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Patent Searching and Data


Title:
RUBBER COMPOSITION AND TIRE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/153030
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a rubber composition improved in both low loss tangent and wear resistance when compared with conventional rubber compositions. Also disclosed is a tire obtained by using such a rubber composition. Specifically disclosed is a rubber composition having excellent low loss tangent and wear resistance, which uses a modified conjugated diene rubber. The rubber composition is obtained by blending a filler into a rubber component containing (A) a modified conjugated diene rubber having a functional group reactive with the filler, wherein the cis-bond content is not less than 87% and the vinyl-bond content is not more than 2% in the conjugated diene moiety, and (B) a modified polymer having 0.6 or more modifying functional groups per one polymer before modification.

Inventors:
MATSUSHITA JUNKO (JP)
OZAWA YOICHI (JP)
NAKAGAWA RYUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060621
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
MATSUSHITA JUNKO (JP)
OZAWA YOICHI (JP)
NAKAGAWA RYUJI (JP)
International Classes:
C08L15/00; B60C1/00; C08K3/00; C08L7/00
Domestic Patent References:
WO2006112450A12006-10-26
WO2006098103A12006-09-21
Foreign References:
JP2007077317A2007-03-29
JP2006241358A2006-09-14
JP2006241355A2006-09-14
Other References:
See also references of EP 2169002A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-ku, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 (A)共役ジエン部分のシス結合含量が87%以上及びビニル結合含量が2%以下であり、充填剤と反応性の官能基を持つ変性共役ジエンゴム、並びに(B)変性前のポリマー1分子当たりの変性官能基数が0.6以上である変性ポリマーを含むゴム成分に対して充填剤を配合してなり、且つ
 前記充填剤、前記共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B)が下記式(I)の関係を満たすことを特徴とするゴム組成物。
  S F ×W F ×10 7 /(W A ×f A /M n (A)+W B ×f B /M n (B))≦11 ・・・(I)
   [式中、
   S F    :充填剤のセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積(m 2 /g)
   W F    :充填剤のゴム成分100質量部当たりの配合部数(質量部)
   W A    :変性共役ジエンゴム(A)のゴム成分100質量部中の配合部数(質量部)
   W B    :変性ポリマー(B)のゴム成分100質量部中の配合部数(質量部)
   M n (A):変性共役ジエンゴム(A)の数平均分子量
   M n (B):変性ポリマー(B)の数平均分子量
   f A    :変性共役ジエンゴム(A)1分子当たりの変性官能基数
   f B    :変性ポリマー(B)1分子当たりの変性官能基数]
 前記変性共役ジエンゴム(A)のシス結合含量が94%以上、ビニル結合含量が1%以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記変性ポリマー(B)は、変性前のポリマー1分子当たりの変性官能基数が1.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記変性ポリマー(B)は、少なくとも一方の末端に官能基を有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記ゴム成分中の前記変性共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B)の総含有量が10質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記ゴム成分中の前記変性共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B)の総含有量が20質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載のゴム組成物。
 前記変性共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B)の質量比((A)/(B))が30/70~90/10であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記ゴム成分が、更に、天然ゴム又はイソプレンゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記変性ポリマー(B)はアニオン重合により製造した変性ポリマーであり、シス結合含量60%以下、ビニル結合含量10%以上及びスチレン含有率20質量%以下の構造を有し、変性共役ジエンゴム(A)に対して相溶なポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記変性共役ジエンゴム(A)は、変性前のポリマー1分子当たりの変性官能基数が0.2以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 前記変性共役ジエンゴム(A)は、末端が変性されたハイシスポリブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 ゴム成分100質量部に対して、前記充填剤として無機充填剤及び/又はカーボンブラックを10~100質量部含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 硫黄架橋性であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
 請求項1~13のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ構成部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
 前記タイヤ構成部材が、トレッド、サイドゴム、ゴムチェーファー、及びビードフィラーの少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項14に記載のタイヤ。
Description:
ゴム組成物及びそれを用いたタ ヤ

 本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた イヤ、特に低ロス性と耐摩耗性に優れたゴ 組成物に関する。

 近年、省エネルギー、省資源に対する社 的要請の下、自動車の燃料効率及びタイヤ 久性を向上させるために、従来よりも低ロ (低転がり抵抗)性及び耐摩耗性に優れたゴ 組成物が望まれている。

 タイヤの転がり抵抗を低減するために、 イヤに低発熱性のゴム組成物を用いる手法 一般的になっている。そして、充填剤と相 作用する官能基を導入した変性ポリマーを ム組成物に使用することは、ゴム組成物の ロス性と耐摩耗性の両方を向上させるため 非常に有効な手段である。

 例えば、充填剤と相互作用する官能基を 入した変性ハイシスポリブタジエンゴム等 ゴム組成物への使用が検討されている(国際 公開第2006/112450号パンフレット)。しかしなが ら、工業的な条件下で配位重合により製造さ れたハイシスポリブタジエンゴムには、充填 剤親和性の変性官能基をポリマーに対して10% 程度の変性率でしか導入することができない 。かかる変性率のポリマーをゴム組成物に用 いた場合、当該変性官能基により大粒径カー ボンに対しては分散性を向上させる効果が確 認されるが、微粒径カーボンに対しては分散 性を向上させる効果が十分ではないため、ゴ ム組成物の耐摩耗性が向上しない。この原因 は、変性ハイシスポリブタジエンゴム周りの 充填剤量がその変性官能基に対する最適量よ りも過剰である場合、変性官能基による充填 剤の分散性向上効果が激減するためであるこ とが判明している。一方、充填剤親和性の官 能基でポリマー末端の80%以上を変性可能であ るアニオン重合によって製造した変性ポリマ ーをゴム組成物に加えると、該ゴム組成物を 大幅に低ロス化する効果が確認できるものの 、現行の無変性ハイシスポリブタジエンゴム を配合したゴム組成物に較べて該ゴム組成物 の耐摩耗性は悪化する。

 そこで、本発明は、上記従来技術の問題 解決し、低ロス性と耐摩耗性を同時に改善 たゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた イヤを提供することを目的とする。

 本発明者は、上記目的を達成するために 意検討した結果、微粒径では低ロス効果の なかった変性共役ジエンゴムに加えて、充 剤親和性の官能基でポリマー末端の80%以上 変性可能であるアニオン重合により製造し 変性ポリマーをゴム組成物にブレンドする とにより、ゴム組成物のtanδの値がこれら ゴム成分によって協調的に改善され、低ロ 性と耐摩耗性との両立が向上したゴム組成 が得られることを見出し、本発明を完成す に至った。

 即ち、本発明の変性共役ジエンゴムを用い ゴム組成物は、(A)共役ジエン部分のシス結 含量が87%以上及びビニル結合含量が2%以下 あり、充填剤と反応性の官能基を持つ変性 役ジエンゴム、並びに(B)変性前のポリマー1 子当たりの変性官能基数が0.6以上である変 ポリマーを含むゴム成分に対して充填剤を 合してなり、且つ
 前記充填剤、前記共役ジエンゴム(A)及び前 変性ポリマー(B)が下記式(I)の関係を満たす とを特徴とする。
  S F ×W F ×10 7 /(W A ×f A /M n (A)+W B ×f B /M n (B))≦11 ・・・(I)
   [式中、
   S F    :充填剤のセチルトリメチルアンモニウ ブロマイド(CTAB)吸着比表面積(m 2 /g)
   W F    :充填剤のゴム成分100質量部当たりの配 部数(質量部)
   W A    :変性共役ジエンゴム(A)のゴム成分100質 部中の配合部数(質量部)
   W B    :変性ポリマー(B)のゴム成分100質量部中 配合部数(質量部)
   M n (A):変性共役ジエンゴム(A)の数平均分子量
   M n (B):変性ポリマー(B)の数平均分子量
   f A    :変性共役ジエンゴム(A)1分子当たりの変 官能基数
   f B    :変性ポリマー(B)1分子当たりの変性官能 数]

 本発明の変性共役ジエンゴム(A)を用いた ム組成物の好適例においては、前記変性共 ジエンゴム(A)の結合含量が94%以上、ビニル 合含量が1%以下である。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物は、前記変性ポリマー(B)が変性前の リマー1分子当たりの変性官能基数が1.0以上 であることが好ましい。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物において、前記変性ポリマー(B)は、 なくとも一方の末端に官能基を有すること 好適である。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物において、前記ゴム成分中の前記変 共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B) 総含有量が10質量%以上であることが好まし 。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物において、前記ゴム成分中の前記変 共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B) 総含有量が20質量%以上であることが好適で る。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物の好適例においては、前記(A)及び前 (B)の質量比((A)/(B))が30/70~90/10である。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物は、更に天然ゴム又はイソプレンゴ を含むことが好ましい。

 本発明の変性共役ジエンゴム(A)を用いた ム組成物において、前記変性ポリマー(B)は ニオン重合により製造した変性ポリマーで り、シス含量60%以下、ビニル結合含量10%以 及びスチレン含有率20質量%以下の構造を有 、変性共役ジエンゴム(A)に対して相溶なポ マーであることが好ましい。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物の好適例においては、前記変性共役 エンゴム(A)は、ポリマー1分子当たりの変性 官能基数が0.2以上である。

 本発明の変性共役ジエンゴムを用いたゴ 組成物は、前記変性共役ジエンゴム(A)が、 端が変性されたハイシスポリブタジエンゴ であることが好ましい。

 また、本発明の変性共役ジエンゴムを用 たゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し 、前記充填剤として無機充填剤及び/又はカ ーボンブラックを10~100質量部含むことが好ま しい。

 また、本発明の変性共役ジエンゴムを用 たゴム組成物は、硫黄架橋性であることが ましい。

 本発明のタイヤは、本発明の変性共役ジ ンゴムを用いたゴム組成物をタイヤ構成部 のいずれかに用いて製造する。また、前記 イヤ構成部材が、トレッド、サイドゴム、 ムチェーファー、及びビードフィラーの少 くとも何れか一つであることが好適である

 本発明によれば、低ロス性及び耐摩耗性 優れたゴム組成物、及びこれを用いたタイ を提供することができる。

 本発明のゴム組成物は、(A)共役ジエン部分 シス結合含量が87%以上及びビニル結合含量 2%以下であり、充填剤と反応性の官能基を つ変性共役ジエンゴム、並びに(B)変性前の リマー1分子当たりの変性官能基数が0.6以上 ある変性ポリマーを含むゴム成分に対して 填剤を配合してなり、且つ前記充填剤、前 共役ジエンゴム(A)及び前記変性ポリマー(B) 上記式(I)の関係を満たすことを特徴とする
 本発明のゴム組成物において、変性共役ジ ンゴム(A)と変性ポリマー(B)をブレンドする とによりゴム組成物のtanδの値が協調的に 善されるのは、変性ポリマー(B)によって変 共役ジエンゴム(A)周辺のモルフォロジーが ントロールされ、変性共役ジエンゴム(A)が ム組成物中で低ロス効果を発揮しやすくな からであると考えられる。なお、変性共役 エンゴム(A)のシス結合含量が87%未満である ゴム組成物中におけるロス低減効果が不十 となる。そのため、変性共役ジエンゴム(A) シス結合含量が94%以上であることが好まし 、97%以上が更に好ましく、98%以上がより一 好ましい。また、変性共役ジエンゴム(A)の ニル結合含量が2%を超えると結晶性が低下す る。そのため、1%以下であることが好ましく 0.3%以下が更に好ましく、0.2%以下がより一 好ましい。また、変性ポリマー(B)の変性前 ポリマー1分子当たりの変性官能基数が0.6未 である変性ポリマーは、アニオン重合ポリ ーをブレンドするメリットが少なくなる。 のため、変性ポリマー(B)は変性前のポリマ 1分子当たりの変性官能基数が1.0以上である こと、例えば60%のポリマーの両末端が変性さ れていることが更に好ましい。また一方で、 変性ポリマー(B)は、少なくとも一方の末端に 官能基を有することが好ましい。該変性ポリ マー(B)は両末端を変性するか、又は変性モノ マーを反応させることによって得るが、この ポリマーの少なくとも一方の末端に官能基を 有していればよく、官能基が付加される他の 場所については特に限定されない。前記変性 ポリマー(B)のポリマー末端の少なくとも一方 の末端に官能基を有していないと、変性ポリ マー(B)のゴム組成物に対する十分な変性効果 が得られない。また、式(I)の左辺の値が11を えると、ゴム成分に対する充填剤の表面積 大きくなるため、有効な変性効果が発現し い。なお、数平均分子量については、ゲル ーミエションクロマトグラフィー(GPC)によ 測定したポリスチレン換算の値である。

 ここで、シス結合含量とは、ポリマー中 共役ジエン化合物単位におけるシス結合の 量を指す。また、変性ポリマーとは共役ジ ン化合物のホモポリマー又は共重合体等に 填剤との親和性が高い化合物を付与させた のを指す。具体的には、共役ジエン化合物 して、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、 1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2 -フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン どが挙げられる。これらは単独で用いても く、二種以上を組み合わせて用いてもよい また、これらの共役ジエン化合物との共重 に用いられる化合物としては、例えばスチ ン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン 、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチ ン、2,4,6-トリメチルスチレンなどの芳香族 ニル化合物が挙げられる。これらは単独で いてもよく、二種以上を組み合わせても用 てもよい。更に、ゴム成分として天然ゴム はイソプレンゴムを含むことが好ましい。 お、本発明のゴム組成物は充填剤を含むこ を要するが、ゴム組成物が充填剤を含まな 場合、ゴム組成物の耐摩耗性が悪化する。

 本発明のゴム組成物においては、前記(A) び前記(B)の質量比((A)/(B))が30/70~90/10である とが好ましい。また、前記ゴム成分中の前 (A)及び前記(B)の総含有量が10質量%以上であ ことが好ましく、20質量%であることが更に ましい。前記(A)及び前記(B)がかかる規定の 囲外であると、ゴム組成物は所望の特性を 分に得ることができない。

 前記変性共役ジエンゴム(A)は配位重合に り製造した変性共役ジエン化合物であり、 記変性ポリマー(B)はアニオン重合により製 した変性ポリマーであることが好ましい。 位重合で製造した変性共役ジエン化合物は 極めて高い立体規則性を有するため耐久性 高くなる。アニオン重合で製造した変性ポ マーは、変性効率が高いため著しいロスの 減効果を有する。また、前記変性ポリマー( B)はシス含量60%以下、ビニル結合含量10%以上 びスチレン含有率20質量%以下の構造を有し 変性共役ジエンゴム(A)に対して相溶なポリ ーであることが好ましい。前記変性ポリマ (B)は、シス含量が60%を超え、ビニル結合含 が10%未満であり、またスチレン含有率が20 量%を超えると、変性共役ジエンゴム(A)に対 ての相溶性が低下し、変性共役ジエンゴム( A)と変性ポリマー(B)のブレンドによるゴム組 物のtanδを改善する協調的効果が低下する め好ましくない。また、前記変性ポリマー(B )が、前記変性共役ジエンゴム(A)と相溶でな 場合、前記変性ポリマー(B)中でのカーボン ラックの分散性が良好でないため適当でな 。なお、各成分が相溶であると、-100~80℃の 囲において15Hzの条件で粘弾性を測定した場 合、一般に粘弾性のピーク(tanδピーク)は一 もしくはブロードな一山になる。

 アニオン重合で変性ポリマーを製造する 合、重合開始剤としては、アルカリ金属化 物を用いるのが好ましく、リチウム化合物 用いるのが更に好ましい。該リチウム化合 としては、ヒドロカルビルリチウム及びリ ウムアミド化合物等が挙げられる。重合開 剤としてヒドロカルビルリチウムを用いる 合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有 、他方の末端が重合活性部位である変性ポ マーが得られる。一方、重合開始剤として チウムアミド化合物を用いる場合、重合開 末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端 重合活性部位である変性ポリマーが得られ 該重合体は、変性剤で変性することなく、 発明における変性ポリマーとして用いるこ ができる。なお、重合開始剤としてのリチ ム化合物の使用量は、単量体100g当り0.2~20mmo lの範囲が好ましい。

 上記ヒドロカルビルリチウムとしては、 チルリチウム、n-プロピルリチウム、イソ ロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブ ルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシ リチウム、フェニルリチウム、2-ナフチル チウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェ ニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチ ム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロ ニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生 物等が挙げられ、これらの中でも、エチル チウム、n-プロピルリチウム、イソプロピル リチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチ ウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチ ム等のアルキルリチウムが好ましく、n-ブチ ルリチウムが特に好ましい。

 一方、上記リチウムアミド化合物として 、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウ ピロリジド、リチウムピペリジド、リチウ ヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメ レンイミド、リチウムジメチルアミド、リ ウムジエチルアミド、リチウムジプロピル ミド、リチウムジブチルアミド、リチウム ヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミ 、リチウムジオクチルアミド、リチムジ-2- チルヘキシルアミド、リチウムジデシルア ド、リチウム-N-メチルピペラジド、リチウ エチルプロピルアミド、リチウムエチルブ ルアミド、リチウムメチルブチルアミド、 チウムエチルベンジルアミド、リチウムメ ルフェネチルアミド等が挙げられる。

 上記リチウムアミド化合物として、式:Li-AM[ 式中、AMは下記式(II):
(式中、R 1 は、それぞれ独立して炭素数1~12のアルキル 、シクロアルキル基又はアラルキル基であ )で表される置換アミノ基、又は下記式(III):
(式中、R 2 は、3~16のメチレン基を有するアルキレン基 置換アルキレン基、オキシアルキレン基又 N-アルキルアミノ-アルキレン基を示す)で表 れる環状アミノ基である]で表されるリチウ ムアミド化合物を用いることで、式(II)で表 れる置換アミノ基及び式(III)で表される環状 アミノ基からなる群から選択される少なくと も一種の窒素含有官能基が導入された変性ポ リマーが得られる。

 式(II)において、R 1 は、炭素数1~12のアルキル基、シクロアルキ 基又はアラルキル基であり、具体的には、 チル基、エチル基、ブチル基、オクチル基 シクロヘキシル基、3-フェニル-1-プロピル基 及びイソブチル基等が好適に挙げられる。な お、R 1 は、それぞれ同じでも異なってもよい。

 式(III)において、R 2 は、3~16個のメチレン基を有するアルキレン 、置換アルキレン基、オキシアルキレン基 はN-アルキルアミノ-アルキレン基である。 こで、置換アルキレン基には、一置換から 置換のアルキレン基が含まれ、置換基とし は、炭素数1~12の鎖状若しくは分枝状アルキ 基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル 、アリール基及びアラルキル基が挙げられ 。また、R 2 として、具体的には、トリメチレン基、テト ラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジ エチレン基、N-アルキルアザジエチレン基、 デカメチレン基及びヘキサデカメチレン基 が好ましい。

 上記リチウムアミド化合物は、二級アミ とリチウム化合物から予備調製して重合反 に用いてもよいが、重合系中で生成させて よい。ここで、二級アミンとしては、ジメ ルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミ 、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルア ン、ジイソブチルアミン等の他、アザシク ヘプタン(即ち、ヘキサメチレンイミン)、2- (2-エチルヘキシル)ピロリジン、3-(2-プロピル )ピロリジン、3,5-ビス(2-エチルヘキシル)ピペ リジン、4-フェニルピペリジン、7-デシル-1- ザシクロトリデカン、3,3-ジメチル-1-アザシ ロテトラデカン、4-ドデシル-1-アザシクロ クタン、4-(2-フェニルブチル)-1-アザシクロ クタン、3-エチル-5-シクロヘキシル-1-アザシ クロヘプタン、4-ヘキシル-1-アザシクロヘプ ン、9-イソアミル-1-アザシクロヘプタデカ 、2-メチル-1-アザシクロヘプタデセ-9-エン、 3-イソブチル-1-アザシクロドデカン、2-メチ -7-t-ブチル-1-アザシクロドデカン、5-ノニル- 1-アザシクロドデカン、8-(4'-メチルフェニル) -5-ペンチル-3-アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン 1-ブチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8-エ チル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1-プロピ ル-3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3-(t-ブチル)-7 -アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5-トリメチル- 3-アザビシクロ[4.4.0]デカン等の環状アミンが 挙げられる。一方、リチウム化合物としては 、上記ヒドロカルビルリチウムを用いること ができる。

 上記アルカリ金属化合物等を重合開始剤 して、アニオン重合により変性ポリマーを 造する方法としては、特に制限はなく、例 ば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で 共役ジエン化合物単独で、又は共役ジエン 合物と芳香族ビニル化合物等の共役ジエン 合物と共重合可能なコモノマーとの混合物 重合させることで変性ポリマーを製造する とができる。ここで、重合反応に不活性な 化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n- キサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブ ン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2 -ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセ 、2-ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレ ン、エチルベンゼン等が挙げられる。これら は単独で用いてもよく、二種以上を混合して 用いてもよい。

 上記アニオン重合は、ランダマイザーの 在下で実施してもよい。該ランダマイザー 、共役ジエン化合物のミクロ構造を制御す ことができ、例えば、単量体としてブタジ ンを用いた重合体のブタジエン単位の1,2-結 合含量を制御したり、単量体としてスチレン とブタジエンを用いた共重合体のブタジエン 単位とスチレン単位とをランダム化する等の 作用を有する。上記ランダマイザーとしては 、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン 、ジメトキシエタン、ジエチレングリコール ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジ メチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプ ロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メ ルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレ ンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、カリ ム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド、 トリウム-t-アミレート等が挙げられる。こ らランダマイザーの使用量は、重合開始剤 アルカリ金属化合物1モル当り0.01~100モル当 の範囲が好ましい。

 上記アニオン重合は、溶液重合、気相重 、バルク重合のいずれで実施してもよいが 溶液重合の場合、溶液中の上記単量体の濃 は、5~50質量%の範囲が好ましく、10~30質量% 範囲が更に好ましい。なお、単量体として 共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を 用する場合、単量体混合物中のビニル芳香 化合物の含有率は、3~50質量%の範囲が好まし く、4~45質量%の範囲が更に好ましい。また、 合形式は特に限定されず、回分式でも連続 でもよい。

 上記アニオン重合の重合温度は、0~150℃ 範囲が好ましく、20~130℃の範囲が更に好ま い。また、該重合は、発生圧力下で実施で るが、通常は、使用する単量体を実質的に 相に保つのに十分な圧力下で行うのが好ま い。ここで、重合反応を発生圧力より高い 力下で実施する場合、反応系を不活性ガス 加圧するのが好ましい。また、重合に使用 る単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は 水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物 の反応阻害物質を予め除去したものを用い のが好ましい。

 一方、配位重合で変性共役ジエン化合物 製造する場合、重合開始剤としては、希土 金属化合物を用いるのが好ましく、下記(A) 分、(B)成分、(C)成分を組み合わせて用いる が更に好ましい。該配位重合により、重合 性部位を有する共役ジエンゴムが得られる

 上記配位重合に用いる(A)成分は、希土類 属化合物、及び希土類金属化合物とルイス 基との錯化合物等から選択される。ここで 希土類金属化合物としては、希土類元素の ルボン酸塩、アルコキサイド、β-ジケトン 体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ ルイス塩基としては、アセチルアセトン、 トラヒドロフラン、ピリジン、N、N-ジメチ ホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエ テル、トリエチルアミン、有機リン化合物 1価又は2価のアルコール等が挙げられる。 記希土類金属化合物の希土類元素としては ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマ ウム、ガドリニウムが好ましく、これらの でも、ネオジムが特に好ましい。また、(A) 分として、具体的には、ネオジムトリ-2-エ ルヘキサノエート、それとアセチルアセト との錯化合物、ネオジムトリネオデカノエ ト、それとアセチルアセトンとの錯化合物 ネオジムトリn-ブトキシド等が挙げられる。 これら(A)成分は一種単独で用いても、二種以 上を混合して用いてもよい。

 上記配位重合に用いる(B)成分は、有機アル ニウム化合物から選択される。該有機アル ニウム化合物として、具体的には、式:R 3 3 Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウ 化合物、式:R 3 2 AlH又はR 3 AlH 2 で表されるヒドロカルビルアルミニウム水素 化物(式中、R 3 は、それぞれ独立して炭素数1~30の炭化水素 である)、炭素数1~30の炭化水素基をもつヒド ロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げら れる。該有機アルミニウム化合物として、具 体的には、トリアルキルアルミニウム、ジア ルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアル ミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサ ン等が挙げられる。これらの化合物は一種単 独で用いても、二種以上を混合して用いても よい。なお、(B)成分としては、アルミノキサ ンと他の有機アルミニウム化合物とを併用す るのが好ましい。

 上記配位重合に用いる(C)成分は、加水分 可能なハロゲンを有する化合物又はこれら ルイス塩基の錯化合物、三級アルキルハラ ド、ベンジルハライド又はアリルハライド 有する有機ハロゲン化物、非配位性アニオ 及び対カチオンからなるイオン性化合物等 ら選択される。かかる(C)成分として、具体 には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジ ルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素 四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のル ス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアル ール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジ 、塩化t-ブチル、臭化ベンジル、臭化t-ブチ ル、トリフェニルカルボニウムテトラキス( ンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げら る。これら(C)成分は一種単独で用いても、 種以上を混合して用いてもよい。

 上記重合開始剤は、上記の(A)、(B)、(C)成 以外に、必要に応じて、重合用単量体と同 共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化 合物を用いて予備的に調製してもよい。また 、(A)成分又は(C)成分の一部又は全部を不活性 な固体上に担持して用いてもよい。上記各成 分の使用量は、適宜設定することができるが 、通常、(A)成分は単量体100g当たり0.001~0.5mmol ある。また、モル比で(B)成分/(A)成分は5~1000 、(C)成分/(A)成分は0.5~10が好ましい。

 上記配位重合における重合温度は、-80~150 ℃の範囲が好ましく、-20~120℃の範囲が更に ましい。また、配位重合に用いる溶媒とし は、上述のアニオン重合で例示した反応に 活性な炭化水素溶媒を用いることができ、 応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の 合と同様である。更に、配位重合における 応圧力もアニオン重合の場合と同様であり 反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸 炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質 実質的に除去したものが望ましい。

 上記活性部位を有するポリマー及び共役 エンゴム等の活性部位を変性剤で変性する あたって、変性剤としては、窒素含有化合 、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物等を いることができる。

 上記変性剤として用いることができる窒 含有化合物としては、ビス(ジエチルアミノ )ベンゾフェノン、ジメチルイミダゾリジノ 、N-メチルピロリドン、4-ジメチルアミノベ ジリデンアニリン等が挙げられる。これら 窒素含有化合物を変性剤として用いること 、置換及び非置換のアミノ基、アミド基、 ミノ基、イミダゾール基、ニトリル基並び ピリジル基等の窒素を含む官能基を共役ジ ンゴムに導入することができる。

 また、上記変性剤として用いることができ ケイ素含有化合物としては、ヒドロカルビ オキシシラン化合物が好ましく、下記式(IV) で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合 物が更に好ましい。

 式(IV)において、A 1 における官能基の中で、イミンはケチミン、 アルジミン、アミジンを包含し、(チオ)カル ン酸エステルは、アクリレートやメタクリ ート等の不飽和カルボン酸エステルを包含 る。また、(チオ)カルボン酸の金属塩の金 としては、アルカリ金属、アルカリ土類金 、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。

 R 4 及びR 5 としては、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~ 18のアルケニル基、炭素数6~18のアリール基、 炭素数7~18のアラルキル基等が挙げられる。 こで、上記アルキル基及びアルケニル基は 直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであっ もよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プ ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イ ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペ チル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル 、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロ キシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリ 基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロ ンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げ れる。また、上記アリール基は、芳香環上 低級アルキル基等の置換基を有していても く、例えば、フェニル基、トリル基、キシ ル基、ナフチル基等が挙げられる。更に、 記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキ 基等の置換基を有していてもよく、例えば ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチ 基等が挙げられる。

 R 6 の内の炭素数1~20の二価の不活性炭化水素基 しては、炭素数1~20のアルキレン基が好まし 。該アルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状 環状のいずれであってもよいが、特に直鎖 のものが好適である。該直鎖状アルキレン としては、メチレン基、エチレン基、トリ チレン基、テトラメチレン基、ペンタメチ ン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン 、デカメチレン基、ドデカメチレン基等が げられる。

 また、nは1~3の整数であるが、3が好ましく nが2又は3の場合、各R 4 Oは、同一でも異なってもよい。

 式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシ ラン化合物としては、例えば、(チオ)エポキ 基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物 して、2-グリシドキシエチルトリメトキシ ラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシ ラン、(2-グリシドキシエチル)メチルジメト シシラン、3-グリシドキシプロピルトリメト キシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエ キシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチ ルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エ ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシ ラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル (メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合 におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置 換えたものを挙げることができるが、これ の中でも、3-グリシドキシプロピルトリメ キシシラン及び3-グリシドキシプロピルトリ エトキシシランが特に好ましい。

 また、イミン基含有ヒドロカルビルオキ シラン化合物として、N-(1,3-ジメチルブチリ デン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミ ン、N-(1-メチルエチリデン)-3-(トリエトキシ リル)-1-プロパンアミン、N-エチリデン-3-(ト エトキシシリル)-1-プロパンアミン、N-(1-メ ルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1- ロパンアミン、N-(4-N,N-ジメチルアミノベン リデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパン ミン、N-(シクロヘキシリデン)-3-(トリエト シシリル)-1-プロパンアミン及びこれらのト エトキシシリル化合物に対応するトリメト シシリル化合物、メチルジエトキシシリル 合物、エチルジエトキシシリル化合物、メ ルジメトキシシリル化合物、エチルジメト シシリル化合物等を挙げることができるが これらの中でも、N-(1-メチルプロピリデン)- 3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及 N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシ リル)-1-プロパンアミンが特に好ましい。

 また、イミン(アミジン)基含有化合物と ては、1-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-4 5-ジヒドロイミダゾール、1-[3-(トリメトキ シリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒ ロイミダゾール、N-(3-イソプロポキシシリル プロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、N-(3-メ ルジエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロ ミダゾール等が挙げられ、これらの中でも N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒ ロイミダゾールが好ましい。

 更に、その他のヒドロカルビルオキシシ ン化合物として、以下のものを挙げること できる。即ち、カルボン酸エステル基含有 合物としては、3-メタクリロイロキシプロ ルトリエトキシシラン、3-メタクリロイロキ シプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリ イロキシプロピルメチルジエトキシシラン 3-メタクリロイロキシプロピルトリイソプ ポキシシランなどが挙げられ、これらの中 も、3-メタクリロイロキシプロピルトリメト キシシランが好ましい。

 また、イソシアネート基含有化合物とし は、3-イソシアナトプロピルトリメトキシ ラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシ シラン、3-イソシアナトプロピルメチルジエ キシシラン、3-イソシアナトプロピルトリ ソプロポキシシランなどが挙げられ、これ の中でも、3-イソシアナトプロピルトリエト キシシランが好ましい。

 更に、カルボン酸無水物含有化合物とし は、3-トリエトキシシリルプロピルコハク 無水物、3-トリメトキシシリルプロピルコハ ク酸無水物、3-メチルジエトキシシリルプロ ルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの でも、3-トリエトキシシリルプロピルコハ 酸無水物が好ましい。

 上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物 、一種を単独で用いてもよく、二種以上を み合わせて用いてもよい。また、上記ヒド カルビルオキシシラン化合物の部分縮合物 用いることができる。

 また、上記変性剤としては、下記式(V):
 R 7 a ZX b  ・・・ (V)
[式中、R 7 は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル 、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数6~20 のアリール基及び炭素数7~20のアラルキル基 らなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素 であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素 あり;aは0~3で、bは1~4で、但し、a+b=4である] 又は式(VI):
   R 7 c Z d X e  ・・・ (VI)
[式中、R 7 、Z及びXは、上記と同義であり;cは0~2(d+1)-1で dは2以上で、eは1~2(d+1)で、但し、c+e=2(d+1)で る]で表されるカップリング剤も好ましい。 式(V)又は式(VI)のカップリング剤で変性した 役ジエンゴムは、少なくとも一種のスズ-炭 結合又はケイ素-炭素結合を有する。式(V)及 び式(VI)において、R 7 は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル 、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数6~20 のアリール基又は炭素数7~20のアラルキル基 あり、該R 7 として、具体的には、メチル基、エチル基、 n-ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル 、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙 げられる。また、Zは、スズ又はケイ素であ 、Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であ 。式(V)のカップリング剤としては、四塩化 ズ、R 7 SnCl 3 、R 7 2 SnCl 2 、R 7 3 SnCl等が好ましく、四塩化スズが特に好まし 。式(VI)のカップリング剤として、具体的に 、Si 2 Cl 6 、Si 3 Cl 8 、R 7 Si 2 Cl 5 、R 7 2 Si 2 Cl 4 、R 7 3 Si 2 Cl 3 等が挙げられ、Si 2 Cl 6 が特に好ましい。

 上記変性剤による変性反応は、溶液反応 行うのが好ましく、該溶液中には、重合時 使用した単量体が含まれていてもよい。ま 、変性反応の反応形式は特に制限されず、 ッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反 の反応温度は、反応が進行する限り特に限 されず、重合反応の反応温度をそのまま採 してもよい。

 前記変性共役ジエンゴム(A)は、ポリマー1 分子当たりの変性官能基数が0.2以上であるこ とが好適である。ここで、ポリマー1分子当 りの変性官能基数が0.2未満であると、カー ンブラック等の充填剤の分散性を向上させ 効果が小さくなる。なお、常法では配位重 で製造した変性共役ジエン化合物のポリマ 1分子当たりの変性官能基数は約0.1であるが 今回、重合における触媒の使用条件を最適 することによって該変性官能基数を0.2以上 向上させることが可能になった。

 前記変性共役ジエンゴム(A)は、末端が変 されたハイシスポリブタジエンゴムである と、また前記変性ポリマー(B)は、ポリマー1 分子当たりの変性官能基数が0.60以上である とが好適である。かかる成分を組み合わせ ゴム組成物に配合すると、ゴム組成物のtanδ の値が協調的に改善され、低ロス性と耐摩耗 性のバランスに優れたゴム組成物を提供でき る。ポリマー1分子当たりの変性官能基数は0. 60未満であると、変性ポリマーのゴム組成物 の配合量が少量である場合に変性ポリマー ロス低減効果が不十分になる。

 本発明のゴム組成物の好適例においては ゴム成分100質量部に対して、前記充填剤と て無機充填剤及び/又はカーボンブラックを 10~100質量部含む。かかる配合量が10質量部未 であるとゴム組成物の耐摩耗性が不十分と りやすく、100質量部を超えるとゴム組成物 低ロス性が悪化しやすくなる。無機充填剤 してはシリカ、タルク及び水酸化アルミニ ム等が好適に挙げられる。

 本発明のゴム組成物には、本発明の目的 損なわれない範囲で、通常ゴム工業界で用 られる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進 、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止 、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させる とができる。

 本発明のゴム組成物は硫黄架橋性である とが好ましく、加硫剤としては硫黄等を用 ることが好ましい。その使用量は、ゴム成 100質量部に対して、硫黄分として0.1~10.0質 部が好ましく、1.0~5.0質量部がさらに好まし 。0.1質量部以上であると加硫ゴムは破壊強 、耐摩耗性、低発熱性が良好なものとなり 10.0質量部以下であるとゴム弾性も良好であ る。

 本発明のゴム組成物は、前記配合処方に り、ロール、インターナルミキサー等の混 り機を用いて混練りすることによって得ら 、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッ 、アンダートレッド、サイドウォール、カ カスコーティングゴム、ベルトコーティン ゴム、ビードフィラー、チェーファー、ビ ドコーティングゴム等のタイヤ用途を始め 防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業品 の用途にも用いることができる。

 本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物 タイヤ構成部材のいずれかに用いたこと以 は、通常の方法によって製造する。すなわ 、上記のように各種薬品を含有させた本発 のゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加 され、タイヤ成形機上で通常の方法により り付け成形され、生タイヤが成形される。 の生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タ ヤが得られる。また、前記タイヤ構成部材 しては、トレッド、サイドゴム、ゴムチェ ファー、及びビードフィラーの少なくとも れか一つであることが好ましい。

 以下、実施例により本発明を更に具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例によ て何ら限定されるものではなく、その要旨 変更しない範囲において適宜変更可能であ 。

 (比較例1~10及び実施例1~6)
 下記の表1に示す配合(単位は質量部)に従い バンバリーミキサーを用いて各ゴム組成物 混練して調製した。その後、該ゴム組成物 ついて、3%tanδ及び耐摩耗性を以下の方法に 従って評価した。結果を表1に示す。

 (3%tanδの測定方法)
 レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を いて、温度50℃、周波数15Hz、歪3%でのtanδを 測定し、比較例1のゴム組成物の3%tanδの値を1 00として指数表示した。3%tanδが小さい程、低 ロス性(低発熱性)に優れることを示す。

 (耐摩耗性の測定方法)
 ランボーン式摩耗試験機を用い、各ゴム組 物の室温におけるスリップ率60%での摩耗量 測定し、比較例1のゴム組成物の摩耗量を100 として指数表示した。指数値が大きい程、摩 耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す 。

 (tanδピークの測定方法)
 -100~80℃の範囲において15Hzの条件で各ゴム 成物の粘弾性(tanδ)を測定し、横軸を走査温 、縦軸を粘弾性としてグラフを描画し、該 ラフの形状を読み取った。

 (ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]の測定方法)
 JIS K6300に従い、Lローターを使用して、予 1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件 で測定した。

 (分子量分布(Mw/Mn)の計算方法)
 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー( 商品名「HLC-8120GPC」、東ソー社製)を使用し、 検知器として、示差屈折計を用いて、以下の 条件で測定し、標準ポリスチレン換算値とし て計算した。
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製) 2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/min
サンプル濃度;10mg/20ml

 (ミクロ構造[シス-1,4結合量(%),1,2-ビニル結 量(%)]の測定方法)
 フーリエ変換赤外分光光度計(商品名「FT/IR- 4100」、日本分光社製)を使用し、赤外法(モレ ロ法)によって測定した。

*1   宇部興産社製、150L(無変性ハイシスポ ブタジエンゴム、シス含量97%)
*2   以下の方法で調製した無変性ローシス リブタジエンゴム
*3   以下の方法で調製したDEAB変性ハイシス ポリブタジエンゴム1
*4   以下の方法で調製したDEAB変性ハイシス ポリブタジエンゴム2
*5   以下の方法で調製した2,4-ジニトロベン ゼンスルフォニルクロライド変性ハイシスポ リブタジエンゴム
*6   以下の方法で調製したDEAB変性アニオン 重合体1
*7   以下の方法で調製した両末端変性変性 ニオン重合体
*8   以下の方法で調製した高スチレンSBRア オン重合体
*9   以下の方法で調製したDEAB変性アニオン 重合体2
*10  SAF、N 2 SA=140(m 2 /g)、CTAB比表面積=138(m 2 /g)
*11  精工化学社製、サンタイトA
*12  大内新興化学工業(株)社製、N-(1,3-ジメ ルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミ
*13  大内新興化学工業(株)社製、1,3-ジフェ ルグアニジン
*14  大内新興化学工業(株)社製、ジ-2-ベンゾ チアゾリルジスルフィド
*15  大内新興化学工業(株)社製、N-tert-ブチ -2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*16  以下の方法で調製したDEAB変性ハイシス リブタジエンゴム3
*17  以下の方法で調製した変性ジエン系重 体1
*18  以下の方法で調製した変性ジエン系重 体2
*19  以下の方法で調製したDEAB変性アニオン 合体3
*20  以下の方法で調製した変性ジエン系重 体3

 (無変性ローシスポリブタジエンゴム(ゴム 分2)の調製方法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを 乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタ ジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロ ヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.0%のシ ロヘキサン溶液が400g投入された状態とした 。次に、tert-ブチルリチウム(1.57M)0.30mL、2,2- (2-テトラヒドロフリル)プロパン(0.2M)0.185mLを 添加し、50℃の水浴中で1.5時間重合を行った その後、微量のNS-5を含むイソプロパノール 中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥すること でほぼ100%の収率で重合体を得た。シス含量 35%であった。

 (触媒溶液の調製方法)
 乾燥・窒素置換したゴム栓付きの容積100ミ リットルのガラスびんに、以下の順番で、 タジエンのシクロヘキサン溶液(15.2質量%)7.1 1g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキ ン溶液(0.56M)0.59ミリリットル、メチルアル ノキサンMAO(東ソー-アクゾ製、PMAO)のトルエ 溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32ミリ ットル、及び水素化ジイソブチルアルミニ ム(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77ミリ リットルを投入し、室温で4分間熟成した後 塩素化ジエチルアルミニウム(関東化学製)に ヘキサン溶液(0.95M)2.36ミリリットルを加え、 折撹拌しながら室温で15分間熟成した。得 れた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011M あった。

 (DEAB変性ハイシスポリブタジエンゴム1(ゴム 成分3)の調製方法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを 乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタ ジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロ ヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.0%のシ ロヘキサン溶液が400g投入された状態とした 。次に、前記のとおり調製した触媒溶液1.56 リリットル(ネオジム換算の濃度として0.017mm ol)を投入し、50℃の水浴中で1.5時間重合を行 た。その後、50℃にて4,4’-ジエチルアミノ ンゾフェノン(DEAB)を0.005mmol添加し、1時間反 応させた。微量のNS-5を含むイソプロパノー 中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥するこ でほぼ100%の収率で重合体を得た。該重合体 変性効率は20%、シス含量は96%、数平均分子 (M n )は180,000、ビニル結合含量は0.7%であった。変 性効率はゲル浸透クロマトグラフィーによる DEABの紫外線吸収度から算出した。

 (DEAB変性ハイシスポリブタジエンゴム2(ゴム 成分4)の調製方法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを 乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタ ジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロ ヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.0%のシ ロヘキサン溶液が400g投入された状態とした 。次に、前記のとおり調製した触媒溶液1.56 リリットル(ネオジム換算の濃度として0.017mm ol)を投入し、70℃の水浴中で1.5時間重合を行 た。その後、50℃にて4,4’-ジエチルアミノ ンゾフェノン(DEAB)を0.005mmol添加し、1時間反 応させた。微量のNS-5を含むイソプロパノー 中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥するこ でほぼ100%の収率で重合体を得た。該重合体 変性効率は20%、シス含量は88%、数平均分子 (M n )は178,000、ビニル結合含量は0.9%であった。変 性効率はゲル浸透クロマトグラフィーによる DEABの紫外線吸収度から算出した。

 (2,4-ジニトロベンゼンスルフォニルクロラ ド変性ハイシスポリブタジエンゴム(ゴム成 5)の調製方法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんに 無変性ハイシスポリブタジエンゴム(150L) 50g トルエン400gを加えて、60℃で撹拌し、溶解 せた。そこに、予めテトラヒドロフランに 解させた変性剤2,4-ジニトロベンゼンスルフ ォニルクロライド0.5mmolを添加し、60℃で2時 撹拌した。微量のNS-5を含むイソプロパノー 中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥するこ でほぼ100%の収率で重合体を得た。該重合体 の変性効率は30%、シス含量は97%、数平均分子 量(M n )は181,000、ビニル結合含量は0.6%であった。

 (DEAB変性アニオン重合体1(ゴム成分6)の調製 法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを 乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタ ジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロ ヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.0質量% シクロヘキサン溶液が400g投入された状態と した。次に、tert-ブチルリチウム(1.57M)0.30mL、 2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン(0.2N)0.18 5mLを添加し、50℃の水浴中で1.5時間重合を行 た。その後、50℃にて4,4’-ジエチルアミノ ンゾフェノン(DEAB)を0.42mmol添加し、1時間反 させた。微量のNS-5を含むイソプロパノール 中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥すること でほぼ100%の収率で重合体を得た。該重合体 変性効率は87%、シス含量は35%、数平均分子 (M n )は180,000、ビニル結合含量は18%、スチレン含 量は0質量%であった。変性効率はゲル浸透 ロマトグラフィーによるDEABの紫外線吸収度 ら算出した。

 (両末端変性アニオン重合体(ゴム成分7)の調 製方法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを 乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタ ジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロ ヘキサンを各々投入し、ブタジエン15.0質量% シクロヘキサン溶液が330g投入された状態と した。これにヘキサメチレンイミン(HMI)0.513mm olを投入した。次に、tert-ブチルリチウム(1.57 M)0.36mL、2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパ (0.2N)0.057mLを添加し、50℃の水浴中で4.5時間 合を行った。その後、50℃にて四塩化錫(SnCl 4 )を0.10mmol添加し、1時間反応させた。微量のNS -5を含むイソプロパノール中で再沈殿した後 ドラムにて乾燥することでほぼ100%の収率で 重合体を得た。該重合体の変性効率はヘキサ メチレンイミン62%、四塩化錫87%、シス含量は 35%、数平均分子量(M n )は180,000、ビニル結合含量は18%、スチレン含 量は0質量%であった。ヘキサメチレンイミ の変性効率は液体クロマトグラフィーによ 測定し、四塩化錫については、四塩化錫と 条件にてDEAB変性を行ったポリマーの変性効 を測定した。

 (高スチレンSBR(スチレンブタジエンゴム)ア オン重合体(ゴム成分8)の調製方法)
 窒素置換された内容積5リットルのオートク レーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テト ラヒドロフラン2.06g、スチレン158g、1,3-ブタ エン150g、ドデシルベンゼンスルホン酸カリ ム(DBS-K)61.2mg(0.17mmol)を仕込んだ。反応器内 物の温度を40℃に調整した後、n-ブチルリチ ム320mg(5.0mmol)を添加して重合を開始した。
重合温度が55℃(初期に仕込んだモノマーの転 化率が約35%)になった時点で、1,3-ブタジエン1 65gを20分間で追加添加した。最高温度は83℃ 達した。重合転化率99%に達した時点でブタ エン10gを追加し、さらに5分間重合させた後 4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン0.42mmol 加えて15分間反応を行った。反応後の重合 溶液に、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添 した後、伸展油を添加することなく、スチ ムストリッピングにより脱溶媒を行い、熱 ールによりゴムを乾燥し、非油展ゴムを得 。該重合体の数平均分子量(M n )は181,000、スチレン含有量は35質量%、ビニル 合含量は27%であった。

 (DEAB変性アニオン重合体2(ゴム成分9)の調製 法)
 容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを 乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタ ジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロ ヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.0質量% シクロヘキサン溶液が400g投入された状態と した。次に、tert-ブチルリチウム(1.57M)0.30mL、 2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン(0.2N)0.18 5mLを添加し、50℃の水浴中で1.5時間重合を行 た。その後、50℃にて4,4’-ジエチルアミノ ンゾフェノン(DEAB)を0.35mmol添加し、1時間反 させた。微量のNS-5を含むイソプロパノール 中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥すること でほぼ100%の収率で重合体を得た。該重合体 変性効率は55%、シス含量は35%、数平均分子 (M n )は178,000、スチレン含有量は0質量%であった 変性効率はゲル浸透クロマトグラフィーに るDEABの紫外線吸収度から算出した。

 (DEAB変性ハイシスポリブタジエンゴム3(ゴム 成分10)の調製方法)
 重合温度を80℃にした以外は、ゴム成分3と 様に調製した。得られた重合体のシス結合 量は84.2%、ビニル結合含量は1.2%であった。

 (変性ジエン系重合体1(ゴム成分11)の調製方 )
 窒素置換された5Lオートクレーブに、シク ヘキサン2.4kg、1,3-ブタジエン300gを仕込んだ 該オートクレーブに、触媒成分としてのバ サチック酸ネオジム(0.09mmol)のシクロヘキサ ン溶液、メチルアルモキサン(3.6mmol)のトルエ ン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(5. 5mmol)及びジエチルアルミニウムクロリド(0.18m mol)のトルエン溶液と、1,3-ブタジエン(4.5mmol) を40℃で30分間反応熟成させて、予備調製し た触媒組成物を仕込み、60℃で60分間重合を い、重合体溶液を得た。ここで、1,3-ブタジ ンの反応転化率は、ほぼ100%であった。
 この後、前記重合体溶液を60℃に保ち、ポ メチレンポリフェニルポリイソシアネート( 品名「PAPI*135」,ダウ・ケミカル日本社製)( ソシアネート基(NCO)換算で4.16mmol)のトルエン 溶液を添加し、15分間反応(一次変性反応)さ た。続いて、ヘキサメチレンジアミン(2.08mmo l)のトルエン溶液を添加し、15分間反応(二次 性反応)させた。その後、2,4-ジ-tert-ブチル-p -クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き り、重合停止させた後、スチームストリッ ングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥 て、ゴム成分11を得た。このようにして得 ゴム成分11について、上記の方法で各物性値 を測定したところ、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)] は35であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であり、シ ス含量は96.2%であり、ビニル結合含量は0.59% あった。

 (変性ジエン系重合体2(ゴム成分12)の調製方 )
 上記重合体11の調製方法と同様に重合を行 重合体溶液を得た後、更に該重合体溶液を60 ℃に保ち、1-トリメチルシリル-2-メチルクロ -1-アザ-2-シラシクロペンタン(2.08mmol)のトル エン溶液を添加し、15分間反応させた。その 、2,4-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール1.3gを含む タノール溶液に抜き取り、重合停止させた 、スチームストリッピングにより脱溶媒し 110℃のロールで乾燥して、ゴム成分12を得た 。このようにして得たゴム成分12について、 記の方法で測定したところ、ムーニー粘度[ ML1+4(100℃)]は35であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1 あり、シス含量は96.4%であり、ビニル結合 量は0.62%であった。

 (DEAB変性アニオン重合体3(ゴム成分13)の調製 方法)
 変性剤にN,N-ビストリメチルシリル-アミノ ロピルメチルジエトキシシランを用いたこ 以外はゴム成分6の調製方法と同様に調製し 。

 (変性ジエン系重合体3(ゴム成分14)の調製方 )
 窒素雰囲気下、撹拌機を具えたガラスフラ コ中のジクロロメタン400ml中にアミノシラ 部位として36gの3-アミノプロピルメチルジエ トキシシラン(Gelest社製)を加えた後、更に保 部位として塩化トリメチルシラン(Aldrich社 )48ml、トリエチルアミン53mlを溶液中に加え 17時間室温下で撹拌し、その後反応溶液をエ バポレーターにかけることにより溶媒を取り 除き反応混合物を得、更に得られた反応混合 物を5mm/Hgの条件下で減圧蒸留することにより 、130~135℃留分としてN,N-ビス(トリスメチルシ リル)アミノプロピルメチルジエトキシシラ 40gを得た。
 次に、窒素置換された5Lオートクレーブに シクロヘキサン2750g、テトラヒドロフラン41. 3g、スチレン125g、1,3-ブタジエン375gを仕込ん 。反応器内容物の温度を10℃に調整した後 n-ブチルリチウム215mgを添加して重合を開始 た。重合は断熱条件で実施し、最高温度は8 5℃に達した。
 重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエ 10gを追加し、更に5分重合させた。リアクタ ーからポリマー溶液を、メタノール1gを添加 たシクロヘキサン溶液30g中に少量サンプリ グした後、前記反応により得られたN,N-ビス (トリスメチルシリル)アミノプロピルメチル エトキシシラン1129mgを加えて変性反応を15 間行なった。この後、チタニウムエチルヘ シルジオレエート8.11gを加え、更に15分間撹 した。最後に、反応後の重合体溶液に、2,6- ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加した。次い で、スチームストリッピングにより脱溶媒を 行ない、110℃のロールによって乾燥し、ゴム 成分14を得た。

 比較例1~4、7及び8は、それぞれ無変性ハ シスポリブタジエンゴム(比較例1)、無変性 ーシスポリブタジエンゴム(比較例2)、DEAB変 ハイシスポリブタジエンゴム1(比較例3)、DEA B変性アニオン重合体1(比較例4)、2,4-ジニトロ ベンゼンスルフォニルクロライド変性ハイシ スポリブタジエンゴム(比較例7)及び両末端変 性アニオン重合体(比較例8)のみと天然ゴムを ゴム組成物に配合して製造した。比較例1の3% tanδ及び耐摩耗性を100として指数化した値は 比較例2ではいずれの値も悪化する。比較例 3及び7ではいずれの値も改善されるがその幅 小さい。比較例4及び8は、3%tanδの値は改善 れるが耐摩耗性の値は悪化する。無変性ハ シスポリブタジエンゴム及びDEAB変性アニオ ン重合体1を組み合わせて配合した比較例5は 3%tanδの値は多少改善されるが耐摩耗性の値 は低下する。また、DEAB変性ハイシスポリブ ジエンゴム1及びDEAB変性アニオン重合体1を 発明の規定の範囲外で組み合わせて配合し 比較例6は3%tanδの値は改善されるが耐摩耗性 の値は低下する。更に、DEAB変性ハイシスポ ブタジエンゴム1及び高スチレンSBRアニオン 合体を組み合わせた比較例9は3%tanδの値は 善されるものの、耐摩耗性の値は改善され い。式(I)の左辺の値は11以下であったものの tanδピークの形状は二山であり、このことはD EAB変性ハイシスポリブタジエンゴム1が高ス レンSBRアニオン重合体と相溶性でないこと 示す。また、DEAB変性ハイシスポリブタジエ ゴム1及びDEAB変性アニオン重合体2を組み合 せた比較例10は、式(I)の左辺の値が11を超え ているので3%tanδの値の改善幅が実施例に較 て小さい。

 DEAB変性ハイシスポリブタジエンゴム1及 DEAB変性アニオン重合体1を組み合わせてゴム 組成物に配合した実施例1~3は、3%tanδ及び耐 耗性の値がいずれも大きく改善される。な 、DEAB変性アニオン重合体1の配合量が多くな りすぎると、3%tanδの値は大きく改善される 方、耐摩耗性の値が改善しない(実施例3)た 、(A)/(B)は30/70~90/10の範囲が好ましいことが かる。また、DEAB変性ハイシスポリブタジエ ゴム2及びDEAB変性アニオン重合体1を組み合 せて配合した実施例4でも3%tanδ及び耐摩耗 の値がいずれも改善される。更に、2,4-ジニ ロベンゼンスルフォニルクロライド変性ハ シスポリブタジエンゴム及びDEAB変性アニオ ン重合体1を組み合わせてゴム組成物に配合 た実施例5、DEAB変性ハイシスポリブタジエン ゴム1及び両末端変性アニオン重合体を組み わせてゴム組成物に配合した実施例6、変性 エン系重合体及び両末端変性アニオン重合 を組み合わせてゴム組成物に配合した実施 7及び8、DEAB変性ハイシスポリブタジエンゴ 及びDEAB変性アニオン重合体を組み合わせて ゴム組成物に配合した実施例9、並びにDEAB変 ハイシスポリブタジエンゴム及び変性ジエ 系重合体を組み合わせてゴム組成物に配合 た実施例10も3%tanδ及び耐摩耗性の値がいず も大きく改善される。なお、各実施例のtan ピークの形状はいずれも一山であり、式(I) 左辺の値はいずれも11以下である。