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Patent Searching and Data


Title:
RANGE FINDER, SHAPE MEASURING DEVICE, AND METHODS FOR THEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116240
Kind Code:
A1
Abstract:
A range finder using a spread-spectrum radar for measuring a distance with high precision at low cost. The range finder includes a transmitting unit (71) for radiating a transmission wave (75) the spectrum of which is spread with a code having a constant chip rate, a receiving unit (72) for receiving a reflected wave (76), a correlation unit (73) for calculating the correlation waveform representing the relation between the correlation between the transmission wave (75) and the reflected wave (76) and the delay time, and a distance calculating unit (74) for calculating the distance to an object by using the peak position of the correlation waveform. The correlation unit (73) calculates the correlation waveform of when the delay time is varied for each range gate which is the time length corresponding to the chip rate. The distance calculating unit (74) calculates the delay time corresponding to the peak of the correlation waveform with a resolution smaller than the range gate by using the point indicating the highest correlation and the point indicating the higher correlation out of the two adjacent points before and after the point thereby calculating the distance to the object.

Inventors:
SAKAI HIROYUKI
FUKUDA TAKESHI
INOUE KENICHI
SATO TORU
SAKAMOTO TAKUYA
KANI YUSUKE
Application Number:
PCT/JP2009/001012
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 06, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
SAKAI HIROYUKI
FUKUDA TAKESHI
INOUE KENICHI
SATO TORU
SAKAMOTO TAKUYA
KANI YUSUKE
International Classes:
G01S13/89; G01S13/28
Foreign References:
JP2000199785A2000-07-18
JPH10213613A1998-08-11
JPH02141684A1990-05-31
JP2007033415A2007-02-08
Other References:
"Antennas and Propagation Society International Symposium 2006", 14 July 2006, IEEE, article S.KIDERA ET AL.: "A high-resolution 3-D imaging algorithm with linear array antennas for UWB pulse radar systems", pages: 1057 - 1060
Attorney, Agent or Firm:
NII, Hiromori (JP)
New house extensive 守 (JP)
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Claims:
 スペクトラム拡散レーダを用いて対象物までの距離を測定する測距装置であって、
 一定のチップレートで表現される拡散符号によってスペクトラム拡散された信号を生成し、前記対象物に向けて放射する送信部と、
 前記対象物で反射された前記信号を受信する受信部と、
 前記受信部で受信された信号の波形と前記送信部から放射された信号の波形との相関が、前記放射から前記受信までの遅延時間に依存してどのように変化するかを示す相関波形を算出する相関部と、
 前記相関部で算出された相関波形におけるピークを特定することにより、前記対象物までの距離を算出する距離算出部とを備え、
 前記相関部は、前記チップレートに対応する時間長であるレンジゲートごとに前記遅延時間を変化させた場合における前記相関の変化を示す相関波形を算出し、
 前記距離算出部は、前記相関波形において最大の相関を示す点とその点に隣接する前後2点のうち相関の大きい点とを用いて、前記相関波形におけるピークに対応する遅延時間を前記レンジゲートよりも小さい分解能で算出することにより、前記対象物までの距離を算出する
 測距装置。
 前記距離算出部は、前記相関波形において相関が最大となる点とその点に隣接する前後2点のうち相関の大きい点で挟まれるレンジゲートを特定し、それら2点のうち、遅延時間の小さい点と大きい点とをそれぞれ第1の点と第2の点とした場合に、前記第1の点の相関と前記第2の点の相関との比を算出し、算出した比に基づいて、前記レンジゲートにおけるピークの時間位置を特定し、特定したピークの時間位置に対応する遅延時間から前記対象物までの距離を算出する
 請求項1記載の測距装置。
 前記距離算出部は、前記第1の点の相関と前記第2の点の相関との比が前記レンジゲートにおけるピークの時間位置、前記時間位置に対応する遅延時間、又は、前記時間位置に対応する前記距離に依存してどのように変化するかを示す較正曲線を予め保持し、保持している前記較正曲線を参照して、前記関波形から算出した前記比に対応する前記時間位置、前記遅延時間、又は、前記距離を特定することで、前記対象物までの距離を算出する
 請求項2記載の測距装置。
 前記較正曲線は、前記レンジゲートに対応する距離よりも小さい距離の刻みで、前記比が前記距離に依存してどのように変化するかを示す曲線であり、
 前記距離算出部は、前記較正曲線を参照して、前記相関波形から算出した前記比に対応する前記距離を特定することで、前記対象物までの距離を算出する
 請求項3記載の測距装置。
 スペクトラム拡散レーダを用いて対象物までの距離を測定する測距方法であって、
 一定のチップレートで表現される拡散符号によってスペクトラム拡散された信号を生成し、前記対象物に向けて放射する送信ステップと、
 前記対象物で反射された前記信号を受信する受信ステップと、
 前記受信ステップで受信された信号の波形と前記送信ステップで放射された信号の波形との相関が、前記放射から前記受信までの遅延時間に依存してどのように変化するかを示す相関波形を算出する相関ステップと、
 前記相関ステップで算出された相関波形におけるピークを特定することにより、前記対象物までの距離を算出する距離算出ステップとを含み、
 前記相関ステップでは、前記チップレートに対応する時間長であるレンジゲートごとに前記遅延時間を変化させた場合における前記相関の変化を示す相関波形を算出し、
 前記距離算出ステップでは、前記相関波形において最大の相関を示す点とその点に隣接する前後2点のうち相関の大きい点とを用いて、前記相関波形におけるピークに対応する遅延時間を前記レンジゲートよりも小さい分解能で算出することにより、前記対象物までの距離を算出する
 測距方法。
 スペクトラム拡散レーダを用いて対象物の形状を測定する形状測定装置であって、
 一定のチップレートで表現される拡散符号によってスペクトラム拡散された信号を生成し、前記対象物に向けて放射する複数の送信部と、
 前記対象物で反射された前記信号を受信する受信部と、
 前記受信部で受信された信号の波形と前記複数の送信部のうち受信された前記信号を放射した送信部から放射された信号の波形との相関が、前記放射から前記受信までの遅延時間に依存してどのように変化するかを示す相関波形を算出する相関部と、
 前記相関部で算出された相関波形におけるピークを特定することにより、前記複数の送信部から対象物までの距離を算出することによって擬似波面を抽出し、抽出した擬似波面と前記対象物の形状との関係に基づいて前記対象物の形状を推定する形状推定部とを備え、
 前記相関部は、前記チップレートに対応する時間長であるレンジゲートごとに前記遅延時間を変化させた場合における前記相関の変化を示す相関波形を算出し、
 前記形状推定部は、前記相関波形において最大の相関を示す点とその点に隣接する前後2点のうち相関の大きい点とを用いて、前記相関波形におけるピークに対応する遅延時間を前記レンジゲートよりも小さい分解能で算出することにより、前記対象物までの距離を算出する
 形状測定装置。
 スペクトラム拡散レーダを用いて対象物の形状を測定する形状測定方法であって、
 一定のチップレートで表現される拡散符号によってスペクトラム拡散された信号を生成し、複数の送信部から前記対象物に向けて放射する送信ステップと、
 前記対象物で反射された前記信号を受信する受信ステップと、
 前記受信ステップで受信された信号の波形と前記複数の送信部のうち受信された前記信号を放射した送信部から放射された信号の波形との相関が、前記放射から前記受信までの遅延時間に依存してどのように変化するかを示す相関波形を算出する相関ステップと、
 前記相関ステップで算出された相関波形におけるピークを特定することにより、前記複数の送信部から対象物までの距離を算出することによって擬似波面を抽出し、抽出した擬似波面と前記対象物の形状との関係に基づいて前記対象物の形状を推定する形状推定ステップとを含み、
 前記相関ステップでは、前記チップレートに対応する時間長であるレンジゲートごとに前記遅延時間を変化させた場合における前記相関の変化を示す相関波形を算出し、
 前記形状推定ステップでは、前記相関波形において最大の相関を示す点とその点に隣接する前後2点のうち相関の大きい点とを用いて、前記相関波形におけるピークに対応する遅延時間を前記レンジゲートよりも小さい分解能で算出することにより、前記対象物までの距離を算出する
 形状測定方法。
Description:
測距装置、形状測定装置及びそ らの方法

 本発明は、スペクトラム拡散レーダを用 て対象物までの距離を測定する測距装置、 び、その測距装置を用いて対象物の形状を 定する形状測定装置に関する。

 ロボット、車両、船舶及び航空機等の移 体や、室内・室外から外界の状況を知りた 場合において、周囲の物体を認識し、その 状を認識することは重要である。特に移動 を自動走行させる場合には形状認識が危険 避の点などからより重要となる。また、人 の形状推定はセキュリティや介護を目的と て社会的需要が大きい。このような物体形 推定の手段として、レーダを用いたイメー ングシステムが注目されている。たとえば 広帯域(UWB)信号を利用したUWBレーダは近距 目標の形状を高い分解能で測定できること ら、地中探査や非破壊検査の用途に多く用 られてきた。しかしながら、従来の地下探 レーダイメージングでは、測定結果から形 を推定する指定アルゴリズムが反復改良や り返し計算などに基づくものが多く、形状 定に時間がかかるため、前述したようなロ ットなどのリアルタイム処理への直接の応 は困難であった。

 そのため、本願発明者らは、リアルタイ 処理を可能にする高速形状推定アルゴリズ として、送信信号の送受信位置を変化させ ことによって得られる散乱波の遅延時間と 受信位置の関係と物体の形状との間に成り つ可逆な変換関係を利用して物体の形状を 定するSEABED(Shape Estimation Algorithm based on B ST(Boundary Scattering Transform) and Extraction of Di rectly scattered waves)法を開発し、提案してき (例えば、特許文献1、非特許文献1乃至非特 文献5)。

 SEABED法では、逆境界散乱変換の数式で形状 推定する。この逆境界散乱変換で得られる 像は近似解でなく数学的に厳密な解となっ おり、反復計算に基づかず、直接的に画像 得ることが可能である。SEABED法は、従来に べて高精細でかつ、非常に高速に算出可能 イメージングアルゴリズムとなっている。

特開2006-343205号公報 阪本卓也、佐藤亨、「UWBパルスレーダシ ステムのためのノンパラメトリックな目標形 状推定法」、電子情報通信学会技術研究報告 、A・P2003-36、103巻120号、1~6頁、2003年6月19日 阪本卓也、佐藤亨、「パルスレーダを用 いた高分解能形状推定のための位相補正法」 、電子情報通信学会技術研究報告、A・P2004-72 、104巻202号、37~42頁、2004年7月22日 Takuya SAKAMOTO,Toru SATO,“A Target Shape Estim ation Algorithm for Pulse Radar Systems based on Bou ndary Scattering Transform”,IEICE TRANSACTIONS on Com munications,Vol.E87-B,No.5,MAY 2004,pp.1357-1365 木寺正平、阪本卓也、佐藤 亨、“UWBパ スレーダのためのバイスタティックアンテ 型高速物体像推定法の開発”電子情報通信 会 第34回電磁界理論シンポジウム、EMT-05-58 、Nov. 2005 Shouhei Kidera,Takuya Sakamoto,and Toru Sato,“A High-resolution 3-D Imaging Algorithm with Linear Arr ay Antennas for UWB Pulse Radar Systems”IEEE AP-S  International Symposium,USNC/URSI National Radio Science  Meeting,AMEREM Meeting,pp.1057-1060,July, 2006

 ところで、実際のイメージング応用にお ては、イメージの精度がその性能を決める きな要素であることは言うまでもない。SEAB ED法を用いたイメージングの場合、レーダの 距精度に大きく依存する。リアルタイムイ ージングのためにスペクトラム拡散レーダ 用いた場合には、通常、シンボル時間長(PN( 擬似ランダムノイズ)符号のチップレートの 数;レンジゲート)ごとにサンプリングを行う ために、測定距離の精度(分解能)は符号のチ プレートで決まる。なお、チップとは、PN 号の個々の矩形波であり、チップレート(cps; チップ/秒)とは、PN符号の変化速度である。

 スペクトラム拡散レーダに使う拡散符号(PN 号)のレートは、通常の技術では、速くても 数Gcps程度に限られる。このレートで決まる 距精度は、数cm程度となる。たとえば、符号 のチップレートが2.5Gcpsの場合、チップ時間( ンジゲート)は、その逆数の0.4nsとなるから 空中の電波の伝送速度を3×10 8 m/sとすると、チップ時間(レンジゲート)の間 電波が進む距離の2倍(ターゲットで反射し 信号を受けるので往復距離となるため)であ 6cmの分解能しか得られないことになる。

 図11(a)及び図11(b)は、従来のスペクトラム 拡散レーダを用いた測距装置における測距精 度の限界(分解能)を説明するための図である 図11(a)は、実際にスペクトラム拡散レーダ 用いてアンテナから40~50cm(44.6cm、46.8cm、50.3cm 、52.2cm)離れた位置に置かれた金属球までの 離を測定したときの位置関係を示す図であ 。この実測に用いたスペクトラム拡散レー の拡散符号のチップレートは2.5Gcpsである。

 図11(b)は、図11(a)に示された4つのケース おける送信信号と受信信号との相関を示す である。ここで、スペクトル拡散レーダに る測距では、搬送波を符号でスペクトル拡 してレーダ波として放射し、ターゲットか の反射波に対して、上記符号を遅延させた ので逆拡散し、逆拡散後の信号のうち、上 搬送波の周波数成分を抽出することが行わ るが、図11(b)の横軸は、逆拡散に用いた符号 の遅延時間、すなわち、ターゲットまでの距 離を示し、図11(b)の縦軸は、逆拡散後の上記 波数成分の強度である。なお、図11(b)では 横軸の時間に対して滑らかな曲線データが られているが、これは、上記周波数成分を 出するフィルタ処理によるものであり、実 には、各曲線のピークが出ている0.4nsごとの 離散値が測定値である。この曲線から明らか なように、上記相関については、チップレー トの逆数の時間(つまり、レンジゲート、本 では、0.4ns)ごとにしか測定できないため、 例のように、46.8cmと50.3cmの最大ピークが同 位置で観測されてしまう。つまり、従来の うに、最大ピークを検出するだけでは、こ 2つの距離差は区別できない。言い換えれば 従来の技術では、レンジゲート以下の分解 を得ることができないという問題がある。

 ところが、イメージングの用途によって 、mmオーダの精度が要求されるため、さら 1桁以上の精度の向上が求められる。

 ここで、測距精度を上げるために拡散符 のビットレートを上げることが考えられる 、そのためには、高性能な符号発生器が必 となってコストが高くなるうえに、1桁だけ ビットレートを向上させるのに技術的にもか なりハードルが高い。

 そこで、本発明は、このような問題点に み、スペクトラム拡散レーダを用いた測距 置であって、低コストで精度の高い測距を ることができる測距装置及びその測距装置 用いた精度の高い形状測定装置を提供する とを目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明に係 測距装置は、スペクトラム拡散レーダを用 て対象物までの距離を測定する測距装置で って、一定のチップレートで表現される拡 符号によってスペクトラム拡散された信号 生成し、前記対象物に向けて放射する送信 と、前記対象物で反射された前記信号を受 する受信部と、前記受信部で受信された信 の波形と前記送信部から放射された信号の 形との相関が、前記放射から前記受信まで 遅延時間に依存してどのように変化するか 示す相関波形を算出する相関部と、前記相 部で算出された相関波形におけるピークを 定することにより、前記対象物までの距離 算出する距離算出部とを備え、前記相関部 、前記チップレートに対応する時間長であ レンジゲートごとに前記遅延時間を変化さ た場合における前記相関の変化を示す相関 形を算出し、前記距離算出部は、前記相関 形において最大の相関を示す点とその点に 接する前後2点のうち相関の大きい点とを用 いて、前記相関波形におけるピークに対応す る遅延時間を前記レンジゲートよりも小さい 分解能で算出することにより、前記対象物ま での距離を算出する。

 これにより、相関波形における2点を用い てピークに対応する遅延時間がレンジゲート よりも小さい分解能で算出されるので、簡易 な方法、つまり、低コストで、かつ、チップ レートで決まる距離精度(分解能)より細かい 距が可能になる。

 なお、本発明の説明における相関波形の ピーク」とは、相関波形の真の(あるいは、 計算上の)ピークであり、言い換えると、相 波形を構成する離散的な実測点だけでなく それらの実測点の間を補間する計算上の点 含めた全ての点の中で最大の相関を示す点 ある。

 また、上記目的を達成するために、本発 に係る形状測定装置は、スペクトラム拡散 ーダを用いて対象物の形状を測定する形状 定装置であって、一定のチップレートで表 される拡散符号によってスペクトラム拡散 れた信号を生成し、前記対象物に向けて放 する複数の送信部と、前記対象物で反射さ た前記信号を受信する受信部と、前記受信 で受信された信号の波形と前記複数の送信 のうち受信された前記信号を放射した送信 から放射された信号の波形との相関が、前 放射から前記受信までの遅延時間に依存し どのように変化するかを示す相関波形を算 する相関部と、前記相関部で算出された相 波形におけるピークを特定することにより 前記複数の送信部から対象物までの距離を 出することによって擬似波面を抽出し、抽 した擬似波面と前記対象物の形状との関係 基づいて前記対象物の形状を推定する形状 定部とを備え、前記相関部は、前記チップ ートに対応する時間長であるレンジゲート とに前記遅延時間を変化させた場合におけ 前記相関の変化を示す相関波形を算出し、 記形状推定部は、前記相関波形において最 の相関を示す点とその点に隣接する前後2点 のうち相関の大きい点とを用いて、前記相関 波形におけるピークに対応する遅延時間を前 記レンジゲートよりも小さい分解能で算出す ることにより、前記対象物までの距離を算出 する。

 これにより、相関波形における2点を用い てピークに対応する遅延時間がレンジゲート よりも小さい分解能で算出されるので、簡易 な方法、つまり、低コストで、かつ、チップ レートで決まる距離精度(分解能)より細かい 距が可能になり、高精度のイメージングが 現される。

 また、複数の送信器から異なる符号を同 に送信するいわゆる符号多重化の技術が用 られるので、測定時間が圧倒的に短縮され 測定から信号処理も含めてリアルタイムの メージングが可能になる。

 なお、本発明は、以上のような構成を備 る測距装置及び形状測定装置として実現さ るだけでなく、それらの構成要素をステッ とする測距方法及び形状測定方法として実 したり、そのステップを記述したプログラ として実現したり、そのプログラムが記録 れたCD-ROM等の記録媒体として実現したり、L SI等の半導体集積回路で実現したりすること できる。

 本発明により、簡易な方法で、拡散符号 チップレートに相当する距離間隔より細か 分解能での測距が可能となり、低コストで かつ、精度の高い測距をすることができる 距装置及びその測距装置を用いた高精度の 状測定装置が実現される。

 また、符号多重化の技術によってリアル イムのイメージングが可能となり、ロボッ 等の移動体の状況を知るための測距装置及 形状測定装置として、その実用的価値は極 て高い。

図1は、本発明の実施の形態1における 距装置の構成を示すブロック図である。 図2は、同測距装置の距離算出部の詳細 な動作手順を示すフローチャートである。 図3は、同測距装置の相関部で算出され た相関波形の例を示す図である。 図4は、同測距装置の距離算出部が予め 保持している較正曲線の例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態2における 状測定装置の構成を示すブロック図である 図6は、SEABED法におけるアンテナの設置 位置を説明するための図である。 図7(a)及び(b)は、境界散乱変換を説明す るための図である。 図8は、SEABED法によって物体の形状を測 定する処理手順を示すフローチャートである 。 図9(a)及び(b)は、実施の形態2における 状測定装置によって実際に擬似波面を測定 た結果を説明するための図である。 図10(a)及び(b)は、図9(a)及び図9(b)に示 れた擬似波面を元にSEABED法にて形状推定し 結果を説明するための図である。 図11(a)及び(b)は、従来のスペクトラム 散レーダを用いた測距装置における測距精 の限界(分解能)を説明するための図である

符号の説明

    0、77  物体(ターゲット)
    5  形状推定回路
    5a、74 距離算出部
   11、13、15、17、71d  送信アンテナ
   12、14、16、18、72a  受信アンテナ
   21~24  信号生成器
   31~34  受信器
   41~44  相関回路
   51~54  レーダ
   70  測距装置
   71  送信部
   71a 発振器
   71b PN符号発生器
   71c 拡散器
   72  受信部
   73  相関部
   73a 可変遅延器
   73b 逆拡散器
   73c 狭帯域フィルタ
   74a 較正曲線
   75  送信波(レーダ波)
   76  反射波
   80  形状測定装置

 以下、本発明に係る測距装置及び形状測 装置の実施の形態について、図面を参照し がら詳細に説明する。

 (実施の形態1)
 まず、本発明に係る測距測定装置の実施の 態について説明する。

 図1は、本実施の形態における測距装置70 構成を示すブロック図である。なお、本図 は、測距の対象となるターゲット(対象物)77 も併せて図示されている。

 この測距装置70は、スペクトラム拡散レ ダを用いてターゲット77までの距離を測定す る装置であり、送信部71、受信部72、相関部73 及び距離算出部74を備える。

 送信部71は、一定のチップレートで表現 れる拡散符号によってスペクトラム拡散さ た信号を生成し、ターゲット77に向けて放射 する処理部であり、例えば26GHz帯の正弦波(搬 送波)を生成する発振器71a、擬似ランダム(PN) 号(つまり、拡散符号)を生成するPN符号発生 器71b、上記正弦波を上記拡散符号で周波数拡 散(変調)する拡散器71c及び拡散後の信号を送 する送信アンテナ71d等からなる。

 受信部72は、ターゲット77で反射された信 号を受信する処理部であり、例えば、受信ア ンテナ72a等からなる。

 相関部73は、受信部72で受信された信号の 波形と送信部71から放射された信号の波形と 相関が、放射から受信までの遅延時間に依 してどのように変化するかを示す相関波形 算出する処理部であり、PN符号発生器71bで 生された拡散符号を、遅延時間を変化(スイ プ)させながら遅らせる可変遅延器73a、受信 アンテナ72aで受信された信号を可変遅延器73a から出力されたPN符号で逆拡散(復調)する逆 散器73b及び逆拡散後の信号のうち、発振器71 aで生成される正弦波の周波数成分だけを通 させる狭帯域フィルタ73c等からなる。なお この相関部73は、チップレートに対応する時 間長であるレンジゲートごとに遅延時間を変 化(スイープ)させた場合における相関の変化 示す相関波形を算出する。

 距離算出部74は、相関部73で算出された相 関波形におけるピークを特定することにより 、測距装置70(正確には送受信アンテナ)から ーゲット77までの距離を算出する処理部であ り、より詳しくは、相関波形において最大の 相関を示す点とその点に隣接する前後2点の ち相関の大きい点とを用いて、相関波形に けるピークに対応する遅延時間を、レンジ ートよりも小さい分解能で算出することに り、ターゲット77までの距離を算出する。こ のための距離算出部74は、例えば、専用のプ グラム、CPU、メモリ、入出力部等を備える ンピュータ等で実現される。

 この距離算出部74は、相関波形において 関が最大となる点とその点に隣接する前後2 のうち相関の大きい点で挟まれるレンジゲ トを特定し、それら2点のうち、遅延時間の 小さい点と大きい点とをそれぞれ第1の点と 2の点とした場合に、第1の点の相関と第2の の相関との比を算出し、算出した比に基づ て、レンジゲートにおけるピークの時間位 を特定し、特定したピークの時間位置に対 する遅延時間からターゲット77までの距離を 算出する。

 具体的には、この距離算出部74は、第1の の相関と第2の点の相関との比がレンジゲー トにおけるピークの時間位置、時間位置に対 応する遅延時間、又は、時間位置に対応する (その時間で電波が進む)距離に依存してどの うに変化するかを示す較正曲線74aを予め保 し、保持している較正曲線74aを参照するこ で、相関部73で算出された相関波形から算 した比に対応する時間位置、遅延時間、又 、距離を特定することで、ターゲット77まで の距離を算出する。

 ここで、較正曲線74aは、レンジゲートに 応する(その時間で電波が進む)距離よりも さい距離の刻みで、上記比が距離に依存し どのように変化するかを示す曲線である。 って、この距離算出部74は、較正曲線74aを参 照することで、相関部73で算出された相関波 から算出した比に対応する距離を特定する とで、ターゲット77までの距離を、レンジ ートよりも細かい分解能で算出する。

 次に、以上のように構成される本実施の 態における測距装置70の動作(つまり、測距 原理)について説明する。

 まず、発振器71aで生成された信号は、PN 号発生器71bで生成された拡散符号によって 散器71cで周波数拡散され、送信波(つまり、 ーダ波)75として、送信アンテナ71dからター ット77に向かって出射される。次に、ター ット77で反射された反射波76は、受信アンテ 72aで受信され、PN符号発生器71bで生成され 拡散信号を可変遅延器73aで時間t1だけ遅らせ た信号を用いて、逆拡散器73bで逆拡散される 。

 ここで、可変遅延器73aでの遅延時間t1が 送信波75を送信してからターゲット77で反射 て受信されるまでにかかった時間と一致し いれば、逆拡散器73bに入る受信アンテナ72a らの信号に含まれる拡散符号と可変遅延器7 3aからの拡散符号とが一致するために、逆拡 器73bによって発振器71aで生成される狭帯域 号が復元され、一方、上記時間が異なって れば、逆拡散器73bで逆拡散された後の信号 広帯域に拡散されたままとなる。したがっ 、逆拡散器73bで逆拡散された信号を狭帯域 ィルタ73cに通すことで、拡散符号の遅延時 が、測距装置70から出射されたレーダ波75が ターゲット77に当たって反射してもどってく までの時間と一致したときにのみ、信号と て抽出することができる。レーダ波75がタ ゲット77に当たって反射してもどってくるま での時間は、電波がターゲット77までの距離 2倍を伝送するのにかかった時間なので、測 距装置70からターゲット77までの距離を計算 ることができる。

 次に、本実施の形態における測距装置70 距離算出部74の詳細な動作について説明する 。図2は、距離算出部74の詳細な動作手順を示 すフローチャートである。

 距離算出部74は、図3に示すように、相関 73で算出された相関波形、つまり、可変遅 器73aでの遅延時間と狭帯域フィルタ73cから 出力信号の強度との関係を示す曲線におい 、相関が最大となる点(図3では、点P1)とその 点に隣接する前後2点のうち相関の大きい点( 3では、点P2)で挟まれるレンジゲートを特定 する(S1)。なお、距離算出部74は、レンジゲー トごとに対応する複数の較正曲線を保持して いる場合には、ここで特定したレンジゲート に対応する較正曲線を特定し、特定した較正 曲線を用いて、後述するステップS3での処理 行う。

 次に、距離算出部74は、最大の相関を示 点(図3では、点P1)とその点に隣接する前後2 のうち相関の大きい点(図3では、点P2)のうち 、遅延時間の小さい点(図3では、点P1)の相関( 図3では、約112dB)と遅延時間の大きい点(図3で は、点P2)の相関(図3では、約98dB)との比(約14dB )を算出する(S2)。

 そして、距離算出部74は、予め保持して る図4に示されるような較正曲線74a(ここでは 、ステップS1で特定したレンジゲートに対応 る較正曲線)を参照することで、上記ステッ プS2で算出した比に対応する距離を特定する( S3)。なお、図4において、縦軸は、最大の相 を示す点とその点に隣接する前後2点のうち 関の大きい点のうち、遅延時間の小さい点 相関と遅延時間の大きい点の相関との比を し、横軸は、ステップS1で特定されたレン ゲートにおけるピークの時間位置(本実施の 態では、測距装置70とターゲットとの距離) 示す。

 ここで、較正曲線74aは、図4に示されるよ うに、事前の実測によって得られた曲線であ り、レンジゲートに対応する距離よりも小さ い距離の刻みで、上記比が距離に依存してど のように変化するかを実測し、得られたデー タを滑らかな曲線にフィッティングしたもの である。相関波形において最大の相関を示す 点とその点に隣接する前後2点のうち相関の きい点のうち、遅延時間の小さい点(第1の点 )の相関と遅延時間の大きい点(第2の点)の相 との比(縦軸の値)は、図4に示されるように 真のピークがそれら2点で挟まれるレンジゲ トの左(遅延時間が小さい位置)に位置する ど、大きな値となるので、遅延時間ととも 小さくなる(正から負になる)単調減少を示す 。

 このように、距離算出部74は、較正曲線74 aを参照することで、相関部73で算出された相 関波形から算出した比に対応する距離を特定 し、レンジゲートよりも細かい分解能でター ゲット77までの距離を算出する。

 なお、図4に示される較正曲線74aの横軸は 、測距装置とターゲットまでの絶対距離であ ったが、距離算出部74が内部に保持する較正 線74aとしては、その横軸が、レンジゲート での相対位置(例えば、0~60mm)であってもよ 。その場合には、距離算出部74は、ステップ S1で特定したレンジゲートの位置に基づいて レンジゲート単位(0.4ns単位、60mm単位)で、 フセット距離(そのレンジゲートの左端に相 する距離)を特定し、さらに、ステップS2及 S3での処理において、レンジゲートより細 い距離(端数としての距離)を特定し、最後に 、それらのオフセット距離と端数距離とを合 計することで、レンジゲートよりも細かい分 解能でターゲットまでの距離を算出すること ができる。

 (実施の形態2)
 次に、本発明に係る形状測定装置の実施の 態(実施の形態2)について説明する。

 図5は、本発明の実施の形態2におけるス クトラム拡散レーダを用いた形状測定装置80 の構成の一例を示す図である。

 本実施の形態の形状測定装置80は、図5に すように、複数のレーダと形状推定回路に って構成される。すなわち、本実施の形態 形状測定装置80は、互いに異なる位置に配 されたレーダ51、52、53、54と、レーダ51~54か 出力された信号を受ける形状推定回路5とを 備えている。

 レーダ51~54の各々は、電気信号を生成す 信号生成器と、信号生成器で生成された電 信号を送信電波として空間に放射する送信 ンテナと、目標(ターゲット)の物体0で反射 れた送信電波の反射波を受信して受信波に 換する受信アンテナと、受信波を受ける受 器と、受信器の出力を受ける相関回路とを している。すなわち、レーダ51は、信号生成 器21と、送信アンテナ11と、受信アンテナ12と 、受信器31と、相関回路41とを有している。 ーダ52は、信号生成器22と、送信アンテナ13 、受信アンテナ14と、受信器32と、相関回路4 2とを有している。レーダ53は、信号生成器23 、送信アンテナ15と、受信アンテナ16と、受 信器33と、相関回路43とを有している。レー 54は、信号生成器24と、送信アンテナ17と、 信アンテナ18と、受信器34と、相関回路44と 有している。

 なお、レーダの個数は4個に限られず、さ らに多数であってもよい。また、ここでは簡 単のために図5に示す平面内にレーダ51~54が線 状に配置されている例を説明するが、物体0 形状を平面的に測定するためにレーダが2次 のアレイ状に配置されたものであってもよ 。また、送信アンテナと受信アンテナ(送受 信アンテナ)は、符号を用いる場合、別個に けられていることが好ましいが、1個のアン ナで兼用してもよい。また、送信電波は中 周波数に対する占有帯域幅の比である比帯 が20%以上であることが好ましい。

 次に、レーダ51を例にとって測定動作を 明する。まず、信号生成器21が例えば26GHz帯 正弦波(搬送波)を生成し、擬似ランダム(PN) 号で変調(周波数拡散)する。変調方法とし 例えば位相変調を行う。たとえばギルバー セルからなるダブルバランスミキサ回路に 送波と擬似ランダム符号を入れて掛け合わ ることで容易に位相変調された送信信号を 成することができる。送信アンテナ11から送 信波として放射された信号は物体0で反射さ 、その一部が受信アンテナ12で受信される。 そして、受信アンテナ12から出力された受信 は、受信器31で場合によっては増幅や整形( ィルタリング)などを受け、受信信号として 相関回路41に送られる。相関回路41では、こ 受信信号と参照信号の相関を求めることに って相関波形が求められる。具体的には送 信号と同じPN符号で受信信号を復調するいわ ゆる逆拡散を行い、搬送波でダウンコンバー トすることで相関波形が求められる。

 レーダ52~54についてもレーダ51と同時に同 様の動作を行い、レーダ51~54それぞれの相関 形を形状推定回路5に送る。レーダ51~54の場 がそのまま測定位置となるため、第1~第4の 定位置における相関波形が揃うことになる

 形状推定回路5は、後述するSEABED法を用い て、レーダ51~54から送られてきた相関波形の 対値の極大位置を求め、擬似波面を抽出し 逆境界散乱変換によって物体の形状を出力 る。この形状推定回路5は、実施の形態1に ける距離算出部74と同一の機能を有する距離 算出部5a、つまり、それらの相関波形におい 最大の相関を示す点とその点に隣接する前 2点のうち相関の大きい点とを用いて、相関 波形におけるピークに対応する遅延時間をレ ンジゲートよりも小さい分解能で算出するこ とによって対象物までの距離を算出する距離 算出部5aを有する。この距離算出部5aは、同 の手法によって、レンジゲートよりも小さ 分解能で、相関波形における極大値及び極 値を特定する。

 ここで、SEABED法の原理を説明する。ここ は、複数のアンテナを用いた符号多重の技 を利用したSEABED法について説明する。

 図6は、SEABED法における複数のアンテナの 設置位置を説明するための図である。このSEA BED法では、測定対象物は明確な境界を有する 有体物であることを前提とし、当該境界を測 定して「擬似波面」を得る。この擬似波面を 逆変換することで対象物の形状を求める。

 この原理説明では、目標の物体0及び複数 の送受信アンテナが同一平面内に存在すると 仮定した2次元問題を扱い、電波の伝播は、TE 波(Transverse Electric Wave)によるとする。この 標の物体0及び複数の送受信アンテナが存在 る空間を「r-空間(r-domain)」と呼称すること し、r-空間で集合を表現する場合その表現 「r-領域での表現」と呼称することとする。 また、r-空間の点を(x,y)で表現する。ここで x及びy(y>0)は、何れも真空中での送信パル の中心波長λにより正規化される。各送受 アンテナは、無指向性であり、r-空間のx軸 で所定の間隔(例えば等間隔)を空けて設置さ れた各測定位置xn(n=1~Nの整数)でモノサイクル パルスの送受信を繰り返すものとする。そし て、送受信アンテナの測定位置(x,y)=(X,0)にお る受信電界をs’(X,Y)と定義し、送信から受 までの時間をt、真空中の光速をcとした場 に、YをY=(c×t)/(2×λ)と定義する。なお、y>0 よりY>0であり、また、送受信アンテナの測 定位置xnにおける電界の瞬時包絡線が最大と る時刻をt=0とする。

 さらに、雑音除去の観点からs’(X,Y)のY方 向に送信波形を用いた整合フィルタを適用し 、この整合フィルタを適用して得られる受信 波形を新たにs(X,Y)とする。このs(X,Y)を目標の 物体0の形状を求めるデータとして用いる。 こで、(X,Y)で表現される空間を「d-空間(d-doma in)」と呼称することとし、d-空間で集合を表 する場合、その表現を「d-領域での表現」 呼称することとする。X及びYは、それぞれ送 信パルスの中心波長及び送信パルスの中心時 間長で正規化されている。

 連続した境界面を持つ目標の物体0におけ る複素誘電率ε(x,y)の変化が複数の区分的に 分可能な曲線の集合であるとする。即ち、 標の物体0における複素誘電率ε(x,y)が式(1)で 表される。

 ここで、g q (x)は、微分可能な1価関数であり、q={(x,y)|y=g q (x),x∈Jq}∈Hとする。Jqは、関数g q (x)の定義域である。a q は、q∈Hに依存する正の定数であり、Hは、q 体の集合である。Hの要素が「目標境界面」 ある。

 d-空間の部分集合Pを式(2)で定義する。

 連結な閉集合p⊂Pを考え、領域Ipを式(3)で定 義する。

 任意のX∈Ipに対し(X,Y)∈pを満たすYが唯一 存在する場合にpに対し定義域Ipを有し、Y=fp(X )を満たす1価関数fp(X)が存在する。関数fp(X)が 微分可能でかつ|∂fp(X)/∂X|≦1を満たすpの集 をGと定義し、このGの要素を「擬似波面(Quas i Wavefront)」と呼称することとする。

 式(1)が満たされる場合、境界からの直接 乱波は、目標境界面(目標の物体0の表面、 標の物体0の形状を表す)の情報を保持してい る。以下では、簡単のため、直接波の伝播経 路は全て真空であるとするが、伝播速度が一 定で既知である媒質でも同様に成立する。

 図7(a)、図7(b)は、境界散乱変換を説明す ための図である。図7(a)は、r-領域における 素誘電率の変化の一例を示し、図7(b)は、図7 (a)に対応するd-領域の擬似波面を示す。

 pがqからの直接散乱に対応すると仮定す と、図7(a)から分かるように、送受信アンテ からqの表す曲線Lqへ下ろした垂線の長さと 送受信アンテナの位置との関係を用いるこ で、p上の点(X,Y)は、式(4)によって表される この式(4)によって表される変換を境界散乱 換(Boundary Scattering Transform)と呼称すること する。

 但し、(x,y)は、q上に存在する点である。

 この境界散乱変換の逆変換を求めれば、 信波形から目標の物体0の形状を求めること ができる。この逆変換は、式(5)のように求め られる。この逆変換を逆境界散乱変換(Inverse Boundary Scattering Transform)と呼称することとす る。

 なお、以上では、2次元の測定の場合につ いて説明したが、SEABED法は3次元の測定へ容 に拡張可能である。また、各送受信アンテ が直線上に設置される場合について説明し が、任意の曲線に沿って設置される場合に 応する変換式も容易に求めることができる

 例えば、3次元の場合の境界散乱変換は式 (6)のように表され、この逆変換は式(7)のよう に求められる。

 式(5)(三次元測定の場合は式(7))を用いて 信波形から目標の物体0の形状を推定するSEAB ED法では、具体的には、次のような処理を実 することで目標の物体0の形状を測定してい る。

 図8は、SEABED法によって物体の形状を測定 する際の処理手順を示すフローチャートであ る。

 図8に示すように、SEABED法において、ステ ップS101として、形状測定装置80は、図6に示 ように、無指向性の複数の送受信アンテナ 各測定位置xnでモノサイクルパルスの送信パ ルスを送信し、目標の物体0で反射された送 パルスの反射波を受信し、受信波をA/D変換( ナログ/ディジタル変換)し、記憶する。

 即ち、形状測定装置80は、測定位置x1にお いて無指向性の送受信アンテナからモノサイ クルパルスの送信パルスを送信し、目標の物 体0により反射された送信パルスの反射波を 信し、受信波をA/D変換して第1受信信号を生 し、これを記憶する。これと並行して、測 位置x1から所定の間隔だけ離れた測定位置x2 においても、送受信アンテナからモノサイク ルパルスの送信パルスを送信し、目標の物体 0によって反射された送信パルスの反射波を 信し、受信波をA/D変換して第2受信信号を生 し、記憶する。以下同様に、測定位置x1か 測定位置xNまでの各測定位置xnで、形状測定 置80は、送受信アンテナからモノサイクル ルスの送信パルスを送信し、目標の物体0か 反射した送信パルスの反射波を受信し、受 波をA/D変換し、記憶する。こうして測定位 x1における第1受信信号から測定位置xNにお る第N受信信号が得られる。

 つまり、図5に示されるレーダ51~54それぞ の相関波形が形状推定回路5に送られる。

 次に、ステップS102において、形状測定装 置80の形状推定回路5は、第1乃至第Nの各受信 号に対し、当該受信信号の波形と参照信号 波形との相互相関を求めることによって、 1乃至第Nの各受信信号にそれぞれ対応する 1乃至第Nの相関波形を求める。相関関数ρ(τ) は、遅延時間をτ、参照信号をr(t)、受信信号 をs(t)とすると、式(8)で与えられる。なお、 分範囲は、受信信号s(t)が存在する範囲であ 。

 ここで、参照信号の波形は、送信パルス 波形としており、これは、受信信号の波形 送信パルスの波形と同一形状であると仮定 ていることに相当する。この本ステップで 処理は、受信信号に整合フィルタを適用す ことに相当する。

 次に、ステップS103において、形状推定回 路5の距離算出部5aは、第1乃至第Nの相関波形 おける極値(極大値及び極小値)を求める。

 つまり、距離算出部5aは、それらの相関 形において、最大の相関を示す点とその点 隣接する前後2点のうち相関の大きい点とを いて、相関波形におけるピークに対応する 延時間を、レンジゲートよりも小さい分解 で算出することによって、極値を求める。 とえば、距離算出部5aは相関波形において 関が最大となる点とその点に隣接する前後2 のうち相関の大きい点で挟まれるレンジゲ トを特定し、それら2点のうち、遅延時間の 小さい点と大きい点とをそれぞれ第1の点と 2の点とした場合に、第1の点の相関と第2の の相関との比を算出し、算出した比に基づ て、レンジゲートにおける真のピーク(極値) を特定する。より詳しくは、第1の点の相関 第2の点の相関との比がレンジゲートにおけ 真のピークの時間位置に依存してどのよう 変化するかを示す較正曲線74aを予め保持し 保持している較正曲線74aを参照することで 相関波形から算出した比に対応する真の極 を求める。

 次に、ステップS104において、形状推定回 路5は、近隣の極値同士を連結する。より具 的には、形状推定回路5が、式(9)を満たすよ に極値を連結する。

 ここで、極値Mnの位置は、測定位置xnにお いて得られた第nの相関波形から求められた 値のXY平面における位置である。このように 極値を連結して得られた曲線が擬似波面であ る。

 次に、ステップS105において、形状推定回路 5は、真の擬似波面を抽出する。ステップS104 の処理によって得られた擬似波面には、雑 により生じたもの、振動的な部分を抽出し もの、及び、多重散乱により生じたもの等 不要な擬似波面が含まれている。このため これらを取り除き、真に物体0の境界面を示 す真の擬似波面を抽出する必要がある。この 真の擬似波面の抽出では、第1に、式(10)で定 される評価値w p を用い、所定の閾値αよりも評価値w p が大きい擬似波面を選択し、抽出する。閾値 αは、その値を小さくし過ぎると不要な擬似 面が多く含まれ、その値を大きくし過ぎる 真の擬似波面まで除去されてしまうので、 価値w p の最大値を考慮の上、実験的、経験的に設定 される。

 評価値w p は、擬似波面上における受信信号の振幅が大 きく、しかもfp(X)の定義域が広い範囲に渡る のについて大きな値をとる。

 ここで、式(10)のみによって真の擬似波面を 抽出すると、例えば雑音に起因する擬似波面 が有意な擬似波面の近くに存在する場合では その評価値w p が大きくなり、除去することができない場合 が生じ得る。そのため、p1,p2∈G、p1≠p2、w p 1≦w p 2に対し(x,y)∈p1かつ(x,y)∈p2が成立する場合に は、p1→p1’、p1”(但し、p1’∪p1”=p1かつp1 ∩p1”=p1∩p2)に擬似波面の分割を行って評価 値w p を求め不要な擬似波面を除去する。

 そして、真の擬似波面の抽出は、第2に、 第1フレネルゾーンとして知られる式(11)で表 れるFpを用いて式(12)で定義される新たな評 値Wpを用い、所定の閾値βよりも評価値Wpが きい擬似波面を選択し、抽出する。閾値β 、その値を小さくし過ぎると不要な擬似波 が多く含まれ、その値を大きくし過ぎると の擬似波面まで除去されてしまうので、評 値Wpの最大値を考慮の上、実験的、経験的に 設定される。

 評価値Wpは、或る擬似波面のフレネルゾ ン内に値の大きい別の境界面が存在する場 にはその値が低下する。ξ(x)は重み関数であ り、簡単のために、例えば、ξ(x)=1に設定す 。

 このように抽出された真の擬似波面は、 測定位置での送信パルスを送信してから、 標の物体0の表面における接平面に対し垂直 に入射して反射した送信パルスの反射波を直 接受信するまでの時間の集合である。

 次に、ステップS106において、形状推定回 路5は、ステップS105で抽出した真の擬似波面 ら式(5)を用いて物体0の形状を求める。

 このように、SEABED法では、目標の物体0の 形状を逆変換の式(5)により直接的に推定する ことができるので、極めて短時間で物体0の 状を測定することができる。

 以上で説明したSEABED法では、式(5)や式(7) 表されるような逆境界散乱変換の数式で形 を推定できる。この逆境界散乱変換で得ら る画像は近似解でなく数学的に厳密な解と っており、反復計算に基づかず、直接的に 像を得ることが可能である。これらの利点 ら、SEABED法は以前の手法に比べて高精細で つ、非常に高速に算出可能なイメージング ルゴリズムとなっている。

 図9(a)及び図9(b)は、本実施の形態におけ 形状測定装置80のように、スペクトル拡散レ ーダと較正曲線とを用いて、実際に擬似波面 を測定した例を示す。なお、測定対象物は、 アンテナから27cm先の、幅33cm、深さ11cmの中華 なべである。また、この測定では、較正曲線 を用いたことの効果を確認するために、符号 多重をすることなく、送受アンテナを隣接し た状態で、X軸方向24cm、Y軸方向24cmを1cm刻み 走査し、測距した値をプロットしている。 9(a)が実際の距離(真の擬似波面)で、図9(b)が 実施の形態の形状測定装置80で測定した距 (擬似波面)である。測定誤差のRMS値は、0.16cm で、較正曲線を用いない従来の方法での精度 の6cmを大きく上回る高い精度での測定ができ ている。

 図10(a)及び図10(b)は、図9(a)及び図9(b)に示 れた擬似波面を元にSEABED法にて形状推定し 結果を示している。図10(a)は、実際の形状 図10(b)は、本実施の形態の形状測定装置80に る形状推定の結果である。推定画像誤差のR MS値は、1.2mmであり、本実施の形態の形状測 装置80によって十分高精度なイメージングが 実現できているのが分かる。

 以上のように、本実施の形態における形 測定装置80によれば、形状推定回路5の距離 出部5aが、レンジゲートよりも細かい分解 で、第1乃至第Nの相関波形における極値(極 値及び極小値)を求めるので、低コストで、 つ、従来よりも高い精度で対象物の形状が 定される。

 また、本実施の形態における形状測定装 80によれば、複数の送信器から異なる符号 同時に送信するいわゆる符号多重化の技術 用いられるので、測定時間が圧倒的に短縮 れ、測定から信号処理も含めてリアルタイ のイメージングが可能になる。

 以上、本発明に係る測距装置及び形状測 装置について、実施の形態1及び2を用いて 明したが、本発明は、これらの実施の形態 限定されるものではない。これらの実施の 態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲 変形を施して得られる形態や、これらの実 の形態の構成要素を任意に組み合わせて実 される形態も本発明に含まれる。

 たとえば、上記実施の形態では、較正曲 74aは、図4に示されるように、横軸が対象物 までの距離であったが、本発明は、このよう な較正曲線だけに限られない。横軸が可変遅 延器73aでの遅延時間であったり、そのレンジ ゲートにおける相対的な遅延時間であっても よい。較正曲線を参照して得られた遅延時間 を距離に換算することで、ターゲットまでの 距離を算出できるからである。

 また、上記実施の形態では、較正曲線74a 、図4に示されるように、1つのレンジゲー を対象としたものだけが示されたが、レー の検知領域における全てのレンジゲートに いても同様の較正曲線を準備しておいても い。これにより、どのレンジゲート内にタ ゲットがあっても正確な距離測定が可能に る。もちろん、各レンジゲートについて、 め、第1の点の相関と第2の点の相関との比と 距離との関係を測定しておき、それぞれのレ ンジゲートに対応する較正曲線を作成してお けば、より正確な測定が可能になる。

 また、どのレンジゲート内にターゲット あるか分からない一般の測距方法としては 予めとり得る複数のレンジゲートに対応す 較正曲線を保持しておき、通常の測定によ て図3に示される相関波形を取得し、その相 関波形において相関が最大となる点とその点 に隣接する前後2点のうち相関の大きい点で まれるレンジゲートを特定し、そのレンジ ートに対応する較正曲線を選択して用いる とで、レンジゲート内の位置を推定すれば い。

 また、上記実施の形態では、2つの隣接す る点の相関比だけで、較正曲線を形成したが 、たとえば、最大ピークとその両隣の信号強 度の3つの点について、同様に較正曲線に相 するテーブルを作成してもおいてもよい。 らに多くの点を用いて較正しておくことで より正確な測距が可能になる。ただし、そ 分だけ、システム構成が複雑になり、処理 時間がかかるという欠点もある。

 また、実施の形態2では、形状推定回路5 に1つの距離算出部5aが設けられたが、4つの ーダ51~54それぞれに、各レーダで得られた 離を算出する距離算出部が設けられてもよ 。

 本発明は、スペクトラム拡散レーダを用 て対象物までの距離を測定する測距装置及 対象物の形状を測定する形状測定装置とし 、例えば、ロボット、車両、船舶及び航空 等の移動体や、室内・室外から外界の状況 知るための装置として、利用できる。