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Title:
PROCESS FOR MANUFACTURING TOTAL HEAT EXCHANGER ELEMENT AND TOTAL HEAT EXCHANGER ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129669
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for manufacturing a total heat exchanger element, the total heat exchanger element having a sheet-shaped divider member provided on its both sides with spacing retention members so that flow channels are formed and that heat exchange through the divider member is carried out between an air stream flowing through the flow channel formed on one side of the divider member and an air stream flowing through the flow channel formed on the other side of the divider member, which process comprises joining the divider member with the spacing retention members with the use of a water solvent adhesive having a water-soluble moisture absorbentdissolved therein. Accordingly, even when the divider member and the spacing retention members are not provided in advance with a moisture absorbent by impregnation or adhesion, there can be obtained a total heat exchanger element containing a desirable amount of moisture absorbent. As a result, breakage or deformation of the divider member and spacing retention members in the manufacturing process can be inhibited to thereby realize a productivity increase.

Inventors:
IMAI TAKANORI (JP)
ARAI HIDEMOTO (JP)
TAKADA MASARU (JP)
SUGIYAMA YOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/058369
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 17, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
IMAI TAKANORI (JP)
ARAI HIDEMOTO (JP)
TAKADA MASARU (JP)
SUGIYAMA YOICHI (JP)
International Classes:
F28D9/00; F28F21/00
Foreign References:
JP2001027489A2001-01-30
JPS6226498A1987-02-04
JPS5594621A1980-07-18
JPS58132545A1983-08-06
JP2002310589A2002-10-23
JP2005024207A2005-01-27
JP2829356B21998-11-25
US6536514B12003-03-25
Other References:
See also references of EP 2138792A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 シート状の仕切り部材の両側にそれぞれ間隔保持部材を設けて流路を形成し、前記仕切り部材の一方の側に形成された流路を流通する気流と他方の側に形成された流路を流通する気流との間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子の製造方法であって、
 水溶性の吸湿剤が溶解した水溶媒形の接着剤によって前記仕切り部材と前記間隔保持部材とを接合することを特徴とする全熱交換素子の製造方法。
 前記仕切り部材および前記間隔保持部材の少なくとも一方には水溶性の吸湿剤が予め含浸されており、前記接着剤に溶解した水溶性の吸湿剤は、前記仕切り部材または前記間隔保持部材に予め含浸された水溶性の吸湿剤と同じ組成を有することを特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子の製造方法。
 シート状の仕切り部材と該仕切り部材上に接合されて気流の流路を形成する間隔保持部材とを有する素子構成ユニットが複数個積層配置され、積層方向に隣り合う流路を流通する気流間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子の製造方法であって、
 接着剤によって仕切り部材と間隔保持部材とが互いに接合されている素子構成ユニットを得る接合工程と、
 接着剤によって素子構成ユニット同士を接合させて、素子構成ユニットが複数個積層配置された全熱交換素子を得る積層工程と、
 を含み、前記接合工程および前記積層工程の少なくとも一方において、水溶性の吸湿剤が溶解した水溶媒形の接着剤を用いることを特徴とする全熱交換素子の製造方法。
 前記仕切り部材および前記間隔保持部材の少なくとも一方には水溶性の吸湿剤が予め含浸されており、前記接合工程および前記積層工程の少なくとも一方で用いる接着剤に溶解した水溶性の吸湿剤は、前記仕切り部材または前記間隔保持部材に予め含浸された水溶性の吸湿剤と同じ組成を有することを特徴とする請求項3に記載の全熱交換素子の製造方法。
 シート状の仕切り部材の両側にそれぞれ間隔保持部材を設けて流路を形成し、前記仕切り部材の一方の側に形成された流路を流通する気流と他方の側に形成された流路を流通する気流との間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子の製造方法であって、
 水溶性の難燃剤が溶解した水溶媒形の接着剤によって前記仕切り部材と前記間隔保持部材とを接合することを特徴とする全熱交換素子の製造方法。
 前記仕切り部材および前記間隔保持部材の少なくとも一方には水溶性の難燃剤が予め含浸されており、前記接着剤に溶解した水溶性の難燃剤は、前記仕切り部材または前記間隔保持部材に予め含浸された水溶性の難燃剤と同じ組成を有することを特徴とする請求項5に記載の全熱交換素子の製造方法。
 シート状の仕切り部材と該仕切り部材上に接合されて気流の流路を形成する間隔保持部材とを有する素子構成ユニットが複数個積層配置され、積層方向に隣り合う流路を流通する気流間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子の製造方法であって、
 接着剤によって仕切り部材と間隔保持部材とが互いに接合されている素子構成ユニットを得る接合工程と、
 接着剤によって素子構成ユニット同士を接合させて、素子構成ユニットが複数個積層配置された全熱交換素子を得る積層工程と、
 を含み、前記接合工程および前記積層工程の少なくとも一方において、水溶性の難燃剤が溶解した水溶媒形の接着剤を用いることを特徴とする全熱交換素子の製造方法。
 前記仕切り部材および前記間隔保持部材の少なくとも一方には水溶性の難燃剤が予め含浸されており、前記接合工程および前記積層工程の少なくとも一方で用いる接着剤に溶解した水溶性の難燃剤は、前記仕切り部材または前記間隔保持部材に予め含浸された水溶性の難燃剤と同じ組成を有することを特徴とする請求項7に記載の全熱交換素子の製造方法。
 シート状の仕切り部材の両側にそれぞれ間隔保持部材を設けて流路を形成し、前記仕切り部材の一方の側に形成された流路を流通する気流と他方の側に形成された流路を流通する気流との間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子の製造方法であって、
 水溶性の吸湿剤と水溶性の難燃剤とが溶解した水溶媒形の接着剤によって前記仕切り部材と前記間隔保持部材とを接合することを特徴とする全熱交換素子の製造方法。
 前記仕切り部材および前記間隔保持部材の少なくとも一方には水溶性の吸湿剤と水溶性の難燃剤とが予め含浸されており、前記接着剤に溶解した水溶性の吸湿剤および水溶性の難燃剤の各々は、前記仕切り部材または前記間隔保持部材に予め含浸された水溶性の吸湿剤または水溶性の難燃剤と同じ組成を有することを特徴とする請求項9に記載の全熱交換素子の製造方法。
 シート状の仕切り部材と該仕切り部材上に接合されて気流の流路を形成する間隔保持部材とを有する素子構成ユニットが複数個積層配置され、積層方向に隣り合う流路を流通する気流間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子の製造方法であって、
 接着剤によって仕切り部材と間隔保持部材とが互いに接合されている素子構成ユニットを得る接合工程と、
 接着剤によって素子構成ユニット同士を接合させて、素子構成ユニットが複数個積層配置された全熱交換素子を得る積層工程と、
 を含み、前記接合工程および前記積層工程の少なくとも一方において、水溶性の吸湿剤と水溶性の難燃剤とが溶解した水溶媒形の接着剤を用いることを特徴とする全熱交換素子の製造方法。
 前記仕切り部材および前記間隔保持部材の少なくとも一方には水溶性の吸湿剤と水溶性の難燃剤とが予め含浸されており、前記接合工程および前記積層工程の少なくとも一方で用いる接着剤に溶解した水溶性の難燃剤および水溶性の難燃剤の各々は、前記仕切り部材または前記間隔保持部材に予め含浸された水溶性の吸湿剤または水溶性の難燃剤と同じ組成を有することを特徴とする請求項11に記載の全熱交換素子の製造方法。
 前記接合工程は、
 前記接着剤によって前記仕切り部材と前記間隔保持部材とを互いに接合して素子構成ユニット材を得る素子構成ユニット材作製工程と、
 前記素子構成ユニット材を断裁して素子構成ユニットを得る断裁工程と、
 を含むことを特徴とする請求項3,7,または11に記載の全熱交換素子の製造方法。
 シート状の仕切り部材と、該仕切り部材の両側にそれぞれ設けられて前記仕切り部材と共に流路を形成する間隔保持部材とを有し、前記仕切り部材の一方の側に形成された流路を流通する気流と他方の側に形成された流路を流通する気流との間で前記仕切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素子であって、
 前記仕切り部材と前記間隔保持部材とは、水溶性の吸湿剤および/または難燃剤を含有した水溶媒形の接着剤によって互いに接合されていることを特徴とする全熱交換素子。
Description:
全熱交換素子の製造方法および 熱交換素子

 本発明は、空調機器等で用いられる熱交 素子の製造方法および熱交換素子に関し、 に詳しくは温湿度状態が互いに異なる2種の 気流間で潜熱と顕熱の両方の熱交換を行う全 熱交換素子の製造方法および全熱交換素子に 関する。

 空調機器等に用いられる熱交換素子の1つ として、積層構造を有する直交流形の全熱交 換素子がある。この全熱交換素子では複数の 素子構成ユニットがそれぞれ所定の向きで積 層されており、個々の素子構成ユニットは、 シート状の仕切り部材と、この仕切り部材上 に接合されて当該仕切り部材と共に気流の流 路を形成する例えば波形の間隔保持部材とを 有する。1つの素子構成ユニットでの間隔保 部材の波目とその上または下の素子構成ユ ットでの間隔保持部材の波目とは、平面視 90度またはそれに近い角度で交差する。1つ 素子構成ユニットでの流路とその上または の素子構成ユニットでの流路とに互いに状 が異なる2種の気流、一般的には温湿度状態 互いに異なる2種の空気を流すことで、これ ら2種の気流間で仕切り部材を介して潜熱お び顕熱の交換が行われる。

 全熱交換素子での熱交換効率を高めるう からは、仕切り部材の伝熱性や透湿性を高 することが望ましい。そのため、仕切り部 は吸湿性または透湿性の高い材料によって 成される。例えば特許文献1には、金属シー トまたはプラスチックシートの表面に吸湿剤 を付着させた材料からなる全熱交換器用素材 が記載されている。特許文献2には、不織布 金属繊維、ガラス繊維等により構成された 孔質部材に吸湿剤を含有させて基材とし、 の基材の表面に透湿膜を形成した材料によ て仕切り部材および間隔保持部材を形成し 熱交換素子が記載されている。

 また、特許文献3には、上記の多孔質部材 の表面にフッ素系または炭化水素系の樹脂に より吸湿拡散層を形成した材料によって仕切 り部材および間隔保持部材を形成した熱交換 器が記載されている。特許文献4には、金属 プラスチック、または紙からなるシートの 面に吸着型吸湿剤を付着させた材料によっ 仕切り部材および間隔保持部材を形成した 熱交換器用素子が記載されている。そして 特許文献5には、湿気に対する伸張特性が一 の面と他方の面とで異なる材料によって仕 り部材および間隔保持部材を形成した熱交 器が記載されている。

 今日では、材料費の低減や生産性の向上 図るために、水溶性または非水溶性の吸湿 を含浸ないし付着させた紙によって仕切り 材や間隔保持部材を形成した全熱交換素子 開発されている。水溶性の吸湿剤としては 例えば塩化リチウム等のアルカリ金属塩や 化カルシウム等のアルカリ金属塩が用いら 、非水溶性の吸湿剤としては、シリカゲル 強酸性イオン交換樹脂、強塩基性イオン交 樹脂等の粒状固体が用いられる。必要に応 て、これら仕切り部材および間隔保持部材 難燃剤等が更に添加されることもある。

 紙によって仕切り部材や間隔保持部材を 成した全熱交換素子では、仕切り部材と間 保持部材とを接着剤により互いに接合させ ことで素子構成ユニットが形成されており 必要数の素子構成ユニットをそれぞれ所定 向きで積層することで当該全熱交換素子が 製される。このとき、積層方向に互いに隣 合う素子構成ユニット同士は、接着剤によ 互いに接合される。仕切り部材と間隔保持 材との接合、および素子構成ユニット同士 接合には、水溶媒形および有機溶媒形のい れの接着剤も用いることが可能である。

 ただし、有機溶媒形の接着剤を用いた場 には、全熱交換素子から有機溶媒の揮散や 気の放散等が起こる。また、有機溶媒形の 着剤を用いる場合には、有機溶媒を回収す ための装置等のように複雑かつ高価な補機 全熱交換素子の生産設備に設けなければな なくなる。これらの理由から、特に空調機 用の全熱交換素子では、水溶媒形の接着剤 用いられることが多い。

 なお、水溶媒形の接着剤を用いる場合、吸 剤が水溶性であれば当該吸湿剤は水溶媒形 接着剤を介して紙製の仕切り部材と紙製の 隔保持部材との両方に拡散する。したがっ 、この場合には水溶性の吸湿剤を仕切り部 および間隔保持部材の一方にのみ予め含浸 せ、その後に当該仕切り部材と間隔保持部 とを接合して素子構成ユニットを作製して 、仕切り部材および間隔保持部材の両方に 湿剤が含浸した素子構成ユニットを得るこ ができる。

特開昭58-132545号公報

特開2002-310589号公報

特開2005-24207号公報

特許第2829356号公報

米国特許第6,536,514号公報

 しかしながら、紙製の仕切り部材に水溶 の吸湿剤を予め多量に含浸させ、この仕切 部材と間隔保持部材とを互いに接合させて 子構成ユニットを作製しようとすると、生 性が低下する。すなわち、水溶性の吸湿剤 予め含浸された仕切り部材は、通常、水溶 の吸湿剤を含浸させた長尺の原紙をロール 成形し、このロールから当該原紙を引き出 て所定の大きさに断裁することで作製され わけであるが、水溶性の吸湿剤の含浸量が くなると吸湿剤による吸湿量も多くなって ール内で原紙が合着し、ロールから原紙を き出せなくなるブロッキングが起こり易く る。このブロッキングが起こると、仕切り 材の作製工程が中断したり、仕切り部材の 製が不能となったりするので、生産性が低 する。同様のことが、紙製の間隔保持部材 水溶性の吸湿剤を予め多量に含浸させると や、水溶性の他の薬剤を紙製の仕切り部材 たは紙製の間隔保持部材に予め多量に含浸 せるときについてもいえる。

 また、紙に水溶性の吸湿剤を多量に含浸 せるとその強度が低下し、当該紙を波形の 隔保持部材に成形しようとしたときに破断 起こす等の不具合が生じ易くなる。さらに 、素子構成ユニットでは吸湿に伴う変形が しく、多量の吸湿剤が仕切り部材や間隔保 部材に予め含浸されていると全熱交換素子 組み立てるまでの間に当該素子構成ユニッ が吸湿により変形を起こして、全熱交換素 に組み立てる際の作業性が低下し易い。同 のことが、水溶性の他の薬剤を紙製の仕切 部材または間隔保持部材に予め多量に含浸 せるときについてもいえる。

 本発明は上記の事情に鑑みてなされたも であり、所望量の薬剤が含浸した紙製の全 交換素子を高い生産性の下に製造すること 容易な全熱交換素子の製造方法を得ること 目的とする。また、所望量の薬剤が含浸し 紙製のものを高い生産性の下に製造するこ が容易な全熱交換素子を得ることを他の目 とする。

 上記の目的を達成する本発明の全熱交換 子の製造方法に係る一形態では、シート状 仕切り部材の両側にそれぞれ間隔保持部材 設けて流路を形成し、仕切り部材の一方の に形成された流路を流通する気流と他方の に形成された流路を流通する気流との間で 切り部材を介して熱交換を行う全熱交換素 を製造するにあたり、水溶性の吸湿剤が溶 した水溶媒形の接着剤によって仕切り部材 間隔保持部材とを接合する。

 上記製造方法に係る本発明の他の形態で 、シート状の仕切り部材と該仕切り部材上 接合されて気流の流路を形成する間隔保持 材とを有する素子構成ユニットが複数個積 配置され、積層方向に隣り合う流路を流通 る気流間で仕切り部材を介して熱交換を行 全熱交換素子を製造するにあたり、接着剤 よって仕切り部材と間隔保持部材とが互い 接合されている素子構成ユニットを得る接 工程と、接着剤によって素子構成ユニット 士を接合させて、素子構成ユニットが複数 積層配置された全熱交換素子を得る積層工 とを行い、接合工程および積層工程の少な とも一方において、水溶性の吸湿剤が溶解 た水溶媒形の接着剤を用いる。

 上記製造方法に係る本発明の更に他の形 では、シート状の仕切り部材の両側にそれ れ間隔保持部材を設けて流路を形成し、仕 り部材の一方の側に形成された流路を流通 る気流と他方の側に形成された流路を流通 る気流との間で仕切り部材を介して熱交換 行う全熱交換素子を製造するにあたり、水 性の難燃剤が溶解した水溶媒形の接着剤に って仕切り部材と間隔保持部材とを接合す 。

 上記製造方法に係る本発明の更に他の形 では、シート状の仕切り部材と該仕切り部 上に接合されて気流の流路を形成する間隔 持部材とを有する素子構成ユニットが複数 積層配置され、積層方向に隣り合う流路を 通する気流間で前記仕切り部材を介して熱 換を行う全熱交換素子を製造するにあたり 接着剤によって仕切り部材と間隔保持部材 が互いに接合されている素子構成ユニット 得る接合工程と、接着剤によって素子構成 ニット同士を接合させて、素子構成ユニッ が複数個積層配置された全熱交換素子を得 積層工程とを行い、接合工程および積層工 の少なくとも一方において、水溶性の難燃 が溶解した水溶媒形の接着剤を用いる。

 上記製造方法に係る本発明の更に他の形 では、シート状の仕切り部材の両側にそれ れ間隔保持部材を設けて流路を形成し、仕 り部材の一方の側に形成された流路を流通 る気流と他方の側に形成された流路を流通 る気流との間で仕切り部材を介して熱交換 行う全熱交換素子を製造するにあたり、水 性の吸湿剤と水溶性の難燃剤とが溶解した 溶媒形の接着剤によって仕切り部材と間隔 持部材とを接合する。

 上記製造方法に係る本発明の更に他の形 では、シート状の仕切り部材と該仕切り部 上に接合されて気流の流路を形成する間隔 持部材とを有する素子構成ユニットが複数 積層配置され、積層方向に隣り合う流路を 通する気流間で仕切り部材を介して熱交換 行う全熱交換素子を製造するにあたり、接 剤によって仕切り部材と間隔保持部材とが いに接合されている素子構成ユニットを得 接合工程と、接着剤によって素子構成ユニ ト同士を接合させて、素子構成ユニットが 数個積層配置された全熱交換素子を得る積 工程とを行い、接合工程および積層工程の なくとも一方において、水溶性の吸湿剤と 溶性の難燃剤とが溶解した水溶媒形の接着 を用いる。

 前述の目的を達成する本発明の全熱交換 子に係る一形態は、シート状の仕切り部材 、該仕切り部材の両側にそれぞれ設けられ 仕切り部材と共に流路を形成する間隔保持 材とを有し、仕切り部材の一方の側に形成 れた流路を流通する気流と他方の側に形成 れた流路を流通する気流との間で仕切り部 を介して熱交換を行う全熱交換素子であっ 、仕切り部材と間隔保持部材とが水溶性の 湿剤および/または難燃剤を含有した水溶媒 形の接着剤によって互いに接合されている全 熱交換素子である。

 本発明の全熱交換素子の製造方法では、 溶性の吸湿剤または難燃剤が溶解した水溶 形の接着剤を用いて素子構成ユニットや全 交換素子を得るので、接合前の仕切り部材 間隔保持部材に水溶性の吸湿剤または難燃 を予め多量に含浸させておく必要性がない このため、仕切り部材や間隔保持部材の元 なる原紙の強度を低下させることなく当該 紙から仕切り部材や間隔保持部材を得るこ ができ、結果として良好な作業性の下に仕 り部材や間隔保持部材を得ることができる また、仕切り部材の元となる長尺の原紙お び間隔保持部材の元となる長尺の原紙をそ ぞれロールに成形し、これらのロールから 原紙を引き出しながら仕切り部材や間隔保 部材を順次作製するときや、素子構成ユニ トの元となる長尺の積層体を作製するとき も、ブロッキングの発生が抑制される。

 さらには、複数の素子構成ユニットを得 からこれらの素子構成ユニットを全熱交換 子に組み立てるまでの間に各素子構成ユニ トが吸湿により著しく変形してしまうのを 易に防止することができるので、全熱交換 子を組み立てる際の作業性の低下も容易に えることができる。したがって、本発明に れば、所望量の薬剤が含浸した紙製の全熱 換素子を高い生産性の下に製造することが 易になる。

図1は、全熱交換素子の一例を概略的に 示す斜視図である。 図2は、図1に示した全熱交換素子で熱 換用ユニットを概略的に示す斜視図である 図3は、図1に示した全熱交換素子を製 する際の製造工程の一例を概略的に示すフ ーチャートである。 図4は、全熱交換素子の素子構成ユニッ トを連続処理により作製する際に用いられる 設備の一例を示す概略図である。 図5は、全熱交換素子の素子構成ユニッ トに接着剤を塗布する際に用いられる設備の 一例を示す概略図である。

符号の説明

1 仕切り部材
5 間隔保持部材
7A,7B,36,62 接着剤
10,10a~10f 素子構成ユニット
12 熱交換ユニット
20 全熱交換素子

 以下、本発明の全熱交換素子の製造方法 実施の形態について、図面を参照して詳細 説明する。なお、本発明は以下に説明する 施の形態に限定されるものではない。

実施の形態1.
 図1は、全熱交換素子の一例を概略的に示す 斜視図である。同図に示す全熱交換素子20は 複数の素子構成ユニットが積層配置された 交流形のものであり、図1には6つの素子構 ユニット10a~10fが示されている。

 個々の素子構成ユニット10a~10fは、シート 状の仕切り部材1と、仕切り部材1上に接合さ て気流の流路を形成する波形の間隔保持部 5とを有している。各仕切り部材1および各 隔保持部材5は紙により作製され、これら仕 り部材1および間隔保持部材5には所望の水 性薬剤が含浸している。各素子構成ユニッ 10a~10fにおける仕切り部材1と間隔保持部材5 は水溶媒形の接着剤(図示せず)により互いに 接合されており、積層方向に隣り合う素子構 成ユニット同士も水溶媒形の接着剤(図示せ )により互いに接合されている。

 全熱交換素子20を構成する1つの素子構成 ニットでの間隔保持部材5の波目とその上ま たは下の素子構成ユニットでの間隔保持部材 5の波目とは、平面視上90度またはそれに近い 角度で交差する。換言すれば、1つの素子構 ユニットにおける間隔保持部材5での個々の 凸の長手方向と、その上または下の素子構 ユニットにおける間隔保持部材5での個々の 凹凸の長手方向とは、平面視上90度またはそ に近い角度で交差する。なお、最も上の素 構成ユニット10f上には、仕切り部材1と同じ 材料により形成された天板部材15が水溶媒形 接着剤により接合されている。

 上述の構成を有する全熱交換素子20では 個々の素子構成ユニット10a~10fにおける仕切 部材1と間隔保持部材5との間の空間、各素 構成ユニット10a~10eでの間隔保持部材5とその 上の素子構成ユニット10b~10fでの仕切り部材1 の間の空間、および素子構成ユニット10fに ける間隔保持部材5と天板部材15との間の空 が、図1中に二点鎖線の矢印Aで示すように それぞれ気流の流路となる。

 その結果として、各素子構成ユニット10a~ 10fの積層方向に隣り合う流路を流通する気流 間で仕切り部材1を介して熱交換が行われる 上記の積層方向に隣り合う一方の素子構成 ニットでの流路を流通する気流と他方の素 構成ユニットでの流路を流通する気流との で、仕切り部材1を介して潜熱および顕熱の 交換が行われる。図2に示すように、全熱交 換素子20では、1つの仕切り部材1と該仕切り 材1の両側にそれぞれ設けられて上述の接着 により接合された2つの間隔保持部材5,5とに よって、1つの熱交換ユニット12が構成されて いる。

 上述の構成を有する全熱交換素子20を製 するにあたっては、接着剤によって仕切り 材1と間隔保持部材5とが互いに接合されてい る素子構成ユニット10a~10fを得る接合工程と 接着剤によって素子構成ユニット10a~10f同士 接合させて、複数の素子構成ユニットが積 配置された全熱交換素子20を得る積層工程 が行われる。本形態の製造方法では、全熱 換素子20を製造するにあたり、接合工程およ び積層工程の両方において、水溶性の吸湿剤 が溶解した水溶媒形の接着剤を用いる。

 図3は、全熱交換素子20を製造する際の製 工程の一例を概略的に示すフローチャート ある。同図に示す例はバッチ処理で必要数 素子構成ユニットを作製した後に当該素子 成ユニットを積層して全熱交換素子を得る のものであり、上述の接合工程JSと上述の 層工程LSとがこの順番で行われる。

 図示の接合工程JSでは、まず、原紙5aを波 形に成形して間隔保持部材5を得、この間隔 持部材5における片面での波形の頂部に水溶 の吸湿剤が溶解した接着剤、例えば塩化リ ウム等のアルカリ金属塩や塩化カルシウム のアルカリ金属塩が溶解した水溶媒形の接 剤7Aを塗布する。次いで、別途作製した仕 り部材1を間隔保持部材5上に配置して上記の 接着剤7Aにより両者を接合させ、これにより 子構成ユニット10を得る。この素子構成ユ ット10は、図1に示した素子構成ユニット10a~1 0fのいずれかになる。素子構成ユニット10の 製手順と同じ手順で、必要数の素子構成ユ ットを作製する。

 なお、原紙5aには吸湿剤が含浸ないし添 されていない。また、間隔保持部材5に接合 れる前の仕切り部材1にも吸湿剤が含浸ない し添加されていない。接着剤7Aの材料として 水溶媒形の接着剤としては、例えば酢酸ビ ル系エマルジョン接着剤を用いることがで る。

 積層工程LSでは、まず、接合工程JSで作製 した素子構成ユニット10および他の素子構成 ニット(図示せず)それぞれにおける間隔保 部材5での波形の頂部に水溶性の吸湿剤、例 ば塩化リチウム等のアルカリ金属塩や塩化 ルシウム等のアルカリ金属塩が溶解した水 媒形の接着剤7Bを順次塗布する。また、1つ 素子構成ユニットでの間隔保持部材5の波目 とその上または下の素子構成ユニットでの間 隔保持部材5の波目とが平面視上90度またはそ れに近い角度で交差するように各素子構成ユ ニットの向きを選定しながら、接着剤7Bが塗 された素子構成ユニットを順次積層し、積 方向に隣り合う素子構成ユニット同士を接 剤7Bにより互いに接合させる。その後、片 にのみ仕切り部材1が接合されている素子構 ユニットでの間隔保持部材5上に、上記の接 着剤7Bにより天板部材15(図1参照)を接合させ 。天板部材15まで接合することにより、図1 示した全熱交換素子20が得られる。

 このようにして全熱交換素子20を製造す と、間隔保持部材5に塗布された接着剤7A,7B 溶解していた水溶性の吸湿剤が全熱交換素 20に拡散する。全熱交換素子20での吸湿剤の 浸量は、塗布された接着剤7Aでの吸湿剤の 有量と、塗布された接着剤7Bでの吸湿剤の含 有量との和となる。したがって、接着剤7A,7B の水溶性の吸湿剤の濃度および接着剤7A,7B 塗布量を適宜選定することにより、全熱交 素子20での吸湿剤の含浸量を制御することが できる。接着剤7A,7Bでの吸湿剤の濃度は、当 吸湿剤の飽和濃度以下の範囲で任意に調整 可能である。

 例えば、固形分40質量%の酢酸ビニル系エマ ジョン接着剤に水を20質量%、水溶性の吸湿 である塩化リチウムを15質量%それぞれ混ぜ ば、樹脂固形分30質量%、水59質量%、塩化リ ウム11質量%の水溶媒形の接着剤を得ること できる。この接着剤を図2に示した接着剤7A して用いてその塗布量を仕切り部材1の単位 面積(1m 2 )当たりの換算量で15gとし、また上記の接着 を図2に示した接着剤7Bとしても用いてその 布量を仕切り部材1の単位面積(1m 2 )当たりの換算量で40gとすれば、仕切り部材1 の単位面積(1m 2 )当たりの換算量で約6g((15+40)×11%)の塩化リチ ムを素子構成ユニット10に含浸させること できる。勿論、塩化リチウムの飽和濃度は 記の値よりも更に高く、水100質量部に対し 最大84.8質量部(このときの塩化リチウムの濃 度は約46質量%)まで溶解させることができる また、接着剤7A,7Bの塗布量は上述の値よりも 更に大きな値とすることが可能である。した がって、全熱交換素子20には更に多量の吸湿 (塩化リチウム)を含浸させることが可能で る。

 ただし、接合工程JSでは、製造環境下の 度変化や湿度変化等に影響されて、間隔保 部材5や素子構成ユニット10の変形あるいは 化が起こり易いので、接着剤7Aの塗布量は、 当該変形や軟化、および間隔保持部材間また は素子構成ユニット間でのこれらのバラツキ が抑えられるように選定することが好ましい 。積層工程LSでは、全熱交換素子20での吸湿 の含浸量が所望量となるように、接合工程 間隔保持部材5に塗布された接着剤7Aでの吸 剤の含有量と接着剤7Bでの吸湿剤の濃度とに 応じて、接着剤7Bの塗布量を選定する。接着 7Aでの吸湿剤の濃度と接着剤7Bでの吸湿剤の 濃度とは、互いに別々に選定することができ る。

 本形態の製造方法では、全熱交換素子20 製造するにあたっては、上述のように間隔 持部材5の原紙5aに水溶性の吸湿剤を予め多 に含浸させておく必要性がない。このため 吸湿に伴う原紙5aの軟化や変形(のび)を容易 抑えることができ、当該原紙5aを波形に成 する際の成形不良や破損といった加工上の 具合の発生も容易に抑えることができる。 なわち、良好な作業性の下に間隔保持部材5 得ることができる。仕切り部材1についても 同様のことがいえる。また、複数の素子構成 ユニットを得てから当該素子構成ユニットを 全熱交換素子20に組み立てるまでの間に各素 構成ユニットが吸湿により著しく変形して まうのを防止することも容易であるので、 熱交換素子20を組み立てる際の作業性も良 なものとすることが容易である。水溶性の 湿剤が溶解していない接着剤を用いて全熱 換素子20を製造する場合と同じ工数の下に、 全熱交換素子20を得ることができる。

 したがって、当該製造方法によれば、所 量の吸湿剤が含浸した紙製の全熱交換素子2 0を高い生産性の下に製造することが容易で る。また、仕切り部材1や間隔保持部材5の元 となる原紙として吸湿剤が含浸していないも のを用いることができるので、原紙の材料コ ストを削減することも可能である。

実施の形態2.
 全熱交換素子を構成する素子構成ユニット 、バッチ処理により作製する他に連続処理 より作製することもでき、間隔保持部材の となる長尺の原紙と仕切り部材の元となる 尺の原紙とを貼り合わせて長尺の素子構成 ニット材を作製する工程と、長尺の素子構 ユニット材を適当な大きさに断裁する工程 行うことによって得ることができる。この 合、間隔保持部材の元となる長尺の原紙、 よび仕切り部材の元となる長尺の原紙がそ ぞれ予めロールに成形される。

 図4は、素子構成ユニットを連続処理により 作製する際に用いられる設備の一例を示す概 略図であり、この設備により、長尺の素子構 成ユニット材を作製する工程が行われる。同 図に示す設備では、間隔保持部材の元となる 長尺の原紙30が予めロールR 1 に成形され、仕切り部材の元となる長尺の原 紙50が予めロールR 2 に成形されている。ロールR 1 から引き出された原紙30は、1対の成形ロール 32a,32bによって波形に成形され、成形ロール32 bによって所定方向にガイドされる途中で当 成形後の原紙30にロール34によって接着剤36 塗布される。

 上記の接着剤36は水溶性の吸湿剤が溶解し 水溶媒形の接着剤であり、接着剤槽38に貯留 されている。ロール34は部分的に接着剤槽38 浸漬されており、当該ロール34が所定方向に 回転することで接着剤36が塗工ロール34の周 に付着し、さらには波形に成形された原紙30 の片面に塗布される。ロール34の周面に過剰 接着剤36が付着しないように、当該ロール34 の近傍にはスクウィージングロール40が配置 れている。ロール34とスクウィージングロ ル40との間隔を調整することにより、接着剤 36の粘度によって定まる限界値以下の範囲で 該接着剤36の塗布量を任意に調整すること 可能である。上記の間隔を大きくすれば接 剤36の塗布量は多くなり、小さくすれば塗布 量も小さくなる。例えば、接着剤36の粘度が1 00~500mPa・s、接着剤36の比重がおよそ1のとき ロール34とスクウィージングロール40との間 を0.4mm以上にすれば、接着剤36の塗布量を容 易に50g/m 2 以上にすることができる。

 一方、ロールR 2 から引き出された原紙50は、2つのガイドロー ル52a,52bによってプレスロール54側へ導かれる 。プレスロール54は所定の間隔をあけて成形 ール32bと対峙しており、このプレスロール5 4により原紙50が所定方向にガイドされる過程 で当該原紙50と波形に成形された原紙30とが 着剤36により貼り合わされる。その結果とし て、素子構成ユニットの元となる長尺の素子 構成ユニット材56が連続的に作製される。図4 においては各ロールの回転方向、および各原 紙30,50の搬送方向を実線の矢印で示している

 この後、図示を省略した断裁機によって 子構成ユニット材56を所定の大きさに断裁 る工程を経て、素子構成ユニットが連続的 作製される。このようにして素子構成ユニ トを得るまでが、接合工程となる。なお、 該接合工程では、波形に成形された後の原 30と原紙50とを接着剤36により接合した後に 裁しており、実施の形態1における接合工程 は予め断裁した間隔保持部材と仕切り部材 を接合しているが、接合対象物が原紙であ か否かに拘わらず、本形態での接合工程と 施の形態1での接合工程とは吸湿剤が溶解し た接着剤を用いている点で変わりはない。

 図4に示したような接合工程で素子構成ユ ニット10(図3参照)を得た後の積層工程では、 施の形態1における積層工程と同様、接合工 程で作製した素子構成ユニットの各々に水溶 性の吸湿剤が溶解した水溶媒形の接着剤を塗 布した後にこれらを積層して、全熱交換素子 を得る。個々の素子構成ユニットへの上記接 着剤の塗布は、例えば図5に概略的に示す設 を用いて行うことができる。

 図5に示す設備は、1対のロール60a,60bと、 記の接着剤62が貯留された接着剤槽64と、ロ ール60bの近傍に配置されたスクウィージング ロール66と、図示を省略した搬送装置とを備 ている。素子構成ユニット10は間隔保持部 が下となる向きで搬送装置により1対のロー 60a,60bに搬送され、ここで接着剤62を塗布さ る。所定の間隔をあけて、複数の素子構成 ニット10が搬送される。

 上記1対のロール60a,60bのうち、上側のロ ル60aは素子構成ユニット10を所定方向に搬送 する搬送ロールとして機能し、下側のロール 60bは部分的に接着剤槽64に浸漬されて、素子 成ユニット10に接着剤62を塗布するロールと して機能する。ロール60bが所定方向に回転す ることで接着剤62がロール60bの周面に付着し さらには素子構成ユニット10における間隔 持部材に塗布される。スクウィージングロ ル66はロール62の近傍に配置されて、ロール6 0bの周面に付着した過剰の接着剤62を取り除 。ロール60bとスクウィージングロール66との 間隔を調整することによって、素子構成ユニ ット10への接着剤62の塗布量を調整すること できる。

 接着剤62が塗布された各素子構成ユニッ 10は、1つの素子構成ユニット10での間隔保持 部材の波目とその上または下の素子構成ユニ ット10での間隔保持部材の波目とが平面視上9 0度またはそれに近い角度で交差するように の向きを選定されて積層され、積層方向に り合う素子構成ユニット10同士が接着剤62に り互いに接合される。その結果として、全 交換素子20が得られる。

 このようにして全熱交換素子20を製造し 場合も、実施の形態1で説明した理由と同様 理由から、所望量の吸湿剤が含浸した紙製 全熱交換素子20を高い生産性の下に製造す ことが容易である。また、仕切り部材や間 保持部材の元となる原紙として吸湿剤が含 していないものを用いることができるので 原紙の材料コストを削減することも可能で る。

実施の形態3.
 本形態においては、水溶性の吸湿剤が溶解 た水溶媒形の接着剤を接合工程においての 使用し、積層工程では水溶性の吸湿剤が溶 していない接着剤を用いる。素子構成ユニ トは、実施の形態1で説明した製造方法にお けるようにバッチ処理により作製してもよい し、実施の形態2で説明した製造方法におけ ように連続処理により作製してもよい。

 素子構成ユニットをバッチ処理により作 する場合、全熱交換素子は、図3に示した接 着剤7Bとして水溶性の吸湿剤が溶解していな 接着剤、例えば酢酸ビニル系エマルジョン 着剤を用いる以外は実施の形態1で説明した 製造方法におけるのと同様にして製造するこ とができる。一方、素子構成ユニットを連続 処理により作製する場合、全熱交換素子は、 図4に示した接着剤62として水溶性の吸湿剤が 溶解していない接着剤、例えば酢酸ビニル系 エマルジョン接着剤を用いる以外は実施の形 態2で説明した製造方法におけるのと同様に て製造することができる。

 例えば仕切り部材の原紙と間隔保持部材 原紙との間で紙厚や坪量(単位面積当たりの 重量)に大きな差があるときに、素子構成ユ ットでの水溶性の吸湿剤の含浸量を少なく ると、当該素子構成ユニットに大きな変形 起こることがある。この変形を抑えるうえ らは、水溶性の吸湿剤が溶解した水溶媒形 接着剤を接合工程で用いて素子構成ユニッ を作製することが好ましい。このとき、水 媒形の接着剤における水溶性の吸湿剤の濃 は、当該接着剤の塗布量、仕切り部材およ 間隔保持部材それぞれの原紙での紙厚や坪 、吸湿時の各原紙の伸縮量、乾燥時の各原 の収縮量、全熱交換素子に求められる湿度 換効率等に応じて適宜選定される。

 このようにして全熱交換素子を製造した 合も、所望量の吸湿剤が含浸した紙製の全 交換素子を高い生産性の下に製造すること 容易である。また、仕切り部材や間隔保持 材の元となる原紙として吸湿剤が含浸して ないものを用いることができるので、原紙 材料コストを削減することも可能である。 らには、全熱交換素子の性能を決める吸湿 の含浸量の管理(接着剤での吸湿剤の濃度の 管理、および接着剤の塗布量の管理)を接合 程においてのみ行えばよいので、全熱交換 子を量産したときの全熱交換素子間での吸 剤の含浸量のバラツキを実施の形態1または 施の形態2で説明した製造方法におけるより も小さくすることが容易である。

実施の形態4.
 本形態においては、水溶性の吸湿剤が溶解 た水溶媒形の接着剤を積層工程においての 使用し、接合工程では水溶性の吸湿剤が溶 していない接着剤を用いる。素子構成ユニ トは、実施の形態1で説明した製造方法にお けるようにバッチ処理により作製してもよい し、実施の形態2で説明した製造方法におけ ように連続処理により作製してもよい。

 素子構成ユニットをバッチ処理により作 する場合、全熱交換素子は、図3に示した接 着剤7Aとして水溶性の吸湿剤が溶解していな 接着剤、例えば酢酸ビニル系エマルジョン 着剤を用いる以外は実施の形態1で説明した 製造方法におけるのと同様にして製造するこ とができる。一方、素子構成ユニットを連続 処理により作製する場合、全熱交換素子は、 図4に示した接着剤36として水溶性の吸湿剤が 溶解していない接着剤、例えば酢酸ビニル系 エマルジョン接着剤を用いる以外は実施の形 態2で説明した製造方法におけるのと同様に て製造することができる。積層工程で使用 る接着剤での水溶性の吸湿剤の濃度、およ 当該接着剤の塗布量を適宜選定することに り、所望量の吸湿剤を全熱交換素子に含浸 せることができる。

 このようにして全熱交換素子を製造した 合、仕切り部材やその原紙および間隔保持 材やその原紙には水溶性の吸湿剤を含浸さ ないので、仕切り部材、間隔保持部材、お び素子構成ユニットのいずれにおいても吸 に伴う変形や軟化、およびこれらのバラツ を抑え易い。その結果として、所望量の吸 剤が含浸した紙製の全熱交換素子を高い生 性の下に製造することが容易である。また 仕切り部材や間隔保持部材の元となる原紙 して吸湿剤が含浸していないものを用いる とができるので、原紙の材料コストを削減 ることも可能である。

 さらには、全熱交換素子の性能を決める 湿剤の含浸量の管理(接着剤での吸湿剤の濃 度の管理、および接着剤の塗布量の管理)を 層工程においてのみ行えばよいので、全熱 換素子を量産したときの全熱交換素子間で 吸湿剤の含浸量のバラツキを実施の形態1ま は実施の形態2で説明した製造方法における よりも小さくすることが容易である。

実施の形態5.
 本形態においては、仕切り部材の原紙また 間隔保持部材の原紙に予め吸湿剤を添加す 。他は実施の形態1~4のいずれかで説明した 造方法におけるのと同様にして接合工程お び積層工程を行って、全熱交換素子を得る 上記の原紙に予め添加する吸湿剤は水溶性 吸湿剤であってもよいし、シリカゲル、強 性イオン交換樹脂、強塩基性イオン交換樹 等の非水溶性の吸湿剤であってもよい。

 ただし、全熱交換素子の性能は当該全熱 換素子に吸湿剤が一様に分布したときに最 安定するので、全熱交換素子での吸湿剤の 度分布をできるだけ一様にするという観点 らは、上記の原紙に予め添加する吸湿剤と 合工程または積層工程で使用する接着剤に 解させる水溶性の吸湿剤とを互いに同じ組 の吸湿剤とすることが好ましい。上記の原 に予め添加する吸湿剤と上記の接着剤に溶 させる水溶性の吸湿剤とが互いに同じ組成 あれば、全熱交換素子内で水分を介して吸 剤の拡散が起こり、比較的短時間で吸湿剤 濃度分布が一様になるか、または一様な状 に近づく。

 全熱交換素子での吸湿剤の量は、上記の 紙に予め添加された吸湿剤の量と、接合工 または積層工程で使用した接着剤での水溶 の吸湿剤の含有量との和になる。全熱交換 子での吸湿剤の量をできるだけ多くするう からは、上記の原紙に予め多量の吸湿剤を 加しておくことが好ましいが、吸湿に伴う 紙の軟化や変形、あるいは間隔保持部材を 製する際の成形不良や破損といった加工上 不具合が生じると前述のように全熱交換素 の生産性が低下するので、上記の原紙に予 添加する吸湿剤の量は全熱交換素子の生産 が低下しない範囲で選定することが好まし 。

 このようにして全熱交換素子を製造した 合も、所望量の吸湿剤が含浸した紙製の全 交換素子を高い生産性の下に製造すること 容易である。また、実施の形態1~4で説明し 各製造方法によって全熱交換素子を製造す 場合に比べて、吸湿剤の量が多い全熱交換 子を得ることも容易である。

 以上、本発明の全熱交換素子の製造方法 ついて実施の形態を挙げて説明したが、前 のように、本発明は上述の形態に限定され ものではない。例えば、接合工程または積 工程で使用する水溶媒形の接着剤に溶解さ る水溶性の薬剤は吸湿剤に限定されるもの はなく、例えばスルファミン酸グアニジン のグアニジン塩類のような水溶性の難燃剤 水溶性の他の薬剤であってもよい。また、 記の接着剤に溶解させる水溶性の薬剤の種 は1種類に限定されるものではなく、互いに 同じ機能または互いに異なる機能を果たす2 以上の薬剤を溶解させることもできる。実 の形態5で説明した製造方法におけるように 切り部材の原紙や間隔保持部材の原紙に所 の薬剤を予め添加する場合についても同じ とがいえる。

 水溶性の薬剤が溶解した接着剤の間隔保 部材または素子構成ユニットへの塗布は、 施の形態1,2で説明したようにローラを用い 行う他に、例えばスプレー塗布等、他の手 により行うこともできる。また、間隔保持 材、素子構成ユニット、熱交換ユニット、 よび全熱交換素子それぞれの形状について 、製造しようとする全熱交換素子の用途や 該全熱交換素子に求められる性能等に応じ 適宜選定可能である。全熱交換素子を構成 る複数の素子構成ユニットは、積層方向に り合うもの同士が互いに密着していれば、 れらは互いに接合されていなくてもよい。 熱交換素子における素子構成ユニットの数 、適宜選定可能である。本発明の全熱交換 子の製造方法については、上述の形態以外 種々の変形、修飾、組み合わせ等が可能で る。




 
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