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Title:
PROCESS FOR MANUFACTURING PLASMA DISPLAY PANEL AND APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136055
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for manufacturing a plasma display panel (and apparatus therefor), in which as airtight bonding of a front substrate and a back substrate is performed with the use of a sealing material (for example, a solder composed mainly of tin and lead, etc.) suitable for low-temperature sealing, immediately after the airtight bonding, an electric discharge gas can be introduced in the plasma display panel. That is, it is not needed to cool the plasma display panel to room temperature before introduction of an electric discharge gas. Accordingly, the plasma display panel can be manufactured with the use of a compact, inexpensive manufacturing apparatus with a reduced number of treating chambers while blocking atmospheric air.

Inventors:
KAWAKITA TETSURO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/000450
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 24, 2007
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
KAWAKITA TETSURO (JP)
International Classes:
H01J9/26; H01J9/02; H01J11/10; H01J11/48
Foreign References:
JP2000156160A2000-06-06
JP2007073191A2007-03-22
JPH11306961A1999-11-05
JP2004193088A2004-07-08
JP2003183624A2003-07-03
Attorney, Agent or Firm:
DOI, Kenji et al. (Doi & Associates 3rd Floor, Toshou-Bldg. No.3, 3-9-5, Shin-yokohama, Kohoku-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 33, JP)
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Claims:
 放電に対する保護層で覆われた前面基板と、
 前記前面基板に対向するように配置された背面基板と、
 前記前面基板と前記背面基板を、夫々の外周部で気密接着する封着材を有し、
 前記前面基板、前記背面基板、及び前記封着材からなる封着基板に放電ガスが充填されたプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記保護層で覆われる前の基板を前記保護層で覆い、前記前面基板を形成する第1の工程と、
 前記第1の工程で形成された前記前面基板と前記背面基板を、前記封着材によって、60℃以上280℃以下の封着温度で気密接着して前記封着基板を形成する第2の工程と、
 60℃以上で前記封着温度以下の第1の温度において、前記第2の工程で形成した前記封着基板を排気する第3の工程と、
 60℃以上で前記封着温度以下の第2の温度において、前記第3の工程で排気した前記封着基板に前記放電ガスを充填し、前記封着基板を密封する第4の工程を
 具備し、
前記第1の工程から前記第4の工程に至る全ての工程を、前記前面基板及び前記背面基板を大気に曝さないで行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記第1温度及び前記第2の温度が、前記封着温度に等しいことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記封着材が、錫と鉛を主成分とする第1の半田、錫と銅を主成分とする第2の半田、及び錫と銀を主成分とする第3の半田からなる群から選択される半田であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記封着材が、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、及び熱可塑性樹脂からなる群から選択される樹脂であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記第4の工程を、前記放電ガスを充填する時の前記放電ガスの圧力以上であって且つ1気圧以下の気体中で行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記第2の工程及び第4の工程を、乾燥させた窒素ガス又は乾燥させた不活性ガス中で行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 
 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記第3の工程を、真空中で行い、
 前記第2の工程及び前記第4の工程を、乾燥させた窒素ガス又は乾燥させた不活性ガス中で行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 放電に対する保護層で覆われた前面基板と、
 前記前面基板に対向するように配置された背面基板と、
 前記前面基板と前記背面基板を、夫々の外周部で気密接着する封着材を有し、
 前記前面基板、前記背面基板、及び前記封着材からなる封着基板に放電ガスが充填されたプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
 前記保護層で覆われる前の基板を前記保護層で覆い、前記前面基板を形成する第1の工程と、
 前記背面基板を加熱し、前記背面基板に吸着した水を除去する第2の工程と、
前記第1の工程で形成された前記前面基板と前記第2の工程を経た前記背面基板を重ね合わせ、重ね合わせた前記前面基板と前記背面基板を仮に固定する第3の工程と、
 仮に固定した前記背面基板に設けられた排気口の周囲に排気管を装着する第4の工程と、
 前記第4の工程を経た前記前面基板及び前記背面基板の温度を、前記前面基板と前記背面基板を気密接着する60℃以上280℃以下の封着温度まで加熱する第5の工程と、
 第5の工程の後前記前面基板と前記背面基板の温度を前記封着温度に保持し、前記前面基板と前記背面基板を気密接着して前記封着基板を形成する第6の工程と、
 前記封着温度において、前記第6の工程で形成した前記封着基板を排気する第7の工程と、
 前記封着温度における前記放電ガスの圧力より高い圧力を有する気体中で、封着温度に加熱された前記封着基板に前記放電ガスを充填する第8の工程と、
 前記第8の工程の後、前記排気管を密封する第9の工程を
 具備し、
 前記第1の工程から前記第8の工程に至る全ての工程を、前記前面基板及び前記背面基板を大気に曝すことなく行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 放電に対する保護層で覆われた前面基板と、
 前記前面基板に対向するように配置された背面基板と、
 前記前面基板と前記背面基板を、夫々の外周部で気密接着する封着材を有し、
 前記前面基板、前記背面基板、及び前記封着材からなる封着基板に放電ガスが充填されたプラズマディスプレイパネルの製造装置において、
 前記前面基板となる基板に前記保護層が形成され、前記前面基板が形成される成膜室と、
 前記成膜室から搬入された前記前面基板と前記背面基板が、前記封着材によって60℃以上280℃以下の封着温度で気密接着されて、前記封着基板が形成され、
 60℃以上前記封着温度以下の第1の温度において、気密接着された前記封着基板が排気され、
 60℃以上前記封着温度以下の第2の温度において、排気された前記封着基板に前記放電ガスが充填され、前記放電ガスが充填された前記封着基板が密封される封着-排気-放電ガス充填室を具備し、
 前記保護層の形成後、前記前面基板及び前記背面基板が大気に曝されずに処理されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
 請求項9に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置において、
 前記封着-排気-放電ガス充填室に、前記封着-排気-放電ガス充填室の内部を0.38気圧以上1気圧以下の気体で満たすガス供給装置が接続されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
 請求項9に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置において、
 前記封着-排気-放電ガス充填室に、乾燥させた窒素ガス又は乾燥させた不活性ガスを供給するガス供給装置が接続されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。 
 請求項9に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置において、
 前記封着-排気-放電ガス充填室に、
 乾燥させた窒素ガス又は乾燥させた不活性ガス中を供給するガス供給装置及び真空排気装置が接続されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。  
 放電に対する保護層で覆われた前面基板と、
 前記前面基板に対向するように配置された背面基板と、
 前記前面基板と前記背面基板を、夫々の外周部で気密接着する封着材を有し、
 前記前面基板、前記背面基板、及び前記封着材からなる封着基板に放電ガスが充填されたプラズマディスプレイパネルの製造装置において、
 前記前面基板となる基板に前記保護層が形成され、前記前面基板が形成される成膜室と、
 前記背面基板が加熱され、前記背面基板に吸着した水が除去される脱ガス室と、
 前記成膜室と前記脱ガス室が接続され、エアロック機能を備えた搬送室と、
 前記搬送室を介して前記成膜室から搬入された前記前面基板と、前記搬送室を介して前記脱ガス室から搬入された前記背面基板が重ね合わされ、重ね合わされた前記前面基板と前記背面基板が仮に固定され、仮に固定された前記背面基板の排気口の周囲に排気管が装着される基板重ね合わせ室と、
 前記前面基板と前記背面基板が気密接着される60℃以上280℃以下の封着温度まで、仮に固定された前記前面基板及び前記背面基板が加熱され、
 仮に固定された前記前面基板と前記背面基板の温度が前記封着温度に保持され、前記前面基板、前記背面基板、及び前記排気管が、気密接着されて前記封着基板が形成され、
 前記封着温度において前記排気管を通して前記封着基板が排気され、
 前記封着温度における前記放電ガスの圧力より高い圧力を有する気体中で、前記封着温度に保持された前記記封着基板に前記放電ガスが充填され、
 前前記排気管が密封される封着-排気-放電ガス充填室を
 具備し、
 前記保護層の形成後、前記前面基板及び前記背面基板が大気に曝されずに処理されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
Description:
プラズマディスプレイパネルの 造方法及びその製造装置

 本発明は、前面基板と背面基板を大気に さずに行うプラズマディスプレイパネルの 造方法及びその製造装置に関し、特に、大 で高価な製造装置を必要としないPDPの製造 法及びその製造装置に関する。

 プラズマディスプレイパネル(Plasma
Display Panel; 以下、PDPと略す)は、放電によっ て紫外線を生成し、蛍光体層に照射する。紫 外線の照射された蛍光体層は可視光を放射し 、その可視光によって画素が光り、画像が表 示される。

 PDPは、保護層で覆われた前面基板と、前 基板に対向するように配置された背面基板 よって構成されている。前面基板と背面基 は、夫々の外周部で封着材によって気密接 されている。このように気密接着された前 基板と背面基板(以下、封着基板と呼ぶ)の に放電ガスが充填されている。

 前面基板に形成された保護層は、放電か 前面基板を保護すると同時に、二次電子を 出し放電の発生及び維持を支援する。酸化 グネシウム(MgO)は、スパッタ耐性が高く且 二次電子放出係数が大きい。このため保護 の材料として、広く用いられている。

 しかし、MgOには、大気中の水を吸着して変 するという問題がある(MgOがMg(OH) 2 に変質する。)。そこで、従来の製造方法で 、排気処理によってMgOに吸着した水を除去 てから、封着基板に放電ガスが充填する。

 しかし、一度吸着した水をMgOから完全に 去することは困難である。除去しきれずに 留した水は、放電開始電圧や放電維持電圧 経時変化をもたらすという悪影響をPDPに及 す(特許文献1)。この問題を回避するため、 造直後にPDPを暫く放電させて、放電開始電 等を安定化させている(この工程は、エージ ングと呼ばれている。)。

 これに対して、保護層の形成後の全工程を 空中で行う製造方法(以下、真空一貫プロセ スと呼ぶ)が提案されている(特許文献1、2)。 の製造方法によれば放電開始電圧等の経時 化がなくなり、エージングが不要になる。

特開2000-156160号公報

特開2004-281419号公報

 本発明者等は、主に乾燥ガス中で保護層 成後の全工程を行うPDPの製造方法を開発中 ある。この方法は、保護層形成後の工程の 部を乾燥ガス中で行う点で、特許文献1に記 載された真空一貫プロセスとは相違する。

 しかし、保護層を大気に曝さないという で、真空一貫プロセスと技術思想が一致す ので、以後両者を纏めて一貫プロセスと呼 こととする。

 ところで、封着基板への放電ガスの充填 、封着基板を加熱しながら排気し、保護膜 ら水を十分離脱させた後行われる。具体低 は、封着基板の排気後、封着基板は室温ま 冷却され、十分に冷却された封着基板に対 て放電ガスが充填される。これは、封着基 の温度が高いまま放電ガスを充填すると、P DPの温度が室温に下がった時、放電ガスの圧 が充填時より低くなってしまうためである

 一貫プロセスでは、保護層の形成後の全 程が、大気を遮断した製造装置の内で一貫 て行われる。従って、加熱された封着基板 温度が室温に下がり、放電ガスの充填が可 になるまで、封着基板を製造装置内に待機 せておく必要がある。このため一貫プロセ 用PDP製造装置は、大型且つ高価である。

 また、室温になるまで排気後の封着基板 装置内に待機させなければならないので、 貫プロセス用PDP製造装置を用いたPDPの製造 間を短縮することは困難であり、PDPの生産 向上が阻害されている。以下、これらの点 ついて説明する。

 上述したように、一貫プロセスでは、大 を遮断してPDPを製造する。しかし、僅かで あるが、保護層に水が吸着してしまう。こ ため一貫プロセスにおいても、加熱した封 基板の排気が行われる。

 (1)一貫プロセス用PDP製造装置(関連技術)
 図6は、本発明者等が開発中の一貫プロセス 用PDP製造装置の概略図である。

 一貫プロセス用PDP製造装置2は、(保護膜 成前の)前面基板に保護層が形成される成膜 4と、背面基板が加熱され、背面基板の外周 部に塗布された封着材が焼成されると共に背 面基板に吸着した水が除去される脱ガス室6 備えている。

 成膜室4は、(保護層形成前の)前面基板を 成する前面基板前工程設備8に一端が接続さ れている。一方、脱ガス室6は、背面基板を 成する背面基板前工程設備10に一端が接続さ れている。

 また、一貫プロセス用PDP製造装置2は、成 膜室4と脱ガス室6が接続され、エアロック機 を備えた搬送室12を備えている。

 前面基板(又は、背面基板)は、次のよう して、成膜室4(又は脱ガス室6)から基板重ね せ室14に搬送される。まず、搬送室12の内部 の状態を、成膜室4(又は脱ガス室6)と同じ状 (例えば、真空)にしてから、成膜室4(又は脱 ス室6)と搬送室12の間の扉を開けて、前面基 板(又は、背面基板)を搬送室12に搬入する。 に、成膜室4(又は脱ガス室6)と搬送室12の間 扉を閉じ、搬送室12の内部の状態を、基板重 ね合わせ室14と同じ状態(例えば、乾燥窒素ガ スで満たされた状態)にする。その後、搬送 12と基板重ね合わせ室12の間の扉を開けて、 面基板(又は背面基板)を基板重ね合わせ室14 に搬送する。最後に、搬送室12と基板重ね合 室14の間の扉を閉じる。

 また、一貫プロセス用PDP製造装置2は、上 述した基板重ね合わせ室14を備えている。基 重ね合わせ室14では、搬送室12を介して成膜 室4から搬入された前面基板と、同じく搬送 12を介し脱ガス室6から搬入された背面基板 重ね合わされる。重ね合わされた前面基板 背面基板はクリップ等で仮に固定され、背 基板に排気管(チップ管)が装着される。

 また、一貫プロセス用PDP製造装置2は、封 着-排気室16を備えている。封着-排気室16の室 内は、封着材の融点以上の温度、例えば400℃ に加熱されている。従って、封着-排気室16に 搬入された前面基板及び背面基板は、封着- 気室16室内で、前面基板と背面基板を気密接 着する封着温度(封着-排気室16の室内)に加熱 れる。そのまま、前面基板と背面基板の温 は、暫時この封着温度に保持される。その 果、前面基板、背面基板、及び排気管が気 接着され、封着基板が形成される。次に、 のように気密接着された封着基板は、同じ 着-排気室16内で、背面基板に設けられた排 管に通して排気される。

 また、一貫プロセス用PDP製造装置2は、放 電ガス充填室18を備えている。放電ガス充填 18では、まず加熱された封着基板が室温ま 冷却される。次に、封着基板に放電ガスが 填され、最後に排気管が密封されてPDPが完 する。

 また、一貫プロセス用PDP製造装置2は、エ アロック機能を備えた取り出し室20を備えて る。この取り出し室20に上記PDPが搬送され 装置外に取り出される。

 (2)課題
 このように、一貫プロセス用PDP製造装置に 、前面基板と背面基板の重ね合せ以降の処 を行うため、二つの処理室(封着-排気室16及 び放電ガス充填室18)が設けられている。これ は、排気後の封着基板30を室温に冷却するた には、高温に加熱された封着-排気室16とは 離した別の処理室が必要なためである。す わち、同じ処理室内に400℃の高温領域と室 の低温領域を設けることが困難なためであ 。このため、一貫プロセス用PDP製造装置は 型且つ高価である。

 もし、排気後直ちに封着基板30に放電ガ を充填すること可能であれば、前面基板と 面基板の重ね合せ以降の全処理を同一処理 内で行うことができる。この場合、一貫プ セス用PDP製造装置2の小型化及び低価格化が 能になる。しかも、排気後の封着基板を、 造装置内で室温まで冷却する必要がなくな 。従って、PDPの製造時間が短縮され、PDPの 産性も向上する。

 そこで、本発明の目的は、前面基板と背 基板を大気に曝さずに行うプラズマディス レイパネルの製造方法において、封着基板 対して排気終了直後の放電ガスの充填を可 にし、大型で高価な製造装置を必要とせず つ生産性が向上したPDPの製造方法を提供す ことである。更に、本発明の目的は、この うなPDPの製造方法に使用する製造装置を提 することである。

  (第1の側面)
 上記の目的を達成するために、本発明の第1 の側面は、放電に対する保護層で覆われた前 面基板と、前記前面基板に対向するように配 置された背面基板と、前記前面基板と前記背 面基板を、夫々の外周部で気密接着する封着 材を有し、前記前面基板、前記背面基板、及 び前記封着材からなる封着基板に放電ガスが 充填されたプラズマディスプレイパネルの製 造方法において、前記保護層で覆われる前の 基板を前記保護層で覆い、前記前面基板を形 成する第1の工程と、前記第1の工程で形成さ た前記前面基板と前記背面基板を、前記封 材によって、60℃以上280℃以下の封着温度 気密接着して前記封着基板を形成する第2の 程と、60℃以上で前記封着温度以下の第1の 度において、前記第2の工程で形成した前記 封着基板を排気する第3の工程と、60℃以上で 前記封着温度以下の第2の温度において、前 第3の工程で排気した前記封着基板に前記放 ガスを充填し、前記封着基板を密封する第4 の工程を具備し、前記第1の工程から前記第4 工程に至る全ての工程を、前記前面基板及 前記背面基板を大気に曝さないで行うこと 特徴とする。

 第1の側面によれば、封着基板の形成(第2 工程)からを封着基板の密封(第4の工程)まで を一の処理室で行うことができる。従って、 第1の側面によれば、処理室の少ない小型及 低価格な製造装置で、大気を遮断した状態 PDPを製造することができる。

 また、第1の側面によれば、前面基板と背 面基板の封着後、その温度を室温に下げずに 放電ガスを充填するので、PDPの製造時間が短 くなり、生産性が向上する。

  (第2の側面)
 本発明の第2の側面は、第1の側面において 前記第1温度及び前記第2の温度が、前記封着 温度に等しいことを特徴とする。 

  (第3の側面)
 本発明の第3の側面は、第1の側面において 前記封着材が、錫と鉛を主成分とする第1の 田、錫と銅を主成分とする第2の半田、及び 錫と銀を主成分とする第3の半田からなる群 ら選択される半田であることを特徴とする  

  (第4の側面)
 本発明の第4の側面は、第1の側面において  前記封着材が、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂 、及び熱可塑性樹脂からなる群から選択され る樹脂であることを特徴とするプラズマディ スプレイパネルの製造方法。

  (第5の側面)
 本発明の第5の側面は、第1の側面において 前記第4の工程を、前記放電ガスを充填する の放電ガスの圧力以上であって且つ1気圧以 下の気体中で行うことを特徴とする。

 第5の側面によれば、製造中のPDP(封着基 )に充填された放電ガスの圧力を打ち消すこ ができる。従って、内部から外側に向かう 力によって、製造中のPDPが損傷を受けるこ はない。

   (第6の側面)
 本発明の第6の側面は、第1の側面において 前記第2の工程及び第4の工程を、乾燥させた 窒素ガス又は乾燥させた不活性ガス中で行う ことを特徴とする。 

  (第7の側面)
 本発明の第7の側面は、第1の側面において 前記第3の工程を、真空中で行い、前記第2の 工程及び前記第4の工程を、乾燥させた窒素 ス又は乾燥させた不活性ガス中で行うこと 特徴とするプラズマディスプレイパネルの 造方法。

  (第8の側面)
 本発明の第7の側面は、放電に対する保護層 で覆われた前面基板と、前記前面基板に対向 するように配置された背面基板と、前記前面 基板と前記背面基板を、夫々の外周部で気密 接着する封着材を有し、前記前面基板、前記 背面基板、及び前記封着材からなる封着基板 に放電ガスが充填されたプラズマディスプレ イパネルの製造方法において、前記保護層で 覆われる前の基板を前記保護層で覆い、前記 前面基板を形成する第1の工程と、前記背面 板を加熱し、前記背面基板に吸着した水を 去する第2の工程と、前記第1の工程で形成さ れた前記前面基板と前記第2の工程を経た前 背面基板を重ね合わせ、重ね合わせた前記 面基板と前記背面基板を仮に固定する第3の 程と、仮に固定した前記背面基板に設けら た排気口の周囲に排気管を装着する第4の工 程と、前記第4の工程を経た前記前面基板及 前記背面基板の温度を、前記前面基板と前 背面基板を気密接着する60℃以上280℃以下の 封着温度まで加熱する第5の工程と、第5の工 の後前記前面基板と前記背面基板の温度を 記封着温度に保持し、前記前面基板と前記 面基板を気密接着して前記封着基板を形成 る第6の工程と、前記封着温度において、前 記第6の工程で形成した前記封着基板を排気 る第7の工程と、
 前記封着温度における前記放電ガスの圧力 り高い圧力を有する気体中で、封着温度に 熱された前記封着基板に前記放電ガスを充 する第8の工程と、前記第8の工程の後、前 排気管を密封する第9の工程を具備し、前記 1の工程から前記第8の工程に至る全ての工 を、前記前面基板及び前記背面基板を大気 曝すことなく行うことを特徴とする。

  (第9の側面)
 本発明の第9の側面は、放電に対する保護層 で覆われた前面基板と、前記前面基板に対向 するように配置された背面基板と、前記前面 基板と前記背面基板を、夫々の外周部で気密 接着する封着材を有し、前記前面基板、前記 背面基板、及び前記封着材からなる封着基板 に放電ガスが充填されたプラズマディスプレ イパネルの製造装置において、前記前面基板 となる基板に前記保護層が形成され、前記前 面基板が形成される成膜室と、前記成膜室か ら搬入された前記前面基板と前記背面基板が 、前記封着材によって60℃以上280℃以下の封 温度で気密接着されて、前記封着基板が形 され、60℃以上前記封着温度以下の第1の温 において、気密接着された前記封着基板が 気され、60℃以上前記封着温度以下の第2の 度において、排気された前記封着基板に前 放電ガスが充填され、前記放電ガスが充填 れた前記封着基板が密封される封着-排気- 電ガス充填室を具備し、前記保護層の形成 、前記前面基板及び前記背面基板が大気に されずに処理されることを特徴とする。

 第9の側面によれば、前面基板と背面基板 の封着、封着基板の排気、封着基板への放電 ガスの充填、及び封着基板の密封が、封着- 気-ガス充填室で全て行われる。従って、第9 の側面におけるPDP製造装置は、必要な処理室 の数が少ないので、小型且つ安価である。

 また、第9の側面によれば、前面基板と背 面基板の封着後、その温度を下げずに放電ガ スを充填することができるので、PDPの製造時 間が短くなり、生産性が向上する。

  (第10の側面)
 第10の側面は、第9の側面において、前記封 -排気-放電ガス充填室に、前記封着-排気-放 電ガス充填室の内部を0.38気圧以上1気圧以下 気体で満たすガス供給装置が接続されてい ことを特徴とする。

 第10の側面によれば、製造中のPDP(封着基 )に充填された放電ガスの圧力を打ち消すこ とができる。従って、内部から外側に向かう 圧力によって、製造中のPDPが損傷を受けるこ とはない。

  (第11の側面)
 第11の側面は、第9の側面において、前記封 -排気-放電ガス充填室に、乾燥させた窒素 ス又は乾燥させた不活性ガスを供給するガ 供給装置が接続されていることを特徴とす 。 

  (第12の側面)
 第12の側面は、第9の側面において、前記封 -排気-放電ガス充填室に、乾燥させた窒素 ス又は乾燥させた不活性ガス中を供給する ス供給装置及び真空排気装置が接続されて ることを特徴とする。  

  (第13の側面)
 第13の側面は、放電に対する保護層で覆わ た前面基板と、前記前面基板に対向するよ に配置された背面基板と、前記前面基板と 記背面基板を、夫々の外周部で気密接着す 封着材を有し、前記前面基板、前記背面基 、及び前記封着材からなる封着基板に放電 スが充填されたプラズマディスプレイパネ の製造装置において、前記前面基板となる 板に前記保護層が形成され、前記前面基板 形成される成膜室と、前記背面基板が加熱 れ、前記背面基板に吸着した水が除去され 脱ガス室と、前記成膜室と前記脱ガス室が 続され、エアロック機能を備えた搬送室と 前記搬送室を介して前記成膜室から搬入さ た前記前面基板と、前記搬送室を介して前 脱ガス室から搬入された前記背面基板が重 合わされ、重ね合わされた前記前面基板と 記背面基板が仮に固定され、仮に固定され 前記背面基板の排気口の周囲に排気管が装 される基板重ね合わせ室と、前記前面基板 前記背面基板が気密接着される60℃以上280℃ 以下の封着温度まで、仮に固定された前記前 面基板及び前記背面基板が加熱され、仮に固 定された前記前面基板と前記背面基板の温度 が前記封着温度に保持され、前記前面基板、 前記背面基板、及び前記排気管が、気密接着 されて前記封着基板が形成され、
 前記封着温度において前記排気管を通して 記封着基板が排気され、前記封着温度にお る前記放電ガスの圧力より高い圧力を有す 気体中で、前記封着温度に保持された前記 封着基板に前記放電ガスが充填され、
 前前記排気管が密封される封着-排気-放電 ス充填室を具備し、前記前面基板及び前記 面基板を、前記保護層の形成後、前記前面 板及び前記背面基板が大気に曝されずに処 されることを特徴とする。

 本発明に係るPDPによれば、前面基板及び 面基板を大気に曝さずに処理するPDPの製造 法において、前面基板と背面基板の形成か 封着基板の密封までの全工程を、一の処理 内で行うことができる。従って、本発明に れば、処理室の少ない小型及び低価格な製 装置でPDPを製造することができる。

 また、本発明によれば、前面基板と背面 板の封着後、その温度を下げずに放電ガス 充填することができるので、PDPの製造時間 短くなり生産性が向上する。

実施の形態例1におけるPDPの製造方法を 説明する工程図である。 実施の形態例1及び実施例1で製造され PDPの断面図である。 実施の形態例2及び実施例2におけるPDP 造装置の概略図である。 実施例1におけるPDPの製造方法を説明す る工程図である。 実施例1における各基板の状態を、時間 を追って示す図である。 関連技術におけるPDP製造装置の概略図 ある。 関連技術におけるPDPの製造工程を説明 る図である。 関連技術における各基板の状態を、時 を追って説明する図である。

符号の説明

2     関連技術におけるPDP製造装置    4     成膜室
6     脱ガス室    8     前面基板前工 程設備
10   背面基板前工程設備  12 搬送室
14   基板重ね合わせ室   16 封着-排気室
18   放電ガス充填室    20 取り出し室
22   実施の形態例1及び実施例1におけるPDP
24   前面基板  25 保護膜  26 背面基板
27   隔壁  28 封着材  29   排気管
30   封着基板  31 排気口
32   実施の形態例2及び実施例2におけるPDP 造装置
34   封着-排気-放電ガス充填室   36 前面 板の温度
38   背面基板の温度  40   封着基板内の 力
42   ガス供給装置  44 真空排気装置

 以下,図面にしたがって本発明の実施の形 態について説明する。但し,本発明の技術的 囲はこれらの実施の形態に限定されず,特許 求の範囲に記載された事項とその均等物ま 及ぶものである。

 (実施の形態例1)
 本実施の形態例は、前面基板と背面基板を 気に曝さずに行うプラズマディスプレイパ ルの製造方法であって、大型で高価な製造 置を必要とせず且つ高い生産性を有するプ ズマディスプレイパネルの製造方法に係る のである。

 本実施の形態例では、60℃以上280℃以下 封着温度で前面基板と背面基板を気密接着 て、封着基板を形成する。このようにする によって封着基板に対して排気終了直後の 電ガスの充填が可能になり、その結果、一 プロセス用PDP製造装置の小型化及び低価格 が可能となる。更に、PDPの生産性が向上す 。

 (1)本実施の形態例で製造されるPDP
 図2は、本実施の形態例で製造されるPDPの断 面図である。

 本実施の形態例で製造されるPDP22は、放 に対する保護層25で覆われた前面基板24と、 面基板24に対向するように配置された背面 板26と、前面基板24と背面基板26を、夫々の 周部で気密接着する封着材28によって構成さ れている。

 そして、本実施の形態例で製造されるPDP2 2では、前面基板24、背面基板26、及び封着材2 8からなる封着基板30に放電ガスが充填されて いる。

 (2)製造方法
 図1は、本実施の形態例におけるPDPの製造方 法を説明する工程図である。

 本実施の形態例におけるPDPの製造方法で 、まず、保護層で覆われる前の基板を保護 で覆い、前面基板24を形成する(第1の工程)

 次に、第1の工程で形成された前面基板24 背面基板26を、封着材28によって、60℃以上2 80℃以下の封着温度で気密接着して封着基板 形成する(第2の工程)。

 次に、この封着温度において、第2の工程 で形成した封着基板28を排気する(第3の工程)

 次に、上記封着温度において、第3の工程 で排気した封着基板28に放電ガスを充填し、 着基板を密封する(第4の工程)。

 そして本実施の形態例では、第1の工程か ら第4の工程に至る全ての工程を、前面基板 び背面基板を大気に曝されないで行う。

 (3)原理
 このように本実施の形態例では、60℃以上28 0℃以下の封着温度で前面基板24と背面基板26 気密接着して、封着基板30を形成する。こ 低温で行う気密接着工程により、封着基板 対して排気終了直後の放電ガスの充填が可 になる。その結果、一貫プロセス用PDP製造 置の小型化及び低価化が可能となる。

 図6に示す一貫プロセス用PDP製造装置(関 技術)では、排気のため加熱した封着基板30 室温に冷却してから、放電ガスを充填する これは、高温で放電ガスを充填すると、PDP 温度が室温に下がった時、放電ガスの圧力 充填時より低くなってしまうためである。

 この問題を解決するためには、室温にお るPDP内の放電ガスの圧力(53kPa~80kPa)より高圧 にした放電ガスを、加熱された封着基板30に 填すればよい。

 ところで、PDP動作時(室温)の放電ガスの 力は、53kPa以上が好ましい。これ以下の圧力 では、放電の効率が悪く、発生する紫外線の 量が少ないためである。すなわち、放電ガス の圧力が53kPaより小さいと、表示される画像 輝度が不十分になる。また、放電ガスの圧 が高すぎると放電が安定しないので、放電 スの圧力は80kPaが好ましい。

 上述した関連技術では、排気中の封着基 の温度は約400℃である。室温で53kPaの放電 スを400℃に加熱すると、圧力は、状態方程 から明らかなちょうに、120kPaすなわち1.2気 になる。このため、封着基板30には、内側か ら外側に向かう圧力(内圧)が加わる。

 PDPは、大気圧によって外部から圧力を受 ている状態で、その構造が保たれるように 計されている。このため、封着基板は1.2気 という大きな内圧に耐えることはできない 従って、上記関連技術では、封着基板を室 まで、冷却してから放電ガスを充填してい 。

 ところで、充填された放電ガスの圧力に すためには、封着基板30に外部から圧力(ガ 圧力)を加えればよい。しかし、一貫プロセ ス用PDP製造装置2の構造は、基本的には真空 置と同じである。

 従って、放電ガス充填室18内部のガス圧 を、1気圧以上にすることは困難である。す わち、放電ガス充填室18内部の達成可能な 力の最高値は、1気圧である。従って、封着 板30に1.2気圧の放電ガスを充填すると、封 基板30内部の気圧(1.2気圧)が達成可能な外部 力(1.0気圧)を上回ってしまう。故に、400℃ 加熱された、排気工程直後の封着基板30に、 室温における53kPaに相当する1.2気圧(120kPa)の 電ガスを充填することは困難である。

 これに対して、本実施の形態例では、排 温度(=封着温度)を280℃以下にすることによ て、室温で53kPaの放電ガスの圧力が排気温 において84kPaすなわち1気圧(101.325kPa)以下に るようにした。従って、放電ガスを充填す 処理室のガス圧力を例えば1気圧にすれば、 着基板30の外圧(外側から内側に向かう圧力) を内圧より高くすることができる。

 ここで封着温度が低いほど、充填時の放 ガスの圧力が低くなるので好ましい。また 封着温度が低いほど、室温における放電ガ の圧力を高くすることができる。従って、 えば、封着温度は、200℃以下が好ましく、 に好ましくは、100℃以下である。

 但し、封着基板を加熱して行う排気工程 同一処理室内で行おうとすると、封着温度 極端に低くすることはできない。もし室温 封着しようとするならば、排気処理によっ 発生する熱を避けるため封着専用の処理室 設けなければならなくなる(或いは、処理室 を大型化しなけらばならない。)。従って、 着温度は、60℃以上が好ましく、更に好まし くは75℃以上であり、最も好ましくは100℃以 である。

 従って、封着温度としては、例えば、280 以下60℃以上が好ましく、更に好ましくは 200℃以下175℃以上であり、最も好ましくは15 0℃以下100℃以上である。

 以上説明したように、封着温度を280℃以 とする本実施の形態例では、封着基板に対 て排気終了直後放電ガスの充填が可能にな 。このため、本実施の形態例では、封着基 の形成(第2の工程)から封着基板の密封(第4 工程)までを同じ処理室で行うことができる 従って、関連技術のPDP製造装置2には必須の 放電ガス充填室18が不要となる。故に、本実 の形態例で使用する一貫プロセス用PDP製造 置2は、小型化及び低価格化が容易である。

 また、本実施の形態例の製造方法によれ 、封着基板30をPDP製造装置内で室温に冷却 る必要がないので、PDPの製造時間(リードタ ム)が短縮され、PDPの生産性が向上する。

 ところで、上記第2の工程~第4の工程を、 ずしも、全て同じ温度で行う必要はない。 一処理室に、異なる領域が形成され、夫々 領域で、封着(第2の工程)、排気(第3の工程) 及び放電ガスの充填(第4の工程)で行っても い。但し、このような方法は、夫々の領域 温度差が大きい場合には、装置の大型化を くので好ましくない。

 すなわち、保護層で覆われる前の基板を 護層で覆い、この基板を形成する第1の工程 と、第1の工程で形成された前面基板と背面 板を、封着材によって、60℃以上280℃以下の 封着温度で気密接着して封着基板を形成する 第2の工程と、60℃以上封着温度以下の第1の 度において、第2の工程で形成した封着基板 排気する第3の工程と、60℃以上封着温度以 の第2の温度において、第3の工程で排気し 封着基板に放電ガスを充填し、封着基板を 封する第4の工程によって、PDPを製造しても い。

 (3)製造方法の変形例
 本実施の形態例を実行するためには、60℃ 上280℃以下の封着温度で、前面基板と背面 板を気密接着できる封着材が必要である。 のような、封着材としては、錫と鉛を主成 とする半田、錫と銅を主成分とする半田、 び錫と銀を主成分とする半田等がある。

 また、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、及 熱可塑性樹脂などの樹脂も、本実施の形態 における封着材として使用することができ 。例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂 多くは、軟化温度が60~150℃であり、本実施 形態例の封着材として好ましい。紫外線硬 樹脂を封着材として使用すると、100℃以下6 0℃以上の封着も可能になる。

 また、本実施の形態例は、放電ガスの充 中、封着基板の内圧が外圧より高くならな ように、上記第4の工程を、放電ガスを充填 する時の放電ガスの圧力以上であって且つ1 圧以下の気体中で行うことができる。

 また、本実施の形態例では、第2の工程及 び第4の工程を、乾燥させた窒素ガス又は乾 させた不活性ガス中で行うようにしてもよ 。

 また、本実施の形態例では、第3の工程を 真空中で行い、第2及び第4の工程を、乾燥さ た窒素ガス又は乾燥させた不活性ガス中で うようにしてもよい。尚、乾燥させた窒素( 乾燥窒素)または乾燥させた不活性ガス(乾燥 活性ガス)の露点は、-20℃以下(且つ-273℃以 )が好ましく、更に好ましくは-60℃以下(且 -273℃以上)であり、最も好ましくは-100℃以 (且つ-273℃以上)である。

 尚、第1乃至第3の工程を真空中で行い、第4 工程を乾燥させた窒素ガス又は乾燥させた 活性ガス中で行うようにしてもよい。
(実施の形態例2)
 本実施の形態例は、前面基板と背面基板を 気に曝さずに行うプラズマディスプレイパ ルの製造装置であって、小型且つ安価でし も高い生産性を有する一貫プロセス用PDP製 装置に係るものである。

 (1)製造されるPDP
 本実施の形態例におけるPDP製造装置によっ 製造されるPDPは、本実施の形態例1において 製造されるPDPと同じものである。

 (2)製造装置
 図3は、本実施の形態例における一貫プロセ ス用PDP製造装置の概略図である。

 本実施の形態例における一貫プロセス用P DP製造装置は、前面基板となる基板に保護層 形成される成膜室4を備えている。

 更に、本実施の形態例における一貫プロ ス用PDP製造装置は、上記第2の工程(封着)か 第4の工程(放電ガス充填)が一貫して行われ 封着-排気-放電ガス充填室34を備えている。 すなわち、本実施の形態例における一貫プロ セス用PDP製造装置は、成膜室4から搬入され 前面基板と背面基板が、封着材によって60℃ 以上280℃以下の封着温度で気密接着されて、 封着基板が形成され、上記封着温度において 、気密接着された封着基板が排気され、上記 封着温度において、排気された封着基板に放 電ガスが充填され、放電ガスが充填された封 着基板が密封される封着-排気-放電ガス充填 34を備えている。

 そして、本実施の形態例における一貫プ セス用PDP製造装置は、保護層の形成後、前 基板及び背面基板が大気に曝されずに処理 れることを特徴とする。尚、搬送室12及び り出し室20については、下記実施例2におい 説明する。

 このように、本実施の形態例における一 プロセス用PDP製造装置では、前面基板と背 基板の封着、封着基板の排気、封着基板へ 放電ガスの充填、及び封着基板の密封が、 着-排気-ガス充填室34で全て行われる。従っ て、本実施の形態例に係る一貫プロセス用PDP 製造装置は、これらの工程を1つの処理室で うので処理室の数が少ない。従って、本実 の形態例に係る一貫プロセス用PDP製造装置 、小型且つ安価である。

 本実施の形態例に係る一貫プロセス用PDP 造装置では、室温ではなく封着温度で封着 板に放電ガスを充填する。従って、本実施 形態例におけるPDP製造装置では、完成したP DPを室温まで冷却することなく、装置外に取 出すことができる。従って、PDPの製造時間( リードタイム)が短縮され、PDPの生産性が向 する。

 尚、封着温度は、低いほど好ましい。例 ば、280℃以下が好ましく、更に好ましくは 200℃以下以上であり、最も好ましくは150℃ 下である。但し、封着基板を加熱して行う 気工程を同一処理室(封着-排気-放電ガス充 室)内で行うので、封着温度を極端に低くす ることはできない。もし室温で封着しようと するならば、排気処理工程によって発生する 熱を避けるため封着専用の処理室を設けなけ ればならなくなる(或いは、処理室を大型化 なければならない。)。従って、封着温度は 60℃以上が好ましく、更に好ましくは75℃以 上であり、最も好ましくは100℃以上である。

 従って、封着温度としては、例えば、280 以下60℃以上が好ましく、更に好ましくは 200℃以下175℃以上であり、最も好ましくは15 0℃以下100℃以上である。

 ところで、封着、排気、放電ガスの充填 、必ずしも、全て同じ温度で行う必要はな 。封着-排気-放電ガス充填室34の中に、異な る領域を形成し、夫々の領域で、封着、排気 、放電ガスの充填、及び排気管の密封を行う ようにしてもよい。但し、このような方法は 、夫々の領域の温度差が大きい場合には、装 置の大型化を招くので好ましくない。

 すなわち、保護層が形成される成膜室4と 、この成膜室から搬入された前面基板と背面 基板が、封着材によって60℃以上280℃以下の 着温度で気密接着されて、封着基板が形成 れ、60℃以上で封着温度以下の第1の温度に いて、封着室から搬入された封着基板が排 され、60℃以上で封着温度以下の第2の温度 おいて、排気された封着基板に放電ガスが 填され、放電ガスが充填された封着基板が 封される封着-排気-放電ガス充填室を具備 、保護層の形成後、前面基板及び前記背面 板が大気に曝されずに処理される一貫プロ ス用PDP製造装置であってもよい。

 (3)変形例
 本実施の形態例における一貫プロセス用PDP 造装置では、封着排気放電ガス充填室34に 封着-排気-放電ガス充填室の内部を0.52気圧(5 3kPa)以上1気圧(101kPa)以下の気体で満たすガス 給装置42を接続してもよい。このようにす ば、放電ガス充填中の封着基板に、放電ガ の圧力以上の外圧を加えることができる。

 また、封着-排気-放電ガス充填室32に、乾 燥させた窒素ガス又は乾燥させた不活性ガス を供給するガス供給装置42が接続してもよい このようにすれば、封着、排気、放電ガス 充填、及び排気管の密封を、乾燥窒素また 乾燥不活性ガス中で行うことができる。

 また、封着排気放電ガス充填室に、乾燥 せた窒素ガス又は乾燥させた不活性ガスを 給するガス供給装置42及び真空排気装置49を 接続してもよい。このようにすれば、封着、 放電ガスの充填、及び排気管の密封を、乾燥 窒素又は乾燥不活性ガスの中おいて行うこと ができる。そして、封着基板の排気を、真空 中で行うことができる。或いは、放電ガスの 充填以外の処理を、真空中で行ってもよい。

 本実施例は、前面基板と背面基板を大気 曝さずに行うプラズマディスプレイパネル 製造方法であって、大型で高価な製造装置 必要とせず且つ高い生産性を有するプラズ ディスプレイパネルの製造方法に係るもの ある。

 (1)PDPの構造
 図2は、本実施例において製造するPDPの構造 の断面図である。

 本実施例において製造するPDP22は、放電 対する保護層25で覆われた前面基板24と、前 基板24に対向するように配置された背面基 26と、前面基板24と背面基板26を、夫々の外 部で気密接着する封着材28によって構成され ている。

 前面基板24は、第1のガラス基板上に、維 電極及び走査電極、第1の誘電体、及び例え ばMgOからなる上記保護層が下から順番に形成 されている。

 また、背面基板26は、第2のガラス基板上 、アドレス電極及び第2の誘電体が下から順 に形成されている。第2の誘電体の上には隔 27が形成され、隔壁27の側面及び第2の誘電体 の表面には、蛍光体が形成されている。

 また、封着材(シール材)28は、錫(63%)と鉛( 37%)からなる半田である。この半田の融点は 183℃である。そして、前面基板24、背面基板 26、及び封着材からなる封着基板30には、例 ば、53kPa(400Torr)のNe-Xe等の放電ガスが充填さ ている。

 (2)製造方法
 図4は、本実施例におけるPDPの製造方法を説 明する工程図である。

 本実施例では、まず、保護層形成前の前 基板24と背面基板26を作製する。次に、図3 示すPDP製造装置で、前面基板24と背面基板26 気密接着して封着基板30を形成し、更に、 着基板30に放電ガスを充填する。

 保護層形成前の前面基板24は、次のよう して形成する。

 まず、第1のガラス基板に走査電極と維持 電極を形成する(S1)。次に、走査電極と維持 極の形成された、第1のガラス基板に、第1の 誘電体を形成する(S2)。このような工程(前面 板前工程)により、保護層形成前の前面基板 24が形成される。

 背面基板26は、次のようにして形成する

 まず、第2のガラス基板にアドレス電極を 形成する(S3)。次に、アドレス電極の形成さ た、第2のガラス基板に、第2の誘電体を形成 する(S4)。次に、第2の誘電体の上に、隔壁27 形成する(S5)。次に、隔壁27の側面及び、第2 誘電体の表面に蛍光体層を形成する(S6)。次 に、第2のガラス基板の外周部に、錫(63%)と鉛 (37%)からなる半田(融点183℃)を塗布する(S7)。 のような工程(背面基板前工程)により、背 基板26が形成される。

 以後の工程は、図3に示すPDP製造装置内で 行う。

 図5は、前面基板等の状態(温度、内圧)を 程の進行状況に対応させて記載したもので る。縦軸は、温度及び圧力である。横軸は 工程の進行状況を示している。

 すなわち、図5には、前面基板の温度36、 面基板の温度38、及び封着基板30内の気体の 圧力40が示されている。また、図5には、これ らの温度または圧力が何れの工程におけるも のであるかを示すため、夫々の工程を表す符 号S10~S90(図4参照)が記載されている。更に、 々の工程が一貫プロセス用PDP製造装置32の何 れの処理室で行われるものかを示すため、図 5の上部には、各処理室をに付された符号(図3 参照)が記載されている。

 まず、成膜室4で、S1~S2の工程を施したガ ス基板(保護層で覆われる前の基板)をMgOか なる保護層25で覆い、前面基板24を形成する( 第1の工程;S10)。例えば、真空に排気した成膜 室4で、250℃に加熱した上記ガラス基板(S1~S2 工程を施したガラス基板)に、MgOを電子ビー 蒸着法によって蒸着し保護層25を形成する

 同時に、真空に排気した脱ガス室6で、背 面基板26を500℃に加熱し、背面基板26に吸着 た水を除去する(第2の工程;S20)。

 次に、基板重ね合わせ室14で、第1の工程 形成された前面基板24と第2の工程を経た背 基板26を重ね合わせ、重ね合わせた前面基 24と背面基板26を仮に固定する(第3の工程;S30) 。例えば、前面基板24及び背面基板26の四隅 設けられたマーカーに基づいて位置合せ(ア イメント)を行った後、両者を重ね合わせる 。その後、位置がズレないように、重ね合し た前面基板及び背面基板を、耐熱性のクリッ プで仮に留める。

 次に、基板重ね合わせ室14で、仮に固定 た背面基板26に設けられた排気口31の周囲に 気管29(チップ管)を装着する(第4の工程;S40) 但し、この時点では、排気管29は、まだ密封 されていない。すなわち、排気管29は、まだ 端が開放された一本の管である。

 重ね合わせ(S30)及び排気管装着(S40)は、前 面基板24及び背面基板26を室温(約25℃)に冷却 た後行う。尚、重ね合わせ室は、乾燥窒素 満たされている。この乾燥窒素の圧力は、 気圧すなわち1.0気圧である。その都度説明 ないが、以後の説明に出てくる乾燥窒素の 力は、特に明記しない限り1気圧である。

 次に、封着-排気-ガス充填室34で、第4の 程を経た前面基板及び背面基板の温度を、 面基板と背面基板を気密接着する60℃以上280 ℃以下の封着温度まで加熱する(第5の工程;S50 )。本実施例では、封着材28として用いる上記 半田の融点が183℃なので、前面基板24及び背 基板26を200℃に加熱する。

 次に、封着-排気-ガス充填室34で、第5の 程で加熱された前面基板と背面基板の温度 封着温度(200℃)に保持し、前面基板と背面基 板を気密接着して封着基板を形成する(第6の 程;S60)。

 次に、背面基板26に装着されている排気 を、封着-排気-ガス充填室34に設けられた排 ポートに接続する。この排気ポートを通し 、封着温度(200℃)において、第6の工程で形 した封着基板30を排気する(第7の工程;S70)。

 封着-排気-ガス充填室34は、パネル加熱(S5 0)及び封着(S60)の間、乾燥窒素(大気圧)で満た されている。一方、封着基板の排気工程(S70; ネル内排気)の間、封着-排気-ガス充填室34 、真空に排気されている。

 次に、封着-排気-ガス充填室34を乾燥窒素 で満たし、封着温度(200℃)に加熱された封着 板30にNe-Xeからなる放電ガスを充填する(第8 工程;S80)。充填する放電ガスの圧力は、84kPa (室温では53kPa)である。一方、封着-排気-ガス 充填室34は1気圧(101kPa)の乾燥窒素で満たされ いる。従って、封着基板30には外側から内 に圧力が加わっている。このため、封着基 30の気密が破れるようなことはない。尚、乾 燥窒素の圧力は、封着温度における放電ガス の圧力以上で1気圧以下であればよい。

 次に、封着-排気-ガス充填室34で、第8の 程の後、排気管29を密封する(第9の工程を;S90 )。例えば、ガラスからなる排気管をガスバ ナで封じきる。この時点で、PDPの構造は完 する。

 次に、以上のように形成したPDPを取り出 室20に移動し、封着材28が固化したらPDPを一 貫プロセス用PDP製造装置32から取り出す。例 ば、本実施例では封着材28に融点183℃の半 を使用しているので、温度が150℃に下がっ からPDPを取り出す。

 このように本実施例では、第1の工程から 第9の工程に至る全ての工程を、前面基板及 背面基板を大気に曝されないで行う。従っ 、保護層に水が殆ど吸着しないので、放電 始電圧等が経時変化することがない。その 果、放電ガス充填後のエージングが不要に る。

 そして、本実施例では、吸着した水を排 するために加熱した封着基板を冷却せずに そのまま放電ガスを充填し、その後排気管 密封している。従って、本実施例におけるP DPの製造方法を実施するために、封着基板30 室温まで冷却するための特別な処理室(例え 、上記関連技術における放電ガス充填室18) 備えた製造装置を用意する必要がない。こ ため、本実施例によれば、一貫プロセス用P DP製造装置を小型化及び低価格化することが きる。また、封着基板30を製造装置内で室 まで冷却する必要がないので、製造時間も くなり生産性が向上する。なお、本実施例 は、封着材固化後のPDPの冷却は、一貫プロ ス用PDP製造装置32の外で行う。

 また、本実施例では、封着温度が200℃と 後述する関連技術の400℃より遥かに低い。 って、前面及び背面基板を封着温度に加熱 る基板加熱装置(図示せず)を簡易化できる この点からも、一貫プロセス用PDP製造装置 小型化及び低価格化が容易になる。更に、 着温度へ前面及び背面基板基板を加熱する 間も短縮できるので、PDPの製造時間が短く り生産性が向上する。更に、基板加熱のた の電力コストも削減できる。

 また、上述したように一貫プロセス用PDP 造装置32を小型化できるので、トラブル発 時に装置内で処理しているPDPの数が少なく る。このため、トラブル発生時の損害が少 くなる。

 (比較例)
 比較のため、上述した関連技術で説明したP DP製造装置を使用して行われる一貫プロセス ついて説明する。

 (1)本比較例で製造されるPDP
 本実施例で製造するPDPの構造は、実施例1で 製造するPDPと略同じである。ただし、封着材 28が、実施例1では錫(63%)と鉛(37%)からなる半 であるのに対して、本比較例ではフリット ラス(融点400℃)である点で相違する。

 (2)製造方法
 図7は、本比較例における一貫プロセスの工 程図である。

 図8は、前面基板等の状態(温度、内圧)を 程の進行状況に対応させて記載したもので る。すなわち、図8には、前面基板の温度36 背面基板の温度38、及び封着基板内の圧力40 が示されている。また、図8には、これらの 度または気圧が何れの工程におけるもので るかを示すため、夫々の工程を表す符号S10~S 150(図4参照)が記載されている。更に、夫々の 工程が一貫プロセス用PDP製造装置32の何れの 理室で行われるものかを示すため、図8の上 部には、各処理室をに付された符号(図7参照) が記載されている。

 本比較例における製造方法は、背面基板2 8に排気管29(チップ管)を装着するチップ管装 工程(S40)までは、実施例1の製造方法と略同 である。但し、背面基板26を構成するガラ 基板の外周部に塗布する封着材が、半田で なくフリットガラスである点で相違する(S7)

 以下、チップ管装着工程(S40)以降の工程 ついて説明する。

 まず、封着-排気室16で、前面基板24及び 面基板26の温度を、前面基板と背面基板を気 密接着する封着温度まで加熱する(S100)。本比 較例では、封着材28として使用するフリット ラスの融点が400℃なので、前面基板24及び 面基板26を400℃に加熱する。

 次に、封着-排気室16で、前面基板24と背 基板26の温度を封着温度(400℃)に保持し、前 基板と背面基板を気密接着して封着基板30 形成する(S110)。

 この時点ではまだ、封着-排気室16は1気圧 の乾燥窒素によって満たされている。

 次に、封着基板30の温度を封着温度(400℃) に保ったまま、封着-排気室16を排気する。封 着-排気室16を排気することによって、封着基 板30も、排気管29を通して同時に排気される

 次に、封着基板30を真空に排気された放 ガス充填室18に搬送し、室温(約25℃)まで冷 する(S130)。

 次に、背面基板26に装着されている排気 29を、放電ガス充填室18に設けられた排気ポ トに接続し、封着基板30を排気する。次に 放電ガス充填室18を乾燥窒素で満たす。次に 、封着基板30にNe-Xeからなる放電ガスを充填 る(S140)。充填する放電ガスの圧力は、53kPa(40 0Torr)である。

 その後、ガラスからなる排気管をガスバ ナで封じきり、排気管を密封する(S150)。こ 時点で、PDPの構造が完成する。

 次に、以上のように形成したPDPを取り出 室20に移動し、封着材28が固化したらPDPを一 貫プロセス用PDP製造装置2から取り出す。

 このように本比較例では、高温(400℃)に 熱された封着-排気室16とは別に放電ガス充 室18を設け、封着基板30の冷却及び放電ガス 充填を行っている。従って、PDP製造装置が 型且つ高価なものになる。また、排気後、 着基板30を放電ガス充填室18で室温まで冷却 するので、製造時間が長くなり生産性も低下 する。

 また、本比較例では、基板加熱温度(封着 温度)が400℃と高温である。従って、大型の 板加熱装置を、封着-排気室16に設けなけれ ならない。この点からも、製造装置が、大 且つ高価なものになる。更に、基板加熱の めの電力コストも高くなる。

 また、本比較例の製造装置は大型なので 装置にトラブルが発生した場合、装置内で 理しているPDPの数が多くなる。このため、 ラブル発生時の損害も大きくなる。

 本実施例は、前面基板と背面基板を大気 曝さずに行うプラズマディスプレイパネル 製造装置であって、小型且つ安価でしかも い生産性を有するPDP製造装置に係るもので る。

 (1)PDPの構造
 本実施例に係る低温一貫プロセス用PDP製造 置で製造されるPDPは、実施例1で説明したPDP と同じものである。

 (2)製造装置
 図3は、本実施例における低温一貫プロセス 用PDP製造装置(以下、単に本実施例のPDP製造 置と呼ぶ)の概略図である。

 本実施例におけるPDP製造装置は、前面基 となる基板に保護層が形成され、前面基板 形成される成膜室4を備えている。

 また、本実施例におけるPDP製造装置は、 面基板が加熱され、背面基板に吸着した水 除去される脱ガス室6を備えている。

 成膜室4及び脱ガス室6とも排気装置が接 されており、両処理室とも真空に排気する とができる。

 成膜室4は、(保護層形成前の)前面基板を 成する前面基板前工程設備8が一端に接続さ れている。一方、脱ガス室6は、背面基板を 成する背面基板前工程設備10が一端に接続さ れている。

 成膜室4には、MgOを蒸発源とする電子ビー ム蒸着装置と基板を250℃に加熱可能な加熱装 置とが設けられている。従って、前面基板24 250℃に加熱した状態で、MgO保護層を(保護層 形成前の)前面基板に形成することができる

 一方、脱ガス室6には、基板を500℃に加熱 可能な加熱装置が設けられている。従って、 背面基板26を500℃に加熱して、吸着した水等 除去する脱ガス処理を行うことができる。

 また、本実施例のPDP製造装置2は、成膜室 4と脱ガス室6の他端が接続され、エアロック 能を備えた搬送室12を備えている。

 すなわち、前面基板(又は、背面基板)は 搬送室12のエアロック機能によって、次のよ うにして成膜室4(又は脱ガス室6)から基板重 合せ室14に搬送される。

 まず、搬送室12の内部の状態を、成膜室4( 又は脱ガス室6)と同じ状態(例えば、真空)に てから、成膜室4(又は脱ガス室6)と搬送室12 間の扉を開けて、前面基板(又は、背面基板) を搬送室12に搬入する。次に、成膜室4(又は ガス室6)と搬送室12の間の扉を閉じ、搬送室1 2の内部の状態を、基板重ね合わせ室14と同じ 状態(例えば、乾燥窒素ガスで満たされた状 )にする。その後、搬送室12と基板重ね合わ 室12の間の扉を開けて、前面基板(又は、背 基板)を基板重ね合わせ室14に搬送する。最 に、搬送室12と基板重ね合せ室14の間の扉を じる。

 また、本実施例のPDP製造装置32は、基板 ね合わせ室14を備えている。基板重ね合わせ 室14には、前面基板24と背面基板26を位置合せ して重ね合わせる、基板重ね合わせ装置が設 けられている。また、背面基板26に設けられ 排気口31の周囲に、排気管を装着する排気 装着装置も設けられている。また、基板重 合わせ室14には乾燥窒素供給装置が接続され ており、基板重ね合わせ室14を乾燥窒素で満 すことができるようになっている。

 従って、基板重ね合わせ室14では、搬送 12を介して成膜室4から搬入された前面基板 同じく搬送室12を介し脱ガス室6から搬入さ た背面基板が重ね合わされ、重ね合わされ 前記前面基板と前記背面基板がクリップ等 仮に固定される。仮に固定された前記背面 板には、排気管(チップ管)が装着される。こ れらの処理は、乾燥窒素ガス中で行われる。

 すなわち、本実施例のPDP製造装置32は、 送室を介して成膜室から搬入された前面基 と、搬送室を介して脱ガス室から搬入され 背面基板が重ね合わされ、重ね合わせた前 基板と背面基板が仮に固定され、仮に固定 れた背面基板に設けられた排気口の周囲に 気管が装着される基板重ね合わせ室を備え いる。

 また、本実施例のPDP製造装置32は、封着- 気-放電ガス充填室34を備えている。封着-排 気-放電ガス充填室34は、室温から封着材の融 点以上の封着温度(例えば200℃)まで除々に温 が上昇する第1の領域と、その後に続く温度 が封着温度に保たれる第2の領域で構成され いる。また、第2の領域には、排気ポートが けられている。排気ポートには第1の真空排 気装置と放電ガス供給装置が接続されている 。更に、第2の領域には、排気管を封じきる ガスバーナからなるチップオフ装置が設け れている。また、封着-排気-放電ガス充填室 34には、乾燥窒素供給装置(ガス供給装置42)と 第2の真空排気装置44が接続されている。

 封着-排気-放電ガス充填室34に搬入された 、仮に固定された前面基板と背面基板は、上 記第1の領域を移動する間に、封着温度(例え 、200℃)に加熱される。封着温度への加熱過 程で封着材は溶融し、冷却時に前面基板と背 面基板を封着できる状態になる。この間、上 記封着-排気-放電ガス充填室34は、上記ガス 給装置42によって供給される乾燥窒素で満た されている。

 次に、仮に固定された前面基板と背面基 は、第2の領域に移動する。第2の領域では まず、排気管が排気ポートに接続される。 に、気密接着された封着基板(但し、封着材 未だ固化していない)と封着-排気-放電ガス 填室34が、同時に排気される。ここで封着 板30は、排気ポートに接続された第1の真空 気装置によって排気される。一方、封着-排 -放電ガス充填室34は、封着-排気-放電ガス 填室34に接続された第2の真空排気装置によ て排気される。

 次に、封着-排気-放電ガス充填室34に上記 乾燥窒素供給装置から乾燥窒素が導入され、 封着基板に窒素ガスの圧力が加えられる。一 方、封着基板30には、放電ガス(例えば、Ne-Xe) が充填される。放電ガスの充填は、排気ポー トに接続された上記放電ガス供給装置によっ て行われる。その後、排気管が、上記チップ オフ装置によってチップオフされる。

 すなわち、本実施例のPDP製造装置32は、 面基板24と背面基板26が気密接着される60℃ 上280℃以下の封着温度まで、仮に固定され 前面基板24及び背面基板26が加熱され、仮に 定された前面基板24と背面基板26の温度が封 着温度に保持され、前面基板24、背面基板26 及び排気管29が、気密接着されて封着基板30 形成され、封着温度において排気管29を通 て封着基板30が排気され、封着温度における 放電ガスの圧力より高い圧力を有する気体中 で、封着温度に保持された封着基板30に放電 スが充填され、排気管29が密封される封着- 気-放電ガス充填室32を備えている。

 また、本実施例のPDP製造装置2は、エアロ ック機能を備えた取り出し室20を備えている

 取り出し室20には、放電ガスが充填され 気管が密封された封着基板すなわちPDPが搬 される。このPDPは、封着材の融点以下の温 になるまで取り出し室20に待機させられ、そ の後取り出される。

 このように本実施例のPDP製造装置32では 実施例1で説明した第1の工程から第8の工程 至る全ての工程を、前面基板及び背面基板 大気に曝されないで行う。従って、保護層 水が殆ど吸着しないので、放電開始電圧等 経時変化しない。その結果、放電ガス充填 のエージングが不要になる。

 そして、本実施例のPDP製造装置では、一 処理室すなわち封着-排気-放電ガス充填室34 において、封着、排気、放電ガスの充填及び 排気管の密封(チップオフ)が行なわれる。従 て、本実施例におけるPDPの製造装置は、小 且つ低価格である。

 また、本実施例のPDP製造装置では、封着 板30を装置内で室温まで冷却しない。従っ 、本実施例におけるPDP製造装置に用いてPDP 製造すれば、製造時間も短くなり生産性が がる。

 また、本実施例のPDP製造装置では、封着 度が200℃と関連技術の400℃より遥かに低い 従って、封着-排気-放電ガス充填室34に設け られる加熱装置は簡易なものでよい。従って 、本実施例のPDP製造装置は、この点からも小 型及び低価格になる。

 本実施例のPDP製造装置では、封着温度が いので、仮に固定された前面基板と背面基 を封着温度まで加熱する第1の領域は短くて もよい。従って、基板加熱時間が短くなるの で、この点からもPDPの製造時間が短くなり生 産性が向上する。更に、基板加熱のための電 力コストも削減できる。

 また、本実施例のPDP製造装置は小型なの 、装置にトラブルが発生した時に装置内で 理しているPDPの数が少なくい。このため、 ラブル発生時の損害が少なくなる。

 本発明は、電気機器の製造業、特に、プ ズマディスプレイパネルの製造業で利用可 である。