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Patent Searching and Data


Title:
RUBBER COMPOSITION FOR TIRE AND PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142897
Kind Code:
A1
Abstract:
A rubber composition for tires which comprises: a rubber ingredient comprising at least one member selected from the group consisting of natural rubber (NR), epoxidized natural rubber (ENR), and deproteinized natural rubber (DPNR); silica; and a silane compound represented by the general formula (X)n-Si-Y(4-n) (wherein X represents methoxy or ethoxy, Y represents phenyl or linear or branched alkyl, and n is an integer of 1-3). Also provided is a pneumatic tire made with the composition. This rubber composition is suitable for use in producing the bead apex rubber and base tread rubber of a tire.

Inventors:
KAWASAKI SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054114
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
KAWASAKI SATOSHI (JP)
International Classes:
C08L7/00; B60C1/00; B60C15/06; C08K3/04; C08K3/36; C08K5/5419; C08L15/00
Foreign References:
JP2007056205A2007-03-08
JP2001240700A2001-09-04
JPH0987427A1997-03-31
JP2001316526A2001-11-16
JP2001164051A2001-06-19
JP2007246712A2007-09-27
JP2007246711A2007-09-27
JP2007186031A2007-07-26
JP2003063206A2003-03-05
JPH07118454A1995-05-09
JPH07292158A1995-11-07
JPH0987427A1997-03-31
JPH1060175A1998-03-03
Other References:
See also references of EP 2151476A4
ANSON. M. L., J. GEN. PHYSIOL., vol. 22, 1938, pages 79
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 天然ゴム、エポキシ化天然ゴムおよび脱蛋白天然ゴムからなる群から選択されるいずれか1種以上を含むゴム成分と、
 シリカと、
 下記一般式(1):
 (X) n -Si-Y (4-n)       (1)
(上記一般式(1)中、Xはメトキシ基またはエトキシ基を示し、Yはフェニル基または直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を示す。また、nは1~3の整数を表す。)
で表されるシラン化合物と、
を含有するタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分100質量部に対して、シリカを60質量部以上含み、
 前記ゴム成分100質量部に対して、上記一般式(1)で表されるシラン化合物を4~16質量部含有する、タイヤのビードエイペックスゴムの製造に用いられる請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記ゴム成分100質量部に対して、5質量部以下のカーボンブラックをさらに含有する請求の範囲第2項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記シリカ100質量部に対して、5~15質量部のシランカップリング剤をさらに含有する請求の範囲第2項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第2項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるビードエイペックスゴムを備える空気入りタイヤ。
 前記ゴム成分は、5~85質量%の天然ゴムと95~15質量%のエポキシ化天然ゴムとからなる天然系ゴム成分であり、
 前記天然系ゴム成分100質量部に対して、シリカを20~100質量部含み、
 前記シリカ100質量部に対して、上記一般式(1)で表されるシラン化合物を4~16質量部含有する、タイヤのベーストレッドゴムの製造に用いられる請求の範囲第1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記天然系ゴム成分100質量部に対して、60質量部以下のポリブタジエンゴムおよび/またはスチレンブタジエンゴムをさらに含有する請求の範囲第6項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 前記シリカ100質量部に対して、4~20質量部のシランカップリング剤をさらに含有する請求の範囲第6項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 請求の範囲第6項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるベーストレッドゴムを備える空気入りタイヤ。
Description:
タイヤ用ゴム組成物および空気 りタイヤ

 本発明は、タイヤに用いられるゴム組成 に関し、より詳しくは、空気入りタイヤの ードエイペックス用ゴム組成物およびベー トレッド用ゴム組成物に関する。また、本 明は、当該ゴム組成物からなるビードエイ ックスゴムまたはベーストレッドゴムを備 る空気入りタイヤに関する。

 従来、タイヤのビードエイペックス用ゴ 組成物には、ビードエイペックスゴムの強 および硬度を向上させるために、充填剤と て、多量のカーボンブラックを配合させる とが行なわれてきた。このような多量のカ ボンブラックを含有するゴム組成物におい は、粘度も比較的良好であり、押出し加工 についてもあまり問題となることはなかっ 。また、タイヤのベーストレッド用ゴム組 物には、優れた転がり抵抗を示す天然ゴム( NR)に加えて、スチレンブタジエンゴム(SBR)や リブタジエンゴムをブレンドし、さらに、 レッド部が磨耗した際のグリップ性、転が 抵抗性および耐久性を満足させるために、 ーボンブラックが配合されてきた。これら チレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエ ゴムおよびカーボンブラックはいずれも石 資源由来の材料である。

 しかし、近年、環境問題が重視されるよ になり、二酸化炭素の排出量の規制が強化 れている。また、石油現存量は有限である とから、石油資源由来の原材料の使用には 界がある。このような環境重視指向は、タ ヤの分野においても例外ではなく、現在使 されている石油資源由来の原材料の一部ま は全てを石油外資源由来の原材料で代替し タイヤ用ゴム組成物の開発が求められてい 。

 たとえば特開2003-63206号公報(特許文献1)に は、カーボンブラックの代替原料として、石 油外資源由来の材料であるシリカ等を用いた エコタイヤが開示されている。

 しかし、ビードエイペックス用ゴム組成 において、カーボンブラックの代わりにシ カ等の白色充填剤を使用すると、ゴム組成 の粘度が高くなり、結果、押出し加工性が くなるという問題がある。また、シリカ等 白色充填剤を、ベーストレッド用ゴム組成 に使用すると、ベーストレッドの重要な特 である、トレッド部が磨耗した際のグリッ 性、転がり抵抗性および耐久性の両立を図 ことは困難であった。

 特開平7-118454号公報(特許文献2)、特開平7- 292158号公報(特許文献3)、特開平9-87427号公報( 許文献4)および特開平10-60175号公報(特許文 5)には、タイヤトレッド用ゴム組成物やサイ ドウォール用ゴム組成物中にシリル化剤を配 合する技術が開示されている。しかしながら 、これらの文献におけるシリル化剤の添加は 、グリップ性の改善あるいは撥水性を改善す ることを目的とするものであり、これらの文 献に記載のゴム組成物を、タイヤトレッド用 ゴム組成物やサイドウォール用ゴム組成物と は異なる特性が要求されるビードエイペック ス用ゴム組成物に適用することはできない。 特に、これらの文献に開示されるゴム組成物 においては、ゴム組成物の粘度や押出し加工 性については考慮されていない。また、ベー ストレッドにおける、トレッド部が磨耗した 際のグリップ性、転がり抵抗性および耐久性 の両立については考慮されておらず、改善の 余地があった。

 このように、石油資源由来の原材料を石油 資源由来の原材料で代替したゴム組成物に いては、優れたゴム硬度およびゴム強度を 持しつつ、押出し加工性が良好であって、 ードエイペックスゴム用として好適に用い れるゴム組成物、および、トレッド部が磨 した際のグリップ性、転がり抵抗性および 久性の両立が図られた、ベーストレッドゴ 用として好適に用いられるゴム組成物は得 れていないのが現状である。

特開2003-63206号公報

特開平7-118454号公報

特開平7-292158号公報

特開平9-87427号公報

特開平10-60175号公報

 本発明は、上記課題を解決するためにな れたものであり、その目的は、石油外資源 来の原材料の含有比率が従来と比較して高 、省資源および環境保護への配慮が十分な れているとともに、ビードエイペックスゴ およびベーストレッドゴムなどのいずれの 位に適用される場合であっても、優れた性 を示し、各部位に要求される特性を満足す タイヤ用ゴム組成物を提供することである

 また、本発明の別の目的は、当該ゴム組 物からなるビードエイペックスゴムまたは ーストレッドゴムを備える空気入りタイヤ 提供することである。

 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム( NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)および脱蛋白天 ゴム(DPNR)からなる群から選択されるいずれ 1種以上を含むゴム成分と、シリカと、下記 一般式(1):
 (X) n -Si-Y (4-n)       (1)
(上記一般式(1)中、Xはメトキシ基またはエト シ基を示し、Yはフェニル基または直鎖状あ るいは分岐状のアルキル基を示す。また、n 1~3の整数を表す。)
で表されるシラン化合物と、を含有する。本 発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのビー ドエイペックスゴムおよびベーストレッドゴ ムの製造に好適に用いることができる。

 本発明のタイヤ用ゴム組成物がビードエ ペックスゴムの製造に用いられるゴム組成 (以下、ビードエイペックス用ゴム組成物と いう。)である場合においては、該ゴム組成 は、該ゴム成分100質量部に対して、シリカ 60質量部以上含み、該ゴム成分100質量部に対 して、上記一般式(1)で表されるシラン化合物 を4~16質量部含有することが好ましい。本発 のビードエイペックス用ゴム組成物は、該 ム成分100質量部に対して、5質量部以下のカ ボンブラックをさらに含有していてもよい また、本発明のビードエイペックス用ゴム 成物は、該シリカ100質量部に対して、5~15質 量部のシランカップリング剤をさらに含有す ることが好ましい。

 本発明のゴム組成物がベーストレッドゴ の製造に用いられるゴム組成物(以下、ベー ストレッド用ゴム組成物という。)である場 においては、該ゴム成分は、5~85質量%の天然 ゴムと95~15質量%のエポキシ化天然ゴムとから なる天然系ゴム成分であり、該天然系ゴム成 分100質量部に対して、シリカを20~100質量部含 み、該シリカ100質量部に対して、上記一般式 (1)で表されるシラン化合物を4~16質量部含有 ることが好ましい。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は 該天然系ゴム成分100質量部に対して、60質 部以下のポリブタジエンゴムおよび/または チレンブタジエンゴムをさらに含有してい もよい。また、本発明のベーストレッド用 ム組成物は、シリカ100質量部に対して、4~20 質量部のシランカップリング剤をさらに含有 することが好ましい。

 また、本発明は、上記タイヤ用ゴム組成 からなるビードエイペックスゴムまたはベ ストレッドゴムを備える空気入りタイヤを 供する。

 本発明によれば、石油外資源由来の原材 の含有比率が従来と比較して高く、省資源 よび環境保護への配慮が十分なされている ともに、ビードエイペックスゴムおよびベ ストレッドゴムなどのいずれの部位に適用 れる場合であっても、優れた性能を示し、 部位に要求される特性を満足するタイヤ用 ム組成物、および、当該タイヤ用ゴム組成 からなるビードエイペックスゴムまたはベ ストレッドゴムを備える空気入りタイヤが 供される。

本発明の空気入りタイヤの一例を示す 略断面図である。

符号の説明

 1 タイヤ、2 トレッド部、2a キャップト レッド部、2b ベーストレッド部、3 サイド ォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6  ーカス、7 ベルト層、8 ビードエイペック ゴム、9 インナーライナーゴム、3G サイド ォールゴム、4G クリンチゴム。

 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴ (NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)および脱蛋白 然ゴム(DPNR)からなる群から選択されるいず か1種以上を含むゴム成分と、シリカと、特 定のシラン化合物と、を含有する。本発明の タイヤ用ゴム組成物は、ビードエイペックス 用ゴム組成物およびベーストレッド用ゴム組 成物などとして好適に用いることができる。 以下、これらのゴム組成物について詳細に説 明する。

 <ビードエイペックス用ゴム組成物>
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、石油外資源からなる材料の含有比率が高 、省資源および環境保護への配慮が十分な れているとともに、低粘度化が図られてお 、押出し加工性が良好なゴム組成物である また、得られるゴムのゴム硬度およびゴム 度もまた良好である。

 (ゴム成分)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 は、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR) 脱蛋白天然ゴム(DPNR)およびその他の天然系 ム、ならびにジエン系合成ゴム等から選択 れるいずれか1種以上のゴム成分が配合され る。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 は、ゴム成分として天然ゴム(NR)を含むこと が好ましい。該ゴム組成物が天然ゴム(NR)を む場合、ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率 、10質量%以上であることが好ましく、30質 %以上であることがより好ましい。NRの含有 が10質量%未満の場合、加工性が悪化すると う傾向がある。ゴム成分中のNRの含有率を100 質量%とすることも好ましい。

 天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において 従来用いられているものを使用することがで き、たとえば、KR7、TSR20などのグレードの天 ゴムを挙げることができる。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 は、ゴム成分としてエポキシ化天然ゴム(ENR )を含んでもよい。エポキシ化天然ゴム(ENR)は 、天然ゴムの不飽和二重結合がエポキシ化さ れたものであり、極性基であるエポキシ基に より分子凝集力が増大する。そのため、天然 ゴム(NR)よりもガラス転移温度(Tg)が高く、か 機械的強度や耐磨耗性、耐空気透過性に優 る。特に、ゴム組成物中にシリカを配合し 場合においては、シリカ表面のシラノール とエポキシ化天然ゴムのエポキシ基との反 に起因して、カーボンブラックをゴム組成 中に配合する場合と同程度の機械的強度や 磨耗性を得ることができる。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)としては、市販 ものを用いてもよいし、天然ゴム(NR)をエポ シ化したものを用いてもよい。NRをエポキ 化する方法としては、特に限定されるもの はなく、たとえばクロルヒドリン法、直接 化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペル キシド法、過酸法などを挙げることができ 。過酸法としては、たとえば天然ゴムに過 酸や過蟻酸などの有機過酸を反応させる方 を挙げることができる。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 、特に制限されないが、5モル%以上が好まし く、10モル%以上がより好ましい。ENRのエポキ シ化率が5モル%未満の場合、ENRがNRと相溶す ため、ENRとNRとを併用するときには、得られ るビードエイペックスゴムについて、十分な ゴム強度が得られない傾向にある。また、エ ポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、60 ル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ま い。ENRのエポキシ化率が60モル%を超える場 、得られるビードエイペックスゴムの強度 十分でなく、さらに汎用ゴムとの接着性が くなる傾向がある。なお、本明細書中にお て、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化 とは、(エポキシ化された二重結合の数)/(エ キシ化前の二重結合の数)を意味する。具体 的には、エポキシ化率25モル%のENR(ENR25)やエ キシ化率50モル%のENR(ENR50)などを好適に用い ことができる。

 ENRは1種のみを用いてもよく、エポキシ化 率の異なる2種以上のENRを用いてもよい。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 がエポキシ化天然ゴム(ENR)を含む場合、ゴ 成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は 、機械的強度の観点からは、20質量%以上であ ることが好ましく、30質量%以上であることが より好ましい。また、ゴム成分中のエポキシ 化天然ゴム(ENR)の含有率は、80質量%以下であ ことが好ましく、70質量%以下であることが り好ましい。ENRの含有率が80質量%を超える 合、加工性が悪化するという傾向がある。 お、本発明のビードエイペックス用ゴム組 物は、ゴム成分としてエポキシ化天然ゴム( ENR)のみを含有していてもよいし、あるいはEN Rを全く含有していなくてもよい。

 また、本発明のビードエイペックス用ゴ 組成物は、ゴム成分として脱蛋白天然ゴム( DPNR)を含んでいてもよい。天然ゴム(NR)中には 、蛋白質や脂質等の非ゴム成分が5~10質量%程 存在しているのが通常である。これらの非 ム成分、特に蛋白質は、分子鎖の絡み合い 原因となるといわれており、ゲル化を引き こす要因となる。このような問題を回避す ために、天然ゴム中の非ゴム成分を除去し 脱蛋白天然ゴム(DPNR)をゴム組成物に配合す ことは極めて有利である。

 ここで、脱蛋白天然ゴム(DPNR)の重量平均 子量(ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)、ポリ チレン換算)は140万以上であることが好まし い。重量平均分子量が140万未満では、生ゴム 強度が低下する。また、脱蛋白天然ゴム(DPNR) の窒素含有率は0.1質量%以下であることが好 しく、0.08質量%以下であることがより好まし く、0.05質量%以下であることがさらに好まし 。窒素含有率が0.1質量%を超えると、ゲル化 を引き起こす要因となる。なお、脱蛋白天然 ゴム(DPNR)の窒素含有率は、RRIM法(Rubber Research  Institute of Malaysia法)より測定されるもので る。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 が脱蛋白天然ゴム(DPNR)を含む場合、ゴム成 中の脱蛋白天然ゴム(DPNR)の含有率は、加工 の観点からは、10質量%以上であることが好 しく、50質量%以上であることがより好まし 。また、ゴム成分中の脱蛋白天然ゴム(DPNR) 含有率は、80質量%以下であることが好まし 、70質量%以下であることがより好ましい。D PNRの含有率が80質量%を超える場合、コストが 高くなる。なお、本発明のビードエイペック ス用ゴム組成物は、ゴム成分として脱蛋白天 然ゴム(DPNR)のみを含有していてもよいし、あ るいはDPNRを全く含有していなくてもよい。

 脱蛋白天然ゴム(DPNR)は、天然ゴム(NR)を脱蛋 白処理することにより得ることができる。天 然ゴム(NR)の脱蛋白処理としては、たとえば 次の方法を挙げることができる。
(a)天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素また はバクテリアを添加して蛋白質を分解させる 方法、
(b)天然ゴムラテックスにアルカリを加えて加 熱し、蛋白質を分解させる方法、
(c)界面活性剤により天然ゴムラテックスに吸 着されている蛋白質を遊離させる方法。

 脱蛋白処理に用いる天然ゴムラテックス しては、特に限定はなく、フィールドラテ クス、アンモニア処理ラテックスなどを用 ることができる。

 上記(a)の方法において用いられる蛋白質 解酵素としては、従来公知のものが使用可 であり、特に限定はされないが、たとえば ロテアーゼ等が好適に用いられる。プロテ ーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸 菌由来のもの、酵母由来のもののいずれで 構わないが、これらの中では細菌由来のプ テアーゼが好ましい。また、リパーゼ、エ テラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セル ーゼ等の酵素を併用してもよい。

 蛋白質分解酵素としてアルカリプロテア ゼを用いる場合、その活性は0.1~50APU/g、好 しくは1~25APU/gの範囲であるのが好ましい。 こで、蛋白質分解酵素の活性は、アンソン- モグロビン法[Anson.M.L.,J.Gen.Physiol.,22,79(1938)] 改良法を用いて測定される。すなわち、基 として用いる尿素変性ヘモグロビンの終濃 が14.7mg/mlとなるように調整した溶液中で、 度25℃、pH10.5にて10分間反応させた後、反応 溶液にトリクロロ酢酸を終濃度が31.25mg/mlと るように添加する。ついで、トリクロロ酢 の可溶分をフェノール試薬によって呈色さ 、1モルのチロシンの呈色度を1APUとした検量 線により反応10分間当たりの活性を求め、こ を1分間当たりに換算することによって測定 するものである。なお、1APUとは、1モルのチ シンがフェノール試薬によって呈色するの 同じ呈色度のトリクロロ酢酸可溶分量を1分 間に与えるプロテアーゼの量のことを示す。

 蛋白質分解酵素の添加量は、酵素活性に って適宜設定されるものであるが、通常天 ゴムラテックスの固形分100質量部に対して0 .0001~20質量部、好ましくは0.001~10質量部であ 。蛋白質分解酵素の添加量が0.0001質量部よ 少ないと天然ゴムラテックス中の蛋白質を 分に分解することができなくなるおそれが り、20質量部を超えると、酵素の活性が低下 するとともに、コストが高くなる。

 蛋白質分解酵素による処理時間としては に限定はなく、酵素活性に応じて適宜設定 ることができる。通常、数分から1週間程度 処理を行なうことが好ましい。蛋白質分解処 理中、天然ゴムラテックスは撹拌してもよい し、静置しておいても構わない。また、必要 に応じて温度調節を行なってもよく、適当な 温度としては、5~90℃、好ましくは20~60℃であ る。処理温度が90℃を超えると、酵素の失活 早く、5℃未満では酵素反応が進行しにくく なる。

 上記方法(c)において使用する界面活性剤 しては、たとえば陰イオン性界面活性剤、 イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性 のいずれか1種または2種以上が使用可能で る。陰イオン性界面活性剤としては、たと ばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エス ル系、リン酸エステル系等が挙げられる。 イオン性界面活性剤としては、たとえばポ オキシアルキレンエーテル系、ポリオキシ ルキレンエステル系、多価アルコール脂肪 エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキ ポリグリコシド系等が好適に使用される。 性イオン界面活性剤としては、たとえばア ノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型 が挙げられる。

 上記方法(c)においては、界面活性剤を用 て、天然ゴムラテックスを洗浄して、該天 ゴムラテックスに吸着されている蛋白質を 離させる。界面活性剤による天然ゴムラテ クス粒子の洗浄方法としては、酵素未処理 天然ゴムラテックスを洗浄する方法と酵素 理を完了した天然ゴムラテックスを洗浄す 方法のいずれでもよい。具体的な洗浄方法 しては、たとえば、酵素未処理の天然ゴム テックスまたは酵素処理した天然ゴムラテ クスに界面活性剤を添加し、遠心分離する 法および天然ゴムラテックス粒子を凝集さ て分離する方法等が挙げることができる。 心分離して天然ゴムラテックスを洗浄する 合、遠心分離は1回ないし数回行なうことが できる。通常、1回の遠心分離によって蛋白 が高度に除去された脱蛋白天然ゴムラテッ スを得ることができる。また、遠心分離処 は、天然ゴムラテックスのゴム成分が5~40質 %、好ましくは10~30質量%となるように水で希 釈した上で行なってもよい。

 界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテッ スの固形分100質量部に対して0.001~20質量部 好ましくは0.001~15質量部である。

 上記方法(a)および(c)において、蛋白質分 酵素や界面活性剤を用いるにあたっては、 の添加剤、たとえばpH調整剤、分散剤等を 加してもよい。

 pH調整剤としては、たとえばリン酸二水 カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二 素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等の ン酸塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の 酸塩;硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、クエン酸、 コハク酸等の酸類またはその塩;アンモニア 水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸 トリウム、炭酸水素ナトリウム等を挙げる とができる。pH調整剤の添加量は、天然ゴム ラテックスのゴム固形分100質量部に対して、 通常、0.01~0.5質量部である。

 分散剤としては、スチレンスルホン酸共 合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮 物、リグニンスルホン酸、多環型芳香族ス ホン酸共重合物、アクリル酸、無水マレイ 酸のホモポリマーおよび共重合物、イソブ レン-アクリル酸とイソブチレン-無水マレ ン酸との共重合物等を挙げることができる

 上記のようにして得られた脱蛋白天然ゴ ラテックスは、遠心分離等により非ゴム成 を除去した後凝固してもよいし、非ゴム成 を除去しないまま凝固させてもよい。凝固 法としては特に限定はなく、公知の方法で なうことができる。通常、蟻酸、硫酸等の や、塩化ナトリウム等の塩等の凝固剤を加 てラテックスゴム粒子を不安定化させて凝 する方法や、界面活性剤の曇点を利用して テックスゴム粒子を不安定化させて凝固す 方法等が用いられる。

 なお、脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は10 量%以下であることが好ましい。ゲル含有率 10質量%を超えると、未加硫ゴムの粘度が上 し、加工性が低下する傾向がある。ゲル含 率は、トルエン不溶分として測定されるも である。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 は、上記した以外の変性天然ゴムやジエン 合成ゴムなどを含んでもよい。ジエン系合 ゴムとしては、たとえば、スチレンブタジ ンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン ソプレン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR) 、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ア クリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲ 化ブチルゴム(X-IIR)、イソブチレンとp-メチ スチレンとの共重合体のハロゲン化物など 挙げることができる。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 がジエン系合成ゴムを含む場合、ゴム成分 のジエン系合成ゴムの含有量は、50質量%以 とすることが好ましい。省資源および環境 護を考慮し、石油外資源の含有率を高める いう観点からは、ジエン系合成ゴムを含ま いことがより好ましく、ゴム成分が、天然 ム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)および脱蛋 天然ゴム(DPNR)から選択されるいずれか1種以 上のみからなることがさらに好ましい。

 (シリカ)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、シリカを含有する。シリカは、補強用充 剤として機能するものであり、シリカを配 することにより、得られるビードエイペッ スゴムの硬度を向上させることができる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、70m 2 /g以上が好ましく、80m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 70m 2 /g未満では、得られるビードエイペックスゴ について、十分な硬度が得られない傾向に る。また、シリカのBET比表面積は、300m 2 /g以下が好ましく、280m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 300m 2 /gを超えると、ゴムの加工性が低下する傾向 ある。具体的には、デグッサ製のウルトラ ルVN2(BET比表面積:125m 2 /g)やウルトラジルVN3(BET比表面積:210m 2 /g)などを好適に用いることができる。

 シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に して、60質量部以上である。シリカの含有 が60質量部未満では、十分なゴム硬度が得ら れない傾向にある。シリカの含有量は、ゴム 成分100質量部に対して、65質量部以上がより ましい。また、シリカの含有量は、ゴム成 100質量部に対して、100質量部以下が好まし 、90質量部以下がより好ましい。シリカの 有量が100質量部を超えると、加工性が悪化 る傾向にある。

 (シラン化合物)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、シラン化合物を含む。シラン化合物の添 により、優れたゴム硬度およびゴム強度を 持しつつ、低粘度化が図られ、押出し加工 が良好なゴム組成物を得ることができる。 かる効果は、当該シラン化合物が活性水素 と反応し、その結果、シラン化合物のゴム への分散が良好となることに起因すると考 られる。

 ここで、本発明のビードエイペックス用ゴ 組成物に用いられるシラン化合物とは、下 一般式(1):
 (X) n -Si-Y (4-n)       (1)
(上記一般式(1)中、Xはメトキシ基またはエト シ基を示し、Yはフェニル基または直鎖状あ るいは分岐状のアルキル基を示す。また、n 1~3の整数を表す。)
で表されるシラン化合物である。

 上記一般式(1)中のXは、ゴム成分との相溶 性により優れているという理由から、エトキ シ基であることがより好ましい。同様の理由 から、上記一般式(1)中のYは、フェニル基で ることがより好ましい。また、上記一般式(1 )中のnは、1~3の整数である。nが0の場合、Xが 在しないこととなり、シラン化合物の反応 が増大しすぎる傾向がある。nが4の場合、Y 存在せず、シラン化合物の反応性が低下す 傾向にある。

 上記一般式(1)で表されるシラン化合物の 体例を挙げれば、たとえば、メチルトリメ キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、 ェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジ トキシシラン、メチルトリエトキシシラン ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリ トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ 、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシル リエトキシシラン、デシルトリメトキシシ ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシ ンなどである。これらのシラン化合物は単 で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用 いてもよい。ゴムとの相溶性およびコストを 低減できるという理由から、フェニルトリエ トキシシランが好ましい。

 シラン化合物の含有量は、ゴム成分100質 部に対して、4質量部以上であり、好ましく は5質量部以上である。シラン化合物の含有 が4質量部未満では、良好な押出し加工性が られない傾向にある。また、シラン化合物 含有量は、ゴム成分100質量部に対して、16 量部以下であり、好ましくは15質量部以下で ある。シラン化合物の含有量が16質量部を超 ると、ゴム強度が低下する傾向にある。

 (シランカップリング剤)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 は、シリカとともに、シランカップリング を配合することが好ましい。シランカップ ング剤としては、従来公知のシランカップ ング剤を用いることができ、たとえば、ビ (3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスル フィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル) トラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリ ブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメト シシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス (2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフ ド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)テト スルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプ ピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシ シリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリ トキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス( 3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィ ド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)トリ ルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチ )トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリ プロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキ シシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリ トキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3- リメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、 ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフ ド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジス フィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N- ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド 、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチ チオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリ エトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカル モイルテトラスルフィド、2-トリメトキシ リルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテ トラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロ ルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3- リエトキシシリルプロピルベンゾチアゾー テトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプ ロピルメタクリレートモノスルフィドなどの スルフィド系;3-メルカプトプロピルトリメト キシシラン、3-メルカプトプロピルトリエト シシラン、2-メルカプトエチルトリメトキ シラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシ ランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキ シラン、ビニルトリメトキシシランなどの ニル系;3-アミノプロピルトリエトキシシラ 、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-( 2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシ シラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルト リメトキシシランなどのアミノ系;γ-グリシ キシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリ ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グ シドキシプロピルメチルジエトキシシラン γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシ ランなどのグリシドキシ系;3-ニトロプロピ トリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリ エトキシシランなどのニトロ系;3-クロロプロ ピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピル リエトキシシラン、2-クロロエチルトリメ キシシラン、2-クロロエチルトリエトキシシ ランなどのクロロ系;などを挙げることがで る。これらのシランカップリング剤は、単 で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用 てもよい。

 上記のなかでも、加工性が良好であると う理由から、デグッサ社製Si69(ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、 Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)などが好ましく用いられる。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して5質量部以上が好ましく、 8質量部以上がより好ましい。含有量が5質量 未満では、十分なゴム強度が得られない傾 にある。また、シランカップリング剤の含 量は、シリカ100質量部に対して15質量部以 が好ましく、13質量部以下がより好ましい。 15質量部を超える量を添加しても、量に相応 るゴム強度の改善がみられず、コストが増 する傾向にある。

 (カーボンブラック)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 、カーボンブラックを含んでもよい。カー ンブラックのBET比表面積は、40m 2 /g以上が好ましく、70m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 50m 2 /g未満では、補強効果が小さい傾向にある。 た、シリカのBET比表面積は、250m 2 /g以下が好ましく、200m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 250m 2 /gを超える場合、加工性が低下する傾向にあ 。

 カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレー ト)吸油量は、60~120ml/100gであることが好まし 、80~110ml/100gであることがより好ましい。DBP 吸油量が60ml/100g未満では、補強効果が小さい 傾向にあり、120ml/100gを超える場合、加工性 低下する傾向にある。

 本発明のビードエイペックス用ゴム組成 がカーボンブラックを含有する場合、その 有量は、ゴム成分100質量部に対して5質量部 以下であることが好ましく、3質量部以下で ることがより好ましい。カーボンブラック 添加により、ゴム強度およびゴム硬度のさ なる改善を図ることが可能である。ただし 省資源および環境保護の観点からは、カー ンブラックを含有しないことが好ましい。

 (その他の配合剤)
 本発明のビードエイペックス用ゴム組成物 は、上記した成分以外にも、他の添加剤、 とえば加硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸 オイル、ワックス、老化防止剤、亜鉛華、 どを含有してもよい。

 加硫剤としては、有機過酸化物もしくは 黄系加硫剤を使用することが可能であり、 機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイ パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミ パーオキサイド、メチルエチルケトンパー キサイド、クメンハイドロパーオキサイド 2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ ン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキ シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパ オキシ)ヘキシン-3あるいは1,3-ビス(t-ブチル ーオキシプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパ ーオキシ-ジイソプロピルベンゼン、t-ブチル パーオキシベンゼン、2,4-ジクロロベンゾイ パーオキサイド、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ- 3,3,5-トリメチルシロキサン、n-ブチル-4,4-ジ-t -ブチルパーオキシバレレートなどを使用す ことができる。これらの中で、ジクミルパ オキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼンお よびジ-t-ブチルパーオキシ-ジイソプロピル ンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤と ては、たとえば、硫黄、モルホリンジスル ィドなどを使用することができる。これら 中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は 単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ 用いてもよい。

 加硫促進剤としては、スルフェンアミド 、チアゾール系、チウラム系、チオウレア 、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、 ルデヒド-アミン系またはアルデヒド-アン ニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサ テート系加硫促進剤のうち少なくとも一つ 含有するものを使用することが可能である スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N -シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェ アミド)、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジル ルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシル-2- ンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキシジ エチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド 、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールス フェンアミドなどのスルフェンアミド系化 物などを使用することができる。チアゾー 系としては、たとえばMBT(2-メルカプトベン チアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスル ィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールのナ リウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシル ミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプト ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホ ノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール 化合物などを使用することができる。チウ ム系としては、たとえばTMTD(テトラメチル ウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラ ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムジス フィド、ジペンタメチレンチウラムモノス フィド、ジペンタメチレンチウラムテトラ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキ スルフィド、テトラブチルチウラムジスル ィド、ペンタメチレンチウラムテトラスル ィドなどのチウラム系化合物を使用するこ ができる。チオウレア系としては、たとえ チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブ ルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオル トリルチオ尿素などのチオ尿素化合物など 使用することができる。グアニジン系とし は、たとえばジフェニルグアニジン、ジオ トトリルグアニジン、トリフェニルグアニ ン、オルトトリルビグアニド、ジフェニル アニジンフタレートなどのグアニジン系化 物を使用することができる。ジチオカルバ ン酸系としては、たとえばエチルフェニル チオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジ オカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル ミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバ ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜 、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジア ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジ オカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチ カルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘ サデシル(またはオクタデシル)イソプロピ ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチ カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバ ン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカ バミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカル ミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カド ウムなどのジチオカルバミン酸系化合物な を使用することができる。アルデヒド-アミ 系またはアルデヒド-アンモニア系としては 、たとえばアセトアルデヒド-アニリン反応 、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物、ヘキ メチレンテトラミン、アセトアルデヒド-ア ンモニア反応物などのアルデヒド-アミン系 たはアルデヒド-アンモニア系化合物などを 用することができる。イミダゾリン系とし は、たとえば2-メルカプトイミダゾリンな のイミダゾリン系化合物などを使用するこ ができる。キサンテート系としては、たと ばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサ テート系化合物などを使用することができ 。これらの加硫促進剤は、単独で用いても く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 老化防止剤としては、アミン系、フェノ ル系、イミダゾール系、カルバミン酸金属 などを適宜選択して使用することができる

 オイルとしては、たとえばプロセスオイ 、植物油脂、およびそれらの混合物などを いることができる。プロセスオイルとして 、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル どを挙げることができる。また、植物油脂 しては、ひまし油、綿実油、あまに油、な ね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生 、ロジン、パインオイル、パインタール、 ール油、コーン油、こめ油、べに花油、ご 油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油 椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サ ラワー油、桐油などを挙げることができる

 <ベーストレッド用ゴム組成物>
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 油外資源からなる材料の含有比率が高く、 資源および環境保護への配慮が十分なされ いるとともに、タイヤに、トレッド部が磨 した際の優れたグリップ性、転がり抵抗性 よび耐久性を付与する。

 (ゴム成分)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 然系ゴム成分を含有し、該天然系ゴム成分 、5~85質量%の天然ゴム(NR)と、95~15質量%のエ キシ化天然ゴム(ENR)と、から構成される。 然ゴム(NR)とエポキシ化天然ゴム(ENR)とをブ ンドすることにより、ウェット性能と転が 抵抗性能とのバランスを図ることが可能と る。

 天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において 従来用いられているものを使用することがで き、たとえば、KR7、TSR20などのグレードの天 ゴムを挙げることができる。

 天然系ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率 は、5~85質量%である。天然系ゴム中の天然ゴ (NR)の含有率が5質量%未満であると、得られ ベーストレッドゴムのゴム強度が十分でな 傾向がある。また、当該含有率が85質量%を えると、耐磨耗性が十分でない傾向がある 天然系ゴム中の天然ゴム(NR)の含有率は、好 ましくは10~50質量%であり、より好ましくは、 10~40質量%である。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率 、特に制限されないが、5モル%以上が好まし く、10モル%以上がより好ましい。ENRのエポキ シ化率が5モル%未満の場合、ENRがNRと相溶す ため、十分なウェット性能および転がり抵 性能が得られにくい傾向にある。また、エ キシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、60モ %以下が好ましく、50モル%以下がより好まし い。ENRのエポキシ化率が60モル%を超える場合 、得られるベーストレッドゴムのゴム強度が 十分でない傾向がある。具体的には、エポキ シ化率25モル%のENR(ENR25)やエポキシ化率50モル %のENR(ENR50)などを好適に用いることができる

 ENRは1種のみを用いてもよく、エポキシ化 率の異なる2種以上のENRを用いてもよい。

 天然系ゴム成分中におけるエポキシ化天 ゴム(ENR)の含有率は、15~95質量%である。ENR 含有率が15質量%未満であると、耐磨耗性能 十分でない傾向がある。また、ENRの含有率 95質量%を超えると、得られるベーストレッ ゴムのゴム強度が十分でない傾向がある。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は 上記した天然系ゴム成分のほかにジエン系 成ゴムなどを含んでもよい。ジエン系合成 ムとしては、たとえば、スチレンブタジエ ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレ イソプレン共重合体ゴム、イソプレンゴム( IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、 アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロ ン化ブチルゴム(X-IIR)、イソブチレンとp-メ ルスチレンとの共重合体のハロゲン化物な を挙げることができる。なかでも、ポリブ ジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SB R)およびこれらの組み合わせは、転がり抵抗 能と耐久性との両立のため、好適に用いる とができる。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物が エン系合成ゴムを含む場合、ジエン系合成 ムの含有量は、天然系ゴム成分100質量部に して、60質量%以下とすることが好ましい。 だし、省資源および環境保護を考慮し、石 外資源の含有率を高めるという観点からは ジエン系合成ゴムを含まないことがより好 しい。

 (シリカ)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物はシ カを含有する。シリカは、補強用充填剤と て機能するものであり、シリカを配合する とにより、得られるベーストレッドゴムの ェット性能を向上させることができ、また 耐摩耗性とウェット性能とのバランスを図 ことが可能となる。

 シリカとしては、湿式法により調製され ものであってもよく、乾式法により調製さ たものであってもよい。

 シリカのBET比表面積は、40m 2 /g以上が好ましく、80m 2 /g以上がより好ましい。シリカのBET比表面積 40m 2 /g未満では、耐磨耗性能が低下する傾向にあ 。また、シリカのBET比表面積は、400m 2 /g以下が好ましく、300m 2 /g以下がより好ましい。シリカのBET比表面積 400m 2 /gを超えると、ゴムの加工性が低下する傾向 ある。具体的には、デグッサ製のウルトラ ルVN2(BET比表面積:125m 2 /g)やウルトラジルVN3(BET比表面積:210m 2 /g)などを好適に用いることができる。

 シリカの含有量は、天然系ゴム成分100質 部に対して、20質量部以上である。シリカ 含有量が20質量部未満では、引き裂き強度が 不十分となる傾向にある。シリカの含有量は 、天然系ゴム成分100質量部に対して、25質量 以上がより好ましい。また、シリカの含有 は、天然系ゴム成分100質量部に対して、100 量部以下が好ましく、90質量部以下がより ましい。シリカの含有量が100質量部を超え と、耐屈曲亀裂性能に劣る傾向にある。

 (シラン化合物)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 ラン化合物を含む。エポキシ化天然ゴム(ENR )は、天然ゴムと比較して極性が高いため、 ポキシ化天然ゴム(ENR)を含むゴム組成物にシ リカを配合すると、配合されたシリカは、ENR 層に局在化してしまい、ゴムの磨耗性が低下 する恐れがある。また、よりガラス転移点が 高いENR層にシリカが局在することにより、高 温領域における損失正接(tanδ)が上昇し、転 り抵抗が低下してしまう恐れがある。シラ 化合物を添加することにより、このような 題を解決することができ、トレッド部が磨 した際のグリップ性、転がり抵抗性および 久性の両立が図られたゴム組成物を得るこ ができる。かかる効果は、当該シラン化合 がシリカの極性を低下させることに起因す と考えられる。

 ここで、本発明のベーストレッド用ゴム組 物に用いられるシラン化合物とは、下記一 式(1):
 (X) n -Si-Y (4-n)       (1)
(上記一般式(1)中、Xはメトキシ基またはエト シ基を示し、Yはフェニル基または直鎖状あ るいは分岐状のアルキル基を示す。また、n 1~3の整数を表す。)
で表されるシラン化合物である。

 上記一般式(1)中のXは、天然系ゴム成分と の相溶性により優れているという理由から、 エトキシ基であることがより好ましい。同様 の理由から、上記一般式(1)中のYは、フェニ 基であることがより好ましい。また、上記 般式(1)中のnは、1~3の整数である。nが0の場 、Xが存在しないこととなり、シラン化合物 反応性が増大しすぎる傾向がある。nが4の 合、Yが存在せず、シラン化合物の反応性が 下する傾向にある。

 上記一般式(1)で表されるシラン化合物の 体例は上記したとおりである。なかでも、 ムとの相溶性およびコストを低減できると う理由から、フェニルトリエトキシシラン 好ましい。シラン化合物は単独で用いても く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 シラン化合物の含有量は、シリカ100質量 に対して、4質量部以上であり、好ましくは 5質量部以上である。シラン化合物の含有量 4質量部未満では、耐屈曲亀裂性能が低下す 傾向にある。また、シラン化合物の含有量 、シリカ100質量部に対して、16質量部以下 あり、好ましくは15質量部以下である。シラ ン化合物の含有量が16質量部を超えると、耐 耗性能が低下する傾向にある。

 (シランカップリング剤)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物には シリカとともに、シランカップリング剤を 合することが好ましい。シランカップリン 剤の具体例は上記したとおりである。

 上記のなかでも、加工性が良好であると う理由から、デグッサ社製Si69(ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、 Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)などが好ましく用いられる。

 シランカップリング剤の含有量は、シリ 100質量部に対して4質量部以上が好ましく、 5質量部以上がより好ましい。含有量が4質量 未満では、耐屈曲亀裂性能の改善効果が得 れにくい傾向にある。また、シランカップ ング剤の含有量は、シリカ100質量部に対し 、20質量部以下が好ましく、15質量部以下が より好ましい。20質量部を超える場合、耐屈 亀裂性能の改善効果が得られにくい傾向に る。

 (カーボンブラック)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、 ーボンブラックを含んでもよい。カーボン ラックのBET比表面積は、60m 2 /g以上が好ましく、80m 2 /g以上がより好ましい。カーボンブラックのB ET比表面積が60m 2 /g未満では、耐屈曲亀裂性能の改善効果が得 れにくい傾向にある。また、カーボンブラ クのBET比表面積は、150m 2 /g以下が好ましく、130m 2 /g以下がより好ましい。カーボンブラックのB ET比表面積が150m 2 /gを超える場合、加工性が悪化する傾向にあ 。

 本発明のベーストレッド用ゴム組成物が ーボンブラックを含有する場合、その含有 は、天然系ゴム成分100質量部に対して20質 部以下であることが好ましく、15質量部以下 であることがより好ましい。カーボンブラッ クの添加により、ゴム強度およびゴム硬度の さらなる改善を図ることが可能である。ただ し、省資源および環境保護の観点からは、カ ーボンブラックを含有しないことが好ましい 。

 (その他の配合剤)
 本発明のベーストレッド用ゴム組成物には ビードエイペックス用ゴム組成物と同様に たとえば加硫剤、加硫促進剤、ステアリン 、オイル、ワックス、老化防止剤、亜鉛華 どの他の添加剤を含有してもよい。

 次に、本発明の空気入りタイヤについて 明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの 一例を示す概略断面図である。

 図1に示される空気入りタイヤ1は、キャ プトレッド部2aとベーストレッド部2bとを備 るトレッド部2と、そのトレッド部2の両端 らタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイ ウォール部3と、各サイドウォール部3の内方 端に位置するビード部4とを備える構造を有 る。そして、それらのビード部4間にはカー ス6が架け渡されるとともに、このカーカス 6の外側かつトレッド部2の内側にはタガ効果 有してトレッド部2を補強するベルト層7が される。

 上記カーカス6は、カーカスコードをタイ ヤ赤道COに対して、たとえば70~90°の角度で配 列する1枚以上のカーカスプライから形成さ 、このカーカスプライは、上記トレッド部2 らサイドウォール部3を経てビード部4のビ ドコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外 に折返されて係止される。

 上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ 赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配 列した2枚以上のベルトプライからなり、各 ルトコードがプライ間で交差するよう向き 違えて重置している。

 またビード部4には、上記ビードコア5か 半径方向外方に延びるビードエイペックス ム8が配されるとともに、カーカス6の内側に は、タイヤ内腔面をなすインナーライナーゴ ム9が隣設され、カーカス6の外側は、クリン ゴム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護さ れる。

 本発明の空気入りタイヤは、そのビード イペックスゴム、ベーストレッド部のうち ずれか1つまたはそれ以上が本発明のゴム組 成物を用いて形成されたものである。好まし くは、これらすべての部位が本発明のゴム組 成物から形成される。

 かかる本発明の空気入りタイヤは、石油 資源からなる材料の含有比率がより高く、 資源および環境保護への配慮が十分なされ いるとともに、優れた性能を示す。したが て、地球環境に優しい「エコタイヤ」とし 、たとえば乗用車などに好適に使用するこ ができる。

 本発明の空気入りタイヤは、従来公知の 法により製造することができる。すなわち たとえば本発明のビードエイペックス用ゴ 組成物を用いる場合、上記構成のビードエ ペックス用ゴム組成物を混練りし、未加硫 段階でタイヤのビードエイペックス部の形 に合わせて押出し加工し、タイヤの他の部 とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法 成形することにより、未加硫タイヤを形成 る。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加 することにより、本発明の空気入りタイヤ 得ることができる。本発明のベーストレッ 用ゴム組成物を用いる場合についても同様 ある。

 以下、実施例および比較例を挙げて本発 をより詳細に説明するが、本発明はこれら 限定されるものではない。

 <実施例1~3および比較例1~4>
 表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼製バン バリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促 進剤を除く配合成分を、回転数80rpm、150℃の 件で3分間混練りした。ついで、得られた混 練り物に硫黄および加硫促進剤を表1に示す 合量で加えた後、オープンロールを用いて 80℃で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物(ビ ドエイペックス用ゴム組成物)を得た。次に 、当該未加硫ゴム組成物を150℃で、30分間加 することにより、実施例1~3および比較例1~4 加硫ゴムシートを作製した。

 実施例1~3および比較例1~4で使用した各種配 成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):TSR20
(2)エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガス リー社製の「ENR25」(エポキシ化率25モル%)
(3)シラン化合物:信越化学(株)製の「KBE-103」( ェニルトリエトキシシラン)
(4)カーボンブラック:昭和キャボット製の「 ョウブラックN220」(BET:111m 2 /g、DBP吸油量115ml/100g)
(5)シリカ:デグッサ社製の「ウルトラジルVN3 (BET比表面積:210m 2 /g)
(6)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 69」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テ ラスルフィド)
(7)ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン 酸「椿」
(8)亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の「亜鉛華1号
(9)硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
(10)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の「 クセラーNS」(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリ スルファンアミド)
 実施例1~3および比較例1~4の未加硫ゴム組成 および加硫ゴムシートについて、下記に示 試験を実施した。結果を表1に示す。

 (押出し加工性)
 ラボ押出し機を用い、未加硫ゴム組成物を 出して得られるゴムシートの生地の形状を 視にて確認した。耳切れなどの問題が生じ いるものをBとし、形状に問題がないものを Aとした。

 (ゴム硬度)
 JIS-K6253に準拠して、室温で、タイプA硬さ計 を用いて硬度を測定した。表1の数値は、比 例1の数値を100としたときの相対値である。 値が高いほど、ゴムの硬度が高いことを示 。

 (ゴム強度)
 加硫ゴムシートから3号ダンベル型試験片を 作製し、JIS-K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム -引張特性の求め方」に準じて引張試験を実 し、試験片の破断強度(TB)および破断時伸び( EB)をそれぞれ測定し、(TB×EB)値を算出した。 1の数値は、比較例1の(TB×EB)値を100としたと きの相対値である。数値が高いほど、ゴムの 強度が高いことを示す。

 表1の評価結果より、ゴム成分100質量部に 対し、シラン化合物を4~16質量部添加するこ により、押出し加工性が向上するとともに 良好なゴム硬度およびゴム強度を示すこと わかる。一方、シラン化合物を添加しない 合および添加量が少ない場合には、押出し 工性が悪く、またシラン化合物の添加量を すぎると、ゴム強度が低下する傾向がみら た。

 <実施例4~6および比較例5~7>
 表2に示す配合処方に従い、神戸製鋼製1.7L ンバリーミキサーを用いて、硫黄および加 促進剤を除く配合成分を、回転数80rpm、150℃ の条件で3分間混練りした。ついで、得られ 混練り物に硫黄および加硫促進剤を表2に示 配合量で加えた後、オープンロールを用い 、80℃で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物( ベーストレッド用ゴム組成物)を得た。次に 当該未加硫ゴム組成物を150℃で、30分間加硫 することにより、実施例4~6および比較例5~7の 加硫ゴムシートを作製した。

 また、上記未加硫状態のベーストレッド用 ム組成物をベーストレッド部の形状に合わ て押出し加工した後、他の部材と張り合わ 、160℃で20分間プレス加硫することにより 実施例4~6および比較例5~7の空気入りタイヤ( イズ:195/65R15)を作製した。このような空気 りタイヤは、図1に示したような構造を有し おり、その詳細は以下の通りである。
カーカス:材料 ポリエステル(1670dtex/2)
ベルト層:材料 スチールコード、構造 1×4、 角度 22°×22°
キャップトレッド部/ベーストレッド部の厚 比:80/20

 実施例4~6および比較例5~7で使用した各種配 成分の詳細は以下のとおりである。
(1)天然ゴム(NR):TSR20
(2)エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガス リー社製の「ENR25」(エポキシ化率25モル%)
(3)シラン化合物:信越化学(株)製の「KBE-103」( ェニルトリエトキシシラン)
(4)カーボンブラック:昭和キャボット製の「 ョウブラックN351」
(5)シリカ:デグッサ社製の「ウルトラジルVN3 (BET比表面積:210m 2 /g)
(6)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si 266」(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)
(7)オイル:日本オイリオ(株)製の大豆油
(8)ワックス:大内新興化学工業(株)製の「サン ノックワックス」
(9)老化防止剤:大内新興化学工業(株)製の「ノ クラック6C」(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェ ル-p-フェニレンジアミン)
(10)ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリ 酸「椿」
(11)亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の「亜鉛華1号
(12)硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
(13)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の「 クセラーNS」(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリ スルファンアミド)
 実施例4~6および比較例5~7の加硫ゴムシート よび試験用空気入りタイヤについて、下記 示す試験を実施した。結果を表2に示す。

 (グリップ性能)
 製造した上記試験用空気入りタイヤのキャ プトレッド部を除去した後、排気量1800cc級 ABSが装備された乗用車に装着し、スキッド ンバーが約50の湿潤アスファルト路面上を 速100km/hで走行中にロックブレーキを踏み、 用車が停止するまでの距離を測定し、ロッ ブレーキ中の減速度を算出した。表2に示さ れる数値は、比較例1の減速度を100としたと の相対値である。当該数値が大きいほど、 潤ABS制動性能に優れ、グリップ性能に優れ ことを示す。

 (転がり抵抗性能)
 粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作 製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪 2%の条件下で、各加硫ゴムシートの損失正 (tanδ)を測定した。表2の数値は、比較例1の 値を100とし、下記計算式により指数表示し 。当該指数が大きいほど、転がり抵抗性に れる。
転がり抵抗指数=(比較例1のtanδ)/(各実施例ま は比較例のtanδ)×100
 (耐磨耗性能)
 ランボーン型磨耗試験機を用いて、室温、 荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件下で、各 硫ゴムシートの磨耗量を測定した。表2の数 値は、磨耗量の逆数を、比較例1を100として 数表示したものである。当該数値が大きい ど、耐磨耗性が高いことを示す。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。