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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCTION OF HYDRAZINE COMPOUND, INTERMEDIATE FOR PRODUCTION OF HYDRAZINE COMPOUND, AND PROCESS FOR PRODUCTION OF THE INTERMEDIATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022600
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a novel process for producing a hydrazine compound useful as an insecticidal compound; an intermediate which can be used suitably in the process; and a process for producing the intermediate. The intermediate includes a specific isocyanate compound and an organic magnesium compound represented by the general formula (IV). The organic magnesium compound can be synthesized from a corresponding dibromo compound.

Inventors:
HIROSE TARO (JP)
KANEMATSU KENGO (CN)
Application Number:
PCT/JP2008/064113
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO CHEMICAL CO (JP)
HIROSE TARO (JP)
KANEMATSU KENGO (CN)
International Classes:
C07D401/04; C07C265/12; C07F3/02
Domestic Patent References:
WO2007043677A12007-04-19
Foreign References:
JP2007182422A2007-07-19
Other References:
SONG, J. J. ET AL.: "Synthesis of 5-Bromopyridyl -2-magnesium Chloride and Its Application in the Synthesis of Functionalized Pyridines", ORGANIC LETTERS, vol. 6, no. 26, 2004, pages 4905 - 4907, XP008131637
CHRISTOPHERSEN, C. ET AL.: "Synthesis of 2,3- Substituted Thienylboronic Acids and Esters", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 68, no. 24, 2003, pages 9513 - 9516, XP002330210
DE , S. O. ET AL.: "Directed lithiation of N,N-diethylbenzamides. Regiospecific synthesis of contiguously tri- and tetrasubstituted alkoxybenzenes", TETRAHEDRON LETTERS, 1978, pages 5099 - 5102, XP001087584
DU, C. J. ET AL.: "A one-pot synthesis of m-terphenyls, via a two-aryne sequence", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 51, no. 16, 1986, pages 3162 - 3165, XP008131645
GELENS, E. ET AL.: "Solid-phase synthesis of 4-substituted imidazoles using a scaffold approach", BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 10, no. 17., 2000, pages 1935 - 1938, XP055352570
DALE, W. J. ET AL.: "Substituted styrenes. VI. Syntheses of the isomeric formylstyrenes and o- and m-vinylbenzoic acids", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 26, 1961, pages 2225 - 2227, XP008131640, DOI: doi:10.1021/jo01351a016
See also references of EP 2189455A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 05, JP)
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Claims:
 下記一般式(II):
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表し、R 3 は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のアルコキシアルキル基、炭素数3~6のアルケニル基または炭素数3~6のアルキニル基を表し、R 4 は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表し、R 5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表す。)
で示されるイソシアネート化合物と、下記一般式(III):
(式中、R 6 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキルスルホニル基を表し、R 7 は、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。また、Mは、Li、MgXまたはZnXを表す。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示される有機金属化合物とを反応させる工程を備える、下記一般式(I):
(式中、R 1 ~R 7 は、前記と同じ意味を表わす。)
で示されるヒドラジン化合物の製造方法。
 前記一般式(III)におけるMは、MgXである請求の範囲第1項に記載のヒドラジン化合物の製造方法。
 下記一般式(II):
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表し、R 3 は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のアルコキシアルキル基、炭素数3~6のアルケニル基または炭素数3~6のアルキニル基を表し、R 4 は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表し、R 5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表す。)
で示されるイソシアネート化合物。
 下記一般式(IV):
(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示される有機マグネシウム化合物。
 下記式(V):
で示されるジブロモ化合物を、下記一般式(VI):
 R-MgX    (VI)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキル基またはビニル基を表す。また、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示されるグリニヤール化合物と反応させる工程を備える、一般式(IV):
(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示される有機マグネシウム化合物の製造方法。
 下記式(V):
で示されるジブロモ化合物。
 下記一般式(IV):
(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示される有機マグネシウム化合物を、下記一般式(VII):
 HC(=O)-Q    (VII)
(式中、Qは、2つの炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基または炭素数1~3のアルコキシ基を表わす。)
で示される化合物と反応させる工程を備える、下記式(VIII):
で示されるホルミル化合物の製造方法。
Description:
ヒドラジン化合物の製造方法、 らびにヒドラジン化合物の製造中間体およ その製造方法

 本発明は、殺虫剤等の活性成分として有 なヒドラジン化合物の製造方法、ならびに 該製造方法に好適に使用される製造中間体 よびその製造方法に関する。

 下記一般式(I)で表わされるヒドラジン化 物は、殺虫性化合物として有用であること 知られている(国際公開2007-043677号パンフレ ト(特許文献1))。

 ここで、R 1 およびR 2 は、それぞれ炭素数1~6のアルキル基を表し、 R 3 は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のアル コキシアルキル基、炭素数3~6のアルケニル基 または炭素数3~6のアルキニル基を表し、R 4 は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基ま たは炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表 し、R 5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭 素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフ ルオロアルキル基を表す。R 6 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハ ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6 のアルキル基、ハロゲン原子で置換されてい てもよい炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン 原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアル キルチオ基、ハロゲン原子で置換されていて もよい炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、 またはハロゲン原子で置換されていてもよい 炭素数1~6のアルキルスルホニル基を表し、R 7 は、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置 換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基を 表す。

 当該文献には、上記一般式(I)で示される ドラジン化合物の製造方法として、下記一 式(A)で示される有機金属化合物を下記一般 (B)で示されるカルボン酸に誘導して、この ルボン酸を製造中間体とする製造法が記載 れている。

 ここで、R 1 ~R 7 は前記と同じ意味を表す。

国際公開2007-043677号パンフレット

 本発明の目的は、一般に取り扱いに注意 要する上記一般式(A)で示されるような有機 属化合物からより効率的に、上記一般式(I) 表される殺虫性化合物を製造することので る新規な方法を提供することである。また 本発明の他の目的は、該製造方法に好適に いることのできる製造中間体およびその製 方法を提供することである。

 本発明は、下記一般式(II):

(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基 を表し、R 3 は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のアル コキシアルキル基、炭素数3~6のアルケニル基 または炭素数3~6のアルキニル基を表し、R 4 は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基ま たは炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表 し、R 5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭 素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフ ルオロアルキル基を表す。)で示されるイソ アネート化合物と、下記一般式(III):

(式中、R 6 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハ ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6 のアルキル基、ハロゲン原子で置換されてい てもよい炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン 原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアル キルチオ基、ハロゲン原子で置換されていて もよい炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、 またはハロゲン原子で置換されていてもよい 炭素数1~6のアルキルスルホニル基を表し、R 7 は、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置 換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基を 表す。また、Mは、Li、MgXまたはZnXを表す。X 、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を す。)で示される有機金属化合物とを反応さ る工程を備える、下記一般式(I):

(式中、R 1 ~R 7 は、前記と同じ意味を表す。)で示されるヒ ラジン化合物の製造方法を提供する。ここ 、上記一般式(III)におけるMは、MgXであるこ が好ましい。

 また、本発明により、下記一般式(II):

(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基 を表し、R 3 は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のアル コキシアルキル基、炭素数3~6のアルケニル基 または炭素数3~6のアルキニル基を表し、R 4 は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基ま たは炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表 し、R 5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭 素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフ ルオロアルキル基を表す。)で示されるイソ アネート化合物が提供される。

 また、本発明は、下記一般式(IV):

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨ 素原子を表す。)で示される有機マグネシウ ム化合物を提供する。この有機マグネシウム 化合物は、上記一般式(III)で示される化合物 包含される化合物である。

 また、本発明は、下記式(V):

で示されるジブロモ化合物および、当該ジブ ロモ化合物を、下記一般式(VI):
 R-MgX    (VI)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキル基またはビ ル基を表し、Xは、塩素原子、臭素原子また はヨウ素原子を表す。)で示されるグリニヤ ル化合物と反応させる工程を備える上記一 式(IV)で示される有機マグネシウム化合物の 造方法を提供する。

 さらに本発明により、上記一般式(IV)で示さ れる有機マグネシウム化合物を、下記一般式 (VII):
 HC(=O)-Q    (VII)
(式中、Qは、2つの炭素数1~6のアルキル基で置 換されたアミノ基または炭素数1~3のアルコキ シ基を表わす。)で示される化合物と反応さ る工程を備える、下記式(VIII):

で示されるホルミル化合物の製造方法が提 供される。

 本発明によれば、イソシアネート化合物 よび有機金属化合物を製造中間体とする、 記一般式(I)で示されるヒドラジン化合物の 規な製造方法および当該製造方法に好適に 用できる製造中間体が提供される。

 また、本発明によれば、上記方法に使用 きる製造中間体等として有用な上記一般式( IV)で示される有機マグネシウム化合物および その製造方法が提供される。この有機マグネ シウム化合物は、対応する有機リチウム化合 物よりも安定であり、また、該化合物を用い ることにより、上記一般式(I)で示されるヒド ラジン化合物などの殺虫性化合物の製造にお いて有用な他の製造中間体を誘導することが できる。かかる安定性により、工業生産にお ける設備上の負担を低減することができる。

 <ヒドラジン化合物の製造方法>
 本発明に係るヒドラジン化合物は、下記一 式(I):

で示される化合物であり、当該ヒドラジン 化合物は、殺虫剤等の活性成分として有用で ある。本発明において、当該ヒドラジン化合 物は、下記一般式(II):

で示されるイソシアネート化合物と、下記 一般式(III):

で示される有機金属化合物とを反応させるこ とにより製造される。ここで、上記一般式(I) および(II)中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基 を表し、R 3 は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のアル コキシアルキル基、炭素数3~6のアルケニル基 または炭素数3~6のアルキニル基を表し、R 4 は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基ま たは炭素数1~6のパーフルオロアルキル基を表 し、R 5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭 素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のパーフ ルオロアルキル基を表す。

 R 1 およびR 2 としての炭素数1~6のアルキル基としては、た とえばメチル基、エチル基、プロピル基、イ ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec -ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げ れる。R 3 としての炭素数1~6のアルキル基としては、た とえばメチル基、エチル基、プロピル基、イ ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec -ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げ れ、炭素数3~6のアルコキシアルキル基とし は、たとえば2-メトキシエチル基、2-エトキ エチル基、2-イソプロピルオキシエチル基 挙げられ、炭素数3~6のアルケニル基として 、たとえば2-プロペニル基、2-ブテニル基、3 -ブテニル基、2-メチル-2-プロペニル基、3-メ ル-2-ブテニル基、2-ペンテニル基、2-ヘキセ ニル基が挙げられ、炭素数3~6のアルキニル基 としては、たとえば2-プロピニル基、2-ブチ ル基、3-ブチニル基が挙げられる。R 4 およびR 5 としてのハロゲン原子としては、F原子、Cl原 子、Br原子、I原子であり、炭素数1~6のアルキ ル基としては、たとえばメチル基、エチル基 、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、 イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、 キシル基が挙げられ、炭素数1~6のパーフル ロアルキル基としては、たとえばトリフル ロメチル基、ペンタフルオロエチル基が挙 られる。

 また、上記一般式(I)および(III)中、R 6 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハ ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6 のアルキル基、ハロゲン原子で置換されてい てもよい炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン 原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアル キルチオ基、ハロゲン原子で置換されていて もよい炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、 またはハロゲン原子で置換されていてもよい 炭素数1~6のアルキルスルホニル基を表し、R 7 は、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置 換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基を 表す。

 上記一般式(I)で示されるヒドラジン化合物 しては、具体的にはたとえば以下のような 合物が挙げられる。
(a)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がメチル基、R 5 がCl原子、R 6 がBr原子、R 7 がCl原子である化合物。
(b)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がメチル基、R 5 がシアノ基、R 6 がBr原子、R 7 がCl原子である化合物。
(c)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がBr原子、R 5 がBr原子、R 6 がBr原子、R 7 がCl原子である化合物。
(d)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がCl原子、R 5 がCl原子、R 6 がBr原子、R 7 がCl原子である化合物。
(e)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がメチル基、R 5 がCl原子、R 6 がトリフルオロメチル基、R 7 がCl原子である化合物。
(f)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がメチル基、R 5 がBr原子、R 6 がトリフルオロメチル基、R 7 がCl原子である化合物。
(g)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がメチル基、R 5 が水素原子、R 6 がトリフルオロメチル基、R 7 がCl原子である化合物。
(h)R 1 がメチル基、R 2 がメチル基、R 3 がメチル基、R 4 がBr原子、R 5 がCl原子、R 6 がトリフルオロメチル基、R 7 がCl原子である化合物。

 上記一般式(III)において、Mは、金属含有 を表し、具体的には、Li、MgXまたはZnXを示 。ここで、Xは、塩素原子、臭素原子または ウ素原子を表す。一般式(III)の有機金属化 物の安定性および収率、ならびに一般式(I) 示されるヒドラジン化合物の収率等を考慮 ると、MはMgXであることが好ましく、MgClまた はMgBrであることがより好ましい。上記一般 (III)で示され、MがMgXである化合物として、 とえば、後述する一般式(IV)で示される有機 グネシウム化合物を好適に用いることがで る。

 なお、上記一般式(I)~(III)で示される化合物 それぞれ、上に規定するR 1 ~R 7 の置換基を有する限りにおいて、置換基の種 類において異なる2種以上の化合物の混合物 あってもよい。

 上記一般式(II)で示されるイソシアネート 化合物と一般式(III)で示される有機金属化合 との反応において、有機金属化合物の使用 は、イソシアネート化合物1モルに対して、 通常0.8~10モル程度であり、好ましくは1.0~2.0 ル程度である。

 反応温度は、通常-80~100℃程度であり、好 ましくは、-10~30℃程度である。反応時間は、 反応温度や一般式(III)の有機金属化合物の使 量および種類等により異なるが、通常、0.1~ 100時間程度であり、典型的には、1~10時間程 である。

 本反応は、通常、溶媒の存在下に実施す 。溶媒としては、たとえば、トルエン、キ レン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプ ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、 オキサン、テトラヒドロフラン、t-ブチル チルエーテル、1,2-ジ-n-ブトキシエタン、ジ チレングリコールジ-n-ブチルエーテル等の ーテルならびにこれらの混合溶媒などを挙 ることができる。好ましくは、テトラヒド フラン、テトラヒドロフランと芳香族炭化 素との混合溶媒である。溶媒の使用量は、 般式(II)で示されるイソシアネート化合物1 量部に対して、たとえば1~100質量部程度とす ることができる。好ましくは、1~30質量部程 である。

 上記イソシアネート化合物と有機金属化 物との反応は、より具体的には、イソシア ート化合物を含有する溶液S1に、有機金属 合物を含有する溶液S2を添加することにより 行なうことができる。これらの溶液S1、S2は れぞれ、イソシアネート化合物、有機金属 合物調製時の反応混合物そのものであって よく、イソシアネート化合物を含有する溶 S1に関していえば、該反応混合物からイソシ アネート化合物を単離した後、適宜の溶媒を 用いて、単離されたイソシアネート化合物を 溶解して調製された溶液であってもよい。な お、溶液S1中の溶媒と溶液S2中の溶媒とは同 であっても異なっていてもよい。

 反応終了後の反応混合物中に含まれるヒ ラジン化合物は、好ましくは単離され、殺 性化合物として、たとえば農薬等に適用さ る。ヒドラジン化合物は、たとえば、反応 合物に洗浄、分液、濃縮等の、通常の後処 操作を施すことにより単離することが可能 ある。単離されたヒドラジン化合物は再結 、カラムクロマトグラフィー等により、さ に精製した後使用されてもよい。

 <イソシアネート化合物の製造方法>
 上記一般式(II)で示されるイソシアネート化 合物の製造方法は、特に限定されないが、下 記一般式(IX):

で示される、対応するアミノ化合物(アニリ 誘導体)のアミノ基を、イソシアネート化剤 用いてイソシアネート化する方法が好適に いられる。ここで、R 1 ~R 5 は、一般式(II)の場合と同じ意味を表す。イ シアネート化剤としては、従来公知のもの 用いることができ、たとえばトリホスゲン( 酸ビス(トリクロロメチル))、ジホスゲン(ク ロロギ酸トリクロロメチル)、ホスゲン等を げることができる。トリホスゲンをイソシ ネート化剤として用いる場合、その使用量 、該アミノ化合物1モルに対して、0.3~3.3モル 程度とすることができ、好ましくは、0.33~0.66 モル程度である。ジホスゲンをイソシアネー ト化剤として用いる場合、その使用量は、該 アミノ化合物1モルに対して、0.455~5モル程度 することができ、好ましくは、0.5~1.0モル程 度である。ホスゲンをイソシアネート化剤と して用いる場合、その使用量は、該アミノ化 合物1モルに対して、0.8~10モル程度とするこ ができ、好ましくは、1.0~2.0モル程度である 反応溶媒としては、たとえばトルエン、キ レン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン のハロゲン化芳香族炭化水素、ヘキサン、 プタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水 、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハ ロゲン化脂肪族炭化水素、ジオキサン、テト ラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エチル、 酢酸ブチル等のエステル、メチルイソブチル ケトン、メチルエチルケトン等のケトンなら びにこれらの混合溶媒等を使用することがで きる。その他の反応条件としては、アミノ化 合物のイソシアネート化の実施において当業 者によって通常採用され得る条件を採用する ことができる。

 反応終了後は、たとえば、濃縮、蒸留等 通常の後処理操作を行なうことにより、溶 、余剰のイソシアネート化剤および副生す 塩化水素を分離して、イソシアネート化合 を単離してもよいし、あるいはイソシアネ ト化合物を単離することなく、後処理操作 一部または全部を省略して、イソシアネー 化合物を含む混合物が次工程の有機金属化 物との反応に供されてもよい。

 上記一般式(IX)で示されるアミノ化合物は 、例えば下記に示す方法により調製すること ができる。

 なお、一般式(IX-a)で示される化合物は公 の化合物であるか、対応する2-アミノ安息 酸誘導体とホスゲン類とを反応させる公知 方法により調製することができる。一般式(I X-b)で示される化合物は公知の化合物である 、対応するヒドラジン類とクロロ蟻酸エス ルとを反応させる公知の方法により調製す ことができる。

 <有機金属化合物の製造方法>
 上記一般式(III)で示される有機金属化合物 うち、MがMgX(Xは、塩素原子、臭素原子また ヨウ素原子を表す。)である有機マグネシウ 化合物は、たとえば、下記一般式(X):

で示される、対応するブロモ化合物と、下記 一般式(VI):
 R-MgX    (VI)
で示されるグリニヤール化合物とを反応させ ることにより調製することができる。ここで 、一般式(X)におけるR 6 およびR 7 は、一般式(III)の場合と同じ意味である。ま 、一般式(VI)におけるXは、塩素原子、臭素 子またはヨウ素原子を表し、好ましくは塩 原子または臭素原子である。一般式(VI)で示 れるグリニヤール化合物は、Xが異なる2種 上の化合物の混合物であってもよい。

 一般式(VI)におけるRは、炭素数1~6のアル ル基またはビニル基であり、得られる有機 グネシウム化合物の収率等の観点からは、R 炭素数1~3のアルキル基であることが好まし 。炭素数1~6のアルキル基の具体例を示せば メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ ピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシ 基である。

 一般式(VI)で示されるグリニヤール化合物 を用いた有機マグネシウム化合物の製造にお ける、一般式(VI)のグリニヤール化合物の使 量は、上記一般式(X)で示されるブロモ化合 1モルに対して、通常0.5~5モル程度であり、 ましくは1~3モル程度である。

 反応温度は、通常-80~100℃程度であり、好 ましくは、-20~30℃程度の範囲である。反応時 間は、反応温度や一般式(VI)のグリニヤール 合物の使用量および種類等により異なるが 通常、0.1~100時間程度であり、典型的には、1 ~24時間程度である。

 該グリニヤール化合物を用いた反応は、 媒の存在下に実施することが好ましい。溶 としては、たとえば、トルエン、キシレン の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂 族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフ ン等のエーテルならびにこれらの混合溶媒 どを挙げることができる。好ましくは、テ ラヒドロフラン、テトラヒドロフランと芳 族炭化水素との混合溶媒である。溶媒の使 量は、上記式(X)で示されるブロモ化合物1質 量部に対して、たとえば0.1~100質量部程度と ることができる。好ましくは、1~20質量部程 である。ここで、本発明においては、該グ ニヤール化合物を用いた反応は、好ましく 上記式(X)で示されるブロモ化合物を含む溶 S3中に、一般式(VI)に示されるグリニヤール 合物を含む溶液S4を滴下することにより行 われ、この場合、上記溶媒量は、溶液S3およ びS4に含有される溶媒の合計量である。なお 溶液S3中の溶媒と溶液S4中の溶媒とは同じで あっても異なっていてもよい。一般式(VI)に されるグリニヤール化合物の調製は、従来 知の方法により行なうことができる。

 反応の進行は、たとえば反応混合物を一 取り出し、適切な試剤を用いてクエンチし 後、該試剤と有機マグネシウム化合物との 応物および原料であるブロモ化合物を薄層 ロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィ 、高速液体クロマトグラフィー等のクロマ グラフィーやNMRなどの分析手段を用いて、 性的または定量的に分析することにより確 することができる。クエンチ用試剤として 、有機マグネシウム化合物が上記手段によ 検出可能な化合物に変換される限り特に制 されるものではないが、水、重水、アルコ ル類、二酸化炭素、クロロギ酸エステル、N ,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記載す ことがある。)、ジメチル硫酸、メチルクロ イド、アセトンなどを挙げることができる たとえば、重水をクエンチ用試剤とする場 、有機マグネシウム化合物の-MgX基は-D基に 換され、クロマトグラフィー法により定量 析可能な下記式(XII):

で示される化合物を生じる。有機マグネシ ウム化合物は、クエンチ用試剤の種類に応じ て、カルボキシル体、アルコキシカルボニル 体、ホルミル体、メチル体等に変換すること ができる。

 好ましい態様では、反応混合物中に含ま る有機マグネシウム化合物は、単離される となく、該反応混合物がそのまま上記イソ アネート化合物との反応に供される。一般 (III)で示され、MがMgXである有機マグネシウ 化合物は、対応する有機リチウム化合物と べて良好な安定性を有しており、したがっ 、反応混合物の保存、および該反応混合物 用いた反応は、必ずしも-80℃~-70℃という極 低温で行なわれる必要はない。

 上記一般式(III)で示される有機金属化合 のうち、MがLiである有機リチウム化合物は たとえば、下記一般式(XI):

で示される、対応する化合物と、リチウム ジイソプロピルアミド(以下、LDAと記載する とがある。)とを反応させることにより調製 ることができる。

 上記一般式(III)で示され、MがZnX(Xは、塩 原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。) ある有機金属化合物は、MがLiまたはMgXであ 化合物と亜鉛の塩とを反応させることによ 、調製することができる。

 上記一般式(X)で示されるブロモ化合物は、 とえば下記に示す方法により調製すること できる。下記例は、R 6 がBr原子であり、R 7 がCl原子である場合を示している。かかる調 方法の詳細については後述する。

 また、上記一般式(XI)で示される化合物は 、たとえば下記に示す方法により調製するこ とができる。

 <有機マグネシウム化合物>
 次に、本発明によって提供される下記一般 (IV):

で示される有機マグネシウム化合物につい て詳細に説明する。該化合物は、対応する有 機リチウム化合物よりも安定性に優れ、上記 一般式(I)や、さらには下記一般式(I’)で表さ れる殺虫性化合物の製造中間体として極めて 有用である。本発明の有機マグネシウム化合 物は、そのピラゾール環上に-MgX基を有して り、いわゆるグリニヤール試薬の一種であ 、上記一般式(III)に包含される化合物である 。

 ここで、上記一般式(I’)において、R 1 はハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6 ルキル基を表し、R 2 は水素原子、またはハロゲン原子で置換され ていてもよいC1-C6アルキル基を表し、R 3 はハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6 ルキル基、ハロゲン原子で置換されていて よいC3-C6アルコキシアルキル基、ハロゲン 子で置換されていてもよいC3-C6アルケニル基 、またはハロゲン原子で置換されていてもよ いC3-C6アルキニル基を表し、R 4 はハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換 されていてもよいC1-C6アルキル基を表し、R 5 は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、また はハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6 ルキル基を表す。

 上記一般式(IV)において、Xはハロゲン原 であり、具体的には、塩素原子、臭素原子 よびヨウ素原子等である。好ましくは、Xは 素原子または臭素原子である。本発明の有 マグネシウム化合物は、Xが異なる2種以上 有機マグネシウム化合物の混合物であって よい。本発明の有機マグネシウム化合物は 下記式(C)で示されるリチウム塩と比して、 存安定性がより高い。すなわち、下記式(C) 示されるリチウム塩は、-10℃程度の低温条 では不安定であり、その保存には、たとえ -78℃の極低温条件を必要とする場合がある このような極低温条件下での保存は、特に 業的規模の製造時においては、設備上の負 が大きい場合がある。一方、上記一般式(IV) 示される有機マグネシウム化合物は、保存 定性がより高く、工業的規模の製造により している。

 上記一般式(IV)で示される本発明の有機マ グネシウム化合物の製造方法として、次に示 す方法を好適に用いることができる。すなわ ち、下記式(V):

で示されるジブロモ化合物を、下記一般式(VI ):
 R-MgX    (VI)
で示されるグリニヤール化合物と反応させる 方法である。

 一般式(VI)におけるXは、上記したとおり あり、得られる有機マグネシウム化合物の 率等の観点から、Xは塩素原子または臭素原 であることが好ましい。一般式(VI)で示され るグリニヤール化合物は、Xが異なる2種以上 化合物の混合物であってもよい。また、Rは 、炭素数1~6のアルキル基またはビニル基であ り、得られる有機マグネシウム化合物の収率 等の観点からは、Rは炭素数1~6のアルキル基 あることが好ましい。炭素数1~6のアルキル の具体例を示せば、メチル基、エチル基、 ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ ブチル基、ヘキシル基である。

 上記一般式(VI)のグリニヤール化合物を用 いた反応によれば、本発明の有機マグネシウ ム化合物を高収率で得ることができる。また 、一般式(VI)のグリニヤール化合物を用いた 応においては、ピラゾール環の3位のBr基へ Mgの挿入反応はほとんど起こらず、選択的に 本発明の有機マグネシウム化合物を得ること ができる。

 一般式(VI)で示されるグリニヤール化合物 を用いた本発明の有機マグネシウム化合物の 製造における、一般式(VI)のグリニヤール化 物の使用量は、上記式(V)で示されるジブロ 化合物1モルに対して、通常0.5~5モル程度で り、好ましくは1~3モル程度である。

 反応温度は、通常-80~100℃程度であり、好 ましくは、-20~30℃程度の範囲である。反応時 間は、反応温度や一般式(VI)のグリニヤール 合物の使用量および種類等により異なるが 通常、0.1~100時間程度であり、典型的には、0 .1~3時間程度である。

 該グリニヤール化合物を用いた反応は、 常、溶媒の存在下に実施する。溶媒として 、たとえば、トルエン、キシレン等の芳香 炭化水素、シクロヘキサン等の脂肪族炭化 素、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の ーテル、ならびにこれらの混合溶媒などを げることができる。好ましくは、テトラヒ ロフラン、テトラヒドロフランと芳香族炭 水素との混合溶媒である。溶媒の使用量は 上記式(V)で示されるジブロモ化合物1質量部 に対して、たとえば0.1~100質量部程度とする とができる。好ましくは、3~20質量部程度で る。ここで、本発明においては、該グリニ ール化合物を用いた反応は、好ましくは上 式(V)で示されるジブロモ化合物を含む溶液S 5中に、一般式(VI)に示されるグリニヤール化 物を含む溶液S6を滴下することにより行な れ、この場合、上記溶媒量は、溶液S5および S6に含有される溶媒の合計量である。なお、 液S5中の溶媒と溶液S6中の溶媒とは同じであ っても異なっていてもよい。一般式(VI)に示 れるグリニヤール化合物の調製は、従来公 の方法により行なうことができる。

 反応の進行は、たとえば反応混合物を一 取り出し、適切な試剤を用いてクエンチし 後、該試剤と有機マグネシウム化合物との 応物および原料であるジブロモ化合物を薄 クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフ ー、高速液体クロマトグラフィー等のクロ トグラフィーやNMRなどの分析手段を用いて 定性的または定量的に分析することにより 認することができる。クエンチ用試剤とし は、有機マグネシウム化合物が上記手段に り検出可能な化合物に変換される限り特に 限されるものではないが、水、重水、アル ール類、二酸化炭素、クロロギ酸エステル DMF、ジメチル硫酸、メチルクロライド、ア トンなどを挙げることができる。たとえば 重水をクエンチ用試剤とする場合、有機マ ネシウム化合物の-MgX基は-D基に転換され、 ロマトグラフィー法により定量分析可能な 記式(XII’):

で示される化合物を生じる。有機マグネシ ウム化合物は、クエンチ用試剤の種類に応じ て、カルボキシル体、アルコキシカルボニル 体、ホルミル体、メチル体等に変換すること ができる。また、クエンチ用試剤として、後 述する特定のホルミル化合物が用いられても よい。クエンチによりこれらの変換物が得ら れることは、グリニヤール化合物との反応に より、一般式(IV)で示される有機マグネシウ 化合物が生成していることの証明ともなる

 好ましい態様では、反応終了後の反応混 物中に含まれる有機マグネシウム化合物は 単離されることなく、上記一般式(I)または( I’)で表わされる殺虫性化合物を製造するた に、上記一般式(II)で示されるイソシアネー ト化合物との反応に供されてもよいし、ある いは次段階の製造中間体に変換されてもよい 。本発明の有機マグネシウム化合物は良好な 安定性を有しており、したがって、反応混合 物の保存、および該反応混合物を用いた反応 は、必ずしも-80℃~-70℃という極低温で行な れる必要はない。上記次段階の製造中間体 しては、有機マグネシウム化合物の-MgX基が ルボキシル基に置換されたカルボキシル体 ホルミル基に置換されたホルミル体などを げることができる。カルボキシル体は、た えば反応混合物に二酸化炭素ガスを接触さ ることにより得ることができる。また、-MgX 基がホルミル基に置換されたホルミル体、す なわち、下記式(VIII):

で示される化合物は、有機マグネシウム化合 物を、下記一般式(VII):
 HC(=O)-Q    (VII)
で示される化合物と反応させることにより得 ることができる。

 ここで、一般式(VII)中、Qは、2つの炭素数 1~6のアルキル基で置換されたアミノ基または 炭素数1~3のアルコキシ基を表す。アミノ基は 、2つのアルキル基で置換されていることが ましく、この場合、各アルキル基は、炭素 1~3のアルキル基であることがより好ましい 一般式(VII)で示される化合物の具体例として は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチル ルムアミド等のギ酸アミド類、ギ酸メチル ギ酸エチル、ギ酸n-プロピル、ギ酸イソプ ピル等のギ酸エステル類を挙げることがで 、好ましくはギ酸アミド類が挙げられる。

 上記一般式(VII)で示される化合物との反 は、具体的には、有機マグネシウム化合物 一般式(VII)で示される化合物とを混合するこ とにより行なうことができる。また、前記反 応は、有機マグネシウム化合物を含む反応混 合物に、一般式(VII)で示される化合物を添加 ることによっても行なうことができる。一 式(VII)で示される化合物の使用量は、上記 (IV)で示される有機マグネシウム化合物1モル に対して、通常0.8~10モル程度であり、好まし くは1.0~5モル程度である。

 反応温度は、通常-80~100℃程度であり、好 ましくは、-20~30℃程度の範囲である。反応時 間は、通常、0.1~100時間程度であり、典型的 は、0.1~5時間程度である。

 反応終了後は、たとえば、洗浄、分液、 縮等の、通常の後処理操作を行なうことに り、ホルミル体を単離することができる。 離されたホルミル体は再結晶、カラムクロ トグラフィー等により、さらに精製するこ ができる。また、単離されたホルミル体は 精製することなく、次工程に使用すること できる。あるいは、後処理操作の一部また 全部を行なうことなく、次工程に進んでも い。

 <ジブロモ化合物>
 上記式(V)で示されるジブロモ化合物は、工 的に入手容易な原料を用いて、以下に示す 法により好適に製造することができる。

 以下、各工程について説明する。
 まず、2,3-ジクロロピリジンとヒドラジンと の反応により、ヒドラジン化合物(XIII)を得る 。本反応において、ヒドラジンの使用量は、 2,3-ジクロロピリジン1モルに対して、通常1~10 モル程度であり、好ましくは2~5モル程度であ る。反応温度は、通常50~100℃程度である。反 応時間は、通常10~100時間程度である。溶媒と しては、たとえば、n-ブタノール等のアルコ ル、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水 、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭 水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化 素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、 ロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素 ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー ル、水、ならびにこれらの混合溶媒などが いられる。

 ついで、ヒドラジン化合物(XIII)とカルボ 酸クロライド(XIV)との反応により、エステ 化合物(XV)を得る。ヒドラジン化合物(XIII)は 3-クロロピリジン-2-イルヒドラジンであり カルボン酸クロライド(XIV)は、アルコキシカ ルボニル基含有カルボン酸クロライドである 。ここで、カルボン酸クロライド(XIV)中のYは 、炭素数1~3のアルキル基を表わす。カルボン 酸クロライド(XIV)の具体例としては、メチル ロニルクロライド、エチルマロニルクロラ ド等を挙げることができる。好ましくは、 チルマロニルクロライドである。なお、当 反応により得られるエステル化合物(XV)は、 塩酸塩の形態であってもよい。

 本反応において、カルボン酸クロライド( XIV)の使用量は、ヒドラジン化合物(XIII)1モル 対して、通常1~10モル程度であり、好ましく は1~5モル程度である。反応温度は、通常-10~10 0℃程度であり、好ましくは、0~30℃程度の範 である。反応時間は、通常、0.1~10時間程度 ある。溶媒としては、たとえば、トルエン キシレン等の芳香族炭化水素、クロロベン ン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ヘキサ 、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘ サン等の脂環式炭化水素、クロロホルム等 ハロゲン化脂肪族炭化水素、ジオキサン、 トラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エチ 等のエステル、メチルイソブチルケトン等 ケトン、アセトニトリル、プロピオニトリ 等のアルキルニトリル、ならびにこれらの 合溶媒が挙げられる。なかでも、アセトニ リルが好ましく用いられる。

 反応終了後は、通常の後処理操作を行な ことにより、エステル化合物(XV)を単離して もよいし、後処理操作の一部または全部を行 なうことなく、次工程に進んでもよい。

 続く工程は、エステル化合物(XV)またはそ の塩酸塩よりジブロモ化合物(V)を得る工程で ある。該工程は、エステル化合物(XV)を塩基 反応させる第1の操作、および、該操作によ 得られる化合物を臭素化剤と反応させる第2 の操作よりなる。第1の操作において使用で る塩基としては、たとえば水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金 水酸化物を挙げることができる。使用する 基の量は、エステル化合物(XV)1モルに対し、 1~10モル程度である。

 反応温度は、-10~100℃程度とすることがで き、好ましくは、0~50℃程度の範囲である。 応時間は、通常、0.1~100時間程度であり、典 的には、1~10時間程度である。溶媒としては 、たとえば、メタノール、エタノール、n-ブ ノール等のアルコール、トルエン、キシレ 等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン等の ロゲン化芳香族炭化水素、シクロヘキサン の脂肪族炭化水素、クロロホルム等のハロ ン化脂肪族炭化水素、ジオキサン、テトラ ドロフラン等のエーテル、酢酸エチル等の ステル、メチルイソブチルケトン等のケト 、アセトニトリル、プロピオニトリル等の ルキルニトリル、DMF、N-メチルピロリドン( 下、NMPと略記することがある。)、1,3-ジメ ルイミダゾリジノン(以下、DMIと略記するこ がある。)、ジメチルスルホキシド(以下、DM SOと略記することがある。)などの非プロトン 系高極性溶媒、水ならびにこれらの混合溶媒 が挙げられる。なかでも、メタノール、エタ ノール、n-ブタノール等のアルコールが好ま く用いられる。反応終了後は、反応混合物 中和した後に、有機溶剤による抽出、濃縮 の後処理操作を行なうことにより、中間生 物を単離することができる。

 続く第2の操作において使用できる臭素化 剤の例としては、オキシ臭化リン、五臭化リ ンが挙げられる。臭素化剤の使用量は、エス テル化合物(XV)1モルに対して、オキシ臭化リ の場合には、2~10モル程度であり、好ましく は2~5モル程度である。また、オキシ臭化リン は反応溶媒を兼ねてもよい。反応温度は、0~2 00℃程度とすることができ、好ましくは、30~1 20℃程度の範囲である。反応時間は、通常、1 ~100時間程度であり、典型的には、5~20時間程 である。溶媒を用いる場合、溶媒としては たとえば、クロロホルム等のハロゲン化脂 族炭化水素、アセトニトリル、プロピオニ リル等のアルキルニトリル、ポリリン酸、 らびにこれらの混合溶媒が挙げられる。

 反応終了後は、通常の後処理操作を行な ことにより、上記式(V)で示されるジブロモ 合物を単離することができる。単離された ブロモ化合物は、上記有機マグネシウム化 物を調製するにあたり、再結晶、カラムク マトグラフィー等により精製されてもよい また、ジブロモ化合物は、後処理操作の一 または全部、精製を行なうことなく、上記 機マグネシウム化合物の調製に用いられて よい。

 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細 説明するが、本発明はこれらに限定される のではない。

 [有機金属化合物の調製]
 <実施例1>

 ジブロモ化合物(V) 0.171gを脱水THF1.71gに溶 解した。次に、室温下でイソプロピルマグネ シウムクロリド(i-PrMgCl)の11%THF溶液(約1mol/L)0.9 6gを滴下した後、同温で15分間保温して、有 マグネシウム化合物(IV-1)を含有する溶液を 製した。

 <実施例2>

 ジブロモ化合物(V) 0.3376gを脱水THF3.40gに溶 し、-10℃に冷却した。次に、-10℃でイソプ ピルマグネシウムクロリド(i-PrMgCl)の11%THF溶 (ジブロモ化合物(V)に対して2.0当量相当)を 下し、同温で保温して、有機マグネシウム 合物(IV-1)を反応系中に生成させた。保温30分 の時点で反応混合液の0.2mLをサンプリングし 重水でクエンチし、クエンチ後の生成物を 1 H-NMRを用いて測定したところ、ジブロモ化合 (V)は残存しておらず、ほぼ全てが重水素体( XII’)に転換されていたことが判った。

 <参考例1>

 化合物(XI-1) 5.0gとテトラヒドロフラン30ml との混合物を-78℃でまで冷却した。その後、 該混合物に2.0Mリチウム ジイソプロピルアミ ドのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベ ゼン溶液11.7mlを滴下して、化合物(C)を含有 る溶液を調製した。

 <参考例2>

 化合物(XI-1) 1.03gを脱水THF約10gに溶解し、-10 ℃に冷却した。次に、-10℃でリチウム ジイ プロピルアミド(i-Pr 2 NLi)のTHF溶液(化合物(XI-1)に対して1.1当量相当) を滴下し、同温で保温した。保温30分の時点 反応混合液の0.2mLをサンプリングして重水 クエンチし、クエンチ後の生成物を 1 H-NMRを用いて測定したところ、化合物(XI-1)の3 4%が重水素体(XII’)に転換されていたことが った。また、化合物(XII’)と同程度の量の副 生成物が確認された。

 [ホルミル化合物(VIII)の調製]
 <実施例3>

 ジブロモ化合物(V) 0.3376gを脱水THF3.40gに溶 し、-80℃に冷却した。次に、-80℃~-75℃でイ プロピルマグネシウムクロリド(i-PrMgCl)の11% THF溶液(約1mol/L)1.87gを滴下し、同温で保温し 、有機マグネシウム化合物(IV)を反応系中に 成させた。保温30分の時点で反応混合液の0. 2mLをサンプリングして重水でクエンチし、ク エンチ後の生成物を 1 H-NMRを用いて測定したところ、ジブロモ化合 (V)の96.8%が重水素体(XII’)に転換されていた ことが判った。合計1時間の保温の後、同温 、反応混合液にギ酸エチル0.11gを添加した後 、-80℃~-75℃で1.5時間、-50℃~-45℃で1時間、-10 ℃~-9℃で1時間、および室温で14時間保温した 。得られた混合物に室温下、水4.04gを添加し 酢酸エチル3.37gで抽出した後分液した。油 を、水3.37g、飽和食塩水3.37gで順次洗浄した 、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮して ルミル体(VIII)の粗製物を得た。該粗製物に いて 1 H-NMR測定を行なったところ、ジブロモ化合物( V)は残存していないことが判り、該粗製物は 10%のホルミル体(VIII)と90%の化合物(XI-1)から ることが確認された。

 <実施例4>
 ジブロモ化合物(V) 0.3373gを脱水THF3.38gに溶 し、-10℃に冷却した。次に、-11℃~-10℃でイ プロピルマグネシウムクロリドの11%THF溶液( 約1mol/L)1.87gを滴下し、-11℃~-9℃で30分保温し 、有機マグネシウム化合物(IV)を反応系中に 生成させた。この時点で反応混合液よりサン プリングを行ない、重水にてクエンチし、ク エンチ後の生成物を 1 H-NMRを用いて測定したところ、ジブロモ化合 (V)の100%が重水素体(XII’)に転換されていた とが判った。さらに、室温に昇温して35分 温した後、反応混合液を再び-12℃~-9℃に冷 した。同温でギ酸エチル0.22gを添加し、-12℃ ~-10℃で33分保温した後、更に同温で0.23gのギ エチルを添加し、0℃~5℃で30分保温した。 温で水0.67gを添加してクエンチし、得られた 混合物に室温下、水3.37gを添加し、酢酸エチ 3.37gで抽出し分液した。油層を水3.37g、飽和 食塩水3.37gで順次洗浄した後、硫酸マグネシ ム上で乾燥し、濃縮してホルミル体(VIII)の 製物を得た。該粗製物について 1 H-NMR測定を行なったところ、ジブロモ化合物( V)は残存していないことが判り、該粗製物は 23%のホルミル体(VIII)と77%の化合物(XI-1)から ることが確認された。

 <実施例5>
 ジブロモ化合物(V) 0.3371gを脱水THF3.39gに溶 し、-10℃に冷却した。次に、-13℃~-8℃でイ プロピルマグネシウムクロリドの11%THF溶液( 1mol/L)1.88gを滴下し、-17℃~-4℃で38分保温し 、有機マグネシウム化合物(IV)を反応系中に 成させた。次に、-12℃~-8℃でDMF0.23gを添加 、-12℃~-9℃で1時間保温した後、同温で飽和 化アンモニウム水溶液1.69gを添加し、更に 温して室温下20℃で3時間保温し、室温下一 静置した。得られた混合物に水3.37gを加えて 酢酸エチル3.37gで抽出し、分液した。油層を 3.37g、飽和食塩水3.37gで順次洗浄した後、硫 酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮してホルミ ル体(VIII)の粗製物を得た。該粗製物について 1 H-NMR測定を行なったところ、ジブロモ化合物( V)は残存していないことが判り、該粗製物は 50%のホルミル体(VIII)と50%の化合物(XI-1)から ることが確認された。

 <実施例6>
 ジブロモ化合物(V) 0.3373gを脱水THF3.39gに溶 し、18℃~24℃でイソプロピルマグネシウムク ロリドの11%THF溶液(約1mol/L)1.89gを滴下し、20℃ ~26℃で2時間攪拌して、有機マグネシウム化 物(IV)を反応系中に生成させた。次に、25℃~2 8℃でDMF0.23gを添加し、25℃~28℃で2.5時間保温 た後、同温で飽和塩化アンモニウム水溶液1 .70gを添加した。得られた混合物を10℃に冷却 して水3.37gを加えて酢酸エチル3.36gで抽出し 分液した。油層を水3.39g、飽和食塩水3.37gで 次洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥 、濃縮してホルミル体(VIII)0.254gを得た(収率 87.5%)。得られたホルミル体(VIII)について 1 H-NMR測定を行なったところ、ジブロモ化合物( V)は残存しておらず、生成物は、100%ホルミル 体(VIII)であることが判った。

 得られたホルミル体(VIII)の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):7.11(s,1H)、7.47(dd,1H)、7.96(d,1H)、8.54(d, 1H)、9.79(s,1H)。

 [3-クロロ-2-(3,5-ジブロモピラゾール-1-イル) リジン(ジブロモ化合物(V))の調製]
 <実施例7>
 (1)3-クロロピリジン-2-イルヒドラジン(ヒド ジン化合物(XIII))の調製

 2,3-ジクロロピリジン200.88gとn-ブタノール 402.10gとの混合物に、室温下、ヒドラジン一 和物203.83gと炭酸カリウム183.85gを加えた。次 に、攪拌しながら昇温し、内温109℃~111℃で31 時間攪拌を続けた。得られた反応混合物を29 まで冷却し、水401.0gを添加して、室温下30 攪拌した後に濾過した。濾上物を、n-ブタノ ール100g、水200gで順次洗浄した後、真空減圧 50℃で乾燥して、3-クロロピリジン-2-イルヒ ドラジン(ヒドラジン化合物(XIII))を187.81g取得 した。

 得られた3-クロロピリジン-2-イルヒドラジ の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):8.10(dd,1H)、7.47(dd,1H)、6.65(dd,1H)、6.24( bs,1H)、3.98(bs,2H)。

 (2)[N’-(3-クロロピリジン-2-イル)-ヒドラ ノカルボニル]酢酸エチルエステル(エステル 化合物(XV-1))の調製

 3-クロロピリジン-2-イルヒドラジン(ヒド ジン化合物(XIII))14.25g、アセトニトリル142.50 gとの混合物に、内温21℃~25℃の範囲内で、攪 拌しながら含量90%のエチルマロニルクロライ ド15.00gを滴下した。同温で2時間攪拌を続け 後、エチルマロニルクロライド1.00gを追加し 、室温下一晩攪拌を続けた。得られた反応混 合物を減圧下に濃縮し、40℃で真空乾燥して [N’-(3-クロロピリジン-2-イル)-ヒドラジノ ルボニル]酢酸エチルエステル一塩酸塩(エス テル化合物(XV-1))29.64gを得た。

 得られた[N’-(3-クロロピリジン-2-イル)-ヒ ラジノカルボニル]酢酸エチルエステル一塩 塩の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(DMSO-d 6 ,TMS)δ(ppm):10.53(bs,1H)、8.07(dd,1H)、8.01(d,1H)、6.95( dd,1H)、4.10(q,2H)、3.46(s,2H)、1.21(t,3H)。

 (3)3-クロロ-2-(3,5-ジブロモピラゾール-1-イ ル)ピリジン(ジブロモ化合物(V))の調製

 [N’-(3-クロロピリジン-2-イル)-ヒドラジ カルボニル]酢酸エチルエステル一塩酸塩(エ ステル化合物(XV-1))29.00gと99.5%エタノール290.00 gとの混合物を冷却し、攪拌しながら内温4℃~ 10℃で濃度1mol/Lの苛性ソーダの99.5%エタノー 溶液300mLを滴下した。室温で3時間攪拌を続 た時、内温は24.6℃だった。得られた混合物 再び冷却し、内温10℃以下で濃度1mol/Lの苛 ソーダの99.5%エタノール溶液20mLを滴下した その後室温で一晩攪拌を続けた。得られた 応混合物を冷却し、内温20℃以下で濃塩酸を 滴下して反応溶液のpHを3.97に調整した。次に 、混合物から減圧下、溶媒と水を留去し、残 渣を40℃下真空中で乾燥して粉末46.77gを得た この粉末に水140.31gを加え、室温下1時間攪 した後に濾過し、濾上物に水140.31gを掛けて った後減圧下に乾燥して、中間生成物19.67g 得た。

 上記の操作にて得られた該中間生成物9.00g オキシ臭化リン25.23gとの混合物を加熱し、10 0℃で14時間攪拌した。得られた反応混合物を 室温に冷却した後に、水50g、モノクロロベン ゼン(MCB)50gを添加して攪拌した。次に冷却し がら、内温6~13℃で48%苛性ソーダ水溶液21.14g を滴下してpHを10.39に調整した。次に、固形 を濾過して除去した後、濾液に、水およびMC Bを追加して分液し、油層を濃縮して残渣4.55g を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラ フィーで精製して、3-クロロ-2-(3,5-ジブロモ ラゾール-1-イル)ピリジン(ジブロモ化合物(V) )3.21gを得た。 1 H-NMR測定を行なったところ、純度は100%であっ た。高速液体クロマトグラフィーにおける面 積百分率(HPLC面百純度)は、92.4%であった。

 得られた3-クロロ-2-(3,5-ジブロモピラゾール -1-イル)ピリジンの 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):8.55(d,1H)、7.95(d,1H)、7.47(dd,1H)、6.53(s, 1H)。

 [アミノ化合物(IX)の合成]
 <参考例3>

 メチルカーバゼート(化合物(IX-b1)) 1.85gと テトラヒドロフラン 60mlとの混合物に、氷冷 下、6,8-ジブロモ-2H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-1 H-ジオン(化合物(IX-a1)、Journal of Organic Chemist ry(1947),12,743-51に記載の化合物)6.0gを加え、氷 下に3時間攪拌した。室温まで昇温した反応 混合物に、更にメチルカーバゼート0.46gを追 し、室温で15時間攪拌した。反応混合物を 圧下に濃縮し、得られた残渣に水を注加し 残った固体を濾別した。該固体を水および 酸エチルで順次洗浄し、N-(2-アミノ-3,5-ジブ モベンゾイル)-N’-メトキシカルボニルヒド ラジン4.96g(化合物(IX’))を得た。

 化合物(IX’)の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(DMSO-d 6 ,TMS)δ(ppm):3.63(s,3H)、6.55(s,2H)、7.71(s,1H)、7.79(s,1 H)、9.25(s,1H)、10.32(s,1H)。

 次に、化合物(IX’)3.67g、炭酸カリウム3.04 gおよびN-メチルピロリドン50mlの混合物に、 冷下、ヨウ化メチル3.12gと1-メチル-2-ピロリ ノン2mlとの混合物を滴下し、氷冷下に4時間 攪拌し、さらに室温で3時間攪拌した。反応 合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した 有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで 燥、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシ カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 合物(IX-1)2.83gを得た。

 化合物(IX-1)の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):3.11-3.18(m,6H)、3.76(bs,3H)、4.86(bs,1.4H) 5.23(bs,0.6H)、7.17-7.25(m,1H)、7.57(d,1H,J=2Hz)。

 [イソシアネート化合物(II)の合成]
 <実施例8>

 化合物(IX-1) 0.202gをトルエン2.01gに溶解し 、該溶液を冷却した。次に、攪拌しながら内 温2~3℃で、トリホスゲン61.2mgとトルエン0.52g の混合溶液を滴下した。同温で10分間攪拌 続けた後に、2時間かけて95℃まで昇温した さらに2時間かけて112℃まで昇温した後、冷 してイソシアネート化合物(II-1)含有溶液を 製した。

 [ヒドラジン化合物(I)の合成]
 <実施例9>

 上記イソシアネート化合物(II-1)含有溶液 冷却し、内温3~6℃の範囲で、15分間かけて 上記実施例1で得られた有機マグネシウム化 物(IV-1)を含有する溶液を滴下した後、冷却 止め、室温下で一晩攪拌した。得られた反 混合物に22.8℃で飽和塩化アンモニウム水溶 液1.0gを添加したところ、温度は24℃に上がっ た。次に、水1.73gおよび酢酸エチル1.8gを添加 し強く攪拌した。攪拌を止め、分液して取り 出した油層を水1.7g、飽和食塩水1.7gで順次洗 した後、減圧下溶媒を除去して、ヒドラジ 化合物(I-1)の粗製物0.34gを得た。この粗製物 をHPLC分析したところ、ヒドラジン化合物(I-1) の面積百分率は32.3%であった。該粗製物をシ カゲルカラムクロマトグラフィーを用いて 製し、ヒドラジン化合物(I-1)96mgを得た(収率 27.5%)。

 得られたヒドラジン化合物(I-1)の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(DMSO-d 6 ,TMS)δ(ppm):2.71(s,1.4H)、2.83(s,1.6H)、2.94(s,1.5H)、3. 06(s,1.5H)、3.35-3.70(m,3.0H)、7.41(s,0.5H)、7.45(s,0.6H) 、7.47(s,0.6H)、7.60-7.64(m,1.3H)、8.07(d,0.5H,J=2Hz)、8 .13(s,0.5H)、8.18(d,1.0H,J=8Hz)、8.50(m,1.0H)、10.52(s,0. 5H)、10.67(s,0.5H)。

 <参考例4>

 アミノ化合物(IX-1)0.33g、ホルミル化合物(V III)0.24g、o-クロラニル0.25gおよび1,4-ジオキサ 2mlを混合し、窒素雰囲気下、加熱還流条件 て7時間攪拌した。室温まで放冷した反応混 合物に、炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し 、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下に濃縮 した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ マトグラフィーに付し、ヒドラジン化合物(I- 1)0.35gを得た。

 得られたヒドラジン化合物(I-1)の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(DMSO-d 6 ,TMS)δ(ppm):2.71(s,1.4H)、2.83(s,1.6H)、2.94(s,1.5H)、3. 06(s,1.5H)、3.35-3.70(m,3.0H)、7.41(s,0.5H)、7.45(s,0.6H) 、7.47(s,0.6H)、7.60-7.64(m,1.3H)、8.07(d,0.5H,J=2Hz)、8 .13(s,0.5H)、8.18(d,1.0H,J=8Hz)、8.50(m,1.0H)、10.52(s,0. 5H)、10.67(s,0.5H)。

 <参考製剤例>
 ヒドラジン化合物(I-1)を有害節足動物防除 として用いる場合の製剤例を以下に示す。

 上記ヒドラジン化合物(I-1) 10質量部;ポリ オキシエチレンアルキルエーテルサルフェー トアンモニウム塩を50質量%を含むホワイトカ ーボン35質量部;および水55質量部を混合し、 式粉砕法で微粉砕することにより、10%フロ ブル剤を得た。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。