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Title:
SEMISOLIDIFIED METAL PRODUCT MOLDING DIE STRUCTURE, METHOD OF MOLDING SEMISOLIDIFIED METAL PRODUCT, AND SEMISOLIDIFIED METAL PRODUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072222
Kind Code:
A1
Abstract:
A semisolidified metal product molding die structure that attains assured molding of a product of complex configuration, such as a thin one with flange part, from a high-quality semisolidified metal at low cost; and a relevant molding method and semisolidified metal product. The semisolidified metal product molding die structure includes a fixed lower die designed to mount a semisolidified metal on its upper surface side and a movable upper die capable of pressurization descending behavior toward the fixed lower die. Further, the structure includes a side die disposed on the side portion of the fixed lower die and adapted to cooperate with the fixed lower die and the movable upper die so as to define a product cavity. The side die is provided on the fixed lower die in a vertically slidable fashion and is capable of pressurization ascending behavior with a force smaller than the descending pressurization force of the movable upper die. The compression by the upper die is started at the position of ascent of the side die, and the compression is maintained as-is while defining the peripheral side portion of the product. At the extreme descent site, final molding is performed.

Inventors:
NISHIOKA TETSUYA (JP)
SASAKI TSUTOMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000482
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
GOSHI GIKEN CO LTD (JP)
NISHIOKA TETSUYA (JP)
SASAKI TSUTOMU (JP)
International Classes:
B22D18/02; B22C9/06; B22C9/08; B22D17/00
Foreign References:
JPH1192849A1999-04-06
JP2003062651A2003-03-05
JPH0259141A1990-02-28
JPH05285628A1993-11-02
Attorney, Agent or Firm:
ANAMI, Kensaku (Senju Building4-30-1, Saiku-machi,Kumamoto-sh, Kumamoto 41, JP)
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Claims:
 上面側に半凝固金属を載置させる固定下型と、
固定下型に向けて押圧下降動作する可動上型と、
固定下型の側部に配置されて固定下型と可動上型とともに製品キャビティを形成する側部型であって、該固定下型に対して上下摺動自在に設けられ可動上型の下降押圧力よりも小さな力で押圧上昇作動する側部型と、を含むことを特徴とする半凝固金属製品の成形金型構造。
 側部型の上昇押圧力に勝る可動上型の下降押圧力と同等の力で押し下げられる側部型の下降限位置より上方位置で、下降押圧する可動上型と上昇押圧する側部型と固定下型とによる半凝固金属の圧縮が行われることを特徴とする請求項1記載の半凝固金属製品の成形金型構造。
 固定下型上に載置した半凝固金属の圧縮開始時の側部型の高さ位置が、
環壁を含む製品の本体部から突設した部分の体積と製品キャビティを形成した状態での固定下型と側部型の内側部分との最短距離長さでの隙間の面積との相関を1つの要素として決まる高さ位置であって、下降限位置から側部型を上昇させて半凝固金属の流動路を形成する位置であることを特徴とする請求項1または2記載の半凝固金属製品の成形金型構造。
 側部型は、可動上型による半凝固金属の圧縮開始位置に向けて進退自在に横方向に移動する複数のスライド割型を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半凝固金属製品の成形金型構造。
 固定下型と、固定下型上の半凝固金属に向けて押圧下降動作する可動上型と、製品の側部を規定し、かつ、上下動自在に設けられた側部型と、を用意し、
 可動上型の押圧下降時に固定下型上に載置した半凝固金属の流動路となる側部型と固定下型との間に十分な隙間を形成するように、側部型を押圧上昇させた位置で可動上型による半凝固金属の圧縮を開始し、その後の側部型の上昇押圧力に勝る可動上型の下降押圧により半凝固金属を成形することを特徴とする半凝固金属製品の成形方法。
 請求項5の成形方法を用いて成形された半凝固金属製品。
Description:
半凝固金属製品の成形金型構造 よび半凝固金属製品の成形方法及び半凝固 属製品

 本発明は、半凝固金属製品の成形金型構 および半凝固金属製品の成形方法ならびに れらにより成形される半凝固金属製品に関 、特に金型に半凝固金属を載置して、直接 プレス成形することで高品質の金属成形品 得ることができる凝固金属製品の成形金型 造および半凝固金属製品の成形方法並びに れらにより成形される半凝固金属製品に関 る。

近時、アルミニウム合金材料による金属ビ レットの加熱あるいは溶湯の冷却による、粒 状の固相と液相を共存させた例えば冷却曲線 で540℃~650℃程度の半凝固(半溶融)状態での加 工が、溶融状態からの加工に比して保形性に 優れ、同時に加工性にも優れる点で種々の製 品に採用されつつある。これに対し、例えば アルミニウム合金材料による自動車用ホイー ルの半凝固(半溶融)成形については、成形す 金型に液体から温度を低下させて製造した 凝固金属あるいは固体状態の材料を加熱さ た半溶融金属を一旦スリーブに移し、しか 後、製品キャビティを形成する金型内に半 融金属を充填し、加圧成形するダイカスト シンを用いた成形方法が知られている。し しながら、この方法では、スリーブに挿入 た段階で固液共存状態の金属はスリーブに 触して急速に熱を奪われるために凝固層が 成しやすい。また、流動性を維持するため 急速に加圧充填するため、空気の巻き込み 発生し、このために、凝固層および空気層 混入しやすく機械的性質のばらつきの原因 なりやすい。また、スリーブ内に残された スケット部分と製品までのランナを加えた 品以外の部分の全鋳込み重量に対する割合 高い。その結果、製品価格が高くなる、と う問題がある。これに対して特許文献1の方 法が提案されている。

特開2003-126955号公報

特許文献1の方法では、図18~図20に示すよう に、キャビティ部112に連通するランナ部114と 圧縮部116を上下金型118、119に一体的に設けた もの(図18(1)、(2))、ランナ部や圧縮部を設け に金型内に半凝固金属117を載置し直接成形 るもの(図19(1)、(2))、上金型118に上下移動可 な第二金型132もしくはピストンを設置して 必要に応じて部分加圧をするもの(図20(1)、( 2))が示されている。しかしながら、図18の方 では、まず圧縮部に半凝固金属が接触し、 らに、ビスケット部134、ランナ部114を経由 てキャビティ112内に金属が流入するように っているので金属は急速に熱を奪われるこ による凝固層の混入、空気層の混入による 械的性質のバラツキ、及び全鋳込み重量に する非製品部分の割合が高く、製品価格を くさせる、等の問題は依然として解消され い。

また、図19の方法によれば、上型の下降に い半凝固材は金型に熱を奪われて流動性が 激に低下し所定の製品形状を得る前に凝固 る。また、キャビティ内に半凝固金属のビ ットを置いて成形するから、安定させるた 下型上面と密着性の良い部分に載置する結 、半凝固金属の底面は凝固層を早期に形成 やすい、等の問題がある。

一方、図20の方法では、最終成形品の厚さ 薄肉でしかも中央部で深く絞られた形状で り、さらに下端部に側方に向けた突設部Tを 有するような複雑な製品形状であるが、この 図20の方法では加圧部から該突設部T部分まで の半凝固金属の圧縮時の流動長が長くなり、 抵抗も大きくなって十分な充填量を確保しに くい結果、微細な内部欠陥などによる成形不 良を生じさせるおそれがあり、現実にはこの ような半凝固金属の成形による複雑な形状の 製品製造は実用化するのが困難であった。な お、図18、図19の場合においても、製品の成 時の上下方向の高低が大きい部分には上記 図20におけると同様の問題が生じうるもので あった。

本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ たものであり、その目的は、例えば薄肉でフ ランジ部を有するような複雑な形状の製品を 半凝固金属の成形により確実に成形すること ができ、高品質の成形品を得るとともに材料 、製作コストの低減を図ることのできる半凝 固金属製品の成形金型構造および半凝固金属 製品の成形方法ならびにそれらにより成形さ れる半凝固金属製品を提供することにある。

 上記の目的を達成するために、本発明は 上面側に半凝固金属を載置させる固定下型1 2と、固定下型に向けて押圧下降動作する可 上型14と、固定下型12の側部に配置されて固 下型12と可動上型14とともに製品キャビティ 22,60を形成する側部型16であって、該固定下 12に対して上下摺動自在に設けられ可動上型 14の下降押圧力P1よりも小さな力P2で押圧上昇 作動する側部型16と、を含む半凝固金属製品 成形金型構造10-1,10-2から構成される。成型 型装置自体は、耐熱、耐摩耗性を有する金 から構成される。本発明による成型金型構 で成型する製品は、上下に外周形状が変化 ない単なる柱状の物体の成型にはむしろ不 きであり、絞りの深い筒状製品、形状が複 で特に薄肉で絞りが深い製品、フランジ部 がある製品、あるいは左右に背面を対向さ たコ字状の凹部を有する製品などの成型に いて有効である。例えば、自動車用のホイ ル、ハブ、ミッションケースなどがあげら るが、そのほか任意の金属製品の成形につ ても適用可能である。可動上型は半凝固あ いは半溶融状態の金属の圧縮を行うもので り、能力的には通常のプレスマシンを用い ことができる。側部型16は、最終的には固 下型上の半凝固金属の周側部を規定するも であり、したがって、少なくとも固定下型 側部から上方について上下動するように駆 可能に設けられる。側部型16は、単に固定下 型の周側部から上方にかけて上下動するタイ プのものとして構成できる。また、側部型16 、製品の周側部を複数に分割して分割割形 し、それぞれの割型がスライド移動して圧 開始位置に向けて進退駆動可能に設けたス イド割型50タイプのものとしても構成でき 。可動上型の第1駆動装置、側部型の上昇押 駆動装置としての第2駆動装置、スライド割 型のスライド進退駆動装置(シリンダ装置)の 体的な駆動力発生メカニズムは任意の構造 ものを用いることができる。側部型の上昇 圧駆動装置としての第2駆動装置は、可動上 型14の下降押圧力P1よりも小さな上昇押圧力 より上昇駆動させるもので、それによって 下型上の半凝固金属に圧縮力を加えながら 動上型14と側部型を同期して下降移動させる ものであり、したがって、ばね機構やその他 制御により所定の上昇押圧力を維持しながら 下降押圧に降伏して下降する圧力維持型の上 昇押圧駆動装置が適用される。

 その際、側部型16の上昇押圧力P2に勝る可 動上型14の下降押圧力P1と同等の力で押し下 られる側部型16の下降限位置L0より上方位置 、下降押圧する可動上型14と上昇押圧する 部型16と固定下型12とによる半凝固金属18の 縮が行われるようにするとよい。

 また、固定下型12上に載置した半凝固金 18の圧縮開始時の側部型16の高さ位置が、環 Awを含む製品Mの本体部Yから突設した部分の 体積Vと製品キャビティ22,60を形成した状態で の固定下型12と側部型16の内側部分との最短 離長さKでの隙間の面積Sとの相関を1つの要 として決まる高さ位置であって、下降限位 L0から側部型16を上昇させて半凝固金属18の 動路Pfを形成する位置であるようにするとよ い。可動上型14による圧縮開始後、側部型16 押し下げ下降され始めるタイミングは、具 的には半凝固金属18が固定下型12と側部型16 内側部分との隙間から下方側に流入し始め と同時あるいはその後であるとよい。

 また、側部型16は、可動上型14による半凝 固金属18の圧縮開始位置に向けて進退自在に 方向に移動する複数のスライド割型50(50A、5 0B)を含むこととするとよい。

 また、本発明は、固定下型12と、固定下 上の半凝固金属18に向けて押圧下降動作する 可動上型14と、製品Mの側部を規定し、かつ、 上下動自在に設けられた側部型16と、を用意 、可動上型14の押圧下降時に固定下型12上に 載置した半凝固金属18の流動路Pfとなる側部 16と固定下型12との間に十分な隙間Kを形成す るように、側部型16を押圧上昇させた位置L1 可動上型14による半凝固金属18の圧縮を開始 、その後の側部型16の上昇押圧力P2に勝る可 動上型の下降押圧P1により半凝固金属18を成 する半凝固金属製品の成形方法から構成さ る。

 また、本発明は、上記の成形方法を用い 成形された半凝固金属製品から構成される

 本発明の半凝固金属製品の成形金型構造 よれば、上面側に半凝固金属を載置させる 定下型と、固定下型に向けて押圧下降動作 る可動上型と、固定下型の側部に配置され 固定下型と可動上型とともに製品キャビテ を形成する側部型であって、該固定下型に して上下摺動自在に設けられ可動上型の下 押圧力よりも小さな力で押圧上昇作動する 部型と、を含む構成であるから、薄肉で絞 が深い略円筒形状製品、それらの半径方向 突起部を有する製品、さらに左右に背面を 向させたコ字状の凹部を有する製品、その 形状が複雑で成形に複雑な機構、制御装置 必要とする製品を半凝固金属成形により良 な成形性を確保して具体的に成形すること でき、同時に比較的に簡単な構成、低コス で製造することが可能である。また、半凝 金属の圧縮成形により比較的小型のプレス シン等での成形が可能で装置構成を簡素化 き、さらに鋳込みに必要な材料の適正量管 を確実に行え、材料コスト節約、成形後の 上げ処理の簡易化を実現することが可能で る。

 また、側部型の上昇押圧力に勝る可動上 の下降押圧力と同等の力で押し下げられる 部型の下降限位置より上方位置で、下降押 する可動上型と上昇押圧する側部型と固定 型とによる半凝固金属の圧縮が行われる構 とすることにより、可動上型で圧縮成形し がら同時に側部型を下降させて、製品キャ ティ形状にしだいに近づけていき、さらに 品キャビティを形成した状態で最終成形圧 成形完了させるから、半凝固金属の流動路 保と材料の充填量の偏位、あるいは成形圧 製品への偏りがなく良好な成形性を確保し る。

 また、固定下型上に載置した半凝固金属 圧縮開始時の側部型の高さ位置が、環壁を む製品の本体部から突設した部分の体積と 品キャビティを形成した状態での固定下型 側部型の内側部分との最短距離長さでの隙 の面積との相関を1つの要素として決まる高 さ位置であって、下降限位置から側部型を上 昇させて半凝固金属の流動路を形成する位置 である構成とすることにより、圧縮成形開始 時に半凝固金属の充分な開口を有する流動路 を形成して製品の環壁部分や、脚部分、ある いはそれらから伸びるフランジ部分等の製品 の隅々まで満遍なく均等に材料の充填、充填 圧の付加を行って、高品質の成形品製造を実 現しうる。なお、環壁を含む製品の本体部か ら突設した部分の体積は重量とすることもで きる。

 また、側部型は、可動上型による半凝固 属の圧縮開始位置に向けて進退自在に横方 に移動する複数のスライド割型を含む構成 あるから、上下方向の型の移動のみでは成 終了後の型抜きが困難な複雑な製品につい も、横方向移動による型抜きを確実に行え 。

 また、本発明の半凝固金属製品の成形方 によれば、固定下型と、固定下型上の半凝 金属に向けて押圧下降動作する可動上型と 製品の側部を規定し、かつ、上下動自在に けられた側部型と、を用意し、可動上型の 圧下降時に固定下型上に載置した半凝固金 の流動路となる側部型と固定下型との間に 分な隙間を形成するように、側部型を押圧 昇させた位置で可動上型による半凝固金属 圧縮を開始し、その後の側部型の上昇押圧 に勝る可動上型の下降押圧により半凝固金 を成形する構成であるから、薄肉で絞りが い略円筒形状製品、それらの半径方向に突 部を有する製品、さらに左右に背面を対向 せたコ字状の凹部を有する製品、その他形 が複雑で成形に複雑な機構、制御装置を必 とする製品について比較的に簡単な構成、 コストで高品質の成形品を製造することが 能である。

本発明の第1実施形態に係る半凝固金属 製品の成形金型構造の半凝固金属を下型上に 載置して上型を加圧作動させる圧縮開始直前 の状態の縦断面図である。 図1のA-A線矢示図である。 図1の金型構造を用いて成型する製品の 断面説明図である。 図1の成型金型構造による圧縮途中の状 態の断面説明図である。 図1の成形金型構造において、側部型の 下降限位置の状態の断面説明図である。 図1の成形金型構造の状態に対応した半 截縦断面作用説明図である。 図4の成形金型構造の状態に対応した半 截縦断面作用説明図である。 図5の成形金型構造の状態に対応した半 截縦断面作用説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る半凝固金 属製品の成形金型構造の側部型を圧縮開始位 置まで前進させ半凝固金属を下型上に載置し て上型を加圧作動させる圧縮開始直前の状態 の縦断面図である。 図9のB-B線矢示図である。 図9の金型構造を用いて成型する製品 断面説明図である。 図9の成型金型構造による圧縮途中の 態の断面説明図である。 図9の成形金型構造において、側部型 下降限位置の状態の断面説明図である。 図9の成形金型構造の状態に対応した 截縦断面作用説明図である。 図12の成形金型構造の状態に対応した 截縦断面作用説明図である。 図13の成形金型構造の状態に対応した 截縦断面作用説明図である。 図9の成形構造における上下金型の位 と圧力の経時変化による変位状態を示した である。 従来の半凝固金属の金型成形方法を示 すである。 従来の半凝固金属の他の金型成形方法 を示すである。 従来の半凝固金属の他の金型成形方法 を示すである。

符号の説明

 10-1、10-2 半凝固金属製品の成形金型構造
 12 固定下型
 14 可動上型
 16 側部型
 18 半凝固金属
 20 第1駆動装置
 22 製品キャビティ
 24 第2駆動装置
 36 側部型ベース
 50 スライド割型
 52 上昇押圧ピン
 54 側部型ベース
 56 シリンダ装置
 60 製品キャビティ
 M 製品
 Y 本体部
 P1 可動上型の下降押圧力
 P2 側部型の上昇押圧力
 Pf 金属の流動路
 K 最短距離長さ
 L1 圧縮開始位置対応の側部型上昇高さ位置
 L2 圧縮途中高さ位置
 L0 側部型の下降限位置

 以下、添付図面を参照しつつ本発明を実 するための最良の形態について説明する。 1ないし図8は、本発明の第1の実施形態を示 ている。本実施形態の半凝固金属製品の成 金型構造は、例えば図3の二輪自動車用のハ ブを成形製品Mとする例を示す。図3のように 品Mは、表面側となる上部に平坦な凹凸を形 成し外縁に薄肉つば部Rを有する本体部Yと、 体部Yの裏面側においてつば部Rの基部から 角方向に突設した環壁Awと、中心部から直角 状に突設した筒部Nと、を含む。環壁Awは、本 体部Yを底とするように深く絞った側壁を形 しており、いわゆる薄肉の深絞りタイプの 品形状である。

 図1は、第1実施形態の半凝固金属製品の 型金型構造10-1の圧縮開始直前位置での縦断 図である。図1において、本実施形態の半凝 固金属製品の成型金型構造10-1は、固定下型12 と、可動上型14と、側部型16と、を含む。固 下型12上には半凝固金属18が載置され、この 置された半凝固金属18を圧縮するように可 上型14が上方側から押圧下降移動する。側部 型16は圧縮成形する際の製品の周側部を規定 るものであり、しかもこの側部型16は、上 動自在に設けられて所定の押圧力で上昇駆 される。側部型16の上昇押圧力は、可動上型 14の下降押圧力よりもはるかに小さく設定さ ている。この側部型16を所定高さ位置に上 させた状態で固定下型12上に載置した半凝固 金属18を側部型16の上昇押圧力に勝る可動上 14の下降押圧力で圧縮し、そのまま可動上型 14の押し下げ力で側部型16を押し下げて上型 下型間の成形空隙を圧縮方向に変化させな ら上型で圧縮成形し、側部型16の最終下降限 位置で充分な圧縮成形を行って、成形を完了 させる。

 詳しくは、本実施形態の成形金型構造10-1 は、油圧プレス等の駆動装置20により駆動さ て上下直線状に移動可能な可動上型14と、 定下型12と、上型と下型の型閉め状態で形成 される製品キャビティ22(図5参照)の周側部を 定し第2の駆動装置24に駆動されて上下直線 に移動可能な側部型16と、を含む。第2の駆 装置24の上昇押圧力は可動上型14の下降押圧 力より小さく、しかも、その下降押圧力を受 けて上昇力を降伏させ、該側部型16を下降さ る降伏開放型の駆動装置であり、例えば押 ばねやジャッキ装置あるいはそれらの組合 などの弾発付勢装置を用いることができる これらの駆動装置20、24は、図示しない作業 手順のシーケンス制御あるいは記憶装置によ るプログラム制御等を行う制御装置26の制御 基づいてタイミングを合わせながら駆動さ る。なお、図4、図5については、駆動装置 制御装置の図示は省略して示している。

 固定下型12上に載置させる半凝固金属18は 、凝固開始温度と凝固終了温度の範囲の半凝 固(半溶融)状態の特性の金属であり、それぞ の合金組成に対応する半凝固温度範囲を有 ている。半凝固金属は、温度の上昇(固相率 の低下)に伴い結晶(固相成分)が球状化し、そ れが次第に分離する。アルミニウム合金では 、固相率が30%から70%ではその内部組織は球状 の固相粒が液相中に浮遊した状態となってお り、適度の軟質性、流動性とともに、粒状の 均一な組織を得ることができる。この性質か ら、半凝固金属による成形では、さらに、( )低温の半凝固状態で金型に鋳込むため凝固 縮量が減少し引け傾向が減少する。(ロ)冷 速度が速まり微細な組織が得られ内部欠陥 低減でき、機械的性質に優れた製品を製造 きる。(ハ)半凝固状態で鋳こむため、粒状の 均一な組織を得ることができる。本実施形態 では、成形前の半凝固金属材料18は図1に示す ように、側部型16の内向き凸部の先端を最大 とする例えば段付扁平円盤形状あるいは円 状の半溶融金属が固定下型12上に載置され これを上方から可動上型14が下方に向けて押 圧圧縮する。

 より詳細には、図1において、図示しない 支持台に固定された下型ベース28上に固定下 12が固定され、成形する製品Mの筒部Nや環壁 Awに対応する切欠き30,32を形成した型形状を 方に向けて設置されている。一方、固定下 12の下部側から上下動可能で降伏開放自在に 駆動するジャッキ装置等からなる第2駆動装 24が設けられており、このジャッキのピン34 支持されて側部型16が上下直線状に移動自 に設けられている。

側部型16は、製品の周側部を規定するもの あり、縦筒形で固定下型12の外径より大き 内周輪郭大きさを有している。そして、そ 側部型16の内側が固定下型12と向き合うよう 配置されている。側部型16は、上端側の外 がテーパ状に切り欠かれており、この切欠 38に上型支持台40側が当接して可動上型14と じ押し下げ力で側部型16を下降押動させる。 側部型16の内側と固定下型12とで挟まれる空 は上下型の型閉め状態では製品キャビティ22 を構成するとともに、上型による圧縮途中で は流動路Pfとなり、上型の圧縮下降にしたが て形状を変化させる空隙である。したがっ 、側部型16は、中央部の固定下型の外縁に 接して固定下型の側ぶと対向配置された固 下型の外縁部分に相当する製品形状を形成 る型である。

第2駆動装置24のジャッキのピン34の上部に 環状の側部型ベース36が固定されており、 側部型ベース36上に側部型16が固定支持され いる。側部型ベース36は、第2駆動装置24と 部型16との中間に介設されて側部型16を可動 型の下降押圧力より小さな上昇押圧力で上 駆動させる際の支持を行うとともに、下降 作時に下型ベース28に当たって側部型16の下 降限を決める。

 固定下型12に上下に対向配置される可動 型14が上型支持台40により固定支持されてい 。上型支持台40は油圧プレス等の第1駆動装 20に連結されて上下移動自在に駆動され、 に半凝固金属の圧縮成形時に下方に押圧駆 させるものであり、これに固定された可動 型14が同期して上下動し、圧縮時に直接に半 凝固金属を圧縮成形する。また、上型支持台 40には下降時に側部型16の切欠き38に当接する 押さえ部材42が固定されている。これによっ 、可動上型14が下降して固定下型上の半凝 金属を圧縮し始め、それと同時あるいはそ 後に、同じ圧力で押さえ部材42が側部型16の 端側を押さえて側部型16をその上昇押圧力 勝って下降させる。

 固定下型12上に載置した半凝固金属18の圧 縮開始時の側部型16の高さ位置は、製品形状 製品の厚み、環壁の高さ、製品のサイズ等 より異なりそれぞれについて流動抵抗も異 ってくるので一概に決定するのは困難であ 、数回の経験的な試行成形が必要である。 のうち、側部型16の下降限位置からの成形 始位置高さを決める要素として、環壁Awを含 む製品Mの本体部Yから突設した部分の体積Vと 製品キャビティを形成した状態での固定下型 と側部型の内側部分との最短距離長さKでの 間の面積Sとの相関がある。この突設部体積V に対しての長さKでの隙間の面積Sとの関係で も半凝固金属の隙間からの流動性が確保し すい範囲をテスト成形により取得し、これ のデータより側部型16の下降限位置L0からの 成形開始位置高さを決めることができる。一 方、圧縮開始時の側部型16の上昇位置、すな ち上下高さ位置が高すぎて面積Sが大きすぎ ても成形時の製品上部側となる製品の本体部 Yに充填量不足や充填圧の偏位を生じて適正 成形性が損なわれる。したがって、この点 ついても、上記のように、環壁Awを含む製品 Mの本体部Yから突設した部分の体積Vと製品キ ャビティを形成した状態での固定下型と側部 型の内側部分との最短距離長さKでの隙間の 積Sとの相関により、テスト成形により最適 範囲を求めて設定される。そして、図6に示 すように、側部型16は、第2駆動装置24により 定下型と側部型の内側部分との最短距離長 Kでの隙間の面積Sを形成する上昇位置L1まで 上昇駆動される。この状態で半溶融状態の半 凝固金属の充分な流動路42を形成させて、可 上型により圧縮開始する。さらに、第1駆動 装置20による可動上型14の下降押圧力P1は第2 動装置24による側部型16の上昇押圧力P2より はるかに大きい(P1>>P2)から(例えば2倍~10 程度)、下降押圧力P1で側部型16を下降押圧 せて周側部を規定しながら上型14で圧縮し、 最終的に下降限位置L0で停止させ最終圧を加 て圧縮を完了させる。

 次に、本実施形態の作用について説明す 。半凝固金属の成形に際しては、まず側部 16を第2駆動装置24を駆動させて上昇させ、 止させる。この側部型16の上昇位置は、数回 の経験的な試行成形により、環壁Awを含む製 Mの本体部Yから突設した部分の体積Vと製品 ャビティを形成した状態での固定下型と側 型の内側部分との最短距離長さKでの隙間の 面積Sとの相関を要素として決定すると良い この状態で、図1のような予め半溶融状態の レフォームによる扁平円盤体の半凝固金属 固定下型12上に載置する。このとき、該半 固金属18の周側部は側部型16の内周壁面によ 規定されている。この状態では、隙間(S)が 部型16と固定下型12との間に形成されている から、これが半溶融金属の流動路として充分 な開口となる。この状態から第1駆動装置20を 介して可動上型14を押圧下降させ、半凝固金 を圧縮させると、固定下型12と側部型16の内 側部分との開口から圧送されて円滑に環壁Aw に進入する。一方、第1、第2駆動装置20、24 駆動により、可動上型14の下降押圧力P1は側 部型16の上昇押圧力P2よりもはるかに大きい(P 1>>P2)から(例えば10倍程度)、下降押圧力P1 が上昇押圧力P2に勝って強制的に側部型16を し下げる。この押し下げ途中で半凝固金属18 は可動上型14と固定下型12との加圧面により 接されて、例えば図4、図7の下降途中位置L2 の状態のように、断面長さがKに等しい流動 路Pfから固定下型12と側部型16の内面との間に 円滑に進入する。この途中でも可動上型14に る圧縮は維持し続けられ経時的に可動上型1 4の下端加圧面と固定下型12の上端加圧面との 距離は接近する。このように、成形空隙の変 化と圧縮を同時に行わせる。そして、図5、 8のように最終的に側部型ベース36が下型ベ ス28に当着して停止し、その状態でさらに充 分な加圧圧縮を行うことにより製品キャビテ ィ22内の成形品の隅々まで万遍のないかつ均 な金属の充填が行われ、良好な成形性を保 することができる。

 次に、図9ないし図16により、本発明の第2 実施形態の半凝固金属製品の成型金型構造10- 2について説明するが、第1実施形態と同一部 には同一符号を付し、その詳細な説明は省 する。

 第2実施形態の金型構造10-2が、第1実施形 と異なる点は、側部型16は、横方向に水平 動する複数のスライド割型50A、50Bを含み、 れぞれのスライド割型は横方向駆動装置と てのシリンダ装置に連結されて可動上型14に よる半凝固金属18の圧縮開始位置に向けて進 自在に進出駆動され、成形終了後は側部型1 6を横方向に移動させて型を開くことができ ことである。

 詳細には、図10に示すように側部型16は、 固定下型上の半凝固金属と対面する側に製品 外形の半割れ凹部51を形成した2個のスライド 割型50A、50Bを含み、これらのスライド割型50A 、50Bのそれぞれはシリンダ装置56に連結支持 れている。そして、第2駆動装置のジャッキ の4本の上昇押圧ピン52で上下駆動させ、該ピ ン52の上端部に固定された側部型ベース54は る程度の広さの面積を有する厚板部材から 成され、さらにその側部型ベース54上を断面 縦形の2個のスライド割型50A、50Bがシリンダ 置56を介して半凝固金属18に向けて進退自在 進出駆動される。2個のスライド割型50A、50B は、側部型ベース54上に水平方向に摺動自在 載置され、案内されて直線状に側部型ベー 上を移動する。例えば、このシリンダ装置5 6は第1、第2駆動装置20,24とともにタイミング 取りながら予め設定されたシーケンサやプ グラムにより制御装置を介して駆動される スライド割型50A、50Bはシリンダ装置の駆動 ッド58に固定されており、第2駆動装置の上 動に同期して同スライド割型ならびにシリ ダ装置が上下動する。

 この第2実施形態では、成形される製品は 図11に示すように、環壁Awの下端からさらに 方に向けて突出するフランジFを有している このような複雑な製品形状の場合にはフラ ジ部分までの半凝固金属製品の流動長はさ に長くなり、また、抵抗も大幅に増加する しかしながら、上記の第1実施形態と同様の 側部型の圧縮開始位置設定と、下降時の圧縮 と、最終圧縮により、良好な成形性を得るこ とができる。

 第2実施形態では第1実施形態と同様に、 えば、環壁Awを含む製品Mの本体部Yから突設 た部分の体積Vと製品キャビティを形成した 状態での固定下型と側部型の内側部分との最 短距離長さKでの隙間の面積Sとの相関を要素 して決定された側部型の上昇高さ位置に上 停止させ、プレフォームした半凝固金属製 を固定下型上に載置し、図10矢示aのように スライド割型50A、50Bを圧縮開始位置に向け 進出させ、図9のように開始準備状態とする 。なお、このとき、側部型16の最適な下降限 置からの上昇位置に設定される点も第1実施 形態と同様である。適性でかつ充分に大きな 開口の流動路Pfを得て可動上型14の下降圧縮 開始すると円滑に製品の環壁Aw対応部分から フランジ部F対応部分に流動していく(図12、 15参照)。この途中でも可動上型14の下降押圧 力により固定下型12側に向けて近接移動し続 、圧縮作用が維持される。このとき、可動 型14の下降押圧力P1は側部型16の上昇押圧力P 2よりもはるかに大きい(P1>>P2)から(例え 2倍~10倍程度)、下降押圧力P1が上昇押圧力P2 勝って強制的に側部型16を押し下げ、製品の 周側部規定を維持させる。そして、図13、図1 6のように最終的に側部型ベース54が下型ベー ス28に当着して停止し、その状態でさらに充 な加圧圧縮を行うことにより製品キャビテ 60内の成形品の隅々まで万遍のないかつ均 な金属の充填が行われ、良好な成形性を保 することができる。そして、成形完了後、 動上型14を上昇離開させ、シリンダ装置56の 動ロッド58を退縮させることにより製品端 の側部側のコ字型の製品部分から側部型16を 離脱させることができる。図17は、第2実施形 態の成形構造における上下金型の位置と圧力 の経時変化による変位状態を示した図である 。

 また、上記の実施形態の半凝固金属の成 金型構造を用いた成形方法としては、固定 型と、固定下型上の半凝固金属に向けて押 下降動作する可動上型と、製品の側部を規 し、かつ、上下動自在に設けられた側部型 、を用意し、可動上型の押圧下降時に固定 型上に載置した半凝固金属の流動路となる 部型と固定下型との間に十分な隙間を形成 るように、側部型を押圧上昇させた位置で 動上型による半凝固金属の圧縮を開始し、 の後の側部型の上昇押圧力に勝る可動上型 下降押圧により半凝固金属を成形すること 良好な成形品を得ることができる。

 次に、本発明の半凝固金属製品の成形金 構造による成形の実施例を示す。前記した 施形態のうち、第2実施形態の複数のスライ ド割型を有するタイプの金型構造について、 側部型の上昇位置をクリアランスLとして変 させて、投入する半凝固金属材料が2kgと4.5kg それぞれについて成形し、それらの成形状況 を比較した。

 表1は、AC4CH相当合金、AC2B相当合金の半凝固 金属18を用いて成形したものである。表1で用 いた半凝固金属は電磁攪拌で作成した円柱状 の材料をプリフォームした半凝固金属材を用 いた。鋳込み製品としては二輪自動車のハブ を想定して形状を簡略化したスライド型50に る鼓形状に成形した。テストに用いた金型 温度は220℃~290℃であり、成形前に上下金型 14,12と側部型16で形成されるキャビティ表面
断熱性を有する雲母系水溶性型離剤を塗布し た。使用した加圧成形マシンは、ハブを想定 した半凝固金属材2kgの場合、可動上型14の型 め力500トン、第2駆動装置による側部型の上 昇押圧力120トンを使用した。ホイールを想定 した半凝固金属材4.5kgの場合、可動上型14の 締め力1200トン、側部型の上昇押圧力120トン 使用した。

 表1の成形例において、No.1,No.5の例では、 クリアランスLが0の状態のままで成形したた 、側部型16は最下降限位置の状態で側部型 内側と固定下型12との間が狭く、半凝固金属 18の充分な流動断面積が形成されないから、 形途中で固定下型と側部型との隙間を抜け 形成される製品フランジF部分への流動性が 確保されず、いずれも製品形状の成形不良が 発生した。No.4,No.10の成形例では、側部型の 昇押圧力により側部型16は可動上型14に近い さ位置で成形され、半凝固金属18の流動断 積が大きく、初期の材料の流れ性は良好で り、例えば図12、図15の下降成形途中での下 フランジ部Fまでの流動性が向上したがいず れも製品上部外周フランジ部に材料の流れる ときに生じるエアーの巻き込みが発生し、内 部欠陥となった。No.3,No.7、No.8の成形例では 側部型の上昇押圧力により側部型16は適正な 上下高さ位置に保持され、半凝固金属18の流 断面積が大きく、初期の材料の流れ性及び 形途中の可動下型と側部型の隙間(成形品の 肉厚部分)及び、下型フランジ部Fまでの流動 が確保され、さらにその間の可動上型14と 定下型12による圧縮が維持され、加えて側部 型が最下降限位置に着底した状態での最終圧 で内部に充分に圧力がかかり、外観及び内部 品質ともに良好な製品が得られた。これによ って、側部型の上型との同期下降動により良 好な成形性確保と、成形空隙変形と、圧縮成 形とを同時に行うことにより、複雑な形状の 製品についても確実に半凝固金属による成形 が可能であることが確認された。