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Patent Searching and Data


Title:
SHRINK LABEL WITH HOLOGRAM LAYER AND LABELED VESSEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011256
Kind Code:
A1
Abstract:
A shrink label having a hologram layer. The hologram layer suffers no shrinkage blushing even through shrinking processing accompanied by a relatively large shrinkage amount. The label hence has excellent shape conformability even to adherends having complicated shapes. It simultaneously has excellent hologram display properties. The shrink label is characterized by comprising a shrink film and a hologram layer formed on at least one side of the film by curing a radical-curable resin composition by the action of actinic energy rays, the composition comprising an acrylic monomer and a urethane acrylate having a functionality of 2 or higher in amounts of 45-95 wt.% and 5-55 wt.%, respectively, based on the sum of the acrylic monomer and the urethane acrylate.

Inventors:
HIKIDA EIJI (JP)
HAGA AKIKO (JP)
OHSHIKA TOMOTAKA (JP)
SHINTANI AKIRA (JP)
MIYAZAKI AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062389
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJI SEAL INT INC (JP)
HIKIDA EIJI (JP)
HAGA AKIKO (JP)
OHSHIKA TOMOTAKA (JP)
SHINTANI AKIRA (JP)
MIYAZAKI AKIRA (JP)
International Classes:
G09F3/04; B65D23/08; B65D25/36; B65D53/04; B65D65/40; B65D71/08; C08F290/06; G09F3/02
Foreign References:
JP2003177672A2003-06-27
JP2003162205A2003-06-06
JP2006045317A2006-02-16
JP2006159901A2006-06-22
JP2006335409A2006-12-14
Attorney, Agent or Firm:
GOTO, Yukihisa (2-18 Kobai-cho Kita-ku, Osaka-shi Osaka 38, JP)
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Claims:
 シュリンクフィルムの少なくとも片面に、アクリル系モノマーと2官能以上のウレタンアクリレートの合計量に対して、アクリル系モノマー45~95重量%及び2官能以上のウレタンアクリレート5~55重量%を含む活性エネルギー線ラジカル硬化性樹脂組成物を硬化させて形成されたホログラム層を有することを特徴とするシュリンクラベル。
 前記シュリンクフィルムの主配向方向の熱収縮率(70℃温水中、10秒)が10~30%、主配向方向の熱収縮率(80℃温水中、10秒)が30~70%である請求項1に記載のシュリンクラベル。
 シュリンクラベルの主配向方向の収縮速度(80℃、温水中)が1~20%/0.2秒である請求項1または2に記載のシュリンクラベル。
 シュリンクラベルの主配向方向の収縮応力(80℃温水に試験片の80%を10秒間浸漬した場合の収縮応力)が1.0~6.0N/mm 2 である請求項1~3のいずれかの項に記載のシュリンクラベル。
 筒状シュリンクラベルである請求項1~4のいずれかの項に記載のシュリンクラベル。
 請求項1~5のいずれかの項に記載のシュリンクラベルを、容器に装着し、収縮、密着させてなるラベル付き容器。
Description:
ホログラム層を有するシュリン ラベルおよびラベル付き容器

 本発明は、ホログラム層を有するシュリ クラベルに関する。更に詳しくは、比較的 形量の大きな収縮処理を施した際にも、鮮 なホログラム表現が可能なシュリンクラベ に関する。また、該シュリンクラベルを装 してなるラベル付き容器に関する。

 現在、意匠性の付与や偽造防止の目的な で、ホログラムを有するラベル(ホログラム ラベル)が用いられている。従来、ホログラ ラベルとしては、紙や非収縮性のプラスチ クフィルムにホログラム箔を貼り合わせ、 たは転写した巻き付けラベルやタックラベ が一般的であった。しかし、これらのラベ では、凹凸のある複雑な形状の被着体(PETボ ルなど)には、形状にそって密着させること が困難であるという課題を有していた。

 一方、熱収縮性の基材を用い、被着体と フィット性を向上させたホログラムラベル 知られている(特許文献1~3)。しかし、これ のラベルも粘着剤層を有する巻き付けラベ であり、乾電池などの上下端の形状にフィ トするように収縮変形するに過ぎず、ホロ ラムが設けられた部分である胴部はほとん 収縮しないものであった。

 即ち、複雑なボトル形状に沿って装着で るようなシュリンクフィルム(特に筒状シュ リンクラベル)にホログラムを施したホログ ムラベルは未だ得られていないのが現状で る。

特開2003-177672号公報

特開2003-330351号公報

特開2004-230571号公報

 本発明者らは、これら従来のホログラム ベルを、ボトル形状に追従させる用途であ 、収縮量の大きな、いわゆる筒状シュリン ラベルなどに適用することを試みたところ ホログラム層が収縮に追従せず、収縮白化 るなどの問題が生じることがわかった。一 、従来の筒状シュリンクラベルに用いられ いる、収縮加工追従性の良好なインキ(例え ば、国際公開第2007/007803号参照)をホログラム ラベルに用いた場合には、収縮加工によりホ ログラムが消失する問題が生じることがわか った。

 即ち、本発明の目的は、比較的収縮量の きな筒状シュリンクラベルに用いた場合に 、ホログラムを表現でき、なおかつ優れた 縮追従性を有するシュリンクラベルを提供 ることにある。また、該シュリンクラベル 装着した、ホログラムを有するラベル付き 器を提供することにある。

 本発明者らは、上記目的を達成するため 意検討した結果、ホログラム層を、特定の 脂組成からなる樹脂組成物から形成するこ により、比較的変形量の大きな収縮加工に しても追従性が良好で、なおかつ収縮加工 にも明瞭なホログラムを表現できるシュリ クラベルを得ることができることを見出し 本発明を完成した。

 すなわち、本発明は、シュリンクフィル の少なくとも片面に、アクリル系モノマー 2官能以上のウレタンアクリレートの合計量 に対して、アクリル系モノマー45~95重量%及び 2官能以上のウレタンアクリレート5~55重量%を 含む活性エネルギー線ラジカル硬化性樹脂組 成物を硬化させて形成されたホログラム層を 有することを特徴とするシュリンクラベルを 提供する。

 さらに、本発明は、前記シュリンクフィ ムの主配向方向の熱収縮率(70℃温水中、10 )が10~30%、主配向方向の熱収縮率(80℃温水中 10秒)が30~70%である前記のシュリンクラベル 提供する。

 さらに、本発明は、シュリンクラベルの 配向方向の収縮速度(80℃、温水中)が1~20%/0.2 秒である前記のシュリンクラベルを提供する 。

 さらに、本発明は、シュリンクラベルの主 向方向の収縮応力(80℃温水に試験片の80%を1 0秒間浸漬した場合の収縮応力)が1.0~6.0N/mm 2 である前記のシュリンクラベルを提供する。

 さらに、本発明は、筒状シュリンクラベ である前記のシュリンクラベルを提供する

 さらに、本発明は、前記のシュリンクラ ルを、容器に装着し、収縮、密着させてな ラベル付き容器を提供する。

 本発明のシュリンクラベルは、比較的大 な収縮量の収縮加工を行った際にも、ホロ ラム層の収縮白化がなく、またホログラム 消失もない。このため、複雑な形状の被着 に対しても、優れた形状追従性と明瞭なホ グラム表現を両立しうる。従って、PETボト などに用いられるラベルとして特に有用で る。

 以下、本発明の実施の形態について詳細 説明する。

 本発明のシュリンクラベルは、シュリン フィルムの少なくとも片面にホログラム層 有する積層構造を有する。ただし、上記ホ グラム層はシュリンクラベル全面に設けら ている必要はなく、一部にシュリンクフィ ム/ホログラム層の積層構造を有していれば よい。なお、上記シュリンクフィルムとホロ グラム層は他の層を介さず直接積層されてい てもよいし、接着層、アンカーコート層等の 他の層を介して積層されていてもよい。また 、上記各層は、いずれも単層であってもよい し、2層以上からなる層であってもよい。

[ホログラム層]
 本発明のシュリンクラベルにおけるホログ ム層は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成 を硬化させることにより形成される。ホロ ラム層を形成する樹脂組成物が、活性エネ ギー線硬化性であることにより、熱硬化性 場合と異なり、シュリンクフィルムなどの により変形させて用いる基材にも好適に用 られる。活性エネルギー線の中でも、特に 外線硬化性、近紫外線硬化性であることが ましい。好ましい吸収波長は200~460nmである なお、本願にいう樹脂組成物とは、「樹脂 形成するための組成物」の意味を含むもの する。

 上記ホログラム層を形成する活性エネル ー線硬化性樹脂組成物は、収縮加工に対し 良好な追従性を発揮する観点から柔軟性を 要とし、一方、収縮加工後においても、ホ グラムを維持するためには、形状保持の為 硬さを必要とする。これら、柔軟性と剛性 バランスを満足し、本発明のシュリンクラ ルに用いることが可能な活性エネルギー線 化性樹脂組成物は、アクリル系モノマー及 2官能以上のウレタンアクリレートからなる ラジカル重合性(ラジカル硬化性)の樹脂組成 である。

(ラジカル硬化性樹脂組成物)
 本発明のシュリンクラベルにおけるホログ ム層を形成する、活性エネルギー線ラジカ 硬化性樹脂組成物(以下、「ラジカル硬化性 樹脂組成物」と称する)は、アクリル系モノ ー及び2官能以上のウレタンアクリレートを 須成分として構成される。

 上記ラジカル硬化性樹脂組成物に用いられ アクリル系モノマーは、公知慣用のアクリ 系紫外線硬化性インキ(UVインキ)のモノマー 成分として用いられるものであり、特に限定 されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチ 、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル 酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル (メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸 イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メ )アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ シル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア リル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸 イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ )アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸 アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル 酸C 1-12 アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸、ク トン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン などのカルボキシル基含有重合性不飽和化 物又はその無水物;2-ヒドロキシメチル(メタ) アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ) クリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)ア リレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アク リレート、ジエチレングリコールモノ(メタ) クリレート、ジプロピレングリコールモノ( メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含 (メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ) アクリル酸ヒドロキシC 1-8 アルキルエステル等]などが挙げられる。

 また、上記のほか、必要に応じて、(メタ )アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アク リル酸シクロアルキルエステル;N-メチロール (メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メ )アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリ ルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド などの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチ ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチ アミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロ ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチ ルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプ ピルアミノプロピル(メタ)アクリレートな の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキ ルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、α -メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢 ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル ステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニ ル;メチルビニルエーテルなどのビニルエー ル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ 含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンな のオレフィン類やジエン類などの重合性不 和化合物を単量体成分として用いることも きる。

 なお、本発明においては、2官能以上のウ レタンアクリレートは上記アクリル系モノマ ーには含まないものとする。1官能のウレタ アクリレートは、アクリル系モノマーとし 含まれていてもよい。

 上記アクリル系モノマーは、市販品を用 ることも可能であり、例えば、東洋インキ 造(株)製「FD TC OPニス VC」、(株)T&K TOKA 製「UVフレキソニス FV-2」、「UV LTP FL OPニ 」等のアクリル系モノマーを含むインキ等 用いてもよい。

 上記ラジカル硬化性樹脂組成物は、2官能 以上のウレタンアクリレート(ウレタンメタ リレートを含む)を必須成分として含む。上 ウレタンアクリレートは、1分子中に(メタ) クリロイル基を2以上有することが必要であ り、(メタ)アクリロイル基の個数は、好まし は2~4であり、より好ましくは2である。ウレ タンアクリレートは、ポリオール成分、イソ シアネート成分、アクリレート成分から構成 される化合物である。

 上記アクリレート成分は、ヒドロキシル 含有(メタ)アクリレートであり、具体的に 、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2 -ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒ ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒド ロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒド キシヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げ られる。

 上記イソシアネート成分としては、芳香 、脂肪族及び脂環族の公知のジイソシアネ ト類の1種又は2種以上の混合物を用いるこ ができる。ジイソシアネート類の具体例と て、例えば、トリレンジイソシアネート、4, 4-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フ ェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレン ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ ート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、イ ホロンジイソシアネートなどが挙げられる また、必要に応じて3官能以上のポリイソシ ネート類やポリイソシアネートアダクト体 上記ジイソシアネートと混合して用いるこ もできる。

 前記ポリオール化合物としては、エチレ グリコール、ジエチレングリコール、1,3-プ ロパンジオール、プロピレングリコール、ブ タンジオール(1,3-ブタンジオール、1,4-ブタン ジオール等)、1,6-ヘキサンジオール、シクロ キサンジメタノールなどの低分子量グリコ ル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピ レングリコール、ポリテトラメチレングリコ ール、ポリテトラメチレングリコール-ポリ プロラクトン共重合体等のポリエーテルジ ール;プロピレングリコール、ブタンジオー 、ヘキサンジオールなどのジオール類とア ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソ タル酸、テレフタル酸、フマル酸などの2塩 基酸類とから得られるポリエステルジオール ;ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレ ラクトンポリオール、ラクトンブロック共 合ポリオールなどのラクトンジオールなど 公知のジオール類を使用できる。また、必 に応じて上記のジオール類と、3官能以上の リオール化合物とを混合して用いることも きる。

 上記ウレタンアクリレートは、市販品を いることも可能であり、例えば、東亞合成( 株)製「アロニックス M-1210」、日本化薬(株) 「KAYARAD UX-6101」、根上工業(株)製「アート ジン UN-9000PEP」等が挙げられる。

 上記ラジカル硬化性樹脂組成物中におけ アクリル系モノマーと2官能以上のウレタン アクリレートの配合比[アクリル系モノマー:2 官能以上のウレタンアクリレート](重量比)は 、95:5~45:55であり、好ましくは85:15~50:50、より 好ましくは75:25~60:40である。アクリル系モノ ーと2官能以上のウレタンアクリレートの合 計量に対して、アクリル系モノマーの配合量 が95重量%を超える場合には、ラジカル硬化性 樹脂組成物の硬化物(硬化皮膜)の柔軟性、収 加工に対する追従性が低下するため、収縮 工の際に「インキ割れ」が生じて、ホログ ム層が白化する。一方、2官能以上のウレタ ンアクリレートの配合量が55重量%を超える場 合には、ラジカル硬化性樹脂組成物の硬化速 度が低下し、生産性が低下する。また、剛性 が低下して、収縮加工の際にホログラムが消 失する、均一に収縮しないなどの問題が生じ る。

 上記ラジカル硬化性樹脂組成物中におけ アクリル系モノマーと2官能以上のウレタン アクリレートの合計の添加量は、特に限定さ れないが、塗工性、硬化性等の観点から、ラ ジカル硬化性樹脂組成物の全量に対して、60~ 99重量%が好ましく、より好ましくは65~96重量% 、さらにより好ましくは70~95重量%である。

 ラジカル硬化性樹脂組成物には、活性エ ルギー線硬化性発現のために、活性エネル ー線重合開始剤(以下、光重合開始剤と称す る)を添加することが好ましい。本発明の光 合開始剤としては、特に限定されないが、 ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカ 重合開始剤としては、特に限定されないが 例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキル ーテル類、ベンジルケタール類、アセトフ ノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニ ケトン、アセトフェノン誘導体、ベンジル ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、α -アシロキシムエステル、チオキサントン誘 体、アントラキノン誘導体、芳香族過酸化 ステル類などが挙げられる。これらは単独 しくは2種以上を混合して使用される。中で 、反応性や相溶性の向上、臭気低減の観点 ら、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル トンが特に好ましい。光ラジカル重合開始 の含有量は、特に限定されないが、樹脂組 物の総重量に対して、0.5~7重量%が好ましく より好ましくは1~5重量%である。

 ラジカル硬化性樹脂組成物には、ホログ ム箔などの転写用ホログラムとの剥離性を 上する観点から、離型剤を添加することが ましい。上記離型剤としては、シリコーン 化合物、フッ素系化合物、長鎖アルキル系 合物などの公知慣用の離型剤を用いること できるが、中でも、シリコーン化合物(シリ コーン系離型剤)が好ましい。上記離型剤の 加量は、アクリル系モノマーと2官能以上の レタンアクリレートの合計量100重量部に対 て、0.1~3重量部が好ましく、より好ましく 0.5~2.5重量部である。離型剤の添加量が0.1重 部未満の場合には、ホログラム箔を転写さ た後、箔と樹脂層(硬化後)との剥離が円滑 行えず、原反切れやホログラムの表現性(シ ープさ)が低下する場合がある。また、添加 量が3重量部を超えると、ラベル表面のオイ が工程に付着し工程汚染の原因となったり 表面が平滑化することによりブロッキング の不具合が発生する場合がある。

 上記離型剤として用いられるシリコーン 化合物は、特に限定されないが、主鎖がシ キサン結合からなるポリシロキサンであり メチル基、フェニル基以外の置換基を有し いストレートシリコーン化合物(ジメチルシ リコーン、メチルフェニルシリコーン、メチ ルハイドロジェンシリコーンなど)であって よいし、側鎖または末端にメチル基、フェ ル基以外の置換基を有する変性シリコーン 合物であってもよい。

 上記変性シリコーンにおける置換基とし は、例えば、エポキシ基、フッ素原子、ア ノ基、カルボキシル基、脂肪族ヒドロキシ 基(アルコール性水酸基)、芳香族ヒドロキ ル基(フェノール性水酸基)、(メタ)アクリロ ル基含有の置換基、ポリエーテル鎖を含有 る置換基などが挙げられる。これらの置換 を有する変性シリコーンとしては、例えば エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリ ーン、アミノ変性シリコーン、(メタ)アク ル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリ ーン、カルボキシル変性シリコーン、カル ノール変性シリコーン、フェノール変性シ コーン、ジオール変性シリコーンなどが例 される。これらの変性シリコーン化合物と ては、例えば、国際公開2007/007803号パンフレ ットに記載の化合物などを用いることが可能 である。

 ラジカル硬化性樹脂組成物中の、反応に 与せず主に分散剤として使用される溶剤の 有量は、5重量%以下であることが好ましく より好ましくは1重量%以下であり、さらに、 実質的に溶剤を含有しないことが最も好まし い。なお、ここでいう溶剤とは、例えば、ト ルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢 酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコ ール、イソプロピルアルコール、シクロヘキ サンなどの有機溶媒や水のことをいい、グラ ビア、フレキソ印刷インキ等では、塗布加工 性やコーティング剤中の各成分の相溶性や分 散性を改良する目的で通常用いられているも のであって、硬化後の樹脂組成物に取り込ま れる反応性希釈剤はこれに含まれない。本発 明に用いられるラジカル硬化性樹脂組成物は 、無溶剤でも、優れた塗布性、成分同士の分 散性を発揮でき、溶剤の量を極めて少なくで きるため、溶媒の除去が不要となり、高速化 、コストダウンがはかれるほか、環境負荷を 少なくすることが可能である。

 ラジカル硬化性樹脂組成物は、顔料成分 含まない透明な樹脂組成物であってもよい 、ホログラム表現性を阻害しない範囲であ ば、着色剤により着色されていてもよい。 記着色剤としては、印刷インキ用途などに 般的に用いられる顔料や染料を用いること でき、特に限定されないが、顔料が好まし 用いられる。顔料としては、有機、無機の 色顔料が使用でき、銅フタロシアニンブル 等の藍(青色)顔料、縮合アゾ系顔料などの 色顔料、アゾレーキ系顔料などの黄色顔料 カーボンブラック、アルミフレーク、雲母( イカ)等が用途に合わせて選択、使用できる 。また、顔料として、その他にも、光沢調製 などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、 硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の 体質顔料も使用できる。上記顔料の添加量と しては、ホログラムの表現性を害しない観点 から、アクリル系モノマーと2官能以上のウ タンアクリレートの合計量100重量部に対し 、1~20重量部が好ましい。

 ラジカル硬化性樹脂組成物には、上記の 分の他にも、その他の機能付与の目的で、 の樹脂成分、増感剤、分散剤、酸化防止剤 香料、消臭剤、安定剤、滑剤等を、本発明 効果を損なわない程度に、添加してもよい

 ラジカル硬化性樹脂組成物の粘度(23±2℃) は、特に限定されないが、例えば、グラビア 印刷により塗工される場合には、10~2000mPa・s 好ましく、より好ましくは20~1000mPa・sであ 。粘度が2000mPa・sを超える場合には、グラビ ア印刷性が低下する場合がある。また、粘度 が10mPa・s未満の場合には、添加剤が沈降しや すくなる等、貯蔵安定性が低下する場合があ る。樹脂組成物の粘度は、各成分の配合比、 増粘剤、減粘剤等によって制御することが可 能である。なお、本明細書中、「粘度」とは 、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板 回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数5 0回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した を意味している。

 一方、フレキソ印刷により塗工される場 には、粘度は、ザーンカップ#3(離合社製)で 10~50秒が好ましい。

 ラジカル硬化性樹脂組成物は、上述のア リル系モノマー、ウレタンアクリレート、 び必要に応じて、光重合開始剤、離型剤や の他の添加剤等を混合して製造する。混合 、バタフライミキサー、プラネタリーミキ ー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タン ミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー どのミキサーや、ロールミル、サンドミル ボールミル、ビーズミル、ラインミルなど ミル、ニーダーなどが用いられる。混合の の混合時間(滞留時間)は10~120分が好ましい 得られた樹脂組成物は、必要に応じて、濾 してから用いてもよい。

 本発明のホログラム層を形成するために いられるラジカル硬化性樹脂組成物の活性 ネルギー線硬化物(樹脂硬化物)は、アクリ 系モノマー成分およびウレタンアクリレー 成分が共重合された構造を有する。このた 、アクリル系モノマーのみからなる樹脂硬 物と比較して、柔軟性、シュリンク加工に する追従性が高く、比較的大きなシュリン 変形に対しても、樹脂硬化物層(ホログラム )の割れ(いわゆる「インキ割れ」)が生じな 。また、アクリル系モノマーとウレタンア リレートの比率を制御することによって、 正な硬度を維持しているため、樹脂硬化物 柔軟になりすぎることにより、シュリンク 工時などに一旦形成させたホログラムが消 することがない。このため、比較的大きく ュリンク変形させるシュリンクラベルに用 ても、収縮白化を生じることなく、なおか 、優れたホログラム表現性を発揮する。

[シュリンクフィルム]
 本発明のシュリンクラベルに用いられるシ リンクフィルムは、ラベルの基材となる層 あり、強度特性や収縮特性等を担う層であ 。シュリンクフィルムに用いられる樹脂は 要求物性、コストなどに応じて、適宜選択 ることが可能であり、特に限定されないが 例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフ ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化 ニル、ポリアミド系樹脂、アラミド、ポリ ミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリ 系樹脂等の樹脂を用いることができる。中 も好ましくは、ポリエステル系フィルム、 リスチレン系フィルム、或いはこれらの積 フィルムである。ポリエステル系樹脂とし は、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹 やポリ(エチレン-2,6-ナフタレンジカルボキ レート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることが でき、中でも好ましくはポリエチレンテレフ タレート(PET)系樹脂である。また、ポリスチ ン系樹脂としては、一般ポリスチレン、ス レン-ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン-ブ タジエン-イソプレン共重合体(SBIS)等が特に ましく例示される。

 本発明のシュリンクフィルムは、単層フ ルムであってもよいし、要求物性、用途な に応じて、複数のフィルム層を積層した積 フィルムであってもよい。また、積層フィ ムの場合、異なる樹脂からなるフィルム層 積層していてもよい。

 本発明のシュリンクフィルムは、シュリ ク特性を発揮する観点から、1軸、2軸また 多軸に配向したフィルムであることが好ま い。シュリンクフィルムが積層フィルムの 合には、積層フィルム中の少なくとも1層の ィルム層が配向していることが好ましい。 てのフィルム層が無配向の場合には、十分 シュリンク特性と発揮できない場合がある シュリンクフィルムとしては、特に1軸また は2軸配向フィルムが用いられることが多く 中でも、フィルム幅方向(ラベル周方向とな 方向)に強く配向しているフィルム(実質的 幅方向に1軸延伸されたフィルム)が一般的に 用いられる。

 本発明のシュリンクフィルムは、溶融製 または溶液製膜などの慣用の方法によって 製することができる。また、市販のシュリ クフィルムを用いることも可能である。シ リンクフィルムの表面には、必要に応じて コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用 表面処理が施されていてもよい。積層構成 シュリンクフィルムを作製する場合、積層 方法としては、慣用の方法、例えば、共押 法、ドライラミネート法などを用いること 可能である。シュリンクフィルムに配向を す方法としては、長手方向(縦方向;MD方向) よび幅方向(横方向;TD方向)の2軸延伸、長手 または、幅方向の1軸延伸を用いる。延伸方 は、ロール方式、テンター方式、チューブ 式の何れの方式を用いてもよい。延伸処理 、70~100℃程度の温度で、必要に応じて長手 向に例えば1.01~1.5倍、好ましくは1.05~1.3倍程 度に延伸した後、幅方向に3~6倍、好ましくは 4~5.5倍程度延伸することにより行う場合が多 。

 本発明のシュリンクフィルムの厚みは、 に限定されないが、10~100μmが好ましく、よ 好ましくは20~80μm、さらに好ましくは30~60μm である。また、本発明のシュリンクフィルム が、上述の中心層と表層部からなる3層積層 ィルムである場合には、中心層と表層部の み比(表層/中心層/表層)は、1/2/1~1/10/1が好ま い。

 本発明のシュリンクラベルに用いるシュ ンクフィルムは、収縮加工の際のホログラ の形状保持とホログラム層の追従性の確保 観点から、比較的収縮応力が小さく、収縮 度は遅い方が好ましい。このような要求を たすシュリンクフィルムとしては、ポリエ テル系樹脂とポリスチレン系樹脂の積層フ ルムが好ましく、中でも、ポリエステル系 脂はホログラム層の密着性が良好でありポ スチレン系樹脂は収縮特性が良好であると う観点から、表層がポリエステル系樹脂、 心層がポリスチレン系樹脂である積層シュ ンクフィルムが特に好ましい。このような ュリンクフィルムは、市場でも入手可能で り、例えば、三菱樹脂(株)「DL」、グンゼ( )「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、 中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム )、シーアイ化成(株)「ボンセット」(ポリス レン系フィルム)、三菱樹脂(株)「エコロー ュ」(ポリ乳酸系フィルム)等が挙げられる。

 本発明に用いられるシュリンクフィルム 主配向方向の熱収縮率(70℃温水中、10秒)は 特に限定されないが、主配向方向が10~30%が ましく、さらに好ましくは15~25%である。ま 。主配向方向の熱収縮率(80℃温水中、10秒) 、特に限定されないが、30~70%が好ましく、 らに好ましくは35~65%である。主配向方向の 収縮率が上記範囲を超える場合には、ホロ ラム層が収縮加工に追従せず、白化を生じ り、ホログラムの表現性が低下する場合が る。また、上記範囲を下回る場合には、被 体の形状に対するラベルの追従性が低く、 器の仕上がりが劣る場合がある。なお、上 主配向方向とは主に延伸処理が施された方 (最も熱収縮率が大きい方向)であり、シュ ンクラベルが筒状シュリンクラベルの場合 は、一般に幅方向である。

 なお、上記主配向方向と直交する方向の 収縮率(80℃、10秒)は、特に限定されないが -3~15%程度が好ましい。

 本発明に用いられるシュリンクフィルム 透明フィルムの場合、その透明度(ヘイズ値 (%):JIS K 7105準拠)は、10未満が好ましく、よ 好ましくは5.0未満、さらに好ましくは2.0未 である。ヘイズ値が10以上の場合には、シュ リンクフィルムを通して印刷を見せる場合に 、印刷が曇り、装飾性が低下することがある 。

[シュリンクラベル]
 本発明のシュリンクラベルは、上記シュリ クフィルム上に、上記ラジカル硬化性樹脂 成物を硬化させてなるホログラム層を形成 ることにより製造される。上記ホログラム の主な形成工程は以下の(i)~(iv)のとおりで る。(i)上記シュリンクフィルム上に、上記 ジカル硬化性樹脂組成物を塗布する。(ii)転 用ホログラムを(i)の樹脂組成物層上に重ね 。(iii)活性エネルギー線により樹脂組成物 を硬化させる(硬化後を「樹脂硬化物層」と する)。(iv)転写用ホログラムを剥離する。 記(i)~(iv)の工程は、生産性の観点からは、塗 布工程と一連の工程で行うことが好ましい。 また、工程速度は、特に限定されないが、20~ 150m/分が好ましく、より好ましくは25~100m/分 ある。

 上記(i)において、樹脂組成物をシュリン フィルムに塗布する方法としては、コスト 生産性、印刷の装飾性などの観点から、グ ビア印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、凸 輪転印刷等が好ましく、中でも、グラビア フレキソ印刷方式が特に好ましい。また、 記塗布工程は、シュリンクフィルムの製造 程中(例えば、未延伸または縦1軸延伸後)に けてもよいし(インラインコート)、フィル 製膜後設けてもよく(オフラインコート)、特 に限定されないが、生産性、また、硬化処理 を含めた加工性の観点から、オフラインコー トが好ましい。

 上記(ii)において、転写用ホログラムとし ては、ロール状のもの、フィルム状のものの いずれを用いてもよいが、簡便性の観点から は、フィルム状のもの(例えば、ホログラム スターフィルムやホログラム箔など)が好ま く用いられる。例えば、ホログラムマスタ フィルムを樹脂組成物層上に重ねる方法と ては、通常のラミネートに使用されるニッ ローラーまたはエア吹き付け等の手法を採 することができる。中でも、重ね合わせ時 ずり応力の発生を抑える観点から、エア吹 付けが好ましい。

 上記(iii)において、樹脂組成物層(未硬化)の 硬化は、紫外線(UV)ランプ、紫外線LEDや紫外 レーザーなどを用いる活性エネルギー線硬 で行う。照射する活性エネルギー線は、樹 組成物の組成によっても異なり、特に限定 れないが、硬化性の観点から、波長が200~460n mの紫外線(近紫外線)が好ましく、また、照射 強度は150mJ/cm 2 ~1000mJ/cm 2 、照射時間は0.1~3秒が好ましい。

 本発明のシュリンクラベルにおいて、ホ グラム層(樹脂硬化物層)は、ラベルの最表 (例えば、最外層や最内層)に設けられること が好ましい。本発明のシュリンクラベルの具 体的な積層構成は、特に限定されないが、例 えば、ホログラム層/フィルム層/印刷層、ホ グラム層/印刷層/フィルム層/印刷層、ホロ ラム層/アンカーコート層/フィルム層/印刷 などが挙げられる。さらに表層のホログラ 層上に部分的に印刷層が設けられていても い。なお、本発明のホログラム層はシュリ クフィルムとの密着性が良好であるため、 ュリンクフィルムの表面上に直接塗工して 優れた効果を発揮するが、これに限定され 、接着層などの他の層を介して設けられて よい。

 本発明のシュリンクラベルにおいて、ホ グラム層の厚みは、特に限定されないが、0 .3~5μmが好ましく、より好ましくは0.5~3μmであ る。ホログラム層の厚みが5μmを超えると硬 不良や収縮不良の原因となる場合があり、0. 3μm未満ではホログラム加工において形成す 凹凸の高さが不足して、加工が安定しない 合がある。

 本発明のシュリンクラベルには、シュリ クフィルム、ホログラム層の他にも、例え 、印刷層を設けてもよい。印刷層は、商品 やイラスト、デザイン、取扱注意事項等を 示するデザイン印刷層や白色の抑え印刷層 どである。印刷層はバインダー樹脂、顔料 および、必要に応じて溶剤を構成成分とし 含有する印刷インキを塗布して形成される( 必要に応じて、乾燥及び/又は硬化を行う)。 記印刷層(単層)厚みは、特に限定されない 、0.1~15μmが好ましく、より好ましくは0.5~10μ mである。印刷層は部分的に設けられていて よく、複数層設けられていてもよい。印刷 の形成方法としては、公知慣用のコーティ グ手法を用いることが可能で特に限定され いが、グラビア印刷やフレキソ印刷などが ましい。なお、上記印刷工程は、特に限定 れないが、ホログラム層形成工程よりも前 行われることが好ましい。なお、ホログラ 層上に部分的に印刷を施す場合はホログラ 層形成工程後に行う。

 本発明のシュリンクラベルには、他にも 保護層、接着層、紫外線吸収層、オーバー ミネート層、アンカーコート層、プライマ コート層、不織布、紙等の層を必要に応じ 設けてもよい。

 本発明に用いられるシュリンクラベルの主 向方向の収縮応力(一次収縮応力)(80℃、温 中)は、1.0~6.0N/mm 2 が好ましく、1.5~5.0N/mm 2 がより好ましい。シュリンクラベルの収縮応 力が6.0N/mm 2 を超える場合には、収縮追従性不足による白 化(インキ割れ)が生じる場合がある。また、1 .0N/mm 2 未満では、シュリンク加工により被着体形状 に十分追従せず、仕上がりが低下する場合が ある。または、インキ皮膜が収縮せず、シワ 、カールなどの収縮不良が発生する場合があ る。なお、上記熱収縮応力(一次収縮応力)は シュリンクラベルの試験片の80%の部分を、8 0℃の温水に10秒浸漬したときに生じる収縮応 力の最大値であり、引張試験機により測定さ れる。

 本発明に用いられるシュリンクラベルの 配向方向の収縮速度(80℃、温水中)は、1~20%/ 0.2秒が好ましく、より好ましくは2~15%/0.2秒で ある。シュリンクラベルの収縮速度が20%/0.2 を超える場合には、収縮追従性不足による 化(インキ割れ)が生じる場合がある。また、 1%/0.2秒未満では、シュリンク加工に時間がか かるため、生産性が低下する。なお、収縮応 力や収縮速度は、用いられるシュリンクフィ ルムにおいてもほぼ同程度の値となる。

 本発明のシュリンクラベルの厚みは、特 限定されないが、10~150μmが好ましく、より ましくは20~120μmである。

 本発明のシュリンクラベルの形態は、筒 ラベル、巻き付けラベル等、特に限定され いが、シュリンク加工における収縮変形量 大きくても美麗なホログラム表現が可能で る本発明の特徴を発揮する観点からは、筒 のシュリンクラベル(筒状シュリンクラベル )が好ましい。本発明における樹脂組成物以 の、一般的な活性エネルギー線硬化性樹脂 成物を用いてホログラム層を形成する場合 は、比較的収縮変形量が小さい巻き付けラ ルには用いることができるものもあるが、 状ラベルに用いることはできない。

[その他の加工]
 本発明のシュリンクラベルが筒状シュリン ラベルとして用いられる場合、本発明のシ リンクラベルは、主配向方向(通常、シート 幅方向)がラベルの円周方向となるように円 状に成形される。具体的には、長尺状のシ リンクラベルを筒状に形成した後、一方の 縁部に、長手方向に帯状に約2~4mm幅で、テト ラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下 溶剤等)を内面に塗布し、該溶剤等塗布部を 他方の側縁部から5~10mmの位置に重ね合わせ 外面に接着(センターシール)し、長尺筒状シ ートの連続体を得る。なお、シュリンクラベ ルの上記の溶剤などを塗工する部分(センタ シール部)には、ホログラム層や印刷層が施 れず、基材(シュリンクフィルム)同士が接 されていることが好ましい。

 また、本発明のシュリンクラベルに、ラ ル切除用のミシン目を設ける場合は、所定 長さ及びピッチのミシン目を長手方向に形 する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲 に切断部と非切断部とが繰り返し形成された 円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを 用いる方法等)により施すことができる。ミ ン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、 状加工工程の前後など、適宜選択ことがで る。なお、ミシン目は、ホログラム層上に けることも可能であるが、ホログラム層が 層されていない基材(シュリンクフィルム)部 分に設けることが好ましい。

[ラベル付き容器]
 本発明のシュリンクラベルを、容器に装着 ることにより、ラベル付き容器が得られる 該ラベル付き容器に用いられる容器には、 えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボ ル、宅配用牛乳瓶、調味料などの食品用容 、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、 剤、スプレーなどの化学製品の容器などが まれる。容器の材質は、特に限定されない 、PETなどのプラスチック、紙などが好まし 。容器の形状は、特に限定されないが、円 状や角形のボトルタイプが好ましい。

 上記容器への装着方法としては、特に限 されないが、例えば、筒状シュリンクラベ の場合、長尺筒状のシュリンクラベルを切 後、所定の容器に装着し、加熱処理によっ 、ラベルを収縮、容器に追従密着させるこ によってラベル付き容器を作製する。具体 には、長尺筒状シュリンクラベルを、自動 ベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給 、必要な長さに切断した後、内容物を充填 た容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネル スチームトンネルを通過させたり、赤外線 の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密 させて、ラベル付き容器を得る。本発明の ュリンクラベルは、熱風(60~300℃)による収縮 も可能であるが、特に均一にかつ比較的緩や かに収縮させることが好ましいため、収縮方 法は水蒸気(スチーム)によることが好ましい また、加熱処理温度としては、例えば、60~1 00℃が好ましく、より好ましくは65~95℃であ 。上記容器への装着に際しては、シュリン ラベルにおけるホログラム層が形成された 分(ホログラム形成部)は、3~25%程度熱収縮し 容器に装着することが好ましく、より好ま くは5~20%である。

[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)熱収縮率(70℃温水中/10秒)、熱収縮率(80℃ 水中/10秒)
 以下においては、熱収縮率(70℃温水中、10 )の測定方法を示す。熱収縮率(80℃温水中、1 0秒)の測定の場合には、下記の温水の温度を7 0℃から80℃に変更すればよい。
 シュリンクフィルムから、50mm(主配向方向) 50mm(主配向方向と直交方向)の正方形のサン ル片を作製した。
 サンプル片を70℃の温水中で、10秒熱処理( 荷重下)し、熱処理前後のサンプルの寸法(幅 方向)を読み取り、以下の計算式で熱収縮率 算出した。試験回数5回の平均値を収縮率と た。
 なお、実施例、比較例のシュリンクフィル (シュリンクラベル)の主配向方向は幅方向 ある。
 熱収縮率(%) = (L 0 -L 1 )/L 0 ×100
 L 0  : 熱処理前のサンプルの寸法(主配向方向)
 L 1  : 熱処理後のサンプルの寸法(L 0 と同じ方向)
 上記は、主配向方向の熱収縮率の算出方法 示すが、主配向方向と直交方向の熱収縮率 算出する場合には、寸法の測定方向を主配 方向と直交方向に変更すればよい。
 主配向方向が不明の場合には、例えば、10° ごとに方向を変更して熱収縮率を測定し、最 も収縮率の大きな方向を主配向方向とするこ とができる。

(2)収縮応力(80℃温水中)
 実施例及び比較例で作製したシュリンクラ ルより、主配向方向に200mm、主配向方向と 交する方向に15mmの略矩形のサンプル片を採 し、上記主配向方向が引張方向となるよう サンプル片を引張試験機(島津製作所製、「 オートグラフAGS-50G」、ロードセル500N)のチャ ックにチャック間距離100mmの状態でセットし チャック間距離を100mmに保持した状態で、80 ℃の温水に10秒間、チャック間100mmのうち、 から80mmの部分まで浸漬し、そのときに生じ 収縮応力(N/mm 2 )を測定し、その最大値をもって収縮応力(一 収縮応力)とした。

(3)収縮速度(80℃温水中)
 実施例及び比較例で作製したシュリンクラ ルより、主配向方向に100mm、主配向方向と 交する方向に5mmの短冊状サンプル片を採取 、測定に用いた。
 上記サンプル片を80℃の温浴に浸漬した際 主配向方向の寸法(初期測定長:88mm)の時間変 を測定(サンプリング時間:0.1秒)し、熱収縮 の時間変化を算出した。連続する3点の測定 点の熱収縮率から熱収縮率の時間に対する変 化率(単位:%/0.2秒)を算出し、その最大値をも て、「収縮速度(80℃温水中)」とした。

(4)表面硬化性(初期タック性)
 実施例、比較例で、樹脂組成物層に紫外線 化処理(紫外線照射工程速度:70m/分)を施した 直後に、樹脂硬化物層表面を指で触り、指に 未硬化の樹脂組成物がつくかどうかを目視に て観察し、指に樹脂組成物が付かない場合は 表面硬化性良好(○)、指に樹脂組成物が付く 合は表面硬化性不良(×)と判断した。

(5)密着性(テープ剥離試験)
 碁盤目のクロスカットを入れない以外は、J IS K 5600に準じて、試験を行った。実施例、 較例で得られたシュリンクラベルのホログ ム層側の表面に、ニチバンテープ(幅18mm)を り付け、90度方向に剥離し、5mm×5mmの領域に おいて、ホログラム層の残存した面積を観察 し、下記の基準で密着性(接着性)を判断した
90%以上       :  密着性良好(○)
80%以上、90%未満 :  密着性はやや不良であ が使用可能なレベル(△)
80%未満       :  密着性不良(×)

(6)収縮白化試験(加工追従性)
(熱収縮処理)
 実施例、比較例で得られたシュリンクラベ から、主配向方向(ラベルの幅方向)を長さ 向として、サンプル長さ100mm(サンプル幅50mm) の短冊状サンプル片を採取した。
 上記サンプルの長さ方向の両端(100mm間隔)を 、80mm間隔に固定できる治具に固定した(熱処 前はたるんだ状態である)。上記治具に両端 を固定したサンプルを、90℃の温水に10秒間 漬して熱処理し、サンプルを20%熱収縮させ 。
(評価)
 上記熱収縮処理後のサンプルを以下の基準 評価した。
 サンプルが白化しない  : 加工追従性良好 (○)
 サンプルが若干白化する : 使用可能なレ ル(△)
 サンプルが白化した   : 加工追従性不良( ×)

(7)ホログラム表現性
 実施例、比較例で得られたシュリンクラベ を、上記収縮白化試験と同様の方法で、10% 20%熱収縮させた後、目視にて図柄を確認し 以下の基準で評価した。
 なお、10%熱収縮させる場合には、収縮白化 験の熱収縮処理における治具の間隔を90mmに 変更した。
 光学干渉による図柄がはっきりと観察され    : ホログラム表現性良好(○)
 光学干渉による図柄は観察されるが、輝度 低い : 使用可能なレベル(△)
 光学干渉による図柄がはっきりと観察でき い  : ホログラム表現性不良(×)

 以下に、実施例に基づいて本発明をより 細に説明するが、本発明はこれらの実施例 より限定されるものではない。なお、実施 、比較例における樹脂組成物における成分A と成分Bの配合(重量比)、樹脂組成物およびシ ュリンクラベルの評価結果を表1に示す。

 実施例1
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
 T&K TOKA(株)製、商品名「UV LTP FL OPニス (アクリル系モノマー95重量%、ラジカル系光 重合開始剤、剥離剤を含有するインキ)と、 亞合成(株)製、商品名「アロニックス M-1210 (アクリル系モノマー35重量%、2官能性ウレ ンアクリレート65重量%含有)を、アクリル系 ノマー(成分Aとする)と2官能性ウレタンアク リレート(成分Bとする)が表1に示した重量比 なるように配合し(「UV LTP FL OPニス」/「ア ロニックス M-1210」を90/10(重量比)で配合)、 ジカル硬化性樹脂組成物を得た。なお、溶 は使用しなかった。
(シュリンクフィルム)
 基材となるシュリンクフィルムとして、表 がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチ ン系樹脂である積層シュリンクフィルム(三 菱樹脂(株)製「DL」、厚み:40μm、熱収縮率(70 、10秒):20.3%、熱収縮率(80℃、10秒):37.1%)を用 た。
(シュリンクラベル)
 上記ラジカル硬化性樹脂組成物を、卓上グ ビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「G RAVO PROOF MINI」)および80線、版深27μmのグラ ア版を用いて、上記シュリンクフィルムの 面に全面グラビア印刷(樹脂組成物層厚み:3μ m)を施した。
 次いで、転写用ホログラム箔(日本コーバン (株)、商品名「ホログラム透明OPPラミネート フィルム」)を上記樹脂組成物層上に重ねた 。続いて、樹脂組成物層を塗工した面側から 、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ ジャパン(株)製、商品名「LIGHT HAMMER 10」:出 100%、Dバルブ)を用いて、コンベア速度70m/分 、240W/cmの条件で光照射を行い、樹脂組成物 を硬化させた。その後、転写用ホログラム を剥離し、ホログラム層を有するシュリン ラベル(収縮速度(80℃温水中):5.6%/0.2秒、収縮 応力(80℃温水に試験片の80%を10秒間浸漬した 合の収縮応力):4.7N/mm 2 )を得た。
 なお、上記において、工程速度は50m/分(印 工程)、70m/分(硬化工程)、50m/分(ホログラム のラミネート、剥離工程)であった。
 上記で得られたシュリンクラベル(ラベル厚 み:42μm、ホログラム層厚み:2μm)に対して、表 面硬化性(初期タック性)、密着性(テープ剥離 )、加工追従性(収縮白化試験)、ホログラム表 現性を評価した。
 表1に示すように、得られた樹脂組成物およ びシュリンクラベルは、優れた特性を有して いた。

 さらに、上記で得られたシュリンクラベ をホログラム層側が(外側)となり、且つ、 ィルムの幅方向が円周方向となるように筒 に丸めて、テトラヒドロフラン(THF)でセンタ シールし、筒状シュリンクラベルを得た。最 後に、上記筒状シュリンクラベルを、容器( 洋製罐(株)製500ml耐熱角形PETボトル)に装着し 、ホログラム形成部が5~15%収縮されるように て、雰囲気温度90℃のスチームトンネルで 熱収縮して、ラベル付き容器を得た。得ら たラベル付き容器は優れた仕上がりであっ 。

 実施例2~5
 表1に示すように、成分Aと成分Bの重量比を 更した以外は、実施例1と同様にして、ラジ カル硬化性樹脂組成物およびシュリンクラベ ルを得た。なお、実施例2~5のシュリンクラベ ルは、実施例1のシュリンクラベルとほぼ同 収縮速度(80℃温水中)と収縮応力(80℃温水に 験片の80%を10秒間浸漬した場合の収縮応力) あった。
 表1に示すように、得られた樹脂組成物およ びシュリンクラベルは、優れた特性を有して いた。また、実施例1と同様にして、ラベル き容器を作製したところ、得られたラベル き容器は優れた仕上がりであった。

 比較例1
 表1に示すように、成分Bを用いない以外は 実施例1と同様にして、ラジカル硬化性樹脂 成物およびシュリンクラベルを得た。
 表1に示すように、得られたシュリンクラベ ルは、特性の劣るものであった。

 比較例2
 表1に示すように、成分Aと成分Bの重量比を 更した以外は、実施例1と同様にして、ラジ カル硬化性樹脂組成物およびシュリンクラベ ルを得た。
 表1に示すように、得られた樹脂組成物およ びシュリンクラベルは、特性の劣るものであ った。

 なお、実施例および比較例において、成 Aと成分Bの重量比の変更は、T&K TOKA(株) 、商品名「UV LTP FL OPニス」と、東亞合成( )製、商品名「アロニックス M-1210」の配合 を変更することによって行った。また、必 に応じて、ラジカル系光重合開始剤((株)チ ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名 IRGACURE 184」を、添加量を調整して添加した 。

 本発明は、比較的変形量の大きな収縮処 を施した際にも、鮮明なホログラム表現が 能であり、ホログラム層を有するシュリン ラベルやシュリンクラベルを装着してなる ベル付き容器に用いることができる。