従い製造することができる。

 一般式(2-1)で表される化合物は、1種単独 使用してもよいし、2種以上を混合して使用 してもよい。

 分子内に2以上のチオール基を有する化合 物の使用量は、分子内のチオール基の数によ って異なり、例えば、チオール基1つに対し 一般式(2-1)で表される化合物が1つ反応する に足る量を使用すればよい。本明細書にお ては、この量を当量という。分子内に2個チ ール基をもつ化合物においては、当量は分 量の1/2となり、同様に分子内に3個チオール 基をもつ化合物では当量は分子量の1/3となる 。

 分子内に2以上のチオール基を有する化合 物の使用量は、一般式(2-1)で表される化合物 対して、通常、2~0.1当量程度、好ましくは1. 2~0.2当量程度、より好ましくは1~0.5当量程度 量である。換言すれば、分子内に2以上のチ ール基をもつ化合物のチオール基1モルに対 して、一般式(2-1)で表される化合物を通常、0 .5~1モル程度、好ましくは0.83~5モル程度、よ 好ましくは1~2モル程度使用すればよい。

 一般式(2)で表される化合物の製造方法にお ては、分子内に2以上のチオール基を有する 化合物と一般式(2-1)で表される化合物とがエ チオール反応(付加反応)することにより、 子内に2以上のチオール基を有する化合物のS 上のHが下記一般式(5)
-CX 2 CHF-Z-O-Rf a    (5)
[式中、X、Z及びRf a は前記に同じ]
で表される基で置換される。

 すなわち、本発明のエンチオール反応では 一般式(2-1)で表される化合物中に存在する 素-炭素二重結合が、分子内に2以上のチオー ル基を有する化合物中のチオール基と付加反 応する。一方、一般式(2-1)で表される化合物 に存在する上記Rf a 中の水酸基は、実質的に反応せずに、一般式 (3)で表される化合物の中のイソシアネート基 又は一般式(4)で表される化合物中のX b -C(=O)-基と反応して、本発明の多官能含フッ 化合物を生成する。

 エンチオール反応によって得られる一般式( 2)で表される化合物中に未反応のチオール基 存在する場合、該未反応のチオール基は、 記一般式(3)で表される化合物のイソシアネ ト基又は一般式(4)で表される化合物のX b -C(=O)-基と反応して結合を形成し得るが、反 せずに本発明の多官能含フッ素化合物中に オール基が残っていたとしても、硬化性組 物として用いた際に硬化反応基として作用 る。

 一般式(2)で表される化合物の製造方法に いて、分子内に2以上のチオール基を有する 化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種 上を混合して使用してもよい。

 該エンチオール反応は、分子内に2以上の チオール基を有する化合物と一般式(2-1)で表 れる化合物との混合物に、紫外線を照射す ことによって容易に進行する。

 紫外線の照射量は、通常0.1~10J/cm 2 程度、好ましくは0.5~8J/cm 2 程度、より好ましくは1~6J/cm 2 程度である。

 該エンチオール反応の反応温度は、通常5 ~60℃程度、好ましくは10~55℃程度、より好ま くは20~50℃程度である。

 本発明のエンチオール反応では、分子内 2以上のチオール基を有する化合物と一般式 (2-1)で表される化合物に加えて、光重合開始 を使用しても良い。光重合開始剤を使用し くても、本発明の多官能含フッ素化合物が られるが、光重合開始剤を使用することに り、より短時間でエンチオール反応が進行 、目的とする多官能含フッ素化合物が得ら る。

 光重合開始剤の種類は、特に限定されず 従来公知のものを使用すればよく、市販品 容易に入手可能である。

 光重合開始剤としては、例えば、アセト ェノン、クロロアセトフェノン、ジエトキ アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノ 、α-アミノアセトフェノン等のアセトフェ ン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチル エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイ ソブチルエーテル、ベンジルジメチルケター ル等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸 チル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキ シベンゾフェノン、ヒドロキシ-プロピルベ ゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、 ヒラーケトン等のベンゾフェノン系化合物; オキサンソン、クロロチオキサンソン、メ ルチオキサンソン、ジエチルチオキサンソ 、ジメチルチオキサンソン等のチオキサン ン類;ベンジル、α-アシルオキシムエステル 、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシ エステル、3-ケトクマリン、2-エチルアンス キノン、カンファーキノン、アンスラキノ 等の光重合開始剤が挙げられる。また、光 合開始剤の市販品としては、例えば、長瀬 業株式会社製のイルガキュア907、イルガキ ア127、イルガキュア369、イルガキュア819等 挙げられる。光重合開始剤は、1種単独で使 してもよいし、2種以上を混合して使用して もよい。

 また、光重合開始剤には、必要に応じて ミン類、スルホン類、スルフィン類等の公 の光開始助剤を添加してもよい。

 光重合開始剤を使用する場合、光重合開 剤の使用量は、特に限定されず、適宜調整 ればよいが、例えば、一般式(2-1)で表され 化合物100質量部に対して、通常0.01~10質量部 度、好ましくは0.5~7質量部程度、より好ま くは1~5質量部程度である。

 該エンチオール反応においては、さらに 媒を使用しても良い。溶媒を使用する場合 溶媒としては、エンチオール反応の進行を げない一般的に使用される従来公知の溶媒 使用すればよい。溶媒としては、例えば、 タノール、エタノール、イソプロパノール HCFC225(ジクロロペンタフルオロプロパン)、 チルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチル トン(MEK)等を使用すればよい。

 本発明の製造方法においては、必要に応 て、さらに他の成分を添加しても良い。他 成分としては、例えば、酸化防止剤、レべ ング剤、無機フィラー、有機フィラー等が げられる。

 酸化防止剤を使用する場合、使用量は、 般式(2-1)で表される化合物100質量部に対し 、通常0.01~10質量部程度、好ましくは0.1~2質 部程度、より好ましくは0.5~1質量部程度であ る。

 また、エンチオール反応は特に紫外線を 射しなくても、適当な方法でラジカルを発 させることにより反応を進行させることが きる。

 ラジカルを発生させる方法としては、例 ば公知のラジカル重合開始剤を使用して、 熱によってラジカルを発生させる方法が好 しい。

 ラジカル重合開始剤としては、公知のパ オキサイド類、アゾ系開始剤等が利用でき 。

 ラジカル重合開始剤の量は、一般式(2-1) 表される化合物100質量部に対して通常0.01~10 量部程度、好ましくは0.05~7質量部程度、よ 好ましくは0.5~3質量部程度である。

  III.塗料用架橋剤及び添加物
 本発明の多官能含フッ素化合物は、分子内 複数の不飽和基(炭素-炭素二重結合)を有す ので、塗料の架橋剤、添加剤として好適に 用できる。

 本発明の多官能含フッ素化合物を架橋剤 して使用できる塗料としては、例えば、ア リル系、ウレタン系、エポキシ系、フッ素 等が挙げられる。

  IV.硬化性組成物及び硬化物
 本発明の多官能含フッ素化合物は、分子内 複数の不飽和基(炭素-炭素二重結合)を有す ので、他の成分と混合して硬化性組成物(硬 化性含フッ素樹脂組成物)として好適に使用 きる。

 本発明の硬化性含フッ素樹脂組成物の態 としては、例えば、溶剤を使用する態様が げられる。本発明の硬化性含フッ素樹脂組 物を溶剤に溶解又は分散させることによっ 種々の基材にコーティングし、塗膜を形成 ることができ、塗膜形成後、活性エネルギ 線等の照射によって効率よく硬化でき、硬 被膜が得られる点で好ましい。

 例えば、本発明のコーティング用含フッ 樹脂組成物は、(a)本発明の多官能含フッ素 合物、(b)活性エネルギー線硬化開始剤、(c) 剤を含む組成物である。

 活性エネルギー線硬化開始剤(b)は、例え 350nm以下の波長領域の電磁波、つまり紫外 線、電子線、X線、γ線等が照射されること よって初めてラジカルやカチオン等を発生 、多官能含フッ素化合物の炭素-炭素二重結 を硬化(架橋反応)を開始させる触媒として くものであり、通常、紫外光線でラジカル カチオンを発生させるもの、特にラジカル 発生するものを使用する。例えばつぎのも が例示できる。

  アセトフェノン系 :アセトフェノン、クロロアセトフェノン、 エトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセ フェノン、α-アミノアセトフェノン、ヒド キシプロピオフェノン、2-メチル-1-[4-(メチ チオ)フェニル]-2-モルホリンプロパン-1-オン 等。

  ベンゾイン系 :ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、 ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ テル、ベンジルジメチルケタール等。

  ベンゾフェノン系 :ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベ ゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフ ェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロ キシ-プロピルベンゾフェノン、アクリル化 ンゾフェノン、ミヒラーズケトン等。

  チオオキサンソン類 :チオキサンソン、クロロチオキサンソン、 チルキサンソン、ジエチルチオキサンソン ジメチルチオキサンソン等。

  その他 :ベンジル、α-アシルオキシムエステル、ア ルホスフィンオキサイド、グリオキシエス ル、3-ケトクマリン、2-エチルアンスラキノ 、カンファーキノン、アンスラキノン等。

 溶剤(c)は、多官能含フッ素化合物(a)、活 エネルギー線硬化開始剤(b)及び必要に応じ 添加する硬化剤、レベリング剤、光安定剤 の添加剤が均一に溶解又は分散するもので れば特に制限はないが、特に多官能含フッ 化合物(a)を均一に溶解するものが好ましい この溶剤を使用する態様は特に反射防止膜 途等薄層被膜(0.1μm前後)が要求される分野 透明性が高く、均質な被膜を生産性よく得 れる点で好ましい。

 かかる溶剤(c)としては、例えばメチルセ ソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソ ブアセテート、エチルセロソルブアセテー 等のセロソルブ系溶剤;ジエチルオキサレー ト、ピルビン酸エチル、エチル-2-ヒドロキシ ブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸 ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチ ル、乳酸メチル、乳酸エチル、3-メトキシプ ピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸 チル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒド キシイソ酪酸エチル等のエステル系溶剤;プ ロピレングリコールモノメチルエーテル、プ ロピレングリコールモノエチルエーテル、プ ロピレングリコールモノブチルエーテル、プ ロピレングリコールモノメチルエーテルアセ テート、プロピレングリコールモノエチルエ ーテルアセテート、プロピレングリコールモ ノブチルエーテルアセテート、ジプロピレン グリコールジメチルエーテル等のプロピレン グリコール系溶剤;2-ヘキサノン、シクロヘキ サノン、メチルアミノケトン、2-ヘプタノン のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、 プロパノール、イソプロパノール、ブタノー ル等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレ 等の芳香族炭化水素類あるいはこれらの2種 上の混合溶剤等が挙げられる。

 またさらに、多官能含フッ素化合物(a)の溶 性を向上させるために、必要に応じてフッ 系の溶剤を用いてもよい。フッ素系の溶剤 しては、例えばCH 3 CCl 2 F(HCFC-141b)、CF 3 CF 2 CHCl 2 /CClF 2 CF 2 CHClF混合物(HCFC-225)、パーフルオロヘキサン、 パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン) メトキシ-ノナフルオロブタン、1,3-ビストリ フルオロメチルベンゼン等のほか、下記一般 式

で表される化合物等のフッ素系アルコール類 、ベンゾトリフルオライド、パーフルオロベ ンゼン、パーフルオロ(トリブチルアミン)、C lCF 2 CFClCF 2 CFCl 2 等が挙げられる。

 これらフッ素系溶剤は単独でも、またフ 素系溶剤同士、非フッ素系とフッ素系の1種 以上との混合溶剤として用いてもよい。これ らのなかでもケトン系溶剤、酢酸エステル系 溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤等が 、塗装性、塗布の生産性等の面で好ましいも のである。また、多官能含フッ素化合物を溶 解させる際、これら汎用溶剤とともに含フッ 素アルコール系溶剤を混合してもよい。添加 する含フッ素系アルコールとしては、沸点が 50℃以上、好ましくは80℃以上のもので、多 能含フッ素化合物を溶解させるものであれ よい。例えば、下記一般式

で表される化合物等が好ましい具体例であ る。

 含フッ素系アルコールは、それのみで溶 として用いても良いが、前述のケトン系溶 、酢酸エステル系溶剤、非フッ素系アルコ ル溶剤、芳香族系溶剤等の汎用溶剤に加え 用いても効果的である。混合して用いる場 の添加量は、溶剤全体に対して1重量%以上 好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重 %以上であり、特に10~30重量%添加するのが好 ましい。本発明の多官能含フッ素化合物(a)と 活性エネルギー線硬化開始剤(b)との硬化性含 フッ素樹脂組成物、さらに溶剤(c)を含めたコ ーティング用含フッ素樹脂組成物に、さらに 必要に応じて硬化剤を添加してもよい。硬化 剤としては、炭素-炭素不飽和結合を1つ以上 しかつラジカル又は酸で重合できるものが ましく、具体的にはアクリル系モノマー等 ラジカル重合性の単量体、ビニルエーテル モノマー等のカチオン重合性の単量体が挙 られる。これら単量体は、炭素-炭素二重結 合を1つ有する単官能であっても炭素-炭素二 結合を2つ以上有する多官能の単量体であっ てもよい。

 これらの炭素-炭素不飽和結合を有するい わゆる硬化剤は、本発明の組成物中の活性エ ネルギー線硬化開始剤(b)と光等の活性エネル ギー線との反応で生じるラジカルやカチオン で反応し、本発明の組成物中の多官能含フッ 素化合物(a)の側鎖の炭素-炭素二重結合と共 合によって架橋することができるものであ 。

 単官能のアクリル系単量体としては、ア リル酸、アクリル酸エステル類、メタクリ 酸、メタクリル酸エステル類、α-フルオロ クリル酸、α-フルオロアクリル酸エステル 、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン エステル類のほか、エポキシ基、ヒドロキ ル基、カルボキシル基等を有する(メタ)ア リル酸エステル類等が例示される。なかで 硬化物の屈折率を低く維持するために、フ オロアルキル基を有するアクリレート系単 体が好ましく、例えば下記一般式

[式中、X c はH、CH 3 又はFであり、Rf b は炭素数2~40の含フッ素アルキル基、又は炭 数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アル キル基である。]
で表わされる化合物が好ましい。具体的には 、下記一般式

[式中、X c は前記に同じ。]
で表される化合物等が挙げられる。

 多官能アクリル系単量体としては、ジオ ル、トリオール、テトラオール等の多価ア コール類のヒドロキシル基をアクリレート 、メタアクリレート基、α-フルオロアクリ ート基に置き換えた化合物が一般的に知ら ている。具体的には、1,3-ブタンジオール、 1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、 エチレングリコール、トリプロピレングリ ール、ネオペンチルグリコール、トリメチ ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ ンタエリスリトール等のそれぞれの多価ア コール類の2個以上のヒドロキシル基がアク リレート基、メタクリレート基、α-フルオロ アクリレート基のいずれかに置き換えられた 化合物が挙げられる。また、含フッ素アルキ ル基、エーテル結合を含む含フッ素アルキル 基、含フッ素アルキレン基又はエーテル結合 を含む含フッ素アルキレン基を有する多価ア ルコールの2個以上のヒドロキシル基をアク レート基、メタアクリレート基、α-フルオ アクリレート基に置き換えた多官能アクリ 系単量体も利用でき、特に硬化物の屈折率 低く維持できる点で好ましい。具体例とし は、

[式中、Rf d は炭素数1~40の含フッ素アルキル基である。]

[式中、Rf e は炭素数1~40の含フッ素アルキル基又は炭素 2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキ ル基であり、R c はH又は炭素数1~3のアルキル基である。]

[式中、Rf’は炭素数1~40の含フッ素アルキレ 基又は炭素数2~100のエーテル結合を有する含 フッ素アルキレン基であり、R c は前記に同じである。]等の一般式で示され 含フッ素多価アルコール類の2個以上のヒド キシル基をアクリレート基、メタアクリレ ト基又はα-フルオロアクリレート基に置き 換えた構造のものが好ましく挙げられる。 た、これら例示の単官能、多官能アクリル 単量体を硬化剤として本発明の組成物に用 る場合、なかでも特にα-フルオロアクリレ ト化合物が硬化反応性が良好な点で好まし 。

 本発明の硬化性組成物において、活性エ ルギー線硬化開始剤(b)の添加量は、多官能 フッ素化合物(a)中の炭素-炭素二重結合の含 有量、上記硬化剤の使用の有無や硬化剤の使 用量によって、さらには用いる開始剤、活性 エネルギー線の種類や、照射エネルギー量( さと時間等)によって適宜選択されるが、硬 剤を使用しない場合では、多官能含フッ素 合物(a)100質量部に対して0.01~30質量部、さら には0.05~20質量部、最も好ましくは、0.1~10質 部である。詳しくは、多官能含フッ素化合 (a)中に含まれる炭素-炭素二重結合の含有量( モル数)に対し、0.05~50モル%、好ましくは0.1~20 モル%、最も好ましくは、0.5~10モル%である。

 硬化剤を使用する場合は、多官能含フッ 化合物(a)中に含まれる炭素-炭素二重結合の 含有量(モル数)と硬化剤の炭素-炭素不飽和結 合のモル数の合計モル数に対して0.05~50モル% 好ましくは0.1~20モル%、最も好ましくは0.5~10 モル%である。

 硬化剤を使用する場合、硬化剤の使用量 目的とする硬度や屈折率、硬化剤の種類、 用する多官能含フッ素化合物の硬化性基の 有量等によって適宜選択され、望ましくは 官能含フッ素化合物に対して、1~80重量%、 ましくは5~70重量%、より好ましくは10~50重量% である。硬化剤の添加量が多すぎると屈折率 が高くなる傾向にあり、好ましくない。

 本発明のコーティング用含フッ素樹脂組 物における溶剤(c)の含有量としては、溶解 せる固形分の種類、硬化剤の使用の有無や 用割合、塗布する基材の種類や目標とする 厚等によって適宜選択されるが、組成物中 全固形分濃度が0.5~70重量%、好ましくは1~50 量%となるように配合するのが好ましい。本 明の硬化性組成物は、前述の化合物のほか 、必要に応じて種々の添加剤を配合しても い。

 そうした添加剤としては、例えばレベリ グ剤、粘度調整剤、光安定剤、水分吸収剤 顔料、染料、補強剤等が挙げられる。また 本発明の硬化性組成物は、硬化物の硬度を める目的で無機化合物の微粒子を配合する ともできる。無機化合物微粒子としては特 限定されないが、屈折率が1.5以下の化合物 好ましい。具体的にはフッ化マグネシウム( 屈折率1.38)、酸化珪素(屈折 率1.46)、フッ化 ルミニウム(屈折率1.33~1.39)、フッ化カルシウ ム(屈折率1.44)、フッ化リチウム(屈折率1.36~1.3 7)、フッ化ナトリウム(屈折率1.32~1.34)、フッ トリウム(屈折率1.45~1.50)等の微粒子が望まし い。微粒子の粒径については、低屈折率材料 の透明性を確保するために可視光の波長に比 べて充分に小さいことが望ましい。具体的に は100nm以下、特に50nm以下が好ましい。

 無機化合物微粒子を使用する際は、硬化 組成物中での分散安定性、低屈折率材料中 の密着性等を低下させないために、予め有 分散媒中に分散した有機ゾルの形態で使用 るのが望ましい。さらに、該組成物中にお て、無機化合物微粒子の分散安定性、低屈 率材料中での密着性等を向上させるために 予め無機微粒子 化合物の表面を各種カッ リング剤等を用いて修飾することができる 各種カップリング剤としては、例えば有機 換された珪素化合物;アルミニウム、チタニ ム、ジルコニウム、アンチモン又はこれら 混合物等の金属アルコキシド;有機酸の塩; 位性化合物と結合した配位化合物等が挙げ れる。

 本発明のコーティング用含フッ素樹脂組 物は、溶剤(c)に対して多官能含フッ素化合 (a)又は添加物がディスパージョン状のもの も、溶液状のものでもよいが、均一な薄膜 形成するため、また比較的低温で成膜が可 となる点で、均一な溶液状であることが好 しい。塗装法としては、膜厚をコントロー できるのであれば公知の塗装法を採用する とができる。例えば、ロールコート法、グ ビアコート法、マイクログラビアコート法 フローコート法、バーコート法、スプレー ート法、ダイコート法、スピンコート法、 ィップコート法等が採用でき、基材の種類 形状、生産性、膜厚のコントロール性等を 慮して選択できる。

 本発明の多官能含フッ素化合物(a)と活性 ネルギー線硬化開始剤(b)を含む硬化性樹脂 成物、及び上記の方法等で本発明のコーテ ング用含フッ素樹脂組成物を基材に塗布し のち乾燥により得られる被膜は、紫外線、 子線又は放射線等の活性エネルギー線を照 することによって光硬化させることができ 。光硬化すると本発明の多官能含フッ素化 物(a)中の炭素-炭素二重結合が分子間で重合 し、多官能含フッ素化合物(a)中の炭素-炭素 重結合が減少又は消失する。その結果、樹 硬度が高くなり、機械的強度が向上したり 耐摩耗性、耐擦傷性が向上したり、さらに 硬化前には溶解していた溶剤に対して不溶 なるだけでなく、他の数多くの種類の溶剤 対して不溶となる。

 本発明によれば、多官能チオール化合物 水酸基を有する含フッ素アリル化合物との ンチオール反応、又は多官能チオール化合 と水酸基を有する含フッ素ビニルエーテル 合物とのエンチオール反応により、少なく も1つの水酸基を有する多官能含フッ素化合 物を合成し、さらに、該水酸基とのエステル 化反応又はウレタン化反応を行うことにより 、末端に炭素-炭素二重結合を2個以上もつ多 能含フッ素化合物を合成できる。得られた 発明の多官能含フッ素化合物は、分子内に 数の硬化性部位を有するので、塗料の架橋 として好適に使用できる。また、炭素-炭素 二重結合を分子内に複数有する本発明の多官 能含フッ素化合物を、他の成分と混合して硬 化性組成物とし、これを硬化させて硬化物を 製造することもできる。

IR吸収の測定結果(-SH基の吸収)を示すグラフ( 外線照射前、強度5000 mJ/cm 2 Uの紫外線照射後の混合溶液(a1)) IR吸収の測定結果(C=C結合の吸収)を示すグラ (紫外線照射前、強度5000 mJ/cm 2 Uの紫外線照射後の混合溶液(a1))

[実施例]
 以下に、本発明の実施例を挙げて、本発明 一層明らかにするが、本発明はこれらに限 されるものではない。

 本発明の実施例において、(1)フッ素含有量 測定、(2)屈折率(n D )の測定、(3)赤外吸収分析(IR分析)、(4) 19 F-NMRの測定及び(5)相溶性(溶解性)の測定は、 下の方法により行った。

 (1)フッ素含有量の測定
 酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し 、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸 液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極 (フッ素イオンメーター、オリオン社製 901 )で測定することにより、試料中のフッ素含 量を求めた(質量%)。

 (2)屈折率(n D )の測定
 ナトリウムD線(589nm)を光源とし、アッベ屈 率計(株式会社アタゴ光学機器製作所製)を用 いて25℃における試料の屈折率(n D )を測定した。

 (3)赤外吸収分析(IR分析)
 Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計 1760Xを使用し、室温にて試料の赤外吸収分析 行った。

 (4) 19 F-NMR測定
 BRUKER社製のNMR測定装置を用いて試料の 19 F-NMRを測定した。
19 F-NMR測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタ :0ppm)。

 (5)相溶性(溶解性)の測定
 試料とアセトンとを質量比1:1で混合し、相 性を目視で確認した。相溶性の評価は、相 を○、二相分離を×とした。

 本実施例で使用した含フッ素アリルエー ル化合物及び多官能チオール化合物の構造 及び略称を以下に示す。

  含フッ素アリルエーテル化合物

  多官能チオール化合物

(カレンズMT BD1 昭和電工社製)

(カレンズMT PE1 昭和電工社製)

(TMMP(Trimethylolpropane tris-3-mercaptopropionate)堺 学社製)

(PEMP(Pentaerythritol tetrakis-3-mercaptopropionate)堺 学社製)

(DPMP(Dipentaerythritolhexa-3-mercaptopropionate) 堺化 学社製)。

  合成例1 (3官能OH基含有含フッ素化合物の合成)
 (1)混合溶液(a1)の調製
 以下の配合に従い、混合溶液(a1)を調製した 。

  混合溶液(a1)
(i) AEH-1     100質量部
(ii) TMMP      33質量部
(iii) イルガキュア907(光重合開始剤 長瀬産 株式会社製)   4質量部。

 (2)混合溶液(a1)の反応及びIR吸収測定
 混合溶液(a1)1gを5mlの硝子製サンプル瓶に入 た。フタをせずに、サンプル瓶の上から、 圧水銀灯を用いて、強度5000 mJ/cm 2 Uの紫外線を混合溶液(a1)に照射した(常温常圧 下)。

 その後、得られた溶液(a1)のIR吸収の変化 測定した。AEH-1とTMMPとのエンチオール反応 よって変化すると思われる-SH基及びC=C結合 基づくIR吸収の変化をそれぞれ図1及び図2に 示す。

 図1及び図2から分かるように、紫外線照 によってAEH-1とTMMPとのエンチオール反応が 行し、溶液(a1)中のSH基の減少及びC=C結合の 少が確認された。一方、紫外線照射前後に いて、AEH-1由来の-OH基のIR吸収に変化はなか た。

 また、紫外照射後の溶液(a1)の粘度は、紫 外線照射前の混合溶液(a1)に比べて目視でわ る程度に上昇した。紫外照射後の溶液(a1)は 色透明であった。

 (3)混合溶液(a1)反応率の計算
 上記(2)で得られた溶液の 19 F-NMR測定により、C=C二重結合に結合したフッ の吸収の積分強度変化でAEH-1とTMMPとの反応 を計算した。反応率は91%であった。上記(2) 得られた反応後の溶液(a1)(反応生成物(a1))の フッ素含有率、屈折率及び相容性を測定した 。結果を表1に示す。

  実施例1
 合成例1で得られた反応生成物(a1)100質量部 対して、不飽和基含有イソシアネートとし 、昭和電工(株)製 カレンズAOI(以下、AOIとも いう)を26質量部((a1)の水酸基に対して1当量に 相当)加え、さらにジブチルスズジラウリレ トを0.01質量部加えて40℃で24時間反応させた 。AOIの構造式は下記一般式で表される。
CH 2 =CHCOOCH 2 CH 2 NCO   

 得られた反応生成物の赤外線吸収分析を ったところ、AOIのイソシアネート基に由来 る-NCOの吸収が消失し、新たにウレタン結合 に基づくNHの吸収が観測され、AOIのイソシア ート基と合成例1で得られた反応生成物(a1) に存在する水酸基とのウレタン化反応が進 したことが確認された。得られた反応生成 は均一な溶液であった。

  実施例2
 合成例1で得られた反応生成物(a1)100質量部 対して、不飽和基含有イソシアネートとし 、昭和電工(株)製 カレンズMOI(以下、MOIとも いう)を29質量部((a1)の水酸基に対して1当量に 相当)加え、さらにジブチルスズジラウリレ トを0.01質量部加えて40℃で24時間反応させた 。MOIの構造式は、下記一般式で表される。
CH 2 =CCH 3 COOCH 2 CH 2 NCO   

 得られた反応生成物の赤外線吸収分析を ったところ、MOIのイソシアネート基に由来 る-NCOの吸収が消失し、新たにウレタン結合 に基づくNHの吸収が観測され、反応が進行し ことが確認された。得られた反応生成物は 一な溶液であった。

  実施例3
 合成例1で得られた反応生成物(a1)100質量部 対して、不飽和基含有イソシアネートとし 、昭和電工(株)製 カレンズBEI(以下、BEIとも いう)を39質量部((a1)の水酸基に対して1当量に 相当)加え、さらにジブチルスズジラウリレ トを0.01質量部加えて40℃で24時間反応させた 。BEIの構造式は、下記一般式で表される。

 得られた反応生成物の赤外線吸収分析を ったところ、BEIのイソシアネート基に由来 る-NCOの吸収が消失し、新たにウレタン結合 に基づくNHの吸収が観測され、反応が進行し ことが確認された。得られた反応生成物は 一な溶液であった。

  合成例2 (2官能OH基含有含フッ素化合物の合成)
 (1)混合溶液(a2)の調製
 以下の配合に従い、混合溶液(a2)を調製した 。

  混合溶液(a2)
(i)AEH-0      62質量部
(ii)MTBD       38質量部
(iii)イルガキュア907   4質量部。

 (2)混合溶液(a2)の反応、フッ素含有率及び屈 折率
 合成例1と同様に、混合溶液(a2)を1g、5mlの硝 子製サンプル瓶に入れた。フタをせずに、サ ンプル瓶の上から、高圧水銀灯を用い、強度 5000 mJ/cm 2 Uの紫外線を各混合物に照射した(常温常圧下) 。紫外線照射後の溶液のフッ素含有率及び屈 折率を測定した。結果を下表2に示す。

  実施例4
 合成例2で得られた反応生成物(a2)100質量部 対してAOIを36質量部(水酸基に対して1当量に 当)加え、さらにジブチルスズジラウリレー トを0.01質量部加えて40℃で24時間反応させた

 得られた反応生成物の赤外線吸収分析を ったところ、AOIのイソシアネート基に由来 る-NCOの吸収が消失し、新たにウレタン結合 に基づくNHの吸収が観測され、反応が進行し ことが確認された。得られた反応生成物は 一な溶液であった。

  合成例3
 (1)混合溶液(a3)~(a5)の調製
 以下の配合に従い、混合溶液(a3)~(a5)を調製 た。

  混合溶液(a3)
AEH-1      37質量部
AEE-1      39質量部
TMMP       24質量部
イルガキュア907   4質量部
HCFC225   100質量部。

  混合溶液(a4)
AEH-2      53質量部
AEH-0      22質量部
TMMP       25質量部
イルガキュア907   4質量部
HCFC225   100質量部。

  混合溶液(a5)
AEH-3      59質量部
AEH-0      20質量部
TMMP       21質量部
イルガキュア907   4質量部
HCFC225   100質量部。

 (2)混合溶液(a3)~(a5)の反応、フッ素含有率、 折率及びIR吸収測定
 合成例1と同様に、混合溶液(a3)~(a5)を各1gず 、それぞれ5mlの硝子製サンプル瓶に入れた フタをせずに、サンプル瓶の上から、高圧 銀灯を用い、強度5000 mJ/cm 2 Uの紫外線を各混合物に照射した(常温常圧下) 。その後、溶媒であるHCFC225を室温で風乾し 紫外線照射後の各溶液のフッ素含有率及び 折率を測定した。結果を下表3に示す。

 紫外線照射前後における各溶液のIR吸収 測定したところ、SH基の減少及びC=C結合の減 少が確認された。さらに、紫外線照射前後に おいて、AEH-0、AEH-1、AEH-2及びAEH-3由来の-OH基 AEE-1由来の-CO(=O)-基のIR吸収に変化はなかっ 。

 また、紫外照射後の各溶液の粘度は、紫 線照射前の各混合溶液に比べて目視でわか 程度に上昇した。

  実施例5
 実施例4で得られた反応生成物(a3)~(a5)100質量 部に対してAOIをそれぞれ12質量部、26質量部 23質量部((a3)~(a5)の水酸基に対してそれぞれ1 量に相当)加え、さらにジブチルスズジラウ リレートをそれぞれ0.01質量部加えて40℃で24 間反応させた。

 得られた各反応生成物の赤外線吸収分析 それぞれ行ったところ、AOIのイソシアネー 基に由来する-NCOの吸収が消失し、新たにウ レタン結合に基づくNHの吸収が観測され、反 が進行したことが確認された。得られた各 応生成物は均一な溶液であった。

  合成例4
 (1)混合溶液(a6)及び(a7)の調製
 以下の配合に従い、混合溶液(a6)及び(a7)を 製した。

  混合溶液(a6)
AEH-0      67質量部
PEMP       33質量部
イルガキュア907   4質量部
HCFC225   100質量部。

  混合溶液(a7)
AEH-0      65質量部
DPMP       35質量部
イルガキュア907   4質量部
HCFC225   100質量部。

 (2)混合溶液(a6)及び(a7)の反応、フッ素含有 、屈折率及びIR吸収測定
 合成例1と同様に、混合溶液(a6)及び(a7)を各1 gずつ、それぞれ5mlの硝子製サンプル瓶に入 た。フタをせずに、サンプル瓶の上から、 圧水銀灯を用い、強度5000 mJ/cm 2 Uの紫外線を各混合物に照射した(常温常圧下) 。その後、溶媒であるHCFC225を室温で風乾し 紫外線照射後の各溶液のフッ素含有率及び 折率を測定した。結果を下表4に示す。

 紫外線照射前後における各溶液のIR吸収 測定したところ、SH基の減少及びC=C結合の減 少が確認された。さらに、紫外線照射前後に おいて、AEH-0由来の-OH基のIR吸収に変化はな った。

 また、紫外照射後の各溶液の粘度は、紫 線照射前の各混合溶液に比べて目視でわか 程度に上昇した。

  実施例6
 合成例4で得られた反応生成物(a6)及び(a7)100 量部に対してAOIをそれぞれ39質量部、38質量 部((a6)及び(a7)の水酸基に対してそれぞれ1当 に相当)加え、さらにジブチルスズジラウリ ートをそれぞれ0.01質量部加えて40℃で24時 反応させた。

 反応物について赤外線吸収分析で測定し ところ、AOIのイソシアネート基に由来する- NCOの吸収が消失し、新たにウレタン結合に基 づくNHの吸収が観測され、反応が進行したこ が確認された。得られた各反応生成物は均 な溶液であった。

  合成例5
 (1)混合溶液(a8)及び(a9)の調製
 以下の配合に従い、混合溶液(a8)及び(a9)を 製した。

  混合溶液(a8)
AEHFIP-0   74質量部
TMMP       26質量部
イルガキュア907   4質量部。

  混合溶液(a9)
AEHFIP-1   80質量部
TMMP       20質量部
イルガキュア907   4質量部。

 (2)混合溶液(a8)及び(a9)の反応、フッ素含有 、屈折率及びIR吸収測定 合成例1と同様に、 混合溶液(a8)及び(a9)を各1gずつ、それぞれ5ml 硝子製サンプル瓶に入れた。フタをせずに サンプル瓶の上から、高圧水銀灯を用い、 度5000 mJ/cm 2 Uの紫外線を各混合物に照射した(常温常圧下) 。紫外線照射後の各溶液のフッ素含有率及び 屈折率を測定した。結果を下表5に示す。

 紫外線照射前後における各溶液のIR吸収 測定したところ、SH基の減少及びC=C結合の減 少が確認された。さらに、紫外線照射前後に おいて、AEHFIP-1由来の-OH基のIR吸収に変化は かった。

 また、紫外照射後の各溶液の粘度は、紫 線照射前の各混合溶液に比べて目視でわか 程度に上昇した。

  実施例7
 合成例5で得られた反応生成物(a8)10g、トリ チルアミン5.9g(3当量)、さらに溶媒として脱 メチルイソブチルケトン20gをフラスコに入 氷浴中4℃に冷却した。得られた混合溶液に 、滴下ロートからアクリル酸クロリドを1.95g( 1.1当量)ゆっくりと滴下した。2時間後、1N HCl をフラスコに追加しクエンチさせ、室温に戻 した。その後、分液精製操作(塩酸→飽和食 水→重曹水→飽和食塩水の順)を繰り返し、 後にMgSO 4 を加えて24時間脱水させた。得られた反応生 物のIR分析により、C=C結合及びC=O結合が確 され、反応が進行したことが確認された。

  実施例8
 合成例5で得られた反応生成物(a9)10g、トリ チルアミン4.5g(3当量)さらに溶媒として脱水 チルイソブチルケトン20gをフラスコに入れ 氷浴中4℃に冷却した。得られた混合溶液に 、滴下ロートからアクリル酸クロリドを1.5g(1 .1当量)ゆっくりと滴下した。2時間後、1N HCl フラスコに追加しクエンチさせ、室温に戻 た。その後、分液精製操作(塩酸→飽和食塩 水→重曹水→飽和食塩水の順)を繰り返し、 後にMgSO 4 を加えて24時間脱水させた。得られた反応生 物のIR分析により、C=C結合及びC=O結合が確 され、反応が進行したことが確認された。

  合成例6
  混合溶液(a10)
VEH-0            68質量部
TMMP              32質量部
イルガキュア907     4質量部
HCFC225       100質量部。

  混合溶液(a11)
VEH-0            68質量部
TMMP              16質量部
イルガキュア907     4質量部
HCFC225       100質量部。

  混合溶液(a12)
VEH-1            77質量部
TMMP              23質量部
イルガキュア907     4質量部
HCFC225       100質量部。

 合成例1と同様に、混合溶液(a10)~(a12)を各1g つ、それぞれ5mlの硝子製サンプル瓶に入れ 。フタをせずに、サンプル瓶の上から、高 水銀灯を用い、強度8000 mJ/cm 2 Uの紫外線を各混合物に照射した(常温常圧下) 。その後、溶媒であるHCFC225を室温で風乾し 紫外線照射後の各溶液のフッ素含有率及び 折率を測定した。結果を下表6に示す。

 紫外線照射前後における各溶液のIR吸収 測定したところ、SH基の減少及びC=C結合の減 少が確認された。さらに、紫外線照射前後に おいて、VEH-0、VEH-1由来の-OH基のIR吸収に変化 はなかった。

  実施例9
 合成例6で得られた反応生成物(a10)~(a12)100質 部に対して脱水メチルイソブチルケトンを1 00質量部、AOIをそれぞれ33質量部、39質量部、 24質量部((a10)~(a12)の水酸基に対してそれぞれ1 当量に相当)加え、さらにジブチルスズジラ リレートをそれぞれ0.01質量部加えて40℃で24 時間反応させた。

 得られた各反応生成物の赤外線吸収分析 それぞれ行ったところ、AOIのイソシアネー 基に由来する-NCOの吸収が消失し、新たにウ レタン結合に基づくNHの吸収が観測され、反 が進行したことが確認された。得られた各 応生成物は均一な溶液であった。

  実施例10 (硬化性組成物の作製)
 以下の配合で各成分を混合し、硬化性組成 を作製した。

  硬化性組成物(b1)
(i)実施例1の反応生成物  50質量部
(ii)TMPA           50質量部
(iii)イルガキュア907      3質量部。

  硬化性組成物(b2)
(i)実施例1の反応生成物  90質量部
(ii)TMPA           10質量部
(iii)イルガキュア907     3質量部。

  硬化性組成物(b3)
(i)実施例1の反応生成物  20質量部
(ii)TMPA           80質量部
(iii)イルガキュア907     3質量部。

  硬化性組成物(b4)
(i)実施例2の反応生成物  50質量部
(ii)TMPA           50質量部
(iii)イルガキュア907     3質量部。

  硬化性組成物(b5)
(i)実施例3の反応生成物  50質量部
(ii)TMPA           50質量部
(iii)イルガキュア907     3質量部。

  硬化性組成物(b6)
(i)実施例4の反応生成物  50質量部
(ii)TMPA           50質量部
(iii)イルガキュア907     3質量部。

  硬化性組成物(b7)
(i)実施例5の反応生成物(a3)      50質量部
(ii)TMPA                  50質量部
(iii)イルガキュア907            3質量部 。

  硬化性組成物(b8)
(i)実施例5の反応生成物(a4)      50質量部
(ii)TMPA                  50質量部
(iii)イルガキュア907            3質量部 。

  硬化性組成物(b9)
(i)実施例5の反応生成物(a5)      50質量部
(ii)TMPA                  50質量部
(iii)イルガキュア907            3質量部 。

  硬化性組成物(b10)
(i)実施例7の反応生成物   25質量部
(ii)TMPA            8質量部
(iii)MIBK            50質量部
(vi)イルガキュア907      3質量部。

  硬化性組成物(b11)
(i)実施例8の反応生成物  25質量部
(ii)TMPA            8質量部
(iii)MIBK            50質量部
(vi)イルガキュア907      3質量部。

 得られた硬化性組成物(b1)~(b11)は、いずれ も均一透明な組成物であった。得られた硬化 性組成物(b1)~(b11)の外観を評価した。評価は 下の基準で行った。結果を表7に示す。

  外観
目視で組成物の外観を評価した。
○ : 透明均一
△ : 一部不均一
× : 白濁。

  比較合成例1
 撹拌装置温度計を備えた100mlのガラス製四 口フラスコに、AEH-1を25g、熱重合開始剤とし て[H-(CF 2 CF 2 ) 3 -COO] 2 -の4.0質量% パーフルオロヘキサン溶液を25g れ、十分に窒素置換を行なった後、窒素気 下20℃で24時間撹拌を行なったところ、高粘 の固体が生成した。得られた固体をMIBKに溶 解させたものをヘキサンに注ぎ、分離、真空 乾燥させ、無色透明な反応生成物20.3gを得た

 この反応性生物を 19 F-NMR及びIRにより分析したところ、上記AEH-1の 構造単位のみからなるOH基を側鎖に有する含 ッ素重合体であることが確認された。また テトラヒドロフラン(THF)を溶媒に用いるGPC 析により測定した数平均分子量は34000、重量 平均分子量は75000であった。

  比較実施例1
 以下の配合で各成分を混合し、硬化性組成 (c1)及び(c2)を作製した。

  硬化性組成物(c1)
(i)比較合成例1の反応性生物   50質量部
(ii)TMPA               50質量部
(iii)イルガキュア907         3質量部。

  硬化性組成物(c2)
(i)TMPA          100質量部
(ii)イルガキュア907     3質量部。

 得られた硬化性組成物(c1)及び(c2)は、い れも不均一な組成物であった。得られた硬 性組成物(c1)及び(c2)の外観を評価した。評価 は以下の基準で行った。結果を表7に示す。

  外観
目視で組成物の外観を評価した。
○ : 透明均一
△ : 一部不均一
× : 白濁。

  実施例11  (塗布物の作製)
 実施例10で得られた光硬化性組成物(b1)~(b11) それぞれ表面未処理のアクリル板上にスピ コーターにより室温でコートし、室温で5分 間真空乾燥した。この際、乾燥後の膜厚が1μ mとなるように、スピンコーターの回転数を 整した(500~2000回転)。また、スピンコーター よる塗布時の塗布性をつぎの基準で評価し 。結果を表7に示す。
○ : 塗布ムラがない。
△ : 一部に塗布ムラが認められる。
× : 塗布できない。

  実施例12 (硬化膜の物性測定)
 実施例11で塗布した光硬化性組成物(b1)~(b11) 乾燥後、得られた被膜に高圧水銀灯を用い 室温にて5000mJ/cm 2  の強度で紫外線を照射して光硬化させて硬 被膜を作製した。得られた被膜の物性を以 の方法で評価した。結果を表7に示す。

  外観
 目視で評価した。
○ : 透明均一
△ : 一部、不均一
× : 白濁。

  フッ素含有率
 前記の通りである。

  耐薬品性
 メタノールを含浸させた綿布で塗膜表面を った後の塗膜表面の状態(溶解又は剥離)を 視で観察した。耐薬品性の評価は以下のよ に行った。
○ : 変化なし
△ : 一部溶解又は剥離あり
× : 溶解又は剥離あり。

  対水接触角
 接触角計(協和界面化学(株)製のCA-DT)を用い 、純水を室温下で3μlの液量を基材の表面に 触れさせて液滴を作った。このときに生ずる 液滴と面との角度を測定し対水接触角とした 。結果を表7に示す。

  比較実施例2
 比較実施例1で得られた硬化性組成物(c2)を 施例11及び12と同様に塗布硬化させて塗膜を 価した。結果を表7に示す。

-は未測定




 
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