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Title:
SEMICONDUCTOR LIGHT EMITTING ELEMENT AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084670
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a semiconductor light emitting element having high reliability and excellent light distribution characteristics. Specifically, a semiconductor light emitting element (1) is provided with an n-side electrode (50), which is arranged on a light extraction surface on the side opposite to the surface whereupon a semiconductor multilayer body (40) is mounted on a substrate (10).A plurality of protruding sections are arranged on a first protruding region (80) and a second protruding region (90) on the light extraction surface. The second protruding region (90) adjoins to the interface between the n-side electrode (50) and the semiconductor multilayer body (40), between the first protruding region (80) and the n-side electrode (50). The base end of the first protruding section arranged in the first protruding region (80) is positioned closer to a light emitting layer (42) than the interface between the n-side electrode (50) and the semiconductor multilayer body (40), and the base end of the second protruding section arranged in the second protruding region (90) is positioned closer to the interface between the n-side electrode (50) and the semiconductor multilayer body (40) than the base end of the first protruding section.

Inventors:
WAKAI YOHEI (JP)
MATSUMURA HIROAKI (JP)
OKA KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073821
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NICHIA CORP (JP)
WAKAI YOHEI (JP)
MATSUMURA HIROAKI (JP)
OKA KENJI (JP)
International Classes:
H01L33/20; H01L33/22; H01L33/36; H01L33/44
Foreign References:
JPH10200162A1998-07-31
JP2004119839A2004-04-15
JP2004356279A2004-12-16
JPH1154769A1999-02-26
JP2008066554A2008-03-21
JP2000196152A2000-07-14
JP2005005679A2005-01-06
JP2003069075A2003-03-07
JP2005244201A2005-09-08
JP2006147787A2006-06-08
JP2007088277A2007-04-05
JP2007067209A2007-03-15
Other References:
See also references of EP 2234182A4
Attorney, Agent or Firm:
ISONO, Michizo (Sabo Kaikan Annex7-4, Hirakawa-cho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 93, JP)
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Claims:
 n型半導体層とp型半導体層との間に発光層を有する半導体積層体と、この半導体積層体が実装される基板と、前記半導体積層体が前記基板に実装される面とは反対側の光取り出し面の上に設けられた電極とを有し、前記光取り出し面に複数の凸部を備える半導体発光素子において、
 前記複数の凸部は、第1凸領域と、第2凸領域とに設けられており、
 前記第2凸領域は、前記第1凸領域と前記電極との間において前記電極と前記半導体積層体との界面と隣接した領域であり、
 前記第1凸領域に設けられた第1凸部の基端は、前記界面よりも前記発光層側に位置し、
 前記第2凸領域に設けられた第2凸部の基端は、前記第1凸部の基端よりも前記界面側に位置することを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項に記載の半導体発光素子において、
 前記第1凸部の基端から先端までの高さは、前記第2凸部の基端から先端までの高さよりも大きいことを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載の半導体発光素子において、
 前記第1凸部および前記第2凸部は、先端が先細りした形状であることを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項ないし請求の範囲第3項のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
 少なくとも前記第2凸領域は前記電極を囲んで設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第4項に記載の半導体発光素子において、
 前記第1凸領域は前記第2凸領域および前記電極を囲んで設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項ないし請求の範囲第5項のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
 前記光取り出し面には、前記電極が離間して設けられ、前記離間して設けられた電極に挟まれる領域に、前記第1凸領域および前記第2凸領域を有することを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項ないし請求の範囲第6項のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
 前記第1凸部および前記第2凸部は、先端が非平坦な形状に形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項ないし請求の範囲第7項のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
 前記第1凸部および前記第2凸部は、基端が隣り合う凸部の基端と隣接するように設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項ないし請求の範囲第8項のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
 前記第1凸領域において、前記第1凸部を、前記電極から離れるほど基端が前記発光層に近づくように形成したことを特徴とする半導体発光素子。
 請求の範囲第1項ないし請求の範囲第9項のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、
 前記電極と前記半導体積層体との界面に、第3凸部をさらに有することを特徴とする半導体発光素子。
 n型半導体層とp型半導体層との間に発光層を有する半導体積層体を形成する工程と、
 前記半導体積層体の基板に実装される側とは反対側の光取り出し面を形成する一方の半導体層表面の電極形成予定領域を囲むように開口を有したレジストを、前記開口が前記レジストの積層方向に向かって閉塞するように形成する工程と、
 前記レジストの上から前記半導体層表面にマスク材料を積層する工程と、
 前記マスク材料が積層されたレジストを除去する工程と、
 前記電極形成予定領域をマスクとして前記半導体層表面をエッチングする工程と、
 を有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
 請求の範囲第11項に記載の半導体発光素子の製造方法において、
 前記マスク材料は、電極材料であることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
Description:
半導体発光素子およびその製造 法

 本発明は、半導体発光素子に係り、特に 光取り出し効率を高めるために、光取り出 面に凹凸形状を形成した半導体発光素子お びその製造方法に関する。

 従来、LED等の半導体発光素子において、 取り出し側の半導体層表面には、その一部 電極が形成されると共に、半導体層からの 取り出し効率を向上させるために、複数の 凸形状が形成されることがある。例えば、 開2000-196152号公報、特開2005-5679号公報、特 2003-69075号公報、特開2005-244201号公報、特開20 06-147787号公報に記載された技術が知られてい る。

 特開2000-196152号公報に記載された発光素 は、光取り出し側の半導体層表面に半球形 の凹凸が間隔をあけて多数形成され、その に透明電極が形成され、その上にボンディ グパッドが選択的に積層されている。凹凸 形成する方法は、以下の通りである。すな ち、所定間隔を空けて並設した複数のレジ トを熱処理により溶融軟化させて、横断面 半円状の「半球形状」に変形したものを、 取り出し側の半導体層表面に転写すること 、凹凸を形成する。

 特開2005-5679号公報に記載された発光素子 、光取り出し側の半導体層表面に、2次元周 期構造の凹凸がエッチングによって形成され ている。光取り出し側において、凹凸が形成 されていない部分には、n側電極とp側電極と 段差を有して形成されている。

 特開2003-69075号公報に記載された発光素子 は、窒化ガリウム系化合物半導体基板上に窒 化ガリウム系化合物半導体が積層されてなり 、窒化ガリウム系化合物半導体基板の素子を 積層する面とは反対側の面に、凹凸がエッチ ングによって形成されている。この凹凸の上 には電極が形成されている。

 特開2005-244201号公報に記載された発光素 は、光取り出し側の半導体層表面に、多数 細長い空隙が形成された多孔質構造と、そ 多孔質構造を取り囲む電極とを有している この多孔質構造の形成方法は次の通りであ 。すなわち、ウェハよりなるサファイア基 の上にn型半導体層、活性層、p型電子障壁層 、p型歪超格子層及びp型コンタクト層を順次 成し、開口状の光取り出し部の周縁となる うにp側オーミック電極を形成した後、各半 導体層が積層されたウェハを、薬液に浸す。 これにより、p型コンタクト層の光取り出し に多孔質構造が形成される。このとき、多 質構造を取り囲む周縁部分にp側オーミック 極が残る。なお、多孔質構造の形成後、n側 電極がエッチングにより形成される。

 特開2006-147787号公報に記載された発光素 は、光取り出し側の半導体層表面に、基板 界面から生じた貫通転移を基点として結晶 長の際に自然発生する凹凸が形成されてい 。凹凸の上には電極が形成されている。

 また、光取り出し側の面に凹凸が形成さ た発光素子において、光取り出し側の面と 反対側にp側電極およびn側電極が形成され ものが特開2007-88277号公報に記載されている 特開2007-88277号公報に記載された発光素子は 、サファイア基板上に発光層を含む半導体が 積層されてなり、サファイア基板の発光層が 形成される面とは反対側の面(光取り出し側 面)に凸部を有している。この凸部は、型を いて作製されたものであり、長周期毎に形 された比較的高い第1の凸部と、短周期毎に 形成された比較的低い第2の凸部とが混在し 構成されている。

 なお、凹凸を電極直下の窒化物半導体層 面に形成することを前提とした発光素子が 開2007-67209号公報に記載されている。特開200 7-67209号公報に記載された発光素子は、窒化 リウム基板上に窒化ガリウム系化合物半導 が積層されてなり、窒化ガリウム基板の素 を積層する面とは反対側の面に凹凸が形成 れている。この凹凸の形成方法は以下の通 である。すなわち、マクロな凹凸を研磨に って形成した後に、そこに重ねてミクロな 凸をエッチングによって形成する。これに り、窒化物半導体とその上に積層される電 とのコンタクト抵抗を低下させて密着性を 上させることができる。

 しかしながら、従来の技術には、以下に示 ような問題点が存在した。
 従来の技術は、半導体層からの光取り出し 率を向上させることを目的として、凹凸形 を設ける技術なので、光取り出し効率と合 せて光出力も高める場合には、以下に示す うな問題が生じる。
 例えば、半導体層表面に凸部を設けること 光出力を高めようとする場合には、凸の高 が高いほど、光出力は高くなる傾向がある 言い換えると、半導体層表面を深く掘る(削 る、または、侵食する)ほど、光出力は高く る傾向がある。

 一方、特開2000-196152号公報、特開2005-5679 公報、特開2003-69075号公報、特開2005-244201号 報、特開2006-147787号公報に記載された発光素 子では、光取り出し側の半導体層表面におい て、一様に凹凸形状が設けられている。した がって、光出力を高めようとして半導体層表 面を深く掘るほど、電極が剥離し易くなる傾 向にある。例えば、電極を形成した領域と、 凸形状を設けた領域とを分離した発光素子で は、光取り出し効率と合わせて光出力も高め る場合には、電極に隣接する領域にまで凹凸 形状を深く設ける必要があるので、電極が剥 離し易くなる。したがって、光取り出し効率 を向上させることを前提としつつ光出力を高 くしようとする場合には、光取り出し側の面 に形成される電極が剥離することを防止でき る信頼性の高い素子が望まれている。

 また、発光素子は、設計上、発光素子の 光性の制御も重要な要素となっている。例 ば、特開2000-196152号公報に記載された発光 子は、半導体層表面に形成された凹凸が、 球形状に形成されているので配光性が悪い すなわち、凹凸から外側に放出される光の ち真上への光取り出し効率が弱くなる。し がって、光出力を高めるときに配光性が低 しない技術が要望される。

 本発明は、前記した問題に鑑み創案された のであり、信頼性が高く配光性が良好な半 体発光素子を提供することを目的とする。
 また、信頼性が高く配光性が良好な半導体 光素子を製造する製造方法を提供すること 他の目的とする。

 本発明の半導体発光素子は、n型半導体層 とp型半導体層との間に発光層を有する半導 積層体と、この半導体積層体が実装される 板と、前記半導体積層体が前記基板に実装 れる面とは反対側の光取り出し面の上に設 られた電極とを有し、前記光取り出し面に 数の凸部を備える半導体発光素子において 前記複数の凸部が、第1凸領域と、第2凸領域 とに設けられており、前記第2凸領域が、前 第1凸領域と前記電極との間において前記電 と前記半導体積層体との界面と隣接した領 であり、前記第1凸領域に設けられた第1凸 の基端が、前記界面よりも前記発光層側に 置し、前記第2凸領域に設けられた第2凸部の 基端が、前記第1凸部の基端よりも前記界面 に位置することを特徴とする。

 かかる構成によれば、半導体発光素子は 光取り出し面に、第1凸領域と、第2凸領域 を備え、第2凸領域が電極に隣接して配置さ る。したがって、光取り出し面に、相対的 深い位置から形成された第1凸部だけを一様 に備えている発光素子と比べて、電極の剥離 を低減することができると共に、半導体層中 の電流広がりを均一化することができる。ま た、光取り出し面に、相対的に深い位置から 形成された第1凸部だけを一様に備えると共 電極に隣接した領域には凹凸形状を設けて ない発光素子と比べて、配光性を良くする とができる。また、光取り出し面に、相対 に浅い位置から形成された第2凸部だけを一 に備えている発光素子と比べて、光出力を めることができる。

 また、本発明の半導体発光素子において 前記第1凸部の基端から先端までの高さが、 前記第2凸部の基端から先端までの高さより 大きいことが好ましい。かかる構成によれ 、光取り出し面に、凸部が相対的に深い位 から高く形成されている第1凸領域と、凸部 相対的に浅い位置から低く形成されている 2凸領域とを備え、第2凸領域が電極に隣接 て配置される。したがって、このように構 されることにより、半導体発光素子は、電 の剥離を低減し、配光性を良くすることが きる。ここで、第1凸部の高さは、第2凸部の 高さの2倍以上であることが好ましい。

 また、本発明の半導体発光素子において 前記第1凸部および前記第2凸部は、先端が 細りした形状であることが好ましい。かか 構成によれば、第1凸部および第2凸部から外 側に放出される光のうち真上への光取り出し 効率が良くなる。したがって、先端を先細り にしない場合に比べて配光性が良くなる。

 また、本発明の半導体発光素子は、少な とも前記第2凸領域が前記電極を囲んで設け られているように構成することができる。か かる構成によれば、第2凸領域が電極の一部 だけ隣接した場合と比べて配光性が良くな 。また、光取り出し面において、電極の形 や配設箇所の設計自由度を高めることがで る。ここで、第2凸領域は、少なくとも電極 囲んでいればよく、電極を囲む他に、例え 、第1凸領域の外周に第2凸部を有していて よい。

 また、本発明の半導体発光素子は、前記 1凸領域が前記第2凸領域および前記電極を んで設けられていることがより好ましい。 かる構成によれば、第1凸領域が電極から離 されつつ、高密度で配設されるので光出力 高くなる。

 また、本発明の半導体発光素子は、前記 取り出し面には、前記電極が離間して設け れ、前記離間して設けられた電極に挟まれ 領域に、前記第1凸領域および前記第2凸領 を有するように構成することができる。か る構成によれば、光取り出し面に、所定間 を空けて複数の電極を配設する場合に、各 極が剥離することを防止すると共に、配光 を良くすることができる。

 また、本発明の半導体発光素子において 前記第1凸部および前記第2凸部は、先端が 平坦な形状に形成されていることが好まし 。かかる構成によれば、先端が平坦である 合に比べて配光性を良くすることができる ここで、非平坦な先端とは、先端が曲面で 成されたもの、先端がとがったもの、先端 凹凸を有するものを含む。

 また、本発明の半導体発光素子において 前記第1凸部および前記第2凸部は、基端が り合う凸部の基端と隣接するように設けら ていることが好ましい。かかる構成によれ 、隣り合う凸部の基端の間に平坦な面とし の隙間がある場合と比べて、凸部から外側 放出される光のうち真上への光取り出し効 が強くなる。したがって、配光性が良くな 。また、隣り合う凸部の基端が接すること 、隣り合う凸部の基端の間に隙間がある状 から深く掘ったことに相当するので、光出 が高くなる。

 また、本発明の半導体発光素子は、前記 1凸領域において、前記第1凸部を、前記電 から離れるほど基端が前記発光層に近づく うに形成することができる。かかる構成に れば、光取り出し面において、電極に近い から第2凸領域と第1凸領域という2段階で凸 が深くなるように形成されているだけでは く、第1凸領域の中においても、段階的また 連続的に電極から離間するほど深くなるよ に形成されているので、電極の剥離を低減 つつ、光出力を高めることができる。

 また、本発明の半導体発光素子は、前記 極と前記半導体積層体との界面に、第3凸部 をさらに有するように構成することができる 。かかる構成によれば、光出力を高めること ができることに加えて、半導体積層体の光取 り出し側の表面に第3凸部を作った後でその に積層される電極とのコンタクト抵抗を低 させて、光取り出し側の表面と電極との密 性を向上させることができる。ここで、第3 部は、第1凸部と同じ形状や大きさであって もよいし、第2凸部と同じ形状や大きさであ てもよい。さらに、それらと異なるもので ってもよい。

 また、本発明の半導体発光素子の製造方 は、n型半導体層とp型半導体層との間に発 層を有する半導体積層体を形成する工程と 前記半導体積層体の基板に実装される側と 反対側の光取り出し面を形成する一方の半 体層表面の電極形成予定領域を囲むように 口を有したレジストを、前記開口が前記レ ストの積層方向に向かって閉塞するように 成する工程と、前記レジストの上から前記 導体層表面にマスク材料を積層する工程と 前記マスク材料が積層されたレジストを除 する工程と、前記電極形成予定領域をマス として前記半導体層表面をエッチングする 程と、を有することを特徴とする。

 かかる手順によれば、半導体発光素子の 造方法は、積層方向に向かって閉塞するよ な開口を有したレジストを形成する工程を する。したがって、このように形成された ジストの上から半導体層表面にマスク材料 積層すると、開口から注入されるマスク材 は、半導体層表面においてレジストの側に く回りこみ、開口の大きさよりも広がった 状の領域を形成する。そして、マスク材料 積層されたレジストを除去すると、半導体 表面の電極形成予定領域には、レジストの 口と同様な形状の断面を有するマスク材料 残り、さらに、電極形成予定領域を取り囲 ようにマスク材料からなる鍔状の領域が薄 形成される。そして、電極形成予定領域を スクとして半導体層表面をエッチングする 、マスク材料が全く形成されていない他の 域の方には早くから凸部が形成される。こ とき、鍔状の領域では、徐々に薄いマスク 料が除去され、半導体が露出されるように り、やがて、凸部が遅れて形成される。こ により、高さの異なる2種類の凸部を形成す ることができる。その結果、2種類の凸部を 成するために2度のエッチングをする必要が いので製造工程を短縮することができる。

 また、本発明の半導体発光素子の製造方 は、前記マスク材料が、電極材料であるこ が好ましい。かかる手順によれば、半導体 光素子の製造方法は、マスク材料としての 極材料が積層されたレジストを除去する工 を有するので、この工程により、半導体層 面の電極形成予定領域に、レジストの開口 同様な形状の断面を有する電極を形成する とができ、工程の短縮化が可能となる。

 本発明によれば、半導体発光素子は、光 り出し効率を高める際に、光取り出し面側 電極の剥離を低減することができると共に 半導体層中の電流広がりを均一化すること できる。したがって、信頼性が高く、光出 の高い半導体発光素子を提供できる。また 指向角0度で最も光出力が大きくなり、さら にはランベルトの余弦法則に近い配光が得ら れる。その結果、照明等に適した半導体発光 素子を提供することができる。また、本発明 によれば、製造工程を短縮して信頼性が高く 配光性の良好な半導体発光素子を製造するこ とができる。ここで、本発明でいう配光性が 良好であるとは、指向角0度で最も光出力が きくなること、さらにはランベルトの余弦 則に近い配光が得られることをいい、これ より、例えば照明用途や自動車のヘッドラ プ用途においては、設計が容易で優れた発 素子が得られる。

本発明の実施形態に係る半導体発光素 の構成を模式的に示す断面図である。 図1に示したn側電極の一例を示す平面 である。 図1に示した第1凸領域および第2凸領域 模式的に示す斜視図である。 図3に示したA-A断面矢視図である。 図1に示した半導体発光素子の製造工程 を模式的に示す断面図(その1)である。 図1に示した半導体発光素子の製造工程 を模式的に示す断面図(その2)である。 図1に示した半導体発光素子の製造工程 を模式的に示す断面図(その3)である。 本発明の実施形態に係る半導体発光素 の指向性の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る半導体発光素 の変形例として第1凸領域を模式的に一部断 面で示す図である。 本発明の実施形態に係る半導体発光素 子の構成の変形例を模式的に示す断面図であ る。 本発明の実施形態に係る半導体発光素 子の構成の変形例を模式的に示す断面図であ る。 従来の半導体発光素子の構成を模式的 に示す断面図である。 従来の半導体発光素子の構成を模式的 に示す断面図である。

 以下、図面を参照して本発明の半導体発光 子を実施するための最良の形態(以下「実施 形態」という)について詳細に説明する。な 、図面に示した構成要素等の厚みや長さは 配置を明確に説明するために誇張して示し あるので、これに限定されるものではない
[半導体発光素子の構成]
 本発明の実施形態に係る半導体発光素子は n型半導体層とp型半導体層との間に発光層 有する半導体積層体の基板に実装される側 面とは反対側の光取り出し面に複数の凸部 備えると共に、光取り出し面の上に電極を えるものに関する。まず、半導体発光素子 構成について、図1ないし図4を参照して説明 する。図1は、本発明の実施形態に係る半導 発光素子の構成を模式的に示す断面図であ 、図2は、図1に示したn側電極の一例を示す 面図である。また、図3は、図1に示した第1 領域および第2凸領域を模式的に示す斜視図 あり、図4は、図3に示したA-A断面矢視図で る。

 図1に示すように、本実施形態に係る半導 体発光素子1は、主として、基板10と、メタラ イズ層20と、p側電極30と、半導体積層体40と n側電極50と、保護膜60と、裏面メタライズ層 70とからなる。

(基板)
 基板10は、シリコン(Si)から構成される。な 、Siのほか、例えば、Ge,SiC,GaN,GaAs,GaP,InP,ZnSe, ZnS,ZnO等の半導体から成る半導体基板、また 、金属単体基板、または、相互に非固溶あ いは固溶限界の小さい2種以上の金属の複合 から成る金属基板を用いることができる。 のうち、金属単体基板として具体的にはCu 用いることができる。また、金属基板の材 として具体的にはAg,Cu,Au,Pt等の高導電性金属 から選択された1種以上の金属と、W,Mo,Cr,Ni等 高硬度の金属から選択された1種以上の金属 と、から成るものを用いることができる。半 導体材料の基板10を用いる場合には、それに 子機能、例えばツェナーダイオードを付加 た基板10とすることもできる。さらに、金 基板としては、Cu-WあるいはCu-Moの複合体を いることが好ましい。

(メタライズ層)
 メタライズ層20は、この半導体発光素子1を 造する工程において、2つの基板を貼り合わ せる共晶である。詳細には、図5(c)に示すエ タキシャル(成長)側メタライズ層21と、図5(d) に示す基板側メタライズ層22とを貼り合わせ 構成される。このうちエピタキシャル側メ ライズ層21の材料としては、例えば、図5(c) おいて下からチタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)/錫(Sn) /金(Au)の順番に積層したものが挙げられる。 た、基板側メタライズ層22の材料としては 例えば、図5(d)において上から金(Au)/白金(Pt)/ 二ケイ化チタン(TiSi 2 )、または、二ケイ化チタン(TiSi 2 )/白金(Pt)/パラジウム(Pd)の順番に積層したも が挙げられる。
 図1に戻って半導体発光素子1の構成につい の説明を続ける。

(p側電極)
 p側電極30は、半導体積層体40の基板10側の実 装面に設けられている。
 p側電極30は、詳細には、半導体積層体40側 p電極第1層(図示せず)と、このp電極第1層の 側のp電極第2層(図示せず)との少なくとも2層 構造で構成されている。

 p電極第1層(図示せず)は、通常、電極として 用いることができる材料を例示することがで きる。例えば、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni) 、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ル テニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir) 、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム( Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta) コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブ ン(Mo)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ラン ン(La)、銅(Cu)、イットリウム(Y)等の金属、合 金;ITO、ZnO、SnO 2 等の導電性酸化物等の単層膜または積層膜等 が挙げられる。p電極第2層(図示せず)は、例 ば、白金(Pt)、金(Au)、Ni-Ti-Au系の電極材料を いることができる。

 p側電極30は、具体例として、図示しない 、p電極第1層/p電極第2層の2層構造である場 には、白金(Pt)/金(Au)、パラジウム(Pd)/金(Au) ロジウム(Rh)/金(Au)、ニッケル(Ni)/金(Au)等が る。また、p電極第1層とp電極第2層との間に 、第3層を介する3層構造としては、ニッケル( Ni)/白金(Pt)/金(Au)、パラジウム(Pd)/白金(Pt)/金( Au)、ロジウム(Ph)/白金(Pt)/金(Au)等がある。さ に、p電極第1層とp電極第2層との間に、第3 および第4層を介する4層構造としては、銀(Ag )/ニッケル(Ni)/チタン(Ti)/白金(Pt)等がある。

(半導体積層体)
 半導体積層体40は、一般式がIn x Al y Ga 1-x-y N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で示される窒化 リウム系化合物半導体から成る。具体的に 、例えば、GaN、AlGaN、InGaN、AlGaInN等である 特に、エッチングされた面の結晶性がよい どの点でGaNであることが好ましい。半導体 層体40は、基板10に実装される側の面とは反 側の光取り出し面側から、n型半導体層41、 光層42およびp型半導体層43の順番に積層さ て構成されている。

 光取り出し面には複数の凸部が形成され いる。本実施形態では、光取り出し面は、n 型半導体層41の表面である。つまり、複数の 部は、n型半導体層41に設けられている。複 の凸部は、第1凸領域80と、第2凸領域90(90a,90 b,90c,90d)とに設けられている。第2凸領域90は 第1凸領域80とn側電極50との間において、n側 極50と半導体積層体40との界面と隣接してい る。第1凸領域80に設けられた第1凸部の基端 、n側電極50と半導体積層体40との界面よりも 発光層42側に位置している。第2凸領域90に設 られた第2凸部の基端は、第1凸部の基端よ も、n側電極50と半導体積層体40との界面側に 位置している。第1凸部の基端から先端まで 高さは、第2凸部の基端から先端までの高さ りも大きい。光取り出し面には、2つのn側 極50が離間して設けられ、離間して設けられ た2つのn側電極50に挟まれる領域に、第1凸領 80および第2凸領域90a,90bを有する。この第1 領域80および第2凸領域90に形成された凸部( 1凸部、第2凸部)の詳細については後記する

 n型半導体層41は、例えば、n型不純物として SiやGe、O等を含むGaNから構成される。また、n 型半導体層41は、複数の層で形成されていて よい。
 発光層42は、例えば、InGaNから構成される。
 p型半導体層43は、例えば、p型不純物として Mgを含むGaNから構成される。

 この半導体積層体40の光取り出し面には2 の電極が形成されている。本実施形態では 光取り出し面は、n型半導体層41の表面であ ので、光取り出し面に形成された電極は、n 側電極50である。なお、光取り出し面に形成 れる電極の個数は1以上であればよい。

(n側電極)
 図1に示すように、n側電極50は、光取り出し 面において、所定間隔を空けて設けられてい る。本実施形態では、光取り出し面は、n型 導体層41の表面であるので、n側電極50は、n 半導体層41の上面で、所定間隔を空けて、電 気的に接続されるように形成されている。n 電極50は、ワイヤボンディングにより外部と 接続される。n側電極50は、n型半導体層41の上 面側から、例えば、Ti/Pt/Au、Ti/Pt/Au/Ni、Ti/Al、 Ti/Al/Pt/Au、W/Pt/Au、V/Pt/Au、Ti/TiN/Pt/Au、Ti/TiN/Pt/A u/Niのような複数の金属を含む多層膜で構成 れる。なお、n側電極50は、オーミック電極 パッド電極とから構成されるようにしても い。

 図2に示す例では、半導体発光素子1に、 線状の2つのn側電極50が所定間隔をあけて平 に設けられ、各n側電極50には、ワイヤ51,52 それぞれ接続されている。第2凸領域90はn側 極50を囲んで設けられている。例えば、ワ ヤ51が接続されたn側電極50は、図1に示した 2凸領域90a,90cで囲まれていることに相当する 。同様に、ワイヤ52が接続されたn側電極50は 図1に示した第2凸領域90b,90dで囲まれている とに相当する。ここで、図1で示した第2凸 域90a,90cは、図2に示すように1つの第2凸領域9 0に便宜的に2つの符号を付与したものである また、図1で示した第2凸領域90b,90dも同様で る。さらに、第1凸領域80は第2凸領域90およ n側電極50を囲んで設けられている。つまり 第1凸領域80は、ワイヤ51が接続されたn側電 50とその周囲の第2凸領域90を囲んでおり、 た、ワイヤ52が接続されたn側電極50とその周 囲の第2凸領域90を囲んでいる。

 図1に戻って半導体発光素子1の構成につい の説明を続ける。
(保護膜)
 保護膜60は、n型半導体層41よりも屈折率が く透明な材料から構成され、n側電極50の上 面のワイヤボンディングされる領域を除い 表面と、n型半導体層41の表面および側面と 被覆している。保護膜60は、絶縁膜からなる ものであって、特に酸化膜からなるものが好 ましい。保護膜60は、例えば、二酸化ケイ素( SiO 2 )やZr酸化膜(ZrO 2 )からなる。

 保護膜60は、例えば、スパッタリング法 ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロ ン共鳴)スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor De position:化学気相成長)法、ECR-CVD法、ECR一プラ マCVD法、蒸着法、EB法(Electron Beam:電子ビー 蒸着法)等の公知の方法で形成することがで きる。なかでも、ECRスパッタリング法、ECR-CV D法、ECR一プラズマCVD法等で形成することが ましい。

(裏面メタライズ層)
 裏面メタライズ層70は、基板10のメタライズ 層20が形成されている面と反対側に形成され ーミック電極として機能する。裏面メタラ ズ層70の材料としては、例えば、図1におい 上から二ケイ化チタン(TiSi 2 )/白金(Pt)/金(Au)の順番に積層したものが挙げ れる。

(第1凸領域および第2凸領域)
 図3および図4に示すように、第1凸領域80に 成された第1凸部、および、第2凸領域90b(90) 形成された第2凸部は、先端が先細りした形 である。これにより、配光性が良好となっ いる。また、第1凸部および第2凸部は、先 が曲面で形成されている。したがって、先 が平坦な面で形成されている場合と比較し 配光性が良い。また、図3および図4に示すよ うに、第1凸部の高さは、第2凸部の高さの2倍 以上である。さらに、第1凸部および第2凸部 、基端が隣り合う凸部の基端と隣接するよ に設けられている。つまり、凸部(第1凸部 第2凸部)は、隣の凸部との間に平坦な面を有 していない。このように凸部が高密度に設け られているので光取り出し効率を高めること ができる。したがって、配光性が良くなる。 また、同じ深さであれば、凸部と隣の凸部と の間に平坦な面を有しているものに比べて光 出力が高くなる。

[半導体発光素子の製造方法]
(第1製造方法)
 図1に示した半導体発光素子の第1製造方法 ついて、図5および図6を参照(適宜図1ないし 4参照)して説明する。図5および図6は、図1 示した半導体発光素子の製造工程を模式的 示す断面図である。

 まず、図5(a)に示すように、半導体成長用基 板100の上に、n型半導体層41、発光層42、p型半 導体層43をこの順番に積層し、半導体積層体4 0を形成する。半導体成長用基板100は、後工 で剥離される基板であり、例えば、C面、R面 およびA面のいずれかを主面とするサファイ から構成される。なお、半導体成長用基板10 0としてサファイアと異なる異種基板を用い もよい。異種基板としては、例えば、スピ ル(MgA1 2 O 4 )のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、 ZnS、ZnO、GaAsおよび窒化物半導体と格子整合 る酸化物基板等、窒化物半導体を成長させ ことが可能で、従来から知られている基板 料を用いることができる。

 次に、図5(b)に示すように、半導体積層体 40の上面(p型半導体層43の表面)に、マグネト ンスパッタ法を用いて、図示しないp電極第1 層、p電極第2層をこの順番に積層することでp 側電極30を形成する。次に、図5(c)に示すよう に、p側電極30の上に、エピタキシャル側メタ ライズ層21を積層する。また、エピタキシャ 側メタライズ層21の形成の前後または並行 て、図5(d)に示すように、基板10の上に基板 メタライズ層22を積層する。そして、図5(e) 示すように、基板側メタライズ層22が積層さ れた基板10を裏返しにして、基板側メタライ 層22とエピタキシャル側メタライズ層21とを 貼り合わせる。

 次に、図6(a)に示すように、半導体積層体 40から半導体成長用基板100を剥離する。次に 図6(b)に示すように、半導体成長用基板100が 剥離された基板10を裏返しにすることで最上 となった半導体積層体40の上面(n型半導体層 41の表面)をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機 械研磨)により研磨する。

 この最上面となった半導体積層体40の上 (n型半導体層41の表面)は、光取り出し面とな る面である。この面に、第1凸領域80および第 2凸領域90を形成するためには、ドライエッチ ングを用いてもウェットエッチングを用いて もどちらでも形成可能である。ただし、凸部 の先端が曲面である形態や、凸部と隣の凸部 との基端を隣接させる形態を得るためには、 ウェットエッチングが好ましい。そこで、こ こでは、ウェットエッチングによる形成方法 を説明する。ここで、ウェットエッチングの 溶液としては、異方性のエッチング溶液とし て、KOH水溶液、4メチル水酸化アンモニウム(T MAH:Tetramethyl ammonium hydroxide水酸化テトラメチ ルアンモニウム)やエチレンジアミン・ピロ テコール(EDP:Ethylene diamine pyrocatechol)などを いることができる。

 次に、図6(c)に示すように、半導体積層体 40の上面(n型半導体層41の表面)に所定間隔を けてn側電極50を形成する。次に、図6(d)に示 ように、n側電極50の上面および側面をすべ 覆うようなマスク110を設け、ウェットエッ ングにより非マスク部をエッチングする。 マスク部は、第1凸領域80となる部分であり このエッチングにより、不完全な第1凸部が 多数形成される。つまり、比較的浅い位置か ら突出した低い凸部が形成される。なお、加 工量(深さ)や凸部の高さは、ウェットエッチ グにおいては、温度や浸漬時間を変えるこ で調整できる。例えば、エッチング溶液を5 0~100℃に加熱し、例えば30分間浸漬すること してもよい。

 次に、マスク110を除去し、図6(e)に示すよ うに、n側電極50をマスクとしてウェットエッ チングにより非マスク部をエッチングする。 非マスク部のうち、不完全な第1凸部が形成 れていた領域には、このエッチングにより 第1凸部が多数形成される。つまり、比較的 い位置から突出した高い凸部が形成される また、非マスク部のうち、マスク110が設け れていた領域には、このエッチングにより 第2凸部が多数形成される。つまり、比較的 浅い位置から突出した低い凸部が形成される 。

 次に、図6(f)に示すように、半導体積層体 40の上面(n型半導体層41の表面)を保護膜60で被 覆する。なお、n側電極50の上表面のワイヤボ ンディングされる領域を除いた表面と、半導 体積層体40の側面とを保護膜60で被覆する。 して、基板10を裏返しにすることで最上面と なる基板10の表面に、オーミック電極として 裏面メタライズ層70を形成し、チップ化す 。そして、裏面メタライズ層70側を実装し、 ワイヤをn側電極50に接続することで、図1に した半導体発光素子1を製造する。

(第2製造方法)
 図1に示した半導体発光素子の第2製造方法 、第1製造方法と同様に図5(a)~図5(e)および図6 (a)~図6(b)にそれぞれ示す工程を行う。第2製造 方法は、引き続いて行うn側電極50の形成方法 に特徴がある。第2製造方法について、図7を 照(適宜図1ないし図6参照)して説明する。図 7は、半導体発光素子の製造工程を模式的に す断面図である。なお、図7では、半導体積 体40よりも下の層については図示を省略し 。

 図7に示すように、半導体積層体40の上面( n型半導体層41の表面)の電極非形成部にレジ ト120を設ける。ここで、半導体積層体40の上 面の電極形成予定領域を囲むように開口を有 したレジスト120を、その開口がレジスト120の 積層方向に向かって閉塞するように形成する 。次に、レジスト120の上から半導体積層体40 上面の全面に電極材料130を積層する。した って、開口から注入される電極材料130は、 導体積層体40の上面においてレジスト120の に薄く回りこみ、開口の大きさよりも広が た鍔状の領域を形成する。次に、電極材料13 0が積層されたレジスト120を除去することで 極形成予定領域にn側電極50が形成される。 のとき、n側電極50を取り囲むように鍔部50a 形成される。

 この後、n側電極50(電極形成予定領域)を スクとしてウェットエッチングにより半導 積層体40の非マスク部をエッチングする。こ こで、鍔部50aが形成されていない領域の方に は早くから凸部が形成される。このとき、鍔 部50aでは、徐々に薄い電極が除去され、半導 体積層体40の上面が露出されるようになり、 がて、凸部が遅れて形成される。これによ 、高さの異なる2種類の凸部(第1凸部、第2凸 部)を形成することができる。つまり、鍔部50 aが形成されていない領域は第1凸領域80とな 、鍔部50aは第2凸領域90となる。その結果、 1凸領域80および第2凸領域90を形成するため 2度のエッチングをする必要がないので製造 程を短縮することができる。なお、エッチ グ後の工程は第1製造方法と同様なので説明 を省略する。

[半導体発光素子の特性]
 本実施形態に係る半導体発光素子1の特性と して、光出力、電極はがれ率、配光性につい て説明する。
(光出力)
 本実施形態に係る半導体発光素子1は、光取 り出し面に、比較的深い位置から比較的高い 第1凸部を有する第1凸領域80と、比較的浅い 置から比較的低い第2凸部を有する第2凸領域 90とを設けたので、第2凸部だけを全面に設け た発光素子よりも光出力を高めることができ る。また、以下に示すように、電極はがれ率 が低く、配光性が良いので、第1凸部を高く 成することができ、光出力を高めることが きる。

(電極はがれ率と光出力)
 比較として、第2凸部を第1凸部と同じよう 相対的に深い位置から高く設け、凹凸をド イエッチングにより形成したもの(以下、比 例1という)を、一例として、RIE(Reactive Ion E tching反応性イオンエッチング)で製造した。 12に示すように、比較例1を示す従来の半導 発光素子200は、主として、基板210と、メタ イズ層220と、p側電極230と、半導体積層体240 、n側電極250と、保護膜260と、裏面メタライ ズ層270とからなる。半導体積層体240は、基板 210に実装される側の面とは反対側の光取り出 し面側から、n型半導体層241、発光層242およ p型半導体層243の順番に積層されて構成され いる。また、n型半導体層241の表面には、電 極非形成領域に凹凸280が規則的に形成されて いる。n側電極250は、n型半導体層241の表面で る光取り出し面において、凹凸280以外の部 の上に設けられている。なお、図12では、 凸280の一例を模式的に示しており、半導体 光素子200は、凹凸280において互いに隣り合 凹の間に平坦な面(上面)を有するか、または 、互いに隣り合う凸の間に平坦な面(底面)の なくとも一方を有する。

 半導体発光素子200は、本実施形態に係る 導体発光素子1と比較すると、n側電極250とn 半導体層241との密着強度が低下した。これ 、半導体積層体240において、凹凸280による 極接合部へのダメージによるものと考えら る。そこで、ダメージをなくすように凹凸2 80を設けずに平坦部を設けるもの(以下、比較 例2という)を製造した。図13に示すように、 較例2を示す従来の半導体発光素子300は、n型 半導体層241の表面である光取り出し面におい て、n側電極250の間に平坦部310が形成されて る点を除いて、図12に示した半導体発光素子 200と同様に形成された構成である。この半導 体発光素子300の電極の密着強度は改善される ことがわかった。具体的には、図12に示した 導体発光素子200(比較例1)では、n側電極250上 にワイヤボンディングする際に、6%の割合でn 側電極250に、はがれが発生したが、図13に示 た半導体発光素子300(比較例2)では、はがれ 発生しなかった。しかしながら、図13に示 た半導体発光素子300(比較例2)は、平坦部310 有するため、全体的に出力が低下した。

(配光性)
 図8は、本実施形態に係る半導体発光素子の 指向性の一例を示す図である。ここで、ウェ ットエッチングのエッチング溶液として、KOH 水溶液を用いて第1凸領域80および第2凸領域90 を形成したもの(以下、実施例1という)を太い 実線で示す。また、少なくとも第1凸部の高 が実施例1よりも小さくなるように加工量(深 さ)を調整して形成したもの(以下、実施例2と いう)を細線で示す。さらに、比較として、 記した比較例1を破線で示し、前記した比較 2を一点鎖線で示す。

 図8では、横軸が放射角(°)を示し、縦軸 光出力(μW)を示す。ここで、指向角-90~90°は n側電極50の図2に示した幅方向(横方向)に測 したものを示す。また本発明でいう指向角 は、光取り出し面に垂直な方向を0度として 光取り出し方向の各角度における光強度を測 定したものである。例えば図2では、紙面に 直な方向が指向角0度である。図8に示すよう に、実施例1および実施例2は、少なくとも指 角0°において強度が最も大きい。これは、 ンベルトの余弦法則(Lambert's law)に沿った配 光もしくはそれに近い配光を示す。一方、比 較例1は、指向角±30°における強度が大きく 向角0°における強度が低くなっている。つ り、配光性は、従来の半導体発光素子より 、本実施形態の半導体発光素子1の方が優れ いる。また、比較例2は、どの指向角におい ても全体的に出力が低下した。ここで、光取 り出し方向への光出力は、グラフにおいて、 曲線が囲む面積に相当する。具体的には、比 較例2の光出力を「1」とすると、比較例1の光 出力は「2.57」、実施例1の光出力は「2.70」、 実施例2の光出力は「2.64」であった。さらに 指向角0度における強度においては、比較例 2を「1」とすると、比較例1は「約3(約3倍)」 実施例1および実施例2は「約6(約6倍)」であ た。実施例1および実施例2は、加工量(深さ) 大きいことで光出力が上がる結果となった なお、n側電極50の図2に示した垂直方向(縦 向)に測定したものも同様な結果となった。

 本実施形態の半導体発光素子1によれば、 光取り出し面に、比較的高い第1凸部を有す 第1凸領域80と、比較的低い第2凸部を有する 2凸領域90とを備え、第2凸領域90がn側電極50 隣接して配置されているため、光取り出し においてn側電極50の剥離を低減することが きる。したがって、信頼性が高く光出力の い半導体発光素子を提供できる。また、本 施形態の半導体発光素子1によれば、配光性 が高く光出力の高い半導体発光素子を提供で きる。また、光取り出し面に、第1凸部だけ はなく、第2凸部を備えているので、第1凸部 だけ一様に設けられている場合よりも半導体 層中の電流広がりを均一化することができる 。

 以上、本実施形態について説明したが、 発明は、これに限定されるものではなく、 の趣旨を変えない範囲でさまざまに実施す ことができる。例えば、光取り出し面の第1 凸領域80において、第1凸部を、n側電極50から 離れるほど基端が発光層42に近づくように形 してもよい。図9は、このように製造した半 導体発光素子の第1凸領域を模式的に一部断 で示す図である。なお、図9は、走査電子顕 鏡(SEM)で観察したものを模式的に示してい (「3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡(VE-9800、 株式会社キ-エンス製)」を使用)。図9では、 側にn側電極50(図示はしない)が配置されてい るものとする。この例では、各凸部の先端は 、仮想線901で示すように同じ高さに位置して いる。また、図9において右から2つ目の凸部 断面の基端(左側)と、右から3つ目の凸部の 面の基端(右側)とは隣接している。この共 の基端を符号902で示す。右から5つ目の凸部 断面の基端(右側)903とその基端(左側)904とは 同じ深さに位置している。一方、基端902の位 置を基準とすると、基端904の位置は、Dだけ くなっている。つまり、右から5つ目の凸部 、右から2つ目の凸部と比較すると、凸部が 相対的に深い位置から高く形成されているこ とになる。このように第1凸領域の中におい も、段階的または連続的に電極から離間す ほど深くなるように形成することで、電極 剥離を低減しつつ、光出力を高めることが きる。

 また、本実施形態では、半導体積層体40 上面(n型半導体層41の表面)をCMPにより研磨し た後で、n側電極50を設けることとしたが、研 磨後に、n側電極50を形成する前に電極形成領 域を加工し、後に第1凸領域80に形成される第 1凸部と同様な凸部(第1凸部)を予め設けてお こととしてもよい。このように製造した半 体発光素子の一例を図10に示す。図10に断面 示す半導体発光素子1Aは、2つのn側電極50と 導体積層体40との界面に、第1凸部をさらに している。すなわち、2つのn側電極50の直下 には第1凸領域80a,80bがそれぞれ形成されてい 。このように構成することで、半導体積層 40とn側電極とのコンタクト抵抗を低下させ 密着性を向上させることができる。

 また、第1凸領域80および第2凸領域90を形 する方法は、マスクを用いてウェットエッ ングにより行うものとしたが、この方法に 定されるものではなく、ドライエッチング より形成してもよい。ドライエッチングの 合、RIEにおいて、例えば、ガス種、真空度 高周波電力などのエッチング条件を調整す ことで、第1凸領域80および第2凸領域90が生 るように段階的にエッチングするようにし もよい。

 さらに、ドライエッチングとウェットエ チングとを組み合わせて第1凸領域80および 2凸領域90を形成してもよい。このようにし 構成した半導体発光素子の一例を図11に示 。図11に断面を示す半導体発光素子1Bは、ま 、RIEにより第1凸領域80を形成し、次に、ウ ットエッチングより第2凸領域90を形成した のである。ここで、第1凸領域80は、その断 について2つの観点で視ることができる。第 1の観点では、図11において、第1凸領域80には 、相対的に深く高い5つの凸部が形成されて る。第2の観点では、図11において、第1凸領 80には、第2凸領域90に形成された凸部と同 ような相対的に低い凸部が、深い位置と、 い位置にそれぞれ形成されている。この低 凸部は、第2凸領域90の凸部を形成する工程 同時に形成することができる。半導体発光 子1Bによれば、n側電極50に隣接して第2凸領 90が形成されているので、光取り出し面にお いてn側電極50の剥離を低減することができる 。また、第1凸領域80に、相対的に深く高い凸 部が形成されているので光出力の高い半導体 発光素子を提供できる。

 また、本実施形態では、半導体積層体40 光取り出し面をn型半導体層41としたが、光 り出し面をp型半導体層43として、このp型半 体層43に第1凸領域80および第2凸領域90を設 ることとしてもよい。この場合、光取り出 面にはp側電極が設けられる。なお、本実施 態のように構成した方が第1凸領域80におい 第1凸部を深くすることができるので好まし い。

 また、本実施形態では、製造時に半導体積 体40の上面全体にp側電極30を形成するもの したが(図5(b)参照)、p側電極30を部分的に形 し、p側電極30と同一平面内でp側電極30の形 されていない部分に、前記した保護膜60と同 一材料の保護膜を充填するようにしてもよい 。この場合、光取り出し面側から半導体発光 素子1を平面視したときに、n側電極50と、p側 極30とが交互に配置されているように形成 ることが、さらに光取り出し効率が高くな 点で好ましい。なお、同一材量とは、例え 、保護膜60がSiO 2 によって形成されているのであれば、p側電 30の形成されていない部分に充填された保護 膜もSiO 2 によって形成されていることを意味し、その 製造方法等によって、組成に若干の差異が生 じることがあってもよい。このような保護膜 の充填は、例えば、ECRスパッタリング法によ って行うことができる。

 また、半導体発光素子1の半導体積層体40 構成する材料は、窒化ガリウム系化合物半 体に限定されるものではない。また、本実 形態では、光取り出し面において、n側電極 50に近い側から第2凸領域90と第1凸領域80とい 2段階で凸部が深くなるように設けることと したが、それぞれの凸領域が、電極から離間 するほど、凸部が相対的に深い位置から高く 形成されていれば、3段階以上であっても同 の効果がある。

 また、半導体発光素子において、光取り し面に、p側電極30とn側電極50とを両方とも けるように構成してもよい。この場合に、 光層42上に設けられる電極(例えばp側電極30) が形成される半導体層の表面に、第1凸部(ま は第1凸領域80)と、第2凸部(第2凸領域90)とを 設けるようにしてもよい。このように構成し た場合、発光層42上に設けられる電極のはが 率を低減する効果がある。

 本発明に係る半導体発光素子は、半導体 光素子をデバイスとして応用することがで るすべての用途、例えば、照明、露光、デ スプレイ、各種分析、光ネットワーク等の 々の分野において利用することができる。