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Title:
PROCESS FOR PRODUCING MEDICINAL PREPARATION PACKED WITH DRUG INSTABLE TO HEAT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057785
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a medicinal preparation containing, packed therein, a drug instable to heat. The process enables a heat-instable drug to be formed into a medicinal preparation while securing a sterile state and without impairing stability. The process comprises: a formation step in which a thermoplastic container is formed which has a charging opening as the only open part; a packing step in which a drug is charged in a sterilized state through the charging opening; and a sealing step in which the charging opening is sealed by fusion bonding with heat transfer inhibition. This process is especially suitable for application to small containers.

Inventors:
KIKUCHI TAKEO (JP)
HAMA YOSHIHISA (JP)
HONDA MINORU (JP)
IKENOUE MASAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069968
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPRO CORP (JP)
KIKUCHI TAKEO (JP)
HAMA YOSHIHISA (JP)
HONDA MINORU (JP)
IKENOUE MASAKI (JP)
International Classes:
A61J1/10; A61K9/08; A61K38/00; B65B51/10
Foreign References:
JP2007175876A2007-07-12
US3221939A1965-12-07
JP2000189492A2000-07-11
JP2005343541A2005-12-15
JP2006069010A2006-03-16
JP2007276305A2007-10-25
JP2004244081A2004-09-02
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Claims:
 熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法であって、
 充填口のみ開口させた可撓性容器を形成する形成工程と、
 前記充填口より薬剤を滅菌充填する充填工程と、
 前記充填口を伝熱抑制溶着でシールするシール工程とを含む、
 熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法。
 前記伝熱抑制溶着は、超音波溶着である、請求項1に記載の熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法。
 前記可撓性容器は、0.1から5mL容量の容器である、請求項1または2に記載の熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法。
 前記薬剤は、熱に不安定なタンパク質及び/又はポリペプチドを含む薬剤である、請求項1から3の何れかに記載の熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法。
 前記熱に不安定なタンパク質は、ヒト血清アルブミンである、請求項4に記載の熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法。
Description:
熱に不安定な薬剤を充填した製 の製造方法

 本発明は、熱に不安定な薬剤を充填した 剤の製造方法に関する。

 タンパク質やポリペプチドを主成分とす 薬剤には様々なものがあり、患者の各種疾 、病態に合わせてこれらの薬剤は使用され これらは熱に不安定という性質は有するも の、臨床上必要不可欠なものになっている 例えば、抗がん剤には各種モノクロナール 体、糖尿病の治療薬にはインシュリン、骨 鬆症の治療薬にはカルトシニンといったタ パク質、ポリペプチド系薬剤が有用な注射 として使用されている。

 また、タンパク質を主成分とする薬剤の には、アルブミンのように、肝硬変や出血 ショック時の治療薬として、1回10g以上の薬 剤量使用されるものもある。この他にも天然 型インターフェロンα製剤のように主成分に えて、添加剤として人血清アルブミンとい たタンパク質を配合した薬剤もある。タン ク質自体が熱に不安定な特性を有すること あり、薬剤の主成分に限らず、これらタン ク質を含む薬剤は総じて熱に不安定であり 一定以上の熱が加えられてしまうとタンパ 質成分が変性してしまい、薬剤としての効 が低下してしまうと共に、ひいては重篤な 作用発現に繋がるリスクを有している。安 性の面からみても、薬剤変性は少しも許さ ないものである。

 そのため、熱に不安定な薬剤は、輸液、 射剤として製造するために、滅菌操作の工 や、無菌ろ過、凍結乾燥などの技術を駆使 て用時溶解型の薬剤にするなど、薬剤が熱 性し効力が低下しないよう様々の工夫がと れて製品化されている。また、製品化にお て選ばれる容器は、プレフィルドシリンジ バイアル等の薬剤に熱のかかる工程のない 器であることが多い。

一方、最近、薬剤を充填する容器について は、重い、割れやすいなどの観点から、ガラ ス容器をプラスチック容器に変更し、医療現 場でより使いやすい、軽くて壊れにくいもの 、さらには廃棄が容易なものに切り替わって きている。こうした容器の要求は熱に不安定 な薬剤も例外ではなく、熱に不安定な薬剤の プラスチック容器による製剤化も検討されて いる。

熱に不安定な薬剤をプラスチック容器で製 剤化する方法として、特許文献1に記載され ものが提案されている。このものは、熱可 性材料を溶融したものを金型に流し込み、 型形状に合わせて冷却しながら容器を形成 、さらに薬剤を充填しながら冷却する。薬 を充填した後、容器を熱溶着によって密閉 る工程を経る製造方法である。薬液充填後 開口部シーリング工程において、熱溶着を うことから、薬液に熱が加わらないように シーリングされる部分(容器頭部)と薬剤が収 容される容器本体との距離を長くとる工夫が なされている。

特開2000-189492

 しかしながら、特許文献1に記載される製 造方法では、薬剤を充填しながら冷却すると いう製造方法は、充填する薬剤の温度が上昇 するため好ましくなく、また、薬剤充填後の 密閉操作において用いられる熱溶着操作によ っても、薬剤の温度上昇は避けられず、これ らの工程は熱に不安定な薬剤を熱変性させる おそれがある。また、熱溶着によるシーリン グ法を用いるため、薬液とシーリング部の距 離が十分とれる容器でなければ適用できない 。特に、密閉操作においては、薬剤が容器内 に充填された後に容器に熱をかけるため、薬 剤に熱が伝導しやすく、薬剤が変性するリス クは高いものとなる。

 とりわけ小容量容器の場合は、体積が小 いこと(体積当たりの伝熱量が増加すること )と、薬剤とシーリング部の空間が十分にと ないことから、小容量容器に熱に不安定な 剤を充填、製造することは、極めて困難で る。そのため、少量のものについては、前 のようにプレフィルドシリンジやバイアル 用いられている。しかしながら、熱に不安 な薬剤の一つであるアルブミンには、特開20 00-319194に示されるような、点眼剤としての使 用法も提案されており、点眼容器にいたって は、点眼操作機能を具備させる必要があるの で、バイアルやプレフィルドシリンジを容器 として適用させることは困難であり、製剤化 にあたっては可撓性容器を用いることが好ま しく、とりわけアルブミンを含む場合は細菌 汚染を来すリスクもあり、使い捨てタイプの 小容量容器に充填されたものがより好ましい が、薬剤の熱変性を来さない小容量プラスチ ックでの製剤化は困難であるのが実情である 。

 このように、製剤化するにあたっては、 剤に熱が伝導してしまう工程が存在するた 、熱に不安定な薬剤を製剤化することは容 ではない。特に、前述のようにユニットド ズで使い切り型完全密閉容器である場合に 、熱溶着される部分と薬剤との距離がより 接してしまうことや、容器が小容量である 合には、ユニットドーズと同様の問題に加 て、単位体積当たりの伝熱量が増大してし うため、伝熱による薬剤への影響が顕著に れる。そこで、製剤化の工程において、充 する薬剤に変性するほどの熱が伝導するこ を確実に防ぎ、熱に不安定な薬剤に対して 、容易に製剤化可能な製剤の製造方法が必 である。

 本発明の目的は、熱に不安定な薬剤に対 て、安定性を損なわずに製剤化可能な、熱 不安定な薬剤を充填した製剤の製造方法を 供することにある。

 そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、 下の発明に想到した。熱に不安定な薬剤を 填した製剤の製造方法であって、充填口の 開口させた熱可塑性容器を形成する形成工 と、前記充填口より薬剤を滅菌充填する充 工程と、前記充填口を伝熱抑制溶着でシー するシール工程とを含む、熱に不安定な薬 を充填した製剤の製造方法である。

 前記伝熱抑制溶着は、超音波溶着である 上記の熱に不安定な薬剤を充填した製剤の 造方法である。

 前記可撓性容器は、0.1から5mL容量の容器 ある、上記の熱に不安定な薬剤を充填した 剤の製造方法である。

 前記薬剤は、熱に不安定なタンパク質及 /又はポリペプチドを含む薬剤である、上記 の熱に不安定な薬剤を充填した製剤の製造方 法である。

 前記熱に不安定なタンパク質は、ヒト血 アルブミンである、上記の熱に不安定な薬 を充填した製剤の製造方法である。

上記製造方法を用いることにより、容器を 一旦形成してしまい、さらに無菌充填後のシ ール工程においては伝熱抑制溶着を用いるた め、溶着による熱の伝導が小さく済み、薬剤 に熱が伝導することを抑えられる。そのため 、容器に充填した薬剤に変性するほどの熱は 伝わらないので、熱に対して不安定な薬剤に 本発明の製造方法を適用させても、薬剤を変 性させることなく安定性を損なうこともない 。また、完全密閉容器の製剤を製造可能であ るため、無菌状態の維持についても優れる。

 本発明の熱に不安定な薬剤を充填した製 の製造方法は、容器内の薬剤を変性させる とがなく、且つ薬剤を無菌的に充填・密閉 ることができるため、医療に好適に用いる とができる。

本発明の製造方法により製造される製 に用いられるユニットドーズタイプ容器の 例。

符号の説明

1 薬剤収容部
2 底部
3 破断部
4 伝熱抑制溶着部分

 本発明の製剤の製造方法を、図1に示すユ ニットドーズタイプ容器を基に説明する。ま ず、形成工程において、熱可塑性材料をプレ スして薬剤収容部1及び使用時に破断するた の破断部3を形成し、底部2を未溶着の容器を 形成する。この底部2が薬剤の充填口となる その後、充填工程において、充填口より熱 不安定な薬剤であるアルブミンを滅菌充填 る。容器に薬剤を充填した後、シール工程 おいて、充填口を伝熱抑制溶着である超音 溶着によって溶着して容器を完全密閉し、 剤を製造する。

 製剤の容器となる熱可塑性容器の原料と ては、内部に充填された薬剤と反応するこ が無いものであればよい。また、小容量薬 の課題として、水分蒸散の課題があり、容 内からの水分蒸散が起こりにくいポリエチ ン又はポリプロピレンを用いることが好ま く、ポリエチレン又はポリプロピレンの単 構造、若しくはポリエチレンとのポリプロ レンの多層構造のどちらでもよく、さらに イバリアー性外包装剤で水分蒸散を防いで 良い。熱可塑性容器の形成方法については 薬剤を充填するための充填口が開口してい ば、ブロー形成やバキューム形成、2枚のシ ートの貼り合わせによる形成や射出成型部品 の溶着による形成など、特に限定されない。

 充填口は最終的に密閉溶着可能であれば その開口箇所はどこであってもよい。ただ 、ユニットドーズタイプ用容器の場合、図1 に例示するように、破断部3が形成されるた 、後に記述するシール工程によって、形成 れた破断部3に影響を及ぼさない部分に充填 があることが好ましい。特に、破断部分3は 容器の頂部付近に形成されることが多いため 、充填口は容器の底部2であることが特に好 しい。破断部3が伝熱抑制溶着によって形成 能である場合は、形成工程において予め破 部を形成せずに、薬剤充填後のシール工程 よって破断部を形成してもよい。

 内部に充填した薬剤は容器に薬剤を充填 た後、シール工程にて充填口を溶着する方 としては、溶着時に発生した熱の伝導熱に り容器内に充填した薬剤を変性させること ない伝熱抑制溶着が用いられる。伝熱抑制 着の方法としては、先に挙げた超音波溶着 外にも、インパルス溶着やレーザー溶着等 挙げられる。

 本発明の製造方法は、薬剤充填後の充填 のシール工程において伝熱抑制溶着を用い ことにより、熱可塑性容器においても、容 内に充填する薬剤に、熱に不安定な薬剤を いることができる。特に、ユニットドーズ ような完全密閉型容器である場合には、充 される薬剤として好ましい対象は、熱に不 定な富栄養の薬剤である、熱に不安定で変 を来しやすいタンパク質、ポリペプチドな を含む薬剤であり、例えば、上述したよう モノクロナール抗体やインシュリンなどの プチド製剤や、ヒト血清アルブミンが挙げ れる。ヒト血清アルブミンとは、ヒト血漿 ら採取し、精製されたアルブミンまたは遺 子工学的に生産された組換ヒト血清アルブ ンなどがあり、主成分あるいは添加剤とし の配合の如何を問わない。

 本発明の製造方法の対象となる薬剤は、 に不安定で変性を来しやすい成分を含むも が、その発明の効果が活かされやすく、100~ 500mLの輸液製剤は勿論のこと、1~50mLの注射剤 0.1~5mLの点眼剤などのいずれもその対象とな る。具体的事例をして、5%アルブミン250mL製 、25%アルブミン50mL製剤、インターフェロン 注射液1~1.5mL製剤などをはじめ、熱に不安定 製剤のプラスチック容器化が好ましい薬剤 おいても、本発明の製造対象となる。

 特に、本発明の製造方法がその発明の効 を発揮できる点眼剤の事例を以下に記載す 。ヒト血清アルブミンを点眼用の角結膜疾 治療剤として用いる場合には、本発明の製 方法においては、この条件を維持して点眼 として製剤化することが可能である。まず ヒト血清アルブミンの使用において、不純 は異物抗原となり、アレルギー反応を起こ たり、異物性炎症を起こすため、乾性角膜 の治療を遅らせたり、悪化させる可能性が るため高純度のものが好ましい。99.999999%以 上の高純度の組換ヒト血清アルブミンには、 耐熱性ウイルスあるいはクロイツフェルトヤ コブ病原体などの混入の可能性がなく、実用 上、好ましい。

 点眼用のヒト血清アルブミンの溶解液は 生理食塩液、等張リン酸緩衝液、人工涙液 どに溶解されたものが使用される。ヒト血 アルブミンの濃度は、その治療目的に応じ 如何なる濃度を含んでも問題はない。

 ヒト血清アルブミンを点眼用の角膜疾患 療剤として用いる場合には、少量であるこ に加え、上述のように、ヒト血清アルブミ の濃度は薄いものであり、また、治療剤の 度やpH値の変化や、治療剤中の不純物の混 によって、治療剤としての効果を発揮しな ばかりか悪化させるおそれもあるため、ア ブミンの変性における治療剤への影響は大 いが、本発明の製造方法を用いて製剤化す ことにより、アルブミンの変性のおそれは く、治療剤の治療効果が薄れることはない また、熱に不安定な薬剤の中でも、富栄養 剤であるアルブミンを完全密閉容器内に充 することが可能であるため、無菌状態の維 についても特に優れる。

 また、点眼用容器は容量が小さく、シー 工程における被シール部分である充填口と 器内に充填された薬液とが近接し、さらに 単位体積当たりの伝熱量も大きくなるが、 のように溶着部と薬液とが近接している場 においても本発明の製造方法では、薬剤の 着に起因する熱の伝導による薬剤の変性の それはなく、特に少量容器において安定性 損なわずに製剤化可能であるという効果が 揮される。




 
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