SOEDA TSUYOSHI (JP)
JPS63264943A | 1988-11-01 | |||
JP2003119607A | 2003-04-23 | |||
JP2005206994A | 2005-08-04 | |||
JP3077907U | 2001-06-12 | |||
JPH0379609A | 1991-04-04 | |||
JPS6118064A | 1986-01-25 | |||
JP2004270097A | 2004-09-30 | |||
JP2004211268A | 2004-07-29 | |||
JP2007002364A | 2007-01-11 |
Hideko Mihara (JP)
織物組織または編物組織を有する布帛を含む滑り止め用テープであって、前記の布帛が、単繊維径が10~1000nmのフィラメント糸Aを含むことを特徴とする滑り止め用テープ。 |
前記布帛において、布帛の表面に前記フィラメント糸Aが露出している、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 |
前記フィラメント糸Aのフィラメント数が500本以上である、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 |
前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条である、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 |
前記フィラメント糸Aがポリエステルからなる、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 |
前記の布帛に、他の繊維として単繊維径が1000nmより大のフィラメント糸Bが含まれる、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 |
前記フィラメント糸Bのフィラメント数が1~500本の範囲内である、請求項6に記載の滑り止め用テープ。 |
前記フィラメント糸Bが弾性糸である、請求項6に記載の滑り止め用テープ。 |
前記布帛の表面において、摩擦抵抗値が40cN以上である、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 ただし、摩擦抵抗値は下記の方法で測定した抵抗値(cN)である。すなわち、温度20℃、湿度65%RHの環境下で、平滑な台の上にシリコンゴムを敷く。次いで、該シリコンゴムの上に、大きさが底面5cm×4cm、高さ3cm、重さが35cN(36gr)のヘッドであり、下面に試料を貼り付けたヘッドを置く。次いで、引張り試験機により該ヘッドを100mm/分の速度で引っ張った時の抵抗値(cN)を摩擦抵抗値とする。 |
滑り止め用テープの巾が3~100mmの範囲内である、請求項1に記載の滑り止め用テープ。 |
請求項1~10のいずれかに記載の滑り止め用テープを用いてなる、ズボン、スカート、靴下、ストッキング、ブラジャー、ショーツ、ランジェリー、ガードル、紳士用パンツ、婦人用パンツ、スポーツ用アンダーシャツ、スポーツ用アンダーパンツ、ジャージ、帽子、手袋、腰巻き、スポーツ用品およびスポーツ用資材からなる群より選択される、いずれかの繊維製品。 |
本発明は、ズボン、スカート、インナー 品等の内側に取り付けることが可能で、優 た滑り止め効果を有し、かつ肌に優しい滑 止め用テープおよび繊維製品に関する。
従来、滑り止め用テープとしては、ポリ レタン繊維やゴムなどの伸縮性材料を用い もの、シリコン樹脂をテープに加工したも などが知られている(例えば、特許文献1、 許文献2参照)。
しかしながら、ポリウレタン繊維やゴム どの伸縮性材料を用いた滑り止め用テープ おいては、使用の際に身体に圧力が加わる め、不快感や血行不良が発生するおそれが った。
一方、シリコン樹脂をテープに加工した滑
止め用テープにおいては、該テープにより
気性や透湿性が阻害されるため、発汗や降
によりテープと肌の間に溜まった水分がテ
プの滑り止め効果を著しく下げるという問
があった。また、ムレ感が発生するという
題もあった。さらには、加工によっては塗
したシリコン樹脂が凸形状となり、肌に凹
状の線が残る問題もあった。
本発明は上記の背景に鑑みなされたもの あり、その目的は、優れた滑り止め効果を し、かつ肌に優しい滑り止め用テープおよ 繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭 検討した結果、単繊維径が極めて小さい繊 を用いて滑り止め用テープを構成すると、 来の滑り止め用テープと比較して、優れた り止め効果を有し、かつ肌に優しい滑り止 用テープが得られることを見出し、さらに 意検討を重ねることにより本発明を完成す に至った。
かくして、本発明によれば「織物組織ま は編物組織を有する布帛を含む滑り止め用 ープであって、前記の布帛が、単繊維径が1 0~1000nmのフィラメント糸Aを含むことを特徴と する滑り止め用テープ。」が提供される。
前記布帛において、布帛の表面に前記フ ラメント糸Aが露出していることが好ましい 。また、前記フィラメント糸Aのフィラメン 数が500本以上であることが好ましい。また 前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分と らなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去 て得られた糸条であることが好ましい。ま 、前記フィラメント糸Aがポリエステルから なることが好ましい。
前記の布帛に、他の繊維として単繊維径 1000nmより大のフィラメント糸Bが含まれるこ とが好ましい。また、前記フィラメント糸B フィラメント数が1~500本の範囲内であること が好ましい。また、前記フィラメント糸Bが 性糸であってもよい。
前記布帛の表面において、摩擦抵抗値が4 0cN以上であることが好ましい。ただし、摩擦 抵抗値は下記の方法で測定した抵抗値(cN)で る。すなわち、温度20℃、湿度65%RHの環境下 、平滑な台の上にシリコンゴムを敷く。次 で、該シリコンゴムの上に、大きさが底面5 cm×4cm、高さ3cm、重さが35cN(36gr)のヘッドであ 、下面に試料を貼り付けたヘッドを置く。 いで、引張り試験機により該ヘッドを100mm/ の速度で引っ張った時の抵抗値(cN)を摩擦抵 抗値とする。
また、滑り止めテープの巾が3~100mmの範囲 内であることが好ましい。
本発明によれば、前記の滑り止め用テー を用いてなる、ズボン、スカート、靴下、 トッキング、ブラジャー、ショーツ、ラン ェリー、ガードル、紳士用パンツ、婦人用 ンツ、スポーツ用アンダーシャツ、スポー 用アンダーパンツ、ジャージ、帽子、手袋 腰巻き、スポーツ用品およびスポーツ用資 からなる群より選択されるいずれかである 維製品が提供される。
本発明によれば、優れた滑り止め効果を し、かつ肌に優しい滑り止め用テープおよ 繊維製品が得られる。
1:滑車
2:ヘッド
3:試料
4:シリコンゴム
5:ウイング部
6:カップ部
7:肩ひも(ストラップ)
以下、本発明の実施の形態について詳細に
明する。
本発明の滑り止め用テープは、織物組織ま
は編物組織を有する布帛を含む滑り止め用
ープであって、前記の布帛に、単繊維径が1
0~1000nmのフィラメントAが含まれる。
前記フィラメント糸Aにおいて、その単繊 維径(単繊維の直径)が10~1000nm(好ましくは250~80 0nm、特に好ましくは510~800nm)の範囲内である とが肝要である。かかる単繊維径を単繊維 度に換算すると、0.000001~0.01dtexに相当する。 該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強 が低下するため実用上好ましくない。逆に 該単繊維径が1000nmよりも大きい場合は、十 な滑り止め効果が得られないおそれがあり ましくない。ここで、単繊維の断面形状が 断面以外の異型断面である場合には、外接 の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径 、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影 ることにより測定が可能である。
前記フィラメント糸Aにおいて、フィラメ ント数は特に限定されない。優れた滑り止め 効果を得る上で500本以上(より好ましくは2000~ 50000本)であることが好ましい。また、フィラ メント糸Aの総繊度(単繊維繊度とフィラメン 数との積)としては、30~800dtexの範囲内であ ことが好ましい。
前記フィラメント糸Aの繊維形態は特に限 定されないが、長繊維(マルチフィラメント )であることが好ましい。単繊維の断面形状 特に限定されず、丸、三角、扁平、中空な 公知の断面形状でよい。また、通常の空気 工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつ えない。
前記フィラメント糸Aを形成するポリマー の種類としては特に限定されないが、ポリエ ステル系ポリマーまたはナイロン系ポリマー が好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタ レートやポリトリメチレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第 3成分を共重合させたポリエステルなどが好 しく例示される。かかるポリエステルとし は、マテリアルリサイクルまたはケミカル サイクルされたポリエステルであってもよ 。さらには、特開2004-270097号公報や特開2004-2 11268号公報に記載されているような、特定の ン化合物およびチタン化合物を含む触媒を いて得られたポリエステルや、ポリ乳酸、 テレオコンプレックスポリ乳酸でもよい。 記ポリエステルポリマー中には、微細孔形 剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱 定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸 剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれ いてもよい。
本発明の滑り止め用テープに含まれる布 は、前記フィラメント糸Aだけで構成されて もよいが、前記フィラメント糸Aと、他の繊 として単繊維径が1000nmより大のフィラメン Bとで構成されると、滑り止め用テープの保 性が向上し好ましい。
ここで、前記フィラメント糸Bは、その単 繊維径が1000nmより大(好ましくは2~33μm)である ことが好ましい。なお、33μmは繊度に換算す と約10dtexである。該フィラメント糸Bの単繊 維径が1000nm(1μm)以下であると、テープの保形 性が損なわれるおそれがある。ここで、単繊 維の断面形状が丸断面以外の異型断面である 場合には、外接円の直径を単繊維径とする。 なお、単繊維径は、前記と同様、透過型電子 顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより 測定が可能である。
前記フィラメント糸Bにおいて、フィラメ ント数は特に限定されないが、1~300本の範囲 であることが好ましい。また、かかるフィ メント糸Bの繊維形態は特に限定されず紡績 糸でもよい。特に、長繊維(マルチフィラメ ト糸)やポリウレタン繊維等、あるいは両者 使用することが好ましい。単繊維の断面形 も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空 ど公知の断面形状でよい。また、通常の空 加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさし かえない。またフィラメント糸Bは1種類で よいし、フィラメント糸B1、フィラメント糸 B2、フィラメント糸B3・・・・と複数種類で よい。
前記フィラメント糸Bを形成するポリマー の種類としては特に限定されない。なかでも 、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメ チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ タレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレック スポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエ テル、ポリエーテルエステル、ウレタンな が好ましく例示される。かかるポリエステ としては、マテリアルリサイクルまたはケ カルリサイクルされたポリエステルであっ もよい。さらには、特開2004-270097号公報や特 開2004-211268号公報に記載されているような、 定のリン化合物およびチタン化合物を含む 媒を用いて得られたポリエステルやポリ乳 、ステレオコンプレックスポリ乳酸でもよ 。なかでも、滑り止め効果をより向上させ 場合はポリエーテルエステルやポリウレタ などの弾性樹脂が好ましい。前記フィラメ ト糸Bを形成するポリマー中には、微細孔形 成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱 安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸 湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれ いてもよい。
なお、前記フィラメント糸Bは複合糸であ ってもよい。例えば、ポリウレタン繊維やポ リエーテルエステル系繊維などからなる弾性 繊維糸条と、ポリエステル系繊維糸条とをイ ンターレース空気ノズルなどにより空気混繊 させた複合糸、弾性繊維糸条のまわりにポリ エステル系糸条をカバリングした複合糸、紡 績糸を用いた複合糸などが好ましい。
本発明の滑り止め用テープに含まれる布 において、表裏どちらか一方表面に前記フ ラメントAが露出していることが好ましい。 例えば、前記フィラメントAが肌に接触する うに使用することにより、肌との摩擦力が 上し、優れた滑り止め効果が得られる。こ で、電子顕微鏡を用いて50倍の倍率で生地表 面を撮影し、写真のなかで、フィラメント糸 Aが占める面積AAと、フィラメント糸Bが占め 面積BAとを計測し、フィラメント糸Aの面積 合(%)(=AA/(AA+BA)×100)の値が30%以上(好ましくは1 00%)であることが好ましい。特に、前記布帛 表裏どちらか一方表面に前記フィラメント Aのみが露出していることが好ましい。前記 ィラメント糸Aのみが露出している表面を肌 側に用いて滑り止め用テープを使用すると、 肌との摩擦力が向上し、優れた滑り止め効果 が得られる。
本発明の滑り止め用テープは例えば以下 製造方法により製造することができる。ま 、海成分と、その径が10~1000nmである島成分 で形成される海島型複合繊維(フィラメント 糸A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊 としては、特開2007-2364号公報に開示された 島型複合繊維マルチフィラメント(島数100~15 00)が好ましく用いられる。
すなわち、前記海成分ポリマーとしてア カリ水溶液易溶解性ポリマーを用いる。か るアルカリ水溶液易溶解性ポリマーとして 、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオ サイド縮合系ポリマー、ポリエチレングル ール系化合物共重合ポリエステル、ポリエ レングリコール系化合物と5-ナトリウムス ホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステル 好適である。なかでも、5-ナトリウムスルホ イソフタル酸6~12モル%と分子量4000~12000のポリ エチレングルコールを3~10重量%共重合させた 有粘度が0.4~0.6のポリエチレンテレフタレー ト系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーとしては、繊維形 性のポリエチレンテレフタレートやポリト メチレンテレフタレート、ポリブチレンテ フタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合さ せたポリエステルなどのポリエステルが好ま しい。該ポリマー中には、本発明の目的を損 なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成 剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安 定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿 剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれて てもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマー らなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時にお る海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶 粘度よりも大きいことが好ましい。また、 成分の径は、10~1000nmの範囲とする必要があ 。その際、島成分の形状が真円でない場合 外接円の直径を求める。前記の海島型複合 維において、その海島複合重量比率(海:島) 、40:60~5:95の範囲が好ましく、特に30:70~10:90 範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維は、例えば以下の 法により容易に製造することができる。す わち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリ ーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用い れる紡糸口金としては、島成分を形成する めの中空ピン群や微細孔群を有するものな 任意のものを用いることができる。吐出さ た海島型複合繊維は、冷却風によって固化 れ、好ましくは400~6000m/分で溶融紡糸された 後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別 途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱 収縮特性を有する複合繊維とすることが好ま しい。あるいは、吐出された海島型複合繊維 を一旦巻き取ることなく一定速度でローラー に引き取り、引き続いて延伸工程を通した後 に巻き取る方法でも構わない。
かくして得られた海島型複合繊維(マルチ フィラメント)において、単糸繊維繊度、フ ラメント数、総繊度としてはそれぞれ単糸 維繊度0.5~10.0dtex、フィラメント数5~75本、総 30~170dtexの範囲内であることが好ましい。ま た、かかる海島型複合繊維の沸水収縮率とし ては5~30%の範囲内であることが好ましい。
一方、必要に応じて、単繊維径が1000nmよ 大のフィラメント糸Bを用意する。かかるフ ィラメント糸Bの単繊維繊度としては0.1dtex以 (好ましくは0.1~50dtex)であることが好ましい また、かかるフィラメント糸Bにおいて、フ ィラメント数、総繊度としてはそれぞれフィ ラメント数1~300本、総繊度10~800dtexの範囲内で あることが好ましい。
前記フィラメント糸Bとしては、沸水収縮 率10%以上(より好ましくは20~40%)の範囲内の高 縮ポリエステルか、弾性糸(ポリウレタン弾 性糸またはポリエーテルエステル弾性糸)で ることが好ましい。なお、前記のような高 沸水収縮率を得るには、共重合ポリエステ を用いて常法により紡糸、延伸するとよい その際、共重合ポリエステルとしては、共 合ポリエステルの主構成モノマーがテレフ ル酸およびエチレングリコールであり、こ 主構成モノマーに共重合する第三成分が、 ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ア ピン酸、セバシン酸、ジエチレングリコー 、ポリエチレングリコール、ビスフェノー A、およびビスフェノールスルフォンからな 群より選択されるいずれかであることが好 しい。特に、前記の共重合ポリエステルが 酸成分がモル比(テレフタル酸/イソフタル )90/5~85/15のテレフタル酸およびイソフタル酸 からなり、グリコール成分がエチレングリコ ールからなる共重合ポリエステルであること が好ましい。このような共重合ポリエステル を用いることにより高い沸水収縮率が得られ る。
次いで、前記海島型複合繊維と、必要に じてフィラメント糸Bとを用いて布帛を常法 により織編成する。かかる布帛において、前 記海島型複合繊維が布帛の表裏どちらか一方 表面に露出することが好ましい。
その際、前記海島型複合繊維とフィラメ ト糸Bとが混繊糸として布帛中に含まれてい てもよいが、前記フィラメント糸Aと前記フ ラメントBとを交編または交織することによ 布帛(編物または織物)を織編成することが ましい。用いる織編機械としては公知のリ ン用織機(例えば、(独)ヤコブミューラー社 ニードル織機、または(株)富永機械製作所製 NJK機など。)が好ましい。
前記海島型複合繊維だけでなく前記フィ メント糸Bをも用いる場合、前記海島型複合 繊維とフィラメント糸Bとの総繊度比として 、90:10~20:80の範囲内であることが好ましい。
ここで、前記布帛の組織は特に限定され い。例えば、よこ編組織としては、平編、 ム編、両面編、パール編、タック編、浮き 、片畔編、レース編、添え毛編等が例示さ る。たて編組織としては、シングルデンビ 編、シングルアトラス編、ダブルコード編 ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハ フトリコット編、裏毛編、ジャガード編等 どが例示される。織物組織としては、平織 綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、た 二重織、よこ二重織等の片二重組織、たて ロードなどが例示される。もちろん、これ に限定されない。層数も単層でもよいし、2 層以上の多層でもよい。
次いで、前記布帛にアルカリ水溶液処理 施し、前記海島型複合繊維の海成分をアル リ水溶液で溶解除去すると、海島型複合繊 が単繊維径10~1000nmのフィラメント糸Aとなり 、単繊維径が10~1000nmのフィラメント糸Aを含 布帛が得られる。
その際、アルカリ水溶液処理の条件として
、濃度3~4%のNaOH水溶液を使用し55~65℃の温度
で処理するとよい。
また、該アルカリ水溶液による溶解除去処理
工程の前工程および/または後工程において
生地に染色加工を施してもよい。カレンダ
加工(加熱加圧加工)やエンボス加工を施して
もよい。さらに、常法の起毛加工、撥水加工
、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗
菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤
、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する
各種加工を付加適用してもよい。
本発明の滑り止め用テープは該布帛のみで構
成されていてもよいが、該布帛と他の布帛と
で構成されていてもよい。例えば、前記布帛
を肌側に配し、一方、外気側に例えば通常の
ポリエステル織編物を配することにより多層
構造としてもよい。
かくして得られた滑り止め用テープにお て、その巾としては、3~100mm(より好ましく 5~50mm)の範囲内であることが好ましい。
本発明の滑り止め用テープは、単繊維径 10~1000nmのフィラメント糸Aを含む布帛で構成 されているので、優れた滑り止め効果を有し 、かつ肌に優しい。
本発明の滑り止め用テープにおいて、優 た滑り止め効果が得られる理由については だ明らかにされていないが、布帛表面がフ ットになって対象物(例えば、肌)との接触 積が大きくなること、また、フィラメント Aが対象物(例えば、肌)の凹凸に引っ掛かる めであろうと推定している。
また、本発明の滑り止め用テープにおい 、摩擦抵抗値がドライ状態(温度20℃、湿度6 5%RHの環境下)で40cN以上(好ましくは40~50cN)であ ることが好ましい。また、ウエット状態では 45cN以上(好ましくは45~100cN)であることが好ま い。ただし、該摩擦抵抗値は下記の方法で 定した抵抗値(cN)である。すなわち、図5に 式的に示すように、平滑な台の上にシリコ ゴムを敷く。次いで、該シリコンゴムの上 、大きさが底面5cm×4cm、高さ3cm、重さが36gr(3 5cN)のヘッドであり、下面に試料を貼り付け ヘッドを置く。次いで、引張り試験機によ 該ヘッドを100mm/分の速度で引っ張った時の 抗値(cN)を摩擦抵抗値とする。また、ウエッ 状態とは、試料に水を0.1cc付与した状態と 試料を水中に完全に浸漬し、水分を十分含 だ状態から引き上げ、30秒後の状態の2水準 ある。
また、本発明の滑り止め用テープにおい 、単繊維径が1000nmより大のフィラメント糸B が含まれている場合は、テープの保形性が向 上する。
本発明の繊維製品は、前記の滑り止め用 ープを用いてなる、ズボン、スカート、靴 、ストッキング、ブラジャー、ショーツ、 ンジェリー、ガードル、紳士用パンツ、婦 用パンツ、スポーツアンダーシャツ、スポ ツアンダーパンツ、ジャージおよび帽子、 袋からなる群より選択される、いずれかの 維製品である。かかる繊維製品において、 記フィラメント糸Aが露出している表面が肌 と接触するように、前記の滑り止めテープを 用いると、優れた滑り止め効果が得られる。 また、吸水性にも優れかつ肌にも優しい。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述する
、本発明はこれらによって限定されるもの
はない。なお、実施例中の各測定項目は下
の方法で測定した。
<溶融粘度>
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー
融温度に設定したオリフィスにセットして5
分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけ
て押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘
度をプロットする。そのプロットをなだらか
につないで、せん断速度-溶融粘度曲線を作
し、せん断速度が1000秒 -1
の時の溶融粘度を見る。
<溶解速度>
海・島成分の各々0.3φ-0.6L×24Hの口金にて1000
~2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに
留伸度が30~60%の範囲になるように延伸して
84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する
これを各溶剤にて溶解しようとする温度で
比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度
算出した。
<単繊維径>
布帛を電子顕微鏡で写真撮影した後、n数5
単繊維径を測定しその平均値を求めた。
<布帛の表面に露出しているフィラメント
Aの面積割合>
電子顕微鏡を用いて50倍の倍率で布帛表面
撮影し、写真のなかで、フィラメント糸Aが
める面積AAと、フィラメント糸Bが占める面
BAとを計測し、フィラメント糸Aの面積割合(
%)を算出した。
フィラメント糸Aの面積割合(%)=AA/(AA+BA)×100
<摩擦抵抗値>
摩擦力の代用特性として摩擦抵抗値(cN)を下
記の方法で測定した。すなわち、温度20℃、
度65%RHの環境下で、図5に模式的に示すよう
、平滑な台の上にシリコンゴムを敷いた。
いで、該シリコンゴムの上に、大きさが底
5cm×4cm、高さ3cm、重さが36gr(35cN)のヘッドで
り、下面に試料を貼り付けたヘッドを置い
。次いで、引張り試験機により該ヘッドを1
00mm/分の速度で引っ張った時の抵抗値(cN)を測
定した。また、ウエット状態とは、試料に水
を0.1cc付与した状態と、試料を水中に完全に
漬し、水分を十分含んだ状態から引き上げ
30秒後の状態の2水準である。
<滑り止め性>
実施例1で得られたブラジャー用ストラップ
、実施例2で得られたブラジャー用上下辺テ
プ、比較例1で得られたブラジャー用ストラ
プ、比較例2で得られたブラジャー用上下辺
テープについて、試験者10人が1ケ月間着用テ
ストを行った。その際、日常生活の動作にお
いて、ストラップについては肩からズレるか
どうか、上下辺テープについては密着部と肌
とのズレ感について以下の3段階で評価した(3
級:どのような動きでもほとんどズレない。2
:大きな動作によってはズレることがある。
1級:簡単な動きでズレることがある。)。
<風合いテスト>
上記肌との滑り止め性テストと同時に風合
テストを行い、以下の3段階に評価した。3
:肌にやさしく違和感がない。2級:やや違和
がある。1級:かなり違和感がある。
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート(28
0℃における溶融粘度が1200ポイズ、艶消し剤
含有量:0重量%)、海成分として5-ナトリウム
ルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000
ポリエチレングリコール6重量%を共重合し
ポリエチレンテレフタレート(280℃における
融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/
)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延
伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で
溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延 倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で セットして巻き取った。得られた海島型複 繊維(フィラメント糸A用延伸糸)は56dtex/10fil あり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断 を観察したところ、島の形状は丸形状でか 島の径は710nmであった。
一方、フィラメント糸B1として、市販の リウレタン弾性糸(繊度470dtex/1fil旭化成(株) )に市販のポリエステル仮撚捲縮加工糸167dtex /72filをカバリングしたストレッチ性複合糸を 用意した。また、フィラメント糸B2として市 のポリエステル仮撚捲縮加工糸167dtex/48filを 用意した。また、フィラメント糸B3として市 の非捲縮ポリエステル延伸糸110dtex/48filを用 意した。
次いで、リボン用織機(ヤコブミューラー 社製ニードル織機)を使用して、生地(テープ) の裏面が肌との滑り止め効果を発揮するよう に糸を配した。すなわち、経糸として、前記 海島型複合繊維56dtex/10filを4本合糸した224dtex/ 40filの海島型複合繊維複合糸(裏側用)を15本、 前述したフィラメント糸B1(中間組織用)を16本 、フィラメント糸B2(表側用)を16本、それぞれ 用いた。一方、緯糸には前記フィラメント糸 B3を用いた。そしてリバーシブル構造の伸縮 を持つ幅10mmの織物を得た。その際、図7に す織組織図を用いた。ここで、フィラメン 糸B3は緯糸であり、該織組織図は表面から見 た各原糸の配置なので、図の空白部分がフィ ラメント糸B3となる。
次いで、海島型複合繊維の海成分を除去 るために、布帛を3.5%NaOH水溶液で、70℃にて 30%アルカリ減量した。その後、130℃かつ30分 の高圧染色を行った。次いで、最終セット して170℃の乾熱セットを行い、フィラメン 糸Aを含む布帛(滑り止め用テープ)を得た。
得られた布帛において、フィラメント糸A(39
dtex/8360fil)の単繊維径は710nmであった。また、
フィラメント糸B1において、ポリウレタン繊
の単繊維径は160μmであり、カバリングに用
た167dtex/72filの単繊維径は16μmであった。ま
、フィラメント糸B2の単繊維径は19μmであっ
た。また、フィラメント糸B3の単繊維径は16μ
mであった。また、布帛の裏側表面(肌側)にお
いて、フィラメント糸Aが90%以上露出してい
。布帛の裏側表面の摩擦抵抗値は表1に示す
うに、ドライ状態でもウエット状態でも比
例1で得られた布帛の1.5倍以上であった。
該布帛を滑り止め用テープとして、ブラジャ
ー用ストラップ(肩ひも)とし、市販のブラジ
ーのストラップに置き換えて着用テストを
った。その結果、表2に示すように比較例1
比べ肌との滑り止め性に優れていた。なお
テープは、テープ裏側(フィラメント糸Aが90%
以上露出)が肌側に位置するよう縫製により
り付けた。
[比較例1]
実施例1において、海島型複合繊維のかわり
に通常のポリエチレンテレフタレートマルチ
フィラメント延伸糸(総繊度168dtex/48fil、帝人
ァイバー(株)製)を用いた。また、アルカリ
量を施さなかった。これ以外は実施例1と同
様にしてテープを得た。得られたテープにお
いて、ポリエチレンテレフタレートマルチフ
ィラメント延伸糸の単繊維径は19μmであった
[実施例2]
島成分としてポリエチレンテレフタレート(28
0℃における溶融粘度が1200ポイズ、艶消し剤
含有量:0重量%)、海成分として5-ナトリウム
ルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000
ポリエチレングリコール6重量%を共重合し
ポリエチレンテレフタレート(280℃における
融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/
)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延
伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で
溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延 倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で セットして巻き取った。得られた海島型複 繊維(ポリエステルフィラメント糸A用延伸糸 )は56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMに る繊維横断面を観察したところ、島の形状 丸形状でかつ島の径は710nmであった。
他方、フィラメント糸B1として、市販の リウレタン弾性糸(繊度470dtex/1fil旭化成(株) )に市販のポリエステル仮撚捲縮加工糸167dtex /72filをカバーリングしたストレッチ加工糸を 用意した。また、フィラメント糸B2として市 のポリエステル仮撚捲縮加工糸167dtex/48filを 用意した。また、フィラメント糸B3として市 の非捲縮ポリエステル延伸糸110dtex/48filを用 意した。
次いで、リボン用織機(ヤコブミューラー 社製1本針リボン織機機)を使用して、布帛(滑 り止め用テープ)の裏面に肌との滑り止め効 が発揮するように糸を配した。すなわち、 糸として、前記海島型複合繊維56T10filを4本 糸した224dtex/40filの海島型複合繊維複合糸(裏 側用)を30本、前記フィラメント糸B1(中間組織 用)を30本、テープの表側には前述したフィラ メント糸B2(表側用)を30本、それぞれ用いた。 一方、緯糸には前記フィラメント糸B3を用い 。そして、リバーシブル構造の伸縮性を持 幅14mmのテープを得た。その際、図8に示す 組織図を用いた。ここで、フィラメント糸B3 は緯糸であり、該織組織図は表面から見た各 原糸の配置なので、図の空白部分がフィラメ ント糸B3となる。
次いで、海島型複合繊維の海成分を除去 るためにテープを3.5%NaOH水溶液で、70℃にて 30%アルカリ減量した。その後、130℃かつ30分 の高圧染色を行い、最終セットとして170℃ 乾熱セットを行い、フィラメント糸Aを含む 布帛を得た。
得られた布帛において、フィラメント糸A(39
dtex/8360fil)の単繊維径は710nmであった。また、
フィラメント糸B1において、ポリウレタン繊
の単繊維径は220μmであり、カバリングに用
た167dtex/72filの単繊維径は16μmであった。ま
、フィラメント糸B2の単繊維径は19μmであっ
た。また、フィラメント糸B3の単繊維径は16μ
mであった。また、布帛(滑り止め用テープ)の
裏側表面において、ポリエステルフィラメン
ト糸Aが90%以上露出していた。布帛の裏側(肌
)表面の摩擦抵抗値は表3に示すように、ド
イ状態でもウエット状態でも比較例2で得ら
た布帛の1.5倍以上であった。
該布帛を滑り止め用テープとして、市販のブ
ラジャーの上下辺テープ(カップ部の肌側面
上辺と下辺に取り付けられたテープ)に置き
えて着用テストを行った。その結果、表4に
示すように比較例2に比べ肌との滑り止め性
優れていた。なお、滑り止め用テープは、
ープ裏側が肌側に位置するよう縫製により
り付けた。
[比較例2]
実施例2において、海島型複合繊維のかわり
に通常のポリエチレンテレフタレートマルチ
フィラメント延伸糸(総繊度168dtex/48fil、帝人
ァイバー(株)製)を用いた。また、アルカリ
量を施さなかった。これ以外は実施例2と同
様にしてテープを得た。得られたテープにお
いて、ポリエチレンテレフタレートマルチフ
ィラメント延伸糸の単繊維径は19μmであった
本発明によれば、優れた滑り止め効果を有
、かつ肌に優しい滑り止め用テープ、およ
該滑り止め用テープを用いてなる繊維製品
提供され、その工業的価値は極めて大であ
。
Next Patent: NOISE EVALUATION DEVICE