CHIBA TAKASHI (JP)
OTANI HIROYUKI (JP)
WATANABE TETSUYA (JP)
CHIBA TAKASHI (JP)
OTANI HIROYUKI (JP)
JP2005060552A | 2005-03-10 | |||
JP2002030129A | 2002-01-31 | |||
JPH11513719A | 1999-11-24 |
ポリオールおよび3,3″-ジメチルビフェニル-4,4″-ジイソシアネートを反応させて得られる末端イソシアネート基含有プレポリマーに、水、分子量48~200の低分子量グリコールおよび数平均分子量Mn 1000~3000の高分子量グリコールの混合物よりなる発泡剤を撹拌混合し、発泡反応を行うことを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。 |
ポリオールとして数平均分子量Mnが500~4000のポリオールが用いられる請求項1記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。 |
高分子量グリコールとしてイソシアネート基含有プレポリマー合成に用いられたものと同じポリオールが用いられる請求項2記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。 |
末端イソシアネート基含有プレポリマー100重量部当り、水が0.1~5.0重量部、低分子量グリコールが0.1~5.0重量部および高分子量グリコールが0.5~70重量部それぞれ用いられる請求項1記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。 |
請求項1記載の方法により製造された発泡ポリウレタンエラストマー。 |
請求項4記載の方法により製造された発泡ポリウレタンエラストマー。 |
自動車用弾性体部品として用いられる請求項5記載の発泡ポリウレタンエラストマー。 |
自動車用弾性体部品として用いられる請求項6記載の発泡ポリウレタンエラストマー。 |
自動車用弾性体部品が自動車サスペンション部の補助スプリングである請求項7記載の発泡ポリウレタンエラストマー。 |
自動車用弾性体部品が自動車サスペンション部の補助スプリングである請求項8記載の発泡ポリウレタンエラストマー。 |
本発明は、発泡ポリウレタンエラストマ の製造方法に関する。さらに詳しくは、自 車サスペンション部の補助スプリングなど 自動車用弾性体部品として有効に用いられ 発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法 関する。
微細なセル構造を有する発泡ポリウレタ エラストマーは、制震性、衝撃吸収性にす れており、高荷重時の動的特性、耐久性、 ヘタリ性の観点から自動車サスペンション の補助スプリングなどとして多く使用され いる。特に、1,5-ナフタレンジイソシアネー ト(NDI)をベースとした発泡ポリウレタンエラ トマーは、耐屈曲疲労特性にすぐれており 高耐久性が要求される補助スプリング部位 多く使用されている。しかるに、NDIは他の イソシアネート化合物と比べて原料単価が く、かつ反応性に富んでいることから取扱 が難しいといった問題があった。
自動車用補助スプリングの破損メカニズム
、まず繰り返し屈曲変形により材料自体が
熱し、その際の温度によって材料の物理的
性が低下し、局所的な亀裂が発生すること
よるものと考えられる。従って、耐久性に
ぐれた補助スプリング用材料は、高温環境
においても物理的特性が低下しないという
質が必要不可欠であり、これには強固な架
構造を有するポリウレタン分子鎖の高次元
造が必要となる。しかるに、ジイソシアネ
ト、高分子量ジオールおよび鎖延長剤(低分
子量ジオール)を一括混合(ワンショット法)あ
るいは高分子量ジオールをあらかじめジイソ
シアネートと反応させてプレポリマーを調製
したのち低分子量ジオールを用いて鎖延長を
行う(プレポリマー法)といった従来の製造方
では、NDI以外の芳香族ジイソシアネートを
いてかかる強固な架橋構造を有するポリウ
タン分子鎖の高次元構造を実現することは
きなかった。
本発明の目的は、安価で取扱いの容易な イソシアネート化合物を使用しながらも、 い耐久性、特に高荷重時の高い耐久性を達 せしめた発泡ポリウレタンエラストマーの 造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、ポリオールおよ 3,3″-ジメチルビフェニル-4,4″-ジイソシア ートを反応させて得られる末端イソシアネ ト基含有プレポリマーに、水、分子量48~200 低分子量グリコールおよび数平均分子量Mn 1000~3000の高分子量グリコールの混合物よりな る発泡剤を撹拌混合し、発泡反応を行って発 泡ポリウレタンエラストマーを製造する方法 によって達成される。
本発明に係る方法を用いることにより製 される発泡ポリウレタンエラストマーは、 価で取扱いが容易な3,3″-ジメチルビフェニ ル-4,4″-ジイソシアネート(トリジンジイソシ アネート;TODI)をジイソシアネート化合物とし て用いた発泡ウレタンエラストマーにあって も、原料単価の高いNDIをベースとしたものと 同等の物性特性を有する発泡ウレタンエラス トマーが得られるといったすぐれた効果を奏 する。
具体的には、一般的なゴム材料の引張試 方法において、100℃の雰囲気下に1時間保管 し、同温度雰囲気下で破断時伸び試験を行っ た破断時伸び率は、常温雰囲気下での破断時 伸び率の75%以上を維持しており、高温雰囲気 下における物理的特性の低下が小さいといっ た特性を有する。
これは、本発明のポリウレタンエラスト ーの製造方法での発泡硬化反応において、 初に反応性の高い水や低分子量グリコール ウレタンプレポリマー中に存在する過剰量 ジイソシアネートモノマーと反応すること ハードセグメントが成長し、その後反応性 低い高分子量グリコールが残存したイソシ ネート基と反応してソフトセグメントを形 するため、ハードセグメントとソフトセグ ントが長鎖化し、ミクロ相分離がより進行 ることで、物理的架橋性が高くなるためで ると考えられる。
従って、NDI以外の安価なジイソシアネー 化合物をポリオールに反応させて得られた 泡ポリウレタンエラストマーであっても、 来は適用が困難であるとされていた高耐久 が要求される自動車用スプリングなどの自 車用弾性体部品として有効に用いられる。
ポリオールとしては、末端活性水素を有 る長鎖グリコールである数平均分子量Mnが50 0~4000、好ましくは1000~3000、水酸基価が30~150、 好ましくは40~100のものであれば特に限定され ず、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリ カーボネート系、シリコーン系、1,4-ポリブ ジエン系、1,2-ポリブタジエン系、ひまし油 等の各種ポリオールおよびこれらの混合物 用いられる。また、ポリオールのMnが500~4000 と規定されるのは、これ以下のMnでは、発泡 リウレタンエラストマーの柔軟性が損なわ て脆くなり、一方これ以上のMnでは、発泡 リウレタンエラストマーが低硬度となって まい、十分な材料強度を得ることができな ことによる。
ポリオールと反応させるジイソシアネー としては、3,3″-ジメチルビフェニル-4,4″- イソシアネート(TODI)が、ポリオールのOH当 当りイソシアネート基が1当量より多く5当量 以下、好ましくは4当量以下となるような割 で用いられる。ジイソシアネート成分が、 れよりも少なく用いられると末端イソシア ート基含有プレポリマーが形成されず、一 これより多い割合で用いられると発泡ポリ レタンエラストマーの硬度が上昇し、緩衝 品としての使用に不向きとなる。
ポリオールおよびジイソシアネートは、 90~130℃で約15分間乃至約1時間程度反応させ プレポリマーを生成させる。
発泡剤としては、末端イソシアネート基 有プレポリマー100重量部当り、水0.1~5.0重量 部、好ましくは0.2~3.0重量部、分子量48~200、 ましくは62~160の低分子量グリコール0.1~5.0重 部、好ましくは0.2~3.0重量部および数平均分 子量Mn1000~3000、好ましくは1000~2000の高分子量 リコール0.5~70重量部、好ましくは1~50重量部 が用いられる。低分子量グリコールが用いら れないと、ハードセグメントを成長させるこ とができず、反対に高分子量グリコールが用 いられないと、ソフトセグメントを成長させ ることができないため、いずれの場合にもハ ードセグメントとソフトセグメントを長鎖化 させることができず、物理的架橋性を高める ことができなくなる。
低分子量グリコールとしては、エチレン リコール、プロピレングリコール、1,4-ブタ ンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス( 2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどが、また 高分子量グリコールとしては、好ましくはプ レポリマー形成に用いられた範疇のもの、さ らに好ましくは同種のポリオールが用いられ 、具体的にはエチレンアジペートポリエステ ルポリオール、エチレンブチレンアジペート ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレ ングリコール、ポリプロピレングリコールな どが用いられる。高分子量グリコールのMnが1 000~3000と規定されるのは、これ以下のMnでは 柔軟性を必要とするソフトセグメントを形 することができず、一方これ以上のMnでは、 発泡剤が高粘度となり、取扱いが難しくなる ため好ましくないことによる。
また発泡剤とともに、セル構造を決定さ る成分としてシリコーン整泡剤などの整泡 が、一般にプレポリマー100重量部当り、0.1~ 3.0重量部、好ましくは0.2~2.0重量部の割合で いられることが好ましい。また、ポリウレ ン化反応に際しては、アミン化合物等を触 として反応に関与させることができる。上 各成分以外にも、さらに充填剤、2価金属の 化物または水酸化物、滑剤等を必要に応じ 適宜配合して用いることができる。
これらの発泡剤、整泡剤および触媒は、 成プレポリマーに混合され、所定容積の金 を用いて注型成形することによってポリウ タン化反応が進行する。離型後、好ましく 約80~150℃で約5~24時間程度二次架橋(アニー )することにより、発泡ポリウレタンエラス マー成形品が得られる。
次に、実施例について本発明を説明する。
こに記載された各実施例、比較例、参考例
は、発泡ポリウレタンエラストマーが次の
うな条件下で使用され、成形された。
発泡ウレタン化反応に用いられるプレポ
リマー温度:約70~80℃
発泡ウレタン化反応に用いられる発泡剤
温度:約50~60℃
金型温度:約50~60℃
離型時間:約15~20分間
二次架橋:120℃、24時間
成形は、成形密度0.5g/cm 3
のシート形状および自動車サスペンション用
補助スプリング形状の評価用サンプルとして
成形され、シート形状への成形は、30×60×150m
mに成形されたブロックを二次加硫後に30×60×
2mmの大きさにスライスすることにより行われ
た。
実施例1
数平均分子量Mn 2,000、水酸基価56のエチレ
アジペート系ポリエステルポリオール100重
部を120℃で溶融させた後、予め120℃に加熱
た反応器に仕込み、撹拌しながらTODI 40重量
部(NCO/OH当量比3.0)を加えて30分間反応させ、
レタンプレポリマーを得た。これとは別に
60℃で溶融させた数平均分子量Mn 2,000、水酸
基価56のエチレンアジペート系ポリエステル
リオール3937重量部に、水150重量部、1,4-ブ
ンジオール150重量部、整泡剤100重量部、ア
ン系触媒10重量部を加え、これらを2時間撹
混合して発泡剤を得た。
上記温度条件下で、ウレタンプレポリマ :発泡剤を100:26.3の重量比率で混合し、撹拌 て発泡反応を行い、成形した後、二次架橋 行い、評価用サンプルを得た。
実施例2
実施例1において、発泡剤成分中、1,4-ブタ
ジオールの代わりにトリメチロールプロパ
149重量部が用いられた。
実施例3
数平均分子量Mn 2,000、水酸基価67のエチレ
アジペート系ポリエステルポリオール100重
部を120℃で溶融させた後、予め120℃に加熱
た反応器に仕込み、撹拌しながらTODI 40重量
部(NCO/OH当量比2.5)を加えて30分間反応させ、
レタンプレポリマーを得た。これとは別に
60℃で溶融させた数平均分子量Mn 2,000、水酸
基価56のエチレンアジペート系ポリエステル
リオール4436重量部に、水150重量部、1,4-ブ
ンジオール150重量部、整泡剤100重量部、ア
ン系触媒10重量部を加え、これらを2時間撹
混合して発泡剤を得た。
ウレタンプレポリマー:発泡剤を100:26.0の 量比率で混合し、発泡反応および加硫を行 、評価用サンプルを得た。
比較例1
実施例1において、TODI量を30重量部(NCO/OH当
比2.3)に変更し、また発泡剤成分としてエチ
ンアジペート系ポリエステルポリオールを
いずに、他の各成分をそれぞれ同量用いて
泡剤が調製された。
ウレタンプレポリマー:発泡剤を100:2.0の 量比率で混合し、発泡反応および加硫を行 、評価用サンプルを得た。
比較例2
比較例1において、発泡剤成分中、1,4-ブタ
ジオールの代わりにトリメチロールプロパ
149重量部が用いられた。
比較例3
実施例1において、TODIの代わりにMDI 45重量
(NCO/OH当量比3.6)を用いたウレタンプレポリ
ーが、また発泡剤成分としてのエチレンア
ペート系ポリエステルポリオール量が2480重
部に、アミン系触媒量が8重量部にそれぞれ
変更された発泡剤が用いられた。
ウレタンプレポリマー:発泡剤を100:23.0の 量比率で混合し、発泡反応および加硫を行 、評価用サンプルを得た。
参考例
数平均分子量Mn 2,000、水酸基価56のエチレ
アジペート系ポリエステルポリオール100重
部を120℃で溶融させた後、予め120℃に加熱
た反応器に仕込み、撹拌しながらNDI 20重量
(NCO/OH当量比1.9)を加えて30分間反応させてウ
レタンプレポリマーを得た。これとは別に、
水150重量部、1,4-ブタンジオール150重量部、
泡剤100重量部、アミン系触媒2重量部を2時間
撹拌混合し、発泡剤を得た。
ウレタンプレポリマー:発泡剤を100:1.5の 量比率で混合し、発泡反応および加硫を行 、評価用サンプルを得た。
以上の各実施例、比較例および参考例で得
れたシート形状の評価用サンプルを用いて
ガラス転移点、硬さ、引張強さ、破断時伸
および圧縮永久歪が測定され、また自動車
スペンション用補助スプリング形状の評価
サンプルを用いて、補助スプリング耐久性
ついての測定が行われた。
硬さ:スプリング式アスカーC型
引張強さ、破断時伸び:ASTM D412に対応するJI
S K6261準拠(サンプル形状:ダンベル状3号形)
圧縮永久歪:ASTM D395に対応するJIS K6262準拠(
13mm径、2mm厚シート3枚重ね、25%圧縮、80℃×70
間)
補助スプリング耐久性:10kN×1Hz×10万回圧縮
の亀裂有無で評価
亀裂なしを○、亀裂
発生したものについては亀裂発生時
の圧縮回数で評価
得られた結果は、配合比とともに次の表に
される。
本発明方法により得られた発泡ポリウレ ンエラストマー成形物は、物理的架橋性に んだ高次元構造を有しているため、繰返し 縮により材料が発熱した環境に対しても強 なゴム弾性を維持しており、したがって高 久機能が要求される自動車サスペンション の補助スプリング材料などの自動車用弾性 部品として有効に使用される。
こうした用途以外にも、例えばキャスタ ロール、パッキン、シール材、防振部品、 ールジョイント等の機械・自動車・精密部 、シューソール、スキーブーツ、スノーチ ーン等のスポーツ・レジャー用品、またコ ベアベルト、キーボードシート、ガスケッ 、自動車配線等の電線、ロープ被覆などが げられる。
Next Patent: REFLECTION TYPE DISPLAY DEVICE AND ITS MANUFACTURING METHOD