WO2019017495A1 | 2019-01-24 |
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\¥02020/175497 144 卩(:17 2020 /007543 請求の範囲 [請求項 1] 周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する磁石部 (42) を含 む界磁子 (40) と、 多相の電機子巻線 (5 1) を有する電機子 (5 0) と、 を備え、 前記界磁子及び前記電機子のうちいずれかが回転子 とされている回転電機 (1 0) において、 前記磁石部は、 周方向に並べられて配置される複数の磁石 (1 00 1 , 1 01 1、 1 02 1 , 1 03 1、 1 04 1 , 1 05 1、 1 1 01 , 1 1 1 1、 1 1 2 1 , 1 1 3 1、 1 1 4 1 , 1 1 5 1) を有し、 前記磁石は、 磁極中心である 軸の側において、 磁極境界である 軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行となるように磁化容易 軸が円弧状に配向され、 その磁化容易軸に沿って円弧状の磁石磁路が 形成されており、 前記磁石は、 前記回転子の軸方向から見て、 円弧状に形成されてい るとともに、 平面となる第 1基準面 (1 1 00) と、 当該第 1基準面 に対して平行となる第 2基準面 (1 200) とが設けられている回転 電機。 [請求項 2] 前記第 1基準面及び前記第 2基準面は、 前記磁石の径方向両側に設 けられており、 前記第 1基準面は、 前記磁石の反電機子側周面において、 軸の側 に設けられ、 前記第 2基準面は、 前記磁石の電機子側周面において、 軸の側に設けられている請求項 1 に記載の回転電機。 [請求項 3] 前記界磁子は、 前記電機子の径方向外側に配置されており、 前記磁石は、 軸を中心として、 周方向に隣接する 軸の間に設け られており、 前記第 1基準面は、 前記反電機子側周面である前記磁石の外周面に おいて、 軸の側である周方向中央部における円弧を削るように設け られており、 前記第 2基準面は、 前記電機子側周面である前記磁石の内周面にお \¥0 2020/175497 145 卩(:171? 2020 /007543 いて、 軸の側である周方向両端部における円弧を削るように設けら れている請求項 2に記載の回転電機。 [請求項 4] 前記界磁子は、 前記電機子の径方向内側に配置されており、 前記磁石は、 軸を中心として、 周方向に隣接する ¢1軸の間に設け られており、 前記第 1基準面は、 前記反電機子側周面である前記磁石の内周面に おいて、 軸の側である周方向両端部における円弧を削るように設け られており、 前記第 2基準面は、 前記電機子側周面である前記磁石の外周面にお いて、 軸の側である周方向中央部における円弧を削るように設けら れている請求項 2に記載の回転電機。 [請求項 5] 前記第 1基準面及び前記第 2基準面は、 前記磁石の周方向両側に設 けられており、 前記界磁子は、 前記磁石部が固定される磁石保持部を備え、 前記磁石保持部には、 周方向において前記第 1基準面又は前記第 2 基準面に対して係合する係合部が設けられている請求項 1 に記載の回 転電機。 [請求項 6] 前記磁石は、 軸を中心として、 周方向に隣接する ¢1軸の間に設け られており、 前記磁石の反電機子側において、 前記磁石の周方向両端部における 角部分を切欠くように設けられた切欠き部 ( 1 0 4 3 , 1 0 4 4 , 1 1 3 4, 1 1 3 5 ) を有し、 前記各切欠き部の周方向中央側における壁面が、 それぞれ前記第 1 基準面及び前記第 2基準面とされている請求項 1又は 5に記載の回転 電機。 [請求項 7] 前記磁石は、 ¢1軸を中心として、 周方向に隣接する 軸の間に設け られており、 前記磁石の電機子側において、 前記磁石の周方向両端部における角 \¥0 2020/175497 146 卩(:171? 2020 /007543 部分を切欠くように設けられた切欠き部 ( 1 0 3 3 , 1 0 3 4 , 1 1 4 3 , 1 1 4 4 ) を有し、 前記各切欠き部の周方向中央側における壁面が、 それぞれ前記第 1 基準面及び前記第 2基準面とされている請求項 1又は 5に記載の回転 電機。 [請求項 8] 前記界磁子は、 前記電機子の径方向外側に配置されており、 前記磁石は、 軸と、 当該〇1軸に対して周方向に隣接する 軸との 間に設けられており、 前記磁石の周方向における 軸側端面は、 軸に沿った平面である とともに、 当該 軸側端面が前記第 2基準面とされており、 前記磁石の反電機子側において、 軸側の角部分には、 9軸に平行 な平面が設けられており、 当該平面が第 1基準面とされる請求項 1又 は 5に記載の回転電機。 [請求項 9] 前記界磁子は、 前記電機子の径方向内側に配置されており、 前記磁石は、 軸と、 当該〇1軸に対して周方向に隣接する 軸との 間に設けられており、 前記磁石の周方向における 軸側端面は、 ¢1軸に沿った平面である とともに、 当該 軸側端面が前記第 1基準面とされており、 前記磁石の電機子側において、 軸側の角部分には、 軸に平行な 平面が設けられており、 当該平面が第 2基準面とされる請求項 1又は 5に記載の回転電機。 [請求項 10] 前記磁石は、 固有保磁力が 4 0 0 [1< /〇1] 以上であり、 かつ、 残留磁束密度が 1 . 0 [丁] 以上である請求項 1〜 9のうちいずれか 1項に記載の回転電機。 |
発明の名称 : 回転電機
関連出願の相互参照
[0001 ] 本出願は、 2 0 1 9年2月 2 8日に出願された日本出願番号 2 0 1 9— 0
3 7 0 1 0号に基づくもので、 ここにその記載内容を援用する。
技術分野
[0002] この明細書における開示は、 回転電機に関する。
背景技術
[0003] 従来、 回転電機の出カトルクを向上させるため、 磁化容易軸の配向方向を 工夫した焼結磁石を採用して、 最大磁束密度を向上させる技術が提案されて いる (例えば、 特許文献 1) 。
先行技術文献
特許文献
[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 1 5 - 2 2 8 7 6 2号公報
発明の概要
[0005] 上記のような磁石は、 複数の磁石を製造し、 円環状となるように、 回転軸 の周方向に沿って配置されることが一般的で ある。
[0006] ところで、 複数の磁石からなる磁石ユニッ トを円環状となるように配置す るためには、 各磁石を円弧状とすることが好ましい。 円弧状とする場合、 磁 石の厚さ寸法や幅寸法を計測する際、 測定公差が大きくなるという問題があ った。 特に、 焼結磁石である場合、 角部分の精度は悪くなるため、 角部分を 基準として測定すると、 測定公差がより大きくなりやすくなっていた 。
[0007] 本開示は、 上記事情に鑑みてなされたものであり、 その主たる目的は、 磁 石の測定公差を小さくすることができる回転 電機を提供することにある。
[0008] 上記課題を解決するための第 1の手段は、 周方向に極性が交互となる複数 の磁極を有する磁石部を含む界磁子と、 多相の電機子巻線を有する電機子と 、 を備え、 前記界磁子及び前記電機子のうちいずれかが 回転子とされている \¥0 2020/175497 2 卩(:171? 2020 /007543
回転電機において、 前記磁石部は、 周方向に並べられて配置される複数の磁 石を有し、 前記磁石は、 磁極中心である 軸の側において、 磁極境界である 9軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行となるように磁化容易軸が 円弧状に配向され、 その磁化容易軸に沿って円弧状の磁石磁路が 形成されて おり、 前記磁石は、 前記回転子の軸方向から見て、 円弧状に形成されている とともに、 平面となる第 1基準面と、 当該第 1基準面に対して平行となる第 2基準面とが設けられている。
[0009] これにより、 磁石を円弧状に形成したとしても、 基準面間の距離を測定す ることにより、 測定公差を小さくすることができる。 また、 基準面は、 互い に平行とされているため、 切削加工により、 容易に製造することができる。
[0010] 第 2の手段は、 第 1の手段において、 前記第 1基準面及び前記第 2基準面 は、 前記磁石の径方向両側に設けられており、 前記第 1基準面は、 前記磁石 の反電機子側周面において、 軸の側に設けられ、 前記第 2基準面は、 前記 磁石の電機子側周面において、 軸の側に設けられている。
[001 1 ] 基準面は、 平面であるため、 径方向両側に設けることにより、 磁石のまわ り止めとして機能させることができる。 また、 反電機子側周面において、 軸の側の部分は、 磁石磁路が短くなりやすい部分である。 このため、 この部 分を削るように第 1基準面を設けても、 磁束密度への影響を抑制することが できる。 また、 電機子側周面において、 軸の側の部分は、 磁石磁路が短く なりやすい部分である。 このため、 この部分を削るように第 2基準面を設け ても、 磁束密度への影響を抑制することができる。
[0012] 第 3の手段は、 第 2の手段において、 前記界磁子は、 前記電機子の径方向 外側に配置されており、 前記磁石は、 軸を中心として、 周方向に隣接する 9軸の間に設けられており、 前記第 1基準面は、 前記反電機子側周面である 前記磁石の外周面において、 軸の側である周方向中央部における円弧を削 るように設けられており、 前記第 2基準面は、 前記電機子側周面である前記 磁石の内周面において、 軸の側である周方向両端部における円弧を削 るよ うに設けられている。 \¥0 2020/175497 3 卩(:171? 2020 /007543
[0013] 上記構成にすることにより、 ¢1軸の方向において、 円弧状の磁石の突出部 分を切削すれば、 各基準面を容易に設けることができる。
[0014] 第 4の手段は、 第 2の手段において、 前記界磁子は、 前記電機子の径方向 内側に配置されており、 前記磁石は、 軸を中心として、 周方向に隣接する 軸の間に設けられており、 前記第 1基準面は、 前記反電機子側周面である 前記磁石の内周面において、 軸の側である周方向両端部における円弧を削 るように設けられており、 前記第 2基準面は、 前記電機子側周面である前記 磁石の外周面において、 軸の側である周方向中央部における円弧を削 るよ うに設けられている。
[0015] 上記構成にすることにより、 軸の方向において、 円弧状の磁石の突出部 分を切削することにより、 各基準面を容易に設けることができる。
[0016] 第 5の手段は、 第 1の手段において、 前記第 1基準面及び前記第 2基準面 は、 前記磁石の周方向両側に設けられており、 前記界磁子は、 前記磁石部が 固定される磁石保持部を備え、 前記磁石保持部には、 周方向において前記第 1基準面又は前記第 2基準面に対して係合する係合部が設けられ いる。
[0017] 基準面は、 平面であるため、 係合部を設けることにより、 磁石のまわり止 めとして機能させることができる。
[0018] 第 6の手段は、 第 1又は第 5の手段において、 前記磁石は、 軸を中心と して、 周方向に隣接する ¢1軸の間に設けられており、 前記磁石の反電機子側 において、 前記磁石の周方向両端部における角部分を切 欠くように設けられ た切欠き部を有し、 前記各切欠き部の周方向中央側における壁面 が、 それぞ れ前記第 1基準面及び前記第 2基準面とされている。
[0019] 反電機子側の部分において、 軸側の角部分は、 磁石磁路が短くなりやす い部分である。 このため、 この角部分を削るように切欠き部を設けても 、 磁 束密度への影響を抑制することができる。 したがって、 切欠き部の壁面を基 準面とすることにより、 磁束密度の低減を抑制しつつ、 基準面を設けること ができる。
[0020] また、 磁石の反電機子側において、 磁石の周方向両側から角部分を切除す \¥0 2020/175497 4 卩(:171? 2020 /007543
れば、 切欠き部を設けることができるため、 基準面を容易に設けやすくなっ ている。
[0021 ] 第 7の手段は、 第 1又は第 5の手段において、 前記磁石は、 d軸を中心と して、 周方向に隣接する q軸の間に設けられており、 前記磁石の電機子側に おいて、 前記磁石の周方向両端部における角部分を切 欠くように設けられた 切欠き部を有し、 前記各切欠き部の周方向中央側における壁面 が、 それぞれ 前記第 1基準面及び前記第 2基準面とされている。
[0022] 電機子側の部分において、 q軸側の角部分は、 磁石磁路が短くなりやすい 部分である。 このため、 この角部分を削るように切欠き部を設けても 、 磁束 密度への影響を抑制することができる。 したがって、 切欠き部の壁面を基準 面とすることにより、 磁束密度の低減を抑制しつつ、 基準面を設けることが できる。
[0023] また、 磁石の電機子側において、 磁石の周方向両側から角部分を切除すれ ば、 切欠き部を設けることができるため、 基準面を容易に設けやすくなって いる。
[0024] 第 8の手段は、 第 1又は第 5の手段において、 前記界磁子は、 前記電機子 の径方向外側に配置されており、 前記磁石は、 d軸と、 当該 d軸に対して周 方向に隣接する q軸との間に設けられており、 前記磁石の周方向における q 軸側端面は、 q軸に沿った平面であるとともに、 当該 q軸側端面が前記第 2 基準面とされており、 前記磁石の反電機子側において、 d軸側の角部分には 、 q軸に平行な平面が設けられており、 当該平面が第 1基準面とされる。
[0025] 反電機子側の部分において、 d軸側の角部分は、 磁石磁路が短くなりやす い部分である。 このため、 この部分を削るように基準面を設けても、 磁束密 度への影響を抑制することができる。 また、 第 1基準面を q軸端面に平行と している。 このため、 q軸端面に垂直となる方向において突出部分 なる d 軸側の角部分を切削すればよくなり、 容易に設けることができる。
[0026] 第 9の手段は、 第 1又は第 5の手段において、 前記界磁子は、 前記電機子 の径方向内側に配置されており、 前記磁石は、 d軸と、 当該 d軸に対して周 \¥0 2020/175497 5 卩(:171? 2020 /007543
方向に隣接する 9軸との間に設けられており、 前記磁石の周方向における ¢1 軸側端面は、 軸に沿った平面であるとともに、 当該 軸側端面が前記第 1 基準面とされており、 前記磁石の電機子側において、 軸側の角部分には、 軸に平行な平面が設けられており、 当該平面が第 2基準面とされる。
[0027] 電機子側の部分において、 軸側の角部分は、 磁石磁路が短くなりやすい 部分である。 このため、 この部分を削るように基準面を設けても、 磁束密度 への影響を抑制することができる。 また、 第 2基準面を 軸端面に平行とし ている。 つまり、 軸端面に垂直となる方向において突出部分と なる 軸側 の角部分を切削すればよくなり、 容易に設けることができる。
[0028] 第 1 0の手段は、 第 1〜第 9のいずれかの手段において、 前記磁石は、 固 有保磁力が 4 0 0 [1<八/ ] 以上であり、 かつ、 残留磁束密度が 1 . 0 [ 丁] 以上である。
図面の簡単な説明
[0029] 本開示についての上記目的およびその他の目 的、 特徴や利点は、 添付の図 面を参照しながら下記の詳細な記述により、 より明確になる。 その図面は、 [図 1]図 1は、 回転電機の縦断面斜視図であり、
[図 2]図 2は、 回転電機の縦断面図であり、
[図 3]図 3は、 図 2の 111— 111線断面図であり、
[図 4]図 4は、 図 3の一部を拡大して示す断面図であり、
[図 5]図 5は、 回転電機の分解図であり、
[図 6]図 6は、 インバータユニットの分解図であり、
[図 7]図 7は、 固定子巻線のアンペアターンとトルク密度と の関係を示すトル ク線図であり、
[図 8]図 8は、 回転子及び固定子の横断面図であり、
[図 9]図 9は、 図 8の一部を拡大して示す図であり、
[図 10]図 1 0は、 固定子の横断面図であり、
[図 1 1]図 1 1は、 固定子の縦断面図であり、
[図 12]図 1 2は、 固定子卷線の斜視図であり、 \¥0 2020/175497 6 卩(:171? 2020 /007543
[図 13]図 1 3は、 導線の構成を示す斜視図であり、
[図 14]図 1 4は、 素線の構成を示す模式図であり、
[図 15]図 1 5は、 n層目における各導線の形態を示す図であり
[図 16]図 1 6は、 n層目と n + 1層目の各導線を示す側面図であり、
[図 17]図 1 7は、 実施形態の磁石について電気角と磁束密度と の関係を示す 図であり、
[図 18]図 1 8は、 比較例の磁石について電気角と磁束密度との 関係を示す図 であり、
[図 19]図 1 9は、 回転電機の制御システムの電気回路図であり 、
[図 20]図 2 0は、 制御装置による電流フィードバック制御処理 を示す機能ブ ロック図であり、
[図 21]図 2 1は、 制御装置によるトルクフィードバック制御処 理を示す機能 ブロック図であり、
[図 22]図 2 2は、 第 2実施形態における回転子及び固定子の横断 図であり
[図 23]図 2 3は、 図 2 2の一部を拡大して示す図であり、
[図 24]図 2 4は、 磁石ユニッ トにおける磁束の流れを具体的に示す図であ り
[図 25]図 2 5は、 変形例 1 における固定子の断面図であり、
[図 26]図 2 6は、 変形例 1 における固定子の断面図であり、
[図 27]図 2 7は、 変形例 2における固定子の断面図であり、
[図 28]図 2 8は、 変形例 3における固定子の断面図であり、
[図 29]図 2 9は、 変形例 4における固定子の断面図であり、
[図 30]図 3 0は、 変形例 7における回転子及び固定子の横断面図であ 、
[図 31]図 3 1は、 変形例 8において操作信号生成部の処理の一部を示 機能 ブロック図であり、
[図 32]図 3 2は、 キヤリア周波数変更処理の手順を示すフロー チヤートであ り、 \¥0 2020/175497 7 卩(:171? 2020 /007543
[図 33]図 3 3は、 変形例 9において導線群を構成する各導線の接続形 を示 す図であり、
[図 34]図 3 4は、 変形例 9において 4対の導線が積層配置されている構成を 示す図であり、
[図 35]図 3 5は、 変形例 1 0においてインナロータ型の回転子及び固定 の 横断面図であり、
[図 36]図 3 6は、 図 3 5の一部を拡大して示す図であり、
[図 37]図 3 7は、 インナロータ型の回転電機の縦断面図であり 、
[図 38]図 3 8は、 インナロータ型の回転電機の概略構成を示す 縦断面図であ り、
[図 39]図 3 9は、 変形例 1 1 においてインナロータ構造の回転電機の構成 を 示す図であり、
[図 40]図 4 0は、 変形例 1 1 においてインナロータ構造の回転電機の構成 を 示す図であり、
[図 41]図 4 1は、 変形例 1 2において回転電機子形の回転電機の構成を す 図であり、
[図 42]図 4 2は、 変形例 1 4における導線の構成を示す断面図であり、 [図 43]図 4 3は、 リラクタンストルク、 磁石トルク及び口1\/1の関係を示す図 であり、
[図 44]図 4 4は、 テイースを示す図であり、
[図 45]図 4 5は、 インホイールモータ構造の車輪及びその周辺 構造を示す斜 視図であり、
[図 46]図 4 6は、 車輪及びその周辺構造の縦断面図であり、
[図 47]図 4 7は、 車輪の分解斜視図であり、
[図 48]図 4 8は、 回転電機を回転軸の突出側から見た側面図で あり、 [図 49]図 4 9は、 図 4 8の 4 9— 4 9線断面図であり、
[図 50]図 5 0は、 図 4 9の 5 0— 5 0線断面図であり、
[図 51]図 5 1は、 回転電機の分解断面図であり、 \¥0 2020/175497 8 卩(:171? 2020 /007543
[図 52]図 5 2は、 回転子の部分断面図であり、
[図 53]図 5 3は、 固定子巻線及び固定子コアの斜視図であり、
[図 54]図 5 4は、 固定子巻線を平面状に展開して示す正面図で あり、
[図 55]図 5 5は、 導線のスキューを示す図であり、
[図 56]図 5 6は、 インバータユニットの分解断面図であり、
[図 57]図 5 7は、 インバータユニットの分解断面図であり、
[図 58]図 5 8は、 インバータハウジングでの各電気モジュール の配置の状態 を示す図であり、
[図 59]図 5 9は、 電力変換器の電気的構成を示す回路図であり 、
[図 60]図 6 0は、 スイッチモジュールの冷却構造例を示す図で あり、
[図 61]図 6 1は、 スイッチモジュールの冷却構造例を示す図で あり、
[図 62]図 6 2は、 スイッチモジュールの冷却構造例を示す図で あり、
[図 63]図 6 3は、 スイッチモジュールの冷却構造例を示す図で あり、
[図 64]図 6 4は、 スイッチモジュールの冷却構造例を示す図で あり、
[図 65]図 6 5は、 冷却水通路に対する各電気モジュールの配列 順序を示す図 であり、
[図 66]図 6 6は、 図 4 9の 6 6— 6 6線断面図であり、
[図 67]図 6 7は、 図 4 9の 6 7— 6 7線断面図であり、
[図 68]図 6 8は、 バスバーモジュールを単体で示す斜視図であ り、
[図 69]図 6 9は、 各電気モジュールとバスバーモジュールとの 電気的な接続 状態を示す図であり、
[図 70]図 7 0は、 各電気モジュールとバスバーモジュールとの 電気的な接続 状態を示す図であり、
[図 71]図 7 1は、 各電気モジュールとバスバーモジュールとの 電気的な接続 状態を示す図であり、
[図 72]図 7 2は、 インホイールモータにおける変形例 1 を説明するための構 成図であり、
[図 73]図 7 3は、 インホイールモータにおける変形例 2を説明するための構 \¥0 2020/175497 9 卩(:171? 2020 /007543
成図であり、
[図 74]図 7 4は、 インホイールモータにおける変形例 3を説明するための構 成図であり、
[図 75]図 7 5は、 インホイールモータにおける変形例 4を説明するための構 成図であり、
[図 76]図 7 6は、 変形例 1 5における回転子及び固定子の横断面図であ 、 [図 77]図 7 7は、 変形例 1 5の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 78]図 7 8は、 変形例 1 5の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 79]図 7 9は、 変形例 1 5の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 80]図 8 0は、 変形例 1 5の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 81]図 8 1は、 変形例 1 5の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 82]図 8 2は、 変形例 1 6における回転子及び固定子の横断面図であ 、 [図 83]図 8 3は、 変形例 1 6の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 84]図 8 4は、 変形例 1 6の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 85]図 8 5は、 変形例 1 6の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 86]図 8 6は、 変形例 1 6の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 87]図 8 7は、 変形例 1 6の別例における回転子及び固定子の横断面 で あり、
[図 88]図 8 8は、 固定子の断面図である。 \¥0 2020/175497 10 卩(:171? 2020 /007543
発明を実施するための形態
[0030] 図面を参照しながら、 複数の実施形態を説明する。 複数の実施形態におい て、 機能的におよび/または構造的に対応する部 および/または関連付け られる部分には同一の参照符号、 または百以上の位が異なる参照符号が付さ れる場合がある。 対応する部分および/又は関連付けられる部 については 、 他の実施形態の説明を参照することができる 。
[0031 ] 本実施形態における回転電機は、 例えば車両動力源として用いられるもの となっている。 ただし、 回転電機は、 産業用、 車両用、 家電用、 〇八機器用 、 遊技機用などとして広く用いられることが可 能となっている。 なお、 以下 の各実施形態相互において、 互いに同 _ 又は均等である部分には、 図中、 同 _符号を付しており、 同 _ 符号の部分についてはその説明を援用す る。
[0032] (第 1実施形態)
本実施形態に係る回転電機 1 〇は、 同期式多相交流モータであり、 アウタ 口ータ構造 (外転構造) のものとなっている。 回転電機 1 0の概要を図 1乃 至図 5に示す。 図 1は、 回転電機 1 0の縦断面斜視図であり、 図 2は、 回転 電機 1 0の回転軸 1 1 に沿う方向での縦断面図であり、 図 3は、 回転軸 1 1 に直交する方向での回転電機 1 〇の横断面図 (図 2の 111 - 111線断面図) で あり、 図 4は、 図 3の一部を拡大して示す断面図であり、 図 5は、 回転電機 1 〇の分解図である。 なお、 図 3では、 図示の都合上、 回転軸 1 1 を除き、 切断面を示すハッチングを省略している。 以下の記載では、 回転軸 1 1が延 びる方向を軸方向とし、 回転軸 1 1の中心から放射状に延びる方向を径方向 とし、 回転軸 1 1 を中心として円周状に延びる方向を周方向と している。
[0033] 回転電機 1 0は、 大別して、 軸受ユニッ ト 2 0と、 ハウジング 3 0と、 回 転子 4 0と、 固定子 5 0と、 インバータユニッ ト 6 0とを備えている。 これ ら各部材は、 いずれも回転軸 1 1 と共に同軸上に配置され、 所定順序で軸方 向に組み付けられることで回転電機 1 0が構成されている。 本実施形態の回 転電機 1 0は、 「界磁子」 としての回転子 4 0と、 「電機子」 としての固定 子 5 0とを有する構成となっており、 回転界磁形の回転電機として具体化さ \¥0 2020/175497 1 1 卩(:171? 2020 /007543
れるものとなっている。
[0034] 軸受ユニッ ト 2 0は、 軸方向に互いに離間して配置される 2つの軸受 2 1 , 2 2と、 その軸受 2 1 , 2 2を保持する保持部材 2 3とを有している。 軸 受 2 1 , 2 2は、 例えばラジアル玉軸受であり、 それぞれ外輪 2 5と、 内輪 2 6と、 それら外輪 2 5及び内輪 2 6の間に配置された複数の玉 2 7とを有 している。 保持部材 2 3は円筒状をなしており、 その径方向内側に軸受 2 1 , 2 2が組み付けられている。 そして、 軸受 2 1 , 2 2の径方向内側に、 回 転軸 1 1及び回転子 4 0が回転自在に支持されている。 軸受 2 1 , 2 2によ り、 回転軸 1 1 を回転可能に支持する一組の軸受が構成され ている。
[0035] 各軸受 2 1 , 2 2では、 不図示のリテーナにより玉 2 7が保持され、 その 状態で各玉同士のピッチが保たれている。 軸受 2 1 , 2 2は、 リテーナの軸 方向上下部に封止部材を有し、 その内部に非導電性グリース (例えば非導電 性のウレア系グリース) が充填されている。 また、 内輪 2 6の位置がスぺ一 サにより機械的に保持され、 内側から上下方向に凸となる定圧予圧が施さ れ ている。
[0036] ハウジング 3 0は、 円筒状をなす周壁 3 1 を有する。 周壁 3 1は、 その軸 方向に対向する第 1端と第 2端を有する。 周壁 3 1は、 第 1端に端面 3 2と 有するとともに、 第 2端に開口 3 3を有する。 開口 3 3は、 第 2端の全体に おいて開放されている。 端面 3 2には、 その中央に円形の孔 3 4が形成され ており、 その孔 3 4に揷通させた状態で、 ネジやリベッ ト等の固定具により 軸受ユニッ ト 2 0が固定されている。 また、 ハウジング 3 0内、 すなわち周 壁 3 1及び端面 3 2により区画された内部スペースには、 中空円筒状の回転 子 4 0と中空円筒状の固定子 5 0とが収容されている。 本実施形態では回転 電機 1 〇がアウタロータ式であり、 ハウジング 3 0内には、 筒状をなす回転 子 4 0の径方向内側に固定子 5 0が配置されている。 回転子 4 0は、 軸方向 において端面 3 2の側で回転軸 1 1 に片持ち支持されている。
[0037] 回転子 4 0は、 中空筒状に形成された磁石ホルダ 4 1 と、 その磁石ホルダ 4 1の径方向内側に設けられた環状の磁石ユニ ト 4 2とを有している。 磁 \¥0 2020/175497 12 卩(:171? 2020 /007543
石ホルダ 4 1は、 略カップ状をなし、 磁石保持部材としての機能を有する。 磁石ホルダ 4 1は、 円筒状をなす円筒部 4 3と、 同じく円筒状をなしかつ円 筒部 4 3よりも小径の固定部 (attachment) 4 4と、 それら円筒部 4 3及び 固定部 4 4を繫ぐ部位となる中間部 4 5とを有している。 円筒部 4 3の内周 面に磁石ユニッ ト 4 2が取り付けられている。
[0038] なお、 磁石ホルダ 4 1は、 機械強度が充分な冷間圧延鋼板 (S P C C) や 、 鍛造用鋼、 炭素繊維強化プラスチック (C F R P) 等により構成されてい る。
[0039] 固定部 4 4の貫通孔 4 4 aには回転軸 1 1が揷通される。 貫通孔 4 4 a内 に配置された回転軸 1 1 に対して固定部 4 4が固定されている。 つまり、 固 定部 4 4により、 回転軸 1 1 に対して磁石ホルダ 4 1が固定されている。 な お、 固定部 4 4は、 凹凸を利用したスプライン結合やキー結合、 溶接、 又は かしめ等により回転軸 1 1 に対して固定されているとよい。 これにより、 回 転子 4 0が回転軸 1 1 と一体に回転する。
[0040] また、 固定部 4 4の径方向外側には、 軸受ユニッ ト 2 0の軸受 2 1 , 2 2 が組み付けられている。 上述のとおり軸受ユニッ ト 2 0はハウジング 3 0の 端面 3 2に固定されているため、 回転軸 1 1及び回転子 4 0は、 ハウジング 3 0に回転可能に支持されるものとなっている これにより、 ハウジング 3 0内において回転子 4 0が回転自在となっている。
[0041 ] 回転子 4 0には、 その軸方向に対向する二つの端部の一方にの み固定部 4 4が設けられており、 これにより、 回転子 4 0が回転軸 1 1 に片持ち支持さ れている。 ここで、 回転子 4 0の固定部 4 4は、 軸受ユニッ ト 2 0の軸受 2 1 , 2 2により、 軸方向に異なる 2位置で回転可能に支持されている。 すな わち、 回転子 4 0は、 磁石ホルダ 4 1の、 その軸方向に対向する二つの端部 の一方において、 その軸方向に離間する二つの軸受 2 1 , 2 2により回転可 能に支持されている。 そのため、 回転子 4 0が回転軸 1 1 に片持ち支持され る構造であっても、 回転子 4 0の安定回転が実現されるようになっている この場合、 回転子 4 0の軸方向中心位置に対して片側にずれた位 で、 回転 \¥0 2020/175497 13 卩(:171? 2020 /007543
子 4 0が軸受 2 1 , 2 2により支持されている。
[0042] また、 軸受ユニッ ト 2 0において回転子 4 0の中心寄り (図の下側) の軸 受 2 2と、 その逆側 (図の上側) の軸受 2 1 とは、 外輪 2 5及び内輪 2 6と 玉 2 7との間の隙間寸法が相違しており、 例えば回転子 4 0の中心寄りの軸 受 2 2の方が、 その逆側の軸受 2 1 よりも隙間寸法が大きいものとなってい る。 この場合、 回転子 4 0の中心寄りの側において、 回転子 4 0の振れや、 部品公差に起因するインバランスによる振動 が軸受ユニッ ト 2 0に作用して も、 その振れや振動の影響が良好に吸収される。 具体的には、 回転子 4 0の 中心寄り (図の下側) の軸受 2 2において予圧により遊び寸法 (隙間寸法) を大きく していることで、 片持ち構造において生じる振動がその遊び部 分に より吸収される。 前記予圧は、 定位置予圧、 又は定圧予圧のいずれであって も良い。 定位置予圧の場合、 軸受 2 1 と軸受 2 2の外輪 2 5はいずれも保持 部材 2 3に対して、 圧入、 又は接着等の方法を用いて接合されている。 また 、 軸受 2 1 と軸受 2 2の内輪 2 6はいずれも回転軸 1 1 に対して、 圧入、 又 は接着等の方法を用いて接合されている。 ここで軸受 2 1の外輪 2 5を軸受 2 1の内輪 2 6に対して軸方向に異なる位置に配置する事 予圧を発生させ ることができる。 軸受 2 2の外輪 2 5を軸受 2 2の内輪 2 6に対して軸方向 に異なる位置に配置する事でも予圧を発生さ せることができる。
[0043] また定圧予圧を採用する場合には、 軸方向において、 軸受 2 2と軸受 2 1 に挟まれた領域から軸受 2 2の外輪 2 5に向けて予圧が発生する様に予圧用 パネ、 例えばゥェーブワッシャ 2 4等を軸受 2 2と軸受 2 1 に挟まれた同領 域に配置する。 この場合も、 軸受 2 1 と軸受 2 2の内輪 2 6はいずれも回転 軸 1 1 に対して、 圧入、 又は接着等の方法を用いて接合されている。 軸受 2 1、 又は軸受 2 2の外輪 2 5は、 保持部材 2 3に対して所定のクリアランス を介して配置される。 このような構成とすることで、 軸受 2 2の外輪 2 5に は軸受 2 1から離れる方向に予圧用パネのパネカが作 する。 そして、 この 力が回転軸 1 1 を伝わることで、 軸受 2 1の内輪 2 6を軸受 2 2の方向に押 し付ける力が作用する。 これにより、 軸受 2 1 , 2 2ともに、 外輪 2 5と内 \¥0 2020/175497 14 卩(:171? 2020 /007543
輪 2 6の軸方向の位置がずれ、 前述した定位置予圧と同様に 2つのべアリン グに予圧を掛けることができる。
[0044] なお、 定圧予圧を発生させる際には、 必ずしも図 2に示す様に軸受 2 2の 外輪 2 5にパネカを印加する必要は無い。 例えば、 軸受 2 1の外輪 2 5にバ ネカを印加しても良い。 また軸受 2 1 , 2 2のいずれかの内輪 2 6を回転軸 1 1 に対して所定のクリアランスを介して配置し 、 軸受 2 1 , 2 2の外輪 2 5を保持部材 2 3に対して圧入、 又は接着等の方法を用いて接合することで 、 2つのベアリングに予圧を掛けても良い。
[0045] 更には、 軸受 2 1の内輪 2 6が軸受 2 2に対して離れるように力を作用さ せる場合には、 軸受 2 2の内輪 2 6も軸受 2 1 に対して離れるように力を作 用させる方が良い。 逆に、 軸受 2 1の内輪 2 6が軸受 2 2に対して近づくよ うに力を作用させる場合には、 軸受 2 2の内輪 2 6も軸受 2 1 に対して近づ くように力を作用させる方が良い。
[0046] なお、 本回転電機 1 0を車両動力源等の目的で車両に適用する場 には、 予圧を発生させる機構に対して予圧の発生方 向の成分を持つ振動が加わる可 能性や、 予圧を印加する対象物に掛る重力の方向が変 動してしまう可能性が ある。 その為、 本回転電機 1 0を車両に適用する場合には、 定位置予圧を採 用することが望ましい。
[0047] また、 中間部 4 5は、 環状の内側肩部 4 9 3 と環状の外側肩部 4 9匕を有 する。 外側肩部 4 9 13は、 中間部 4 5の径方向において内側肩部 4 9 3の外 側に位置している。 内側肩部 4 9 3 と外側肩部 4 9匕は、 中間部 4 5の軸方 向において互いに離間している。 これにより、 中間部 4 5の径方向において 、 円筒部 4 3と固定部 4 4とは部分的に重複している。 つまり、 固定部 4 4 の基端部 (図の下側の奧側端部) よりも軸方向外側に、 円筒部 4 3が突出す るものとなっている。 本構成では、 中間部 4 5が段差無しで平板状に設けら れる場合に比べて、 回転子 4 0の重心近くの位置で、 回転軸 1 1 に対して回 転子 4 0を支持させることが可能となり、 回転子 4 0の安定動作が実現でき るものとなっている。 \¥0 2020/175497 15 卩(:171? 2020 /007543
[0048] 上述した中間部 4 5の構成によれば、 回転子 4 0には、 径方向において固 定部 4 4を囲みかつ中間部 4 5の内寄りとなる位置に、 軸受ユニッ ト 2 0の 一部を収容する軸受収容凹部 4 6が環状に形成されるとともに、 径方向にお いて軸受収容凹部 4 6を囲みかつ中間部 4 5の外寄りとなる位置に、 後述す る固定子 5 0の固定子巻線 5 1 のコイルエンド 5 4を収容するコイル収容凹 部 4 7が形成されている。 そして、 これら各収容凹部 4 6 , 4 7が、 径方向 の内外で隣り合うように配置されるようにな っている。 つまり、 軸受ユニッ 卜 2 0の一部と、 固定子卷線 5 1 のコイルエンド 5 4とが径方向内外に重複 するように配置されている。 これにより、 回転電機 1 0において軸方向の長 さ寸法の短縮が可能となっている。
[0049] 中間部 4 5は、 回転軸 1 1側から径方向外側に張り出すように設けら て いる。 そして、 その中間部 4 5に、 軸方向に延び、 固定子 5 0の固定子巻線 5 1のコイルエンド 5 4に対する接触を回避する接触回避部が設け れてい る。 中間部 4 5が張出部に相当する。
[0050] コイルエンド 5 4は、 径方向の内側又は外側に曲げられることで、 そのコ イルエンド 5 4の軸方向寸法を小さくすることができ、 固定子 5 0の軸長を 短縮することが可能である。 コイルエンド 5 4の曲げ方向は、 回転子 4 0と の組み付けを考慮したものであるとよい。 回転子 4〇の径方向内側に固定子 5 0を組み付けることを想定すると、 その回転子 4 0に対する揷入先端側で は、 コイルエンド 5 4が径方向内側に曲げられるとよい。 コイルエンド 5 4 の反対側のコイルエンドの曲げ方向は任意で よいが、 空間的に余裕のある外 側に曲げた形状が製造上好ましい。
[0051 ] また、 磁石部としての磁石ユニッ ト 4 2は、 円筒部 4 3の径方向内側にお いて、 周方向に沿って極性が交互に変わるように配 置された複数の永久磁石 により構成されている。 これにより、 磁石ユニッ ト 4 2は、 周方向に複数の 磁極を有する。 ただし、 磁石ユニッ ト 4 2の詳細については後述する。
[0052] 固定子 5 0は、 回転子 4 0の径方向内側に設けられている。 固定子 5 0は 、 略筒状 (環状) に卷回形成された固定子巻線 5 1 と、 その径方向内側に配 \¥0 2020/175497 16 卩(:171? 2020 /007543
置されたべース部材としての固定子コア 5 2とを有しており、 固定子巻線 5 1が、 所定のエアギャップを挟んで円環状の磁石ユ ニッ ト 4 2に対向するよ うに配置されている。 固定子巻線 5 1は複数の相巻線よりなる。 それら各相 巻線は、 周方向に配列された複数の導線が所定ピッチ で互いに接続されるこ とで構成されている。 本実施形態では、 リ相、 V相及び 相の 3相卷線と、 X相、 丫相及び 相の 3相卷線とを用い、 それら 3相の巻線を 2つ用いるこ とで、 固定子巻線 5 1が 6相の相巻線として構成されている。
[0053] 固定子コア 5 2は、 軟磁性材である電磁鋼板が積層された積層鋼 板により 円環状に形成されており、 固定子巻線 5 1の径方向内側に組み付けられてい る。 電磁鋼板は、 例えば鉄に数%程度 (例えば 3 %) の珪素を添加した珪素 鋼板である。 固定子巻線 5 1が電機子巻線に相当し、 固定子コア 5 2が電機 子コアに相当する。
[0054] 固定子巻線 5 1は、 径方向において固定子コア 5 2に重複する部分であり 、 かつ固定子コア 5 2の径方向外側となるコイルサイ ド部 5 3と、 軸方向に おいて固定子コア 5 2の一端側及び他端側にそれぞれ張り出すコ ルエンド 5 4 , 5 5とを有している。 コイルサイ ド部 5 3は、 径方向において固定子 コア 5 2と回転子 4 0の磁石ユニッ ト 4 2にそれぞれ対向している。 回転子
4 0の内側に固定子 5 0が配置された状態では、 軸方向両側のコイルエンド
5 4 , 5 5のうち軸受ユニッ ト 2 0の側 (図の上側) となるコイルエンド 5 4が、 回転子 4 0の磁石ホルダ 4 1 により形成されたコイル収容凹部 4 7に 収容されている。 ただし、 固定子 5 0の詳細については後述する。
[0055] インバータユニッ ト 6 0は、 ハウジング 3 0に対してボルト等の締結具に より固定されるユニッ トべース 6 1 と、 そのユニッ トべース 6 1 に組み付け られる複数の電気コンポーネント 6 2とを有している。 ユニッ トべース 6 1 は、 例えば炭素繊維強化プラスチック により構成されている。 ユニッ トべース 6 1は、 ハウジング 3 0の開口 3 3の縁に対して固定される エンドプレート 6 3と、 そのエンドプレート 6 3に一体に設けられ、 軸方向 に延びるケーシング 6 4とを有している。 エンドブレート 6 3は、 その中心 \¥0 2020/175497 17 卩(:171? 2020 /007543
部に円形の開口 6 5を有しており、 開口 6 5の周縁部から起立するようにし てケーシング 6 4が形成されている。
[0056] ケーシング 6 4の外周面には固定子 5 0が組み付けられている。 つまり、 ケーシング 6 4の外径寸法は、 固定子コア 5 2の内径寸法と同じか、 又は固 定子コア 5 2の内径寸法よりも僅かに小さい寸法になっ いる。 ケーシング 6 4の外側に固定子コア 5 2が組み付けられることで、 固定子 5 0とユニッ 卜べース 6 1 とが一体化されている。 また、 ユニッ トべース 6 1がハウジン グ 3 0に固定されることからすると、 ケーシング 6 4に固定子コア 5 2が組 み付けられた状態では、 固定子 5 0が/ \ウジング 3 0に対して一体化された 状態となっている。
[0057] なお、 固定子コア 5 2は、 ユニッ トべース 6 1 に対して接着、 焼きばめ、 圧入等により組み付けられているとよい。 これにより、 ユニッ トべース 6 1 側に対する固定子コア 5 2の周方向又は軸方向の位置ずれが抑制され 。
[0058] また、 ケーシング 6 4の径方向内側は、 電気コンポーネント 6 2を収容す る収容空間となっており、 その収容空間には、 回転軸 1 1 を囲むようにして 電気コンポーネント 6 2が配置されている。 ケーシング 6 4は、 収容空間形 成部としての役目を有している。 電気コンポーネント 6 2は、 インバータ回 路を構成する半導体モジュール 6 6や、 制御基板 6 7、 コンデンサモジュー ル 6 8を具備する構成となっている。
[0059] なお、 ユニッ トべース 6 1が、 固定子 5 0の径方向内側に設けられ、 固定 子 5 0を保持する固定子ホルダ (電機子ホルダ) に相当する。 ハウジング 3 0及びユニッ トべース 6 1 により、 回転電機 1 0のモータハウジングが構成 されている。 このモータハウジングでは、 回転子 4 0を挟んで軸方向の一方 側においてハウジング 3 0に対して保持部材 2 3が固定されるとともに、 他 方側においてハウジング 3 0及びユニッ トべース 6 1が互いに結合されてい る。 例えば電気自動車である電動車両等において は、 その車両等の側にモー タハウジングが取り付けられることで、 回転電機 1 0が車両等に装着される \¥0 2020/175497 18 卩(:171? 2020 /007543
[0060] ここで、 上記図 1〜図 5に加え、 インバータユニッ ト 6 0の分解図である 図 6を用いて、 インバータユニッ ト 6 0の構成をさらに説明する。
[0061 ] ユニッ トべース 6 1 において、 ケーシング 6 4は、 筒状部 7 1 と、 その軸 方向において対向する両端の一方 (軸受ユニッ ト 2 0側の端部) に設けられ た端面 7 2とを有している。 筒状部 7 1の軸方向両端部のうち端面 7 2の反 対側は、 エンドブレート 6 3の開口 6 5を通じて全面的に開放されている。 端面 7 2には、 その中央に円形の孔 7 3が形成されており、 その孔 7 3に回 転軸 1 1が揷通可能となっている。 孔 7 3には、 回転軸 1 1の外周面との間 の空隙を封鎖するシール材 1 7 1が設けられている。 シール材 1 7 1は、 例 えば樹脂材料よりなる摺動シールであるとよ い。
[0062] ケーシング 6 4の筒状部 7 1は、 その径方向外側に配置される回転子 4 0 及び固定子 5 0と、 その径方向内側に配置される電気コンポーネ ント 6 2と の間を仕切る仕切り部となっており、 筒状部 7 1 を挟んで径方向内外に、 回 転子 4 0及び固定子 5 0と電気コンポーネント 6 2とが並ぶようにそれぞれ 配置されている。
[0063] また、 電気コンポーネント 6 2は、 インバータ回路を構成する電気部品で あり、 固定子巻線 5 1の各相卷線に対して所定順序で電流を流し 回転子 4 0を回転させる力行機能と、 回転軸 1 1の回転に伴い固定子巻線 5 1 に流れ る 3相交流電流を入力し、 発電電力として外部に出力する発電機能とを 有し ている。 なお、 電気コンポーネント 6 2は、 力行機能と発電機能とのうちい ずれか一方のみを有するものであってもよい 。 発電機能は、 例えば回転電機 1 〇が車両用動力源として用いられる場合、 回生電力として外部に出力する 回生機能である。
[0064] 電気コンポーネント 6 2の具体的な構成として、 図 4に示すように、 回転 軸 1 1の周りには、 中空円筒状をなすコンデンサモジュール 6 8が設けられ ており、 そのコンデンサモジュール 6 8の外周面上に、 複数の半導体モジュ —ル 6 6が周方向に並べて配置されている。 コンデンサモジュール 6 8は、 互いに並列接続された平滑用のコンデンサ 6 8 3 を複数備えている。 具体的 \¥0 2020/175497 19 卩(:171? 2020 /007543
には、 コンデンサ 6 8 3は、 複数枚のフィルムコンデンサが積層されてな る 積層型フィルムコンデンサであり、 横断面が台形状をなしている。 コンデン サモジュール 6 8は、 1 2個のコンデンサ 6 8 3が環状に並べて配置される ことで構成されている。
[0065] なお、 コンデンサ 6 8 3の製造過程においては、 例えば、 複数のフィルム が積層されてなる所定幅の長尺フィルムを用 い、 フィルム幅方向を台形高さ 方向とし、 かつ台形の上底と下底とが交互になるように 長尺フィルムが等脚 台形状に切断されることにより、 コンデンサ素子が作られる。 そして、 その コンデンサ素子に電極等を取り付けることで コンデンサ 6 8 3が作製される
[0066] 半導体モジュール 6 6は、 例えば 1\/1〇3 巳丁や I 〇巳丁等の半導体スイ ツチング素子を有し、 略板状に形成されている。 本実施形態では、 回転電機 1 〇が 2組の 3相巻線を備えており、 その 3相卷線ごとにインバータ回路が 設けられていることから、 計 1 2個の半導体モジュール 6 6を環状に並べて 形成された半導体モジュール群 6 6八が電気コンポーネント 6 2に設けられ ている。
[0067] 半導体モジュール 6 6は、 ケーシング 6 4の筒状部 7 1 とコンデンサモジ ュール 6 8との間に挟まれた状態で配置されている。 半導体モジュール群 6 6八の外周面は筒状部 7 1の内周面に当接し、 半導体モジュール群 6 6八の 内周面はコンデンサモジュール 6 8の外周面に当接している。 この場合、 半 導体モジュール 6 6で生じた熱は、 ケーシング 6 4を介してエンドブレート 6 3に伝わり、 エンドブレート 6 3から放出される。
[0068] 半導体モジュール群 6 6八は、 外周面側、 すなわち径方向において半導体 モジュール 6 6と筒状部 7 1 との間にスぺーサ 6 9を有しているとよい。 こ の場合、 コンデンサモジュール 6 8では軸方向に直交する横断面の断面形状 が正 1 2角形である一方、 筒状部 7 1の内周面の横断面形状が円形であるた め、 スぺーサ 6 9は、 内周面が平坦面、 外周面が曲面となっている。 スぺ一 サ 6 9は、 半導体モジュール群 6 6八の径方向外側において円環状に連なる \¥0 2020/175497 20 卩(:171? 2020 /007543
ように一体に設けられていてもよい。 スぺーサ 6 9は、 良熱伝導体であり、 例えばアルミニウム等の金属、 又は放熱ゲルシート等であるとよい。 なお、 筒状部 7 1の内周面の横断面形状をコンデンサモジュ ル 6 8と同じ 1 2角 形にすることも可能である。 この場合、 スぺーサ 6 9の内周面及び外周面が いずれも平坦面であるとよい。
[0069] また、 本実施形態では、 ケーシング 6 4の筒状部 7 1 に、 冷却水を流通さ せる冷却水通路 7 4が形成されており、 半導体モジュール 6 6で生じた熱は 、 冷却水通路 7 4を流れる冷却水に対しても放出される。 つまり、 ケーシン グ 6 4は水冷機構を備えている。 図 3や図 4に示すように、 冷却水通路 7 4 は、 電気コンポーネント 6 2 (半導体モジュール 6 6及びコンデンサモジュ —ル 6 8) を囲むように環状に形成されている。 半導体モジュール 6 6は筒 状部 7 1の内周面に沿って配置されており、 その半導体モジュール 6 6に対 して径方向内外に重なる位置に冷却水通路 7 4が設けられている。
[0070] 筒状部 7 1の外側には固定子 5 0が配置され、 内側には電気コンポーネン 卜 6 2が配置されていることから、 筒状部 7 1 に対しては、 その外側から固 定子 5 0の熱が伝わるとともに、 内側から電気コンポーネント 6 2の熱 (例 えば半導体モジュール 6 6の熱) が伝わることになる。 この場合、 固定子 5 0と半導体モジュール 6 6とを同時に冷やすことが可能となっており 回転 電機 1 0における発熱部材の熱を効率良く放出する とができる。
[0071 ] 更に、 固定子巻線 5 1への通電を行うことで回転電機を動作させ インバ —夕回路の一部、 又は全部を構成する半導体モジュール 6 6の少なくとも一 部が、 ケーシング 6 4の筒状部 7 1の径方向外側に配置された固定子コア 5 2に囲まれた領域内に配置されている。 望ましくは、 1つの半導体モジュー ル 6 6の全体が固定子コア 5 2に囲まれた領域内に配置されている。 更に、 望ましくは、 全ての半導体モジュール 6 6の全体が固定子コア 5 2に囲まれ た領域内に配置されている。
[0072] また、 半導体モジュール 6 6の少なくとも一部が、 冷却水通路 7 4により 囲まれた領域内に配置されている。 望ましくは、 全ての半導体モジュール 6 \¥0 2020/175497 21 卩(:171? 2020 /007543
6の全体がヨーク 1 4 1 に囲まれた領域内に配置されている。
[0073] また、 電気コンポーネント 6 2は、 軸方向において、 コンデンサモジュー ル 6 8の一方の端面に設けられた絶縁シート 7 5と、 他方の端面に設けられ た配線モジュール 7 6とを備えている。 この場合、 コンデンサモジュール 6 8は、 その軸方向に対向した二つの端面、 すなわち第 1端面と第 2端面を有 している。 コンデンサモジュール 6 8の軸受ユニッ ト 2 0に近い第 1端面は 、 ケーシング 6 4の端面 7 2に対向しており、 絶縁シート 7 5を挟んだ状態 で端面 7 2に重ね合わされている。 また、 コンデンサモジュール 6 8の開口 6 5に近い第 2端面には、 配線モジュール 7 6が組み付けられている。
[0074] 配線モジュール 7 6は、 合成樹脂材よりなり円形板状をなす本体部 7 6 3 と、 その内部に埋設された複数のバスバー 7 6匕, 7 を有しており、 そ のバスバー 7 6匕, 7 6〇により、 半導体モジュール 6 6やコンデンサモジ ュール 6 8と電気的接続がなされている。 具体的には、 半導体モジュール 6 6は、 その軸方向端面から延びる接続ピン 6 6 3を有しており、 その接続ピ ン 6 6 3が、 本体部 7 6 3の径方向外側においてバスバー 7 6匕に接続され ている。 また、 バスバー 7 6〇は、 本体部 7 6 3の径方向外側においてコン デンサモジュール 6 8とは反対側に延びており、 その先端部にて配線部材 7 9に接続されるようになっている (図 2参照) 。
[0075] 上記のとおりコンデンサモジュール 6 8の軸方向に対向する第 1端面に絶 縁シート 7 5が設けられ、 かつコンデンサモジュール 6 8の第 2端面に配線 モジュール 7 6が設けられた構成によれば、 コンデンサモジュール 6 8の放 熱経路として、 コンデンサモジュール 6 8の第 1端面および第 2端面から端 面 7 2及び筒状部 7 1 に至る経路が形成される。 すなわち、 第 1端面から端 面 7 2への経路と、 第 2端面から筒状部 7 1へ至る経路が形成される。 これ により、 コンデンサモジュール 6 8において半導体モジュール 6 6が設けら れた外周面以外の端面部からの放熱が可能に なっている。 つまり、 径方向へ の放熱だけでなく、 軸方向への放熱も可能となっている。
[0076] また、 コンデンサモジュール 6 8は中空円筒状をなし、 その内周部には所 \¥0 2020/175497 22 卩(:171? 2020 /007543
定の隙間を介在させて回転軸 1 1が配置されることから、 コンデンサモジュ —ル 6 8の熱はその中空部からも放出可能となって る。 この場合、 回転軸 1 1の回転により空気の流れが生じることによ 、 その冷却効果が高められ るようになっている。
[0077] 配線モジュール 7 6には、 円板状の制御基板 6 7が取り付けられている。
制御基板 6 7は、 所定の配線パターンが形成されたプリントサ ーキッ トボー ド ( 〇巳) を有しており、 そのボード上には各種丨 〇や、 マイコン等から なる制御部に相当する制御装置 7 7が実装されている。 制御基板 6 7は、 ネ ジ等の固定具により配線モジュール 7 6に固定されている。 制御基板 6 7は 、 その中央部に、 回転軸 1 1 を揷通させる揷通孔 6 7 3 を有している。
[0078] なお、 配線モジュール 7 6は、 軸方向に互いに対向する、 すなわち、 その 厚み方向において互いに対向する第 1面と第 2面を有する。 第 1面は、 コン デンサモジュール 6 8に面する。 配線モジュール 7 6は、 その第 2面に、 制 御基板 6 7を設けている。 制御基板 6 7の両面の一方側から他方側に配線モ ジュール 7 6のバスバー 7 6〇が延びる構成となっている。 かかる構成にお いて、 制御基板 6 7には、 バスバー 7 6〇との干渉を回避する切欠が設けら れているとよい。 例えば、 円形状をなす制御基板 6 7の外縁部の一部が切り 欠かれているとよい。
[0079] 上述のとおり、 ケーシング 6 4に囲まれた空間内に電気コンポーネント 6
2が収容され、 その外側に、 ハウジング 3 0、 回転子 4 0及び固定子 5 0が 層状に設けられている構成によれば、 インバータ回路で生じる電磁ノイズが 好適にシールドされるようになっている。 すなわち、 インバータ回路では、 所定のキャリァ周波数による \^/1\/1制御を利用して各半導体モジュール 6 6 でのスイッチング制御が行われ、 そのスイッチング制御により電磁ノイズが 生じることが考えられるが、 その電磁ノイズを、 電気コンポーネント 6 2の 径方向外側のハウジング 3 0、 回転子 4 0、 固定子 5 0等により好適にシー ルドできる。
[0080] 更に、 半導体モジュール 6 6の少なくとも一部が、 ケーシング 6 4の筒状 \¥0 2020/175497 23 卩(:171? 2020 /007543
部 7 1の径方向外側に配置された固定子コア 5 2に囲まれた領域内に配置す ることで、 半導体モジュール 6 6と固定子巻線 5 1 とが固定子コア 5 2を介 さずに配置されている構成に比べて、 半導体モジュール 6 6から磁束が発生 したとしても、 固定子巻線 5 1 に影響を与えにくい。 また、 固定子巻線 5 1 から磁束が発生したとしても、 半導体モジュール 6 6に影響を与えにくい。 なお、 半導体モジュール 6 6の全体が、 ケーシング 6 4の筒状部 7 1の径方 向外側に配置された固定子コア 5 2に囲まれた領域内に配置されると更に効 果的である。 また、 半導体モジュール 6 6の少なくとも一部が、 冷却水通路 7 4により囲まれている場合、 固定子巻線 5 1や磁石ユニッ ト 4 2からの発 熱が半導体モジュール 6 6に届きにくいという効果を得ることができ 。
[0081 ] 筒状部 7 1 においてエンドブレート 6 3の付近には、 その外側の固定子 5
0と内側の電気コンポーネント 6 2とを電気的に接続する配線部材 7 9 (図 2参照) を揷通させる貫通孔 7 8が形成されている。 図 2に示すように、 配 線部材 7 9は、 圧着、 溶接などにより、 固定子巻線 5 1の端部と配線モジュ —ル 7 6のバスバー 7 6〇とにそれぞれ接続されている。 配線部材 7 9は、 例えば/《スバーであり、 その接合面は平たく潰されていることが望ま しい。 貫通孔 7 8は、 1力所又は複数箇所に設けられているとよく 本実施形態で は 2力所に貫通孔 7 8が設けられている。 2力所に貫通孔 7 8が設けられる 構成では、 2組の 3相巻線から延びる巻線端子を、 それぞれ配線部材 7 9に より容易に結線することが可能となり、 多相結線を行う上で好適なものとな つている。
[0082] 上述のとおりハウジング 3 0内には、 図 4に示すように径方向外側から順 に回転子 4 0、 固定子 5 0が設けられ、 固定子 5 0の径方向内側にインパー タユニッ ト 6 0が設けられている。 ここで、 ハウジング 3 0の内周面の半径 を とした場合に、 回転子 4 0の回転中心から X〇. 7 0 5の距離よりも 径方向外側に回転子 4 0と固定子 5 0とが配置されている。 この場合、 回転 子 4 0及び固定子 5 0のうち径方向内側の固定子 5 0の内周面 (すなわち固 定子コア 5 2の内周面) から径方向内側となる領域を第 1領域 X 1、 径方向 \¥0 2020/175497 24 卩(:171? 2020 /007543
において固定子 5 0の内周面からハウジング 3 0までの間の領域を第 2領域 X 2とすると、 第 1領域 X 1の横断面の面積は、 第 2領域 X 2の横断面の面 積よりも大きい構成となっている。 また、 径方向において回転子 4 0の磁石 ユニッ ト 4 2及び固定子巻線 5 1が重複する範囲で見て、 第 1領域 X 1の容 積が第 2領域 X 2の容積よりも大きい構成となっている。
[0083] なお、 回転子 4 0及び固定子 5 0を磁気回路コンポーネントアッセンプリ とすると、 ハウジング 3 0内において、 その磁気回路コンポーネントアッセ ンプリの内周面から径方向内側となる第 1領域 X 1が、 径方向において磁気 回路コンポーネントアッセンプリの内周面か らハウジング 3 0までの間の第 2領域 X 2よりも容積が大きい構成となっている。
[0084] 次いで、 回転子 4 0及び固定子 5 0の構成をより詳しく説明する。
[0085] 一般に、 回転電機における固定子の構成として、 積層鋼板よりなりかつ円 環状をなす固定子コアに周方向に複数のスロ ッ トを設け、 そのスロッ ト内に 固定子巻線を巻装するものが知られている。 具体的には、 固定子コアは、 ヨ —クから所定間隔で径方向に延びる複数のテ ィースを有しており、 周方向に 隣り合うティース間にスロッ トが形成されている。 そして、 スロッ ト内に、 例えば径方向に複数層の導線が収容され、 その導線により固定子巻線が構成 されている。
[0086] ただし、 上述した固定子構造では、 固定子巻線の通電時において、 固定子 巻線の起磁力が増加するのに伴い固定子コア のティース部分で磁気飽和が生 じ、 それに起因して回転電機のトルク密度が制限 されることが考えられる。 つまり、 固定子コアにおいて、 固定子巻線の通電により生じた回転磁束がテ ィースに集中することで、 磁気飽和が生じると考えられる。
[0087] また、 一般的に、 回転電機における 丨 P M (Inter i or Permanent Magnet) ロータの構成として、 永久磁石が d _ q座標系における d軸に配置され、 q 軸にロータコアが配置されたものが知られて いる。 このような場合、 d軸近 傍の固定子巻線が励磁されることで、 フレミングの法則により固定子から回 転子の q軸に励磁磁束が流入される。 そしてこれにより、 回転子の q軸コア \¥0 2020/175497 25 卩(:171? 2020 /007543
部分に、 広範囲の磁気飽和が生じると考えられる。
[0088] 図 7は、 固定子巻線の起磁力を示すアンペアターン [ A T ] とトルク密度
[ N m / L ] との関係を示すトルク線図である。 破線が一般的な丨 P M口一 夕型の回転電機における特性を示す。 図 7に示すように、 一般的な回転電機 では、 固定子において起磁力を増加させていくこと により、 スロッ ト間のテ ィース部分及び q軸コア部分の 2力所で磁気飽和が生じ、 それが原因でトル クの増加が制限されてしまう。 このように、 当該一般的な回転電機では、 ア ンペアターン設計値が A 1で制限されることになる。
[0089] そこで本実施形態では、 磁気飽和に起因する制限を解消すべく、 回転電機
1 0において、 以下に示す構成を付与するものとしている。 すなわち、 第 1 の工夫として、 固定子において固定子コアのティースで生じ る磁気飽和をな くすべく、 固定子 5 0においてスロッ トレス構造を採用し、 かつ 丨 P M口一 夕の q軸コア部分で生じる磁気飽和をなくすべく S P M (Surface Permane nt Magnet) ロータを採用している。 第 1の工夫によれば、 磁気飽和が生じる 上記 2力所の部分をなくすことができるが、 低電流域でのトルクが減少する ことが考えられる (図 7の一点鎖線参照) 。 そのため、 第 2の工夫として、
S P M口一夕の磁束増強を図ることでトルク減少 挽回すべく、 回転子 4 0 の磁石ユニッ ト 4 2において磁石磁路を長く して磁力を高めた極異方構造を 探用している。
[0090] また、 第 3の工夫として、 固定子巻線 5 1のコイルサイ ド部 5 3において 導線の固定子 5 0における径方向厚さを小さく した扁平導線構造を採用して トルク減少の挽回を図っている。 ここで、 上述の磁力を高めた極異方構造に よって、 磁石ユニッ ト 4 2に対向する固定子巻線 5 1 には、 より大きな渦電 流が発生することが考えられる。 しかしながら、 第 3の工夫によれば、 径方 向に薄い扁平導線構造のため、 固定子巻線 5 1 における径方向の渦電流の発 生を抑制することができる。 このように、 これら第 1〜第 3の各構成によれ ば、 図 7に実線で示すように、 磁力の高い磁石を採用してトルク特性の大幅 な改善を見込みつつも、 磁力の高い磁石ゆえに生じ得る大きい渦電流 発生の \¥0 2020/175497 26 卩(:171? 2020 /007543
懸念も改善できるものとなっている。
[0091 ] さらに、 第 4の工夫として、 極異方構造を利用し正弦波に近い磁束密度分 布を有する磁石ユニッ トを採用している。 これによれば、 後述するパルス制 御等によって正弦波整合率を高めてトルク増 強を図ることができるとともに 、 ラジアル磁石と比べ緩やかな磁束変化のため 渦電流損 (渦電流による銅損 : eddy cur rent loss) もまた更に抑制することができるのである。
[0092] 以下、 正弦波整合率について説明する。 正弦波整合率は、 磁石の表面を磁 束プローブでなぞる等して計測した表面磁束 密度分布の実測波形と周期及び ピーク値が同じ正弦波との比較から求める事 ができる。 そして、 回転電機の 基本波である 1次波形の振幅が、 実測波形の振幅、 即ち基本波に他の高調波 成分を加えた振幅に対して、 占める割合が正弦波整合率に相当する。 正弦波 整合率が高くなると、 表面磁束密度分布の波形が正弦波形状に近づ いていく 。 そして、 正弦波整合率を向上させた磁石を備えた回転 電機に対して、 イン バータから 1次の正弦波の電流を供給すると、 磁石の表面磁束密度分布の波 形が正弦波形状に近い事と相まって、 大きなトルクを発生させることができ る。 なお、 表面磁束密度分布は実測以外の方法、 例えばマクスウヱルの方程 式を用いた電磁界解析によって推定しても良 い。
[0093] また、 第 5の工夫として、 固定子巻線 5 1 を複数の素線を寄せ集めて束ね た素線導体構造としている。 これによれば、 素線が並列結線されているため 、 大電流が流せるとともに、 扁平導線構造で固定子 5 0の周方向に広がった 導線で発生する渦電流の発生を、 素線それぞれの断面積が小さくなるため、 第 3の工夫による径方向に薄くする以上に効果 に抑制することができる。 そして、 複数の素線を撚り合わせた構成にすることで 、 導体からの起磁力に 対しては、 電流通電方向に対して右ネジの法則で発生す る磁束に対する渦電 流を相殺することができる。
[0094] このように、 第 4の工夫、 第 5の工夫をさらに加えると、 第 2の工夫であ る磁力の高い磁石を採用しながら、 さらにその高い磁力に起因する渦電流損 を抑制しながらトルク増強を図ることができ る。 \¥0 2020/175497 27 卩(:171? 2020 /007543
[0095] 以下に、 上述した固定子 5 0のスロッ トレス構造、 固定子巻線 5 1の扁平 導線構造、 及び磁石ユニッ ト 4 2の極異方構造について個別に説明を加える 。 ここではまずは、 固定子 5 0におけるスロッ トレス構造と固定子巻線 5 1 の扁平導線構造とを説明する。 図 8は、 回転子 4 0及び固定子 5 0の横断面 図であり、 図 9は、 図 8に示す回転子 4 0及び固定子 5 0の一部を拡大して 示す図である。 図 1 0は、 図 1 1の X - X線に沿った固定子 5 0の横断面を 示す断面図であり、 図 1 1は、 固定子 5 0の縦断面を示す断面図である。 ま た、 図 1 2は、 固定子卷線 5 1の斜視図である。 なお、 図 8及び図 9には、 磁石ユニッ ト 4 2における磁石の磁化方向を矢印にて示して る。
[0096] 図 8乃至図 1 1 に示すように、 固定子コア 5 2は、 軸方向に複数の電磁鋼 板が積層され、 かつ径方向に所定の厚さを有する円筒状をな しており、 回転 子 4 0側となる径方向外側に固定子巻線 5 1が組み付けられるものとなって いる。 固定子コア 5 2において、 回転子 4 0側の外周面が導線設置部 (導体 エリア) となっている。 固定子コア 5 2の外周面は凹凸のない曲面状をなし ており、 その外周面において周方向に所定間隔で複数 の導線群 8 1が配置さ れている。 固定子コア 5 2は、 回転子 4 0を回転させるための磁気回路の一 部となるバックヨークとして機能する。 この場合、 周方向に隣り合う各 2つ の導線群 8 1の間には軟磁性材からなるティース (つまり、 鉄心) が設けら れていない構成 (つまり、 スロッ トレス構造) となっている。 本実施形態に おいて、 それら各導線群 8 1の間隙 5 6には、 封止部材 5 7の樹脂材料が入 り込む構造となっている。 つまり、 固定子 5 0において、 周方向における各 導線群 8 1の間に設けられる導線間部材が、 非磁性材料である封止部材 5 7 として構成されている。 封止部材 5 7の封止前の状態で言えば、 固定子コア 5 2の径方向外側には、 それぞれ導線間領域である間隙 5 6を隔てて周方向 に所定間隔で導線群 8 1が配置されており、 これによりスロッ トレス構造の 固定子 5 0が構築されている。 言い換えれば、 各導線群 8 1は、 後述するよ うに二つの導線 (conductor) 8 2からなり、 固定子 5 0の周方向に隣り合う 各二つの導線群 8 1の間は、 非磁性材のみが占有している。 この非磁性材と \¥0 2020/175497 28 卩(:171? 2020 /007543
は、 封止部材 5 7以外に空気などの非磁性気体や非磁性液体 どをも含む。 なお、 以下において、 封止部材 5 7は導線間部材 (conductor-to- conductor member; ともいう。
[0097] なお、 周方向に並ぶ各導線群 8 1の間においてティースが設けられている 構成とは、 ティースが、 径方向に所定厚さを有し、 かつ周方向に所定幅を有 することで、 各導線群 8 1の間に磁気回路の一部、 すなわち磁石磁路を形成 する構成であると言える。 この点において、 各導線群 8 1の間にティースが 設けられていない構成とは、 上記の磁気回路の形成がなされていない構成 で あると Hス ·る。
[0098] 図 1 0に示すように、 固定子巻線 (すなわち電機子巻線) 5 1は、 所定の 厚み T 2 (以下、 第 1寸法とも言う) と幅 W 2 (以下、 第 2寸法とも言う) を有するように形成されている。 厚み T 2は、 固定子卷線 5 1の径方向にお いて互いに対向する外側面と内側面との間の 最短距離である。 幅 W 2は、 固 定子卷線 5 1の多相 (実施例では 3相: U相、 V相及び W相の 3相あるいは X相、 Y相及び Z相の 3相) の一つとして機能する固定子巻線 5 1の一部分 の固定子卷線 5 1の周方向の長さである。 具体的には、 図 1 0において、 周 方向に隣り合う 2つの導線群 8 1が 3相の内の一つである例えば U相として 機能する場合、 周方向において当該 2つの導線群 8 1の端から端までの幅 W 2である。 そして、 厚み T 2は幅 W 2より小さくなっている。
[0099] なお、 厚み T 2は、 幅 W 2内に存在する 2つの導線群 8 1の合計幅寸法よ り小さいことが好ましい。 また、 仮に固定子巻線 5 1 (より詳しくは導線 8 2) の断面形状が真円形状や楕円形状、 又は多角形形状である場合、 固定子 5〇の径方向に沿った導線 8 2の断面のうち、 その断面において固定子 5 0 の径方向の最大の長さを W 1 2、 同断面のうち固定子 5 0の周方向の最大の 長さを W 1 1 としても良い。
[0100] 図 1 0及び図 1 1 に示すように、 固定子巻線 5 1は、 封止材 (モールド材 ) としての合成樹脂材からなる封止部材 5 7により封止されている。 つまり 、 固定子巻線 5 1は、 固定子コア 5 2と共にモールド材によりモールドされ \¥0 2020/175497 29 卩(:171? 2020 /007543
ている。 なお樹脂は、 非磁性体、 又は非磁性体の均等物として巳 3 = 0と看 做すことができる。
[0101 ] 図 1 0の横断面で見れば、 封止部材 5 7は、 各導線群 8 1の間、 すなわち 間隙 5 6に合成樹脂材が充填されて設けられており 封止部材 5 7により、 各導線群 8 1の間に絶縁部材が介在する構成となってい 。 つまり、 間隙 5 6において封止部材 5 7が絶縁部材として機能する。 封止部材 5 7は、 固定 子コア 5 2の径方向外側において、 各導線群 8 1 を全て含む範囲、 すなわち 径方向の厚さ寸法が各導線群 8 1の径方向の厚さ寸法よりも大きくなる範囲 で設けられている。
[0102] また、 図 1 1の縦断面で見れば、 封止部材 5 7は、 固定子巻線 5 1の夕一 ン部 8 4を含む範囲で設けられている。 固定子巻線 5 1の径方向内側では、 固定子コア 5 2の軸方向に対向する端面の少なくとも一部 含む範囲で封止 部材 5 7が設けられている。 この場合、 固定子巻線 5 1は、 各相の相巻線の 端部、 すなわちインバータ回路との接続端子を除く 略全体で樹脂封止されて いる。
[0103] 封止部材 5 7が固定子コア 5 2の端面を含む範囲で設けられた構成では、 封止部材 5 7により、 固定子コア 5 2の積層鋼板を軸方向内側に押さえ付け ることができる。 これにより、 封止部材 5 7を用いて、 各鋼板の積層状態を 保持することができる。 なお、 本実施形態では、 固定子コア 5 2の内周面を 樹脂封止していないが、 これに代えて、 固定子コア 5 2の内周面を含む固定 子コア 5 2の全体を樹脂封止する構成であってもよい
[0104] 回転電機 1 0が車両動力源として使用される場合には、 封止部材 5 7が、 高耐熱のフッ素樹脂や、 エポキシ樹脂、 樹脂、 巳巳 樹脂、 !_〇 樹脂、 シリコン樹脂、 丨樹脂、 I樹脂等により構成されていることが 好ましい。 また、 膨張差による割れ抑制の観点から線膨張係数 を考えると、 固定子巻線 5 1の導線の外被膜と同じ材質であることが望 しい。 すなわち 、 線膨張係数が、 一般的に他樹脂の倍以上であるシリコン樹脂 は望ましくは 除外される。 なお、 電気車両の如く、 燃焼を利用した機関を持たない電気製 \¥0 2020/175497 30 卩(:171? 2020 /007543
品においては、 1 8 0 °〇程度の耐熱性を持つ 〇樹脂やフエノール樹脂、 [¾ 樹脂も候補となる。 回転電機の周囲温度が 1 0 0 ° 〇未満と見做せる分 野においては、 この限りではない。
[0105] 回転電機 1 0のトルクは磁束の大きさに比例する。 ここで、 固定子コアが ティースを有している場合には、 固定子での最大磁束量がティースでの飽和 磁束密度に依存して制限されるが、 固定子コアがティースを有していない場 合には、 固定子での最大磁束量が制限されない。 そのため、 固定子巻線 5 1 に対する通電電流を増加して回転電機 1 〇のトルク増加を図る上で、 有利な 構成となっている。
[0106] 本実施形態では、 固定子 5 0においてティースを無く した構造 (スロッ ト レス構造) を用いたことにより、 固定子 5 0のインダクタンスが低減される 。 具体的には、 複数のティースにより仕切られた各スロッ トに導線が収容さ れる一般的な回転電機の固定子ではインダク タンスが例えば 1 1 ~ 1前後であ るのに対し、 本実施形態の固定子 5 0ではインダクタンスが 5〜 6 0 1 ~ 1程 度に低減される。 本実施形態では、 アウタロータ構造の回転電機 1 〇としつ つも、 固定子 5 0のインダクタンス低減により機械的時定数 を下げるこ とが可能となっている。 つまり、 高トルク化を図りつつ、 機械的時定数丁 の低減が可能となっている。 なお、 イナーシャを」、 インダクタンスを!-、 トルク定数を< 1、 逆起電力定数を< 6 とすると、 機械的時定数丁 は、 次 式により算出される。
丁111 = (」 1_) / ( ㊀)
この場合、 インダクタンス1_の低減により機械的時定数 が低減されるこ とが確認できる。
[0107] 固定子コア 5 2の径方向外側における各導線群 8 1は、 断面が扁平矩形状 をなす複数の導線 8 2が固定子コア 5 2の径方向に並べて配置されて構成さ れている。 各導線 8 2は、 横断面において 「径方向寸法<周方向寸法」 とな る向きで配置されている。 これにより、 各導線群 8 1 において径方向の薄肉 化が図られている。 また、 径方向の薄肉化を図るとともに、 導体領域が、 テ \¥0 2020/175497 31 卩(:171? 2020 /007543
ィースが従来あった領域まで平らに延び、 扁平導線領域構造となっている。 これにより、 薄肉化により断面積が小さくなることで懸念 される導線の発熱 量の増加を、 周方向に扁平化して導体の断面積を稼ぐこと で抑えている。 な お、 複数の導線を周方向に並べ、 かつそれらを並列結線とする構成であって も、 導体被膜分の導体断面積低下は起こるものの 、 同じ理屈に依る効果が得 られる。 なお、 以下において、 導線群 8 1のそれぞれ、 および導線 8 2のそ れぞれを、 伝導部材 (conduct i ve member) とも言う。
[0108] スロッ トがないことから、 本実施形態における固定子巻線 5 1では、 その 周方向の一周における固定子巻線 5 1が占める導体領域を、 固定子巻線 5 1 が存在しない導体非占有領域より大きく設計 することができる。 なお、 従来 の車両用回転電機は、 固定子巻線の周方向の一周における導体領域 /導体非 占有領域は 1以下であるのが当然であった。 一方、 本実施形態では、 導体領 域が導体非占有領域と同等又は導体領域が導 体非占有領域よりも大きくなる ようにして、 各導線群 8 1が設けられている。 ここで、 図 1 0に示すように 、 周方向において導線 8 2 (つまり、 後述する直線部 8 3) が配置された導 線領域を W A、 隣り合う導線 8 2の間となる導線間領域を W Bとすると、 導 線領域 W Aは、 導線間領域 W Bより周方向において大きいものとなってい
[0109] 固定子巻線 5 1 における導線群 8 1の構成として、 その導線群 8 1の径方 向の厚さ寸法は、 1磁極内における 1相分の周方向の幅寸法よりも小さいも のとなっている。 すなわち、 導線群 8 1が径方向に 2層の導線 8 2よりなり 、 かつ 1磁極内に 1相につき周方向に 2つの導線群 8 1が設けられる構成で は、 各導線 8 2の径方向の厚さ寸法を T c、 各導線 8 2の周方向の幅寸法を W cとした場合に、 「T c X 2 <W c X 2」 となるように構成されている。 なお、 他の構成として、 導線群 8 1が 2層の導線 8 2よりなり、 かつ 1磁極 内に 1相につき周方向に 1つの導線群 8 1が設けられる構成では、 「T c X 2 <W c」 の関係となるように構成されるとよい。 要するに、 固定子巻線 5 1 において周方向に所定間隔で配置される導線 部 (導線群 8 1) は、 その径 \¥0 2020/175497 32 卩(:171? 2020 /007543
方向の厚さ寸法が、 1磁極内における 1相分の周方向の幅寸法よりも小さい ものとなっている。
[01 10] 言い換えると、 1本 1本の各導線 8 2は、 径方向の厚さ寸法丁〇が周方向 の幅寸法 よりも小さいとよい。 またさらに、 径方向に 2層の導線 8 2よ りなる導線群 8 1の径方向の厚さ寸法 (2丁〇) 、 すなわち導線群 8 1の径 方向の厚さ寸法 (2丁〇) が周方向の幅寸法 よりも小さいとよい。
[01 1 1 ] 回転電機 1 0のトルクは、 導線群 8 1の固定子コア 5 2の径方向の厚さに 略反比例する。 この点、 固定子コア 5 2の径方向外側において導線群 8 1の 厚さを薄く したことにより、 回転電機 1 〇のトルク増加を図る上で有利な構 成となっている。 その理由としては、 回転子 4 0の磁石ユニッ ト 4 2から固 定子コア 5 2までの距離 (つまり鉄の無い部分の距離) を小さく して磁気抵 抗を下げることができるためである。 これによれば、 永久磁石による固定子 コア 5 2の鎖交磁束を大きくすることができ、 トルクを増強することができ る。
[01 12] また、 導線群 8 1の厚さを薄く したことにより、 導線群 8 1から磁束が漏 れても固定子コア 5 2に回収されやすくなり、 磁束がトルク向上のために有 効に利用されずに外部に漏れることを抑制す ることができる。 つまり、 磁束 漏れにより磁力が低下することを抑制でき、 永久磁石による固定子コア 5 2 の鎖交磁束を大きく して、 トルクを増強することができる。
2匕により被覆された被覆導線よりなり、 径方向に互いに重なる導線 8 2同 士の間、 及び導線 8 2と固定子コア 5 2との間においてそれぞれ絶縁性が確 保されている。 この絶縁被膜 8 2匕は、 後述する素線 8 6が自己融着被覆線 であるならその被膜、 又は、 素線 8 6の被膜とは別に重ねられた絶縁部材で 構成されている。 なお、 導線 8 2により構成される各相卷線は、 接続のため の露出部分を除き、 絶縁被膜 8 2 による絶縁性が保持されるものとなって いる。 露出部分としては、 例えば、 入出力端子部や、 星形結線とする場合の 中性点部分である。 導線群 8 1では、 樹脂固着や自己融着被覆線を用いて、 \¥0 2020/175497 33 卩(:171? 2020 /007543
径方向に隣り合う各導線 8 2が相互に固着されている。 これにより、 導線 8 2同士が擦れ合うことによる絶縁破壊や、 振動、 音が抑制される。
[01 14] 本実施形態では、 導体 8 2 3が複数の素線 丨「6)8 6の集合体として構成 されている。 具体的には、 図 1 3に示すように、 導体 8 2 3 は、 複数の素線 8 6を撚ることで撚糸状に形成されている。 また、 図 1 4に示すように、 素 線 8 6は、 細い繊維状の導電材 8 7を束ねた複合体として構成されている。 例えば、 素線 8 6は〇1\1丁 (力ーボンナノチユーブ) 繊維の複合体であり、
〇 1\1丁繊維として、 炭素の少なくとも一部をホウ素で置換したホ ウ素含有微 細繊維を含む繊維が用いられている。 炭素系微細繊維としては、 〇1\1丁繊維 以外に、 気相成長法炭素繊維 ( 〇〇 ) 等を用いることができるが、 〇 丁繊維を用いることが好ましい。 なお、 素線 8 6の表面は、 エナメルなどの 高分子絶縁層で覆われている。 また、 素線 8 6の表面は、 ポリイミ ドの被膜 やアミ ドイミ ドの被膜からなる、 いわゆるエナメル被膜で覆われていること が好ましい。
[01 15] 導線 8 2は、 固定子巻線 5 1 において n相の巻線を構成する。 そして導線
8 2 (すなわち、 導体 8 2 の各々の素線 8 6は、 互いに接触状態で隣接 している。 導線 8 2は、 巻線導体が、 複数の素線 8 6が撚られて形成される 部位を、 相内の 1か所以上に持つとともに、 撚られた素線 8 6間の抵抗値が 素線 8 6そのものの抵抗値よりも大きい素線集合体 なっている。 言い換え ると、 隣接する各 2つの素線 8 6はその隣接する方向において第 1電気抵抗 率を有し、 素線 8 6の各々はその長さ方向において第 2電気抵抗率を有する 場合、 第 1電気抵抗率は第 2電気抵抗率より大きい値になっている。 なお、 導線 8 2が複数の素線 8 6により形成されるとともに、 第 1電気抵抗率が極 めて高い絶縁部材により複数の素線 8 6を覆う素線集合体となっていても良 い。 また、 導線 8 2の導体 8 2 3 は、 撚り合わされた複数の素線 8 6により 構成されている。
[01 16] 上記の導体 8 2 3 では、 複数の素線 8 6が撚り合わされて構成されている ため、 各素線 8 6での渦電流の発生が抑えられ、 導体 8 2 3における渦電流 \¥0 2020/175497 34 卩(:171? 2020 /007543
の低減を図ることができる。 また、 各素線 8 6が捻られていることで、 1本 の素線 8 6において磁界の印加方向が互いに逆になる 位が生じて逆起電圧 が相殺される。 そのため、 やはり渦電流の低減を図ることができる。 特に、 素線 8 6を繊維状の導電材 8 7により構成することで、 細線化することと捻 り回数を格段に増やすこととが可能になり、 渦電流をより好適に低減するこ とができる。
[01 17] なお、 ここでいう素線 8 6同士の絶縁方法は、 前述の高分子絶縁膜に限定 されず、 接触抵抗を利用し撚られた素線 8 6間で電流を流れにくくする方法 であってもよい。 すなわち撚られた素線 8 6間の抵抗値が、 素線 8 6そのも のの抵抗値よりも大きい関係になっていれば 、 抵抗値の差に起因して発生す る電位差により、 上記効果を得ることができる。 たとえば、 素線 8 6を作成 する製造設備と、 回転電機 1 0の固定子 5 0 (電機子) を作成する製造設備 とを別の非連続の設備として用いることで、 移動時間や作業間隔などから素 線 8 6が酸化し、 接触抵抗を増やすことができ、 好適である。
[01 18] 上述のとおり導線 8 2は、 断面が扁平矩形状をなし、 径方向に複数並べて 配置されるものとなっており、 例えば融着層と絶縁層とを備えた自己融着被 覆線で被覆された複数の素線 8 6を燃った状態で集合させ、 その融着層同士 を融着させることで形状を維持している。 なお、 融着層を備えない素線や自 己融着被覆線の素線を撚った状態で合成樹脂 等により所望の形状に固めて成 形してもよい。 導線 8 2における絶縁被膜 8 2 匕の厚さを例えば 8 0 〜 1 0 0 とし、 一般に使用される導線の被膜厚さ (5〜 4 0 ) よりも 厚肉とした場合、 導線 8 2と固定子コア 5 2との間に絶縁紙等を介在させる ことをしなくても、 これら両者の間の絶縁性が確保することがで きる。
[01 19] また、 絶縁被膜 8 2匕は、 素線 8 6の絶縁層よりも高い絶縁性能を有し、 相間を絶縁することができるように構成され ていることが望ましい。 例えば 、 素線 8 6の高分子絶縁層の厚さを例えば 5 程度にした場合、 導線 8 2 の絶縁被膜 8 2 の厚さを 相間の絶縁を 好適に実施できるようにすることが望ましい 。 \¥0 2020/175497 35 卩(:171? 2020 /007543
[0120] また、 導線 8 2は、 複数の素線 8 6が撚られることなく束ねられている構 成であってもよい。 つまり、 導線 8 2は、 その全長において複数の素線 8 6 が撚られている構成、 全長のうち一部で複数の素線 8 6が撚られている構成 、 全長において複数の素線 8 6が撚られることなく束ねられている構成の ずれかであればよい。 まとめると、 導線部を構成する各導線 8 2は、 複数の 素線 8 6が束ねられているとともに、 束ねられた素線間の抵抗値が素線 8 6 そのものの抵抗値よりも大きい素線集合体と なっている。
[0121 ] 各導線 8 2は、 固定子巻線 5 1の周方向に所定の配置パターンで配置され るように折り曲げ形成されており、 これにより、 固定子巻線 5 1 として相ご との相巻線が形成されている。 図 1 2に示すように、 固定子巻線 5 1では、 各導線 8 2のうち軸方向に直線状に延びる直線部 8 3によりコイルサイ ド部 5 3が形成され、 軸方向においてコイルサイ ド部 5 3よりも両外側に突出す る夕ーン部 8 4によりコイルエンド 5 4 , 5 5が形成されている。 各導線 8 2は、 直線部 8 3とターン部 8 4とが交互に繰り返されることにより、 波巻 状の一連の導線として構成されている。 直線部 8 3は、 磁石ユニッ ト 4 2に 対して径方向に対向する位置に配置されてお り、 磁石ユニッ ト 4 2の軸方向 外側となる位置において所定間隔を隔てて配 置される同相の直線部 8 3同士 が、 夕ーン部 8 4により互いに接続されている。 なお、 直線部 8 3が 「磁石 対向部」 に相当する。
[0122] 本実施形態では、 固定子巻線 5 1が分布巻きにより円環状に巻回形成され ている。 この場合、 コイルサイ ド部 5 3では、 相ごとに、 磁石ユニッ ト 4 2 の 1極対に対応する間隔で周方向に直線部 8 3が配置され、 コイルエンド 5 4 , 5 5では、 相ごとの各直線部 8 3が、 略 V字状に形成されたターン部 8 4により互いに接続されている。 1極対に対応して対となる各直線部 8 3は 、 それぞれ電流の向きが互いに逆になるものと なっている。 また、 一方のコ イルエンド 5 4と他方のコイルエンド 5 5とでは、 夕ーン部 8 4により接続 される一対の直線部 8 3の組み合わせがそれぞれ相違しており、 そのコイル エンド 5 4 , 5 5での接続が周方向に繰り返されることによ 、 固定子巻線 \¥0 2020/175497 36 卩(:171? 2020 /007543
5 1が略円筒状に形成されている。
[0123] より具体的には、 固定子巻線 5 1は、 各相 2対ずつの導線 8 2を用いて相 ごとの巻線を構成しており、 固定子巻線 5 1のうち一方の 3相卷線 (II相、
V相、 相) と他方の 3相卷線 (X相、 丫相、 相) とが径方向内外の 2層 に設けられるものとなっている。 この場合、 固定子巻線 5 1の相数を 3 (実 施例の場合は 6) 、 導線 8 2の一相あたりの数を とすれば、 極対ごとに 2 個の導線 8 2が形成されることになる。 本実施形態では、 相数 3が 6、 数 が 4であり、 8極対 (1 6極) の回転電機であることから 、 6 X 4 X 8 = 1 9 2の導線 8 2が固定子コア 5 2の周方向に配置されてい る。
[0124] 図 1 2に示す固定子巻線 5 1では、 コイルサイ ド部 5 3において、 径方向 に隣接する 2層で直線部 8 3が重ねて配置されるとともに、 コイルエンド 5 4 , 5 5において、 径方向に重なる各直線部 8 3から、 互いに周方向逆とな る向きで夕ーン部 8 4が周方向に延びる構成となっている。 つまり、 径方向 に隣り合う各導線 8 2では、 固定子巻線 5 1の端部を除き、 ターン部 8 4の 向きが互いに逆となっている。
[0125] ここで、 固定子巻線 5 1 における導線 8 2の卷回構造を具体的に説明する 。 本実施形態では、 波巻にて形成された複数の導線 8 2を、 径方向に隣接す る複数層 (例えば 2層) に重ねて設ける構成としている。 図 1 5 ( 3 ) 、 図 1 5 (匕) は、 n層目における各導線 8 2の形態を示す図であり、 図 1 5 ( a) には、 固定子巻線 5 1の側方から見た導線 8 2の形状を示し、 図 1 5 ( b) には、 固定子巻線 5 1の軸方向一側から見た導線 8 2の形状を示してい る。 なお、 図 1 5 (3) 、 図 1 5 (匕) では、 導線群 8 1が配置される位置 をそれぞれ口 1 , 0 2 , 0 3 , と示している。 また、 説明の便宜上、 3本 の導線 8 2のみを示しており、 それを第 1導線 8 2 _八、 第 2導線 8 2 _巳 、 第 3導線 8 2 _〇としている。
[0126] 各導線 8 2 _八~ 8 2 _〇では、 直線部 8 3が、 いずれも n層目の位置、 すなわち径方向において同じ位置に配置され 、 周方向に 6位置 (3 X 01対分 \¥02020/175497 37 卩(:171? 2020 /007543
) ずつ離れた直線部 83同士が夕ーン部 84により互いに接続されている。 換言すると、 各導線 82_八~82_〇では、 いずれも回転子 40の軸心を 中心とする同一の円上において、 固定子卷線 5 1の周方向に隣接して並ぶ 7 個の直線部 83の両端の二つが一つのターン部 84により互いに接続されて いる。 例えば第 1導線 82 八では、 一対の直線部 83が 01 , 07にそれ それ配置され、 その一対の直線部 83同士が、 逆 V字状のターン部 84によ り接続されている。 また、 他の導線 82_巳, 82_〇は、 同じ n層目にお いて周方向の位置を 1つずつずらしてそれぞれ配置されている。 この場合、 各導線 82_八~82_〇は、 いずれも同じ層に配置されるため、 ターン部 84が互いに干渉することが考えられる。 そのため本実施形態では、 各導線 82 八~82_〇の夕ーン部 84に、 その一部を径方向にオフセッ トした 干渉回避部を形成することとしている。
[0127] 具体的には、 各導線 82_八~82_〇の夕ーン部 84は、 同一の円 (第
1の円) 上で周方向に延びる部分である 1つの傾斜部 843と、 傾斜部 84 3からその同一の円よりも径方向内側 (図 1 5 (b) において上側) にシフ 卜し、 別の円 (第 2の円) に達する頂部 84匕、 第 2の円上で周方向に延び る傾斜部 84〇及び第 1の円から第 2の円に戻る戻り部 84 とを有してい る。 頂部 84匕、 傾斜部 84〇及び戻り部 84 が干渉回避部に相当する。 なお、 傾斜部 84〇は、 傾斜部 843に対して径方向外側にシフトする構成 であつてもよい。
[0128] つまり、 各導線 82_八~82_〇のターン部 84は、 周方向の中央位置 である頂部 84 を挟んでその両側に、 一方側の傾斜部 84 3 と他方側の傾 斜部 84〇とを有しており、 それら各傾斜部 84 84〇の径方向の位置
(図 1 5 (3) では紙面前後方向の位置、 図 1 5 (13) では上下方向の位置 ) が互いに相違するものとなっている。 例えば第 1導線 82_八の夕ーン部 84は、 層の 01位置を始点位置として周方向に沿って延び 周方向の中 央位置である頂部 84 で径方向 (例えば径方向内側) に曲がった後、 周方 向に再度曲がることで、 再び周方向に沿って延び、 さらに戻り部 84 で再 \¥0 2020/175497 38 卩(:171? 2020 /007543
び径方向 (例えば径方向外側) に曲がることで、 終点位置である 1·!層の 0 7 位置に達する構成となっている。
[0129] 上記構成によれば、 導線 8 2 _八~ 8 2 _〇では、 一方の各傾斜部 8 4 3 が、 上から第 1導線 8 2 _八 ®第 2導線 8 2 _巳 ®第 3導線 8 2 0の順に 上下に並ぶとともに、 頂部 8 4匕で各導線 8 2 _八〜8 2 _〇の上下が入れ 替わり、 他方の各傾斜部 8 4〇が、 上から第 3導線 8 2 _〇®第 2導線 8 2 巳®第 1導線 8 2 八の順に上下に並ぶ構成となっている。 そのため、 各 導線 8 2 _八~ 8 2 _〇が互いに干渉することなく周方向に配置 きるよう になっている。
[0130] ここで、 複数の導線 8 2を径方向に重ねて導線群 8 1 とする構成において 、 複数層の各直線部 8 3のうち径方向内側の直線部 8 3に接続されたターン 部 8 4と、 径方向外側の直線部 8 3に接続されたターン部 8 4とが、 それら 各直線部 8 3同士よりも径方向に離して配置されている よい。 また、 夕一 ン部 8 4の端部、 すなわち直線部 8 3との境界部付近で、 複数層の導線 8 2 が径方向の同じ側に曲げられる場合に、 その隣り合う層の導線 8 2同士の干 渉により絶縁性が損なわれることが生じない ようにするとよい。
[0131 ] 例えば図 1 5 (3) 、 図 1 5 (匕) の 0 7〜0 9では、 径方向に重なる各 導線 8 2が、 ターン部 8 4の戻り部 8 4 でそれぞれ径方向に曲げられる。 この場合、 図 1 6に示すように、 層目の導線 8 2と + 1層目の導線 8 2 とで、 曲がり部の曲率半径を相違させるとよい。 具体的には、 径方向内側 ( 〇層目) の導線 8 2の曲率半径 1 を、 径方向外側 (n + 1層目) の導線 8 2の曲率半径 2よりも小さくする。
[0132] また、 n層目の導線 8 2と n + 1層目の導線 8 2とで、 径方向のシフト量 を相違させるとよい。 具体的には、 径方向内側 (11層目) の導線 8 2のシフ 卜量 3 1 を、 径方向外側 (n + 1層目) の導線 8 2のシフト量 3 2よりも大 きくする。
[0133] 上記構成により、 径方向に重なる各導線 8 2が同じ向きに曲げられる場合 であっても、 各導線 8 2の相互干渉を好適に回避することができる これに \¥02020/175497 39 卩(:171? 2020 /007543
より、 良好な絶縁性が得られることとなる。
[0134] 次に、 回転子 40における磁石ユニッ ト 42の構造について説明する。 本 実施形態では、 磁石ユニッ ト 42が永久磁石からなり、 残留磁束密度巳 「= 1. 0 [丁] 、 固有保磁力 1 ~ 1〇 」 =400 [1<八/〇1] 以上のものを想定し ている。 要は、 本実施形態で用いる永久磁石は、 粒状の磁性材料を焼結して 成型固化した焼結磁石であり、 」一1 ~ 1曲線上の固有保磁力 1 ~ 1〇 」は 400 [ 1<八/〇1] 以上であり、 かつ残留磁束密度巳 「は 1. 0 [丁] 以上である。 5000〜 1 0000 [八丁] が相間励磁により掛かる場合、 1極対、 すな わち 1\1極と 3極の磁気的長さ、 言い換えれば、 1\1極と 3極間の磁束が流れる 経路のうち、 磁石内を通る長さが 25 [ ] の永久磁石を使えば、 」
= 1 0000 [八] となり、 減磁をしないことが伺える。
[0135] また換言すれば、 磁石ユニッ ト 42は、 飽和磁束密度」 3が 1. 2 [丁] 以上で、 かつ結晶粒径が 1 0 [ ] 以下であり、 配向率を《とした場合に 0 [丁] 以上であるものとなっている。
[0136] 以下に磁石ユニッ ト 42について補足する。 磁石ユニッ ト 42 (磁石) は 、 2. 1 5 [丁] 2 [丁] であることが特徴である。 言い換え れば、 磁石ユニッ ト 42に用いられる磁石として、 ド611丁_||\1、 2ド6148、 〇! 2ド617 、 1_10型結晶を有する 61^磁石などが挙げられる。 なお、 通例サマコ バと言われる 31^〇5や、 どの構成は使うことができな い。 注意としては、 同型の化合物、 例えば 2ド6148と 2ド6148のように、 一 般的に、 重希土類であるデイスプロシウムを利用して 、 ネオジウムの高い」
3特性を少しだけ失いながらも、 〇 の持つ高い保磁力を持たせた磁石でも 2 . 1 5 [丁] 2 [丁] を満たす場合があり、 この場合も採用可 能である。 このような場合は、 例えば([ 11〇 乂]2ド6148)と呼ぶこととする 。 更に、 異なる組成の 2種類以上の磁石、 例えば、 ド61\1丨プラス 31112ド617 とい うように 2種類以上の材料からなる磁石でも、 達成が可能であるし、 例えば 、 」 3 = 1. 6 [丁] と、 」 3に余裕のある 2ド6148の磁石に、 」 3<1 [ 丁] の、 例えば 0 2卩 6 148を少量混ぜ、 保磁力を増加させた混合磁石などでも \¥0 2020/175497 40 卩(:171? 2020 /007543
達成が可能である。
[0137] また、 人間の活動範囲外の温度、 例えば砂漠の温度を超える 6 0 °〇以上で 動作されるような回転電機、 例えば、 夏においておけば車中温度が 8 0 ° 〇近 くなる車両用モータ用途などにおいては、 特に温度依存係数の小さい、 61^
、 31112ド617 の成分を含むことが望ましい。 これは、 人間の活動範囲内である 北欧の一 4 0 °〇近い温度状態から、 先述の砂漠温度を超える 6 0 °〇以上、 又 はコイルエナメル被膜の耐熱温度 1 8 0〜 2 4 0 °〇程度までのモータ動作に おいて温度依存係数によって大きくモータ特 性を異ならせるため、 同一のモ —タドライバでの最適制御などが困難となる ためである。 前記!· 10型結晶を有 するド61\1 _1、 又は 31112ド617 などを用いれば、 2ド6148と比べ、 半分以下の温度 依存係数を所持しているその特性から、 モータドライ/ の負担を好適に減ら すことができる。
[0138] 加えて、 磁石ユニッ ト 4 2は、 前記磁石配合を用いて、 配向以前の微粉体 状態の粒子径の大きさが 1 〇 以下、 単磁区粒子径以上としていることを 特徴としている。 磁石では、 粉体の粒子を数百门 オーダまで微細化するこ とにより保磁力が大きくなるため、 近年では、 できるだけ微細化された粉体 が使用されている。 ただし、 細かく しすぎると、 酸化などにより磁石の巳1 ~ 1 積が落ちてしまうため、 単磁区粒子径以上が好ましい。 単磁区粒子径までの 粒子径であれば、 微細化により保磁力が上昇することが知られ ている。 なお 、 ここで述べてきた粒子径の大きさは、 磁石の製造工程でいうところの配向 工程の際の微粉体状態の粒子径の大きさであ る。
[0139] 更に、 磁石ユニッ ト 4 2の第 1磁石 9 1 と第 2磁石 9 2の各々は、 磁性粉 末を高温で焼き固めた、 いわゆる焼結により形成された焼結磁石であ る。 こ の焼結は、 磁石ユニッ ト 4 2の飽和磁化」 3が 1 . 2丁以上で、 第 1磁石 9 1および第 2磁石 9 2の結晶粒径が 1 0 以下であり、 配向率を《とした 場合、 が 1 . 〇丁 (テスラ) 以上の条件を満足するよう行われる。 また、 第 1磁石 9 1 と第 2磁石 9 2の各々は、 以下の条件を満足するように 焼結されている。 そして、 その製造過程において配向工程にて配向が行 われ \¥02020/175497 41 卩(:171? 2020 /007543
ることにより、 等方性磁石の着磁工程による磁力方向の定義 とは異なり、 配 向率 (orientation ratio) を持つ。 本実施形態の磁石ユニッ ト 42の飽和磁 化 J sが 1. 2 T以上で、 第 1磁石 9 1 と第 2磁石 92の配向率 aが、 J r ³ J s Xa³ 1. 0 [T] となるように高い配向率を設定されている。 なお 、 ここで言う配向率 aとは、 第 1磁石 9 1又は第 2磁石 92の各々において 、 例えば、 磁化容易軸が 6つあり、 そのうちの 5つが同じ方向である方向 A 1 0を向き、 残りの一つが方向 A 1 0に対して 90度傾いた方向 B 1 0を向 いている場合、 a = 5/6であり、 残りの一つが方向 A 1 0に対して 45度 傾いた方向 B 1 0を向いている場合には、 残りの一つの方向 A 1 0を向く成 分は c o s 45° =0. 707であるため、 a= (5 + 0. 707) /6と なる。 本実施例では焼結により第 1磁石 9 1 と第 2磁石 92を形成している が、 上記条件が満足されれば、 第 1磁石 9 1 と第 2磁石 92は他の方法によ り成形してもよい。 例えば、 MQ3磁石などを形成する方法を採用すること ができる。
[0140] 本実施形態においては、 配向により磁化容易軸をコントロールした永 久磁 石を利用しているから、 その磁石内部の磁気回路長を、 従来 1. 0 [T] 以 上を出す直線配向磁石の磁気回路長と比べて 、 長くすることができる。 すな わち、 1極対あたりの磁気回路長を、 少ない磁石量で達成できる他、 従来の 直線配向磁石を利用した設計と比べ、 過酷な高熱条件に曝されても、 その可 逆減磁範囲を保つことができる。 また、 本願開示者は、 従来技術の磁石を用 いても、 極異方性磁石と近しい特性を得られる構成を 見いだした。
[0141] なお、 磁化容易軸は、 磁石において磁化されやすい結晶方位のこと をいう 。 磁石における磁化容易軸の向きとは、 磁化容易軸の方向が揃っている程度 を示す配向率が 50%以上となる方向、 又は、 その磁石の配向の平均となる 方向である。
[0142] 図 8及び図 9に示すように、 磁石ユニッ ト 42は、 円環状をなしており、 磁石ホルダ 4 1の内側 (詳しくは円筒部 43の径方向内側) に設けられてい る。 磁石ユニッ ト 42は、 それぞれ極異方性磁石でありかつ極性が互い に異 \¥0 2020/175497 42 卩(:171? 2020 /007543
なる第 1磁石 9 1及び第 2磁石 9 2を有している。 第 1磁石 9 1及び第 2磁 石 9 2は周方向に交互に配置されている。 第 1磁石 9 1は、 固定子巻線 5 1 に近い部分において !\!極を形成する磁石であり、 第 2磁石 9 2は、 固定子巻 線 5 1 に近い部分において 3極を形成する磁石である。 第 1磁石 9 1及び第 2磁石 9 2は、 例えばネオジム磁石等の希土類磁石からなる 永久磁石である
[0143] 各磁石 9 1 , 9 2では、 図 9に示すように、 公知の ¢1 - 座標系において 磁極中心である 軸( 「6〇1;-3乂_13)と 1\1極と 3極の磁極境界である (言い換え れば、 磁束密度が〇テスラである) 軸(9113〇1「31;11「6-3乂_13)との間において 磁 化方向が円弧状に延びている。 各磁石 9 1 , 9 2それぞれにおいて、 軸側 では磁化方向が円環状の磁石ユニッ ト 4 2の径方向とされ、 9軸側では円環 状の磁石ユニッ ト 4 2の磁化方向が周方向とされている。 以下、 更に詳細に 説明する。 磁石 9 1 , 9 2のそれぞれは、 図 9に示すように、 第 1部分 2 5 〇と、 磁石ユニッ ト 4 2の周方向において第 1部分 2 5 0の両側に位置する 二つの第 2部分 2 6 0とを有する。 言い換えれば、 第 1部分 2 5 0は、 第 2 部分 2 6 0より 軸に近く、 第 2部分 2 6 0は、 第 1部分 2 5 0より 9軸に 近い。 そして、 第 1部分 2 5 0の磁化容易軸 3 0 0の方向は、 第 2部分 2 6 〇の磁化容易軸 3 1 0の方向よりも 軸に対してより平行となるように磁石 ユニッ ト 4 2が構成されている。 言い換えれば、 第 1部分 2 5 0の磁化容易 軸 3 0 0が 軸となす角度 0 1 1が、 第 2部分 2 6 0の磁化容易軸 3 1 0が 軸となす角度 0 1 2よりも小さくなるように磁石ユニッ ト 4 2が構成され ている。
[0144] より詳細には、 角度 0 1 1は、 軸において固定子 5 0 (電機子) から磁 石ユニッ ト 4 2に向かう方向を正とした時に、 軸と磁化容易軸 3 0 0とが なす角度である。 9軸において固定子 5 0 (電機子) から磁 石ユニッ ト 4 2に向かう方向を正とした時に、 9軸と磁化容易軸 3 1 0とが なす角度である。 なお角度 0 1 1及び角度 0 1 2共に、 本実施形態では 9 0 ° 以下である。 ここでいう、 磁化容易軸 3 0 0 , 3 1 0のそれぞれは、 以下 \¥0 2020/175497 43 卩(:171? 2020 /007543
の定義による。 磁石 9 1 , 9 2のそれぞれの部分において、 一つの磁化容易 軸が方向八 1 1 を向き、 もう一つの磁化容易軸が方向巳 1 1 を向いていると した場合、 方向 1 1 と方向巳 1 1の成す角度 0のコサインの絶対値 ( | 〇 〇 3 0 I) を磁化容易軸 3 0 0或いは磁化容易軸 3 1 0とする。
[0145] すなわち、 各磁石 9 1 , 9 2のそれぞれは、 軸側 ( 軸寄りの部分) と
9軸側 (9軸寄りの部分) とで磁化容易軸の向きが相違しており、 軸側で は磁化容易軸の向きが ¢1軸に平行な方向に近い向きとなり、 軸側では磁化 容易軸の向きが 9軸に直交する方向に近い向きとなっている そして、 この 磁化容易軸の向きに応じて円弧状の磁石磁路 が形成されている。 なお、 各磁 石 9 1 , 9 2において、 軸側では磁化容易軸を 軸に平行な向きとし、 9 軸側では磁化容易軸を 軸に直交する向きとしてもよい。
[0146] また、 磁石 9 1 , 9 2では、 各磁石 9 1 , 9 2の周面のうち固定子 5 0側 (図 9の下側) となる固定子側外面と、 周方向において 9軸側の端面とが、 磁束の流入流出面である磁束作用面となって おり、 それらの磁束作用面 (固 定子側外面及び 軸側の端面) を繫ぐように磁石磁路が形成されている。
[0147] 磁石ユニッ ト 4 2では、 各磁石 9 1 , 9 2により、 隣接する 1\1 , 3極間を 円弧状に磁束が流れるため、 例えばラジアル異方性磁石に比べて磁石磁路 が 長くなっている。 このため、 図 1 7に示すように、 磁束密度分布が正弦波に 近いものとなる。 その結果、 図 1 8に比較例として示すラジアル異方性磁石 の磁束密度分布とは異なり、 磁極の中心側に磁束を集中させることができ 、 回転電機 1 0のトルクを高めることができる。 また、 本実施形態の磁石ユニ ッ ト 4 2では、 従来のハルバッハ配列の磁石と比べても、 磁束密度分布の差 異があることが確認できる。 なお、 図 1 7及び図 1 8において、 横軸は電気 角を示し、 縦軸は磁束密度を示す。 また、 図 1 7及び図 1 8において、 横軸 の 9 0 ° は 軸 (すなわち磁極中心) を示し、 横軸の 0 ° , 1 8 0 ° は 9軸 を示す。
[0148] つまり、 上記構成の各磁石 9 1 , 9 2によれば、 軸での磁石磁束が強化 され、 かつ 軸付近での磁束変化が抑えられる。 これにより、 各磁極におい \¥0 2020/175497 44 卩(:171? 2020 /007543
て 軸から 軸にかけての表面磁束変化がなだらかになる 磁石 9 1 , 9 2を 好適に実現することができる。
[0149] 磁束密度分布の正弦波整合率は、 例えば 4 0 %以上の値とされていればよ い。 このようにすれば、 正弦波整合率が 3 0 %程度であるラジアル配向磁石 、 パラレル配向磁石を用いる場合に比べ、 確実に波形中央部分の磁束量を向 上させることができる。 また、 正弦波整合率を 6 0 %以上とすれば、 ハルバ ッハ配列のような磁束集中配列と比べ、 確実に波形中央部分の磁束量を向上 させることができる。
[0150] 図 1 8に示すラジアル異方性磁石では、 軸付近において磁束密度が急峻 に変化する。 磁束密度の変化が急峻なほど、 固定子巻線 5 1 に発生する渦電 流が増加してしまう。 また、 固定子巻線 5 1側での磁束変化も急峻となる。 これに対し、 本実施形態では、 磁束密度分布が正弦波に近い磁束波形となる 。 このため、 軸付近において、 磁束密度の変化が、 ラジアル異方性磁石の 磁束密度の変化よりも小さい。 これにより、 渦電流の発生を抑制することが できる。
[0151 ] 磁石ユニッ ト 4 2では、 各磁石 9 1 , 9 2の 軸付近 (すなわち磁極中心 ) において、 固定子 5 0側の磁束作用面 2 8 0に直交する向きで磁束が生じ 、 その磁束は、 固定子 5 0側の磁束作用面 2 8 0から離れるほど、 軸から 離れるような円弧状をなす。 また、 磁束作用面に直交する磁束であるほど、 強い磁束となる。 この点において、 本実施形態の回転電機 1 0では、 上述の とおり各導線群 8 1 を径方向に薄く したため、 導線群 8 1の径方向の中心位 置が磁石ユニッ ト 4 2の磁束作用面に近づくことになり、 固定子 5 0におい て回転子 4 0から強い磁石磁束を受けることができる。
[0152] また、 固定子 5 0には、 固定子巻線 5 1の径方向内側、 すなわち固定子巻 線 5 1 を挟んで回転子 4 0の逆側に円筒状の固定子コア 5 2が設けられてい る。 そのため、 各磁石 9 1 , 9 2の磁束作用面から延びる磁束は、 固定子コ ア 5 2に引きつけられ、 固定子コア 5 2を磁路の一部として用いつつ周回す る。 この場合、 磁石磁束の向き及び経路を適正化することが できる。 \¥0 2020/175497 45 卩(:171? 2020 /007543
[0153] 以下に、 回転電機 1 0の製造方法として、 図 5に示す軸受ユニッ ト 2 0、 ハウジング 3 0、 回転子 4 0、 固定子 5 0及びインバータユニッ ト 6 0につ いての組み付け手順について説明する。 なお、 インバータユニッ ト 6 0は、 図 6に示すようにユニッ トべース 6 1 と電気コンポーネント 6 2とを有して おり、 それらユニッ トべース 6 1及び電気コンポーネント 6 2の組み付けエ 程を含む各作業工程を説明する。 以下の説明では、 固定子 5 0及びインパー タユニッ ト 6 0よりなる組立品を第 1ユニッ ト、 軸受ユニッ ト 2 0、 ハウジ ング 3 0及び回転子 4 0よりなる組立品を第 2ユニッ トとしている。
[0154] 本製造工程は、
-ユニッ トべース 6 1の径方向内側に電気コンポーネント 6 2を装着する第 1工程と、
-固定子 5〇の径方向内側にユニッ トべース 6 1 を装着して第 1ユニッ トを 製作する第 2工程と、
ハウジング 3 0に組み付けられた軸受ユニッ ト 2 0に、 回転子 4 0の固定 部 4 4を挿入して第 2ユニッ トを製作する第 3工程と、
-第 2ユニッ トの径方向内側に第 1ユニッ トを装着する第 4工程と、
-ハウジング 3 0とユニッ トべース 6 1 とを締結固定する第 5工程と、 を有している。 これら各工程の実施順序は、 第 1工程 ®第 2工程 ®第 3工程 ®第 4工程 ®第 5工程である。
[0155] 上記の製造方法によれば、 軸受ユニッ ト 2 0、 ハウジング 3 0、 回転子 4
0、 固定子 5 0及びインバータユニッ ト 6 0を複数の組立品 (サブアセンブ リ) として組み立てた後に、 それら組立品同士を組み付けるようにしたた め 、 ハンドリングのし易さやユニッ ト毎の検査完結などを実現でき、 合理的な 組み立てラインの構築が可能となる。 したがって、 多品種生産にも容易に対 応が可能となる。
[0156] 第 1工程では、 ユニッ トべース 6 1の径方向内側及び電気コンポーネント
6 2の径方向外部の少なくともいずれかに、 熱伝導が良好な良熱伝導体を塗 布や接着等により付着させておき、 その状態で、 ユニッ トべース 6 1 に対し \¥0 2020/175497 46 卩(:171? 2020 /007543
て電気コンポーネント 6 2を装着するとよい。 これにより、 半導体モジユー ル 6 6の発熱をユニッ トべース 6 1 に対して効果的に伝達させることが可能 となる。
[0157] 第 3工程では、 ハウジング 3 0と回転子 4 0との同軸を維持しながら、 回 転子 4 0の挿入作業を実施するとよい。 具体的には、 例えばハウジング 3 0 の内周面を基準として回転子 4 0の外周面 (磁石ホルダ 4 1の外周面) 又は 回転子 4 0の内周面 (磁石ユニッ ト 4 2の内周面) の位置を定める治具を用 い、 その治具に沿ってハウジング 3 0及び回転子 4 0のいずれかをスライ ド させながら、 ハウジング 3 0と回転子 4 0との組み付けを実施する。 これに より、 軸受ユニッ ト 2 0に偏荷重を掛けることなく重量部品を組み けるこ とが可能となり、 軸受ユニッ ト 2 0の信頼性が向上する。
[0158] 第 4工程では、 第 1ユニッ トと第 2ユニッ トとの同軸を維持しながら、 そ れら両ユニッ トの組み付けを実施するとよい。 具体的には、 例えば回転子 4 0の固定部 4 4の内周面を基準としてユニッ トべース 6 1の内周面の位置を 定める治具を用い、 その治具に沿って第 1ユニッ ト及び第 2ユニッ トのいず れかをスライ ドさせながら、 これら各ユニッ トの組み付けを実施する。 これ により、 回転子 4 0と固定子 5 0との極少隙間間での互いの干渉を防止しな がら組み付けることが可能となるため、 固定子巻線 5 1へのダメージや永久 磁石の欠け等、 組み付け起因の不良品の撲滅が可能となる。
[0159] 上記各工程の順序を、 第 2工程 ®第 3工程 ®第 4工程 ®第 5工程 ®第 1エ 程とすることも可能である。 この場合、 デリケートな電気コンポーネント 6 2を最後に組み付けることになり、 組み付け工程内での電気コンポーネント 6 2へのストレスを最小限にとどめることがで る。
[0160] 次に、 回転電機 1 0を制御する制御システムの構成について説 する。 図
1 9は、 回転電機 1 0の制御システムの電気回路図であり、 図 2 0は、 制御 装置 1 1 0による制御処理を示す機能ブロック図であ 。
[0161 ] 図 1 9では、 固定子巻線 5 1 として 2組の 3相卷線 5 1 3 , 5 1 匕が示さ れており、 3相卷線 5 1 3は II相巻線、 V相卷線及び 相巻線よりなり、 3 \¥0 2020/175497 47 卩(:171? 2020 /007543
相卷線 5 1 13は X相巻線、 丫相卷線及び 相巻線よりなる。 3相卷線 5 1 3 , 5 1 13ごとに、 電力変換器に相当する第 1インバータ 1 0 1 と第 2インバ —夕 1 0 2とがそれぞれ設けられている。 インバータ 1 0 1 , 1 0 2は、 相 巻線の相数と同数の上下アームを有するフル ブリッジ回路により構成されて おり、 各アームに設けられたスイッチ (半導体スイッチング素子) のオンオ フにより、 固定子巻線 5 1の各相卷線において通電電流が調整される
[0162] 各インバータ 1 0 1 , 1 0 2には、 直流電源 1 0 3と平滑用のコンデンサ
1 0 4とが並列に接続されている。 直流電源 1 0 3は、 例えば複数の単電池 が直列接続された組電池により構成されてい る。 なお、 インバータ 1 0 1 , 1 0 2の各スイッチが、 図 1等に示す半導体モジュール 6 6に相当し、 コン デンサ 1 0 4が、 図 1等に示すコンデンサモジュール 6 8に相当する。
[0163] 制御装置 1 1 0は、 〇 IIや各種メモリからなるマイコンを備えてお 、 回転電機 1 〇における各種の検出情報や、 力行駆動及び発電の要求に基づい て、 インバータ 1 0 1 , 1 0 2における各スイッチのオンオフにより通電 御を実施する。 制御装置 1 1 〇が、 図 6に示す制御装置 7 7に相当する。 回 転電機 1 〇の検出情報には、 例えば、 レゾルバ等の角度検出器により検出さ れる回転子 4 0の回転角度 (電気角情報) や、 電圧センサにより検出される 電源電圧 (インバータ入力電圧) 、 電流センサにより検出される各相の通電 電流が含まれる。 制御装置 1 1 〇は、 インバータ 1 0 1 , 1 0 2の各スイッ チを操作する操作信号を生成して出力する。 なお、 発電の要求は、 例えば回 転電機 1 〇が車両用動力源として用いられる場合、 回生駆動の要求である。
[0164] 第 1インバータ 1 0 1は、 II相、 V相及び 相からなる 3相において上ア —ムスイッチ 3 と下アームスイッチ 3 との直列接続体をそれぞれ備えて いる。 各相の上アームスイッチ 3 の高電位側端子は直流電源 1 0 3の正極 端子に接続され、 各相の下アームスイッチ 3 の低電位側端子は直流電源 1 0 3の負極端子 (グランド) に接続されている。 各相の上アームスイッチ 3 と下アームスイッチ 3 nとの間の中間接続点には、 それぞれ II相巻線、 V 相巻線、 相巻線の _端が接続されている。 これら各相卷線は星形結線 (丫 \¥02020/175497 48 卩(:171? 2020 /007543
結線) されており、 各相卷線の他端は中性点にて互いに接続され ている。
[0165] 第 2インバータ 1 02は、 第 1インバータ 1 01 と同様の構成を有してお り、 X相、 Y相及び Z相からなる 3相において上アームスイッチ S pと下ア —ムスイッチ S nとの直列接続体をそれぞれ備えている。 各相の上アームス イッチ S pの高電位側端子は直流電源 1 03の正極端子に接続され、 各相の 下アームスイッチ S nの低電位側端子は直流電源 1 03の負極端子 (グラン ド) に接続されている。 各相の上アームスイッチ S pと下アームスイッチ S nとの間の中間接続点には、 それぞれ X相巻線、 Y相巻線、 Z相巻線の一端 が接続されている。 これら各相卷線は星形結線 (Y結線) されており、 各相 巻線の他端は中性点で互いに接続されている 。
[0166] 図 20には、 U, V, W相の各相電流を制御する電流フィードバッ 制御 処理と、 X, Y, z相の各相電流を制御する電流フィードバッ 制御処理と が示されている。 ここではまず、 U, V, W相側の制御処理について説明す る。
[0167] 図 20において、 電流指令値設定部 1 1 1は、 トルクー d qマップを用い 、 回転電機 1 〇に対する力行トルク指令値又は発電トルク 指令値や、 電気角 0を時間微分して得られる電気角速度 £〇に基づいて、 d軸の電流指令値と q 軸の電流指令値とを設定する。 なお、 電流指令値設定部 1 1 1は、 U, V,
W相側及び X, Y, Z相側において共通に設けられている。 なお、 発電トル ク指令値は、 例えば回転電機 1 0が車両用動力源として用いられる場合、 回 生トルク指令値である。
[0168] d q変換部 1 1 2は、 相ごとに設けられた電流センサによる電流検 出値 (
3つの相電流) を、 界磁方向(d i rect i on of an axis of a magnetic field,。 r field d i rect i on)を d軸とする直交 2次元回転座標系の成分である d軸電 流と q軸電流とに変換する。
[0169] d軸電流フィードバック制御部 1 1 3は、 d軸電流を d軸の電流指令値に フィードバック制御するための操作量として d軸の指令電圧を算出する。 ま た、 q軸電流フィードバック制御部 1 1 4は、 q軸電流を q軸の電流指令値 \¥0 2020/175497 49 卩(:171? 2020 /007543
にフィードバック制御するための操作量と して 軸の指令電圧を算出する。 これら各フィードバック制御部 1 1 3 , 1 1 4では、 ¢1軸電流及び 軸電流 の電流指令値に対する偏差に基づき、 丨 フィードバック手法を用いて指令 電圧が算出される。
[0170] 3相変換部 1 1 5は、 軸及び 9軸の指令電圧を、 II相、 V相及び 相の 指令電圧に変換する。 なお、 上記の各部 1 1 1〜 1 1 5が、 9変換理論に よる基本波電流のフィードバック制御を実施 するフィードバック制御部であ り、 II相、 V相及び 相の指令電圧がフィードバック制御値である 。
[0171 ] そして、 操作信号生成部 1 1 6は、 周知の三角波キャリア比較方式を用い 、 3相の指令電圧に基づいて、 第 1インバータ 1 0 1の操作信号を生成する 。 具体的には、 操作信号生成部 1 1 6は、 3相の指令電圧を電源電圧で規格 化した信号と、 三角波信号等のキャリア信号との大小比較に 基づく \^/1\/1制 御により、 各相における上下アームのスイッチ操作信号 (デューティ信号) を生成する。
[0172] また、 X , 丫, 相側においても同様の構成を有しており、 変換部 1
2 2は、 相ごとに設けられた電流センサによる電流検 出値 (3つの相電流) を、 界磁方向を ¢1軸とする直交 2次元回転座標系の成分である ¢1軸電流と 軸電流とに変換する。
[0173] 軸電流フィードバック制御部 1 2 3は 軸の指令電圧を算出し、 9軸電 流フィードバック制御部 1 2 4は 9軸の指令電圧を算出する。 3相変換部 1 2 5は、 軸及び 9軸の指令電圧を、 X相、 丫相及び 相の指令電圧に変換 する。 そして、 操作信号生成部 1 2 6は、 3相の指令電圧に基づいて、 第 2 インバータ 1 0 2の操作信号を生成する。 具体的には、 操作信号生成部 1 2 6は、 3相の指令電圧を電源電圧で規格化した信号 、 三角波信号等のキャ リア信号との大小比較に基づく \^/1\/1制御により、 各相における上下アーム のスイッチ操作信号 (デューティ信号) を生成する。
[0174] ドライバ 1 1 7は、 操作信号生成部 1 1 6 , 1 2 6にて生成されたスイッ チ操作信号に基づいて、 各インバータ 1 0 1 , 1 0 2における各 3相のスイ \¥0 2020/175497 50 卩(:171? 2020 /007543
ツチ 3 , 3 をオンオフさせる。
[0175] 続いて、 トルクフィードバック制御処理について説明 する。 この処理は、 例えば高回転領域及び高出力領域等、 各インバータ 1 0 1 , 1 0 2の出力電 圧が大きくなる運転条件において、 主に回転電機 1 〇の高出力化や損失低減 の目的で用いられる。 制御装置 1 1 〇は、 回転電機 1 〇の運転条件に基づい て、 トルクフィードバック制御処理及び電流フィ ードバック制御処理のいず れか一方の処理を選択して実行する。
[0176] 図 2 1 には、 II , V , 相に対応するトルクフィードバック制御処理 と、 X , 丫, 相に対応するトルクフィードバック制御処理 とが示されている。 なお、 図 2 1 において、 図 2 0と同じ構成については、 同じ符号を付して説 明を省略する。 ここではまず、 II , V , 相側の制御処理について説明する
[0177] 電圧振幅算出部 1 2 7は、 回転電機 1 0に対する力行トルク指令値又は発 電トルク指令値と、 電気角 0を時間微分して得られる電気角速度 £0とに基づ いて、 電圧べクトルの大きさの指令値である電圧振 幅指令を算出する。
[0178] トルク推定部 1 2 8 3は、 ¢1 変換部 1 1 2により変換された ¢1軸電流と
9軸電流とに基づいて、 リ, V , 相に対応するトルク推定値を算出する。 なお、 トルク推定部 1 2 8 3は、 軸電流、 軸電流及び電圧振幅指令が関 係付けられたマップ情報に基づいて、 電圧振幅指令を算出すればよい。
[0179] トルクフィードバック制御部 1 2 9 3は、 力行トルク指令値又は発電トル ク指令値にトルク推定値をフィードバック制 御するための操作量として、 電 圧べクトルの位相の指令値である電圧位相指 令を算出する。 トルクフィード バック制御部 1 2 9 3では、 力行トルク指令値又は発電トルク指令値に対 す るトルク推定値の偏差に基づき、 丨 フィードバック手法を用いて電圧位相 指令が算出される。
[0180] 操作信号生成部 1 3 0 3 は、 電圧振幅指令、 電圧位相指令及び電気角 0に 基づいて、 第 1インバータ 1 0 1の操作信号を生成する。 具体的には、 操作 信号生成部 1 3 0 3 は、 電圧振幅指令、 電圧位相指令及び電気角 0に基づい \¥0 2020/175497 51 卩(:171? 2020 /007543
て 3相の指令電圧を算出し、 算出した 3相の指令電圧を電源電圧で規格化し た信号と、 三角波信号等のキャリア信号との大小比較に 基づく \^/1\/1制御に より、 各相における上下アームのスイッチ操作信号 を生成する。
[0181 ] ちなみに、 操作信号生成部 1 3 0 3は、 電圧振幅指令、 電圧位相指令、 電 気角 0及びスイッチ操作信号が関係付けられたマ プ情報であるパルスバタ —ン情報、 電圧振幅指令、 電圧位相指令並びに電気角 0に基づいて、 スイッ チ操作信号を生成してもよい。
[0182] また、 X , 丫, 相側においても同様の構成を有しており、 トルク推定部
1 2 8 13は、 ¢1 変換部 1 2 2により変換された ¢1軸電流と 軸電流とに基 づいて、 X , 丫, 相に対応するトルク推定値を算出する。
[0183] トルクフィードバック制御部 1 2 9匕は、 力行トルク指令値又は発電トル ク指令値にトルク推定値をフィードバック制 御するための操作量として、 電 圧位相指令を算出する。 トルクフィードバック制御部 1 2 9匕では、 力行卜 ルク指令値又は発電トルク指令値に対するト ルク推定値の偏差に基づき、 I フィードバック手法を用いて電圧位相指令が 算出される。
[0184] 操作信号生成部 1 3 0 は、 電圧振幅指令、 電圧位相指令及び電気角 0に 基づいて、 第 2インバータ 1 0 2の操作信号を生成する。 具体的には、 操作 信号生成部 1 3 0匕は、 電圧振幅指令、 電圧位相指令及び電気角 0に基づい て 3相の指令電圧を算出し、 算出した 3相の指令電圧を電源電圧で規格化し た信号と、 三角波信号等のキャリア信号との大小比較に 基づく \^/1\/1制御に より、 各相における上下アームのスイッチ操作信号 を生成する。 ドライバ 1 1 7は、 操作信号生成部 1 3 0 3 , 1 3 0匕にて生成されたスイッチ操作信 号に基づいて、 各インバータ 1 0 1 , 1 0 2における各 3相のスイッチ 3 , 3 をオンオフさせる。
[0185] ちなみに、 操作信号生成部 1 3 0 は、 電圧振幅指令、 電圧位相指令、 電 気角 0及びスイッチ操作信号が関係付けられたマ プ情報であるパルスバタ —ン情報、 電圧振幅指令、 電圧位相指令並びに電気角 0に基づいて、 スイッ チ操作信号を生成してもよい。 \¥0 2020/175497 52 卩(:171? 2020 /007543
[0186] ところで、 回転電機 1 0においては、 軸電流の発生に伴い軸受 2 1 , 2 2 の電食が生じることが懸念されている。 例えば固定子巻線 5 1の通電がスイ ッチングにより切り替えられる際に、 スイッチングタイミングの微小なずれ (スイッチングの不均衡) により磁束の歪みが生じ、 それに起因して、 回転 軸 1 1 を支持する軸受 2 1 , 2 2において電食が生じることが懸念される。 磁束の歪みは固定子 5〇のインダクタンスに応じて生じ、 その磁束の歪みに より生じる軸方向の起電圧によって、 軸受 2 1 , 2 2内での絶縁破壊が起こ り電食が進行する。
[0187] この点本実施形態では、 電食対策として、 以下に示す 3つの対策を講じて いる。 第 1の電食対策は、 固定子 5 0のコアレス化に伴いインダクタンスを 低減したこと、 及び磁石ユニッ ト 4 2の磁石磁束をなだらかにしたことによ る電食抑制対策である。 第 2の電食対策は、 回転軸を軸受 2 1 , 2 2による 片持ち構造としたことによる電食抑制対策で ある。 第 3の電食対策は、 円環 状の固定子巻線 5 1 を固定子コア 5 2と共にモールド材によりモールドした ことによる電食抑制対策である。 以下には、 これら各対策の詳細を個々に説 明する。
[0188] まず第 1の電食対策では、 固定子 5 0において、 周方向における各導線群
8 1の間をテイースレスとし、 各導線群 8 1の間に、 テイース (鉄心) の代 わりに非磁性材料よりなる封止部材 5 7を設ける構成としている (図 1 0参 照) 。 これにより、 固定子 5 0のインダクタンス低減が可能となっている 固定子 5 0におけるインダクタンス低減を図ることで 仮に固定子巻線 5 1 の通電時にスイッチングタイミングのずれが 生じても、 そのスイッチングタ イミングのずれに起因する磁束歪みの発生を 抑制し、 ひいては軸受 2 1 , 2 2の電食抑制が可能になっている。 なお、 ¢1軸のインダクタンスが 軸のイ ンダクタンス以下になっているとよい。
[0189] また、 磁石 9 1 , 9 2において、 軸側において 9軸側に比べて磁化容易 軸の向きが 軸に平行となるように配向がなされた構成と した (図 9参照)
。 これにより、 軸での磁石磁束が強化され、 各磁極において 軸から 軸 \¥0 2020/175497 53 卩(:171? 2020 /007543
にかけての表面磁束変化 (磁束の増減) がなだらかになる。 そのため、 スイ ッチング不均衡に起因する急激な電圧変化が 抑制され、 ひいては電食抑制に 寄与できる構成となっている。
[0190] 第 2の電食対策では、 回転電機 1 0において、 各軸受 2 1 , 2 2を、 回転 子 4 0の軸方向中央に対して軸方向のいずれか一 側に偏って配置している (図 2参照) 。 これにより、 複数の軸受が軸方向において回転子を挟んで 両 側にそれぞれ設けられる構成と比べて、 電食の影響を軽減できる。 つまり、 回転子を複数の軸受により両持ち支持する構 成では、 高周波磁束の発生に伴 い回転子、 固定子及び各軸受 (すなわち、 回転子を挟んで軸方向両側の各軸 受) を通る閉回路が形成され、 軸電流により軸受の電食が懸念される。 これ に対し、 回転子 4 0を複数の軸受 2 1 , 2 2により片持ち支持する構成では 上記閉回路が形成されず、 軸受の電食が抑制される。
[0191 ] また、 回転電機 1 0は、 軸受 2 1 , 2 2の片側配置のための構成に絡み、 以下の構成を有する。 磁石ホルダ 4 1 において、 回転子 4 0の径方向に張り 出す中間部 4 5に、 軸方向に延びて固定子 5 0に対する接触を回避する接触 回避部が設けられている (図 2参照) 。 この場合、 磁石ホルダ 4 1 を経由し て軸電流の閉回路が形成される場合にあって は、 閉回路長を長く してその回 路抵抗を大きくすることが可能となる。 これにより、 軸受 2 1 , 2 2の電食 の抑制を図ることができる。
[0192] 回転子 4 0を挟んで軸方向の一方側においてハウジン 3 0に対して軸受 ユニッ ト 2 0の保持部材 2 3が固定されるとともに、 他方側においてハウジ ング 3 0及びユニッ トべース 6 1 (固定子ホルダ) が互いに結合されている (図 2参照) 。 本構成によれば、 回転軸 1 1の軸方向においてその軸方向の 片側に各軸受 2 1 , 2 2を偏って配置する構成を好適に実現するこ ができ る。 また本構成では、 ユニッ トべース 6 1がハウジング 3 0を介して回転軸 1 1 に繫がる構成となるため、 ユニッ トべース 6 1 を、 回転軸 1 1から電気 的に離れた位置に配置することができる。 なお、 ユニッ トべース 6 1 とハウ ジング 3 0との間に樹脂等の絶縁部材を介在させれば ユニッ トべース 6 1 \¥0 2020/175497 54 卩(:171? 2020 /007543
と回転軸 1 1 とが電気的に一層離れた構成となる。 これにより、 軸受 2 1 ,
2 2の電食を適正に抑制することができる。
[0193] 本実施形態の回転電機 1 0では、 各軸受 2 1 , 2 2の片側配置等により、 軸受 2 1 , 2 2に作用する軸電圧が低減されている。 また、 回転子 4 0と固 定子 5 0との間の電位差が低減されている。 そのため、 軸受 2 1 , 2 2にお いて導電性グリースを用いなくても、 軸受 2 1 , 2 2に作用する電位差の低 減が可能になっている。 導電性グリースは、 一般的に力ーボンなどの細かい 粒子を含むため音鳴りが生じることが考えら れる。 この点、 本実施形態では 、 軸受 2 1 , 2 2において非導電性グリースを用いる構成と ている。 その ため、 軸受 2 1 , 2 2において音鳴りが生じる不都合を抑制でき 。 例えば 電気自動車などの電動車両への適用時には回 転電機 1 0の音鳴り対策が必要 になると考えられるが、 その音鳴り対策を好適に実施することが可能 となる
[0194] 第 3の電食対策では、 固定子巻線 5 1 を固定子コア 5 2と共にモールド材 によりモールドすることで、 固定子 5 0での固定子巻線 5 1の位置ずれを抑 制する構成としている (図 1 1参照) 。 特に本実施形態の回転電機 1 〇では 、 固定子巻線 5 1 における周方向の各導線群 8 1の間に導線間部材 (ティー ス) を有していないため、 固定子巻線 5 1 における位置ずれ生じる懸念が考 えられるが、 固定子巻線 5 1 を固定子コア 5 2と共にモールドすることによ り、 固定子巻線 5 1の導線位置にずれが抑制される。 したがって、 固定子巻 線 5 1の位置ずれによる磁束の歪みや、 それに起因する軸受 2 1 , 2 2の電 食の発生を抑制することができる。
[0195] なお、 固定子コア 5 2を固定するハウジング部材としてのユニッ トべース
6 1 を、 炭素繊維強化プラスチック により構成したため、 例え ばアルミ等により構成する場合に比べて、 ユニッ トべ—ス 6 1への放電が抑 制され、 ひいては好適な電食対策が可能となっている 。
[0196] その他、 軸受 2 1 , 2 2の電食対策として、 外輪 2 5及び内輪 2 6の少な くともいずれかをセラミックス材により構成 する、 又は、 外輪 2 5の外側に \¥0 2020/175497 55 卩(:171? 2020 /007543
絶縁スリーブを設ける等の構成を用いるこ とも可能である。
[0197] 以下に、 他の実施形態を第 1実施形態との相違点を中心に説明する。
[0198] (第 2実施形態)
本実施形態では、 回転子 4 0における磁石ユニッ ト 4 2の極異方構造を変 更しており、 以下に詳しく説明する。
[0199] 図 2 2及び図 2 3に示すように、 磁石ユニッ ト 4 2は、 ハルバッハ配列と 称される磁石配列を用いて構成されている。 すなわち、 磁石ユニッ ト 4 2は 、 磁化方向 (磁化べクトルの向き) を径方向とする第 1磁石 1 3 1 と、 磁化 方向 (磁化ベクトルの向き) を周方向とする第 2磁石 1 3 2とを有しており 、 周方向に所定間隔で第 1磁石 1 3 1が配置されるとともに、 周方向におい て隣り合う第 1磁石 1 3 1の間となる位置に第 2磁石 1 3 2が配置されてい る。 第 1磁石 1 3 1及び第 2磁石 1 3 2は、 例えばネオジム磁石等の希土類 磁石からなる永久磁石である。
[0200] 第 1磁石 1 3 1は、 固定子 5 0に対向する側 (径方向内側) の極が交互に
1\1極、 3極となるように周方向に互いに離間して配 されている。 また、 第 2磁石 1 3 2は、 各第 1磁石 1 3 1の隣において周方向に極性が交互となる ように配置されている。 これら各磁石 1 3 1 , 1 3 2を囲うように設けられ る円筒部 4 3は、 軟磁性材料よりなる軟磁性体コアであるとよ く、 バックコ アとして機能する。 なお、 この第 2実施形態の磁石ユニッ ト 4 2も、 一9 座標系において、 軸や 9軸に対する磁化容易軸の関係は上記第 1実施形態 と同じである。
[0201 ] また、 第 1磁石 1 3 1の径方向外側、 すなわち磁石ホルダ 4 1の円筒部 4
3の側には、 軟磁性材料よりなる磁性体 1 3 3が配置されている。 例えば磁 性体 1 3 3は、 電磁鋼板や軟鉄、 圧粉鉄心材料により構成されているとよい 。 この場合、 磁性体 1 3 3の周方向の長さは第 1磁石 1 3 1の周方向の長さ (特に第 1磁石 1 3 1の外周部の周方向の長さ) と同じである。 また、 第 1 磁石 1 3 1 と磁性体 1 3 3とを一体化した状態でのその一体物の径方 の厚 さは、 第 2磁石 1 3 2の径方向の厚さと同じである。 換言すれば、 第 1磁石 \¥0 2020/175497 56 卩(:171? 2020 /007543
1 3 1は第 2磁石 1 3 2よりも磁性体 1 3 3の分だけ径方向の厚さが薄くな っている。 各磁石 1 3 1 , 1 3 2と磁性体 1 3 3とは、 例えば接着剤により 相互に固着されている。 磁石ユニッ ト 4 2において第 1磁石 1 3 1の径方向 外側は、 固定子 5 0とは反対側であり、 磁性体 1 3 3は、 径方向における第 1磁石 1 3 1の両側のうち、 固定子 5 0とは反対側 (反固定子側) に設けら れている。
[0202] 磁性体 1 3 3の外周部には、 径方向外側、 すなわち磁石ホルダ 4 1の円筒 部 4 3の側に突出する凸部としてのキー 1 3 4が形成されている。 また、 円 筒部 4 3の内周面には、 磁性体 1 3 3のキ_ 1 3 4を収容する凹部としての キー溝 1 3 5が形成されている。 キー 1 3 4の突出形状とキー溝 1 3 5の溝 形状とは同じであり、 各磁性体 1 3 3に形成されたキ _ 1 3 4に対応して、 キー 1 3 4と同数のキー溝 1 3 5が形成されている。 キー 1 3 4及びキー溝 1 3 5の係合により、 第 1磁石 1 3 1及び第 2磁石 1 3 2と磁石ホルダ 4 1 との周方向 (回転方向) の位置ずれが抑制されている。 なお、 キー 1 3 4及 びキー溝 1 3 5 (凸部及び凹部) を、 磁石ホルダ 4 1の円筒部 4 3及び磁性 体 1 3 3のいずれに設けるかは任意でよく、 上記とは逆に、 磁性体 1 3 3の 外周部にキー溝 1 3 5を設けるとともに、 磁石ホルダ 4 1の円筒部 4 3の内 周部にキ _ 1 3 4を設けることも可能である。
[0203] ここで、 磁石ユニッ ト 4 2では、 第 1磁石 1 3 1 と第 2磁石 1 3 2とを交 互に配列することにより、 第 1磁石 1 3 1での磁束密度を大きくすることが 可能となっている。 そのため、 磁石ユニッ ト 4 2において、 磁束の片面集中 を生じさせ、 固定子 5 0寄りの側での磁束強化を図ることができる
[0204] また、 第 1磁石 1 3 1の径方向外側、 すなわち反固定子側に磁性体 1 3 3 を配置したことにより、 第 1磁石 1 3 1の径方向外側での部分的な磁気飽和 を抑制でき、 ひいては磁気飽和に起因して生じる第 1磁石 1 3 1の減磁を抑 制できる。 これにより、 結果的に磁石ユニッ ト 4 2の磁力を増加させること が可能となっている。 本実施形態の磁石ユニッ ト 4 2は、 言うなれば、 第 1 磁石 1 3 1 において減磁が生じ易い部分を磁性体 1 3 3に置き換えた構成と \¥0 2020/175497 57 卩(:171? 2020 /007543
なっている。
[0205] 図 2 4 ( 3 ) 、 図 2 4 (匕) は、 磁石ユニッ ト 4 2における磁束の流れを 具体的に示す図であり、 図 2 4 ( 3 ) は、 磁石ユニッ ト 4 2において磁性体 1 3 3を有していない従来構成を用いた場合を示 、 図 2 4 (匕) は、 磁石 ユニッ ト 4 2において磁性体 1 3 3を有している本実施形態の構成を用いた 場合を示している。 なお、 図 2 4 ( 3 ) 、 図 2 4 (匕) では、 磁石ホルダ 4 1の円筒部 4 3及び磁石ユニッ ト 4 2を直線状に展開して示しており、 図の 下側が固定子側、 上側が反固定子側となっている。
[0206] 図 2 4 ( 3 ) の構成では、 第 1磁石 1 3 1の磁束作用面と第 2磁石 1 3 2 の側面とが、 それぞれ円筒部 4 3の内周面に接触している。 また、 第 2磁石 1 3 2の磁束作用面が第 1磁石 1 3 1の側面に接触している。 この場合、 円 筒部 4 3には、 第 2磁石 1 3 2の外側経路を通って第 1磁石 1 3 1 との接触 面に入る磁束 1 と、 円筒部 4 3と略平行で、 かつ第 2磁石 1 3 2の磁束 2を引きつける磁束との合成磁束が生じる。 そのため、 円筒部 4 3において 第 1磁石 1 3 1 と第 2磁石 1 3 2との接触面付近において、 部分的に磁気飽 和が生じることが懸念される。
[0207] これに対し、 図 2 4 (匕) の構成では、 第 1磁石 1 3 1の固定子 5 0とは 反対側において第 1磁石 1 3 1の磁束作用面と円筒部 4 3の内周面との間に 磁性体 1 3 3が設けられているため、 その磁性体 1 3 3で磁束の通過が許容 される。 したがって、 円筒部 4 3での磁気飽和を抑制でき、 減磁に対する耐 力が向上する。
[0208] また、 図 2 4 (匕) の構成では、 図 2 4 ( 3 ) とは異なり、 磁気飽和を促 す 2を消すことができる。 これにより、 磁気回路全体のパーミアンスを効 果的に向上させることができる。 このように構成することで、 その磁気回路 特性を、 過酷な高熱条件下でも保つことができる。
[0209] また、 従来の 3 1\/1ロータにおけるラジアル磁石と比べて、 磁石内部を通 る磁石磁路が長くなる。 そのため、 磁石パーミアンスが上昇し、 磁力を上げ 、 トルクを増強することができる。 さらに、 磁束が ¢1軸の中央に集まること \¥0 2020/175497 58 卩(:171? 2020 /007543
により、 正弦波整合率を高くすることができる。 特に、 \^/1\/1制御により、 電流波形を正弦波や台形波とする、 又は 1 2 0度通電のスイッチング I 〇を 利用すると、 より効果的にトルクを増強することができる 。
[0210] なお、 固定子コア 5 2が電磁鋼板により構成される場合において 固定子 コア 5 2の径方向厚さは、 磁石ユニッ ト 4 2の径方向厚さの 1 / 2、 又は 1 / 2よりも大きいとよい。 例えば、 固定子コア 5 2の径方向厚さは、 磁石ユ ニッ ト 4 2において磁極中心に設けられる第 1磁石 1 3 1の径方向厚さの 1 / 2以上であるとよい。 また、 固定子コア 5 2の径方向厚さは、 磁石ユニッ 卜 4 2の径方向厚さより小さいとよい。 この場合、 磁石磁束は約 1 [丁] で あり、 固定子コア 5 2の飽和磁束密度は 2 [丁] であるため、 固定子コア 5 2の径方向厚さを、 磁石ユニッ ト 4 2の径方向厚さの 1 / 2以上にすること で、 固定子コア 5 2の内周側への磁束漏洩を防ぐことができる
[021 1] ハルバッハ構造や極異方構造の磁石では、 磁路が擬似円弧状になっている ため、 周方向の磁束を扱う磁石厚みに比例して、 その磁束を上昇させること ができる。 こういった構成においては、 固定子コア 5 2に流れる磁束は、 周 方向の磁束を超えることはないと考えられる 。 すなわち、 磁石の磁束 1 [丁 ] に対して飽和磁束密度 2 [丁] の鉄系金属を利用した場合、 固定子コア 5 2の厚みを磁石厚みの半分以上とすれば、 磁気飽和せず好適に小型かつ軽量 の回転電機を提供することができる。 ここで、 磁石磁束に対して固定子 5 0 からの反磁界が作用するため、 磁石磁束は一般的に 0 . 9 [丁] 以下となる 。 そのため、 固定子コアは磁石の半分の厚みを持てば、 その透磁率を好適に 高く保つことができる。
[0212] 以下に、 上述した構成の一部を変更した変形例につい て説明する。
[0213] (変形例 1)
上記実施形態では、 固定子コア 5 2の外周面を凹凸のない曲面状とし、 そ の外周面に所定間隔で複数の導線群 8 1 を並べて配置する構成としたが、 こ れを変更してもよい。 例えば、 図 2 5に示すように、 固定子コア 5 2は、 固 定子卷線 5 1の径方向両側のうち回転子 4 0とは反対側 (図の下側) に設け \¥0 2020/175497 59 卩(:171? 2020 /007543
られた円環状のヨーク 1 4 1 と、 そのヨーク 1 4 1から、 周方向に隣り合う 直線部 8 3の間に向かって突出するように延びる突起 1 4 2とを有してい る。 突起部 1 4 2は、 ヨーク 1 4 1の径方向外側、 すなわち回転子 4 0側に 所定間隔で設けられている。 固定子巻線 5 1の各導線群 8 1は、 突起部 1 4 2と周方向において係合しており、 突起部 1 4 2を導線群 8 1の位置決め部 として用いつつ周方向に並べて配置されてい る。 なお、 突起部 1 4 2が 「導 線間部材」 に相当する。
[0214] 突起部 1 4 2は、 ヨーク 1 4 1からの径方向の厚さ寸法、 言い換えれば、 図 2 5に示すように、 ヨーク 1 4 1の径方向において、 直線部 8 3のヨーク 1 4 1 に隣接する内側面 3 2 0から突起部 1 4 2の頂点までの距離 が、 径 方向内外の複数層の直線部 8 3のうち、 ヨーク 1 4 1 に径方向に隣接する直 線部 8 3の径方向の厚さ寸法の 1 / 2 (図の 1 ~ 1 1) よりも小さい構成となっ ている。 言い換えれば、 固定子巻線 5 1 (固定子コア 5 2) の径方向におけ る導線群 8 1 (伝導部材) の寸法 (厚み) 丁 1 (導線 8 2の厚みの 2倍、 言 い換えれば、 導線群 8 1の固定子コア 5 2に接する面 3 2 0と、 導線群 8 1 の回転子 4 0に向いた面 3 3 0との最短距離) の 4分の 3の範囲は非磁性部 材 (封止部材 5 7) が占有していればよい。 こうした突起部 1 4 2の厚さ制 限により、 周方向に隣り合う導線群 8 1 (すなわち直線部 8 3) の間におい て突起部 1 4 2がティースとして機能せず、 ティースによる磁路形成がなさ れないようになっている。 突起部 1 4 2は、 周方向に並ぶ各導線群 8 1の間 ごとに全て設けられていなくてもよく、 周方向に隣り合う少なくとも 1組の 導線群 8 1の間に設けられていればよい。 例えば、 突起部 1 4 2は、 周方向 において各導線群 8 1の間の所定数ごとに等間隔で設けられてい とよい。 突起部 1 4 2の形状は、 矩形状、 円弧状など任意の形状でよい。
[0215] また、 固定子コア 5 2の外周面では、 直線部 8 3が一層で設けられていて もよい。 したがって、 広義には、 突起部 1 4 2におけるヨーク 1 4 1からの 径方向の厚さ寸法は、 直線部 8 3における径方向の厚さ寸法の 1 / 2よりも 小さいものであればよい。 \¥0 2020/175497 60 卩(:171? 2020 /007543
[0216] なお、 回転軸 1 1の軸心を中心とし、 かつヨーク 1 4 1 に径方向に隣接す る直線部 8 3の径方向の中心位置を通る仮想円を想定す と、 突起部 1 4 2 は、 その仮想円の範囲内においてヨーク 1 4 1から突出する形状、 換言すれ ば仮想円よりも径方向外側 (すなわち回転子 4 0側) に突出しない形状をな しているとよい。
[0217] 上記構成によれば、 突起部 1 4 2は、 径方向の厚さ寸法が制限されており 、 周方向に隣り合う直線部 8 3の間においてティースとして機能するもの ないため、 各直線部 8 3の間にティースが設けられている場合に比 て、 隣 り合う各直線部 8 3を近づけることができる。 これにより、 導体 8 2 3 の断 面積を大きくすることができ、 固定子巻線 5 1の通電に伴い生じる発熱を低 減することができる。 かかる構成では、 ティースがないことで磁気飽和の解 消が可能となり、 固定子巻線 5 1への通電電流を増大させることが可能とな る。 この場合において、 その通電電流の増大に伴い発熱量が増えるこ とに好 適に対処することができる。 また、 固定子巻線 5 1では、 夕ーン部 8 4が、 径方向にシフトされ、 他の夕ーン部 8 4との干渉を回避する干渉回避部を有 することから、 異なる夕ーン部 8 4同士を径方向に離して配置することがで きる。 これにより、 夕ーン部 8 4においても放熱性の向上を図ることができ る。 以上により、 固定子 5 0での放熱性能を適正化することが可能にな て いる。
[0218] また、 固定子コア 5 2のヨーク 1 4 1 と、 回転子 4 0の磁石ユニッ ト 4 2 (すなわち各磁石 9 1 , 9 2) とが所定距離以上離れていれば、 突起部 1 4 2の径方向の厚さ寸法は、 図 2 5の!· I 1 に縛られるものではない。 具体的に は、 ヨーク 1 4 1 と磁石ユニッ ト 4 2とが 2 以上離れていれば、 突起部
1 4 2の径方向の厚さ寸法は、 図 2 5の!· I 1以上であってもよい。 例えば、 直線部 を越えており、 かつ導線群 8 1が径方 向内外の 2層の導線 8 2により構成されている場合に、 ヨーク 1 4 1 に隣接 していない直線部 8 3、 すなわちヨーク 1 4 1から数えて 2層目の導線 8 2 の半分位置までの範囲で、 突起部 1 4 2が設けられていてもよい。 この場合 \¥0 2020/175497 61 卩(:171? 2020 /007543
、 突起部 1 4 2の径方向厚さ寸法が 「1 ~ 1 1 3 / 2」 までになっていれば、 導線群 8 1 における導体断面積を大きくすることで、 前記効果を少なからず 得ることはできる。
[0219] また、 固定子コア 5 2は、 図 2 6に示す構成であってもよい。 なお、 図 2
6では、 封止部材 5 7を省略しているが、 封止部材 5 7が設けられていても よい。 図 2 6では、 便宜上、 磁石ユニッ ト 4 2及び固定子コア 5 2を直線状 に展開して示している。
[0220] 図 2 6の構成では、 固定子 5 0は、 周方向に隣接する導線 8 2 (すなわち 直線部 8 3) の間に、 導線間部材としての突起部 1 4 2を有している。 固定 子 5 0は、 固定子巻線 5 1が通電されると、 磁石ユニッ ト 4 2の磁極の一つ (1\1極、 または 3極) とともに磁気的に機能し、 固定子 5 0の周方向に延び る一部分 3 5 0を有する。 この部分 3 5 0の固定子 5 0の周方向への長さを !·!とすると、 この長さ範囲 !·!に存在する突起部 1 4 2の合計の幅 (すな わち、 固定子 5 0の周方向への合計の寸法) を とし、 突起部 1 4 2の飽 和磁束密度を巳 5、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極分の周方向の幅寸法を \/\/ 01、 磁 石ユニッ ト 4 2の残留磁束密度を巳 「とする場合、 突起部 1 4 2は、
X巳 3 〇1 X巳 「 ( 1)
となる磁性材料により構成されている。
[0221 ] なお、 範囲 W n は、 周方向に隣接する複数の導線群 8 1であって、 励磁時 期が重複する複数の導線群 8 1 を含むように設定される。 その際、 範囲 W n を設定する際の基準 (境界) として、 導線群 8 1の間隙 5 6の中心を設定す ることが好ましい。 例えば、 図 2 6に例示する構成の場合、 周方向において 極の磁極中心からの距離が最も短いものから 順番に、 4番目までの導線群 8 1が、 当該複数の導線群 8 1 に相当する。 そして、 当該 4つの導線群 8 1 を含むように範囲 w n が設定される。 その際、 範囲 W n の端 (起点と終点) が間隙 5 6の中心とされている。
[0222] 図 2 6において、 範囲 nの両端には、 それぞれ突起部 1 4 2が半分ずつ 含まれていることから、 範囲 W nには、 合計 4つ分の突起部 1 4 2が含まれ \¥0 2020/175497 62 卩(:171? 2020 /007543
ている。 したがって、 突起部 1 4 2の幅 (すなわち、 固定子 5 0の周方向に おける突起部 1 4 2の寸法、 言い換えれば、 隣接する導線群 8 1の間隔) を 八とすると、 範囲 W nに含まれる突起部 1 4 2の合計の幅は、
八+八十八+八+ 1 / 2八= 4八となる。
[0223] 詳しくは、 本実施形態では、 固定子巻線 5 1の 3相巻線が分布巻であり、 その固定子巻線 5 1では、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極に対して、 突起部 1 4 2 の数、 すなわち各導線群 8 1の間となる間隙 5 6の数が 「相数 〇」 個とな っている。 ここで〇とは、 1相の導線 8 2のうち固定子コア 5 2と接する数 である。 なお、 導線 8 2が回転子 4 0の径方向に積層された導線群 8 1であ る場合には、 1相の導線群 8 1の内周側の導線 8 2の数であるともいえる。 この場合、 固定子巻線 5 1の 3相巻線が各相所定順序で通電されると、 1極 内において 2相分の突起部 1 4 2が励磁される。 したがって、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極分の範囲において固定子巻線 5 1の通電により励磁される突起部 1 4 2の周方向の合計幅寸法 は、 突起部 1 4 2 (つまり、 間隙 5 6) の 周方向の幅寸法を八とすると、 「励磁される相数 〇 八= 2 X 2 X八」 と なる。
[0224] そして、 こうして合計幅寸法 が規定された上で、 固定子コア 5 2にお いて、 突起部 1 4 2が、 上記 (1) の関係を満たす磁性材料として構成され ている。 なお、 合計幅寸法 1:は、 1極内において比透磁率が 1 よりも大き くなりえる部分の周方向寸法でもある。 また、 余裕を考えて、 合計幅寸法 1:を、 1磁極における突起部 1 4 2の周方向の幅寸法としてもよい。 具体的 には、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極に対する突起部 1 4 2の数が 「相数 〇」 で あることから、 1磁極における突起部 1 4 2の周方向の幅寸法 (合計幅寸法 !:) を、 「相数 \ 0 八= 3 \ 2 八= 6八」 としてもよい。
[0225] なお、 ここでいう分布巻とは、 磁極の 1極対周期 (1\1極と 3極) で、 固定 子卷線 5 1の一極対があるものである。 ここでいう固定子巻線 5 1の一極対 は、 電流が互いに逆方向に流れ、 ターン部 8 4で電気的に接続された 2つの 直線部 8 3とターン部 8 4からなる。 上記条件みたすものであれば、 短節卷 \¥02020/175497 63 卩(:171? 2020 /007543
(Short Pitch Winding) であっても、 全節卷 (Fu 11 Pitch Winding) の分布 巻の均等物とみなす。
[0226] 次に、 集中巻の場合の例を示す。 ここでいう集中巻とは、 磁極の 1極対の 幅と、 固定子巻線 5 1の一極対の幅とが異なるものである。 集中巻の一例と しては、 1つの磁極対に対して導線群 81が 3つ、 2つの磁極対に対して導 線群 81が 3つ、 4つの磁極対に対して導線群 81が 9つ、 5つの磁極対に 対して導線群 81が 9つのような関係であるものが挙げられる。
[0227] ここで、 固定子巻線 5 1 を集中巻とする場合には、 固定子巻線 5 1の 3相 巻線が所定順序で通電されると、 2相分の固定子巻線 5 1が励磁される。 そ の結果、 2相分の突起部 1 42が励磁される。 したがって、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極分の範囲において固定子巻線 5 1の通電により励磁される突起部 1 42の周方向の幅寸法 W tは、 「AX2」 となる。 そして、 こうして幅寸法 Wtが規定された上で、 突起部 1 42が、 上記 (1 ) の関係を満たす磁性材 料として構成されている。 なお、 上記で示した集中巻の場合は、 同一相の導 線群 81 に囲まれた領域において、 固定子 50の周方向にある突起部 1 42 の幅の総和を Aとする。 また、 集中巻における Wmは 「磁石ユニッ ト 42の エアギャップに対向する面の全周」 X 「相数」 ÷ 「導線群 81の分散数」 に 相当する。
[0228] ちなみに、 ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石、 フェライ ト磁石とい った BH積が 20 [MGO e ( k J /m~3) ] 以上の磁石では B d = 1. 0 強 [T] 、 鉄では B r = 2. 0強 [T] である。 そのため、 高出カモータと しては、 固定子コア 52において、 突起部 1 42が、 Wt<1 /2XWmの 関係を満たす磁性材料であればよい。
[0229] また、 後述するように導線 82が外層被膜 1 82を備える場合には、 導線
82同士の外層被膜 1 82が接触するように、 導線 82を固定子コア 52の 周方向に配置しても良い。 この場合は、 Wtは、 0又は接触する両導線 82 の外層被膜 1 82の厚さ、 と看做すことができる。
[0230] 図 25や図 26の構成では、 回転子 40側の磁石磁束に対して不相応に小 \¥0 2020/175497 64 卩(:171? 2020 /007543
さい導線間部材 (突起部 1 4 2) を有する構成となっている。 なお、 回転子 4 0は、 インダクタンスが低くかつ平坦な表面磁石型 ロータであり、 磁気抵 抗的に突極性を有していないものとなってい る。 かかる構成では、 固定子 5 0のインダクタンス低減が可能となっており 固定子巻線 5 1のスイッチン グタイミングのずれに起因する磁束歪みの発 生が抑制され、 ひいては軸受 2 1 , 2 2の電食が抑制される。
[0231 ] (変形例 2)
上記式 (1) の関係を満たす導線間部材を用いる固定子 5 0として、 以下 の構成を採用することも可能である。 図 2 7では、 固定子コア 5 2の外周面 側 (図の上面側) に、 導線間部材として歯状部 1 4 3が設けられている。 歯 状部 1 4 3は、 ヨーク 1 4 1から突出するようにして周方向に所定間隔 設 けられており、 径方向に導線群 8 1 と同じ厚み寸法を有している。 歯状部 1 4 3の側面は導線群 8 1の各導線 8 2に接している。 ただし、 歯状部 1 4 3 と各導線 8 2との間に隙間があってもよい。
[0232] 歯状部 1 4 3は、 周方向における幅寸法に制限が付与されてお り、 磁石量 に対して不相応に細い極歯 (ステータティース) を備えるものとなっている 。 かかる構成により、 歯状部 1 4 3は、 1 . 8丁以上で磁石磁束により確実 に飽和し、 パーミアンスの低下によりインダクタンスを 下げることができる
[0233] ここで、 磁石ユニッ ト 4 2において、 固定子側における磁束作用面の 1極 あたりの表面積を 3 、 磁石ユニッ ト 4 2の残留磁束密度を巳 「とすると、 磁石ユニッ ト側の磁束は、 例えば 「3 巳 「」 となる。 また、 各歯状部 1 4 3における回転子側の表面積を 3 I、 導線 8 2の一相あたりの数を とし 、 固定子巻線 5 1の通電により 1極内において 2相分の歯状部 1 4 3が励磁 されるとすると、 固定子側の磁束は、 例えば 「3 I 2 X巳 3」 となる 。 この場合、
… (2)
の関係が成立するように歯状部 1 4 3の寸法を制限することで、 インダクタ \¥0 2020/175497 65 卩(:171? 2020 /007543
ンスの低減が図られている。
[0234] なお、 磁石ユニッ ト 4 2と歯状部 1 4 3とで軸方向の寸法が同一である場 合、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極分の周方向の幅寸法を \ZV rn、 歯状部 1 4 3の周 方向の幅寸法を Iとすると、 上記式 (2) は、 式 (3) のように置き換 えられる。
より具体的には、 例えば巳 3 = 2丁、 巳 「= 1 丁であり、 01 = 2であると 想定すると、 上記式 (3) は、 の関係となる。 この場 合、 歯状部 1 4 3の幅寸法 3 1を、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極分の幅寸法 の 1 / 8よりも小さくすることで、 インダクタンスの低減が図られている 。 なお、 数 が 1であれば、 歯状部 1 4 3の幅寸法 3 Iを、 磁石ユニッ ト 4 2の 1極分の幅寸法 \ZV rnの 1 / 4よりも小さくするとよい。
[0235] なお、 上記式 (3) において、 「\^/ 3 I 2」 は、 磁石ユニッ ト 4 2 の 1極分の範囲において固定子巻線 5 1の通電により励磁される歯状部 1 4 3の周方向の幅寸法に相当する。
[0236] 図 2 7の構成では、 上述した図 2 5 , 図 2 6の構成と同様に、 回転子 4 0 側の磁石磁束に対して不相応に小さい導線間 部材 (歯状部 1 4 3) を有する 構成となっている。 かかる構成では、 固定子 5 0のインダクタンス低減が可 能となっており、 固定子巻線 5 1のスイッチングタイミングのずれに起因す る磁束歪みの発生が抑制され、 ひいては軸受 2 1 , 2 2の電食が抑制される
[0237] (変形例 3)
上記実施形態では、 固定子巻線 5 1 を覆う封止部材 5 7を、 固定子コア 5 2の径方向外側において各導線群 8 1 を全て含む範囲、 すなわち径方向の厚 さ寸法が各導線群 8 1の径方向の厚さ寸法よりも大きくなる範囲 設ける構 成としたが、 これを変更してもよい。 例えば、 図 2 8に示すように、 封止部 材 5 7を、 導線 8 2の一部がはみ出すように設ける構成とする より具体的 には、 封止部材 5 7を、 導線群 8 1 において最も径方向外側となる導線 8 2 \¥0 2020/175497 66 卩(:171? 2020 /007543
の一部を径方向外側、 すなわち固定子 5 0側に露出させた状態で設ける構成 とする。 この場合、 封止部材 5 7の径方向の厚さ寸法は、 各導線群 8 1の径 方向の厚さ寸法と同じ、 又はその厚さ寸法よりも小さいとよい。
[0238] (変形例 4)
図 2 9に示すように、 固定子 5 0において、 各導線群 8 1が封止部材 5 7 により封止されていない構成としてもよい。 つまり、 固定子卷線 5 1 を覆う 封止部材 5 7を用いない構成とする。 この場合、 周方向に並ぶ各導線群 8 1 の間に導線間部材が設けられず空隙となって いる。 要するに、 周方向に並ぶ 各導線群 8 1の間に導線間部材が設けられていない構成 なっている。 なお 、 空気を非磁性体、 又は非磁性体の均等物として巳 3 = 0と看做し、 この空 隙に空気を配置しても良い。
[0239] (変形例 5)
固定子 5 0おける導線間部材を非磁性材料により構成 る場合に、 その非 磁性材料として、 樹脂以外の材料を用いることも可能である。 例えば、 オー ステナイ ト系のステンレス鋼である 3 II 3 3 0 4を用いる等、 金属系の非磁 性材料を用いてもよい。
[0240] (変形例 6)
固定子 5 0が固定子コア 5 2を具備していない構成としてもよい。 この場 合、 固定子 5 0は、 図 1 2に示す固定子巻線 5 1 により構成されることにな る。 なお、 固定子コア 5 2を具備していない固定子 5 0において、 固定子卷 線 5 1 を封止材により封止する構成としてもよい。 又は、 固定子 5 0が、 軟 磁性材からなる固定子コア 5 2に代えて、 合成樹脂等の非磁性材からなる円 環状の巻線保持部を備える構成であってもよ い。
[0241 ] (変形例 7)
上記第 1実施形態では、 回転子 4 0の磁石ユニッ ト 4 2として周方向に並 ベた複数の磁石 9 1 , 9 2を用いる構成としたが、 これを変更し、 磁石ユニ ッ ト 4 2として円環状の永久磁石である環状磁石を いる構成としてもよい 。 具体的には、 図 3 0に示すように、 磁石ホルダ 4 1の円筒部 4 3の径方向 \¥02020/175497 67 卩(:171? 2020 /007543
内側に、 環状磁石 95が固定されている。 環状磁石 95には、 周方向に極性 が交互となる複数の磁極が設けられており、 軸及び 9軸のいずれにおいて も一体的に磁石が形成されている。 環状磁石 95には、 各磁極の 軸におい て配向の向きが径方向となり、 各磁極間の 軸において配向の向きが周方向 となるような円弧状の磁石磁路が形成されて いる。
[0242] なお、 環状磁石 95では、 軸寄りの部分において磁化容易軸が 軸に平 行又は 軸に平行に近い向きとなり、 かつ 軸寄りの部分において磁化容易 軸が 軸に直交又は 軸に直交に近い向きとなる円弧状の磁石磁路 が形成さ れるように配向がなされていればよい。
[0243] (変形例 8)
本変形例では、 制御装置 1 1 〇の制御手法の一部を変更している。 本変形 例では、 主に、 第 1実施形態で説明した構成に対する相違部分 ついて説明 する。
[0244] まず、 図 3 1 を用いて、 図 20に示した操作信号生成部 1 1 6, 1 26及 び図 2 1 に示した操作信号生成部 1 303, 1 306内の処理について説明 する。 なお、 各操作信号生成部 1 1 6, 1 26, 1 30 1 30匕におけ る処理は基本的には同様である。 このため、 以下では、 操作信号生成部 1 1 6の処理を例にして説明する。
[0245] 操作信号生成部 1 1 6は、 キャリア生成部 1 1 6 3 と、 II, V, 相比較 器 1 1 6匕 11, 1 1 66 V, 1 1 6匕 とを備えている。 本実施形態におい て、 キャリア生成部 1 1 68は、 キャリア信号 3 丨 9 <3として三角波信号を 生成して出力する。
[0246] II, V, 相比較器 1 1 6匕 11, 1 1 66 V, 1 1 6匕\^/には、 キャリア 生成部 1 1 63より生成されたキャリア信号 3 丨 9 (3と、 3相変換部 1 1 5 により算出された II, V, 相指令電圧とが入力される。 II, V, 相指令 電圧は、 例えば正弦波状の波形であり、 電気角で位相が 1 20 ° ずつずれて いる。
[0247] II, V, 相比較器 1 1 6匕 11, 1 1 66 V, 1 1 6匕\^/は、 II, V, \¥02020/175497 68 卩(:171? 2020 /007543
相指令電圧とキャリア信号 s i g Cとの大小比較に基づく PWM (PWM : p ulse width modulation) 制御により、 第 1インバータ 1 01 における U, V , W相の上アーム及び下アームの各スイッチ S p, S nの操作信号を生成す る。 具体的には、 操作信号生成部 1 1 6は、 U, V, W相指令電圧を電源電 圧で規格化した信号と、 キャリア信号との大小比較に基づく PWM制御によ り、 U, V, W相の各スイッチ S p, S nの操作信号を生成する。 ドライバ 1 1 7は、 操作信号生成部 1 1 6により生成された操作信号に基づいて、 第 1インバータ 1 01 における U, V, W相の各スイッチ S p, S nをオンオ フさせる。
[0248] 制御装置 1 1 0は、 キャリア信号 S i g Cのキャリア周波数 f c、 すなわ ち各スイッチ S p, S nのスイッチング周波数を変更する処理を行 。 キャ リア周波数 f cは、 回転電機 1 0の低トルク領域又は高回転領域において高 く設定され、 回転電機 1 0の高トルク領域において低く設定される。 この設 定は、 各相卷線に流れる電流の制御性の低下を抑制 するためになされる。
[0249] つまり、 固定子 50のコアレス化に伴い、 固定子 50におけるインダクタ ンスの低減を図ることができる。 ここで、 インダクタンスが低くなると、 回 転電機 1 〇の電気的時定数が小さくなる。 その結果、 各相卷線に流れる電流 のリップルが増加して巻線に流れる電流の制 御性が低下し、 電流制御が発散 する懸念がある。 この制御性低下の影響は、 巻線に流れる電流 (例えば、 電 流の実効値) が高電流領域に含まれる場合よりも低電流領 域に含まれる場合 に顕著となり得る。 この問題に対処すべく、 本変形例において、 制御装置 1 1 0はキャリア周波数 f Cを変更する。
[0250] 図 32を用いて、 キャリア周波数 f cを変更する処理について説明する。
この処理は、 操作信号生成部 1 1 6の処理として、 制御装置 1 1 0により、 例えば所定の制御周期で繰り返し実行される 。
[0251] ステップ S 1 0では、 各相の巻線 5 1 aに流れる電流が低電流領域に含ま れているか否かを判定する。 この処理は、 回転電機 1 0の現在のトルクが低 トルク領域であることを判定するための処理 である。 低電流領域に含まれて \¥0 2020/175497 69 卩(:171? 2020 /007543
いるか否かの判定手法としては、 例えば、 以下の第 1 , 第 2の方法が挙げら れる。
[0252] <第 1の方法>
〇1 変換部 1 1 2により変換された 軸電流と 9軸電流とに基づいて、 回 転電機 1 〇のトルク推定値を算出する。 そして、 算出したトルク推定値が卜 ルク閾値未満であると判定した場合、 巻線 5 1 3に流れる電流が低電流領域 に含まれていると判定し、 トルク推定値がトルク閾値以上であると判定 した 場合、 高電流領域に含まれていると判定する。 ここで、 トルク閾値は、 例え ば、 回転電機 1 0の起動トルク (拘束トルクともいう) の 1 / 2に設定され ていればよい。
[0253] <第 2の方法>
角度検出器により検出された回転子 4 0の回転角度が速度閾値以上である と判定した場合、 巻線 5 1 3に流れる電流が低電流領域に含まれている す なわち高回転領域であると判定する。 ここで、 速度閾値は、 例えば、 回転電 機 1 0の最大トルクがトルク閾値となる場合の回 速度に設定されていれば よい。
[0254] ステップ 3 1 0において否定判定した場合には、 高電流領域であると判定 し、 ステップ 3 1 1 に進む。 ステップ 3 1 1では、 キャリア周波数干〇を第 1周波数干!_に設定する。
[0255] ステップ 3 1 0において肯定判定した場合には、 ステップ 3 1 2に進み、 キャリア周波数干〇を、 第 1周波数干!_よりも高い第 2周波数干 ! !に設定す る。
[0256] 以上説明した本変形例によれば、 各相卷線に流れる電流が高電流領域に含 まれる場合よりも低電流領域に含まれる場合 においてキャリア周波数チ〇が 高く設定される。 このため、 低電流領域において、 スイッチ 3 , 3 のス イッチング周波数を高くすることができ、 電流リップルの増加を抑制するこ とができる。 これにより、 電流制御性の低下を抑制することができる。
[0257] _方、 各相卷線に流れる電流が高電流領域に含まれ る場合、 低電流領域に \¥02020/175497 70 卩(:171? 2020 /007543
含まれる場合よりもキャリア周波数 f Cが低く設定される。 高電流領域にお いては、 低電流領域よりも巻線に流れる電流の振幅が 大きいため、 インダク タンスが低くなったことに起因する電流リッ プルの増加が、 電流制御性に及 ぼす影響が小さい。 このため、 高電流領域においては、 低電流領域よりもキ ャリア周波数 f Cを低く設定することができ、 各インバータ 1 01 , 1 02 のスイッチング損失を低減することができる 。
[0258] 本変形例においては、 以下に示す形態の実施が可能である。
[0259] キャリア周波数 f cが第 1周波数 f Lに設定されている場合において、 図 32のステップ S 1 0において肯定判定されたとき、 キャリア周波数 f c を、 第 1周波数 f Lから第 2周波数 f Hに向かって徐変させてもよい。
[0260] また、 キャリア周波数 f cが第 2周波数 f Hに設定されている場合におい て、 ステップ S 1 0において否定判定されたとき、 キャリア周波数 f cを、 第 2周波数 f Hから第 1周波数 f Lに向かって徐変させてもよい。
[0261 ] PWM制御に代えて、 空間べクトル変調 (S VM : space vector modu la tion) 制御によりスイッチの操作信号が生成されて もよい。 この場合であっ ても、 上述したスイッチング周波数の変更を適用す ることができる。
[0262] (変形例 9 )
上記各実施形態では、 導線群 81 を構成する各相 2対ずつの導線が、 図 3 3 (a) に示すように並列接続されていた。 図 33 (a) は、 2対の導線で ある第 1 , 第 2導線 88 a, 88 bの電気的接続を示す図である。 ここで、 図 33 (a) に示す構成に代えて、 図 33 (b) に示すように、 第 1 , 第 2 導線 88 a, 88 bが直列接続されていてもよい。
[0263] また、 3対以上の多層導線が径方向に積層配置され いてもよい。 図 34 に、 4対の導線である第 1〜第 4導線 88 a〜 88 dが積層配置されている 構成を示す。 第 1〜第 4導線 88 a〜 88 dは、 固定子コア 52に近い方か ら、 第 1 , 第 2, 第 3, 第 4導線 88 a, 88 b, 88 c, 88 dの順に径 方向に並んで配置されている。
[0264] ここで、 図 33 (c) に示すように、 第 3, 第 4導線 88 c, 88 dが並 \¥0 2020/175497 71 卩(:171? 2020 /007543
列接続されるとともに、 この並列接続体の一端に第 1導線 8 8 3が接続され 、 他端に第 2導線 8 8 が接続されていてもよい。 並列接続にすると、 その 並列接続された導線の電流密度を低下させる ことができ、 通電時の発熱を抑 制できる。 そのため、 冷却水通路 7 4が形成されたハウジング (ユニッ トべ —ス 6 1) に筒状の固定子巻線を組み付ける構成におい て、 並列接続されて いない第 1 , 第 2導線 8 8 8 8匕がユニッ トべース 6 1 に当接する固定 子コア 5 2側に配置され、 並列接続された第 3 , 8 8 が 反固定子コア側に配置されている構成とする 。 これにより、 多層導線構造に おける各導線 8 8 3〜8 8 の冷却性能を均等化することができる。
[0265] なお、 第 1〜第 4導線 8 8 3 ~ 8 8 からなる導線群 8 1の径方向の厚さ 寸法は、 1磁極内における 1相分の周方向の幅寸法よりも小さいものと れ ていればよい。
[0266] (変形例 1 0)
回転電機 1 〇をインナロータ構造 (内転構造) としてもよい。 この場合、 例えばハウジング 3 0内において、 径方向外側に固定子 5 0が設けられ、 そ の径方向内側に回転子 4 0が設けられるとよい。 また、 固定子 5 0及び回転 子 4 0の軸方向両端のうちその一方の側又はその 方の側にインバータユニ ッ ト 6 0が設けられているとよい。 図 3 5は、 回転子 4 0及び固定子 5 0の 横断面図であり、 図 3 6は、 図 3 5に示す回転子 4 0及び固定子 5 0の一部 を拡大して示す図である。
[0267] インナロータ構造を前提とする図 3 5及び図 3 6の構成は、 アウタロータ 構造を前提とする図 8及び図 9の構成に対して、 回転子 4 0及び固定子 5 0 が径方向内外で逆になっていることを除いて 、 同様の構成となっている。 簡 単に説明すると、 固定子 5 0は、 扁平導線構造の固定子巻線 5 1 と、 ティー スを持たない固定子コア 5 2とを有している。 固定子巻線 5 1は、 固定子コ ア 5 2の径方向内側に組み付けられている。 固定子コア 5 2は、 アウタロー 夕構造の場合と同様に、 以下のいずれかの構成を有する。
(八) 固定子 5 0において、 周方向における各導線部の間に導線間部材を 設 \¥0 2020/175497 72 卩(:171? 2020 /007543
け、 かつその導線間部材として、 1磁極における導線間部材の周方向の幅寸 法を 1、 導線間部材の飽和磁束密度を巳 3、 1磁極における磁石ユニッ ト の周方向の幅寸法を 〇!、 磁石ユニッ トの残留磁束密度を巳 「とした場合に 、 「の関係となる磁性材料を用いている。
(巳) 固定子 5 0において、 周方向における各導線部の間に導線間部材を 設 け、 かつその導線間部材として、 非磁性材料を用いている。
(〇) 固定子 5 0において、 周方向における各導線部の間に導線間部材を 設 けていない構成となっている。
[0268] 固定子コア 5 2の導線間部材の周方向における幅寸法 について図 8 8 に基づいて追加説明を行う。 図 8 8の固定子 5 0では、 固定子コア 5 2の外 周面に径方向に凸となる凸部 5 2匕を設け、 当該凸部 5 2匕の先端に導線群 8 1 を配置している。 つまり、 導線群 8 1の間において、 固定子コア 5 2は 、 当該凸部 5 2匕よりも反回転子 4 0の側に凹むように構成されている。 こ の構成において、 凸部 5 2 の周方向の幅寸法を 「 !:」 とした場合、 この 場合も X巳 3 巳 「の関係を保つことが望ましい。 この関係性を 保つことにより、 前述した大トルク化効果を十分に発揮するこ とができる。 また、 このように固定子コア 5 2の外周面に凹凸を設けることにより、 接着 剤などが導線群 8 1 と固定子コア 5 2との間に入り込みやすくなり、 良好な 接着力を発揮させることができる。
[0269] また、 磁石ユニッ ト 4 2の各磁石 9 1 , 9 2についても同様である。 つま り、 磁石ユニッ ト 4 2は、 磁極中心である ¢1軸の側において、 磁極境界であ る 9軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行となるように配向がなさ れた磁石 9 1 , 9 2を用いて構成されている。 各磁石 9 1 , 9 2における磁 化方向等の詳細は既述のとおりである。 磁石ユニッ ト 4 2において環状磁石 9 5 (図 3 0参照) を用いることも可能である。
[0270] 図 3 7は、 インナロータ型とした場合における回転電機 1 0の縦断面図で あり、 これは既述の図 2に対応する図面である。 図 2の構成との相違点を簡 単に説明する。 図 3 7において、 ハウジング 3 0の内側には、 環状の固定子 \¥0 2020/175497 73 卩(:171? 2020 /007543
5 0が固定され、 その固定子 5 0の内側には、 所定のエアギャップを挟んで 回転子 4 0が回転可能に設けられている。 図 2と同様に、 各軸受 2 1 , 2 2 は、 回転子 4 0の軸方向中央に対して軸方向のいずれか一 側に偏って配置 されており、 これにより、 回転子 4 0が片持ち支持されている。 また、 回転 子 4 0の磁石ホルダ 4 1の内側に、 インバータユニッ ト 6 0が設けられてい る。
[0271 ] 図 3 8には、 インナロータ構造の回転電機 1 0として別の構成を示す。 図
3 8において、 ハウジング 3 0には、 軸受 2 1 , 2 2により回転軸 1 1が回 転可能に支持されており、 その回転軸 1 1 に対して回転子 4 0が固定されて いる。 図 2等に示す構成と同様に、 各軸受 2 1 , 2 2は、 回転子 4 0の軸方 向中央に対して軸方向のいずれか一方側に偏 って配置されている。 回転子 4 0は、 磁石ホルダ 4 1 と磁石ユニッ ト 4 2とを有している。
[0272] 図 3 8の回転電機 1 0では、 図 3 7の回転電機 1 0との相違点として、 回 転子 4〇の径方向内側にインバータユニッ ト 6 0が設けられていない構成と なっている。 磁石ホルダ 4 1は、 磁石ユニッ ト 4 2の径方向内側となる位置 で回転軸 1 1 に連結されている。 また、 固定子 5 0は、 固定子巻線 5 1 と固 定子コア 5 2とを有しており、 ハウジング 3 0に対して取り付けられている
[0273] (変形例 1 1)
インナロータ構造の回転電機として別の構成 を以下に説明する。 図 3 9は 、 回転電機 2 0 0の分解斜視図であり、 図 4 0は、 回転電機 2 0 0の側面断 面図である。 なおここでは、 図 3 9及び図 4 0の状態を基準に上下方向を示 すこととしている。
[0274] 図 3 9及び図 4 0に示すように、 回転電機 2 0 0は、 環状の固定子コア 2
0 1及び多相の固定子巻線 2 0 2を有する固定子 2 0 3と、 固定子コア 2 0 1の内側に回転自在に配設される回転子 2 0 4とを備えている。 固定子 2 0 3が電機子に相当し、 回転子 2 0 4が界磁子に相当する。 固定子コア 2 0 1 は、 多数の珪素鋼板が積層されて構成されており 、 その固定子コア 2 0 1 に \¥0 2020/175497 74 卩(:171? 2020 /007543
対して固定子巻線 2 0 2が取り付けられている。 図示は省略するが、 回転子 2 0 4は、 回転子コアと、 磁石ユニッ トとして複数の永久磁石とを有してい る。 回転子コアには、 円周方向に等間隔で複数の磁石揷入孔が設け られてい る。 磁石揷入孔のそれぞれには、 隣接する磁極毎に交互に磁化方向が変わる ように磁化された永久磁石が装着されている 。 なお、 磁石ユニッ トの永久磁 石は、 図 2 3で説明したようなハルバッハ配列又はそれ 類する構成を有す るものであるとよい。 又は、 磁石ユニッ トの永久磁石は、 図 9や図 3 0で説 明したような磁極中心である 軸と磁極境界である 軸との間において配向 方向 (磁化方向) が円弧状に延びている極異方性の特性を備え るものである とよい。
[0275] ここで、 固定子 2 0 3は、 以下のいずれかの構成であるとよい。
(八) 固定子 2 0 3において、 周方向における各導線部の間に導線間部材を 設け、 かつその導線間部材として、 1磁極における導線間部材の周方向の幅 寸法を 1、 導線間部材の飽和磁束密度を巳 3、 1磁極における磁石ユニッ 卜の周方向の幅寸法を 、 磁石ユニッ トの残留磁束密度を巳 「とした場合 に、 「の関係となる磁性材料を用いている。
(巳) 固定子 2 0 3において、 周方向における各導線部の間に導線間部材を 設け、 かつその導線間部材として、 非磁性材料を用いている。
(〇) 固定子 2 0 3において、 周方向における各導線部の間に導線間部材を 設けていない構成となっている。
[0276] また、 回転子 2 0 4において、 磁石ユニッ トは、 磁極中心である 軸の側 において、 磁極境界である 軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行 となるように配向がなされた複数の磁石を用 いて構成されている。
[0277] 回転電機 2 0 0の軸方向の一端側には、 環状のインバータケース 2 1 1が 設けられている。 インバータケース 2 1 1は、 ケース下面が固定子コア 2 0 1の上面に接するように配置されている。 インバータケース 2 1 1内には、 インバータ回路を構成する複数のパワーモジ ュール 2 1 2と、 半導体スイッ チング素子のスイッチング動作により生じる 電圧 ·電流の脈動 (リップル) \¥0 2020/175497 75 卩(:171? 2020 /007543
を抑制する平滑コンデンサ 2 1 3と、 制御部を有する制御基板 2 1 4と、 相 電流を検出する電流センサ 2 1 5と、 回転子 2 0 4の回転数センサであるレ ゾルバステータ 2 1 6とが設けられている。 パワーモジュール 2 1 2は、 半 導体スイッチング素子である 丨 ◦巳丁やダイオードを有している。
[0278] インバータケース 2 1 1の周縁には、 車両に搭載されるバッテリの直流回 路と接続されるパワーコネクタ 2 1 7と、 回転電機 2 0 0側と車両側制御装 置との間で各種信号の受け渡しに用いられる 信号コネクタ 2 1 8とが設けら れている。 インバータケース 2 1 1はトップカバー 2 1 9で覆われている。 車載バッテリからの直流電力は、 パワーコネクタ 2 1 7を介して入力され、 パワーモジュール 2 1 2のスイッチングにより交流に変換されて各 の固定 子卷線 2 0 2に送られる。
[0279] 固定子コア 2 0 1の軸方向両側のうちインバータケース 2 1 1の反対側に は、 回転子 2 0 4の回転軸を回転可能に保持する軸受ユニッ ト 2 2 1 と、 そ の軸受ユニッ ト 2 2 1 を収容する環状のリアケース 2 2 2とが設けられてい る。 軸受ユニッ ト 2 2 1は、 例えば 2つ一組の軸受を有しており、 回転子 2 〇 4の軸方向中央に対して軸方向のいずれか一 側に偏って配置されている 。 ただし、 軸受ユニッ ト 2 2 1 における複数の軸受を固定子コア 2 0 1の軸 方向両側に分散させて設け、 それら各軸受により回転軸を両持ち支持する 構 成であってもよい。 リアケース 2 2 2が車両のギアケースや変速機などの取 付部にボルト締結して固定されることで、 回転電機 2 0 0が車両側に取り付 けられるようになっている。
[0280] インバータケース 2 1 1内には、 冷媒を流すための冷却流路 2 1 1 3が形 成されている。 冷却流路 2 1 1 3は、 インバータケース 2 1 1の下面から環 状に凹設された空間を固定子コア 2 0 1の上面で閉塞して形成されている。 冷却流路 2 1 1 3は、 固定子巻線 2 0 2のコイルエンドを囲むように形成さ れている。 冷却流路 2 1 1 3内には、 パワーモジュール 2 1 2のモジュール ケース 2 1 2 3 が揷入されている。 リアケース 2 2 2にも、 固定子巻線 2 0 2のコイルエンドを囲むように冷却流路 2 2 2 3が形成されている。 冷却流 \¥0 2020/175497 76 卩(:171? 2020 /007543
路 2 2 2 3 は、 リアケース 2 2 2の上面から環状に凹設された空間を固定子 コア 2 0 1の下面で閉塞して形成されている。
[0281 ] (変形例 1 2)
これまでは、 回転界磁形の回転電機にて具体化した構成を 説明したが、 こ れを変更し、 回転電機子形の回転電機にて具体化すること も可能である。 図 4 1 に、 回転電機子形の回転電機 2 3 0の構成を示す。
[0282] 図 4 1の回転電機 2 3 0において、 ハウジング 2 3 1 匕にはそ れぞれ軸受 2 3 2が固定され、 その軸受 2 3 2により回転軸 2 3 3が回転自 在に支持されている。 軸受 2 3 2は、 例えば多孔質金属に油を含ませてなる 含油軸受である。 回転軸 2 3 3には、 電機子としての回転子 2 3 4が固定さ れている。 回転子 2 3 4は、 回転子コア 2 3 5とその外周部に固定された多 相の回転子卷線 2 3 6とを有している。 回転子 2 3 4において、 回転子コア 2 3 5はスロッ トレス構造を有し、 回転子卷線 2 3 6は扁平導線構造を有し ている。 つまり、 回転子卷線 2 3 6は、 1相ごとの領域が径方向よりも周方 向に長い扁平構造となっている。
[0283] また、 回転子 2 3 4の径方向外側には、 界磁子としての固定子 2 3 7が設 けられている。 固定子 2 3 7は、 ハウジング 2 3 1 3に固定された固定子コ ア 2 3 8と、 その固定子コア 2 3 8の内周側に固定された磁石ユニッ ト 2 3 9とを有している。 磁石ユニッ ト 2 3 9は、 周方向に極性が交互となる複数 の磁極を含む構成となっており、 既述した磁石ユニッ ト 4 2等と同様に、 磁 極中心である 軸の側において、 磁極境界である 軸の側に比べて磁化容易 軸の向きが 軸に平行となるように配向がなされて構成さ れている。 磁石ユ ニッ ト 2 3 9は、 配向が行われた焼結ネオジム磁石を有してお り、 その固有 保磁力は 4 0 0 [ 1< /〇! ] 以上、 かつ残留磁束密度は 1 . 0 [丁] 以上と なっている。
[0284] 本例の回転電機 2 3 0は、 2極 3コイルのブラシ付コアレスモータであり 、 回転子卷線 2 3 6は 3つに分割され、 磁石ユニッ ト 2 3 9は 2極である。 ブラシ付きモータの極数とコイル数は、 2 : 3、 4 : 1 0、 4 : 2 1などそ \¥0 2020/175497 77 卩(:171? 2020 /007543
の用途に応じて様々である。
[0285] 回転軸 2 3 3にはコミユテータ 2 4 1が固定されており、 その径方向外側 には複数のブラシ 2 4 2が配置されている。 コミユテータ 2 4 1は、 回転軸 2 3 3に埋め込まれた導線 2 4 3を介して回転子卷線 2 3 6に電気接続され ている。 これらコミユテータ 2 4 1、 ブラシ 2 4 2、 導線 2 4 3を通じて、 回転子卷線 2 3 6に対する直流電流の流入及び流出が行われ 。 コミユテー 夕 2 4 1は、 回転子卷線 2 3 6の相数に応じて周方向に適宜分割されて構 されている。 なお、 ブラシ 2 4 2は、 そのまま電気配線を介して蓄電池など の直流電源に接続されていてもよいし、 端子台などを介して直流電源に接続 されていてもよい。
[0286] 回転軸 2 3 3には、 軸受 2 3 2とコミユテータ 2 4 1 との間に、 シール材 としての樹脂ワッシャ 2 4 4が設けられている。 樹脂ワッシャ 2 4 4により 、 含油軸受である軸受 2 3 2からしみ出た油がコミユテータ 2 4 1側に流れ 出ることが抑制される。
[0287] (変形例 1 3)
回転電機 1 〇の固定子巻線 5 1 において、 各導線 8 2を、 内外に複数の絶 縁被膜を有する構成としてもよい。 例えば、 絶縁被膜付きの複数の導線 (素 線) を 1本に束ね、 それを外層被膜により覆って導線 8 2を構成するとよい 。 この場合、 素線の絶縁被膜が内側の絶縁被膜を構成し、 外層被膜が外側の 絶縁被膜を構成する。 また特に、 導線 8 2における複数の絶縁被膜のうち外 側の絶縁被膜の絶縁能力を、 内側の絶縁被膜の絶縁能力よりも高めておく と よい。 具体的には、 外側の絶縁被膜の厚さを、 内側の絶縁被膜の厚さよりも 厚くする。 例えば、 外側の絶縁被膜の厚さを 1 〇〇 、 内側の絶縁被膜の 厚さを 4 0 とする。 又は、 外側の絶縁被膜として、 内側の絶縁被膜より も誘電率の低い材料を用いるとよい。 これらは少なくともいずれかが適用さ れればよい。 なお、 素線が、 複数の導電材の集合体として構成されている と よい。
[0288] 上記のとおり導線 8 2における最外層の絶縁を強くすることによ 、 高電 \¥0 2020/175497 78 卩(:171? 2020 /007543
圧の車両用システムに用いる場合に好適な ものとなる。 また、 気圧の低い高 地などでも、 回転電機 1 0の適正な駆動が可能となる。
[0289] (変形例 1 4)
内外に複数の絶縁被膜を有する導線 8 2において、 外側の絶縁被膜と内側 の絶縁被膜とで、 線膨張率 (線膨張係数) 及び接着強さの少なくともいずれ かが異なる構成としてもよい。 本変形例における導線 8 2の構成を図 4 2に 示す。
[0290] 図 4 2において、 導線 8 2は、 複数 (図では 4本) の素線 1 8 1 と、 その 複数の素線 1 8 1 を囲む例えば樹脂製の外層被膜 1 8 2 (外側絶縁被膜) と 、 外層被膜 1 8 2内において各素線 1 8 1の周りに充填された中間層 1 8 3 (中間絶縁被膜) とを有している。 素線 1 8 1は、 銅材よりなる導電部 1 8 1 3と、 絶縁材料よりなる導体被膜 1 8 1 (内側絶縁被膜) とを有してい る。 固定子巻線として見れば、 外層被膜 1 8 2により相間が絶縁される。 な お、 素線 1 8 1が、 複数の導電材の集合体として構成されている とよい。
[0291 ] 中間層 1 8 3は、 素線 1 8 1の導体被膜 1 8 1 匕よりも高い線膨張率を有 し、 かつ外層被膜 1 8 2よりも低い線膨張率を有している。 つまり、 導線 8 2では、 外側ほど線膨張率が高くなっている。 一般的に、 外層被膜 1 8 2で は導体被膜 1 8 1 匕よりも線膨張係数が高いが、 それらの間にその中間の線 膨張率を有する中間層 1 8 3を設けることにより、 その中間層 1 8 3がクッ シヨン材として機能し、 外層側及び内層側での同時割れを防ぐことが できる
[0292] また、 導線 8 2では、 素線 1 8 1 において導電部 1 8 1 3 と導体被膜 1 8
1 匕とが接着されるとともに、 導体被膜 1 8 1 匕と中間層 1 8 3、 中間層 1 8 3と外層被膜 1 8 2がそれぞれ接着されており、 それら各接着部分では、 導線 8 2の外側ほど、 接着強さが弱くなっている。 つまり、 導電部 1 8 1 3 及び導体被膜 1 8 1 の接着強さは、 導体被膜 1 8 1 及び中間層 1 8 3の 接着強さ、 中間層 1 8 3及び外層被膜 1 8 2の接着強さよりも弱くなってい る。 また、 導体被膜 1 8 1 匕及び中間層 1 8 3の接着強さと、 中間層 1 8 3 \¥0 2020/175497 79 卩(:171? 2020 /007543
及び外層被膜 1 8 2の接着強さとを比較すると、 後者の方 (外側の方) が弱 いか、 又は同等であるとよい。 なお、 各被膜同士の接着強さの大きさは、 例 えば 2層の被膜を引き剥がす際に要する引っ張り さ等により把握可能であ る。 上記のごとく導線 8 2の接着強さが設定されていることで、 発熱又は冷 却による内外温度差が生じても、 内層側及び外層側で共に割れが生じること (共割れ) を抑制することができる。
[0293] ここで、 回転電機の発熱、 温度変化は、 主に素線 1 8 1の導電部 1 8 1 3 から発熱される銅損と、 鉄心内から発せられる鉄損として生じるが、 それら 2種類の損失は、 又は導線 8 2の外部より伝 わるものであり、 中間層 1 8 3に発熱源があるわけではない。 この場合、 中 間層 1 8 3が両方に対してクッションとなり得る接着 を持つことで、 その 同時割れを防ぐことができる。 したがって、 車両用途など、 高耐圧又は温度 変化の大きい分野での使用に際しても、 好適なる使用が可能となる。
[0294] 以下に補足する。 素線 1 8 1は、 例えばエナメル線であってもよく、 かか る場合には 、 I、 I等の樹脂被膜層 (導体被膜 1 8 1 匕) を有す る。 また、 素線 1 8 1 より外側の外層被膜 1 8 2は、 同様の 、 丨、 八 丨等よりなり、 かつ厚みが厚いものであることが望ましい。 これにより、 線膨張率差による被膜の破壊が抑えられる。 なお、 外層被膜 1 8 2としては 、 八、 丨、 八 I等の前記材料を厚く して対応するものとは別に、 3、 巳巳 、 フッ素、 ポリカーボネート、 シリコン、 エポキシ、 ポリエチ レンナフタレート、 !_〇 といった、 誘電率が 丨、 八 丨 よりも小さいも のを使うことも回転機の導体密度を高めるた めには望ましい。 これらの樹脂 であれば、 導体被膜 1 8 1 匕同等の \ , P A \被膜よりも薄いか、 導体被 膜 1 8 1 13と同等の厚みであっても、 その絶縁能力を高くすることができ、 これにより導電部の占有率を高めることが可 能となる。 一般的には、 上記樹 脂は、 誘電率がエナメル線の絶縁被膜より良好な絶 縁を有している。 当然、 成形状態や、 混ぜ物によって、 その誘電率を悪くする例も存在する。 中でも 、 3、 巳巳 は、 その線膨張係数がエナメル被膜より一般的に は大き \¥0 2020/175497 80 卩(:171? 2020 /007543
いが、 他樹脂よりも小さいため、 第 2層の外層被膜として適するのである。
[0295] また、 素線 1 8 1の外側における 2種類の被膜 (中間絶縁被膜、 外側絶縁 被膜) と素線 1 8 1のエナメル被膜との接着強さは、 素線 1 8 1 における銅 線とエナメル被膜との間の接着強さよりも弱 いことが望ましい。 これにより 、 エナメル被膜と前記 2種類の被膜とが一度に破壊される現象が抑 される
[0296] 固定子に水冷構造、 液冷構造、 空冷構造が付加されている場合には、 基本 的に、 外層被膜 1 8 2から先に熱応力や衝撃応力が掛かると考え れる。 し かし、 素線 1 8 1の絶縁層と、 前記 2種類の被膜とが違う樹脂の場合でも、 その被膜を接着しない部位を設けることによ り、 前記熱応力や衝撃応力を低 減することができる。 すなわち、 素線 (エナメル線) と空隙を設け、 フッ素 、 ポリカーボネート、 シリコン、 エポキシ、 ポリエチレンナフタレート、 !_ 〇 を配置することで前記絶縁構造がなされる。 この場合、 エポキシなどか らなる低誘電率で、 かつ低線膨張係数からなる接着材を用いて、 外層被膜と 内層被膜とを接着することが望ましい。 こうすることで、 機械的強度だけで なく、 導電部の振動による揺れなどによる摩擦によ る被膜破壊、 または線膨 張係数差による外層被膜の破壊を抑えること ができる。
[0297] 上記構成の導線 8 2に対しての、 機械的強度、 固定等を担う、 一般的には 固定子巻線周りの最終工程となる最外層固定 としては、 エポキシ、 3、 巳巳 !_〇 などの成形性が良く、 誘電率、 線膨張係数といった性質が エナメル被膜と近い性質をもった樹脂が好ま しい。
[0298] —般的には、 ウレタン、 シリコンによる樹脂ポッティングが通例なさ れる が、 前記樹脂においてはその線膨張係数がその他 の樹脂と比べて倍近い差が あり、 樹脂をせん断し得る熱応力を発生する。 そのため、 厳しい絶縁規定が 国際的に用いられる 6 0 V以上の用途には不適である。 この点、 エポキシ、 3、 巳巳 、 !_ 0 などにより射出成型等により容易に作られる 最終 絶縁工程によれば、 上述の各要件を達成することが可能である。
[0299] 上記以外の変形例を以下に列記する。 \¥0 2020/175497 81 卩(:171? 2020 /007543
[0300] 磁石ユニッ ト 4 2のうち径方向において電機子側の面と、 回転子の軸心 との径方向における距離口1\/1が 5 0 以上とされていてもよい。 具体的に は、 例えば、 図 4に示す磁石ユニッ ト 4 2 (具体的には、 第 1 , 第 2磁石 9 1 , 9 2) のうち径方向内側の面と、 回転子 4 0の軸心との径方向における 以上とされていてもよい。
[0301 ] スロッ トレス構造の回転電機としては、 その出力が数十 から数百 級の 模型用などに使用される小規模なものが知ら れている。 そして、 一般的には 1 0 を超すような工業用の大型の回転電機でスロ ッ トレス構造が採用さ れた事例を本願開示者は把握していない。 その理由について本願開示者は検 言寸した。
[0302] 近年主流の回転電機は、 次の 4種類に大別される。 それら回転電機とは、 ブラシ付きモータ、 カゴ型誘導モータ、 永久磁石式同期モータ及びリラクタ ンスモータである。
[0303] ブラシ付きモータには、 ブラシを介して励磁電流が供給される。 このため 、 大型機のブラシ付きモータの場合、 ブラシが大型化したり、 メンテナンス が煩雑になったりしたりする。 これにより、 半導体技術の目覚ましい発達に 伴い、 誘導モータ等のブラシレスモータに置換され てきた経緯がある。 一方 、 小型モータの世界では、 低い慣性及び経済性の利点から、 コアレスモータ も多数世の中に供給されている。
[0304] カゴ型誘導モータでは、 1次側の固定子巻線で発生させる磁界を 2次側の 回転子の鉄心で受けてカゴ型導体に集中的に 誘導電流を流して反作用磁界を 形成することにより、 トルクを発生させる原理である。 このため、 機器の小 型高効率の観点からすれば、 固定子側及び回転子側ともに鉄心をなくすこ と は必ずしも得策であるとは言えない。
[0305] リラクタンスモータは、 当に鉄心のリラクタンス変化を活用するモー タで あり、 原理的に鉄心をなくすことは望ましくない。
[0306] 永久磁石式同期モータでは、 近年 I 1\/1 (つまり埋め込み磁石型回転子) が主流であり、 特に大型機においては、 特殊事情がない限り 丨 IV!である場 \¥02020/175497 82 卩(:171? 2020 /007543
合が多い。
[0307] I 1\/1は、 磁石トルク及びリラクタンストルクを併せ持 つ特性を有してお り、 インバータ制御により、 それらトルクの割合が適時調整されながら運 転 される。 このため、 丨 IV!は小型で制御性に優れるモータである。
[0308] 本願開示者の分析により、 磁石トルク及びリラクタンストルクを発生す る 回転子表面のトルクを、 磁石ユニッ トのうち径方向において電機子側の面と 、 回転子の軸心との径方向における距離口 IV!、 すなわち、 一般的なインナロ —夕の固定子鉄心の半径を横軸にとって描く と図 43に示すものとなる。
[0309] 磁石トルクは、 下式 (69 1 ) に示すように、 永久磁石の発生する磁界強 度によりそのポテンシャルが決定されるのに 対し、 リラクタンストルクは、 下式 (6 2) に示すように、 インダクタンス、 特に 軸インダクタンスの 大きさがそのポテンシャルを決定する。
[0310] 磁石トルク 1 9 . (ø
9 1 )
リラクタンストルク = !< . 1 . 1 〇1 . ( 6
92)
ここで、 永久磁石の磁界強度と巻線のインダクタンス の大きさとを口 IV!で 比較してみた。 永久磁石の発する磁界強度、 すなわち磁束量 は、 固定子と 対向する面の永久磁石の総面積に比例する。 円筒型の回転子であれば円筒の 表面積になる。 厳密には、 1\1極と 3極とが存在するので、 円筒表面の半分の 専有面積に比例する。 円筒の表面積は、 円筒の半径と、 円筒長さとに比例す る。 つまり、 円筒長さが一定であれば、 円筒の半径に比例する。
[0311] —方、 巻線のインダクタンス!_ 9は、 鉄心形状に依存はするものの感度は 低く、 むしろ固定子巻線の巻数の 2乗に比例するため、 巻数の依存性が高い 。 なお、 を磁気回路の透磁率、 !\1を巻数、 3を磁気回路の断面積、 3を磁 気回路の有効長さとする場合、 インダクタンス!_ = 1\1 2\3/5であ る。 巻線の巻数は、 卷線スぺースの大きさに依存するため、 円筒型モータで あれば、 固定子の卷線スぺース、 すなわちスロッ ト面積に依存することにな \¥0 2020/175497 83 卩(:171? 2020 /007543
る。 図 4 4に示すように、 スロッ ト面積は、 スロッ トの形状が略四角形であ るため、 周方向の長さ寸法 3及び径方向の長さ寸法 13との積 3 X匕に比例す る。
[0312] スロッ トの周方向の長さ寸法は、 円筒の直径が大きいほど大きくなるため 、 円筒の直径に比例する。 スロッ トの径方向の長さ寸法は、 当に円筒の直径 に比例する。 つまり、 スロッ ト面積は、 円筒の直径の 2乗に比例する。 また 、 上式 (6 2) からも分かる通り、 リラクタンストルクは、 固定子電流の 2乗に比例するため、 いかに大電流を流せるかで回転電機の性能が 決まり、 その性能は固定子のスロッ ト面積に依存する。 以上より、 円筒の長さが一定 なら、 リラクタンストルクは円筒の直径の 2乗に比例する。 このことを踏ま え、 磁石トルク及びリラクタンストルクと口 IV!との関係性をプロッ トした図 が図 4 3である。
[0313] 図 4 3に示すように、 磁石トルクは口 IV!に対して直線的に増加し、 リラク タンストルクは口 IV!に対して 2次関数的に増加する。 口 IV!が比較的小さい場 合は磁石トルクが支配的であり、 固定子鉄心半径が大きくなるに連れてリラ クタンストルクが支配的であることがわかる 。 本願開示者は、 図 4 3におけ る磁石トルク及びリラクタンストルクの交点 が、 所定の条件下において、 お およそ固定子鉄心半径 = 5 0〇!〇!の近傍であるとの結論に至った。 つまり、 固定子鉄心半径が 5 を十分に超えるような 1 0 級のモータでは、 リラクタンストルクを活用することが現在の 主流であるため鉄心を無くすこ とは困難であり、 このことが大型機の分野においてスロッ トレス構造が採用 されない理由の 1つであると推定される。
[0314] 固定子に鉄心が使用される回転電機の場合、 鉄心の磁気飽和が常に課題と なる。 特にラジアルギャップ型の回転電機では、 回転軸の縦断面形状は 1磁 極当たり扇型となり、 機器内周側程磁路幅が狭くなりスロッ トを形成するテ ィース部分の内周側寸法が回転電機の性能限 界を決める。 いかに高性能な永 久磁石を使おうとも、 この部分で磁気飽和が発生すると、 永久磁石の性能を 十分にひきだすことができない。 この部分で磁気飽和を発生させないために \¥0 2020/175497 84 卩(:171? 2020 /007543
は、 内周径を大きく設計することになり結果的に 機器の大型化に至ってしま うのである。
[0315] 例えば、 分布巻の回転電機では、 3相巻線であれば、 1磁極あたり 3つ乃 至 6つのティースで分担して磁束を流すのだが 周方向前方のティースに磁 束が集中しがちであるため、 3つ乃至 6つのティースに均等に磁束が流れる わけではない。 この場合、 一部 (例えば 1つ又は 2つ) のティースに集中的 に磁束が流れながら、 回転子の回転に伴って磁気飽和するティース も周方向 に移動してゆく。 これがスロッ トリップルを生む要因にもなる。
[0316] 以上から、 口1\/1が 5 となるスロッ トレス構造の回転電機におい て、 磁気飽和を解消するために、 ティースを廃止したい。 しかし、 ティース が廃止されると、 回転子及び固定子における磁気回路の磁気抵 抗が増加し、 回転電機のトルクが低下してしまう。 磁気抵抗増加の理由としては、 例えば 、 回転子と固定子との間のエアギャップが大き くなることがある。 このため 、 上述した口1\/1が 5 以上となるスロッ トレス構造の回転電機において
、 トルクを増強することについて改善の余地が ある。 したがって、 上述した 以上となるスロッ トレス構造の回転電機に、 上述したトルク を増強できる構成を適用するメリッ トが大きい。
[0317] なお、 アウタロータ構造の回転電機に限らず、 インナロータ構造の回転電 機についても、 磁石ユニッ トのうち径方向において電機子側の面と、 回転子 の軸心との径方向における距離
[0318] 回転電機 1 0の固定子巻線 5 1 において、 導線 8 2の直線部 8 3を径方 向に単層で設ける構成としてもよい。 また、 径方向内外に複数層で直線部 8 3を配置する場合に、 その層数は任意でよく、 3層、 4層、 5層、 6層等で 設けてもよい。
[0319] 例えば図 2の構成では、 回転軸 1 1 を、 軸方向で回転電機 1 0の一端側 及び他端側の両方に突出するように設けたが 、 これを変更し、 一端側にのみ 突出する構成としてもよい。 この場合、 回転軸 1 1は、 軸受ユニッ ト 2 0に より片持ち支持される部分を端部とし、 その軸方向外側に延びるように設け \¥0 2020/175497 85 卩(:171? 2020 /007543
られるとよい。 本構成では、 インバータユニッ ト 6 0の内部に回転軸 1 1が 突出しない構成となるため、 インバータユニッ ト 6 0の内部空間、 詳しくは 筒状部 7 1の内部空間をより広く用いることができる ととなる。
[0320] 上記構成の回転電機 1 0では、 軸受 2 1 , 2 2において非導電性グリー スを用いる構成としたが、 これを変更し、 軸受 2 1 , 2 2において導電性グ リースを用いる構成としてもよい。 例えば、 金属粒子や力ーボン粒子等が含 まれた導電性グリースを用いる構成とする。
[0321 ] 回転軸 1 1 を回転自在に支持する構成として、 回転子 4 0の軸方向一端 側及び他端側の 2力所に軸受を設ける構成としてもよい。 この場合、 図 1の 構成で言えば、 インバータユニッ ト 6 0を挟んで一端側及び他端側の 2力所 に軸受が設けられるとよい。
[0322] 上記構成の回転電機 1 0では、 回転子 4 0において磁石ホルダ 4 1の中 間部 4 5が内側肩部 4 9 3 と感情の外側肩部 4 9匕を有する構成としたが、 これらの肩部 4 9 4 9匕を無く し、 平坦な面を有する構成としてもよい
[0323] 上記構成の回転電機 1 0では、 固定子巻線 5 1の導線 8 2において導体
8 2 3を複数の素線 8 6の集合体として構成したが、 これを変更し、 導線 8 2として断面矩形状の角形導線を用いる構成 してもよい。 また、 導線 8 2 として断面円形状又は断面楕円状の丸形導線 を用いる構成としてもよい。
[0324] 上記構成の回転電機 1 0では、 固定子 5 0の径方向内側にインバータユ ニッ ト 6 0を設ける構成としたが、 これに代えて、 固定子 5 0の径方向内側 にインバータユニッ ト 6 0を設けない構成としてもよい。 この場合、 固定子 5 0の径方向内側となる内部領域を空間として くことが可能である。 また 、 その内部領域に、 インバータユニッ ト 6 0とは異なる部品を配することが 可能である。
[0325] 上記構成の回転電機 1 0において、 ハウジング 3 0を具備しない構成と してもよい。 この場合、 例えばホイールや他の車両部品の _ 部において、 回 転子 4 0、 固定子 5 0等が保持される構成であってもよい。 \¥0 2020/175497 86 卩(:171? 2020 /007543
[0326] (車両用インホイールモータとしての実施形 態)
次に、 回転電機を、 車両の車輪に一体にインホイールモータとし て設けた 実施形態について説明する。 図 4 5は、 インホイールモータ構造の車輪 4 0 0及びその周辺構造を示す斜視図であり、 図 4 6は、 車輪 4 0 0及びその周 辺構造の縦断面図であり、 図 4 7は、 車輪 4 0 0の分解斜視図である。 これ ら各図は、 いずれも車輪 4 0 0を車両内側から見た斜視図である。 なお、 車 両においては、 本実施形態のインホイールモータ構造を種々 の形態で適用す ることが可能であり、 例えば車両前後にそれぞれ 2つの車輪を有する車両で は、 車両前側の 2輪、 車両後側の 2輪、 又は車両前後の 4輪に本実施形態の インホイールモータ構造を適用することが可 能である。 ただし、 車両前後の 少なくとも一方が 1輪である車両への適用も可能である。 なお、 インホイー ルモータは、 車両用駆動ユニッ トとしての適用例である。
[0327] 図 4 5〜図 4 7に示すように、 車輪 4 0 0は、 例えば周知の空気入りタイ ヤであるタイヤ 4 0 1 と、 タイヤ 4 0 1の内周側に固定されたホイール 4 0 2と、 ホイール 4 0 2の内周側に固定された回転電機 5 0 0とを備えている 。 回転電機 5 0 0は、 固定子 (ステータ) を含む部分である固定部と、 回転 子 (ロータ) を含む部分である回転部とを有し、 固定部が車体側に固定され るとともに、 回転部がホイール 4 0 2に固定されており、 回転部の回転によ りタイヤ 4 0 1及びホイール 4 0 2が回転する。 なお、 回転電機 5 0 0にお いて固定部及び回転部を含む詳細な構成は後 述する。
[0328] また、 車輪 4 0 0には、 周辺装置として、 不図示の車体に対して車輪 4 0 〇を保持するサスペンション装置と、 車輪 4 0 0の向きを可変とするステア リング装置と、 車輪 4 0 0の制動を行うブレーキ装置とが取り付けら てい る。
[0329] サスペンション装置は、 独立懸架式サスペンションであり、 例えばトレー リングアーム式、 ストラッ ト式、 ウィッシュボーン式、 マルチリンク式など 任意の形式の適用が可能である。 本実施形態では、 サスペンション装置とし て、 車体中央側に延びる向きでロアアーム 4 1 1が設けられるとともに、 上 \¥0 2020/175497 87 卩(:171? 2020 /007543
下方向に延びる向きでサスペンションアー ム 4 1 2及びスプリング 4 1 3が 設けられている。 サスペンションアーム 4 1 2は、 例えばショックアブソー バとして構成されているとよい。 ただしその詳細な図示は省略する。 ロアア —ム 4 1 1及びサスペンションアーム 4 1 2はそれぞれ、 車体側に接続され るとともに、 回転電機 5 0 0の固定部に固定された円板状のベースプレ ト 4 0 5に接続されている。 図 4 6に示すように、 回転電機 5 0 0側 (ベース プレート 4 0 5側) には、 ロアアーム 4 1 1及びサスペンションアーム 4 1 2が支持軸 4 1 4 , 4 1 5により互いに同軸の状態で支持されている
[0330] また、 ステアリング装置としては、 例えばラック &ピニオン式構造、 ボー ル &ナッ ト式構造の適用や、 油圧式パワーステアリングシステム、 電動式パ ワーステアリングシステムの適用が可能であ る。 本実施形態では、 ステアリ ング装置として、 ラック装置 4 2 1 とタイロッ ド 4 2 2とが設けられており 、 ラック装置 4 2 1がタイロッ ド 4 2 2を介して回転電機 5 0 0側のベース プレート 4 0 5に接続されている。 この場合、 不図示のステアリングシャフ 卜の回転に伴いラック装置 4 2 1が作動すると、 タイロッ ド 4 2 2が車両左 右方向に移動する。 これにより、 車輪 4 0 0が、 ロアアーム 4 1 1及びサス ペンションアーム 4 1 2の支持軸 4 1 4 , 4 1 5を中心として回転し、 車輪 方向が変更される。
[0331 ] ブレーキ装置としては、 ディスクブレーキやドラムブレーキの適用が 好適 である。 本実施形態では、 ブレーキ装置として、 回転電機 5 0 0の回転軸 5 0 1 に固定されたディスクロータ 4 3 1 と、 回転電機 5 0 0側のベースプレ —卜 4 0 5に固定されたブレーキキャリパ 4 3 2とが設けられている。 ブレ —キキャリバ 4 3 2ではブレーキパッ ドが油圧等により作動されるようにな つており、 ブレーキパッ ドがディスクロータ 4 3 1 に押し付けられることに より、 摩擦による制動力を生じさせて車輪 4 0 0の回転が停止される。
[0332] また、 車輪 4 0 0には、 回転電機 5 0 0から延びる電気配線!· I 1や冷却用 配管!· I 2を収容する収容ダクト 4 4 0が取り付けられている。 収容ダクト 4 4 0は、 回転電機 5 0 0の固定部側の端部から回転電機 5 0 0の端面に沿つ \¥0 2020/175497 88 卩(:171? 2020 /007543
て延び、 かつサスペンションアーム 4 1 2を避けるように設けられ、 その状 態でサスペンションアーム 4 1 2に固定されている。 これにより、 サスペン ションアーム 4 1 2における収容ダク ト 4 4 0の接続部位は、 ベースプレー 卜 4 0 5との位置関係が固定されたものとなる。 そのため、 電気配線!· I 1や 冷却用配管 ! ! 2において車両の振動などに起因して生じる トレスを抑制で きるようになっている。 なお、 電気配線!· I 1は、 不図示の車載電源部や車載 巳〇 IIに接続され、 冷却用配管!· I 2は、 不図示のラジェータに接続される。
[0333] 次に、 インホイールモータとして用いられる回転電 機 5 0 0の構成を詳細 に説明する。 本実施形態では、 回転電機 5 0 0をインホイールモータに適用 した事例を示している。 回転電機 5 0 0は、 従来技術のように減速機を擁し た車両駆動ユニッ トのモータと比べて、 優れた動作効率、 出力を備える。 す なわち、 回転電機 5 0 0を従来技術に比べて、 コストダウンにより実用的な 価格を実現できるような用途に採用すれば、 車両駆動ユニッ ト以外の用途の モータとしても使ってもよい。 そのような場合であっても、 インホイールモ —夕に適用した場合と同様に、 優れた性能を発揮する。 なお、 動作効率とは 、 車両の燃費を導出する走行モードでの試験時 の際に使われる指標を指す。
[0334] 回転電機 5 0 0の概要を図 4 8〜図 5 1 に示す。 図 4 8は、 回転電機 5 0
0を回転軸 5 0 1の突出側 (車両内側) から見た側面図であり、 図 4 9は、 回転電機 5 0 0の縦断面図 (図 4 8の 4 9 - 4 9線断面図) であり、 図 5 0 は、 回転電機 5 0 0の横断面図 (図 4 9の 5 0 - 5 0線断面図) であり、 図 5 1は、 回転電機 5 0 0の構成要素を分解した分解断面図である。 以下の記 載では、 回転軸 5 0 1が、 図 5 1 においては車体の外側方向に延びる方向を 軸方向とし、 回転軸 5 0 1から放射状に延びる方向を径方向とし、 図 4 8に おいては回転軸 5 0 1の中央、 言い換えれば回転部分の回転中心、 を通る断 面 4 9を作るために引いた中心線上の、 回転部分の回転中心以外の任意の点 より、 円周状に延びる 2つの方向をいずれも周方向としている。 言い換える と、 周方向は、 断面 4 9上の任意の点を起点とした時計回りの方向 又は反 時計回りの方向のいずれの方向であってもよ い。 また、 車両搭載状態からす \¥0 2020/175497 89 卩(:171? 2020 /007543
れば、 図 4 9において右側が車両外側であり、 左側が車両内側である。 言い 換えると、 同車両搭載状態からすれば、 後述する回転子 5 1 0は、 回転子力 バ _ 6 7 0よりも車体の外側方向に配置される。
[0335] 本実施形態に係る回転電機 5 0 0は、 アウタロータ式の表面磁石型回転電 機である。 回転電機 5 0 0は、 大別して、 回転子 5 1 0と、 固定子 5 2 0と 、 インバータユニット 5 3 0と、 軸受 5 6 0と、 回転子カバー 6 7 0とを備 えている。 これら各部材は、 いずれも回転子 5 1 0に一体に設けられた回転 軸 5 0 1 に対して同軸に配置され、 所定順序で軸方向に組み付けられること で回転電機 5 0 0が構成されている。
[0336] 回転電機 5 0 0において、 回転子 5 1 0及び固定子 5 2 0はそれぞれ円筒 状をなしており、 エアギャップを挟んで互いに対向配置されて いる。 回転子 5 1 0が回転軸 5 0 1 と共に一体回転することにより、 固定子 5 2 0の径方 向外側にて回転子 5 1 0が回転する。 回転子 5 1 0が 「界磁子」 に相当し、 固定子 5 2 0が 「電機子」 に相当する。
[0337] 回転子 5 1 0は、 略円筒状の回転子キャリア 5 1 1 と、 その回転子キャリ ア 5 1 1 に固定された環状の磁石ユニッ ト 5 1 2とを有している。 回転子キ ャリア 5 1 1 に回転軸 5 0 1が固定されている。
[0338] 回転子キャリア 5 1 1は、 円筒部 5 1 3を有している。 円筒部 5 1 3の内 周面には磁石ユニッ ト 5 1 2が固定されている。 つまり、 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 回転子キャリア 5 1 1の円筒部 5 1 3に径方向外側から包囲された状 態で設けられている。 また、 円筒部 5 1 3は、 その軸方向に対向する第 1端 と第 2端とを有している。 第 1端は、 車体の外側の方向に位置し、 第 2端は 、 ベースプレート 4 0 5が存在する方向に位置する。 回転子キャリア 5 1 1 において、 円筒部 5 1 3の第 1端には端板 5 1 4が連続して設けられている 。 すなわち円筒部 5 1 3と端板 5 1 4とは一体の構造である。 円筒部 5 1 3 の第 2端は開放されている。 回転子キャリア 5 1 1は、 例えば機械強度が充 分な冷間圧延鋼板 (3 〇〇や 3 〇〇より板厚が厚い 3 1 ~ 1〇 、 鍛造用 鋼、 炭素繊維強化プラスチック などにより形成されている。 \¥0 2020/175497 90 卩(:171? 2020 /007543
[0339] 回転軸 5 0 1の軸長は、 回転子キャリア 5 1 1の軸方向の寸法よりも長い 。 言い換えると、 回転軸 5 0 1は、 回転子キャリア 5 1 1の開放端側 (車両 内側方向) に突出しており、 その突出側の端部に、 上述のブレーキ装置等が 取り付けられるようになっている。
[0340] 回転子キャリア 5 1 1の端板 5 1 4にはその中央部に貫通孔 5 1 4 3 が形 成されている。 回転軸 5 0 1は、 端板 5 1 4の貫通孔 5 1 4 3に揷通された 状態で、 回転子キャリア 5 1 1 に固定されている。 回転軸 5 0 1は、 回転子 キャリア 5 1 1が固定される部分に、 軸方向に交差 (直交) する向きに延び るフランジ 5 0 2を有しており、 そのフランジと端板 5 1 4の車両外側の面 とが面接合されている状態で、 回転子キャリア 5 1 1 に対して回転軸 5 0 1 が固定されている。 なお、 車輪 4 0 0においては、 回転軸 5 0 1のフランジ 5 0 2から車両外側方向に立設されたボルト等の 結具を用いてホイール 4 0 2が固定されるようになっている。
[0341 ] また、 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 回転子 5 1 0の周方向に沿って極性が交互 に変わるように配置された複数の永久磁石に より構成されている。 これによ り、 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 周方向に複数の磁極を有する。 永久磁石は、 例 えば接着により回転子キャリア 5 1 1 に固定されている。 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 第 1実施形態の図 8 , 図 9において磁石ユニッ ト 4 2として説明した 構成を有しており、 永久磁石として、 固有保磁力が 4 0 0 [ 1<八/ ] 以上 であり、 かつ残留磁束密度巳 「が 1 . 0 [丁] 以上である焼結ネオジム磁石 を用いて構成されている。
[0342] 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 図 9等の磁石ユニッ ト 4 2と同様に、 それぞれ極 異方性磁石でありかつ極性が互いに異なる第 1磁石 9 1及び第 2磁石 9 2を 有している。 図 8及び図 9で説明したように、 各磁石 9 1 , 9 2ではそれぞ れ、 ¢1軸側 (〇1軸寄りの部分) と 9軸側 ( 軸寄りの部分) とで磁化容易軸 の向きが相違しており、 軸側では磁化容易軸の向きが 軸に平行な方向に 近い向きとなり、 軸側では磁化容易軸の向きが 軸に直交する方向に近い 向きとなっている。 そして、 この磁化容易軸の向きに応じた配向により円 弧 \¥0 2020/175497 91 卩(:171? 2020 /007543
状の磁石磁路が形成されている。 なお、 各磁石 9 1 , 9 2において、 軸側 では磁化容易軸を 軸に平行な向きとし、 9軸側では磁化容易軸を 9軸に直 交する向きとしてもよい。 要するに、 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 磁極中心であ る ¢1軸の側において、 磁極境界である 軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行となるように配向がなされて構成さ れている。
[0343] 各磁石 9 1 , 9 2によれば、 軸での磁石磁束が強化され、 かつ 軸付近 での磁束変化が抑えられる。 これにより、 各磁極において 軸から 軸にか けての表面磁束変化がなだらかになる磁石 9 1 , 9 2を好適に実現できるも のとなっている。 磁石ユニッ ト 5 1 2として、 図 2 2及び図 2 3に示す磁石 ユニッ ト 4 2の構成や、 図 3 0に示す磁石ユニッ ト 4 2の構成を用いること も可能である。
[0344] なお、 磁石ユニッ ト 5 1 2は、 回転子キャリア 5 1 1の円筒部 5 1 3の側 、 すなわち外周面側に、 複数の電磁鋼板が軸方向に積層されて構成さ れた回 転子コア (バックヨーク) を有していてもよい。 つまり、 回転子キャリア 5 1 1の円筒部 5 1 3の径方向内側に回転子コアを設けるととも 、 その回転 子コアの径方向内側に永久磁石 (磁石 9 1 , 9 2) を設ける構成とすること も可能である。
[0345] 図 4 7に示すように、 回転子キャリア 5 1 1の円筒部 5 1 3には、 周方向 の所定間隔にて、 軸方向に延びる向きで凹部 5 1 3 3が形成されている。 こ の凹部 5 1 3 3は例えばプレス加工により形成されており 図 5 2に示すよ うに、 円筒部 5 1 3の内周面側には、 凹部 5 1 3 3の裏側となる位置に凸部 5 1 3匕が形成されている。 一方、 磁石ユニッ ト 5 1 2の外周面側には、 円 筒部 5 1 3の凸部 5 1 3匕に合わせて凹部 5 1 2 3が形成されており、 その 凹部 5 1 2 3内に円筒部 5 1 3の凸部 5 1 3匕が入り込むことで、 磁石ユニ ッ ト 5 1 2の周方向の位置ずれが抑制されるようにな ている。 つまり、 回 転子キャリア 5 1 1側の凸部 5 1 3匕は、 磁石ユニッ ト 5 1 2の回り止め部 として機能する。 なお、 凸部 5 1 3匕の形成方法は、 プレス加工以外であっ てもよく任意である。 \¥0 2020/175497 92 卩(:171? 2020 /007543
[0346] 図 5 2には、 磁石ユニッ ト 5 1 2における磁石磁路の方向が矢印により示 されている。 磁石磁路は、 磁極境界である 軸を跨ぐようにして円弧状に延 び、 かつ磁極中心である〇1軸では、 軸に平行又は平行に近い向きとなって いる。 磁石ユニッ ト 5 1 2には、 その内周面側に、 軸に相当する位置ごと に凹部 5 1 2匕が形成されている。 この場合、 磁石ユニッ ト 5 1 2では、 固 定子 5 2 0に近い側 (図の下側) と遠い側 (図の上側) とで磁石磁路の長さ が異なり、 固定子 5 2 0に近い側の方が磁石磁路長が短くなってお 、 その 磁石磁路長が最短となる位置に凹部 5 1 2匕が形成されている。 つまり、 磁 石ユニッ ト 5 1 2では磁石磁路長が短い場所において十分な 石磁束を生じ させることが困難になることを考慮して、 その磁石磁束の弱い場所で磁石を 削除するようにしている。
[0347] ここで、 磁石の実効磁束密度巳 は、 磁石内部を通る磁気回路の長さが長 いほど高くなる。 また、 パーミアンス係数 〇と磁石の実効磁束密度巳 と は、 そのうち一方が高くなると他方が高くなる関 係にある。 上記図 5 2の構 成によれば、 磁石の実効磁束密度巳 の高さの指標となるパーミアンス係数 〇の低下を抑制しつつ、 磁石量の削減を図ることができる。 なお、 巳一1 ~ 1 座標において、 磁石の形状に応じたパーミアンス直線と減磁 曲線との交点が 動作点であり、 その動作点の磁束密度が磁石の実効磁束密度 巳 である。 本 実施形態の回転電機 5 0 0では、 固定子 5 2 0の鉄量を少なく した構成とし ており、 かかる構成において 軸を跨いだ磁気回路を設定する手法は極めて 有効である。
[0348] また、 磁石ユニッ ト 5 1 2の凹部 5 1 2匕は、 軸方向に延びる空気通路と して用いることができる。 そのため、 空冷性能を高めることも可能となる。
[0349] 次に、 固定子 5 2 0の構成を説明する。 固定子 5 2 0は、 固定子巻線 5 2
1 と固定子コア 5 2 2とを有している。 図 5 3は、 固定子巻線 5 2 1 と固定 子コア 5 2 2とを分解して示す斜視図である。
[0350] 固定子巻線 5 2 1は、 略筒状 (環状) に卷回形成された複数の相巻線より なり、 その固定子巻線 5 2 1の径方向内側にベース部材としての固定子 ア \¥0 2020/175497 93 卩(:171? 2020 /007543
5 2 2が組み付けられている。 本実施形態では、 II相、 V相及び 相の相巻 線を用いることで、 固定子巻線 5 2 1が 3相の相巻線として構成されている 。 各相卷線は、 径方向に内外 2層の導線 5 2 3により構成されている。 固定 子 5 2 0は、 既述の固定子 5 0と同様に、 スロッ トレス構造と固定子巻線 5 2 1の扁平導線構造とを有することを特徴とし おり、 図 8〜図 1 6に示さ れた固定子 5 0と同様又は類似の構成を有している。
[0351 ] 固定子コア 5 2 2の構成について説明する。 固定子コア 5 2 2は、 既述の 固定子コア 5 2と同様に、 軸方向に複数の電磁鋼板が積層され、 かつ径方向 に所定の厚さを有する円筒状をなしており、 固定子コア 5 2 2において回転 子 5 1 0側となる径方向外側に固定子巻線 5 2 1が組み付けられている。 固 定子コア 5 2 2の外周面は凹凸のない曲面状をなしており 固定子巻線 5 2 1が組み付けられた状態では、 固定子コア 5 2 2の外周面に、 固定子巻線 5 2 1 を構成する導線 5 2 3が周方向に並べて配置されている。 固定子コア 5 2 2はバックコアとして機能する。
[0352] 固定子 5 2 0は、 以下の (八) 〜 (〇) のいずれかを用いたものであると よい。
(八) 固定子 5 2 0において、 周方向における各導線 5 2 3の間に導線間部 材を設け、 かつその導線間部材として、 1磁極における導線間部材の周方向 の幅寸法を I、 導線間部材の飽和磁束密度を巳 3、 1磁極における磁石ユ ニッ ト 5 1 2の周方向の幅寸法を \ZV rn、 磁石ユニッ ト 5 1 2の残留磁束密度 を巳 「とした場合に、 X巳 巳 「の関係となる磁性材料を用い ている。
(巳) 固定子 5 2 0において、 周方向における各導線 5 2 3の間に導線間部 材を設け、 かつその導線間部材として、 非磁性材料を用いている。
(〇) 固定子 5 2 0において、 周方向における各導線 5 2 3の間に導線間部 材を設けていない構成となっている。
[0353] こうした固定子 5 2 0の構成によれば、 固定子巻線としての各導線部の間 に磁気経路を確立するためのティース (鉄心) が設けられる一般的なティー \¥0 2020/175497 94 卩(:171? 2020 /007543
ス構造の回転電機に比べて、 インダクタンスが低減される。 具体的には、 イ ンダクタンスを 1 / 1 0以下にすることが可能となっている。 この場合、 イ ンダクタンスの低下に伴いインピーダンスが 低下することから、 回転電機 5 0 0において入力電力に対する出力電力を大き し、 ひいてはトルク増加に 貢献できるものとなっている。 また、 インピーダンス成分の電圧を利用して トルク出力を行う (言い換えればリラクタンストルクを利用す る) 埋込み磁 石型回転子を用いた回転電機に比べて、 大出力の回転電機を提供することが 可能となっている。
[0354] 本実施形態では、 固定子巻線 5 2 1が、 固定子コア 5 2 2と共に樹脂等か らなるモールド材 (絶縁部材) により _ 体にモールドされており、 周方向に 並ぶ各導線 5 2 3の間には、 モールド材が介在する構成となっている。 かか る構成からすると、 本実施形態の固定子 5 2 0は、 上記 (八) 〜 (〇 のう ち (巳) の構成に相当する。 また、 周方向に隣り合う各導線 5 2 3は、 周方 向の端面同士が互いに当接するか、 又は微小な間隔を隔てて近接配置されて おり、 この構成から言えば上記 (0) の構成であってもよい。 なお、 上記 ( 八) の構成を採用する場合には、 軸方向における導線 5 2 3の向きに合わせ て、 すなわち例えばスキユー構造の固定子巻線 5 2 1であればスキユー角度 に合わせて、 固定子コア 5 2 2の外周面に突部が設けられているとよい。
[0355] 次に、 固定子巻線 5 2 1の構成を、 図 5 4を用いて説明する。 図 5 4は、 固定子巻線 5 2 1 を平面状に展開して示す正面図であり、 図 5 4 (a) には 径方向において外層に位置する各導線 5 2 3を示し、 図 5 4 (b) には径方 向において内層に位置する各導線 5 2 3を示す。
[0356] 固定子巻線 5 2 1は、 分布巻きにより円環状に巻回形成されている 。 固定 子卷線 5 2 1では、 径方向内外 2層に導線材が卷回され、 かつ内層側及び外 層側の各導線 5 2 3にて互いに異なる方向へのスキユーが施さ ている (図 5 4 ( 3 ) 、 図 5 4 (b)参照) 。 各導線 5 2 3は、 それぞれ相互に絶縁さ れている。 導線 5 2 3は、 複数の素線 8 6の集合体として構成されていると よい (図 1 3参照) 。 また、 同相でかつ通電方向を同じとする導線 5 2 3が \¥0 2020/175497 95 卩(:171? 2020 /007543
、 周方向に例えば 2本ずつ並べて設けられている。 固定子巻線 5 2 1では、 径方向に 2層かつ周方向に 2本 (すなわち計 4本) の各導線 5 2 3により同 相の 1つの導線部が構成され、 その導線部が 1磁極内で 1つずつ設けられて いる。
[0357] 導線部では、 その径方向の厚さ寸法を、 1磁極内における 1相分の周方向 の幅寸法よりも小さいものとし、 これにより固定子巻線 5 2 1 を扁平導線構 造とすることが望ましい。 具体的には,例えば、 固定子巻線 5 2 1 において、 径方向に 2層かつ周方向に 4本 (すなわち計 8本) の各導線 5 2 3により同 相の 1つの導線部を構成するとよい。 又は、 図 5 0に示す固定子巻線 5 2 1 の導線断面において、 周方向の幅寸法が径方向の厚さ寸法よりも大 きくなっ ているとよい。 固定子巻線 5 2 1 として、 図 1 2に示す固定子巻線 5 1 を用 いることも可能である。 ただしこの場合には、 回転子キャリア 5 1 1内に固 定子卷線のコイルエンドを収容するスペース を確保する必要がある。
[0358] 固定子巻線 5 2 1では、 固定子コア 5 2 2に対して径方向内外に重なるコ イルサイ ド 5 2 5において所定角度で傾斜させて導線 5 2 3が周方向に並べ て配置されるとともに、 固定子コア 5 2 2よりも軸方向外側となる両側のコ イルエンド 5 2 6において軸方向内側への反転 (折り返し) が行われて連続 結線がなされている。 図 5 4 (a) には、 コイルサイ ド 5 2 5となる範囲と コイルエンド 5 2 6となる範囲とがそれぞれ示されている。 内層側の導線 5 2 3と外層側の導線 5 2 3とはコイルエンド 5 2 6にて互いに接続されてお り、 これにより、 コイルエンド 5 2 6で導線 5 2 3が軸方向に反転される都 度 (折り返される都度) 、 導線 5 2 3が内層側と外層側とで交互に切り替わ るようになっている。 要するに、 固定子巻線 5 2 1では、 周方向に連続する 各導線 5 2 3において、 電流の向きが反転するのに合わせて内外層の 切り替 えが行われる構成となっている。
[0359] また、 固定子巻線 5 2 1では、 軸方向の両端となる端部領域と、 その端部 領域に挟まれた中央領域とでスキュー角度が 異なる 2種類のスキューが施さ れている。 すなわち、 図 5 5に示すように、 導線 5 2 3において、 中央領域 \¥0 2020/175497 96 卩(:171? 2020 /007543
のスキュー角度 0 3 1 と端部領域のスキュー角度 0 3 2とが異なっており、 スキュー角度 0 3 1がスキュー角度 0 3 2よりも小さくなる構成となってい る。 軸方向において、 端部領域は、 コイルサイ ド 5 2 5を含む範囲で定めら れている。 スキュー角度 0 3 1 , スキュー角度 0 3 2は、 軸方向に対して各 導線 5 2 3が傾斜している傾斜角度である。 中央領域のスキュー角度 0 3 1 は、 固定子巻線 5 2 1の通電により生じる磁束の高調波成分を削 するのに 適正な角度範囲で定められているとよい。
[0360] 固定子巻線 5 2 1 における各導線 5 2 3のスキュー角度を中央領域と端部 領域とで相違させ、 中央領域のスキュー角度 0 3 1 を端部領域のスキュー角 度 0 3 2よりも小さくすることで、 コイルエンド 5 2 6の縮小を図りつつも 、 固定子巻線 5 2 1の卷線係数を大きくすることができる。 言い換えれば、 所望の巻線係数を確保しつつも、 コイルエンド 5 2 6の長さ、 すなわち固定 子コア 5 2 2から軸方向にはみ出た部分の導線長を短く ることができる。 これにより、 回転電機 5 0 0の小型化を図りつつ、 トルク向上を実現するこ とができる。
[0361 ] ここで、 中央領域のスキュー角度 0 3 1 としての適正範囲を説明する。 固 定子卷線 5 2 1 において 1磁極内に導線 5 2 3が X本配置されている場合に は、 固定子巻線 5 2 1の通電により X次の高調波成分が生じることが考えら れる。 相数を 3、 対数を 111とする場合、 乂= 2 3 111である。 本願開示者 は、 X次の高調波成分が、 X— 1次の高調波成分と乂+ 1次の高調波成分と の合成波を構成する成分であるため、 X— 1次の高調波成分又は乂+ 1次の 高調波成分の少なくともいずれかを低減する ことにより、 X次の高調波成分 を低減できることに着目した。 この着目を踏まえ、 本願開示者は、 電気角で 「3 6 0 ° / (乂+ 1) 〜 3 6 0 ° / (乂一 1) 」 の角度範囲内にスキュー 角度 0 3 1 を設定することにより、 X次の高調波成分を低減できることを見 出した。
[0362] 例えば 3 = 3、 = 2である場合、 乂= 1 2次の高調波成分を低減すべく 、 「3 6 0 ° / 1 3 ~ 3 6 0 ° / 1 1」 の角度範囲内にスキュー角度 0 3 1 \¥0 2020/175497 97 卩(:171? 2020 /007543
を設定する。 つまり、 スキュー角度 0 3 1は、 2 7 . 7 ° 〜 3 2 . 7 ° の範 囲内の角度で設定されるとよい。
[0363] 中央領域のスキュー角度 0 3 1が上記のように設定されることにより、 そ の中央領域において、 3交互の磁石磁束を積極的に鎖交させること でき 、 固定子巻線 5 2 1の卷線係数を高くすることができる。
[0364] 端部領域のスキュー角度 0 3 2は、 上述した中央領域のスキュー角度 0 3
1 よりも大きい角度である。 この場合、 スキュー角度 0 3 2の角度範囲は、 「0 3 1 < 0 3 2 < 9 0 ° 」 である。
[0365] また、 固定子巻線 5 2 1 において、 内層側の導線 5 2 3と外層側の導線 5
2 3とは、 各導線 5 2 3の端部どうしの溶接や接着により繫げられ いるか 、 又は折り曲げにより繫げられているとよい。 固定子巻線 5 2 1では、 軸方 向両側の各コイルエンド 5 2 6のうち一方側 (すなわち軸方向一端側) にて 各相卷線の端部が電力変換器 (インパータ) にバスバー等を介して電気的に 接続される構成となっている。 そのためここでは、 バスバー接続側のコイル エンド 5 2 6とその反対側のコイルエンド 5 2 6とを区別しつつ、 コイルエ ンド 5 2 6において各導線同士が繫げられている構成 説明する。
[0366] 第 1の構成としては、 バスバー接続側のコイルエンド 5 2 6において各導 線 5 2 3を溶接にて繫げるとともに、 その反対側のコイルエンド 5 2 6にお いて各導線 5 2 3を溶接以外の手段にて繫げる構成とする。 溶接以外の手段 とは、 例えば導線材の折り曲げによる繫ぎが考えら れる。 バスバー接続側の コイルエンド 5 2 6では、 各相卷線の端部にバスバーが溶接にて接続さ れる ことが想定される。 そのため、 それと同じコイルエンド 5 2 6において各導 線 5 2 3を溶接にて繫げる構成とすることで、 各溶接部を一連の工程で行わ せることができ、 作業効率の向上を図ることができる。
[0367] 第 2の構成としては、 バスバー接続側のコイルエンド 5 2 6において各導 線 5 2 3を溶接以外の手段にて繫げるとともに、 その反対側のコイルエンド 5 2 6において各導線 5 2 3を溶接にて繫げる構成とする。 この場合、 仮に バスバー接続側のコイルエンド 5 2 6において各導線 5 2 3を溶接にて繫げ \¥0 2020/175497 98 卩(:171? 2020 /007543
る構成であると、 その溶接部とバスバーとの接触を避けるべく 、 バスバーと コイルエンド 5 2 6との間の離間距離を十分に取る必要が生じ が、 本構成 とすることで、 バスバーとコイルエンド 5 2 6との間の離間距離を小さくす ることができる。 これにより、 軸方向における固定子巻線 5 2 1の長さ又は /くスバーに関する規制を緩めることができ 。
[0368] 第 3の構成としては、 軸方向両側のコイルエンド 5 2 6において各導線 5
2 3を溶接にて繫げる構成とする。 この場合、 溶接前に用意する導線材はい ずれも短い線長のものでよく、 曲げ工程の削減による作業効率の向上を図る ことができる。
[0369] 第 4の構成としては、 軸方向両側のコイルエンド 5 2 6において各導線 5
2 3を溶接以外の手段にて繫げる構成とする。 この場合、 固定子巻線 5 2 1 において溶接が行われる部位を極力減らすこ とができ、 溶接工程での絶縁剥 離が生じることの懸念を低減できる。
[0370] また、 円環状の固定子巻線 5 2 1 を製作する工程において、 平面状に整列 された帯状巻線を製作し、 その後にその帯状巻線を環状に成形するとよ い。 この場合、 平面状の帯状卷線となっている状態で、 必要に応じてコイルエン ド 5 2 6での導線同士の溶接を行うとよい。 平面状の帯状巻線を環状に成形 する際には、 固定子コア 5 2 2と同径の円柱治具を用いてその円柱治具に き付けるようにして帯状巻線を環状に成形す るとよい。 又は、 帯状巻線を固 定子コア 5 2 2に直接巻き付けるようにしてよい。
[0371 ] なお、 固定子巻線 5 2 1の構成を以下のように変更することも可能 ある
[0372] 例えば、 図 5 4 ( 3 ) , ( b ) に示す固定子巻線 5 2 1 において、 中央領 域及び端部領域のスキュー角度を同一とする 構成であってもよい。
[0373] また、 図 5 4 ( a ) , (匕) に示す固定子巻線 5 2 1 において、 周方向に 隣り合う同相の導線 5 2 3の端部同士を、 軸方向に直交する向きに延びる渡 り線部により接続する構成であってもよい。
[0374] 固定子巻線 5 2 1の層数は、 2 c n 層 ( n は自然数) であればよく、 固定 \¥0 2020/175497 99 卩(:171? 2020 /007543
子卷線 5 2 1 を、 2層以外に 4層、 6層等にすることも可能である。
[0375] 次に、 電力変換ユニッ トであるインバータユニッ ト 5 3 0について説明す る。 ここでは、 インバータユニッ ト 5 3 0の分解断面図である図 5 6及び図 5 7を併せ用いて、 インバータユニッ ト 5 3 0の構成を説明する。 なお、 図 5 7では、 図 5 6に示す各部材を 2つのサブアセンブリとして示している。
[0376] インバータユニッ ト 5 3 0は、 インバータハウジング 5 3 1 と、 そのイン バータハウジング 5 3 1 に組み付けられる複数の電気モジュール 5 3 2と、 それら各電気モジュール 5 3 2を電気的に接続するバスバーモジュール 5 3 3とを有している。
[0377] インバータハウジング 5 3 1は、 円筒状をなす外壁部材 5 4 1 と、 外周径 が外壁部材 5 4 1 よりも小径の円筒状をなし、 外壁部材 5 4 1の径方向内側 に配置される内壁部材 5 4 2と、 内壁部材 5 4 2の軸方向一端側に固定され るボス形成部材 5 4 3とを有している。 これら各部材 5 4 1〜 5 4 3は、 導 電性材料により構成されているとよく、 例えば炭素繊維強化プラスチック ( により構成されている。 インバータハウジング 5 3 1は、 外壁部 材 5 4 1 と内壁部材 5 4 2とが径方向内外に重ねて組み合わされ、 かつ内壁 部材 5 4 2の軸方向一端側にボス形成部材 5 4 3が組み付けられることで構 成されている。 その組み付け状態が図 5 7に示す状態である。
[0378] インバータハウジング 5 3 1の外壁部材 5 4 1の径方向外側には固定子コ ア 5 2 2が固定される。 これにより、 固定子 5 2 0とインバータユニッ ト 5 3 0とが一体化されるようになっている。
[0379] 図 5 6に示すように、 外壁部材 5 4 1 には、 その内周面に複数の凹部 5 4
1 3 , 5 4 1 13 , 5 4 1 〇が形成されるとともに、 内壁部材 5 4 2には、 そ の外周面に複数の凹部 5 4 2 5 4 2 6 , 5 4 2〇が形成されている。 そ して、 外壁部材 5 4 1及び内壁部材 5 4 2が互いに組み付けられることによ り、 これら両者の間には 5 4 4 13 , 5 4 4〇が形成 されている (図 5 7参照) 。 このうち、 中央の中空部 5 4 4匕は、 冷媒とし ての冷却水を流通させる冷却水通路 5 4 5として用いられる。 また、 中空部 \¥0 2020/175497 100 卩(:171? 2020 /007543
5 4 4匕 (冷却水通路 5 4 5) を挟んで両側の中空部 5 4 4〇に はシール材 5 4 6が収容されている。 このシール材 5 4 6により、 中空部 5
4 4匕 (冷却水通路 5 4 5) が密閉化されている。 冷却水通路 5 4 5につい ては後で詳しく説明する。
[0380] また、 ボス形成部材 5 4 3には、 円板リング状の端板 5 4 7と、 その端板
5 4 7からハウジング内部に向けて突出するボス 5 4 8とが設けられてい る。 ボス部 5 4 8は、 中空筒状に設けられている。 例えば図 5 1 に示すよう に、 ボス形成部材 5 4 3は、 軸方向における内壁部材 5 4 2の第 1端とそれ に対向する回転軸 5 0 1の突出側 (すなわち車両内側) の第 2端とのうち、 第 2端に固定されている。 なお、 図 4 5〜図 4 7に示す車輪 4 0 0において は、 インバータハウジング 5 3 1 (より詳しくはボス形成部材 5 4 3の端板
5 4 7) にべースプレート 4 0 5が固定されるようになっている。
[0381 ] インバータハウジング 5 3 1は、 軸心を中心として径方向に二重の周壁を 有する構成となっており、 その二重の周壁のうち外側の周壁が外壁部材 5 4 1及び内壁部材 5 4 2により形成され、 内側の周壁がボス部 5 4 8により形 成されている。 なお、 以下の説明では、 外壁部材 5 4 1及び内壁部材 5 4 2 により形成された外側の周壁を 「外側周壁 \ZV A 1」 、 ボス部 5 4 8により形 成された内側の周壁を 「内側周壁 \ZV A 2」 とも言う。
[0382] インバータハウジング 5 3 1 には、 外側周壁 八 1 と内側周壁 八 2との 間に環状空間が形成されており、 その環状空間内に、 周方向に並べて複数の 電気モジュール 5 3 2が配置されている。 電気モジュール 5 3 2は、 接着や ビス締め等により内壁部材 5 4 2の内周面に固定されている。 本実施形態で は、 インバータハウジング 5 3 1が 「ハウジング部材」 に相当し、 電気モジ ュール 5 3 2が 「電気部品」 に相当する。
[0383] 内側周壁 \ZV A 2 (ボス部 5 4 8) の内側には軸受 5 6 0が収容されており 、 その軸受 5 6 0により回転軸 5 0 1が回転自在に支持されている。 軸受 5
6 0は、 車輪中心部において車輪 4 0 0を回転可能に支えるハブべアリング である。 軸受 5 6 0は、 回転子 5 1 0や固定子 5 2 0、 インバータユニッ ト \¥0 2020/175497 101 卩(:171? 2020 /007543
5 3 0に対して軸方向に重複する位置に設けられ いる。 本実施形態の回転 電機 5 0 0では、 回転子 5 1 0において配向に伴い磁石ユニッ ト 5 1 2の薄 型化が可能であること、 固定子 5 2 0においてスロッ トレス構造や扁平導線 構造が採用されていることにより、 磁気回路部の径方向の厚み寸法を縮小し て、 磁気回路部よりも径方向内側の中空空間を拡 張することが可能となって いる。 これにより、 径方向に積層された状態での磁気回路部やイ ンパータユ ニッ ト 5 3 0、 軸受 5 6 0の配置が可能となっている。 ボス部 5 4 8は、 そ の内側に軸受 5 6 0を保持する軸受保持部となっている。
[0384] 軸受 5 6 0は、 例えばラジアル玉軸受であり、 筒状をなす内輪 5 6 1 と、 その内輪 5 6 1 よりも大径の筒状をなし内輪 5 6 1の径方向外側に配置され た外輪 5 6 2と、 それら内輪 5 6 1及び外輪 5 6 2の間に配置された複数の 玉 5 6 3とを有している。 軸受 5 6 0は、 外輪 5 6 2がボス形成部材 5 4 3 に組み付けられることでインバータハウジン グ 5 3 1 に固定されるとともに 、 内輪 5 6 1が回転軸 5 0 1 に固定されている。 これら内輪 5 6 1、 外輪 5
6 2及び玉 5 6 3は、 いずれも炭素鋼等の金属材料よりなる。
[0385] また、 軸受 5 6 0の内輪 5 6 1は、 回転軸 5 0 1 を収容する筒部 5 6 1 3 と、 その筒部 5 6 1 3の軸方向一端部から、 軸方向に交差 (直交) する向き に延びるフランジ 5 6 1 匕とを有している。 フランジ 5 6 1 匕は、 回転子キ ャリア 5 1 1の端板 5 1 4に内側から当接する部位であり、 回転軸 5 0 1 に 軸受 5 6 0が組み付けられた状態では、 回転軸 5 0 1のフランジ 5 0 2と内 輪 5 6 1のフランジ 5 6 1 匕とにより挟まれた状態で、 回転子キャリア 5 1 1が保持されるようになっている。 この場合、 回転軸 5 0 1のフランジ 5 0 2及び内輪 5 6 1のフランジ 5 6 1 匕は、 軸方向に対する交差の角度が互い に同じであり (本実施形態ではいずれも直角であり) 、 これら各フランジ 5 0 2 , 5 6 1 匕の間に挟まれた状態で、 回転子キャリア 5 1 1が保持されて いる。
[0386] 軸受 5 6 0の内輪 5 6 1 により回転子キャリア 5 1 1 を内側から支える構 成によれば、 回転軸 5 0 1 に対する回転子キャリア 5 1 1の角度を適正角度 \¥0 2020/175497 102 卩(:171? 2020 /007543
に保持でき、 ひいては回転軸 5 0 1 に対する磁石ユニッ ト 5 1 2の平行度を 良好に保つことができる。 これにより、 回転子キャリア 5 1 1 を径方向に拡 張した構成にあっても、 振動等に対する耐性を高めることができる。
[0387] 次に、 インバータハウジング 5 3 1内に収容される電気モジュール 5 3 2 について説明する。
[0388] 複数の電気モジュール 5 3 2は、 電力変換器を構成する半導体スイッチン グ素子や平滑用コンデンサといった電気部品 を、 複数に分割して個々にモジ ュール化したものであり、 その電気モジュール 5 3 2には、 パワー素子であ る半導体スイッチング素子を有するスイッチ モジュール 5 3 2八と、 平滑用 コンデンサを有するコンデンサモジュール 5 3 2巳とが含まれている。
[0389] 図 4 9及び図 5 0に示すように、 内壁部材 5 4 2の内周面には、 電気モジ ュール 5 3 2を取り付けるための平坦面を有する複数の ぺーサ 5 4 9が固 定され、 そのスぺーサ 5 4 9に電気モジュール 5 3 2が取り付けられている 。 つまり、 内壁部材 5 4 2の内周面が曲面であるのに対し、 電気モジュール 5 3 2の取付面が平坦面であることから、 スぺーサ 5 4 9により内壁部材 5 4 2の内周面側に平坦面を形成し、 その平坦面に電気モジュール 5 3 2を固 定する構成としている。
[0390] なお、 内壁部材 5 4 2と電気モジュール 5 3 2との間にスぺーサ 5 4 9を 介在させる構成は必須ではなく、 内壁部材 5 4 2の内周面を平坦面にする、 又は電気モジュール 5 3 2の取付面を曲面することにより内壁部材 5 4 2に 対して電気モジュール 5 3 2を直接取り付けることも可能である。 また、 内 壁部材 5 4 2の内周面に対して非接触の状態で、 電気モジュール 5 3 2をイ ンバータハウジング 5 3 1 に固定することも可能である。 例えば、 ボス形成 部材 5 4 3の端板 5 4 7に対して電気モジュール 5 3 2を固定する。 スイッ チモジュール 5 3 2八を内壁部材 5 4 2の内周面に接触状態で固定するとと もに、 コンデンサモジュール 5 3 2巳を内壁部材 5 4 2の内周面に非接触状 態で固定することも可能である。
[0391 ] なお、 内壁部材 5 4 2の内周面にスぺーサ 5 4 9が設けられる場合、 外側 \¥0 2020/175497 103 卩(:171? 2020 /007543
周壁 W A 1及びスぺーサ 5 4 9が 「筒状部」 に相当する。 また、 スぺーサ 5 4 9が用いられない場合、 外側周壁 W A 1が 「筒状部」 に相当する。
[0392] 上述したとおりインバータハウジング 5 3 1の外側周壁 W A 1 には、 冷媒 としての冷却水を流通させる冷却水通路 5 4 5が形成されており、 その冷却 水通路 5 4 5を流れる冷却水により各電気モジュール 5 3 2が冷却されるよ うになっている。 なお、 冷媒として、 冷却水に代えて冷却用オイルを用いる ことも可能である。 冷却水通路 5 4 5は、 外側周壁 W A 1 に沿って環状に設 けられており、 冷却水通路 5 4 5内を流れる冷却水は、 各電気モジュール 5 3 2を経由しながら上流側から下流側に流通す 。 本実施形態では、 冷却水 通路 5 4 5が、 径方向内外に各電気モジュール 5 3 2に重なり、 かつこれら 各電気モジュール 5 3 2を囲むように環状に設けられている。
[0393] 内壁部材 5 4 2には、 冷却水通路 5 4 5に冷却水を流入させる入口通路 5
7 1 と、 冷却水通路 5 4 5から冷却水を流出させる出口通路 5 7 2とが設け られている。 上述したように内壁部材 5 4 2の内周面には複数の電気モジュ —ル 5 3 2が固定されており、 かかる構成において、 周方向に隣り合う電気 モジュール間の間隔が 1力所だけ他よりも拡張され、 その拡張された部分に 、 内壁部材 5 4 2の一部が径方向内側に突出されて突出部 5 7 3が形成され ている。 そして、 その突出部 5 7 3に、 径方向に沿って横並びの状態で入口 通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2が設けられている。
[0394] インバータハウジング 5 3 1での各電気モジュール 5 3 2の配置の状態を 図 5 8に示す。 なお、 図 5 8は、 図 5 0と同一の縦断面図である。
[0395] 図 5 8に示すように、 各電気モジュール 5 3 2は、 周方向における電気モ ジュール同士の間隔を、 第 1間隔丨 N T 1又は第 2間隔丨 N T 2として周方 向に並べて配置されている。 第 2間隔丨 N T 2は、 第 1間隔丨 N T 1 よりも 広い間隔である。 各間隔丨 N T 1 , 丨 N T 2は、 例えば周方向に隣り合う 2 つ電気モジュール 5 3 2の中心位置同士の間の距離である。 この場合、 突出 部 5 7 3を挟まずに周方向に隣り合う電気モジュー 同士の間隔は第 1間隔 I N T 1 となり、 突出部 5 7 3を挟んで周方向に隣り合う電気モジュール \¥0 2020/175497 104 卩(:171? 2020 /007543
士の間隔は第 2間隔丨 N T 2となっている。 つまり、 周方向に隣り合う電気 モジュール同士の間隔が _ 部で拡げられており、 その拡げられた間隔 (第 2 間隔 I N T 2) の例えば中央となる部分に突出部 5 7 3が設けられている。
[0396] 各間隔丨 N T 1 , 丨 N T 2は、 回転軸 5 0 1 を中心とする同一円上におい て、 周方向に隣り合う 2つ電気モジュール 5 3 2の中心位置同士の間の円弧 の距離であってもよい。 又は、 周方向における電気モジュール同士の間隔は 、 回転軸 5 0 1 を中心とする角度間隔 0 i 1 , 0 i 2で定義されていてもよ い ( 0 i 1 < 0 i 2) 0
[0397] なお、 図 5 8に示す構成では、 第 1間隔丨 N T 1で並ぶ各電気モジュール
5 3 2が周方向に互いに離間する状態 (非接触の状態) で配置されているが 、 この構成に代えて、 それら各電気モジュール 5 3 2が周方向に互いに接触 する状態で配置されていてもよい。
[0398] 図 4 8に示すように、 ボス形成部材 5 4 3の端板 5 4 7には、 入口通路 5
7 1及び出口通路 5 7 2の通路端部が形成された水路ポート 5 7 4が設けら れている。 入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2には、 冷却水を循環させる循 環経路 5 7 5が接続されるようになっている。 循環経路 5 7 5は冷却水配管 よりなる。 循環経路 5 7 5にはポンプ 5 7 6と放熱装置 5 7 7とが設けられ 、 ポンプ 5 7 6の駆動に伴い冷却水通路 5 4 5と循環経路 5 7 5とを通じて 冷却水が循環する。 ポンプ 5 7 6は電動ポンプである。 放熱装置 5 7 7は、 例えば冷却水の熱を大気放出するラジェータ である。
[0399] 図 5 0に示すように、 外側周壁 W A 1の外側には固定子 5 2 0が配置され 、 内側には電気モジュール 5 3 2が配置されていることから、 外側周壁 W A 1 に対しては、 その外側から固定子 5 2 0の熱が伝わるとともに、 内側から 電気モジュール 5 3 2の熱が伝わることになる。 この場合、 冷却水通路 5 4 5を流れる冷却水により固定子 5 2 0と電気モジュール 5 3 2とを同時に冷 やすことが可能となっており、 回転電機 5 0 0における発熱部品の熱を効率 良く放出することができる。
[0400] ここで、 電力変換器の電気的構成を図 5 9を用いて説明する。 \¥0 2020/175497 105 卩(:171? 2020 /007543
[0401 ] 図 5 9に示すように、 固定子巻線 5 2 1は11相巻線、 V相卷線及び 相巻 線よりなり、 その固定子巻線 5 2 1 にインバータ 6 0 0が接続されている。 インバータ 6 0 0は、 相数と同じ数の上下アームを有するフルプリ ッジ回路 により構成されており、 相ごとに上アームスイッチ 6 0 1及び下アームスイ ッチ 6 0 2からなる直列接続体が設けられている。 これら各スイッチ 6 0 1 , 6 0 2は駆動回路 6 0 3によりそれぞれオンオフされ、 そのオンオフによ り各相の巻線が通電される。 各スイッチ 6 0 1 , 6 0 2は、 例えば 1\/1〇3 巳丁や丨 ◦巳丁等の半導体スイッチング素子により構 成されている。 また、 各相の上下アームには、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2の直列接続体に並列に、 ス イッチング時に要する電荷を各スイッチ 6 0 1 , 6 0 2に供給する電荷供給 用のコンデンサ 6 0 4が接続されている。
[0402] 制御装置 6 0 7は、 〇 IIや各種メモリからなるマイコンを備えてお 、 回転電機 5 0 0における各種の検出情報や、 力行駆動及び発電の要求に基づ いて、 各スイッチ 6 0 1 , 6 0 2のオンオフにより通電制御を実施する。 制 御装置 6 0 7は、 例えば所定のスイッチング周波数 (キャリア周波数) での \^/1\/1制御や、 矩形波制御により各スイッチ 6 0 1 , 6 0 2のオンオフ制御 を実施する。 制御装置 6 0 7は、 回転電機 5 0 0に内蔵された内蔵制御装置 であってもよいし、 回転電機 5 0 0の外部に設けられた外部制御装置であっ てもよい。
[0403] ちなみに、 本実施形態の回転電機 5 0 0では、 固定子 5 2 0のインダクタ ンス低減が図られていることから電気的時定 数が小さくなっており、 その電 気的時定数が小さい状況下では、 スイッチング周波数 (キャリア周波数) を 高く し、 かつスイッチング速度を速くすることが望ま しい。 この点において 、 各相のスイッチ 6 0 1 , 6 0 2の直列接続体に並列に電荷供給用のコンデ ンサ 6 0 4が接続されていることで配線インダクタン が低くなり、 スイッ チング速度を速く した構成であっても適正なサージ対策が可能 となる。
[0404] インバータ 6 0 0の高電位側端子は直流電源 6 0 5の正極端子に接続され 、 低電位側端子は直流電源 6 0 5の負極端子 (グランド) に接続されている \¥0 2020/175497 106 卩(:171? 2020 /007543
。 また、 インバータ 6 0 0の高電位側端子及び低電位側端子には、 直流電源 6 0 5に並列に平滑用のコンデンサ 6 0 6が接続されている。
[0405] スイッチモジュール 5 3 2八は、 発熱部品として各スイッチ 6 0 1 , 6 0
2 (半導体スイッチング素子) や、 駆動回路 6 0 3 (具体的には駆動回路 6 〇 3を構成する電気素子) 、 電荷供給用のコンデンサ 6 0 4を有している。 また、 コンデンサモジュール 5 3 2巳は、 発熱部品として平滑用のコンデン サ 6 0 6を有している。 スイッチモジュール 5 3 2八の具体的な構成例を図 6 0に示す。
[0406] 図 6 0に示すように、 スイッチモジュール 5 3 2八は、 収容ケースとして のモジュールケース 6 1 1 を有するとともに、 そのモジュールケース 6 1 1 内に収容された 1相分のスイッチ 6 0 1 , 6 0 2と、 駆動回路 6 0 3と、 電 荷供給用のコンデンサ 6 0 4とを有している。 なお、 駆動回路 6 0 3は、 専 用 丨 〇又は回路基板として構成されてスイッチモ ジュール 5 3 2八に設けら れている。
[0407] モジュールケース 6 1 1は、 例えば樹脂等の絶縁材料よりなり、 その側面 がインバータユニッ ト 5 3 0の内壁部材 5 4 2の内周面に当接した状態で、 外側周壁 八 1 に固定されている。 モジュールケース 6 1 1内には樹脂等の モールド材が充填されている。 モジュールケース 6 1 1内において、 スイッ チ 6 0 1 , 6 0 2と駆動回路 6 0 3、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2とコンデンサ 6 0 4は、 それぞれ配線 6 1 2により電気的に接続されている。 なお詳しく は、 スイッチモジュール 5 3 2八は、 スぺーサ 5 4 9を介して外側周壁 八 1 に取り付けられるが、 スぺーサ 5 4 9の図示を省略している。
[0408] スイッチモジュール 5 3 2八が外側周壁 八 1 に固定された状態では、 ス イッチモジュール 5 3 2八において外側周壁 八 1 に近い側、 すなわち冷却 水通路 5 4 5に近い側ほど冷却性が高いため、 その冷却性に応じてスイッチ 6 0 1 , 6 0 2、 駆動回路 6 0 3及びコンデンサ 6 0 4の配列の順序が定め られている。 具体的には、 発熱量を比べると、 大きいものからスイッチ 6 0 1 , 6 0 2、 コンデンサ 6 0 4、 駆動回路 6 0 3の順序となるため、 その発 \¥0 2020/175497 107 卩(:171? 2020 /007543
熱量の大きさ順序に合わせて、 外側周壁 1 に近い側からスイッチ 6 0 1 , 6 0 2、 コンデンサ 6 0 4、 駆動回路 6 0 3の順序でこれらが配置されて いる。 なお、 スイッチモジュール 5 3 2八の接触面は、 内壁部材 5 4 2の内 周面における接触可能面より小さいとよい。
[0409] なお、 コンデンサモジュール 5 3 2巳については詳細な図示を省略するが 、 コンデンサモジュール 5 3 2巳では、 スイッチモジュール 5 3 2八と同じ 形状及び大きさのモジュールケース内に、 コンデンサ 6 0 6が収容されて構 成されている。 コンデンサモジュール 5 3 2巳は、 スイッチモジュール 5 3 2八と同様に、 モジュールケース 6 1 1の側面がインバータハウジング 5 3 1の内壁部材 5 4 2の内周面に当接した状態で、 外側周壁 1 に固定され ている。
[0410] スイッチモジュール 5 3 2八及びコンデンサモジュール 5 3 2巳は、 イン バータハウジング 5 3 1の外側周壁 八 1の径方向内側において必ずしも同 心円上に並んでいなくてもよい。 例えばスイッチモジュール 5 3 2八がコン デンサモジュール 5 3 2巳よりも径方向内側に配置される構成、 又はその逆 となるように配置される構成であってもよい 。
[041 1 ] 回転電機 5 0 0の駆動時には、 スイッチモジュール 5 3 2八及びコンデン サモジュール 5 3 2巳と冷却水通路 5 4 5との間で、 外側周壁 八 1の内壁 部材 5 4 2を介して熱交換が行われる。 これにより、 スイッチモジュール 5 3 2八及びコンデンサモジュール 5 3 2巳における冷却が行われる。
[0412] 各電気モジュール 5 3 2は、 その内部に冷却水を引き込み、 モジュール内 部にて冷却水による冷却を行わせる構成であ ってもよい。 ここでは、 スイッ チモジュール 5 3 2八の水冷構造を、 図 6 1 ( a ) , ( b ) を用いて説明す る。 図 6 1 ( 3 ) は、 外側周壁 八 1 を横切る方向で、 スイッチモジュール 5 3 2八の断面構造を示す縦断面図であり、 図 6 1 (匕) は、 図 6 1 ( a ) の 6 1 6 - 6 1 巳線断面図である。
[0413] 図 6 1 ( a ) , (匕) に示すように、 スイッチモジュール 5 3 2八は、 図
6 0と同様にモジュールケース 6 1 1 と、 1相分のスイッチ 6 0 1 , 6 0 2 \¥0 2020/175497 108 卩(:171? 2020 /007543
と、 駆動回路 6 0 3と、 コンデンサ 6 0 4とを有することに加え、 一対の配 管部 6 2 1 , 6 2 2及び冷却器 6 2 3からなる冷却装置を有している。 冷却 装置において、 一対の配管部 6 2 1 , 6 2 2は、 外側周壁 1の冷却水通 路 5 4 5から冷却器 6 2 3へ冷却水を流入させる流入側の配管部 6 2 1 と、 冷却器 6 2 3から冷却水通路 5 4 5へ冷却水を流出させる流出側の配管部 6 2 2とからなる。 冷却器 6 2 3は、 冷却対象物に応じて設けられ、 冷却装置 では 1段又は複数段の冷却器 6 2 3が用いられる。 図 6 1 (a) , (匕) の 構成では、 冷却水通路 5 4 5から離れる方向、 すなわちインバータユニッ ト 5 3〇の径方向に、 互いに離間した状態で 2段の冷却器 6 2 3が設けられて おり、 一対の配管部 6 2 1 , 6 2 2を介してそれら各冷却器 6 2 3に対して 冷却水が供給される。 冷却器 6 2 3は、 例えば内部が空洞になっている。 た だし、 冷却器 6 2 3の内部にインナフィンが設けられていても い。
[0414] 2段の冷却器 6 2 3を備える構成では、 (1) 1段目の冷却器 6 2 3の外 側周壁 \ZV A 1側、 (2) 1段目及び 2段目の冷却器 6 2 3の間、 (3) 2段 目の冷却器 6 2 3の反外側周壁側が、 それぞれ冷却対象の電気部品を配置す る場所であり、 これら各場所は、 冷却性能の高いものから順から (2) 、 ( 1) 、 (3) となっている。 つまり、 2つの冷却器 6 2 3に挟まれた場所が 最も冷却性能が高く、 いずれか 1つの冷却器 6 2 3に隣接する場所では、 外 側周壁 八 1 (冷却水通路 5 4 5) に近い方が冷却性能が高くなっている。 これを加味し、 図 6 1 (a) , (b) に示す構成では、 スイッチ 6 0 1 , 6
0 2が、 (2) 1段目及び 2段目の冷却器 6 2 3の間に配置され、 コンデン サ 6 0 4が、 (1) 1段目の冷却器 6 2 3の外側周壁 八 1側に配置され、 駆動回路 6 0 3が、 (3) 2段目の冷却器 6 2 3の反外側周壁側に配置され ている。 なお、 図示しないが、 駆動回路 6 0 3とコンデンサ 6 0 4とが逆の 配置であってもよい。
[0415] いずれの場合であってもモジユールケース 6 1 1内において、 スイッチ 6
0 1 , 6 0 2と駆動回路 6 0 3、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2とコンデンサ 6 0 4は、 それぞれ配線 6 1 2により電気的に接続されている。 また、 スイッチ \¥02020/175497 109 卩(:171? 2020 /007543
601 , 602が駆動回路 603とコンデンサ 604との間に位置するため 、 スイッチ 601 , 602から駆動回路 603に向かって延びる配線 6 1 2 と、 スイッチ 601 , 602からコンデンサ 604に向かって延びる配線 6 1 2は互いに逆方向に延びる関係である。
[0416] 図 6 1 (匕) に示すように、 一対の配管部 62 1 , 622は、 周方向、 す なわち冷却水通路 545の上流側及び下流側に並べて配置されてお り、 上流 側に位置する流入側の配管部 62 1から冷却器 623に冷却水が流入され、 その後、 下流側に位置する流出側の配管部 622から冷却水が流出される。 なお、 冷却装置への冷却水の流入を促すべく、 冷却水通路 545には、 周方 向に見て、 流入側の配管部 62 1 と流出側の配管部 62 1 との間となる位置 に、 冷却水の流れを規制する規制部 624が設けられているとよい。 規制部 624は、 冷却水通路 545を遮断する遮断部、 又は冷却水通路 545の通 路面積を小さくする絞り部であるとよい。
[0417] 図 62には、 スイッチモジュール 532八の別の冷却構造を示す。 図 62
(3) は、 外側周壁 八 1 を横切る方向で、 スイッチモジュール 532八の 断面構造を示す縦断面図であり、 図 62 (匕) は、 図 62 (a) の 62巳一 62巳線断面図である。
[0418] 図 62 ( 3 ) , (b) の構成では、 上述した図 6 1 (a) , (b) の構成 との相違点として、 冷却装置における一対の配管部 62 1 , 622の配置が 異なっており、 一対の配管部 62 1 , 622が軸方向に並べて配置されてい る。 また、 図 62 (〇) に示すように、 冷却水通路 545は、 流入側の配管 部 62 1 に連通される通路部分と、 流出側の配管部 622に連通される通路 部分とが軸方向に分離して設けられ、 それら各通路部分が各配管部 62 1 ,
622及び各冷却器 623を通じて連通されている。
[0419] その他に、 スイッチモジュール 532八として、 次の構成を用いることも 可能である。
[0420] 図 63 ( 3 ) に示す構成では、 図 6 1 ( 3 ) の構成と比べて、 冷却器 62
3が 2段から 1段に変更されている。 この場合、 モジュールケース 6 1 1内 \¥0 2020/175497 1 10 卩(:171? 2020 /007543
において冷却性能の最も高い場所が図 6 1 (a) とは異なっており、 冷却器 6 2 3の径方向両側 (図の左右方向両側) のうち外側周壁 1側の場所が 最も冷却性能が高く、 次いで、 冷却器 6 2 3の反外側周壁側の場所、 冷却器 6 2 3から離れた場所の順に冷却性能が低くなっ いる。 これを加味し、 図 6 3 (a) に示す構成では、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2が、 冷却器 6 2 3の径 方向両側 (図の左右方向両側) のうち外側周壁 1側の場所に配置され、 コンデンサ 6 0 4が、 冷却器 6 2 3の反外側周壁側の場所に配置され、 駆動 回路 6 0 3が、 冷却器 6 2 3から離れた場所に配置されている。
[0421 ] また、 スイッチモジュール 5 3 2八において、 モジュールケース 6 1 1内 に 1相分のスイッチ 6 0 1 , 6 0 2と、 駆動回路 6 0 3と、 コンデンサ 6 0 4とを収容する構成を変更することも可能で る。 例えば、 モジュールケー ス 6 1 1内に 1相分のスイッチ 6 0 1 , 6 0 2と、 駆動回路 6 0 3及びコン デンサ 6 0 4のいずれ一方とを収容する構成としてもよ 。
[0422] 図 6 3 (匕) では、 モジュールケース 6 1 1内に、 一対の配管部 6 2 1 ,
6 2 2と 2段の冷却器 6 2 3とを設けるとともに、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2 を、 1段目及び 2段目の冷却器 6 2 3の間に配置し、 コンデンサ 6 0 4又は 駆動回路 6 0 3を、 1段目の冷却器 6 2 3の外側周壁 1側に配置する構 成としている。 また、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2と駆動回路 6 0 3とを一体化 して半導体モジュールとし、 その半導体モジュールとコンデンサ 6 0 4とを 、 モジュールケース 6 1 1内に収容する構成とすることも可能である
[0423] なお、 図 6 3 (匕) では、 スイッチモジュール 5 3 2八において、 スイッ チ 6 0 1 , 6 0 2を挟んで両側に配置される冷却器 6 2 3のうち少なくとも —方の冷却器 6 2 3においてスイッチ 6 0 1 , 6 0 2とは逆側にコンデンサ が配置されているとよい。 すなわち、 1段目の冷却器 6 2 3の外側周壁 八 1側と、 2段目の冷却器 6 2 3の反周壁側とのうち一方にのみコンデンサ 6 0 4を配置する構成、 又は両方にコンデンサ 6 0 4を配置する構成が可能で ある。
[0424] 本実施形態では、 スイッチモジュール 5 3 2八とコンデンサモジュール 5 \¥0 2020/175497 1 1 1 卩(:171? 2020 /007543
3 2巳とのうちスイッチモジュール 5 3 2八のみについて、 冷却水通路 5 4 5からモジュール内部に冷却水を引き込む構 としている。 ただし、 その構 成を変更し、 両方のモジュール 5 3 2八, 5 3 2巳に、 冷却水通路 5 4 5か ら冷却水を引き込む構成としてもよい。
[0425] また、 各電気モジュール 5 3 2の外面に冷却水を直接当てる状態にして、 各電気モジュール 5 3 2を冷却する構成とすることも可能である。 例えば、 図 6 4に示すように、 外側周壁 八 1 に電気モジュール 5 3 2を埋め込むこ とで、 電気モジュール 5 3 2の外面に冷却水を当てる構成とする。 この場合 、 電気モジュール 5 3 2の一部を冷却水通路 5 4 5内に浸潰させる構成や、 冷却水通路 5 4 5を図 5 8等の構成よりも径方向に拡張して電気モジ ール 5 3 2の全てを冷却水通路 5 4 5内に浸潰させる構成が考えられる。 冷却水 通路 5 4 5内に電気モジュール 5 3 2を浸潰させる場合、 浸潰されるモジュ —ルケース 6 1 1 (モジュールケース 6 1 1の浸漬部分) にフィンを設ける と、 冷却性能を更に向上させることができる。
[0426] また、 電気モジュール 5 3 2には、 スイッチモジュール 5 3 2八とコンデ ンサモジュール 5 3 2巳とが含まれ、 それら両者を比べた場合に発熱量に差 異がある。 この点を考慮して、 インバータハウジング 5 3 1 における各電気 モジュール 5 3 2の配置を工夫することも可能である。
[0427] 例えば、 図 6 5に示すように、 複数個のスイッチモジュール 5 3 2八を、 分散させず周方向に並べ、 かつ冷却水通路 5 4 5の上流側、 すなわち入口通 路 5 7 1 に近い側に配置する。 この場合、 入口通路 5 7 1から流入した冷却 水は、 先ずは 3つのスイッチモジュール 5 3 2八の冷却に用いられ、 その後 に各コンデンサモジュール 5 3 2巳の冷却に用いられる。 なお、 図 6 5では 、 先の図 6 2 ( 3 ) , ( b ) のように一対の配管部 6 2 1 , 6 2 2が軸方向 に並べて配置されているが、 これに限らず、 先の図 6 1 ( a ) , ( 1〇) のよ うに一対の配管部 6 2 1 , 6 2 2が周方向に並べて配置されていてもよい。
[0428] 次に、 各電気モジュール 5 3 2及びバスバーモジュール 5 3 3における電 気的な接続に関する構成を説明する。 図 6 6は、 図 4 9の 6 6 - 6 6線断面 \¥0 2020/175497 1 12 卩(:171? 2020 /007543
図であり、 図 6 7は、 図 4 9の 6 7— 6 7線断面図である。 図 6 8は、 バス バーモジュール 5 3 3を単体で示す斜視図である。 ここではこれら各図を併 せ用いて、 各電気モジュール 5 3 2及びバスバーモジュール 5 3 3の電気接 続に関する構成を説明する。
[0429] 図 6 6に示すように、 インバータハウジング 5 3 1 には、 内壁部材 5 4 2 に設けられた突出部 5 7 3 (すなわち、 冷却水通路 5 4 5に通じる入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2が設けられた突出部 5 7 3) の周方向に隣となる 位置に、 3つのスイッチモジュール 5 3 2八が周方向に並べて配置されると ともに、 さらにその隣に、 6つのコンデンサモジュール 5 3 2巳が周方向に 並べて配置されている。 その概要として、 インバータハウジング 5 3 1では 、 外側周壁 八 1の内側が周方向に 1 0個 (すなわち、 モジュール数 + 1) の領域に等分に分けられ、 そのうち 9つの領域にそれぞれ電気モジュール 5 3 2が 1つずつ配置されるとともに、 残り 1つの領域に突出部 5 7 3が設け られている。 3つのスイッチモジュ _ ル 5 3 2八は、 リ相用モジュ _ ル、 V 相用モジュール、 \/\/相用モジュールである。
[0430] 図 6 6や前述の図 5 6、 図 5 7等に示すように、 各電気モジュール 5 3 2 (スイッチモジュール 5 3 2八及びコンデンサモジュール 5 3 2巳) は、 モ ジュールケース 6 1 1から延びる複数のモジュール端子 6 1 5を有している 。 モジュール端子 6 1 5は、 各電気モジュール 5 3 2における電気的な入出 力を行わせるモジュール入出力端子である。 モジュール端子 6 1 5は、 軸方 向に延びる向きで設けられており、 より具体的には、 モジュールケース 6 1 1から回転子キャリア 5 1 1の奧側 (車両外側) に向けて延びるように設け られている (図 5 1参照) 。
[0431 ] 各電気モジュール 5 3 2のモジュール端子 6 1 5は、 それぞれバスバーモ ジュール 5 3 3に接続されている。 モジュール端子 6 1 5の数は、 スイッチ モジュール 5 3 2八とコンデンサモジュール 5 3 2巳とで異なっており、 ス イッチモジュール 5 3 2八には 4つのモジュール端子 6 1 5が設けられ、 コ ンデンサモジュール 5 3 2巳には 2つのモジュール端子 6 1 5が設けられて \¥0 2020/175497 1 13 卩(:171? 2020 /007543
いる。
[0432] また、 図 6 8に示すように、 バスバーモジュール 5 3 3は、 円環状をなす 環状部 6 3 1 と、 その環状部 6 3 1から延び、 電源装置や巳〇11 (電子制御 装置) 等の外部装置との接続を可能とする 3本の外部接続端子 6 3 2と、 固 定子卷線 5 2 1 における各相の卷線端部に接続される卷線接 続端子 6 3 3と を有している。 バスバーモジュール 5 3 3が 「端子モジュール」 に相当する
[0433] 環状部 6 3 1は、 インバータハウジング 5 3 1 において外側周壁 八 1の 径方向内側であり、 かつ各電気モジュール 5 3 2の軸方向片側となる位置に 配置されている。 環状部 6 3 1は、 例えば樹脂等の絶縁部材により成形され た円環状の本体部と、 その内部に埋設された複数のバスバーとを有 する。 そ の複数のバスバーは、 各電気モジュール 5 3 2のモジュール端子 6 1 5や、 各外部接続端子 6 3 2、 固定子巻線 5 2 1の各相卷線に接続されている。 そ の詳細は後述する。
[0434] 外部接続端子 6 3 2は、 電源装置に接続される高電位側の電力端子 6 3 2 八及び低電位側の電力端子 6 3 2巳と、 外部巳(3 IIに接続される 1本の信号 端子 6 3 2 0とからなる。 これら各外部接続端子 6 3 2 (6 3 2八~ 6 3 2 〇) は、 周方向に一列に並び、 かつ環状部 6 3 1の径方向内側において軸方 向に延びるように設けられている。 図 5 1 に示すように、 バスバーモジュー ル 5 3 3が各電気モジュール 5 3 2と共にインバータハウジング 5 3 1 に組 み付けられた状態では、 外部接続端子 6 3 2の一端がボス形成部材 5 4 3の 端板 5 4 7から突出するように構成されている。 具体的には、 図 5 6、 図 5 7に示すように、 ボス形成部材 5 4 3の端板 5 4 7には揷通孔 5 4 7 3が設 けられており、 その揷通孔 5 4 7 3に円筒状のグロメッ ト 6 3 5が取り付け られるとともに、 グロメッ ト 6 3 5を揷通させた状態で外部接続端子 6 3 2 が設けられている。 グロメッ ト 6 3 5は、 密閉コネクタとしても機能する。
[0435] 巻線接続端子 6 3 3は、 固定子巻線 5 2 1の各相の卷線端部に接続される 端子であり、 環状部 6 3 1から径方向外側に延びるように設けられて る。 \¥0 2020/175497 1 14 卩(:171? 2020 /007543
巻線接続端子 6 3 3は、 固定子巻線 5 2 1 における II相巻線の端部に接続さ れる卷線接続端子 6 3 3 II、 V相巻線の端部に接続される卷線接続端子 6 3 3 V、 相巻線の端部にそれぞれ接続に接続される卷 線接続端子 6 3 3 \^/を 有する。 これらの各卷線接続端子 6 3 3、 各相卷線に流れる電流 (II相電流 、 V相電流、 相電流) を検出する電流センサ 6 3 4が設けられているとよ い (図 7 0参照) 。
[0436] なお、 電流センサ 6 3 4は、 電気モジュール 5 3 2の外部であって、 各卷 線接続端子 6 3 3の周辺に配置されてもよいし、 電気モジュール 5 3 2の内 部に配置されてもよい。
[0437] ここで、 各電気モジュール 5 3 2とバスバーモジュール 5 3 3との接続を 、 図 6 9及び図 7 0を用いてより具体的に説明する。 図 6 9は、 各電気モジ ュール 5 3 2を平面状に展開して示すとともに、 それら各電気モジュール 5 3 2とバスバーモジュール 5 3 3との電気的な接続状態を模式的に示す図で ある。 図 7 0は、 各電気モジュール 5 3 2を円環状に配置した状態での各電 気モジュール 5 3 2とバスバーモジュール 5 3 3との接続を模式的に示す図 である。 なお、 図 6 9には、 電力伝送用の経路を実線で示し、 信号伝送系の 経路を _ 点鎖線で示している。 図 7 0には、 電力伝送用の経路のみを示して いる。
[0438] バスバーモジュール 5 3 3は、 電力伝送用のバスバーとして、 第 1バスバ - 6 4 1 と第 2バスバー 6 4 2と第 3バスバー 6 4 3とを有している。 この うち第 1バスバー 6 4 1が高電位側の電力端子 6 3 2八に接続され、 第 2バ スバー 6 4 2が低電位側の電力端子 6 3 2巳に接続されている。 また、 3つ の第 3バスバー 6 4 3が、 II相の巻線接続端子 6 3 3 II、 V相の巻線接続端 子 6 3 3 V、 相の巻線接続端子 6 3 3 \^/にそれぞれ接続されている。
[0439] また、 巻線接続端子 6 3 3や第 3バスバー 6 4 3は、 回転電機 1 0の動作 により発熱しやすい部位である。 このため、 巻線接続端子 6 3 3と第 3バス バー 6 4 3との間に図示しない端子台を介在させると もに、 この端子台を 、 冷却水通路 5 4 5を有するインバータハウジング 5 3 1 に当接させてもよ \¥0 2020/175497 1 15 卩(:171? 2020 /007543
い。 又は、 巻線接続端子 6 3 3や第 3バスバー 6 4 3をクランク状に曲げる ことで、 巻線接続端子 6 3 3や第 3バスバー 6 4 3を冷却水通路 5 4 5を有 するインバータハウジング 5 3 1 に当接させてもよい。
[0440] このような構成であれば、 巻線接続端子 6 3 3や第 3バスバー 6 4 3で発 生した熱を冷却水通路 5 4 5内の冷却水に放熱することができる。
[0441 ] なお、 図 7 0では、 第 1バスバー 6 4 1及び第 2バスバー 6 4 2を、 円環 形状をなすバスバーとして示すが、 これら各バスバー 6 4 1 , 6 4 2は必ず しも円環形状で繫がっていなくてもよく、 周方向の一部が途切れた略<3字状 をなしていてもよい。 また、 各卷線接続端子 6 3 3 II , 6 3 3 V , 6 3 3 \^/ は、 各相に対応するスイッチモジュール 5 3 2 に個々に接続されればよい ため、 バスバーモジュール 5 3 3を介することなく、 直接的に各スイッチモ ジュール 5 3 2八 (実際にはモジュール端子 6 1 5) に接続される構成であ ってもよい。
[0442] —方、 各スイッチモジュール 5 3 2八は、 正極側端子、 負極側端子、 巻線 用端子及び信号用端子からなる 4つのモジュール端子 6 1 5を有している。 このうち正極側端子は第 1バスバー 6 4 1 に接続され、 負極側端子は第 2バ スバー 6 4 2に接続され、 卷線用端子は第 3バスバー 6 4 3に接続されてい る。
[0443] また、 バスバーモジュール 5 3 3は、 信号伝送系のバスバーとして第 4バ スバー 6 4 4を有している。 各スイッチモジュール 5 3 2八の信号用端子が 第 4バスバー 6 4 4に接続されるとともに、 その第 4バスバー 6 4 4が信号 端子 6 3 2〇に接続されている。
[0444] 本実施形態では、 各スイッチモジュール 5 3 2 に対する制御信号を信号 端子 6 3 2〇を介して外部巳〇11から入力する構成とし ている。 つまり、 各 スイッチモジュール 5 3 2八内の各スイッチ 6 0 1 , 6 0 2は、 信号端子 6 3 2〇を介して入力される制御信号によりオン フする。 そのため、 各スイ ッチモジュール 5 3 2八が、 途中で回転電機内蔵の制御装置を経由するこ と なく信号端子 6 3 2〇に対して接続される構成となっている。 ただし、 この \¥0 2020/175497 1 16 卩(:171? 2020 /007543
構成を変更し、 回転電機に制御装置を内蔵させ、 その制御装置からの制御信 号が各スイッチモジュール 5 3 2八に入力される構成とすることも可能であ る。 かかる構成を図 7 1 に示す。
[0445] 図 7 1の構成では、 制御装置 6 5 2が実装された制御基板 6 5 1 を有し、 その制御装置 6 5 2が各スイッチモジュール 5 3 2八に接続されている。 ま た、 制御装置 6 5 2には信号端子 6 3 2(3が接続されている。 この場合、 制 御装置 6 5 2は、 例えば上位制御装置である外部日(3 IIから力行又は発電に 関する指令信号を入力し、 その指令信号に基づいて各スイッチモジュー ル 5 3 2八のスイッチ 6 0 1 , 6 0 2を適宜オンオフさせる。
[0446] インバータユニッ ト 5 3 0においては、 バスバーモジュール 5 3 3よりも 車両外側 (回転子キャリア 5 1 1の奥側) に制御基板 6 5 1が配置されると よい。 又は、 各電気モジュール 5 3 2とボス形成部材 5 4 3の端板 5 4 7と の間に制御基板 6 5 1が配置されるとよい。 制御基板 6 5 1は、 各電気モジ ュール 5 3 2に対して少なくとも一部が軸方向に重複す ように配置される とよい。
[0447] また、 各コンデンサモジュール 5 3 2巳は、 正極側端子及び負極側端子か らなる 2つのモジュール端子 6 1 5を有しており、 正極側端子は第 1バスバ - 6 4 1 に接続され、 負極側端子は第 2バスバー 6 4 2に接続されている。
[0448] 図 4 9及び図 5 0に示すように、 インバータハウジング 5 3 1内には、 周 方向に各電気モジュール 5 3 2と並ぶ位置に、 冷却水の入口通路 5 7 1及び 出口通路 5 7 2を有する突出部 5 7 3が設けられるとともに、 その突出部 5 7 3に対して径方向に隣り合うようにして外部 続端子 6 3 2が設けられて いる。 換言すれば、 突出部 5 7 3と外部接続端子 6 3 2とが、 周方向に同じ 角度位置に設けられている。 本実施形態では、 突出部 5 7 3の径方向内側の 位置に外部接続端子 6 3 2が設けられている。 また、 インバータハウジング 5 3 1の車両内側から見れば、 ボス形成部材 5 4 3の端板 5 4 7に、 径方向 に並べて水路ポート 5 7 4と外部接続端子 6 3 2とが設けられている (図 4 8参照) 。 \¥0 2020/175497 1 17 卩(:171? 2020 /007543
[0449] この場合、 複数の電気モジュール 5 3 2と共に突出部 5 7 3及び外部接続 端子 6 3 2を周方向に並べて配置したことにより、 インバータユニッ ト 5 3 0としての小型化、 ひいては回転電機 5 0 0としての小型化が可能となって いる。
[0450] 車輪 4 0 0の構造を示す図 4 5及び図 4 7で見ると、 水路ポート 5 7 4に 冷却用配管!· I 2が接続されるとともに、 外部接続端子 6 3 2に電気配線!· I 1 が接続され、 その状態で、 電気配線!· I 1及び冷却用配管!· I 2が収容ダクト 4 4 0に収容されている。
[0451 ] なお、 上記構成では、 インバータハウジング 5 3 1内において外部接続端 子 6 3 2の隣に、 3つのスイッチモジュール 5 3 2八を周方向に並べて配置 するととともに、 さらにその隣に、 6つのコンデンサモジュール 5 3 2巳を 周方向に並べて配置する構成としたが、 これを変更してもよい。 例えば、 外 部接続端子 6 3 2から最も離れた位置、 すなわち回転軸 5 0 1 を挟んで反対 側となる位置に、 3つのスイッチモジュール 5 3 2八を並べて配置する構成 としてもよい。 また、 各スイッチモジュール 5 3 2八の両隣にコンデンサモ ジュール 5 3 2巳が配置されるように、 各スイッチモジュール 5 3 2八を分 散配置することも可能である。
[0452] 外部接続端子 6 3 2から最も離れた位置、 すなわち回転軸 5 0 1 を挟んで 反対側となる位置に各スイッチモジュール 5 3 2 を配置する構成とすれば 、 外部接続端子 6 3 2と各スイッチモジュール 5 3 2八との間における相互 インダクタンスに起因する誤動作等を抑制で きる。
[0453] 次に、 回転角度センサとして設けられるレゾルバ 6 6 0に関する構成を説 明する。
[0454] 図 4 9〜図 5 1 に示すように、 インバータハウジング 5 3 1 には、 回転電 機 5 0 0の電気角 0を検出するレゾルバ 6 6 0が設けられている。 レゾルバ 6 6 0は、 電磁誘導式センサであり、 回転軸 5 0 1 に固定されたレゾルバロ —夕 6 6 1 と、 そのレゾルバロータ 6 6 1の径方向外側に対向配置されたレ ゾルバステータ 6 6 2とを備えている。 レゾルバロータ 6 6 1は、 円板リン \¥0 2020/175497 1 18 卩(:171? 2020 /007543
グ状をなしており、 回転軸 5 0 1 を揷通させた状態で、 回転軸 5 0 1 に同軸 で設けられている。 レゾルバステータ 6 6 2は、 円環状をなすステータコア 6 6 3と、 ステータコア 6 6 3に形成された複数のティースに卷回された テータコイル 6 6 4とを備えている。 ステータコイル 6 6 4には、 1相の励 磁コイルと 2相の出カコイルとが含まれている。
[0455] ステータコイル 6 6 4の励磁コイルは、 正弦波状の励磁信号によって励磁 され、 励磁信号によって励磁コイルに生じた磁束は 、 _ 対の出カコイルを鎖 交する。 この際、 励磁コイルと一対の出カコイルとの相対的な 配置関係がレ ゾルバロータ 6 6 1の回転角 (すなわち回転軸 5 0 1の回転角) に応じて周 期的に変化するため、 一対の出カコイルを鎖交する磁束数は周期的 に変化す る。 本実施形態では、 一対の出カコイルのそれぞれに生じる電圧の 位相が互 いに / 2だけずれるように一対の出カコイルと励磁 イルとが配置されて いる。 これにより、 一対の出カコイルそれぞれの出力電圧は、 励磁信号を変 調波 3 丨 11 0、 〇〇 3 0のそれぞれによって変調した被変調波とな 。 より 具体的には、 励磁信号を 「 3 丨 1^ 0 1:」 とすると、 被変調波はそれぞれ 「 3 I 11 0 X 3 I 门〇 1:」 , 「0 0 3 0 X 3 1 门〇 1:」 となる。
[0456] レゾルバ 6 6 0はレゾルバデジタルコンバータを有してい 。 レゾルバデ ジタルコンバータは、 生成された被変調波及び励磁信号に基づく検 波によっ て電気角 0を算出する。 例えばレゾルバ 6 6 0は信号端子 6 3 2〇に接続さ れており、 レゾルバデジタルコンバータの算出結果は、 信号端子 6 3 2〇を 介して外部装置に出力される。 また、 回転電機 5 0 0に制御装置が内蔵され ている場合には、 その制御装置にレゾルバデジタルコンバータ の算出結果が 入力される。
[0457] ここで、 インバータハウジング 5 3 1 におけるレゾルバ 6 6 0の組み付け 構造について説明する。
[0458] 図 4 9及び図 5 1 に示すように、 インバータハウジング 5 3 1 を構成する ボス形成部材 5 4 3のボス部 5 4 8は中空筒状をなしており、 そのボス部 5 4 8の内周側には、 軸方向に直交する向きに延びる突出部 5 4 8 3が形成さ \¥0 2020/175497 1 19 卩(:171? 2020 /007543
れている。 そして、 この突出部 5 4 8 3に軸方向に当接した状態で、 ネジ等 によりレゾルバステータ 6 6 2が固定されている。 ボス部 5 4 8内には、 突 出部 5 4 8 3を挟んで軸方向の一方側に軸受 5 6 0が設けられるとともに、 他方側にレゾルバ 6 6 0が同軸で設けられている。
[0459] また、 ボス部 5 4 8の中空部には、 軸方向においてレゾルバ 6 6 0の一方 の側に突出部 5 4 8 3が設けられるとともに、 他方の側に、 レゾルバ 6 6 0 の収容空間を閉鎖する円板リング状のハウジ ングカバー 6 6 6が取り付けら れている。 ハウジングカバー 6 6 6は、 炭素繊維強化プラスチック (〇 [¾ 9) 等の導電性材料により構成されている。 ハウジングカバー 6 6 6の中央 部には、 回転軸 5 0 1 を揷通させる孔 6 6 6 3が形成されている。 孔 6 6 6 3内には、 回転軸 5 0 1の外周面との間の空隙を封鎖するシール材 6 6 7が 設けられている。 シール材 6 6 7により、 レゾルバ収容空間が密閉されてい る。 シール材 6 6 7は、 例えば樹脂材料よりなる摺動シールであると よい。
[0460] レゾルバ 6 6 0が収容される空間は、 ボス形成部材 5 4 3において円環状 をなすボス部 5 4 8に囲まれ、 かつ軸方向が軸受 5 6 0とハウジングカバー 6 6 6とにより挟まれた空間であり、 レゾルバ 6 6 0の周囲は導電材料によ り囲まれている。 これにより、 レゾルバ 6 6 0に対する電磁ノイズの影響を 抑制できるようになっている。
[0461 ] また、 上述したとおりインバータハウジング 5 3 1は、 二重となる外側周 壁 1 と内側周壁 2とを有しており (図 5 7参照) 、 その二重となる 周壁の外側 (外側周壁 八 1の外側) には固定子 5 2 0が配置され、 二重の 周壁の間 ( 八 1 , \ZV A 2の間) には電気モジュール 5 3 2が配置され、 二 重の周壁の内側 (内側周壁 八 2の内側) にはレゾルバ 6 6 0が配置されて いる。 インバータハウジング 5 3 1は導電性部材であるため、 固定子 5 2 0 とレゾルバ 6 6 0とは、 導電性の隔壁 (本実施形態では特に二重の導電性隔 壁) を隔てて配置されるようになっており、 固定子 5 2 0側 (磁気回路側) とレゾルバ 6 6 0とについて相互の磁気干渉の発生を好適に 制できるもの となっている。 \¥0 2020/175497 120 卩(:171? 2020 /007543
[0462] 次に、 回転子キャリア 5 1 1の開放端部の側に設けられる回転子カバー 6
7 0について説明する。
[0463] 図 4 9及び図 5 1 に示すように、 回転子キャリア 5 1 1は軸方向の一方側 が開放されており、 その開放端部に、 略円板リング状の回転子カバー 6 7 0 が取り付けられている。 回転子カバー 6 7 0は、 溶接や接着、 ビス止め等の 任意の接合手法により回転子キャリア 5 1 1 に対して固定されているとよい 。 回転子カバー 6 7 0が、 磁石ユニッ ト 5 1 2の軸方向への移動を抑制でき るように回転子キャリア 5 1 1の内周よりも小さめに寸法設定されている 位を持つとなおよい。 回転子カバー 6 7 0は、 その外径寸法が、 回転子キャ リア 5 1 1の外径寸法に一致し、 内径寸法が、 インバータハウジング 5 3 1 の外径寸法よりも僅かに大きい寸法となって いる。 なお、 インバータハウジ ング 5 3 1の外径寸法と固定子 5 2 0の内径寸法とは同じである。
[0464] 上述したとおりインバータハウジング 5 3 1の径方向外側には固定子 5 2
0が固定されており、 それら固定子 5 2 0及びインバータハウジング 5 3 1 が互いに接合されている接合部分では、 固定子 5 2 0に対してインバータハ ウジング 5 3 1が軸方向に突出している。 そして、 インバータハウジング 5 3 1の突出部分を囲むように回転子カバー 6 7 0が取り付けられている。 こ の場合、 回転子カバー 6 7 0の内周側の端面とインバータハウジング 5 3 1 の外周面との間には、 それらの間の隙間を封鎖するシール材 6 7 1が設けら れている。 シール材 6 7 1 により、 磁石ユニッ ト 5 1 2及び固定子 5 2 0の 収容空間が密閉されている。 シール材 6 7 1は、 例えば樹脂材料よりなる摺 動シールであるとよい。
[0465] 以上詳述した本実施形態によれば、 以下の優れた効果が得られる。
[0466] 回転電機 5 0 0において、 磁石ユニッ ト 5 1 2及び固定子巻線 5 2 1 より なる磁気回路部の径方向内側に、 インバータハウジング 5 3 1の外側周壁 八 1 を配置し、 その外側周壁 1 に冷却水通路 5 4 5を形成した。 また、 外側周壁 1の径方向内側に、 その外側周壁 1 に沿って周方向に複数 の電気モジュール 5 3 2を配置する構成とした。 これにより、 回転電機 5 0 \¥0 2020/175497 121 卩(:171? 2020 /007543
〇の径方向に積層されるようにして磁気回 路部、 冷却水通路 5 4 5、 電力変 換器を配置でき、 軸方向における寸法の縮小化を図りつつ、 効率の良い部品 配置が可能となる。 また、 電力変換器を構成する複数の電気モジュール 5 3 2について効率良く冷却を行わせることがで る。 その結果、 回転電機 5 0 0において、 高効率かつ小型化が実現可能となる。
[0467] 半導体スイッチング素子やコンデンサ等の発 熱部品を有する電気モジュー ル 5 3 2 (スイッチモジュール 5 3 2八、 コンデンサモジュール 5 3 2巳) を、 外側周壁 1の内周面に接した状態で設ける構成とした これにより 、 各電気モジュール 5 3 2における熱が外側周壁 1 に伝達され、 その外 側周壁 八 1での熱交換により電気モジュール 5 3 2が好適に冷却される。
[0468] スイッチモジュール 5 3 2八において、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2を挟んで 両側に冷却器 6 2 3をそれぞれ配置するとともに、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2 の両側の冷却器 6 2 3のうち少なくとも _方の冷却器においてスイッチ 6 0 1 , 6 0 2とは逆側にコンデンサ 6 0 4を配置する構成とした。 これにより 、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2に対する冷却性能を高めることができると もに 、 コンデンサ 6 0 4の冷却性能も高めることができる。
[0469] スイッチモジュール 5 3 2八において、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2を挟んで 両側に冷却器 6 2 3をそれぞれ配置するとともに、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2 の両側の冷却器 6 2 3のうち _ 方の冷却器においてスイッチ 6 0 1 , 6 0 2 とは逆側に駆動回路 6 0 3を配置し、 他方の冷却器 6 2 3においてスイッチ 6 0 1 , 6 0 2とは逆側にコンデンサ 6 0 4を配置する構成とした。 これに より、 スイッチ 6 0 1 , 6 0 2に対する冷却性能を高めることができると もに、 駆動回路 6 0 3とコンデンサ 6 0 4についても冷却性能も高めること ができる。
[0470] 例えばスイッチモジュール 5 3 2八において、 冷却水通路 5 4 5からモジ ュール内部に冷却水を流入させ、 その冷却水により半導体スイッチング素子 等を冷却する構成とした。 この場合、 スイッチモジュール 5 3 2八は、 外側 周壁 八 1での冷却水による熱交換に加えて、 モジュール内部での冷却水に \¥0 2020/175497 122 卩(:171? 2020 /007543
よる熱交換により冷却される。 これにより、 スイッチモジュール 5 3 2八の 冷却効果を高めることができる。
[0471 ] 冷却水通路 5 4 5に対して外部の循環経路 5 7 5から冷却水を流入させる 冷却システムにおいて、 スイッチモジュール 5 3 2八を冷却水通路 5 4 5の 入口通路 5 7 1 に近い上流側に配置するとともに、 コンデンサモジュール 5 3 2巳をスイッチモジュール 5 3 2八よりも下流側に配置する構成とした。 この場合、 冷却水通路 5 4 5を流れる冷却水が上流側ほど低温であるこ を 想定すれば、 スイッチモジュール 5 3 2八を優先的に冷却する構成を実現す ることが可能になる。
[0472] 周方向に隣り合う電気モジュール同士の間隔 を一部で拡げ、 その拡げた間 隔 (第 2間隔丨 1\1丁 2) となる部分に、 入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2 を有する突出部 5 7 3を設ける構成とした。 これにより、 外側周壁 八 1の 径方向内側となる部分に、 冷却水通路 5 4 5の入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2を好適に形成することができる。 つまり、 冷却性能を高めるには冷媒 の流通量を確保する必要があり、 そのためには入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2の開口面積を大きくすることが考えられる この点、 上記のとおり電 気モジュール同士の間隔を一部で拡げて突出 部 5 7 3を設けることにより、 所望とする大きさの入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2を好適に形成するこ とができる。
[0473] バスバーモジュール 5 3 3の外部接続端子 6 3 2を、 外側周壁 1の径 方向内側において突出部 5 7 3に径方向に並ぶ位置に配置するようにした つまり、 外部接続端子 6 3 2を、 周方向に隣り合う電気モジュール同士の間 隔が拡げられた部分 (第 2間隔 I !\!丁 2に相当する部分) に突出部 5 7 3と 共に配置するようにした。 これにより、 各電気モジュール 5 3 2との干渉を 避けつつ、 外部接続端子 6 3 2を好適に配置することができる。
[0474] ァウタロータ式の回転電機 5 0 0において、 外側周壁 八 1の径方向外側 に固定子 5 2 0を固定し、 かつ径方向内側に複数の電気モジュール 5 3 2を 配置する構成とした。 これにより、 外側周壁 \ZV A 1 に対して、 その径方向外 \¥0 2020/175497 123 卩(:171? 2020 /007543
側から固定子 5 2 0の熱が伝わるとともに、 径方向内側から電気モジュール 5 3 2の熱が伝わることになる。 この場合、 固定子 5 2 0と電気モジュール 5 3 2とを, 冷却水通路 5 4 5を流れる冷却水により同時に冷やすことが 能となり、 回転電機 5 0 0における発熱部材の熱を効率良く放出する とが できる。
[0475] 外側周壁 八 1 を挟んで径方向内側の電気モジュール 5 3 2と径方向外側 の固定子巻線 5 2 1 とを、 バスバーモジュール 5 3 3の卷線接続端子 6 3 3 により電気的に接続する構成とした。 またこの場合、 巻線接続端子 6 3 3を 、 冷却水通路 5 4 5に対して軸方向に離れた位置に設ける構成 した。 これ により、 外側周壁 1 において環状に冷却水通路 5 4 5が形成される構成 、 すなわち外側周壁 八 1の内外が冷却水通路 5 4 5により分断されている 構成であっても、 電気モジュール 5 3 2と固定子巻線 5 2 1 とを好適に接続 することができる。
[0476] 本実施形態の回転電機 5 0 0では、 固定子 5 2 0において周方向に並ぶ各 導線 5 2 3の間のテイース (鉄心) を小さくする又は無くすことで、 それら 各導線 5 2 3の間で生じる磁気飽和に起因するトルク制 を抑制するととも に、 導線 5 2 3を扁平薄型にすることでトルク低下を抑制 るものとしてい る。 この場合、 仮に回転電機 5 0 0の外径寸法が同じであっても、 固定子 5 2 0の薄型化により磁気回路部の径方向内側の 域を拡張することが可能と なり、 その内側領域を用いて、 冷却水通路 5 4 5を有する外側周壁 1や 、 外側周壁 1の径方向内側に設けられた複数の電気モジ ール 5 3 2を 好適に配置することができる。
[0477] 本実施形態の回転電機 5 0 0では、 磁石ユニッ ト 5 1 2において磁石磁束 が 軸側に集まることで 軸での磁石磁束が強化され、 それに伴う トルク増 強が可能となっている。 この場合、 磁石ユニッ ト 5 1 2において径方向の厚 さ寸法の縮小化 (薄型化) が可能になることに伴い、 磁気回路部の径方向内 側の領域を拡張することが可能となり、 その内側領域を用いて、 冷却水通路 5 4 5を有する外側周壁 1や、 外側周壁 1の径方向内側に設けられ \¥0 2020/175497 124 卩(:171? 2020 /007543
た複数の電気モジュール 5 3 2を好適に配置することができる。
[0478] また、 磁気回路部、 外側周壁 八 1、 複数の電気モジュール 5 3 2だけで なく、 軸受 5 6 0やレゾルバ 6 6 0についても同様に、 径方向に好適に配置 することができる。
[0479] 回転電機 5 0 0をインホイールモータとして用いた車輪 4 0 0は、 インバ —タハウジング 5 3 1 に固定されたべースプレート 4 0 5と、 サスペンシヨ ン装置等の装着機構とを介して車体に装着さ れる。 ここで、 回転電機 5 0 0 では小型化が実現されていることから、 車体への組み付けを想定しても省ス ペース化が可能となる。 そのため、 車両においてバッテリ等の電源装置の設 置領域を拡大したり、 車室スペースを拡張したりする上で有利な構 成を実現 できる。
[0480] 以下に、 インホイールモータに関する変形例を説明す る。
[0481 ] (インホイールモータにおける変形例 1)
回転電機 5 0 0では、 インバータュニッ ト 5 3 0の外側周壁 八 1の径方 向内側に、 電気モジュール 5 3 2及びバスバーモジュール 5 3 3が配置され るとともに、 外側周壁 1 を隔てて径方向の内側及び外側に、 電気モジュ —ル 5 3 2及びバスバーモジュール 5 3 3と、 固定子 5 2 0とがそれぞれ配 置されている。 かかる構成において、 電気モジュール 5 3 2に対するバスバ —モジュール 5 3 3の位置は任意に設定可能である。 また、 外側周壁 八 1 を径方向に横切って固定子巻線 5 2 1の各相卷線とバスバーモジュール 5 3 3とを接続する場合において、 その接続に用いられる巻線接続線 (例えば巻 線接続端子 6 3 3) を案内する位置は任意に設定可能である。
[0482] すなわち、 電気モジュール 5 3 2に対するバスバーモジュール 5 3 3の位 置としては、 (《 1) バスバーモジュール 5 3 3を、 軸方向において電気モ ジュール 5 3 2よりも車両外側、 すなわち回転子キャリア 5 1 1側の奥側と する構成と、
{(X 2) バスバーモジュール 5 3 3を、 軸方向において電気モジュール 5 3 2よりも車両内側、 すなわち回転子キャリア 5 1 1側の手前側とする構成と \¥0 2020/175497 125 卩(:171? 2020 /007543
が考えられる。
[0483] また、 巻線接続線を案内する位置としては、
((3 1) 巻線接続線を、 軸方向において車両外側、 すなわち回転子キャリア 5 1 1側の奥側で案内する構成と、
(/3 2) 巻線接続線を、 軸方向において車両内側、 すなわち回転子キャリア 5 1 1側の手前側で案内する構成と、
が考えられる。
[0484] 以下には、 電気モジュール 5 3 2、 バスバーモジュール 5 3 3及び卷線接 続線の配置に関する 4つの構成例を、 図 7 2 ( 3 ) 〜 (¢0 を用いて説明す る。 図 7 2 ( 3 ) 〜 (¢0 は、 回転電機 5 0 0の構成を簡略化して示す縦断 面図であり、 同図には、 既に説明した構成に同じ符号が付されている 。 巻線 接続線 6 3 7は、 固定子巻線 5 2 1の各相卷線とバスバーモジュール 5 3 3 とを接続する電気配線であり、 例えば既述の巻線接続端子 6 3 3がこれに相 当する。
[0485] 図 7 2 ( a) の構成では、 電気モジュール 5 3 2に対するバスバーモジュ —ル 5 3 3の位置として上記 (《 1) を採用するとともに、 巻線接続線 6 3 7を案内する位置として上記 (/3 1) を採用している。 つまり、 電気モジュ —ル 5 3 2及びバスバーモジュール 5 3 3、 固定子巻線 5 2 1及びバスバー モジュール 5 3 3がいずれも車両外側 (回転子キャリア 5 1 1の奥側) で接 続される構成となっている。 なおこれは、 図 4 9に示す構成に相当する。
[0486] 本構成によれば、 外側周壁 1 において、 巻線接続線 6 3 7との干渉を 懸念することなく冷却水通路 5 4 5を設けることができる。 また、 固定子巻 線 5 2 1 とバスバーモジュール 5 3 3とを接続する卷線接続線 6 3 7を簡易 に実現できる。
[0487] 図 7 2 (匕) の構成では、 電気モジュール 5 3 2に対するバスバーモジュ —ル 5 3 3の位置として上記 (《 1) を採用するとともに、 巻線接続線 6 3 7を案内する位置として上記 (/3 2) を採用している。 つまり、 電気モジュ \¥0 2020/175497 126 卩(:171? 2020 /007543
—ル 5 3 2とバスバーモジュール 5 3 3とが車両外側 (回転子キャリア 5 1 1の奥側) で接続されるとともに、 固定子巻線 5 2 1 とバスバーモジュール 5 3 3とが車両内側 (回転子キャリア 5 1 1の手前側) で接続される構成と なっている。
[0488] 本構成によれば、 外側周壁 1 において、 巻線接続線 6 3 7との干渉を 懸念することなく冷却水通路 5 4 5を設けることができる。
[0489] 図 7 2 (〇) の構成では、 電気モジュール 5 3 2に対するバスバーモジュ —ル 5 3 3の位置として上記 (《 2) を採用するとともに、 巻線接続線 6 3 7を案内する位置として上記 (/3 1) を採用している。 つまり、 電気モジュ —ル 5 3 2とバスバーモジュール 5 3 3とが車両内側 (回転子キャリア 5 1 1の手前側) で接続されるとともに、 固定子巻線 5 2 1 とバスバーモジュー ル 5 3 3とが車両外側 (回転子キャリア 5 1 1の奥側) で接続される構成と なっている。
[0490] 図 7 2 ( ) の構成では、 電気モジュール 5 3 2に対するバスバーモジュ —ル 5 3 3の位置として上記 (《 2) を採用するとともに、 巻線接続線 6 3 7を案内する位置として上記 (/3 2) を採用している。 つまり、 電気モジュ —ル 5 3 2及びバスバーモジュール 5 3 3、 固定子巻線 5 2 1及びバスバー モジュール 5 3 3がいずれも車両内側 (回転子キャリア 5 1 1の手前側) で 接続される構成となっている。
[0491 ] 図 7 2 (〇) , 図 7 2 ( の構成によれば、 バスバーモジュール 5 3 3 が車両内側 (回転子キャリア 5 1 1の手前側) に配置されることで、 仮にフ ァンモータなどの電気部品を追加しようとす る場合に、 その配線が容易とな ることが考えられる。 また、 軸受よりも車両内側に配置されるレゾルバ 6 6 0に対してバスバーモジュール 5 3 3を近づけることが可能になり、 レゾル バ 6 6 0に対する配線が容易になることも考えられ 。
[0492] (インホイールモータにおける変形例 2)
以下に、 レゾルバロータ 6 6 1の取付構造の変形例を説明する。 すなわち 、 回転軸 5 0 1、 回転子キャリア 5 1 1及び軸受 5 6 0の内輪 5 6 1は一体 \¥0 2020/175497 127 卩(:171? 2020 /007543
的に回転する回転体であり、 その回転体に対するレソルバロータ 6 6 1の取 付構造の変形例について以下に説明する。
[0493] 図 7 3 (3) 〜 (〇) は、 上記回転体に対するレゾルバロータ 6 6 1の取 付構造例を示す構成図である。 いずれの構成においても、 レゾルバ 6 6 0は 、 回転子キャリア 5 1 1及びインバータハウジング 5 3 1等により囲まれ、 外部からの被水や被泥等から防護された密閉 空間に設けられている。 図 7 3 (3) 〜 (〇) のうち図 7 3 (a) では、 軸受 5 6 0を、 図 4 9と同じ構成 としている。 また、 図 7 3 (匕) 、 図 7 3 (〇) では、 軸受 5 6 0を、 図 4 9とは異なる構成とし、 かつ回転子キャリア 5 1 1の端板 5 1 4から離れた 位置に配置している。 これら各図には、 レゾルバロータ 6 6 1の取付場所と してそれぞれ 2力所を例示している。 なお、 レゾルバステータ 6 6 2につい ては図示されていないが、 例えばボス形成部材 5 4 3のボス部 5 4 8をレゾ ルバロータ 6 6 1の外周側又はその付近まで延ばし、 そのボス部 5 4 8にレ ゾルバステータ 6 6 2が固定されていればよい。
[0494] 図 7 3 (a) の構成では、 軸受 5 6 0の内輪 5 6 1 にレゾルバロータ 6 6
1が取り付けられている。 具体的には、 レゾルバロータ 6 6 1が、 内輪 5 6 1のフランジ 5 6 1 13の軸方向端面に設けられているか、 又は内輪 5 6 1の 筒部 5 6 1 3の軸方向端面に設けられている。
[0495] 図 7 3 (匕) の構成では、 回転子キャリア 5 1 1 にレゾルバロータ 6 6 1 が取り付けられている。 具体的には、 レゾルバロータ 6 6 1が、 回転子キャ リア 5 1 1 において端板 5 1 4の内面に設けられている。 又は、 回転子キャ リア 5 1 1が、 端板 5 1 4の内周縁部から回転軸 5 0 1 に沿って延びる筒部 5 1 5を有する構成において、 レゾルバロータ 6 6 1が、 回転子キャリア 5 1 1の筒部 5 1 5の外周面に設けられている。 後者の場合、 レゾルバロータ 6 6 1は、 回転子キャリア 5 1 1の端板 5 1 4と軸受 5 6 0との間に配置さ れている。
[0496] 図 7 3 (〇) の構成では、 回転軸 5 0 1 にレゾルバロータ 6 6 1が取り付 けられている。 具体的には、 レゾルバロータ 6 6 1が、 回転軸 5 0 1 におい \¥0 2020/175497 128 卩(:171? 2020 /007543
て回転子キャリア 5 1 1の端板 5 1 4と軸受 5 6 0との間に設けられている か、 又は回転軸 5 0 1 において軸受 5 6 0を挟んで回転子キャリア 5 1 1の 反対側に配置されている。
[0497] (インホイールモータにおける変形例 3)
以下に、 インバータハウジング 5 3 1及び回転子カバー 6 7 0の変形例を 図 7 4を用いて説明する。 図 7 4 ( 3 ) 、 図 7 4 (匕) は、 回転電機 5 0 0 の構成を簡略化して示す縦断面図であり、 同図には、 既に説明した構成に同 じ符号が付されている。 なお、 図 7 4 (a) に示す構成は、 実質的に図 4 9 等で説明した構成に相当し、 図 7 4 (匕) に示す構成は、 図 7 4 ( 3 ) の構 成の _ 部を変更した構成に相当する。
[0498] 図 7 4 ( 3 ) に示す構成では、 回転子キャリア 5 1 1の開放端部に固定さ れた回転子カバー 6 7 0が、 インバータハウジング 5 3 1の外側周壁 八 1 を囲むように設けられている。 つまり、 回転子カバー 6 7 0の内径側の端面 が外側周壁 八 1の外周面に対向しており、 それら両者の間にシール材 6 7 1が設けられている。 また、 インバータハウジング 5 3 1のボス部 5 4 8の 中空部にはハウジングカバー 6 6 6が取り付けられ、 そのハウジングカバー 6 6 6と回転軸 5 0 1 との間にシール材 6 6 7が設けられている。 バスバー モジュール 5 3 3を構成する外部接続端子 6 3 2は、 インバータハウジング 5 3 1 を貫通して車両内側 (図の下側) に延びている。
[0499] また、 インバータハウジング 5 3 1 には、 冷却水通路 5 4 5に連通する入 口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2が形成されるとともに、 それら入口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2の通路端部を含む水路ポート 5 7 4が形成されてい る。
[0500] これに対して、 図 7 4 (匕) に示す構成では、 インバータハウジング 5 3
1 (詳しくはボス形成部材 5 4 3) に、 回転軸 5 0 1の突出側 (車両内側) に延びる環状の凸部 6 8 1が形成されており、 回転子カバー 6 7 0が、 イン バータハウジング 5 3 1の凸部 6 8 1 を囲むように設けられている。 つまり 、 回転子カバー 6 7 0の内径側の端面が凸部 6 8 1の外周面に対向しており \¥0 2020/175497 129 卩(:171? 2020 /007543
、 それら両者の間にシール材 6 7 1が設けられている。 また、 バスバーモジ ュール 5 3 3を構成する外部接続端子 6 3 2は、 インバータハウジング 5 3 1のボス部 5 4 8を貫通してボス部 5 4 8の中空領域に延びるとともに、 ハ ウジングカバー 6 6 6を貫通して車両内側 (図の下側) に延びている。
[0501 ] また、 インバータハウジング 5 3 1 には、 冷却水通路 5 4 5に連通する入 口通路 5 7 1及び出口通路 5 7 2が形成されており、 それら入口通路 5 7 1 及び出口通路 5 7 2は、 ボス部 5 4 8の中空領域に延び、 かつ中継配管 6 8 2を介してハウジングカバー 6 6 6よりも車両内側 (図の下側) に延びてい る。 本構成では、 ハウジングカバー 6 6 6から車両内側に延びる配管部分が 水路ポート 5 7 4となっている。
[0502] 図 7 4 ( 3 ) 、 図 7 4 (b) の各構成によれば、 回転子キャリア 5 1 1及 び回転子カバー 6 7 0の内部空間の密閉性を保持しつつ、 これら回転子キャ リア 5 1 1及び回転子カバー 6 7 0をインバータハウジング 5 3 1 に対して 好適に回転させることができる。
[0503] また特に、 図 7 4 (1〇) の構成によれば、 図 7 4 (a) の構成に比べて、 回転子カバー 6 7 0の内径が小さくなっている。 そのため、 電気モジュール 5 3 2よりも車両内側となる位置に、 インバータハウジング 5 3 1 と回転子 カバー 6 7 0とが軸方向に二重に設けられるようになり 電気モジュール 5 3 2にて懸念される電磁ノイズによる不都合を 制することができる。 また 、 回転子カバー 6 7 0の内径を小さくすることによりシール材 6 7 1の摺動 径が小さくなり、 回転摺動部分における機械的ロスを抑制する ことができる
[0504] (インホイールモータにおける変形例 4)
以下に、 固定子巻線 5 2 1の変形例を説明する。 図 7 5に、 固定子巻線 5 2 1 に関する変形例を示す。
[0505] 図 7 5に示すように、 固定子巻線 5 2 1は、 横断面が矩形状をなす導線材 を用い、 その導線材の長辺が周方向に延びる向きにし て波巻により巻回され ている。 この場合、 固定子巻線 5 2 1 においてコイルサイ ドとなる各相の導 \¥0 2020/175497 130 卩(:171? 2020 /007543
線 5 2 3は、 相ごとに所定ピッチ間隔で配置されるととも に、 コイルエンド で互いに接続されている。 コイルサイ ドにおいて周方向に隣り合う各導線 5 2 3は、 周方向の端面同士が互いに当接するか、 又は微小な間隔を隔てて近 接配置されている。
[0506] また、 固定子巻線 5 2 1では、 コイルエンドにおいて相ごとに導線材が径 方向に折り曲げられている。 より詳しくは、 固定子巻線 5 2 1 (導線材) は 、 軸方向において相ごとに異なる位置にて径方 向内側に折り曲げられており 、 これにより、 II相、 V相及び 相の各相巻線における互いの干渉が回避さ れている。 図示の構成では、 各相卷線で導線材の厚み分だけ異ならせて、 相 ごとに導線材が径方向内側に直角に折り曲げ られている。 周方向に並ぶ各導 線 5 2 3において軸方向の両端間の長さ寸法は各導 5 2 3で同じであると よい。
[0507] なお、 固定子巻線 5 2 1 に固定子コア 5 2 2を組み付けて固定子 5 2 0を 製作する際には、 固定子巻線 5 2 1 において円環状の一部を非接続として切 り離しておき (すなわち、 固定子巻線 5 2 1 を略〇字状にしておき) 、 固定 子卷線 5 2 1の内周側に固定子コア 5 2 2を組み付けた後に、 切り離し部分 を互いに接続させて固定子巻線 5 2 1 を円環状にするとよい。
[0508] 上記以外に、 固定子コア 5 2 2を周方向にて複数 (例えば 3つ以上) に分 割しておき、 円環状に形成された固定子巻線 5 2 1の内周側に、 複数に分割 されたコア片を組み付けるようにすることも 可能である。
[0509] (他の変形例)
例えば図 5 0に示すように、 回転電機 5 0 0では、 冷却水通路 5 4 5の 入口通路 5 7 1 と出口通路 5 7 2とが一力所にまとめて設けられているが、 この構成を変更し、 入口通路 5 7 1 と出口通路 5 7 2とが周方向に異なる位 置にそれぞれ設けられていてもよい。 例えば、 入口通路 5 7 1 と出口通路 5 7 2とを周方向に 1 8 0度異なる位置に設ける構成や、 入口通路 5 7 1及び 出口通路 5 7 2の少なくともいずれかを複数設ける構成で ってもよい。
[0510] 上記実施形態の車輪 4 0 0では、 回転電機 5 0 0の軸方向の片側に回転 \¥0 2020/175497 131 卩(:171? 2020 /007543
軸 5 0 1 を突出させる構成としたが、 これを変更し、 軸方向の両方に回転軸 5 0 1 を突出させる構成としてもよい。 これにより、 例えば車両前後の少な くとも一方が 1輪となる車両において好適な構成を実現で る。
[051 1 ] 車輪 4 0 0に用いられる回転電機 5 0 0として、 インナロータ式の回転 電機を用いることも可能である。
[0512] (変形例 1 5)
第 1実施形態において、 磁石ユニッ ト 4 2の磁石 9 1 , 9 2の断面形状 ( 回転子 4 0の軸方向から見た断面形状) は、 円弧状とされている。 このため 、 磁石 9 1 , 9 2の寸法 (厚さなど) を測定する場合、 測定公差が大きくな る虞がある。 つまり、 磁石 9 1 , 9 2の径方向の厚さ寸法や周方向の幅寸法 を測定しようとしても、 円弧状であることから、 どこを対象として測定する かによって誤差が大きくなる虞がある。 特に、 磁石 9 1 , 9 2は、 焼結磁石 とされているため、 角部分が丸くなりやすく、 測定公差が大きくなる要因と なり得る。 そこで、 上記実施形態又は変形例における磁石ユニッ ト 4 2の磁 石 9 1 , 9 2の形状を以下のように変更してもよい。 なお、 この変形例にお いて磁石ユニッ ト 4 2は、 固定子 5 0の径方向外側に配置されている。
[0513] 磁石ユニッ ト 4 2の磁石 1 0 0 1は、 磁極中心である 軸の側において、 磁極境界である 9軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行となるよう に磁化容易軸が円弧状に配向され、 その磁化容易軸に沿って円弧状の磁石磁 路が形成されている。 なお、 周方向に隣り合う磁極の極性が異なるように 、 周方向に隣接する磁石 1 〇〇 1 との間で、 着磁方向を異ならせている。 また 、 磁石 1 0 0 1は、 軸を中心として、 周方向に隣接する 軸の間に設けら れている。
[0514] なお、 前述したように、 磁石ユニッ ト 4 2の表面磁束密度分布は、 正弦波 状であることが望ましい。 また、 最高磁束密度 (〇1軸における磁束密度) は 、 高い方が望ましい。 つまり、 磁石磁路がなるベく長くなるように形成され ることが望ましい。 このため、 磁石 1 〇〇 1の周方向端面同士が接触、 又は なるべく接近するように円弧状に形成するこ とが望ましい。 \¥0 2020/175497 132 卩(:171? 2020 /007543
[0515] そこで、 磁石 1 0 0 1は、 回転子 4 0の軸方向から見て、 回転軸 1 4を中 心とする円弧状に形成されている。 そして、 磁石 1 0 0 1が周方向において 隙間なく並べられて配置されることにより、 円環状の磁石ユニッ ト 4 2が構 成されるようになっている。
[0516] この磁石 1 0 0 1 には、 平面となる第 1基準面 1 1 0 0と、 当該第 1基準 面 1 1 0 0に対して平行となる第 2基準面 1 2 0 0とが設けられている。 こ の変形例において、 第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 2 0 0は、 磁石 1 0 0 1の径方向両側に設けられている。 第 1基準面 1 1 0 0は、 磁石 1 0 0 1の反固定子側周面 1 0 0 4 (反電機子側周面) に設けられ、 第 2基準面 1 2 0 0は、 磁石 1 0 0 1の固定子側周面 1 0 0 3 (電機子側周面) に設けら れている。
[0517] 具体的には、 第 1基準面 1 1 0 0は、 反固定子側周面 1 0 0 4である磁石
1 0 0 1の外周面において、 軸の側である周方向中央部における円弧を削 るように設けられている。 また、 第 2基準面 1 2 0 0は、 固定子側周面 1 0 0 3である磁石 1 0 0 1の内周面において、 軸の側である周方向両端部に おける円弧を削るように設けられている。 図 7 6において、 第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0は、 軸に垂直な平面となっているが、 傾いて もよい。
[0518] そして、 検査などで磁石 1 0 0 1の寸法を測定する場合、 第 1基準面 1 1
0 0と、 第 2基準面 1 2 0 0との間の距離 (基準面に対して垂直方向におけ る距離) を測定するようになっている。
[0519] 次に、 磁石 1 0 0 1の製造方法の概略について説明する。 各磁石 1 0 0 1 は、 焼結法により製造される焼結磁石である。 すなわち、 生成したネオジム 、 ホウ素、 鉄などの原料を溶解し、 合金化する (第 1工程) 。 次に、 第 1エ 程で得られた合金を粒子状に粉砕する (第 2工程) 。 そして、 金型の中に第 2工程で得られた粉体を入れて、 磁界中で加圧成形する (第 3工程) 。 この 金型において成形されることにより、 磁石 1 〇〇 1の断面形状が円弧状とさ れる。 加圧成形された後、 成形物は、 焼結され (第 4工程) 、 焼結終了後、 \¥0 2020/175497 133 卩(:171? 2020 /007543
熱処理される (第 5工程) 。 熱処理においては何回か加熱冷却が行われる 。 そして、 研削などの機械加工や表面加工が行われる (第 6工程) 。 この工程 において、 磁石 1 0 0 1の外周面において、 周方向中央部における円弧が削 られ、 第 1基準面 1 1 0 0が形成される。 また、 磁石 1 0 0 1の内周面にお いて、 周方向両端部における円弧が削られ、 第 2基準面 1 2 0 0が形成され る。 なお、 第 1基準面 1 1 〇〇と、 第 2基準面 1 2 0 0は、 別々に形成して もよいし、 同時に形成してもよい。 その後、 着磁されることにより (第 7エ 程) 、 各磁石 1 〇〇 1が完成する。
[0520] 上記変形例では、 以下の効果を有する。 上記変形例において、 各磁石 1 0
0 1は、 回転子 4 0の軸方向から見て、 円弧状に形成されているとともに、 平面となる第 1基準面 1 1 0 0と、 当該第 1基準面 1 1 〇〇に対して平行と なる第 2基準面 1 2 0 0とが設けられている。 このため、 磁石 1 0 0 1 を円 弧状に形成されていたとしても、 基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0間の距離を測定 することにより、 測定公差を小さくすることができる。 また、 第 1基準面 1 1 0 0と第 2基準面 1 2 0 0とは、 互いに平行とされているため、 切削加工 により、 容易に製造することができる。
[0521 ] また、 第 1基準面 1 1 0 0と第2基準面1 2 0 0は、 平面であるため、 円 筒部 4 3に対して磁石 1 0 0 1のまわり止めとして機能させることができ 。 また、 反固定子側周面 1 0 0 4において、 軸の側の部分は、 磁石磁路が 短くなりやすい部分である。 このため、 この部分を削るように第 1基準面 1 1 0 0を設けても、 磁束密度への影響を抑制することができる。 また、 固定 子側周面 1 0 0 3において、 軸の側の部分は、 磁石磁路が短くなりやすい 部分である。 このため、 この部分を削るように第 2基準面 1 2 0 0を設けて も、 磁束密度への影響を抑制することができる。 また、 上記構成にすること により、 軸の方向において、 円弧状の磁石 1 0 0 1の突出部分を切削すれ ば、 各基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0を容易に設けることができる。
[0522] (変形例 1 5の別例)
-上記変形例 1 5において、 磁石 1 0 0 1の形状を図 7 7に示す磁石 1 0 \¥0 2020/175497 134 卩(:171? 2020 /007543
1 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 5と同様に、 回転子 4 0 は、 固定子 5 0の径方向外側に配置されている。 また、 磁石 1 0 1 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 〇〇 1 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。
[0523] —方で、 図 7 7に示す磁石ユニッ ト 4 2の磁石 1 0 1 1は、 車由と、 当該
¢1軸に対して周方向に隣接する 軸との間に設けられている。 そして、 第 1 基準面 1 1 0 0は、 反固定子側周面 1 0 1 4である磁石 1 0 1 1の外周面に おいて、 ¢1軸の側である周方向端部における円弧を削 るように設けられてい る。 つまり、 第 1基準面 1 1 〇〇は、 磁石 1 0 1 1の反固定子側において、 軸側の角部分を削るように設けられている。
[0524] また、 第 2基準面 1 2 0 0は、 固定子側周面 1 0 1 3である磁石 1 0 1 1 の内周面において、 軸の側である周方向端部における円弧を削る ように設 けられている。 つまり、 第 2基準面 1 2 0 0は、 磁石 1 0 1 1の固定子側に おいて、 軸側の角部分を削るように設けられている。 図 7 7において、 各 基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0は、 軸に対して 4 5度の角度となるように設け られているが、 任意に変更してもよい。
[0525] 反固定子側周面 1 0 1 4において、 軸の側の部分は、 磁石磁路が短くな りやすい部分である。 また、 固定子側周面 1 0 1 3において、 軸の側の部 分は、 磁石磁路が短くなりやすい部分である。 このため、 上記構成にするこ とにより、 磁束密度への影響を抑制しつつ、 基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0を設 けることができる。 また、 上記構成にすることにより、 所定方向において、 円弧状の磁石 1 〇 1 1の突出部分を切削することにより、 各基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0を容易に設けることができる。
[0526] また、 円筒部 4 3の内周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 4 2の側 へ突出する突出部 1 0 1 5が設けられている。 この突出部 1 0 1 5は、 周方 向において、 磁石 1 0 1 1の第 1基準面 1 1 0 0に対して係合する係合部に 相当する。 このため、 磁石 1 0 1 1のまわり止めとして機能する。 なお、 突 出部 1 0 1 5を設けなくてもよい。 \¥0 2020/175497 135 卩(:171? 2020 /007543
[0527] 上記変形例 1 5において、 磁石 1 0 0 1の形状を図 7 8に示す磁石 1 0
2 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 5と同様に、 回転子 4 0 は、 固定子 5 0の径方向外側に配置されている。 また、 磁石 1 0 2 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 〇〇 1 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。
[0528] —方で、 図 7 8に示すように、 磁石 1 0 2 1は、 9軸を中心として、 周方 向に隣接する ¢1軸の間に設けられている。
[0529] そして、 第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0は、 各磁石 1 0 2 1 の周方向両側に設けられている。 図 7 8では、 各磁石 1 0 2 1の反固定子側 において、 周方向両側における角部分を切除するように 、 第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0が設けられている。 これらの第 1基準面 1 1 0 0 及び第 2基準面 1 2 0 0は、 9軸に沿って 9軸に平行となる平面とされてい るが、 軸に対して傾いてもよい。
[0530] 前述したように、 各磁石 1 0 2 1の反固定子側において、 軸側の部分は 磁石磁路が短くなりやすい部分である。 このため、 磁束密度を低減させるこ となく、 第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 2 0 0を設けることができる 。 また、 軸に対して垂直となる方向における突出部分 を切除することによ り、 第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0を各磁石 1 0 2 1 に容易に 設けることができる。
[0531 ] また、 円筒部 4 3の内周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 4 2の側 へ突出する突出部 1 0 2 5が設けられている。 この突出部 1 0 2 5は、 周方 向において、 磁石 1 0 2 1の第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0に 対して係合する係合部に相当する。 このため、 磁石 1 0 2 1のまわり止めと して機能する。 なお、 突出部 1 〇 2 5を設けなくてもよい。
[0532] 上記変形例 1 5において、 磁石 1 0 0 1の形状を図 7 9に示す磁石 1 0
3 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 5と同様に、 回転子 4 0 は、 固定子 5 0の径方向外側に配置されている。 また、 磁石 1 0 3 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 〇〇 1 と同様である。 また、 製造 \¥02020/175497 136 卩(:171? 2020 /007543
方法も同様である。 また、 図 79に示す磁石 1 03 1は、 磁石 1 001 と同 様に 軸を中心として、 周方向に隣接する 軸の間に設けられている。
[0533] —方で、 図 79に示すように各磁石 1 03 1の固定子側において、 周方向 両端部における角部分を切欠くように、 切欠き部 1 033, 1 034が設け られている。 各切欠き部 1 033, 1 034は、 各磁石 1 03 1の周方向両 側において、 それぞれ左右対称に設けられている。
[0534] この切欠き部 1 033, 1 034は、 角部分を三角形状に切除するように 設けられている。 各切欠き部 1 033, 1 034の周方向中央側 ( 軸側) の壁面が、 それぞれ第 1基準面 1 1 〇〇、 第 2基準面 1 200とされている 。 磁石 1 03 1 における第 1基準面 1 1 00及び第 2基準面 1 200は、 軸に平行な平面とされている。 なお、 各切欠き部 1 033, 1 034の底面 は、 ¢1軸に対して垂直な平面とされている。
[0535] 前述したように、 各磁石 1 03 1の固定子側において、 軸側の部分は磁 石磁路が短くなりやすい部分である。 このため、 磁束密度を低減させること なく、 第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 200を設けることができる。 また、 磁石 1 03 1の内周面側において、 周方向両端部の角部分を左右対称 に切除すればよいため、 基準面 1 1 00, 1 200を各磁石 1 03 1 に容易 に設けることができる。
[0536] 上記変形例 1 5において、 磁石 1 001の形状を図 80に示す磁石 1 0
4 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 5と同様に、 回転子 40 は、 固定子 50の径方向外側に配置されている。 また、 磁石 1 04 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 〇〇 1 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。
[0537] —方で、 図 80に示す磁石 1 04 1は、 9軸を中心として、 周方向に隣接 する 軸の間に設けられている。 そして、 各磁石 1 04 1の反固定子側にお いて、 周方向両端部における角部分を切欠くように 、 切欠き部 1 043, 1 044が設けられている。 各切欠き部 1 043, 1 044は、 各磁石 1 04 1の周方向両側において、 それぞれ左右対称に設けられている。 \¥0 2020/175497 137 卩(:171? 2020 /007543
[0538] この切欠き部 1 0 4 3 , 1 0 4 4は、 角部分を三角形状に切除するように 設けられている。 各切欠き部 1 0 4 3 , 1 0 4 4の周方向中央側 (9軸側) の壁面が、 それぞれ第 1基準面 1 1 〇〇、 第 2基準面 1 2 0 0とされている 。 磁石 1 0 4 1 における第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0は、 9 軸に平行な平面とされている。 なお、 各切欠き部 1 0 4 3 , 1 0 4 4の底面 は、 軸に対して垂直な平面とされている。
[0539] 前述したように、 各磁石 1 0 4 1の反固定子側において、 軸側の部分は 磁石磁路が短くなりやすい部分である。 このため、 磁束密度を低減させるこ となく、 第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 2 0 0を設けることができる 。 また、 磁石 1 0 4 1の外周面側において、 周方向両端部の角部分を左右対 称に切除すればよいため、 基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0を各磁石 1 0 4 1 に容 易に設けることができる。
[0540] また、 円筒部 4 3の内周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 4 2の側 へ突出する突出部 1 0 4 5が設けられている。 この突出部 1 0 4 5は、 周方 向において、 磁石 1 0 4 1の第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0に 対して係合する係合部に相当する。 このため、 磁石 1 0 4 1のまわり止めと して機能する。 なお、 突出部 1 〇 4 5を設けなくてもよい。
[0541 ] 上記変形例 1 5において、 磁石 1 0 0 1の形状を図 8 1 に示す磁石 1 0
5 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 5と同様に、 回転子 4 0 は、 固定子 5 0の径方向外側に配置されている。 また、 磁石 1 0 5 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 〇〇 1 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。
[0542] —方で、 図 8 1 に示す磁石ユニッ ト 4 2の磁石 1 0 5 1は、 車由と、 当該
¢1軸に対して周方向に隣接する 軸との間に設けられている。 そして、 磁石 1 0 5 1の周方向における 軸側端面が、 第 2基準面 1 2 0 0とされている 。 この第 2基準面 1 2 0 0は、 9軸に沿った平面である。
[0543] 一方で、 磁石 1 0 5 1の反固定子側において、 軸側の角部分には、 9軸 に平行な平面が設けられており、 当該平面が第 1基準面 1 1 〇〇とされる。 \¥0 2020/175497 138 卩(:171? 2020 /007543
つまり、 磁石 1 0 5 1の反固定子側において、 軸側の角部分を切除するよ うに、 第 1基準面 1 1 0 0が設けられている。
[0544] 前述したように、 各磁石 1 0 5 1の反固定子側において、 軸側の部分は 磁石磁路が短くなりやすい部分である。 このため、 磁束密度を低減させるこ となく、 第 1基準面 1 1 0 0を設けることができる。 また、 軸に垂直とな る方向における磁石 1 0 5 1の突出部分を、 軸に沿って切除すればよいた め、 基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0を容易に設けることができる。
[0545] また、 円筒部 4 3の内周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 4 2の側 へ突出する突出部 1 0 5 5が設けられている。 この突出部 1 0 5 5は、 周方 向において、 磁石 1 0 5 1の第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0に 対して係合する係合部に相当する。 このため、 磁石 1 0 5 1のまわり止めと して機能する。 なお、 突出部 1 〇 5 5を設けなくてもよい。
[0546] (変形例 1 6)
変形例 1 5では、 回転子 4 0の磁石ユニッ ト 4 2が、 固定子 5 0の固定子 巻線 5 1の径方向外側に配置されるアウタロータ式 回転電機 1 0であった が、 磁石ユニッ ト 4 2が、 固定子 5 0の固定子巻線 5 1の径方向内側に配置 されるインナロータ式の回転電機 1 0に採用してもよい。 変形例 1 6では、 図 8 2を参照して、 インナロータ式の回転電機 1 0における磁石の形状につ いて説明する。
[0547] 図 8 2に示すように、 磁石ユニッ ト 4 2の磁石 1 1 0 1は、 磁極中心であ る ¢1軸の側において、 磁極境界である 軸の側に比べて磁化容易軸の向きが 軸に平行となるように磁化容易軸が円弧状に 配向され、 その磁化容易軸に 沿って円弧状の磁石磁路が形成されている。 なお、 周方向に隣り合う磁極の 極性が異なるように、 周方向に隣接する磁石 1 1 0 1間において、 着磁方向 を異ならせている。 また、 磁石 1 1 0 1は、 軸を中心として、 周方向に隣 接する ¢1軸の間に設けられている。
[0548] また、 変形例 1 5と同様に、 磁石 1 1 0 1は、 回転子 4 0の軸方向から見 て、 回転軸 1 4を中心とする円弧状に形成されている。 そして、 磁石 1 1 0 \¥0 2020/175497 139 卩(:171? 2020 /007543
1が周方向において隙間なく並べられて配 されることにより、 円環状の磁 石ユニッ ト 4 2が構成されるようになっている。
[0549] この磁石 1 1 0 1 には、 平面となる第 1基準面 1 1 0 0と、 当該第 1基準 面 1 1 0 0に対して平行となる第 2基準面 1 2 0 0とが設けられている。 こ の変形例において、 第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 2 0 0は、 磁石 1 1 〇 1の径方向両側に設けられている。 第 1基準面 1 1 〇〇は、 磁石 1 1 0 1の反固定子側周面 1 1 0 3 (反電機子側周面) に設けられ、 第 2基準面 1 2 0 0は、 磁石 1 1 0 1の固定子側周面 1 1 0 4 (電機子側周面) に設けら れている。
[0550] 具体的には、 第 1基準面 1 1 0 0は、 反固定子側周面 1 1 0 3である磁石
1 1 0 1の内周面において、 ¢1軸の側である周方向両端部における円弧を 削 るように設けられている。 また、 第 2基準面 1 2 0 0は、 固定子側周面 1 1 0 4である磁石 1 1 0 1の外周面において、 軸の側である周方向中央部に おける円弧を削るように設けられている。 図 8 2において、 第 1基準面 1 1 0 0及び第 2基準面 1 2 0 0は、 9軸に垂直な平面となっているが、 傾いて もよい。 なお、 磁石 1 1 0 1の測定方法や、 製造方法は、 変形例 1 5と同様 である。 上記構成により、 変形例 1 5と同様の効果を得ることができる。
[0551 ] また、 円筒部 4 3の外周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 4 2の側 へ突出する突出部 1 1 0 5が設けられている。 この突出部 1 1 0 5は、 周方 向において、 磁石 1 1 0 1の第 1基準面 1 1 0 0に対して係合する係合部に 相当する。 このため、 磁石 1 1 0 1のまわり止めとして機能する。 なお、 突 出部 1 1 0 5を設けなくてもよい。
[0552] (変形例 1 6の別例)
-上記変形例 1 6において、 磁石 1 1 0 1の形状を図 8 3に示す磁石 1 1 1 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 6と同様に、 回転子 4 0 は、 固定子 5 0の径方向内側に配置されている。 また、 磁石 1 1 1 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 1 0 1 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。 \¥0 2020/175497 140 卩(:171? 2020 /007543
[0553] —方で、 図 8 3に示す磁石ユニッ ト 4 2の磁石 1 1 1 1は、 車由と、 当該
¢1軸に対して周方向に隣接する 軸との間に設けられている。 そして、 第 1 基準面 1 1 0 0は、 反固定子側周面 1 1 1 3である磁石 1 1 1 1の内周面に おいて、 ¢1軸の側である周方向端部における円弧を削 るように設けられてい る。 つまり、 第 1基準面 1 1 〇〇は、 磁石 1 1 1 1の反固定子側において、 軸側の角部分を削るように設けられている。
[0554] また、 第 2基準面 1 2 0 0は、 固定子側周面 1 1 1 4である磁石 1 1 1 1 の外周面において、 軸の側である周方向端部における円弧を削る ように設 けられている。 つまり、 第 2基準面 1 2 0 0は、 磁石 1 1 1 1の固定子側に おいて、 軸側の角部分を削るように設けられている。 図 8 2において、 各 基準面 1 1 0 0 , 1 2 0 0は、 9軸に対して 4 5度の傾きとなるように設け られているが、 角度を任意に変更してもよい。
[0555] また、 円筒部 4 3の外周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 4 2の側 へ突出する突出部 1 1 1 5が設けられている。 この突出部 1 1 1 5は、 周方 向において、 磁石 1 1 1 1の第 1基準面 1 1 0 0に対して係合する係合部に 相当する。 このため、 磁石 1 1 1 1のまわり止めとして機能する。 なお、 突 出部 1 1 1 5を設けなくてもよい。
[0556] 上記変形例 1 6において、 磁石 1 1 0 1の形状を図 8 4に示す磁石 1 1
2 1 ように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 6と同様に、 回転子 4 0は 、 固定子 5 0の径方向内側に配置されている。 また、 磁石 1 1 2 1の磁化容 易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 1 0 1 と同様である。 また、 製造方 法も同様である。
[0557] —方で、 図 8 4に示すように、 磁石 1 1 2 1は、 軸を中心として、 周方 向に隣接する 9軸の間に設けられている。 そして、 第 1基準面 1 1 〇〇及び 第 2基準面 1 2 0 0は、 各磁石 1 1 2 1の周方向両側に設けられている。 図 8 4では、 各磁石 1 1 2 1の固定子側において、 周方向両側における角部分 を切除するように、 第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 2 0 0が設けられ ている。 これらの第 1基準面 1 1 〇〇及び第 2基準面 1 2 0 0は、 軸に沿 \¥02020/175497 141 卩(:171? 2020 /007543
つた平面とされているが、 〇1軸に対して傾いてもよい。
[0558] 上記変形例 1 6において、 磁石 1 1 01の形状を図 85に示す磁石 1 1
3 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 6と同様に、 回転子 40 は、 固定子 50の径方向内側に配置されている。 また、 磁石 1 1 3 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 1 01 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。 また、 図 85に示す磁石 1 1 3 1は、 磁石 1 1 01 と同 様に 軸を中心として、 周方向に隣接する ¢1軸の間に設けられている。
[0559] —方で、 図 85に示すように各磁石 1 1 3 1の反固定子側において、 周方 向両端部における角部分を切欠くように、 切欠き部 1 1 33, 1 1 34が設 けられている。 各切欠き部 1 1 33, 1 1 34は、 各磁石 1 1 3 1の周方向 両側に、 それぞれ左右対称に設けられている。
[0560] この切欠き部 1 1 33, 1 1 34は、 角部分を三角形状に切除するように 設けられている。 各切欠き部 1 1 33, 1 1 34の周方向中央側 (9軸側) の壁面が、 それぞれ第 1基準面 1 1 〇〇、 第 2基準面 1 200とされている 。 磁石 1 1 3 1 における第 1基準面 1 1 00及び第 2基準面 1 200は、 9 軸に平行な平面とされている。 なお、 各切欠き部 1 1 33, 1 1 34の底面 は、 軸に対して垂直な平面とされている。
[0561] また、 円筒部 43の外周面には、 径方向において、 磁石ユニッ ト 42の側 へ突出する突出部 1 1 35が設けられている。 この突出部 1 1 35は、 周方 向において、 磁石 1 1 3 1の第 1基準面 1 1 00及び第 2基準面 1 200に 対して係合する係合部に相当する。 このため、 磁石 1 1 3 1のまわり止めと して機能する。 なお、 突出部 1 1 35を設けなくてもよい。
[0562] 上記変形例 1 6において、 磁石 1 1 01の形状を図 86に示す磁石 1 1
4 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 6と同様に、 回転子 40 は、 固定子 50の径方向外側に配置されている。 また、 磁石 1 1 4 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 1 01 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。
[0563] —方で、 図 86に示す磁石 1 1 4 1は、 軸を中心として、 周方向に隣接 \¥02020/175497 142 卩(:171? 2020 /007543
する 軸の間に設けられている。 そして、 各磁石 1 1 4 1の固定子側におい て、 周方向両端部における角部分を切欠くように 、 切欠き部 1 1 43, 1 1 44が設けられている。 各切欠き部 1 1 43, 1 1 44は、 各磁石 1 1 4 1 の周方向両側に、 それぞれ左右対称に設けられている。
[0564] この切欠き部 1 1 43, 1 1 44は、 角部分を三角形状に切除するように 設けられている。 各切欠き部 1 1 43, 1 1 44の周方向中央側 ( 軸側) の壁面が、 それぞれ第 1基準面 1 1 〇〇、 第 2基準面 1 200とされている 。 磁石 1 1 4 1 における第 1基準面 1 1 00及び第 2基準面 1 200は、 軸に平行な平面とされている。 なお、 各切欠き部 1 1 43, 1 1 44の底面 は、 ¢1軸に対して垂直な平面とされている。
[0565] 上記変形例 1 6において、 磁石 1 1 01の形状を図 87に示す磁石 1 1
5 1のように変更してもよい。 なお、 上記変形例 1 6と同様に、 回転子 40 は、 固定子 50の径方向内側に配置されている。 また、 磁石 1 1 5 1の磁化 容易軸、 磁石磁路及び着磁方向は、 磁石 1 1 01 と同様である。 また、 製造 方法も同様である。
[0566] —方で、 図 87に示す磁石ユニッ ト 42の磁石 1 1 5 1は、 車由と、 当該
¢1軸に対して周方向に隣接する 軸との間に設けられている。 そして、 磁石 1 1 5 1の周方向における 軸側端面が、 第 1基準面 1 1 00とされている 。 この第 1基準面 1 1 00は、 軸に沿った平面である。
[0567] —方で、 磁石 1 1 5 1の固定子側において、 9軸側の角部分には、 軸に 平行な平面が設けられており、 当該平面が第 2基準面 1 200とされる。 つ まり、 磁石 1 1 5 1の固定子側において、 軸側の角部分を切除するように 、 第 2基準面 1 200が設けられている。
[0568] この明細書における開示は、 例示された実施形態に制限されない。 開示は 、 例示された実施形態と、 それらに基づく当業者による変形態様を包含 する 。 例えば、 開示は、 実施形態において示された部品および/また 要素の組 み合わせに限定されない。 開示は、 多様な組み合わせによって実施可能であ る。 開示は、 実施形態に追加可能な追加的な部分をもつこ とができる。 開示 \¥0 2020/175497 143 卩(:171? 2020 /007543
は、 実施形態の部品および/または要素が省略さ たものを包含する。 開示 は、 ひとつの実施形態と他の実施形態との間にお ける部品および/または要 素の置き換え、 または組み合わせを包含する。 開示される技術的範囲は、 実 施形態の記載に限定されない。 開示されるいくつかの技術的範囲は、 請求の 範囲の記載によって示され、 さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範 囲 内での全ての変更を含むものと解されるべき である。
[0569] 本開示は、 実施例に準拠して記述されたが、 本開示は当該実施例や構造に 限定されるものではないと理解される。 本開示は、 様々な変形例や均等範囲 内の変形をも包含する。 加えて、 様々な組み合わせや形態、 さらには、 それ らに一要素のみ、 それ以上、 あるいはそれ以下、 を含む他の組み合わせや形 態をも、 本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
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