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Patent Searching and Data


Title:
REFRIGERATOR OIL AND WORKING FLUID COMPOSITION FOR REFRIGERATING MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117657
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a refrigerator oil characterized by containing an ester of a fatty acid, which contains not less than 50% by mole of a branched fatty acid having 10-13 carbon atoms, and a polyhydric alcohol. Also disclosed is a working fluid composition for refrigerating machines, which is characterized by containing a refrigerant and an ester of a fatty acid, which contains not less than 50% by mole of a branched fatty acid having 10-13 carbon atoms, and a polyhydric alcohol.

Inventors:
SAWADA KEN (JP)
SHIMOMURA YUJI (JP)
TAKIGAWA KATSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054381
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
March 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORP (JP)
SAWADA KEN (JP)
SHIMOMURA YUJI (JP)
TAKIGAWA KATSUYA (JP)
International Classes:
C10M105/38; C10N20/00; C10N30/00; C10N30/02; C10N40/30
Foreign References:
JPS56131548A1981-10-15
JPH06145104A1994-05-24
JPH04183788A1992-06-30
JPH03505602A1991-12-05
JPH0625690A1994-02-01
JPH06108081A1994-04-19
JPH06501518A1994-02-17
JPH11236584A1999-08-31
JP2005514492A2005-05-19
JP2007332134A2007-12-27
JPH0388892A1991-04-15
JPH03128991A1991-05-31
JPH03128992A1991-05-31
JPH03200895A1991-09-02
JPH03227397A1991-10-08
JPH0420597A1992-01-24
JPH0472390A1992-03-06
JPH04218592A1992-08-10
JPH04249593A1992-09-04
JP2000104084A2000-04-11
JPH10204458A1998-08-04
JP2000297753A2000-10-24
Other References:
See also references of EP 2141219A4
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 炭素数10~13の分岐脂肪酸の割合が50モル%以上である脂肪酸と多価アルコールとのエステルを含有することを特徴とする冷凍機油。
  13 C-NMR分析法により得られる、前記脂肪酸の構成炭素に占める3級炭素の割合が2質量%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍機油。
 二酸化炭素冷媒と共に用いられることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の冷凍機油。
 炭素数10~13の分岐脂肪酸の割合が50モル%以上である脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、冷媒とを含有することを特徴とする冷凍機用作動流体組成物。
 前記冷媒が二酸化炭素冷媒を含有することを特徴とする、請求項4に記載の冷凍機用作動流体組成物。
Description:
冷凍機油及び冷凍機用作動流体 成物

 本発明は、冷凍空調機器に使用される冷 機油及び冷凍機用作動流体組成物に関する

 近年のオゾン層破壊の問題から、従来冷 空調機器の冷媒として使用されてきたCFC(ク ロロフルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロク ロロフルオロカーボン)が規制の対象となり これらに代わってHFC(ハイドロフルオロカー ン)が冷媒として使用されつつある。しかし ながら、HFC冷媒においても、地球温暖化能が 高いという問題があり、これらのフロン系冷 媒に代わる代替冷媒として自然系冷媒の使用 が検討されている。中でも二酸化炭素冷媒は 環境に対して無害であり安全性の点で優れて いる上、オイルや機械材料との適合性や入手 性のなどの利点を有している。また近年、開 放型圧縮機あるいは密閉型電動圧縮機を用い たカーエアコン用の冷媒として、その適用が 検討されている。

 HFC冷媒用の冷凍機油としては、HFC冷媒と 溶するエステル、炭酸エステル、PAG(ポリア ルキレングリコール)、ポリビニルエーテル が検討あるいは使用されている(例えば、下 特許文献1~10を参照。)。また、二酸化炭素 媒用の冷凍機油としては、例えばエステル 冷凍機油がある(例えば、下記特許文献11を 照)。

 一方、近年は様々な分野にて省エネルギー の関心が高まっている中、冷凍空調機器の 野においても熱効率の向上や消費電力低減 どの省エネルギー対策が検討されている。 こで、省エネルギー対策において冷凍機油 側から貢献すべく、冷凍機油の低粘度化に りエネルギー効率を向上させる技術が提案 れている(例えば特許文献12、13を参照)。

特表平3-505602号公報

特開平3-88892号公報

特開平3-128991号公報

特開平3-128992号公報

特開平3-200895号公報

特開平3-227397号公報

特開平4-20597号公報

特開平4-72390号公報

特開平4-218592号公報

特開平4-249593号公報

特開2000-104084号公報

特開平10-204458号公報

特開2000-297753号公報

 しかし、上記従来の冷凍機油であっても 以下の点で未だ改善の余地がある。

 すなわち、従来、冷凍空調機器の分野で 、上述のように、冷凍機油の性能評価の一 として冷媒相溶性が重視されている。しか 、冷凍機油の冷媒相溶性が良好であると、 媒の溶解により冷凍機油の粘度が低下して 滑性が不十分となりやすい。より具体的に 、冷凍システム内で冷媒が冷凍機油に溶解 ることにより冷凍機油と冷媒との混合物で る流体組成物の粘度(冷媒溶解粘度)が低下 ると、冷媒圧縮機の圧縮部での吹き抜け、 滑不良などの問題が懸念される。

 なお、潤滑性を改善する方法の一つとし 高粘度化が考えられるが、冷凍機油の高粘 化は省エネルギー性や取り扱い性の観点か 望ましくない。特に、冷凍空調機器におい 冷凍機油の側から省エネルギー対策に貢献 るためには、冷凍機油を低粘度化してエネ ギー効率の向上並びに冷媒圧縮機内での撹 抵抗の低減を図る必要があり、冷凍機油の 粘度化はこのような省エネルギー対策のコ セプトに逆行することになる。

 また、冷凍機油は、冷媒存在下で使用さ るという点で、空気雰囲気等で使用される の潤滑油とはその使用環境が大きく異なる そして、このことが他の潤滑油分野におけ 潤滑性の改善技術をそのまま冷凍機油に適 できない一因となっている。

 また、冷凍機油の高粘度化により冷媒溶 粘度を維持するとその分冷媒相溶性は損な れることになるが、この場合は別の理由に り潤滑不良が懸念される。つまり、冷凍空 機器の冷媒循環システムにおいては、その 構上、冷媒圧縮機内の冷凍機油の一部が冷 と共に循環流路に吐出される。ここで、冷 圧縮機内の冷凍機油の量が不足することに る潤滑不良等を防ぐためには、吐出された 凍機油が循環流路を通って冷媒圧縮機に戻 こと(オイル戻り性)が重要であり、オイル り性の観点からは冷媒相溶性の低下は望ま いとはいえない。

 なお、相反する関係にある冷凍機油の低 度化と冷媒溶解粘度の維持とを両立するこ の困難性、並びに冷凍機油の冷媒相溶性と 媒溶解粘度の維持とを両立することの困難 は、HFC冷媒、二酸化炭素冷媒等と共に使用 れる冷凍機油の開発において共通の課題と り得るが、特に二酸化炭素冷媒の場合は、 媒溶解粘度の低下が顕著であるため上記の 難性がより高いものであるといえる。

 本発明は、このような実情に鑑みてなさ たものであり、その目的は、低粘度化と冷 溶解粘度の維持との両立並びに冷凍機油の 媒相溶性と冷媒溶解粘度の維持との両立が 能な冷凍機油を提供することにある。

 本発明者らは、上記目的を達成するため 、まず、上記課題の中でも特に達成が困難 あると考えられる二酸化炭素冷媒の共存下 のエステル系冷凍機油の二酸化炭素冷媒と 冷媒溶解粘度の改善について検討した。そ 結果、脂肪酸と多価アルコールとのエステ における脂肪酸組成が二酸化炭素冷媒の共 下での冷媒溶解粘度についての重要な決定 子であることが判明した。そして、かかる 見に基づいて更に検討を重ねた結果、本発 者らは、エステルの構成脂肪酸として特定 脂肪酸組成を有する脂肪酸を、構成アルコ ルとして多価アルコールを、それぞれ用い ことによって上記課題が解決されることを 出し、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明の冷凍機油は、炭素数1 0~13の分岐脂肪酸の割合が50モル%以上である 肪酸と多価アルコールとのエステル(以下、 本発明にかかるエステル」ともいう。)を含 有することを特徴とする。

 本発明の冷凍機油は、上記構成を備える め、二酸化炭素冷媒と共に用いる場合であ ても、相反する関係にある冷凍機油の低粘 化と冷媒溶解粘度の維持とを両立すること でき、また、冷媒相溶性と冷媒溶解粘度の 持とを両立することができる。さらに、本 明の冷凍機油は熱・化学的安定性及び電気 縁性にも優れる。したがって、本発明の冷 機油を用いることによって、冷媒圧縮機の 動部における冷媒ガスのシール性、摺動部 おける潤滑性、冷媒圧縮機のエネルギー効 の全てを高水準で達成することができ、そ 結果、冷凍空調機器の省エネルギー性と高 頼性とを両立することができる。

 また、本発明の冷凍機油においては、 13 C-NMR分析法により得られる、本発明にかかる ステルを構成する脂肪酸の構成炭素に占め 3級炭素の割合が2質量%以上であることが好 しい。

 また、本発明の冷凍機油が適用される冷 空調機器の冷媒は特に制限されないが、本 明の冷凍機油は、特に二酸化炭素冷媒と共 用いられる場合に、上述の優れた効果を発 することができるものである。

 また、本発明は、炭素数10~13の分岐脂肪 の割合が50モル%以上である脂肪酸と多価ア コールとのエステルと、冷媒とを含有する とを特徴とする冷凍機用作動流体組成物を 供する。

 本発明の冷凍機用作動流体組成物は、上 本発明の冷凍機油を含有するため、二酸化 素冷媒を含有する場合であっても、相反す 関係にある冷凍機油の低粘度化と冷媒溶解 度の維持とを両立することができ、また、 媒相溶性と冷媒溶解粘度の維持とを両立す ことができる。さらに、本発明の冷凍機油 熱・化学的安定性及び電気絶縁性にも優れ 。したがって、本発明の冷凍機用作動流体 成物を用いることによって、冷媒圧縮機の 動部における冷媒ガスのシール性、摺動部 おける潤滑性、冷媒圧縮機のエネルギー効 の全てを高水準で達成することができ、そ 結果、冷凍空調機器の省エネルギー性と高 頼性とを両立することができる。

 本発明の冷凍機用作動流体組成物に含ま る冷媒は特に制限されないが、特に冷媒が 酸化炭素冷媒を含有する場合に、上述の優 た効果を発揮することができる。

 以上の通り、本発明によれば、低粘度化 冷媒溶解粘度の維持との両立並びに冷凍機 の冷媒相溶性と冷媒溶解粘度の維持との両 が可能な冷凍機油及び冷凍機用作動流体組 物が提供される。

実施例において使用した冷媒溶解粘度 定装置を示す概略構成図である。

符号の説明

 1・・・粘度計、2・・・圧力計、3・・・ 電対、4・・・攪拌子、5・・・圧力容器、6 ・・恒温槽、7・・・流路、8・・・サンプ ングボンベ。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

 本発明の冷凍機油は、脂肪酸に占める炭 数10~13の分岐脂肪酸の割合が50モル%以上で る脂肪酸と多価アルコールとのポリオール ステルを含有することを特徴とする。また 本発明の冷凍機用作動流体組成物は、炭素 10~13の分岐脂肪酸の割合が50モル%以上である 脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、冷 媒とを含有する。なお、本発明の冷凍機用作 動流体組成物には、本発明の冷凍機油と冷媒 とを含有する態様が包含される。

 本発明にかかるエステルにおいては、二 化炭素冷媒の共存下での相溶性及び冷媒溶 粘度を好適に確保する観点から、構成脂肪 に占める炭素数10~13の脂肪酸の割合が50モル %以上、好ましくは60~100モル%、さらに好まし は80~100モル%、最も好ましくは90~100モル%で ることが必要である。炭素数10~13の脂肪酸の 割合が50モル%未満の場合、二酸化炭素冷媒と の相溶性と二酸化炭素冷媒共存下での冷媒溶 解粘度が両立できず好ましくない。

 またさらに、本発明にかかるエステルに いては、二酸化炭素冷媒の共存下での相溶 及び冷媒溶解粘度を好適に確保する観点か 、構成脂肪酸に占める炭素数13の分岐脂肪 の割合が50モル%以上であることが必要であ 、より好ましくは60~100モル%、更に好ましく 70~100モル%であることが必要である。

 また、構成脂肪酸は、炭素数10~13の分岐 肪酸の割合が上記条件を満たす限りにおい 、分岐脂肪酸のみを含むものであってもよ 、あるいは分岐脂肪酸と直鎖脂肪酸との混 物であってもよい。さらに、構成脂肪酸は 炭素数10~13の分岐脂肪酸以外の脂肪酸を含ん でいてもよい。炭素数10~13の分岐脂肪酸以外 脂肪酸としては、例えば、炭素数6~24の直鎖 脂肪酸、炭素数6~9、14~24の分岐脂肪酸が挙げ れ、より具体的には、直鎖状又は分岐状の キサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸 直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又 分岐状のノナン酸、直鎖状のデカン酸、直 状のウンデカン酸、直鎖状のドデカン酸、 鎖状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状の トラデカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタ カン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン 、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直 状又は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状又 分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状 イコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコ ン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直 状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は 岐状のテトラコサン酸等が挙げられる。

 本発明にかかるエステルにおいては、相溶 と冷媒溶解粘度のバランスの観点から、そ 構成脂肪酸の構成炭素に占める3級炭素の割 合が2質量%以上、好ましくは2~10質量%、さら 好ましくは2.5~5質量%であることが望ましい 上記3級炭素の割合は 13 C-NMR分析法により求めることができる。

 また、本発明にかかるエステルを構成す 多価アルコールとしては、水酸基を2~6個有 る多価アルコールが好ましく用いられる。 酸化炭素冷媒の共存下で非常に高水準の潤 性を得る観点からは、水酸基を4~6個有する 価アルコールを用いることが好ましい。ま 、エネルギー効率等の観点から、冷凍機油 低粘度化が求められる場合があるが、本発 にかかるエステルを構成する多価アルコー として水酸基を2個又は3個有する多価アル ールを用いると、二酸化炭素冷媒の共存下 の潤滑性と低粘度化とを高水準で両立する とができる。

 2価アルコール(ジオール)としては、具体 には例えば、エチレングリコール、1,3-プロ パンジオール、プロピレングリコール、1,4- タンジオール、1,2-ブタンジオール、2ーメチ ル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオー ル、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサン オール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオ ル、1,7-ヘプタンジオール、2-メチル-2-プロ ル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3- ロパンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9- ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11- ンデカンジオール、1,12-ドデカンジオールな どが挙げられる。また、3価以上のアルコー としては、具体的には例えば、トリメチロ ルエタン、トリメチロールプロパン、トリ チロールブタン、ジ-(トリメチロールプロパ ン)、トリ-(トリメチロールプロパン)、ペン エリスリトール、ジ-(ペンタエリスリトール )、トリ-(ペンタエリスリトール)、グリセリ 、ポリグリセリン(グリセリンの2~20量体)、1, 3,5ーペンタントリオール、ソルビトール、ソ ルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、 アドニトール、アラビトール、キシリトール 、マンニトールなどの多価アルコール、キシ ロース、アラビノース、リボース、ラムノー ス、グルコース、フルクトース、ガラクトー ス、マンノース、ソルボース、セロビオース 、マルトース、イソマルトース、トレハロー ス、シュクロース、ラフィノース、ゲンチア ノース、メレジトースなどの糖類、ならびに これらの部分エーテル化物、およびメチルグ ルコシド(配糖体)などが挙げられる。これら 中でも、ネオペンチルグリコール、トリメ ロールエタン、トリメチロールプロパン、 リメチロールブタン、ジ-(トリメチロール ロパン)、トリ-(トリメチロールプロパン)、 ンタエリスリトール、ジ-(ペンタエリスリ ール)、トリ-(ペンタエリスリトール)などの ンダードアルコールが好ましい。

 なお、本発明にかかるエステルは、多価 ルコールの水酸基の一部がエステル化され に水酸基のまま残っている部分エステルで っても良く、全ての水酸基がエステル化さ た完全エステルであっても良く、また部分 ステルと完全エステルの混合物であっても いが、完全エステルであることが好ましい

 本発明にかかるエステルとしては、より 水分解安定性に優れることから、ネオペン ルグリコール、トリメチロールエタン、ト メチロールプロパン、トリメチロールブタ 、ジ-(トリメチロールプロパン)、トリ-(ト メチロールプロパン)、ペンタエリスリトー 、ジ-(ペンタエリスリトール)、トリ-(ペン エリスリトール)などのヒンダードアルコー のエステルがより好ましく、ネオペンチル リコール、トリメチロールエタン、トリメ ロールプロパン、トリメチロールブタンお びペンタエリスリトールのエステルがさら より好ましく、ペンタエリスリトール、ト メチロールプロパン、ネオペンチルグリコ ルがさらに好ましく、冷媒との相溶性およ 加水分解安定性に特に優れることからペン エリスリトールのエステルが最も好ましい

 本発明にかかるエステルは、単一の構造 エステルの1種からなるものであっても良く 、構造の異なる2種以上のエステルの混合物 あっても良い。

 また、本発明にかかるエステルは、1種の 脂肪酸と1種の多価アルコールとのエステル 2種以上の脂肪酸と1種の多価アルコールとの エステル、1種の脂肪酸と2種以上の多価アル ールとのエステル、2種以上の脂肪酸と2種 上の多価アルコールとのエステルのいずれ あってもよい。これらの中でも、混合脂肪 を用いたポリオールエステル、特にエステ 分子中に2種以上の脂肪酸を含んで構成され ポリオールエステルは、低温特性や冷媒と 相溶性に優れる。

 本発明の冷凍機油において、本発明にか るエステルの含有量は特に制限されないが 潤滑性、冷媒相溶性、熱・化学安定性、電 絶縁性等の各種性能により優れる点から、 凍機油全量基準で、50質量%以上含有するこ が好ましく、70質量%以上含有することがよ 好ましく、80質量%以上含有することがさら より好ましく、90質量%以上含有することが も好ましい。

 本発明の冷凍機油は、本発明にかかるエ テルのみからなるものであってもよいが、 発明にかかるエステル以外の基油をさらに 有してもよい。本発明にかかるエステル以 の基油としては、鉱油、オレフィン重合体 ナフタレン化合物、アルキルベンゼン等の 化水素系油、並びに本発明にかかるエステ 以外のエステル系基油(モノエステル、構成 脂肪酸として直鎖脂肪酸のみを含むポリオー ルエステル等)、ポリグリコール、ポリビニ エーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオ エーテルなどの酸素を含有する合成油を併 して用いても良い。酸素を含有する合成油 しては、上記の中でも本発明にかかるエス ル以外のエステル系基油、ポリグリコール ポリビニルエーテルが好ましく用いられる

 また、本発明の冷凍機油は、本発明にか るエステルを含有するため添加剤未添加の 態でも好適に用いることができるが、必要 応じて各種添加剤を配合した形で使用する ともできる。

 本発明の冷凍機油の耐摩耗性、耐荷重性 さらに改良するために、リン酸エステル、 性リン酸エステル、チオリン酸エステル、 性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン エステルおよび亜リン酸エステルからなる より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を 配合することができる。これらのリン化合物 は、リン酸または亜リン酸とアルカノール、 ポリエーテル型アルコールとのエステルある いはその誘導体である。

 具体的には例えば、リン酸エステルとし は、トリブチルホスフェート、トリペンチ ホスフェート、トリヘキシルホスフェート トリヘプチルホスフェート、トリオクチル スフェート、トリノニルホスフェート、ト デシルホスフェート、トリウンデシルホス ェート、トリドデシルホスフェート、トリ リデシルホスフェート、トリテトラデシル スフェート、トリペンタデシルホスフェー 、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘ タデシルホスフェート、トリオクタデシル スフェート、トリオレイルホスフェート、 リフェニルホスフェート、トリクレジルホ フェート、トリキシレニルホスフェート、 レジルジフェニルホスフェート、キシレニ ジフェニルホスフェートなどが挙げられる

 酸性リン酸エステルとしては、モノブチ アシッドホスフェート、モノペンチルアシ ドホスフェート、モノヘキシルアシッドホ フェート、モノヘプチルアシッドホスフェ ト、モノオクチルアシッドホスフェート、 ノノニルアシッドホスフェート、モノデシ アシッドホスフェート、モノウンデシルア ッドホスフェート、モノドデシルアシッド スフェート、モノトリデシルアシッドホス ェート、モノテトラデシルアシッドホスフ ート、モノペンタデシルアシッドホスフェ ト、モノヘキサデシルアシッドホスフェー 、モノヘプタデシルアシッドホスフェート モノオクタデシルアシッドホスフェート、 ノオレイルアシッドホスフェート、ジブチ アシッドホスフェート、ジペンチルアシッ ホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフ ート、ジヘプチルアシッドホスフェート、 オクチルアシッドホスフェート、ジノニル シッドホスフェート、ジデシルアシッドホ フェート、ジウンデシルアシッドホスフェ ト、ジドデシルアシッドホスフェート、ジ リデシルアシッドホスフェート、ジテトラ シルアシッドホスフェート、ジペンタデシ アシッドホスフェート、ジヘキサデシルア ッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッ ホスフェート、ジオクタデシルアシッドホ フェート、ジオレイルアシッドホスフェー などが挙げられる。

 チオリン酸エステルとしては、トリブチ ホスフォロチオネート、トリペンチルホス ォロチオネート、トリヘキシルホスフォロ オネート、トリヘプチルホスフォロチオネ ト、トリオクチルホスフォロチオネート、 リノニルホスフォロチオネート、トリデシ ホスフォロチオネート、トリウンデシルホ フォロチオネート、トリドデシルホスフォ チオネート、トリトリデシルホスフォロチ ネート、トリテトラデシルホスフォロチオ ート、トリペンタデシルホスフォロチオネ ト、トリヘキサデシルホスフォロチオネー 、トリヘプタデシルホスフォロチオネート トリオクタデシルホスフォロチオネート、 リオレイルホスフォロチオネート、トリフ ニルホスフォロチオネート、トリクレジル スフォロチオネート、トリキシレニルホス ォロチオネート、クレジルジフェニルホス ォロチオネート、キシレニルジフェニルホ フォロチオネートなどが挙げられる。

 酸性リン酸エステルのアミン塩としては 前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、 チルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ 、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプ ルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミ 、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ チルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシ アミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルア ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン トリプロピルアミン、トリブチルアミン、 リペンチルアミン、トリヘキシルアミン、 リヘプチルアミン、トリオクチルアミンな のアミンとの塩が挙げられる。

 塩素化リン酸エステルとしては、トリス ジクロロプロピルホスフェート、トリス・ ロロエチルホスフェート、トリス・クロロ ェニルホスフェート、ポリオキシアルキレ ・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェートな どが挙げられる。亜リン酸エステルとしては 、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスフ ァイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチ ルホスファイト、ジオクチルホスファイト、 ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイ ト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシル ホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジ フェニルホスファイト、ジクレジルホスファ イト、トリブチルホスファイト、トリペンチ ルホスファイト、トリヘキシルホスファイト 、トリヘプチルホスファイト、トリオクチル ホスファイト、トリノニルホスファイト、ト リデシルホスファイト、トリウンデシルホス ファイト、トリドデシルホスファイト、トリ オレイルホスファイト、トリフェニルホスフ ァイト、トリクレジルホスファイトなどが挙 げられる。また、これらの混合物も使用でき る。

 本発明の冷凍機油が上記リン化合物を含 する場合、リン化合物の含有量は特に制限 れないが、冷凍機油全量基準(基油と全配合 添加剤の合計量基準)で、0.01~5.0質量%である とが好ましく、0.02~3.0質量%であることがよ 好ましい。なお、上記リン化合物は1種を単 で用いてもよく、2種以上を併用してもよい 。

 また、本発明の冷凍機油は、その安定性 さらに改良するために、フェニルグリシジ エーテル型エポキシ化合物、アルキルグリ ジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジ エステル型エポキシ化合物、アリルオキシ ン化合物、アルキルオキシラン化合物、脂 式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノ ステルおよびエポキシ化植物油から選ばれ 少なくとも1種のエポキシ化合物を含有する ことができる。

 フェニルグリシジルエーテル型エポキシ 合物としては、具体的には、フェニルグリ ジルエーテルまたはアルキルフェニルグリ ジルエーテルが例示できる。ここでいうア キルフェニルグリシジルエーテルとは、炭 数1~13のアルキル基を1~3個有するものが挙げ られ、中でも炭素数4~10のアルキル基を1個有 るもの、例えばn-ブチルフェニルグリシジ エーテル、i-ブチルフェニルグリシジルエー テル、sec-ブチルフェニルグリシジルエーテ 、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、 ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキ シルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチル フェニルグリシジルエーテル、オクチルフェ ニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグ リシジルエーテル、デシルフェニルグリシジ ルエーテルなどが好ましいものとして例示で きる。

 アルキルグリシジルエーテル型エポキシ 合物としては、具体的には、デシルグリシ ルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテ 、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシ グリシジルエーテル、テトラデシルグリシ ルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジル ーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ ルエーテル、トリメチロールプロパントリ リシジルエーテル、ペンタエリスリトール トラグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオ ルジグリシジルエーテル、ソルビトールポ グリシジルエーテル、ポリアルキレングリ ールモノグリシジルエーテル、ポリアルキ ングリコールジグリシジルエーテルなどが 示できる。

 グリシジルエステル型エポキシ化合物と ては、具体的には、フェニルグリシジルエ テル、アルキルグリシジルエステル、アル ニルグリシジルエステルなどが挙げられ、 ましいものとしては、グリシジル-2,2-ジメ ルオクタノエート、グリシジルベンゾエー 、グリシジルアクリレート、グリシジルメ クリレートなどが例示できる。

 アリルオキシラン化合物としては、具体 には、1,2-エポキシスチレン、アルキル-1,2- ポキシスチレンなどが例示できる。

 アルキルオキシラン化合物としては、具 的には、1,2-エポキシブタン、1,2-エポキシ ンタン、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシ ヘプタン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキ ノナン、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシ ンデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキ シトリデカン、1,2-エポキシテトラデカン、1, 2-エポキシペンタデカン、1,2-エポキシヘキサ デカン、1,2-エポキシヘプタデカン、1,1,2-エ キシオクタデカン、2-エポキシノナデカン、 1,2-エポキシイコサンなどが例示できる。

 脂環式エポキシ化合物としては、具体的 は、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポ シシクロペンタン、3,4-エポキシシクロヘキ ルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカル キシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシ ルメチル)アジペート、エキソ-2,3-エポキシノ ルボルナン、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシク ヘキシルメチル)アジペート、2-(7-オキサビ クロ[4.1.0]ヘプト-3-イル)-スピロ(1,3-ジオキ ン-5,3’-[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4- (1’-メチルエポキシエチル)-1,2-エポキシ-2-メ チルシクロヘキサン、4-エポキシエチル-1,2- ポキシシクロヘキサンなどが例示できる。

 エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては 具体的には、エポキシ化された炭素数12~20 脂肪酸と炭素数1~8のアルコールまたはフェ ール、アルキルフェノールとのエステルな が例示できる。特にエポキシステアリン酸 ブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキ ル、メトキシエチル、オクチル、フェニル よびブチルフェニルエステルが好ましく用 られる。

 エポキシ化植物油としては、具体的には 大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエ キシ化合物などが例示できる。

 これらのエポキシ化合物の中でも好まし ものは、フェニルグリシジルエーテル型エ キシ化合物、グリシジルエステル型エポキ 化合物、脂環式エポキシ化合物およびエポ シ化脂肪酸モノエステルである。中でもフ ニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物 よびグリシジルエステル型エポキシ化合物 より好ましく、フェニルグリシジルエーテ 、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ア キルグリシジルエステルもしくはこれらの 合物が特に好ましい。

 本発明の冷凍機油が上記エポキシ化合物 含有する場合、エポキシ化合物の含有量は に制限されないが、冷凍機油全量基準で、0 .1~5.0質量%であることが好ましく、0.2~2.0質量% であることがより好ましい。なお、上記エポ キシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2 以上を併用してもよい。

 さらに本発明の冷凍機油は、その性能を らに高めるため、必要に応じて従来より公 の冷凍機油添加剤を含有することができる かかる添加剤としては、例えばジ-tert-ブチ -p-クレゾール、ビスフェノールA等のフェノ ール系の酸化防止剤、フェニル-α-ナフチル ミン、N,N-ジ(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミ ン等のアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸 亜鉛などの摩耗防止剤、塩素化パラフィン、 硫黄化合物等の極圧剤、脂肪酸等の油性剤、 シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリアゾー ル等の金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流 動点降下剤、清浄分散剤等が挙げられる。こ れらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく 2種以上を組み合わせて用いてもよい。これ の添加剤の含有量は特に制限されないが、 凍機油全量基準で、好ましくは10質量%以下 より好ましくは5質量%以下である。

 本発明の冷凍機油の動粘度は特に限定され いが、40℃における動粘度は、好ましくは3~ 1000mm 2 /s、より好ましくは4~500mm 2 /s、最も好ましくは5~400mm 2 /sとすることができる。また、100℃における 粘度は好ましくは1~100mm 2 /s、より好ましくは2~50mm 2 /sとすることができる。

 また、本発明の冷凍機油の体積抵抗率は特 限定されないが、好ましくは1.0×10 12 ω・cm以上、より好ましくは1.0×10 13 ω・cm以上、最も好ましくは1.0×10 14 ω・cm以上とすることができる。特に、密閉 の冷凍機用に用いる場合には高い電気絶縁 が必要となる傾向にある。なお、本発明に いて、体積抵抗率とは、JIS C 2101「電気絶 油試験方法」に基づいて測定した25℃での値 を意味する。

 また、本発明の冷凍機油の水分含有量は に限定されないが、冷凍機油全量基準で好 しくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下 最も好ましくは50ppm以下とすることができ 。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には 油の安定性や電気絶縁性への影響の観点か 、水分含有量が少ないことが求められる。

 また、本発明の冷凍機油の酸価は特に限 されないが、冷凍機または配管に用いられ いる金属への腐食を防止するため、および 発明の冷凍機油に含有されるエステル油の 解を防止するため、好ましくは0.1mgKOH/g以下 、より好ましくは0.05mgKOH/g以下とすることが きる。なお、本発明において、酸価とは、J IS K 2501「石油製品および潤滑油-中和価試験 方法」に基づいて測定した酸価を意味する。

 また、本発明の冷凍機油の灰分は特に限 されないが、本発明の冷凍機油の安定性を めスラッジ等の発生を抑制するため、好ま くは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下と ることができる。なお、本発明において、 分とは、JIS K 2272「原油および石油製品の 分並びに硫酸灰分試験方法」に基づいて測 した灰分の値を意味する。

 本発明の冷凍機油は、特に二酸化炭素冷 と共に用いられる場合にその優れた効果を 揮するものであるが、使用される冷媒は、 酸化炭素冷媒単独であってもよく、二酸化 素冷媒以外の冷媒単独であってもよく、あ いは二酸化炭素冷媒と他の冷媒との混合冷 であってもよい。二酸化炭素冷媒以外の冷 としては、HFC冷媒、パーフルオロエーテル 等の含フッ素エーテル系冷媒、テトラフル ロプロペン、3フッ化ヨウ化メタン、ジメチ ルエーテル、アンモニア、炭化水素などが挙 げられる。

 HFC冷媒としては、炭素数1~3、好ましくは1 ~2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる 具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC-32 )、トリフルオロメタン(HFC-23)、ペンタフルオ ロエタン(HFC-125)、1,1,2,2-テトラフルオロエタ (HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134 a)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、1,1-ジ ルオロエタン(HFC-152a)などのHFC、またはこれ の2種以上の混合物などが挙げられる。これ らの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択 されるが、例えばHFC-32単独;HFC-23単独;HFC-134a 独;HFC-125単独;HFC-134a/HFC-32=60~80質量%/40~20質量% の混合物;HFC-32/HFC-125=40~70質量%/60~30質量%の混 物;HFC-125/HFC-143a=40~60質量%/60~40質量%の混合物 ;HFC-134a/HFC-32/HFC-125=60質量%/30質量%/10質量%の混 合物;HFC-134a/HFC-32/HFC-125=40~70質量%/15~35質量%/5~4 0質量%の混合物;HFC-125/HFC-134a/HFC-143a=35~55質量%/ 1~15質量%/40~60質量%の混合物などが好ましい例 として挙げられる。さらに具体的には、HFC-13 4a/HFC-32=70/30質量%の混合物;HFC-32/HFC-125=60/40質 %の混合物;HFC-32/HFC-125=50/50質量%の混合物(R410A );HFC-32/HFC-125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC-125/HFC -143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC-32/HFC-125/HFC-134 a=30/10/60質量%の混合物;HFC-32/HFC-125/HFC-134a=23/25/ 52質量%の混合物(R407C);HFC-32/HFC-125/HFC-134a=25/15/6 0質量%の混合物(R407E);HFC-125/HFC-134a/HFC-143a=44/4/5 2質量%の混合物(R404A)などが挙げられる。

 含フッ素エーテル系冷媒としては、具体 には、HFE-134p、HFE-245mc、HFE-236mf、HFE-236me、HF E-338mcf、HFE-365mc-f、HFE-245mf、HFE-347mmy、HFE-347mcc 、HFE-125、HFE-143m、HFE-134m、HFE-227meなどが挙げ れる。

 テトラフルオロプロペン冷媒としては、1 ,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、2,3,3 ,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)などがあ げられる。

 また、炭化水素冷媒としては、25℃、1気 で気体のものが好ましく用いられる。具体 には炭素数1~5、好ましくは1~4のアルカン、 クロアルカン、アルケンまたはこれらの混 物である。具体的には例えば、メタン、エ レン、エタン、プロピレン、プロパン、シ ロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロ タン、メチルシクロプロパンまたはこれら 2種以上の混合物などがあげられる。これら の中でも、プロパン、ブタン、イソブタンま たはこれらの混合物が好ましい。

 二酸化炭素とHFC冷媒、含フッ素エーテル 冷媒、ジメチルエーテル、アンモニア、と 混合比は特に制限されないが、二酸化炭素 媒と併用する冷媒の合計量は、二酸化炭素1 00質量部に対して、好ましくは1~200質量部、 り好ましくは10~100質量部である。好適な態 としては、二酸化炭素冷媒とハイドロフル ロカーボンおよび/または炭化水素とを、二 化炭素100質量部に対してハイドロフルオロ ーボンと炭化水素合計量として好ましくは1 ~200質量部、より好ましくは10~100質量部を配 した混合冷媒が挙げられる。

 本発明の冷凍機油は、通常、冷凍空調機 においては上述したような二酸化炭素を含 する冷媒と混合された冷凍機用流体組成物 形で存在している。この組成物における冷 機油と冷媒との配合割合は特に制限されな が、冷媒100質量部に対して冷凍機油が好ま くは1~500質量部、より好ましくは2~400質量部 である。

 本発明の冷凍機油及び冷凍機用作動流体 成物は、その優れた電気特性や低い吸湿性 ら、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を有 るルームエアコン、パッケージエアコン及 冷蔵庫に好ましく用いられる。また、本発 の冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物は 自動車用エアコンや除湿機、給湯器、冷凍 、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケー 、化学プラント等の冷却装置等に好ましく いられる。さらに、本発明の冷凍機油及び 凍機用作動流体組成物は、遠心式の圧縮機 有するものにも好ましく用いられる。

 以下、実施例及び比較例に基づき本発明 更に具体的に説明するが、本発明は以下の 施例に何ら限定されるものではない。

[脂肪酸の組成]
 以下の実施例で用いた脂肪酸Aおよび脂肪酸 Bの組成を表1に示す。

[実施例1~10、比較例1~6]
 実施例1~10および比較例1~6においては、それ ぞれ以下に示す基油1~16を用いて冷凍機油を 製した。得られた冷凍機油の各種性状を表2~ 表5に示す。

(基油)
基油1:脂肪酸Aとペンタエリスリトールとのエ ステル
基油2:脂肪酸A及びn-デカン酸の混合脂肪酸(混 合比(質量比):脂肪酸A/n-デカン酸=85/15)とペン エリスリトールとのエステル
基油3:脂肪酸A及び3,5,5-トリメチルヘキサン酸 の混合脂肪酸(混合比(質量比):脂肪酸A/3,5,5-ト リメチルヘキサン酸=85/15)とペンタエリスリ ールとのエステル
基油4:脂肪酸A及びn-デカン酸の混合脂肪酸(混 合比(質量比):脂肪酸A/n-デカン酸=70/30)とペン エリスリトールとのエステル
基油5:脂肪酸A及び3,5,5-トリメチルヘキサン酸 の混合脂肪酸(混合比(質量比):脂肪酸A/3,5,5-ト リメチルヘキサン酸=70/30)とペンタエリスリ ールとのエステル
基油6:脂肪酸Bとペンタエリスリトールとのエ ステル
基油7:脂肪酸B及びn-デカン酸の混合脂肪酸(混 合比(質量比):脂肪酸B/n-デカン酸=85/15)とペン エリスリトールとのエステル
基油8:脂肪酸B及び3,5,5-トリメチルヘキサン酸 の混合脂肪酸(混合比(質量比):脂肪酸B/3,5,5-ト リメチルヘキサン酸=85/15)とペンタエリスリ ールとのエステル
基油9:脂肪酸B及びn-デカン酸の混合脂肪酸(混 合比(質量比):脂肪酸B/n-デカン酸=70/30)とペン エリスリトールとのエステル
基油10:脂肪酸B及び3,5,5-トリメチルヘキサン の混合脂肪酸(混合比(質量比):脂肪酸B/3,5,5- リメチルヘキサン酸=70/30)とペンタエリスリ ールとのエステル
基油11:2-エチルヘキサン酸および3,5,5-トリメ ルヘキサン酸の混合脂肪酸(混合比:2-エチル ヘキサン酸/3,5,5-トリメチルヘキサン酸=50/50( ル比))とジペンタエリスリトールとのエス ル
基油12:オレイン酸とペンタエリスリトールと のエステル
基油13:ステアリン酸とペンタエリスリトール とのエステル
基油14:脂肪酸A及びn-デカン酸の混合脂肪酸( 合比(質量比):脂肪酸A/n-デカン酸=40/60)とペン タエリスリトールとのエステル
基油15:脂肪酸A及び3,5,5-トリメチルヘキサン の混合脂肪酸(混合比(質量比):脂肪酸A/3,5,5-ト リメチルヘキサン酸=40/60)とペンタエリスリ ールとのエステル
基油16:ポリプロピレングリコールモノメチル エーテル。

 次に、実施例1~10および比較例1~6の各冷凍 機油について、以下に示す評価試験を実施し た。

 (冷媒相溶性)
 JIS-K-2211「冷凍機油」の「冷媒との相溶性試 験方法」に準拠して、二酸化炭素冷媒18gに対 して冷凍機油を2g配合し、二酸化炭素冷媒と 凍機油とが0℃において相互に溶解している かを観察し、「相溶」、「白濁」、「分離」 として評価した。得られた結果を表2~表5に示 す。

 (冷媒溶解粘度)
 図1に示す装置は、粘度計1、圧力計2、熱電 3および撹拌子4を備える圧力容器5(ステンレ ス製、内容積:200ml)と、圧力容器5内の温度を 御するための恒温槽6と、バルブを備えてお り流路7を介して圧力容器5と接続されたサン リングボンベ8とを備えている。なお、サン プリングボンベ8と流路7とは脱着可能であり サンプリングボンベ8は、測定に際し、真空 脱気した後、あるいは二酸化炭素冷媒と冷凍 機油との混合物を秤取した後でその重量を測 定することが可能となっている。また、熱電 対3および恒温槽6はそれぞれ温度制御手段(図 示せず)と電気的に接続されており、熱電対3 ら温度制御手段に試料油(または二酸化炭素 冷媒と冷凍機油との混合物)の温度に関する ータ信号が送られるとともに、温度制御手 から恒温槽6に制御信号が送られて、冷凍機 または混合物の温度を制御することが可能 なっている。さらに、粘度計1は情報処理装 置(図示せず)と電気的に接続されており、圧 容器5内の液体の粘度に関する測定データが 粘度計1から情報処理装置に送られて、所定 条件下での粘度を測定することが可能とな ている。

 本試験においては、先ず、圧力容器5内に 冷凍機油100gを入れて容器内を真空脱気した 、二酸化炭素冷媒を導入し、二酸化炭素冷 と冷凍機油との混合物を撹拌子4で攪拌しか 冷媒を抜きながら40℃で5MPaになるよう調整 た。安定させた後、二酸化炭素冷媒と冷凍 油との混合物の粘度を測定した。得られた4 0℃のおける冷媒溶解粘度の測定結果を表2~表 5に示す。

 (電気絶縁性)
 JIS-C-2101「電気絶縁油試験方法」に基づいて 、25℃における冷凍機油の体積抵抗率を測定 た。得られた結果を表2~表5に示す。

 (熱安定性)
 オートクレーブ中に、冷凍機油90gと二酸化 素冷媒10gと触媒(鉄、銅、アルミの各線)を 入した後、200℃に加熱して2週間保持した。2 週間後の冷凍機油について全酸価を測定した 。得られた結果を表2~表5に示す。

 (潤滑性)
 ASTM D 2670“FALEX WEAR TEST”に基づいて、冷 機油の温度100℃の条件下で、慣らし運転を1 50lb荷重の下に1分間行った。次いで、二酸化 素冷媒10L/hを吹き込みながら、250lb荷重の下 に2時間試験機を運転し、試験後のテストジ ーナル(ピン)の摩耗量を測定した。得られた 結果を表2~表5に示す。

 表2~表5に示した結果から明らかなように 実施例1~10の冷凍機油は、二酸化炭素冷媒と 共に用いた場合に、冷媒相溶性、電気絶縁性 、熱安定性、潤滑性、および動粘度の全ての 性能がバランスよく優れていることがわかる 。