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Title:
REFRIGERATOR OIL AND WORKING FLUID COMPOSITION FOR REFRIGERATING MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057475
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a refrigerator oil characterized by containing an ester of a polyhydric alcohol and a fatty acid containing 50-100% by mole of a fatty acid having 5-9 carbon atoms, not less than 30% by mole of a branched fatty acid having 5-9 carbon atoms, and not more than 40% by mole of a straight chain fatty acid having 5 or less carbon atoms. This refrigerator oil is also characterized by being used together with a fluoropropene refrigerant and/or a trifluoroiodomethane refrigerant. Also disclosed is a working fluid composition for refrigerating machines which is characterized by containing the above-described ester, and a fluoropropene refrigerant and/or a trifluoroiodomethane refrigerant.

Inventors:
SHIMOMURA YUJI (JP)
TAKIGAWA KATSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068974
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORP (JP)
SHIMOMURA YUJI (JP)
TAKIGAWA KATSUYA (JP)
International Classes:
C10M107/34; C09K5/04; C10M105/18; C10N30/00; C10N40/30
Domestic Patent References:
WO2007105718A12007-09-20
WO2006094303A22006-09-08
WO2005103190A12005-11-03
Foreign References:
JP2007510039A2007-04-19
JP2000319678A2000-11-21
JP2003176488A2003-06-24
JP2008208261A2008-09-11
JP2008208262A2008-09-11
JPH02242888A1990-09-27
JPH03200895A1991-09-02
JPH03217495A1991-09-25
JPH06128578A1994-05-10
JP2006512426A2006-04-13
Other References:
See also references of EP 2233553A4
SHIBATA, M., ALKYLENE OXIDE POLYMERS, 20 November 1990 (1990-11-20)
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で示されるポリアルキレングリコールと、フルオロプロペン冷媒を含有することを特徴とする冷凍機用作動流体組成物。
R 1 -(OR 3 ) n -OR 2   (1)
[式中、R 1 およびR 2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素、炭素数1~5のアルキル基または炭素数2~5のアシル基を表し、R 3 は炭素数2~4のアルキレン基を表し、nはOR 3 で表されるオキシアルキレン基の繰り返し数を表し、R 3 全体に占める炭素数2のアルキレン基の割合は30モル%以下である。]
 前記フルオロプロペン冷媒として、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,2,3,3-テトラフルオロプロペンおよび3,3,3-トリフルオロプロペンから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の冷凍機用作動流体組成物。
 フルオロプロペン冷媒の少なくとも1種と、飽和ハイドロフルオロカーボン、炭素数3~5の炭化水素、ジメチルエーテル、二酸化炭素、ビス(トリフルオロメチル)サルファイドおよび3フッ化ヨウ化メタン冷媒から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の冷凍機用作動流体組成物。
 前記フルオロプロペン冷媒が、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,2,3,3-テトラフルオロプロペンおよび3,3,3-トリフルオロプロペンから選ばれる少なくとも1種であり、前記飽和ハイドロフルオロカーボンが、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,2,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1-ジフルオロエタン、フルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンおよび1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンから選ばれる少なくとも1種であり、前記炭素数3~5の炭化水素が、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、2-メチルブタンおよびノルマルペンタンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載の冷凍機用作動流体組成物。
 下記一般式(1)で示されるポリアルキレングリコールを含有し、フルオロプロペン冷媒と共に用いられることを特徴とする冷凍機油。
R 1 -(OR 3 ) n -OR 2   (1)
[式中、R 1 およびR 2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素、炭素数1~5のアルキル基または炭素数2~5のアシル基を表し、R 3 は炭素数2~4のアルキレン基を表し、nはOR 3 で表されるオキシアルキレン基の繰り返し数を表し、R 3 全体に占める炭素数2のアルキレン基の割合は30モル%以下である。]
Description:
冷凍機油および冷凍機用作動流 組成物

 本発明は、冷凍機油および冷凍機用作動 体組成物に関する。

 近年のオゾン層破壊の問題から、従来冷 機器の冷媒として使用されてきたCFC(クロロ フルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロクロロ フルオロカーボン)が規制の対象となり、こ らに代わってHFC(ハイドロフルオロカーボン) が冷媒として使用されつつある。

 CFCやHCFCを冷媒とする場合は、冷凍機油と して鉱油やアルキルベンゼンなどの炭化水素 油が好適に使用されてきたが、冷媒が替わる と共存下で使用される冷凍機油は、冷媒との 相溶性、潤滑性、冷媒との溶解粘度、熱・化 学的安定性など予想し得ない挙動を示すため 、冷媒ごとに冷凍機油の開発が必要となる。 そこで、HFC冷媒用冷凍機油として、例えば、 ポリアルキレングリコール(特許文献1を参照) 、エステル(特許文献2を参照)、炭酸エステル (特許文献3を参照)、ポリビニルエーテル(特 文献4を参照)などが開発されている。

 HFC冷媒のうち、カーエアコン用冷媒とし 標準的に用いられているHFC-134aはオゾン破 係数(ODP)がゼロであるものの地球温暖化係数 (GWP)が高いため、欧州では規制の対象となっ いる。そこで、HFC-134aに替わる冷媒の開発 急務となっている。

 このような背景の下、HFC-134aに代わる冷 として、ODPおよびGWPの双方が非常に小さく 不燃性であり、かつ、冷媒性能の尺度であ 熱力学的特性がHFC-134aとほぼ同等かそれ以上 である、フルオロプロペン類の冷媒の使用が 提案されている。さらに、フルオロプロペン と飽和ハイドロフルオロカーボン、炭素数3~5 の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、二酸化 炭素、ビス(トリフルオロメチル)サルファイ あるいは3フッ化ヨウ化メタンとの混合冷媒 の使用も提案されている(特許文献5を参照)。

 また、フルオロプロペン冷媒あるいはフル ロプロペンと飽和ハイドロフルオロカーボ 、炭素数3~5の飽和炭化水素、ジメチルエー ル、二酸化炭素、ビス(トリフルオロメチル )サルファイドあるいは3フッ化ヨウ化メタン の混合冷媒と共に使用可能な冷凍機油とし は、鉱油、アルキルベンゼン類、ポリアル ァオレフィン類、ポリアルキレングリコー 類、モノエステル類、ジエステル類、ポリ ールエステル類、フタル酸エステル類、ア キルエーテル類、ケトン類、炭酸エステル 、ポリビニルエーテル類などを用いた冷凍 油が提案されている(特許文献5~7を参照)。

特開平02-242888号公報

特開平03-200895号公報

特開平03-217495号公報

特開平06-128578号公報

国際公開WO2006/094303号パンフレット

特表2006-512426号公報

国際公開WO2005/103190号パンフレット

 上記特許文献5、6、7に記載されているよ に、フルオロプロペン冷媒を用いる冷凍シ テムにおいては、CFCやHCFCに使用されている 鉱油やアルキルベンゼン等の炭化水素類、HFC に使用されているポリアルキレングリコール 、ポリオールエステル、ポリビニルエーテル などの冷凍機油のいずれも適用可能であると 考えられている。しかし、本発明者らの検討 によれば、これら従来の冷凍機油を当該シス テムにそのまま転用しただけでは、冷媒相溶 性を高水準で達成することができない。

 本発明は、このような実情に鑑みてなさ たものであり、フルオロプロペン冷媒を用 る冷凍システムにおいて、冷媒相溶性を高 準で達成することが可能な冷凍機油および 凍機用作動流体組成物を提供することを目 とする。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 検討を重ねた結果、特定のポリアルキレン リコールを用いることによって、フルオロ ロペン冷媒の共存下で冷媒との十分な相溶 を有する冷凍機油を実現できることを見出 、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示さ るポリアルキレングリコールと、フルオロ ロペン冷媒を含有することを特徴とする冷 機用作動流体組成物を提供する。
R 1 -(OR 3 ) n -OR 2   (1)
[式中、R 1 およびR 2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水 素、炭素数1~5のアルキル基または炭素数2~5の アシル基を表し、R 3 は炭素数2~4のアルキレン基を表し、nはOR 3 で表されるオキシアルキレン基の繰り返し数 を表し、R 3 全体に占める炭素数2のアルキレン基の割合 30モル%以下である。]

 また、本発明は、上記一般式(1)で表され ポリアルキレングリコールを含有し、フル ロプロペン冷媒と共に用いられることを特 とする冷凍機油を提供する。

 本発明の冷凍機用作動流体組成物は、フ オロプロペン冷媒として、1,2,3,3,3-ペンタフ ルオロプロペン(HFC-1225ye)、1,3,3,3-テトラフル ロプロペン(HFC-1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオ プロペン(HFC-1234yf)、1,2,3,3-テトラフルオロプ ロペン(HFC1234ye)および3,3,3-トリフルオロプロ ン(HFC-1243zf)から選ばれる少なくとも1種を含 有することが好ましい。

 また、本発明の冷凍機用作動流体組成物 、フルオロプロペン冷媒の少なくとも1種( 下、「冷媒(A)」という。)を単独で用いても く、飽和ハイドロフルオロカーボン、炭素 3~5の炭化水素、ジメチルエーテル、二酸化 素、ビス(トリフルオロメチル)サルファイ および3フッ化ヨウ化メタン冷媒から選ばれ 少なくとも1種(以下、「冷媒(B)」という。) さらに含有していてもよい。

 さらに、冷媒(A)と冷媒(B)との混合冷媒にお て、フルオロプロペン冷媒としては、1,2,3,3 ,3-ペンタフルオロプロペン(HFC-1225ye)、1,3,3,3- トラフルオロプロペン(HFC-1234ze)、2,3,3,3-テ ラフルオロプロペン(HFC-1234yf)、1,2,3,3-テトラ フルオロプロペン(HFC1234ye)および3,3,3-トリフ オロプロペン(HFC-1243zf)から選ばれる少なく も1種が好ましく;
 飽和ハイドロフルオロカーボンとしては、 フルオロメタン(HFC-32)、ペンタフルオロエ ン(HFC-125)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-1 34)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1 -ジフルオロエタン(HFC-152a)、フルオロエタン( HFC-161)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(H FC-227ea)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HF C-236ea)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC -236fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-24 5fa)および1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-36 5mfc)から選ばれる少なくとも1種が好ましく;
 炭素数3~5の炭化水素としては、プロパン、 ルマルブタン、イソブタン、2-メチルブタ およびノルマルペンタンから選ばれる少な とも1種であることが好ましい。

 以上の通り、本発明によれば、冷媒相溶 を高水準で達成することが可能な冷凍機油 よび冷凍機用作動流体組成物を提供するこ が可能となる。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

 本発明の冷凍機油は、下記一般式(1)で表さ るポリアルキレングリコール(以下、場合に より「本発明にかかるポリアルキレングリコ ール」という。)を含有し、フルオロプロペ 冷媒と共に用いられることを特徴とする。 た、本発明の冷凍機用作動流体組成物は、 記一般式(1)で表されるポリアルキレングリ ールとフルオロプロペン冷媒とを含有する とを特徴とする。ここで、本発明の冷凍機 作動流体組成物には、本発明の冷凍機油と フルオロプロペン冷媒を含有する態様が包 される。
R 1 -(OR 3 ) n -OR 2   (1)
[式中、R 1 およびR 2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水 素、炭素数1~5のアルキル基または炭素数2~5の アシル基を表し、R 3 は炭素数2~4のアルキレン基を表し、nはOR 3 で表されるオキシアルキレン基の繰り返し数 を表し、一分子中のR 3 に占める炭素数2のアルキレン基の割合は30モ ル%以下である。]

 上記式(1)中、R 1 およびR 2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水 素、炭素数1~5のアルキル基または炭素数2~5の アシル基を表す。R 1 、R 2 がそれぞれアルキル基またはアシル基である 場合、それらは直鎖状のものであっても分枝 状のものであってもよい。このようなアルキ ル基としては、具体的には、メチル基、エチ ル基、直鎖状または分枝状のプロピル基、直 鎖状または分枝状のブチル基、直鎖状または 分枝状のペンチル基など;アシル基としては 具体的には、アセチル基、直鎖状または分 状のプロパノイル基、直鎖状または分枝状 ブタノイル基、直鎖状または分枝状のペン ノイル基など、が挙げられる。これらのア キル基およびアシル基の中でも、冷媒との 溶性の点からメチル基、エチル基、直鎖状 たは分枝状のプロピル基、直鎖状または分 状のブチル基、アセチル基、直鎖状または 枝状のプロパノイル基、直鎖状または分枝 のブタノイル基がより好ましく、メチル基 エチル基、またはアセチル基がさらに好ま く、メチル基またはアセチル基が最も好ま い。なお、アルキル基およびアシル基の炭 数が5を越えると、冷媒に対して相溶性を示 組成範囲が狭くなり、冷媒圧縮機の潤滑不 や蒸発器における熱交換の阻害が起こりや くなる。また、水酸基価は特に限定されな が、100mgKOH/g以下、好ましくは50mgKOH/g以下、 さらに好ましくは30mgKOH/g以下、最も好ましく は10mgKOH/g以下であるのが望ましい。

 また、上記一般式(1)中、R 3 は炭素数2~4のアルキレン基を表す。このよう なアルキレン基としては、具体的には、エチ レン基(-CH 2 CH 2 -)、プロピレン基(-CH(CH 3 )CH 2 -)、トリメチレン基(-CH 2 CH 2 CH 2 -)、ブチレン基(-CH(CH 2 CH 3 )CH 2 -)、テトラメチレン基(-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -)などが挙げられる。これらのアルキレン基 中でも、エチレン基、プロピレン基、ブチ ン基、テトラメチレン基がより好ましい。 た、R 3 全体に占める炭素数2のアルキレン基の割合 30重量%以下、好ましくは25重量%以下、さら 好ましくは20重量%以下であることが必要で る。炭素数2のアルキレン基の割合が30重量% 超える場合には、冷媒相溶性に劣るため好 しくない。

 さらに、上記一般式(1)中、nはOR 3 で表されるオキシアルキレン基の繰り返し数 (重合度)を表し、n個のR 3 に占める炭素数2のアルキレン基の割合は30モ ル%以下である。また、式(1)で表されるポリ ルキレングリコールの数平均分子量は好ま くは500~3000、さらに好ましくは600~2000、より ましくは600~1500であり、nは当該ポリアルキ ングリコールの数平均分子量が上記の条件 満たすような数であることが好ましい。ポ アルキレングリコールの数平均分子量が低 ぎる場合にはフルオロプロペン冷媒共存下 の潤滑性が不十分となる。他方、数平均分 量が高すぎる場合には、低温条件下でフル ロプロペン冷媒に対して相溶性を示す組成 囲が狭くなり、冷媒圧縮機の潤滑不良や蒸 器における熱交換の阻害が起こりやすくな 。また、上記一般式(1)で表されるポリアル レングリコールにおいては、重量平均分子 (Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00~1.20以 であることが好ましい。Mw/Mnが1.20を越える 、フルオロプロペン冷媒と冷凍機油との相 性が不十分となる傾向にある。

 本発明にかかるポリアルキレングリコール 、従来より公知の方法を用いて合成するこ ができる(「アルキレンオキシド重合体」、 柴田満太他、海文堂、平成2年11月20日発行)。 例えば、アルコール(R 1 OH;R 1 は上記一般式(1)中のR 1 と同一の定義内容を表す)に所定のアルキレ オキサイドの1種以上を付加重合させ、さら 末端水酸基をエーテル化もしくはエステル することによって、上記一般式(1)で表され ポリアルキレングリコールが得られる。な 、上記の製造工程において異なる2種以上の アルキレンオキサイドを使用する場合、得ら れるポリアルキレングリコールはランダム共 重合体、ブロック共重合体のいずれであって もよいが、より酸化安定性に優れる傾向にあ ることからブロック共重合体であることが好 ましく、より低温流動性に優れる傾向にある ことからランダム共重合体であることが好ま しい。

 本発明にかかるポリアルキレングリコール 100℃における動粘度は5~20mm 2 /sであることが好ましく、好ましくは6~18mm 2 /s、より好ましくは7~16mm 2 /s、さらに好ましくは8~15mm 2 /s、最も好ましくは10~15mm 2 /sである。100℃における動粘度が前記下限値 満であると冷媒共存下での潤滑性が不十分 なり、他方、前記上限値を超えると、冷媒 対して相溶性を示す組成範囲が狭くなり、 媒圧縮機の潤滑不良や蒸発器における熱交 の阻害が起こりやすくなる。また、当該ポ アルキレングリコールの40℃における動粘 は、40℃における動粘度が10~200mm 2 /sであることが好ましく、20~150mm 2 /sであることがより好ましい。40℃における 粘度が10mm 2 /s未満であると潤滑性や圧縮機の密閉性が低 するという傾向にあり、また、200mm 2 /sを越えると、低温条件下で冷媒に対して相 性を示す組成範囲が狭くなり、冷媒圧縮機 潤滑不良や蒸発器における熱交換の阻害が こりやすくなる傾向にある。

 また、上記一般式(1)で表されるポリアル レングリコールの流動点は-10℃以下である とが好ましく、-20~-50℃であることがより好 ましい。流動点が-10℃以上のポリアルキレン グリコールを用いると、低温時に冷媒循環シ ステム内で冷凍機油が固化しやすくなる傾向 にある。

 また、上記一般式(1)で表されるポリアル レングリコールの製造工程において、プロ レンオキサイド等のアルキレンオキサイド 副反応を起こして分子中にアリル基などの 飽和基が形成される場合がある。ポリアル レングリコール分子中に不飽和基が形成さ ると、ポリアルキレングリコール自体の熱 定性が低下する、重合物を生成してスラッ を生成する、あるいは抗酸化性(酸化防止性 )が低下して過酸化物を生成するといった現 が起こりやすくなる。特に、過酸化物が生 すると、分解してカルボニル基を有する化 物を生成し、さらにカルボニル基を有する 合物がスラッジを生成してキャピラリー詰 りが起こりやすくなる。

 したがって、本発明にかかるポリアルキ ングリコールとしては、不飽和基等に由来 る不飽和度が低いものが好ましく、具体的 は0.04meq/g以下であることが好ましく、0.03meq /g以下であることがより好ましく、0.02meq/g以 であることが最も好ましい。また、過酸化 価は10.0meq/kg以下であることが好ましく、5.0 meq/kg以下であることがより好ましく、1.0meq/kg であることが最も好ましい。さらに、カルボ ニル価は、100重量ppm以下であることが好まし く、50重量ppm以下であることがより好ましく 20重量ppm以下であることが最も好ましい。

 なお、本発明にかかる不飽和度、過酸化 価およびカルボニル価とは、それぞれ日本 化学会制定の基準油脂分析試験法により測 した値をいう。すなわち、本発明にかかる 飽和度とは、試料にウィス液(ICl-酢酸溶液) 反応させ、暗所に放置し、その後、過剰のI Clをヨウ素に還元し、ヨウ素分をチオ硫酸ナ リウムで滴定してヨウ素価を算出し、この ウ素価をビニル当量に換算した値(meq/g)をい い;本発明にかかる過酸化物価とは、試料に ウ化カリウムを加え、生じた遊離のヨウ素 チオ硫酸ナトリウムで滴定し、この遊離の ウ素を試料1kgに対するミリ当量数に換算し 値(meq/kg)をいい;本発明にかかるカルボニル とは、試料に2,4-ジニトロフェニルヒドラジ を作用させ、発色性あるキノイドイオンを ぜしめ、この試料の480nmにおける吸光度を 定し、予めシンナムアルデヒドを標準物質 して求めた検量線を基に、カルボニル量に 算した値(重量ppm)をいう。

 本発明において、不飽和度、過酸化物価 よびカルボニル価の低いポリアルキレング コールを得るためには、プロピレンオキサ ドを反応させる際の反応温度を120℃以下(よ り好ましくは110℃以下)とすることが好まし 。また、製造に際してアルカリ触媒を使用 ることがあれば、これを除去するために無 系の吸着剤、例えば、活性炭、活性白土、 ントナイト、ドロマイト、アルミノシリケ ト等を使用すると、不飽和度を減ずること できる。また、当該ポリアルキレングリコ ルを製造または使用する際に酸素との接触 極力避けたり、酸化防止剤を添加すること よっても過酸化物価またはカルボニル価の 昇を防ぐことができる。

 本発明の冷凍機油は上記の構成を有する リアルキレングリコールを含有するもので り、当該ポリアルキレングリコールのみを 独で用いた場合であっても、低温流動性、 滑性および安定性が十分に高く、且つフル ロプロペン冷媒に対する十分に広い相溶領 を有するといった優れた特性を示すもので るが、必要に応じて後述する他の基油や添 剤を添加してもよい。なお、本発明の冷凍 油中の当該ポリアルキレングリコールの含 量については、上記の優れた特性を損なわ い限りにおいて特に制限されないが、冷凍 油全量基準で50質量%以上であることが好ま く、70質量%以上であることがより好ましく 80質量%以上であることがさらに好ましく、9 0質量%以上含有することが特に好ましい。上 一般式(1)で表されるポリアルキレングリコ ルの含有量が50質量%未満であると、冷凍機 の潤滑性、冷媒相溶性、熱・化学安定性な の各種性能のうちのいずれかが不十分とな 傾向にある。

 本発明の冷凍機油において、本発明にか るポリアルキレングリコールの含有量は特 制限されないが、潤滑性、冷媒相溶性、熱 化学的安定性、電気絶縁性等の各種性能に り優れる点から、冷凍機油全量基準で、50 量%以上含有することが好ましく、70質量%以 含有することがより好ましく、80質量%以上 有することがさらにより好ましく、90質量% 上含有することが最も好ましい。

 本発明の冷凍機油は、本発明にかかるポ アルキレングリコールのみからなるもので ってもよいが、当該ポリオールエステル以 の基油および各種添加剤をさらに含有して よい。また、本発明の冷凍機用作動流体組 物においても、本発明にかかるポリアルキ ングリコール以外の基油および各種添加剤 さらに含有してもよい。なお、以下の説明 おいて、本発明に係るポリアルキレングリ ール以外の基油および添加剤の含有量につ ては、冷凍機油全量を基準として示すが、 凍機用流体組成物におけるこれらの成分の 有量は、冷凍機油全量を基準とした場合に 述する好ましい範囲内となるように選定す ことが望ましい。

 本発明にかかるポリアルキレングリコー 以外の基油としては、鉱油、オレフィン重 体、ナフタレン化合物、アルキルベンゼン の炭化水素系油、並びにエステル系基油(モ ノエステル、ジエステル、ポリオールエステ ル等)、本発明以外のポリグリコール、ポリ ニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエー ル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフ オロエーテルなどの酸素を含有する合成油 併用して用いても良い。酸素を含有する合 油としては、上記の中でもポリオールエス ル、ポリビニルエーテルが好ましく用いら る。

 また、本発明の冷凍機油は、必要に応じ さらに各種添加剤を配合した形で使用する ともできる。なお、以下の説明において、 加剤の含有量については、冷凍機油組成物 量を基準として示すが、冷凍機用流体組成 におけるこれらの成分の含有量は、冷凍機 組成物全量を基準とした場合に後述する好 しい範囲内となるように選定することが望 しい。

 本発明の冷凍機油および冷凍機用作動流 組成物の耐摩耗性、耐荷重性をさらに改良 るために、リン酸エステル、酸性リン酸エ テル、チオリン酸エステル、酸性リン酸エ テルのアミン塩、塩素化リン酸エステルお び亜リン酸エステルからなる群より選ばれ 少なくとも1種のリン化合物を配合すること ができる。これらのリン化合物は、リン酸ま たは亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル 型アルコールとのエステルあるいはその誘導 体である。

 具体的には例えば、リン酸エステルとし は、トリブチルホスフェート、トリペンチ ホスフェート、トリヘキシルホスフェート トリヘプチルホスフェート、トリオクチル スフェート、トリノニルホスフェート、ト デシルホスフェート、トリウンデシルホス ェート、トリドデシルホスフェート、トリ リデシルホスフェート、トリテトラデシル スフェート、トリペンタデシルホスフェー 、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘ タデシルホスフェート、トリオクタデシル スフェート、トリオレイルホスフェート、 リフェニルホスフェート、トリクレジルホ フェート、トリキシレニルホスフェート、 レジルジフェニルホスフェート、キシレニ ジフェニルホスフェートなどが挙げられる

 酸性リン酸エステルとしては、モノブチ アシッドホスフェート、モノペンチルアシ ドホスフェート、モノヘキシルアシッドホ フェート、モノヘプチルアシッドホスフェ ト、モノオクチルアシッドホスフェート、 ノノニルアシッドホスフェート、モノデシ アシッドホスフェート、モノウンデシルア ッドホスフェート、モノドデシルアシッド スフェート、モノトリデシルアシッドホス ェート、モノテトラデシルアシッドホスフ ート、モノペンタデシルアシッドホスフェ ト、モノヘキサデシルアシッドホスフェー 、モノヘプタデシルアシッドホスフェート モノオクタデシルアシッドホスフェート、 ノオレイルアシッドホスフェート、ジブチ アシッドホスフェート、ジペンチルアシッ ホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフ ート、ジヘプチルアシッドホスフェート、 オクチルアシッドホスフェート、ジノニル シッドホスフェート、ジデシルアシッドホ フェート、ジウンデシルアシッドホスフェ ト、ジドデシルアシッドホスフェート、ジ リデシルアシッドホスフェート、ジテトラ シルアシッドホスフェート、ジペンタデシ アシッドホスフェート、ジヘキサデシルア ッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッ ホスフェート、ジオクタデシルアシッドホ フェート、ジオレイルアシッドホスフェー などが挙げられる。

 チオリン酸エステルとしては、トリブチ ホスフォロチオネート、トリペンチルホス ォロチオネート、トリヘキシルホスフォロ オネート、トリヘプチルホスフォロチオネ ト、トリオクチルホスフォロチオネート、 リノニルホスフォロチオネート、トリデシ ホスフォロチオネート、トリウンデシルホ フォロチオネート、トリドデシルホスフォ チオネート、トリトリデシルホスフォロチ ネート、トリテトラデシルホスフォロチオ ート、トリペンタデシルホスフォロチオネ ト、トリヘキサデシルホスフォロチオネー 、トリヘプタデシルホスフォロチオネート トリオクタデシルホスフォロチオネート、 リオレイルホスフォロチオネート、トリフ ニルホスフォロチオネート、トリクレジル スフォロチオネート、トリキシレニルホス ォロチオネート、クレジルジフェニルホス ォロチオネート、キシレニルジフェニルホ フォロチオネートなどが挙げられる。

 酸性リン酸エステルのアミン塩としては 前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、 チルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ 、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプ ルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミ 、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ チルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシ アミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルア ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン トリプロピルアミン、トリブチルアミン、 リペンチルアミン、トリヘキシルアミン、 リヘプチルアミン、トリオクチルアミンな のアミンとの塩が挙げられる。

 塩素化リン酸エステルとしては、トリス ジクロロプロピルホスフェート、トリス・ ロロエチルホスフェート、トリス・クロロ ェニルホスフェート、ポリオキシアルキレ ・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェートな どが挙げられる。亜リン酸エステルとしては 、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスフ ァイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチ ルホスファイト、ジオクチルホスファイト、 ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイ ト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシル ホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジ フェニルホスファイト、ジクレジルホスファ イト、トリブチルホスファイト、トリペンチ ルホスファイト、トリヘキシルホスファイト 、トリヘプチルホスファイト、トリオクチル ホスファイト、トリノニルホスファイト、ト リデシルホスファイト、トリウンデシルホス ファイト、トリドデシルホスファイト、トリ オレイルホスファイト、トリフェニルホスフ ァイト、トリクレジルホスファイトなどが挙 げられる。また、これらの混合物も使用でき る。

 本発明の冷凍機油および冷凍機用作動流 組成物が上記リン化合物を含有する場合、 ン化合物の含有量は特に制限されないが、 凍機油全量基準(基油と全配合添加剤の合計 量基準)で、0.01~5.0質量%であることが好まし 、0.02~3.0質量%であることがより好ましい。 お、上記リン化合物は1種を単独で用いても く、2種以上を併用してもよい。

 また、本発明の冷凍機油および冷凍機用 動流体組成物は、その熱・化学的安定性を らに改良するために、フェニルグリシジル ーテル型エポキシ化合物、アルキルグリシ ルエーテル型エポキシ化合物、グリシジル ステル型エポキシ化合物、アリルオキシラ 化合物、アルキルオキシラン化合物、脂環 エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエ テルおよびエポキシ化植物油から選ばれる なくとも1種のエポキシ化合物を含有するこ とができる。

 フェニルグリシジルエーテル型エポキシ 合物としては、具体的には、フェニルグリ ジルエーテルまたはアルキルフェニルグリ ジルエーテルが例示できる。ここでいうア キルフェニルグリシジルエーテルとは、炭 数1~13のアルキル基を1~3個有するものが挙げ られ、中でも炭素数4~10のアルキル基を1個有 るもの、例えばn-ブチルフェニルグリシジ エーテル、i-ブチルフェニルグリシジルエー テル、sec-ブチルフェニルグリシジルエーテ 、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、 ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキ シルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチル フェニルグリシジルエーテル、オクチルフェ ニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグ リシジルエーテル、デシルフェニルグリシジ ルエーテルなどが好ましいものとして例示で きる。

 アルキルグリシジルエーテル型エポキシ 合物としては、具体的には、デシルグリシ ルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテ 、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシ グリシジルエーテル、テトラデシルグリシ ルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジル ーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ ルエーテル、トリメチロールプロパントリ リシジルエーテル、ペンタエリスリトール トラグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオ ルジグリシジルエーテル、ソルビトールポ グリシジルエーテル、ポリアルキレングリ ールモノグリシジルエーテル、ポリアルキ ングリコールジグリシジルエーテルなどが 示できる。

 グリシジルエステル型エポキシ化合物と ては、具体的には、フェニルグリシジルエ テル、アルキルグリシジルエステル、アル ニルグリシジルエステルなどが挙げられ、 ましいものとしては、グリシジル-2,2-ジメ ルオクタノエート、グリシジルベンゾエー 、グリシジルアクリレート、グリシジルメ クリレートなどが例示できる。

 アリルオキシラン化合物としては、具体 には、1,2-エポキシスチレン、アルキル-1,2- ポキシスチレンなどが例示できる。

 アルキルオキシラン化合物としては、具 的には、1,2-エポキシブタン、1,2-エポキシ ンタン、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシ ヘプタン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキ ノナン、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシ ンデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキ シトリデカン、1,2-エポキシテトラデカン、1, 2-エポキシペンタデカン、1,2-エポキシヘキサ デカン、1,2-エポキシヘプタデカン、1,1,2-エ キシオクタデカン、2-エポキシノナデカン、 1,2-エポキシイコサンなどが例示できる。

 脂環式エポキシ化合物としては、具体的 は、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポ シシクロペンタン、3,4-エポキシシクロヘキ ルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカル キシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシ ルメチル)アジペート、エキソ-2,3-エポキシノ ルボルナン、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシク ヘキシルメチル)アジペート、2-(7-オキサビ クロ[4.1.0]ヘプト-3-イル)-スピロ(1,3-ジオキ ン-5,3’-[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4- (1’-メチルエポキシエチル)-1,2-エポキシ-2-メ チルシクロヘキサン、4-エポキシエチル-1,2- ポキシシクロヘキサンなどが例示できる。

 エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては 具体的には、エポキシ化された炭素数12~20 脂肪酸と炭素数1~8のアルコールまたはフェ ール、アルキルフェノールとのエステルな が例示できる。特にエポキシステアリン酸 ブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキ ル、メトキシエチル、オクチル、フェニル よびブチルフェニルエステルが好ましく用 られる。

 エポキシ化植物油としては、具体的には 大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエ キシ化合物などが例示できる。

 これらのエポキシ化合物の中でも好まし ものは、フェニルグリシジルエーテル型エ キシ化合物、グリシジルエステル型エポキ 化合物、脂環式エポキシ化合物およびエポ シ化脂肪酸モノエステルである。中でもフ ニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物 よびグリシジルエステル型エポキシ化合物 より好ましく、フェニルグリシジルエーテ 、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ア キルグリシジルエステルもしくはこれらの 合物が特に好ましい。

 本発明の冷凍機油および冷凍機用作動流 組成物が上記エポキシ化合物を含有する場 、エポキシ化合物の含有量は特に制限され いが、冷凍機油全量基準で、0.1~5.0質量%で ることが好ましく、0.2~2.0質量%であることが より好ましい。なお、上記エポキシ化合物は 、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用 てもよい。

 また、本発明の冷凍機油および冷凍機用 動流体組成物は、その性能をさらに高める め、必要に応じて従来公知の冷凍機油用添 剤を含有することができる。かかる添加剤 しては、例えばジ-tert-ブチル-p-クレゾール ビスフェノールA等のフェノール系の酸化防 止剤、フェニル-α-ナフチルアミン、N,N-ジ(2- フチル)-p-フェニレンジアミン等のアミン系 の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛などの摩耗 防止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の 極圧剤、脂肪酸等の油性剤、シリコーン系等 の消泡剤、ベンゾトリアゾール等の金属不活 性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清 浄分散剤等が挙げられる。これらの添加剤は 、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み わせて用いてもよい。これらの添加剤の含 量は特に制限されないが、冷凍機油全量基 で、好ましくは10質量%以下、より好ましく 5質量%以下である。

 本発明の冷凍機油の動粘度は特に限定され いが、40℃における動粘度は、好ましくは3~ 1000mm 2 /s、より好ましくは4~500mm 2 /s、最も好ましくは5~400mm 2 /sとすることができる。また、100℃における 粘度は好ましくは1~100mm 2 /s、より好ましくは2~50mm 2 /sとすることができる。

 また、本発明の冷凍機油の水分含有量は に限定されないが、冷凍機油全量基準で好 しくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下 最も好ましくは200ppm以下とすることができ 。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には 冷凍機油の熱・化学的安定性や電気絶縁性 の影響の観点から、水分含有量が少ないこ が求められる。

 また、本発明の冷凍機油の酸価は特に限 されないが、冷凍機または配管に用いられ いる金属への腐食を防止するため、および 発明の冷凍機油に含有されるエステルの分 を防止するため、好ましくは0.1mgKOH/g以下、 より好ましくは0.05mgKOH/g以下とすることがで る。なお、本発明において、酸価とは、JISK 2501「石油製品および潤滑油-中和価試験方法 に準拠して測定した酸価を意味する。

 また、本発明の冷凍機油の灰分は特に限 されないが、本発明の冷凍機油の熱・化学 安定性を高めスラッジ等の発生を抑制する め、好ましくは100ppm以下、より好ましくは5 0ppm以下とすることができる。なお、本発明 おいて、灰分とは、JISK2272「原油および石油 製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」に準拠 して測定した灰分の値を意味する。

 本発明の冷凍機油はフルオロプロペン冷 と共に用いられるものであり、また、本発 の冷凍機用作動流体組成物はフルオロプロ ン冷媒を含有するものである。

 フルオロプロペン冷媒としては、フッ素 が3~5のフルオロプロペンが好ましく、1,2,3,3 ,3-ペンタフルオロプロペン(HFC-1225ye)、1,3,3,3- トラフルオロプロペン(HFC-1234ze)、2,3,3,3-テ ラフルオロプロペン(HFC-1234yf)、1,2,3,3-テトラ フルオロプロペン(HFC1234ye)、および3,3,3-トリ ルオロプロペン(HFC-1243zf)のいずれかの1種ま たは2種以上の混合物であることが好ましい 冷媒物性の観点からは、HFC-1225ye、HFC-1234zeお よびHFC-1234yfから選ばれる1種又は2種以上であ ることが好ましい。

 また、本発明において使用される冷媒は フルオロプロペン冷媒と他の冷媒との混合 媒であってもよい。他の冷媒としては、HFC 媒、バーフルオロエーテル類等の含フッ素 ーテル系冷媒、ジメチルエーテル、アンモ アおよび炭化水素等の自然系冷媒が挙げら る。

 HFC冷媒としては、炭素数1~3、好ましくは1 ~2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる 具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC-32 )、トリフルオロメタン(HFC-23)、ペンタフルオ ロエタン(HFC-125)、1,1,2,2-テトラフルオロエタ (HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134 a)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、1,1-ジ ルオロエタン(HFC-152a)、フルオロエタン(HFC-16 1)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227 ea)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236e a)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa )、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa) および1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mf c)、またはこれらの2種以上の混合物が挙げら れる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じ て適宜選択されるが、例えばHFC-32単独;HFC-23 独;HFC-134a単独;HFC-125単独;HFC-134a/HFC-32=60~80質 %/40~20質量%の混合物;HFC-32/HFC-125=40~70質量%/60~3 0質量%の混合物;HFC-125/HFC-143a=40~60質量%/60~40質 %の混合物;HFC-134a/HFC-32/HFC-125=60質量%/30質量%/ 10質量%の混合物;HFC-134a/HFC-32/HFC-125=40~70質量%/1 5~35質量%/5~40質量%の混合物;HFC-125/HFC-134a/HFC-143 a=35~55質量%/1~15質量%/40~60質量%の混合物などが 好ましい例として挙げられる。さらに具体的 には、HFC-134a/HFC-32=70/30質量%の混合物;HFC-32/HFC -125=60/40質量%の混合物;HFC-32/HFC-125=50/50質量%の 混合物(R410A);HFC-32/HFC-125=45/55質量%の混合物(R41 0B);HFC-125/HFC-143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC-32/ HFC-125/HFC-134a=30/10/60質量%の混合物;HFC-32/HFC-125/ HFC-134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC-32/HFC-125/H FC-134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC-125/HFC-134a/ HFC-143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)などが挙げら れる。

 また、HFC冷媒のうち、飽和ハイドロフル ロカーボンとしては、ジフルオロメタン(HFC -32)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,2,2-テ トラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフ オロエタン(HFC-134a)、1,1-ジフルオロエタン(H FC-152a)、フルオロエタン(HFC-161)、1,1,1,2,3,3,3- プタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,1,2,3,3-ヘ キサフルオロプロパン(HFC-236ea)、1,1,1,3,3,3-ヘ サフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,3,3-ペン フルオロプロパン(HFC-245fa)、1,1,1,3,3-ペンタ ルオロブタン(HFC-365mfc)のいずれかの1種また は2種以上の混合物であることが好ましく、 媒物性の観点から、さらにHFC-32、HFC-125、HFC- 134a、HFC-152a、またはHFC-32とHFC-134aの混合物で ることが好ましい。

 炭化水素冷媒としては、炭素数3~5の炭化 素が好ましく、具体的には例えば、メタン エチレン、エタン、プロピレン、プロパン シクロプロパン、ノルマルブタン、イソブ ン、シクロブタン、メチルシクロプロパン 2-メチルブタン、ノルマルペンタンまたは れらの2種以上の混合物があげられる。これ の中でも、25℃、1気圧で気体のものが好ま く用いられ、プロパン、ノルマルブタン、 ソブタン、2-メチルブタンまたはこれらの 合物が好ましい。

 含フッ素エーテル系冷媒としては、具体 には例えば、HFE-134p、HFE-245mc、HFE-236mf、HFE-2 36me、HFE-338mcf、HFE-365mcf、HFE-245mf、HFE-347mmy、HF E-347mcc、HFE-125、HFE-143m、HFE-134m、HFE-227meなど 挙げられ、これらの冷媒は用途や要求性能 応じて適宜選択される。

 本発明において使用される冷媒が混合冷 である場合、当該混合冷媒は、フルオロプ ペン冷媒から選ばれる少なくとも1種(以下 「冷媒(A)」という。)と、飽和ハイドロフル ロカーボン、炭素数3~5の炭化水素、ジメチ エーテル、二酸化炭素、ビス(トリフルオロ メチル)サルファイドおよび3フッ化ヨウ化メ ン冷媒から選ばれる少なくとも1種(以下、 冷媒(B)」という。)とを含有することが好ま い。

 また、本発明において使用される冷媒が 媒(A)と冷媒(B)とを含有する混合冷媒である 合、当該混合冷媒は共沸混合物であること 好ましいが、冷媒として必要な物性を有し いれば特に共沸混合物である必要はなく、 者の混合比は1:99~99:1が好ましく、5:95~95:5が り好ましい。

 さらに、本発明において使用される冷媒 冷媒(A)と冷媒(B)とを含有する混合冷媒であ 場合、当該混合冷媒は、フルオロプロペン 媒又は飽和ハイドロフルオロカーボン以外 HFC冷媒、バーフルオロエーテル類等の含フ 素エーテル系冷媒、炭素数3~5の炭化水素以 の炭化水素あるいはアンモニア等の自然系 媒を更に含有してもよい。

 本発明の冷凍機油は、通常、冷凍空調機 において、上述したようなフルオロプロペ 冷媒あるいは混合冷媒と混合された冷凍機 流体組成物の形で存在している。この組成 における冷凍機油と冷媒との配合割合、並 に本発明の冷凍機用作動流体組成物におけ 冷凍機油と冷媒との配合割合は特に制限さ ないが、冷媒100質量部に対して冷凍機油が ましくは1~500質量部、より好ましくは2~400質 量部である。

 本発明の冷凍機油および冷凍機用作動流 組成物は、往復動式や回転式の密閉型圧縮 を有するエアコン、冷蔵庫、あるいは開放 または密閉型のカーエアコンに好ましく用 られる。また、本発明の冷凍機油および冷 機用作動流体組成物は、除湿機、給湯器、 凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショー ース、化学プラント等の冷却装置等に好ま く用いられる。さらに、本発明の冷凍機油 よび冷凍機用作動流体組成物は、遠心式の 縮機を有するものにも好ましく用いられる

 以下、実施例および比較例に基づき本発 を更に具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に何ら限定されるものではない。

[実施例1~3、比較例1~3]
 実施例1~3および比較例1~3においては、それ れ以下に示す基油1~5を用いて冷凍機油を調 した。得られた冷凍機油の各種性状を表1に 示す。

(基油)
基油1:ポリプロピレングリコールモノメチル ーテル
基油2:ポリエチレンプロピレングリコールモ メチルエーテル
基油3:ポリプロピレングリコールジメチルエ テル
基油4:ポリエチレンプロピレングリコールジ チルエーテル
基油5:n-ヘプタン酸とペンタエリスリトール のエステル
基油6:ナフテン系鉱油

 次に、実施例1~3および比較例1~3の各冷凍 油について、以下に示す評価試験を実施し 。

 (冷媒相溶性の評価)
 JIS-K-2211「冷凍機油」の「冷媒との相溶性試 験方法」に準拠して、2,3,3,3-テトラフルオロ ロペン18gに対して冷凍機油を2g配合し、冷 と冷凍機油とが0℃において相互に溶解して るかを観察した。得られた結果を表1に示す 。表1中、「相溶」は冷媒と冷凍機油とが相 に溶解したことを意味し、「分離」は冷媒 冷凍機油とが2層に分離したことを意味する

 (熱・化学的安定性の評価)
 JIS-K-2211に準拠し、水分を100ppm以下に調整し た冷凍機油(初期色相L0.5)1gと、2,3,3,3-テトラ ルオロプロペン1gと、触媒(鉄、銅、アルミ 各線)とをガラス管に封入した後、150℃に加 して1週間保持し試験した。試験後は冷凍機 油組成物の色相および触媒の色変化を評価し た。色相は、ASTM D156に準拠して評価した。 た、触媒の色変化は、外観を目視で観察し 変化なし、光沢なし、黒化のいずれに該当 るかを評価した。得られた結果を表1に示す

 表1に示した結果から明らかなように、実 施例1~3の冷凍機油は、フルオロプロペン冷媒 と共に用いた場合に、冷媒相溶性に優れてい ることがわかる。