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Title:
POLYMER LIQUID CRYSTAL, OPTICALLY ANISOTROPIC FILM AND OPTICAL DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028576
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polymer liquid crystal which enables to form an optically anisotropic film having high transparency and excellent light resistance to blue laser light. Specifically disclosed is a polymer liquid crystal which is a copolymer containing two or more kinds of monomer units derived from a monomer represented by the formula (1) below. The polymer liquid is obtained by removing impurities through purification after polymerization. CH2=CR1-COO-(CH2)m-(CF2)r-(CH2)n-(O)t-E1-(E2)h-(E3)k-E4-R2 (1) In the formula, R1 represents a hydrogen atom or a methyl group; R2 represents an alkyl group, an alkoxy group, or a fluorine atom; E1, E2, E3 and E4 independently represent a 1,4-phenylene group or a trans-1,4-cyclohexylene group; m represents an integer of 0-6, r represents an integer of 0-6, and n represents an integer of 0-6, provided that when r = 0, m + n is an integer of not more than 10; t is 0 (when m + r + n =0) or 1 (when m + r + n > 0); h is 0 or 1; and k is 0 or 1.

Inventors:
YAMAMOTO YUJI (JP)
KAIDA YURIKO (JP)
NAKANO TAKASHI (JP)
MORIZAWA YOSHITOMI (JP)
KONISHI TEPPEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065341
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
YAMAMOTO YUJI (JP)
KAIDA YURIKO (JP)
NAKANO TAKASHI (JP)
MORIZAWA YOSHITOMI (JP)
KONISHI TEPPEI (JP)
International Classes:
C09K19/38; C08F220/22; G02B5/30; G02F1/13363
Domestic Patent References:
WO2008026482A12008-03-06
WO2006001096A12006-01-05
WO2007046294A12007-04-26
Foreign References:
JP2005170934A2005-06-30
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square 17,Kanda-Konyacho, Chiyoda-ku, Tokyo 35, JP)
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Claims:
 下式(1)で表されるモノマーに由来するモノマー単位を2種類以上含有するコポリマーからなり、重合後の精製により不純物を除去して得られた、ポリマー液晶。
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -(O) t -E 1 -(E 2 ) h -(E 3 ) k -E 4 -R 2  (1)
但し、式中の記号は、以下の通りである。
 R 1 :水素原子またはメチル基。
 R 2 :炭素数1~8のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、炭素数1~8のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、またはフッ素原子。
 E 1 、E 2 、E 3 、E 4 :各々、独立に、1,4-フェニレン基またはトランス-1,4-シクロヘキシレン基であり、該基中の炭素原子に結合した水素原子は炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、またはフッ素原子に置換されていてもよい。
 m:0~6の整数。
 r:0~6の整数。
 n:0~6の整数。
 但し、r=0のとき、m+nは10以下の整数。
 t:0(m+r+n=0のとき)または1(m+r+n>0のとき)。
 h:0または1。
 k:0または1。
 コポリマーの数平均分子量が3,000~50,000であり、数平均分子量1,000以下の不純物の含有量が0.5質量%未満である、請求項1に記載のポリマー液晶。
 コポリマーが、式(1)においてh+kが1であるモノマーに由来するモノマー単位の少なくとも1種類と、式(1)においてh+kが2であるモノマーに由来するモノマー単位の少なくとも1種類とを含む、請求項1または2に記載のポリマー液晶。
 コポリマーがガラス転移点を有する、請求項1~3のいずれかに記載のポリマー液晶。
 下式(1)で表されるモノマーの2種類以上を共重合した後不純物を除去して、コポリマーの数平均分子量が3,000~50,000であり、数平均分子量1,000以下の不純物の含有量が1質量%未満であるポリマー液晶を得た後、該ポリマー液晶を基材の上に配置し、該ポリマー液晶が液晶相を示す状態で配向させることを特徴とする光学異方性膜の製造方法。
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -(O) t -E 1 -(E 2 ) h -(E 3 ) k -E 4 -R 2  (1)
但し、式中の記号は、以下の通りである。
 R 1 :水素原子またはメチル基。
 R 2 :炭素数1~8のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、炭素数1~8のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、またはフッ素原子。
 E 1 、E 2 、E 3 、E 4 :各々、独立に、1,4-フェニレン基またはトランス-1,4-シクロヘキシレン基であり、該基中の炭素原子に結合した水素原子は炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、またはフッ素原子に置換されていてもよい。
 m:0~6の整数。
 r:0~6の整数。
 n:0~6の整数。
 但し、r=0のとき、m+nは10以下の整数。
 t:0(m+r+n=0のとき)または1(m+r+n>0のとき)。
 h:0または1。
 k:0または1。
 コポリマーが、式(1)においてh+kが1であるモノマーに由来するモノマー単位の少なくとも1種類と、式(1)においてh+kが2であるモノマーに由来するモノマー単位の少なくとも1種類とを含む、請求項5に光学異方性膜の製造方法。
 基材として配向処理を施した基板を用いて、配向させる請求項5または6に記載の光学異方性膜の製造方法。
 請求項5~7のいずれかの製造方法で製造した光学異方性膜。
 請求項8に記載の光学異方性膜と該光学異方性膜を支持する支持体とを有する光学素子。
 位相差板として用いられる請求項9に記載の光学素子。
Description:
ポリマー液晶、光学異方性膜、 よび光学素子

 本発明は、ポリマー液晶、該ポリマー液 を用いた光学異方性膜の製造方法、光学異 性膜、および、該光学異方性膜を有する光 素子に関する。

 近年、光ディスクの大容量化を計るため、 報の書き込み、読み取りに使用されるレー ー光の短波長化が進んでいる、次世代記録 ディアでは、波長300~450nmのレーザー光の使 が検討されている。これに伴い、波長300~450 nmのレーザー光(以下、青色レーザー光と記す 。)を変調する回折素子、位相差板等の光学 子が必要となる。そのため、このような光 素子として用いられる光学フィルムには、 明性が高いこと、青色レーザー光に対して 光性が高いこと、また、温度による特性変 が小さいことが求められている。
 基板に液晶化合物が3次元的に配向制御され た光学フィルムは複屈折性が高いため、二軸 延伸ポリマーから形成される光学フィルムに 比べて薄膜化でき、入射光の角度依存性も小 さいという特徴がある。

 液晶化合物を用いて光学フィルムを作製す 一般的な方法としては、液晶モノマーおよ 重合開始剤を含む組成物を配向膜付ガラス ルへ注入した後、液晶相を示す温度範囲で 外線照射により重合硬化させ、ポリマー液 を形成する方法が知られている(特許文献1 照)。
 一方、予め重合して得たポリマー液晶を2枚 の配向膜付基板に挟持させ、熱処理をして光 学フィルムを得る方法が知られている(特許 献2参照)。また、ポリマー液晶を溶液キャス ト法により製膜し熱処理することにより一軸 配向したフィルムが得られることも知られて いる(特許文献3参照)。

国際公開第2006/001096号パンフレット

特開平4-16916号公報

特開2004-77719号公報

 しかし、特許文献1に記載の方法では、セル 内のポリマー液晶中に、未反応の重合開始剤 、重合開始剤の分解物、未反応モノマーが存 在する。これは、青色レーザー光を照射した 際にポリマー液晶が劣化し、特性が低下する 原因となる。そのため、この方法で作製した 光学フィルムは青色レーザー光に対する耐光 性が悪くなることがある。
 また、特許文献2や同3に開示されているポ マー液晶は青色波長領域に吸収を持つため 青色レーザー光に対する耐光性が悪いとい 問題がある。
 そこで、本発明は、透明性が高く、青色レ ザー光に対する耐光性に優れた光学異方性 を形成しうるポリマー液晶を提供すること 課題とする。

 本発明は、上記課題を解決したポリマー 晶、該ポリマー液晶の製造方法、該ポリマ 液晶を配向させた光学異方性膜およびその 造方法、並びに、該光学異方性膜を有する 学素子、にかかる下記発明である。

 <1> 下式(1)で表されるモノマーに由来 るモノマー単位を2種類以上含有するコポリ ーからなり、重合後の精製により不純物を 去して得られた、ポリマー液晶。
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -(O) t -E 1 -(E 2 ) h -(E 3 ) k -E 4 -R 2  (1)
 但し、式中の記号は、以下の通りである。
 R 1 :水素原子またはメチル基。
 R 2 :炭素数1~8のフッ素原子で置換されていても いアルキル基、炭素数1~8のフッ素原子で置 されていてもよいアルコキシ基、またはフ 素原子。
 E 1 、E 2 、E 3 、E 4 :各々、独立に、1,4-フェニレン基またはトラ ス-1,4-シクロヘキシレン基であり、該基中 炭素原子に結合した水素原子は炭素数1~10の ルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、また はフッ素原子に置換されていてもよい。
 m:0~6の整数。
 r:0~6の整数。
 n:0~6の整数。
 但し、r=0のとき、m+nは10以下の整数。
 t:0(m+r+n=0のとき)または1(m+r+n>0のとき)。
 h:0または1。
 k:0または1。

 <2> コポリマーの数平均分子量が3,000~50 ,000であり、数平均分子量1,000以下の不純物の 含有量が0.5質量%未満である、上記<1>に 載のポリマー液晶。
 <3> コポリマーが、式(1)においてh+kが1 あるモノマーに由来するモノマー単位の少 くとも1種類と、式(1)においてh+kが2である ノマーに由来するモノマー単位の少なくと 1種類とを含む、上記<1>または<2>に 載のポリマー液晶。
 <4> コポリマーがガラス転移点を有す 、上記<1>~<3>のいずれかにに記載の リマー液晶。
 <5> 上記式(1)で表されるモノマーの2種 以上を共重合した後不純物を除去して、コ リマーの数平均分子量が3,000~50,000であり、 平均分子量1,000以下の不純物の含有量が1質 %未満であるポリマー液晶を得た後、該ポリ マー液晶を基材の上に配置し、該ポリマー液 晶が液晶相を示す状態で配向させることを特 徴とする光学異方性膜の製造方法。

 <6> コポリマーが、式(1)においてh+kが1 あるモノマーに由来するモノマー単位の少 くとも1種類と、式(1)においてh+kが2である ノマーに由来するモノマー単位の少なくと 1種類とを含む、上記<5>に記載の光学異 性膜の製造方法。
 <7> 基材として配向処理を施した基板 用いて、配向させる上記<5>または<6> ;に記載の光学異方性膜の製造方法。
 <8> 上記<5>~<7>のいずれかに記 の製造方法で製造した光学異方性膜。
 <9> 上記<8>に記載の光学異方性膜 該光学異方性膜を支持する支持体とを有す 光学素子。
 <10> 位相差板として用いられる上記< 9>に記載の光学素子。

 本発明の光学異方性膜は、特定のモノマ 単位組成を有しかつ不純物の少ないコポリ ーからなるポリマー液晶を用いることによ て調整され、透明性が高く、青色レーザー に対する耐光性に優れる。本発明の光学異 性膜と基板との積層体は、位相差板等の光 素子を構成するのに有用である。

 本明細書においては、式(1)で表されるモノ ーをモノマー(1)と記す。他の式で表される 合物も同様に記す。ポリマー中のモノマー 由来する単位(繰り返し単位)をモノマー単 と記す。モノマー(1)に由来する単位をモノ ー単位(1)と記し、他のモノマー単位も同様 記す。
 本明細書において使用される用語は、下記 従って解釈するものとする。
 「ポリマー液晶」とは、「単独で液晶相を し得るポリマーからなる液晶」を意味する
 「透明点」とは、「ネマチック相-等方相相 転移温度」を意味し、Tcと表すこともある。

 表記「Ph」は1,4-フェニレン基を示し、該基 の炭素原子に結合した水素原子は炭素数1~10 のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、 たはフッ素原子に置換されたものを含み得 ものとする。表記「Cy」はトランス-1,4-シク ヘキシレン基を示し、該基中の炭素原子に 合した水素原子は炭素数1~10のアルキル基、 炭素数1~10のアルコキシ基、またはフッ素原 に置換されたものを含み得るものとする。
 表記「δn」は、「屈折率異方性」の略記で る。なお、以下の記載における波長の値は 記載値±2nmの範囲を含み得るものとする。

 <ポリマー液晶>
 本発明のポリマー液晶は、下式(1)で表され モノマーに由来するモノマー単位を2種類以 上含有するコポリマーからなり、重合後の精 製により不純物を除去して得られる。コポリ マーは下式(1)で表されるモノマーの2種類以 を共重合して得られるコポリマーである。 し、式(1)中の記号R 1 、R 2 、E 1 ~E 4 、m、r、n、t、h、kは前記の規定と同じものを 示す。モノマー(1)は、複数の6員環による液 性骨格を含有する化合物である。モノマー(1 )は、それ自体が必ずしも液晶相を示さなけ ばならないということはなく、それが重合 たポリマーが液晶相を示すこともあり得る
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -(O) t -E 1 -(E 2 ) h -(E 3 ) k -E 4 -R 2  (1)。

 モノマー(1)のR 1 は水素原子またはメチル基である。R 1 が水素原子であると、モノマー(1)を共重合さ せて得られるコポリマーのガラス転移点が低 くなり配向制御が容易となることから好まし い。

 モノマー(1)は、R 2 として炭素数1~8の水素原子の一部または全部 がフッ素原子で置換されていてもよいアルキ ル基、炭素数1~8の水素原子の一部または全部 がフッ素原子で置換されていてもよいアルコ キシ基、またはフッ素原子を有する。これに よって、モノマー(1)を共重合させて得られる コポリマーの液晶相を示す温度範囲が広くな る。R 2 がアルキル基またはアルコキシ基の場合、炭 素数は3~8が好ましく、3~5がより好ましく、直 鎖構造であると特にコポリマーが液晶相を示 す温度範囲を広くできる。

 E 1 、E 2 、E 3 、E 4 は各々、独立に、1,4-フェニレン基またはト ンス-1,4-シクロヘキシレン基であり、該基中 の炭素原子に結合した水素原子は炭素数1~10 アルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ま はフッ素原子に置換されていてもよい。ア キル基またはアルコキシ基で置換される場 には、炭素数が1であることが好ましい。特 に、1,4-フェニレン基は該基中の炭素原子に 合した水素原子の1個または2個がメチル基ま たはフッ素原子に置換されていることが好ま しい。これによりコポリマーの結晶性が低く なりやすく、ヘイズの低い光学異方性膜が得 られやすい。

 m、r、およびnは、各々、0~6の整数である。r =0のとき、m+nは0~10の整数であり、2~6の整数が より好ましい。
 r>0のとき、rは2~6が好ましく、mとnは1~3で って等しい数値であるのが好ましい。
 コポリマーが液晶相を示す温度範囲を広く き、配向制御が容易となることから、m+r+n&g t;0であるのが好ましい。m+r+n=0であってもよ が、このモノマーをコモノマーの1種として 択するとき、該モノマーに由来するモノマ 単位は、コポリマーの全モノマー単位中10mo l%以下であるのが好ましい。
 tはm+r+n=0の場合には0であり、m+r+n>0の場合 には1である。
 hおよびkは、各々、0または1である。少なく ともいずれかが1であることが好ましい。6員 の数が多くなると、コポリマーの液晶温度 囲が広くなり、ヘイズの低い光学異方性膜 得られやすい。したがって、6員環の数(h+k+2 )は3または4であることが好ましい。

 モノマー単位(1)を含むポリマーは青色レ ザー光に対して高い耐光性を示しうる。ま 、本発明におけるコポリマーは、モノマー 位(1)の2種類以上を含むコポリマーであるた めに、結晶性が低く透明性の高い光学異方性 膜を形成することができ、また、液晶相を示 す温度範囲も広くしやすい。

 モノマー単位(1)の2種類以上としては、-E 1 -(E 2 ) h -(E 3 ) k -E 4 -からなる部分の異なる2種類以上であること 好ましく、6員環の数の異なる2種類以上で ることがより好ましい。
 結晶性が低く、液晶相を示す温度範囲が広 という観点から、本発明におけるコポリマ は、3個の6員環を有するモノマー(1)(h+kが1で ある。)に由来するモノマー単位の少なくと 1種類と、4個の6員環を有するモノマー(1)(h+k 2である。)に由来するモノマー単位の少な とも1種類とを含むコポリマーであることが ましい。特に、下記モノマー(1A)または(1D) 由来するモノマー単位の少なくとも1種類お び下記モノマー(1B)または(1C)に由来するモ マー単位の少なくとも1種類を含むコポリマ であることが好ましい。

 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m+n -O-Ph-Cy-Ph-R 2    (1A)
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m+n -O-Ph-Cy-Ph-Ph-R 2  (1B)
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -O-Ph-Cy-Ph-Ph-R 2  (1C)
 CH 2 =CR 1 -COO-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -O-Ph-Cy-Ph-R 2  (1D)

 但し、式(1A)、式(1B)、式(1C)、式(1D)において 、記号R 1 ,R 2 は、各々、式毎に独立しており、前述の規定 と同じである。式(1A)、式(1B)の場合には、m+n 1~10の整数である。式(1C)、式(1D)の場合には m、nは、前述の規定と同じであり、rは1~6の 数である。また、PhおよびCyも、各々、式毎 に独立して前述の規定と同じであり、1分子 における複数のPhも互いに独立して置換また は非置換のフェニレン基を示し得るものとす る。

 モノマー(1B)および(1C)において、3つのフ ニレン基(Ph)のうち少なくとも1以上は該基 の炭素原子に結合した水素原子が炭素数1~10 アルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ま たはフッ素原子に置換されていることが好ま しい。コポリマーの結晶性が低くなりやすく 、ヘイズの低い光学異方性膜が得られやすい 。モノマー(1A)においても、2つのフェニレン (Ph)のうち少なくとも1以上は該基中の炭素 子に結合した水素原子が炭素数1~10のアルキ 基、炭素数1~10のアルコキシ基、またはフッ 素原子に置換されていることが好ましい。

 本発明におけるコポリマーは、モノマー( 1C)およびモノマー(1D)に由来するモノマー単 の少なくとも1種類を含むコポリマーである とも好ましい。モノマー(1C)およびモノマー (1D)に由来するモノマー単位のいずれかのみ む場合には、モノマー単位(1A)の少なくとも1 種類およびモノマー単位(1B)の少なくとも1種 を含むコポリマーであることも好ましい。 ポリマーのガラス転移点(Tg)が低く、透明点 (Tc)が高くなるため、広い範囲で液晶性を示 、温度による特性変化が小さくなるからで る。

 モノマー(1A)のより具体的な例を、下記表1 示した。モノマー(1B)のより具体的な例を、 記表2に示した。モノマー(1C)のより具体的 例を、下記表3に示した。モノマー(1D)のより 具体的な例を、下記表4に示した。但し、表 の表記Ph(H)は無置換の1,4-フェニレン基を示 、Ph(Me)はベンゼン環に結合したいずれかの1 の水素原子がメチル基で置換された1,4-フェ ニレン基を示し、Ph(F)はベンゼン環に結合し いずれかの1個の水素原子がフッ素原子で置 換された1,4-フェニレン基を示し、Ph(Me,Me)は ンゼン環に結合したいずれかの2個の水素原 がメチル基で置換された1,4-フェニレン基を 示し、Ph(F,F)はベンゼン環に結合したいずれ の2個の水素原子がフッ素原子で置換された1 ,4-フェニレン基を示し、式毎に独立しており 、1分子中の複数の同一記号も独立している のとする。Cyは、各々、式毎に独立して、前 記の規定と同じである。例えば、表1中の「1A 6」は、-Ph-Cy-Ph-が-Ph(Me)-Cy-Ph(H)-、-(CH 2 ) m+n -が-(CH 2 ) 6 -であるモノマー(1A)を示す。-R 2 は表1中に記載した基から選ばれることを示 。「1A6」のうち、-R 2 が-C 3 H 7 であるモノマーはモノマー(1A6-C3)と記す。他 モノマーも以下同様に記す。

 上記モノマー(1)は公知化合物ないし公知の 法にしたがって得られる化合物である。例 ば、本発明者らの発明にかかわるWO2006/001096 号パンフレットやWO2007/046294号パンフレット は3または4個の6員環が直結した構造を有す モノマーやその製造方法が記載されている 上記モノマー(1)の一部はこれら文献に記載 れた化合物であり、またこれら文献に記載 製造方法で製造できる化合物である。さら 、モノマー(1C)、(1D)は、HO-(CH 2 ) m+n -OHの誘導体を用いてモノマー(1A)や同(1B)を製 する方法において、該ジオールの代わりにH O-(CH 2 ) m -(CF 2 ) r -(CH 2 ) n -OHを使用して同様の方法で製造できる。

 本発明におけるコポリマーは、ガラス転 点(Tg)を有することが好ましい。ガラス転移 点を持たない結晶性のポリマーでは、結晶が 析出しやすく、ポリマー液晶から形成される 光学異方性膜は透明性が低くなるおそれがあ る。したがって、本発明におけるコポリマー は、融点(Tm)をもたないことが好ましい。本 明におけるコポリマーの透明点(Tc)は、100℃ 上であることが好ましく、特に150℃以上で ることが好ましい。また、コポリマーはス クチック液晶相を発現することが好ましく またスメクチック液晶温度範囲の上限の温 が高いことが好ましい。ポリマー液晶から 成される光学異方性膜の温度による特性変 が小さいからである。なお、上記コポリマ のガラス転移点(Tg)、融点(Tm)、透明点(Tc)は ポリマー液晶中のコポリマーの純度が高い とより、本発明のポリマー液晶より測定さ るものに等しいとする。

 コポリマーにおけるモノマー単位(1A)及び /またはモノマー単位(1D)とモノマー単位(1B)及 び/またはモノマー単位(1C)の割合は、モル比 30:70~70:30が好ましく、60:40~40:60がより好まし い。コポリマーにおけるモノマー単位(1A)が いと、コポリマーの結晶性が下がる傾向が る一方、Tcが低くなり、ネマチック相を発現 する範囲が広く、温度による特性変化が大き くなる傾向がある。コポリマーにおけるモノ マー単位(1B)及び/またはモノマー単位(1C)が多 いと、Tcが高くなり、スメクチック相を発現 る範囲が広く、温度による特性変化が小さ なる傾向がある一方、ポリマーの結晶性が がる傾向がある。スメクチック相を発現す には、全モノマー単位に対するモノマー単 (1B)及び/またはモノマー単位(1C)が50mol%以上 あるのが好ましい。

 本発明におけるコポリマーは、目的を達 できる範囲内で、モノマー単位(1)以外のモ マー単位を有していてもよい。しかし、青 レーザー光に対する耐久性を低下させるモ マー単位を有することは好ましくない。例 ば、シアノ基を有するモノマー単位や-Ph-C(= O)-を有するモノマー単位は青色レーザー光に 対する耐久性を低下させる。モノマー単位(1) 以外の、青色レーザー光に対する耐久性を低 下させないモノマー単位であれば、コポリマ ー中に全モノマー単位に対して20mol%未満まで 含有していてもよい。本発明におけるコポリ マーは、モノマー単位(1)を全モノマー単位に 対して95mol%以上含有することが好ましく、実 質的に全てのモノマー単位がモノマー単位(1) からなることがより好ましい。

 本発明におけるコポリマーの数平均分子 は、3,000~50,000が好ましく、5,000~30,000がより ましい。最も好ましくは、5,000~20,000である 分子量が小さすぎると、結晶性が出やすい 向にあり、ポリマー液晶を用いて形成され 光学異方性膜は透明性が低くなるおそれが る。分子量が大きすぎると、配向制御に時 を要したり、液晶の配向度が低くなる傾向 あり、結果として光学異方性膜は透明性が くなるおそれがある。数平均分子量は、ゲ パーミエーションクロマトグラフィー法に り、ポリスチレンを標準物質として測定し ものをいう。

 本発明におけるコポリマーは、溶液重合、 濁重合、乳化重合などの一般的な重合方法 合成される。溶液重合の場合、重合に用い 溶媒としては、モノマーおよびコポリマー 溶解する溶媒であればよく、ジメチルホル アミド、トルエン、ジクロロメタン、クロ ホルム、テトラヒドロフランなどが挙げら 、連鎖移動性の低いトルエンがより好まし 。溶液熱重合を行う場合は熱重合開始剤を いることが好ましく、アゾ系の開始剤がよ 好ましい。熱重合開始剤は1種または2種以 を使用できる。熱重合開始剤の量は、モノ ー全体量に対して0.1~5質量%が好ましく、0.3~2 質量%が特に好ましい。重合温度は開始剤の 減期温度付近が好ましい。
 コポリマーの分子量を調整するために、重 反応においては連鎖移動剤を用いるのが好 しい。ポリマー液晶を用いて形成される光 異方性膜の透明性、耐光性が向上すること ら、連鎖移動剤としては1-ドデカンチオー 等のチオール系化合物が好ましい。連鎖移 剤の量は、モノマー全体量に対して0~5質量% 好ましく、1~3質量%が特に好ましい。

 モノマーを共重合して得られる回収物に 、不純物が含まれる。不純物としては、未 応の重合開始剤、重合開始剤の分解物、未 応モノマーなどが挙げられる。不純物を除 する精製方法としては、合成したポリマー 溶解せず、不純物が溶解する溶媒を用いて 浄する方法;合成したポリマーが溶解する溶 媒を用いて一旦ポリマーの溶液を用意し、ポ リマーが溶解せず、不純物が溶解する溶媒を 用いて再沈する方法などの一般的なポリマー 精製法が用いられる。特に洗浄と再沈を組み 合わせて、この組合せを1回以上行うことが ましい。ポリマーが溶解する溶媒としては トラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、 クロロメタンやクロロホルムなどの塩素化 化水素系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化 素系溶媒があげられる。ポリマーが溶解せ 、不純物が溶解する溶媒としてはメタノー などのアルコール系溶媒、ヘキサンなどの 肪族炭化水素系溶媒が挙げられる。

 本発明のポリマー液晶は、重合後の精製に り不純物を除去して得られた、純度の高い 記ポリマーからなる。本発明のポリマー液 に含まれる数平均分子量1000以下の化合物( 純物)の量は、ポリマーと分子量1000以下の化 合物の総量に対して1質量%未満であるのが好 しく、0.5質量%未満であるのがより好ましく 、0.2質量%未満であるのが特に好ましい。す わち、ポリマー液晶中の数平均分子量1000を えるポリマーの割合(ポリマーの純度)は、99 質量%以上であるのが好ましく、99.5質量%以上 であるのがより好ましく、99.8質量%以上であ のが特に好ましい。ポリマーの純度を質量% で表した場合は、前記数平均分子量を求める 測定において、UV吸収の全ピーク面積(A t )と数平均分子量1000以下のUV吸収のピーク面 (A 1000 )との値から、計算式(A t -A 1000 )×100/A t で求めた値をいう。

 <光学異方性膜および光学素子>
 以下、本発明のポリマー液晶を用いた光学 方性膜の形成方法について説明する。
 光学異方性膜を形成する際には、青色レー ー光に対する耐光性に悪影響を及ぼさない 囲で、ポリマー液晶に他の成分を混合して よい。他の成分としては、カイラル剤、酸 防止剤、光安定剤、二色性色素等が挙げら る。
 他の成分として、紫外線吸収剤、酸化防止 、光安定剤等を使用する場合は、これらの 分の量はポリマー液晶に対して5質量%以下 好ましく、2質量%以下が特に好ましい。なお 、これらは不純物には含めない。

 本発明の光学異方性膜は、ポリマー液晶 一軸または二軸に配向させて得られる。具 的には、ポリマー液晶を、配向処理を施し 基板に塗布して加熱処理し配向させること よって、基板に支持された光学異方性膜が られ、これをそのまま光学素子として利用 ることができる。本発明のポリマー液晶か 光学異方性膜を形成する方法としては、下 (1)~(3)などの一般的な製膜方法が用いられる 。

 (1)ポリマー液晶をセルへ注入する方法:ポ リマー液晶をその透明点(Tc)以上の温度に加 してセルの注入口から注入する。Tc以上に加 熱するとポリマー液晶の粘度が低下し、注入 時間が短くなる。また、Tc以下で注入すると 入むらが生じるため、Tc以上での注入が好 しい。ポリマー液晶が酸化されないように 素フロー下で注入を行うことが好ましい。 リマー液晶が酸化されると、着色が起こっ り、耐光性が悪くなることがある。光学異 性膜の膜厚は、セル厚に制御することがで る。注入後、ポリマー液晶の配向変化が可 な温度、例えば(Tc-10)℃程度の温度で、1~10分 間程度アニールすると、液晶の配向度が高く なる。その後、室温まで徐冷してポリマー液 晶の配向した液晶セルを得ることができる。

 (2)溶融キャスト法:ポリマー液晶の透明点 (Tc)以上の温度に加熱された配向処理を施し 基板の上にポリマー液晶を置く。ポリマー 晶中の残存溶媒などに由来する泡などを除 。その後、基板ギャップを一定にするため 、シリカスペーサーを液晶上に置く。さら その上に、別の配向処理を施した基板を載 てシリカスペーサーにあたるまでプレスす 。光学異方性膜の膜厚は、シリカスペーサ の直径に制御することができる。ポリマー 晶の配向変化が可能な温度、例えば(Tc-10)℃ 度の温度で、1~10分間程度アニールすると、 液晶の配向度が高くなる。その後、室温まで 徐冷してポリマー液晶の配向した液晶セルを 得ることができる。

 (3)溶液キャスト法:ポリマー液晶が溶解す る有機溶媒に、ポリマー液晶を5~40質量%溶解 せ、配向処理を施した基板上へスピンコー ィングによって塗布する。製膜後、比較的 い温度でゆっくりと有機溶媒を揮発させる その後、ポリマー液晶の配向変化が可能な 度、例えば(Tc-10)℃程度の温度で、1~10分間 度アニールすると、液晶の配向度が高くな 。その後、室温まで徐冷して配向したポリ ー液晶層を有する基板を得ることができる ポリマー液晶の溶液濃度やスピンコートの 転数によって膜厚を制御できる。膜厚のむ はセル注入、およびサンドイッチ製膜より 生じやすい。

 ポリマー液晶の溶液を基板上に塗布する 法としては、上記スピンコーティングに代 て、ダイコーティング、エクストルージョ コーティング、ロールコーティング、ワイ ーバーコーティング、グラビアコーティン 、スプレーコーティング、ディッピング、 リント法等を採用できる。上記有機溶媒と ては、テトラヒドロフラン、トルエン、塩 メチレン、クロロホルム等を使用できる。 機溶媒は、単独でも複数種を組み合わせて いてもよく、その蒸気圧とポリマー液晶の 解性とを考慮して適宜選択すればよい。有 溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥 加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を使用 きる。

 基板としては、例えば、綿、羊毛、ナイロ 、ポリエステル等の繊維等でラビング処理 た基板;表面に有機薄膜を形成して布等でラ ビング処理した基板;SiO 2 を斜方蒸着した配向膜を有する基板等を使用 でき、このような配向処理を施した基板を用 意してポリマー液晶を配置することによって 、基板上のポリマー液晶は配向した状態にな る。

 基板の形状としては、平板の他に、曲面 構成部分として有していてもよい。基板を 成する材料は、有機材料、無機材料を問わ に用いることができる。基板の材料となる 機材料としては、例えば、ポリエチレンテ フタレート、ポリカーボネート、ポリイミ 、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、 リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラ ルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロ チレン、エチレン/テトラフルオロエチレン コポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン 、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセ チルセルロース、セルロース、ポリエーテル エーテルケトン等が挙げられ、また、無機材 料としては、例えば、シリコン、ガラス、方 解石等が挙げられる。

 綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル等の 維等で基板をラビングすることによっては 当な配向性を得られない場合には、公知の 法に従ってポリイミド薄膜またはポリビニ アルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に 成し、これを布等でラビングするとよい。

 ポリマー液晶の塗布性をさらに向上させ ためには、基板上にポリイミド薄膜等の中 層を設けることも有効である。ポリイミド 膜等の中間層は、ポリマー液晶と基板との 着性が良くない場合に密着性を向上させる 段としても有効である。

 光学異方性膜の厚みとしては、0.1~20μmが ましく、より好ましくは0.5~10μmであり、さ に好ましくは1~7μmである。0.1μmより薄いと 学的な特性の発現が小さくなり、20μmを超 ると配向しにくいので好ましくない。

 本発明においては、ポリマー液晶を用い 得られる光学異方性膜は、基板を支持体と て、支持体に保持したまま利用してもよく 基板から剥離して用いてもよい。また、得 れた光学異方性膜を積層したり、他の基板 貼り合わせて利用してもよい。本発明の光 異方性膜は、光学的に透明で、異方性を有 るので、偏光を変調する機能を利用する用 に有用である。具体的には、偏光の位相状 または波面状態を変調する用途に有用であ 、光学異方性膜を有する光学素子に好適に 用できる。例えば、本発明の光学異方性膜 有する光学素子を位相差板等として液晶デ スプレイや光ピックアップ装置に搭載して 用可能である。

 液晶ディスプレイに用いられる液晶性セ には、TN、STN、ECB、VA、IPS、OCBなどの各種配 向方式が提案されている。どの方式もディス プレイとして十分な画質(コントラスト、色 度、視野角特性、応答速度)を得るためには 液晶セル以外にほかの光学部材との総合的 光学設計が必要となる。液晶セルから出射 る偏光状態は視野角によっては必ずしも光 的に好ましいものではなく、これを補償す 目的で屈折率の異方性を有する位相差板が いられる。位相差板の分類は、3次元的にど のような屈折率構造を持っているか、すなわ ち屈折率楕円体の形状で分類され、ポジティ ブAプレート、ネガティブAプレート、ポジテ ブCプレート、ネガティブCプレートなどが げられる。このほかに、ねじれ位相差フィ ム、視野角拡大フィルム、温度補償型フィ ムなどが挙げられる。

 光ピックアップ装置に搭載して使用する としては、リタデーション値を制御した波 板が挙げられる。波長の1/4に制御した1/4波 板、波長の1/2にした1/2波長板が挙げられる 波長板は入射された偏光を変換できる素子 あり、1/2波長板はP偏光とS偏光を切り替え 素子として、1/4波長板は直線偏光と円偏光 切り替える素子として使用できる。偏光を 換する素子を使うことで、入射光の利用効 (透過率)や情報の読み取り精度などが向上す る。

 本発明のポリマー液晶は、一軸または二軸 配向状態を取る。一軸の配向状態には、ポ マー液晶が水平配向、垂直配向、ねじれ配 したものが挙げられる。また、二軸の配向 態には、ポリマー液晶がハイブリッド配向 たものが挙げられる。
 水平配向、垂直配向の配向状態を持つフィ ムを作るには、それぞれ水平配向用の配向 を塗布した基板を2枚用いたセル、垂直配向 用の配向膜を塗布した基板を2枚用いたセル 使用する。また、ハイブリッド配向したフ ルムを作るには、水平配向用の配向膜を塗 した基板と垂直配向用の配向膜を塗布した 板を用いたセルを使用する。ねじれ配向し フィルムは、ポリマー液晶にカイラル剤を 重合して得られたポリマー液晶を水平配向 の配向膜を塗布した基板を2枚用いたセルを 用することで作製可能である。

 これらの配向状態を取るフィルムは位相 フィルムとして機能し、水平配向のフィル はポジティブAプレートや波長板(1/4、1/2)と て、垂直配向のフィルムはポジティブCプレ ートとして、ねじれ配向のフィルムはねじれ 位相差板として、ハイブリッド配向のフィル ムは視野角拡大フィルムとして用いることが できる。また、上記の用途に加えて、温度特 性によっては温度補償フィルムとしても機能 する。

 以下、実施例(例1~5、9、13~17、21)および比 較例(例6~8、10~12、18~20、22~24)に基づき、本発 について説明するが、本発明はこれらに限 されない。

 (分子量、ポリマー純度)
 GPC(東ソー社製、製品名:HLC-8220)を用いて、 リスチレン換算の数平均分子量を求めた。UV 吸収の全ピーク面積(A t )と数平均分子量1000以下のUV吸収のピーク面 (A 1000 )から、下記式によりポリマー純度(質量%)を めた。
(A t -A 1000 )×100/A t  。

 (融点、ガラス転移点、相転移温度の測定)
 DSC(ブルカー・エイエックス社製、製品名:DS C3100S)を用いてピーク温度を同定した。昇温 度10℃/分の条件とした。また、偏光顕微鏡( リンパス社製、製品名:BX-51)を用いて、観察 により液晶相および結晶の同定を行った。

 (配向状態)
 光学材料検査装置(大塚電子(株)社製、製品 :RETS-100)を用いて、回転検光子法により測定 し解析した。

 (ヘイズ)
 ヘイズメーター(スガ試験機(株)社製、製品 :HGM-3K)を用いて測定した。

 (耐光性試験)
 青色レーザー(波長405nm)を照射し、青色レー ザー光曝露加速試験を行った。照射条件は、 温度80℃、積算曝露エネルギー72KJ/mm 2 とした。波長405nmの光の、加速試験前の透過 に対する試験後の透過率の変動幅を調べた 変動幅が1%未満である場合を良品、1%以上で ある場合を不良品とした。なお、透過率の測 定には分光光度計(日立社製、U-4100)を用いた

 ポリマー液晶の製造に用いたモノマーを 下に示す。下記モノマー(1B3-C3)とモノマー(X -1)は公知化合物であり、モノマー(1B3-C3)の合 法は前記WO2007/046294号パンフレットの[合成 6]に記載されている。下記モノマー(1A6-C3)と ノマー(1C3-C3)の合成法を下記に示す。

 [合成例1]実施例で使用するモノマー(1A6-C3) 合成
 下記に示す合成ルートによりモノマー(1A6-C3 )を合成した。以下にその詳細を記載する。

 化合物(13)の合成:
 還流装置、滴下装置を装備した1Lの4つ口フ スコにマグネシウム(6.45g)を加え、4-プロピ ブロモベンゼン(化合物(11)、50g)と脱水テト ヒドロフラン(200mL)に溶解させたものを、窒 素気流下にて60分を要して滴下した。滴下終 後、脱水テトラヒドロフランをさらに100mL 下し、2時間撹拌しグリニヤール試薬を調製 た。次に、この4つ口フラスコを0℃に冷却 、1,1’-ビシクロヘキサン-1,4-ジオン モノエ チレンケタール(化合物(12)、35.1g)を脱水テト ヒドロフラン(200mL)に溶解させたものを、窒 素気流下にて60分を要して滴下した。滴下終 後、室温にて2時間撹拌した後、塩化アンモ ニウム水溶液を加えて反応を停止させた。

 次に、水およびジエチルエーテルを加え 分液し、有機層を回収した。回収した有機 を飽和塩化ナトリウム水溶液(40mL)で洗浄し つぎに水洗し、再度有機層を回収した。有 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 圧濾過によって無水硫酸マグネシウムを除 し、濾液を濃縮した。得られた固形物をヘ サン/ジクロロメタン(5:5、容量比)を展開液 したカラムクロマトグラフィーにより精製 行い、化合物(13)の42.4gを得た。収率は68.3% あった。

 化合物(14)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した500mLの4つ口フ スコに化合物(13)(40g)、トリフルオロ酢酸50mL を加え、室温にて1時間撹拌した。反応終了 、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて 応を停止させた。次に、水およびジエチル ーテルを加えて分液し、有機層を回収した 回収した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶 (40mL)で洗浄し、つぎに水洗し、再度有機層 回収した。有機層を無水硫酸マグネシウム 乾燥した後、減圧濾過によって無水硫酸マ ネシウムを除去し、濾液を濃縮した。中に 応液を注ぎ込み、ジエチルエーテルで抽出 た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マ ネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得ら た固形物を酢酸エチル/ヘキサン(7:3、容量比 )を展開液としたカラムクロマトグラフィー より精製を行い、化合物(14)の26.3gを得た。 率は84.1%であった。

 化合物(15)の合成:
 500mLの耐圧容器に化合物(14)(25g)、10%パラジ ム活性炭素(3g)、脱水テトラヒドロフラン(300 mL)を加えた後、水素を0.4Mpa充填した。内圧0.4 Mpaに保持しながら圧力低下がなくなるまで室 温にて8時間撹拌した。反応終了後、10%パラ ウム活性炭素をろ過し、濾液を濃縮した。 られた固形物を酢酸エチル/ヘキサン(7:3、容 量比)を展開液としたカラムクロマトグラフ ーにより精製を行い、化合物(15)の22.7gを得 。収率は89.9%であった。

 化合物(17)の合成:
 還流装置、撹拌機、滴下装置を装備した500m Lの4つ口フラスコに、マグネシウム(1.53g)を加 え、化合物(15)(19.3g)を脱水テトラヒドロフラ (50mL)に溶解させたものを、窒素気流下にて3 0分を要して滴下した。滴下終了後、70℃で3 間撹拌、還流してグリニヤール試薬を調製 た。次に、この4つ口フラスコを0℃に冷却し 、化合物(16)(17.1g)を脱水テトラヒドロフラン( 100mL)に溶解させたものを、窒素気流下にて30 を要して滴下した。滴下終了後、70℃で3時 撹拌、還流した後、1mol/Lの塩化アンモニウ 水溶液(100mL)を加えて反応を停止させた。

 次に、水およびジエチルエーテルを加え 分液し、有機層を回収した。回収した有機 を飽和塩化ナトリウム水溶液(40mL)で洗浄し つぎに水洗し、再度有機層を回収した。有 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 圧濾過によって無水硫酸マグネシウムを除 し、濾液を濃縮した。得られた濾液を酢酸 チル/ヘキサン(7:3、容量比)を展開液とした ラムクロマトグラフィーにより精製を行い 化合物(17)の20.7gを得た。収率は68%であった

 化合物(18)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した500mLのナス型 ラスコに化合物(24)(20.3g)、パラトルエンスル ホン酸一水和物(0.65g)、トルエン(400mL)を加え これに、モレキュラーシーブ4A(50g)の入った 等圧滴下漏斗をつけ、110℃で4時間撹拌、還 した。反応終了後、水およびジエチルエー ルを加えて分液し、有機層を回収した。回 した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(40mL )で洗浄し、つぎに水洗し、再度有機層を回 した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾 した後、減圧濾過によって無水硫酸マグネ ウムを除去し、濾液を濃縮して化合物(18)を1 4.9g得た。収率は71%であった。

 化合物(19)の合成:
 攪拌装置を具備した5Lの耐圧反応器を充分 脱気し、減圧下、化合物(18)(12.4g)、テトラヒ ドロフラン(200mL)、10%パラジウム活性炭素(2.5g )を添加し、その後、水素を0.4MPaまで加え、 温にて約2時間攪拌した。過剰の水素をパー した後、ろ過により固体を除き、ろ液をジ チルエーテル100mLで洗浄した。その後、エ ポレーターにて濃縮し化合物(19)のシス-トラ ンス混合物(11.6g)を得た。収率は95%であった
 これにヘキサン(100mL)を加えて再結晶を行い 、化合物(19)のトランス体(2.00g)を得た。また 液を濃縮したものを、500mLのナス型フラス に移し、t-ブトキシカリウム(28.0g)、N,N-ジメ ルホルムアミド(300mL)を加え、100℃で6時間 拌、還流して化合物(19)のシス体をトランス に変換した。反応終了後、水(500mL)を加えて 反応を停止し、ジエチルエーテルを加えて分 液し、有機層を回収した。回収した有機層を 飽和塩化ナトリウム水溶液(40mL)で洗浄し、つ ぎに水洗し、再度有機層を回収した。有機層 を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧 濾過によって無水硫酸マグネシウムを除去し 、濾液を濃縮した後、ヘキサン(100mL)を加え 再結晶を行い、化合物(19)のトランス体(2.07g) を得た。トランス体である化合物(26)の全収 は4.07gで、収率は32%であった。

 化合物(20)の合成:
 還流装置、撹拌機、滴下装置を装備した500m Lの4つ口フラスコに化合物(19)(3.75g)、ジクロ メタン(200mL)を加えた。窒素気流下にて、三 化ホウ素(12.74g)を30分かけて滴下した。滴下 操作は、内温が10℃を超えないように氷冷し がら行った。室温で3時間撹拌を続けた後、 水を加えて反応の停止を行い、ジエチルエー テルを加えて分液し、有機層を回収した。回 収した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(40 mL)で洗浄し、つぎに水洗し、再度有機層を回 収した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾 燥した後、減圧濾過によって無水硫酸マグネ シウムを除去し、濾液を濃縮した後、ジクロ ロメタンとヘキサンとの混合溶媒(100mL)を用 て再結晶を行い、化合物(20)(3.53g)を得た。収 率は95%であった。

 モノマー(1A6-C3)の合成:
 化合物(20)(5.25g)、CH 2 =CH-COO-(CH 2 ) 6 -Br(3.37g)、炭酸カリウム(4.22g)、ヨウ化カリウ (0.409g)、および脱水アセトン(200mL)の混合物 、24時間加熱還流した。ジエチルエーテル(1 00mL)、水(200mL)を加えて分液し、有機層を回収 した。有機層をlM塩酸(100mL)で洗浄し、つぎに 飽和塩化ナトリウム溶液(200mL)で洗浄した後 再度有機層を回収した。有機層を無水硫酸 グネシウムで乾燥した後、減圧濾過によっ 無水硫酸マグネシウムを除去した。減圧下 溶媒を留去し、得られた残渣をカラムクロ トグラフィー(展開比:ジクロロメタン/ヘキ ン=5/5、容量比)により精製し、目的物を含む 分画を得た。該分画を濃縮することによって 粉末結品を得た。この粉末結晶にヘキサン(10 0mL)を加えて再結品を行い、モノマー(1A6-C3)(5. 81g)を得た。収率は74%であった。

 モノマー(1A6-C3)のスペクトルデータ;
1 H-NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:TMS)δ(ppm):0.95(t,3H),1.46-2.06(m,18H),2.33(s,3H),2 .54-2.59(m,4H),3.91-3.95(t,2H),4.14-4.19(t,2H),5.79-5.83(dd, 1H),6.08-6.17(dd,1H),6.37-6.43(dd,1H),6.70-6.73(d,2H),7.11-7 .26(m,9H)。

 [合成例2]実施例で使用するモノマー(1C3-C3) 合成
 下記に示す合成ルートによりモノマー(1C3-C3 )を合成した。以下にその詳細を記載する。

 化合物(32)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した5Lの4つ口フラ コに化合物(31)(50.0g)と3,4-ジヒドロピラン(7.0 mL)とを加え、ジクロロメタン(3500mL)中、p-ト エンスルホン酸(0.54g)の存在下で室温で反応 せて、化合物(32)の20.68gを得た。

 化合物(29)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した1Lの4つ口フラ コに化合物(32)(24.87g)、エーテル(500mL)、トリ エチルアミン(14mL)を加えた。0℃に冷却した 、1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタンスルホ ルフルオリド(12.31mL)を加え、徐々に室温に げて、40時間撹拌した。水(300mL)、t-ブチルメ チルエーテル(400mL)を加えて、有機層を飽和 塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を除いて1,1,2,2, 3,3,4,4,4-ノナフルオロブタンスルホン酸2,2,3,3, 4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-8-(テトラヒドロ- 2H-ピラン-2-イルオキシ)オクチルの粗精製物(5 2.1g)を得た。
 この粗精製物(36.99g)および化合物(28)(13.86g) N,N-ジメチルホルムアミド(300mL)に溶解し、炭 酸セシウム(42.78g)を加えて、80℃で0.5時間撹 した。水(400mL)を加え、t-ブチルメチルエー ル(250mL×3回)で抽出した。得られた有機層を 和食塩水(250mL)で洗浄した後、溶媒を除いて 化合物(29)の粗精製物を得た。この粗精製物 ヘキサン/酢酸エチル(15:1、容量比)を展開液 したカラムクロマトグラフィーにより精製 行い、化合物(29)の25.38gを得た。収率は61.5% あった。

 化合物(30)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した1Lの4つ口フラ コに化合物(29)(25.37g)、メタノール(400mL)およ びテトラヒドロフラン(50mL)、p-トルエンスル ン酸一水和物(0.71g)を加えて室温で3時間撹 した。トリエチルアミン(4.09mL)を加え、減圧 下溶媒を留去して粗精製物を得た。この粗精 製物をヘキサン/酢酸エチル(6:1、容量比)を展 開液としたカラムクロマトグラフィーにより 精製を行い、化合物(30)の19.50gを得た。収率 93%であった。

 モノマー(1C3-C3)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した1Lの4つ口フラ コに化合物(30)(19.50g)、ジクロロメタン(500mL) 、トリエチルアミン(6mL)を加えて0℃に冷却し た。アクリル酸クロリド(3.40mL)を加え、室温 で徐々に上げて14時間撹拌した。減圧下溶 を留去し、得られた粗精製物をヘキサン/酢 エチル(10:1、容量比)を展開液としたカラム ロマトグラフィーにより精製を行い、モノ ー(1C3-C3)の16.96gを得た。収率は84%であった

 モノマー(1C3-C3)のスペクトルデータ;
1 H-NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:TMS)δ(ppm):0.99(t,3H),1.53-2.05(m,10H),2.29(s,3H),2 .63(m,4H),4.45(t,2H),4.67(t,2H),5.98(dd,1H),6.18(dd,1H),6.53 (dd,1H),6.91(m,2H),7.11-7.23(m,9H)。
19 F-NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:TMS)δ(ppm):-120.0(m,4F),-122.5(m,4F),-123.7(m,2F),- 123.9(m,2F)。

 [合成例3]実施例で使用するモノマー(1D5-C3) 合成

 化合物(34)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した5Lの4つ口フラ コに化合物(33)(50.0g)と3,4-ジヒドロピラン(9.6 mL)とを加え、ジクロロメタン(500mL)中、p-トル エンスルホン酸(0.74g)の存在下で室温で反応 せて、化合物(34)の24.90gを得た。

 化合物(35)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した1Lの4つ口フラ コに化合物(34)(24.90g)、エーテル(500mL)、トリ エチルアミン(14.3mL)を加えた。0℃に冷却した 後、1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタンスルホ ニルフルオリド(17.3mL)を加え、徐々に室温に げて、20時間撹拌した。水(500mL)、t-ブチル チルエーテル(400mL)を加えて、有機層を飽和 塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を除いて1,1,2,2 ,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタンスルホン酸2,2,3,3 ,4,4,5,5-オクタフルオロ-6-(テトラヒドロ-2H-ピ ン-2-イルオキシ)ヘキシルの粗精製物(44.5g) 得た。

 この粗精製物(22.50g)および化合物(20)(10.43g )をN,N-ジメチルホルムアミド(400mL)に溶解し、 炭酸セシウム(36.26g)を加えて、80℃で1時間撹 した。水(300mL)を加え、t-ブチルメチルエー ル(300mL)で抽出した。得られた有機層を飽和 食塩水(300mL)で洗浄した後、溶媒を除いて化 物(35)の粗精製物を得た。この粗精製物をヘ サン/酢酸エチルを展開液としたカラムクロ マトグラフィーにより精製を行い、化合物(35 )の18.48gを得た。収率は86%であった。

 化合物(36)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した1Lの4つ口フラ コに化合物(35)(18.48g)、メタノール(300mL)およ びテトラヒドロフラン(300mL)、p-トルエンスル ホン酸一水和物(0.66g)を加えて室温で30時間撹 拌した。トリエチルアミン(0.50mL)を加え、減 下溶媒を留去して粗精製物を得た。この粗 製物をヘキサン/酢酸エチルを展開液とした カラムクロマトグラフィーにより精製を行い 、化合物(36)の16.04gを得た。収率は100%であっ 。

 モノマー(1D5-C3)の合成:
 還流装置、撹拌機を装備した1Lの4つ口フラ コに化合物(36)(16.04g)、ジクロロメタン(300mL) 、トリエチルアミン(6.18mL)を加えて0℃に冷却 した。アクリル酸クロリド(3.61mL)を加え、室 まで徐々に上げて11時間撹拌した。減圧下 媒を留去し、得られた粗精製物をヘキサン/ 酸エチルを展開液としたカラムクロマトグ フィーにより精製を行い、モノマー(1D5-C3) 11.80gを得た。収率は67%であった。

 モノマー(1D5-C3)のスペクトルデータ;
1 H-NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:TMS)δ(ppm):0.95(t,3H),1.53-2.05(m,10H),2.35(s,3H),2 .54-2.80(m,4H),4.43(t,2H),4.67(t,2H),5.97(dd,1H),6.18(dd,1H) ,6.52(dd,1H),6.77(m,2H),7.11-7.21(m,5H)。
19 F-NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:TMS)δ(ppm):-120.2(m,4F),-124.0(m,2F),-124.2(m,2F)

 [例1]
ポリマー液晶の合成例:
 10mLのねじ口試験管にモノマー(1A6-C3)(0.563g) モノマー(1B3-C3)(0.437g)、重合開始剤(和光純薬 社製、商品名「V40」、0.01g)、連鎖移動剤1-ド カンチオール(0.025g)、およびトルエン(1.25g) 入れ、窒素置換した後、密閉した。ねじ口 験管を80℃の恒温槽にて18時間撹拌振とうさ せ重合を行った。
 重合内容物をメタノール中で10分間撹拌し 後、ポリマーを取り出す操作を3回行った。 の後、ポリマーをテトラヒドロフランに溶 し、撹拌しているメタノール中に滴下し再 を行った。さらに、ポリマーをメタノール で10分間撹拌した後、ポリマーを取り出す 作を3回行った。液晶性ポリマーを再度再沈 せて精製を行い、真空乾燥機にて40℃で2時 乾燥させ、白色のポリマー液晶1を得た。収 量0.90g、収率90%であった。

 [例2]~[例11]
ポリマー液晶の合成例:
 ポリマー液晶1の合成において、原料の配合 を表5のように変更した他は同様に重合、精 を行い、ポリマー液晶2~11を得た。表5におい て、「phr」とはモノマー100質量部に対する連 鎖移動剤の割合、開始剤の割合を示し、「M/S 」とはモノマーの質量/溶媒の質量を示す。

 得られたポリマー液晶1~11の数平均分子量 (Mn)、融点(Tm)、ガラス転移点(Tg)、スメクチッ ク相からネマチック相への転移温度、ポリマ ー純度、透明点(Tc)を表6に示した。

 [例12]
 モノマー(1A6-C3)、モノマー(1B3-C3)、およびモ ノマー(1C3-C3)を45/45/10(mol%)の比率で混合した( 3おけるモノマー配合割合と同一)。全モノ ー100質量部に対して、重合開始剤(チバスペ ャリティーケミカルズ社製、商品名「イル キュアー754」)0.5重量部を添加し、重合性液 晶組成物を得た。
 配向膜付セル(EHC社製、商品名「KSRP-05」、 ルギャップ5μm、25mm×22mm×0.7mm)内に重合性液 組成物を110℃で注入した。160℃において、 度135mW/cm 2 の紫外線を3分間照射して光重合を行いサン ルを得た。
 そのまま、融点(Tm)、スメクチック相からネ マチック相への転移温度、および透明点(Tc) 測定した。このサンプルから配向膜付セル 中のポリマー(以下、ポリマー液晶12という) 取り出し、数平均分子量およびポリマー純 を測定した。評価結果を表6に示した。

 [例13]
光学異方性膜の作製と評価例:
 (サンプル1)例1で得たポリマー液晶を配向処 理ガラス基板(20mm×25mm×0.7mm)に載せた。窒素 スフロー下でポリマー液晶の透明点(Tc)以上 加熱した後、ポリマー液晶の上に別の1枚の 配向処理ガラス基板を載せた。2枚のガラス 板の間に直径3μmのシリカビーズを挟んだ状 で、ポリマー液晶の透明点(Tc)より10℃低い 度で10分間アニールし、ポリマー液晶を配 させた。室温まで徐冷し、サンプル1を得た
 サンプル1について、配向状態の観察、ヘイ ズ値の測定、耐光性試験の評価を行った。評 価結果を表7に示した。

 (サンプル2)例1で得たポリマー液晶をくさ び型セル(EHC社製、製品名「KCRS-07」)内に窒素 ガスフロー下でポリマー液晶の透明点(Tc)以 で注入した。(Tc-10)℃で10分間アニールし、 冷し、ポリマー液晶を配向させた。偏光顕 鏡(オリンパス社製、製品名:BX-51)を用いて干 渉縞を観察し、縞の間隔からδnを算出した。 30℃におけるδn、および、30℃から80℃までの δn変化割合[(30℃におけるδn)-(80℃におけるδn )/(30℃におけるδn)]を測定し、評価結果を表7 示した。

 [例4]~[例24]
 例13において、ポリマー液晶1をポリマー液 2~12に代えた以外は同様にして、光学異方性 膜を作製し評価を行った。ポリマー液晶12に いては、例12で作成したポリマー液晶含有 ルのサンプルについて例13と同様に評価した 。結果を表7に示した。
 なお、表7中、(1)はTcが80℃のため測定不可 あったことを意味し、(2)は80℃で結晶のため 測定不可であったことを示す。(3)は80℃でア ルファスのため測定不可であったことを示 。

 透明性が高く、青色レーザー光に対する耐 性に優れ、温度による特性変化の少ない光 異方性膜、およびこれを調整するのに適し ポリマー液晶を提供する。本発明の光学異 性膜は、様々な位相差板、例えばポジティ Aプレート、ネガティブAプレート、ポジテ ブCプレート、ネガティブCプレート、ねじれ 位相差フィルム、視野角拡大フィルム、温度 補償型フィルム、1/4波長板、または1/2波長板 などに用いることができる。
 
 なお、2007年8月31日に出願された日本特許出 願2007-226312号の明細書、特許請求の範囲、及 要約書の全内容をここに引用し、本発明の 細書の開示として、取り入れるものである