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Patent Searching and Data


Title:
RAILWAY VEHICLE DOOR DEVICE AND RAILWAY VEHICLE DOOR SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149632
Kind Code:
A1
Abstract:
A railway vehicle door system (500) includes a drive mechanism (300) and a railway vehicle door device (800) having a door wheel device (100). The door wheel device (100) is constructed so that a common plate (180), a right plate (160), and a left plate (170) can be moved inside a rail member (200) by using first and second door wheels (110, 120). A left leaf (710) and a right leaf (720) are suspended from suspension sections (150), and movement of the suspension sections (150) opens and closes the left and right leaves (710, 720). The first door wheels (110) are attached to the right and left plates (160, 170), the second door wheels (120) are respectively attached to one end of each of the right and left plates (160, 170), and the suspension sections (150) are respectively attached to the other end of each of the right and left plates (160, 170).

Inventors:
TAKAHASHI KAZUTAMA (JP)
KAWASAKI KATSUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058524
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NABTESCO CORP (JP)
TAKAHASHI KAZUTAMA (JP)
KAWASAKI KATSUJI (JP)
International Classes:
B61D19/00; B61D19/02; E05D15/06; E05F15/10
Foreign References:
JPS5826177A1983-02-16
JPH1088895A1998-04-07
JPS62253888A1987-11-05
JP2001055860A2001-02-27
JP2001049944A2001-02-20
JPS5954679U1984-04-10
JPS63129076U1988-08-24
JP2001049943A2001-02-20
JP2005007985A2005-01-13
Other References:
See also references of EP 2165909A4
Attorney, Agent or Firm:
KAJI, Yoshiyuki et al. (SUHARA & ASSOCIATES RecruitShin Osaka BLDG. 14-22, Nishinakajima,5-chome, Yodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 11, JP)
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Claims:
 鉄道車両の出入口に設けられた扉と、
 C型断面形状からなるレール部材と、
 前記レール部材の長手方向に沿って形成された支持部材と、
 前記支持部材に設けられ、前記レール部材の前記C型断面形状内を走行可能な第1の戸車と、
 前記支持部材の一端側に設けられ、前記レール部材の前記C型断面形状内を走行可能な第2の戸車と、
 前記支持部材の他端側に設けられ、前記扉を懸吊可能な懸吊部と、を含むことを特徴とする鉄道車両用扉装置。
前記レール部材の長手方向に沿って形成されたプレート部材と、
前記プレート部材の両端に左右対称に、前記第1の戸車、前記第2の戸車および前記懸吊部が設けられた前記支持部材がそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
 前記第1の戸車の軸および前記第2の戸車の軸とを結ぶ仮想線は、前記レール部材の長手方向に対してわずかに傾斜していることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
 前記レール部材のC型断面形状の開口部には一対の凸形状からなるレール部、前記第1の戸車の外円周面には凹形状からなる被レール部、または、前記レール部材のC型断面形状の開口部には一対の凹形状からなるレール部、前記第1の戸車の外円周面には凸形状からなる被レール部が形成され、
 前記レール部の一対の凸形状同士または一対の凹形状同士の最短離間距離は、前記第1の戸車の最大外周の直径よりも短いことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
 前記レール部材のC型断面形状の開口部には一対の凸形状からなるレール部、前記第1の戸車の外円周面には凹形状からなる被レール部、または、前記レール部材のC型断面形状の開口部には一対の凹形状からなるレール部、前記第1の戸車の外円周面には凸形状からなる被レール部が形成され、
 前記レール部の一対の凸形状同士または一対の凹形状同士の最短離間距離は、前記第2の戸車の最大外周の直径よりも短いことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
前記懸吊部に懸吊可能な孔形状が前記扉を形成する心材に形成されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
 前記支持部材により片持ち支持される前記第1の戸車および前記第2の戸車の逆側の軸を保持可能な複数の長孔が前記扉を形成する心材に形成されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
 前記懸吊部は、円板状部材と、当該円板状部材に偏心して設けられた軸とにより前記支持部材に回転可能に設けられ、前記円板状部材に前記扉の懸吊部を懸吊させて、前記扉の水平度を調整することができるように形成されたことを特徴とする請求項2記載の鉄道車両用扉装置。
 前記扉の心材は、
 前記懸吊部に懸吊される部位に延在して設けられることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用扉装置。
 前記支持部材は、
 前記プレート部材に固定するためのネジ締結部をさらに有することを特徴とする請求項2記載の鉄道車両用扉装置。
 鉄道車両の出入口に設けられた扉と、
 C型断面形状からなるレール部材と、
 前記レール部材の長手方向に沿って形成された支持部材と、
 前記支持部材に設けられ、前記レール部材の前記C型断面形状内を走行可能な第1の戸車と、
 前記支持部材の一端側に設けられ、前記レール部材の前記C型断面形状内を走行可能な第2の戸車と、
 前記支持部材の他端側に設けられ、前記扉を懸吊可能な懸吊部と、
前記扉を開閉させる駆動機構と、を含むことを特徴とする鉄道車両用扉システム。
Description:
鉄道車両用扉装置及び鉄道車両 扉システム

 本発明は、鉄道車両の側面の出入口に設 られる扉装置及び扉システムに関する。

 従来、鉄道の乗客を乗降させるために扉 置が使用されている。この鉄道車両用の扉 置については、通勤時間帯における混雑時 多数の乗客が扉にもたれかかる場合があり 扉に様々な力が加わる。そのため、鉄道車 用の扉装置について、乗客の安全を考慮し 種々の研究がなされている。

 例えば、特許文献1には、戸車を介して移 動自在に吊り下げ支持された側引戸を有する 電車用側引戸装置において、円滑な開閉動作 の確保と安全性の向上を図る電車用側引戸装 置について開示されている。

 特許文献1記載の電車用側引戸装置におい ては、側引戸の下向きの荷重を支える従来の 2個の戸車の他に、側引戸の上向きの動きを 制するガイドローラを新たに設け、かつガ ドローラとドアレールの天井面との間の隙 を戸車のそれよりも小さく定めたものであ 。

 特許文献1記載の電車用側引戸装置によれ ば、側引戸が乗客から横荷重を受け、戸車が ドアレール床面の曲面に沿って上方向に移動 しても、2個の戸車がドアレール天井面に接 する前にガイドローラがドアレール天井面 接触するので、戸車がドアレール天井面に 触することによる固渋が生じない。また、 車とドアレール天井面との間の隙間が大き 状態で側引戸に異物が挟まっても、側引戸 大きく傾くことがない。

特開2005-007985号公報

 特許文献1または従来の鉄道車両用扉装置 においては、上部に設けたレール部材に対し て、戸車を入れた後、戸車が当該レール部材 から脱輪しないように、戸車と当該レール部 材との隙間の調整が必要となっていた。

 しかしながら、戸車とレール部材との隙 を調整できる構造は、当該調整機構が故障 たは破損した場合、戸車がレール部材から 輪する可能性が高く、乗客を安全に搬送す き鉄道においては、課題となっていた。

 本発明の目的は、戸車がレール部材から 輪することを防止し、確実で安全に扉の開 を行うことができる鉄道車両用扉装置を提 することである。

 本発明の他の目的は、戸車がレール部材 ら脱輪することを防止し、円滑で安全に扉 開閉を行うことができ、かつ製造や施工コ トを低減することができる鉄道車両用扉装 を提供することである。

課題を解決するための手段及び効果

(1)
 本発明に係る鉄道車両用扉装置は、鉄道車 の出入口に設けられた扉と、C型断面形状か らなるレール部材と、レール部材の長手方向 に沿って形成された支持部材と、支持部材に 設けられ、かつレール部材のC型断面形状内 走行可能な第1の戸車と、支持部材の一端側 設けられ、レール部材のC型断面形状内を走 行可能な第2の戸車と、支持部材の他端側に けられ、扉を懸吊可能な懸吊部と、を含む のである。

 本発明に係る鉄道車両用扉装置において 、C型断面形状内を第1の戸車および第2の戸 により支持部材が移動可能に形成され、扉 懸吊させた懸吊部が移動することにより鉄 車両用扉が開閉される。支持部材に第1の戸 車が設けられ、支持部材の一端側に第2の戸 が設けられ、支持部材の他端側に懸吊部が けられる。すなわち、支持部材の他端側が の自重により鉛直下向きに力が作用し、第1 戸車がレール部材内の一方により支持され 第2の戸車が第1の戸車を支点として、鉛直 向きに力が働き、レール部材内の他方によ 支持される。

 この場合、懸吊部に扉の自重が作用し、 1の戸車を支点として第2の戸車が第1の戸車 反対側のレール部材に接触することにより が支持される。従って脱輪を防止するため 調整が必要な隙間が不要となるので、調整 構が不要となり、その結果、調整機構の故 又は破損による脱輪がないので、確実で安 に扉の開閉を行うことができる。また、調 機構が無いので、調整作業が不要となり、 造や施工コストも低減できる。なお、第1の 戸車および第2の戸車が支持部材に設けられ いるので、組み立て時においてC型断面形状 レール部材の切れ端から、容易に第1の戸車 および第2の戸車を挿入することができる。

(2)
 レール部材の長手方向に沿って形成された レート部材と、プレート部材の両端に左右 称に、第1の戸車、第2の戸車および懸吊部 設けられた支持部材がそれぞれ設けられて よい。

 この場合、プレート部材の両端に、それ れ支持部材が設けられるので、一体の部材 して取り扱うことができる。また、個々の 持部材に設けられた懸吊部の距離が一定と り、別体になっている場合に比べ、位置あ せが不要となるので、扉を容易に懸吊させ ことができる。さらに、左右対称に支持部 が設けられているので、プレート部材およ 一対の支持部材がレール部材に対して往復 動される場合に第1の戸車および第2の戸車 加わる負荷を抑制することができ、円滑に ール部材に沿って往復移動させることがで る。

(3)
 第1の戸車の軸および第2の戸車の軸とを結 仮想線は、レール部材の長手方向に対して ずかに傾斜していることが好ましい。

 この場合、第1の戸車と第2の戸車とが大 く傾斜せず、第1の戸車と第2の戸車との軸間 距離が十分に確保できるので、支持部材の懸 吊部からの扉の自重(作用力)をバランスよく 1の戸車と第2の戸車とに分散することがで 、扉からの偏荷重にも対応できるようにな 。その結果、支持部材の往復移動の負荷の 大や偏荷重に対応することができ、円滑に ール部材に沿って往復移動させることがで る。

(4)
 レール部材のC型断面形状の開口部には一対 の凸形状からなるレール部、第1の戸車の外 周面には凹形状からなる被レール部、また 、レール部材のC型断面形状の開口部には一 の凹形状からなるレール部、第1の戸車の外 円周面には凸形状からなる被レール部が形成 され、レール部の一対の凸形状同士または一 対の凹形状同士の最短離間距離は、第1の戸 の最大外周の直径よりも短いことが好まし 。

 この場合、レール部材には、一対の凹形 または一対の凸形状からなるレール部が形 され、第1の戸車には、レール部の形状に対 応した被レール部が形成される。被レール部 とレール部との間の間隙の寸法は、0.5mm以上1 0mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下 であることがより好ましい。また、レール部 材の最短離間距離は、第1の戸車の直径より 小さいため、第1の戸車がレール部材から脱 し、外れることを完全に防止することがで る。その結果、扉に鉛直上下方向および揺 の力が加わった場合でも、第1の戸車がレー ル部材から外れない。なお、製造時や施工時 においては、レール部材の切れ端から第1の 車を挿入することにより製造することが可 である。

(5)
 レール部材のC型断面形状の開口部には一対 の凸形状からなるレール部、第1の戸車の外 周面には凹形状からなる被レール部、また 、レール部材のC型断面形状の開口部には一 の凹形状からなるレール部、第1の戸車の外 円周面には凸形状からなる被レール部が形成 され、レール部の一対の凸形状同士または一 対の凹形状同士の最短離間距離は、第2の戸 の最大外周の直径よりも短いことが好まし 。

 この場合、レール部材には、一対の凹形 または一対の凸形状からなるレール部が形 され、第2の戸車には、レール部の形状に対 応した被レール部が形成される。被レール部 とレール部との間の間隙の寸法は、0.5mm以上1 0mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下 であることがより好ましい。また、レール部 材の最短離間距離は、第2の戸車の直径より 小さいため、第2の戸車がレール部材から脱 し、外れることを完全に防止することがで る。その結果、扉に鉛直上下方向および揺 の力が加わった場合でも、第2の戸車がレー ル部材から外れない。なお、製造時や施工時 においては、レール部材の切れ端から第2の 車を挿入することにより製造することが可 である。

(6)
 懸吊部に懸吊可能な孔形状が扉を形成する 材に形成されてもよい。

 この場合、扉の心材に懸吊可能な孔径状 形成されるので、従来のように懸吊可能な 部材を形成した部材を扉に取り付ける工程 省くことができ、容易に製造や施工を行う とができる。

(7)
 支持部材により片持ち支持される第1の戸車 および第2の戸車の逆側の軸を保持可能な複 の長孔が扉を形成する心材に形成されてい もよい。

 この場合、扉の心材に形成された長孔に り第1の戸車および第2の戸車の軸が保持さ る。また、長孔で形成されているため、第1 戸車および第2の戸車に直接的に扉の自重を 加えさせないようにできる。また、心材は、 支持部材と逆側の軸を保持するので、第1の 車および第2の戸車の周囲が支持部材および の心材により保護される。

(8)
 懸吊部は、円板状部材と、当該円板状部材 偏心して設けられた軸とにより支持部材に 転可能に設けられ、円板状部材に扉の懸吊 を懸吊させて、扉の水平度を調整すること できるように形成されてもよい。また、懸 部は、プレート部材と支持部材とを同軸で 定させる構造であってもよい。

 この場合、円板状部材が偏心して設けら ているので、円板状部材を回転させること より懸吊部材の鉛直上下方向の調整を行う とができる。その結果、扉の高さ調整を容 に行うことができる。

(9)
 扉の心材は、懸吊部に懸吊される部位に延 して設けられることが好ましい。

 この場合、心材は、懸吊部に懸吊される 位に延在して設けられるので、懸吊部は、 の鉛直下向きの荷重を確実に保持すること できる。その結果、懸吊部および心材の間 、不要な捩り力またはモーメント力が加わ ないため、安定して懸吊部が心材を保持す ことができる。

(10)
 支持部材は、プレート部材に固定するため ネジ締結部をさらに有してもよい。

 この場合、支持部材をプレート部材に確 に固定させることができ、懸吊部のみの固 と異なり、複数の軸で支持部材とプレート 材とを固定させることができるので、確実 プレート部材と支持部材との固定を行うこ ができる。その結果、支持部材およびプレ ト部材をレール部材に沿って円滑に安定し 移動させることができる。

(11)
 本発明に係る鉄道車両用扉システムは、鉄 車両の出入口に設けられた扉と、C型断面形 状からなるレール部材と、レール部材の長手 方向に沿って形成された支持部材と、支持部 材に設けられ、かつレール部材のC型断面形 内を走行可能な第1の戸車と、支持部材の一 側に設けられ、レール部材のC型断面形状内 を走行可能な第2の戸車と、支持部材の他端 に設けられ、扉を懸吊可能な懸吊部と、扉 開閉させる駆動機構と、を含むものである

 本発明に係る鉄道車両用扉システムにお ては、C型断面形状内を第1の戸車および第2 戸車により支持部材が移動可能に形成され 扉を懸吊させた懸吊部が移動することによ 鉄道車両用扉が開閉可能に構成されている 支持部材に第1の戸車が設けられ、支持部材 の一端側に第2の戸車が設けられ、支持部材 他端側に懸吊部が設けられる。すなわち、 持部材の他端側が扉の自重により鉛直下向 に力が作用し、第1の戸車がレール部材内の 方により支持され、第2の戸車が第1の戸車 支点として、鉛直上向きに力が働き、レー 部材内の他方により支持される。

 この場合、懸吊部に扉の自重が作用し、 1の戸車を支点として第2の戸車が第1の戸車 反対側のレール部材に接触することにより が支持される。従って脱輪を防止するため 調整が必要な隙間が不要となるので、調整 構が不要となり、その結果、調整機構の故 又は破損による脱輪がないので、確実で安 に扉の開閉を行うことができる。また、調 機構が無いので、調整作業が不要となり、 造や施工コストも低減できる。なお、第1の 戸車および第2の戸車が支持部材に設けられ いるので、組み立て時においてC型断面形状 レール部材の切れ端から、容易に第1の戸車 および第2の戸車を挿入することができる。

本発明に係る一実施の形態に係る鉄道 両用扉装置を用いた鉄道車両用扉システム 一例を示す模式的構成図。 鉄道車両用扉装置の戸車装置の一例を す平面図。 鉄道車両用扉装置の戸車装置がレール 材の中にある場合の模式的拡大図。 図3のA-A線矢視断面図。 図3のB-B線矢視断面図。 図3のC-C線矢視断面図。 図3のD-D線矢視断面図。 鉄道車両用扉装置(右側ドアリーフを戸 車装置に懸吊させる状態を示す図)。 図8のE-E線矢視断面を示す模式的断面図 。

符号の説明

 100 戸車装置
 110 第1の戸車
 110a,120a 凹形状
 112,113 軸
 120 第2の戸車
 140 ネジ締結部
 150 懸吊部
 152 円板状部材
 160 右側プレート
 170 左側プレート
 180 共通プレート
 200 レール部材
 200a 凸形状
 300 駆動機構
 500 鉄道車両用扉システム
 710 左側ドアリーフ
 720 右側ドアリーフ
 750 懸吊形状部
 751,752,761,762 孔
 753,754,763,764 長孔
 781,782 懸吊部
 800 鉄道車両用扉装置
 θ 角度

 以下、本発明に係る実施の形態について説 する。
 (第1の実施の形態)
 図1は、本発明に係る一実施の形態に係る鉄 道車両用扉装置を用いた鉄道車両用扉システ ムの一例を示す模式的構成図である。

 図1に示すように、鉄道車両用扉システム 500は、駆動機構300、鉄道車両用扉装置800を含 む。更に鉄道車両用扉装置800は、戸車装置100 、レール部材200、左側扉用ラック310、右側扉 用ラック320、制御ボックス400、伝達部材600,61 0、左側ドアリーフ710および右側ドアリーフ72 0を含む。

 図1の駆動機構300に右側扉用ラック320およ び左側扉用ラック310が水平方向に互いに平行 に延在して設けられる。右側扉用ラック320お よび左側扉用ラック310の先端には、伝達部材 600,610が設けられ、伝達部材610は、戸車装置10 0に固定されている。戸車装置100は、レール 材200に沿って移動可能に形成されており、 た、左側ドアリーフ710および右側ドアリー 720を懸吊可能に設けられている。

 図1の鉄道車両用扉システム500は、制御ボ ックス400からの指示に従い駆動機構300が駆動 することにより、右側扉用ラック320および左 側扉用ラック310が水平方向に伸縮するように 移動され、右側扉用ラック320および左側扉用 ラック310の先端に設けられた伝達部材600,610 移動する。伝達部材600,610が移動することに り、レール部材200に沿って戸車装置100が移 し、左側ドアリーフ710および右側ドアリー 720の開閉が行われる。

 以下、戸車装置100の詳細について説明を う。図2は、戸車装置100の一例を示す平面図 であり、図2(a)は戸車装置100の正面を示し、 2(b)は戸車装置100の上面を示す。

 図2(a)に示すように、戸車装置100は、主に 第1の戸車110、第2の戸車120、ネジ締結部140、 吊部150、右側プレート160、左側プレート170 よび共通プレート180を含む。

 図2(a),(b)に示すように、共通プレート180 水平方向に延在して設けられる。この共通 レート180の両端に左右対称となるように右 プレート160および左側プレート170が固定さ る。

 共通プレート180の端部に固定された右側 レート160には、第1の戸車110、第2の戸車120 ネジ締結部140および懸吊部150が設けられて る。右側プレート160のネジ締結部140および 吊部150において、共通プレート180に貫通し 後述するボルトが設けられ、当該ボルトで 側プレート160に固設される。同様に、共通 レート180の端部に固定された左側プレート17 0にも、第1の戸車110、第2の戸車120、ネジ締結 部140および懸吊部150が設けられている。左側 プレート170のネジ締結部140および懸吊部150に おいて、共通プレート180に貫通してボルトが 設けられ、当該ボルトで左側プレート170に固 設される。

 次に、図3のレール部材200内の右側プレー ト160について説明を行う。図3は、戸車装置10 0がレール部材200の中にある場合の模式的拡 図であり、図4は図3のA-A線矢視断面図であり 、図5は図3のB-B線矢視断面図であり、図6は図 3のC-C線矢視断面図であり、図7は図3のD-D線矢 視断面図である。

 図3から図7に示すように、レール部材200 、C型断面形状を有した長尺部材である。レ ル部材200は、C型断面形状の先端部に凸型の 曲面が形成されている。また、右側プレート 160は、当該レール部材200の内部に位置するよ うに配置される。図4から図7に示すように、 側プレート160は、共通プレート180に固定さ る部分と、第1の戸車110および第2の戸車120 保持部分とで厚みおよび形状が異なる(図2(b) 参照)ように形成される。

 ここで、後述する右側ドアリーフ720を懸 部150に吊り下げた場合、懸吊部150に下方向 力が作用し、第1の戸車110がレール部材200の 下側に接地して支点となり、第2の戸車120が ール部材200の上側に接触し、反作用点とな 。この場合、レール部材200の延在方向と、 1の戸車110の軸と第2の戸車120の軸とを結んだ 仮想線との角度θがわずかな角度、例えば3度 以下の角度となるように設けられる。なお、 好ましくは、レール部材200の延在方向と、第 1の戸車110の軸と第2の戸車120の軸とを結んだ 想線との角度θが1度になるように設ける。

 右側プレート160は、共通プレート180と固 される側に傾斜160aが形成されている。傾斜 160aが設けられた右側プレート160の先端に懸 部150がボルトBにより固定される。また、当 ボルトBにより、懸吊部150のみならず、右側 プレート160も併せて共通プレート180に固定さ れる。懸吊部150には、円板状部材152が取り付 けられており、この円板状部材152は、懸吊部 150のボルトBに対して偏心する、すなわち、 4において円板状部材152と円板状部材152a(破 )の範囲で回転可能なように取り付けられる 懸吊部150の近傍には、ネジ締結部140が設け れる。

 右側プレート160に固定された懸吊部150の 傍に、ネジ締結部140がボルトBにより固定さ れる。また、当該ボルトBによりネジ締結部14 0のみならず、共通プレート180も併せて右側 レート160に固定される。これにより、右側 レート160は、2箇所のボルトB(懸吊部150およ ネジ締結部140)により共通プレート180に固定 れる。

 続いて、図4~図7に示すように、レール部 200は、略C型断面形状からなる。本実施の形 態においては、レール部材200のレール部は、 凸形状により形成されている。以下、レール 部材200のレール部の凸形状の最小離間距離を L11で示す。

 一方、図2および図6に示すように、懸吊 150の軸およびネジ締結部140の軸の延長線上 第1の戸車110が設けられる。第1の戸車110は、 右側プレート160のほぼ中央に設けられている 。図2および図6に示すように、第1の戸車110の 片側の軸112は、右側プレート160により保持さ れる構造からなる。

 第1の戸車110の外周面は、レール部材200の 凸形状200aに対応する凹形状110aが形成されて る。第1の戸車110の凹形状110aの最小外周直 D11で示し、凹形状110aの最大外周直径D10で示 。

 図6に示すように、第1の戸車110の凹形状11 0aの最小外周直径D11は、レール部材200の凸形 200aの最小離間距離L11よりも距離(間隙)L10だ 小さな値であり、第1の戸車110の凹形状110a 最大外周直径D10は、レール部材200の凸形状20 0aの最小離間距離L11よりも大きな値である。

 なお、図6においては、懸吊部150に右側ド アリーフ720を懸吊していることから、レール 部材200の鉛直下方向の凸形状200aに第1の戸車1 10が接触しており、第1の戸車110とレール部材 200の鉛直上方向の凸形状200aとの間に間隙L10 形成される。間隙L10は、0.5mm以上10mm以下の 囲の値であることが望ましく、本実施の形 においては、間隙L10が1mm程度であることが ましい。

 また、図6に示すように、第1の戸車110の 部には、ボールベアリング113が組み込まれ おり、第1の戸車110の軸112に対して円滑に回 可能に形成されている。

 次に第2の戸車120について説明する。図2 よび図7に示すように、第2の戸車120は、右側 プレート160の端部に設けられている。図7に すように、第2の戸車120の片側の軸122は、右 プレート160により保持される構造からなる

 第2の戸車120の外周面は、レール部材200の 凸形状200aに対応する凹形状120aが形成されて る。第2の戸車120の凹形状120aの最小外周直 D12で示し、凹形状120aの最大外周直径D13で示 。

 図7に示すように、第2の戸車120の凹形状12 0aの最小外周直径D12は、レール部材200の凸形 200aの最小離間距離L11よりも距離(間隙)L13だ 小さな値であり、第2の戸車120の凹形状120a 最大外周直径D13は、レール部材200の凸形状20 0aの最小離間距離L11よりも大きな値である。

 なお、図7においては、懸吊部150に右側ド アリーフ720を懸吊していることから、レール 部材200の鉛直上方向の凸形状200aに第2の戸車1 20が接触しており、第2の戸車120とレール部材 200の鉛直上方向の凸形状200aとの間に間隙L13 形成される。間隙L13は、0.5mm以上10mm以下の 囲の値であることが望ましく、本実施の形 においては、間隙L10が1mm程度であることが ましい。また、間隙L13は、第1の戸車110とレ ル部材200との間隙L10と等しい値であっても い。

 また、図7に示すように、第2の戸車120の 部には、ボールベアリング123が組み込まれ おり、第2の戸車120の軸122に対して円滑に回 可能に形成されている。

 続いて、図8は、右側ドアリーフ720を戸車 装置100に懸吊させる状態を示す図であり、図 9は、図8のE-E線矢視断面を示す模式的断面図 ある。

 図8に示すように、戸車装置100をレール部 材200の切れ端からレール部材200内に挿入する 。そして、共通プレート180、左側プレート170 および右側プレート160に対して、右側ドアリ ーフ720を懸吊させる。

 ここで、図9に示すように、右側ドアリー フ720には、右側ドアリーフ720を構成する主材 として懸吊形状部750が設けられている。また 図8に示すように、懸吊形状部750には、左側 レート170の懸吊部150に対応する孔751、左側 レート170のネジ締結部140に対応する孔752、 側プレート170の第1の戸車110の軸112に対応す 長孔753、左側プレート170の第2の戸車120の軸 122に対応する長孔754、右側プレート160の懸吊 部150に対応する孔761、右側プレート160のネジ 締結部140に対応する孔762、右側プレート160の 第1の戸車110の軸112に対応する長孔763、右側 レート160の第2の戸車120の軸122に対応する長 764が設けられている。

 また、懸吊形状部750は、中央部に切り欠 部770が設けられており、その左右に懸吊部7 81,782が形成されている。この懸吊部781,782は 左側プレート170の懸吊部150に対応する孔751 左側プレート170のネジ締結部140に対応する 752、右側プレート160の懸吊部150に対応する 761、右側プレート160のネジ締結部140に対応 る孔762の鉛直下方向に延在するように形成 れている。

 孔751が、左側プレート170の懸吊部150の円 状部材152に対して懸吊され、孔752が、左側 レート170のネジ締結部140に対して懸吊され 孔761が、右側プレート160の懸吊部150の円板 部材152に対して懸吊され、孔762が、右側プ ート160のネジ締結部140に対して懸吊される それにより、右側ドアリーフ720の重量が、 車装置100により支持される。

 また、図6および図7で示した、第1の戸車1 10の軸112および第2の戸車120の軸122の外周面に 、図8および図9で示した懸吊形状部750の長孔7 53,754,763,764が嵌合され、図9に示すように、第 1の戸車110の軸112および第2の戸車120の軸122に 荷が加わらないように固定される。なお、 8および図9においては、右側ドアリーフ720 ついてのみ説明したが、図1の左側ドアリー 710においても同様の機構が構成されている

 本発明に係る戸車装置100においては、レ ル部材200のC型断面形状内を共通プレート180 、右側プレート160および左側プレート170が移 動可能に形成され、右側ドアリーフ720および 左側ドアリーフ710の懸吊部150およびネジ締結 部140が移動することにより鉄道用右側ドアリ ーフ720および左側ドアリーフ710が開閉される 。この場合、右側プレート160および左側プレ ート170の懸吊部150およびネジ締結部140に、右 側ドアリーフ720および左側ドアリーフ710の自 重による鉛直下向きに力が作用し、第1の戸 110がレール部材200内の一方により支持され 第2の戸車120が第1の戸車110を支点として、鉛 直上向きに力が働き、レール部材200内の他方 により支持される。従って脱輪を防止するた めに調整が必要な隙間が不要となるので、調 整機構が不要となり、その結果、調整機構の 故障又は破損による脱輪がないので、確実で 安全に扉の開閉を行うことができる。また調 整機構が無いので、調整作業が不要となり、 製造や施工コストも低減できる。

 また、このように、共通プレート180の左 対称に右側プレート160および左側プレート1 70が設けられているので、共通プレート180お び右側プレート160および左側プレート170が ール部材200に対して往復移動される場合、 1の戸車110と第2の戸車120とが大きく傾斜せ 、第1の戸車110と第2の戸車120との軸間距離が 十分に確保できるので、右側プレート160およ び左側プレート170の懸吊部150およびネジ締結 部140からの右側ドアリーフ720および左側ドア リーフ710の自重(作用力)をバランスよく第1の 戸車110と第2の戸車120とに分散することがで 、扉からの偏荷重にも対応できるようにな 。その結果、右側プレート160および左側プ ート170の往復移動の負荷の増大や偏荷重に 応することができ、円滑にレール部材200に って往復移動させることができる。

 また、レール部材200には、一対の凸形状2 00aが形成され、第1の戸車110および第2の戸車1 20には、凹形状110aおよび凹形状120aが形成さ る。最大外周直径D10,D13は、凸形状200aの最小 離間距離D11よりも大きいため、第1の戸車110 よび第2の戸車120がレール部材200から脱輪し 外れることを確実に防止することができる その結果、右側ドアリーフ720および左側ド リーフ710に鉛直上下方向および揺動の力が わった場合でも、第1の戸車110および第2の 車がレール部材200から外れず、戸車装置100 レール部材200に沿って円滑に安定して移動 せることができる。

 また、戸車装置100の製造時や施工時にお て、共通プレート180の両端に、それぞれ右 プレート160および左側プレート170が設けら るので、戸車装置100を一体の部材として取 扱うことができ、個々の右側プレート160お び左側プレート170に設けられた懸吊部150お びネジ締結部140の距離が一定となり、分離 れている場合に比べ、位置あわせが不要と るので、左側ドアリーフ710および右側ドア ーフ720を容易に懸吊させることができる。

 また、右側ドアリーフ720および左側ドア ーフ710の懸吊形状部750に懸吊可能な孔751,752 ,761,762および長孔753,754,763,764が形成されるの 、従来のように懸吊可能な孔部材を形成し 別部材を右側ドアリーフ720および左側ドア ーフ710の上面に取り付ける工程を省くこと でき、容易に戸車装置100を含む鉄道車両用 装置800の製造を行うことができる。

 さらに、戸車装置100においては、円板状 材152が偏心して設けられているので、円板 部材152を回転させ、円板状部材152aに移動さ せることにより懸吊部150の鉛直上下方向の調 整を行うことができる。その結果、右側ドア リーフ720および左側ドアリーフ710のそれぞれ の水平度および個々の高さ調整を容易に行う ことができる。また、右側ドアリーフ720およ び左側ドアリーフ710の懸吊形状部750に形成さ れた長孔753,754,763,764により第1の戸車110およ 第2の戸車120の軸112、122が保持される。更に ルトBにより、懸吊部150のみならず、右側プ レート160も併せて共通プレート180に固定され るので鉛直上下方向の調整を固定すると、第 1の戸車110と第2の戸車120とがレール部材200に 転可能に当接している状態に戸車装置100を 定することが同時に行えるようになり、別 に固定する場合に比べ、製造や施工の手間 省ける。

 また、右側ドアリーフ710および左側ドア ーフ720の懸吊形状部750は、懸吊部150に懸吊 れる部位に延在して設けられるので、懸吊 状部750は、右側ドアリーフ720および左側ド リーフ710の鉛直下向きの荷重を確実に保持 ることができる。その結果、懸吊部150およ 懸吊形状部750の間で、不要な捩り力または ーメント力が加わらないため、安定して懸 部150により懸吊形状部750を保持することが きる。

 なお、本実施の形態においては、第1の戸車 110および第2の戸車120の凹形状110a,凹形状120a したが、これに限定されず、レール部材200 凸形状200aが異なれば、それに該当する形状 あってもよい。
 また、本実施の形態における懸吊形状部750 、中央部に切り欠き部770を形成することと たが、これに限定されず、切り欠き部770を 成しなくてもよい。

 上記一実施の形態においては、左側ドア ーフ710および右側ドアリーフ720が出入口の に相当し、鉄道車両用扉システム500が鉄道 両用扉システムに相当し、鉄道車両用扉装 800が鉄道車両用扉装置に相当し、駆動機構3 00が駆動機構に相当し、レール部材200がレー 部材に相当し、右側プレート160および左側 レート170が支持部材に相当し、第1の戸車110 が第1の戸車に相当し、第2の戸車120が第2の戸 車に相当し、懸吊部150が懸吊部に相当し、共 通プレート180がプレート部材に相当し、角度 θが傾斜角に相当し、凹形状110a,120aが凹形状 相当し、凸形状200aが一対の凸形状に相当し 、懸吊形状部750が車両の扉を形成する心材に 相当し、孔751,752,761,762が懸吊可能な孔形状に 相当し、軸112,113が第1の戸車および第2の戸車 の軸に相当し、長孔753,754,763,764が複数の長孔 に相当し、円板状部材152が円板状部材に相当 し、懸吊部781,782が懸吊される部位に相当し ネジ締結部140がネジ締結部に相当する。ま 、凸形状200aがレール部に相当し、凹形状110a および凹形状120aが被レール部に相当する。 のように構成することで、懸吊形状部750を 両の扉を形成する心材と共通化でき、別体 場合に比べ、製造や施工コストを低減する とができる。

 本発明は、上記の好ましい一実施の形態 記載されているが、本発明はそれだけに制 されない。本発明の精神と範囲から逸脱す ことのない様々な実施形態が他になされる とは理解されよう。さらに、本実施形態に いて、本発明の構成による作用および効果 述べているが、これら作用および効果は、 例であり、本発明を限定するものではない また各図面は設計図相当の精度と比率をも て記載されている。