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Title:
PRODUCTION METHOD OF INTERNALLY-RIBBED STEEL PIPE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081639
Kind Code:
A1
Abstract:
A production method for forming helical ribs stably by reducing trouble when the helical ribs of an internally-ribbed steel pipe are formed by drawing comprises an acid pickling step for removing oxidation scales and rust on the surface of a pipe during a chemical conversion treatment when an internally-ribbed steel pipe is produced by performing cold drawing on a pipe subjected to chemical conversion treatment in order to form a plurality of helical ribs in the pipe axis direction, a step for forming a zinc phosphate film on the neutralized surface of the pipe, and a step for forming a lubrication layer on the surface of the zinc phosphate film, wherein the total thickness of the chemical conversion-treated film is 10-100 μm on the inner surface of the pipe to be drawn in order to form the spiral ribs. Total thickness of a chemical conversion-treated film consisting of the zinc phosphate film (5), a metal soap layer (6) and an Na soap layer (7) formed by making stearic acid soda react on the zinc phosphate film can be controlled. Since an internally-ribbed steel pipe thus obtained has excellent moldability and quality as a steel pipe for a boiler, the steel pipe can be suitably used for a higher capacity or higher temperature/higher pressure boiler.

Inventors:
BEPPU KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068292
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
October 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
BEPPU KENICHI (JP)
International Classes:
B21C1/22; B21C9/00; C23C22/12; C23C22/78
Foreign References:
JPH0819814A1996-01-23
JP2001179327A2001-07-03
JP2002275651A2002-09-25
JP2002371293A2002-12-26
Attorney, Agent or Firm:
MORI, Michio (17-23 Higashinaniwa-cho 5-chome, Amagasaki-sh, Hyogo 92, JP)
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Claims:
 化成処理された被加工管に冷間引抜加工を施し、管軸方向に複数条の螺旋状リブを形成する内面リブ付鋼管の製造方法であって、
 前記化成処理が管表面の酸化スケールおよび錆びを取り除く酸洗工程、中和された管表面に燐酸亜鉛皮膜を形成する工程、および前記燐酸亜鉛皮膜の表面に潤滑層を形成する工程からなり、
 前記螺旋状リブを形成するための引抜加工に際し、前記被加工管の内表面における化成処理皮膜の総厚さが10~100μmであることを特徴とする内面リブ付鋼管の製造方法。
 前記化成処理皮膜が燐酸亜鉛皮膜、並びにこの燐酸亜鉛皮膜にステアリン酸ソーダを反応させて形成させた金属石鹸層および未反応のNa石鹸層とからなることを特徴とする請求項1に記載の内面リブ付鋼管の製造方法。
 請求項1または2に記載の内面リブ付鋼管の製造方法であって、前記被加工管は炭素鋼および低合金鋼(例えば、JIS G 3462 STBA24相当)を用い、冷間引抜加工の仕上寸法を外径28~70mmとすることを特徴とする内面リブ付鋼管の製造方法。
Description:
内面リブ付鋼管の製造方法

 本発明は、冷間引抜加工により鋼管内面 螺旋状のリブ(突起)を形成させる内面リブ 鋼管の製造方法に関し、さらに詳しくは、 成処理された被加工管の内面に螺旋状のリ を安定して加工することができる内面リブ 鋼管の製造方法に関するものである。

 通常、ボイラー用、熱交換器用等の高温 熱部には、発電効率を向上させるため、鋼 内面に螺旋状のリブ(突起)を形成した内面 ブ付鋼管(ライフルチューブ)が用いられる。 内面リブ付鋼管の内面は、内面リブを設ける ことにより広い表面積を有するため、加熱さ れた管内面と管内部を通過する水蒸気との接 触面積が増加されるとともに、水蒸気を含む 流体を乱流にして熱交換効率を高めている。 最近のボイラーの大容量化や高温高圧化にと もない、内面リブ付鋼管の需要は急速に増大 している。

 内面リブ付鋼管の製造は、継目無鋼管ま は電縫鋼管を素管として製造し、必要に応 て、その素管を十分に軟化させた後、冷間 程にて引抜用ダイスおよび外周面にリブ形 用の螺旋溝を構成したプラグを用いて、引 加工される。

 図1は、引抜加工によって内面リブ付鋼管 を製造する方法を概略的に説明する図である 。素管3を引抜加工する際には、ダイス2およ 素管3に対して同心状にプラグ1を素管3の内 に挿入し、プラグ1を回転させながら素管3 白抜き矢印の方向に引き抜く。素管3の外面 、ダイス2によって絞られる。素管3の内面 、プラグ1の外周面に形成された螺旋溝1aに って成形され、引抜後の素管3の内周面には 螺旋状のリブ3aが形成される。

 使用するプラグ1は、自由に回転でき、お よびマンドレル4に保持される。そのプラグ 状は、内面リブ付鋼管のリブ高さ、リブ形 等(特に、リブコーナー部およびリード角)の 品質に大きな影響を及ぼし、引抜条件によっ ては、素管とプラグとの間で焼き付きが生じ 易くなる。

 このため、従来から、内面リブ付鋼管の 造に関し、プラグ構造や形状について、種 の提案がなされている。例えば、特開2001-17 9327号公報には、プラグの螺旋溝を形作る両 壁と底面とが交わる部分の曲率半径を、プ グの先端部側から後端部側に至るまで一定 保つと共に、プラグの先端部側から後端部 に向けて一定の勾配で縮径させたプラグが 案されている。

 また、特開2006-272392号公報では、螺旋溝 溝山のエッジを曲線状あるいは直線状に面 りして、溝山の頂部と素管との接触面積を 減し、これにより溝山の頂部と素管との間 生じる摩擦抵抗の低減を図る内面リブ付鋼 の引抜加工用工具が開示されている。

 前述した両公報によれば、これらに開示 れたプラグを用いることにより、内面リブ 鋼管用素管の引抜加工時に焼き付きの発生 防止しできるとともに、プラグ自体も比較 容易に且つ安価に製造でき、内面リブ付鋼 製造コストを大幅に低減することができる 記載されている。

 ところが、内面リブ付鋼管の製造に際し プラグの形状や構造にかかわらず、螺旋状 ブを形成するための引抜加工前に、被加工 である素管に施される潤滑処理の条件によ ては、引抜加工トラブルが多発し、内面リ 付鋼管の成形性や製造歩留まりを著しく低 させることがある。

 本発明は、上述した内面リブ付鋼管の引 加工での問題点に鑑みてなされたものであ 、螺旋状リブを形成するための引抜加工前 、素管に施される潤滑処理の条件を管理し 具体的には、少なくとも素管内面における 成処理皮膜の総厚さをコントロールするこ により、螺旋状リブを形成する引抜加工時 トラブルを低減し、安定して螺旋状リブを 成することができる内面リブ付鋼管の製造 法を提供することを目的としている。

 本発明者は、上述した課題を解決するた 、内面リブ付鋼管の引抜加工に関し種々の 討を加えた結果、前記図1に示すように、引 抜加工用プラグに設けられた螺旋溝の溝山の 頂部は、引抜加工の初期段階から仕上げ寸法 に加工する最終段階に至るまで、必ず素管表 面に接触し、必然的にプラグと素管との接触 長さが長くなることから、この接触長さが内 面リブ付鋼管における焼き付き発生の主な要 因となっていることに着目した。

 例えば、通常のボイラー用鋼管や熱交換 用鋼管の引抜加工におけるプラグと素管と 接触長さは、加工寸法にもよるが、約3mm程 とされているが、仕上寸法を外径28~70mmとな るような内面リブ付鋼管の製造になると、プ ラグと素管との接触長さが10~15mmに及ぶこと なる。

 このため、プラグと素管との接触長さに 因する焼き付き発生を防止するには、螺旋 リブを形成するための引抜加工前に、素管 施される潤滑処理を最適にすることが必須 あり、少なくとも素管内面における化成処 皮膜の総厚さをコントロールすることによ 、螺旋状リブを形成する引抜加工時のトラ ルを効果的に防止できることに知見した。

 本発明は、上記知見に基づいて完成された のであり、下記(1)および(2)の内面リブ付鋼 の製造方法を要旨としている。
(1)化成処理された被加工管に冷間引抜加工を 施し、管軸方向に複数条の螺旋状リブを形成 する内面リブ付鋼管の製造方法であって、前 記化成処理が管表面の酸化スケールおよび錆 びを取り除く酸洗工程、中和された管表面に 燐酸亜鉛皮膜を形成する工程、および前記燐 酸亜鉛皮膜の表面に潤滑層を形成する工程か らなり、前記螺旋状リブを形成するための引 抜加工に際し、前記被加工管の内表面におけ る化成処理皮膜の総厚さが10~100μmであること を特徴とする内面リブ付鋼管の製造方法であ る。

(2)上記(1)の内面リブ付鋼管の製造方法におい て、前記化成処理皮膜が燐酸亜鉛皮膜、並び にこの燐酸亜鉛皮膜にステアリン酸ソーダを 反応させて形成させた金属石鹸層および未反 応のNa石鹸層とからなる総厚さを管理するの 望ましい。
 また、上記(1)の内面リブ付鋼管の製造方法 対象とするのは、炭素鋼または低合金鋼の 種であり、冷間引抜加工の仕上寸法を外径2 8~70mmとするボイラー用鋼管や熱交換器用鋼管 とすることができる。

 本発明が対象とする鋼種のうち、炭素鋼 してはJIS G 3461の各STB種が相当し、低合金 としてJIS G 3462のSTBA22(1Cr-1/2Mo鋼)、またはST BA24(2Cr-1Mo鋼)クラスまでを対象として挙げる とができる。

 本発明の内面リブ付鋼管の製造方法によ ば、螺旋状リブを形成するための引抜加工 に、素管に施される潤滑処理の条件を管理 、素管内面における化成処理皮膜の総厚さ コントロールすることにより、螺旋状リブ 形成する引抜加工時のトラブルを低減し、 定して螺旋状リブを形成することができる これにより得られた内面リブ付鋼管は、優 た成形性と品質を備える。

 図1は、引抜加工によって内面リブ付鋼管を 製造する方法を概略的に説明する図である。
 図2は、本発明の内面リブ付鋼管の製造方法 に適用できる化成処理の工程例を示す図であ る。
 図3は、化成処理により燐酸亜鉛皮膜の表面 に潤滑層が形成された素管表面の断面構成を 示す図である。

 本発明の製造方法は、炭素鋼または低合 鋼の鋼種を対象にするものであり、螺旋状 ブを形成する引抜加工前に、素管の内外表 に潤滑皮膜を形成するため、化成処理が施 れる。

 図2は、本発明の内面リブ付鋼管の製造方 法に適用できる化成処理の工程例を示す図で ある。まず、第1の処理工程として酸洗を行 て、表面に付着する酸化スケールおよび錆 除去する。通常、使用する酸としては硫酸(1 0~13%)が用いられ、管理項目として遊離酸度や 鉄分濃度が指標として用いられる。酸洗条件 は、処理温度を室温として、浸漬時間30分が 安となる。この酸洗の後は、水洗(例えば、 数分間程度)を行って、表面に残っている酸 洗い流す。

 素管表面に油脂分、汚れ等が付着してい 場合には、上記の酸洗工程の前に、脱脂剤 用いて、油脂分、汚れ等を湿潤・分散・乳 作用によって除去しておくのが望ましい。 の場合には、市販の脱脂剤を用いて処理し 後、水洗して素管表面に残っている脱脂剤 油脂分、汚れを洗い流して、上記の酸洗を うことになる。

 上記の酸洗工程に次いで、素管を苛性ソー 液に浸漬し中和を行う。この中和により、 管表面は安定化する。その後、第2の処理工 程として、燐酸亜鉛皮膜処理を行って、素管 表面に燐酸塩皮膜の下地を形成する。このと きのFe素地との反応は、下記(1)式で示される
 3Zn(H 2 PO 4 )+2Fe→Zn 3 (PO 4 ) 2 +2Fe(H 2 PO 4 ) 2 +H 2
       ・・・  (1)

 燐酸亜鉛皮膜処理の条件は、処理温度を 80℃として、浸漬時間30分が目安となる。こ の燐酸亜鉛皮膜処理の後は、湯洗(例えば、 理温度50℃で数分間程度)を行う。

 その後、第3の処理工程として、形成され た燐酸亜鉛皮膜と石鹸系潤滑剤と反応させて 、表面に潤滑層を形成する。潤滑層を形成す る処理としては、ステアリン酸ソーダを燐酸 亜鉛皮膜と反応させて金属石鹸層を形成する のが一般的であるが、本発明の製造方法では これに限定されるものではない。

 例えば、第3の処理工程として、燐酸亜鉛皮 膜の上に潤滑層を形成するため、ステアリン ソーダを燐酸亜鉛皮膜と反応させて金属石鹸 層を形成する場合には、その反応は(2)式によ り示される。
Zn 3 (PO 4 ) 2 +6C 17 H 35 COONa→3Zn(C 17 H 35 COO) 2 +2Na 3 PO 4
       ・・・  (2)

 潤滑層を形成する処理の条件は、処理温 を約80℃として、浸漬時間15分が目安となる 。上記の第1~第3の処理工程により、化成処理 が施された素管は乾燥される。素管表面を充 分に乾燥させるため、素管を連続乾燥炉に装 入して乾燥する方法を採用することができる 。

 図3は、化成処理により燐酸亜鉛皮膜の表 面に潤滑層が形成された素管表面の断面構成 を示す図である。充分に乾燥された素管3の 面には、図3に示すように、化成処理皮膜層 して素管3の内表面および外表面に燐酸亜鉛 皮膜層5、金属石鹸層6、および未反応石鹸層( Na石鹸層)7が積層される。

 本発明の製造方法では、螺旋状リブを形 するための引抜加工に際し、引抜加工用プ グと素管内表面との接触長さが長くなるに 拘わらず、これに起因する焼き付き発生を 止するため、素管の内表面における化成処 皮膜の総厚さが10~100μmで管理する必要があ 。

 すなわち、化成処理皮膜の総厚さが10μm 満と、化成処理皮膜の形成が不充分である 、引抜加工の初期段階から仕上げ寸法に加 する最終段階に至るまで、引抜加工用プラ に設けられた螺旋溝と素管の内表面との接 を、化成処理皮膜を介して安定して維持す ことができず、内面リブ付鋼管に焼き付き が発生し易くなる。

 一方、化成処理皮膜の総厚さが厚くなる ど、引抜加工用プラグと素管の内表面との 触状態を安定して維持することができるが その効果は化成処理皮膜の総厚さが100μmで 和する。しかも、化成処理皮膜の総厚さが1 00μmを超えるようになると、前述の潤滑層を 成する工程において、浸漬時間が倍増し、 合によっては潤滑層を形成する工程を2度に 亘り繰り返すことが必要になることがある。 このため、本発明の製造方法では、素管の内 表面における化成処理皮膜の総厚さが10~100μm で管理する。

 通常、化成処理皮膜層のうち、専ら金属 鹸層6が潤滑作用に寄与するが、螺旋状リブ を形成するための引抜加工では潤滑を必要と する領域が長く、最も潤滑作用が必要となる 螺旋状リブの後端部で潤滑層の機能が発揮で きないことがある。

 これを回避するため、本発明の製造方法 おいて、皮膜厚さを管理する化成処理皮膜 、前記図3に示すように、素管3表面に形成 れた燐酸亜鉛皮膜層5、並びにこの燐酸亜鉛 膜にステアリン酸ソーダを反応させて形成 せた金属石鹸層6および未反応石鹸層(Na石鹸 層)7とすることができる。

 本発明の製造方法において、酸洗処理に り被加工管の表面を活性化し、この活性化 た表面に燐酸亜鉛皮膜を形成することとし ので、燐酸亜鉛皮膜の付着力を強固なもの なり、さらにその表面に形成する金属石鹸 どの潤滑層の保持力も高くなることから、 れらの皮膜厚さを管理することにより、内 リブ付鋼管の引抜加工の際に発生する焼き き疵を有効に防止することができる。

(実施例1)
 本発明の内面リブ付鋼管の製造方法の効果 確認するため、鋼種がJIS STBA22(1Cr-1/2Mo鋼)で ある継目無鋼管を素管として用いて、素管軟 化-酸洗・潤滑処理-途中引抜加工(円仕上げ)- 化の工程を経た後、引抜加工により4条の螺 旋状リブを有する内面リブ付鋼管を製造した 。

 このときの引抜スケジュールは、素管寸 を外径38.0mm×肉厚8.2mmで、途中引抜寸法を外 径32.0mm×肉厚7.2mmとし、最終的に外径28.6mm×肉 厚6.0mm×リブ深さ0.8mmに引抜加工を行った。

 最終的に螺旋状リブを形成するための引 加工前の化成処理として、硫酸(10~13%)を用 処理温度が室温の酸洗を行い、水洗、中和 、処理温度が75~85℃の状態で燐酸亜鉛皮膜処 理を行い、処理温度が75~85℃でステアリン酸 ーダを燐酸亜鉛皮膜と反応させて金属石鹸 を形成した。その後、素管を乾燥させて、 管内面の燐酸亜鉛皮膜、金属石鹸層およびN a石鹸層の総厚さを測定して。

 このときの化成処理に要した時間と、皮 の総厚さの測定結果を表1に示す。

 表1に示すように、本発明で規定する皮膜 の総厚さを満足する本発明例1~3では、いずれ も最終の引抜加工によって仕上げられた内面 リブ付鋼管には焼き付き疵は認められなかっ た。

 本発明で規定する皮膜の総厚さに達しない 較例1では、引抜加工によって仕上げられた 内面リブ付鋼管に焼き付き疵が発生した。ま た、本発明で規定する皮膜の総厚さを超えた 比較例2では、引抜加工によって仕上げられ 内面リブ付鋼管に焼き付き疵が発生しなか たが、金属石鹸皮膜処理で反応槽に2度漬け 行うなど、金属石鹸層を形成する処理が長 間となり、化成処理の効率化が図れなかっ 。
(実施例2)

 実施例1と同じ目的で、鋼種がJIS STBA24(2Cr -1Mo鋼)である継目無鋼管を素管に用いて、素 軟化-酸洗・潤滑処理-途中引抜加工(円仕上 )-軟化の工程を経た後、引抜加工により4条 螺旋状リブを有する内面リブ付鋼管を製造 た。

 このときの引抜スケジュールは、素管寸 を外径87.0mm×肉厚10.2mmで、途中引抜寸法を 径80.0mm×肉厚9.2mmとし、最終的に外径70.0mm× 厚8.0mm×リブ深さ1.1mmに引抜加工を行った。

 最終的に螺旋状リブを形成するための引 加工前の化成処理の条件は、実施例1と同様 とし、その処理後に、素管を乾燥させて、素 管内面の燐酸亜鉛皮膜、金属石鹸層およびNa 鹸層の総厚さを測定した。このときの化成 理に要した時間と、皮膜の総厚さの測定結 を表2に示した。

 実施例1の場合と同様に、本発明で規定す る皮膜の総厚さを満足する本発明例4~6では、 いずれも最終の引抜加工によって仕上げられ た内面リブ付鋼管には焼き付き疵は認められ なかった。

 本発明で規定する皮膜の総厚さに達しな 比較例3では、引抜加工によって仕上げられ た内面リブ付鋼管に焼き付き疵が発生した。 また、本発明で規定する皮膜の総厚さを超え た比較例4では、引抜加工によって仕上げら た内面リブ付鋼管に焼き付き疵が発生しな ったが、金属石鹸層を形成する処理が長時 となった。

産業上の利用の可能性

 本発明の内面リブ付鋼管の製造方法によ ば、化成処理での酸洗により被加工管の表 を活性化し、この活性化した表面に燐酸亜 皮膜を形成するようにしたので、燐酸亜鉛 膜の付着力を強固なものになり、さらにそ 表面に形成する金属石鹸などの潤滑層の保 力も高くなることから、螺旋状リブを形成 るための引抜加工前に、素管に施される潤 処理の条件を管理し、素管内面における化 処理皮膜の総厚さをコントロールすること より、螺旋状リブを形成する引抜加工時の ラブルを低減し、安定して螺旋状リブを形 することができる。

 これにより、得られた内面リブ付鋼管は ボイラー用鋼管や熱交換器用鋼管として優 た成形性と品質を備えていることから、ボ ラーの大容量化や高温高圧化に十分に対応 きるものであり、広く適用できる。




 
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