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Patent Searching and Data


Title:
PRODUCTION METHOD FOR RESIN FILM, AND RETARDATION FILM AND PRODUCTION METHOD THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175217
Kind Code:
A1
Abstract:
This method for producing a resin film includes a preparation step for preparing a material film, a stretching step for stretching the material film to a predetermined surface-stretching ratio to obtain a stretched film, a temperature-increasing step for increasing the temperature of the stretched film, and a thermal fixing step for maintaining the temperature of the stretched film at a predetermined level, wherein the increasing of the temperature of the stretched film in the temperature-increasing step is appropriately controlled.

Inventors:
MURAKAMI TOSHIHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006105
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 17, 2020
Export Citation:
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Assignee:
ZEON CORP (JP)
International Classes:
G02B5/30; B29C55/04; B29C55/10; B29C71/02; C08G61/06; B29K45/00; B29L7/00
Domestic Patent References:
WO2018180729A12018-10-04
Foreign References:
JPS646479B21989-02-03
JP2010243821A2010-10-28
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI INTERNATIONAL PATENT OFFICE (JP)
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Claims:
\¥02020/175217 65 卩(:17 2020/006105

請求の範囲

[請求項 1 ] 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を含む樹脂で形成された 原反フィルムを用意する準備工程と、

前記原反フィルムを、 面延伸倍率 1 . 1倍以上に延伸して、 延伸フ ィルムを得る延伸工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記延伸工程の終了時点での温度丁 1 から、 温度丁 3まで昇温する昇温工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 3以上に維持する熱固定エ 程と、 を含む、 樹脂フィルムの製造方法であって; 前記昇温工程が、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 1から、 前記温度丁 3よ りも 5 °〇以上低い温度丁 2まで、 一定の昇温速度で昇温する、 前期昇 温エ军王と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 2から前記温度丁 3まで 昇温する、 後期昇温工程と、 を含み;

前記前期昇温工程において、 前記延伸フィルムの温度が昇温され始 めた時点から前記温度丁 2に到達する時点までの時間が、 1 5秒以上 2 5 0秒以下であり ;

前記前期昇温工程において前記延伸フィルムの温度が前記温度丁 2 に到達した時点から、 熱固定工程における前記温度丁 3以上での維持 を終了する時点までの時間が、 1 0秒以上 2 5 0秒以下であり ; 前記重合体が、 ガラス転移温度丁 9及び結晶化ピーク温度丁〇を有 し;

前記温度丁 1が、 丁 9 + 5 °〇以上 T 9 + 2 5 °〇以下であり ; 前記温度丁 2が、 7〇 + 5 °〇以上 7〇 + 3 0 °〇以下であり ; 前記温度丁 3が、 7 c + ^ 0 °〇以上丁〇+ 1 0 0 °〇以下である、 樹 脂フィルムの製造方法。

[請求項 2] 前記重合体が、 ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化物であ 〇 2020/175217 66 卩(:171? 2020 /006105

る、 請求項 1 に記載の樹脂フィルムの製造方法。

[請求項 3] 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を含む樹脂で形成された 位相差フィルムであって、

前記位相差フィルムの面内方向の複屈折及び厚み方向の複屈折の少 なくとも一方が、 〇. 0 0 8以上であり、

前記位相差フィルムの内部ヘイズが、 1 %以下であり、 且つ、 下記式 (11— 1) で示される膜厚バラツキ V I 11が、 5 %以下であ る、 位相差フィルム。

(II - 1)

(前記式 (11 _ 1) 中、

1 11 ;<は、 前記位相差フィルムの厚みの最大値を示し、

1 11^„は、 前記位相差フィルムの厚みの最小値を示し、

は、 前記位相差フィルムの厚みの平均値を示す。 )

[請求項 4] 前記位相差フィルムの厚み方向のレターデーシヨン 1: IIが、 2 0

0 〇!以上である、 請求項 3に記載の位相差フィルム。

[請求項 5] 前記重合体が、 ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化物であ る、 請求項 3又は 4に記載の位相差フィルム。

[請求項 6] 請求項 3〜 5のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法で あって;

前記製造方法が、

脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を含む樹脂で形成され た原反フィルムを用意する準備工程と、

前記原反フィルムを、 面延伸倍率 1 . 1倍以上に延伸して、 延伸 フィルムを得る延伸工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記延伸工程の終了時点での温度丁 1から、 温度丁 3まで昇温する昇温工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 3以上に維持する、 熱固 〇 2020/175217 67 卩(:171? 2020 /006105

定工程と、 を含み;

前記昇温工程が、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 1から、 前記温度丁 3よ りも 5 °〇以上低い温度丁 2まで、 一定の昇温速度で昇温する、 前期昇 温工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 2から前記温度丁 3まで 昇温する、 後期昇温工程と、 を含み;

前記前期昇温工程において、 前記延伸フィルムの温度が昇温され始 めた時点から前記温度丁 2に到達する時点までの時間が、 1 5秒以上 2 5 0秒以下であり ;

前記前期昇温工程において前記延伸フィルムの温度が前記温度丁 2 に到達した時点から、 熱固定工程における前記温度丁 3以上での維持 を終了する時点までの時間が、 1 0秒以上 2 5 0秒以下であり ; 前記重合体が、 ガラス転移温度丁 9及び結晶化ピーク温度丁〇を有 し、

前記温度丁 1が、 丁 9 + 5 °〇以上丁 9 + 2 5 °〇以下であり、 前記温度丁 2が、 7〇 + 5 °〇以上 7〇 + 3 0 °〇以下であり、 前記温度丁 3が、 7 c + ^ 0 °〇以上丁〇+ 1 0 0 °〇以下である、 位 相差フイルムの製造方法。

Description:
\¥02020/175217 1 卩(:17 2020/006105

明 細 書

発明の名称 :

樹脂フィルムの製造方法、 並びに、 位相差フィルム及びその製造方法 技術分野

[0001 ] 本発明は、 樹脂フィルムの製造方法、 並びに、 位相差フィルム及びその製 造方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂を用いた樹脂 フィルムが知られている。 例えば、 特許文献 1 には、 脂環式構造を含有し結 晶性を有する重合体を含む樹脂を用いて、 延伸フィルムを製造する技術が記 載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :特許第 6 4 0 6 4 7 9号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂を用いた樹脂フィル ムの製造方法として、 前記の樹脂によって形成された原反フィルム を用意す る工程と、 この原反フィルムを延伸して延伸フィルムを 得る工程と、 この延 伸フィルムに熱固定処理を施して樹脂フィル ムを得る工程と、 を含む方法が ある。 延伸によれば、 通常は、 重合体の分子を配向させられるので、 フィル ムにレターデーシヨンを発現させることがで きる。 また、 熱固定処理によれ ば、 通常は、 重合体の結晶化を促進させられるので、 フィルムの熱膨張率を 低くできる。 よって、 前記の製造方法によれば、 所望のレターデーシヨンを 有し熱膨張率が小さい樹脂フィルムを得られ ると期待される。

[0005] 本発明者の検討によれば、 前記の製造方法における原反フィルムの延伸 を 高い温度で行うと、 レターデーシヨンの発現性が低くなったり、 得られる樹 〇 2020/175217 2 卩(:171? 2020 /006105

脂フィルムの内部ヘイズが大きくなったり し易いことが判明している。 そこ で、 本発明者は、 延伸を、 低い温度で行うことを試みた。 具体的には、 延伸 を、 丁 9 + 5 °〇以上丁 9 + 2 5 °〇以下 (丁 9は、 重合体のガラス転移温度を 表す。 ) で行うことを試みた。 ところが、 このように低い温度で延伸を行う と、 最終的に得られる樹脂フィルムの膜厚バラツ キが大きくなりうることが 見出された。

[0006] 第一の本発明は、 前記の第一の課題に鑑みて創案されたもので 、 脂環式構 造を含有し結晶性を有する重合体を含む樹脂 で形成され、 且つ、 熱膨張率、 膜厚バラツキ及び内部ヘイズのいずれもが小 さい樹脂フィルムを製造できる 、 低い温度での延伸を含む製造方法を提供する ことを目的とする。

[0007] 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂で形成されたフィル ムは、 延伸により重合体の分子を配向させられるの で、 複屈折を発現できる 。 また、 このように延伸されたフィルムに熱固定を行 って重合体の結晶化を 進行させると、 複屈折を大きくすることができる。 そこで、 本発明者は、 脂 環式構造を含有し結晶性を有する重合体を含 む樹脂を含む樹脂フィルムを用 意し、 この樹脂フィルムに延伸及び熱固定を行うこ とによって、 大きい複屈 折を有する位相差フィルムを製造することを 試みた。

[0008] 一般に、 樹脂フィルムの延伸を高い延伸温度で行った 場合、 複屈折の発現 性が小さくなる傾向がある。 そこで、 本発明者は、 大きい複屈折を達成する ためには、 延伸温度を低くすることを試みた。 しかし、 延伸温度が低い場合 、 得られる位相差フィルムの膜厚バラツキが大 きくなる傾向があった。 よっ て、 従来の技術では、 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂 を用いて、 複屈折が大きく且つ膜厚バラツキが小さい位 相差フィルムを製造 することは、 困難であった。

[0009] 第二の本発明は、 前記の第二の課題に鑑みて創案されたもので 、 脂環式構 造を含有し結晶性を有する重合体を含む樹脂 で形成され、 複屈折が大きく且 つ膜厚バラツキが小さい位相差フィルム及び その製造方法を提供することを 目的とする。 \¥02020/175217 3 卩(:17 2020/006105

課題を解決するための手段

[0010] 本発明者は、 前記の第一及び第二の課題を解決するべく鋭 意検討した。 そ の結果、 本発明者は、 原反フィルムを用意する準備工程と、 原反フィルムを 所定の面延伸倍率で延伸して延伸フィルムを 得る延伸工程と、 延伸フィルの 温度を昇温する昇温工程と、 延伸フィルムの温度を所定範囲に維持する熱 固 定工程と、 を含む樹脂フィルムの製造方法において、 昇温工程における延伸 フィルムの昇温を適切に制御することにより 、 前記の第一及び第二の課題を 解決できることを見出し、 第一及び第二の本発明を完成させた。

すなわち、 本発明は、 下記のものを含む。

[001 1 ] 〔1〕 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂で形成され た原反フィルムを用意する準備工程と、

前記原反フィルムを、 面延伸倍率 1 . 1倍以上に延伸して、 延伸フィルム を得る延伸工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記延伸工程の終了時点での温度丁 1から、 温度丁 3まで昇温する昇温工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 3以上に維持する熱固定工程と、 を含む、 樹脂フィルムの製造方法であって;

前記昇温工程が、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 1から、 前記温度丁 3よりも 5 以上低い温度丁 2まで、 一定の昇温速度で昇温する、 前期昇温工程と、 前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 2から前記温度丁 3まで昇温す る、 後期昇温工程と、 を含み;

前記前期昇温工程において、 前記延伸フィルムの温度が昇温され始めた時 点から前記温度丁 2に到達する時点までの時間が、 1 5秒以上 2 5 0秒以下 であり ;

前記前期昇温工程において前記延伸フィルム の温度が前記温度丁 2に到達 した時点から、 熱固定工程における前記温度丁 3以上での維持を終了する時 点までの時間が、 1 0秒以上 2 5 0秒以下であり ; 〇 2020/175217 4 卩(:171? 2020 /006105

前記重合体が、 ガラス転移温度丁 9及び結晶化ピーク温度丁〇を有し; 前記温度丁 1が、 丁 9 + 5 °〇以上丁 9 + 2 5 °〇以下であり ;

前記温度丁 2が、 7〇 + 5 °〇以上 7〇 + 3 0 °〇以下であり ;

前記温度丁 3が、 T〇 + ] 0 °〇以上丁〇+ 1 0 0 °〇以下である、 樹脂フィ ルムの製造方法。

〔2〕 前記重合体が、 ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化 物で ある、 〔 1〕 に記載の樹脂フィルムの製造方法。

[0012] 〔3〕 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂で形成され た位相差フィルムであって、

前記位相差フィルムの面内方向の複屈折及び 厚み方向の複屈折の少なくと も一方が、 〇. 0 0 8以上であり、

前記位相差フィルムの内部ヘイズが、 1 %以下であり、 且つ、

下記式 (11— 1) で示される膜厚バラツキ V 1 11 が、 5 %以下である、 位相 差フィルム。

V I II [〇/〇] = [ ( 1 ) ハ II ] X 1 0 0 (II -

1)

(前記式 (11 _ 1) 中、

1 11 ; <は、 前記位相差フィルムの厚みの最大値を示し、

1 11 ^„は、 前記位相差フィルムの厚みの最小値を示し、

は、 前記位相差フィルムの厚みの平均値を示す。 )

〔4〕 前記位相差フィルムの厚み方向のレターデー シヨン 1: 1 * 1が、 2 0 0 〇!以上である、 〔3〕 に記載の位相差フィルム。

〔5〕 前記重合体が、 ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化 物で ある、 〔3〕 又は 〔4〕 に記載の位相差フィルム。

〔6〕 〔3〕 〜 〔5〕 のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製 造方 法であって;

前記製造方法が、

脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む樹脂で形成された原反 〇 2020/175217 5 卩(:171? 2020 /006105

フィルムを用意する準備工程と、

前記原反フィルムを、 面延伸倍率 1 . 1倍以上に延伸して、 延伸フィル ムを得る延伸工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記延伸工程の終了時点での温度丁 1から 、 温度丁 3まで昇温する昇温工程と、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 3以上に維持する、 熱固定工程 と、 を含み;

前記昇温工程が、

前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 1から、 前記温度丁 3よりも 5 以上低い温度丁 2まで、 一定の昇温速度で昇温する、 前期昇温工程と、 前記延伸フィルムの温度を、 前記温度丁 2から前記温度丁 3まで昇温す る、 後期昇温工程と、 を含み;

前記前期昇温工程において、 前記延伸フィルムの温度が昇温され始めた時 点から前記温度丁 2に到達する時点までの時間が、 1 5秒以上 2 5 0秒以下 であり ;

前記前期昇温工程において前記延伸フィルム の温度が前記温度丁 2に到達 した時点から、 熱固定工程における前記温度丁 3以上での維持を終了する時 点までの時間が、 1 0秒以上 2 5 0秒以下であり ;

前記重合体が、 ガラス転移温度丁 9及び結晶化ピーク温度丁〇を有し、 前記温度丁 1が、 丁 9 + 5 °〇以上 T 9 + 2 5 °〇以下であり、

前記温度丁 2が、 7〇 + 5 °〇以上 7〇 + 3 0 °〇以下であり、

前記温度丁 3が、 T〇 + ] 0 °〇以上丁〇+ 1 0 0 °〇以下である、 位相差フ ィルムの製造方法。

発明の効果

[0013] 第一の本発明によれば、 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む 樹脂で形成され、 且つ、 熱膨張率、 膜厚バラツキ及び内部ヘイズのいずれも が小さい樹脂フィルムを製造できる、 低い温度での延伸を含む製造方法を提 供できる。 〇 2020/175217 6 卩(:171? 2020 /006105

[0014] 第二の本発明によれば、 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 含む 樹脂で形成され、 複屈折が大きく且つ膜厚バラツキが小さい位 相差フィルム 及びその製造方法を提供できる。

発明を実施するための形態

[0015] 以下、 本発明について実施形態及び例示物を示して 詳細に説明する。 ただ し、 本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限 定されるものではなく、 本 発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱 しない範囲において任意に変更 して実施しうる。

[0016] 以下の説明において、 「長尺」 のフィルムとは、 幅に対して、 5倍以上の 長さを有するフィルムをいい、 好ましくは 1 0倍若しくはそれ以上の長さを 有し、 具体的には口ール状に巻き取られて保管又は 運搬される程度の長さを 有するフィルムをいう。 長さの上限に特段の制限は無いが、 通常、 幅に対し て 1 〇万倍以下である。

[0017] 以下の説明において、 要素の方向が 「平行」 、 「垂直」 及び 「直交」 とは 、 別に断らない限り、 本発明の効果を損ねない範囲内、 例えば ± 5 ° の範囲 内での誤差を含んでいてもよい。

[0018] 以下の説明において、 長尺のフィルムの長手方向は、 通常は製造ラインに おけるフィルム搬送方向と平行である。 また、 方向 (01 3 3 11 丨 11 6 〇1 I 「 6 0 1: 丨 〇 !·!) は、 製造ラインにおけるフィルムの搬送方向であ り、 通常は長尺のフィルムの長手方向と平行であ る。 さらに、 丁〇方向 (1: 11 3 6 「 3 6 〇1 I 「㊀〇 1 〇 11) は、 フィルム面に平行な方向であつ て、 前記 IV! 0方向に垂直な方向であり、 通常は長尺のフィルムの幅方向と平 行である。

[0019] 以下の説明において、 面内方向とは、 別に断らない限り、 厚み方向と直交 する方向を表す。

[0020] [ I . 第一実施形態]

[ I - 1 . 樹脂フィルムの製造方法の概要]

本発明の第一実施形態に係る樹脂フィルムの 製造方法は、 脂環式構造を含 〇 2020/175217 7 卩(:171? 2020 /006105

有し結晶性を有する重合体を含む樹脂によ って、 樹脂フィルムを製造する方 法である。 以下の説明において、 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体 を 「脂環式結晶性重合体」 ということがある。 また、 脂環式結晶性重合体を 含む前記の樹脂を 「結晶性樹脂」 ということがある。

[0021 ] 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 は、

結晶性樹脂で形成された原反フィルムを用意 する準備工程 (丨) と ; 原反フィルムを、 所定範囲の面延伸倍率に延伸して、 延伸フィルムを得る 延伸工程 ( | ) と ;

延伸フィルムの温度を、 延伸工程の終了時点での温度丁 1から、 所定の温 度丁 3まで昇温する昇温工程 (_1 1) と ;

延伸フィルムの温度を、 温度丁3以上に維持する、 熱固定工程 ( ) と ; を含む。 以下の説明では、 延伸工程の終了時点での温度丁 1 を、 「延伸終 了温度」 丁 1 ということがある。 また、 昇温工程で昇温される温度丁 3を、 「熱固定開始温度」 丁 3ということがある。

[0022] また、 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 において、 前記昇温エ 程 (丨丨_|) は、

延伸フィルムの温度を、 延伸終了温度丁 1から、 熱固定開始温度丁3より も 5 °〇以上低い温度丁 2まで、 一定の昇温速度で昇温する、 前期昇温工程 0 I .I - 1) と ;

延伸フィルムの温度を、 温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温する、 後期昇温工程 (_| | _ 2) と ;

を含む。 以下の説明では、 前期昇温工程 で昇温される温度丁 2 を、 「経由温度」 丁 2ということがある。

[0023] さらに、 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 において、 延伸終了 温度丁 1、 経由温度丁 2及び熱固定開始温度丁 3は、 それぞれ、 所定の温度 範囲に収まる。 また、 前期昇温工程 (_| | _ 1) において、 延伸フィルムの温 度が昇温され始めた時点から経由温度丁 2に到達する時点までの時間が、 所 定の範囲にある。 以下の説明では、 前期昇温工程 において延伸フ 〇 2020/175217 8 卩(:171? 2020 /006105

ィルムの温度が昇温され始めた時点から経 由温度丁 2に到達する時点までの 時間を 「前期昇温時間」 とぃうことがある。

[0024] さらに、 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 におぃて、 前期昇温 工程 (丨丨丨 _ 1) におぃて延伸フィルムの温度が経由温度丁 2に到達した時点 から、 熱固定工程 ( ) における熱固定開始温度丁 3以上での維持を終了す る時点までの時間が、 所定範囲にある。 以下の説明では、 前期昇温工程 ( 1 - 1) におぃて延伸フィルムの温度が経由温度丁 2に到達した時点から、 熱 固定工程 ( ) における熱固定開始温度丁 3以上での維持を終了する時点ま での時間を、 「丁 2以降時間」 とぃうことがある。

[0025] これらの要件を満たす第一実施形態に係る製 造方法は、 延伸工程 ( 〇 に おける低ぃ温度での延伸を含む製造方法であ りながら、 結晶性樹脂で形成さ れ、 且つ、 熱膨張率、 膜厚バラツキ及び内部ヘイズのぃずれもが小 さぃ樹脂 フィルムを製造できる。

[0026] [ 1 - 2 . 準備工程 ( I) ]

準備工程 い) では、 結晶性樹脂で形成された延伸前のフィルムと しての 原反フィルムを用意する。 結晶性樹脂は、 脂環式構造を含有し結晶性を有す る重合体としての脂環式結晶性重合体を含む 。 脂環式構造を含有する重合体 とは、 分子内に脂環式構造を有する重合体を表す。 このような脂環式構造を 含有する重合体は、 例えば、 環状オレフィンを単量体として用ぃた重合反 応 によって得られうる重合体又はその水素化物 でありうる。

[0027] 脂環式結晶性重合体が有する脂環式構造とし ては、 例えば、 シクロアルカ ン構造及びシクロアルケン構造が挙げられる 。 これらの中でも、 熱安定性な どの特性に優れる樹脂フィルムが得られ易ぃ ことから、 シクロアルカン構造 が好ましぃ。 1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数は 好ましくは 4個 以上、 より好ましくは 5個以上であり、 好ましくは 3 0個以下、 より好まし くは 2 0個以下、 特に好ましくは 1 5個以下である。 1つの脂環式構造に含 まれる炭素原子の数が上記範囲内にあること で、 機械的強度、 耐熱性、 及び 成形性が高度にバランスされる。 〇 2020/175217 9 卩(:171? 2020 /006105

[0028] 脂環式結晶性重合体において、 全ての構造単位に対する脂環式構造を有す る構造単位の割合は、 好ましくは 3 0重量%以上、 より好ましくは 5 0重量 %以上、 特に好ましくは 7 0重量%以上である。 脂環式結晶性重合体におけ る脂環式構造を有する構造単位の割合を前記 のように多くすることにより、 耐熱性を高めることができる。 全ての構造単位に対する脂環式構造を有する 構造単位の割合は、 1 0 0重量%以下としうる。

また、 脂環式結晶性重合体において、 脂環式構造を有する構造単位以外の 残部は、 格別な限定はなく、 使用目的に応じて適宜選択しうる。

[0029] 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体と しての脂環式結晶性重合体は 、 結晶性を有する。 「結晶性を有する重合体」 とは、 融点丁〇!を有する重合 体を表す。 すなわち、 「結晶性を有する重合体」 とは、 示差走査熱量計 (口 3 0 で融点を観測することができる重合体を表す 。

[0030] 脂環式結晶性重合体としては、 例えば、 下記の重合体 (〇0 〜重合体 (5 ) が挙げられる。 これらの中でも、 耐熱性に優れる樹脂フィルムが得られ易 いことから、 脂環式結晶性重合体としては、 重合体 (/3) が好ましい。 重合体 (〇0 :環状オレフィン単量体の開環重合体であっ 、 結晶性を有 するもの。

重合体 (/3) :重合体 (〇0 の水素化物であって、 結晶性を有するもの。 重合体 (ァ) :環状オレフィン単量体の付加重合体であっ て、 結晶性を有 するもの。

重合体 (5) :重合体 (ァ) の水素化物であって、 結晶性を有するもの。

[0031 ] 具体的には、 脂環式結晶性重合体としては、 ジシクロペンタジェンの開環 重合体であって結晶性を有するもの、 及び、 ジシクロペンタジェンの開環重 合体の水素化物であって結晶性を有するもの がより好ましい。 脂環式結晶性 重合体としては、 ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化 物であって結 晶性を有するものが特に好ましい。 ここで、 ジシクロペンタジェンの開環重 合体とは、 全構造単位に対するジシクロペンタジェン由 来の構造単位の割合 が、 通常 5 0重量%以上、 好ましくは 7 0重量%以上、 より好ましくは 9 0 〇 2020/175217 10 卩(:171? 2020 /006105

重量%以上、 さらに好ましくは 1 0 0重量%の重合体をいう。

[0032] 上記重合体 (〇〇 〜重合体 (5) としては、 〇 2 0 1 8 / 0 6 2 0 6 7 号公報に開示されている製造方法により得ら れる重合体を用いうる。

[0033] 脂環式結晶性重合体の融点丁 は、 好ましくは 2 0 0 °〇以上、 より好まし くは 2 3 0 °〇以上であり、 好ましくは 2 9 0 °〇以下である。 このような融点 丁 0!を有する脂環式結晶性重合体を用いること よって、 成形性と耐熱性と のバランスに更に優れた樹脂フイルムを得る ことができる。

[0034] 通常、 脂環式結晶性重合体は、 ガラス転移温度丁 9を有する。 脂環式結晶 性重合体の具体的なガラス転移温度丁 9は、 特に限定されないが、 通常は 8 5 °〇以上、 通常 1 7 0 °〇以下である。

[0035] 通常、 脂環式結晶性重合体は、 結晶化ピーク温度丁〇を有する。 脂環式結 晶性重合体の具体的な結晶化ピーク温度丁〇 は、 特に限定されないが、 好ま しくは 1 2 0 °〇以上であり、 好ましくは 2 2 0 °〇以下である。

[0036] 重合体のガラス転移温度丁 9、 融点丁 及び結晶化ピーク温度丁〇は、 以 下の方法によって測定できる。 まず、 重合体を、 加熱によって融解させ、 融 解した重合体をドライアイスで急冷する。 続いて、 この重合体を試験体とし て用いて、 示差走査熱量計 (0 3 0 を用いて、 1 0 /分の昇温速度 (昇 温モード) で、 重合体のガラス転移温度丁 9、 融点丁 及び結晶化ピーク温 度丁〇を測定しうる。

[0037] 脂環式結晶性重合体の重量平均分子量 は、 好ましくは 1 , 0 0 0 以上、 より好ましくは 2 , 0 0 0以上であり、 好ましくは 1 , 0 0 0 , 0 0 0以下、 より好ましくは 5 0 0 , 0 0 0以下である。 このような重量平均分 子量を有する脂環式結晶性重合体は、 成形加工性と耐熱性とのバランスに優 れる。

[0038] 脂環式結晶性重合体の分子量分布 n ) は、 好ましくは 1 . 〇以 上、 より好ましくは 1 . 5以上であり、 好ましくは 4 . 0以下、 より好まし くは 3 . 5以下である。 ここで、 IV! nは数平均分子量を表す。 このような分 子量分布を有する脂環式結晶性重合体は、 成形加工性に優れる。 \¥02020/175217 11 卩(:17 2020/006105

脂環式結晶性重合体の重量平均分子量 (IV! \^) 及び分子量分布 门) は、 テトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル ·パーミエーシヨン · ク ロマトグラフィー (〇 〇 により、 ポリスチレン換算値として測定しうる

[0039] 脂環式結晶性重合体は、 樹脂フィルムを製造するよりも前においては 、 結 晶化していてもよく、 結晶化していなくてもよい。 脂環式結晶性重合体の結 晶化度は、 X線回折法によって測定しうる。

[0040] 脂環式結晶性重合体は、 1種類を単独で用いてもよく、 2種類以上を任意 の比率で組み合わせて用いてもよい。

[0041 ] 結晶性樹脂において、 脂環式結晶性重合体の割合は、 好ましくは 5 0重量 %以上、 より好ましくは 7 0重量%以上、 特に好ましくは 9 0重量%以上で ある。 脂環式結晶性重合体の割合が前記範囲の下限 値以上である場合、 樹脂 フィルムの耐熱性を高めることができる。 脂環式結晶性重合体の割合の上限 は、 1 0 0重量%以下でありうる。

[0042] 結晶性樹脂は、 脂環式結晶性重合体に加えて、 任意の成分を含みうる。 任 意の成分としては、 例えば、 フエノール系酸化防止剤、 リン系酸化防止剤、 イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤; ヒンダードアミン系光安定剤等の光安 定剤;石油系ワックス、 フィッシャートロプシユワックス、 ポリアルキレン ワックス等のワックス; ソルビトール系化合物、 有機リン酸の金属塩、 有機 カルボン酸の金属塩、 カオリン及びタルク等の核剤;ジアミノスチ ルベン誘 導体、 クマリン誘導体、 アゾール系誘導体 (例えば、 ベンゾオキサゾール誘 導体、 ベンゾトリアゾール誘導体、 ベンゾイミダゾール誘導体、 及びべンゾ チアソール誘導体) 、 カルバゾール誘導体、 ピリジン誘導体、 ナフタル酸誘 導体、 及びイミダゾロン誘導体等の蛍光増白剤;ベ ンゾフエノン系紫外線吸 収剤、 サリチル酸系紫外線吸収剤、 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の 紫外線吸収剤;タルク、 シリカ、 炭酸カルシウム、 ガラス繊維等の無機充填 材;着色剤;難燃剤;難燃助剤;帯電防止剤 ;可塑剤;近赤外線吸収剤;滑 剤; フィラー;及び、 軟質重合体等の、 脂環式結晶性重合体以外の任意の重 〇 2020/175217 12 卩(:171? 2020 /006105

合体;などが挙げられる。 任意の成分は、 1種類を単独で用いてもよく、 2 種類以上を任意の比率で組み合わせて用いて もよい。

[0043] 原反フィルムの厚みは、 後の延伸工程 ( I) における延伸倍率を考慮して 、 適切に設定しうる。 原反フィルムの具体的な厚みは、 通常 5 以上、 好 ましくは 1 〇 以上であり、 通常 1 以下、 好ましくは 5 0 0 以下 である。

[0044] 原反フィルムは、 例えば、 射出成形法、 押出成形法、 プレス成形法、 イン フレーション成形法、 ブロー成形法、 カレンダー成形法、 注型成形法、 圧縮 成形法等の樹脂成型法によって製造しうる。 これらの中でも、 厚みの制御が 容易であることから、 押出成形法が好ましい。

[0045] 押出成形法における製造条件は、 好ましくは下記の通りである。 シリンダ —温度 (溶融樹脂温度) は、 好ましくは丁 以上、 より好ましくは 「丁〇!十 2 0 °〇」 以上であり、 好ましくは 「丁〇1 + 1 0 0 °〇」 以下、 より好ましくは 「丁〇1 + 5 0 ° 〇」 以下である。 また、 フィルム状に押し出された溶融樹脂が 最初に接触する冷却体は特に限定されないが 、 通常はキャストロールを用い る。 このキャストロール温度は、 好ましくは 「丁 9 — 5 0 ° 〇」 以上であり、 好ましくは 「丁 9 + 7 0 °〇」 以下、 より好ましくは 「丁 9 + 4 0 °〇」 以下で ある。 さらに、 冷却口ール温度は、 好ましくは 「丁 9 — 7 0 ° 〇」 以上、 より 好ましくは 「丁 9— 5 0 °〇」 以上であり、 好ましくは 「丁 9 + 6 0 °〇」 以下 、 より好ましくは 「丁 9 + 3 0 ° 〇」 以下である。 このような条件で原反フィ ルムを製造する場合、 厚み 1 |^ ~ 1 01 01の原反フィルムを容易に製造でき る。 ここで、 「丁〇!」 は、 前述したように、 脂環式結晶性重合体の融点を表 し、 「丁 9」 は脂環式結晶性重合体のガラス転移温度を表 す。

[0046] [ 1 - 3 . 延伸工程 ( 〇 ]

準備工程 (丨) において原反フィルムを用意した後、 原反フィルムを延伸 する延伸工程 ( | ) を行う。 この延伸工程 ( I) での延伸により、 結晶性樹 脂で形成された延伸後のフィルムとしての延 伸フィルムを得ることができる 〇 2020/175217 13 卩(:171? 2020 /006105

[0047] 延伸工程 (丨丨) における延伸は、 所定の範囲の面延伸倍率で行う。 面延伸 倍率とは、 「延伸前の原反フィルムの面積」 に対する 「延伸後の延伸フィル ムの面積」 の比で表される延伸倍率である。 よって、 面延伸倍率は、 下記式 ( I - 1) で表される。

面延伸倍率 = { (延伸後の延伸フィルムの面積) / (延伸前の原反 フイルムの面積) } ( I — 1)

[0048] 延伸工程 ( I) における面延伸倍率の範囲は、 通常 1 . 1倍以上、 好まし くは 1 . 2倍以上であり、 通常は 2 0倍以下、 好ましくは 1 0倍以下、 より 好ましくは 5倍以下である。 具体的な面延伸倍率は、 前記の範囲から、 製造 したい樹脂フィルムの光学特性、 厚み、 強度などの要素に応じて適切に設定 することが望ましい。 面延伸倍率が前記範囲の下限値以上である場 合、 延伸 によって大きな複屈折を発現させることがで きる。 また、 面延伸倍率が前記 範囲の上限値以下である場合、 フィルムの破断を抑制して、 樹脂フィルムの 製造を容易に行うことができる。

[0049] 延伸は、 所定の範囲の延伸温度で行うことが好ましい 。 具体的な延伸温度 の範囲は、 通常 「丁 9 + 5 ° 〇」 以上、 好ましくは 「丁 9 + 1 0 ° 〇」 以上であ り、 通常 「丁 9 + 2 5 ° 〇」 以下、 好ましくは 「丁 9 + 2 0 ° 〇」 以下である。 延伸温度が前記範囲の下限値以上である場合 、 フィルムを十分に軟化させて 延伸を均一に行うことができる。 また、 延伸温度が前記範囲の上限値以下で ある場合、 脂環式結晶性重合体の結晶化の進行によるフ ィルムの硬化を抑制 できるので、 延伸を円滑に行うことができ、 また、 延伸によって大きな複屈 折を発現させることができる。 さらに、 通常は、 得られる樹脂フィルムのへ イズを小さく して透明性を高めることができる。 延伸工程において、 延伸温 度は、 時間毎に変動してもよいが、 一定であることが好ましい。 原反フィル ムは一般に薄いので、 ある温度の雰囲気に入れられた原反フィルム の温度は 、 通常、 速やかにその雰囲気の温度へと調整される。 したがって、 延伸され る原反フィルムの温度は、 通常、 その雰囲気の温度に一致している。 よって 、 通常は、 上記延伸温度は、 延伸工程 (_ | ) でフィルムが曝される雰囲気温 〇 2020/175217 14 卩(:171? 2020 /006105

度に一致し、 よって延伸機の設定温度に一致しうる。

[0050] なお、 準備工程 (丨) の後、 延伸工程 (丨丨) の前に、 原反フィルムを所定 の延伸温度に加熱するために予熱を行っても よい。 通常は予熱温度と延伸温 度は同じであるが、 異なっていても良い。 予熱温度は延伸終了温度丁 1 に対 し、 好ましくは丁 1 + 5 °〇以下、 より好ましくは丁 1 + 2 °〇以下であり、 好 ましくは丁 1 — 1 0 °〇以上、 より好ましくは丁 1 — 5 °〇以上である。

予熱は原反フィルムを前記の予熱温度にある 雰囲気内で一定時間保持する ことにより行われる。 上述したように、 原反フィルムは一般に薄いので、 原 反フィルムの温度は、 通常、 その雰囲気の温度に一致している。 したがって 、 通常は、 予熱後の原反フィルムの温度は、 雰囲気温度に _ 致し、 よって才 -ブン等の温度調整装置の設定温度に一致し る。

予熱時間は任意であるが、 好ましくは 1秒以上、 より好ましくは 5秒以上 でありえ、 また、 好ましくは 6 0秒以下、 より好ましくは 3 0秒以下であり ス ·る。

[0051 ] 延伸に要する時間としての延伸時間は、 延伸倍率に応じて設定しうる。

[0052] 延伸方法に格別な制限は無く、 任意の延伸方法を用いうる。 例えば、 原反 フィルムを長手方向に一軸延伸する方法 (縦一軸延伸法) 、 原反フィルムを 幅方向に一軸延伸する方法 (横一軸延伸法) 等の、 _軸延伸法;原反フィル ムを長手方向に延伸すると同時に幅方向に延 伸する同時二軸延伸法、 原反フ ィルムを長手方向及び幅方向の一方に延伸し た後で他方に延伸する逐次二軸 延伸法等の、 二軸延伸法;原反フィルムを幅方向に平行で もなく垂直でもな い斜め方向に延伸する方法 (斜め延伸法) ;などが挙げられる。

[0053] 前記の縦一軸延伸法としては、 例えば、 口ール間の周速の差を利用した延 伸方法などが挙げられる。

また、 前記の横一軸延伸法としては、 例えば、 テンター延伸機を用いた延 伸方法などが挙げられる。

さらに、 前記の同時二軸延伸法としては、 例えば、 ガイ ドレールに沿って 移動可能に設けられ且つ原反フィルムを固定 しうる複数のクリップを備えた 〇 2020/175217 15 卩(:171? 2020 /006105

テンター延伸機を用いて、 クリツプの間隔を開いて原反フィルムを長手 方向 に延伸すると同時に、 ガイ ドレールの広がり角度により原反フィルムを 幅方 向に延伸する延伸方法などが挙げられる。

また、 前記の逐次二軸延伸法としては、 例えば、 口ール間の周速の差を利 用して原反フィルムを長手方向に延伸した後 で、 その原反フィルムの両端部 をクリツプで把持してテンター延伸機により 幅方向に延伸する延伸方法など が挙げられる。

さらに、 前記の斜め延伸法としては、 例えば、 原反フィルムに対して長手 方向又は幅方向に左右異なる速度の送り力、 引張り力又は引取り力を付加し うるテンター延伸機を用いて原反フィルムを 斜め方向に連続的に延伸する延 伸方法などが挙げられる。

[0054] 前記のような延伸を原反フィルムに施すこと により、 延伸フィルムが得ら れる。 この延伸フィルムの、 延伸工程の終了時点での温度が延伸終了温度 丁 1である。 延伸終了温度丁 1は、 通常、 上述した延伸温度の範囲に収まって いる。 そこで、 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 では、 延伸フィ ルムの温度を、 延伸終了温度丁 1から熱固定開始温度丁 3まで昇温する昇温 工程 (_ | | ) を行う。

[0055] [ I - 4 . 前期昇温工程 0 1 1— 1) ]

昇温工程 (_| _| _|) は、 延伸フィルムの温度を、 延伸終了温度丁 1から経由温 度丁 2まで、 一定の昇温速度で昇温する、 前期昇温工程 (丨丨丨 _ 1) を含む。 通常、 延伸工程 (_ | _0 と前期昇温工程 とは、 連続して行われるの で、 延伸工程 ( ' I ' I) と前期昇温工程 ( 1 1 1 - 1) との間に他の工程は行われな い。

[0056] 経由温度丁 2は、 熱固定開始温度丁 3よりも、 通常、 5 °〇以上低い。 よっ て、 経由温度丁 2は、 通常、 下記式 ( I _ 2) を満たす。

丁3 -丁 2 ³ 5。0 ( I - 2)

より詳細には、 熱固定開始温度丁 3と経由温度丁 2との差丁 3 _丁 2は、 通常 5 °〇以上、 好ましくは 1 0 °〇以上であり、 好ましくは 3 0 °〇以下、 より 〇 2020/175217 16 卩(:171? 2020 /006105

好ましくは 2 0 °〇以下である。 このような経由温度丁 2に昇温するまでの期 間の延伸フィルムの温度変化を制御すること により、 樹脂フィルムの膜厚バ ラツキを効果的に小さくできる。 また、 温度差丁 3 _丁 2は、 結晶化の過度 の進行を抑制して内部ヘイズの上昇を抑制で きる観点からは、 前記範囲の下 限値以上であることが望ましく、 樹脂フィルムの膜厚バラツキを効果的に抑 制できる観点からは、 前記範囲の上限値以下であることが望ましい 。

[0057] また、 経由温度丁 2は、 通常、 脂環式結晶性重合体の結晶化ピーク温度丁 〇との間に、 所定の関係を満たす。 具体的には、 経由温度丁 2は、 通常 「丁 〇 + 5 °〇」 以上、 好ましくは 「丁〇 + 1 0 °〇」 以上であり、 通常 「丁〇 + 3 〇 ° 〇」 以下、 好ましくは 「丁〇 + 2 5 ° 〇」 以下である。 このような経由温度 丁 2に昇温するまでの期間の延伸フィルムの温 変化を制御することにより 、 樹脂フィルムの膜厚バラツキを効果的に小さ くできる。 特に、 樹脂フィル ムの膜厚バラツキを十分に抑制するためには 、 経由温度丁 2が前記範囲の下 限値以上であることが望ましい。 さらに、 工程に要する時間を短縮し、 結晶 化の過度の進行を抑制して内部ヘイズの上昇 を抑制できる観点からは、 経由 温度丁 2が前記範囲の上限値以下であることが望ま い。

[0058] 前期昇温工程 (丨丨_| _ 1) において、 延伸フィルムの温度の昇温は、 一定の 昇温速度で行われる。 昇温速度が 「一定」 とは、 前期昇温工程 (_1 1 _ 1) を 時間で 1 0等分して得られる時間区分それぞれの温度 化八丁 丨の変動係数 が、 所定値以下であることを表す。 具体的には、 前期昇温工程 ( !一 ·!) に おいて、 延伸フィルムの温度が昇温され始めた時点か ら経由温度丁 2に到達 する時点までの時間を、 1 0等分して、 1 0の時間区分を得る。 そして、 各 時間区分における延伸フィルムの温度変化八 丁 丨 を求める。 これら 1 0の時 間区分の温度変化八丁 丨から、 その変動係数 [=標準偏差/平均値 X 1 0 0 (%) ] を求める。 この変動係数が、 通常 2 0 %以下、 好ましくは 1 0 %以 下である場合、 昇温速度が 「一定」 であると定義する。 延伸フィルムの温度 が延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2に到達するまでの昇温速度を一定にす ることにより、 樹脂フィルムの膜厚/ ラツキを効果的に小さくできる。 〇 2020/175217 17 卩(:171? 2020 /006105

[0059] 前期昇温工程 において、 延伸フィルムの温度が昇温され始めた 時点から経由温度丁 2に到達する時点までの前期昇温時間は、 通常 1 5秒以 上、 好ましくは 2 0秒以上であり、 通常 2 5 0秒以下、 好ましくは 2 0 0秒 以下である。 延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2までの昇温を、 前記のよう な所定の時間をかけて行うことにより、 樹脂フィルムの膜厚/ ラツキを効果 的に小さくできる。 また、 前期昇温時間が前記範囲の上限値以下である 場合 、 内部ヘイズの上昇を抑制できる。

[0060] さらに、 前期昇温工程 (丨丨_| _ 1) における前期昇温時間は、 「1 [秒/ ° 〇 ] X (丁 2 [°〇] _丁 1 [。〇] ) 」 以上が特に好ましく、 また、 「3 [秒/ °〇] X (丁 2 [ ° 〇] _丁 1 [ ° 〇] ) 」 以下が特に好ましい。 前期昇温時間が 前記範囲の下限値以上である場合、 樹脂フィルムの膜厚バラツキを効果的に 小さくできる。 また、 前期昇温時間が前記範囲の上限値以下である 場合、 内 部ヘイズの上昇を効果的に抑制できる。

[0061] 延伸フィルムは一般に薄いので、 延伸フィルムの温度は、 通常、 その雰囲 気の温度に一致する。 したがって、 前期昇温工程 での昇温は、 例 えば、 延伸フィルムの雰囲気の温度を調整可能な温 度調整装置によって行い うる。 通常は、 前期昇温工程 ( 1 1 1 - 1) における延伸フィルムの温度は、 前 期昇温工程 でフィルムが曝される雰囲気温度に一致し、 よって温 度調整装置の設定温度に一致しうる。 このような温度調整装置としては、 非 接触でフィルムを加熱可能な温度調整装置が 好ましく、 具体例を挙げると、 オーブン及び加熱炉が挙げられる。

[0062] 具体例を挙げると、 前期昇温工程 ) は、 温度調整可能なオーブン を用いて行いうる。 例えば、 才ーブン内に延伸フィルムを収納した状態で 、 そのオーブンの温度を上述した条件を満たす ように延伸終了温度丁 1から経 由温度丁 2まで変化させることにより、 前期昇温工程 を行うこと ができる。

[0063] 另 I」の具体例を挙げると、 前期昇温工程 (1 1 1 - 1) は、 内部に温度設定可能 なフィルム搬送路を有する才ーブンを用いて 行いうる。 例えば、 才ーブン内 〇 2020/175217 18 卩(:171? 2020 /006105

のフィルム搬送路を、 フィルム搬送方向において複数の区画に区分 する。 そ して、 それらの区画の温度を、 下流ほど高温になるように、 設定する。 この 場合、 具体的な区画の温度は、 それらの区画を通って搬送される延伸フィル ムの温度が、 上述した条件を満たすように設定する。 そして、 このオーブン のフィルム搬送路を通るように延伸フィルム を搬送することにより、 前期昇 温工程 ( _1 _1 _1 _ 1) を行うことができる。

[0064] 前期昇温工程 ) は、 通常、 延伸フィルムが収縮によって変形しな いように、 延伸フィルムの少なくとも二辺を保持した状 態で行う。 「延伸フ ィルムの少なくとも二辺を保持した状態」 とは、 延伸フィルムにたわみが認 められない程度に、 保持具で延伸フィルムを保持した状態をいう 。 ただし、 この状態には、 延伸フィルムが実質的に延伸されるような保 持状態は含まれ ない。 また、 実質的に延伸されるとは、 延伸フィルムのいずれかの方向への 延伸倍率が通常 1. 03倍以上になることをいう。

[0065] [ 1 -5. 後期昇温工程 (111— 2) ]

昇温工程 (丨丨丨) は、 前期昇温工程 ( 111 - 1) の後に、 延伸フィルムの温 度を、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温する、 後期昇温工程 0 丨_|_2) を含む。 通常、 前期昇温工程 と後期昇温工程 (111-2 ) とは、 連続して行われるので、 前期昇温工程 (_ | | _ 1) と後期昇温工程 ( \\\ ~ 2) との間に他の工程は行われない。

[0066] 熱固定開始温度丁 3は、 通常、 脂環式結晶性重合体の結晶化ピーク温度丁 〇との間に、 所定の関係を満たす範囲において設定される 。 具体的には、 熱 固定開始温度丁 3は、 通常 「丁〇+ 1 0°〇」 以上、 好ましくは 「丁〇 + 20 °〇」 以上、 特に好ましくは 「丁〇 + 30°〇」 以上であり、 通常 「丁〇+ 1 0 〇 ° 〇」 以下、 好ましくは 「丁〇 + 60 ° 〇」 以下、 特に好ましくは 「丁〇+4 0 ° 〇」 以下の範囲で設定される。 後期昇温工程 (_| |_2) の後の熱固定工程 ( ' IV) では、 この熱固定開始温度丁 3以上の温度範囲に延伸フィルムの温度 が維持され、 脂環式結晶性重合体の結晶化が進行しうる。 よって、 熱固定開 始温度丁 3が前記範囲の下限値以上である場合、 熱固定工程 ( ) での脂環 〇 2020/175217 19 卩(:171? 2020 /006105

式結晶性重合体の結晶化を効果的に進行さ せて、 熱膨張率の小さい樹脂フィ ルムを得ることができる。 また、 通常は、 樹脂フィルムの複屈折を大きくで きる。 他方、 熱固定開始温度丁 3が前記範囲の上限値以下である場合、 樹脂 フィルムのヘイズを小さくできる。

[0067] 後期昇温工程 (_1 1_2) における昇温速度は、 任意である。 また、 後期昇 温工程 において、 延伸フィルムの温度が経由温度丁 2から昇温さ れ始める時点から、 熱固定開始温度丁 3に到達する時点までの時間は、 任意 である。 以下の説明では、 後期昇温工程 ( 111 - 2) において延伸フィルムの 温度が経由温度丁 2から昇温され始める時点から、 熱固定開始温度丁 3に到 達する時点までの時間を 「後期昇温時間」 ということがある。

[0068] 上述のように、 延伸フィルムは一般に薄いので、 延伸フィルムの温度は、 通常、 その雰囲気の温度に一致する。 したがって、 後期昇温工程 (_| |_2) における昇温は、 例えば、 前期昇温工程 と同じ温度調整装置によ って行いうる。 通常は、 後期昇温工程 (_| |_2) における延伸フィルムの温 度は、 後期昇温工程 ( 111 - 2) でフィルムが曝される雰囲気温度に一致し、 よって温度調整装置の設定温度に一致しうる 。 温度調整装置の例としては、 前期昇温工程 で例示した温度調整装置と同じ例が挙げられ る。

[0069] 後期昇温工程 (111— 2) は、 通常、 延伸フィルムが収縮によって変形しな いように、 延伸フィルムの少なくとも二辺を保持した状 態で行う。 後期昇温 工程 (_1 1_2) における延伸フィルムの 「少なくとも二辺を保持した状態」 とは、 前期昇温工程 における延伸フィルムの 「少なくとも二辺を 保持した状態」 と同じでありうる。

[0070] [ 1 -6. 熱固定工程 ( ) ]

後期昇温工程 0_|_|_2) で延伸フィルムの温度を熱固定開始温度丁 3まで 昇温した後で、 その延伸フィルムの温度を所定の熱固定温度 に維持する熱固 定工程 ( ) を行う。 通常、 後期昇温工程 011— 2) と熱固定工程 ( ) と は、 連続して行われるので、 後期昇温工程 (_| |_2) と熱固定工程 ( ) と の間に他の工程は行われない。 〇 2020/175217 20 卩(:171? 2020 /006105

[0071 ] 熱固定温度は、 熱固定開始温度丁 3以上の範囲で設定される。 熱固定温度 の具体的な範囲は、 熱固定開始温度丁 3の範囲として説明した範囲と同じ範 囲でありうる。 熱固定温度は、 時間毎に変動してもよいが、 一定であること が好ましい。 特に好ましくは、 熱固定工程 ( ) での延伸フィルムの温度は 、 熱固定開始温度丁 3で一定に維持される。

[0072] 熱固定工程 ( ) においては、 通常、 脂環式結晶性重合体の結晶化が促進 される。 このように促進された結晶化の進行によって 、 結晶性樹脂の熱特性 を改善でき、 よって熱膨張率の小さい樹脂フィルムを得る ことができる。 ま た、 通常は、 結晶化の進行により、 脂環式結晶性重合体の分子が、 延伸工程 (丨丨) における延伸方向に高度に配向しうるので、 フィルムの複屈折を大き くできる。 さらに、 前期昇温工程 (丨丨_| _ 1) において上述したように制御し ながら昇温が行われることにより、 昇温のための急速な加熱に伴うフィルム 面内の温度ムラを抑制でき、 面内の張カバランスを均一に保つことができ る ので、 樹脂フィルムの膜厚バラツキを抑制できる。

[0073] 熱固定工程 (I V) において、 延伸フィルムの温度を熱固定温度に維持する 時間を、 「熱固定時間」 ということがある。 熱固定工程 ( ) において、 熱 固定時間は、 丁 2以降時間 (即ち、 前期昇温工程 において延伸フ ィルムの温度が経由温度丁 2に到達した時点から、 熱固定工程 (I V) におけ る熱固定開始温度丁 3以上での維持を終了する時点までの時間) が所定の範 囲に収まるように設定される。 具体的には、 丁 2以降時間は、 通常 1 〇秒以 上、 好ましくは 1 5秒以上であり、 通常 2 5 0秒以下、 好ましくは 1 8 0秒 以下である。 丁 2以降時間は、 前期昇温工程 ( !一 ·!) の終了時点から熱固 定工程 ( ) の終了時点までの時間に相当する。 丁 2以降時間が、 前記範囲 の下限値以上である場合、 脂環式結晶性重合体の結晶化を効果的に進行 させ て、 樹脂フィルムの熱特性を改善できるので、 樹脂フィルムの熱膨張率を小 さくできる。 また、 通常は、 複屈折の大きい樹脂フィルムを得ることがで き る。 他方、 丁 2以降時間が前記範囲の上限値以下である場 、 樹脂フィルム のヘイズを小さくできる。 〇 2020/175217 21 卩(:171? 2020 /006105

[0074] さらに、 丁 2以降時間は、 「6 0 [秒] — 0 . 2 [秒/。〇] X I 3 [°〇]

」 以上が特に好ましく、 また、 「3 6 0 [秒] — 1 . 3 [秒/。〇] 丁3 [ で] 」 以下が特に好ましい。 丁 2以降時間が前記範囲の下限値以上である場 合、 脂環式結晶性重合体の結晶化を効果的に進行 させて、 樹脂フィルムの熱 特性を改善できるので、 樹脂フィルムの熱膨張率を小さくできる。 また、 通 常は、 複屈折の大きい樹脂フィルムを得ることがで きる。 他方、 丁 2以降時 間が前記範囲の上限値以下である場合、 樹脂フィルムのヘイズを小さくでき る。

[0075] また、 熱固定工程 ( I V) における熱固定時間は、 丁 2以降時間の 1 / 4以 上が好ましく、 丁 2以降時間の 1 / 3以上がより好ましく、 丁 2以降時間の 1 / 2以上が特に好ましい。 熱固定時間が、 前記範囲の下限値以上である場 合、 脂環式結晶性重合体の結晶化を効果的に進行 させて、 樹脂フィルムの熱 特性を改善できるので、 樹脂フィルムの熱膨張率を小さくできる。 また、 通 常は、 複屈折の大きい樹脂フィルムを得ることがで きる。

[0076] 上述のように、 延伸フィルムは一般に薄いので、 延伸フィルムの温度は、 通常、 その雰囲気の温度に一致する。 したがって、 熱固定工程 ( ) は、 通 常、 前記の熱固定温度にある雰囲気内で延伸フィ ルムを保持することによっ て、 行われる。 通常は、 熱固定工程 ( I V) における延伸フィルムの温度は、 熱固定工程 ( ' I V) でフィルムが曝される雰囲気温度に一致し、 よって温度調 整装置の設定温度に一致しうる。 そして、 熱固定時間は、 前記の熱固定温度 にある雰囲気内で延伸フィルムを保持する時 間に一致しうる。 この場合、 好 適な温度調整装置は、 非接触でフィルムを加熱可能な温度調整装置 が好まし く、 具体例を挙げると、 オーブン及び加熱炉が挙げられる。

[0077] 熱固定工程 ( ) は、 延伸フィルムの少なくとも二辺を保持した状 態で、 行うことが好ましい。 延伸フィルムの少なくとも二辺を保持した状 態で熱固 定工程 ( I V) を行う場合、 保持された辺の間の領域において延伸フィル ムの 熱収縮による変形を抑制することができる。 熱固定工程 ( ) における延伸 フィルムの 「少なくとも二辺を保持した状態」 は、 前期昇温工程 〇 2020/175217 22 卩(:171? 2020 /006105

における延伸フィルムの 「少なくとも二辺を保持した状態」 と同じでありう る。 延伸フィルムの少なくとも二辺を保持した状 態で熱固定工程 ( ' I V) を行 う場合、 熱収縮しないように少なくとも 2辺を保持された延伸フィルムの温 度が前記の熱固定温度に維持された時間が、 前記の熱固定時間の範囲に収ま ることが好ましい。

[0078] 好ましくは、 熱固定工程 ( ' I V) では、 上記の 「延伸フィルムの少なくとも 二辺を保持した状態」 に代えて、 「延伸フィルムの少なくとも二辺を保持し て緊張させた状態」 とする。 「延伸フィルムの少なくとも二辺を保持して 緊 張させた状態」 とは、 延伸フィルムに延伸に至らないまでもある程 度の張力 をかけることをいう。 これは、 熱固定工程 ( ) では、 延伸工程 ( I) より も高い温度に延伸フィルムが曝されることに よる熱収縮を考慮した方が好ま しいためである。 これにより、 延伸フィルムの平滑性を損なうことなく、 結 晶化を進めることができる。

[0079] [ 1 - 7 . 任意の工程]

第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 は、 上述した工程に組み合わ せて、 更に任意の工程を含んでいてもよい。

[0080] 例えば、 上述した樹脂フィルムの製造方法は、 熱固定工程 ( ) の後で、 熱固定工程 ( ) で得られた樹脂フィルムを熱収縮させ残留応 力を除去する ために、 緩和工程 (V) を行ってもよい。 緩和工程 (V) では、 熱固定工程 ( ' I V) で得られた樹脂フィルムを平坦に維持しなが ら、 所定の温度範囲で、 前記樹脂フィルムの緊張を緩和する緩和処理 を行う。

[0081 ] 樹脂フィルムの緊張を緩和する、 とは、 保持装置によって保持されて緊張 した状態から樹脂フィルムを解放することを いい、 樹脂フィルムが緊張して いなければ樹脂フィルムが保持装置で保持さ れていてもよい。 このように緊 張が緩和されると、 樹脂フィルムは熱収縮を生じうる状態となる 。 緩和工程 (V) では、 樹脂フィルムに熱収縮を生じさせることによ って、 加熱時にお いて生じうる応力を解消している。 そのため、 樹脂フィルムの高温環境下で の熱収縮を小さくできるので、 高温環境下での寸法安定性に優れる樹脂フィ 〇 2020/175217 23 卩(:171? 2020 /006105

ルムが得られる。

[0082] 樹脂フィルムの緊張の緩和は、 一時に行ってもよく、 時間をかけて連続的 又は段階的に行ってもよい。 ただし、 得られる樹脂フィルムの波打ち及びシ ワ等の変形の発生を抑制するためには、 緊張の緩和は、 連続的又は段階的に 行うことが好ましい。

[0083] 前記の樹脂フィルムの緊張の緩和は、 樹脂フィルムを平坦に維持しながら 行う。 ここで樹脂フィルムを平坦に維持する、 とは、 樹脂フィルムに波打ち 及びシワといった変形を生じないように樹脂 フィルムを平面形状に保つこと をいう。 これにより、 得られる樹脂フィルムの波打ち及びシワ等の 変形の発 生を抑制できる。

[0084] 緩和処理の際の樹脂フィルムの処理温度は、 熱固定工程 (I V) での熱固定 温度丁 3に対し、 丁3 + 2 0 °〇以下、 好ましくは丁3 + 1 0 °〇以下の範囲内 で、 また丁 3— 5 0 °〇以上、 好ましくは丁 3— 2 0 °〇以上の範囲内であるこ とが好ましい。 これにより、 樹脂フィルムの残留応力を効果的に除去する こ とができる。

[0085] 緩和工程 (V) において、 樹脂フィルムを前記の温度範囲に維持する処 理 時間は、 好ましくは 1秒以上、 より好ましくは 5秒以上である。 この処理時 間の上限は、 熱固定時間と緩和工程 (V) での処理時間の合計が 9 0秒以下 であり、 かつ熱固定時間の 2倍が緩和工程 (V) での処理時間以上となるよ うに設定することが好ましい。 処理時間が前記範囲の下限値以上である場合 、 樹脂フィルムの高温環境下での寸法安定性を 効果的に高めることができる 。 また、 上限値以下である場合、 樹脂フィルムの高温環境下での寸法安定性 を効果的に高めることができ、 また、 緩和工程 (V) における結晶化の進行 によるヘイズの上昇を抑制できる。

[0086] 緩和工程 (V) において枚葉の樹脂フィルムに緩和処理を施 す場合、 例え ば、 その樹脂フィルムの四辺を保持しながら、 保持部分の間隔を連続的又は 段階的に狭める方法を採用しうる。 この場合、 樹脂フィルムの四辺において 保持部分の間隔を同時に狭めてもよい。 また、 一部の辺において保持部分の 〇 2020/175217 24 卩(:171? 2020 /006105

間隔を狭めた後で、 別の一部の辺の保持部分の間隔を狭めてもよ い。 さらに 、 一部の辺の保持部分の間隔を狭めないで維持 してもよい。 また、 一部の辺 の保持部分の間隔は連続的又は段階的に狭め 、 別の一部の辺の保持部分の間 隔を一時に狭めてもよい。

[0087] また、 緩和工程 (V) において長尺の樹脂フィルムに緩和処理を施 す場合 、 例えば、 テンター延伸機を用いて、 クリップを案内しうるガイ ドレールの 間隔を樹脂フィルムの搬送方向において狭め たり、 隣り合うクリップの間隔 を狭めたりする方法が挙げられる。

[0088] 樹脂フィルムを保持した状態で保持部分の間 隔を狭めることで樹脂フィル ムの緊張の緩和を行う場合、 間隔を狭める程度は、 熱固定工程 ( ' I V) で得ら れた樹脂フィルムに残留していた応力の大き さに応じて設定しうる。

通常、 熱固定工程 ( ' I V) で得られた樹脂フィルムには、 既に延伸処理が施 されているので、 大きな応力が残留する傾向がある。 そのため、 この樹脂フ ィルムの緊張を緩和するために間隔を狭める 程度は、 延伸処理が施されてい ないフィルムを用いる場合に比べて大きくす ることが好ましい。

[0089] 緩和工程 (V) において保持間隔を狭める程度は、 緩和工程 (V) での樹 脂フィルムの処理温度において樹脂フィルム に緊張を与えない状態での熱収 縮率 3 (%) を基準として定めうる。 具体的には、 保持間隔を狭める程度は 、 通常 0 . 1 3以上、 好ましくは〇. 5 3以上、 より好ましくは〇. 7 3以 上、 また通常 1 . 2 3以下、 好ましくは 1 . 0 3以下、 より好ましくは〇.

9 5 3以下である。 また、 例えば直交する 2方向で熱収縮率 3が異なる場合 のように、 前記熱収縮率 3に異方性がある場合は、 各々の方向について前記 範囲内で保持間隔を狭める程度を定めうる。 このような範囲にすることで、 樹脂フィルムの残留応力を十分に除去し、 かつ平坦性を維持させることがで きる。

[0090] また、 上述した樹脂フィルムの製造方法は、 例えば、 任意の工程として、 樹脂フィルムに表面処理を施す工程を含んで いてもよい。

[0091 ] [ 丨 _ 8 . 製造できる樹脂フィルム] 〇 2020/175217 25 卩(:171? 2020 /006105

上述した製造方法により、 結晶性樹脂で形成された樹脂フィルムを得る こ とができる。 この樹脂フィルムは、 膜厚バラツキを小さくでき、 内部ヘイズ を小さくでき、 且つ、 熱膨張率を小さくできる。

[0092] ( 1 -8. 1. 膜厚バラツキ)

樹脂フィルムの膜厚バラツキ V I | は、 小さいほど好ましく、 具体的には、 好ましくは 5. 0%以下、 更に好ましくは 4. 0%以下、 特に好ましくは 3 . 0%以下である。 第一実施形態に係る製造方法によれば、 このように膜厚 バラツキ V I 1 が小さい樹脂フィルムを得ることができ る。 通常、 このような 膜厚バラツキ V I 1 が小さい樹脂フィルムは、 レターデーシヨン及び配向を均 —にできるので、 当該樹脂フィルムを備える画像表示装置の表 示画質を均一 にさせることができる。 樹脂フィルムの膜厚バラツキ V I 1 の下限は、 理想的 には〇. 0%であるが、 〇. 0%超であってもよい。

[0093] 樹脂フィルムの膜厚バラツキ V 1 は、 樹脂フィルムの全体的な厚みの均一 さを表す指標であり、 下記式 (丨 _3) で示される。

V 1: 1 [%] = [ (1: | ;< - 1: ^) /1: ^] \ 1 00 ( I -

3)

(式 ( I -3) 中、

1 3 < は、 樹脂フィルムの厚みの最大値を示し、

1 ^は、 樹脂フィルムの厚みの最小値を示し、

は、 樹脂フィルムの厚みの平均値を示す。 ) この膜厚バラツキ V I I は、 下記の方法で測定できる。

[0094] まず、 樹脂フィルムの厚みの測定対象領域を、 樹脂フィルムの面上に定め る。 例えば、 樹脂フィルムの 4辺 (長辺及び短辺) の長さがいずれも 1 以 下の枚葉のフィルムの場合、 フィルム面全体を測定対象領域としうる。 また 、 例えば、 樹脂フィルムの 4辺 (長辺及び短辺) の長さのいずれかもしくは いずれもが 1 を超える枚葉のフィルム又は長尺のフィルム の場合、 フィル ム面に含まれる短辺の長さ 短辺の長さのサイズの任意の領域を測定対象 領 域としうる。 〇 2020/175217 26 卩(:171? 2020 /006105

[0095] 次に、 上述のように定めた測定対象領域内で、 樹脂フィルムの厚みの測定 箇所を少なくとも 3 0点定める。 これら測定箇所は、 フィルム面上において 上記測定対象領域の外縁側に分布する測定箇 所を直線で結んで形成される多 角形の面積が、 測定対象領域の 7 0 %以上を占めるようにする。 ただし、 外 縁側に分布する測定箇所は、 互いに隣り合う 2点の測定箇所を結ぶ線分と、 その線分の _ 方の端点とその端点の隣にある測定箇所 とを結ぶ線分とがなす 内角が 1 8 0 ° 以下であるという条件を満たす。 外縁側に分布する測定箇所 が定まる限りにおいて、 他の測定箇所は上記多角形の領域内でその位 置及び 数を任意に定めることができる。 ただし、 前記の測定箇所は、 測定箇所を頂 点とする全ての三角形 Xが下記の要件 (八) 及び (巳) を満たすように定め られる。 (八) 三角形 Xの面積は、 5 以下である。 (巳) 三角形 Xの 面積は、 測定対象領域の面積の 5 %以下である。 ここで、 三角形 Xは、 複数 の測定箇所のうちの 3点を頂点とした三角形である。 ただし、 複数の測定箇 所のうちの 3点を頂点とした三角形のうち、 その辺上及びその内側の領域に 当該 3点以外の測定箇所を含む三角形は、 三角形 Xの範疇に含めない。 例え ば、 4辺の長さがいずれも 1 以下の枚葉のフィルムの場合、 実施例で説明 するような方法で測定箇所を定めうる。

そして、 上記のように定めた測定箇所で樹脂フィルム の厚みを測定する。 少なくとも 3 0点の計測箇所で得られた厚みのうち、 その最大値を、 樹脂フ ィルムの厚みの最大値 1: 1 とし、 その最小値を、 樹脂フィルムの厚みの最 小値 I とし、 その平均値を、 樹脂フィルムの厚みの平均値 I とする 。 そして、 こうして求めた最大値 1: 1 最小値 1: 1 | „及び平均値 1: 1 3 V 6 を式 (丨 _ 3) に代入して、 膜厚バラツキ V I 1 を求めうる。

[0096] ( 1 - 8 . 2 . 内部ヘイズ)

—般に、 ヘイズには、 フィルムの表面にある微細な凹凸による光散 乱によ るものと、 フィルム内部の屈折率分布によるものとが含 まれる。 樹脂フィル ムの内部ヘイズとは、 樹脂フィルムのヘイズ全体から、 樹脂フィルムの表面 にある微細な凹凸による光散乱によるヘイズ を差し引いたものをいう。 第一 〇 2020/175217 27 卩(:171? 2020 /006105

実施形態に係る製造方法によれば、 製造される樹脂フィルムの内部ヘイズを 小さくでき、 具体的には、 好ましくは 1 . 0 %以下、 更に好ましくは 0 . 5 %以下、 特に好ましくは〇. 2 %以下にできる。 このような内部ヘイズが小 さい樹脂フィルムは、 透明性に優れるので、 当該樹脂フィルムを備える画像 表示装置の画像鮮明性を向上させることがで きる。 樹脂フィルムの内部ヘイ ズの下限は、 理想的には〇. 0 %であるが、 〇. 0 %超であってもよい。

[0097] 樹脂フィルムの内部ヘイズは、 下記の方法で測定しうる。

シクロオレフィンフィルム、 透明光学粘着フィルム、 透明光学粘着フィル ム、 及び、 シクロオレフィンフィルムをこの順に備える 貼合積層体を形成す る。 この貼合積層体のヘイズ値を、 ヘイズメーターを用いて測定する。 測定 された貼合積層体のヘイズ値は、 シクロオレフィンフィルム 2枚分のヘイズ 値と透明光学粘着フィルム 2層分のヘイズ値の和に該当する。

他方、 樹脂フィルムの両表面に、 前記の透明光学粘着フィルムを介して、 前記のシクロオレフィンフィルムを貼合して 、 試験積層体を得る。 次いで、 この試験積層体のヘイズを、 ヘイズメーターを用いて測定する。 測定の結果 得られた試験積層体のヘイズ値から、 上述したシクロオレフィンフィルム 2 枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム 2層分のヘイズ値の和を差し引いて 、 樹脂フィルムの内部ヘイズを得ることができ る。

[0098] ( 1 - 8 . 3 . 熱膨張率)

上述した製造方法により、 熱膨張率の小さい樹脂フィルムを得ることが で きる。 この樹脂フィルムの具体的な熱膨張率は、 好ましくは〇. 0 %〜 2 . 〇%、 更に好ましくは〇. 0 %~ 1 . 0 %、 特に好ましくは〇. 0 %〜〇. 5 %である。 このように熱膨張率が小さい樹脂フィルムは 、 温度変化による 寸法変化が小さいので、 例えばこの樹脂フィルムを基材として用いる フィル ムセンサーなどの製造歩留まりを向上させる ことができる。

[0099] 樹脂の熱膨張率は、 下記の方法で測定しうる。

樹脂フィルムから、 5 01 01X2 0 の短冊状の試料を切り出す。 延伸エ 程 ( | ) での延伸方向が一方向である場合、 その延伸方向と試料の長手方向 〇 2020/175217 28 卩(:171? 2020 /006105

とを一致させるように、 切り出しを行う。 また、 延伸工程 (1 1) での延伸方 向が二方向以上である場合、 延伸倍率が最大の延伸方向と試料の長手方向 と を一致させるように、 切り出しを行う。 延伸倍率が最大の延伸方向が複数あ る場合には、 延伸倍率が最大の延伸方向のうちの一つと試 料の長手方向とを —致させるように、 切り出しを行う。 この試料の長手方向に 5 0 1\1の張力 を加えた状態で、 昇温速度 1 〇 ° 〇/分で、 温度 2 0 ° 〇から 1 3 0 ° 〇までの線 膨張を測定する。 ここで 「線膨張」 とは、 試料の長手方向の寸法の変化量を 表す。 測定された線膨張の値を、 線膨張前の試験片の長さで割り算して、 熱 膨張率 (%) を計算できる。

[0100] ( 1 - 8 . 4 . その他の特性)

樹脂フィルムの面内レターデーシヨン8 ㊀は、 樹脂フィルムの用途に応じ て任意である。 第一実施形態に係る製造方法によれば、 広範な範囲で樹脂フ ィルムの面内方向の複屈折を調整できるので 、 薄くても、 用途に応じた面内 レタ—デ—シヨン[ ¾ 6 を有することができる。

例えば、 樹脂フィルムの面内レターデーシヨン[¾㊀ 、 好ましくは 1 〇门 以下、 より好ましくは 5 n 01以下、 特に好ましくは 3 n 01以下であっても よい。 この場合、 樹脂フィルムは、 当該樹脂フィルムを厚み方向に透過する 光に対して光学等方性のフィルムとして機能 できる。

また、 例えば、 樹脂フィルムの面内レターデーシヨン[¾ 6は、 好ましくは 1 0 0门 以上、 より好ましくは 1 1 0门 以上、 特に好ましくは 1 2 0门 以下、 より好ましく 1 7 0 n 以下、 特に好ましくは 1 6 0 n m以下でありうる。 この場合、 樹脂フィルムは、 1 / 4波長板として機能できる。

さらに、 例えば、 樹脂フィルムの面内レターデーシヨン[¾㊀ 、 好ましく は 2 4 5门 以上、 より好ましくは 2 6 5门 以上、 特に好ましくは 2 7 0 门 以上であり、 好ましくは 3 2 0 n 以下、 より好ましくは 3 0 0 n 以 下、 特に好ましくは 2 9 5 n 以下でありうる。 この場合、 樹脂フィルムは 、 1 / 2波長板として機能できる。 〇 2020/175217 29 卩(:171? 2020 /006105

[0101] 樹脂フィルムの厚み方向のレターデーシヨン 1; 1·!は、 樹脂フィルムの用 途に応じて任意である。 第一実施形態に係る製造方法によれば、 広範な範囲 で樹脂フィルムの厚み方向の複屈折を調整で きるので、 薄くても、 用途に応 じた厚み方向のレターデーシヨン8 1 * 1を有することができる。 例えば、 樹 脂フィルムの厚み方向のレターデーシヨン 1 * 1は、 好ましくは 2 0 0门〇1 以上、 より好ましくは 2 5 0 n 以上、 特に好ましくは 3 0 0 n 以上であ りうる。 また、 上限は、 1 0 0 0 0门 以下でありうる。

[0102] 樹脂フィルムの面内レターデーシヨン[¾㊀ 、 別に断らない限り、

( 父丨一 ソ 1 ) X I 1 で表される値である。 また、 樹脂フィルムの厚み方向 のレターデーシヨン[¾ I は、 別に断らない限り、 [ { ( X 1 + V ') / 2 } - 2 | ] X I 1 で表される値である。 「 Xり は、 樹脂フィル ムの面内方向で、 屈折率が最大となる方向の屈折率を表す。 また、 「 ソ 1 」 は、 樹脂フィルムの面内方向で、 屈折率が最小となる方向の屈折率を表す。 さらに、 「 2 は、 樹脂フィルムの厚み方向の屈折率を表す。 また、 「 は、 樹脂フィルムの厚みを表し、 その値は、 通常、 樹脂フィルムの厚みの 平均値 を採用しうる。 面内レターデーシヨン[¾㊀及び厚み方向の タ —デーシヨン 8 1-1は、 前記の通り、 複屈折測定装置 (八父〇〇1 6 1: 「 丨 〇 3社製 「八父〇 3〇 3 11」 ) を用いて、 測定波長 5 9 0 01で測定しうる。

[0103] 熱固定工程 ( ) で脂環式結晶性重合体の結晶化が促進されて いるので、 得られる樹脂フィルムが含む脂環式結晶性重 合体は、 ある程度以上の結晶化 度を有しうる。 具体的な結晶化度の範囲は所望の性能に応じ て適宜選択しう るが、 好ましくは 1 0 %以上、 より好ましくは 1 5 %以上、 特に好ましくは 3 0 %以上である。 この脂環式結晶性重合体を有することにより 、 樹脂フィ ルムは、 前述した優れた効果に加えて、 更に高い耐屈曲性及び耐薬品性を有 しうる。

樹脂フィルムに含まれる脂環式結晶性重合体 の結晶化度は、 X線回折法に よって測定しうる。

[0104] 樹脂フィルムは、 上述したように膜厚バラツキ V I 1 を小さくできるので、 〇 2020/175217 30 卩(:171? 2020 /006105

通常は、 屈曲しても不均一な応力集中が生じにくく、 その結果、 破断が生じ にくい。 また、 通常、 樹脂フィルムは、 膜厚だけでなく、 レターデーシヨン 及び重合体分子の配向方向でも、 面内方向の均一性を高くできるので、 レタ —デーシヨン及び配向方向のムラを小さくで きる。

[0105] 樹脂フィルムの全光線透過率は、 好ましくは 8 0 %以上、 より好ましくは

8 5 %以上、 特に好ましくは 8 8 %以上である。 樹脂フィルムの全光線透過 率は、 紫外 ·可視分光計を用いて、 波長 4 0 0 n m ~ 7 0 0 n の範囲で測 疋しうる。

[0106] 樹脂フィルムの厚みは、 所望の用途に応じて適切に設定でき、 好ましくは

5 以上、 より好ましくは 1 0 以上であり、 好ましくは 5 0 以下 、 より好ましくは 3〇 以下である。 樹脂フィルムの厚みが前記範囲の下 限値以上である場合、 ハンドリング性を良好にしたり、 強度を高く したりで きる。 また、 樹脂フィルムの厚みが上限値以下である場合 、 長尺の樹脂フィ ルムの卷取りを容易にできる。 第一実施形態に係る製造方法で製造される樹 脂フィルムは、 膜厚バラツキ V 1 を小さくできるので、 通常は、 口ールに卷 き取るときの巻きムラを小さくすることがで き、 また、 シワの発生も抑えら れる。 さらに、 通常は、 樹脂フィルムの表面に塗工層を設けるときの 塗エム ラ及び塗工厚みのムラを抑えることができる 。

[0107] 樹脂フィルムは、 任意の用途に用いうる。 中でも、 樹脂フィルムは、 例え ば、 光学等方性フィルム及び位相差フィルム等の 光学フィルム、 電気電子用 フィルム、 バリアフィルム用の基材フィルム、 並びに、 導電性フィルム用の 基材フィルムとして好適である。 前記の光学フィルムとしては、 例えば、 液 晶表示装置用の位相差フィルム、 偏光板保護フィルム、 有機日 !_表示装置の 円偏光板用の位相差フィルム、 等が挙げられる。 電気電子用フィルムとして は、 例えば、 フレキシブル配線基板、 フィルムコンデンサー用絶縁材料、 な どが挙げられる。 バリアフィルムとしては、 例えば、 有機巳 !_素子用の基板 、 封止フィルム、 太陽電池の封止フィルム、 などが挙げられる。 導電性フィ ルムとしては、 例えば、 有機巳 !_素子や太陽電池のフレキシブル電極、 タッ 〇 2020/175217 31 卩(:171? 2020 /006105

チパネル部材、 などが挙げられる。

[0108] [ I I . 第二実施形態]

[丨 I — 1 . 位相差フィルムの概要]

本発明の第二実施形態に係る位相差フィルム は、 脂環式構造を含有し結晶 性を有する重合体を含む樹脂で形成されてい る。 第一実施形態と同じく、 以 下の説明において、 脂環式構造を含有し結晶性を有する重合体を 「脂環式結 晶性重合体」 ということがある。 また、 脂環式結晶性重合体を含む前記の樹 脂を 「結晶性樹脂」 ということがある。 この位相差フィルムの面内方向の複 屈折及び厚み方向の複屈折の少なくとも一方 は、 所定値以上である。 また、 この位相差フィルムの内部ヘイズは、 所定値以下である。 さらに、 下記式 (I 1— 1) で示される位相差フィルムの膜厚バラツキ V 1 11 は、 所定値以下であ る。

V I II [ / ] = [ ( 1 ) ハ II ] X 1 0 0 (II -

1)

(式 (11 _ 1) 中、

位相差フィルムの厚みの最大値を示し、

1 1 ^„は、 位相差フィルムの厚みの最小値を示し、

位相差フィルムの厚みの平均値を示す。 )

[0109] 本発明の第二実施形態に係る位相差フィルム は、 従来の技術によっては製 造することが困難であったが、 第一実施形態で説明した製造方法を用いるこ とにより、 樹脂フィルムとしての位相差フィルムを製造 することができる。

[01 10] [ I 1 - 2 . 結晶性樹脂]

結晶性樹脂は、 第一実施形態と同じものを用いうる。 第二実施形態におい て第一実施形態と同じ結晶性樹脂を用いる場 合、 第一実施形態と同じ利点を 得ることができる。

[01 1 1 ] 第二実施形態において、 結晶性樹脂に含まれる脂環式結晶性重合体は 、 位 相差フィルムを製造するよりも前においては 、 結晶化していなくてもよい。 しかし、 位相差フィルムが製造された後においては、 当該位相差フィルムを 〇 2020/175217 32 卩(:171? 2020 /006105

形成する結晶性樹脂が含む脂環式結晶性重 合体は、 通常、 結晶化しているこ とにより、 ある程度の結晶化度を有することができる。 位相差フィルムに含 まれる脂環式結晶性重合体の結晶化が進行し ている場合、 位相差フィルムは 大きい複屈折を有することができる。 具体的な結晶化度の範囲は所望の性能 に応じて適宜選択しうるが、 好ましくは 1 0 %以上、 より好ましくは 1 5% 以上、 特に好ましくは 30%以上である。 また、 通常は、 位相差フィルムに 含まれる脂環式結晶性重合体の結晶化度が前 記範囲の下限値以上である場合 、 位相差フィルムに高い耐熱性や耐薬品性を付 与することができる。

位相差フィルムに含まれる脂環式結晶性重合 体の結晶化度は、 X線回折法 によって測定しうる。

[0112] [ I I -3. 位相差フィルムの特性]

( I 1 -3. 1. 位相差フィルムの複屈折)

位相差フィルムの面内方向で、 屈折率が最大となる方向の屈折率を 「 父 11 」 で表す。 また、 位相差フィルムの面内方向で、 屈折率が最小となる方向の 屈折率を 「 ソ 11 」 で表す。 さらに、 位相差フィルムの厚み方向の屈折率を 「 N 2 11 」 で表す。 また、 これらの方向の屈折率の差を、 下記の式 (11—2) 〜 (11-4) のように表す。

△ Xソ = X å1 — ソ 11 (II— 2)

△ X å = X 11 - 11 (11-3)

△ ソ å = ソ å1 — å 11 (11—4)

[0113] 前記の場合、 式 (11_2) で表される屈折率の差 X 7 は、 位相差フィ ルムの面内方向の複屈折を表す。 また、 式 (11_3) で表される屈折率の差 (11—4) で表される屈折率の差 との平均 「 (八 父 /2」 は、 位相差フィルムの厚み方向の複屈折を表す。 第二 実施形態に係る位相差フィルムでは、 その面内方向の複屈折 「八 父ソ」 及 び厚み方向の複屈折 「 /2」 の少なくとも一方が、

〇. 008以上である。

[0114] 詳細には、 第二実施形態に係る位相差フィルムの面内方 向の複屈折 「△ 〇 2020/175217 33 卩(:171? 2020 /006105

X V」 は、 通常〇. 008以上、 好ましくは 0. 01 5以上、 更に好ましく は〇. 020以上である。 第二実施形態に係る位相差フィルムは、 このよう に大きい値の面内方向の複屈折 「八 父ソ」 を達成することができる。 位相 差フィルムの面内方向の複屈折 「八 父ソ」 の上限は、 特段の制限はないが 、 通常〇. 025以下でありうる。 面内方向の複屈折 が前記の 上限値以下である場合、 位相差フィルムの機械的強度を高くできる。

[0115] また、 第二実施形態に係る位相差フィルムの厚み方 向の複屈折 「 (△ 父 z+AN y z) /2」 は、 通常〇. 008以上、 好ましくは〇. 01 2以上 、 更に好ましくは 0. 01 5以上である。 第二実施形態に係る位相差フィル ムは、 このように大きい値の厚み方向の複屈折 「 (△ 父 +八 ソ ) / 2」 を達成することができる。 位相差フィルムの厚み方向の複屈折 「 (△ /2」 の上限は、 特段の制限はないが、 通常〇. 022以 下でありうる。 厚み方向の複屈折 「 (△ 父 2 +八1\1 7 2 ) /2」 が前記の 上限値以下である場合、 位相差フィルムの機械的強度を高くできる。

[0116] 位相差フィルムの面内方向の複屈折 「八 父ソ」 及び厚み方向の複屈折 「 (△ 父 +八 ソ ) /2」 のうちの両方が前記の範囲にあってもよく、 面内方向の複屈折 「八 父ソ」 のみが前記の範囲にあってもよく、 厚み方向 の複屈折 「 (△ 父 +八 ソ ) /2」 のみが前記の範囲にあってもよい 。 よって、 例えば、 面内方向の複屈折 が前記範囲にあり、 且つ 、 厚み方向の複屈折 「 (△ 2+八1\1 7 2 ) /2」 が前記範囲の下限値未 満にあってもよい。 また、 例えば、 厚み方向の複屈折 「 (△ 父 2+八|\1 7 ) /2」 が前記範囲にあり、 且つ、 面内方向の複屈折 「八 父ソ」 が前記 範囲の下限値未満にあってもよい。 具体的な複屈折の値は、 位相差フィルム の用途に応じて設定することが望ましい。

[0117] 位相差フィルムの面内方向の複屈折 「八 父ソ」 は、 位相差フィルムの面 内レターデーシヨン8㊀を、 位相差フィルムの厚み 1: 11 で割り算して、 R e/ 1: 11 として求めることができる。 また、 位相差フィルムの厚み方向の複屈折 「 (△ 父 +八 ソ ) /2」 は、 位相差フィルムの厚み方向のレターデー 〇 2020/175217 34 卩(:171? 2020 /006105

て求めることができる。 面内レターデーシヨン ㊀及び厚み方向のレターデ 複屈折測定装置 (八父〇01 6 1: 「 丨 0 3社製 「八 X〇 3 〇 8 11」 ) を用いて、 測定波長 5 9 0 11 01で測定し得る。 また、 複屈折の計 算の際、 位相差フィルムの厚み 1; 11 としては、 通常、 後述する位相差フィルム の厚みの平均値 11 3 V 6 を探用しうる。

[01 18] ( I 1 - 3 . 2 . 位相差フィルムの内部ヘイズ)

位相差フィルムの内部ヘイズとは、 位相差フィルムのヘイズ全体から、 位 相差フィルムの表面にある微細な凹凸による 光散乱によるヘイズを差し引い たものをいう。 第二実施形態に係る位相差フィルムの内部ヘ イズは、 通常 1 . 0 %以下、 好ましくは〇. 5 %以下、 更に好ましくは〇. 2 %以下である 。 第二実施形態に係る位相差フィルムは、 このように小さい値の内部ヘイズ を達成することができる。 そして、 このような内部ヘイズが小さい位相差フ ィルムは、 透明性に優れるので、 当該位相差フィルムを備える画像表示装置 の画像鮮明性を向上させることができる。 位相差フィルムの内部ヘイズの下 限は、 理想的には〇. 0 %であるが、 〇. 0 %超であってもよい。

[01 19] 位相差フィルムの内部ヘイズは、 下記の方法で測定し得る。

シクロオレフィンフィルム、 透明光学粘着フィルム、 透明光学粘着フィル ム、 及び、 シクロオレフィンフィルムをこの順に備える 貼合積層体を形成す る。 この貼合積層体のヘイズ値を、 ヘイズメーターを用いて測定する。 測定 された貼合積層体のヘイズ値は、 シクロオレフィンフィルム 2枚分のヘイズ 値と透明光学粘着フィルム 2層分のヘイズ値の和に該当する。

他方、 位相差フィルムの両表面に、 前記の透明光学粘着フィルムを介して 、 前記のシクロオレフィンフィルムを貼合して 、 試験積層体を得る。 次いで 、 この試験積層体のヘイズを、 ヘイズメーターを用いて測定する。 測定の結 果得られた試験積層体のヘイズ値から、 上述したシクロオレフィンフィルム 2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム 2層分のヘイズ値の和を差し引い て、 位相差フィルムの内部へイズを得ることがで きる。 〇 2020/175217 35 卩(:171? 2020 /006105

[0120] ( I 1 - 3 . 3 . 位相差フィルムの膜厚バラツキ)

第二実施形態に係る位相差フィルムの膜厚バ ラツキ V 1 II は、 通常 5 . 0 % 以下、 好ましくは 4 . 0 %以下、 特に好ましくは 3 . 0 %以下である。 第二 実施形態に係る位相差フィルムは、 このように膜厚/ ラツキ V I II を小さくで きる。 そして、 このような膜厚バラツキが小さい位相差フィ ルムは、 レター デーシヨン及び配向を均一にできるので、 当該位相差フィルムを備える画像 表示装置の画質を均一にさせることができる 。 位相差フィルムの膜厚バラツ キ I 11 の下限は、 理想的には〇. 0 %であるが、 〇. 0 %超であってもよい

[0121 ] 位相差フィルムの膜厚バラツキ V 11 は、 位相差フィルムの全体的な厚みの 均一さを表す指標であり、 前記の式 (11— 1) で表される。 この膜厚バラツ キ ·^ 1 は、 位相差フィルムの厚みの最大値 最小値 1: 11 1 ^„及び平均 値 1 を用いて求めうる。 具体的には、 膜厚バラツキ V I 11 は、 下記の方法 で測定できる。

[0122] まず、 位相差フィルムの厚みの測定対象領域を、 位相差フィルムの面上に 定める。 例えば、 位相差フィルムの 4辺 (長辺及び短辺) の長さがいずれも 1 以下の枚葉のフィルムの場合、 フィルム面全体を測定対象領域としうる 。 また、 例えば、 位相差フィルムの 4辺 (長辺及び短辺) の長さのいずれか もしくはいずれもが 1 を超える枚葉のフィルム又は長尺のフィルム の場合 、 フィルム面に含まれる短辺の長さ X短辺の長さのサイズの任意の領域を測 定対象領域としうる。

[0123] 次に、 上述のように定めた測定対象領域内で、 位相差フィルムの厚みの測 定箇所を少なくとも 3 0点定める。 これら測定箇所は、 フィルム面上におい て上記測定対象領域の外縁側に分布する測定 箇所を直線で結んで形成される 多角形の面積が、 測定対象領域の 7 0 %以上を占めるようにする。 ただし、 外縁側に分布する測定箇所は、 互いに隣り合う 2点の測定箇所を結ぶ線分と 、 その線分の一方の端点とその端点の隣にある 測定箇所とを結ぶ線分とがな す内角が 1 8 0 ° 以下であるという条件を満たす。 外縁側に分布する測定箇 〇 2020/175217 36 卩(:171? 2020 /006105

所が定まる限りにおいて、 他の測定箇所は上記多角形の領域内でその位 置及 び数を任意に定めることができる。 ただし、 前記の測定箇所は、 測定箇所を 頂点とする全ての三角形 Xが下記の要件 (八) 及び (巳) を満たすように定 められる。 (八) 三角形 Xの面積は、 5 以下である。 (巳) 三角形 X の面積は、 測定対象領域の面積の 5 %以下である。 ここで、 三角形 Xは、 複 数の測定箇所のうちの 3点を頂点とした三角形である。 ただし、 複数の測定 箇所のうちの 3点を頂点とした三角形のうち、 その辺上及びその内側の領域 に当該 3点以外の測定箇所を含む三角形は、 三角形 Xの範疇に含めない。 例 えば、 4辺の長さがいずれも 1 以下の枚葉のフィルムの場合、 実施例で説 明するような方法で測定箇所を定めうる。

そして、 上記のように定めた測定箇所で位相差フィル ムの厚みを測定する 。 少なくとも 3 0点の計測箇所で得られた厚みのうち、 その最大値を、 位相 差フィルムの厚みの最大値 1: 11 ; <とし、 その最小値を、 位相差フィルムの厚 みの最小値 1: | „とし、 その平均値を、 位相差フィルムの厚みの平均値 1: とする。 そして、 こうして求めた最大値 I 最小値 1 „及び平均値 (11 - 1) に代入して、 膜厚バラツキ V 1 を求めうる。

[0124] ( I 1 - 3 . 4 . 位相差フィルムのその他の特性)

位相差フィルムの面内レタ _デ _シヨン ㊀は、 位相差フィルムの用途に 応じて任意である。 第二実施形態に係る位相差フィルムは、 広範な範囲で面 内方向の複屈折 「八 父ソ」 を調整できるので、 薄くても、 用途に応じた面 内レターデーシヨン[¾㊀を有することがで る。

例えば、 位相差フィルムの面内レターデーシヨン[¾ 6は、 好ましくは 1 0 门 01以下、 より好ましくは 5门 01以下、 特に好ましくは 3门 01以下であって もよい。 この場合、 位相差フィルムは、 当該位相差フィルムを厚み方向に透 過する光に対して光学等方性のフィルムとし て機能できる。

また、 例えば、 位相差フィルムの面内レターデーシヨン[¾ 6は、 好ましく は 1 0 0 n 以上、 より好ましくは 1 1 0 n 以上、 特に好ましくは 1 2 0 门 以上であり、 好ましくは 1 8 0 n 以下、 より好ましく 1 7 0 n 以下 〇 2020/175217 37 卩(:171? 2020 /006105

、 特に好ましくは 1 6 0 n m以下でありうる。 この場合、 位相差フィルムは 、 1 / 4波長板として機能できる。

さらに、 例えば、 位相差フィルムの面内レターデーシヨン[¾ は、 好まし くは 2 4 5 n 以上、 より好ましくは 2 6 5 n 以上、 特に好ましくは 2 7 0门 以上であり、 好ましくは 3 2 0 n 以下、 より好ましくは 3 0 0 n 以下、 特に好ましくは 2 9 5 n 以下でありうる。 この場合、 位相差フィル ムは、 1 / 2波長板として機能できる。

[0125] 位相差フィルムの厚み方向のレターデーシヨ ン 1: 1 * 1は、 位相差フィルム の用途に応じて任意である。 第二実施形態に係る位相差フィルムは、 広範な 範囲で厚み方向の複屈折 「 / 2」 を調整できるので 、 薄くても、 用途に応じた厚み方向のレターデーシヨン 8 1: IIを有すること ができる。 例えば、 位相差フィルムの厚み方向のレターデーシヨ ン[¾ 1 は 、 好ましくは 2 0 0 n 以上、 より好ましくは 2 5 0 n 以上、 特に好まし くは 3 0 0 n 以上でありうる。 また、 上限は、 1 0 0 0 0 n 以下であり うる。

[0126] 位相差フィルムの面内レターデーシヨン[¾ 6は、 別に断らない限り、

= ( 父 11 — ソ 11 ) X I 11 で表される値である。 また、 位相差フィルムの厚み 方向のレターデーシヨン 1: は、 別に断らない限り、 [¾ 1: = [ { ( 父 11 十 ソ 11 ) / 2 } — 2 11 ] X I 11 で表される値である。 面内レターデーシヨン ㊀及び厚み方向のレターデーシヨン[¾ 1 IIは、 前記の通り、 複屈折測定装 置 (八父〇01 6 1: ) を用いて、 測定波長 5

9 0 〇!で測定しうる。

[0127] 位相差フィルムは、 上述したように膜厚バラツキ V I IIが小さいので、 通常 は、 屈曲しても不均一な応力集中が生じにくく、 その結果、 破断が生じにく い。 また、 通常、 位相差フィルムは、 膜厚だけでなく、 レターデーシヨン及 び重合体分子の配向方向でも、 面内方向での均一性が高いので、 レターデー シヨン及び配向方向のムラを小さくできる。

[0128] 位相差フィルムの全光線透過率は、 好ましくは 8 0 %以上、 より好ましく 〇 2020/175217 38 卩(:171? 2020 /006105

は 8 5 %以上、 特に好ましくは 8 8 %以上である。 位相差フィルムの全光線 透過率は、 紫外 ·可視分光計を用いて、 の範囲 で測定しうる。

[0129] 位相差フィルムの厚みは、 所望の用途に応じて適切に設定でき、 好ましく は 5 以上、 より好ましくは 1 0 以上であり、 好ましくは 5 0 以 下、 より好ましくは 3 0 以下である。 位相差フィルムの厚みが前記範囲 の下限値以上である場合、 ハンドリング性を良好にしたり、 強度を高く した りできる。 また、 位相差フィルムの厚みが上限値以下である場 合、 長尺の位 相差フィルムの巻取りを容易にできる。 第二実施形態に係る位相差フィルム は、 膜厚バラツキ V I 11 が小さいので、 通常は、 口ールに巻き取るときの巻き ムラを小さくすることができ、 また、 シワの発生も抑えられる。 さらに、 通 常は、 位相差フィルムの表面に塗工層を設けるとき の塗エムラ及び塗工厚み のムラを抑えることができる。

[0130] 位相差フィルムは、 任意の用途に用いうる。 例えば、 位相差フィルムの用 途は、 液晶表示装置用の位相差フィルム、 偏光板保護フィルムとしての位相 差フィルム、 有機日 !_表示装置の円偏光板用の位相差フィルム、 等が挙げら れる。

[0131 ] [ I 1 - 4 . 位相差フィルムの製造方法]

第二実施形態に係る位相差フィルムは、 第一実施形態に係る樹脂フィルム の製造方法により、 樹脂フィルムとして製造できる。 第二実施形態に係る位 相差フィルムの製造方法として、 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方 法を採用することによって、 はじめて、 上述した本発明の第二実施形態に係 る位相差フィルムを製造することができる。

[0132] 第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法 によって第二実施形態に係る 位相差フィルムを樹脂フィルムとして製造す る場合、 第一実施形態で説明し たのと同じ利点を得ることができる。

更に、 熱固定開始温度丁 3と経由温度丁 2との差丁 3 _丁 2が、 前期昇温 工程 (丨丨丨一〇 の項で説明した範囲の上限値以下である場合 、 脂環式結晶性 〇 2020/175217 39 卩(:171? 2020 /006105

重合体の結晶化を効果的に進行させて、 位相差フィルムの複屈折を効果的に 高めることができる。

実施例

[0133] 以下、 実施例を示して本発明について具体的に説明 する。 ただし、 本発明 は以下に示す実施例に限定されるものではな く、 本発明の請求の範囲及びそ の均等の範囲を逸脱しない範囲において任意 に変更して実施しうる。

以下の説明において、 量を表す 「%」 及び 「部」 は、 別に断らない限り、 重量基準である。 また、 以下に説明する操作は、 別に断らない限り、 常温及 び常圧の条件において行った。

[0134] [丨 . 第一の発明に対応する実施例及び比較例の説 明]

[第一の発明に対応する実施例及び比較例で 評価方法]

(重合体の水素化率の測定方法)

重合体の水素化率は、 オルトジクロロベンゼンー 4 を溶媒として、 1 45 °〇で、 1 1 ~ 1 _ IV! 測定により測定した。

[0135] (重合体の重量平均分子量 IV! 及び数平均分子量 IV! の測定方法)

重合体の重量平均分子量 IV! 及び数平均分子量 IV! nは、 ゲル ·パーミエー シヨン · クロマトグラフィー (〇 〇) システム (東ソー社製 「| ~ | 1_〇一8 320」 ) を用いて、 ポリスチレン換算値として測定した。 測定の際、 カラ ムとしては 1~1タイプカラム (東ソー社製) を用い、 溶媒としてはテトラヒド ロフランを用いた。 また、 測定時の温度は、 40 ° 〇であった。

[0136] (重合体のラセモ ·ダイアツ ドの割合の測定方法)

重合体のラセモ ·ダイアツ ドの割合の測定は以下のようにして行った。 才 ルトジクロロベンゼンー を溶媒として、 200°〇で、 1 门 6 「 36_9 3 6〇1 〇16〇〇リ 1 I 〇 9法を適用して、 重合体の 13 〇一 IV! [¾測定 を行った。 この 13 〇一 IV! 測定の結果において、 オルトジクロロベンゼン -〇! 4 の 1 27. 5 のピークを基準シフトとして、 メソ ·ダイアツ ド由 来の 43. 35 〇1のシグナルと、 ラセモ ダイアツ ド由来の 43. 43 01のシグナルとを同定した。 これらのシグナルの強度比に基づいて、 重 〇 2020/175217 40 卩(:171? 2020 /006105

合体のラセモ ·ダイアッ ドの割合を求めた。

[0137] (ガラス転移温度丁 9、 融点丁〇!及び結晶化ピーク温度丁〇の測定 法) 重合体のガラス転移温度丁 9、 融点丁 及び結晶化ピーク温度丁〇の測定 は、 以下のようにして行った。 まず、 重合体を、 加熱によって融解させ、 融 解した重合体をドライアイスで急冷した。 続いて、 この重合体を試験体とし て用いて、 示差走査熱量計 (0 3 0 を用いて、 1 0 /分の昇温速度 (昇 温モード) で、 重合体のガラス転移温度丁 9、 融点丁 及び結晶化ピーク温 度丁〇を測定した。

[0138] (樹脂フィルムの膜厚及び膜厚バラツキの測 定方法)

実施例又は比較例で得た矩形の樹脂フィルム の四辺の、 各々端部から 5 0 〇!幅の部分を裁ち落とし、 残りの部分を試験片として得た。

[0139] 試験片の 4辺のうち、 互いに向き合う 1組の辺を 「辺八」 とし、 かつ、 辺 八に直交するもう 1組の辺を 「辺巳」 とし、 辺八に平行な 3本の直線をフィ ルム面上に定めた。 3本の直線のうち、 1本は、 _方の辺八から、 辺巳の長 さの 1 / 2 0の距離だけ離れた直線とし、 別の 1本は、 辺巳の中点を通る直 線とし、 残りの 1本は、 他方の辺 から、 辺巳の長さの 1 / 2 0の距離だけ 離れた直線とした。 各直線上において、 一方の辺巳から辺 の長さの 1 / 2 0にある距離の点を厚みの計測箇所の始点と 、 他方の辺巳から辺 の長さ の 1 / 2 0にある点を終点として、 等間隔で互いに離れた 1 0点の計測箇所 を定め、 各計測箇所で、 厚みを計測した。 厚み ( ) は、 接触式ウェブ厚 さ計 (明産社製 「[¾〇一 1 0 1」 ) を用いて測定した。

そして、 合わせて 3 0点の計測箇所で得られた厚みのうち、 その最大値を 、 樹脂フィルムの厚みの最大値 1 3 ; <とし、 その最小値を、 樹脂フィルムの 厚みの最小値 1 „とし、 その平均値を、 樹脂フィルムの厚みの平均値 1 3

[0140] こうして求めた樹脂フィルムの厚みの最大値 〇、 最小値 及び平 均値 から、 式 (丨 _ 3) により、 樹脂フィルムの膜厚バラツキ V I 1 [ %] を計算した。 〇 2020/175217 41 卩(:171? 2020 /006105

また、 樹脂フィルムの厚みの平均値 1 を、 後述する表に膜厚として示 した。

[0141 ] (樹脂フィルムのレターデーシヨンの測定方 法)

膜厚の測定後の試験片から、 その中央部を 1 0 0 111 111 X 1 0 0 01 111サイズ に、 試験片の各辺に平行にカツ トして切り出して、 レターデーシヨン測定用 のサンプルフィルムを得た。 このサンプルフィルムの 4つの角それぞれの近 傍の位置に、 4つの測定点を設定した。 具体的には、 角からサンプルフィル ムの中心に向けて 2 0 01 01近づいた位置に、 4つの測定点を設定した。 これ ら 4つの測定点と、 サンプルフィルムの中心点との計 5点で、 サンプルフィ ルムの面内レターデーシヨン及び厚み方向の レターデーシヨンを測定した。 測定は、 複屈折測定装置 (八父〇01 6 1: 「 丨 0 3社製 「八 X〇 3〇 8 」 ) を用いて、 測定波長 5 9 0 n で行った。 こうして得られた測定値の平均値 を、 樹脂フィルムの面内レターデーシヨ ン ㊀及び厚み方向のレターデーシ

[0142] (樹脂フィルムの内部ヘイズの測定方法)

レターデーシヨンの測定後のサンプルフィル ムから、 5 0 111 111 X 5 0 111 111 のサイズのフィルム片を切り出した。 このフィルム片の両表面に、 厚み 5 0 の透明光学粘着フィルム (3 IV!社製 「8 1 4 6— 2」 ) を介して、 シク 口オレフィンフィルム (日本ゼオン社製 「ゼオノアフィルム 1 4 - 0 4 0」 、 厚み 4 0 ) を貼合して、 試験積層体を得た。 次いで、 この試験積 層体のヘイズを、 ヘイズメ—夕— (日本電色工業社製 ) を用いて測定した。 測定の結果得られたヘイズ値から、 シクロオレフィンフ ィルム 2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム 2層分のヘイズ値の和〇.

0 4 %を差し引いて、 試験片としての樹脂フィルムの内部ヘイズを 求めた。

[0143] また、 シクロオレフィンフィルム 2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィル ム 2層分のヘイズ値の和は、 下記の要領で測定した。 シクロオレフィンフィ ルム、 透明光学粘着フィルム、 透明光学粘着フィルム、 及び、 シクロオレフ ィンフィルムをこの順に備える貼合積層体を 形成した。 そして、 この貼合積 〇 2020/175217 42 卩(:171? 2020 /006105

層体のヘイズ値を測定し、 こうして得られた測定値を、 シクロオレフィンフ ィルム 2枚分のヘイズ値と透明光学粘着フィルム 2層分のヘイズ値の和とし た。

[0144] (樹脂フィルムの熱膨張率の測定方法)

レターデ—シヨンの測定後のサンプルフィル ムの、 内部ヘイズ測定用のフ ィルム片を切り出した残りの部分を、 5 01 01 X 2 0 01 01の短冊状に切り出し て、 試料を得た。 この切り出しは、 短冊状の試料の長手方向が、 原反フィル ムの丁 0方向に一致するように、 行った。 この試料の長手方向に 張力を加えた状態で、 昇温速度 1 〇 ° 〇/分で、 温度 2 0 ° 〇から 1 3 0 ° 〇まで の線膨張を測定した。 測定は、 熱機械分析装置 (ェスェスアイ ナノテクノ ロジー社製 「丁 1\/1八/ 3 3 7 1 0 0」 ) を用いて行った。 測定された線膨張 の値を、 元の長さ (即ち、 線膨張前の長さ) で割り算して、 熱膨張率 (%) を求めた。

[0145] [製造例丨 一 1 . ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化 物の製造] 金属製の耐圧反応器を、 充分に乾燥した後、 窒素置換した。 この金属製耐 圧反応器に、 シクロヘキサン 1 5 4 . 5部、 ジシクロペンタジェン (ェンド 体含有率 9 9 %以上) の濃度 7 0 %シクロヘキサン溶液 4 2 . 8部 (ジシク ロペンタジェンの量として 3 0部) 、 及び 1 —ヘキセン 1 . 8部を加え、 5 3 °◦に加温した。

[0146] テトラクロロタングステンフェニルイミ ド (テトラヒドロフラン) 錯体〇 . 0 1 4部を〇. 7 0部のトルェンに溶解した溶液に、 濃度 1 9 %のジェチ ルアルミニウムェトキシド/ —ヘキサン溶液 0 . 0 6 1部を加えて 1 0分 間攪拌して、 触媒溶液を調製した。

この触媒溶液を耐圧反応器に加えて、 開環重合反応を開始した。 その後、

5 3 °〇を保ちながら 4時間反応させて、 ジシクロペンタジェンの開環重合体 の溶液を得た。

得られたジシクロペンタジェンの開環重合体 の数平均分子量 (IV! n) 及び 重量平均分子量 (IV! ) は、 それぞれ、 8 , 8 3 0および 2 9 , 8 0 0であ 〇 2020/175217 43 卩(:171? 2020 /006105

り、 これらから求められる分子量分布 (Mw/Mn) は 3. 37であった。

[0147] 得られたジシクロペンタジェンの開環重合体 の溶液 200部に、 停止剤と して 1 , 2—ェタンジオール 0. 037部を加えて、 60°〇に加温し、 1時 間攪拌して重合反応を停止させた。 ここに、 ハイ ドロタルサイ ト様化合物 ( 協和化学工業社製 「キョーワード (登録商標) 2000」 ) を 1部加えて、

60 ° ◦に加温し、 1時間攪拌した。 その後、 濾過助剤 (昭和化学工業社製 「 ラヂオライ ト (登録商標) # 1 500」 ) を〇. 4部加え、 プリーツカ -トリッジフィルター (八0 八1\1丁巳〇東洋社製 「丁〇 一1 ~ 1乂」 ) を用 いて吸着剤と溶液を濾別した。

[0148] 濾過後のジシクロペンタジェンの開環重合体 の溶液 200部 (重合体量 3

0部) に、 シクロヘキサン 1 00部を加え、 クロロヒドリ ドカルボニルトリ ス (トリフェニルホスフィン) ルテニウム〇. 0043部を添加して、 水素 圧 6 IV! 3、 1 80°〇で 4時間水素化反応を行った。 これにより、 ジシクロ ペンタジェンの開環重合体の水素化物を含む 反応液が得られた。 この反応液 は、 水素化物が析出してスラリー溶液となってい た。

[0149] 前記の反応液に含まれる水素化物と溶液とを 、 遠心分離器を用いて分離し 、 60°〇で 24時間減圧乾燥して、 結晶性を有するジシクロペンタジェンの 開環重合体の水素化物 28. 5部を得た。 この水素化物の水素化率は 99 % 以上、 ガラス転移温度丁 9は 97 °〇、 融点丁 は 266°〇、 結晶化ピーク温 度丁〇は 1 36°〇、 ラセモ ·ダイアッ ドの割合は 89%であった。

[0150] [製造例 1 -2. 原反フィルムの製造]

製造例丨 一 1で得たジシクロペンタジェンの開環重合体 水素化物 1 〇〇 部に、 酸化防止剤 (テトラキス 〔メチレンー 3- (3’ , 5’ ージー I -ブ チルー 4’ ーヒドロキシフェニル) プロビオネート〕 メタン; 巳八3 ジャ パン社製 「イルガノックス (登録商標) 1 01 0」 ) 1. 1部を混合して、 結晶性樹脂を得た。

[0151] 前記の結晶性樹脂 のダイ穴を 4つ備えた二軸押出機 (東 芝機械社製 「丁巳!\/1_37巳」 ) に投入した。 前記の二軸押出機によって、 〇 2020/175217 44 卩(:171? 2020 /006105

樹脂を熱溶融押出成形によりストランド状 の成形体に成形した。 この成形体 をストランドカッターにて細断して、 樹脂のペレッ トを得た。 前記の二軸押 出機の運転条件を、 以下に示す。

-バレル設定温度: 2 7 0 ° 〇〜2 8 0 °

-ダイ設定温度: 2 5 0 ° 0

スクリユー回転数: 1 4 5 「 01

フィーダー回転数: 5 0 「 〇!

[0152] 引き続き、 得られた樹脂のペレッ トを、 丁ダイを備える熱溶融押出しフィ ルム成形機に供給した。 フィルム成形機の運転条件として、 バレル温度 2 8 0 °〇~ 2 9 0 °〇、 ダイ温度 2 7 0 °〇、 及びスクリユー回転数 3 0 「 を設 定した。 このフィルム成形機が、 前記樹脂ペレッ トが溶融した溶融樹脂を、 表面線速度 3 . 8 01 /分で回転するキャストロール上に向けて、 幅 5 0 0〇! 01のフィルム状に、 押し出した (キャスト) 。 その後、 押し出された溶融樹 脂が、 口ール上で冷却されることにより、 長尺のフィルム状に成形されて、 厚み 8 0 の原反フィルムを得た。

[0153] [実施例 1 - 1 ]

バッチ式二軸延伸装置 (エトー社製) を用意した。 この延伸装置は、 それ ぞれ独立に温度設定が可能な 3つのオーブンユニッ トと、 フィルム片を固定 可能な延伸用のクリップとを備えていた。 この延伸装置を用いれば、 オーブ ンの設定温度を調整することにより、 フィルム片の温度を任意の昇温速度で 昇温させることが可能である。 また、 この延伸装置を用いれば、 クリップに フィルム片を固定したまま才ーブンユニッ トを交換することで、 フィルム片 の温度を急速に変更することが可能である。

[0154] 製造例丨 一2で得られた厚み 8〇 の原反フィルムを、 1 5 丁口方向: 2 0 0 01 01のサイズにカッ トして、 矩形のフィルム片を 得た。 このフィルム片を、 前記の延伸装置に取り付けた。 具体的には、 フィ ルム片の四辺を、 延伸装置のクリップに固定した。

[0155] その後、 クリップを固定した状態で、 フィルム片の温度を、 後述する延伸 〇 2020/175217 45 卩(:171? 2020 /006105

温度と同じ予熱温度に 3 0秒間維持した (予熱工程) 。

[0156] 次いで、 延伸温度 1 1 0 ° 〇でクリップの間隔を 3 0秒間かけて広げること により、 IV! 0方向の長さは固定したまま丁 0方向に 2 . 0倍に延伸した (延 伸工程) 。 よって、 この延伸の面延伸倍率は 2 . 0倍であった。 延伸は一定 の温度で行ったので、 延伸終了温度丁 1は 1 1 0 ° 〇であった。

[0157] その後、 引き続きフィルム片の四辺を当該クリップで 固定した状態で、 フ ィルム片の温度を前記の延伸終了温度丁 1から 1 5 5 °〇の経由温度丁 2に、

1 3 0秒かけて昇温した (前期昇温工程) 。 この前期昇温工程を 1 0等分し た各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数が 6 %であったことから、 昇温速 度が一定であることを確認した。

[0158] さらに、 引き続き 3 0秒間かけて、 フィルム片の温度を、 前記の経由温度 丁 2から 1 7 0 °〇の熱固定開始温度丁 3に昇温させた (後期昇温工程) 。

[0159] 次いで、 フィルム片の温度を、 前記の熱固定開始温度丁 3に 3 0秒間維持 した (熱固定工程) 。 その後、 延伸装置からフィルム片を取り出し、 取り出 されたフィルム片を樹脂フィルムとして評価 した。

また、 フィルム片に含まれる重合体 (ジシクロペンタジェンの開環重合体 の水素化物) の結晶化度 (%) を、 X線回折法によって測定したところ、 3 2 %であった。

[0160] [実施例 1 - 2 ]

後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ トと、 予 め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換すること によって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し、 経由 温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了 した。

また、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後 期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 3 0秒後の時点で 行った。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 〇 2020/175217 46 卩(:171? 2020 /006105

及び評価を行った。

[0161 ] [実施例 1 - 3 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 5 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 1 %であった。 以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0162] [実施例 1 - 4 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 2 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 4 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 I _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0163] [実施例丨 - 5 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 1 5秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 5 %であった。 以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0164] [比較例丨 _ 1 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 1 〇秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 6 %であった。 以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0165] [比較例 1 - 2 ]

前期昇温工程を、 延伸工程で用いられていた才ーブンユニッ トと、 予め経 由温度丁 2に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換することによって行 〇 2020/175217 47 卩(:171? 2020 /006105

った。 よって、 前期昇温工程における昇温は急速に進行し、 延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了した。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0166] [比較例 1 - 3 ]

前期昇温工程を、 延伸工程で用いられていた才ーブンユニッ トと、 予め経 由温度丁 2に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換することによって行 った。 よって、 前期昇温工程における昇温は急速に進行し、 延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了した。

また、 後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ ト と、 予め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換す ることによって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し 、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内 に完 /した。

さらに、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 3 0秒後の時点 で行った。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0167] [実施例 1 - 6 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 2 0 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 0等分した各時間区分の温度変 化八丁 丨の変動係数は、 5 %であった。 以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0168] [実施例丨 - 7 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 〇 2020/175217 48 卩(:171? 2020 /006105

2 5 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 0等分した各時間区分の温度変 化八丁 丨の変動係数は、 4 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 I _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0169] [比較例 1 - 4 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を

3 0 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 0等分した各時間区分の温度変 化八丁 丨の変動係数は、 3 %であった。 以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と 同じ操作により、 樹脂フィルムの製造及び評価を行った。

[0170] [実施例 1 - 8 ]

後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ トと、 予 め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換すること によって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し、 経由 温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了 した。

また、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後 期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 1 5秒後の時点で 行った。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0171 ] [比較例 1 - 5 ]

後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ トと、 予 め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換すること によって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し、 経由 温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了 した。

また、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後 期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 5秒後の時点で行 〇 2020/175217 49 卩(:171? 2020 /006105

つた。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0172] [比較例 I - 6 ]

前期昇温工程を、 延伸工程で用いられていた才ーブンユニッ トと、 予め経 由温度丁 2に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換することによって行 った。 よって、 前期昇温工程における昇温は急速に進行し、 延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了した。

また、 後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ ト と、 予め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換す ることによって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し 、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内 に完 /した。

さらに、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 5秒後の時点で 行った。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0173] [実施例丨 - 9 ]

後期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温するのに要する昇温時間 を、 1 2 0秒に変更した。

また、 後期昇温工程及び熱固定工程において、 熱固定開始温度丁 3を 1 9 〇 に変更した。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0174] [実施例 1 - 1 0 ]

後期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 〇 2020/175217 50 卩(:171? 2020 /006105

度を経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温するのに要する昇温時間 を、 1 7 0秒に変更した。

また、 後期昇温工程及び熱固定工程において、 熱固定開始温度丁 3を 1 9 〇 に変更した。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0175] [比較例 1 - 7 ]

後期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温するのに要する昇温時間 を、 2 7 0秒に変更した。

また、 後期昇温工程及び熱固定工程において、 熱固定開始温度丁 3を 1 9 〇 に変更した。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0176] [実施例 1 - 1 1 ]

予熱工程及び延伸工程において、 予熱温度及び延伸温度を 1 1 5 ° ◦に変更 した。 よって、 延伸終了温度丁 1は、 1 1 5 °〇であった。

また、 前期昇温工程において、 フィルム片の温度を延伸終了温度丁 1から 経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 1 3 0秒となるように、 昇 温速度を変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化 △丁 丨の変動係数は、 6 %であった。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0177] [実施例 1 - 1 2 ]

予熱工程及び延伸工程において、 予熱温度及び延伸温度を 1 2 0 ° ◦に変更 した。 よって、 延伸終了温度丁 1は、 1 2 0 °〇であった。

また、 前期昇温工程において、 フィルム片の温度を延伸終了温度丁 1から 経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 1 3 0秒となるように、 昇 〇 2020/175217 51 卩(:171? 2020 /006105

温速度を変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 6 %であった。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0178] [比較例 1 - 8 ]

予熱工程及び延伸工程において、 予熱温度及び延伸温度を 1 3 0 ° ◦に変更 した。 よって、 延伸終了温度丁 1は、 1 3 0 °〇であった。

また、 前期昇温工程において、 フィルム片の温度を延伸終了温度丁 1から 経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 1 3 0秒となるように、 昇 温速度を変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 6 %であった。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0179] [実施例丨 - 1 3 ]

予熱工程及び延伸工程において、 予熱温度及び延伸温度を 1 0 5 ° ◦に変更 した。 よって、 延伸終了温度丁 1は、 1 0 5 °〇であった。

また、 前期昇温工程において、 経由温度丁 2を 1 6 5 °〇に変更した。 さら に、 前期昇温工程において、 フィルム片の温度を延伸終了温度丁 1から経由 温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 2 0 0秒となるように、 昇温速 度を変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化△丁 Iの変動係数は、 5 %であった。

さらに、 後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ 卜と、 予め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンュニッ トとを交換 することによって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行 し、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以 内に完了した。

また、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後 期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 3 0秒後の時点で 〇 2020/175217 52 卩(:171? 2020 /006105

行った。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0180] [実施例丨 - 1 4 ]

予熱工程及び延伸工程において、 予熱温度及び延伸温度を 1 2 0 ° ◦に変更 した。 よって、 延伸終了温度丁 1は、 1 2 0 °〇であった。

また、 前期昇温工程において、 経由温度丁 2を 1 4 5 °〇に変更した。 さら に、 前期昇温工程において、 フィルム片の温度を延伸終了温度丁 1から経由 温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 2 5秒となるように、 昇温速度 を変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化八丁 丨 の変動係数は、 1 3 %であった。

以上の事項以外は、 実施例丨 _ 1 と同じ操作により、 樹脂フィルムの製造 及び評価を行った。

[0181 ] [結果]

前記の実施例及び比較例の構成及び結果を、 下記の表に示す。

[0182]

\¥0 2020/175217 53 卩(:17 2020 /006105

[表 1 ]

[表·! .実施例及び比較伊の構成]

※ 昇温速度を制梅しなかった。 3秒以内に昇温完了。

※ 昇温時間を制梅しなかった。 3秒以内に昇温完了し、そのまま温度丁3を維 して熱固定完了。

[0183]

〇 2020/175217 54 卩(:171? 2020 /006105

[表 2]

[表 2.実施例及び比較例の結果]

[0184] [II. 第二の発明に対応する実施例及び比較例の説 明]

[第二の発明に対応する実施例及び比較例で 評価方法]

(重合体の水素化率の測定方法)

重合体の水素化率は、 第一の発明に対応する実施例及び比較例で用 いた測 定方法と同じ方法で測定した。

[0185] (重合体の重量平均分子量 IV! 及び数平均分子量 IV! の測定方法)

重合体の重量平均分子量 IV! 及び数平均分子量 IV! n は、 第一の発明に対応 する実施例及び比較例で用いた測定方法と同 じ方法で測定した。

[0186] (重合体のラセモ ·ダイアツ ドの割合の測定方法)

重合体のラセモ ·ダイアツ ドの割合は、 第一の発明に対応する実施例及び 比較例で用いた測定方法と同じ方法で測定し た。

[0187] (ガラス転移温度丁 9、 融点丁〇!及び結晶化ピーク温度丁〇の測定 法) 重合体のガラス転移温度丁 9、 融点丁 及び結晶化ピーク温度丁〇の測定 〇 2020/175217 55 卩(:171? 2020 /006105

は、 第一の発明に対応する実施例及び比較例で用 いた測定方法と同じ方法で 測定した。

[0188] (位相差フィルムの膜厚及び膜厚バラツキの 測定方法)

実施例又は比較例で得た矩形の位相差フィル ムの四辺の、 各々端部から 5 〇 幅の部分を裁ち落とし、 残りの部分を試験片として得た。

[0189] 試験片の 4辺のうち、 互いに向き合う 1組の辺を 「辺八」 とし、 かつ、 辺 八に直交するもう 1組の辺を 「辺巳」 とし、 辺八に平行な 3本の直線をフィ ルム面上に定めた。 3本の直線のうち、 1本は、 _方の辺八から、 辺巳の長 さの 1 / 2 0の距離だけ離れた直線とし、 別の 1本は、 辺巳の中点を通る直 線とし、 残りの 1本は、 他方の辺 から、 辺巳の長さの 1 / 2 0の距離だけ 離れた直線とした。 各直線上において、 一方の辺巳から辺 の長さの 1 / 2 0にある距離の点を厚みの計測箇所の始点と 、 他方の辺巳から辺 の長さ の 1 / 2 0にある点を終点として、 等間隔で互いに離れた 1 0点の計測箇所 を定め、 各計測箇所で、 厚みを計測した。 厚み ( ) は、 接触式ウェブ厚 さ計 (明産社製 「[¾〇一 1 0 1」 ) を用いて測定した。

そして、 合わせて 3 0点の計測箇所で得られた厚みのうち、 その最大値を 、 位相差フィルムの厚みの最大値 1: とし、 その最小値を、 位相差フィル „とし、 その平均値を、 位相差フィルムの厚みの平均

[0190] こうして求めた位相差フィルムの厚みの最大 値 1: 最小値 1: 1 ^及び 平均値 から、 式 (11 - 1) により、 位相差フィルムの膜厚バラツキ V 1: 11 [%] を計算した。

また、 位相差フィルムの厚みの平均値 1: V 6 を、 後述する表に膜厚として ^した。

[0191 ] (位相差フィルムのレターデーシヨンの測定 方法)

位相差フィルムのレターデーシヨンは、 第 _ の発明に対応する実施例及び 比較例で用いた樹脂フィルムのレターデーシ ヨンの測定方法と同じ方法で測 定した。 〇 2020/175217 56 卩(:171? 2020 /006105

[0192] (位相差フィルムの複屈折の測定方法)

位相差フィルムの面内レターデーシヨン8㊀ 、 位相差フィルムの厚みの 平均値 1: で割り算して、 面内方向の複屈折 Xソを求めた。

また、 位相差フィルムの厚み方向のレターデーシヨ ン[¾ 1 * 1を、 位相差フ で割り算して、 厚み方向の複屈折 「 (△ 父 å た。

[0193] (位相差フィルムの内部ヘイズの測定方法)

位相差フィルムの内部ヘイズは、 第一の発明に対応する実施例及び比較例 で用いた樹脂フィルムの内部ヘイズの測定方 法と同じ方法で測定した。

[0194] [製造例 II - 1 . ジシクロペンタジェンの開環重合体の水素化 物の製造] 製造例丨 一 1 と同じ方法により、 結晶性を有するジシクロペンタジェンの 開環重合体の水素化物を得た。 この水素化物の水素化率は 9 9 %以上、 ガラ ス転移温度丁 9は 9 7 ° 〇、 融点丁 は 2 6 6 ° 〇、 結晶化ピーク温度丁〇は 1 3 6 °〇、 ラセモ ·ダイアッ ドの割合は 8 9 %であった。

[0195] [製造例 II - 2 . 原反フィルム II - 1の製造]

製造例 II - 1で得たジシクロペンタジェンの開環重合体 水素化物 1 〇〇 部に、 酸化防止剤 (テトラキス 〔メチレンー 3 - (3’ , 5’ ージー I -ブ チルー 4’ ーヒドロキシフェニル) プロビオネート〕 メタン; 巳八3 ジャ パン社製 「イルガノックス (登録商標) 1 0 1 0」 ) 1 . 1部を混合して、 結晶性樹脂を得た。

[0196] 前記の結晶性樹脂 のダイ穴を 4つ備えた二軸押出機 (東 芝機械社製 「丁巳!\/1 _ 3 7巳」 ) に投入した。 前記の二軸押出機によって、 樹脂を熱溶融押出成形によりストランド状の 成形体に成形した。 この成形体 をストランドカッターにて細断して、 樹脂のペレッ トを得た。 前記の二軸押 出機の運転条件を、 以下に示す。

-バレル設定温度: 2 7 0 ° 〇〜2 8 0 °

-ダイ設定温度: 2 5 0 ° 0

スクリュー回転数: 1 4 5 「 01 〇 2020/175217 57 卩(:171? 2020 /006105

フイーダー回転数: 5 0 「 01

[0197] 引き続き、 得られた樹脂のペレッ トを、 丁ダイを備える熱溶融押出しフィ ルム成形機に供給した。 フィルム成形機の運転条件として、 バレル温度 2 8 0 °〇~ 2 9 0 °〇、 ダイ温度 2 7 0 °〇、 及びスクリユー回転数 3 0 「 を設 定した。 このフィルム成形機が、 前記樹脂ペレッ トが溶融した溶融樹脂を、 表面線速度 3 /分で回転するキャストロール上に向けて、 幅 5 0 0〇!〇!の フィルム状に、 押し出した (キャスト) 。 その後、 押し出された溶融樹脂が 、 口ール上で冷却されることにより、 長尺のフィルム状に成形されて、 厚み 1 0 0 〇1の原反フイルム 11— 1 を得た。

[0198] [製造例 II - 3 . 原反フィルム 2の製造]

キャストロールの表面線速度を 6 分に変更したこと以外は、 製造例 II - 2と同じ操作を行って、 厚み 5〇 の原反フィルム II - 2を製造した。

[0199] [実施例 11 - 1 ]

バッチ式二軸延伸装置 (エトー社製) を用意した。 この延伸装置は、 それ ぞれ独立に温度設定が可能な 3つのオーブンユニッ トと、 フィルム片を固定 可能な延伸用のクリップとを備えていた。 この延伸装置を用いれば、 オーブ ンの設定温度を調整することにより、 フィルム片の温度を任意の昇温速度で 昇温させることが可能である。 また、 この延伸装置を用いれば、 クリップに フィルム片を固定したまま才ーブンユニッ トを交換することで、 フィルム片 の温度を急速に変更することが可能である。

[0200] 製造例 11 - 2で得られた厚み 1 0〇 の原反フィルム II - 1 を、

向: 1 5 0 01 01、 丁口方向: 1 5 0〇1 111のサイズにカッ トして、 矩形のフィ ルム片を得た。 このフィルム片を、 前記の延伸装置に取り付けた。 具体的に は、 フィルム片の四辺を、 延伸装置のクリップに固定した。

[0201 ] その後、 クリップを固定した状態で、 フィルム片の温度を、 後述する延伸 温度と同じ予熱温度に 3 0秒間維持した (予熱工程) 。

[0202] 次いで、 延伸温度 1 1 0 °〇でクリップの間隔を広げることにより、 フィル ム片を IV! 0方向及び丁 0方向に 3 0秒間かけて同時に延伸する同時二軸延伸 〇 2020/175217 58 卩(:171? 2020 /006105

を行った (延伸工程) 。 IV! 0方向及び丁 0方向の延伸倍率はいずれも 2 . 2 倍であり、 面延伸倍率は 4 . 8 4倍であった。 この同時二軸延伸は一定の温 度で行ったので、 延伸終了温度丁 1は 1 1 0 °〇であった。

[0203] その後、 引き続きフィルム片の四辺を当該クリップで 固定した状態で、 フ ィルム片の温度を前記の延伸終了温度丁 1から 1 5 5 °〇の経由温度丁 2に、

9 0秒かけて昇温した (前期昇温工程) 。 この前期昇温工程を 1 0等分した 各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数が変動係数は 8 %であったことから 、 昇温速度が一定であることを確認した。

[0204] さらに、 引き続き 3 0秒間かけて、 フィルム片の温度を、 前記の経由温度 丁 2から 1 7 0 °〇の熱固定開始温度丁 3に昇温させた (後期昇温工程) 。

[0205] 次いで、 フィルム片の温度を、 前記の熱固定開始温度丁 3に 3 0秒間維持 した (熱固定工程) 。 その後、 延伸装置からフィルム片を取り出し、 取り出 されたフィルム片を位相差フィルムとして評 価した。

また、 フィルム片に含まれる重合体 (ジシクロペンタジェンの開環重合体 の水素化物) の結晶化度 (%) を、 X線回折法によって測定したところ、 3 5 %であった。

[0206] [実施例 11 _ 2 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 5 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 1 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 11 _ 1 と 同じ操作により、 位相差フィルムの製造及び評価を行った。

[0207] [実施例 II - 3 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 2 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 4 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 11 _ 1 と 同じ操作により、 位相差フィルムの製造及び評価を行った。 〇 2020/175217 59 卩(:171? 2020 /006105

[0208] [比較例 11 _ 1 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 1 〇秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 6 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 11 _ 1 と 同じ操作により、 位相差フィルムの製造及び評価を行った。

[0209] [比較例 11 _ 2 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 1 〇秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化

△丁 丨の変動係数は、 1 6 %であった。

また、 後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ ト と、 予め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換す ることによって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し 、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内 に完 /した。

また、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後 期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 3 0秒後の時点で 行った。

以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[0210] [比較例 II - 3 ]

前期昇温工程を、 延伸工程で用いられていた才ーブンユニッ トと、 予め経 由温度丁 2に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換することによって行 った。 よって、 前期昇温工程における昇温は急速に進行し、 延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了した。

また、 後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ ト と、 予め熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トとを交換す 〇 2020/175217 60 卩(:171? 2020 /006105

ることによって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速に進行し 、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内 に完 /した。

さらに、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後期昇温工程においてオーブンュニッ トを交換した時点から 3 0秒後の時点 で行った。

以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[021 1 ] [実施例 11 _ 4 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を

2 0 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 0等分した各時間区分の温度変 化八丁 丨の変動係数は、 5 %であった。

また、 後期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム 片の温度を経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温するのに要する昇 温時間を、 1 5 0秒に変更した。

さらに、 熱固定工程において、 フィルム片の温度を熱固定開始温度丁 3に 維持する時間を 5 0秒に変更した。

以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[0212] [比較例 II - 4 ]

前期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を

3 0 0秒に変更した。 この前期昇温工程を 1 0等分した各時間区分の温度変 化八丁 丨の変動係数は、 3 %であった。

また、 後期昇温工程において、 昇温速度を変更することにより、 フィルム 片の温度を経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3まで昇温するのに要する昇 温時間を、 2 2 5秒に変更した。 〇 2020/175217 61 卩(:171? 2020 /006105

さらに、 熱固定工程において、 フィルム片の温度を熱固定開始温度丁 3に 維持する時間を 7 5秒に変更した。

以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[0213] [実施例 II - 5 ]

予熱温度及び延伸温度を 1 2 0 ° ◦に変更した。 よって、 延伸終了温度丁 1 も、 1 2 0 ° 〇に変更された。 また、 前期昇温工程において、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 9 0秒となるように、 フィルム片の昇温速度を調整した。 この前期昇温工程 を 1 〇等分した各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数は、 8 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[0214] [実施例 11 _ 6 ]

予熱温度及び延伸温度を 1 2 2 ° ◦に変更した。 よって、 延伸終了温度丁 1 も、 1 2 2 ° 〇に変更された。 また、 前期昇温工程において、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 9 0秒となるように、 フィルム片の昇温速度を調整した。 この前期昇温工程 を 1 〇等分した各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数は、 8 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[0215] [比較例 II - 5 ]

予熱温度及び延伸温度を 1 3 0 ° ◦に変更した。 よって、 延伸終了温度丁 1 も、 1 3 0 ° 〇に変更された。 また、 前期昇温工程において、 フィルム片の温 度を延伸終了温度丁 1から経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間が 9 0秒となるように、 フィルム片の昇温速度を調整した。 この前期昇温工程 を 1 〇等分した各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数は、 8 %であった。 以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。 〇 2020/175217 62 卩(:171? 2020 /006105

[0216] [実施例 II - 7 ]

延伸工程における IV! 0方向の延伸倍率を 2 . 0倍、 丁 0方向の延伸倍率を 2 . 0倍に変更することにより、 面延伸倍率を 4 . 0 0倍に変更した。 また、 前期昇温工程において、 経由温度丁 2を 1 6 5 °〇に変更した。 さら に、 昇温速度を変更することにより、 フィルム片の温度を延伸温度丁 1から 経由温度丁 2まで昇温するのに要する昇温時間を 7 0秒に変更した。 この前 期昇温工程を 1 〇等分した各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数は、 9 % であった。

また、 後期昇温工程及び熱固定工程において、 熱固定開始温度丁 3を 1 8 〇 に変更した。

さらに、 後期昇温工程を、 前期昇温工程で用いられていたオーブンユニ ッ 卜と、 予め前記の熱固定開始温度丁 3に設定しておいた才ーブンユニッ トと を交換することによって行った。 よって、 後期昇温工程における昇温は急速 に進行し、 経由温度丁 2から熱固定開始温度丁 3までのフィルム片の昇温は 3秒以内に完了した。

また、 熱固定工程において、 延伸装置からのフィルム片の取り出しを、 後 期昇温工程においてオーブンユニッ トを交換した時点から 3 0秒後の時点で 行った。

以上の事項以外は、 実施例 11— 1 と同じ操作により、 位相差フィルムの製 造及び評価を行った。

[0217] [実施例 II - 8 ]

製造例 11 - 3で得られた厚み 5〇 の原反フィルム 2を、 1 5 丁口方向: 2 5 0〇! のサイズにカッ トして、 矩形のフィルム片 を得た。 このフィルム片を、 実施例 11— 1 と同じ延伸装置に取り付けた。 具 体的には、 フィルム片の四辺を、 延伸装置のクリップに固定した。

[0218] その後、 クリップを固定した状態で、 フィルム片の温度を、 後述する延伸 温度と同じ予熱温度に 3 0秒間維持した (予熱工程) 。

[0219] 次いで、 延伸温度 1 1 5 °〇でクリップの間隔を広げることにより、 フィル 〇 2020/175217 63 卩(:171? 2020 /006105

ム片を丁 0方向の長さを固定したまま 方向に 3 0秒間かけて延伸する固 定端一軸延伸を行った (延伸工程) 。 方向の延伸倍率は 2 . 5 0倍であ り、 よって面延伸倍率も 2 . 5 0倍であった。 この固定端一軸延伸は一定の 温度で行ったので、 延伸終了温度丁 1は 1 1 5 ° 〇であった。

[0220] その後、 引き続きフィルム片の四辺を当該クリップで 固定した状態で、 フ ィルム片の温度を前記の延伸終了温度丁 1から 1 5 0 °〇の経由温度丁 2に、

9 0秒かけて昇温した (前期昇温工程) 。 この前期昇温工程を 1 0等分した 各時間区分の温度変化八丁 丨の変動係数は 8 %であったことから、 昇温速度 が一定であることを確認した。

[0221 ] さらに、 引き続き 3 0秒間かけて、 フィルム片の温度を、 前記の経由温度 丁 2から 1 7 0 °〇の熱固定開始温度丁 3に昇温させた (後期昇温工程) 。

[0222] 次いで、 フィルム片の温度を、 前記の熱固定開始温度丁 3に 3 0秒間維持 した (熱固定工程) 。 その後、 延伸装置からフィルム片を取り出し、 取り出 されたフィルム片を位相差フィルムとして評 価した。

[0223] [実施例 11 _ 9 ]

IV! 0方向への延伸倍率を 2 . 0 0倍に変更することにより、 面延伸倍率を 2 . 0 0倍に変更したこと以外は、 実施例 11—8と同じ操作により、 位相差 フィルムの製造及び評価を行った。

[0224] [結果]

前記の実施例及び比較例の構成及び結果を、 下記の表に示す。 下記の表に おいて、 略称の意味は、 以下の通りである。

延伸方法の欄 「 」 :同時二軸延伸 (IV! 0、 丁 0等倍延伸) 。 延伸方向の欄 「巳」 :固定端一軸延伸

[0225] 〇 2020/175217 64 卩(:171? 2020 /006105

[表 3]

[表 3.実施例及び比較例の構成]

« 1 :昇温速度を制御しなかった。 3秒以内に昇温完了。

«2 :昇温時間を制御しなかった。 3秒以内に昇温完了し、そのまま温度丁3を維 して熱固定完了。

[0226] [表 4]

[表 4.実施例及び比較例の結果]