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Patent Searching and Data


Title:
ROTAXANE COMPOUND AND ANTITUMOR AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047094
Kind Code:
A1
Abstract:
An antitumor agent which is not easily excreted from tumor cells and is suitable for a topical treatment.  Specifically disclosed is a rotaxane compound which contains a compound represented by chemical formula 1 as the base structure.  (In chemical formula 1, m ≥ 2, n ≥ 3 and X represents an anionic molecule or an anionic atom.)

Inventors:
TAKATA TOSHIKAZU (JP)
KOYAMA YASUHITO (JP)
NAKAZONO KAZUKO (JP)
HASEGAWA TOSHIHIDE (JP)
LEE YOUNG-GI (JP)
ONO NOBUFUMI (JP)
NISHIO KAZUTO (JP)
FUJITA YOSHIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/005503
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
WAN STATION CO LTD (JP)
TOKYO INST TECH (JP)
UNIV FUKUOKA (JP)
UNIV KINKI (JP)
TAKATA TOSHIKAZU (JP)
KOYAMA YASUHITO (JP)
NAKAZONO KAZUKO (JP)
HASEGAWA TOSHIHIDE (JP)
LEE YOUNG-GI (JP)
ONO NOBUFUMI (JP)
NISHIO KAZUTO (JP)
FUJITA YOSHIHIKO (JP)
International Classes:
C07D323/00; A61K31/357; A61P35/00
Domestic Patent References:
WO2008044704A12008-04-17
Foreign References:
JP2009067699A2009-04-02
JP3741706B22006-02-01
JP3887008B12007-02-28
Other References:
NOBUHIRO KIHARA ET AL.: "Direct preparation of rotaxane from aminoalcohol: selective 0-acylation of aminoalcohol in the presence of trifluoromethanesulfonic acid and crown ether", CHEMISTRY LETTERS, vol. 6, 2001, pages 592 - 593, XP003022166
"Cho Bunshi Kagobutsu (Rotaxane) no Gan Saibo Zoshoku ni Taisuru Eikyo", HEISEI 19 NENDO DAI 24 KAI NIPPON YAKUGAKKAI KYUSHU SHIBU TAIKAI KOEN YOSHISHU, 15 November 2007 (2007-11-15), pages 107, XP008146971
"89th Annual Meeting of Chemical Society of Japan in Spring Koen Yokoshu II", 13 March 2009, article "Kogan Kassei o Motsu Rotaxane no Gosei", pages: 875, XP008146972
See also references of EP 2348021A4
Attorney, Agent or Firm:
KURODA, Hiromichi et al. (JP)
Hiromichi Kuroda (JP)
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Claims:
 下記化学式1で表される化合物を基本骨格として包含するロタキサン化合物(ただし、m≧2かつn≧3、Xは陰イオン分子又は陰イオン原子)。
 m,n≦5である請求項1記載のロタキサン化合物。
 請求項1又は2記載のロタキサン化合物を有効成分として含有する抗ガン剤。
Description:
ロタキサン化合物及び抗ガン剤

 本発明は、抗ガン剤として使用可能なロ キサン化合物及びこれを有効成分として含 する抗ガン剤に関する。

 多くの抗ガン剤は、ガン細胞の内部に吸収 れて初めてその抗ガン作用を発揮すること なる。そのため、ガン細胞の受容体を介し 取り込みを容易にすべく、低分子量でかつ 定な構造の薬剤が抗ガン剤として有効であ と考えられてきた。
 しかし、受容体を介してガン細胞内に容易 吸収され得る抗ガン剤はそれゆえに逆に細 から排出されやすいため、抗ガン作用を発 するに十分な時間、ガン細胞内に留まって られないことがあるという問題点があった また、このような、受容体を介して吸収さ やすい抗ガン剤はガン細胞のみならず正常 胞にも取り込まれやすいため、局所的な治 が困難であるとともに、正常細胞を傷害す ことによる副作用の問題も生じることとな ていた。

 一方、共有結合を介さずに2個の環状分子が 鎖状に連結したカテナン化合物や、1個の環 分子を直鎖状の分子が共有結合を介さずに 通した構造を有するロタキサン化合物のよ な高分子化合物は、分子量が大きくかつ2個 構成単位間の位置関係の自由度が高いこと ら、一度細胞内に取り込まれれば容易に排 されることはないと考えられる。よって、 のような高分子化合物は抗ガン剤として有 であると考えられる。このような高分子化 物を利用した抗ガン剤は下記の特許文献1( テナン化合物)及び特許文献2(ロタキサン化 物)として開示されている。

特許第3741706号公報

特許第3887008号公報

 前記特許文献2で開示のロタキサン化合物 は、下記化学式2に示すような構造を有する のであった。

 上記化学式2に示す化合物は、同特許文献に 記載の通り、ガン細胞に対する増殖抑制効果 が認められていたが、本発明は、上記化合物 より分子量が大きく、かつ同化合物と同等又 はそれ以上の抗ガン剤効果を有するロタキサ ン化合物の提供を目的とするものである。

 上記課題に鑑み、本発明に係るロタキサ 化合物は、下記化学式3で表される化合物を 基本骨格として包含することを特徴とする( だし、m≧3かつn≧2、Xは陰イオン分子又は陰 イオン原子)。

 なお、ここで、上記化合物を基本骨格とし 包含する化合物とは、上記化合物そのもの みならず、上記化合物に適当な置換基を付 したものをいう。すなわち、本発明におい は上記各化合物を基本骨格として有してい ば、環状部分に官能基が含まれていてもよ 。具体的な官能基としては、構造上導入可 なものである限り特に制限はないが、たと ば、メルカプトメチル基、メルカプト基、 ミノメチル基、アミノ基、水酸基、ヒドロ シメチル基、カルボキシル基、カルボキシ チル基、ハロゲン基、エーテル基、チオエ テル基、カルバメート基、アミド基、ペプ ド基、ビニル基、アリル基、エチニル基、 ルデヒド基、アクリレート基、メタクリレ ト基等が挙げられる。また、1分子あたりに 導入される官能基の数は、構造上可能であれ ば特に制限はない。

 また、上記「X」として表記される陰イオン 分子又は陰イオン原子についても特に制限は ないが、具体的には、過塩素酸イオン、トリ フルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフ ルオロリン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオ ン、テトラフルオロホウ酸イオン等が挙げら れる。
 本発明に係るロタキサン化合物のうち、最 低分子のものは下記化学式4に示すような、 m=2かつn=3の場合である。

 この化学式4に示すロタキサン化合物は、正 式には[2][(3,5-dimethylphenylcarboxyethyl)(3,5-dimethylph enylcarboxypropyl)ammonium-rotaxa-[2,5,8,11,13,16,19,22-octa oxa-1,12(1,2)-dibenzenacyclodocosaphane]]trifluoromethanesul fonateと呼ばれる化合物であり、分子量は982で ある。
 また、本発明に係るロタキサン化合物につ ては、m,n≦5であることが望ましい。この場 合、mとnの可能な組み合わせは上記化学式4の (2,3)の場合の他、(2,4)、(2,5)、(3,3)、(3,4)、(3,5) 、(4,4)、(4,5)及び(5,5)の9通りあり、このよう ロタキサン化合物のうち、最も高分子のも は下記化学式5に示すような、m=n=5の場合で る。

 この化学式5に示すロタキサン化合物は、正 式には[2][bis(3,5-dimethylphenylcarboxypentyl)ammonium-ro taxa-[2,5,8,11,13,16,19,22-octaoxa-1,12(1,2)-dibenzenacyclod ocosaphane]]trifluoromethanesulfonateと呼ばれる化合 であり、分子量は1052である。
 これらのロタキサン化合物はいずれも、両 に比較的大きな分子が結合した棒状部分と この棒状部分が挿入された環状部分(クラウ ンエーテル)の2つの部分からなる。環状部分 、棒状部分が挿入された状態であるため、 状部分を軸として移動することができる。 かしながら、棒状部分の両端には比較的大 な分子が結合しているため、これがストッ ーとなって環状部分が棒状部分から離脱す ことはできない。

 このように、棒状部分と環状部分は連結 た構造を有しているものの、これら棒状部 と環状部分とは共有結合によって結合して ない。このため分子の形状が変化しやすく 受容体を介した取り込みが比較的困難とな が、これをガン細胞内に導入するとガン細 の増殖が抑制される。すなわち、本発明に るロタキサン化合物は、抗ガン剤の有効成 として作用することとなる。

 このように、本発明によれば、ガン細胞 ら排出されにくくかつ局所的治療に好適な ガン剤を提供することが可能となる。

TRO-A0014及びTRO-A0015の抗ガン作用の実験 果をグラフにて示したものである。 TRO-A0010の抗ガン作用の実験結果をグラ にて示したものである。

 (1)TRO-A0014
 本発明に係るロタキサン化合物のうち、m=2 n=3のものを「TRO-A0014」とする。このTRO-A0014 、下記化学式6に示すような反応式にて合成 された。

 具体的には、2口ナスフラスコに3-(2-hydroxyeth ylamino)propan-1-ol(200 mg,1.68mmol),Dibenzo-24-crown-8-Eth er(753mg,1.68mmol)とTrifluoromethanesulfonic Acid(148mL,1. 68mmol)を入れてアルゴン置換し、CH 2 Cl 2 (1mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、撹拌した 。そこに、アルゴン置換してCH 2 Cl 2 (2.4mL)に溶解させた3,5-dimethylbenzoyl chloride(566mg ,3.36mmol)を加えた。さらにSilver trifluoromethanesu lfonate(863mg,3.36mmol)を加えた後、0℃から室温に 徐々に昇温させ、そのまま室温で24時間撹拌 た。TLC(CHCl 3 /MeOH=10/1)を確認した後、sat.Na 2 CO 3  aq.を加えて反応を終了した。反応混合物か 有機物をCHCl 3 で抽出後、MgSO 4 で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得ら れた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマト グラフィー(eluent:CHCl 3 /MeOH=1/0~10/1)にかけ、さらにRecycling HPLC(eluent:C HCl 3 )にかけることにより、分離精製し目的物を た。

 目的物は白色の泡状固体であり、収量157mg 収率10%であった。得られた目的物の 1 H NMRスペクトル(400MHz,CDCl 3 ,298K)は、以下の通りであり、上記化学式6の 辺に示す化合物であることが確認された。
 δ 7.65(s,2H),7.52(s,2H),7.40(brd,2H),7.18(s,1H),7.14(s,1 H),6.87(brd,8H),4.51(t,J=4.8Hz,2H),4.25-4.19(m,4H),4.16-4.09 (m,6H),3.97(brd,2H),3.86-3.84(m,8H),3.76-3.68(m,8H),3.39(brd ,2H),2.32(s,6H),2.16(s,6H),2.03-1.93(brd,2H)(単位:ppm)。
 (2)TRO-A0015
 本発明に係るロタキサン化合物のうち、m=n= 3のものを「TRO-A0015」とする。このTRO-A0015は 下記化学式7に示すような反応式にて合成さ た。

 具体的には、2口ナスフラスコに3,3'-azanediyld ipropan-1-ol(200mg,1.50mmol)、Dibenzo-24-crown-8-Ether(808m g,1.80mmol)とTrifluoromethanesulfonic Acid(133mL,1.50mmol) を入れてアルゴン置換し、CH 2 Cl 2 (1mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、撹拌した 。そこに、アルゴン置換してCH 2 Cl 2 (2mL)に溶解させた3,5-dimethylbenzoyl chloride(608mg,3 .61mmol)を加えた。さらにSilver trifluoromethanesulf onate(926mg,3.61mmol)を加えた後、0℃から室温に 々に昇温させ、そのまま室温で27時間撹拌し た。TLC(CHCl 3 /MeOH=10/1)を確認した後、sat.Na 2 CO 3  aq.を加えて反応を終了した。反応混合物か 有機物をCHCl 3 で抽出後、MgSO 4 で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得ら れた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマト グラフィー(eluent:CHCl 3 /MeOH=1/0~10/1)にかけ、さらにRecycling HPLC(eluent:C HCl 3 )にかけることにより、分離精製し目的物を た。

 目的物は白色の泡状固体であり、収量142mg 収率9%であった。得られた目的物の 1 H NMRスペクトル(400MHz,CDCl 3 ,298K)は、以下の通りであり、上記化学式7の 辺に示す化合物であることが確認された。
 δ 7.54(s, 4H), 7.17(s, 2H), 6.86(brd, 8H), 4.18-4. 17(m, 8H),4.12(t,J=6.4Hz,4H),3.88-3.87(m,8H),3.73(brd,8H),3 .56-3.47(m,4H),2.30(s,12H),2.04-1.94(m,4H)(単位:ppm)。
 (3)TRO-A0010
 本発明に係るロタキサン化合物のうち、m=n= 5のものを「TRO-A0010」とする。下記化学式8に すこのTRO-A0010は、下記方法にて合成された

 すなわち、2口ナスフラスコにbis(1-pentanol)ami ne(190mg,0.65mmol)、Dibenzo-24-crown-8-Ether(350mg,0.78mmol )とTrifluoromethanesulfonic Acid(58mL,0.65mmol)を入れ アルゴン置換し、CH 2 Cl 2 (1.2mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、撹拌し 。12時間後、3,5-dimethylbenzoic acid anhydride(367m g,1.30mmol)を加えた。0℃から室温に徐々に昇温 させ、そのまま室温で6時間撹拌した。TLC(CHCl 3 /MeOH=10/1)を確認した後、sat.Na 2 CO 3  aq.を加えて反応を終了した。反応混合物か 有機物をCHCl 3 で抽出後、1M HCl aq.,brineで洗浄し、MgSO 4 で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得ら れた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマト グラフィー(eluent:CHCl 3 /MeOH=1/0~10/1)にかけ、さらにRecycling HPLC(eluent:C HCl 3 )にかけることにより、分離精製し目的物を た。

 目的物は白色の泡状固体であり、収量388mg 収率57%であった。得られた目的物の 1 H NMRスペクトル(400MHz,CDCl 3 ,298K)は、以下の通りであり、上記化学式8の 辺に示す化合物であることが確認された。
 δ 7.59(s,ArH,4H),7.18(s,ArH,2H),6.89-6.83(m,ArH,8H),4.14 (m,CH 2 ,8H),4.08(t,J=6.4Hz,CH 2 ,4H),3.86(m,CH 2 ,8H),3.70(m,CH 2 ,8H),3.25(m,CH 2 ,4H),2.34(s,dimethyl of end cap,CH 3 ,12H),1.54-1.44(m,CH 2 ,8H),1.26-1.17(m,CH 2 ,4H)(単位:ppm)。
 (4)TRO-A0001
なお、上記各ロタキサン化合物の比較対照と して、m=n=2であるロタキサン化合物「TRO-A0001 も用いた。なお、このTRO-A0001は前記特許文 1記載の化合物であり、下記化学式9の構造 で表されるものである。

 (5)抗ガン作用の検証
 (5-1)実験条件
 ガン細胞として、マウス結腸ガン細胞由来 のColon-26、ヒト膠芽ガン細胞由来株のT98G及 ヒト皮膚悪性黒色腫細胞由来株のG361を使用 した。各ガン細胞はRPMI1640に10%FBSや0.5%Penicilli n-streptomycinを加えたものを基本培地とし、5%CO 2 存在下、37℃、加湿条件で培養を行った。十 コンフルエントな状態に培養した各ガン細 5.0×10 4 個を1.5mLチューブに培地とともに播種し、vehi cle(溶媒)としてのDMSOに各ロタキサン化合物を 溶解したものを、所定濃度となるように加え て全量を1000μLとした。これを96ウェルマイク ロプレートの各ウェルに100μLずつ分注し、CO 2 インキュベーターで24hr培養した。その後、 細胞測定用試薬(Tetra Color ONE、生化学工業) 96ウェルマイクロプレートの各ウェルに10μL 加え、CO 2 インキュベーターで2hr反応させた。反応後、 マイクロプレートリーダーを使用して450nm(対 照波長:620nm)の紫外吸光度を72hr後に測定した なお、その吸光度が大きいほど生細胞数が いことになる。

 (5-2)TRO-A0014及びTRO-A0015の抗ガン作用
 ガン細胞としてColon-26を用い、TRO-A0014及びTR O-A0015の抗ガン作用を上記(5-1)の通り検証した 。その結果を図1に示す。なお、図中の「Vehic le」とはロタキサン化合物を加えず溶媒とし のDMSOのみを加えた場合を意味し、「Control とはロタキサン化合物もDMSOも加えず細胞の で培養した場合を意味する。
 その結果、比較対照としてのTRO-A0001(m=n=2)で は濃度2.5μM以上で細胞に対する障害効果が現 れているのものの、1.25μMでは「Control」とほ んど差はなく効果は見られなかった。それ 対し、TRO-A0014(m=2,n=3)及びTRO-A0015(m=n=3)では1.2 5μMで既に細胞障害効果が明らかに認められ 。

 よって、TRO-A0014(m=2,n=3)及びTRO-A0015(m=n=3)では TRO-A0001(m=n=2)に比べより低濃度で抗ガン作用 現れることが明らかとなった。
 (5-3)TRO-A0010の抗ガン作用
 ガン細胞としてT98G及びG361を用い、TRO-A0010 抗ガン作用を上記(5-1)の通り検証した。その 結果を図2に示す。
 その結果、T98GではTRO-A0010の抗ガン作用はTRO -A0001とほぼ同等であった。また、G361ではい れのロタキサン濃度においてもTRO-A0010の細 障害効果はTRO-A0001より高いことが分かった よって、TRO-A0010(m=n=5)の抗ガン作用はTRO-A0001( m=n=2)とほぼ同等か、細胞株によってはより強 いことが明らかとなった。

 本発明は、抗ガン剤として利用可能であ 。




 
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