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Patent Searching and Data


Title:
POLYURETHANE ELASTIC FIBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/153080
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a polyurethane elastic fiber which has a high fastness and a deep dyeability equal to that of a polyamide fiber or the like as a counterpart material of an alternately knitted fabric in dyeing with an acid dye and is excellent in spinning stability. The polyurethane elastic fiber of the invention contains 0.2% by weight to 10% by weight of a polymer composed of an isobutylene unit represented by the following formula (I) and a maleimide unit represented by the following formula (II) (wherein R1 represents a linear or branched alkylene group having 2 to 6 carbon atoms, and R2 and R3 may be the same or different and each represents a linear or branched alkyl group having 1 to 6 carbon atoms) and having a maleimide structure, has a blue L value after washing a cylindrically knitted fabric with one opening dyed with a specific blue acid dye according to the JIS L0844 A2 method of 20 or more and 50 or less, and shows a degree of staining of a nylon white cloth of 3.5 grade or more. (I) (II)

Inventors:
KOJIMA JUNICHI (JP)
IWANAMI TAISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060709
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI FIBERS CORP (JP)
KOJIMA JUNICHI (JP)
IWANAMI TAISUKE (JP)
International Classes:
D01F6/94; D03D15/56; C08F8/32
Foreign References:
JPS6245650A1987-02-27
JP2003201683A2003-07-18
JP2004060062A2004-02-26
JPS3923097B1
JPS4751645B1
JPS5912789B21984-03-26
JPS617212B21986-03-05
JPS6452889A1989-02-28
JP2000313802A2000-11-14
JP2001040587A2001-02-13
JP2004060062A2004-02-26
JP3006177B22000-02-07
JPH05155841A1993-06-22
Other References:
JOURNAL OF THE SOCIETY OF RHEOLOGY, vol. 29, 2001, pages 191
Attorney, Agent or Firm:
AOKI, Atsushi et al. (Toranomon 37 Mori Bldg. 5-1,Toranomon 3-chom, Minato-ku Tokyo 23, JP)
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Claims:
 下記式(I)で表されるイソブチレン単位と下記式(II)(式中、R 1 は炭素数2~6の直鎖もしくは分岐したアルキレン基を表し、R 2 及びR 3 は同一であっても異なってもよく、それぞれ炭素数1~6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表す)で表されるマレイミド単位とからなるマレイミド構造を有するポリマーを0.2重量%~10重量%含有し、特定の青色酸性染料で染色した一口筒編み地のJIS L0844 A2法による洗濯後のブルーL値が20以上50以下で、且つナイロン白布への汚染度が3.5級以上であるポリウレタン弾性繊維。
 酸性染料に対する染着座席が繊維1g当たり7.0×10 -3 ミリモル当量以上3.5×10 -1 ミリモル当量以下である請求項1に記載のポリウレタン弾性繊維。
 マレイミド構造を有するポリマーの重量平均分子量Mwが80,000~150,000であり、Mw/Mn(Mnは数平均分子量)が3.5以下である請求項1または2に記載のポリウレタン弾性繊維。
 請求項1~3のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維と他の酸性染料可染型繊維との混用品。
 他の酸性染料可染型繊維がポリアミド繊維である請求項4に記載の混用品。
 請求項1~3のいずれか一項に記載ポリウレタン弾性繊維と他の酸性染料非可染型繊維との混用品。
 他の酸性染料非可染型繊維がポリエステル繊維である請求項6に記載の混用品。
Description:
ポリウレタン弾性繊維

 本発明はポリウレタン弾性繊維に関し、 らに詳しくは、酸性染料における染色にお て色むらおよび目むきの少ない均一な染着 と高い堅牢度を有し、従来の酸性染料可染 繊維であるポリアミド繊維等と同等の濃染 を有するポリウレタン弾性繊維に関する。

 ポリウレタンやポリウレタンウレアを主 構成単位とする重合体からなる弾性繊維(以 下、ポリウレタン弾性繊維という)は、弾性 性質および耐薬品性等に優れた性能を有す ことから、主にポリアミド繊維やポリエス ル繊維等と交編織され、ファンデーション ソックス、パンティストッキングおよびス ーツウエア等多分野において伸縮機能素材 して広く利用されている。近年、こうした 類のストレッチ機能をさらに向上させるた 、布帛中のポリウレタン弾性繊維含有率を くすることが求められている。

 しかしポリウレタン弾性繊維は、構成す ポリウレタン重合体やポリウレタンウレア 合体(以下、ポリウレタン系重合体と称する )分子中に、酸性染料に有効な染着座席が無 ことから、ポリアミド繊維等と交編織され 生地を酸性染料で染色した際に、染着座席 多いポリアミド繊維等に比べ、ポリウレタ 弾性繊維は染料が染着し難く、単に染料を え込んだ状態、言い換えると染料に汚染さ たのみの状態となる。そのためポリアミド 維等と同等の濃染性を確保できないばかり 、洗濯等によって色落ちしやすく、最終的 製品の外観品位をすこぶる低下させる「目 き」および「ぎらつき」の原因となってい 。特に濃色製品ではこの傾向が顕著であり 衣料とした場合の生地色の深みである濃色 明性不足による外観品位低下が発生し、用 によってはポリウレタン弾性繊維の混率が 限される場合があった。また色落ちによる 布汚染も大きな問題となっており、これも リウレタン弾性繊維の使用が制限される一 となっていた。

 これらの問題を解決する為に、ポリウレ ン重合体の分子鎖中に第3級窒素原子を含有 させる方法が知られているが(特許文献1~4お び非特許文献1参照)、これらの方法では、ポ リアミド繊維等との同等の濃染性を達成する のが困難であるばかりでなく、場合によって はポリウレタン弾性繊維の物理特性を低下さ せるという問題があった。

 一方、酸性染料と結合する染色性改良剤を リウレタン重合体に混合する方法が提案さ ているが(特許文献5~7参照)、編み地におけ 濃染性および高い洗濯堅牢度を達成するも は得られていない。
 また、ポリウレタンそのものを着色したい ゆる原着糸が開発されているが(特許文献8 照)、多様な色相には対応できず、使用用途 限定されるものであった。

 更にまた3級窒素を有するマレイミド構造 を含むポリマーを染色改良剤として添加する ことで濃染性を向上させる方法が開発されて いるが(特許文献9参照)、公知の3級窒素を有 るマレイミド構造を含むポリマー中には原 の1つであるジアミンの未反応分などの反応 アミンが少なからず存在しているため、こ ポリマーが添加されたポリウレタン弾性繊 は、染色後にナイロン白布と一緒に洗濯し ときにナイロン白布に染料が移動しやすい とが分かった。また、このポリマーを用い 染色改良剤は経日変化による着色とゲル化 引き起こす可能性があることも分かった。 の着色とゲル化は繊維の色目や紡糸安定性 影響するものである。

特公昭39-23097号公報

特公昭47-51645号公報

特公昭59-12789号公報

特公昭61-7212号公報

特開昭64-52889号公報

特開2000-313802号公報

特開2001-40587号公報

特開2004-60062号公報

特公平3-6177号公報 日本レオロジー学会誌、2001年、Vol.29、P1 91

 本発明の目的は、かかる従来技術の問題 に鑑み、酸性染料における染色において交 織物の相手素材であるポリアミド繊維等と 等の濃染性と高い堅牢度を有し、紡糸安定 に優れたポリウレタン弾性繊維を提供する とである。

 本発明者等は、特定のマレイミド構造を するポリマーを含有したポリウレタン弾性 維が、ポリアミド繊維等と同等の濃染性と い堅牢度を有し、且つ安定紡糸が可能であ ことを見出し、本発明を完成させた。

 本発明は、下記のとおりである。
 (1)下記式(I)で表されるイソブチレン単位と 記式(II)(式中、R 1 は炭素数2~6の直鎖もしくは分岐したアルキレ ン基を表し、R 2 及びR 3 は同一であっても異なってもよく、それぞれ 炭素数1~6の直鎖もしくは分岐したアルキル基 を表す)で表されるマレイミド単位とからな マレイミド構造を有するポリマーを0.2重量%~ 10重量%含有し、特定の青色酸性染料で染色し た一口筒編み地のJIS L0844 A2法による洗濯後 ブルーL値が20以上50以下で、且つナイロン 布への汚染度が3.5級以上であるポリウレタ 弾性繊維。

 (2)酸性染料に対する染着座席が繊維1g当た 7.0×10 -3 ミリモル当量以上3.5×10 -1 ミリモル当量以下である上記(1)に記載のポリ ウレタン弾性繊維。
 (3)マレイミド構造を有するポリマーの重量 均分子量Mwが80,000~150,000であり、Mw/Mn(Mnは数 均分子量)が3.5以下である上記(1)または(2)に 記載のポリウレタン弾性繊維。

 (4)上記(1)~(3)のいずれかに記載のポリウレタ ン弾性繊維と他の酸性染料可染型繊維との混 用品。
 (5)他の酸性染料可染型繊維がポリアミド繊 である上記(4)に記載の混用品。

 (6)上記(1)~(3)のいずれかに記載のポリウレタ ン弾性繊維と他の酸性染料非可染型繊維との 混用品。
 (7)他の酸性染料非可染型繊維がポリエステ 繊維である上記(6)に記載の混用品。

 本発明によれば、酸性染料に染着する成 が高分子量ポリマーであるため、繊維表面 ブリードすることなく、高い堅牢度を達成 きる。また高い染着性を有するため、染色 の品位を向上させることができるので、フ ンデーション、ソックス、パンティストッ ングおよびスポーツウエア等のポリアミド 維やポリエステル繊維等と交編織される多 製品に好適に使用される。更に染着成分は ル化しにくいため、本発明のポリウレタン 性繊維を安定に供給することができる。

 本発明について、以下具体的に説明する。
 本発明のポリウレタン弾性繊維はマレイミ 構造を有するポリマーが含有されているこ を特徴とする。
 本発明で用いるマレイミド構造を有するポ マーとしては、下記式(I)で表されるイソブ レン単位と下記式(II)(式中、R 1 は炭素数2~6の直鎖もしくは分岐したアルキレ ン基を表し、R 2 及びR 3 は同一であっても異なってもよく、それぞれ 炭素数1~6の直鎖もしくは分岐したアルキル基 を表す)で表されるマレイミド単位とからな ものであり、イソブチレン単位とマレイミ 単位とが交互に反復してなるものが好まし 。

 本発明におけるマレイミド構造を有するポ マーは、下記式(I)で表されるイソブチレン 位と下記式(III)で表される無水マレイン酸 位からなるポリマーと、下記式(IV)で表され ジアミンとを脱水縮合反応させることによ 容易に得ることができる。イソブチレンと 水マレイン酸からなるポリマーは、重合方 およびモノマー比等の選択によって、その 率の異なるポリマーも製造可能であるが、 造のしやすさやコストの観点から両者の比 1で且つ交互に共重合されているポリマーが 好ましく、例えばイソバン04(クラレ社製)が げられる。

 マレイミドを形成する際に用いられるジ ミンとしては、形成されるマレイミド構造 上記式(II)を満たすものであればよく、例え ば、2-ジメチルアミノエチルアミン、2-ジエ ルアミノエチルアミン、2-ジ-n-プロピルアミ ノエチルアミン、2-ジイソプロピルアミノエ ルアミン、2-ジ-n-ブチルアミノエチルアミ 、2-ジイソブチルアミノエチルアミン、2-ジ- tert-ブチルアミノエチルアミン、2-ジ-n-ペン ルアミノエチルアミン、2-ジ-n-ヘキシルアミ ノエチルアミン、3-ジメチルアミノプロピル ミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、3- ジ-n-プロピルアミノプロピルアミン、3-ジイ プロピルアミノプロピルアミン、3-ジ-n-ブ ルアミノプロピルアミン、3-ジイソブチルア ミノプロピルアミン、3-ジ-tert-ブチルアミノ ロピルアミン、3-ジ-n-ペンチルアミノプロ ルアミン、3-ジ-n-ヘキシルアミノプロピルア ミン、4-ジメチルアミノブチルアミン、4-ジ チルアミノブチルアミン、4-ジ-n-プロピルア ミノブチルアミン、4-ジイソプロピルアミノ チルアミン、4-ジ-n-ブチルアミノブチルア ン、4-ジイソブチルアミノブチルアミン、4- -tert-ブチルアミノブチルアミン、4-ジ-n-ペ チルアミノブチルアミン、4-ジ-n-ヘキシルア ミノブチルアミン、2-ジメチルアミノ-2-メチ プロピルアミン、2-ジエチルアミノ-2-メチ プロピルアミン、2-ジ-n-プロピルアミノ-2-メ チルプロピルアミン、2-ジイソプロピルアミ -2-メチルプロピルアミン、2-ジ-n-ブチルア ノ-2-メチルプロピルアミン、2-ジイソブチル アミノ-2-メチルプロピルアミン、2-ジ-tert-ブ ルアミノ-2-メチルプロピルアミン、2-ジ-n- ンチルアミノ-2-メチルプロピルアミン、2-ジ -n-ヘキシルアミノ-2-メチルプロピルアミン、 2-ジメチルアミノ-1,1-ジメチルエチルアミン 2-ジエチルアミノ-1,1-ジメチルエチルアミン 2-ジ-n-プロピルアミノ-1,1-ジメチルエチルア ミン、2-ジイソプロピルアミノ-1,1-ジメチル チルアミン、2-ジ-n-ブチルアミノ-1,1-ジメチ エチルアミン、2-ジイソブチルアミノ-1,1-ジ メチルエチルアミン、2-ジ-tert-ブチルアミノ- 1,1-ジメチルエチルアミン、2-ジ-n-ペンチルア ミノ-1,1-ジメチルエチルアミン、2-ジ-n-ヘキ ルアミノ-1,1-ジメチルエチルアミン、5-ジメ ルアミノペンチルアミン、5-ジエチルアミ ペンチルアミン、5-ジ-n-プロピルアミノペン チルアミン、5-ジイソプロピルアミノペンチ アミン、5-ジ-n-ブチルアミノペンチルアミ 、5-ジイソブチルアミノペンチルアミン、5- -tert-ブチルアミノペンチルアミン、5-ジ-n- ンチルアミノペンチルアミン、5-ジ-n-ヘキシ ルアミノペンチルアミン、3-ジメチルアミノ- 2,2-ジメチルプロピルアミン、3-ジエチルアミ ノ-2,2-ジメチルプロピルアミン、3-ジ-n-プロ ルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアミン、3-ジ ソプロピルアミノ-2,2-ジメチルプロピルア ン、3-ジ-n-ブチルアミノ-2,2-ジメチルプロピ アミン、3-ジイソブチルアミノ-2,2-ジメチル プロピルアミン、3-ジ-tert-ブチルアミノ-2,2- メチルプロピルアミン、3-ジ-n-ペンチルアミ ノ-2,2-ジメチルプロピルアミン、3-ジ-n-ヘキ ルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアミン、6-ジ チルアミノヘキシルアミン、6-ジエチルア ノヘキシルアミン、6-ジ-n-プロピルアミノヘ キシルアミン、6-ジイソプロピルアミノヘキ ルアミン、6-ジ-n-ブチルアミノヘキシルア ン、6-ジイソブチルアミノヘキシルアミン、 6-ジ-tert-ブチルアミノヘキシルアミン、6-ジ-n -ペンチルアミノヘキシルアミン、6-ジ-n-ヘキ シルアミノヘキシルアミン、またはこれら混 合物等が好ましく、その中でも、2-ジエチル ミノエチルアミン、3-ジブチルアミノプロ ルアミンまたは3-ジエチルアミノプロピルア ミンが特に好ましい。

 本発明のポリウレタン弾性繊維に含まれ マレイミド構造を有するポリマーの重量平 分子量Mwは80,000~150,000であることが好ましく 、Mw/Mn(Mnは数平均分子量)が3.5以下であること が好ましい。より好ましくはMwが90,000~120,000 あり、Mw/Mnが3.0以下である。分子量が低すぎ ると当該ポリマーが表面にブリードアウトす ることで脱落しやすくなり、逆に分子量が高 すぎると当該ポリマーが紡糸原液中に均一に 分散し難くなる。また分子量分布が広すぎる 場合でも、一部の低分子量成分または高分子 量成分により上記と同様の現象を生じる可能 性がある。ここに述べる分子量に関しては、 詳細には後述するが、PMMA換算の分子量であ 、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により求 めることができる。

 本発明におけるマレイミド構造を有するポ マーは、ポリマー1g中の反応性アミン量が5. 0×10 -2 ミリモル当量以下であることが好ましい。よ り好ましくは4.5×10 -2 ミリモル当量以下、更に好ましくは4.0×10 -2 ミリモル当量以下、最も好ましくは3.0×10 -2 ミリモル当量以下である。このようなポリマ ーを含有させることにより、酸性染料で染色 した場合のポリウレタン弾性繊維の堅牢度、 特にナイロン白布への汚染性を改良すること ができる。

 ここで反応性アミン量とは、該マレイミド 造を有するポリマーにおいて、主として原 由来の1級アミン等からなるポリマー骨格以 外の残留アミン量を示し、詳細には後述する が酸塩基滴定実験より測定することができる 。また該ポリマー1g中の反応性アミン量が3.0 10 -2 ミリモル当量以下になると実験操作上の検出 限界となる。

 本発明における、マレイミド構造を有し、 リマー1g中の反応性アミン量が5.0×10 -2 ミリモル当量以下であるポリマーは、原料で あるイソブチレンと無水マレイン酸からなる ポリマーに対し、もう1つの原料であるジア ンのモル当量を少なくすることや、反応終 後に残留揮発分を加熱減圧下で留去するな の方法によって好適に得られる。

 本発明のポリウレタン弾性繊維に含まれる レイミド構造を有するポリマーの剪断粘度 、紡糸安定性の観点から、50%ジメチルアセ アミド溶液にした時に60~300ポイズの範囲に ることが好ましく、80~300ポイズの範囲にあ ことがより好ましく、80~200ポイズの範囲に ることが一層好ましく、90~200ポイズの範囲 あることが特に好ましい。剪断粘度がこの 囲であればゲル化を起こしていることはな 。更に、該ポリマー溶液を55℃で20日放置し たときの剪断粘度が60~400ポイズであることが 好ましい。上述した、反応性アミン量が5.0×1 0 -2 ミリモル当量以下のポリマーであれば、該ポ リマー溶液の安定性に優れる。ここに述べる 剪断粘度に関しては、詳細には後述するが、 E型粘度計により測定することができる。

 このマレイミド構造を含むポリマーをポ ウレタン系重合体に対して0.2重量%~10重量% 加させることにより、ポリウレタン弾性繊 の染色性および堅牢度を高めることができ 。より好ましくは0.5重量%~10重量%である。0.2 重量%未満では十分な染着性能を発現せず、10 重量%を超えると、濃染しすぎるため逆に目 きが発生し、更には堅牢度が悪化する。

 本発明のポリウレタン弾性繊維は、ポリ ミド繊維等と同等の濃染性を有する。具体 には、ポリウレタン弾性繊維のベア一口筒 み地を特定の青色酸性染料で染色し、JIS L0 844 A2法に従った洗濯後のブルーL値が20以上50 以下であることを特徴とする。好ましくは20 上35以下である。詳細には後述するが、こ 場合のブルーL値とは青色染着した筒編み地 明度であり、分光光度計で測定することが 来る。L値は大きいほど色が薄く、小さいほ ど色が濃いことを表す。多くの場合ポリアミ ド繊維のブルーL値はおよそ28~32である。ブル ーL値が50より大きいとポリウレタン弾性繊維 の色が薄いため、ポリアミド繊維等の交編生 地において目剥きが発生しやすい。逆に20未 では濃く発色しすぎるために、生地の表面 ポリウレタン弾性繊維の色が勝ってしまい 生地全体の色のバランスを壊してしまうこ がある。

 また、本発明のポリウレタン弾性繊維は 上述の通り特定のマレイミド構造を有する リマーを含有しているため、洗濯後におい も十分な濃染度を保っている上に、洗濯堅 性にも優れ、洗濯堅牢度(JIS L0844 A2法)によ るナイロン白布への汚染度が3.5級以上である 。汚染度が悪いと色落ちによる他布汚染の原 因となりうる。後述するが、汚染度評価は酸 性染料可染型繊維に対する汚染度を見るもの とする。

 本発明のポリウレタン弾性繊維は、マレイ ド構造を含むポリマーが添加されているこ により、酸性染料に対する染着座席を有す 。染着座席数はポリウレタン弾性繊維1gあ り7.0×10 -3 ミリモル当量以上3.5×10 -1 ミリモル当量以下であることが好ましい。こ の場合の染着座席とは、塩酸等の酸により滴 定可能な塩基性を有するアミン部位と同義で ある。

 本発明に用いられるポリウレタン系重合 は、例えば、数平均分子量が600~5000である リマーグリコールと有機ジイソシアネート 反応させてソフトセグメントとなるウレタ 中間重合体を合成後、鎖延長剤でハードセ メントを重合し、末端停止剤で末端封鎖す といった公知の技術を用いることで製造す ことができる。鎖延長剤として、低分子ジ ールを用いるとハードセグメントがウレタ 結合からなるポリウレタン重合体となり、 た、2官能性アミンを用いるとハードセグメ トがウレア結合からなるポリウレタンウレ 重合体を得ることができる。 ポリマーグ コールとしては、例えば、ポリオキシエチ ングリコール、ポリオキシプロピレングリ ール、ポリオキシテトラメチレングリコー およびポリオキシペンタメチレングリコー 等のホモポリエーテルジオール、炭素原子 2から6の2種以上のオキシアルキレンから構 される共重合ポリエーテルジオール、アジ ン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン 、アゼライン酸およびマロン酸等の二塩基 の一種または二種以上とエチレングリコー 、1,2-プロピレングリコール,1,3-プロピレン リコール,2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール, 1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ヘ サメチレングリコール、ジエチレングリコ ル、1,10-デカンジオール、1,3-ジメチロール クロヘキサンおよび1,4-ジメチロールシクロ ヘキサン等のグリコールの一種または二種以 上とから得られたポリエステルジオール、ポ リエステルアミドジオール、ポリエステルエ ーテルジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジ ールおよびポリバレロラクトンジオール等 ポリラクトンジオール、ポリカーボネート オール、ポリアクリルジオール、ポリチオ ーテルジオール、ポリチオエステルジオー 、又はこれらジオールの共重合物ないしは 合物等が挙げられる。

 有機ジイソシアネートとしては、例えば メチレン-ビス(4-フェニルイソシアネート) メチレン-ビス(3-メチル-4-フェニルイソシア ート)、2,4-トリレンジイソシアネート、2、6 -トリレンジイソシアネート、m-及びp-キシリ ンジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラ チル-キシリレンジイソシアネート、m-及びp -フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジメチ -1,3-キシリレンジイソシアネート、1-アルキ ルフェニレン-2,4及び2,6-ジイソシアネート、3 -(α-イソシアネートエチル)フェニルイソシア ネート、2,6-ジエチルフェニレン-1,4-ジイソシ アネート、ジフェニル-ジメチルメタン-4,4-ジ イソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’- イソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシ ネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネー 、メチレン-ビス(4-シクロヘキシルイソシア ネート)、1,3-及び1,4-シクロヘキシレンジイソ シアネート、トリメチレンジイソシアネート 、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタ メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン ジイソシアネート、イソフォロンジイソシア ネート、又はこれらの混合物等が挙げられる 。

 多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤 しては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラ ン、炭素原子数2~10の直鎖または分岐した脂 肪族、脂環族または芳香族の活性水素を有す るアミノ基を持つ化合物で例えばエチレンジ アミン、1,2プロピレンジアミンおよび特開平 5-155841号公報に記載されているウレア基を有 るジアミン類等のジアミン、ヒドロキシル ミン、水、および低分子量のグリコール、 えばエチレングリコール、1,2-プロピレング リコール、1,3-プロピレングリコール、2,2-ジ チル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオ ル、1,3-ブタンジオール、ヘキサメチレング リコール、ジエチレングリコール、1,10-デカ ジオール、1,3-ジメチロールシクロヘキサン および1,4-ジメチロールシクロヘキサン等を いることが出来る。好ましくは、エチレン アミンおよび1,2-プロピレンジアミンである

 単官能性活性水素原子を有する末端停止 としては、例えば、ジエチルアミンのよう ジアルキルアミン等やエタノールのような ルキルアルコール等が用いられる。これら 鎖延長剤および末端停止剤は、単独又は、2 種以上混合して用いても良い。

 このポリウレタン系重合体には、本発明の レイミド構造を含むポリマー以外に、ポリ レタン弾性繊維に通常用いられる他の化合 、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安 剤、耐塩素脆化剤、耐ガス安定剤、着色剤 艶消し剤および充填剤等を添加してもよい
 このようにして得られたポリウレタン系重 体は、公知の乾式紡糸、湿式紡糸または溶 紡糸等で繊維状に成形し、ポリウレタン弾 繊維を製造することができる。

 得られたポリウレタン弾性繊維に、ポリ メチルシロキサン、ポリエステル変性シリ ン、ポリエーテル変性シリコン、アミノ変 シリコン、鉱物油、鉱物性微粒子、例えば リカ、コロイダルアルミナおよびタルク等 高級脂肪酸金属塩粉末、例えばステアリン マグネシウムおよびステアリン酸カルシウ 等、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族ア コール、パラフィンおよびポリエチレン等 常温で固形状ワックス等の油剤を単独、又 必要に応じて任意に組合せて付与してもよ 。

 本発明のポリウレタン弾性繊維は、酸性 料可染型繊維との混用品において、酸性染 で染着されたときに、発色性および洗濯堅 度が良好であり、目剥きを抑制することが きる。酸性染料可染型繊維としては、おも ナイロン6繊維およびナイロン66繊維などの 知のポリアミド繊維が挙げられる。

 本発明のポリウレタン弾性繊維は、酸性 料非可染型繊維との混用品においても、例 ば先に酸性染料非可染型繊維を分散染料等 染色した後に、ポリウレタン弾性繊維を酸 染料で染色する方法によって、酸性染料非 染型繊維との同色性が得られるため目剥き 抑制でき、堅牢度も良好であるため、優れ 混用品が得られる。酸性染料非可染型繊維 しては、公知のポリエステル繊維が挙げら る。さらに、使用目的に合わせて他の素材 混用して用いられるが、他の素材の種類、 態および繊度は適宜選択すればよく、特に 定されない。たとえば、綿、絹、羊毛およ 麻等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビス ースレーヨンおよびアセテートレーヨン等 挙げられる。

 本発明を実施例で更に詳しく説明するが、 発明はこれらの実施例のみに限定されるも ではない。実施例等における測定値は、下 の測定法により求めたものである。
 (1)洗濯後ブルーL値および汚染度の評価
 一口丸編機(小池機械製作所製;CR-C型 3.5イ チ380本)を用いて、試験繊維のベア編地を作 する。試験繊維のベア編地を1.2g計量する。 ポリアミド繊維編地は、東レ社製6ナイロン ミラコスモ(56dT/17フィラメント)4本を引きそ えて一口丸編機(小池機械製作所製;TN-7型 3. 5インチ200本)にてベア編地を作製し、4.8gを計 量する。試験繊維編み地とポリアミド繊維編 み地を80℃×20分精錬後、同浴で酸性ハーフミ ーリング染料(Telon BLUE A2R;DyStar社製)1%owf、均 染剤(SeraGalN-FS;DyStar社製)0.6%owf、硫酸アンモニ ウム4.0%owfおよび浴比1:50の条件にて90℃で60分 間染色処理を行なう。

 染色された試験繊維のベア編地をJIS L0844  A2法に従い洗濯を行なう。添付白布はJIS L08 03に規定されているナイロンを用いる。風乾 たサンプルを筒編み地のままブルーL値を分 光色差計(日本電色工業社製 SQ-2000)にて測定 る。L値が低いほうが、濃く染色された状態 で好ましい。また、添付白布の汚染状態をJIS  L0805に従い、淡染5級から濃染1級の5段階評 し、これを汚染度評価とする。級数が高い うが、着色汚染が少ない状態で好ましい。

 (2)染着座席の測定
 マレイミド構造を有するポリマーの50%ジメ ルアセトアミド溶液約400mgを正確に秤量し 10mLのジメチルアセトアミドに溶解し、ブロ フェノールブルーを指示薬として、塩酸-メ タノール溶液(0.16mol/L)にて中和滴定を行い、 ポリマー1g中のアミン価を測定する。紡糸 リマー中のマレイミド構造を有するポリマ 添加量とアミン価からポリウレタン弾性繊 1gあたりの染着座席数を算出する。

 (3)重量平均分子量および分子量分布の測定
 ジメチルアセトアミドにLiBrを10mmol/Lになる うに溶かした溶離液を用いて、マレイミド 造を有するポリマーが1.0mg/mLとなるように 整したものを試料としてGPCにて測定を行な 。
  測定条件
   データ処理  東ソー GPC-8020
   カラム    TSKgel α-M(7.8mmx30cm)2本
   オーブン   60℃
   溶離液    ジメチルアセトアミド(LiBr  10mmol/L) 1.0m  L/min
   試料量    200μL
   検出器    RI
   較正曲線   PMMA

 (4)反応性アミン量の測定
 マレイミド構造を有するポリマーの50%ジメ ルアセトアミド溶液約400mgを正確に秤量し 10mLのジメチルアセトアミドに溶解し、100μL イソシアン酸フェニルを添加し室温で10分 拌する。その後メタノールを1mL加え、室温 10分攪拌する。この溶液にブロムフェノール ブルーを指示薬として、塩酸-メタノール溶 (0.16mol/L)にて中和滴定を行い、反応性アミン を除いた形での該ポリマー1g中のアミン価を 定する。(2)で測定されたアミン価が、反応 アミンと反応性アミン以外のアミン価の合 量であることから、これらの差から該ポリ ー1g中の反応性アミン量を算出する。

 (5)剪断粘度の測定
 E型粘度計(東機産業社製 RE105U)にて測定す 。
  測定条件
   温度   30℃
   試料量  0.5mL
   ローター 3°×R14
   回転数  10rpm

 (6)破断強伸度の測定
 引張試験機(オリエンテック(株)製商品名UTM- III 100型)を使用し、20℃、湿度65%の条件下で 料長5cmの試験糸を50cm/分の速度で引張破断 伸度の測定を行なう。

 (7)目剥き
 大隈シングル丸編機(30インチ24ゲージ)を用 て、試験繊維をドラフト1.7倍下で2本を1口 引きそろえ、ナイロン6(東レ社製ミラコスモ )56dT/17フィラメント3本を1本につき1口使用し 計4口で引きそろえて交編編地を作製する。 これを80℃×20分精錬後、染色する。

 染色は、混用生地を6g計量し染色する。 料には酸性ハーフミーリング染料(Telon BLUE  A2R;DyStar社製)1%owfを用い、均染剤(SeraGalN-FS;DySt ar社製)0.6%owf、硫酸アンモニウム4.0%owfおよび 比1:50の条件にて90℃で60分間染色処理を行 う。

 混用染色品(布帛)を引っ張り、目視判定 て目剥きの状態を1級から4級で判定した。4 はポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維 染着濃淡差が全く認識できないレベルであ 、3級はポリウレタン弾性繊維が十分に染ま ているが、ポリアミド繊維との濃淡の違い わずかに確認できるレベルであり、2級はポ リウレタン弾性繊維は染まっているがポリア ミド繊維との濃淡差が大きく、ポリウレタン 弾性繊維がはっきり認識できるレベルであり 、1級は目剥きして明らかにポリウレタン弾 繊維が確認でき、それがほとんど染まって ないと認識できるレベルである。

 (8)紡糸安定性
 単エンド紡糸機にて、紡糸速度800m/分およ 熱風温度325℃で乾式紡糸して44dT/4フィラメ トの繊維を製造する。1時間紡糸を行い、下 に示した評価基準にしたがって評価する。
  評価基準
   A:糸切れ無し
   B:糸切れ1~2回
   C:糸切れ3~5回
   D:糸切れ6回以上(紡糸不可)

 [実施例1]
 平均分子量約60,000のイソブチレン-無水マレ イン酸交互共重合体(クラレ社製イソバン04) 40g、ジエチルアミノプロピルアミンを32.1g、 及びジメチルアセトアミドを160g混合し、窒 雰囲気下にて50℃で1時間および100℃で1時間 拌し、次いで180℃還流下で生成する水を留 しながら4時間加熱した。残留揮発分を減圧 下で留去し、これによって得られたポリマー をジメチルアセトアミドに溶解し、50%溶液と した。得られたポリマーは重量平均分子量Mw= 1.0×10 5 、分子量分布Mw/Mn=2.7、アミン価=3.64mmol/g、反 性アミン量は、3.0×10 -2 ミリモル当量以下であった。また50%ジメチル アセトアミド溶液の剪断粘度は102ポイズであ った。また、これを55℃で20日間放置したと ろ剪断粘度は145ポイズで、着色もほとんど られなかった。

 平均分子量1,800のポリテトラメチレンエ テルグリコール1,500g及び4,4’-ジフェニルメ ンジイソシアネート312gを、窒素ガス気流下 60℃において90分間攪拌しつつ反応させて、 末端にイソシアネート基を有するポリウレ ンプレポリマーを得た。ついで、これを室 まで冷却した後、ジメチルアセトアミド2,700 gを加え、溶解してポリウレタンプレポリマ 溶液を調製した。

 エチレンジアミン23.4gおよびジエチルア ン3.7gを乾燥ジメチルアセトアミド1,570gに溶 し、これを前記プレポリマー溶液に室温で 加して、粘度2,200ポイズ(30℃)のポリウレタ ウレア重合体溶液を得た。

 このポリウレタンウレア重合体溶液に、 リウレタン固形分に対して、p-クレゾール ジシクロペンタジエンの重付加体のイソブ レン付加物を1.0重量%、Sumilizer GA-80(住友化 社製)を0.4重量%、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2- イル)-4,6-ビス(2-フェニルプロパン-2-イル)フ ノールを0.2重量%、ハイドロタルサイトを5.0 量%および作製した上記マレイミド構造を有 するポリマー(剪断粘度104ポイズ)を1.0重量%混 合して紡糸原液とした。

 この紡糸原液を紡糸速度800m/分および熱 温度325℃で乾式紡糸して、44dT/4フィラメン の繊維を製造した。糸切れは発生せず紡糸 定性は良好であった。これらの繊維の引張 断強度を表1に示す。44dTの弾性繊維の破断強 度は40cN以上あれば実使用上問題はない。

 得られたポリウレタン弾性繊維のベア編 を青色染色し、洗濯後のブルーL値および汚 染度を評価した。結果を表1に示す。得られ ポリウレタン弾性繊維とナイロン6繊維にて 編生地を作製し、染色後、目剥き評価を行 た。評価結果を表1に示す。

 [実施例2]
 マレイミド構造を有するポリマーの添加量 2.0重量%であることを除いて、実施例1と同 の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を った。紡糸安定性は良好であった。実施例1 同様に、引張破断強度、洗濯後ブルーL値、 汚染度および目剥きの評価を行った。評価結 果を表1に示す。

 [実施例3]
 マレイミド構造を有するポリマーの添加量 4.0重量%であることを除いて、実施例1と同 の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を った。紡糸安定性は良好であった。実施例1 同様に、引張破断強度、洗濯後ブルーL値、 汚染度および目剥きの評価を行った。評価結 果を表1に示す。

 [比較例1]
 マレイミド構造を有するポリマーを添加し いことを除いて、実施例1と同様の条件にて 紡糸を行った。実施例1と同様に、引張破断 度、洗濯後ブルーL値、汚染度および目剥き 評価を行った。評価結果を表1に示す。

 [比較例2]
 マレイミド構造を有するポリマーの添加量 15重量%であることを除いて、実施例1と同様 の紡糸原液を用いて同様の条件にて紡糸を行 った。若干糸切れが発生し、紡糸はやや不安 定であった。実施例1と同様に、洗濯後ブル L値、汚染度および目剥きの評価を行った。 価結果を表1に示す。

 [比較例3]
 特許文献9記載の方法に従い、実施例1記載 イソバン04を40g、ジエチルアミノプロピルア ミンを33.8g、及びジメチルアセトアミドを160g 混合し、窒素雰囲気下にて50℃で1時間および 100℃で1時間攪拌し、次いで180℃還流下で生 する水を留去しながら4時間加熱した後、残 揮発分を留去せずにマレイミド構造を有す ポリマーの50%ジメチルアセトアミド溶液を 製した。このポリマーの反応性アミン量は5 .5×10 -2 ミリモル当量、剪断粘度は140ポイズであった 。このポリマーを用いて実施例1と同様の条 にて紡糸を行い、洗濯後ブルーL値、汚染度 よび目剥きの評価を行った。評価結果を表1 に示す。なお、この溶液を55℃で20日間放置 たところポリマーは剪断粘度が550ポイズで り、着色、ゲル化が見られた。

 表1の結果より、本発明により得られたポ リウレタン弾性繊維は、染色性および堅牢度 が良好であり、目剥きのない商品価値の高い ものであることが分かる。

 本発明のポリウレタン弾性繊維は、紡糸 定性に優れ、酸性染料が十分に染着しかつ 牢度が優れているため、このポリウレタン 性繊維を含有する混用品から、目剥き現象 発生しない外観品位の優れた衣料品等を好 に得ることができ、且つ安定に供給するこ ができる。