KOYAMA YASUHITO (JP)
NAKAZONO KAZUKO (JP)
HASEGAWA TOSHIHIDE (JP)
LEE YOUNG-GI (JP)
ONO NOBUFUMI (JP)
NISHIO KAZUTO (JP)
FUJITA YOSHIHIKO (JP)
TOKYO INST TECH (JP)
UNIV FUKUOKA (JP)
UNIV KINKI (JP)
TAKATA TOSHIKAZU (JP)
KOYAMA YASUHITO (JP)
NAKAZONO KAZUKO (JP)
HASEGAWA TOSHIHIDE (JP)
LEE YOUNG-GI (JP)
ONO NOBUFUMI (JP)
NISHIO KAZUTO (JP)
FUJITA YOSHIHIKO (JP)
WO2008044704A1 | 2008-04-17 |
JP2009067699A | 2009-04-02 | |||
JP3741706B2 | 2006-02-01 | |||
JP3887008B1 | 2007-02-28 |
"Cho Bunshi Kagobutsu (Rotaxane) no Gan Saibo Zoshoku ni Taisuru Eikyo", HEISEI 19 NENDO DAI 24 KAI NIPPON YAKUGAKKAI KYUSHU SHIBU TAIKAI KOEN YOSHISHU, 15 November 2007 (2007-11-15), pages 107, XP008146971
"89th Annual Meeting of Chemical Society of Japan in Spring Koen Yokoshu II", 13 March 2009, article "Kogan Kassei o Motsu Rotaxane no Gosei", pages: 875, XP008146972
See also references of EP 2348021A4
Hiromichi Kuroda (JP)
下記化学式1で表される化合物を基本骨格として包含するロタキサン化合物(ただし、m≧2かつn≧3、Xは陰イオン分子又は陰イオン原子)。 |
m,n≦5である請求項1記載のロタキサン化合物。 |
請求項1又は2記載のロタキサン化合物を有効成分として含有する抗ガン剤。 |
本発明は、抗ガン剤として使用可能なロ キサン化合物及びこれを有効成分として含 する抗ガン剤に関する。
多くの抗ガン剤は、ガン細胞の内部に吸収
れて初めてその抗ガン作用を発揮すること
なる。そのため、ガン細胞の受容体を介し
取り込みを容易にすべく、低分子量でかつ
定な構造の薬剤が抗ガン剤として有効であ
と考えられてきた。
しかし、受容体を介してガン細胞内に容易
吸収され得る抗ガン剤はそれゆえに逆に細
から排出されやすいため、抗ガン作用を発
するに十分な時間、ガン細胞内に留まって
られないことがあるという問題点があった
また、このような、受容体を介して吸収さ
やすい抗ガン剤はガン細胞のみならず正常
胞にも取り込まれやすいため、局所的な治
が困難であるとともに、正常細胞を傷害す
ことによる副作用の問題も生じることとな
ていた。
一方、共有結合を介さずに2個の環状分子が
鎖状に連結したカテナン化合物や、1個の環
分子を直鎖状の分子が共有結合を介さずに
通した構造を有するロタキサン化合物のよ
な高分子化合物は、分子量が大きくかつ2個
構成単位間の位置関係の自由度が高いこと
ら、一度細胞内に取り込まれれば容易に排
されることはないと考えられる。よって、
のような高分子化合物は抗ガン剤として有
であると考えられる。このような高分子化
物を利用した抗ガン剤は下記の特許文献1(
テナン化合物)及び特許文献2(ロタキサン化
物)として開示されている。
前記特許文献2で開示のロタキサン化合物 は、下記化学式2に示すような構造を有する のであった。
上記課題に鑑み、本発明に係るロタキサ 化合物は、下記化学式3で表される化合物を 基本骨格として包含することを特徴とする( だし、m≧3かつn≧2、Xは陰イオン分子又は陰 イオン原子)。
また、上記「X」として表記される陰イオン
分子又は陰イオン原子についても特に制限は
ないが、具体的には、過塩素酸イオン、トリ
フルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフ
ルオロリン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオ
ン、テトラフルオロホウ酸イオン等が挙げら
れる。
本発明に係るロタキサン化合物のうち、最
低分子のものは下記化学式4に示すような、
m=2かつn=3の場合である。
また、本発明に係るロタキサン化合物につ
ては、m,n≦5であることが望ましい。この場
合、mとnの可能な組み合わせは上記化学式4の
(2,3)の場合の他、(2,4)、(2,5)、(3,3)、(3,4)、(3,5)
、(4,4)、(4,5)及び(5,5)の9通りあり、このよう
ロタキサン化合物のうち、最も高分子のも
は下記化学式5に示すような、m=n=5の場合で
る。
これらのロタキサン化合物はいずれも、両
に比較的大きな分子が結合した棒状部分と
この棒状部分が挿入された環状部分(クラウ
ンエーテル)の2つの部分からなる。環状部分
、棒状部分が挿入された状態であるため、
状部分を軸として移動することができる。
かしながら、棒状部分の両端には比較的大
な分子が結合しているため、これがストッ
ーとなって環状部分が棒状部分から離脱す
ことはできない。
このように、棒状部分と環状部分は連結 た構造を有しているものの、これら棒状部 と環状部分とは共有結合によって結合して ない。このため分子の形状が変化しやすく 受容体を介した取り込みが比較的困難とな が、これをガン細胞内に導入するとガン細 の増殖が抑制される。すなわち、本発明に るロタキサン化合物は、抗ガン剤の有効成 として作用することとなる。
このように、本発明によれば、ガン細胞 ら排出されにくくかつ局所的治療に好適な ガン剤を提供することが可能となる。
(1)TRO-A0014
本発明に係るロタキサン化合物のうち、m=2
n=3のものを「TRO-A0014」とする。このTRO-A0014
、下記化学式6に示すような反応式にて合成
された。
目的物は白色の泡状固体であり、収量157mg
収率10%であった。得られた目的物の 1
H NMRスペクトル(400MHz,CDCl 3
,298K)は、以下の通りであり、上記化学式6の
辺に示す化合物であることが確認された。
δ 7.65(s,2H),7.52(s,2H),7.40(brd,2H),7.18(s,1H),7.14(s,1
H),6.87(brd,8H),4.51(t,J=4.8Hz,2H),4.25-4.19(m,4H),4.16-4.09
(m,6H),3.97(brd,2H),3.86-3.84(m,8H),3.76-3.68(m,8H),3.39(brd
,2H),2.32(s,6H),2.16(s,6H),2.03-1.93(brd,2H)(単位:ppm)。
(2)TRO-A0015
本発明に係るロタキサン化合物のうち、m=n=
3のものを「TRO-A0015」とする。このTRO-A0015は
下記化学式7に示すような反応式にて合成さ
た。
目的物は白色の泡状固体であり、収量142mg
収率9%であった。得られた目的物の 1
H NMRスペクトル(400MHz,CDCl 3
,298K)は、以下の通りであり、上記化学式7の
辺に示す化合物であることが確認された。
δ 7.54(s, 4H), 7.17(s, 2H), 6.86(brd, 8H), 4.18-4.
17(m, 8H),4.12(t,J=6.4Hz,4H),3.88-3.87(m,8H),3.73(brd,8H),3
.56-3.47(m,4H),2.30(s,12H),2.04-1.94(m,4H)(単位:ppm)。
(3)TRO-A0010
本発明に係るロタキサン化合物のうち、m=n=
5のものを「TRO-A0010」とする。下記化学式8に
すこのTRO-A0010は、下記方法にて合成された
目的物は白色の泡状固体であり、収量388mg
収率57%であった。得られた目的物の 1
H NMRスペクトル(400MHz,CDCl 3
,298K)は、以下の通りであり、上記化学式8の
辺に示す化合物であることが確認された。
δ 7.59(s,ArH,4H),7.18(s,ArH,2H),6.89-6.83(m,ArH,8H),4.14
(m,CH 2
,8H),4.08(t,J=6.4Hz,CH 2
,4H),3.86(m,CH 2
,8H),3.70(m,CH 2
,8H),3.25(m,CH 2
,4H),2.34(s,dimethyl of end cap,CH 3
,12H),1.54-1.44(m,CH 2
,8H),1.26-1.17(m,CH 2
,4H)(単位:ppm)。
(4)TRO-A0001
なお、上記各ロタキサン化合物の比較対照と
して、m=n=2であるロタキサン化合物「TRO-A0001
も用いた。なお、このTRO-A0001は前記特許文
1記載の化合物であり、下記化学式9の構造
で表されるものである。
(5-1)実験条件
ガン細胞として、マウス結腸ガン細胞由来
のColon-26、ヒト膠芽ガン細胞由来株のT98G及
ヒト皮膚悪性黒色腫細胞由来株のG361を使用
した。各ガン細胞はRPMI1640に10%FBSや0.5%Penicilli
n-streptomycinを加えたものを基本培地とし、5%CO
2
存在下、37℃、加湿条件で培養を行った。十
コンフルエントな状態に培養した各ガン細
5.0×10 4
個を1.5mLチューブに培地とともに播種し、vehi
cle(溶媒)としてのDMSOに各ロタキサン化合物を
溶解したものを、所定濃度となるように加え
て全量を1000μLとした。これを96ウェルマイク
ロプレートの各ウェルに100μLずつ分注し、CO 2
インキュベーターで24hr培養した。その後、
細胞測定用試薬(Tetra Color ONE、生化学工業)
96ウェルマイクロプレートの各ウェルに10μL
加え、CO 2
インキュベーターで2hr反応させた。反応後、
マイクロプレートリーダーを使用して450nm(対
照波長:620nm)の紫外吸光度を72hr後に測定した
なお、その吸光度が大きいほど生細胞数が
いことになる。
(5-2)TRO-A0014及びTRO-A0015の抗ガン作用
ガン細胞としてColon-26を用い、TRO-A0014及びTR
O-A0015の抗ガン作用を上記(5-1)の通り検証した
。その結果を図1に示す。なお、図中の「Vehic
le」とはロタキサン化合物を加えず溶媒とし
のDMSOのみを加えた場合を意味し、「Control
とはロタキサン化合物もDMSOも加えず細胞の
で培養した場合を意味する。
その結果、比較対照としてのTRO-A0001(m=n=2)で
は濃度2.5μM以上で細胞に対する障害効果が現
れているのものの、1.25μMでは「Control」とほ
んど差はなく効果は見られなかった。それ
対し、TRO-A0014(m=2,n=3)及びTRO-A0015(m=n=3)では1.2
5μMで既に細胞障害効果が明らかに認められ
。
よって、TRO-A0014(m=2,n=3)及びTRO-A0015(m=n=3)では
TRO-A0001(m=n=2)に比べより低濃度で抗ガン作用
現れることが明らかとなった。
(5-3)TRO-A0010の抗ガン作用
ガン細胞としてT98G及びG361を用い、TRO-A0010
抗ガン作用を上記(5-1)の通り検証した。その
結果を図2に示す。
その結果、T98GではTRO-A0010の抗ガン作用はTRO
-A0001とほぼ同等であった。また、G361ではい
れのロタキサン濃度においてもTRO-A0010の細
障害効果はTRO-A0001より高いことが分かった
よって、TRO-A0010(m=n=5)の抗ガン作用はTRO-A0001(
m=n=2)とほぼ同等か、細胞株によってはより強
いことが明らかとなった。
本発明は、抗ガン剤として利用可能であ 。