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Title:
PROCESS FOR SEALING GLASS CONTAINERS, GLASS CONTAINERS AND COATING MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054247
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention realizes water-resistant sealing of a glass container (1) independent of the weathering of glass. Water-resistant sealing of a glass container (1) independent of the weathering of glass can be attained by subjecting the top surface of the mouth of a glass container (1) to hot end coating, applying a coating material consisting of an aqueous solution which contains casein, a polyphenol and at least one member selected from among copper sulfate, calcium hydroxide and iron chloride to the resulting top surface, and then bonding a seal (2) coated with a thermoplastic resin to the top surface.

Inventors:
FUJITA NORIYUKI (JP)
GOGUN YASUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067944
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO GLASS CO LTD (JP)
FUJITA NORIYUKI (JP)
GOGUN YASUHIRO (JP)
International Classes:
B65D53/00; C03C17/34; C09D7/61; C09D189/00; C09J5/02
Foreign References:
JPS5882805A1983-05-18
JP2003226350A2003-08-12
JPH0345677A1991-02-27
JP2003160161A2003-06-03
JP2003226350A2003-08-12
JP2003226353A2003-08-12
JP2005177542A2005-07-07
JP2006298432A2006-11-02
Other References:
See also references of EP 2279962A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMBE, Makoto et al. (7 Honshio-ch, Shinjuku-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:
 ガラス容器口部天面にホットエンドコーティングを行う工程と、ガラス容器口部天面にカゼインとポリフェノールを含み、かつ、硫酸銅、水酸化カルシウム及び塩化鉄から選択される1種以上を含む水溶液のコーティング剤をコーティングする工程と、ガラス容器口部天面に熱可塑性樹脂を塗布したシール材を接着する工程とを有することを特徴とするガラス容器のシール方法。
 前記コーティング剤におけるカゼインの濃度が5.0~0.05wt%、ポリフェノールの濃度が1.0~0.01wt%、硫酸銅、水酸化カルシウム又は塩化鉄の濃度が合計で1.0~0.005wt%である請求項1のガラス容器のシール方法。
 ガラス容器口部天面にホットエンドコーティングを行う工程と、ガラス容器口部天面にカゼインを5.0~0.05wt%、ポリフェノールを1.0~0.01wt%、水酸化カルシウム0.1~ 0.005wt%を含む水溶液のコーティング剤をコーティングする工程と、ガラス容器口部天面に熱可塑性樹脂を塗布したシール材を接着する工程とを有することを特徴とするガラス容器のシール方法。
 前記ポリフェノールがタンニン酸又は没食子酸である請求項1~3のいずれかのガラス容器のシール方法。
 請求項1~4のいずれかのシール方法によりシールしたことを特徴とするガラス容器。
 カゼインとポリフェノールを含み、かつ、硫酸銅、水酸化カルシウム及び塩化鉄から選択される1種以上を含む水溶液であることを特徴とするコーティング剤。
 カゼインの濃度が5.0~0.05wt%、ポリフェノールの濃度が1.0~0.01wt%、硫酸銅、水酸化カルシウム又は塩化鉄の濃度が合計で1.0~0.005wt%である請求項6のコーティング剤。
 カゼインを5.0~0.05wt%、ポリフェノールを1.0~0.01wt%、水酸化カルシウム0.1~0.005wt%を含む水溶液であることを特徴とするコーティング剤。
 前記ポリフェノールがタンニン酸又は没食子酸である請求項6~8のいずれかのコーティング剤。
 口部天面にホットエンドコーティングを行い、さらにその上に請求項6~9のいずれかのコーティング剤をコーティングしたことを特徴とするガラス容器。
 
Description:
ガラス容器のシール方法、ガラ 容器及びコーティング剤

 本発明は、ガラス容器の口部に薄いシー 状のシール材を貼付し、内容物を密閉する 際し、ガラスの風化の有る無しに関わらず 耐水性に優れたシールを実現するガラス容 のシール方法、当該方法によりシールを行 たガラス容器、及び当該方法に使用するコ ティング剤に関する。

 従来より、ガラス容器の口部に、シール材( アルミ箔の下面に熱可塑性合成樹脂製フィル ムの接着層がラミネートされたもの等)を内 したキャップを装着して高周波加熱し、口 の天面にシール材の合成樹脂製フィルムを 着させて密封する高周波加熱シールや、ガ ス容器の口部にシール材(裏面に熱可塑性合 樹脂フィルムの接着層を有するもの)を載置 し、シール材の表面側から加熱し合成樹脂製 フィルムを溶着させて密封するヒートシール が知られている。
 このようなシールを行う場合、シール強度 高めたり、風化したガラス容器に対しても ール強度を確保するシール方法が下記特許 献1~5に開示されている。

 特許文献1は、ガラス容器の口部天面に糖類 をコーティングするものである。特許文献2 ガラス容器の口部天面に多価金属塩と糖類 コーティングするものである。特許文献3は ラス容器の口部天面に多価金属塩をコーテ ングするものである。特許文献4はガラス容 器の口部天面にホットエンドコーティングを 行った後、酸化ケイ素又はケイ酸塩をコーテ ィングし、さらにその上にシランカップリン グ剤をコーティングするものである。特許文 献5はガラス容器の口部天面にペクチンをコ ティングするものである。

特開2003-160161号公報

特開2003-226350号公報

特開2003-226353号公報

特開2005-177542号公報

特開2006-298432号公報

 上記の従来技術は、いずれもシール強度を め、又はガラスの風化時においても充分な ール強度を確保するものであるが、シール 耐水性という観点からは不十分なものであ た。
 本発明は、ガラスの風化に関わりなく、耐 性に優れたシールを実現することを課題と るものである。

〔請求項1〕
 本発明は、ガラス容器口部天面にホットエ ドコーティングを行う工程と、ガラス容器 部天面にカゼインとポリフェノールを含み かつ、硫酸銅、水酸化カルシウム及び塩化 から選択される1種以上を含む水溶液のコー ティング剤をコーティングする工程と、ガラ ス容器口部天面に熱可塑性樹脂を塗布したシ ール材を接着する工程とを有することを特徴 とするガラス容器のシール方法である。
 ホットエンドコーティングは、徐冷炉の入 口付近において、成形直後の高温のガラス 器の外面にスズ化合物(主に四塩化スズ)又 チタン化合物(主に四塩化チタン)を作用させ 、ガラス容器の外面に酸化スズ又は酸化チタ ン被膜を形成するものである。ホットエンド コーティングを行うことにより、次工程にお けるコーティング被膜のガラス面への接着性 が向上する。

〔請求項2〕
 また本発明は、前記コーティング剤におけ カゼインの濃度が5.0~0.05wt%、ポリフェノー の濃度が1.0~0.01wt%、硫酸銅、水酸化カルシウ ム又は塩化鉄の濃度が合計で1.0~0.005wt%%であ 請求項1のガラス容器のシール方法である。

〔請求項3〕
 また本発明は、ガラス容器口部天面にホッ エンドコーティングを行う工程と、ガラス 器口部天面にカゼインを5.0~0.05wt%、ポリフ ノールを1.0~0.01wt%、水酸化カルシウム0.1~0.005 wt%を含む水溶液のコーティング剤をコーティ ングする工程と、ガラス容器口部天面に熱可 塑性樹脂を塗布したシール材を接着する工程 とを有することを特徴とするガラス容器のシ ール方法である。

〔請求項4〕
 また本発明は、前記ポリフェノールがタン ン酸又は没食子酸である請求項1~3のいずれ ののガラス容器のシール方法である。
 ポリフェノールとはタンニン酸、没食子酸 カテキン、ルチン、イソフラボンなどの、 一分子内に水酸基を2個以上もつフェノール をいうが、本発明においては特にタンニン酸 又は没食子酸が好適である。

〔請求項5〕
 また本発明は、請求項1~4のいずれかのシー 方法によりシールしたことを特徴とするガ ス容器である。

〔請求項6〕
 また本発明は、カゼインとポリフェノール 含み、かつ、硫酸銅、水酸化カルシウム及 塩化鉄から選択される1種以上を含む水溶液 であることを特徴とするコーティング剤であ る。

〔請求項7〕
 また本発明は、カゼインの濃度が5.0~0.05wt% ポリフェノールの濃度が1.0~0.01wt%、硫酸銅、 水酸化カルシウム又は塩化鉄の濃度が合計で 1.0~0.005wt%である請求項6のコーティング剤で る。

〔請求項8〕
 また本発明は、カゼインを5.0~0.05wt%、ポリ ェノールを1.0~0.01wt%、水酸化カルシウム0.1~0. 005wt%を含む水溶液であることを特徴とするコ ーティング剤である。

〔請求項9〕
 また本発明は、前記ポリフェノールがタン ン酸又は没食子酸である請求項6~8のいずれ のコーティング剤である。

〔請求項10〕
 また本発明は、口部天面にホットエンドコ ティングを行い、さらにその上に請求項6~9 いずれかのコーティング剤をコーティング たことを特徴とするガラス容器である。

 図1は、本発明のコーティング剤によるコー ティングを行ったガラス表面の模式図である 。図中」「K」はカゼイン、「P」はポリフェ ールを示す。
 カゼインは、そのタンパク質を構成するア ノ酸のうち、セリンに由来する部分の多く リン酸が結合した、リンタンパク質の代表 な例である。その構成成分は単一のタンパ 質ではなく、大きく分けて、α-casein(アルフ ァ カゼイン)、β-casein(ベータ カゼイン)、κ -casein(カッパー カゼイン)の3種類に分類され る。
 アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基 両方の官能基を持つ有機化合物である。
 ポリフェノールは、多数のフェノール性ヒ ロキシ基を持つ芳香族化合物である。
 一般に分子量が大きくなると、物質は水に けにくくなる。ポリフェノールとカゼイン アミド結合(-NH-CO-)などにより結合して、分 量が大きい物質になる。さらに、カルシウ 、銅、鉄が加わることで、これら金属が余 ている水酸基、カルボキシル基と反応して さらに溶けにくい塩などになり、耐水性が 上するものと推定される。
 なお、図1はコーティング剤が水酸化カルシ ウムを含むものである場合であるが、硫酸銅 又は塩化鉄を含むものである場合は、図中「 Ca」がそれぞれ「Cu」又は「Fe」に代わる。
 また、図1はホットエンドコーティング層を 省略して表している。

 本発明のシール方法によれば、ガラス容器 シールが、ガラスの風化の程度に関わりな 、きわめて耐水性に優れたものとなる。
 本発明のガラス容器は、口部のシールが、 ラスの風化の程度に関わりなく、きわめて 水性に優れたものとなるので、水や湿気に るシールの破綻により、容器内部へ水や湿 が侵入し、内容物が変質するのを防ぐこと できる。
 本発明のコーティング剤は、前記本発明の ール方法に使用するコーティング剤であり ガラス容器口部にホットエンドコーティン を行った後にコーティングを施すことで、 ラスの風化の程度に関わりなく、きわめて 水性に優れたシールを可能とするものであ 。

コーティングを行ったガラス表面の模 図である。 耐水性評価試験の実施方法の説明図で る。 実施例1の耐水性評価試験結果の説明図 である。 実施例2の耐水性評価試験結果の説明図 である。 実施例3の耐水性評価試験結果の説明図 である。 実施例4の耐水性評価試験結果の説明図 である。 実施例5の耐水性評価試験結果の説明図 である。

符号の説明

 1 ガラスびん
 2 シール材
 3 水槽
 4 水

 本発明のコーティング剤におけるカゼイン 濃度は5.0~0.05wt%、ポリフェノールの濃度は1. 0~0.01wt%、硫酸銅、水酸化カルシウム又は塩化 鉄の濃度は合計で1.0~0.005wt%が好ましい。ただ し、前記金属塩のうちで水酸化カルシウムを 単独で含有させる場合は、その濃度は0.1~0.01w t%が好ましい。
 カゼインの濃度を5.0wt%以上にするとコーテ ングされたガラス容器が少し曇り、0.05wt%以 下ではガラス容器を長期保管したときのシー ルが耐水性に劣る。ポリフェノールも同様に 1.0%以上ではガラス容器が少し曇り、0.01wt%以 ではガラス容器を長期保管したときのシー が耐水性に劣る。硫酸銅、水酸化カルシウ 又は塩化鉄の濃度は合計で0.005%以下ではガ ス容器のシールは、十分な耐水性が得られ い。一方、1.0%も加えれば十分な耐水性が得 られ、それ以上加える必要はない。

 本発明のコーティング剤は、カゼインを 解させるため、アルカリ性に調整すること 望ましい。アルカリ性に調整するには、例 ばアンモニアなどを加えればよい。アルカ 性の程度は、カゼインが完全に溶解する程 でよく、特に制限はない。アンモニアは、 ーティング剤が乾燥するときに完全に揮発 る。

 本発明において、コーティング剤をコーテ ングするときのガラス容器の温度は特に制 がない。コーティング剤を均等に塗ること でき、その後、コーティング剤が十分に乾 されればよいが、例えば、ガラス容器が徐 炉から出た直後(表面温度90~130℃程度)に行 ことができる。
 乾燥温度も特に限定されず、自然乾燥、強 乾燥を問わない。

 コーティング剤のコーティング方法は、 プレー吹き付け、コーターによる塗布、履 塗り、浸漬(どぶ漬け)など自由である。

〔実施例及び比較例の実施条件〕
 酸化スズによりホットエンドコーティング たガラスびんを、120℃(実施例1~3及びその比 較例)又は100℃(実施例4,5及び比較例4,5)にした 電気オーブンの中に20分以上放置することで ラスびんを加温した。加温されたガラスび を実験的なコーティング装置を使い、以下 条件でコーティング剤を口部天面にスプレ コーティングした。
 ・スプレーノズル: ニードルスプレー
 ・スプレー走行速度: 60cm/秒
 ・流量:50ml/分×4回(実施例1~3及びその比較例 )
     100ml/分×4回(実施例4,5及び比較例4,5)
 ・乾燥:自然乾燥

〔風化促進〕
 上記のように作成した実施例及び比較例の ラスびんの半数を、温度70℃、湿度90%の高 多湿室内に12時間保管し、風化(ウェザリン )を促進させたサンプルを作製した。通常の 温保管では1年間に相当するウェザリングで あることを実験で確認している。
 また、残りの半数を通常の室温で短期保管 、ほとんど風化していないサンプルを作製 た。

〔シール条件〕
 上記のサンプルへのアルミシール材2の接着 は、次のシール条件で行った。
 ・高周波シール機: コンベア式高周波シー 装置ω-F53S(高周波フィールド社製)
 ・コイル高さ: 18mm(キャップ上面から加熱 イルまでの高さ)
 ・出力: 650(138V,13A)
 ・加熱コイル通過時間: 3秒(実施例1~4及び の比較例)
             2.2秒(実施例5及び比較例5)

〔耐水性評価方法〕
 空気中の湿気・水分に対する耐候性(耐水性 )を評価するために、下記の試験方法で評価 た。概略図を図2に示す。
 風化を促進させたもの、及びほとんど風化 ていない実施例・比較例のガラスびん1に粉 体(インスタントコーヒー)を充填し、熱可塑 接着剤層を有するアルミシール材2を高周波 シール機で接着する。その後、口部を水槽3 中の水4に漬け、びん内部に水が浸透してく 時間を調べた。最長浸漬時間は32時間とし 32時間経っても容器内部に水が浸透してこな い場合は、その時点で試験をうち切った。粉 体をインスタントコーヒーとしたのは、びん 内部に水が浸透すると、粉体が黒く溶け、容 易に水の侵入を確認できるからである。

〔実施例1及びその比較例〕
 下記のコーティング剤をコーティングして 施例1、及び比較例1-2~比較例1-4を作製した( 較例1-1はコーティングなし)。
 ・実施例1: カゼイン(0.25wt%)、タンニン酸(0. 05wt%)、硫酸銅(0.05wt%)、アンモニア(0.125vol%)の 溶液
 ・比較例1-1: 無コーティング
 ・比較例1-2: カゼイン(0.25wt%)、アンモニア( 0.025vol%)の水溶液
 ・比較例1-3: カゼイン(0.25wt%)、タンニン酸( 0.05wt%)、アンモニア(0.025vol%)の水溶液
 ・比較例1-4: カゼイン(0.25wt%)、硫酸銅(0.05wt %)、アンモニア(0.125vol%)の水溶液

 上記の実施例1及び比較例1-1~1-4について、 記の耐水性評価試験を行った。その結果を 3に示す。同図において、「室温短期保管」 風化がほとんどない場合、「長期促進保管 は風化を促進させた場合で、各実施例・比 例の「室温短期保管」・「長期促進保管」 それぞれ5本ずつ試験し、その平均値を示し ている。
 比較例1-1は、風化がない場合は耐水性に優 るが、風化した場合は極端に耐水性が無く っている。比較例1-2~1-4は、風化した場合の 耐水性は改善されるが、風化しない場合の耐 水性が極端に悪くなっている。実施例1は、 化した場合の耐水性が非常に優れており、 化しない場合の耐水性も実用上問題ない水 となっている。
 したがって、実施例1は風化の程度に関係な く、高い耐水性を実現している。

〔実施例2及びその比較例〕
 下記のコーティング剤をコーティングして 施例2、及び比較例2-2~比較例2-4を作製した( 較例2-1はコーティングなし)。
 ・実施例2: カゼイン(0.25wt%)、タンニン酸(0. 05wt%)、水酸化カルシウム(0.025wt%)、アンモニ (0.025vol%)の水溶液
 ・比較例2-1: 無コーティング
 ・比較例2-2: カゼイン(0.25wt%)、アンモニア( 0.025vol%)の水溶液
 ・比較例2-3: カゼイン(0.25wt%)、タンニン酸( 0.05wt%)、アンモニア(0.025vol%)の水溶液
 ・比較例2-4: カゼイン(0.25wt%)、水酸化カル ウム(0.025wt%)、アンモニア(0.025vol%)の水溶液

 上記の実施例2及び比較例2-1~2-4について、 記の耐水性評価試験を行った。その結果を 4に示す。同図において、「室温短期保管」 風化がほとんどない場合、「長期促進保管 は風化を促進させた場合で、各実施例・比 例の「室温短期保管」・「長期促進保管」 それぞれ5本ずつ検査し、その平均値を示し ている。
 比較例2-1は、風化がない場合は耐水性に優 るが、風化した場合は極端に耐水性が無く っている。比較例2-2~2-4は、風化した場合の 耐水性は改善されるが、風化しない場合の耐 水性が極端に悪くなっている。実施例2は、 化しない場合も風化した場合も優れた耐水 を示している。
 したがって、実施例2は風化の程度に関係な く、高い耐水性を実現している。

〔実施例3及びその比較例〕
 下記のコーティング剤をコーティングして 施例3、及び比較例3-2~比較例3-4を作製した( 較例3-1はコーティングなし)。
 ・実施例3: カゼイン(0.25wt%)、タンニン酸(0. 05wt%)、塩化鉄(0.075wt%)、アンモニア(0.025vol%)の 水溶液
 ・比較例3-1: 無コーティング
 ・比較例3-2: カゼイン(0.25wt%)、アンモニア( 0.025vol%)の水溶液
 ・比較例3-3: カゼイン(0.25wt%)、タンニン酸( 0.05wt%)、アンモニア(0.025vol%)の水溶液
 ・比較例3-4: カゼイン(0.25wt%)、塩化鉄(0.075w t%)、アンモニア(0.025vol%)の水溶液

 上記の実施例3及び比較例3-1~3-4について、 記の耐水性評価試験を行った。その結果を 5に示す。同図において、「室温短期保管」 風化がほとんどない場合、「長期促進保管 は風化を促進させた場合で、各実施例・比 例の「室温短期保管」・「長期促進保管」 それぞれ5本ずつ検査し、その平均値を示し ている。
 比較例3-1は、風化がない場合は耐水性に優 るが、風化した場合は極端に耐水性が無く っている。比較例3-2~3-4は、風化した場合の 耐水性は改善されるが、風化しない場合の耐 水性が極端に悪くなっている。実施例3は、 化しない場合も風化した場合も優れた耐水 を示している。
 したがって、実施例3は風化の程度に関係な く、高い耐水性を実現している。

〔実施例4、5及びその比較例〕
 次に、コーティング剤の硫酸銅、水酸化カ シウム又は塩化鉄の中で、水酸化カルシウ がシールの耐水性において最も安定してい ので、コーティング剤中の水酸化カルシウ 濃度と、加熱コイル通過時間を変えて、シ ルの耐水性を調査した。
 実施例4及び比較例4の加熱コイル通過時間 3秒、実施例5及び比較例5の加熱コイル通過 間は2.2秒とした。
 実施例4、5共に、使用したコーティング剤 下記の成分を含む水溶液である。
 ・カゼイン: 0.25wt%
 ・タンニン酸: 0.05wt%
 ・水酸化カルシウム: 0.005wt%,0.01wt%,0.025wt%,0. 05wt%,0.07wt%,0.085wt%
 ・アンモニア: 0.025vol%
 比較例4、5共に使用したコーティング剤は 記の成分を含む水溶液である。
 ・カゼイン: 0.25wt%
 ・タンニン酸: 0.05wt%
 ・アンモニア: 0.025vol%

 実施例4及び比較例4の耐水性評価試験結果 図6に、実施例5及び比較例5の同試験結果を 7に示す。
 コーティング剤に水酸化カルシウムを含ま い比較例4,5は共に耐水性が不十分である。
 実施例4,5は、共に、コーティング剤の水酸 カルシウム濃度が0.005wt%から効果が見られ 。0.01wt%以上では顕著な効果が見られ、0.01~0. 085wt%の範囲では使用上問題のない耐水性があ ると考えられる。0.1wt%を越える水酸化カルシ ウムを溶解させるのは困難であるので、コー ティング剤における好適な水酸化カルシウム 濃度は0.01~0.1wt%の範囲である。
 また、加熱コイル通過時間を延ばすことな 、シール条件を変えることで、コーティン 剤の水酸化カルシウム濃度が0.005wt%でも、 の耐水性能は向上する。