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Title:
RUNFLAT TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063794
Kind Code:
A1
Abstract:
A runflat tire having a reduced weight and increased uniformity. The runflat tire (1) has a toroidal carcass (6) extending from a tread (2) through side walls (3) to bead cores of beads (4), and also has side reinforcement rubber portions (9) provided on the inward sides of the carcass (6) and extending radially inward and outward of the tire along the side walls (3). On the outer surface of the tread (2) is provided a pitch pattern where pattern elements are arranged in the circumferential direction of the tire. The inner surface of each side reinforcement rubber portion (9), which inner surface faces the tire cavity, has depressions (11) arranged at intervals in the circumferential direction. The total number n of the depressions in each side reinforcement rubber portion (9) is 0.70 to 1.30 times the total number of the pattern elements.

Inventors:
MATSUI HIROSHI (JP)
AOKI CHIEKO (JP)
ISHIDA TAKAAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070218
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MATSUI HIROSHI (JP)
AOKI CHIEKO (JP)
ISHIDA TAKAAKI (JP)
International Classes:
B60C17/00; B60C5/00; B60C5/14; B60C11/00; B60C11/03
Foreign References:
JP2005067315A2005-03-17
JP2004268714A2004-09-30
JP2008137617A2008-06-19
JP2005067315A2005-03-17
JP2001130226A2001-05-15
Other References:
See also references of EP 2223813A4
Attorney, Agent or Firm:
NAEMURA, Tadashi et al. (Nishinakajima 4-chomeYodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 11, JP)
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Claims:
 トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、該カーカスの内側に配されかつサイドウォール部に沿ってタイヤ半径方向内外にのびる一対のサイド補強ゴムとを具えたランフラットタイヤであって、
 前記トレッド部の外面には、繰り返し模様の最小単位であるパターン要素がタイヤ周方向に配列されたピッチパターンが形成される一方、
 前記各サイド補強ゴムは、そのタイヤ内腔側を向く内面側に、凹部がタイヤ周方向に隔設されるとともに、
 各サイド補強ゴムに設けられた凹部の総数nが、前記パターン要素の総数の0.70~1.30倍であることを特徴とするランフラットタイヤ。
 前記凹部は、実質的に同一形状であり、かつ、タイヤ半径方向の同一位置に一定のタイヤ周方向ピッチで隔設されている請求項1記載のランフラットタイヤ。
 前記ピッチパターンから各パターン要素を単位パルスとしかつ1つのパターン要素を起点として前記配列の順にしかも各パターン要素のタイヤ周方向長さであるピッチを周方向に隔てたパルス列に置換するとともに、このパルス列をフーリエ級数に展開することにより求まるピッチパターンの1次成分と、
 前記凹部の配列から各凹部を単位パルスとしかつ前記起点のパターン要素に対応する1つの凹部を起点として前記配列の順にしかも各凹部のタイヤ周方向長さを周方向に隔てたパルス列に置換するとともに、このパルス列をフーリエ級数に展開することにより求まる凹部配列の1次成分との位相差δがπ/2(rad )以下である請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
 前記凹部は、少なくとも3種類のタイヤ周方向長さであるピッチを含み、かつ該ピッチがランダムに配列されている請求項1又は3記載のランフラットタイヤ。
 前記凹部は、少なくとも3種類のタイヤ周方向長さであるピッチを含み、かつ該ピッチがカオスを用いた関数に従って配列されている請求項1又は3記載のランフラットタイヤ。
 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)はタイヤ軸方向外側に向かって徐々に減少するとともに、次の関係を満足する請求項1乃至5のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
     0.05< Y60 /H ≦0.1
      0.1< Y75 /H ≦0.2
      0.2< Y90 /H ≦0.4
      0.4< Y100 /H ≦0.7
 (ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
Description:
ランフラットタイヤ

 本発明は、軽量化できかつユニフォミテ を向上しうるランフラットタイヤに関する

 従来、パンク等によってタイヤの空気が けた場合でも、比較的高速度で一定の距離 継続走行(以下、このような走行を「ランフ ラット走行」と言う。)しうるランフラット イヤが知られている。この種のランフラッ タイヤは、サイドウォール部の曲げ剛性を めるために、断面略三日月状をなすサイド 強ゴムが設けられる。そして、タイヤの空 が抜けた場合、このサイド補強ゴムによっ タイヤの縦撓みが抑制され、継続した走行 維持される。

 ところが、この種のランフラットタイヤ 、タイヤ質量が増加しやすく、ひいては燃 性能の悪化や、内圧が適切に充填された通 走行時における乗り心地の悪化といった問 を招きやすい。

 前記問題点を解決するために、本件出願 は、前記サイド補強ゴムの内面に、タイヤ 径方向内外にのびかつタイヤ周方向に隔設 れた溝状の凹部が設けられたランフラット イヤを提案している(下記特許文献1参照)。 のようなランフラットタイヤは、サイド補 ゴムのボリュームを低減することにより、 イヤを軽量化しうる。

特開2005-67315号公報

 発明者らは、サイド補強ゴムの内面に凹 が設けられたランフラットタイヤについて さらに鋭意研究を重ねたところ、各サイド 強ゴムの凹部の総数nをトレッド部の外面に 設けられたパターン要素の総数に関連づけて 規制することにより、軽量化を図りつつユニ フォミティを向上し得ることを知見した。

 以上のように、本発明は、ランフラット 久性を損ねることなく軽量化及びユニフォ ティを向上させ得るランフラットタイヤを 供することを主たる目的としている。

 本発明は、トレッド部からサイドウォー 部を経てビード部のビードコアに至るトロ ド状のカーカスと、該カーカスの内側に配 れかつサイドウォール部に沿ってタイヤ半 方向内外にのびる一対のサイド補強ゴムと 具えたランフラットタイヤであって、前記 レッド部の外面には、繰り返し模様の最小 位であるパターン要素がタイヤ周方向に配 されたピッチパターンが形成される一方、 記各サイド補強ゴムは、そのタイヤ内腔側 向く内面側に、凹部がタイヤ周方向に隔設 れるとともに、各サイド補強ゴムに設けら た凹部の総数nが、前記パターン要素の総数 の0.70~1.30倍であることを特徴とする。

 本発明のランフラットタイヤは、サイド 強ゴムの内面側に凹部がタイヤ周方向に隔 される。これらの凹部によってサイド補強 ムのボリュームが低減され、従来に比して イド補強ゴムが軽量化される。また、各サ ド補強ゴムに設けられた凹部の総数は、ト ッド部の外面に設けられたパターン要素の 数の0.70~1.30倍に設定される。これにより、 イド補強ゴムの剛性の著しい低下を防止し つタイヤのユニフォミティを向上させ得る

本発明の実施形態を示すランフラット イヤの断面図である。 図1とは異なるタイヤ周方向位置での断 面図である。 そのサイドウォール部の部分拡大図で る。 タイヤ内腔から見たサイドウォール部 部分斜視図である。 トレッド部の外面の展開図である。 (a)、(b)はトレッド部のピッチパターン 例を説明する模式図である。 本実施形態のサイド補強ゴムの側面図 ある。 (a)、(b)はピッチパターン及び凹部配列 周期関数を示すグラフである。 ピッチパターン及び凹部の各配列の一 成分を示すグラフである。 本実施形態のタイヤの製造方法の一例 を示す断面図である。 ブラダーの一例を示す斜視図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図 である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲 を示す線図である。 (a)~(c)は、パターン要素の配列例を示 。 (a)~(e)は、凹部の配列例を示す。 (a)~(d)は、凹部の配列例を示す。

符号の説明

1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 サイド補強ゴム
9B サイド補強ゴムの基部
9Bi サイド補強ゴムの内面
11 凹部

 以下、本発明の実施の一形態が図面に基づ 説明される。
 図1は本実施形態のランフラットタイヤ1の 規無負荷状態における断面図、図2は図1とは 異なるタイヤ周方向位置での断面図、図3は 1の部分拡大図、図4は前記タイヤ1を内腔側 ら見た部分斜視図である。特に言及が無い 合、タイヤの各部寸法等は、前記正規無負 状態での値である。

 ここで、前記「正規無負荷状態」とは、 ンフラットタイヤ1が、正規リムJにリム組 されかつ正規内圧が充填された無負荷の状 とする。

 また、前記「正規リム」とは、タイヤが づいている規格体系において、当該規格が イヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAで れば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETR TOであれば "Measuring Rim"とする。

 さらに、前記「正規内圧」とは、タイヤ 基づいている規格体系において、各規格が イヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAで れば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD  LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載 最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" と るが、タイヤが乗用車用である場合には180k Paとする。

 前記ランフラットタイヤ1は、トレッド部 2からサイドウォール部3を経てビード部4のビ ードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6 のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内 に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5 の外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状で のびるビードエーペックス8と、前記カーカ 6の内側に配されたガスバリア性を有するゴ からなるインナーライナーゴム10と、この ンナーライナーゴム10の内側かつサイドウォ ール部3の少なくとも一部に配されたサイド 強ゴム9とを含む。

 図5には、前記トレッド部2の外面の展開 が示される。トレッド部2の外面には、タイ 周方向に連続してのびる縦主溝G1、G2と、こ れらと交わる向きにのびる複数本の横溝g1、g 2とが設けられることにより、模様(トレッド ターン)が形成される。また、前記模様は、 横溝g1、g2がタイヤ周方向にほぼ周期的に繰 返し形成されることにより、パターン要素e タイヤ周方向に並べられたピッチパターン して形成される。

 ここで、パターン要素eは、トレッド部2 外面の繰り返し模様を形成する最小単位で る。また、パターン要素eは、そのタイヤ周 向長さであるピッチPtを有する。該ピッチPt は一定でも良いが、好ましくは長さが異なる 2種類以上、より好ましくは3種類以上、さら 好ましくは5種類以上を含むのが望ましい。 そして、ピッチPtが異なるパターン要素e1、e2 、e3…をタイヤ周方向に例えば分散させて配 することによって、いわゆるピッチノイズ ホワイトノイズ化するピッチバリエーショ が採用されることが望ましい。

 本実施形態のパターン要素eは、横溝g1の イヤ軸方向の端を通るタイヤ軸方向線によ て区分されており、一方のトレッド端から 方のトレッド端までを一つのパターン要素e とする。つまり、本実施形態のピッチパター ンは、図6(a)に模式的に示されるように、タ ヤ赤道Cの両側には、それぞれ同一のピッチ 有するパターン要素e1、e2、e3…がタイヤ周 向の位相を揃えて配置された対称ピッチ配 で構成されている。

 前記カーカス6は、タイヤ赤道Cに対して えば70~90°の角度で配列されたカーカスコー を有する少なくとも1枚、本実施形態では1 のカーカスプライ6Aで形成される。前記カー カスコードとしては、ナイロン、ポリエステ ル、レーヨン又は芳香族ポリアミドのような 有機繊維コードが好ましい。また、カーカス プライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨って びるトロイド状の本体部6aと、その両側に設 けられかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ 方向内側から外側に折り返された一対の折 し部6bと含む。

 前記カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し 部6bとの間には、前記ビードエーペックスゴ 8が配される。該ビードエーペックスゴム8 、例えばゴム硬度が65~95度以上、より好まし くは70~90度の比較的硬質のゴムからなること より、ビード部4の曲げ剛性を高め、ひいて は操縦安定性を向上させる。

 本実施形態において、カーカスプライ6A 折返し部6bは、ビードエーペックスゴム8の 端8tをタイヤ半径方向外側に超えてのびてお り、その外端部6beは、本体部6aとベルト層7と の間で挟まれている。これにより、サイドウ ォール部3が1枚のカーカスプライ6Aによって 果的に補強される。

 前記ベルト層7は、タイヤ赤道Cに対して えば10~35゜の角度で配列されたベルトコード (本実施形態ではスチールコード)を有する2枚 のベルトプライ7A、7Bで構成される。

 前記インナーライナーゴム10は、タイヤ 腔iの空気を保持するために、前記カーカス6 の内側に沿ってかつほぼビード部4、4間を跨 ようにトロイド状に配されている。また、 インナーライナーゴム10は、ブチルゴム、 ロゲン化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチル ムなどのようなガスバリア性を有するゴム 成物で形成される。

 図2に示されるように、本実施形態のサイ ド補強ゴム9は、インナーライナーゴム10の内 側に配され、その中央部からタイヤ半径方向 の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さ 徐々に減じられかつサイドウォール部3に沿 て滑らかに湾曲してのびる基部9Bを含む。 た、サイド補強ゴム9は、タイヤ周方向に環 で連続して設けられる。

 図1に示されるように、サイド補強ゴム9 内端9iは、ビードエーペックス8の外端8tより もタイヤ半径方向内側かつビードコア5の外 よりもタイヤ半径方向外側に設けられるの 望ましい。これにより、サイドウォール部3 びビード部4の曲げ剛性がバランス良く向上 される。また、サイド補強ゴム9の外端9oは、 例えばトレッド部2の内側にまでのびており 本実施形態において、ベルト層7の外端7eよ もタイヤ軸方向内側の位置に設けられる。 れにより、バットレス部等の剛性が効果的 高められる。

 サイド補強ゴム9の内端9i及び外端9o間の イヤ半径方向の長さL(即ち、サイド補強ゴム 9のタイヤ半径方向長さ)は、特に限定はされ いが、小さすぎるとサイドウォール部3を補 強する効果が得られ難く、逆に大きすぎても 通常走行時での乗り心地やリム組み性を悪化 させる傾向がある。このような観点より、前 記長さLは、好ましくはタイヤ断面高さHの35~7 0%、より好ましくは40~65%程度が望ましい。な タイヤ断面高さHは、ビードベースラインBL らタイヤ半径方向で最も外側の位置までの 離である。

 また、サイド補強ゴム9の厚さは、負荷さ れる荷重やタイヤサイズに応じて適宜定める ことができるが、その最大厚さtc(図2に示す) 小さすぎると、サイドウォール部3を補強す る効果が得られ難い。このような観点より、 前記最大厚さtcは、好ましくは5mm以上、より ましくは8mm以上が望ましい。他方、前記最 厚さtcが大きすぎると、タイヤ質量の増加 び過度の発熱を招くおそれがあるので、該 さtcは、好ましくは20mm以下、より好ましく 15mm以下が望ましい。

 ランフラット走行時におけるタイヤの縦 みを抑えるために、サイド補強ゴム9の硬さ は、好ましくは65度以上、より好ましくは70 以上、さらに好ましくは74度以上が望ましい 。他方、サイド補強ゴム9の硬さが大きすぎ と、タイヤの縦バネが著しく大きくなり、 常走行時の乗り心地を著しく悪化させる傾 があるので、好ましくは99度以下、より好ま しくは90度以下が望ましい。

 なお、本明細書において、ゴムの硬さは JIS-K6253に基づくデュロメータータイプAによ る硬さとする。

 また、各サイド補強ゴム9は、図3及び図4 示されるように、前記基部9Bのタイヤ内腔 を向く内面に、該内面を凹ませた複数個の 部11がタイヤ周方向に隔設されている。この ようなランフラットタイヤ1は、凹部11によっ てサイド補強ゴム9のボリュームが減じられ 従来に比して軽量なサイド補強ゴム9を提供 うる。これにより、車両の燃費性能を向上 せかつ通常走行時の乗り心地を高め得る。 た、凹部11は、周方向に連続することなく 距離を隔てて設けられているため、サイド 強ゴム9の著しい剛性低下を防止できる。従 て、ランフラット性能の悪化を防止できる

 本実施形態の凹部11は、図4及び図7に示さ れるように、タイヤ半径方向と実質的に平行 にのびる溝状をなし、いずれも同じ形状、即 ち同一の開口形状、深さ及び容積を持ってい る。また、凹部11は、タイヤ最大幅位置Mを横 切るようにのびており、かつ、タイヤ半径方 向の同一位置に一定のタイヤ周方向ピッチPg 隔設されている。なお、タイヤ最大幅位置M は、サイドウォール部3に設けられた文字、 様及びリムプロテクタなどを除外したタイ 断面輪郭形状から定められ、具体的にはカ カス6の最大幅をなす点mと実質的に同じ高さ にある。

 また、凹部11は、本実施形態のような矩 状に限定されるものではなく、例えば円形 楕円形、三角形状、菱形など種々の形状で 成されても良い。但し、凹部11は、好ましく は本実施形態のように、タイヤ半径方向の長 さLgがタイヤ周方向の長さWgよりも大きい縦 状が望ましい。これにより、トレッド部2が 面に接地した際、凹部11が開口幅を拡大す ように変形し、好適な衝撃緩和能力を発揮 得る。

 なお、凹部11は、タイヤ半径方向と平行 のびているものに限定されず、タイヤ半径 向に対して傾いてのびても良い。この場合 サイド補強ゴム9のタイヤ半径方向剛性の著 い低下を防止するために、凹部11のタイヤ 径方向に対する角度は、好ましくは30度以下 、より好ましくは15度以下、さらに好ましく 5度以下が望ましい。

 発明者らは、トレッド部2の前記パターン 要素eの総数Nと、各サイド補強ゴム9の凹部11 総数nとを異ならせて種々実験を行ったとこ ろ、両者の比(n/N)を一定範囲に限定すること より、タイヤのユニフォミティや振動性能 良好に維持しうることを見出した。即ち、 発明のランフラットタイヤ1では、各サイド 補強ゴム9に設けられた凹部11の総数nをパタ ン要素eの総数Nの0.70~1.30倍に設定することを 特徴事項の一つとしている。

 タイヤは、そのトレッド部2のパターン要 素eの総数Nに応じた振動特性を持つ。しかし パターン要素eの総数Nに一定の範囲で関連 けられた数nの凹部11をサイド補強ゴム9に設 ることによって、パターン要素eによるタイ ヤ周方向の剛性分布と、凹部11によるサイド 強ゴム9のタイヤ周方向の剛性分布とを相互 に打ち消し合わせ、タイヤ全体の剛性分布を 均一化させる。これによって、タイヤのユニ フォミティや振動特性が大幅に改善される。

 とりわけ、各サイド補強ゴム9に設けられ た凹部11の総数nは、より好ましくはパターン 要素eの総数Nの0.80倍以上、さらに好ましくは 0.85倍以上が望ましく、また上限に関しては より好ましくは1.20倍以下、さらに好ましく 1.15倍以下が望ましい。

 本実施形態において、凹部11は、一定の イヤ周方向ピッチPgでサイド補強ゴム9に設 られる。また、この実施形態では、左右の イド補強ゴム層9に設けられた各凹部11は、 イヤ赤道Cに関して左右対称の位置に設けら ている。つまり、本実施形態のトレッド部2 のピッチパターンと同様、左右のサイド補強 ゴム層9において、それぞれの凹部11は、タイ ヤ周方向の位相を揃えて設けられる。

 また、トレッド部2の外面のパターン要素e 、上で述べたようにバリアブルピッチが採 される。バリアブルピッチにおいて、最も ッチ長さが接近した2つのパターン要素のピ チ変化率(下式により計算される)は、好ま くは70%以下、より好ましくは50%以下、より ましくは25%以下であるのが望ましい。前記 ッチ変化率が大きすぎると、トレッド部2の イヤ周方向の剛性分布が大きく変化し、サ ド補強ゴム9に凹部11を設けただけではこれ 吸収できなくなる。
 ピッチ変化率(%)=100×(Pt1-Pt2)/Pt2
 ここで、”Pt1”は大きい方のパターン要素 ピッチ長さ、”Pt2”は小さい方のパターン 素のピッチ長さである。

 図8(a)には、前記ピッチパターンから各パ ターン要素eを単位パルスp1としかつ任意の1 のパターン要素eを起点として前記配列の順 しかも各パターン要素eのピッチPtを周方向 隔てたパルス列に置換した周期関数が示さ る。

 同様に、図8(b)には、凹部11の配列から各 部11を単位パルスp2としかつ上記パターン要 素eの起点に対応する位置(該起点に最も近い 置)の1つの凹部11を起点として前記配列の順 にしかも各凹部11のタイヤ周方向長さPgを周 向に隔てたパルス列に置換した周期関数が される。さらに、図9には、前記各周期関数 フーリエ級数に展開(FFT)することにより求 るピッチパターン及び凹部配列の1次成分(基 本波成分)がそれぞれ1周期分で示されている

 本実施形態のランフラットタイヤ1では、 前記ピッチパターンの1次成分と、前記凹部 列の1次成分との位相差δがπ/2(rad )以下に設 定される。前記ピッチパターンの1次成分の ークは、トレッド部2のピッチパターンにお て剛性の大きい部分に対応する。一方、凹 配列の1次成分のピークは、サイド補強ゴム 9の剛性の小さい部分に対応する。このため 前記各々の一次成分の位相差δをπ/2(rad )以 、さらに好ましくはπ/4(rad ) 以下、より好 ましくは実質的に位相を一致させたときには 、剛性の強弱が互いに打ち消し合うことによ り、タイヤの剛性がタイヤ周方向でより均一 化され、ひいてはユニフォミティをさらに向 上させ得る。

 ここで、凹部11のタイヤ周方向の長さWg、 タイヤ半径方向の長さLg及び深さd1等の寸法 どは、タイヤサイズ等に基づいて適宜定め ことができる。しかしながら、前記長さWg、 Lg又は深さd1が小さすぎると、軽量化や乗り 地の向上効果が十分に期待できないおそれ あるし、逆に前記長さWg、Lg又は深さd1が大 すぎると、ランフラット走行時に十分な荷 支持能力を発揮し得ず、ひいてはランフラ ト耐久性が低下するおそれがある。

 以上のような観点より、凹部11のタイヤ 方向の長さWgは、好ましくは5mm以上、より好 ましくは8mm以上が望ましく、また上限に関し ては、好ましくは15mm以下、より好ましくは13 mm以下が望ましい。同様に、凹部11のタイヤ 径方向の長さLgは、好ましくはサイド補強ゴ ム9の前記長さLの20%以上、より好ましくは30% 上が望ましく、また、上限に関しては、好 しくは95%以下、より好ましくは90%以下、さ に好ましくは80%以下が望ましい。

 さらに、図3に示されるように、凹部11の さd1は、好ましくはサイド補強ゴムの厚さt 20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好 しくは40%以上が望ましく、また上限に関し は、好ましくは80%以下、より好ましくは70% 下、さらに好ましくは60%以下が望ましい。 お、本実施形態の凹部11は、長さ方向の中 部からタイヤ半径方向の内端11i及び外端11o 向かって、深さd1が漸減するものが示される 。

 また、凹部11の容積は、好ましくは0.5cm 以上、より好ましくは0.8cm 3 以上が望ましく、また上限に関しては、好ま しくは3.0cm 3  以下、より好ましくは2.5cm 3  以下が望ましい。

 前記実施形態では、凹部11がタイヤ周方 に一定のピッチで設けられているが、これ 変化させることができる。例えば、周期的 配列された凹部11は、タイヤの固有振動数と の共振など、特定周波数の振動やノイズを発 生させるおそれがあるので、凹部11を複数種 、より好ましくは3種類のタイヤ周方向長さ のピッチを用いてタイヤ周方向に配列するこ とにより、凹部11の周期性を乱し、それによ ピッチノイズをホワイトノイズ化させるこ も好ましく実施しうる。

 凹部11を配列する方法としては、例えば ンピュータや乱数発生器によって生成され 乱数列ないし擬似乱数列に基づいて、複数 類のピッチをランダムに配列すれば良い。 た、不規則性を関数として表現しうるカオ 関数又はこれを利用したカオス的関数(例え 特開2001-130226号公報に記載される)に従って られた数列に基づき、凹部11のピッチを不 則的に配列することもできる。

 以上のようなランフラットタイヤ1は、例 えば通常に加硫成形成形された後、サイド補 強ゴム9の基部9Bの内面に、凹部11を切削加工 ることによって容易に製造することができ 。しかしながら、生産性を向上させるため 、タイヤの加硫成形と同時に前記凹部11を 成することが特に望ましい。

 例えば、図10及び図11に示されるように、 金型MDの内部に配されかつタイヤの内面を成 するゴム風船状のブラダーBのサイド補強ゴ ム9と接触する位置に予め凹部11を成形するた めの凸状部Btを設け、これによってサイド補 ゴム9の内面を凹ませて前記凹部11を加硫成 することができる。この際、金型MD側のパ ーンとブラダーとの相対位置をコントロー することにより、前述の位相差δを設けるこ とが可能になる。ただし、本実施形態のラン フラットタイヤ1は、上記以外の種々の方法 よって製造されても良いのは言うまでもな 。

 また、本実施形態のランフラットタイヤ1は 、図12(正規無負荷状態)に示されるようなタ ヤ外面のプロファイル(輪郭線)TLを有する。 プロファイルTLはトレッド部2の溝を埋めた 態で特定される。前記正規無負荷状態にお て、該プロファイルTLは、タイヤ外面とタ ヤ赤道Cとの交点CPからタイヤ最大幅SWの45%の 距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとすると き、前記交点CPから前記点Pまでの区間におい てタイヤ外面の曲率半径RCをタイヤ軸方向外 に向かって徐々に減少させるとともに、次 関係を満足する。
     0.05< Y60 /H ≦0.1
      0.1< Y75 /H ≦0.2
      0.2< Y90 /H ≦0.4
      0.4< Y100 /H ≦0.7
 ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、タイヤ赤 Cからタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW /2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離 それぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75 P90及びP100 と、前記交点CPとのタイヤ半径方 向の各距離である。また、前記”H”はタイ 断面高さである。

 また、RY60=Y60/H
    RY75=Y75/H
    RY90=Y90/H
    RY100 =Y100 /H
 とすると、上記関係を満足する範囲は図13 グラフとして示される。これらから明らか ように、前記関係を満足するタイヤ外面の ロファイルTLは非常に丸くなる。このため、 本プロファイルTLを有するタイヤの接地形状 、接地幅が小さく、また接地長さが大きく る。これは、走行中のタイヤノイズを減ら 、かつ、ハイドロプレーニング性能を向上 るのに役立つ。

 また、本プロファイルTLは、トレッド部2 おいて撓みやすい領域を増大させる反面、 イドウォール部3の領域を短くする。このた め、該プロファイルを具えたランフラットタ イヤ1は、前記サイド補強ゴム9の軽量化との 乗作用により、タイヤを大幅に軽量化しう 。なお、前記曲率半径RCは、好ましくは本 施形態のように連続的に減少するものが望 しいが、段階的に減少させることもできる さらに、該プロファイルTLは、タイヤの縦バ ネを減少させるので、通常走行時の乗り心地 に優れる。

 以上本発明の具体的な実施形態について 明したが、本発明は、その要旨を逸脱しな 範囲において種々の変更が可能である。例 ば、図6(b)に示されるように、トレッド部2 ピッチパターンには、タイヤ赤道Cの両側に 置されたピッチe1、e2、e3…がタイヤ周方向 位相をずらせて配置された非対称ピッチ配 を採用することもできる。この場合、左右 各サイド補強ゴム層9に設けられる凹部11は 左右非対称(タイヤ周方向の位相をずらせて )設けられても良い。また、この場合、トレ ド部2には、2つのピッチパターンが並列配置 されているとみなすことができるので、上述 の位相差δは、タイヤ赤道Cの各側において計 算され、かつ、好ましくは一方側、より好ま しくは両側で上述の範囲に設定されるのが望 ましい。なお、本発明は、乗用車用のものと して特に好適であるが、図示の実施形態に限 定されることなく、種々の態様に変形して実 施できるのは言うまでもない。

 本発明の効果を確認するために、表1の仕 様に基づきタイヤサイズ「245/40ZR18」のラン ラットタイヤが複数種類試作され、それら 性能がテストされた。サイド補強ゴムのタ ヤ半径方向の長さLは50mmとし、基部での最大 厚さは10mmに統一された。また、トレッドパ ーンの外観形状は図5に示した通りである。

 またサイド補強ゴムに設けられた凹部は、 7に示したように矩形状の同一形状とし、こ れをサイド補強ゴムの半径方向長さの中間位 置に設けた。仕様は次の通りである。なお、 左右のサイド補強ゴム層の凹部は、タイヤ赤 道に関して左右対称の位置に設けられている 。
 凹部のタイヤ周方向の長さWg:10mm
 凹部タイヤ半径方向の長さLg:45mm
 凹部の深さd1:7mm
 凹部の容積:1.6cm 3

 また、実施例7~17では、凹部のタイヤ周方向 ピッチをA~Eの5種類のバリアブルピッチとし 図15及び図16のランダムな並びが採用された なお、実施例9~17の凹部の配列はカオス関数 を用いて計算した。また、トレッド部のパタ ーン要素もA~Eの5種類のバリアブルピッチと 、図14の配列が採用された。
 ピッチAないしEのピッチ比は次の通りであ 。
 A:B:C:D:E=0.750:0.875:1.0:1.125:1.25

 また、テストタイヤには、以下の仕様を持 ている2種類のタイヤ外面プロファイルPA、P Bが採用された。
プロファイルPA:
    RY60=0.06
    RY75=0.08
    RY90=0.19
    RY100=0.57
プロファイルPB:
    RY60=0.09
    RY75=0.14
    RY90=0.37
    RY100=0.57
 テストの方法は、次の通りである。

<ノイズ性能>
 各テストタイヤを18×8.5Jのリム及び230kPaの 圧で排気量4000ccのFR車の全輪に装着し、アス ファルト路面のテストコース内をドライバー 1名乗車で走行させるとともに、ドライバー 官能によりピッチノイズの大きさが評価さ た。結果は比較例1を100とする評点で示す。 値が大きいほど良好であることを示す。

<ユニフォミティ>
 タイヤユニフォミティ試験器を用いてタイ 回転軸に現れる上下方向の荷重変動力であ ラジアルフォースバリエイション(RFV)が測 された。測定条件は、リム18×8.5J、タイヤ回 転数60rpm、内圧200kPa及び縦荷重4.88kNとした。 果は比較例1を100とする指数で表示された。 数値が大きいほどユニフォミティが良好であ ることを示す。

<ランフラット耐久性>
 各供試タイヤを上記リムにリム組み後、内 230kPaを充填し、温度38℃で34時間放置した後 、リムのバルブコアを抜き取ってタイヤ内腔 と大気とを連通させた。そして、この状態で 、半径1.7mのドラムを有するドラム試験機上 速度80km/hかつ縦荷重5.0kNで走行させ、タイヤ が破壊するまでの走行時間が測定された。結 果は、比較例1を100とする指数で表示した。 値が大きいほど良好である。

<乗り心地(縦バネ指数)>
 供試タイヤを上記リムに装着し内圧200kPaを 填するとともに縦荷重0~4kN縦撓み量の傾き 測定された。そして、比較例1の傾きを100と る指数で表示した。数値が大きいほど、縦 ネ定数が小さく乗り心地に優れることを示 。
 テストの結果などを表1に示す。

 テストの結果、実施例のタイヤは、ラン ラット耐久性を損ねることなく軽量化され おり、また乗り心地の向上も期待できるこ が確認できた。