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Patent Searching and Data


Title:
RESIST PROTECTIVE FILM COMPOSITION FOR IMMERSION LITHOGRAPHY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133311
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a resist protective film composition for immersion lithography. Specifically disclosed is a resist protective film composition for immersion lithography, which contains an alkali-soluble polymer (B) containing a repeating unit (UB) which is formed by polymerization of a polymerizable compound (mb) having a hydroxy group, a carboxy group, a sulfonic acid group, a sulfonylamide group, an amino group or a phosphoric acid group, and a fluorine-containing polymer (F) containing the repeating unit (UB) and a repeating unit (UF) which is formed by polymerization of a polymerizable compound (mf) having a fluorine-containing hydrocarbon group with 2-20 carbon atoms (wherein -O-, -C(O)- or -C(O)O- may be inserted between two carbon atoms).

Inventors:
TAKEBE YOKO (JP)
YOKOKOJI OSAMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057981
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
TAKEBE YOKO (JP)
YOKOKOJI OSAMU (JP)
International Classes:
G03F7/11; C08F36/20; C08F220/22; C08L33/14; H01L21/027
Domestic Patent References:
WO2008047678A12008-04-24
Foreign References:
JP2007140446A2007-06-07
JP2006047351A2006-02-16
JP2006091798A2006-04-06
JP2006321928A2006-11-30
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square 17, Kanda-konyacho, Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
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Claims:
 下記繰り返し単位(U B )を含むアルカリ溶解性の重合体(B)と、下記繰り返し単位(U F )および下記繰り返し単位(U B )を含む含フッ素重合体(F)とを含むイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 繰り返し単位(U B ):ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基またはリン酸基を有する重合性化合物(m b )の重合により形成された繰り返し単位。
 繰り返し単位(U F ):炭素数2~20の含フッ素炭化水素基を有する重合性化合物(m f )の重合により形成された繰り返し単位。
 ただし、前記含フッ素炭化水素基中の炭素原子-炭素原子間には、式-O-で表される基、式-C(O)-で表される基、または式-C(O)O-で表される基が挿入されていてもよい。
 重合体(B)の総質量の100質量部に対して含フッ素重合体(F)を5~200質量部含む請求項1に記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 重合体(B)の総質量の100質量部に対して含フッ素重合体(F)を25~150質量部含む請求項1または2に記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 重合体(B)が、実質的に繰り返し単位(U B )のみからなる重合体(B)である請求項1~3のいずれかに記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 含フッ素重合体(F)が、全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(U F )を1~50モル%含み、かつ繰り返し単位(U B )を50~99モル%含む含フッ素重合体である請求項1~4のいずれかに記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 さらに有機溶媒を含む請求項1~5のいずれかに記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 前記重合性化合物(m b )が、下記化合物(b11)、(b21)、(b22)、(b23)、(b31)、(b32)、(b41)または(b42)である請求項1~6のいずれかに記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 式中の記号は下記の意味を示す。
 Q 1 :-CF 2 C(CF 3 )(OH)(CH 2 ) a -、-CH 2 CH(C(CF 3 ) 2 (OH))(CH 2 ) a -、-CH 2 CH(CH 2 C(CF 3 ) 2 (OH))(CH 2 ) a -、-CH 2 CH(COOH)(CH 2 ) a -、-CF 2 CH(COOH)(CH 2 ) a -、または-CF 2 C(COOH) 2 (CH 2 ) a -。
 a:0、1または2。
 Q 2 およびQ 3 :それぞれ独立に、炭素数1~20の(b+1)価炭化水素基。
 Q 4 :単結合または炭素数1~10の2価炭化水素基。
 b:1または2。
 R 2 :水素原子、フッ素原子、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のフルオロアルキル基。
 X 3 :同一であってもよく異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子または炭素数1~10の1価炭化水素基。
 ただし、Q 2 、Q 3 またはQ 4 中の炭素原子には、フッ素原子が結合していてもよい。
 前記重合性化合物(m f )が、下記化合物(fc1)、(fc2)、(fc3)、(fc4)、(fc5)または(fl1)である請求項1~7のいずれかに記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 式中の記号は下記の意味を示す。
 R F :水素原子、フッ素原子、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のフルオロアルキル基。
 Q F :単結合、-CH 2 -、-CH 2 CH 2 -または-C(CH 3 ) 2 -。
 X F :炭素数4~12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいポリフルオロアルキル基。
 また、化合物(fc1)~(fc5)中のフッ素原子は、炭素数1~6のペルフルオロアルキル基または炭素数1~6のペルフルオロアルコキシ基に置換されていてもよい。
 下記重合体(B C )と下記含フッ素重合体(F C )とを含み、重合体(B C )の総質量の100質量部に対して含フッ素重合体(F C )を30質量部超~150質量部含む請求項8に記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物。
 重合体(B C ):実質的に前記繰り返し単位(U B )のみからなる、重量平均分子量が1,000~100,000である重合体。
 含フッ素重合体(F C ):前記繰り返し単位(U B )と、前記化合物(fc1)、(fc2)、(fc3)、(fc4)または(fc5)の重合により形成された前記繰り返し単位(U F )とを含み、全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(U F )を1~50モル%含み、かつ繰り返し単位(U B )を50~99モル%含む、重量平均分子量が1,000~100,000である含フッ素重合体。
 イマージョンリソグラフィー法によるレジストパターンの形成方法であって、基板上に感光性レジスト材料を塗布して基板上に感光性レジスト膜を形成する工程、請求項6に記載のイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物を該感光性レジスト膜上に塗布して該感光性レジスト膜上にレジスト保護膜層を形成する工程、イマージョンリソグラフィー工程、および現像工程をこの順に行う、基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法。
Description:
イマージョンリソグラフィー用 ジスト保護膜組成物

 本発明は、イマージョンリソグラフィー レジスト保護膜組成物およびレジストパタ ンの形成方法に関する。

 半導体等の集積回路の製造においては、露 光源の光をマスクに照射して得られたマス のパターン像を基板上の感光性レジスト層 投影して、該パターン像を感光性レジスト に転写するリソグラフィー法が用いられる 通常、前記パターン像は、感光性レジスト 上を移動する投影レンズを介して、感光性 ジスト層の所望の位置に投影される。
 近年では、イマージョンリソグラフィー法 すなわち、投影レンズ下部と感光性レジス 層上部との間を屈折率の高い液状媒体(超純 水等の液状媒体)(以下、イマージョン液とも う。)で満たしつつ、マスクのパターン像を 投影レンズを介して感光性レジスト層に投影 するリソグラフィー法が検討されている。

 イマージョンリソグラフィー法においては 投影レンズと感光性レジスト層との間がイ ージョン液で満たされるため、感光性レジ ト層中の成分(光酸発生剤等)がイマージョ 液に溶出したり、感光性レジスト層がイマ ジョン液により膨潤する懸念がある。
 そのため、イマージョンリソグラフィー法 おいては、感光性レジスト層上にレジスト 護膜層を設け、感光性レジスト層の溶出、 潤を抑制する試みがある。

 イマージョンリソグラフィー用レジスト 護膜材料として、特許文献1には、極性基を 有する重合性化合物(下記化合物等)の繰り返 単位(アルカリ溶解性部位)を含むアルカリ 溶性のレジスト保護膜重合体と、ポリフル ロアルキル(メタ)アクリレートの繰り返し単 位(撥水性部位)のみからなる含フッ素重合体 を含むレジスト保護膜組成物が記載されて る。

 また、特許文献2と3には、ポリフルオロア キル(メタ)アクリレートの繰り返し単位(撥 性部位)と、CF 2 =CFCF 2 C(CF 3 )(OH)CH 2 CH=CH 2 またはCF 2 =CFCH 2 CH(C(CF 3 ) 2 OH)CH 2 CH=CH 2 の繰り返し単位(アルカリ溶解性部位)とを含 イマージョンリソグラフィー用レジスト保 膜重合体が記載されている。

特開2005-352384号公報

特開2007-078744号公報

特開2007-078745号公報

 イマージョンリソグラフィー用レジスト 護膜材料は、イマージョン液に対する撥液 が高いだけでなく、イマージョンリソグラ ィー工程後の現像工程において水性アルカ 現像液によって溶解除去できるようにアル リ溶解性が高いことが望ましい。しかし、 液性とアルカリ溶解性がバランスしたイマ ジョンリソグラフィー用レジスト保護膜材 は、知られていない。

 つまり、イマージョンリソグラフィー用レ スト保護膜材料に要求される撥液性とアル リ溶解性の関係は、トレードオフにあると えられていた。
 すなわち、特許文献1に記載されるようなレ ジスト保護膜組成物を用いて高撥液性のレジ スト保護膜層を形成するためには、レジスト 保護膜層表面に含フッ素重合体を効果的に偏 析させるために、アルカリ不溶性の含フッ素 重合体を用いる必要があった。しかし、前記 含フッ素重合体を用いた場合には、水性アル カリ現像液によるレジスト保護膜層の除去が 容易でなかった。そのため、前記レジスト保 護膜組成物を用いたイマージョンリソグラフ ィー法は、現像工程において欠陥が発生しや すく、歩留が低下しやすかった。

 また、特許文献2と3に記載されるような アルカリ溶解性部位と撥水性部位とを含む ジスト保護膜重合体のみからなるレジスト 護膜材料は、撥液性とアルカリ溶解性をバ ンスさせることが困難であった。

 本発明者らは、撥液性とアルカリ溶解性が ランスしたイマージョンリソグラフィー用 ジスト保護膜材料を得るべく、鋭意検討を った。
 その結果、アルカリ溶解性が高くアルカリ 液により除去しやすいレジスト保護膜重合 に、アルカリ溶解性部位と撥水性部位とを する、アルカリ溶液にある程度溶解する含 ッ素重合体を配合することにより、特に前 レジスト保護膜重合体に、前記含フッ素重 体を多量配合することにより、撥液性とア カリ溶解性がバランスしたイマージョンリ グラフィー用レジスト保護膜組成物が得ら るという知見を得た。

 すなわち、本発明は、以下の要旨を有する のである。
 <1> 下記繰り返し単位(U B )を含むアルカリ溶解性の重合体(B)と、下記 り返し単位(U F )および下記繰り返し単位(U B )を含む含フッ素重合体(F)とを含むイマージ ンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物
 繰り返し単位(U B ):ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸 、スルホニルアミド基、アミノ基またはリ 酸基を有する重合性化合物(m b )の重合により形成された繰り返し単位。
 繰り返し単位(U F ):炭素数2~20の含フッ素炭化水素基を有する重 合性化合物(m f )の重合により形成された繰り返し単位。
 ただし、前記含フッ素炭化水素基中の炭素 子-炭素原子間には、式-O-で表される基、式 -C(O)-で表される基、または式-C(O)O-で表され 基が挿入されていてもよい。

 <2> 重合体(B)の総質量の100質量部に対 て含フッ素重合体(F)を5~200質量部含む<1> に記載のイマージョンリソグラフィー用レジ スト保護膜組成物。
 <3> 重合体(B)の総質量の100質量部に対 て含フッ素重合体(F)を25~150質量部含む<1> ;または<2>に記載のイマージョンリソグ フィー用レジスト保護膜組成物。

 <4> 重合体(B)が、実質的に繰り返し単 (U B )のみからなる重合体(B)である<1>~<3> いずれかに記載のイマージョンリソグラフ ー用レジスト保護膜組成物。
 <5> 含フッ素重合体(F)が、全繰り返し 位に対して、繰り返し単位(U F )を1~50モル%含み、かつ繰り返し単位(U B )を50~99モル%含む含フッ素重合体である<1> ;~<4>のいずれかに記載のイマージョンリ グラフィー用レジスト保護膜組成物。

 <6> さらに有機溶媒を含む<1>~< 5>のいずれかに記載のイマージョンリソグ フィー用レジスト保護膜組成物。

 <7> イマージョンリソグラフィー法 よるレジストパターンの形成方法であって 基板上に感光性レジスト材料を塗布して基 上に感光性レジスト膜を形成する工程、<6 >に記載のイマージョンリソグラフィー用 ジスト保護膜組成物を該感光性レジスト膜 に塗布して該感光性レジスト膜上にレジス 保護膜層を形成する工程、イマージョンリ グラフィー工程、および現像工程をこの順 行う、基板上にレジストパターンを形成す レジストパターンの形成方法。

 本発明によれば、撥液性とアルカリ溶解 に優れたイマージョンリソグラフィー用レ スト保護膜材料が提供される。本発明のイ ージョンリソグラフィー用レジスト保護膜 成物を用いることにより、マスクのパター 像を高解像度に転写可能なイマージョンリ グラフィー法の安定実施が可能となる。

 本明細書において、式(b)で表される化合物 化合物(b)と、式-CF 2 C(CF 3 )(OH)(CH 2 ) a -で表される基を-CF 2 C(CF 3 )(OH)(CH 2 ) a -と、記す。他の化合物と他の基も同様に記 。
 また、基中の記号は、特に記載しない限り 記と同義である。

 本発明は、下記繰り返し単位(U B )を含むアルカリ溶解性の重合体(B)と、下記 り返し単位(U F )および下記繰り返し単位(U B )を含む含フッ素重合体(F)とを含むイマージ ンリソグラフィー用レジスト保護膜組成物 提供する。
 繰り返し単位(U B ):ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸 、スルホニルアミド基、アミノ基またはリ 酸基を有する重合性化合物(m b )の重合により形成された繰り返し単位。
 繰り返し単位(U F ):炭素数2~20の1価の含フッ素炭化水素基を有 る重合性化合物(m f )の重合により形成された繰り返し単位。
 ただし、前記含フッ素炭化水素基中の炭素 子-炭素原子間には、-O-、-C(O)-または-C(O)O- 挿入されていてもよい。

 本発明のレジスト保護膜組成物は、含フッ 重合体(F)を含むため、高撥液性の組成物で る。また、含フッ素重合体(F)は、繰り返し 位(U B )を含むため、アルカリにある程度溶解する 合体であり、かつ重合体(B)との相溶性も高 。そのため、本発明のレジスト保護膜組成 は安定性が高い。
 さらに、本発明のレジスト保護膜組成物は 重合体(B)を含みアルカリ親和性が高いため アルカリ溶液に容易に溶解させることが可 である。そのため、本発明のレジスト保護 組成物を用いることにより、イマージョン ソグラフィー法の安定実施が可能となる。

 本発明のレジスト保護膜組成物は、重合 (B)の総質量の100質量部に対して含フッ素重 体(F)を、5~200質量部含むことが好ましく、10 ~200質量部含むことがより好ましく、25~150質 部含むことが特に好ましく、30質量部超~150 量部含むことが最も好ましい。本発明のレ スト保護膜組成物は、重合体(B)の総質量の10 0質量部に対して含フッ素重合体(F)を25質量部 以上含む場合は、特に撥液性とアルカリ溶解 性がバランスしたイマージョンリソグラフィ ー用レジスト保護膜材料となる。

 本発明における重合体(B)は、繰り返し単位( U B )を含むアルカリ溶解性の重合体であれば、 に限定されない。本発明において重合体が ルカリ溶解性であるとは、2.38質量%のテトラ メチルアンモニウムハイドロオキサイドを含 む水溶液中における重合体の膜の溶解速度が 、300nm/s以上であることを意味する。前記溶 速度は、500nm/s以上が好ましい。前記溶解速 の上限は、特に限定されず、1000nm/sが好ま い。

 重合体(B)は、フッ素原子を含む重合体で ってもよく、フッ素原子を含まない重合体 あってもよい。重合体(B)は、レジスト保護 組成物のアルカリ溶解性の観点から、フッ 原子を含まない重合体であるか、含フッ素 合体(F)よりフッ素含有量が少ない重合体で ることが好ましい。

 重合体(B)中の繰り返し単位(U B )における重合性化合物(m b )は、ヒドロキシ基またはカルボキシ基を有 る重合性化合物が好ましい。ヒドロキシ基 、アルコール性のヒドロキシ基であっても く、フェノール性のヒドロキシ基であって よい。
 重合性化合物(m b )は、アルカリ親和性の観点から、ポリフル ロアルキル基が結合した炭素原子に隣接す 炭素原子に結合したヒドロキシ基、または ルボキシ基を有する重合性化合物がより好 しく、-C(CF 3 )(OH)-、-C(CF 3 ) 2 (OH)または-COOHを有する重合性化合物が特に好 ましい。

 重合性化合物(m b )は、下記化合物(b11)、(b21)、(b22)、(b23)、(b31) (b32)、(b41)または(b42)が好ましい。

 式中の記号は下記の意味を示す。
 Q 1 :-CF 2 C(CF 3 )(OH)(CH 2 ) a -、-CH 2 CH(C(CF 3 ) 2 (OH))(CH 2 ) a -、-CH 2 CH(CH 2 C(CF 3 ) 2 (OH))(CH 2 ) a -、-CH 2 CH(COOH)(CH 2 ) a -、-CF 2 CH(COOH)(CH 2 ) a -、または-CF 2 C(COOH) 2 (CH 2 ) a -。
 a:0、1または2。
 Q 2 およびQ 3 :それぞれ独立に、炭素数1~20の(b+1)価炭化水 基。
 Q 4 :単結合または炭素数1~10の2価炭化水素基。
 b:1または2。
 R 2 :水素原子、フッ素原子、炭素数1~3のアルキ 基または炭素数1~3のフルオロアルキル基。
 X 3 :同一であってもよく異なっていてもよく、 れぞれ独立に、水素原子、フッ素原子また 炭素数1~10の1価炭化水素基。
 ただし、Q 2 、Q 3 またはQ 4 中の炭素原子には、フッ素原子が結合してい てもよい。

 Q 1 は、-CH 2 CH(C(CF 3 ) 2 (OH))(CH 2 ) a -、-CF 2 CH(COOH)(CH 2 ) a -、または-CF 2 C(COOH) 2 (CH 2 ) a -が好ましい。
 aは、1が好ましい。

 なお、Q 1 が-CF 2 C(COOH) 2 (CH 2 ) a -である化合物(b11)は、CH 2 (COOR Q ) 2 (ただし、R Q は炭素数1~6のアルキル基を示す。)とCH 2 =CH(CH 2 ) a MgClとを反応させてCH(COOR Q ) 2 ((CH 2 ) a CH=CH 2 )を得て、次にCH(COOR Q ) 2 ((CH 2 ) a CH=CH 2 )とCF 2 =CFCF 2 OSO 2 Fを反応させて得られるCF 2 =CFCF 2 C(COOR Q ) 2 (CH 2 ) a CH=CH 2 を酸性条件下に加水分解反応させて製造する ことが好ましい。
 Q 1 が-CF 2 CH(COOH)(CH 2 ) a -である化合物(b11)は、CF 2 =CFCF 2 C(COOH) 2 (CH 2 ) a CH=CH 2 を加熱して熱分解して製造することが好まし い。

 Q 2 またはQ 3 における(b+1)価炭化水素基は、炭素数4~20(好 しくは炭素数6~15)の(b+1)価環式炭化水素基が ましい。前記環式炭化水素基は、環式炭化 素基のみからなる基であってもよく、基中 環式炭化水素基を含む基であってもよい。 記環式炭化水素基は、脂肪族の基であって よく、芳香族の基であってもよい。また、 記環式炭化水素基は、単環式炭化水素基で ってもよく、多環式炭化水素基であっても い。多環式炭化水素基は、橋かけ環式炭化 素基であってもよい。

 Q 2 またはQ 3 の具体例としては、下式で表される基が挙げ られる。

 Q 4 は、単結合またはメチレン基が好ましい。

 化合物(b11)の具体例としては、CF 2 =CFCF 2 C(CF 3 )(OH)CH 2 CH=CH 2 、CF 2 =CFCH 2 CH(C(CF 3 ) 2 (OH))CH 2 CH=CH 2 、CF 2 =CFCH 2 CH(CH 2 C(CF 3 ) 2 (OH))CH 2 CH=CH 2 、CF 2 =CFCH 2 CH(COOH)CH 2 CH=CH 2 、CF 2 =CFCF 2 CH(COOH)CH 2 CH=CH 2 、CF 2 =CFCF 2 C(COOH) 2 CH 2 CH=CH 2 が挙げられる。

 化合物(b21)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 化合物(b22)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 化合物(b23)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 化合物(b31)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 化合物(b32)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 化合物(b41)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 化合物(b42)の具体例としては、下記化合 が挙げられる。

 本発明における重合体(B)は、繰り返し単位( U B )のみからなる重合体であってもよく、繰り し単位(U B )と繰り返し単位(U B )以外の他の繰り返し単位とを含む重合体で ってもよい。
 前記他の繰り返し単位は、特に限定されず 下記基(d-1)、(d-2)または(d-3)を有する重合性 合物(d m )の重合により形成された繰り返し単位が好 しく、下記化合物(d1)、(d2)または(d3)の重合 より形成された繰り返し単位が特に好まし 。

 式中の記号は、下記の意味を示す。
 X D1 :炭素数1~6のアルキル基。
 Q D1 およびQ D2 :式中の炭素原子と共同して環式炭化水素基 形成する炭素数4~20の2価炭化水素基。
 Q D3 :式中の炭素原子と共同して環式炭化水素基 形成する炭素数4~20の3価炭化水素基。
 R D :水素原子、フッ素原子、炭素数1~3のアルキ 基または炭素数1~3の含フッ素アルキル基。
 ただし、X D1 、Q D1 、Q D2 またはQ D3 中の炭素原子-炭素原子間には-O-、-C(O)O-また -C(O)-が挿入されていてもよい。

 X D1 は、メチル基またはエチル基が好ましい。
 R D は、水素原子またはメチル基が好ましい。

 基(d-1)の具体例としては、下式で表され 基が挙げられる。

 基(d-2)の具体例としては、下式で表され 基が挙げられる。

 基(d-3)の具体例としては、下式で表され 基が挙げられる。

 重合性化合物(d m )の具体例としては、下式で表される基が挙 られる。

 重合体(B)は、実質的に繰り返し単位(U B )のみからなる重合体が好ましい。ただし、 質的に繰り返し単位(U B )のみからなる重合体とは、繰り返し単位(U F )を含まない重合体であって、全繰り返し単 に対して繰り返し単位(U B )を95~100モル%含む重合体を意味する。

 重合体(B)の重量平均分子量は、特に限定 れず、1,000~100,000が好ましく、1,000~30,000が特 に好ましい。

 本発明における含フッ素重合体(F)は、繰り し単位(U F )および繰り返し単位(U B )を含む重合体であり、アルカリに対してあ 程度の溶解性を有する高撥液性の重合体で るのが好ましい。
 本発明において重合体がアルカリに対して る程度の溶解性を有するとは、2.38質量%の トラメチルアンモニウムハイドロオキサイ を含む水溶液中における重合体の膜の溶解 度が、1nm/s以上であることを意味する。前記 溶解速度は、10nm/s以上が好ましい。前記溶解 速度の上限は、特に限定されず、重合体(F)の 撥液性の観点から、500nm/sであるのが好まし 。

 また、滑落法により測定した含フッ素重合 (F)の膜上の水滴の後退接触角は、70°以上が 好ましく、80°以上が特に好ましい。また、 記後退接触角の上限は、特に限定されず、12 0°であるのが好ましい。
 繰り返し単位(U F )における重合性化合物(m f )は、特に限定されず、炭素数2~20の1価の含フ ッ素炭化水素基と1価の重合性基とを有する 合性化合物が好ましい。前記含フッ素炭化 素基中の炭素原子-炭素原子間に-O-、-C(O)-、 たは-C(O)O-が挿入されている場合には、-O-が 挿入されていることが好ましい。

 1価の含フッ素炭化水素基の炭素数は、4~1 2がより好ましい。

 1価の含フッ素炭化水素基は、1価の含フッ 環式炭化水素基であってもよく1価の含フッ 非環式炭化水素基であってもよく、1価の含 フッ素環式炭化水素基が好ましい。1価の含 ッ素環式炭化水素基を有する重合性化合物(m f )を用いた場合、本発明のレジスト保護膜組 物の動的撥液性は、特に優れている。その 由は必ずしも明確ではないが、前記重合性 合物(m f )の繰り返し単位を含む含フッ素重合体(F)は 含フッ素環式炭化水素基に由来するかさ高 構造を有する含フッ素重合体であり、非環 含フッ素構造を有する含フッ素重合体に比 して、塗膜形成時に最表面に配向しやすい めと考えられる。
 含フッ素環式炭化水素基は、含フッ素単環 炭化水素基であってもよく、含フッ素多環 炭化水素基であってもよい。含フッ素多環 炭化水素基は、含フッ素橋かけ環式炭化水 基であってもよく、含フッ素縮環式炭化水 基であってもよい。
 含フッ素非環式炭化水素基は、直鎖状の含 ッ素炭化水素基であってもよく、分岐状の フッ素炭化水素基であってもよい。

 1価の重合性基は、特に限定されず、ビニ ル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、2-ヒド キシアルキル-アクリロイルオキシ基、2-フ オロ-アクリロイルオキシ基、または2-フル ロアルキル-アクリロイルオキシ基が好まし 、(メタ)アクリロイルオキシ基が特に好ま い。ただし、(メタ)アクリロイルオキシ基と は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロ イルオキシ基を意味する(以下同様。)。

 1価の含フッ素炭化水素基と1価の重合性 とは、直接結合していてもよく、連結基を して結合していてもよい。

 重合性化合物(m f )は、下記化合物(fc1)、(fc2)、(fc3)、(fc4)、(fc5) たは(fl1)であることが好ましい。

 式中の記号は下記の意味を示す(以下同様。 )。
 R F :水素原子、フッ素原子、炭素数1~3のアルキ 基または炭素数1~3のフルオロアルキル基。
 Q F :単結合、-CH 2 -、-CH 2 CH 2 -または-C(CH 3 ) 2 -。
 X F :炭素数4~12のエーテル性酸素原子を含んでい もよいポリフルオロアルキル基。
 また、化合物(fc1)~(fc5)中のフッ素原子は、 素数1~6のペルフルオロアルキル基または炭 数1~6のペルフルオロアルコキシ基に置換さ ていてもよい。

 重合性化合物(m f )の具体例としては、下記化合物が挙げられ 。

 含フッ素重合体(F)中の繰り返し単位(U B )における重合性化合物(m b )の好ましい態様は、含フッ素重合体(B)と同 である。

 含フッ素重合体(F)は、繰り返し単位(U F )と繰り返し単位(U B )のみからなっていてもよく、繰り返し単位(U F )、繰り返し単位(U B )、および繰り返し単位(U F )と繰り返し単位(U B )以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよ 。
 前記他の繰り返し単位の好ましい態様は、 合体(B)における他の繰り返し単位と同じで る。

 含フッ素重合体(F)は、重合体(B)との相溶性 よびレジスト保護膜組成物のアルカリ溶解 の観点から、全繰り返し単位に対して、繰 返し単位(U F )を1~50モル%含み、かつ繰り返し単位(U B )を50~99モル%含むことが好ましく、繰り返し 位(U F )を1~20モル%含み、かつ繰り返し単位(U B )を80~99モル%含むことが特に好ましい。

 含フッ素重合体(F)の重量平均分子量は、 に限定されず、1,000~100,000が好ましく、1,000~ 30,000が特に好ましい。

 本発明のレジスト保護膜組成物の好ましい 様としては、下記重合体(B C )と下記含フッ素重合体(F C )とを含み、重合体(B C )の総質量の100質量部に対して含フッ素重合 (F C )を30質量部超~150質量部含む組成物が挙げら る。

 重合体(B C ):実質的に前記繰り返し単位(U B )のみからなる、重量平均分子量が1,000~100,000 ある重合体。
 含フッ素重合体(F C ):繰り返し単位(U B )と、前記化合物(fc1)、(fc2)、(fc3)、(fc4)または (fc5)の重合により形成された前記繰り返し単 (U F )とを含み、全繰り返し単位に対して、繰り し単位(U F )を1~50モル%含み、かつ繰り返し単位(U B )を50~99モル%含む、重量平均分子量が1,000~100,0 00である含フッ素重合体。

 本発明のレジスト保護膜組成物は、イマー ョンリソグラフィー法への適用において、 常、基板上に形成された感光性レジスト膜 表面に塗布されて用いられるため液状組成 に調製することが望ましい。本発明のレジ ト保護膜組成物は、さらに有機溶媒を含む とが好ましい。
 本発明のレジスト保護膜組成物が有機溶媒 含む場合、重合体(B)と含フッ素重合体(F)の 質量の100質量部に対して、有機溶媒を100質 部~10,000質量部含むことが好ましい。

 有機溶媒としては、重合体(B)と含フッ素 合体(F)に対する相溶性の高い溶媒であれば に限定されない。

 フッ素系有機溶媒の具体例としては、CCl 2 FCH 3 、CF 3 CF 2 CHCl 2 、CClF 2 CF 2 CHClF等のハイドロクロロフルオロカーボン類; CF 3 CHFCHFCF 2 CF 3 、CF 3 (CF 2 ) 5 H、CF 3 (CF 2 ) 3 C 2 H 5 、CF 3 (CF 2 ) 5 C 2 H 5 、CF 3 (CF 2 ) 7 C 2 H 5 等のハイドロフルオロカーボン類;1,3-ビス(ト リフルオロメチル)ベンゼン、メタキシレン キサフルオライド等のハイドロフルオロベ ゼン類;ハイドロフルオロケトン類;ハイドロ フルオロアルキルベンゼン類;CF 3 CF 2 CF 2 CF 2 OCH 3 、(CF 3 ) 2 CFCF(CF 3 )CF 2 OCH 3 、CF 3 CH 2 OCF 2 CHF 2 等のハイドロフルオロエーテル類;CHF 2 CF 2 CH 2 OH等のハイドロフルオロアルコール類が挙げ れる。

 非フッ素系有機溶媒の具体例としては、メ ルアルコール、エチルアルコール、ジアセ ンアルコール、2-プロパノール、1-ブタノー ル、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール 2-エチルブタノール、ペンタノール、ヘキサ ノール、ヘプタノール等のアルコール類;ア トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ サノン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、 N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン等の トン類;プロピレングリコールモノメチルエ ーテルアセテート、プロピレングリコールモ ノメチルエーテルプロピオネート、プロピレ ングリコールモノエチルエーテルアセテート 、カルビトールアセテート、3-メトキシプロ オン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エ ル、β-メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチ 、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン 酢酸エチル、酢酸2-エトキシエチル、酢酸イ ソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエス テル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化 素類;プロピレングリコールモノメチルエー ル、プロピレングリコールモノエチルエー ル、エチレングリコールモノイソプロピル ーテル、ジエチレングリコールモノメチル ーテル、ジエチレングリコールジメチルエ テル、プロピレングリコールモノメチルエ テル等のグリコールモノまたはジアルキル ーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ チルアセトアミド等のアミド類などが挙げ れる。
 また、本発明のレジスト保護膜組成物は、 常は感光性レジスト層上にスピンコート法 どによって塗布されて用いられる。有機溶 は、感光性レジスト層を溶解しない溶媒が り好ましく、アルコール類、フルオロエー ル類、フルオロアルコール類、フルオロケ ン、またはフルオロベンゼン類が特に好ま い。

 アルコール類は、イソプロピルアルコール 1-ブチルアルコール、1-ヘキサノール、2-メ ル-1-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノー 、または2-オクタノールが好ましく、2-メチ -1-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール 特に好ましい。
 フルオロアルコール類は、C 3 F 7 CH 2 OHまたはC 4 F 9 CH 2 CH 2 OHが好ましい。フルオロベンゼン類は、1,3-ビ ス(トリフルオロメチル)ベンゼンが好ましい

 本発明のレジスト保護膜組成物は、さら 他の成分を含んでいてもよい。該成分の具 例としては、可塑剤、安定剤、着色剤、ハ ーション防止剤が挙げられる。

 本発明のレジスト保護膜組成物は、イマ ジョンリソグラフィー法における感光性レ スト層の保護膜材料に用いられる。イマー ョンリソグラフィー法としては、基板上に 光性レジスト材料を塗布して基板上に感光 レジスト膜を形成する工程、有機溶媒を含 本発明のレジスト保護膜組成物を感光性レ スト膜の表面に塗布して感光性レジスト膜 表面にレジスト保護膜を形成する工程、イ ージョンリソグラフィー工程、および現像 程をこの順に行う、基板上にレジストパタ ンを形成する方法が好ましい。

 感光性レジスト材料は、酸の作用により ルカリ可溶性が増大する重合体と、光酸発 剤とを含む感光性レジスト組成物であれば 特に限定されない。感光性レジスト材料の 体例としては、特開2005-234178号公報等に記 の感光性レジスト材料が挙げられる。より 体的には、光酸発生剤としてトリフェニル ルホニウムトリフレートを含み、かつ前記 合体として下記3種の化合物の共重合体を含 感光性レジスト組成物が挙げられる。

 イマージョンリソグラフィー工程としては 露光光源の光をマスクに照射して得られた スクのパターン像を、投影レンズとレジス 膜の間をイマージョン液で満たしつつ、レ スト膜上を相対的に移動する投影レンズを してレジスト膜の所望の位置に投影する工 が挙げられる。
 露光光源は、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)、 KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、ArFエキシ レーザー光(波長193nm)またはF 2 エキシマレーザー光(波長157nm)が好ましく、Ar Fエキシマレーザー光またはF 2 エキシマレーザー光がより好ましく、ArFエキ シマレーザー光が特に好ましい。
 イマージョン液は、油性液状媒体(デカリン 等。)であってもよく、水性液状媒体(超純水 。)であってもよく、水を主成分とする液状 媒体が好ましく、超純水が特に好ましい。

 現像工程としては、レジスト膜の露光部 とレジスト保護膜層とをアルカリ溶液によ 除去する工程が挙げられる。アルカリ溶液 しては、特に限定されず、水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、 トラメチルアンモニウムハイドロオキサイ およびトリエチルアミンからなる群から選 れるアルカリ化合物を含むアルカリ水溶液 挙げられる。

 本発明を、実施例によって具体的に説明す が、本発明はこれらに限定されない。
 テトラメチルシランをTMSと、テトラヒドロ ランをTHFと、ジクロロペンタフルオロプロ ンをR225と、重量平均分子量をMwと、記す。
 重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロ トグラフィ法(内部標準:ポリスチレン、展開 溶媒:THF)を用いて測定した。重合体の組成は 19 F-NMRと 1 H-NMRの測定により決定した。
 重合体を製造するために、下記化合物(f 1 )、(b 1 )、(b 2 )、(b 3 )または(b 4 )を用いた。

 [例1(参考合成例)]化合物の製造例
 [例1-1]化合物(f 1 )の製造例
 下式で表される製造ルートにしたがって、 記化合物(nf 1 )から化合物(f 1 )を製造した。ただし、R f1 -はF(CF 2 ) 3 OCF(CF 3 )CF 2 OCF(CF 3 )-を示す。

 窒素ガス雰囲気下のフラスコに、化合物(nf 1 )(15g)とクロロホルム(100g)およびNaF(7.02g)を入 、フラスコ内を氷冷撹拌しながらR f1 -COF(79g)を滴下し、そのまま撹拌した。フラス コに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を入れ、 有機層を回収濃縮して化合物(of 1 )(74g)を得た。
 ガス出口にNaFペレット充填層を設置したオ トクレーブに1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフル オロエタン(313g)を加え、25℃にてオートクレ ブ内を撹拌しながら、オートクレーブに窒 ガスを1時間吹き込んだ後に、窒素ガスで20% 体積に希釈したフッ素ガスを吹き込んだ。そ のまま該20%フッ素ガスを吹き込みつつ、0.1MPa の圧力下にて、オートクレーブに化合物(of 1 )(67g)を1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエ ン(299g)に溶解させた溶液を導入した。導入 了後、オートクレーブ内容物を回収濃縮し 化合物(pf 1 )を得た。
 窒素ガス雰囲気下のフラスコに、化合物(pf 1 )(80g)と粉末状KF(0.7g)を入れ6時間加熱した後に 、フラスコ内容物を精製して化合物(qf 1 )(38g)を得た。

 窒素ガス雰囲気下の丸底フラスコに、NaBH 4 (1.1g)とTHF(30g)を入れ、さらに氷冷撹拌しなが 化合物(qf 1 )を22質量%含むR225溶液(48g)を滴下し、そのま 撹拌した。フラスコ内容液を塩酸水溶液(150m L)で中和して得られた溶液を精製して、化合 (rf 1 )を得た。
 フラスコに、化合物(rf 1 )(2.2g)、THF(10g)、N-ニトロソフェニルヒドロキ アミンのアルミニウム塩(2mg)およびトリエ ルアミン(1.2g)を入れ、さらに氷冷撹拌しな らCH 2 =C(CH 3 )C(O)Cl(1.2g)をTHF(7.3g)に溶解させて得られた溶 を滴下した。滴下終了後、フラスコに炭酸 素ナトリウム水溶液とR225を入れ、有機層を 出精製して化合物(f 1 )(2.7g)を得た。

 化合物(f 1 )のNMRデータを以下に示す。
  1 H-NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl 3 、基準:TMS)δ(ppm):6.31(1H),5.88(1H),5.84(1H),2.01(3H)。
  19 F-NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl 3 、基準:CFCl 3 )δ(ppm):-104.6(1F),-120.5(1F),-122.4(1F),-124.2(1F),-124.6( 1F),-126.5(1F),-132.7~-132.8(2F),-214.8(1F),-223.2(1F)。

 [例1-2]化合物(b 3 )の製造例
 反応器に、ナトリウム-tert-ブトキシド(24.3g) とTHF(300mL)を入れ、反応器内温を17℃以下に保 持しながら、CH 2 (C(O)OC(CH 3 ) 3 ) 2 (54.1g)を反応器に滴下した。滴下終了後、反 器にCH 2 =CH 2 CH 2 Br(30.4g)を加え、そのまま撹拌した。
 反応器に水を加えて、反応器内溶液の水層 回収してtert-ブチルメチルエーテルで抽出 、濃縮精製してCH(C(O)OC(CH 3 ) 3 ) 2 (CH 2 CH=CH 2 )(46.5g)を得た。

 反応器に、純度60%のNaH(1.8g)とTHF(80mL)とを入 、さらに反応器に、CH(C(O)OC(CH 3 ) 3 ) 2 (CH 2 CH=CH 2 )(9.4g)を滴下した。次に、反応器にCF 2 =CFCF 2 OSO 2 F(8.5g)を加え、そのまま撹拌した後に、反応 に水(150mL)を加えた。反応器内溶液をt-ブチ メチルエーテルで抽出精製して、CF 2 =CFCF 2 C(C(O)OC(CH 3 ) 3 H) 2 CH 2 CH=CH 2 (5.3g)を得た。
 氷冷撹拌しながら、トリフルオロ酢酸(60mL) CF 2 =CFCF 2 C(C(O)OC(CH 3 ) 3 H) 2 CH 2 CH=CH 2 (6.4g)を滴下し、そのまま2時間撹拌した後に トリフルオロ酢酸を減圧溜去して化合物(b 3 )(4.6g)を得た。

 化合物(b 3 )のNMRデータを以下に示す。
  1 H-NMR(300.4MHz,CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.97(d,J=7.3Hz,2H),5.20(dm,J=10.3Hz,1H),5.26(dm ,J=17.1Hz,1H),5.89(m,1H),11.29(br,2H)。
  19 F-NMR(282.7MHz;CDCl 3 ,CFCl 3 )δ(ppm):-92.4(ddt,J=37.6,54.0,5.8Hz,1F),-102.6(ddd,J=5.8,15 .3,28.2Hz,2F),-105.1(ddt,J=54.0,115.0,28.2Hz,1F),-183.0(ddt, J=37.6,115.0,15.3Hz,1F)。

 [例1-3]化合物(b 4 )の製造例
 化合物(b 3 )(2.6g)をトルエン(15mL)と混合し、そのままト エンを留去した後に、引き続き112~139℃にて1 時間加熱した。さらに、減圧乾燥して、化合 物(b 4 )(1.8g)を得た。
 化合物(b4)のNMRデータとIRデータを、以下に す。
  1 H-NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:TMS)δ(ppm):2.55(m,1H),2.67(m,1H),3.28(m,1H),5.15(m, 1H),5.20(m,1H)5.79(m,1H),11.72(br,1H)。
  19 F-NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl 3 ,基準:CFCl 3 )δ(ppm):-93.6(ddt,J=36.4,58.7,5.4Hz,1F),-105.4(m,2F),-108.0 (ddt,J=58.7,115.0,29.3Hz,1F),-186.7(ddt,J=36.4,115.0,15.3Hz, 1F)。
 IR(neat)3088.1、2931.4,1788.2,1726.0,1646.0,1423.8,1366.7 ,1309.0,1257.8,1171.9,1067.2,926.6cm -1

 [例2(参考合成例)]重合体の製造例
 [例2-1]重合体(F 1 )の製造例
 反応器(ガラス製、内容積30mL)に、化合物(b 1 )(1.0g)、化合物(f 1 )(0.13g)、R225(4.3g)および2-プロパノール(0.11g)を 仕込んだ。次に、重合開始剤であるジイソプ ロピルパーオキシジカーボネート(0.17g)を50質 量%含むR225溶液を仕込んだ。反応器内雰囲気 窒素ガスにし、脱気した後に、反応器内を 拌しながら、40℃にて18時間重合反応を行っ た。
 重合後、反応器内溶液をヘキサン中に滴下 て得られた凝集物を回収し、100℃にて24時 真空乾燥して、25℃にて白色粉末状の重合体 (F 1 )(0.9g)を得た。

 重合体(F 1 )は、全繰り返し単位に対して、化合物(f 1 )を重合させて得られた繰り返し単位(以下、 位(F 1 )という。)を8モル%含み、かつ、化合物(b 1 )を環化重合させて得られた下記繰り返し単 (以下、単位(B 1 )という。)を92モル%含むMw14,000の重合体であ た。

 [例2-2]重合体(F 2 )の製造例
 化合物(b 1 )と化合物(f 1 )の量を変更する以外は例2-1と同様にして、 位(F 1 )を10モル%含み、かつ単位(B 1 )を90モル%含むMw14,000の重合体(F 2 )を得た。

 [例2-3]重合体(B 1 )の製造例
 化合物(b 1 )を単独でラジカル環化重合させることによ 、単位(B 1 )からなるMw11,000の重合体(B 1 )を得た。

 [例2-4]重合体(B 2 )の製造例
 化合物(b 2 )を単独でラジカル環化重合させることによ 、下記繰り返し単位(B 2 )からなるMw13,000の重合体(B 2 )を得た。

 [例2-5]重合体(B 3 )の製造例
 耐圧反応器(内容積20mL、ガラス製。)に、化 物(b 3 )(1.00g)と、R225(5.41g)およびジイソプロピルパ オキシジカーボネート(0.10g)を仕込んだ。次 、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー を50質量%含有するR225溶液(0.28g)を耐圧反応 に添加した。反応器内を凍結脱気した後に 反応器を40℃に保持して、18時間重合を行っ 。反応器内溶媒をTHFに変換後、ヘキサンに 下し、生成した固形物を回収して80℃にて20 時間真空乾燥した結果、25℃にて白色粉末状 重合体(B 3 )(0.82g)を得た。重合体(B 3 )は、下記繰り返し単位(B 3 )からなるMw22,000の重合体であった。

 [例2-6]重合体(B 4 )の製造例
 反応器(内容積200mL、ガラス製。)に、化合物 (b 4 )(16.0g)と酢酸エチル(129.8g)を仕込み、さらに 合開始剤として50質量%R225溶液としてIPP(5.95g) を添加した。反応器内を減圧脱気した後に、 反応器内温40℃にて、18時間、重合反応を行 た。反応器内溶液をヘキサン中に滴下して られた固形分を回収し、120℃にて40時間真空 乾燥した。その結果、25℃にて白色粉末状の 合体(B 4 )(15.5g)を得た。重合体(B 4 )は、下記繰り返し単位(B 4 )からなるMw9,700の重合体であった。

 [例3]レジスト保護膜組成物の製造例
 [例3-1]レジスト保護膜組成物(1)の製造例
 サンプル瓶中にて重合体(F 1 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、6.1 7質量%の重合体(F 1 )を含む溶液(F 11 )を得た。
 サンプル瓶中にて重合体(B 1 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、4.2 質量%の重合体(B 1 )を含む溶液(B 11 )を得た。
 ガラス瓶中にて溶液(F 11 )(0.972g)と溶液(B 11 )(1.428g)を混合し、重合体(B 1 )の100質量部に対して重合体(F 1 )を100質量部含むレジスト保護膜組成物(1)を た。レジスト保護膜組成物(1)は、透明で均 な溶液であった。

 [例3-2]レジスト保護膜組成物(2)の製造例
 サンプル瓶中にて重合体(F 2 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、3.8 質量%の重合体(F 2 )を含む溶液(F 21 )を得た。
 サンプル瓶中にて重合体(B 1 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、5.8 質量%の重合体(B 1 )を含む溶液(B 12 )を得た。
 ガラス瓶中にて溶液(F 21 )(1.129g)と溶液(B 12 )(1.728g)を混合し、重合体(B 1 )の100質量部に対して重合体(F 2 )を43質量部含むレジスト保護膜組成物(2)を得 た。レジスト保護膜組成物(2)は、透明で均一 な溶液であった。

 [例3-3]レジスト保護膜組成物(3)の製造例
 サンプル瓶中にて重合体(F 2 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、6.1 7質量%の重合体(F 2 )を含む溶液(F 22 )を得た。
 サンプル瓶中にて重合体(B 2 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、4.2 質量%の重合体(B 2 )を含む溶液(B 2 )を得た。
 ガラス瓶中にて溶液(F 22 )(0.972g)と溶液(B 2 )(1.43g)を混合し、重合体(B 2 )の100質量部に対して重合体(F 2 )を100質量部含むレジスト保護膜組成物(3)を た。レジスト保護膜組成物(3)は、透明で均 な溶液であった。

 [例3-4]レジスト保護膜組成物(4)の製造例
 サンプル瓶中にて重合体(F 2 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、5.0 質量%の重合体(F 2 )を含む溶液(F 23 )を得た。
 サンプル瓶中にて重合体(B 3 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、5.2 6質量%の重合体(B 3 )を含む溶液(B 3 )を得た。
 ガラス瓶中にて溶液(F 23 )(0.686g)と溶液(B 3 )(1.60g)を混合し、重合体(B 3 )の100質量部に対して重合体(F 2 )を41質量部含むレジスト保護膜組成物(4)を得 た。レジスト保護膜組成物(4)は、透明で均一 な溶液であった。

 [例3-5]レジスト保護膜組成物(5)の製造例
 サンプル瓶中にて重合体(F 1 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、1.2 8質量%の重合体(F 1 )を含む溶液(F 12 )を得た。
 サンプル瓶中にて重合体(B 1 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、6.5 質量%の重合体(B 1 )を含む溶液(B 13 )を得た。
 ガラス瓶中にて溶液(F 12 )(0.623g)と溶液(B 13 )(1.536g)を混合し、重合体(B 1 )の100質量部に対して重合体(F 1 )を8.0質量部含むレジスト保護膜組成物(5)を た。レジスト保護膜組成物(5)は、透明で均 な溶液であった。

 [例3-6]レジスト保護膜組成物(6)の製造例
 サンプル瓶中にて重合体(F 2 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、5.0 質量%の重合体(F 2 )を含む溶液(F 23 )を得た。
 サンプル瓶中にて重合体(B 4 )を4-メチル-2-ペンタノールに溶解させて、5.2 6質量%の重合体(B 4 )を含む溶液(B 4 )を得た。
 ガラス瓶中にて溶液(F 23 )(0.421g)と溶液(B 4 )(1.60g)を混合し、重合体(B 4 )の80質量部に対して重合体(F 2 )を20質量部含むレジスト保護膜組成物(6)を得 た。レジスト保護膜組成物(6)は、透明で均一 な溶液であった。

 [例4]レジスト保護膜組成物から形成される 膜の評価例
 [例4-1]撥水性の評価例
 表面に反射防止膜(ROHM AHD HAAS Electronic Mate rials社製 商品名AR26。以下同様。)が形成され たシリコン基板上に、レジスト保護膜組成物 (1)を2000rpmにて回転塗布した。次に、シリコ 基板を100℃にて60秒間加熱処理して、重合体 (F 1 )と重合体(B 1 )からなる薄膜をシリコン基板上に形成した つづいて、該薄膜の水に対する、静的接触 、転落角、後退角をそれぞれ測定した(なお 滑落法により測定した、転落角を転落角と 後退接触角を後退角と、記す。)。静的接触 角、転落角および後退角の単位は、それぞれ 角度(°)である(以下同様。)。
 レジスト保護膜組成物(2)~(6)に関しても同様 にして測定を行った。また、比較例として、 重合体(F 1 )、(F 2 )、(B 1 )、(B 2 )、(B 3 )または(B 4 )のみからなる薄膜の現像速度(単位:nm/s)を測 した。結果を表1にまとめて示す。

 [例4-2]アルカリ溶解性の評価例
 レジスト保護膜組成物(1)を水晶振動子上に 転塗布した後に、130℃にて90秒間加熱処理 て、水晶振動子上に、重合体(F 1 )と重合体(B 1 )からなる薄膜を形成した。次に、該水晶振 子をテトラメチルアンモニウムハイドロオ サイド(以下、TMAHと記す。)を2.38質量%含む水 溶液に浸漬し、水晶振動子マイクロバランス (QCM)法を用いて該薄膜の減膜速度(単位:nm/s)を 、現像速度(単位:nm/s)として測定した。
 レジスト保護膜組成物(2)~(6)に関しても同様 にして測定を行った。また、比較例として、 重合体(F 1 )、(F 2 )、(B 1 )、(B 2 )、(B 3 )または(B 4 )のみからなる薄膜の現像速度(単位:nm/s)を測 した。結果を表1にまとめて示す。

 以上の結果からも明らかであるように、 フッ素重合体(F)と重合体(B)を含むレジスト 護膜組成物(特に、重合体(B)に対して含フッ 素重合体(F)を多量に含むレジスト保護膜組成 物)から形成される薄膜は、撥水性とアルカ 溶解性がバランスしており、イマージョン ソグラフィー法におけるレジスト保護膜材 として好適であることがわかる。

 [例5]レジストパターンの形成例
 感光性レジスト組成物(住友化学社製 商品 PAR715。)を、表面に反射防止膜が形成された シリコン基板上に回転塗布し加熱処理すると 、前記感光性レジスト組成物から形成された レジスト膜が形成されたシリコン基板が得ら れる。さらに、前記レジスト膜の表面に、レ ジスト保護膜組成物(1)を回転塗布し加熱処理 して、前記レジスト膜表面に重合体(F 1 )と重合体(B 1 )からなるレジスト保護膜層を形成する。
 次に、ArFレーザー光(波長193nm)を光源とする 二光束干渉露光装置を用いて、シリコン基板 の90nmL/Sのイマージョン露光試験(イマージョ 液:超純水,現像液:テトラメチルアンモニウ ハイドロオキサイド水溶液。)を行う。その 結果、シリコン基板上のレジスト膜に良好な パターンが形成されていることがSEM画像にて 確認できる。

 本発明によれば、レジスト保護膜特性(水の 侵入による感光性レジストの膨潤抑制、感光 性レジスト成分のイマージョン液中への溶出 抑制等。)を備えたイマージョンリソグラフ ー用レジスト保護膜組成物が提供される。 発明の組成物を用いることにより、マスク パターン像を高解像度に転写可能なイマー ョンリソグラフィー法の安定実施が可能と る。
 
 なお、2007年4月25日に出願された日本特許出 願2007-115725号の明細書、特許請求の範囲及び 約書の全内容をここに引用し、本発明の明 書の開示として、取り入れるものである。