Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SILVER NANOWIRES, PRODUCTION METHOD THEREFOR, SILVER NANOWIRE-CONTAINING REACTION SOLUTION, AND SILVER NANOWIRE DISPERSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175255
Kind Code:
A1
Abstract:
[Problem] To provide silver nanowires that have an extremely narrow mean diameter and are advantageous for reducing haze in a transparent conductive film using silver nanowires as conductive material. [Solution] The invention provides silver nanowires wherein the mean diameter is less than 20.0 nm, the mean aspect ratio AM defined by formula (1) is 100 or greater, the coefficient of variation CV for the diameter is 15.0% or less, and a polymer having a vinyl pyrrolidone structure unit is adhered on the surfaces thereof. AM=LM/DM … (1). LM is a value representing the silver nanowire mean length in nm units, and DM is a value representing the mean diameter in nm units. These silver nanowires can be obtained by using an alcohol solvent containing 40% or more in total of one or more species among 1,2-alkanediols having between 4 and 6 carbons inclusive and promoting reductive precipitation at a temperature of between 50°C and 90°C inclusive.

Inventors:
HINOTSU TAKASHI (JP)
SATO KIMITAKA (JP)
YANAGIDA KENSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006397
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 19, 2020
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DOWA ELECTRONICS MATERIALS CO (JP)
International Classes:
B22F1/00; B22F9/24; B82Y30/00; B82Y40/00; H01B1/00; H01B1/22; H01B5/00; H01B13/00
Domestic Patent References:
WO2013146509A12013-10-03
Foreign References:
JP2015180772A2015-10-15
JP2013199691A2013-10-03
JP2017515983A2017-06-15
Attorney, Agent or Firm:
KOMATSU Takashi (JP)
Download PDF:
Claims:
〇 2020/175255 37 卩(:170? 2020 /006397 請求の範囲

[請求項 1 ] 平均直径が 2 0 . 0 n 未満、 下記 ( 1) 式で定義される平均アス ぺクト比 A Mが 1 0 0以上、 直径の変動係数〇 が 1 5 . 0 %以下であ り、 ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーが表面に付着している 銀ナノワイヤ。

|\/1 =1\/|/〇|\/| (1)

ここで、 の単位で表した値、 口 Vは上記平均直径を n の単位で表した値である。

[請求項 2] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンと他のモノマーとのコポリマーである請求項 1 に記載の銀ナノワイ ャ。

[請求項 3] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンとジアリルジメチルアンモニウム (〇 丨 丨 丨 ソ 丨 〇1 丨 111 6 1: 11 7 I 丨 リ 01) 塩モノマーとのコポリマーである請求項 1 に記 載の銀ナノワイヤ。

[請求項 4] 請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の銀ナノワイヤがアルコール系 の液状媒体中に分散している、 銀ナノワイヤの還元析出反応に使用し た反応液。

[請求項 5] 銀化合物、 およびビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーが溶解 しているアルコール溶媒中で、 銀をワイヤ状に還元析出させる銀ナノ ワイヤの製造法において、

前記溶媒のアルコール成分に占める質量割合で、 炭素数が 4以上 6 以下である 1 , 2—アルカンジオールの 1種以上を合計 4 0 %以上含 有するアルコール溶媒を使用し、 5 0 °〇以上 9 0 °〇以下の温度で還元 析出を進行させる銀ナノワイヤの製造法。

[請求項 6] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンと他のモノマーとのコポリマーである請求項 5に記載の銀ナノワイ ヤの製造法。 〇 2020/175255 38 卩(:170? 2020 /006397

[請求項 7] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンとジアリルジメチルアンモニウム (〇 丨 丨 丨 ソ 丨 〇1 丨 1116 1: 11 7 I 3011110 丨 リ 01) 塩モノマーとのコポリマーである請求項 5に記 載の銀ナノワイヤの製造法。

[請求項 8] アルコール溶媒中に存在させる前記ビニルピロリ ドン構造単位を持 つポリマーの量と、 還元析出に使用する銀の総量との質量割合 「ポリ マー/銀質量比」 を 0.5〜 5.0とする、 請求項 5〜 7のいずれか 1 項に記載の銀ナノワイヤの製造法。

[請求項 9] 請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の銀ナノワイヤが液状媒体中に 分散している銀ナノワイヤ分散液。

[請求項 10] 請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の銀ナノワイヤが、 アルコール の質量割合が 95%以上である液状媒体、 アルコールと水の合計質量 割合が 95%以上である液状媒体、 または水の質量割合が 95%以上 である液状媒体の中に分散している銀ナノワイヤ分散液。

Description:
\¥0 2020/175255 1 ?<:17 2020 /006397 明 細 書

発明の名称 :

銀ナノワイヤおよびその製造法並びに銀ナ ノワイヤ含有反応液および銀ナ ノワイヤ分散液

技術分野

[0001 ] 本発明は、 透明導電膜の導電素材 (フィラー) として有用な、 直径が細く 、 直径分布のバラツキが小さい銀ナノワイヤ、 その製造法、 およびその銀ナ ノワイヤの還元析出反応に使用した反応終了 後の反応液に関する。 また、 そ の銀ナノワイヤを含有する銀ナノワイヤ分散 液に関する。

背景技術

[0002] 本明細書では、 太さが 2 0 0 n 程度以下の微細な金属ワイヤを 「ナノワ イヤ ( ) 」 と呼ぶ。

[0003] 銀ナノワイヤは、 透明基材に導電性を付与するための導電素材 として有望 視されている。 銀ナノワイヤを含有する塗工液をガラス、 (ポリエチ レンテレフタレート) 、 〇 (ポリカーボネート) などの透明基材に塗布し たのち、 液状成分を蒸発等により除去すると、 銀ナノワイヤは当該基材上で 互いに接触し合うことにより導電ネッ トワークを形成し、 透明導電膜を実現 することができる。

[0004] 電子機器のタッチパネル等に使用される透明 導電膜には、 導電性が良好で あることに加え、 ヘイズの少ないクリアな視認性が要求される 。 銀ナノワイ ヤを導電素材とする透明導電膜において導電 性と視認性を高いレベルで両立 させるためには、 できるだけ細い銀ナノワイヤを適用すること が有利となる 。 ただし、 単にワイヤの平均直径が細いだけでは、 透明導電膜の更なる高品 質化に十分対応していくことは難しい。 平均直径の値は小さくても太いワイ ヤの混在量が多いと、 それらの太いワイヤがヘイズ低減効果の障害 となる。 透明導電膜のヘイズ改善を高いレベルで安定 して実現するためには、 銀ナノ ワイヤの平均直径が小さいことに加え、 個々のワイヤの直径ができるだけ揃 〇 2020/175255 2 卩(:170? 2020 /006397

っていること、 すなわち直径分布のバラツキが小さいことが 望まれる。 また 、 塗工用銀ナノワイヤ分散液中の銀濃度に基づ いて、 透明導電膜のシート抵 抗を所定範囲内に精度良くコントロールする ためにも、 直径分布のバラツキ が小さいことが有利となる。

[0005] 特許文献 1 には、 平均短軸径が 1 5 . 1 n mあるいは 1 6 . 4 n mといった 細い銀ナノワイヤを合成した例が示されてい る (図 1の試料 8、 1 0) 。 こ れらの例では種粒子合成工程 (調製例 8、 1) と成長工程 (調製例 1 6、 1 7) で水系の溶媒を用いている。 水系溶媒中で合成された銀ナノワイヤは凝 集しやすい。 そのため、 反応液中の銀濃度を高めることが難しい。 多量の親 水性ポリマーを添加するなどの凝集防止対策 も必要となる。 実際に上記の調 製例 1 6、 1 7では多量の (ポリビニルピロリ ドン) を添加している 。 水系溶媒を用いた銀ナノワイヤの合成法によ って工業的な量産を実現する には、 クリアすべき課題が多い。 また、 上記の試料 8、 1 0の例では短軸径 変動係数が 1 6〜 1 7 %の銀ナノワイヤが得られている。 しかし、 今後の透 明導電膜に要求される高度の品質向上 (特にヘイズの改善) に対応するため には、 ワイヤ直径のバラツキに関して更なる改善が 望まれる。

[0006] —方、 工業的な量産に比較的適した銀ナノワイヤの 合成法として、 エチレ ングリコールやプロピレングリコール等のポ リオール溶媒に銀化合物を溶解 させ、 ハロゲン化合物と有機保護剤の存在下におい て、 溶媒であるポリオー ルの還元力を利用して線状形状の金属銀を析 出させる手法 (以下、 「アルコ —ル溶媒還元法」 と言う。 ) が知られており、 既に実用化が進められている 。 しかし、 アルコール溶媒還元法において平均直径が 2 0 n 未満といった 極めて細い銀ナノワイヤを安定して合成する ことは、 従来の知見では困難で あった。

[0007] 例えば特許文献 2には、 平均直径が 1 〇〜 5 0 n 程度の細い金属ナノワ イヤを合成すること (段落〇〇 0 7) を課題とする発明が開示されている。 その合成手法は、 アルコール溶媒還元法において炭素原子数が 2〜 6のポリ 才ール溶媒を用いるものである。 使用できるとされるポリオールが種々列挙 〇 2020/175255 3 卩(:170? 2020 /006397

され、 その中に 1 , 2 -ブタンジオールの記載もある (段落 0 0 4 1) 。 ただ し、 実施例として具体的に示されている合成法は プロピレングリコールを用 いて 1 5 0 °〇で銀を還元析出させる手法であり、 得られた銀ナノワイヤの平 均直径は最も細い例でも 3 2 . 0 である (実施例 8) 。 この文献では、 金 属ナノワイヤの径が細いほど透明性及び導電 性に優れる薄膜を形成できるの で望ましい (段落〇〇 0 6) と教示した上で、 実際には 3 0 n を超える太 さのワイヤを合成した例のみが示されている ことから、 それらより大幅に細 い銀ナノワイヤをアルコール溶媒還元法で作 り分けることは、 従来困難であ つたと考えられる。

[0008] 特許文献 3、 4にも、 ポリオールを用いたアルコール溶媒還元法に より金 属ナノワイヤを合成することが記載されてお り、 列挙されているポリオール の中に 1 , 2 -ブタンジオールの記載もある (特許文献 3の段落 0 0 2 5、 特 許文献 4の段落 0 0 2 7) 。 しかし、 これらの文献に実施例として具体的に 示されている合成法もプロピレングリコール を用いて 1 5 0 ° 〇程度の温度で 銀を還元析出させる手法であり、 得られた銀ナノワイヤの直径はいずれも 3 0 を超えている。 それらより大幅に細い銀ナノワイヤをアルコ ール溶媒 還元法で製造する技術は開示されていない。

先行技術文献

特許文献

[0009] 特許文献 1 :特開 2 0 1 3 _ 1 9 9 6 9 1号公報

特許文献 2 :国際公開第 2 0 1 7 / 0 5 7 3 2 6号

特許文献 3 :特開 2 0 1 7 - 1 4 6 2 1号公報

特許文献 4 :特開 2 0 1 7 - 6 6 4 7 1号公報 発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010] 本発明は、 銀ナノワイヤを導電素材とする透明導電膜の ヘイズ改善に有利 となる、 平均直径が極めて細い銀ナノワイヤを提供し ようというものである \¥0 2020/175255 4 卩(:17 2020 /006397

。 また、 その銀ナノワイヤが分散している分散液を提 供しようというもので ある。

課題を解決するための手段

[001 1] 上記目的は、 平均直径が 2 0 . 0 n 01より小さく、 かつ直径のバラツキが非 常に少ない銀ナノワイヤによって実現可能と なる。 そのような銀ナノワイヤ は、 炭素数が 4以上 6以下である 1 , 2—アルカンジオールを溶媒に用いたア ルコール溶媒還元法において、 5 0 °〇以上 9 0 °〇以下の温度で銀の還元析出 を進行させることによって製造できることが わかった。 本明細書では以下の 発明を開示する。

[0012] [ 1] 平均直径が 2 0 . 0 n 未満、 下記 ( 1) 式で定義される平均アスぺ クト比 A M が 1 0 0以上、 直径の変動係数〇 が 1 5 . 0 %以下であり、 ビニ ルビロリ ドン構造単位を持つポリマーが表面に付着し ている銀ナノワイヤ。

ここで、 L M は銀ナノワイヤの平均長さを n の単位で表した値、 D M は上 記平均直径を〇 01の単位で表した値である。

[2] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンと他のモノマーとのコポリマーである上記 [1] に記載の銀ナノワイヤ。

[3] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンとジアリルジメチルアンモニウム (〇 丨 丨 丨 ソ 丨 〇1 丨 111 6 1: 11 7 丨 3 111 1X1 0 丨 リ 01) 塩モノマーとのコポリマーである上記 [1] に記載の銀ナノ ワイヤ。

[4] 前記 [1] 〜 [3] のいずれかに記載の銀ナノワイヤがアルコー ル 系の液状媒体中に分散している、 銀ナノワイヤの還元析出反応に使用した反 応液。

[5] 銀化合物、 およびビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーが溶解 しているアルコール溶媒中で、 銀をワイヤ状に還元析出させる銀ナノワイヤ の製造法において、

前記溶媒のアルコール成分に占める質量割合 で、 炭素数が 4以上 6以下で 〇 2020/175255 5 卩(:170? 2020 /006397

ある 1 , 2—アルカンジオールの 1種以上を合計 4 0 %以上含有するアルコー ル溶媒を使用し、 5 0 °〇以上 9 0 °〇以下の温度で還元析出を進行させる銀ナ ノワイヤの製造法。

[6] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンと他のモノマーとのコポリマーである上記 [5] に記載の銀ナノワイヤの 製造法。

[7] 前記ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーは、 ビニルピロリ ド ンとジアリルジメチルアンモニウム (〇 丨 丨 丨 ソ 丨 〇1 丨 111 6 1: 11 7 丨 3 111 111〇 丨 リ 01) 塩モノマーとのコポリマーである上記 [5] に記載の銀ナノ ワイヤの製造法。

[8] アルコール系溶媒中に存在させる前記ビニル ピロリ ドン構造単位を 持つポリマーの量と、 還元析出に使用する銀の総量との質量割合 「ポリマー /銀質量比」 を 0 . 5〜 5 . 0とする、 上記 [5] 〜 [7] のいずれかに記載 の銀ナノワイヤの製造法。

[9] 前記 [1] 〜 [3] のいずれかに記載の銀ナノワイヤが液状媒体 中 に分散している銀ナノワイヤ分散液。

[1 0] 前記 [1] 〜 [3] のいずれかに記載の銀ナノワイヤが、 アルコ —ルの質量割合が 9 5 %以上である液状媒体、 アルコールと水の合計質量割 合が 9 5 %以上である液状媒体、 または水の質量割合が 9 5 %以上である液 状媒体の中に分散している銀ナノワイヤ分散 液。

[0013] 上記 [4] の反応液を構成する液状媒体に関する 「アルコール系」 は、 「 水系」 ではないことを意味する用語である。 すなわち、 「アルコール系の液 状媒体」 とは、 液状媒体に占めるアルコールの質量割合が水 の質量割合より も多い液状媒体を意味する。

銀ナノワイヤの平均長さ、 平均直径、 直径の変動係数<3 Vは以下の定義に 従ぅ。

[0014] 〔平均長さ〕

電界放出形走査電子顕微鏡 ( 巳_ 3巳!\/1) による観察画像上で、 ある 1 〇 2020/175255 6 卩(:170? 2020 /006397

本の銀ナノワイヤの一端から他端までのト レース長さを、 そのワイヤの長さ と定義する。 顕微鏡画像上に存在する個々の銀ナノワイヤ の長さを平均した 値を、 平均長さと定義する。 平均長さを算出するためには、 測定対象のワイ ヤの総数を 1 0 0以上とする。

[0015] 〔平均直径〕

透過型電子顕微鏡 (丁巳 IV!) による明視野観察画像上で、 ある 1本の銀ナ ノワイヤにおける太さ方向両側の輪郭間距離 を、 そのワイヤの直径と定義す る。 各ワイヤは全長にわたってほぼ均等な太さを 有しているとみなすことが できる。 したがって、 太さの計測は他のワイヤと重なっていない部 分を選択 して行うことができる。 1つの視野を写した丁巳1\/1画像において、 その画像 内に観察される銀ナノワイヤのうち、 他のワイヤと完全に重なって直径の計 測が困難であるワイヤを除く全てのワイヤの 直径を測定する、 という操作を 無作為に選んだ複数の視野について行い、 合計 1 〇〇本以上の異なる銀ナノ ワイヤの直径を求め、 個々の銀ナノワイヤの直径の平均値を算出し 、 その値 を平均直径と定義する。

[0016] 〔直径の変動係数<3 V〕

直径の変動係数<3 (%) は、 上記の平均直径の算出に用いた合計 1 0 0 本以上の個々のワイヤの直径の値 (1^ 01) について標準偏差 を求め、 下記 (2) 式によって算出される。

〇 = 1 0 0 X a / D M (2)

ここで、 は上記平均直径 (1^ 01) である。 発明の効果

[0017] 本発明に従う銀ナノワイヤは、 平均直径が 2 0 n 未満と極めて細く、 か つ直径のバラツキが非常に小さい。 平均直径が上記のように極めて細いので 、 銀ナノワイヤを導電素材とする透明導電膜に おいて導電性と視認性のバラ ンス (導電性ーヘイズバランス) を高いレベルで両立させるうえで有利とな る。 また、 ワイヤの平均直径のバラツキが非常に小さい ことは、 平均直径よ りかなり太いワイヤの混在量が少ないことを 意味する。 太いワイヤの混在は 〇 2020/175255 7 卩(:170? 2020 /006397

透明導電膜のヘイズを増大させる要因とな る。 本発明に従う銀ナノワイヤは 透明導電膜の高度なヘイズ改善に極めて有用 である。 さらに、 本発明のアル コール溶媒還元法では、 水系溶媒を用いた合成法と比べ、 合成されたワイヤ の分散性を確保するために使用するポリマー の量を大幅に低減することが可 能となるので、 コスト的に工業的な実施化が容易である。 合成されたワイヤ に付着しているポリマーの量も低減されるの で、 透明導電膜の導電性向上に も有利となる。 そのアルコール溶媒還元法によって得られた 反応液は、 水系 溶媒を用いた反応液と比べ、 合成されたワイヤ同士の凝集が大幅に軽減さ れ ているので、 その後に塗工液である銀ナノワイヤ分散液を 合理的に作製する うえで有利となる。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]ビニルピロリ ドン構造単位の構造式。

[図 2]実施例 3で得られた銀ナノワイヤの丁巳 IV!写真。

[図 3]実施例 7で得られた銀ナノワイヤの丁巳 IV!写真。

[図 4]比較例 6で得られた合成物の丁巳 IV!写真。

[図 5]比較例 7で得られた合成物の丁巳 IV!写真。

[図 6]合成温度と平均直径の関係を示すグラフ

[図 7]合成温度と直径の変動係数(3 Vの関係を示すグラフ。

発明を実施するための形態

[0019] 〔銀ナノワイヤの寸法形状〕

銀ナノワイヤは、 導電性と視認性に優れた透明導電塗膜を形成 する観点か ら、 できるだけ細くて長い形状であるものが好ま しいとされる。 特に視認性 の向上 (ヘイズの低減) には、 平均直径が非常に細いこと、 および太いワイ ヤの混在量が少ないことが極めて有利である ことがわかってきた。 また、 発 明者らの研究によれば、 平均直径が 2 0 . 0 n 未満にまで細くなると、 ヘイ ズの低減効果が高いことに起因して透明導電 膜の導電性ーヘイズバランスの 調整が容易となり、 導電性を向上させるためにワイヤの平均長さ を長くする 重要性は低くなってくることがわかった。 すなわち、 合成時のワイヤの平均 〇 2020/175255 8 卩(:170? 2020 /006397

長さが 2 程度であっても、 塗工液を作製するまでの間にクロスフローろ 過などによる長さ分布の調整を行うと、 導電性ーヘイズバランスに優れた透 明導電膜を得ることが可能になる。

[0020] 本発明では、 平均直径が 2 0 . 0 n 未満の銀ナノワイヤにおいて、 下記 (

1) 式で定義される平均アスペクト比 A M が 1 0 0以上、 かつ直径の変動係数 〇 Vが 1 5 . 0 %以下である点を規定する。 このような寸法形状の銀ナノワイ ヤは、 従来公知のアルコール溶媒還元法で製造可能 な平均直径 2 5 n 程度 のもの、 あるいは 3 0 程度のものと比べ、 透明導電膜の導電性ーヘイズ バランスを改善する効果に優れる。

|\/1 = 1\/| /〇 |\/| (1)

ここで、 L M は銀ナノワイヤの平均長さを n の単位で表した値、 D M は上 記平均直径を〇 01の単位で表した値である。

平均直径は 1 8 . 0 n 以下であることがより好ましく、 1 6 . 0 n 以下 であることが更に好ましい。 直径の変動係数〇 は 1 2 . 0 %以下であること がより好ましく、 1 0 . 0 %以下であることが更に好ましい。 また、 平均直径 + 3 ¢7 の値は 2 2 . 0 n 以下であることがより好ましく、 2 0 . 0 n 以下 であることがより好ましい。

平均直径が過度に細くなると、 透明導電膜を製造するまでの過程で折れ曲 がり等の損傷を受けやすくなるので、 取扱いに一層の慎重さが要求される。 通常、 平均直径は 1 0门 01以上の範囲とすればよい。 また、 平均アスペクト 比は 1 0 0以上 1 0 0 0以下であることが好ましい。 銀ナノワイヤの平均ア スペクト比が小さすぎると透明導電膜中でワ イヤ同士の接触確率が低くなり 、 導電性への寄与が不十分となる。 平均アスペクト比が過大であると銀ナノ ワイヤ分散液を塗工する際にワイヤが束状に 配列しやすくなり、 高品質の透 明導電膜を得る上で支障となる場合がある。

[0021 ] 〔有機保護剤〕

上記の非常に細くて直径のバラツキが小さい 銀ナノワイヤは、 後述のアル コール溶媒還元法によって合成することがで きる。 アルコール溶媒還元法で 〇 2020/175255 9 卩(:170? 2020 /006397

は有機保護剤の存在下で銀の析出反応を進 行させる。 合成された銀ナノワイ ヤの表面には反応時に使用した有機保護剤の ポリマーが付着しており、 液中 での分散性が確保される。 有機保護剤としてはビニルピロリ ドン構造単位を 有するものが適用できる。 図 1 にビニルピロリ ドン構造単位を示す。 具体的 には、 や、 ビニルピロリ ドンと他のモノマーとのコボリマーが使用で きる。

[0022] 上記のビニルピロリ ドンと他のモノマーとのコポリマーでは、 アルコール を添加した水系溶媒中における分散性を、 V よりも向上させることがで きる。 そのようなコボリマーとしては、 親水性モノマーの構造単位を有する ものであることが重要である。 ここで、 親水性モノマーとは、 2 5 ° 〇の水1 0 0 0 9に 1 9以上溶解する性質を持つモノマーを意味す 。 具体的には、 ジアリルジメチルアンモニウム (〇 丨 丨 丨 ソ 丨 〇1 丨 111 6 1: 11 7 丨 3 111 111 0 1 リ 01) 塩モノマー、 アクリレート系またはメタクリレート系のモ ノマー 、 マレイミ ド系のモノマーなどが挙げられる。 例えば、 アクリレート系また はメタクリレート系のモノマーは、 エチルアクリレート、 2—ヒドロキシエ チルアクリレート、 2—ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げ れる。 ま た、 マレイミ ド系モノマーとしては、 4—ヒドロキシブチルアクリレート、 1\1 _メチルマレイミ ド、 1\1 _エチルマレイミ ド、 1\1 _プロピルマレイミ ド、 1\1 - I 6 「 I -ブチルマレイミ ドが挙げられる。

[0023] 〔銀ナノワイヤの製造法〕

銀ナノワイヤの合成法としては、 上述のように、 有機保護剤が溶解してい るアルコール溶媒中で銀をワイヤ状に還元析 出させる 「アルコール溶媒還元 法」 が知られている。 発明者らは詳細な研究の結果、 有機保護剤としてビニ ルビロリ ドン構造単位を持つポリマーを使用したアル コール溶媒還元法にお いて、

(0 アルコール溶媒として、 1分子中の炭素数が 4以上 6以下である 1 , 2—アルカンジオールの 1種以上を合計 4 0質量%以上含有するアルコール 溶媒を使用すること、 〇 2020/175255 10 卩(:170? 2020 /006397

( _| _| ) 還元析出時の温度を 5〇〜 9 0 ° 〇の範囲にコントロールすること、 によって、 上記のように平均直径が極めて細く、 かつ直径のバラツキが非常 に小さい銀ナノワイヤの合成が可能になるこ とを見出した。

[0024] アルコール溶媒還元法では、 銀の核結晶の {1 0 0} 面に有機保護剤のポ リマー分子が選択的に吸着して {1 〇〇} 面の成長が抑制され、 銀結晶の最 密面である {1 1 1} 面が優先的に成長することによって、 金属銀の線状構 造体が形成されると考えられている。 上記 し I ) ( I ) の還元条件を満たすこ とによって、 平均直径が極めて細く、 かつ直径のバラツキが非常に小さい銀 ナノワイヤが安定して合成されるようになる 理由については、 現時点で明確 ではない。 恐らく、 有機保護剤であるビニルピロリ ドン構造単位を持つポリ マーが存在する環境下において、 炭素数が 4以上 6以下である 1 , 2—アルカ ンジオールの還元力を利用して、 9 0 ° 〇以下という比較的低い温度域で銀の 還元反応を開始すると、 機構は不明であるが、 粒径が非常に小さい核結晶、 すなわち {1 1 1} 面のサイズが非常に小さい核結晶が生成する ものと推察 される。 そして、 更に 9 0 ° 〇以下の環境下で炭素数が 4以上 6以下である 1 , 2—アルカンジオールの還元力を利用して銀 還元析出を進行させると、 核 結晶の {1 1 1} 面の小さいサイズを維持しながら {1 1 1} 面を成長させ ることができ、 その結果、 極めて細い銀ナノワイヤが合成されるものと 考え られる。 この場合、 合成される個々の銀ナノワイヤ間での直径バ ラツキが非 常に小さくなることから、 エチレングリコールやプロピレングリコール の溶 媒中で 9 0 °〇を超える温度域で銀の還元析出を進行さ る従来一般的なアル コール溶媒還元法の場合と比べ、 急激な核生成および成長が抑えられて、 比 較的穏やかに還元反応が進行するのではない かと推察される。 還元析出時の 温度は 8 5 °〇以下とすることがより好ましく、 6 0 °〇以下とすることが更に 好ましい。 一方、 温度が低すぎると反応時間が長くなり不経済 である。 種々 検討の結果、 還元析出時の温度は 5 0 ° 〇以上とする。 反応時間の観点からは 5 3 °〇以上とすることがより好ましい。 なお、 直径が特に細く、 かつ〇 値 が特に小さい銀ナノワイヤを安定して合成す る観点からは、 例えば、 1分子 〇 2020/175255 1 1 卩(:170? 2020 /006397

中の炭素数が 4または 5である 1 , 2—アルカンジオールの 1種以上を合計 4 0 %以上含有するアルコール溶媒を使用し、 5 0 °〇以上 6 0 °〇以下の温度で 還元析出を進行させることがより効果的であ る。

[0025] 炭素数が 3個以下であるエタンジオールやプロパンジ ールの溶媒中で 9

0 °〇以下の温度にて銀ナノワイヤの合成を試 た場合、 平均直径が 2 0 . 0 n 未満かつ直径の変動係数 0 Vが 1 5 . 0 %以下という、 平均直径が極めて細 くかつ直径のバラツキが非常に小さい銀ナノ ワイヤを安定して合成すること は困難である。 また、 炭素数が 4〜 6のアルカンジオールであっても、 1 , 3 —ブタンジオールや、 1 , 4—ブタンジオールなど、 ヒドロキシ基が 1 , 2位 置以外にあるアルカンジオールのみの還元力 を利用した合成では、 細い銀ナ ノワイヤを合成することが難しい。 一方、 炭素数が 7個以上の 1 , 2—アルカ ンジオールは常温付近で固体である場合が多 く、 銀ナノワイヤを工業的に量 産するためのアルコール溶媒としては取り扱 い性に劣る。

[0026] 炭素数が 4〜 6の 1 , 2—アルカンジオールとして、 具体的には 1 , 2—ブ タンジオール (炭素数 4) 、 1 , 2—ペンタンジオール (炭素数 5) 、 1 , 2 -ヘキサンジオール (炭素数 6) が挙げられる。 アルコール溶媒にはこれら の 1種または 2種以上を使用する。 本発明では、 これら炭素数 4〜 6の 1 , 2 —アルカンジオールと他のアルコールとの混 合アルコール溶媒を使用するこ ともできるが、 溶媒のアルコール成分に占める質量割合で、 炭素数が 4以上 6以下である 1 , 2—アルカンジオールの 1種以上を合計 4 0 %以上含有する アルコール溶媒を使用する必要がある。 溶媒のアルコール成分に占める質量 割合で、 炭素数が 4以上 6以下である 1 , 2—アルカンジオールの 1種以上の 含有量を合計 8 0 %以上、 あるいは合計 9 5 %以上に管理してもよい。 他の アルコールとしては例えば 1 , 2 -プロパンジオール (炭素数 3) が挙げられ る。

[0027] 銀ナノワイヤの合成時にアルコール溶媒中に 存在させておくポリマーとし ては、 上述の有機保護剤であるビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーが 適用される。 アルコール溶媒中に存在させる前記ビニルピ ロリ ドン構造単位 〇 2020/175255 12 卩(:170? 2020 /006397

を持つポリマーの量と、 還元析出に使用する銀の総量との質量割合 「ポリマ — /銀質量比」 は 0.5〜 5.0の範囲とすることが好ましい。 あまり多量の ポリマーが存在するアルコール溶媒を使用す ると、 合成された銀ナノワイヤ の表面に付着するポリマー量が過剰となる。 ポリマー付着量が過剰である銀 ナノワイヤを透明導電膜に適用するとワイヤ 同士の接点抵抗が大きくなって しまい、 導電性の高い透明導電膜を得る上では不利と なる。

[0028] 銀ナノワイヤの合成に使用する銀源としては 、 アルコール溶媒に可溶な銀 化合物を使用する。 例えば、 硝酸銀、 酢酸銀、 酸化銀、 塩化銀などが挙げら れるが、 溶媒に対する溶解性やコストを考慮すると硝 酸銀 (八 9 1\1〇 3 ) が使 いやすい。 銀化合物、 ビニルピロリ ドン構造単位を持つポリマーの他に、 塩 化物、 臭化物が溶解しているアルコール溶媒中で還 元析出を進行させること が好ましい。 更にアルカリ金属水酸化物、 アルミニウム塩が溶解しているア ルコール溶媒中で還元析出を進行させること がより好ましい。 上記各物質の うち、 例えば銀化合物、 塩化物、 臭化物、 アルミニウム塩などは、 溶液の状 態で反応容器中に添加してもよい。 その場合、 各物質の溶液を作製するため の溶媒としては、 アルコール溶媒の中でも極性が高く、 溶解性の高い溶媒を 用いることが適している。 例えば、 1 , 2—プロパンジオール (プロピレング リコール) が挙げられる。

[0029] 銀ナノワイヤの合成において、 アルコール溶媒の総使用量に対する銀の総 使用量は、 アルコール溶媒 1 !_当たり銀 0.01〜 0. 1モルの範囲とするこ とが好ましい。 アルコール溶媒の総使用量に対する塩化物の 総使用量は、 ア ルコール溶媒 1 !_当たり〇 丨量として 0.00001 ( 1 X 1 0_ 5 ) 〜 0.0 1モルの範囲とすることが好ましく、 0.00005 (5 X 1 0- 5 ) 〜 0.0 1モルの範囲とすることがより好ましい。 アルコール溶媒の総使用量に対す る臭化物の総使用量は、 アルコール溶媒 1 !_当たり巳 「量として 0.0000 01 ( 1 X 1 0-6) 〜〇.〇〇 1 ( 1 X 1 0-3) モルの範囲とすることが好ま しく、 0.000005 (5 X 1 0_ 6 ) 〜 0.001 (1 X 1 0- 3 ) モルの範 囲とすることがより好ましい。 アルコール溶媒の総使用量に対するアルカリ 〇 2020/175255 13 卩(:170? 2020 /006397

金属水酸化物の総使用量は、 アルコール溶媒 1 !_当たり水酸化物量として〇.

0 0 0 1 (1 X 1 0 - 4 ) 〜 0 . 0 1 ( 1 X 1 0 _ 2 ) モルの範囲とすることが好 ましい。 アルコール溶媒の総使用量に対するアルミニ ウム塩の総使用量は、 溶媒 1 [_当たり八 I量として 0 . 0 0 0 0 1 (1 X 1 0 _ 5 ) 〜 0 . 0 0 1 (1 X 1 〇- 3 ) モルの範囲とすることが好ましい。 溶媒成分として酢酸エステル や水を溶媒総質量に対し 2 %以下の範囲で含有しても構わない。

[0030] 〔銀ナノワイヤ分散液〕

上記のようにして合成された、 直径が細く、 直径分布のバラツキが小さい 銀ナノワイヤを液状媒体中に分散させた 「銀ナノワイヤ分散液」 は、 導電性 —ヘイズバランスに優れる透明導電膜の構築 に極めて有用である。 ここで 「 液状媒体」 は、 銀ナノワイヤ分散液を構成する液体部分であ り、 溶媒物質の 中に他の物質が溶解している場合には、 その物質も液状媒体の構成成分とな る。 例えば、 必要に応じて増粘成分やバインダー成分など を加えて塗工に特 に適した性状に調整された銀ナノワイヤ分散 液 (これは 「銀ナノワイヤイン ク」 と呼ばれることがある。 ) においては、 溶媒中に溶解している増粘成分 やバインダー成分なども、 液状媒体の構成成分となる。

[0031 ] 塗工用の銀ナノワイヤ分散液、 あるいは塗工用の銀ナノワイヤ分散液を作 製するための中間製品である銀ナノワイヤ分 散液に使用する溶媒としては、 水溶媒、 水とアルコールとの混合溶媒、 アルコール溶媒のいずれかを用いる ことが一般的である。 銀ナノワイヤの液中分散性を確保するために は水の存 在が有利となり、 巳丁 (ポリエチレンテレフタレート) などの透明樹脂基 材に対する銀ナノワイヤ分散液の濡れ性を確 保するためにはアルコールの存 在が有利となる。 溶媒成分として水およびアルコールの一方ま たは双方を使 用する場合、 溶媒を構成する水とアルコールの質量割合は 、 水: アルコール が 0 : 1 0 0から 1 0 0 : 0の範囲で任意に調整することができる。 銀ナノ ワイヤ分散液の溶媒に使用する好適なアルコ ールとしては炭素数 1〜 4の 1 価アルコールが挙げられる。 具体的には、 メタノール、 エタノール、 2—プ ロパノール (イソプロピルアルコール) 、 2—メチルー 1 —プロパノール、 〇 2020/175255 14 卩(:170? 2020 /006397

1 —ブタノールなどのアルコールが好適な対象 となる。 これらは適度に高い 沸点を有し、 透明導電膜を形成するための塗工に使いやす い。 複数のアルコ —ルを混合して用いる場合、 炭素数 1〜 4の 1価アルコールの 1種または 2 種以上を、 使用するアルコールの総質量に対し 5 0 %以上とすることが好ま しい。

[0032] 銀ナノワイヤの液中分散性と 巳丁等の基材との濡れ性をバランス良く兼 ね備えた銀ナノワイヤ分散液を得るためには 、 水とアルコールの混合溶媒を 用いることが効果的である。 その場合、 水とアルコールの質量割合は、 水: アルコールが例えば 9 5 : 5から 7 0 : 3 0の範囲で調整することが好まし い。 一方、 塗膜乾燥工程での生産性を重視する場合は水 : アルコールが 0 :

1 0 0に近いアルコール主体の溶媒とすることが 効である。 その際、 銀ナ ノワイヤに付着している有機保護剤が従来一 般的に用いられている V ( ポリビニルピロリ ドン) である場合は、 ワイヤの液中分散性を確保するため に界面活性剤の添加が必要となる。 界面活性剤の多量の使用は透明導電膜の 導電性にマイナス要因となる。

[0033] 銀ナノワイヤ分散液を構成する液状媒体には 、 溶媒成分の他に、 増粘成分 、 バインダー成分、 界面活性剤成分などが含まれていてもよい。 液状媒体に 占める溶媒成分の質量割合は 9 5 %以上であることが好ましい。 例えば溶媒 成分として水およびアルコールの一方または 双方を使用する場合であれば、 アルコールの質量割合が 9 5 %以上である液状媒体、 アルコールと水の合計 質量割合が 9 5 %以上である液状媒体、 水の質量割合が 9 5 %以上である液 状媒体のいずれかを適用することが好ましい 。 塗工用の銀ナノワイヤ分散液 の場合、 分散液の総質量に占める銀ナノワイヤの質量 割合は、 金属銀換算で 例えば 0 . 0 3〜 1 . 5 0 %の範囲で調整することが好ましい。 実施例

[0034] [実施例 1 ]

常温にて、 1 , 2 -ブタンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 8 1 7 . 6 9中に、 塩化リチウム (アルドリッチ社製) 含有量が 1 0質量%である 1 , 2 〇 2020/175255 15 卩(:170? 2020 /006397

-プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶液 0.3999、 臭化カリウ ム (和光純薬工業社製) 含有量が 1質量%である 1 , 2 -プロパンジオール溶 液 0.4769、 水酸化リチウム (アルドリッチ社製) 0.07 1 1 9、 硝酸 アルミニウム九水和物 (キシダ化成社製) 含有量が 20質量%である 1 , 2- プロパンジオール溶液 0.503 、 ビニルピロリ ドンとジアリルジメチルア ンモニウムナイ トレイ ト (〇1 I I I 111111〇 |·! 1 リ

〇! n t 「 3 6) のコポリマー (ビニルピロリ ドン 99質量%、 ジアリ ルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト 1質量%でコポリマー作製、 重量平均 分子量 75, 000) 8.399を添加して溶解させ、 溶液八とした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 9.579 % 純水 0.809からなるアルコ _ルと 水の混合溶媒中に、 硝酸銀 6.809を添加して、 35 ° 〇で撹拌して溶解させ 、 溶液巳とした。

[0035] 以下のようにして、 合成温度 85 °〇、 反応時間 24時間の合成条件にて銀 の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 を反応容器である 1 !_ビーカー に入れ、 常温から 85°〇まで撹拌しながら昇温したのち、 溶液 の中に溶液 巳の全量を 1分かけて添加した。 溶液巳の添加後、 溶液巳の添加に使用した 容器および管路を 49の 1 , 2—プロパンジオールで共洗いした。 その後、 反 応容器中の液を撹拌しながら 85 °〇で 24時間保持した後に常温まで冷却し 、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0036] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 2—ブタン ジオールと、 上記溶液巳から供給される少童の 1 , 2—プロパンジオール (プ ロピレングリコール) とをアルコール成分として含有する。 アルコール成分 全部に占める各アルコールの質量割合は、 1 , 2—ブタンジオール 98.2%

、 1 , 2—プロパンジオール 1.8%である。 還元析出に使用した銀の総量と の質量割合 「ポリマー/銀質量比」 は 1.94である。

[0037] 常温まで冷却された上記反応液 209を遠沈管に分取し、 純水 1 70 9 添 加し、 遠心分離機により 3000 「 で 1 5分間の遠心分離操作を行った 。 濃縮物と上澄みが観察されたため、 上澄み部分を除去し、 濃縮物を回収し た。 その後、 回収された濃縮物に純水 1 70 g添加したのち上記と同様に遠 心分離を行って濃縮物を回収する、 という操作を 3回繰り返した。 その後、 回収された濃縮物をメタノールに分散させ、 固形分 (合成された銀ナノワイ ヤ) の含有量が〇.〇 5質量%である銀ナノワイヤ分散液を得た。

[0038] 得られた銀ナノワイヤの平均直径を以下のよ うにして求めた。 上記の分散 液を透過型電子顕微鏡用の支持膜付グリッ ド (日本電子株式会社製、 C u 1 50メッシュ) にとり、 透過型電子顕微鏡 (日本電子株式会社製; J EM-1 01 1) により、 加速電圧 1 00 k V、 倍率 40, 000倍で明視野像の観察 を行って観察画像を採取し、 正確に直径を測定するために採取された元画 像 を 2倍のサイズに拡大した上で、 ソフトウェア (M o t i c I m a g e P

1 u s 2. 1 S) を用いて、 上述の定義に従って平均直径を測定した。 また、 前記平均直径の算出に使用した合計 1 00本以上のワイヤの直径値に基づい て標準偏差 C7 (n m) を求め、 前述の (2) 式により直径の変動係数 CV ( %) を求めた。

[0039] 得られた銀ナノワイヤの平均長さを以下のよ うにして求めた。 上記の分散 液を 30 % I P A水溶液 (水: I P A = 70 : 30にて混合した希釈液) に て銀濃度 0.002質量%に希釈したサンプル液とし、 これを S EM用の厚さ

200 M m、 3mm角のシリコン基板観察台にとり、 観察台上で水を揮発さ せたのち、 電界放出形走査電子顕微鏡 (株式会社日立ハイテクノロジーズ製

; S-4700) により、 加速電圧 3 k V、 倍率 1 , 500倍で観察を行った 。 無作為に選んだ 3以上の視野について、 視野内で全長が確認できるすべて のワイヤを対象として、 上述の定義に従って平均長さを測定した。 また、 こ の平均長さと上記の平均直径から上述の (1) 式により平均アスペクト比 A M を算出した。

[0040] 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 9. 1 n m、 直径の変動係数 C Vが 9.4 %である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小さい銀 ナノワイヤ が合成された。

[0041] [実施例 2] 〇 2020/175255 17 卩(:170? 2020 /006397

実施例 1 において合成温度を 75°〇、 反応時間を 72時間に変更したこと を除き、 実施例 1 と同様条件にて実験を行った。 結果を表 1 に示す。 本例で は、 平均直径が 直径の変動係数<3 Vが 1 3.5%である、 極め て細く直径のバラツキが非常に小さい銀ナノ ワイヤが合成された。

[0042] [実施例 3]

実施例 1 において合成温度を 65 °〇、 反応時間を 84時間に変更したこと を除き、 実施例 1 と同様条件にて実験を行った。 結果を表 1 に示す。 本例で は、 平均直径が 直径の変動係数<3 Vが 1 4.6%である、 極め て細く直径のバラツキが非常に小さい銀ナノ ワイヤが合成された。 図 2に本 例で得られた銀ナノワイヤの丁巳1\/1 (透過型電子顕微鏡) 写真を例示する。

[0043] [実施例 4]

実施例 1 において合成温度を 55 ° 〇、 反応時間を 1 30時間に変更したこ とを除き、 実施例 1 と同様条件にて実験を行った。 結果を表 1 に示す。 本例 では、 平均直径が 直径の変動係数<3 Vが 8.6%である、 極め て細く直径のバラツキが非常に小さい銀ナノ ワイヤが合成された。

[0044] [実施例 5 ]

常温にて、 1 , 2 -ペンタンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 81 7. 6 9 中に、 塩化リチウム (アルドリッチ社製) 含有量が 1 0質量%である 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶液 0.3999、 臭化カリ ウム (和光純薬工業社製) 含有量が 1質量%である 1 , 2 -プロパンジオール 溶液 0.476 9 、 水酸化リチウム (アルドリッチ社製) 0.07 1 1 9、 石肖 酸アルミニウム九水和物 (キシダ化成社製) 含有量が 20質量%である 1 , 2 -プロパンジオール溶液 0.5039、 ビニルピロリ ドンとジアリルジメチル アンモニウムナイ トレイ ト (〇1 I I I 111111〇 |·! 1 リ〇1 n \ t 「 3 6) のコポリマー (ビニルピロリ ドン 99質量%、 ジア リルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト 1質量%でコポリマー作製、 重量平 均分子量 75, 000) 8.399を添加して溶解させ、 溶液八とした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 9.579 % 純水 0.809からなるアルコ _ルと 〇 2020/175255 18 卩(:170? 2020 /006397

水の混合溶媒中に、 硝酸銀 6.809を添加して、 35 ° 〇で撹拌して溶解させ 、 溶液巳とした。

[0045] 以下のようにして、 合成温度 65°〇、 反応時間 72時間の合成条件にて銀 の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 を反応容器である 1 !_ビーカー に入れ、 常温から 65°〇まで撹拌しながら昇温したのち、 溶液 の中に溶液 巳の全量を 1分かけて添加した。 溶液巳の添加終了後、 溶液巳の添加に使用 した容器および管路を 49の 1 , 2—プロパンジオールで共洗いした。 その後 、 反応容器中の液を撹拌しながら 65 °〇で 72時間保持した後に常温まで冷 却し、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0046] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 2—ペンタ ンジオールと、 上記溶液巳から供給される少童の 1 , 2—プロパンジオール ( プロピレングリコール) とをアルコール成分として含有する。 アルコール成 分全部に占める各アルコールの質量割合は、 1 , 2—ペンタンジオール 98. 2%、 1 , 2—プロパンジオール 1.8%である。 還元析出に使用した銀の総 量との質量割合 「ポリマー/銀質量比」 は 1.94である。

[0047] 得られた銀ナノワイヤについて、 実施例 1 と同様の手法で直径および長さ の測定を行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 6.7 n m、 直 径の変動係数<3 が 1 3.2%である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小 さい銀ナノワイヤが合成された。

[0048] [実施例 6 ]

実施例 5において合成温度を 55 ° 〇、 反応時間を 1 30時間に変更したこ とを除き、 実施例 1 と同様条件にて実験を行った。 結果を表 1 に示す。 本例 では、 平均直径が 直径の変動係数<3 Vが 8.6%である、 極め て細く直径のバラツキが非常に小さい銀ナノ ワイヤが合成された。

[0049] [実施例 7 ]

製造装置をスケールアップした場合の影響を 確認するために、 反応容器と して 1 0 !_ビーカーを用いて実施例 3の約 1 0倍のスケールでの実験を行っ た。 〇 2020/175255 19 卩(:170? 2020 /006397

常温にて、 1 , 2 -ブタンジオール 81 1 6.39中に、 塩化リチウム含有 量が 1 0質量%である 1 , 2—プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶 液 3.9869、 臭化カリウム 0.04769、 水酸化リチウム〇.7 ^ ^ 9. 硝酸アルミニウム九水和物含有量が 20質量%である 1 , 2 -プロパンジオー ル溶液 4.9949、 ビニルピロリ ドンとジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト (〇1 丨 3 丨 1 ソ 1 〇1 丨 11161: 117 1 3111111011 丨 リ 111

6) のコポリマー (ビニルピロリ ドン 99質量%、 ジアリルジメチルアン モニウムナイ トレイ ト 1質量%でコボリマー作製、 重量平均分子量 75, 00 〇) 83.8759を添加して溶解させ、 溶液八とした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 95.709、 純水 8.009からなるアルコ _ル と水の混合溶媒中に、 硝酸銀 67.969を添加して、 35 ° 〇で撹拌して溶解 させ、 溶液巳とした。

[0050] 以下のようにして、 合成温度 65°〇、 反応時間 84時間の合成条件にて銀 の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 を反応容器である 1 0 !_ビーカ 一に入れ、 常温から 65°〇まで回転数 225 「 で撹拌しながら昇温した のち、 溶液 の中に溶液巳の全量を 2個の添加口から 1分かけて添加した。 溶液巳の添加終了後、 溶液巳の添加に使用した容器および管路を 1 009の 1 , 2—プロパンジオールで共洗いした。 その後、 反応容器中の液を撹拌しな がらさらに撹拌状態を維持して 65 ° 〇で 84時間保持した後に常温まで冷却 し、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0051] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 2—ブタン ジオールと、 上記溶液巳から供給される少童の 1 , 2—プロパンジオール (プ ロピレングリコール) とをアルコール成分として含有する。 アルコール成分 全部に占める各アルコールの質量割合は、 1 , 2—ブタンジオール 97.6%

、 1 , 2—プロパンジオール 2.4%である。 還元析出に使用した銀の総量と の質量割合 「ポリマー/銀質量比」 は 1.94である。

[0052] 得られた銀ナノワイヤについて、 実施例 1 と同様の手法で直径および長さ の測定を行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が実施例 3と同等 〇 2020/175255 20 卩(:170? 2020 /006397

の 1 7.9 01である極めて細い銀ナノワイヤが合成され 。 また、 直径の変 動係数〇 が 1 2.8%と非常に小さかった。 図 3に本例で得られた銀ナノワ イヤの丁巳1\/1 (透過型電子顕微鏡) 写真を例示する。

[0053] [実施例 8]

常温にて、 1 , 2 -ヘキサンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 408. 8 9 と、 1 , 2—プロパンジオール (プロピレングリコール) 408.89と の混合アルコール中に、 塩化リチウム (アルドリッチ社製) 含有量が 1 〇質 量%である 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶液 0.39 9 9 、 臭化カリウム (和光純薬工業社製) 含有量が 1質量%である 1 , 2 -プ ロパンジオール溶液 0.4769、 水酸化リチウム (アルドリッチ社製) 〇. 07 1 1 9、 硝酸アルミニウム九水和物 (キシダ化成社製) 含有量が 20質 量%である 1 , 2 -プロパンジオール溶液〇.5039、 ビニルピロリ ドンと ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト (〇1 丨 3 丨 丨 ソ 丨 〇1 丨 11161: 11 )/ I 1 リ 01 n \ I 「 3 6) のコポリマー (ビニルピロリ ドン

99質量%、 ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト 1質量%でコポリ マー作製、 重量平均分子量 75, 000) 8.399を添加して溶解させ、 溶 液八とした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 9.579 % 純水 0.809からなるアルコ _ルと 水の混合溶媒中に、 硝酸銀 6.809を添加して、 35 ° 〇で撹拌して溶解させ 、 溶液巳とした。

[0054] 以下のようにして、 合成温度 55 °〇、 反応時間 1 30時間の合成条件にて 銀の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 を反応容器である 1 !_ビーカ 一に入れ、 常温から 55°〇まで撹拌しながら昇温したのち、 溶液八の中に溶 液巳の全量を 1分かけて添加した。 溶液巳の添加終了後、 溶液巳の添加に使 用した容器および管路を 49の 1 , 2—プロパンジオールで共洗いした。 その 後、 反応容器中の液を撹拌しながら 55°〇で 1 30時間保持した後に常温ま で冷却し、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0055] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 2—へキサ ンジオールおよび 1 , 2—プロパンジオール (プロピレングリコール) と、 上 記溶液 Bから供給される少量の 1 , 2—プロパンジオール (プロピレングリコ —ル) とをアルコール成分として含有する。 アルコール成分全部に占める各 アルコールの質量割合は、 1 , 2 -ヘキサンジオール 49. 1 %、 1 , 2 -プロ パンジオール 50.9%である。 還元析出に使用した銀の総量との質量割合 「 ポリマー /銀質童比」 は 1.94である。

[0056] 得られた銀ナノワイヤについて、 実施例 1 と同様の手法で直径および長さ の測定を行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 5.9 n m、 直 径の変動係数 CVが 1 3.8%である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小 さい銀ナノワイヤが合成された。

[0057] [実施例 9 ]

常温にて、 1 , 2 -ブタンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 204.4 gと、 1 , 2 -ヘキサンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 6 1 3.2 gと の混合アルコール中に、 塩化リチウム (アルドリッチ社製) 含有量が 1 〇質 量%である 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶液 0.39 9 g、 臭化カリウム (和光純薬工業社製) 含有量が 1質量%である 1 , 2 -プ ロパンジオール溶液 0.476 g、 水酸化リチウム (アルドリッチ社製) 0. 〇 7 1 1 g、 硝酸アルミニウム九水和物 (キシダ化成社製) 含有量が 20質 量%である 1 , 2 -プロパンジオール溶液 0.503 g、 ビニルピロリ ドンと ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト (d i a l l y l d i me t h y I ammo n i u m n i t r a t e) のコポリマー (ビニルピロリ ドン 99質量%、 ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト 1質量%でコポリ マー作製、 重量平均分子量 75, 000) 8.39 gを添加して溶解させ、 溶 液 Aとした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 9.57 g、 純水 0.80 gからなるアルコ _ルと 水の混合溶媒中に、 硝酸銀 6.8 O gを添加して、 35 ° Cで撹拌して溶解させ 、 溶液 Bとした。

[0058] 以下のようにして、 合成温度 65 °C、 反応時間 84時間の合成条件にて銀 の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 Aを反応容器である 1 Lビーカー に入れ、 常温から 65°Cまで撹拌しながら昇温したのち、 溶液 Aの中に溶液 Bの全量を 1分かけて添加した。 溶液 Bの添加終了後、 溶液 Bの添加に使用 した容器および管路を 4 gの 1 , 2—プロパンジオールで共洗いした。 その後 、 反応容器中の液を撹拌しながら 65°Cで 84時間保持した後に常温まで冷 却し、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0059] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 A中に存在する 1 , 2—ブタン ジオ _ルおよび 1 , 2—ヘキサンジオールと、 上記溶液 Bから供給される少童 の 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) とをアルコール成分と して含有する。 アルコール成分全部に占める各アルコールの 質量割合は、 1 , 2—ブタンジオール 24.5%、 1 , 2—ヘキサンジオール 73.7%、 1 , 2 —プロパンジオール 1.8 %である。 還元析出に使用した銀の総量との質量割 合 「ポリマー /銀質量比」 は 1.94である。

[0060] 得られた銀ナノワイヤについて、 実施例 1 と同様の手法で直径および長さ の測定を行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 8.4 n m、 直 径の変動係数 CVが 1 4.4%である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小 さい銀ナノワイヤが合成された。

[0061] [実施例 1 0]

常温にて、 1 , 2 -ブタンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 6 1 3.2 gと、 1 , 2 -ヘキサンジオール (和光純薬工業社製、 特級) 204.4 gと の混合アルコール中に、 塩化リチウム (アルドリッチ社製) 含有量が 1 〇質 量%である 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶液 0.39 9 g、 臭化カリウム (和光純薬工業社製) 含有量が 1質量%である 1 , 2 -プ ロパンジオール溶液 0.476 g、 水酸化リチウム (アルドリッチ社製) 0. 〇 7 1 1 g、 硝酸アルミニウム九水和物 (キシダ化成社製) 含有量が 20質 量%である 1 , 2 -プロパンジオール溶液 0.503 g、 ビニルピロリ ドンと ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト (d i a l l y l d i me t h y I ammo n i u m n i t r a t e) のコポリマー (ビニルピロリ ドン 〇 2020/175255 23 卩(:170? 2020 /006397

99質量%、 ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト 1質量%でコポリ マー作製、 重量平均分子量 75, 000) 8.399を添加して溶解させ、 溶 液八とした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 9.579 % 純水 0.809からなるアルコ _ルと 水の混合溶媒中に、 硝酸銀 6.809を添加して、 35 ° 〇で撹拌して溶解させ 、 溶液巳とした。

[0062] 以下のようにして、 合成温度 65 °〇、 反応時間 84時間の合成条件にて銀 の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 を反応容器である 1 !_ビーカー に入れ、 常温から 65°〇まで撹拌しながら昇温したのち、 溶液 の中に溶液 巳の全量を 1分かけて添加した。 溶液巳の添加終了後、 溶液巳の添加に使用 した容器および管路を 49の 1 , 2—プロパンジオールで共洗いした。 その後 、 反応容器中の液を撹拌しながら 65°〇で 84時間保持した後に常温まで冷 却し、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0063] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 2—ブタン ジオ _ルおよび 1 , 2—ヘキサンジオールと、 上記溶液巳から供給される少童 の 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) とをアルコール成分と して含有する。 アルコール成分全部に占める各アルコールの 質量割合は、 1 , 2—ブタンジオール 73.7%、 1 , 2—ヘキサンジオール 24.5%、 1 , 2 —プロパンジオール 1.8%である。 還元析出に使用した銀の総量との質量割 合 「ポリマー /銀質量比」 は 1.94である。

[0064] 得られた銀ナノワイヤについて、 実施例 1 と同様の手法で直径および長さ の測定を行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 7.3 n m、 直 径の変動係数<3 が 1 4.7%である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小 さい銀ナノワイヤが合成された。

[0065] [実施例 1 1 ]

実施例 7において溶液 を作製する際の臭化カリウム添加量を〇.0476 9から 0.07 1 49に変更したことを除き、 実施例 1 と同様条件にて実験を 行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 7.7 n m、 直径の変動 〇 2020/175255 24 卩(:170? 2020 /006397

係数〇 が 1 3.6%である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小さい銀 ナ ノワイヤが合成された。

[0066] [実施例 1 2 ]

実施例 7において溶液 を作製する際の臭化カリウム添加量を〇.0476 9から 0.09529に変更したことを除き、 実施例 1 と同様条件にて実験を 行った。 結果を表 1 に示す。 本例では、 平均直径が 1 7. 1 n m、 直径の変動 係数〇 が 1 4.6%である、 極めて細く直径のバラツキが非常に小さい銀 ナ ノワイヤが合成された。

[0067] [比較例 1 ]

実施例 1 において合成温度を 95 ° 〇に変更したことを除き、 実施例 1 と同 様条件にて実験を行った。 結果を表 2に示す。 本例では、 平均直径が 22.7 n である銀ナノワイヤが合成された。 直径の変動係数〇 は 1 1.9%と小 さいが、 合成温度が高かったので平均直径 20 n 未満の極めて細いワイヤ は得られなかった。

[0068] [比較例 2 ]

実施例 1 において合成温度を 1 05 ° 〇に変更したことを除き、 実施例 1 と 同様条件にて実験を行った。 結果を表 2に示す。 本例では、 平均直径が 24. 7 n である銀ナノワイヤが合成された。 直径の変動係数<3 は 1 3.4%と 小さいが、 合成温度が高かったので平均直径 20 n 未満の極めて細いワイ ヤは得られなかった。

[0069] [比較例 3 ]

実施例 1 において合成温度を 1 1 5 ° 〇に変更したことを除き、 実施例 1 と 同様条件にて実験を行った。 結果を表 2に示す。 本例では、 平均直径が 24. 7 n である銀ナノワイヤが合成された。 直径の変動係数<3 は 1 3.4%と 小さいが、 合成温度が高かったので平均直径 20 n 未満の極めて細いワイ ヤは得られなかった。

[0070] [比較例 4]

常温にて、 1 , 2 -プロパンジオール 81 1 6.39中に、 塩化リチウム含 〇 2020/175255 25 卩(:170? 2020 /006397

有量が 1 0質量%である 1 , 2—プロパンジオール (プロピレングリコール) 溶液 3.9869、 臭化カリウム 0.04769、 水酸化リチウム〇.7 1 1 9 、 硝酸アルミニウム九水和物含有量が 20質量%である 1 , 2 -プロパンジオ —ル溶液 4.9949、 ビニルピロリ ドンとジアリルジメチルアンモニウムナ イ トレイ ト (〇1 丨 3 丨 1 ソ 1 〇1 丨 11161: 117 1 3111111011 丨 リ 111 11 丨 1: 「 a t & ) のコポリマー (ビニルピロリ ドン 99質量%、 ジアリルジメチルア ンモニウムナイ トレイ ト 1質量%でコボリマー作製、 重量平均分子量 75, 0 〇〇) 83.8759を添加して溶解させ、 溶液八とした。

1 , 2—プロパンジオ _ル 95.709、 純水 8.009からなるアルコ _ル と水の混合溶媒中に、 硝酸銀 67.969を添加して、 35 ° 〇で撹拌して溶解 させ、 溶液巳とした。

[0071] 以下のようにして、 合成温度 85°〇、 反応時間 24時間の合成条件にて銀 の還元析出反応を進行させた。 上記の溶液 を反応容器である 1 0 !_ビーカ 一に入れ、 常温から 65°〇まで回転数 225 「 で撹拌しながら昇温した のち、 溶液 の中に溶液巳の全量を 2個の添加口から 1分かけて添加した。 溶液巳の添加後、 溶液巳の添加に使用した容器および管路を 1 009の 1 , 2 —プロパンジオールで共洗いした。 その後、 反応容器中の液を撹拌しながら 溶液巳の添加に使用した容器および管路を 1 009の 1 , 2—プロパンジオー ルで共洗いした。 その後、 反応容器中の液を撹拌しながら 65 ° 〇で 24時間 保持した後に常温まで冷却し、 銀ナノワイヤを含む反応液を得た。

[0072] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 2—プロパ ンジオール (プロピレングリコール) と、 上記溶液巳から供給される少童の 1 , 2 -プロパンジオール (プロピレングリコール) とをアルコール成分とし て含有する。 すなわちアルコール成分の全部が 1 , 2—プロパンジオール (プ ロピレングリコール) からなるものである。

[0073] 得られた銀ナノワイヤについて、 実施例 1 と同様の手法で直径および長さ の測定を行った。 結果を表 2に示す。 本例では、 平均直径が 25.4 n 、 直 径の変動係数〇 が 1 5.6%である銀ナノワイヤが合成された。 従来一般的 〇 2020/175255 26 卩(:170? 2020 /006397

な銀ナノワイヤ合成用のアルコール溶媒で ある 1 , 2—プロパンジオール (プ ロピレングリコール) の場合、 合成温度を 9 0 ° 〇以下に低下させても、 平均 直径が 2 0 n 未満、 直径の変動係数 0 Vが 1 5 %以下という極めて細くか つ直径/ ラツキの非常に小さい銀ナノワイヤを合成す ることはできなかった

[0074] [比較例 5 ]

比較例 4において合成温度を更に 6 5 °〇まで低下させ、 反応時間を 7 2時 間に変更したことを除き、 実施例 4と同様条件にて実験を行った。 結果を表 2に示す。 本例では、 平均直径が 2 0 . 6 n m、 変動係数 <3 Vが 2 2 . 3 %で ある銀ナノワイヤが合成された。 従来一般的な銀ナノワイヤ合成用のアルコ —ル溶媒である 1 , 2—プロパンジオール (プロピレングリコール) の場合、 合成温度を 6 5 °〇にまで低下させると平均直径 2 0 n 程度の銀ナノワイヤ の合成は可能であるが、 直径のバラツキ (変動係数 <3 V) が大きくなった。

[0075] [比較例 6 ]

実施例 1 において溶液八に使用した 1 , 2 -ブタンジオールを同質量の 1 ,

4 -ブタンジオール (和光純薬工業社製、 特級) に変更したことを除き、 実 施例 1 と同様の合成条件で銀ナノワイヤの合成を試 みた。

[0076] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 4—ブタン ジオールと、 上記溶液巳から供給される少童の 1 , 2—プロパンジオール (プ ロピレングリコール) とをアルコール成分として含有する。 アルコール成分 全部に占める各アルコールの質量割合は、 1 , 4—ブタンジオール 9 8 . 2 %

、 1 , 2—プロパンジオール 1 . 8 %である。

[0077] 結果を表 2に示す。 本例では、 1分子中の炭素数が 4であるアルカンジオ —ルとして 1 , 4 -ブタンジオールを使用したが、 銀ナノワイヤの合成ができ なかった。 図 4に本例で得られた合成物の丁巳 IV! (透過型電子顕微鏡) 写真 を例示する。

[0078] [比較例 7 ]

実施例 1 において溶液八に使用した 1 , 2 -ブタンジオールを同質量の 1 , 〇 2020/175255 27 卩(:170? 2020 /006397

3 -ブタンジオール (和光純薬工業社製、 特級) に変更したことを除き、 実 施例 1 と同様の合成条件で銀ナノワイヤの合成を試 みた。

[0079] 本例で使用したアルコール溶媒は、 上記溶液 中に存在する 1 , 3—ブタン ジオールと、 上記溶液巳から供給される少童の 1 , 2—プロパンジオール (プ ロピレングリコール) とをアルコール成分として含有する。 アルコール成分 全部に占める各アルコールの質量割合は、 1 , 3—ブタンジオール 9 8 . 2 %

、 1 , 2—プロパンジオール 1 . 8 %である。

[0080] 結果を表 2に示す。 本例では、 1分子中の炭素数が 4であるアルカンジオ —ルとして 1 , 3—ブタンジオールを使用したが、 得られた金属銀の大部分は 粒状物であつた。 図 5に本例で得られた合成物の 7º ^\ (透過型電子顕微鏡 ) 写真を例示する。

[0081 ]

\¥02020/175255 28 卩(:17 2020 /006397

[表 1]

表 1

*1 : アルコール成分に占める質量割合

\¥0 2020/175255 30 卩(:17 2020 /006397

[0082] [表 2]

参考のため、 図 6に合成温度と平均直径の関係を表すグラフ 、 図 7に合 成温度と直径の変動係数<3 Vの関係を表すグラフをそれぞれ示す。

[0083] 〔透明導電膜のヘイズ評価〕

次に、 実施例 7と比較例 4で合成した銀ナノワイヤを用いて以下のよ に 透明導電膜を作製し、 ヘイズを測定した。

[0084] [実施例 7八] 〇 2020/175255 31 卩(:170? 2020 /006397

本例では実施例 7で得られた銀ナノワイヤを使用し、 以下の手順で実験を 行った。

(沈殿工程)

前述の実施例 7で得られた反応液 (常温まで冷却されたもの) 84009 に、 純水 1 890 9 を添加して 1 0分撹拌した。 次に、 アセトン 75809 を添加して 1 〇分撹拌した。 次に、 キシレン 88209を添加して 1 〇分撹 拌した。 その後、 3時間静置させた。 静置後、 濃縮物と上澄みが観察された ため、 上澄み部分を除去し、 銀ナノワイヤを含む濃縮物を回収した。

[0085] (第 1洗浄工程)

ビニルピロリ ドンとジアリルジメチルアンモニウムナイ トレイ ト ( 丨 3 I 1 ソ 1 〇1 1 |116 1: 11 7 1 31111110 门 1 リ 111 のコポリマ

- (ビニルピロリ ドン 99質量%、 ジアリルジメチルアンモニウムナイ トレ イ ト 1質量%でコボリマー作製、 重量平均分子量 75, 000) を純水に溶解 させて、 前記コポリマーの濃度が 1質量%である 「ポリマー含有水溶液」 を 作製した。 このポリマー含有水溶液 1 60 9 を、 上記のようにして回収した 銀ナノワイヤを含む濃縮物に添加し、 浸とう機にて 1 〇〇 「 で2.5時間 撹拌した。 その後、 アセトン 7009を添加して銀ナノワイヤを含む固形分 を沈殿させた。 上澄みを除去し、 さらにアセトン 1 509を添加し、 上澄み を除去した。 次に、 上記のポリマー含有水溶液 1 2809を添加し、 撹拌機 にて回転数 1 〇〇 「 で 1 2時間撹拌し、 第 1洗浄工程を終えた銀ナノワ イヤ分散液を得た。

[0086] (第 2洗浄工程)

次いで、 上記の銀ナノワイヤ分散液を携拌機にて回転 数 1 00 「 〇1で携 拌しながら、 アセトン 40009を添加し、 撹拌を停止した。 沈殿物が生成 し、 上澄みは濁っている様子が確認された。 濁った上澄み中には沈降速度の 遅い短い銀ナノワイヤ (アスペクト比が 1 00未満のワイヤを主体とする短 いワイヤ) が含まれている。 上澄みを除去し、 撹拌機にて回転数 1 00 「 で撹拌しながら、 アセトン 1 5009を添加し、 撹拌を停止した。 上澄み 〇 2020/175255 32 卩(:170? 2020 /006397

を除去した後、 前述のポリマー含有水溶液 (上記のコボリマー濃度が 1質量 %のもの) を 1 2 8 0 9添加し、 撹拌機にて回転数 1 0 0 「 で 1 2時間 撹拌し、 第 2洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散液を得 。

[0087] (第 3〜第 6洗浄工程)

さらに上記第 2洗浄工程と同様の手順を 4回繰り返すことによって、 第 3 洗浄工程から第 6洗浄工程までを行い、 第 6洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ 分散液を得た。 洗浄工程を繰り返す毎に上澄みの濁りは低減 した。

[0088] (第 7洗浄工程)

第 6洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散液を、 撹拌機にて回転数 1 0 0 「 で撹拌しながら、 アセトン 4 0 0 0 9を添加し、 1 0分後に撹拌を停止 した。 沈殿物が生成した後、 上澄みを除去し、 撹拌機にて回転数 1 0 0 「 で撹拌しながら、 アセトン 1 5 0 0 9を添加し、 撹拌を停止した。 沈殿物 が生成した後、 上澄みを除去し、 純水 1 2 8 0 9を添加し、 撹拌機にて回転 数 1 0 0 「 で 1 2時間撹拌し、 第 7洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散 液を得た。 この分散液中の金属銀濃度を 丨 〇 ?発光分光分析法 (装置: アジ レント ·テクノロジー株式会社製 丨 〇 発光分光分析装置 7 2 0—巳 3) に よって測定したところ、 銀ナノワイヤの濃度は金属銀換算で 2 . 4 7 4質量% であった。

[0089] (増粘剤の熱水処理)

増粘剤として、 メ トキシ基 2 1 . 5質量%、 ヒドロキシプロポキシ基 3 0 .

〇質量%に調整された ! ! 1\/1〇 (ヒドロキシプロピルメチルセルロース、 化 学メーカーの製造によるもの、 重量平均分子量: 8 4 0 , 0 0 0) の粉体製品 を用意した。 この粉体を目開き 2 0 0 の篩にかけた。 容量 1 5 1_の3 11 3製槽中で 9 8 ° 〇に加熱してある純水 6 0 0 0 9中に、 上記の篩目を通った 増粘剤の粉体 1 5 0 9を加え、 ィスクタービン羽にて 6

0 0 「 で 3 0分間撹拌し、 増粘剤のスラリーを得た。 このスラリーを 八メッシュにて減圧ろ過し、 その後、 メッシュ上に残った増粘剤の固形分 に沸騰した純水 6 4 0 0 9を注ぐことにより熱水洗浄した。 熱水がろ過され 〇 2020/175255 33 卩(:170? 2020 /006397

たことを確認した後、 増粘剤の固形分が冷めないうちに、 ほぐして、 おおよ そ 3〇 大の増粘剤固形分を得た。 この増粘剤固形分を 70°〇で 30分乾燥 させた後、 常温に戻る前に粒径が 1 〇 以下となるように解粒した。 その後 、 70°〇で 1 2時間乾燥させ、 熱水処理済みの増粘剤 1 20 9 を得た。 以上 の操作を 2回に分けて行い、 熱水処理済みの増粘剤を合計 2409得た。

[0090] (増粘剤水溶液の作製)

増粘剤の溶解には、 容量 20 !_の 3 II 3製槽を使用し、

ディスクタービン羽を用いた。 95 ° 〇に加熱した純水 9850 9 に上記の熱 水処理済みの増粘剤 1 509を加え、 475 「 で撹拌しながら 40 ° 〇ま で放冷したのち、 槽のジャケッ トにチラーにより冷却した冷却水を流すこと により冷却し、 1 2時間撹拌した。 撹拌終了時の温度は 5 °〇であった。 この ようにして増粘剤を水に溶解させ、 増粘剤水溶液を得た。 得られた増粘剤水 溶液を設定圧力 0.21\/1 3 で加圧ろ過し、 不溶性成分を除去した。 加圧ろ過 にはフィルタ濾過精度 (目開き) 1 のデプスプリーツフィルタ (ロキテ クノ社製; タイプ) を使用した。 このろ過後の増粘剤水溶液における 増粘剤成分 の濃度は 1.24質量%であった。

[0091] (塗工用銀ナノワイヤ分散液の作製)

上記第 7洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散液 3 1 3 9 、 純水 1 9209 、 および上記ろ過後の増粘剤水溶液 3479を 1つの容器に入れ、 直径 1 7 0 の 6枚傾斜羽を使用して 1 50 「 で 2時間撹拌した。 その後、 2 -プロパノールの 50%水溶液を 1 7209加え、

撹拌し、 液状媒体中の溶媒成分が水およびアルコール である塗工用銀ナノワ イヤ分散液を得た。 この銀ナノワイヤ分散液の金属銀濃度を 丨 〇 発光分光 分析法によって測定したところ、 銀ナノワイヤ含有量は金属銀換算で〇. 1 8 0質量%であった。

[0092] (透明導電膜の作製)

厚さ 1 00 〇1、 寸法 1 0001111X 1 50〇1111の 巳丁フィルム基材 (東 洋紡社製、 コスモシャイン (登録商標) 4 1 00) を用意した。 上記の塗 〇 2020/175255 34 卩(:170? 2020 /006397

エ用銀ナノワイヤ分散液を、 番手 1^1〇 . 6のバーコーター (テスター産業社製 、 3 _ 2 0 3) で上記 巳丁フィルム基材のベア面に塗布し、 塗膜を形成 した。 基材上に形成された塗膜の面積は 8 0〇1〇1 1 2 であった。 こ の塗膜を大気中 1 2 0 ° 〇で 1分間乾燥させ、 透明導電膜を得た。

[0093] (ヘイズの測定)

上記の透明導電膜のヘイズを、 日本電色工業社製、 ヘーズメーター 0 1 ~ 1

5 0 0 0により測定されるヘイズの値 (%) に基づいて評価した。 ここで は、 巳丁基材の影響を除去するために、 下記 (3) 式により定まるヘイズ 評価指標 ! !を採用した。

[ヘイズ評価指標!· I] = [基材十透明導電膜のヘイズ値] — [基材のみの ヘイズ値] (3)

ここで、 「基材十透明導電膜のヘイズ値」 は基材フィルムとその上に形成 されている透明導電膜からなる物体のヘイズ 値 (%) 、 「基材のみのヘイズ 値」 は、 透明導電膜を形成する前の基材フィルムのヘ イズ値 (%) である。 両者の差であるヘイズ評価指標 1 ~ 1の値が小さいほど、 透明導電膜に起因する ヘイズの発生量が少ないと評価される。

本例で得られた透明導電膜のヘイズ評価指標 ! ~ 1は0 . 4 0であった。 結果を 表 3に示してある。

[0094] [実施例 7巳]

本例では実施例 7で得られた銀ナノワイヤを使用した。 上記の第 6洗浄エ 程までを実施例 7 と同様の条件で行い、 第 6洗浄工程を終えた銀ナノワイ ヤ分散液を得た。 これを以下の工程に供した。

(第 7洗浄工程)

第 6洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散液を撹 機にて回転数 1 0 0 「 で撹拌しながら、 アセトン 4 0 0 0 9を添加し、 1 0分後に撹拌を停止し た。 沈殿物が生成した後、 上澄みを除去し、 撹拌機にて回転数 1 〇〇 「 で撹拌しながら、 アセトン 1 5 0 0 9を添加し、 撹拌を停止した。 沈殿物が 生成した後、 上澄みを除去し、 前述のポリマー含有水溶液 (上記のコボリマ 〇 2020/175255 35 卩(:170? 2020 /006397

—濃度が 1質量%のもの) を 1 2809添加し、 撹拌機にて回転数 1 00 「 で1 2時間撹拌し、 第 7洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散液を得 。

[0095] (塗工用銀ナノワイヤ分散液の作製)

前記第 7洗浄工程を終えた銀ナノワイヤ分散液 3509を撹拌機にて回転 数 1 00 「 で撹拌しながら、 アセトン 1 0009を添加し、 1 0分後に 携拌を停止した。 上澄みを除去し、 携拌機にて回転数 1 〇〇 「 111で携拌し ながら、 アセトン 3759を添加し、 撹拌を停止した。 次に、 上澄みを除去 した後、 2—プロパノール 7779を添加したのち、 自動分散器 (まぜまぜ マン、 — 40) を用いて 24時間の分散処理を施すことによって、 銀 ナノワイヤが 2—プロパノールに分散したアルコール系銀 ノワイヤ分散液 を得た。 このアルコール系銀ナノワイヤ分散液を 60%硝酸に溶解したもの を、 アジレント ·テクノロジー社製、 〇 一〇巳 3720により高周波誘導 結合プラズマ ( \ 09) 発光分光分析法で分析して、 上記アルコール系銀ナ ノワイヤ分散液中の銀濃度を算出した。 この銀濃度の値に基づき、 上記アル コール系銀ナノワイヤ分散液を所定量の 2—プロパノールで希釈することに より、 銀濃度が〇.2質量%である塗工用銀ナノワイ 分散液を得た。

[0096] (透明導電膜の作製)

厚さ 1 00 〇1、 寸法 1 0001111X 1 50〇1111の 巳丁フィルム基材 (東 洋紡社製、 コスモシャイン (登録商標) 4 1 00) を用意した。 上記の塗 エ用アルコール系銀ナノワイヤ分散液を、 番手 1\1〇.6のバーコーター (テス 夕一産業社製、 3八一 203) で上記 巳丁フィルム基材のベア面に塗布し 、 塗膜を形成した。 基材上に形成された塗膜の面積は 8〇 1 20 であった。 この塗膜を大気中 80 ° 〇で 1分間で乾燥させ、 透明導電膜を得た

[0097] (ヘイズの測定)

実施例 7 と同様の方法でヘイズ評価指標 !!を求めた。 本例で得られた透 明導電膜のヘイズ評価指標 !!は〇.38であった。 結果を表 3に示してある。

[0098] [比較例 4八] 〇 2020/175255 36 卩(:170? 2020 /006397

本例では、 比較例 4で得られた銀ナノワイヤを使用したこと、 および沈殿 工程を以下の条件で行ったこと以外、 実施例 7巳と同様の条件で実験を行っ た。

(沈殿工程)

前述の実施例 4で得られた反応液 (常温まで冷却されたもの) 8 4 0 0 9 に、 純水 1 0 5 0 9を添加して 1 0分撹拌した。 次に、 アセトン 7 5 8 0 9 を添加して 1 〇分撹拌した。 次に、 キシレン 6 3 2 0 9を添加して 1 〇分撹 拌した。 その後、 3時間静置させた。 静置後、 濃縮物と上澄みが観察された ため、 上澄み部分を除去し、 銀ナノワイヤを含む濃縮物を回収した。

[0099] 本例で得られた透明導電膜のヘイズ評価指標 1 ~ 1は〇. 6 2であった。 結果を 表 3に示してある。

[0100] [表 3]

表 3

[0101 ] 平均直径が極めて細くかつ直径バラツキの非 常に小さい銀ナノワイヤは、 透明導電膜のヘイズを低減するうえで極めて 有用であることが確認された。