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Patent Searching and Data


Title:
PROSTHETIC LIMB WITH TORQUE AT INITIAL STAGE OF BEND REDUCED
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114340
Kind Code:
A1
Abstract:
A technology for making the sensation at use of prosthetic limbs utilizing a hydraulic cylinder and a spring cylinder as comfortable as at use of those utilizing a pneumatic cylinder and further for improving walk following properties. In particular, the arrangement of drag generating means, such as a hydraulic cylinder and a spring cylinder, per se is specified. Accordingly, the resistance produced by the drag generating means in accordance with an increase of knee angle is increased. The first torque at the first stage of initial period of bend of knee joint, T1, is made small, while the second torque at the second stage of final periodof further advanced bend of knee joint, T2, is made large. As different from conventional ones, T1≤T2, and the load on the hip joint muscle of prosthetic limb user can be reduced.

Inventors:
OKUDA MASAHIKO (JP)
NAKAYA YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/055341
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
March 16, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NABTESCO CORP (JP)
OKUDA MASAHIKO (JP)
NAKAYA YOSHIAKI (JP)
International Classes:
A61F2/64
Foreign References:
JP2968597B21999-10-25
JP3570619B22004-09-29
JP3245828B22002-01-15
JPH11128257A1999-05-18
Other References:
See also references of EP 2127616A4
Attorney, Agent or Firm:
HOSHINA, Toshio (Kamoi 1-chomeYokosuka-sh, Kanagawa 13, JP)
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Claims:
 多節リンク機構で構成され、上部材と下部材とを瞬間回転中心回りに可動にするための膝関節と、油圧シリンダあるいはバネシリンダによって構成され、前記多節リンク機構に揺動自在に取り付けられ、その多節リンク機構の変形を抑制する抗力を発生する抗力発生手段とを備える義足であって、
 前記抗力発生手段は、前記多節リンク機構に対し、所定の配置にあり、
 それにより、前記膝関節の屈曲初期の第1段階における瞬間回転中心回りの第1のトルクT1と、前記膝関節の屈曲がさらに進んだ屈曲終期の第2段階における瞬間回転中心回りの第2のトルクT2とが、T1≦T2の関係を充足することを特徴とする、屈曲初期のトルクを低減した義足。
 前記上部材および前記下部材は、それぞれ前記多節リンク機構を構成するリンクの一つであり、前記抗力発生手段は、前記上部材に対する上部取付け位置と、前記下部材に対する下部取付け位置との上下二個所で前記多節リンク機構に取り付けられている、請求項1の義足。
 前記抗力発生手段は、前記屈曲終期の第2段階におけるレバーアームの長さL2に比べて、前記屈曲初期の第1段階におけるレバーアームの長さL1が小さくなるような配置である、請求項2の義足。
 前記屈曲初期の第1段階における任意の屈曲角度のとき、前記上部材に対する前記抗力発生手段の上部取付け位置、あるいは前記下部材に対する前記抗力発生手段の下部取付け位置の一方の取付け位置と、前記膝関節の瞬間回転中心とを結ぶ直線上、あるいはその直線の延長上に、前記抗力発生手段の他方の取付け位置がある、請求項3の義足。
 前記屈曲初期の第1段階において、より大きな屈曲角度θs、およびその屈曲角度θsよりも小さい屈曲角度θoとを選び、
 前記より大きな屈曲角度θsにおける前記抗力発生手段の上部取付け位置Psと、その屈曲角度θsにおける前記膝関節の瞬間回転中心Osとを結ぶ直線の延長線上であって、
 前記より大きな屈曲角度θsにおける前記抗力発生手段の上部取付け位置Ps、および前記屈曲角度θsよりも小さな屈曲角度θoにおける前記上部材に対する前記抗力発生手段の上部取付け位置Poの両取付け位置から等距離にある点を前記抗力発生手段の下部取付け位置とした、請求項4の義足。 
 前記上部材に対する上部取付け位置、あるいは、前記下部材に対する下部取付け位置のいずれか一方の取付け位置を調整するための位置調整手段をさらに備える、請求項2の義足。
 前記位置調整手段により、前記膝関節の屈曲初期の第1段階における瞬間回転中心回りの第1のトルクT1と、前記膝関節の屈曲がさらに進んだ屈曲終期の第2段階における瞬間回転中心回りの第2のトルクT2とのバランスを図る、請求項6の義足。
 前記多節リンク機構は、膝の前側に位置する前側リンクと、膝の後側に位置する後側リンクとの少なくとも2つのリンクを含み、それら前側リンクおよび後側リンクが前記上部材の側、前記下部材の側にそれぞれ回転可能に連結されている、請求項2の義足。  
 前記屈曲初期の第1段階における膝角度は0~45°の範囲であり、前記屈曲終期の第2段階における膝角度は45~60°の範囲である、請求項1あるいは2のいずれか一つの義足。 
 前記抗力発生手段としての油圧シリンダは、軸線をもち内部にその軸線方向に沿うシリンダ孔を含むシリンダ本体と、前記シリンダ孔の中に入りシリンダ孔を軸線方向に第1および第2の二つの室に区画するピストンと、そのピストンの部分から前記シリンダ本体の外部まで伸びるピストンロッドとを備え、さらに、前記第1室から第2室へ向かう流れだけを許す第1逆止弁、およびその流れに流れ抵抗を与える第1絞り弁を含む第1通路、ならびに前記第2室から第1室へ向かう流れだけを許す第2逆止弁、およびその流れに流れ抵抗を与える第2絞り弁を含む第2通路を備える、請求項1あるいは2のいずれか一つの義足。
Description:
屈曲初期のトルクを低減した義

 この発明は、膝関節による屈曲、伸展の きに対して油圧シリンダやバネシリンダ(伸 展補助などのため油圧や空圧シリンダの内部 または外部に、ピストンに力を作用させるバ ネが設けられているものも含む。以下同じ。 )といった抗力発生手段が抵抗(あるいは、抗 )を与える義足に関し、特には、歩行時にお いて爪先が地面より離れるときに装着者(つ り、義足使用者)が義足に作用させる力を低 しつつ、歩行追従性を確保できる技術に関 る。

 膝関節を含む義足には、通例、膝関節に る動きを有効に行わせるため、空圧シリン や油圧シリンダ、あるいはバネシリンダと った抗力発生手段を備える。空圧シリンダ 、屈曲し始めの初期抵抗が小さく、義足使 者の股関節筋の負担が小さい。しかし、空 には圧縮性があるため、空圧シリンダが生 る力は油圧シリンダやバネシリンダに比べ ば大きくはない。義足に必要とする力を得 ため、空圧シリンダの大きさはある程度以 にしなければならない。そのため、空圧シ ンダは、義足を小型化するときの障害とな 傾向がある。    

 それに対し、油圧シリンダは、非圧縮性 体である油の特性から、空圧シリンダに比 て大きな力を生じ得る。同様に、バネシリ ダもバネ定数に応じて空圧シリンダに比べ 大きな力を生じ得る。したがって、義足を 型化する上で、油圧シリンダやバネシリン は有利である。しかしながら、これら油圧 リンダやバネシリンダは、義足使用者にと て股関節の負担が大きい。そのため、一方 油圧シリンダを備える義足の利用は、主に 力や体力がある人に限られている。また、 方のバネシリンダを備える義足については あえてバネシリンダのバネ力を弱めること よって、筋力や体力が比較的に劣る人が利 できるようにしている。しかし、バネ力を めてしまうと、義足用バネシリンダは、筋 や体力に優れた人には適さなくなってしま 。 

 たとえば、特許文献1が空圧シリンダを備え る義足を示し、また、特許文献2が油圧シリ ダを備える義足を示し、さらに、特許文献3 バネシリンダを備える義足を示している。

特開2001-137268号公報

特開2002-58689号公報

特開昭55-130657号公報

 この発明では、義足の小型化の上で有利 油圧シリンダやバネシリンダに着目し、膝 度-抵抗(抗力あるいは回転トルク)の特性に いていろいろと検討した。図1は、義足(い ゆる大腿義足)による歩行形態の一周期を示 。義足歩行の一周期は、足部が宙に浮き接 していない遊脚相と、足部が接地している 脚相とを含む。この歩行周期において、義 使用者は、自己の股関節筋(Ma,Mb,Mc)を3回に たって働かせる。第1は、爪先が地面に着い 状態で膝を曲げ始める時期(図1のS0)、第2は 最大に曲がった足を振り出そうとする時期( 図1のS1)、そして第3は、踵を着地し立ち姿勢 入る時期(図1のS2)である。これらの3回の時 のうち、第3の立ち姿勢に入る時期には、大 腿義足の使用者は、自己の体重により発生す る力を利用して対応することができる。それ に対し、第1の遊脚相における屈曲当初ある は初期、および第2の遊脚相における屈曲終 の各段階には、体重により力を十分に発生 せることができないので、自己の股関節筋( Mc,Ma)を積極的に働かせなければならない。

 しかし、油圧シリンダやバネシリンダを 用した今までの義足において、それら油圧 リンダやバネシリンダが生じる抵抗(抗力あ るいは回転トルク)について検討したところ ある共通点があることを見出した。その共 点とは、膝角度の小さい図1のS0時期の抵抗 大きく、膝角度の大きな図1のS1時期の抵抗 小さいことである。これは、技術的な特別 意図をもって配置されることはなく、空い スペース内に単に漠然と配置されていた、 るいは、第3の時期において問題となる膝折 を防止するために、バネの伸展作用を大き する意図をもって配置されていた、と考え ことができる。膝折れは、股関節筋による の伸展が不十分であるときに起こる。

 その結果、油圧シリンダやバネシリンダ いった抗力発生手段を利用した今までの義 においては、抗力発生手段が発生する屈曲 期に生じる大きな抵抗に打ち勝つための股 節筋(Mc)の負担が大きく、しかもまた、爪先 が地から離れ膝角度が大きくなった時点での 抵抗が小さいために、義足が過度に振上り、 義足が戻るまでの時間が長くなるので歩行追 従性が悪い。義足を歩行に追従させようとす ると、大きな股関節筋(Ma)を働かせなければ らない。そのために、義足使用者は、股関 筋(Mc,Ma)の負担が大きく、それだけ疲れやす 、義足の快適な使用感が損なわれてしまう

 勿論、義足の使用感を快適にするために 、油圧シリンダ内部の絞り弁の弁開度をマ クロコンピュータによって制御すること、 るいは、ピストンの位置に応じて油流路の を段階的に変化させることにより油圧シリ ダの絞り量を変化させること、あるいはま 、バネシリンダのバネ力を機械的に変化さ ることが考えられる。しかし、このような 成は複雑であり、義足のコスト高を招く。

 この発明は、そのようなコスト高を招くこ なく、油圧シリンダやバネシリンダを利用 た義足の使用感を空圧シリンダ並みに快適 するとともに、歩行追従性を向上させるこ ができる技術を提供することを目的とする
 この発明は、膝角度の増大に伴って油圧シ ンダやバネシリンダが生じる抵抗を適切に にすることができる、油圧シリンダやバネ リンダを利用した義足を提供するものであ 。
 この発明のその他の目的については、今後 説明から明らかになるであろう。

 この発明では、油圧シリンダ内部の絞り の弁開度を制御する方法や、ピストンの位 によって油圧シリンダの絞り量やバネシリ ダのバネ力を機械的に変化させる方法では く、油圧シリンダやバネシリンダといった 力発生手段自体の配置を特定することによ 、膝角度増大に伴って抗力発生手段が生じ 抵抗(あるいは、抗力)を大にする。この発 を適用する義足は、多節のリンク機構で構 され、上部材と下部材とを回転中心回りに 動にするための膝関節と、多節リンク機構 揺動自在に取り付けられ、その多節リンク 構の変形を抑制する抗力を発生する抗力発 手段とを備える義足である。抗力発生手段 して油圧シリンダやバネシリンダを利用し 義足は、空圧シリンダ利用のものに比べて 単位体積当たりで発生する抗力が大きいこ から、義足の小型化を有効に図ることがで るし、通常のゆっくりした歩行だけでなく 小走りしたりするような速い歩行にも広範 に応じることができる。

 また、この発明は、多節リンク機構で構 される膝関節を含む義足を対象とする。多 リンク機構による膝関節は、回転中心が変 し、健常者の歩行により近い動きを生み出 。多節リンク機構は、通常は4節であるが、 その基本となる4節のリンクに対し、たとえ 立脚安定や伸展補助のために補助リンクを 加し、5節あるいは6節などにしたものをも含 む。この発明は、そのような補助リンクを含 む4節を超える多節リンク機構のものにも適 することができる。4節以上の多節リンク機 は、膝の前側に位置する前側リンクと、膝 後側に位置する後側リンクとの少なくとも2 つのリンクを含む点で共通している。以下に おいては、多節リンクの最も基本となる4節 リンクの場合を中心に説明を進めるが、こ 発明が適用できる多節リンク機構がそれに 定されるわけではない。 

 まず、この発明が狙う膝角度-トルク(油 やバネによる抵抗あるいは抗力)の特性を明 かにする。図2Aおよび図2Bは、横軸に膝角度 、縦軸にトルクをそれぞれ取った特性曲線を 示す。図2Aに示す今までの油圧シリンダは、 角度の小さい第1段階のトルクが大きく、膝 角度が増大するに伴ってトルクが次第に小さ くなるような特性である。それに対し、図2B 示すこの発明の油圧シリンダでは、膝角度 小さい第1段階のトルクが小さく、膝角度が 増大するに伴ってトルクが次第に大きくなる ような特性である。なお、膝角度0°近傍での トルクが大きい場合もあるが、その領域にお けるトルクについては、体重により発生しう る力の方がより大きいので、義足使用者には それほどの負担はかからない。また、膝角度 がさらに増大するにつれトルクも増大し、あ る膝角度でピークを迎え、その後、一般的な 歩行時における最大屈曲角度である60°を越 るような、ある膝角度において油圧シリン のピストンの移動速度が遅くなる。油圧シ ンダはこの移動速度の2乗に比例した抗力を 生するので、油圧シリンダが発生する抗力 したがって、トルクは大きく減じる。しか 、ピストンの移動速度が遅くなるのは、一 的な歩行時における最大屈曲角度を超える うな場合なので、実用上問題はない。

 そのような油圧シリンダに対し、バネシ ンダはその全長に比例した抗力(反発力)を 生し、ピストンの移動速度の影響を受けな 。図3Aおよび図3Bが、バネシリンダにおける 角度-トルクの特性を示す。図3Aに示す今ま のバネシリンダの場合、今までの油圧シリ ダの場合と同様、膝角度の小さい第1段階の トルクが大きく、膝角度が増大するに伴って トルクが次第に減少するような特性を示す。 それに対し、図3Bに示すこの発明のバネシリ ダにおいては、この発明の油圧シリンダの 合と同様、膝角度の小さい第1段階のトルク が小さく、膝角度が増大するに伴ってトルク が次第に大きくなるような特性である。しか も、このバネシリンダはそのような特性であ りながら、一般的な歩行時における最大屈曲 角度である60°を超えてもトルクが増大して る。

 さて、油圧シリンダやバネシリンダのよ な抗力発生手段が生じる抵抗(抗力)は、多 のリンク機構が定める回転中心回りのトル Tである。そのトルクTは、抗力発生手段が生 じる力の作用線から回転中心までの距離、つ まり、レバーアームの長さLと、抗力発生手 が生じる力Fとの積である。したがって、レ ーアームの長さLや抗力発生手段が生じる力 Fを制御することにより、トルクTを変化させ ことができる。 

 この発明は、前記した屈曲初期における 関節筋(Mc)の負担を軽減するため、および、 歩行追従性を確保するため、膝関節の屈曲初 期の第1段階における第1のトルクT1が小さく 膝関節の屈曲がさらに進んだ屈曲終期の第2 階における第2のトルクT2を大きくする。義 使用者の負担をより有効に軽減するため、T 1<T2にするのが好ましい。今までT1>T2であ ったのであるから、少なくともT1≦T2にする とにより、義足使用者の股関節筋(Mc,Ma)の負 を軽減することができる。ここで、屈曲初 の第1段階の膝角度は、屈曲終期の第2段階 膝角度よりも小さいが、それらの各段階に ける膝角度は義足使用者によって互いに異 る。しかし、通例、屈曲初期の第1段階にお る膝角度は0~45°の範囲であり、屈曲終期の 2段階における膝角度は45~60°の範囲である   

 この発明の第1の技術的な意義は、前記し たT1≦T2の関係をもつ新たな義足を提供する とにある。この発明による新たな義足によ ば、屈曲初期の第1段階におけるトルクT1が 対的に小さくなり、そのトルクT1は義足使用 者が自らの体重によって発生させ得るトルク に比べて十分に小さくなるので(図4参照)、義 足使用者は、屈曲初期の負荷を負担に感じる ことがなくなる。この発明を適用した場合に おける負担の一例について、図4に実線で示 特性曲線oに基づいて知ることができる。ま 、空圧シリンダの場合における負担を、同 図4に破線で示す特性曲線aに基づいて知る とができる。それらを比較すれば、この発 がもつ第1の利点、すなわち、油圧シリンダ バネシリンダを用いるにもかかわらず、屈 初期の負担を空圧シリンダ並みに軽減する とができるという基本的な利点を理解する とができるであろう。一方、屈曲終期にお ては、トルクT2が相対的に大きくなるので 膝が曲がりすぎることがなくなり、歩行追 性を確保することができる。この発明は、 のような第2の利点をも併せもっている。

 そして、この発明の第2の技術的な意義は 、そのような新たな義足を得る手法として、 油圧シリンダやバネシリンダといった抗力発 生手段の配置を特定する方法、特には、膝関 節を構成する多節リンク機構に対する取付け 位置を特定する方法を採ることにある。抗力 発生手段の配置を特定する方法であるため、 抗力発生手段の構成自体は今までと同様であ り、構成を複雑にすることがない。配置を特 定する具体的な手法として、複数の方法を適 用することができる。   

 配置を特定する第1の方法は、レバーアー ムの長さLに着目した考え方である。膝関節 屈曲終期の第2段階におけるレバーアームの さL2に比べて、屈曲初期の第1段階における バーアームの長さL1を小さくする。別にい と、L1<L2の関係を充足させる。好ましくは 、屈曲初期の任意の角度におけるレバーアー ムの長さLをゼロにする。そのように設定す とき、その角度以降、屈曲終期までレバー ームの長さは増大する。そのため、必然的 L1<L2の関係を得ることができる。図5が、 1の方法を図解し明らかにしている。図5にお いて、4節リンク機構10は屈曲角度θs(0°<θs& lt;45°)の屈曲初期の状態にある。屈曲角度θs 、抗力を小さくしたい屈曲初期における膝 度であり、義足使用者によって多少異なる 、通常は20°前後である。4節リンク機構10は 、上部材に対応するリンク12、下部材に対応 るリンク14、ならびに前側リンク16および後 側リンク18の4つのリンクから構成される。そ のような4節リンク機構10に対し、抗力発生手 段は、上部材に対応するリンク12、および下 材に対応するリンク14に対し、上下二個所 取り付けられる。   

 図5において、屈曲角度θsにおける4節リ ク機構10の瞬間回転中心Osと、抗力発生手段 上部取付け位置Psとを通る直線1sを得る。抗 力発生手段の下部取付け位置Qsをこの直線1s に配置するというのが、第1の方法による考 方である。この考え方による配置によれば 屈曲角度θsにおけるレバーアームの長さLが ゼロになるので、そのときのトルクがゼロに なる。ここで、抗力発生手段の上部取付け位 置Psは、前後リンク16,18と上部材に対応する ンク12との各連結点26,28の間、したがって、 常は上部材を構成する部材上に配置する。 れに対し、抗力発生手段の下部取付け位置Q sは、直線1s上、前後リンク16,18と下部材に対 するリンク14との各連結点46,48の間ではある が、屈曲角度θsを通常の20°前後にするとき それらの両連結点46,48を結ぶ高さ位置よりも 上方に配置する。実際上、抗力発生手段の下 部取付け位置Qsおよび上部取付け位置Psにつ ては、各リンクを構成する部材と周辺の他 部品との干渉を避けながら、直線1s上に配置 することになる。なお、下部取付け位置Qsお び上部取付け位置Psは直線1s上にあればよく 、上部材に対応するリンク12よりも上方、あ いは下部材に対応するリンク14よりも下方 あってもよい。  

 ここで、屈曲初期における義足使用者の 担をさらに軽減するため、屈曲角度θsをよ 小さくすることが有効である。図6Aは、屈 角度θsを通常の20°近辺に設定したときの特 を示す。それに対し、図6Bは、屈曲角度θs 5°に設定したときの特性を示す。これらの から、屈曲角度θsをより小さくすることに って、負担となるトルクを軽減しうること 理解されるであろう。ところが、屈曲初期 トルクを余りに小さくした場合(たとえば、 曲角度θsを5°に設定するとき)、伸展時のト ルク(図4参照)も小さなものしか得られなくな ってしまう。その結果、抗力発生手段が発生 する伸展時のトルクによって、ターミナルイ ンパクト(つまり、シリンダの底にピストン 勢いよくぶつかる現象)を抑制することがで ない。ターミナルインパクトを抑制する公 の他の手段(たとえば、シリンダの底の部分 にクッション部材を設ける手段など)を適用 ることによって、屈曲角度θsを通常の20°よ も小さく(たとえば、10°以下)に設定するこ もできる。しかし、義足の構成をよりシン ルにするため、屈曲角度θsの設定値を選ぶ とにより(好ましくは、10°よりも大きく20° 辺までの範囲に設定)、抗力発生手段が発生 する伸展時のトルクによってターミナルイン パクトを抑制するようにするのが良い。なお 、レバーアームの長さLをゼロにしたい屈曲 度θsを小さくすれば、抗力発生手段の下部 付け位置Qsがより下の方になり、他の部品と の干渉を避ける面で困難も大きくなる。

 第1の方法では、抗力を小さくしたい屈曲 初期のレバーアームの長さをゼロにし、それ によって、抗力発生手段が発生するトルクを 軽減する。第2の方法は、そのような第1の配 方法を前提にしつつ、抗力発生手段のピス ンの移動速度にも着目した考え方である。 7が、第2の方法を図解し明らかにしている 第2の方法において、たとえば20°前後のよう な屈曲角度θsのとき抗力発生手段の下部取付 け位置Qsを直線1s上に配置する。その点は、 1の方法と同様である。それに加えて、第2の 方法は、下部取付け位置Qsをさらに特定の点Q iとして定める。屈曲角度θsよりも小さな屈 角度θo(たとえば、0°)を選び、そのときの抗 力発生手段の上部取付け位置をPoとする。第2 の方法では、直線1s上に位置する点であり、 かも、より大きな屈曲角度θsにおける上部 付け位置Psと、より小さな屈曲角度θoにお る上部取付け位置Poとの両位置から等距離に ある点Qiを抗力発生手段の下部取付け位置と る。下部取付け位置をそのように特定する とによって、より小さな屈曲角度θoからよ 大きな屈曲角度θsまで膝関節が屈曲する際 抗力発生手段の全長の変化をほとんど無く ことができる。そのため、抗力発生手段は のような屈曲の間には力Fを生じないように なり、抗力であるトルクの変動が少なくなる 。膝関節を含む義足には、大腿義足のほか、 股義足が知られている。股義足の場合、大腿 義足に比べて屈曲初期に体重によりトルクを 発生させにくい。そのため、この第2の方法 、大腿義足よりも股義足に適用することに って、特に、その利点を生かすことができ 。

 以上に述べた第1および第2の各方法によ 、屈曲終期の第2段階におけるレバーアーム 長さL2に比べて、屈曲初期の第1段階におけ レバーアームの長さL1を小さくしたり、あ いはまた、第1段階における第1のトルクT1と 2段階における第2のトルクT2とをT1≦T2の関 にすることができる。たとえば、第2の方法 より、抗力発生手段の下部取付け位置を点Q iに設定するとき、膝角度-レバーアーム長さ の関係は、図8に破線で示す特性曲線qiのよ になる。この特性曲線qiについて、さらに まれることは、屈曲し始めのトルクの発生 なだらかにすること、また、屈曲角度θs付 のトルクとそれより大きな屈曲角度(たとえ 、30~40°付近)に向かう部分での立ち上がり 余り大きすぎないようにすること、である 屈曲し始めの時点でトルクが発生していな 状態から大きなトルクが発生すると、その 化を義足使用者は敏感に感じ取るので、使 感を良好にするため急激なトルクの発生を けるのが好ましい。また、抗力を小さくし い屈曲角度θs付近から、より大きな屈曲角 にわたる部分でトルクの立ち上がりが大き ぎると、たとえば油圧抵抗が急に増大する とから衝撃音が発生する。そのような衝撃 の発生を防止することが好ましい。

 このような要求に応えるために、第3の方 法では、抗力発生手段の下部取付け位置を点 Qiから少しずらした周辺域の点Qに位置調整す る。たとえば、位置調整可能な点Qの範囲を 9に網部mをもって示す。網部m内の点Qは、基 となる点Qiの近くであって、屈曲角度θsに けるレバーアームの長さLsとそれよりも大き な屈曲角度(たとえば、屈曲角度60度)におけ レバーアームの長さL60とがLs≦L60の関係を満 たす点である。抗力発生手段の下部取付け位 置を、基準点Qiを基準にして網部m内における 点Qに位置調節すると、膝角度-レバーアーム さとの関係は、図8に破線で示す特性曲線q ようになる。特性曲線qは、位置調節する前 特性曲線qiに比べて、屈曲し始めのトルク 発生がなだらかになり、しかもまた、その の屈曲角度θs以降におけるトルクの立ち上 りが緩和されている。図10A~図10Cは、屈曲角 θsの大きさによって、網部mの所在が変動す ることを示す。網部mは、屈曲角度θsが大き なるにつれて上方に移行する傾向がある。 とえば、図10Aの網部の位置と図10Cの網部の 置とは、上下方向に40mmほどの隔たりがある 抗力発生手段の下部取付け位置を位置調整 る手段としては、ネジによる回転運動を直 運動に変換する機能を利用して、取付け位 を連続的に移動可能にしたり、また、複数 取付け位置を準備しそのどこに取り付ける によって位置調整したりすることができる なお、抗力発生手段の下部取付け位置では く、上部取付け位置を位置調整することも きる。

 抗力発生手段の下部取付け位置を位置調 するとき、それが膝角度-トルクの特性にい かに影響するかについて、もう少し具体的に 述べる。たとえば、下部取付け位置を前記し た直線1s上を移動させると、屈曲し始めのト クの大きさが変動する。下部取付け位置を 準点Qiから上部取付け位置の方に向かって 動させるにつれて、屈曲し始めのトルクは きくなる。逆に、上部取付け位置から遠ざ るように移動すると、屈曲し始めのトルク 小さくなる傾向がある。また、下部取付け 置を前記した直線1s上を移動させるとき、屈 曲角度θs付近から、より大きな屈曲角度にわ たる部分でのトルクの立ち上がりへの影響は 少ない。それに対し、下部取付け位置を前記 した直線1s上ではなく、直線1sに直交する方 に移動するとき、屈曲角度θs付近から、よ 大きな屈曲角度にわたる部分でのトルクの ち上がりが変化する。その立ち上がりは、 部材に対応するリンク14と前側リンク16との 結点46に近づく方向に微調整することによ て、滑らかになる傾向がある。いずれにし 、下部取付け位置を直線1s上の特定の基準点 Qiからその周辺域に位置調整することによっ 、屈曲初期のトルクと屈曲終期のトルクと バランスを図ることができる。

 なお、抗力発生手段が油圧シリンダの場 は、通常、2つの絞り弁を用いることにより 屈曲時のトルクと伸展時のトルクを独立して 調整できるようになっているので、網部m内 うち、直線1s上から図の右側に点Qを配置す のが望ましい。直線1sよりも図の左側に点Q 配置すると、レバーアームとの関係で、屈 時にもかかわらず、伸展用の絞り弁の影響 受けてしまい、伸展時のトルクと屈曲時の ルクを独立して調整するのが困難になるか である。

義足の一例による歩行形態の一周期を す。 今までの油圧シリンダにおける、膝角 度-トルクの特性を示す。 この発明を適用した油圧シリンダにお ける、膝角度-トルクの特性を示す。 今までのバネシリンダにおける、膝角 度-トルクの特性を示す。 この発明を適用したバネシリンダにお ける、膝角度-トルクの特性を示す。 この発明を説明するための特性図であ 。 この発明により配置を特定する第1の方 法を図解するための図である。 屈曲角度θsを通常の20°近辺に設定し ときの特性を示す。 屈曲角度θsを5°に設定したときの特性 を示す。 この発明により配置を特定する第2の方 法を図解するための図である。 この発明により得る、膝角度-レバーア ームの長さの特性の例を示す。 この発明により配置を特定する第3の方 法を図解するための図である。 屈曲角度θsが10°のときの網部を示す 屈曲角度θsが20°のときの網部を示す 屈曲角度θsが30°のときの網部を示す この発明による義足の一実施例を示 正面図である。 図11Aの実施例を示す側面図である。 図11Aの実施例を示す断面図である。 図11Aの膝角度0°が膝角度20°になった きの状態を示す図である。 図11Aの膝角度0°が膝角度40°になった きの状態を示す図である。 図11Aの膝角度0°が膝角度60°になった きの状態を示す図である。 図11Cの膝角度0°が膝角度20°になった きの状態を示す図である。 図11Cの膝角度0°が膝角度40°になった きの状態を示す図である。 図11Cの膝角度0°が膝角度60°になった きの状態を示す図である。 この発明による義足の変形例であり、 第1の位置での取付け状態を示す図である。 図14の変形例について、第2の位置での 取付け状態を示す図である。 図14の変形例について、第3の位置での 取付け状態を示す図である。 油圧シリンダの芯をずらした例を示す 図である。

符号の説明

10 4節リンク機構
12 上部材に対応するリンク
14 下部材に対応するリンク
16 前側リンク
18 後側リンク
θs 抗力を小さくしたい屈曲初期における膝 度
Ps 抗力発生手段の上部取付け位置
Qs 抗力発生手段の下部取付け位置
Qi 基準点
m 位置調整可能な点Qの範囲(網部)
50 義足(大腿義足)
52 上部材
54 下部材
56 前側リンク
58 後側リンク
60 膝関節
70 油圧シリンダ

 図11A~11Cは、この発明の義足の一実施例で あり、特に、膝関節の部分を中心に示してい る。大腿義足である義足50は、膝の上側に位 する上部材52と、膝の下側に位置し、上部 52に揺動可能に連結して膝の屈曲を可能とす る下部材54とを備える。上部材52は、上部中 部にアライメントブロック522を一体に支持 る。アライメントブロック522は、図示しな ソケットを取り付ける部分であり、ソケッ に入る大腿を通して義足使用者の荷重を支 る。一方、下部材54の下部中央部にも別のア ライメントブロック542がある。このアライメ ントブロック542は、足部を支持する脚部材を 取り付ける部分である。

 そのような上部材52と下部材54とを膝関節 60が連結する。膝関節60は、4節のリンク機構 ら構成される。4節のリンク機構は、4つの ンクを回転可能に連結した限定連鎖である 上部材52および下部材54は、その限定連鎖の4 つのリンクの中の一つのリンクとしてそれぞ れ機能する。残りの2つのリンクは、前側リ ク56および後側リンク58である。それら両リ ク56,58は、上下の各端部に他のリンクとの 結部562,564;582,584をもつ。ここで、前後の両 ンク56,58は、ともに左右対称の形状であり、 上下の各連結部がそれぞれ左右一対である。 したがって、前後に離れた前側リンク56およ 後側リンク58は、両者が相俟って膝関節60の 外側を取り囲み、その内側スペースを区画す るようになっている。

 抗力発生手段としての油圧シリンダ70は 前後の両リンク56,58が取り囲む内側スペース に位置する。油圧シリンダ70は、図11Cが示す うに、軸線をもち内部にその軸線方向に沿 シリンダ孔を含むシリンダ本体72と、シリ ダ孔の中に入りシリンダ孔を二つの室に区 するピストン74と、そのピストン74の部分か シリンダ本体72の外部まで伸びるピストン ッド76とを備える。また、図には示さないが 、油圧シリンダ70は、油圧抵抗を生じるため 良く知られた油圧回路をシリンダ本体72の に支持している。油圧回路は、ピストン一 の第1室からピストン他側の第2室へ向かう流 れだけを許す第1逆止弁、およびその流れに れ抵抗を与える第1絞り弁を含む第1通路、な らびに、第2室から第1室へ向かう流れだけを す第2逆止弁、およびその流れに流れ抵抗を 与える第2絞り弁を含む第2通路を備える。し がって、屈曲時の油圧抵抗と伸展時の油圧 抗とを別に設定できるようになっている。 圧シリンダ70は、油圧抵抗に基づく力と、 の力とレバーアームの長さとの積で定まる ルクを抗力として発生する。

 この実施例では、すでに述べた第2の方法 によって、図2Bの特性を得るように、油圧シ ンダ70の上部取付け位置Psおよび下部取付け 位置Qsを設定した。上部取付け位置Psは、上 材52上の前後の連結部562,582の間の部分であ て、それら連結部とほぼ同じ高さ部分に位 する。それに対し、下部取付け位置Qsは、下 部材54上の前後の連結部564,584の間の部分では あるが、それら連結部564,584よりは高い部分 位置する。そのため、下部材54は、上方に立 ち上がったアーム部分547を含む。油圧シリン ダ70は、上部材52および下部材54に対し揺動可 能にするため、上部取付け位置Psおよび下部 付け位置Qsの各部分における連結がピボッ 結合になっていることは勿論である。

 図12A~12Cおよび図13A~13Cに、膝角度が20°、4 0°、60°の各屈曲状態を示している。それら 図から、この発明を適用した大腿義足50が、 膝角度-トルクの特性面で義足使用者に好ま いフィーリングを与えるにもかかわらず、 成および動きがシンプルであることが理解 れるであろう。

変形例

 以上に述べた実施例の義足では、油圧シ ンダ70の下部取付け位置Qsを一個所に固定し ている。しかし、屈曲初期のトルクと屈曲終 期のトルクのバランスを調整するため、義足 上に下部取付け位置Qsの位置を調整する手段 設けるようにすることもできる。そうすれ 、その位置調整手段によって、義足使用者 好みに合わせるように、義肢装具士などが 足の外部から調整可能である。図14~図16は 義足の前後方向に隣り合う3個所に、締付け ルト80による固定部を設けた例である。そ ら3個所の固定部を選ぶことによって、油圧 リンダ70の下部取付け位置Qsを前後に位置調 整することができる。位置調整の幅は、たと えば、0~20mm、一般的には0~10mmほどである。

 さらに、上記実施例の義足で用いた油圧 リンダにバネが併用されていてもよい。ま 、上記実施例の義足では油圧シリンダを用 ており、作動流体は非圧縮性流体である油 あるが、水などの他の非圧縮性液体を用い もよく、非圧縮性が顕著となる高圧、たと ば大気圧の数倍以上の高圧の圧縮空気を用 てもよい。

 さらにまた、スペースの都合で、図17に示 ように、油圧シリンダ70の上部取付け位置Ps 下部取付け位置Qsとを通る直線1sに対し、油 圧シリンダ70のピストン74およびピストンロ ド76の軸線を偏心(直線1sと軸線とがわずかな 角度で交差)させるようにすることもできる その場合、油圧シリンダ70の取付け位置がす でに述べた条件を満たすことが前提である。
 
 




 
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