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Patent Searching and Data


Title:
RUBBER COMPOSITION FOR TIRE AND PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139762
Kind Code:
A1
Abstract:
A rubber composition for tire comprising 100 parts by mass of rubber component and 0.1 to 10 parts by mass of zinc oxide particles of 200 nm or less average diameter; and a pneumatic tire therefrom. This rubber composition for tire finds suitable application in the production of tire tread rubber, base tread rubber, bead apex rubber, clinch rubber and inner liner rubber.

Inventors:
TAGUCHI TAKAFUMI (JP)
IMAOKA SHUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052834
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
February 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
TAGUCHI TAKAFUMI (JP)
IMAOKA SHUJI (JP)
International Classes:
C08L21/00; B60C1/00; C08K3/22; C08K3/36; C08L15/00
Foreign References:
JPH05222245A1993-08-31
JP2006199858A2006-08-03
JP2002037929A2002-02-06
JP2006219631A2006-08-24
JP2003012866A2003-01-15
JP2007084610A2007-04-05
JP2008019334A2008-01-31
JP2007302865A2007-11-22
JP2007231104A2007-09-13
JP2007177111A2007-07-12
JP2007169431A2007-07-05
JP2003063206A2003-03-05
JP2003055505A2003-02-26
JP2003012866A2003-01-15
JP2002037929A2002-02-06
JP2005247984A2005-09-15
JPH07118444A1995-05-09
JPH0781335A1995-03-28
JP2000198883A2000-07-18
JP2005264114A2005-09-29
Other References:
ANSON, M. L., J. GEN. PHYSIOL., vol. 22, 1938, pages 79
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (NakanoshimaCentral Tower, 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 05, JP)
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Claims:
 ゴム成分100質量部に対して、平均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有するタイヤ用ゴム組成物。
 タイヤのトレッドゴムの製造に用いられる請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分は、エポキシ化天然ゴムを含む請求の範囲第2項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分100質量部に対して、60~90質量部のシリカをさらに含有する請求の範囲第2項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第2項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッドゴムを備える空気入りタイヤ。
 タイヤのベーストレッドゴムの製造に用いられる請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分は、天然ゴムを含む請求の範囲第6項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分100質量部に対して、30~50質量部のシリカをさらに含有する請求の範囲第6項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第6項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるベーストレッドゴムを備える空気入りタイヤ。
 タイヤのビードエイペックスゴムの製造に用いられ、かつ、前記ゴム成分は、少なくとも天然ゴムを含有する請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分は、実質的に天然ゴムのみからなる請求の範囲第10項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 天然ゴム100質量部に対して、15~90質量部のシリカをさらに含有する請求の範囲第10項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第10項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるビードエイペックスゴムを備える空気入りタイヤ。
 タイヤのクリンチゴムの製造に用いられ、かつ、前記ゴム成分は、天然ゴム30~90質量%およびエポキシ化天然ゴム10~70質量%を含む請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 ゴム成分100質量部に対して、15~90質量部のシリカをさらに含有する請求の範囲第14項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第14項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるクリンチゴムを備える空気入りタイヤ。
 タイヤのインナーライナーゴムの製造に用いられる請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分は、エポキシ化天然ゴムを含む請求の範囲第17項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分100質量部に対して、30~50質量部のシリカをさらに含有する請求の範囲第17項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第17項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるインナーライナーゴムを備える空気入りタイヤ。
Description:
タイヤ用ゴム組成物および空気 りタイヤ

 本発明は、タイヤに用いられるゴム組成 に関し、より詳しくは、空気入りタイヤの レッド用ゴム組成物、ベーストレッド用ゴ 組成物、ビードエイペックス用ゴム組成物 クリンチ用ゴム組成物およびインナーライ ー用ゴム組成物に関する。また、本発明は 当該ゴム組成物からなるトレッドゴム、ベ ストレッドゴム、ビードエイペックスゴム クリンチゴムまたはインナーライナーゴム 備える空気入りタイヤに関する。

 従来、タイヤ用ゴム組成物の配合は、石 資源由来の原材料に大きく依存している。 在市販されている一般的な乗用車用タイヤ 例に挙げれば、タイヤ全重量に対して、合 ゴム約20%、カーボンブラック約20%、軟化剤 合成繊維などを含んでおり、タイヤ全体の 50%以上が石油資源由来の原材料で構成され いる。

 たとえば、タイヤのトレッド用ゴム組成 には、グリップ性能および耐磨耗性を改善 るために、ブタジエンゴム(BR)などの合成ゴ ム、カーボンブラックなどが用いられてきた 。タイヤのベーストレッド用ゴム組成物には 、優れた転がり抵抗を示す天然ゴム(NR)に加 て、低転がり抵抗(LRR)指向のカーボンブラッ クが配合されてきた。また、高い操縦安定性 を有するタイヤを得るためには、ビードエイ ペックスゴムの剛性を向上させる必要がある が、従来より、ビードエイペックスゴムの剛 性を向上させるために、ビードエイペックス 用のゴム組成物に多量のカーボンブラックを 配合させることが行なわれてきた。

 また、クリンチゴムに関しても、走行時 おける優れた操縦安定性および伸び特性を ランスよく示すタイヤを得るために、合成 ムやカーボンブラックを配合させることが なわれてきた。

 さらに、インナーライナーゴムには、優 た耐空気透過性を有するブチルゴム、ハロ ン化ブチルゴム等が用いられ、また、耐屈 亀裂成長性を改善するためのカーボンブラ クが配合されてきた。ブチルゴムやハロゲ 化ブチルゴム等の合成ゴム、およびカーボ ブラックはいずれも石油資源由来である。

 しかし、近年、環境問題が重視されるよ になり、二酸化炭素の排出量の規制が強化 れている。また、石油現存量は有限である とから、石油資源由来の原材料の使用には 界がある。このような環境重視指向は、タ ヤの分野においても例外ではなく、現在使 されている石油資源由来の原材料の一部ま は全てを石油外資源由来の原材料で代替し タイヤ用ゴム組成物の開発が求められてい 。そして、タイヤ用ゴム組成物中における 油資源由来の原材料を、石油外資源由来の 材料で代替する場合、少なくとも石油資源 来の原材料を用いた場合と同等の特性を保 するか、あるいはそれ以上の優れた特性を すことが要求される。

 特開2003-63206号公報(特許文献1)には、石油 外資源由来の原材料として、天然ゴム、エポ キシ化天然ゴム、シリカなどを使用し、石油 資源への依存性を低減されたトレッド用ゴム 組成物が開示されている。しかし、このトレ ッド用ゴム組成物は、耐摩耗性については考 慮されておらず、グリップ性能においても、 いまだ改善の余地がある。

 特開2003-55505号公報(特許文献2)には、ジエン 系ゴム成分100重量部に対して、比表面積が10m 2 /g以上であり、好ましくは平均粒子径が1μm以 上である酸化亜鉛を0.1~20重量部含有するゴム 組成物が開示されている。しかし、かかるゴ ム組成物においても、グリップ性能および耐 磨耗性に改善の余地があった。

 このように、石油資源由来の原材料を石 外資源由来の原材料で代替したゴム組成物 おいては、トレッドゴム用として十分使用 能な、優れたグリップ性能および耐磨耗性 有するゴム組成物は得られていないのが現 である。

 また、タイヤのベーストレッドには、転 り抵抗性および高速耐久性に優れることが 求されるが、上記特許文献1に開示されるゴ ム組成物は、このような性能については考慮 されておらず、改善の余地がある。

 特開2003-12866号公報(特許文献3)には、ゴム 成分と、特定のヨウ素吸着量を有するカーボ ンブラックと、シリカおよび硫黄を含有する ベーストレッド用ゴム組成物が開示されてい る。しかし、当該組成物についても、高速耐 久性は考慮されていない。

 このように、石油資源由来の原材料を石 外資源由来の原材料で代替したゴム組成物 おいて、ベーストレッドゴム用として十分 用可能な、優れた低転がり抵抗(LRR)性能お び耐高速耐久性能を有するゴム組成物は知 れていないのが現状である。

 一方、特開2002-37929号公報(特許文献4)には 、省資源および環境保護の観点から、古新聞 紙等の古紙を配合することにより補強したビ ードエイペックス用ゴム組成物が開示されて いる。しかしながら、特許文献4に記載のゴ 組成物は、古紙とともに、補強用充填剤と て、石油資源由来であるカーボンブラック 多量に使用するものであり、省資源および 境保護を十分に考慮したものではなかった 多量のカーボンブラックの添加によれば、 ードエイペックスの剛性化は可能であるも の、タイヤ走行中に発熱しやすくなるため 動的疲労性の低下により耐久性が損なわれ また、損失正接(tanδ)の増大により、タイヤ 転がり抵抗が増大するという問題がある。

 また、特開2005-247984号公報(特許文献5)に 、シリカ含有カーボンブラックおよびカー ンブラックを含有するクリンチ用ゴム組成 が記載されている。しかし、要求特性が異 るクリンチ用ゴム組成物をそのままビード イペックス用ゴム組成物に適用することは きず、また、引張強度および耐屈曲亀裂性 についても考慮されていない。

 クリンチゴムは、タイヤのサイドウォー からビード部にかけてリムに接する領域に 置されるゴム部材であり、タイヤをリムに 着したとき、リムとのチェーフィング部分 位置する。タイヤのクリンチゴムは、タイ が走行する際にリムから駆動力を伝達する 能、およびタイヤの荷重を保持する機能を するため、高い硬度および耐熱老化特性が 求され、さらに、タイヤの走行時の繰り返 変形に伴うリムとのこすれによるゴムの摩 を軽減するため、耐磨耗性が要求される。 た、クリンチゴムの剛性、硬度および強度 、走行時の操縦安定性能に大きな影響を及 す。

 さらに、クリンチゴムは、タイヤ交換時 しばしば生じるタイヤトウ部欠けが生じな ような破断時伸び(伸び特性)を示すことも 要である。

 このように、厳しい性能が要求されるク ンチゴムに用いられるゴム組成物として、 ンジオタクチック結晶を5重量%以上含有す ポリブタジエンゴムを用いた高硬質ゴム組 物が提案されている(特開平7-118444号公報(特 文献6))。また、特開平7-81335号公報(特許文 7)には、配合および特性の異なる数種のゴム を接合させた複合ゴムストリップからなるチ ェーファーゴムが開示されている。しかし、 クリンチゴムあるいはチェーファーゴムの多 層化は製造工程が複雑になりコストがかかる 。

 特開2000-198883号公報(特許文献8)には、シ カを含有したカーボンブラック材料を、タ ヤトレッド部に特定量配合することにより い転がり抵抗および耐磨耗性が両立された イヤトレッド用ゴム組成物が開示されてい 。しかしながら、この技術を高剛性および 硬度であることが要求されるクリンチゴム 採用しても操縦安定性および伸び物性をバ ンスよく改善させることはできない。また 上記特許文献5には、シリカ含有カーボンブ ックおよびカーボンブラックを含有するク ンチ用ゴム組成物が記載されている。しか 、引張強度および耐磨耗性については改善 余地があった。

 インナーライナーは、空気入りタイヤ、 にチューブレスタイヤにおけるタイヤ内腔 を形成するゴム部材であり、タイヤ内圧を 持する役割を果たす。インナーライナーゴ には、優れた耐空気透過性および耐屈曲亀 成長性が要求されるが、上記特許文献1のゴ ム組成物は、耐空気透過性および耐屈曲亀裂 成長性については考慮されておらず、改善の 余地がある。

 また、特開2005-264114号公報(特許文献9)に 、ハロゲン化ブチルゴムおよび/またはイソ チレンとp-メチルスチレンとの共重合体の ロゲン化物を含有するゴム成分に、特定量 酸化亜鉛を分割して混練りしてなるゴム組 物および該ゴム組成物からなるインナーラ ナーが記載されており、これにより、粘度 低下させることなく、インナーライナー等 ゴムゲージを薄く保持することができ、タ ヤの軽量化が達成されることが示されてい 。しかし、インナーライナーゴムの耐空気 過性と耐屈曲亀裂成長性とを両立させるこ については考慮されていない。

 このように、石油資源由来の原材料を石油 資源由来の原材料で代替したゴム組成物に いて、インナーライナーゴム用として十分 用可能な、優れた耐空気透過性および耐屈 亀裂成長性を有するゴム組成物は知られて ないのが現状である。

特開2003-63206号公報

特開2003-55505号公報

特開2003-12866号公報

特開2002-37929号公報

特開2005-247984号公報

特開平7-118444号公報

特開平7-81335号公報

特開2000-198883号公報

特開2005-264114号公報

 本発明は、上記課題を解決するためにな れたものであり、その目的は、石油外資源 来の原材料の含有比率が従来と比較して高 、省資源および環境保護への配慮が十分な れているとともに、トレッドゴム、ベース レッドゴム、ビードエイペックスゴム、ク ンチゴムおよびインナーライナーゴムなど いずれの部位に適用される場合であっても 優れた性能を示し、各部位に要求される特 を満足するタイヤ用ゴム組成物を提供する とである。

 また、本発明の別の目的は、当該ゴム組 物からなるトレッドゴム、ベーストレッド ム、ビードエイペックスゴム、クリンチゴ またはインナーライナーゴムを備える空気 りタイヤを提供することである。

 本発明は、ゴム成分100質量部に対して、 均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を0.1~10質 部含有するタイヤ用ゴム組成物である。本 明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレ ドゴム、ベーストレッドゴム、ビードエイ ックスゴム、クリンチゴムおよびインナー イナーゴムの製造に好適に用いることがで る。

 本発明のゴム組成物がトレッドゴムの製 に用いられるゴム組成物(以下、トレッド用 ゴム組成物という。)である場合においては ゴム成分は、エポキシ化天然ゴム(ENR)を含む ことが好ましい。また、本発明のトレッド用 ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、 60~90質量部のシリカをさらに含有することが ましい。

 本発明のゴム組成物がベーストレッドゴ の製造に用いられるゴム組成物(以下、ベー ストレッド用ゴム組成物という。)である場 においては、ゴム成分は、天然ゴム(NR)を含 ことが好ましい。また、本発明のベースト ッド用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に して、30~50質量部のシリカをさらに含有す ことが好ましい。

 本発明のゴム組成物がビードエイペック ゴムの製造に用いられるゴム組成物(以下、 ビードエイペックス用ゴム組成物という。) ある場合においては、ゴム成分は、少なく も天然ゴムを含有し、好ましくは、実質的 天然ゴムのみからなる。本発明のビードエ ペックス用ゴム組成物は、天然ゴム100質量 に対して、15~90質量部のシリカをさらに含有 することが好ましい。

 本発明のゴム組成物がクリンチゴムの製 に用いられるゴム組成物(以下、クリンチ用 ゴム組成物という。)である場合においては ゴム成分は、天然ゴム30~90質量%およびエポ シ化天然ゴム10~70質量%を含む。また、本発 のクリンチ用ゴム組成物は、ゴム成分100質 部に対して、15~90質量部のシリカをさらに含 有することが好ましい。

 本発明のゴム組成物がインナーライナー ムの製造に用いられるゴム組成物(以下、イ ンナーライナー用ゴム組成物という。)であ 場合においては、ゴム成分は、エポキシ化 然ゴム(ENR)を含むことが好ましい。また、本 発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ゴ ム成分100質量部に対して、30~50質量部のシリ をさらに含有することが好ましい。

 また、本発明は、上記タイヤ用ゴム組成 からなるトレッドゴム、ベーストレッドゴ 、ビードエイペックスゴム、クリンチゴム たはインナーライナーゴムを備える空気入 タイヤを提供する。

 本発明によれば、石油外資源由来の原材 の含有比率が従来と比較して高く、省資源 よび環境保護への配慮が十分なされている ともに、トレッドゴム、ベーストレッドゴ 、ビードエイペックスゴム、クリンチゴム よびインナーライナーゴムなどのいずれの 位に適用される場合であっても、優れた性 を示し、各部位に要求される特性を満足す タイヤ用ゴム組成物、および、当該タイヤ ゴム組成物からなるトレッドゴム、ベース レッドゴム、ビードエイペックスゴム、ク ンチゴムまたはインナーライナーゴムを備 る空気入りタイヤが提供される。

本発明の空気入りタイヤの一例を示す 略断面図である。

符号の説明

 1 タイヤ、2 トレッド部、2a キャップト レッド部、2b ベーストレッド部、3 サイド ォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6  ーカス、7 ベルト層、8 ビードエイペック ゴム、9 インナーライナーゴム、3G サイド ォールゴム、4G クリンチゴム。

 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成 100質量部に対して、平均粒径が200nm以下の 化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有する。本発明 タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組 物、ベーストレッド用ゴム組成物、ビード イペックス用ゴム組成物、クリンチ用ゴム 成物およびインナーライナー用ゴム組成物 どとして好適に用いることができる。以下 これらのゴム組成物について詳細に説明す 。

 <トレッド用ゴム組成物>
 本発明のトレッド用ゴム組成物は、ゴム成 100質量部に対して、平均粒径が200nm以下の 化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有するゴム組成 である。かかる本発明のトレッド用ゴム組 物は、タイヤに優れたグリップ性能および 摩耗性を付与する。

 (ゴム成分)
 本発明のトレッド用ゴム組成物には、天然 ム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、脱蛋白天 ゴム(DPNR)およびその他の天然系ゴム、なら にジエン系合成ゴム等から選択されるいず か1種以上のゴム成分が配合される。

 本発明のトレッド用ゴム組成物が天然ゴ (NR)を含む場合、ゴム成分中の天然ゴム(NR) 含有率は、特に限定されないが、たとえば5 量%程度以上とすることができる。ただし、 ゴム成分としてNR以外の天然系ゴムを含有す 場合には、これより少なくてもよい。また ゴム成分としてNR以外の天然系ゴムを含有 る場合には、NRは含有されなくてもよい。一 方、トレッド用ゴム組成物が天然系ゴム成分 としてNRのみを含有する場合には、ゴム成分 のNRは90質量%以上であることが好ましく、95 質量%以上であることがより好ましい。NRの含 有率が90質量%未満の場合、ゴム組成物中の石 油外資源の比率が低下することとなる。

 天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において 従来用いられているものを使用することがで き、たとえば、RSS#3、TSR20、SIR20などのグレー ドの天然ゴムを挙げることができる。

 本発明のトレッド用ゴム組成物は、ゴム 分としてエポキシ化天然ゴム(ENR)を含むこ が好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)は、天 然ゴムの不飽和二重結合がエポキシ化された ものであり、極性基であるエポキシ基により 分子凝集力が増大する。そのため、天然ゴム (NR)よりもガラス転移温度(Tg)が高く、かつ機 的強度や耐磨耗性、耐空気透過性に優れる 特に、ゴム組成物中にシリカを配合した場 においては、シリカ表面のシラノール基と ポキシ化天然ゴムのエポキシ基との反応に 因して、カーボンブラックをゴム組成物中 配合する場合と同程度の機械的強度や耐磨 性を得ることができる。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)としては、市販 ものを用いてもよいし、天然ゴム(NR)をエポ シ化したものを用いてもよい。NRをエポキ 化する方法としては、特に限定されるもの はなく、たとえばクロルヒドリン法、直接 化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペル キシド法、過酸法などを挙げることができ 。過酸法としては、たとえば天然ゴムに過 酸や過蟻酸などの有機過酸を反応させる方 を挙げることができる。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより 好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満の 合、グリップ性能の改善効果が低い傾向に る。また、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポ シ化率は、60モル%以下が好ましく、55モル% 下がより好ましい。ENRのエポキシ化率が60モ ル%を超える場合、得られるトレッドゴムの 度が十分でなく、さらに汎用ゴムとの接着 が低くなる傾向がある。なお、本明細書中 おいて、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ 化率とは、(エポキシ化された二重結合の数)/ (エポキシ化前の二重結合の数)×100(%)を意味 る。

 本発明のトレッド用ゴム組成物がエポキ 化天然ゴム(ENR)を含む場合、ゴム成分中のEN Rの含有率は、たとえば5質量%程度以上とする ことができる。ただし、ゴム成分としてENR以 外の天然系ゴムを含有する場合には、これよ り少なくてもよい。一方、トレッド用ゴム組 成物が天然系ゴム成分としてENRのみを含有す る場合には、ゴム成分中のENRは90質量%以上で あることが好ましく、95質量%以上であること がより好ましい。ENRの含有率が90質量%未満の 場合、ゴム組成物中の石油外資源の比率が低 下することとなる。

 また、ゴム組成物中に配合される天然系 ム成分中に占めるENRの比率はより高いこと 好ましく、たとえば50質量%以上とすること でき、より好ましくは70質量%以上、さらに ましくは、90質量%以上である。天然系ゴム 分中に占めるENRの比率を高めることにより グリップ性能の改善効果をより高めること できる。また、本発明のトレッド用ゴム組 物は、ゴム成分としてENRのみを含有してい もよい。これにより、トレッドのグリップ が向上し、優れた操縦安定性を得ることが きる。

 また、本発明のトレッド用ゴム組成物は ゴム成分として脱蛋白天然ゴム(DPNR)を含ん いてもよい。天然ゴム(NR)中には、蛋白質や 脂質等の非ゴム成分が5~10質量%程度存在して るのが通常である。これらの非ゴム成分、 に蛋白質は、分子鎖の絡み合いの原因とな といわれており、ゲル化を引き起こす要因 なる。このような問題を回避するために、 然ゴム中の非ゴム成分を除去した脱蛋白天 ゴム(DPNR)をゴム組成物に配合することは極 て有利である。

 ここで、脱蛋白天然ゴム(DPNR)の重量平均 子量(ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)、ポリ チレン換算)は140万以上であることが好まし い。重量平均分子量が140万未満では、生ゴム 強度が低下する。また、脱蛋白天然ゴム(DPNR) の窒素含有率は0.1質量%以下であることが好 しく、0.08質量%以下であることがより好まし く、0.05質量%以下であることがさらに好まし 。窒素含有率が0.1質量%を超えると、ゲル化 を引き起こす要因となる。なお、脱蛋白天然 ゴム(DPNR)の窒素含有率は、RRIM法(Rubber Research  Institute of Malaysia法)より測定されるもので る。

 本発明のトレッド用ゴム組成物が脱蛋白 然ゴム(DPNR)を含む場合、ゴム成分中の脱蛋 天然ゴム(DPNR)の含有率は、特に限定されな が、たとえば5質量%程度以上とすることが きる。ただし、ゴム成分としてDPNR以外の天 系ゴムを含有する場合には、これより少な てもよい。また、ゴム成分としてDPNR以外の 天然系ゴムを含有する場合には、DPNRは含有 れなくてもよい。一方、トレッド用ゴム組 物が天然系ゴム成分としてDPNRのみを含有す 場合には、ゴム成分中のDPNRは90質量%以上で あることが好ましく、95質量%以上であること がより好ましい。DPNRの含有率が90質量%未満 場合、ゴム組成物中の石油外資源の比率が 下することとなるとともに、耐磨耗性が低 する傾向がある。

 脱蛋白天然ゴム(DPNR)は、天然ゴム(NR)を脱蛋 白処理することにより得ることができる。天 然ゴム(NR)の脱蛋白処理としては、たとえば 次の方法を挙げることができる。
(1)天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素また はバクテリアを添加して蛋白質を分解させる 方法、
(2)天然ゴムラテックスにアルカリを加えて加 熱し、蛋白質を分解させる方法、
(3)界面活性剤により天然ゴムラテックスに吸 着されている蛋白質を遊離させる方法。

 脱蛋白処理に用いる天然ゴムラテックス しては、特に限定はなく、フィールドラテ クス、アンモニア処理ラテックスなどを用 ることができる。

 上記(1)の方法において用いられる蛋白質 解酵素としては、従来公知のものが使用可 であり、特に限定はされないが、たとえば ロテアーゼ等が好適に用いられる。プロテ ーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸 菌由来のもの、酵母由来のもののいずれで 構わないが、これらの中では細菌由来のプ テアーゼが好ましい。また、リパーゼ、エ テラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セル ーゼ等の酵素を併用してもよい。

 蛋白質分解酵素としてアルカリプロテア ゼを用いる場合、その活性は0.1~50APU/g、好 しくは1~25APU/gの範囲であるのが好ましい。 こで、蛋白質分解酵素の活性は、アンソン- モグロビン法[Anson.M.L.,J.Gen.Physiol.,22,79(1938)] 改良法を用いて測定される。すなわち、基 として用いる尿素変性ヘモグロビンの終濃 が14.7mg/mlとなるように調整した溶液中で、 度25℃、pH10.5にて10分間反応させた後、反応 溶液にトリクロロ酢酸を終濃度が31.25mg/mlと るように添加する。ついで、トリクロロ酢 の可溶分をフェノール試薬によって呈色さ 、1モルのチロシンの呈色度を1APUとした検量 線により反応10分間当たりの活性を求め、こ を1分間当たりに換算することによって測定 するものである。なお、1APUとは、1モルのチ シンがフェノール試薬によって呈色するの 同じ呈色度のトリクロロ酢酸可溶分量を1分 間に与えるプロテアーゼの量のことを示す。

 蛋白質分解酵素の添加量は、酵素活性に って適宜設定されるものであるが、通常天 ゴムラテックスの固形分100質量部に対して0 .0001~20質量部、好ましくは0.001~10質量部であ 。蛋白質分解酵素の添加量が0.0001質量部よ 少ないと天然ゴムラテックス中の蛋白質を 分に分解することができなくなるおそれが り、20質量部を超えると、酵素の活性が低下 するとともに、コストが高くなる。

 蛋白質分解酵素による処理時間としては に限定はなく、酵素活性に応じて適宜設定 ることができる。通常、数分から1週間程度 処理を行なうことが好ましい。蛋白質分解処 理中、天然ゴムラテックスは撹拌してもよい し、静置しておいても構わない。また、必要 に応じて温度調節を行なってもよく、適当な 温度としては、5~90℃、好ましくは20~60℃であ る。処理温度が90℃を超えると、酵素の失活 早く、5℃未満では酵素反応が進行しにくく なる。

 上記方法(3)において使用する界面活性剤 しては、たとえば陰イオン性界面活性剤、 イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性 のいずれか1種または2種以上が使用可能で る。陰イオン性界面活性剤としては、たと ばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エス ル系、リン酸エステル系等が挙げられる。 イオン性界面活性剤としては、たとえばポ オキシアルキレンエーテル系、ポリオキシ ルキレンエステル系、多価アルコール脂肪 エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキ ポリグリコシド系等が好適に使用される。 性イオン界面活性剤としては、たとえばア ノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型 が挙げられる。

 上記方法(3)においては、界面活性剤を用 て、天然ゴムラテックスを洗浄して、該天 ゴムラテックスに吸着されている蛋白質を 離させる。界面活性剤による天然ゴムラテ クス粒子の洗浄方法としては、酵素未処理 天然ゴムラテックスを洗浄する方法と酵素 理を完了した天然ゴムラテックスを洗浄す 方法のいずれでもよい。具体的な洗浄方法 しては、たとえば、酵素未処理の天然ゴム テックスまたは酵素処理した天然ゴムラテ クスに界面活性剤を添加し、遠心分離する 法および天然ゴムラテックス粒子を凝集さ て分離する方法等が挙げることができる。 心分離して天然ゴムラテックスを洗浄する 合、遠心分離は1回ないし数回行なうことが できる。通常、1回の遠心分離によって蛋白 が高度に除去された脱蛋白天然ゴムラテッ スを得ることができる。また、遠心分離処 は、天然ゴムラテックスのゴム成分が5~40質 %、好ましくは10~30質量%となるように水で希 釈した上で行なってもよい。

 界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテッ スの固形分100質量部に対して0.001~20質量部 好ましくは0.001~15質量部である。

 上記方法(1)および(3)において、蛋白質分 酵素や界面活性剤を用いるにあたっては、 の添加剤、たとえばpH調整剤、分散剤等を 加してもよい。

 pH調整剤としては、たとえばリン酸二水 カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二 素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等の ン酸塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の 酸塩;硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、クエン酸、 コハク酸等の酸類またはその塩;アンモニア 水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸 トリウム、炭酸水素ナトリウム等を挙げる とができる。pH調整剤の添加量は、天然ゴム ラテックスのゴム固形分100質量部に対して、 通常、0.01~0.5質量部である。

 分散剤としては、スチレンスルホン酸共 合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮 物、リグニンスルホン酸、多環型芳香族ス ホン酸共重合物、アクリル酸、無水マレイ 酸のホモポリマーおよび共重合物、イソブ レン-アクリル酸とイソブチレン-無水マレ ン酸との共重合物等を挙げることができる

 上記のようにして得られた脱蛋白天然ゴ ラテックスは、遠心分離等により非ゴム成 を除去した後凝固してもよいし、非ゴム成 を除去しないまま凝固させてもよい。凝固 法としては特に限定はなく、公知の方法で なうことができる。通常、蟻酸、硫酸等の や、塩化ナトリウム等の塩等の凝固剤を加 てラテックスゴム粒子を不安定化させて凝 する方法や、界面活性剤の曇点を利用して テックスゴム粒子を不安定化させて凝固す 方法等が用いられる。

 なお、脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は10 量%以下であることが好ましい。ゲル含有率 10質量%を超えると、未加硫ゴムの粘度が上 し、加工性が低下する傾向がある。ゲル含 率は、トルエン不溶分として測定されるも である。

 本発明のトレッド用ゴム組成物は、上記 た以外の変性天然ゴムやジエン系合成ゴム どを含んでもよい。ジエン系合成ゴムとし は、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR )、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレン 重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴ ム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニト リルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブチル ム(X-IIR)、イソブチレンとp-メチルスチレン の共重合体のハロゲン化物などを挙げるこ ができる。

 本発明のトレッド用ゴム組成物がジエン 合成ゴムを含む場合、ゴム成分中のジエン 合成ゴムの含有量は、10質量%以下とするこ が好ましい。省資源および環境保護を考慮 、石油外資源の含有率を高めるという観点 らは、ジエン系合成ゴムを含まないことが り好ましい。

 (酸化亜鉛)
 本発明のトレッド用ゴム組成物は、平均粒 が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含有する。こ で、本発明において、酸化亜鉛粒子の平均 径は、(株)島津製作所製ナノ粒子径分布測定 装置を用いたレーザビーム散乱法により測定 されたものである。

 酸化亜鉛は、加硫促進助剤として配合さ るものであるが、平均粒径が200nm以下の酸 亜鉛粒子を含有させることにより、酸化亜 に起因するクラックの発生を効果的に防ぐ とができ、得られるトレッドゴムのグリッ 性能および耐磨耗性を向上させることがで る。酸化亜鉛粒子の平均粒径が200nmを超える と、クラックの基点となることが多く、得ら れるトレッドゴムのグリップ性能および耐磨 耗性の改善が十分でない。グリップ性能およ び耐磨耗性のさらなる向上のためには、酸化 亜鉛粒子の平均粒径は、150nm以下であること 好ましく、100nm以下であることがさらに好 しい。また、酸化亜鉛粒子の平均粒径は、1n m以上であることが好ましく、10nm以上である とがより好ましい。酸化亜鉛粒子の平均粒 が1nm未満の場合、酸化亜鉛のゴム組成物へ 分散性が劣る傾向にある。

 また、酸化亜鉛は石油外資源であり、こ を含有するタイヤ用ゴム組成物は、省資源 よび環境保護への配慮が十分なされた、地 に優しいゴム組成物であるといえる。

 平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有 は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部 上であり、好ましくは0.5質量部以上、より ましくは1.0質量部以上である。平均粒径200nm 以下の酸化亜鉛粒子の含有量が0.1質量部未満 では、酸化亜鉛の配合による加硫促進助剤と しての効果が得られにくい傾向にある。また 、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有量 、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以 であり、好ましくは2.5質量部以下である。 均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有量が10 量部を超えると、耐磨耗性が低下する傾向 ある。

 本発明のトレッド用ゴム組成物において 、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子ととも 、平均粒径200nm以上の酸化亜鉛粒子を併用し てもよい。ただし、平均粒径200nm以上の酸化 鉛粒子の含有量は、ゴム成分100質量部に対 て、2.5質量部以下であることが好ましく、1 .5質量部以下であることがより好ましい。平 粒径200nm以上の酸化亜鉛粒子の含有量が2.5 量部を超えると、耐磨耗性を損なう傾向に る。また、平均粒径200nm以上の酸化亜鉛粒子 を併用する場合、平均粒径200nm以下の酸化亜 粒子の含有量に対する平均粒径200nm以上の 化亜鉛粒子の含有量の比(質量比)は5以下で ることが好ましく、3以下であることがより ましい。当該比が5を超える場合には、耐磨 耗性を損なう傾向がある。

 (シリカ)
 本発明のトレッド用ゴム組成物には、さら シリカを含有させることが好ましい。シリ は、補強用充填剤として機能するものであ 、シリカを配合することにより、得られる レッドゴムの耐磨耗性を向上させることが きる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、100m 2 /g以上が好ましく、120m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 100m 2 /g未満では、補強効果が小さい。また、シリ のBET比表面積は、300m 2 /g以下が好ましく、280m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 300m 2 /gを超えると、分散性が低下し、トレッドゴ の発熱性が増大する傾向にある。

 トレッド用ゴム組成物にシリカを含有さ る場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質 部に対して、60質量部以上が好ましく、70質 量部以上がより好ましい。シリカの含有量が 60質量部未満では、十分な耐磨耗性が得られ い傾向にある。また、シリカの含有量は、 ム成分100質量部に対して、90質量部以下が ましく、80質量部以下がより好ましい。シリ カの含有量が90質量部を超えると、良好な転 り抵抗性が得られない傾向にある。

 (シランカップリング剤)
 本発明のトレッド用ゴム組成物にシリカを 合する場合、シリカとともに、シランカッ リング剤を配合することが好ましい。シラ カップリング剤としては、従来公知のシラ カップリング剤を用いることができ、たと ば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テ トラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリル エチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエト シシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3- リメトキシシリルプロピル)テトラスルフィ ド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テト スルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブ ル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシ リルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリ エトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビ (4-トリエトキシシリルブチル)トリスルフィ 、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリ スルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチ ル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシ ルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエト シシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-ト リエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビ (4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスル フィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル) スルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブ ル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプ ピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラス ルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N -ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィ 、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチル オカルバモイルテトラスルフィド、2-トリ トキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバ モイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシ ルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフ ド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾ アゾールテトラスルフィド、3-トリメトキシ シリルプロピルメタクリレートモノスルフィ ドなどのスルフィド系;3-メルカプトプロピル トリメトキシシラン、3-メルカプトプロピル リエトキシシラン、2-メルカプトエチルト メトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエ トキシシランなどのメルカプト系;ビニルト エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ などのビニル系;3-アミノプロピルトリエト シシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシ ラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリ エトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプ ロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ -グリシドキシプロピルトリエトキシシラン γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ 、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキ シラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジ トキシシランなどのグリシドキシ系;3-ニト プロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロ ピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3-ク ロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロ ロピルトリエトキシシラン、2-クロロエチ トリメトキシシラン、2-クロロエチルトリエ トキシシランなどのクロロ系;などを挙げる とができる。これらのシランカップリング は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合 せて用いてもよい。

 上記のなかでも、加工性が良好であると う理由から、デグッサ社製Si69(ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、 Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)などが好ましく用いられる。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して1質量部以上が好ましく、 2質量部以上がより好ましい。含有量が1質量 未満では、分散性の改善等の効果が十分に られない傾向にある。また、シランカップ ング剤の含有量は、シリカ100質量部に対し 20質量部以下が好ましく、15質量部以下がよ り好ましい。含有量が20質量部を超えると、 分なカップリング効果が得られず、補強性 耐磨耗性が低下する傾向にある。

 また、本発明のトレッド用ゴム組成物は、 ーボンブラックを含んでもよい。カーボン ラックのBET比表面積は、70m 2 /g以上が好ましく、80m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 70m 2 /g未満では、補強効果が小さい。また、シリ のBET比表面積は、200m 2 /g以下が好ましく、180m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 200m 2 /gを超える場合、補強効果が小さい傾向にあ 。

 カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレー ト)吸油量は、70ml/100g以上であることが好ま く、80~160ml/100gであることがより好ましい。D BP吸油量が70ml/100g未満では補強効果が小さい 向にある。

 本発明のトレッド用ゴム組成物がカーボ ブラックを含有する場合、その含有量は、 ム成分100質量部に対して5~150質量部である とが好ましく、10~120質量部であることがよ 好ましく、15~100質量部であることがさらに ましい。カーボンブラックの含有量が5質量 未満では、カーボンブラックを添加したこ による十分な低発熱性およびグリップ性能 向上が得られず、150質量部を超えると加工 、作業性が低下する傾向にある。ただし、 資源および環境保護の観点からは、カーボ ブラックを含有しないことが好ましい。

 (その他の配合剤)
 本発明のトレッド用ゴム組成物には、上記 た成分以外にも、従来ゴム工業で使用され 他の添加剤、たとえば加硫剤、加硫促進剤 ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、オイ 、硬化レジン、ワックス、老化防止剤など 含有してもよい。

 加硫剤としては、有機過酸化物もしくは 黄系加硫剤を使用することが可能であり、 機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイ パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミ パーオキサイド、メチルエチルケトンパー キサイド、クメンハイドロパーオキサイド 2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ ン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキ シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパ オキシ)ヘキシン-3あるいは1,3-ビス(t-ブチル ーオキシプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパ ーオキシ-ジイソプロピルベンゼン、t-ブチル パーオキシベンゼン、2,4-ジクロロベンゾイ パーオキサイド、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ- 3,3,5-トリメチルシロキサン、n-ブチル-4,4-ジ-t -ブチルパーオキシバレレートなどを使用す ことができる。これらの中で、ジクミルパ オキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼンお よびジ-t-ブチルパーオキシ-ジイソプロピル ンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤と ては、たとえば、硫黄、モルホリンジスル ィドなどを使用することができる。これら 中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は 単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ 用いてもよい。また、硫黄はオイル処理さ たものであってもよい。

 加硫促進剤としては、スルフェンアミド 、チアゾール系、チウラム系、チオウレア 、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、 ルデヒド-アミン系またはアルデヒド-アン ニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサ テート系加硫促進剤のうち少なくとも一つ 含有するものを使用することが可能である スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N -シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェ アミド)、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジル ルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシル-2- ンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキシジ エチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド 、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールス フェンアミドなどのスルフェンアミド系化 物などを使用することができる。チアゾー 系としては、たとえばMBT(2-メルカプトベン チアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスル ィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールのナ リウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシル ミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプト ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホ ノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール 化合物などを使用することができる。チウ ム系としては、たとえばTMTD(テトラメチル ウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラ ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムジス フィド、ジペンタメチレンチウラムモノス フィド、ジペンタメチレンチウラムテトラ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキ スルフィド、テトラブチルチウラムジスル ィド、ペンタメチレンチウラムテトラスル ィドなどのチウラム系化合物を使用するこ ができる。チオウレア系としては、たとえ チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブ ルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオル トリルチオ尿素などのチオ尿素化合物など 使用することができる。グアニジン系とし は、たとえばジフェニルグアニジン、ジオ トトリルグアニジン、トリフェニルグアニ ン、オルトトリルビグアニド、ジフェニル アニジンフタレートなどのグアニジン系化 物を使用することができる。ジチオカルバ ン酸系としては、たとえばエチルフェニル チオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジ オカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル ミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバ ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜 、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジア ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジ オカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチ カルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘ サデシル(またはオクタデシル)イソプロピ ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチ カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバ ン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカ バミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカル ミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カド ウムなどのジチオカルバミン酸系化合物な を使用することができる。アルデヒド-アミ 系またはアルデヒド-アンモニア系としては 、たとえばアセトアルデヒド-アニリン反応 、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物、ヘキ メチレンテトラミン、アセトアルデヒド-ア ンモニア反応物などのアルデヒド-アミン系 たはアルデヒド-アンモニア系化合物などを 用することができる。イミダゾリン系とし は、たとえば2-メルカプトイミダゾリンな のイミダゾリン系化合物などを使用するこ ができる。キサンテート系としては、たと ばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサ テート系化合物などを使用することができ 。これらの加硫促進剤は、単独で用いても く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 老化防止剤としては、アミン系、フェノ ル系、イミダゾール系、カルバミン酸金属 などを適宜選択して使用することができる

 本発明のトレッド用ゴム組成物は、ステ リン酸金属塩を含有してもよい。ステアリ 酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシ ム、12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウ 、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシ テアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ ム、12-ヒドロキシステアリン酸バリウム、 テアリン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン 亜鉛などを挙げることができる。ステアリ 酸金属塩のなかでも、耐熱性改良効果およ エポキシ化天然ゴムとの相溶性の観点から ステアリン酸アルカリ土類金属塩が好まし 、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシ テアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ ム、12-ヒドロキシステアリン酸バリウムが り好ましい。

 ステアリン酸金属塩の含有量は、ゴム成 100質量部に対して1質量部以上、好ましくは 1.5質量部以上である。ステアリン酸金属塩の 含有量が1質量部未満では十分な相溶効果、 熱性改善効果が得られない傾向にある。ま 、ステアリン酸金属塩の含有量は10質量部以 下、好ましくは8質量部以下である。ステア ン酸金属塩の含有量が10質量部を超えると、 硬度やモジュラスの低下がおこり耐摩耗性が 低下する傾向にある。

 <ベーストレッド用ゴム組成物>
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 ム成分100質量部に対して、平均粒径が200nm 下の酸化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有するゴ 組成物である。かかる本発明のベーストレ ド用ゴム組成物は、タイヤに優れた低転が 抵抗(LRR)性能および耐高速耐久性能を付与す る。

 (ゴム成分)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物には 天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、脱 白天然ゴム(DPNR)およびその他の天然系ゴム ならびにジエン系合成ゴム等から選択され いずれか1種以上のゴム成分が配合される。 なかでも、本発明のベーストレッド用ゴム組 成物は、ゴム成分として天然ゴム(NR)を含む とが好ましい。NRを含有させることにより低 転がり抵抗(LRR)性能を向上させることができ 。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物が 然ゴム(NR)を含む場合、ゴム成分中のNRの含 率は、たとえば5質量%程度以上とすること できる。ただし、ゴム成分としてNR以外の天 然系ゴムを含有する場合には、これより少な くてもよい。一方、ベーストレッド用ゴム組 成物が天然系ゴム成分としてNRのみを含有す 場合には、ゴム成分中のNRは90質量%以上で ることが好ましく、95質量%以上であること より好ましい。NRの含有率が90質量%未満の場 合、ゴム組成物中の石油外資源の比率が低下 することとなる。

 また、ベーストレッドゴム組成物中に配 される天然系ゴム成分中に占めるNRの含有 はより高いことが好ましく、たとえば50質量 %以上とすることができ、より好ましくは70質 量%以上、さらに好ましくは、90質量%以上で る。天然系ゴム成分中に占めるNRの比率を高 めることにより、低転がり抵抗性能の改善効 果をより高めることができる。また、本発明 のベーストレッド用ゴム組成物は、ゴム成分 としてNRのみを含有していてもよい。これに り、低転がり抵抗性能がさらに向上し、優 た操縦安定性を得ることができる。

 天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において 従来用いられているものを使用することがで き、たとえば、RSS#3、TSR20、SIR20などのグレー ドの天然ゴムを挙げることができる。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は ゴム成分として、上記したようなエポキシ 天然ゴム(ENR)を含んでもよい。本発明のベ ストレッド用ゴム組成物がエポキシ化天然 ム(ENR)を含む場合、ゴム成分中のENRの含有率 は、特に限定されないが、たとえば5質量%程 以上とすることができる。ただし、ゴム成 としてENR以外の天然系ゴムを含有する場合 は、これより少なくてもよい。また、ゴム 分としてENR以外の天然系ゴムを含有する場 には、ENRは含有されなくてもよい。一方、 ーストレッド用ゴム組成物が天然系ゴム成 としてENRのみを含有する場合には、ゴム成 中のENRは90質量%以上であることが好ましく 95質量%以上であることがより好ましい。ENR 含有率が90質量%未満の場合、ゴム組成物中 石油外資源の比率が低下することとなる。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより 好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満の 合、グリップ性能の改善効果が低い傾向に る。また、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポ シ化率は、60モル%以下が好ましく、55モル% 下がより好ましい。ENRのエポキシ化率が60モ ル%を超える場合、得られるベーストレッド ムの強度が十分でなく、さらに汎用ゴムと 接着性が低くなる傾向がある。

 また、本発明のベーストレッド用ゴム組 物は、ゴム成分として、上記したような脱 白天然ゴム(DPNR)を含んでいてもよい。本発 のベーストレッド用ゴム組成物が脱蛋白天 ゴム(DPNR)を含む場合、ゴム成分中の脱蛋白 然ゴム(DPNR)の含有率は、特に限定されない 、たとえば5質量%程度以上とすることがで る。ただし、ゴム成分としてDPNR以外の天然 ゴムを含有する場合には、これより少なく もよい。また、ゴム成分としてDPNR以外の天 然系ゴムを含有する場合には、DPNRは含有さ なくてもよい。一方、ベーストレッド用ゴ 組成物が天然系ゴム成分としてDPNRのみを含 する場合には、ゴム成分中のDPNRは90質量%以 上であることが好ましく、95質量%以上である ことがより好ましい。DPNRの含有率が90質量% 満の場合、ゴム組成物中の石油外資源の比 が低下することとなる。DPNRの調製方法につ ては上記したとおりである。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は 上記した以外の変性天然ゴムやジエン系合 ゴムなどを含んでもよい。ジエン系合成ゴ としては、たとえば、スチレンブタジエン ム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソ レン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブ チルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリ ロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化 チルゴム(X-IIR)、イソブチレンとp-メチルス レンとの共重合体のハロゲン化物などを挙 ることができる。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物が エン系合成ゴムを含む場合、ゴム成分中の エン系合成ゴムの含有量は、10質量%以下と ることが好ましい。省資源および環境保護 考慮し、石油外資源の含有率を高めるとい 観点からは、ジエン系合成ゴムを含まない とがより好ましい。

 (酸化亜鉛)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含有す 。酸化亜鉛は、加硫促進助剤として配合さ るものであるが、平均粒径が200nm以下の酸化 亜鉛粒子を含有させることにより、酸化亜鉛 に起因するゴムの破壊を効果的に防ぐことが でき、得られるベーストレッドゴムの高速耐 久性を向上させることができる。また、平均 粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含有させる とにより、転がり抵抗性能を改善すること できる。酸化亜鉛粒子の平均粒径が200nmを えると、ゴム破壊の基点となることが多く 得られるベーストレッドゴムの高速耐久性 よび低転がり抵抗性の改善が十分でない。 速耐久性および低転がり抵抗性のさらなる 上のためには、酸化亜鉛粒子の平均粒径は 150nm以下であることが好ましく、100nm以下で ることがさらに好ましい。また、酸化亜鉛 子の平均粒径は、1nm以上であることが好ま く、10nm以上であることがより好ましい。酸 化亜鉛粒子の平均粒径が1nm未満の場合、酸化 亜鉛のゴム組成物への分散性が劣る傾向にあ る。

 平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有 は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部 上であり、好ましくは0.5質量部以上、より ましくは1.0質量部以上である。平均粒径200nm 以下の酸化亜鉛粒子の含有量が0.1質量部未満 では、酸化亜鉛の配合による加硫促進助剤と しての効果が得られにくい傾向にある。また 、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有量 、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以 であり、好ましくは5質量部以下である。平 粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有量が10質 量部を超えると、耐磨耗性が低下する傾向に ある。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物に いては、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子 ともに、平均粒径200nm以上の酸化亜鉛粒子を 併用してもよい。ただし、平均粒径200nm以上 酸化亜鉛粒子の含有量は、ゴム成分100質量 に対して、2.5質量部以下であることが好ま く、1.5質量部以下であることがより好まし 。平均粒径200nm以上の酸化亜鉛粒子の含有 が2.5質量部を超えると、耐磨耗性が低下す 傾向にある。また、平均粒径200nm以上の酸化 亜鉛粒子を併用する場合、平均粒径200nm以下 酸化亜鉛粒子の含有量に対する平均粒径200n m以上の酸化亜鉛粒子の含有量の比(質量比)は 5以下であることが好ましく、3以下であるこ がより好ましい。当該比が5を超える場合に は、耐磨耗性が低下する傾向にある。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物に 、さらにシリカを含有させることが好まし 。シリカは、補強用充填剤として機能する のであり、シリカを配合することにより、 られるベーストレッドゴムの耐磨耗性を向 させることができる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、100m 2 /g以上が好ましく、120m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 100m 2 /g未満では、補強効果が小さい。また、シリ のBET比表面積は、300m 2 /g以下が好ましく、280m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 300m 2 /gを超えると、ゴムのまとまりが悪く、シー 切れを起こす傾向にある。

 ベーストレッド用ゴム組成物にシリカを 有させる場合、シリカの含有量は、ゴム成 100質量部に対して、30質量部以上が好まし 、33質量部以上がより好ましい。シリカの含 有量が30質量部未満では、十分な高速耐久性 改善効果が得られない傾向にある。また、 リカの含有量は、ゴム成分100質量部に対し 、50質量部以下が好ましく、40質量部以下が より好ましい。シリカの含有量が50質量部を えると、十分な転がり抵抗性の改善効果が られない傾向にある。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物に リカを配合する場合、シリカとともに、シ ンカップリング剤を配合することが好まし 。本発明のベーストレッド用ゴム組成物に い得るシランカップリング剤の種類および の含有量については、本発明のトレッド用 ム組成物の場合と同様である。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 ーボンブラックを含んでもよい。カーボン ラックのBET比表面積は、60m 2 /g以上が好ましく、70m 2 /g以上がより好ましい。カーボンブラックのB ET比表面積が60m 2 /g未満では、補強効果が小さい。また、カー ンブラックのBET比表面積は、200m 2 /g以下が好ましく、180m 2 /g以下がより好ましい。カーボンブラックのB ET比表面積が200m 2 /gを超える場合、補強効果が小さい傾向にあ 。

 カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレー ト)吸油量は、70ml/100g以上であることが好ま く、80~160ml/100gであることがより好ましい。D BP吸油量が70ml/100g未満では補強効果が小さい 向にある。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物が ーボンブラックを含有する場合、その含有 は、ゴム成分100質量部に対して5~150質量部 あることが好ましく、10~120質量部であるこ がより好ましく、15~100質量部であることが らに好ましい。カーボンブラックの含有量 5質量部未満では、カーボンブラックを添加 たことによる十分な転がり抵抗性の向上が られず、150質量部を超えると加工性、作業 が低下する傾向にある。ただし、省資源お び環境保護の観点からは、カーボンブラッ を含有しないことが好ましい。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は トレッド用ゴム組成物と同様に、たとえば 硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸、ステア ン酸金属塩、オイル、硬化レジン、ワック 、老化防止剤などの従来ゴム工業で使用さ る他の添加剤を含有してもよい。

 <ビードエイペックス用ゴム組成物>
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、ゴム成分100質量部に対して、平均粒径が2 00nm以下の酸化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有す ゴム組成物である。かかる本発明のビード イペックス用ゴム組成物は、タイヤに優れ 剛性、特には、優れた引張強度および耐屈 亀裂性能を付与する。

 (ゴム成分)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、ゴム成分として、少なくとも天然ゴム(NR) を含有する。ゴム成分中における天然ゴム(NR )の含有率は、50質量%以上が好ましく、80質量 %以上がより好ましく、90質量%以上がさらに ましく、100質量%である、すなわち、ゴム成 として天然ゴムのみを含有することが特に ましい。天然ゴム(NR)の使用により、高硬度 化、高耐久性、ならびに、優れた耐疲労性お よび転がり抵抗性を付与でき、ゴム成分中に おける天然ゴム(NR)の含有率が高いほど、引 強度を高めることができるという点で有利 ある。

 天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において 従来用いられているものを使用することがで き、たとえば、RSS#3、TSR20、SIR20などのグレー ドの天然ゴムを挙げることができる。

 また、本発明のビードエイペックス用ゴ 組成物は、ゴム成分として天然ゴム以外の ム成分を含有してもよい。天然ゴム以外の ム成分としては、たとえば、エポキシ化天 ゴム(ENR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブ タジエンゴム(BR)、スチレンイソプレン共重 体ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR )、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル タジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブチルゴム(X -IIR)、イソブチレンとp-メチルスチレンとの 重合体のハロゲン化物などを挙げることが きる。このなかでも、高硬度化、高耐久性 ならびに、優れた耐疲労性および転がり抵 性を付与できることから、ENR、SBR、BR、IRが ましく、石油資源の保護という観点からは ENRがより好ましい。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 が天然ゴム以外のゴム成分を含む場合、ゴ 成分中の天然ゴム以外のゴム成分の含有量 、天然ゴム(NR)の含有量が上記した好ましい 範囲となるようにすることが望ましい。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 にエポキシ化天然ゴム(ENR)を配合する場合 そのエポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 は、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がよ 好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満 場合、ENRのガラス転移温度が低く、高硬度 、高耐久性、ならびに、優れた耐疲労性お び転がり抵抗性が得られにくい傾向にある また、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化 率は、65モル%以下が好ましく、60モル%以下が より好ましい。ENRのエポキシ化率が65モル%を 超える場合、硬度が過度に増大し、耐屈曲疲 労性が低下する傾向がある。

 ゴム成分として、天然ゴム(NR)およびエポ キシ化天然ゴム(ENR)を含む場合、ゴム成分中 NRおよびENRの合計含有率は、50質量%以上が ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量 %以上がさらに好ましい。ゴム成分中のNRおよ びENRの合計含有率が50質量%未満では、十分な 高硬度化、高耐久性、ならびに、優れた耐疲 労性および転がり抵抗性が得られない傾向に ある。また、石油外資源の含有比率を上げる という観点からは、ゴム成分中のNRおよびENR 合計含有率は100質量%とすることが特に好ま しい。

 (酸化亜鉛)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、平均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含 する。酸化亜鉛は、加硫促進助剤として配 させるものであるが、平均粒径が200nm以下の 酸化亜鉛粒子を含有させることにより、酸化 亜鉛に起因するクラックの発生を効果的に防 ぐことができ、得られるビードエイペックス ゴムの耐屈曲亀裂性能を向上させることがで きる。酸化亜鉛粒子の平均粒径が200nmを超え と、クラックの基点となることが多く、得 れるビードエイペックスゴムは耐屈曲亀裂 能に劣る。耐屈曲亀裂性能のさらなる向上 ためには、酸化亜鉛粒子の平均粒径は、150n m以下であることが好ましく、100nm以下である ことがさらに好ましい。また、酸化亜鉛粒子 の平均粒径は、1nm以上であることが好ましく 、10nm以上であることがより好ましい。酸化 鉛粒子の平均粒径が1nm未満の場合、酸化亜 のゴム組成物への分散性が劣る傾向にある

 酸化亜鉛粒子の含有量は、ゴム成分100質 部に対して、0.1質量部以上であり、好まし は1質量部以上、より好ましくは3質量部以 である。酸化亜鉛粒子の含有量が0.1質量部 満では、酸化亜鉛の配合による加硫促進助 としての効果が得られにくい傾向にある。 た、酸化亜鉛粒子の含有量は、ゴム成分100 量部に対して、10質量部以下であり、好まし くは8質量部以下である。酸化亜鉛粒子の含 量が10質量部を超えると、耐屈曲亀裂性能が 低下する傾向にある。酸化亜鉛粒子の含有量 の最も好ましい範囲は、ゴム成分100質量部に 対して、3~8質量部の範囲であり、この範囲で あれば、引張強度および耐屈曲亀裂性能がと もに優れたビードエイペックスゴムを得るこ とができる。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 には、さらにシリカを含有させることが好 しい。シリカは、補強用充填剤として機能 るものであり、シリカを配合することによ 、得られるビードエイペックスゴムの引張 度を向上させることができる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、70m 2 /g以上が好ましく、80m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 70m 2 /g未満では、ビードエイペックスとして十分 硬度が得られない傾向にある。また、シリ のBET比表面積は、200m 2 /g以下が好ましく、180m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 200m 2 /gを超えると、ゴムの加工性が低下する傾向 ある。

 ビードエイペックス用ゴム組成物にシリ を含有させる場合、シリカの含有量は、ゴ 成分100質量部に対して、15質量部以上、好 しくは30質量部以上である。シリカの含有量 が15質量部未満では、ビードエイペックスと て十分な硬度が得られない傾向にあり、特 十分な引張強度が得られない傾向にある。 た、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部 対して、90質量部以下、好ましくは80質量部 以下である。シリカの含有量が90質量部を超 ると、ゴムの加工性が低下するとともに、 行時におけるゴムの発熱が高くなる傾向に る。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 にシリカを配合する場合、シリカとともに シランカップリング剤を配合することが好 しい。本発明のビードエイペックス用ゴム 成物に用い得るシランカップリング剤の種 については、本発明のトレッド用ゴム組成 の場合と同様である。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して2質量部以上が好ましく、 3質量部以上がより好ましい。含有量が2質量 未満では、ゴムの混練りおよび押し出し加 性が低下する傾向にあるとともに、耐屈曲 裂性能が低下する傾向にある。また、シラ カップリング剤の含有量は、シリカ100質量 に対して20質量部以下が好ましく、15質量部 以下がより好ましい。含有量が20質量部を超 ると、ゴムの混練りおよび押し出し加工性 改善効果は小さい一方、コストが上昇して まい経済的ではない。また、含有量が20質 部を超えると、耐屈曲亀裂性能が低下する 向にある。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 は、補強用充填剤としてカーボンブラック 含有していてもよいが、省資源および環境 護の観点から、その含有量はより少ないこ が好ましく、含有しないことがより好まし 。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 は、トレッド用ゴム組成物などと同様に、 とえば加硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸 ステアリン酸金属塩、オイル、硬化レジン ワックス、老化防止剤などの従来ゴム工業 使用される他の添加剤を含有してもよい。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 に用い得る硬化レジンとしては、フェノー 系硬化レジン、クレゾール系硬化レジンな を挙げることができる。より好ましくは、 ェノール系硬化レジンでる。フェノール系 化レジンとしては、アルキルフェノール樹 、オイル変性フェノール樹脂、カシュー変 フェノール樹脂などが挙げられる。

 硬化レジンの含有量は、ゴム成分100質量 に対して1~20質量部が好ましい。含有量が1 量部未満では、ビードエイペックスとして 分な硬度が得られない傾向がある。また、 化レジンの含有量が20質量部を超えると、未 加硫ゴムが過剰に硬くなり、加工性が低下す る傾向にある。

 <クリンチ用ゴム組成物>
 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、ゴム成 100質量部に対して、平均粒径が200nm以下の 化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有するゴム組成 である。かかる本発明のクリンチ用ゴム組 物は、タイヤに優れた引張強度および耐摩 性を付与する。

 (ゴム成分)
 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、ゴム成 として、少なくとも天然ゴム(NR)とエポキシ 化天然ゴムとを含有する。

 天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において 従来用いられているものを使用することがで き、たとえば、RSS#3、TSR20、SIR20などのグレー ドの天然ゴムを挙げることができる。

 ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率は、30 量%以上であり、好ましくは40質量%以上であ る。NRの含有率が30質量%未満の場合、ゴム強 が十分でない。また、ゴム成分中の天然ゴ (NR)の含有率は、90質量%以下であり、好まし くは80質量%以下である。NRの含有率が90質量% 超える場合、耐磨耗性の改善が十分でない

 また、ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム( ENR)の含有率は、10質量%以上であり、好まし は20質量%以上である。ENRの含有率が10質量% 満の場合、耐磨耗性の改善が十分でない。 た、ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の 含有率は、70質量%以下であり、好ましくは50 量%以下である。ENRの含有率が70質量%を超え る場合、ゴム強度が十分でない。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより 好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満の 合、ENRのガラス転移温度が低く、高硬度化 高耐久性、ならびに、優れた耐疲労性およ 転がり抵抗性が得られにくい傾向にある。 た、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化 は、65モル%以下が好ましく、60モル%以下が り好ましい。ENRのエポキシ化率が65モル%を える場合、ゴムの強度が十分でない傾向が る。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、ゴム 分として天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴ 以外のゴム成分を含有してもよい。天然ゴ およびエポキシ化天然ゴム以外のゴム成分 しては、たとえば、スチレンブタジエンゴ (SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプ ン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチ ルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロ ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブ ルゴム(X-IIR)、イソブチレンとp-メチルスチ ンとの共重合体のハロゲン化物などを挙げ ことができる。このなかでも、高硬度化、 耐久性、ならびに、優れた耐疲労性および がり抵抗性を付与できることから、SBR、BR IRが好ましい。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物が天然ゴ およびエポキシ化天然ゴム以外のゴム成分 含む場合、ゴム成分中の天然ゴムおよびエ キシ化天然ゴム以外のゴム成分の含有量は 20質量%以下とすることが好ましい。省資源 よび環境保護を考慮し、石油外資源の含有 を高めるという観点からは、天然ゴムおよ エポキシ化天然ゴム以外のゴム成分は含ま いことがより好ましい。

 (酸化亜鉛)
 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、平均粒 が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含有する。酸 亜鉛は、加硫促進助剤として配合させるも であるが、平均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒 子を含有させることにより、酸化亜鉛に起因 するクラックの発生を効果的に防ぐことがで き、得られるクリンチゴムの強度および耐磨 耗性が改善されるとともに、耐屈曲亀裂性能 を向上させることができる。酸化亜鉛粒子の 平均粒径が200nmを超えると、クラックの基点 なることが多く、得られるクリンチゴムは 屈曲亀裂性能に劣り、また、クリンチゴム 強度および耐磨耗性の改善が十分でない。 屈曲亀裂性能のさらなる向上のためには、 化亜鉛粒子の平均粒径は、150nm以下である とが好ましく、100nm以下であることがさらに 好ましい。また、酸化亜鉛粒子の平均粒径は 、1nm以上であることが好ましく、10nm以上で ることがより好ましい。酸化亜鉛粒子の平 粒径が1nm未満の場合、酸化亜鉛のゴム組成 への分散性が劣る傾向にある。

 酸化亜鉛粒子の含有量は、ゴム成分100質 部に対して、0.1質量部以上であり、好まし は1質量部以上、より好ましくは3質量部以 である。酸化亜鉛粒子の含有量が0.1質量部 満では、酸化亜鉛の配合による加硫促進助 としての効果が得られにくい傾向にある。 た、酸化亜鉛粒子の含有量は、ゴム成分100 量部に対して、10質量部以下であり、好まし くは8質量部以下である。酸化亜鉛粒子の含 量が10質量部を超えると、耐屈曲亀裂性能が 低下する傾向にある。酸化亜鉛粒子の含有量 の最も好ましい範囲は、ゴム成分100質量部に 対して、3~8質量部の範囲であり、この範囲で あれば、引張強度、耐磨耗性および耐屈曲亀 裂性能に優れたクリンチゴムを得ることがで きる。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物には、さ にシリカを含有させることが好ましい。シ カは、補強用充填剤として機能するもので り、シリカを配合することにより、得られ クリンチゴムの引張強度を向上させること できる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、70m 2 /g以上が好ましく、80m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 70m 2 /g未満では、クリンチゴムとして十分な硬度 得られない傾向にある。また、シリカのBET 表面積は、200m 2 /g以下が好ましく、180m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 200m 2 /gを超えると、ゴムの加工性が低下する傾向 ある。

 クリンチ用ゴム組成物にシリカを含有さ る場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質 部に対して、15質量部以上、好ましくは30質 量部以上である。シリカの含有量が15質量部 満では、クリンチゴムとして十分な強度が られない傾向にあり、特に十分な引張強度 得られない傾向にある。また、シリカの含 量は、ゴム成分100質量部に対して、90質量 以下、好ましくは80質量部以下である。シリ カの含有量が90質量部を超えると、ゴムの加 性が低下するとともに、走行時におけるゴ の発熱が高くなる傾向にある。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物にシリカ 配合する場合、シリカとともに、シランカ プリング剤を配合することが好ましい。本 明のクリンチ用ゴム組成物に用い得るシラ カップリング剤の種類については、本発明 トレッド用ゴム組成物の場合と同様である

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して2質量部以上が好ましく、 3質量部以上がより好ましい。含有量が2質量 未満では、ゴム強度が低下する傾向にある また、シランカップリング剤の含有量は、 リカ100質量部に対して20質量部以下が好ま く、18質量部以下がより好ましい。含有量が 20質量部を超えると、ゴムの混練りおよび押 出し加工性の改善効果は小さい一方、コス が上昇してしまい経済的ではない。また、 有量が20質量部を超えると、ゴム強度が低 する傾向にある。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、補強 充填剤としてカーボンブラックを含有して てもよいが、省資源および環境保護の観点 ら、その含有量はより少ないことが好まし 、含有しないことがより好ましい。

 本発明のクリンチ用ゴム組成物は、トレ ド用ゴム組成物などと同様に、たとえば加 剤、加硫促進剤、ステアリン酸、ステアリ 酸金属塩、オイル、硬化レジン、ワックス 老化防止剤などの従来ゴム工業で使用され 他の添加剤を含有してもよい。

 <インナーライナー用ゴム組成物>
 本発明のインナーライナー用ゴム組成物は ゴム成分100質量部に対して、平均粒径が200n m以下の酸化亜鉛粒子を0.1~10質量部含有する ム組成物である。かかる本発明のインナー イナー用ゴム組成物は、タイヤに優れた耐 気透過性および耐屈曲亀裂成長性を付与す 。

 (ゴム成分)
 本発明のインナーライナー用ゴム組成物に 、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、 蛋白天然ゴム(DPNR)およびその他の天然系ゴ 、ならびにジエン系合成ゴム等から選択さ るいずれか1種以上のゴム成分が配合される 。なかでも、本発明のインナーライナー用ゴ ム組成物は、ゴム成分としてエポキシ化天然 ゴム(ENR)を含むことが好ましい。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより 好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満の 合、気体保持性が乏しい傾向にある。また エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は 60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより ましい。ENRのエポキシ化率が60モル%を超え 場合、耐熱耐久性に乏しい傾向がある。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 エポキシ化天然ゴム(ENR)を含む場合、ゴム 分中のENRの含有率は、たとえば5質量%程度以 上とすることができる。ただし、ゴム成分と してNR以外の天然系ゴムを含有する場合には これより少なくてもよい。一方、インナー イナー用ゴム組成物が天然系ゴム成分とし ENRのみを含有する場合には、ゴム成分中のE NRは90質量%以上であることが好ましく、95質 %以上であることがより好ましい。ENRの含有 が90質量%未満の場合、ゴム組成物中の石油 資源の比率が低下することとなる。

 また、ゴム組成物中に配合される天然系 ム成分中に占めるENRの含有量はより高いこ が好ましく、たとえば50質量%以上とするこ ができ、より好ましくは70質量%以上、さら 好ましくは、90質量%以上である。天然系ゴ 成分中に占めるENRの比率を高めることによ 、気体保持性をより高めることができる。 た、本発明のインナーライナー用ゴム組成 は、ゴム成分としてENRのみを含有していて よい。これにより、気体保持性をさらに向 させることができる。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 、ゴム成分として天然ゴム(NR)を含んでもよ い。天然ゴム(NR)としては、ゴム工業におい 従来用いられているものを使用することが き、たとえば、RSS#3、TSR20、SIR20などのグレ ドの天然ゴムを挙げることができる。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 天然ゴム(NR)を含む場合、ゴム成分中のNRの 有率は、特に限定されないが、たとえば5質 量%程度以上とすることができる。ただし、 ム成分としてNR以外の天然系ゴムを含有する 場合には、これより少なくてもよい。また、 ゴム成分としてNR以外の天然系ゴムを含有す 場合には、NRは含有されなくてもよい。一 、インナーライナー用ゴム組成物が天然系 ム成分としてNRのみを含有する場合には、ゴ ム成分中のNRは90質量%以上であることが好ま く、95質量%以上であることがより好ましい NRの含有率が90質量%未満の場合、ゴム組成 中の石油外資源の比率が低下することとな 。

 また、本発明のインナーライナー用ゴム 成物は、ゴム成分として、上記したような 蛋白天然ゴム(DPNR)を含んでいてもよい。本 明のインナーライナー用ゴム組成物が脱蛋 天然ゴム(DPNR)を含む場合、ゴム成分中の脱 白天然ゴム(DPNR)の含有率は、特に限定され いが、たとえば5質量%程度以上とすること できる。ただし、ゴム成分としてDPNR以外の 然系ゴムを含有する場合には、これより少 くてもよい。また、ゴム成分としてDPNR以外 の天然系ゴムを含有する場合には、DPNRは含 されなくてもよい。一方、インナーライナ 用ゴム組成物が天然系ゴム成分としてDPNRの を含有する場合には、ゴム成分中のDPNRは90 量%以上であることが好ましく、95質量%以上 であることがより好ましい。DPNRの含有率が90 質量%未満の場合、ゴム組成物中の石油外資 の比率が低下することとなる。DPNRの調製方 については上記したとおりである。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 、上記した以外の変性天然ゴムやジエン系 成ゴムなどを含んでもよい。ジエン系合成 ムとしては、たとえば、スチレンブタジエ ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイ プレン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、 ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アク リロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン ブチルゴム(X-IIR)、イソブチレンとp-メチル チレンとの共重合体のハロゲン化物などを げることができる。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 ジエン系合成ゴムを含む場合、ゴム成分中 ジエン系合成ゴムの含有量は、10質量%以下 することが好ましい。省資源および環境保 を考慮し、石油外資源の含有率を高めると う観点からは、ジエン系合成ゴムを含まな ことがより好ましい。

 (酸化亜鉛)
 本発明のインナーライナー用ゴム組成物は 平均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含有 る。酸化亜鉛は、加硫促進助剤として配合 せるものであるが、平均粒径が200nm以下の酸 化亜鉛粒子を含有させることにより、酸化亜 鉛に起因するゴムの破壊を効果的に防ぐこと ができ、得られるインナーライナーゴムの耐 空気透過性を向上させることができる。また 、平均粒径が200nm以下の酸化亜鉛粒子を含有 せることにより、耐屈曲亀裂成長性を改善 ることができる。酸化亜鉛粒子の平均粒径 200nmを超えると、ゴム破壊の基点となるこ が多く、得られるインナーライナーゴムの 空気透過性および耐屈曲亀裂成長性の改善 十分でない。耐空気透過性および耐屈曲亀 成長性のさらなる向上のためには、酸化亜 粒子の平均粒径は、150nm以下であることが好 ましく、100nm以下であることがさらに好まし 。また、酸化亜鉛粒子の平均粒径は、1nm以 であることが好ましく、10nm以上であること がより好ましい。酸化亜鉛粒子の平均粒径が 1nm未満の場合、酸化亜鉛粒子のゴム組成物へ の分散性が劣る傾向にある。

 平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有 は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部 上であり、好ましくは0.5質量部以上、より ましくは1.0質量部以上である。平均粒径200nm 以下の酸化亜鉛粒子の含有量が0.1質量部未満 では、酸化亜鉛の配合による加硫促進助剤と しての効果が得られにくい傾向にある。また 、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有量 、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以 であり、好ましくは5質量部以下である。平 粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含有量が10質 量部を超えると、耐屈曲亀裂成長性が低下す る傾向にある。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 おいては、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒 とともに、平均粒径が200nmを超える酸化亜鉛 粒子を併用してもよい。ただし、平均粒径が 200nmを超える酸化亜鉛粒子の含有量は、ゴム 分100質量部に対して、2.5質量部以下である とが好ましく、1.5質量部以下であることが り好ましい。平均粒径が200nmを超える酸化 鉛粒子の含有量が2.5質量部を超えると、耐 曲亀裂成長性が劣る傾向にある。また、平 粒径が200nmを超える酸化亜鉛粒子を併用する 場合、平均粒径200nm以下の酸化亜鉛粒子の含 量に対する平均粒径が200nmを超える酸化亜 粒子の含有量の比(質量比)は5以下であるこ が好ましく、3以下であることがより好まし 。当該比が5を超える場合には、耐屈曲亀裂 成長性が劣る傾向がある。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 は、さらにシリカを含有させることが好ま い。シリカは、補強用充填剤として機能す ものであり、シリカを配合することにより 得られるインナーライナーゴムの耐空気透 性および耐屈曲亀裂成長性をさらに向上さ ることができる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、150m 2 /g以上が好ましく、170m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 150m 2 /g未満では、十分な耐屈曲亀裂成長性が得ら にくい傾向にある。また、シリカのBET比表 積は、200m 2 /g以下が好ましく、180m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 200m 2 /gを超えると、未加硫ゴムの粘度が上がりす る傾向にある。

 インナーライナー用ゴム組成物にシリカ 含有させる場合、シリカの含有量は、ゴム 分100質量部に対して、30質量部以上が好ま く、33質量部以上がより好ましい。シリカの 含有量が30質量部未満では、十分な耐空気透 性の改善効果が得られない傾向にある。ま 、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に して、50質量部以下が好ましく、40質量部以 下がより好ましい。シリカの含有量が50質量 を超えると、耐屈曲亀裂成長性が低下する 向にある。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 シリカを配合する場合、シリカとともに、 ランカップリング剤を配合することが好ま い。本発明のベーストレッド用ゴム組成物 用い得るシランカップリング剤の種類につ ては、本発明のトレッド用ゴム組成物の場 などと同様である。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して1質量部以上が好ましく、 2質量部以上がより好ましい。含有量が1質量 未満では、分散性の改善等の効果が十分に られない傾向にある。また、シランカップ ング剤の含有量は、シリカ100質量部に対し 20質量部以下が好ましく、15質量部以下がよ り好ましい。含有量が20質量部を超えると、 分なカップリング効果が得られず、補強性 耐磨耗性が低下する傾向にある。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物は カーボンブラックを含んでもよい。カーボ ブラックのBET比表面積は、20m 2 /g以上が好ましく、25m 2 /g以上がより好ましい。カーボンブラックのB ET比表面積が20m 2 /g未満では、耐屈曲亀裂成長性の改善効果が られにくい傾向にある。また、カーボンブ ックのBET比表面積は、40m 2 /g以下が好ましく、30m 2 /g以下がより好ましい。カーボンブラックのB ET比表面積が40m 2 /gを超える場合、タイヤの転動抵抗性が上が 傾向にある。

 カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレー ト)吸油量は、70~100ml/100g以上であることが好 しく、80~90ml/100gであることがより好ましい DBP吸油量が70ml/100g未満では、未加硫ゴムの 度が低く、ゴム残りに乏しい傾向にあり、1 00ml/100gを超える場合、未加硫ゴムの粘度が高 く、ヤケが発生しやすい傾向にある。

 カーボンブラックの含有量は、ゴム成分1 00質量部に対して0~10質量部であることが好ま しく、0~5質量部であることがより好ましく、 0~1質量部であることがさらに好ましい。カー ボンブラックの含有量が10質量部を超えると 石油外資源の比率が低下する。省資源およ 環境保護の観点からは、カーボンブラック 含有しないことが好ましい。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物 、トレッド用ゴム組成物などと同様に、た えば加硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸、 テアリン酸金属塩、オイル、硬化レジン、 ックス、老化防止剤などの従来ゴム工業で 用される他の添加剤を含有してもよい。

 次に、本発明の空気入りタイヤについて 明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの 一例を示す概略断面図である。

 図1に示される空気入りタイヤ1は、キャ プトレッド部2aとベーストレッド部2bとを備 るトレッド部2と、そのトレッド部2の両端 らタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイ ウォール部3と、各サイドウォール部3の内方 端に位置するビード部4とを備える構造を有 る。そして、それらのビード部4間にはカー ス6が架け渡されるとともに、このカーカス 6の外側かつトレッド部2の内側にはタガ効果 有してトレッド部2を補強するベルト層7が される。

 上記カーカス6は、カーカスコードをタイ ヤ赤道COに対して、たとえば70~90°の角度で配 列する1枚以上のカーカスプライから形成さ 、このカーカスプライは、上記トレッド部2 らサイドウォール部3を経てビード部4のビ ドコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外 に折返されて係止される。

 上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ 赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配 列した2枚以上のベルトプライからなり、各 ルトコードがプライ間で交差するよう向き 違えて重置している。

 またビード部4には、上記ビードコア5か 半径方向外方に延びるビードエイペックス ム8が配されるとともに、カーカス6の内側に は、タイヤ内腔面をなすインナーライナーゴ ム9が隣設され、カーカス6の外側は、クリン ゴム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護さ れる。

 本発明の空気入りタイヤは、そのキャッ トレッド部、ベーストレッド部、ビードエ ペックスゴム、クリンチゴム、インナーラ ナーゴムのうちいずれか1つまたはそれ以上 が本発明のゴム組成物を用いて形成されたも のである。好ましくは、これらの部位のうち 2以上が本発明のゴム組成物から形成され、 に好ましくはこれらすべての部位が本発明 ゴム組成物から形成される。

 かかる本発明の空気入りタイヤは、石油 資源からなる材料の含有比率がより高く、 資源および環境保護への配慮が十分なされ いるとともに、優れた性能を示す。したが て、地球環境に優しい「エコタイヤ」とし 、たとえば乗用車などに好適に使用するこ ができる。

 本発明の空気入りタイヤは、従来公知の 法により製造することができる。すなわち たとえば本発明のトレッド用ゴム組成物を いる場合、上記構成のトレッド用ゴム組成 を混練りし、未加硫の段階でタイヤのキャ プトレッド部の形状に合わせて押出し加工 、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形 上にて通常の方法で成形することにより、 加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤ 加硫機中で加熱加圧することにより、本発 の空気入りタイヤを得ることができる。本 明のベーストレッド用ゴム組成物、ビード イペックス用ゴム組成物、クリンチ用ゴム 成物およびインナーライナー用ゴム組成物 用いる場合についても同様である。

 以下、実施例および比較例を挙げて本発 をより詳細に説明するが、本発明はこれら 限定されるものではない。

 <実施例1~5および比較例1~5>
 表1に示す配合処方に従い、バンバリーミキ サーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く 配合成分を、回転数80rpm、150℃の条件で3分間 混練りした。ついで、得られた混練り物に硫 黄および加硫促進剤を表1に示す配合量で加 た後、オープンロールを用いて、80℃で5分 混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。次に 当該未加硫ゴム組成物(トレッド用ゴム組成 )を150℃で、30分間加硫することにより、実 例1~5および比較例1~5の加硫ゴムを作製した

 実施例1~5および比較例1~5で使用した各種配 成分の詳細は以下のとおりである。
(1)エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガス リー社製の「ENR25」(エポキシ化率25モル%)
(2)SBR:住友化学(株)製の「SBR1502」(スチレン単 量23.5質量%のスチレンブタジエンゴム)
(3)シリカ:ローディア社製の「Z115Gr」(BET:110m 2 /g)
(4)カーボンブラック(ISAFカーボン):三菱化学( )製の「ダイヤブラックI」(BET:114m 2 /g、DBP吸油量115ml/100g)
(5)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 266」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)
(6)大豆油:日清製油製の「大豆白締油」
(7)老化防止剤:バイエル社製の「Vulkanox4020」(N -1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレ ジアミン)
(8)ワックス:日本精蝋製の「OZOACE-0355」
(9)ステアリン酸カルシウム:白石カルシウム 製の「GF200」
(10)ステアリン酸:日本油脂(株)製の「椿」
(11)酸化亜鉛微粒子(実施例1~5で使用した酸化 鉛):ハクスイテック(株)製の「ジンコックス スーパーF-2」(平均粒径:65nm)
(12)酸化亜鉛(実施例3~5および比較例1~5で使用 た酸化亜鉛):三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛 2種(平均粒径:500nm)

(13)硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉 末硫黄
(14)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の「 クセラーCZ」(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチア ジル-スルフェンアミド)
 実施例1~5および比較例1~5の加硫ゴムについ 、下記に示す試験を実施した。結果を表1に 示す。

 (硬度)
 JIS-K6253に準拠して、タイプAデュロメータ硬 さを測定した。

 (ランボーン磨耗試験)
 ランボーン摩耗試験機(岩本製作所製)を用 、温度20℃、試験時間5分で、試験表面速度80 m/分、落砂量15g/分、加重3.0kgfおよびスリップ 率20%の条件にて、各加硫ゴム試験片の容積損 失量を測定した。表1の数値は、実施例1の容 損失量を100としたときの相対値である。当 数値が大きいほど耐摩耗性に優れている。

 (LAT磨耗試験)
 LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を い、荷重120N、速度20km/h、スリップアングル5 °の条件にて、各加硫ゴム試験片の容積損失 を測定した。表1の数値は、実施例1の容積 失量を100としたときの相対値である。当該 値が大きいほど耐摩耗性に優れている。

 (ウェットグリップ性能試験)
 スタンレー社製のポータブルスキッドテス ーを用いてASTM E303-83の方法にしたがって測 定した(ウェットスキッド試験)。表1の数値は 、実施例1の容積損失量を100としたときの相 値である。当該数値が大きいほどウェット リップ性能が優れる。

 <実施例6~10および比較例6~10>
 表2に示す配合処方に従い、バンバリーミキ サーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く 配合成分を、回転数80rpm、150℃の条件で3分間 混練りした。ついで、得られた混練り物に硫 黄および加硫促進剤を表2に示す配合量で加 た後、オープンロールを用いて、80℃で5分 混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。次に 当該未加硫ゴム組成物(ベーストレッド用ゴ 組成物)を150℃で、30分間加硫することによ 、実施例6~10および比較例6~10の加硫ゴムシ トを作製した。

 実施例6~10および比較例6~10で使用した各種 合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):インドネシア製の「SIR20」
(2)SBR:住友化学(株)製の「SBR1502」(スチレン単 量23.5質量%のスチレンブタジエンゴム)
(3)シリカ:ローディア社製の「Z115Gr」(BET:110m 2 /g)
(4)カーボンブラック:三菱化学(株)製の「ダイ ヤブラックN351H」(BET:69m 2 /g、DBP吸油量136ml/100g)
(5)大豆油:日清製油製の「大豆白締油」
(6)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 266」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)
(7)老化防止剤:バイエル社製の「Vulkanox4020」(N -1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレ ジアミン)
(8)ワックス:日本精蝋製の「OZOACE-0355」
(9)ステアリン酸:日本油脂(株)製の「椿」
(10)酸化亜鉛微粒子(実施例1~5で使用した酸化 鉛):ハクスイテック(株)製の「ジンコックス スーパーF-2」(平均粒径:65nm)
(11)酸化亜鉛(実施例3~5および比較例1~5で使用 た酸化亜鉛):三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛 2種(平均粒径:500nm)
(12)硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉 末硫黄
(13)加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製の「 ノクセラーCZ」(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチ ジル-スルフェンアミド)
(14)加硫促進剤DPG:フレキシス社製の「パーカ ットDPG」(ジフェニルグアニジン)
(15)加硫促進剤M:三新化学工業(株)製の「サン ラーM」(メルカプトベンゾチアゾール)
(16)加硫促進剤DM:三新化学工業(株)製の「サン セラーDM」(メルカプトベンゾチアジルジサル ファイド)
 実施例6~10および比較例6~10の加硫ゴムにつ て、下記に示す試験を実施した。結果を表2 示す。

 (硬度)
 JIS-K6253に準拠して、タイプAデュロメータ硬 さを測定した。

 (転がり抵抗試験)
 (株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメー ーを用いて、初期歪10%、動歪1%、周波数10Hz よび温度60℃の条件下で、実施例6~10および 較例6~10の加硫ゴムシートの損失正接(tanδ)の 測定を行なった。表2の数値は、実施例6の損 正接を100としたときの相対値である。なお 当該数値が大きいほど、転がり抵抗が低減 れ、低発熱性に優れていることを示す。

 (高速耐久性試験)
 まず、上記実施例6~10および比較例6~10に記 の未加硫状態のベーストレッド用ゴム組成 (ベーストレッド部)を他の部材とともに張り 合わせ、160℃で20分間プレス加硫することに り、空気入りタイヤ(サイズ:215/60R16)を作製 た。このような空気入りタイヤは、図1に示 したような構造を有しており、その詳細は以 下の通りである。

 [空気入りタイヤの構造]
 カーカス:材料 ポリエステル(1670dtex/2)
 ベルト層:材料 スチールコード、構造2+2×0. 23HT、
      角度 22°×22°
 キャップトレッド部/ベーストレッド部の厚 み比:7/3。

 上記空気入りタイヤについて、神戸製鋼 高速耐久マシンを用い、ECE30に従い、高速 久性の測定を行なった。結果を表2に示す。 2において、「A」は、H/Sレベルが、250km/h以 であることを示し、「B」は230km/h以上250km/h 満であることを示し、「C」は210km/h以上230km /h未満であることを示し、「D」は210km/h未満 あることを示す。

 <実施例11~13および比較例11>
 表3に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株) 1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄およ び加硫促進剤を除く配合成分を充填率が58%に なるように充填し、回転数80rpmで150℃に到達 るまで3分間混練りした。ついで、得られた 混練り物に硫黄および加硫促進剤を表3に示 配合量で加えた後、オープンロールを用い 、80℃で3分間混練りし、未加硫ゴム組成物( ードエイペックス用ゴム組成物)を得た。次 に、当該未加硫ゴム組成物を160℃で、20分間 硫することにより、実施例11~13および比較 11の加硫ゴムを作製した。

 実施例11~13および比較例11で使用した各種配 合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):TSR20
(2)シリカ:デグッサ社製の「ウルトラジルVN3 (BET:170m 2 /g)
(3)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 266」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)
(4)硬化レジン:住友ベークライト社製のフェ ール系硬化レジン「スミライトレジンPR12686
(5)ステアリン酸:日本油脂(株)製の「桐」
(6)酸化亜鉛(比較例1で使用した酸化亜鉛):三 金属鉱業(株)製の酸化亜鉛(平均粒径:500nm)
(7)酸化亜鉛微粒子(実施例1~3で使用した酸化 鉛):ハクスイテック(株)製の「ジンコックス ーパーF-2」(平均粒径:65nm)
(8)硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
(9)加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製の「 クセラーNS」(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリ ルスルファンアミド)
(10)加硫促進剤H:小倉サンダイン(株)製の「サ セラーH」(ヘキサメチレンテトラミン)
 実施例11~13および比較例11の加硫ゴムについ て、下記に示すゴム強度試験およびデマッチ ャ屈曲亀裂成長試験を実施した。結果を表3 示す。

 (ゴム強度試験)
 加硫ゴムサンプルから3号ダンベル型試験片 を作製し、JIS-K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴ ム-引張特性の求め方」に準じて引張試験を 施し、試験片の破断強度(TB)および破断時伸 (EB)をそれぞれ測定した。表3における「ゴ 強度指数」は、比較例11のゴム強度指数を100 としたときの相対値であり、下記式により算 出されたものである。ゴム強度指数が大きい ほどゴムの破壊強度が良好であることを示す 。
ゴム強度指数={各実施例の(TB×EB)}/{比較例11の (TB×EB)}×100
 (デマッチャ屈曲亀裂成長試験)
 JIS-K6260「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのデ ッチャ屈曲亀裂成長試験方法」に準じて、 温25℃の条件下で、加硫ゴムサンプルに1mm 破断が生じるまでの回数を測定し、得られ 回数を、比較例11における回数を100としたと きの相対値で示した。なお、表3における70% は、もとの加硫ゴムサンプルの長さに対す 伸び率を示す。

 <実施例14~16および比較例12>
 表4に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株) 1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄およ び加硫促進剤を除く配合成分を充填率が58%に なるように充填し、回転数80rpmで140℃に到達 るまで3分間混練りした。ついで、得られた 混練り物に硫黄および加硫促進剤を表4に示 配合量で加えた後、オープンロールを用い 、80℃で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物( リンチ用ゴム組成物)を得た。次に、当該未 加硫ゴム組成物を160℃で、20分間加硫するこ により、実施例14~16および比較例12の加硫ゴ ムを作製した。

 実施例14~16および比較例12で使用した各種配 合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):TSR20
(2)エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガス リー社製の「ENR25」(エポキシ化率25モル%)
(3)シリカ:デグッサ社製の「ウルトラジルVN3 (BET:170m 2 /g)
(4)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 266」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)
(5)ワックス:日本精蝋製の「OZOACE-0355」
(6)老化防止剤:住友化学(株)製の「6C」(N-(1,3- メチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジ ミン)
(7)ステアリン酸:日本油脂(株)製の「桐」
(8)酸化亜鉛(比較例1で使用した酸化亜鉛):三 金属鉱業(株)製の酸化亜鉛(平均粒径:500nm)
(9)酸化亜鉛微粒子(実施例1~3で使用した酸化 鉛):ハクスイテック(株)製の「ジンコックス ーパーF-2」(平均粒径:65nm)
(10)硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
(11)加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製の「 ノクセラーNS」(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾ ルスルファンアミド)
 実施例14~16および比較例12の加硫ゴムについ て、下記に示すゴム強度試験およびデマッチ ャ屈曲亀裂成長試験を実施した。結果を表4 示す。

 (ゴム強度試験)
 加硫ゴムサンプルから3号ダンベル型試験片 を作製し、JIS-K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴ ム-引張特性の求め方」に準じて引張試験を 施し、試験片の破断強度(TB)および破断時伸 (EB)をそれぞれ測定した。表4における「ゴ 強度指数」は、比較例12のゴム強度指数を100 としたときの相対値であり、下記式により算 出されたものである。ゴム強度指数が大きい ほどゴムの破壊強度が良好であることを示す 。
ゴム強度指数={各実施例の(TB×EB)}/{比較例12の (TB×EB)}×100
 (ピコ磨耗試験)
 JIS-K6264「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム-耐磨 耗性の求め方」に準じて、上島製作所(株)製 ピコ磨耗試験機にて表面回転速度60rpm、負 荷重4kg、試験時間1分間の条件で磨耗させ、 加硫ゴム試験片の試験前後の重量変化を測 した。表4における「ピコ磨耗指数」は、比 較例12のピコ磨耗指数を100としたときの相対 であり、下記式により算出されたものであ 。ピコ磨耗指数が大きいほど耐高シビアリ ィ磨耗性が高いことを示す。
ピコ磨耗指数={各実施例の重量変化}/{比較例1 2の重量変化}×100
 <実施例17~21および比較例13~17>
 表5に示す配合処方に従い、バンバリーミキ サーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く 配合成分を、回転数80rpm、150℃の条件で3分間 混練りした。ついで、得られた混練り物に硫 黄および加硫促進剤を表5に示す配合量で加 た後、オープンロールを用いて、80℃で5分 混練りし、未加硫ゴム組成物(インナーライ ー用ゴム組成物)を得た。次に、当該未加硫 ゴム組成物を150℃で、30分間加硫することに り、実施例17~21および比較例13~17の加硫ゴム シートを作製した。

 実施例17~21および比較例13~17で使用した各種 配合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガス リー社製の「ENR25」(エポキシ化率25モル%)
(2)クロロ化ブチルゴム:エクソン化学社製の クロロブチルHT1066」
(3)シリカ:デグッサ社製の「ウルトラジルVN3 (BET:175m 2 /g)
(4)カーボンブラック:三菱化学(株)製の「ダイ ヤブラックG」(BET:27m 2 /g、DBP吸油量87ml/100g)
(5)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 266」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)
(6)老化防止剤:松原産業製の「アンチオキシ ントFR」(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリ ン誘導体の精製品)
(7)ステアリン酸カルシウム:白石カルシウム 製の「GF200」
(8)ステアリン酸:日本油脂(株)製の「椿」
(9)酸化亜鉛微粒子(実施例1~5で使用した酸化 鉛):ハクスイテック(株)製の「ジンコックス ーパーF-2」(平均粒径:65nm)
(10)酸化亜鉛(実施例3~5および比較例1~5で使用 た酸化亜鉛):三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛 2種(平均粒径:500nm)
(11)硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉 末硫黄
(12)加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製の「 ノクセラーCZ」(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチ ジル-スルフェンアミド)
(13)加硫促進剤DPG:フレキシス社製の「パーカ ットDPG」(1,3-ジフェニルグアニジン)
(14)加硫促進剤M:三新化学工業(株)製の「サン ラーM」(2-メルカプト-ベンゾチアゾール)
(15)加硫促進剤DM:三新化学工業(株)製の「サン セラーDM」(ジベンゾチアジルジスルフィド)
 実施例17~21および比較例13~17の加硫ゴムにつ いて、下記に示す試験を実施した。結果を表 5に示す。

 (硬度)
 JIS-K6253に準拠して、タイプAデュロメータ硬 さを測定した。

 (転がり抵抗試験)
 (株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメー ーを用いて、初期歪10%、動歪1%、周波数10Hz よび温度60℃の条件下で、実施例17~21および 較例13~17の加硫ゴムシートの損失正接(tanδ) 測定を行なった。表5の数値は、実施例17の 失正接を100としたときの相対値である。な 、当該数値が大きいほど、転がり抵抗が低 され、低発熱性に優れていることを示す。

 (空気透過性試験)
 上島製作所製のガス透過試験機を用い、常 、常圧の条件にて、実施例17~21および比較 13~17の加硫ゴムシートの空気透過性を測定し た。結果を表5に示す。表5において、空気透 性が「A」であるとは、透過係数が5以上10未 満(×10 11 cm 3 ・cm/cm 2 ・s・cmHg)であることを示し、「B」であると 、透過係数が10以上~15未満(×10 11 cm 3 ・cm/cm 2 ・s・cmHg)であることを示し、「C」であると 、透過係数が15以上~20未満(×10 11 cm 3 ・cm/cm 2 ・s・cmHg)であることを示す。

 (屈曲亀裂成長試験)
 JIS-K6260「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのデ ッチャ屈曲亀裂成長試験方法」に準じて、 温25℃の条件下で、加硫ゴムサンプルに1mm 破断が生じるまでの回数を測定し、得られ 回数を、実施例17における回数を100としたと きの相対値で示した。なお、表5における70% は、もとの加硫ゴムサンプルの長さに対す 伸び率を示す。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。