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Patent Searching and Data


Title:
SOLAR CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057692
Kind Code:
A1
Abstract:
A solar cell is provided with a light receiving side electrode layer (2), a rear side electrode layer (4), and a laminated body (3) between the light receiving side electrode layer (2) and the rear side electrode layer (4). The laminated body (3) includes a first photoelectric conversion section (31), and a reflection layer (32) which reflects a part of light passed through the first photoelectric conversion section (31) to the side of the first photoelectric conversion section (31). The reflection layer (32) has a MgZnO layer (32b) composed of MgZnO, and a contact layer (32a) inserted between the MgZnO layer (32b) and the first photoelectric conversion section (31).

Inventors:
SEKIMOTO TAKEYUKI
YATA SHIGEO
SAITA ATSUSHI
Application Number:
PCT/JP2008/069754
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANYO ELECTRIC CO (JP)
SEKIMOTO TAKEYUKI
YATA SHIGEO
SAITA ATSUSHI
International Classes:
H01L31/04
Foreign References:
JPH04127580A1992-04-28
JP2005135987A2005-05-26
JP2004311968A2004-11-04
JP2000323733A2000-11-24
JPS6074685A1985-04-26
JPS6377167A1988-04-07
JPH02237172A1990-09-19
JP2000332273A2000-11-30
JP2002261308A2002-09-13
JP2004259549A2004-09-16
JP2004281938A2004-10-07
JP2005093939A2005-04-07
Other References:
None
See also references of EP 2207209A4
Attorney, Agent or Firm:
TERAYAMA, Keishin et al. (Toranomon Kotohira Tower 2-8, Toranomon 1-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 導電性及び透光性を有する受光面電極層と、
 導電性を有する裏面電極層と、
 前記受光面電極層と前記裏面電極層との間に設けられた積層体とを備え、
 前記積層体は、光の入射により光生成キャリアを生成する第1光電変換部と、前記第1光電変換部を透過した光の一部を前記第1光電変換部側に反射する反射層とを含み、
 前記反射層は、低屈折率層と、前記低屈折率層と前記第1光電変換部との間に介挿されたコンタクト層とを有する
ことを特徴とする太陽電池。
 前記積層体は、前記第1光電変換部と、前記反射層と、光の入射により光生成キャリアを生成する第2光電変換部とが前記受光面電極層側から順に積層された構成を有し、
 前記反射層は、前記低屈折率層と前記第2光電変換部との間に介挿された他のコンタクト層をさらに有する請求項1に記載の太陽電池。
 前記コンタクト層は、前記第1光電変換部との間のコンタクト抵抗値が、前記低屈折率層と前記第1光電変換部との間のコンタクト抵抗値よりも小さい材料からなる請求項1又は2に記載の太陽電池。
 前記他のコンタクト層は、前記第2光電変換部との間のコンタクト抵抗値が、前記低屈折率層と前記第2光電変換部との間のコンタクト抵抗値よりも小さい材料からなる請求項2に記載の太陽電池。
 前記低屈折率層は、屈折率が1.7以上1.9以下の透光性導電酸化物からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池。
 前記低屈折率層は、屈折率が1.7以上1.85以下の透光性導電酸化物からなる請求項5に記載の太陽電池。
 前記低屈折率層は、MgZnOからなる請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池。
 前記コンタクト層は、酸化亜鉛又は酸化インジウムを含む請求項1に記載の太陽電池。
 前記他のコンタクト層は、酸化亜鉛又は酸化インジウムを含む請求項2に記載の太陽電池。
 絶縁性及び透光性を有する基板上に、第1太陽電池素子及び第2太陽電池素子を有する太陽電池であって、
 前記第1太陽電池素子及び前記第2太陽電池素子のそれぞれは、
 導電性及び透光性を有する受光面電極層と、
 導電性を有する裏面電極層と、
 前記受光面電極層と前記裏面電極層との間に設けられた積層体とを備え、
 前記積層体は、光の入射により光生成キャリアを生成する第1光電変換部と、前記第1光電変換部を透過した光の一部を前記第1光電変換部側に反射する反射層と、光の入射により光生成キャリアを生成する第2光電変換部とを含み、
 前記第1太陽電池素子の前記裏面電極層は、前記第2太陽電池素子の前記受光面電極層に向かって延在する延在部を有し、
 前記延在部は、前記第1太陽電池素子に含まれる前記積層体の側面に沿って形成され、
 前記延在部は、前記第1太陽電池素子に含まれる前記積層体の前記側面に露出した前記反射層に接しており、
 前記反射層は、低屈折率層と、前記低屈折率層と前記第1光電変換部との間に介挿されたコンタクト層と、前記低屈折率層と前記第2光電変換部との間に介挿された他のコンタクト層とを有する
ことを特徴とする太陽電池。
 前記コンタクト層は、前記低屈折率層よりも小さい厚みを有する請求項10に記載の太陽電池。
 前記低屈折率層は、MgZnOからなる請求項10又は11に記載の太陽電池。
 前記MgZnO層におけるMgの含有率が、0at%より大きく、かつ25at%以下である請求項7又は12に記載の太陽電池。
Description:
太陽電池

 本発明は、入射した光の一部を反射する 射層を備える太陽電池に関する。

 太陽電池は、クリーンで無尽蔵のエネル ー源である太陽からの光を直接電気に変換 きることから、新しいエネルギー源として 待されている。

 一般的に、太陽電池は、光入射側に設け れる透明電極層と、光入射側の反対側に設 られる裏面電極層との間に、太陽電池に入 した光を吸収して光生成キャリアを生成す 光電変換部を備えている。

 従来から、光電変換部と裏面電極層との に、入射した光の一部を反射する反射層を けることが知られている。このような反射 は、光電変換部を透過した光の一部を光電 換部側に反射するため、光電変換部におい 吸収される光の量が増加する。その結果、 電変換部において生成される光生成キャリ が増加するため、太陽電池の光電変換効率 向上する。

 上記のような反射層の主体となる透光性 電材料としては、一般的に、酸化亜鉛(ZnO) 用いられる(Michio Kondo et al., “Four terminal cell analysis of amorphous / microcrystalline Si tan dem cell”参照)。

 しかしながら、近年、太陽電池の光電変 効率のさらなる向上が求められている。

 ここで、光電変換効率をさらに向上させ ためには、光電変換部において生成される 生成キャリアを増加させることが有効であ 。従って、反射層における光の反射率を高 ることで、光電変換効率の向上を図ること できる。

 そこで、本発明は、上記の問題に鑑みて されたものであり、光電変換効率を向上さ た太陽電池を提供することを目的とする。

 本発明の一の特徴に係る太陽電池は、導 性及び透光性を有する受光面電極層と、導 性を有する裏面電極層と、受光面電極層と 面電極層との間に設けられた積層体とを備 、積層体は、光の入射により光生成キャリ を生成する第1光電変換部と、第1光電変換 を透過した光の一部を第1光電変換部側に反 する反射層とを含み、反射層は、低屈折率 と、低屈折率層と第1光電変換部との間に介 挿されたコンタクト層とを有することを要旨 とする。

 本発明の一の特徴に係る太陽電池によれ 、反射層に、屈折率が低い低屈折率層が含 れる。そのため、反射層の反射率を高める とができる。また、反射層は、低屈折率層 第1光電変換部との間に介挿されたコンタク ト層を有する。そのため、低屈折率層が、第 1光電変換部に直接接触することを回避して る。このような構成によれば、太陽電池全 におけるシリーズ抵抗値の増大により太陽 池の曲線因子(F.F.)が低下することを抑制し つ、反射層の反射率を高めることができる 従って、太陽電池の光電変換効率を向上さ ることができる。

 本発明の一の特徴において、積層体は、 1光電変換部と、反射層と、光の入射により 光生成キャリアを生成する第2光電変換部と 受光面電極層側から順に積層された構成を し、反射層は、低屈折率層と第2光電変換部 の間に介挿された他のコンタクト層をさら 有していてもよい。

 また、他のコンタクト層は、第2光電変換 部との間のコンタクト抵抗値が、低屈折率層 と第2光電変換部との間のコンタクト抵抗値 りも小さい材料によって構成されていても い。

 本発明の一の特徴において、、コンタク 層は、第1光電変換部との間のコンタクト抵 抗値が、低屈折率層と第1光電変換部との間 コンタクト抵抗値よりも小さい材料によっ 構成されていてもよい。

 本発明の一の特徴において、低屈折率層 、屈折率が1.7以上1.9以下の透光性導電酸化 によって構成されていてもよい。特に、低 折率層は、屈折率が1.7以上1.85以下の透光性 導電酸化物によって構成されることが好まし い。

 本発明の一の特徴において、低屈折率層 、MgZnOによって構成されていてもよい。

 本発明の一の特徴において、コンタクト は、酸化亜鉛又は酸化インジウムを含んで てもよい。

 本発明の一の特徴において、他のコンタ ト層は、酸化亜鉛又は酸化インジウムを含 でいてもよい。

 本発明の一の特徴に係る太陽電池は、絶 性及び透光性を有する基板上に、第1太陽電 池素子及び第2太陽電池素子を有する太陽電 であって、第1太陽電池素子及び第2太陽電池 素子のそれぞれは、導電性及び透光性を有す る受光面電極層と、導電性を有する裏面電極 層と、受光面電極層と裏面電極層との間に設 けられた積層体とを備え、積層体は、光の入 射により光生成キャリアを生成する第1光電 換部と、第1光電変換部を透過した光の一部 第1光電変換部側に反射する反射層と、光の 入射により光生成キャリアを生成する第2光 変換部とを含み、第1太陽電池素子の裏面電 層は、第2太陽電池素子の受光面電極層に向 かって延在する延在部を有し、延在部は、第 1太陽電池素子に含まれる積層体の側面に沿 て形成され、延在部は、第1太陽電池素子に まれる積層体の側面に露出した反射層に接 ており、反射層は、低屈折率層と、低屈折 層と第1光電変換部との間に介挿されたコン タクト層と、低屈折率層と第2光電変換部と 間に介挿された他のコンタクト層とを有す ことを要旨とする。

 本発明の一の特徴において、コンタクト は、低屈折率層よりも小さい厚みを有して てもよい。

 本発明の一の特徴において、低屈折率層 、MgZnOによって構成されていてもよい。

 本発明の一の特徴において、MgZnO層にお るMgの含有率が、0at%より大きく、かつ25at%以 下であってもよい。

図1は、本発明の第1実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図2は、本発明の第2実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図3は、本発明の第3実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図4は、本発明の第4実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図5は、本発明の比較例1及び比較例2に る太陽電池20の断面図である。 図6は、本発明の比較例3に係る太陽電 30の断面図である。 図7は、MgZnO層におけるMg含有率と光吸 係数との関係を示す図である。 図8は、MgZnO層におけるMg含有率と屈折 との関係を示す図である。

 次に、図面を用いて、本発明の実施形態 ついて説明する。以下の図面の記載におい 、同一又は類似の部分には、同一又は類似 符号を付している。ただし、図面は模式的 ものであり、各寸法の比率等は現実のもの は異なることに留意すべきである。従って 具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判 すべきものである。又、図面相互間におい も互いの寸法の関係や比率が異なる部分が まれていることは勿論である。

 [第1実施形態]
 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第1実施形態に係る 太陽電池の構成について、図1を参照しなが 説明する。

 図1は、本発明の第1実施形態に係る太陽 池10の断面図である。

 図1に示すように、太陽電池10は、基板1と 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とを備える。

 基板1は、透光性を有し、ガラス、プラス チック等の透光性材料により構成される。

 受光面電極層2は、基板1上に積層されてお 、導電性及び透光性を有する。受光面電極 2としては、酸化錫(SnO 2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In 2 O 3 )、又は酸化チタン(TiO 2 )などの金属酸化物を用いることができる。 、これらの金属酸化物に、フッ素(F)、錫(Sn) アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ニ ブ(Nb)などがドープされていてもよい。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32とを含む。

 第1光電変換部31及び反射層32は、受光面 極層2側から順に積層される。

 第1光電変換部31は、受光面電極層2側から 入射する光により光生成キャリアを生成する 。また、第1光電変換部31は、反射層32から反 される光により光生成キャリアを生成する 第1光電変換部31は、p型非晶質シリコン系半 導体と、i型非晶質シリコン系半導体と、n型 晶質シリコン系半導体とが基板1側から積層 されたpin接合を有する(不図示)。

 反射層32は、第1光電変換部31を透過した の一部を第1光電変換部31側に反射する。反 層32は、第1層32aと、第2層32bとを含む。

 第1層32aと第2層32bとは、第1光電変換部31 から順に積層される。従って、第1層32aは、 1光電変換部31に接触しており、第2層32bは、 第1光電変換部31に接触していない。

 第1層32aとしては、第1光電変換部31との間 のコンタクト抵抗値が、第2層32bと第1光電変 部31との間のコンタクト抵抗値よりも小さ 材料が主体として用いられる。

 即ち、第1層32aを構成する材料は、第1光 変換部31と第1層32aとのコンタクト抵抗(接触 抗)値が、第1光電変換部31と第2層32bとを直 接触させた場合のコンタクト抵抗値未満と るように選択されることが好ましい。

 第1層32aとしては、例えば、ZnO、ITOなどを 用いることができる。

 第2層32bは、第1光電変換部31及び第1層32a りも屈折率が低い材料によって構成される 光性導電酸化物である。また、第2層32bは、 来から反射層の主体として用いられていたZ nOよりも屈折率が低い材料によって構成され 。第2層32bの屈折率は、1.7以上1.9以下である ことが好ましく、さらには1.7以上1.85以下で ることが好ましい。

 第1実施形態では、第2層32bは、酸化マグ シウム亜鉛(MgZnO)を含む。第2層32bには、Alな がドープされていてもよい。第2層32bにおけ るMgの含有率は、0at%より大きく、かつ25at%以 であることが好ましい。

 尚、本発明の第1実施形態にあっては、第 1層32aが本発明の「コンタクト層」に相当す 。また、第2層32bが、本発明の「低屈折率層 に相当する。

 また、第1層32aを構成する材料は、第1層32 aを含む積層体3の両端の抵抗値が、第1層32aを 含まない積層体3の両端の抵抗値よりも小さ なるように選択されることが好ましい。

 裏面電極層4は、導電性を有している。裏 面電極層4としては、ZnO、銀(Ag)などを用いる とができるが、これに限るものではない。 面電極層は、ZnOを含む層と、Agを含む層と 、積層体3側から積層した構成を有していて よい。また、裏面電極層4は、Agを含む層の を有していてもよい。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第1実施形態に係る太陽電池10によ ば、反射層32が、屈折率の低いMgZnOからなる 第2層32bと、第2層32bと第1光電変換部31との間 コンタクト抵抗値よりも第1光電変換部31と 間のコンタクト抵抗値が小さい材料からな 第1層32aとを含む。第1層32a及び第2層32bは、 1光電変換部31側から順に積層される。従っ 、屈折率の低い第2層32bは、第1光電変換部31 に直接接触していない。そのため、太陽電池 10の光電変換効率を向上させることができる このような効果について、以下に詳説する

 本発明の第1実施形態に係る太陽電池10で 、反射層32に、従来から反射層の主体とし 用いられていたZnOよりも屈折率が低いMgZnOか らなる第2層32bが含まれる。そのため、ZnOを 体とする従来の反射層よりも、第1光電変換 31との屈折率差を大きくすることができる で、反射層32での反射率を高めることができ る。

 ここで、反射層32が、第1層32aを有しない 合や、第1層32a及び第2層32bが裏面電極層4側 ら順に積層されている場合、第2層32bが、第 1光電変換部31に直接接触することとなる。通 常、反射層32の屈折率を小さくするためには 反射層32のバンドギャップを大きくする必 がある。しかしながら、一般的に、バンド ャップを大きくすると、抵抗が大きくなる 向がある。このため、屈折率の低い第2層32b 、シリコンを主体とする第1光電変換部31と コンタクト抵抗値が非常に高い値となるの 、第2層32bが第1光電変換部31に直接接触する 場合、太陽電池10全体におけるシリーズ抵抗( 直列抵抗)値が増大する。従って、太陽電池10 において発生する短絡電流については反射層 32での反射率が高められることによって増加 る一方、太陽電池10の曲線因子(F.F.)につい はシリーズ抵抗値の増大によって減少する め、太陽電池10の光電変換効率の充分な向上 を図ることができない。

 そこで、本発明の第1実施形態に係る太陽 電池10では、第1層32a及び第2層32bを第1光電変 部31側から順に積層することで、屈折率の い第2層32bが、第1光電変換部31に直接接触す ことを回避している。このような構成によ ば、太陽電池10全体におけるシリーズ抵抗 の増大により太陽電池10の曲線因子(F.F.)が低 下することを抑制しつつ、反射層32での反射 を高めることができる。従って、太陽電池1 0の光電変換効率を向上させることができる

 また、第2層32bにおけるMgの含有率が0at%よ り大きく、かつ25at%以下であることにより、 えば700~800nmなどの波長領域における第2層32b の光吸収係数を、ZnOを主体とする従来の反射 層よりも低くすることができる。これにより 、第1光電変換部33側に反射される光の量を増 加することができるため、太陽電池10におけ 短絡電流を増大することができる。従って 太陽電池10の光電変換効率をさらに向上す ことができる。

 また、第2層32bの屈折率が1.7以上1.9以下で ある場合、さらには1.7以上1.85以下である場 には、反射層32の十分な反射特性を得ること ができる。

 また、第1層32aの厚みは、約10Å以上、約8 0Å以下であることが好ましい。第1層32aの厚 が約10Åよりも小さい場合、第2層32bと第1光 電変換部31との間のコンタクト抵抗を十分に 減することができない。また、第1層32aの厚 みが約80Åよりも大きい場合、第2層32bを備え る効果、すなわち、反射層32での反射率を高 るという効果が小さくなる。

 [第2実施形態]
 以下において、本発明の第2実施形態につい て説明する。尚、以下においては、上述した 第1実施形態と第2実施形態との差異について として説明する。

 具体的には、上述した第1実施形態では、 積層体3は、第1光電変換部31と、反射層32とを 含む。

 これに対して、第2実施形態では、積層体 3は、第1光電変換部31及び反射層32に加えて、 第2光電変換部33を含む。つまり、第2実施形 に係る太陽電池は、タンデム構造を有して る。

 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第2実施形態に係る 太陽電池の構成について、図2を参照しなが 説明する。

 図2は、本発明の第2実施形態に係る太陽 池10の断面図である。

 図2に示すように、太陽電池10は、基板1と 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とを備える。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32と、第2光電変換部33とを含 。

 第1光電変換部31、第2光電変換部33、及び 射層32は、受光面電極層2側から順に積層さ る。

 第1光電変換部31は、受光面電極層2側から 入射する光により光生成キャリアを生成する 。第1光電変換部31は、p型非晶質シリコン系 導体と、i型非晶質シリコン系半導体と、n型 非晶質シリコン系半導体とが基板1側から積 されたpin接合を有する(不図示)。

 反射層32は、第1光電変換部31側から入射 た光の一部を第1光電変換部31側に反射する 反射層32は、第1層32aと、第2層32bとを含む。 1層32aと第2層32bとは、第1光電変換部31側か 順に積層される。従って、第1層32aは、第2光 電変換部33に接触しており、第2層32bは、第2 電変換部33に接触していない。

 第2層32bは、第1光電変換部31よりも屈折率 が低い材料によって構成される透光性導電酸 化物である。また、第2実施形態においても 第2層32bの屈折率は、1.7以上1.9以下であるこ が好ましく、さらには1.7以上1.85以下である ことが好ましい。MgZnOからなる第2層32bにおけ るMgの含有率は、0at%より大きく、かつ25at%以 であることが好ましい。

 第2光電変換部33は、入射する光により光 成キャリアを生成する。第2光電変換部33は p型結晶質シリコン系半導体と、i型結晶質 リコン系半導体と、n型結晶質シリコン系半 体とが基板1側から積層されたpin接合を有す る(不図示)。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第2実施形態に係る太陽電池10によ ば、反射層32に含まれる第1層32a及び第2層32b が、第1光電変換部31側から順に積層される。

 このような構成によれば、太陽電池10が ンデム構造を有していても、太陽電池10全体 におけるシリーズ抵抗値の増大を抑制しつつ 、反射層32での反射率を高めることができる 従って、太陽電池10の光電変換効率を向上 せることができる。

 また、第2層32bにおけるMgの含有率が0at%よ り大きく、かつ25at%以下であることにより、 えば900~1000nmなどの波長領域における第2層32 bの光吸収係数を、ZnOを主体とする従来の反 層よりも低くすることができる。これによ 、第2光電変換部33に入射する光の量を増加 ることができるため、太陽電池10における短 絡電流を増大することができる。従って、太 陽電池10の光電変換効率をさらに向上するこ ができる。

 また、第2層32bの屈折率が1.7以上1.9以下で ある場合、さらには1.7以上1.85以下である場 には、反射層32の十分な反射特性を得ること ができる。

 また、第1層32aの厚みは、約10Å以上、約8 0Å以下であることが好ましい。第1層32aの厚 が約10Åよりも小さい場合、第2層32bと第1光 電変換部31との間のコンタクト抵抗を十分に 減することができない。また、第1層32aの厚 みが約80Åよりも大きい場合、第2層32bを備え る効果、すなわち、反射層32での反射率を高 るという効果が小さくなる。

 [第3実施形態]
 以下において、本発明の第3実施形態につい て説明する。尚、以下においては、上述した 第1実施形態と第3実施形態との差異について として説明する。

 具体的には、上述した第1実施形態では、 積層体3は、第1光電変換部31と、反射層32とを 含む。

 これに対して、第3実施形態では、積層体 3は、第1光電変換部31及び反射層32に加えて、 第2光電変換部33を含む。つまり、第3実施形 に係る太陽電池は、タンデム構造を有して る。さらに、第3実施形態では、反射層32は 第1層32a及び第2層32bに加え、第3層32cを含む

 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第3実施形態に係る 太陽電池の構成について、図3を参照しなが 説明する。

 図3は、本発明の第3実施形態に係る太陽 池10の断面図である。

 図3に示すように、太陽電池10は、基板1と 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とを備える。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32と、第2光電変換部33とを含 。

 第1光電変換部31、反射層32、及び第2光電 換部33は、受光面電極層2側から順に積層さ る。

 第1光電変換部31は、受光面電極層2側から 入射する光により光生成キャリアを生成する 。また、第1光電変換部31は、反射層32から反 される光により光生成キャリアを生成する 第1光電変換部31は、p型非晶質シリコン系半 導体と、i型非晶質シリコン系半導体と、n型 晶質シリコン系半導体とが基板1側から積層 されたpin接合を有する(不図示)。

 反射層32は、第1光電変換部31を透過した の一部を第1光電変換部31側に反射する。反 層32は、第1層32aと、第2層32bと、第3層32cとを 含む。

 第1層32a、第2層32b及び第3層32cは、第1光電 変換部31側から順に積層されている。従って 第1層32aは、第1光電変換部31に接触しており 、第3層32cは、第2光電変換部33に接触してい 。第2層32bは、第1光電変換部31及び第2光電変 換部33のいずれにも接触していない。

 第2層32bは、第1光電変換部31、第2光電変 部33、第1層32a及び第3層32cよりも屈折率が低 材料によって構成される透光性導電酸化物 ある。また、第2層32bは、従来から反射層の 主体として用いられていたZnOよりも屈折率が 低い材料によって構成される。第2層32bの屈 率は、1.7以上1.9以下であることが好ましく さらには1.7以上1.85以下であることが好まし 。

 第3実施形態では、第2層32bは、酸化マグ シウム亜鉛(MgZnO)を含む。第2層32bには、Alな がドープされていてもよい。第2層32bにおけ るMgの含有率は、0at%より大きく、かつ25at%以 であることが好ましい。

 第1層32aとしては、第1光電変換部31との間 のコンタクト抵抗値が、MgZnOと第1光電変換部 31との間のコンタクト抵抗値よりも小さい材 が主体として用いられる。また、第3層32cと しては、第2光電変換部33との間のコンタクト 抵抗値が、MgZnOと第1光電変換部31との間のコ タクト抵抗値よりも小さい材料が主体とし 用いられる。

 即ち、第1層32aを構成する材料は、第1光 変換部31と第1層32aとのコンタクト抵抗値が 第1光電変換部31と第2層32bとを直接接触させ 場合のコンタクト抵抗値未満となるように 択されることが好ましい。また、第3層32cを 構成する材料は、第3層32cと第2光電変換部33 のコンタクト抵抗値が、第2層32bと第2光電変 換部33とを直接接触させた場合のコンタクト 抗値未満となるように選択されることが好 しい。

 また、第1層32aを構成する材料及び第3層32 cを構成する材料は、第1層32a及び第3層32cを含 む積層体3の両端の抵抗値が、第1層32a及び第3 層32cを含まない積層体3の両端の抵抗値より 小さくなるように選択されることが好まし 。

 第1層32a又は第3層32cとしては、例えば、Zn O、ITOなどを用いることができる。尚、第1層3 2aを構成する材料と、第3層32cを構成する材料 とは、同一であってもよく、異なっていても よい。

 尚、本発明の第1実施形態にあっては、第 3層32cが本発明の「他のコンタクト層」に相 する。

 第2光電変換部33は、入射する光により光 成キャリアを生成する。第2光電変換部33は p型結晶質シリコン系半導体と、i型結晶質 リコン系半導体と、n型結晶質シリコン系半 体とが基板1側から積層されたpin接合を有す る(不図示)。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第3実施形態に係る太陽電池10によ ば、反射層32が、第2層32bよりも屈折率が高 材料により構成される第1層32aと、屈折率の 低いMgZnOからなる第2層32bと、第2層32bと第1光 変換部31との間のコンタクト抵抗値よりも 1光電変換部31との間のコンタクト抵抗値が さい材料からなる第1層32aと、第2層32bと第2 電変換部33との間のコンタクト抵抗値よりも 第2光電変換部との間のコンタクト抵抗値が さい材料からなる第3層32aとを含む。第1層32a 、第2層32b及び第3層32cは、第1光電変換部31側 ら順に積層される。従って、MgZnOを含む第2 32bは、第1光電変換部31及び第2光電変換部33 いずれにも接触していない。

 このような構成によれば、太陽電池10全 におけるシリーズ抵抗値の増大を抑制しつ 、反射層32での反射率を高めることができる 。そのため、第1光電変換部31において吸収さ れる光の量を増加させることができる。

 また、第2層32bにおけるMgの含有率が0at%よ り大きく、かつ25at%以下であることにより、 えば900~1000nmなどの波長領域における第2層32 bの光吸収係数を、ZnOを主体とする従来の反 層よりも低くすることができる。これによ 、第2光電変換部33に入射する光の量を増加 ることができるため、太陽電池10における短 絡電流を増大することができる。従って、太 陽電池10の光電変換効率をさらに向上するこ ができる。その結果、太陽電池10の光電変 効率を向上させることができる。

 また、第2層32bの屈折率が1.7以上1.9以下で ある場合、さらには1.7以上1.85以下である場 には、反射層32の十分な反射特性を得ること ができる。

 また、第1層32a及び第3層32cそれぞれの厚 は、約10Å以上、約80Å以下であることが好 しい。第1層32a及び第3層32cそれぞれの厚み 約10Åよりも小さい場合、第2層32bと第1光電 換部31との間、及び第2層32bと第2光電変換部 33との間のコンタクト抵抗を十分に低減する とができない。また、第1層32a及び第3層32c れぞれの厚みが約80Åよりも大きい場合、第 2層32bを備える効果、すなわち、反射層32での 反射率を高めるという効果が小さくなる。

 [第4実施形態]
 以下において、本発明の第4実施形態につい て説明する。尚、以下においては、上述した 第3実施形態と第4実施形態との差異について として説明する。

 具体的には、上述した第3実施形態では、 太陽電池10は、基板1と、受光面電極層2と、 層体3と、裏面電極層4とを備えている。

 これに対して、第4実施形態では、太陽電 池10は、受光面電極層2、積層体3及び裏面電 層4をそれぞれ備える複数の太陽電池素子10a 、基板1上に備えている。

 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第4実施形態に係る 太陽電池の構成について、図4を参照しなが 説明する。

 図4は、本発明の第4実施形態に係る太陽 池10の断面図である。

 図4に示すように、太陽電池10は、基板1と 、複数の太陽電池素子10aとを備える。

 複数の太陽電池素子10aのそれぞれは、基 1上に形成される。複数の太陽電池素子10aは 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とをそれぞれ備える。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32と、第2光電変換部33とを含 。反射層32は、第1層32aと、第2層32bと、第3 32cとを含む。

 第1層32a、第2層32b及び第3層32cは、第1光電 変換部31側から順に積層されている。従って 第1層32aは、第1光電変換部31に接触しており 、第3層32cは、第2光電変換部33に接触してい 。第2層32bは、第1光電変換部31及び第2光電変 換部33のいずれにも接触していない。第1層32a 及び第3層32cの厚さは、極力小さいことが好 しい。

 裏面電極層4は、複数の太陽電池素子10aに 含まれる一の太陽電池素子10aに隣接する他の 太陽電池素子10aの受光面電極層2に向かって 在する延在部4aを有する。

 延在部4aは、一の太陽電池素子10aに含ま る積層体3の側面に沿って形成される。延在 4aは、一の太陽電池素子10aに含まれる積層 3の側面に露出した反射層32に接している。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第4実施形態に係る太陽電池10によ ば、反射層32での反射率を高めることに加 、太陽電池10の曲線因子(F.F.)の低下を抑制す ることができるため、太陽電池10の光電変換 率を向上させることができる。このような 果について、以下に詳説する。

 従来から反射層の主体として用いられてい ZnOは、そのシート抵抗値が1.0×10 2 ~1.0×10 3 ω/□程度である。そのため、ZnOを主体とする 従来の反射層を用いた場合、太陽電池素子10a において発生した電流の一部が、当該反射層 に沿って延在部4aへと流れてリーク電流が発 する。このようなリーク電流が複数の太陽 池素子10aそれぞれにおいて大きくなると、 陽電池10の曲線因子(F.F.)が低下する。

 そこで、本発明の第4実施形態に係る太陽電 池10では、シート抵抗値が1.0×10 6 ω/□以上であるMgZnOからなる第2層32bを、反射 層32に含めている。このような構成により、 射層32におけるシート抵抗値は、ZnOを主体 する従来の反射層におけるシート抵抗値よ も大幅に高くなるため、太陽電池素子10aに いて発生した電流が、反射層32から延在部4a 直接流れることを抑制することができる。 って、第2層32bを含む反射層32を用いること より、ZnOを主体とする従来の反射層を用い 場合よりも、太陽電池10の曲線因子(F.F.)の 下を抑制することができる。以上より、太 電池10の光電変換効率を向上させることがで きる。

 また、第1層32a(コンタクト層)は、第2層32b (MgZnO層)と第1光電変換部31との間のコンタク 抵抗値を低減し、第3層32c(他のコンタクト層 )は、第2層32b(低屈折率層)と第2光電変換部33 の間のコンタクト抵抗値を低減するもので るから、第1層32a及び第3層32cの厚さを小さく することができる。

 第1層32aの厚さを小さくした場合、第1層32 aのシート抵抗値を増大することができる。 た、第3層32cの厚さを小さくした場合、第3層 32cのシート抵抗値を増大することができる。 ここで、第1層32aの厚さを小さくした場合で っても、第2層32b(MgZnO層)と第1光電変換部31と の間のコンタクト抵抗値については充分に低 減できる。また、第1層32aの厚さを小さくし 場合であっても、第2層32b(MgZnO層)と第1光電 換部31との間のコンタクト抵抗値については 充分に低減できる。そのため、第1層32a及び 3層32cの厚さを極力小さくすることにより、 1層32a及び第3層32cに沿って延在部4aへと流れ るリーク電流を低減することができる。

 また、第1層32a及び第3層32cそれぞれの厚 は、約10Å以上、約80Å以下であることが好 しい。第1層32a及び第3層32cそれぞれの厚み 約10Åよりも小さい場合、第2層32bと第1光電 換部31との間、及び第2層32bと第2光電変換部 33との間のコンタクト抵抗を十分に低減する とができない。また、第1層32a及び第3層32c れぞれの厚みが約80Åよりも大きい場合、第 2層32bを備える効果、すなわち、反射層32での 反射率を高めるという効果が小さくなる。

 また、第2層32bの屈折率が1.7以上1.9以下で ある場合、さらには1.7以上1.85以下である場 には、反射層32の十分な反射特性を得ること ができる。

 〈その他の実施形態〉
 本発明は上記の実施形態によって記載した 、この開示の一部をなす論述及び図面はこ 発明を限定するものであると理解すべきで ない。この開示から当業者には様々な代替 施形態、実施例及び運用技術が明らかとな う。

 例えば、上述した第1実施形態では、積層 体3に含まれる光電変換部が1つ(第1光電変換 31)であり、第2実施形態及び第3実施形態では 、積層体3に含まれる光電変換部が2つ(第1光 変換部31及び第2光電変換部33)であるが、こ に限定されるものではない。具体的には、 層体3には、3つ以上の光電変換部が含まれて いてもよい。このような場合、反射層32は、 意の隣接する2つの光電変換部の間に設ける ことができる。

 また、上述した第1実施形態では、第1光 変換部31は、p型非晶質シリコン系半導体と i型非晶質シリコン系半導体と、n型非晶質シ リコン系半導体とが基板1側から積層されたpi n接合を有するが、これに限定されるもので ない。具体的には、第1光電変換部31は、p型 晶質シリコン系半導体と、i型結晶質シリコ ン系半導体と、n型結晶質シリコン系半導体 が基板1側から積層されたpin接合を有してい もよい。尚、結晶質シリコンには、微結晶 リコンや多結晶シリコンが含まれるものと る。

 また、上述した第1実施形態~第4実施形態 は、第1光電変換部31及び第2光電変換部33は pin接合を有するが、これに限定されるもの はない。具体的には、第1光電変換部31及び 2光電変換部33の少なくとも一方が、p型シリ コン系半導体と、n型シリコン系半導体とが 板1側から積層されたpn接合を有していても い。

 また、上述した第1実施形態~第4実施形態 は、太陽電池10は、基板1上に、受光面電極 2と、積層体3と、裏面電極層4とが順に積層 れた構成を有しているが、これに限定され ものではない。具体的には、太陽電池10は 基板1上に、裏面電極層4と、積層体3と、受 面電極層2とが順に積層された構成を有して てもよい。

 このように、本発明はここでは記載して ない様々な実施形態等を含むことは勿論で る。従って、本発明の技術的範囲は上記の 明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特 事項によってのみ定められるものである。

 以下、本発明に係る太陽電池について、 施例を挙げて具体的に説明する。但し、本 明は、下記の実施例に示したものに限定さ るものではなく、その要旨を変更しない範 において、適宜変更して実施することがで るものである。

 [屈折率評価]
 まず、MgZnOの屈折率と、従来から反射層の 体として用いられているZnOの屈折率との比 を行った。

 具体的には、MgZnO層と、ZnO層とを、スパッ 法によりそれぞれ作製した。その後、作製 れた各層の屈折率を測定した。MgZnO層及びZnO 層の形成条件を表1に示す。また、各層の屈 率の測定結果を表2に示す。

 表2に示すように、MgZnO層の屈折率は、ZnO の屈折率よりも低いことが確認された。従 て、MgZnOを主体とする層を反射層に含める とによって、反射層の反射率を高めること できる。

 [コンタクト抵抗値評価]
 次に、MgZnO層と微結晶シリコン系半導体層( 下、μc-Si層とする。)とのコンタクト抵抗値 と、ZnO層とμc-Si層とのコンタクト抵抗値との 比較を行った。

 具体的には、まず、Al電極層、μc-Si層、Mg ZnO層及びAg電極層が順に積層された試験積層 Aと、Al電極層、μc-Si層、ZnO層及びAg電極層 順に積層された試験積層体Bとを作製した。 験積層体Aに含まれるMgZnO層の厚さ、及び試 積層体Bに含まれるZnO層の厚さは、共に約30n mとした。また、試験積層体A及び試験積層体B において、Al電極層の厚さは約300nm、μc-Si層 厚さは約30nm、Ag電極層の厚さは約300nmとした 。

 その後、作製された試験積層体A及び試験積 層体Bについて、Al電極層-Ag電極層間の抵抗値 を測定した。試験積層体A及び試験積層体Bに けるAl電極層-Ag電極層間の抵抗値の測定結 を表3に示す。

 表3に示すように、試験積層体AにおけるAl 電極層-Ag電極層間の抵抗値は、試験積層体B おけるAl電極層-Ag電極層間の抵抗値よりも高 い値となった。これは、MgZnO層とμc-Si層との ンタクト抵抗値が、ZnO層とμc-Si層とのコン クト抵抗値よりも高いことを示している。

 表3の結果を踏まえ、Al電極層、μc-Si層、ZnO 、MgZnO層及びAg電極層が順に積層された試験 積層体Cを作製し、当該試験積層体CにおけるA l電極層-Ag電極層間の抵抗値を測定した。試 積層体Cにおいては、MgZnO層の厚さ及びZnO層 厚さを共に約15nmとした。試験積層体Cにおけ るAl電極層-Ag電極層間の抵抗値の測定結果を 4に示す。

 表4に示すように、試験積層体CにおけるAl 電極層-Ag電極層間の抵抗値は、試験積層体B おけるAl電極層-Ag電極層間の抵抗値よりも幾 分高い値となるが、試験積層体AにおけるAl電 極層-Ag電極層間の抵抗値よりも大幅に低い値 となることが確認された。

 従って、MgZnOを主体とする層を反射層に める場合には、ZnOを主体とする層などの、 リコンを主体とする層とのコンタクト抵抗 が小さい層を、MgZnOを主体とする層とシリコ ンを主体とする層との間に介挿することによ り、太陽電池のシリーズ抵抗値が増大するこ とを抑制することができる。

 [光電変換効率評価]
 次に、以下のようにして実施例1、実施例2 比較例1、比較例2及び比較例3に係る太陽電 を作製し、光電変換効率の比較を行った。

 〈実施例1〉
 以下のようにして、実施例1に係る太陽電池 10を作製した。

 まず、厚さ4mmのガラス基板(基板1)上に、SnO 2 層(受光面電極層2)を形成した。

 次に、SnO 2 層(受光面電極層2)上に、プラズマCVD法を用い て、p型非晶質シリコン系半導体と、i型非晶 シリコン系半導体と、n型非晶質シリコン系 半導体とを積層し、第1セル(第1光電変換部31) を形成した。

 次に、第1セル(第1光電変換部31)上に、ス ッタ法を用いて、中間反射層(反射層32)を形 成した。具体的には、ZnO層(第1層32a)、MgZnO層( 第2層32b)及びZnO層(第3層32c)を第1セル(第1光電 換部31)上に順次積層することによって、3層 構造を有する中間反射層(反射層32)を形成し 。

 次に、中間反射層(反射層32)上に、プラズ マCVD法を用いて、p型微結晶シリコン系半導 と、i型微結晶シリコン系半導体と、n型微結 晶シリコン系半導体とを積層し、第2セル(第2 光電変換部33)を形成した。

 次に、第2セル(第2光電変換部33)上に、ス ッタ法を用いて、ZnO層及びAg層(裏面電極層4 )を形成した。

 上述した第1セル(第1光電変換部31)、中間反 層(反射層32)及び第2セル(第2光電変換部33)の 形成条件を表5に示す。尚、ZnO層及びAg層(裏 電極層4)の厚さは、それぞれ90nm、200nmとした 。

 以上により、本実施例1では、図3に示す うに、第1セル(第1光電変換部31)と第2セル(第 2光電変換部33)との間に、MgZnO層(第2層32b)を含 む中間反射層(反射層32)を有する太陽電池10を 形成した。また、MgZnO層(第2層32b)と第1セル( 1光電変換部31)との間にZnO層(第1層32a)を介挿 、MgZnO層(第2層32b)と第2セル(第2光電変換部33 )との間のZnO層(第3層32c)を介挿した。

 〈比較例1〉
 以下のようにして、比較例1に係る太陽電池 20を作製した。

 まず、上記実施例1と同様にして、厚さ4mmの ガラス基板(基板21)上に、SnO 2 層(受光面電極層22)、第1セル(第1光電変換部23 1)を順次形成した。

 次に、第1セル(第1光電変換部231)上に、ス パッタ法を用いて、中間反射層(反射層232)を 成した。本比較例1では、第1セル(第1光電変 換部231)上にZnO層のみを形成し、当該ZnO層を 間反射層(反射層232)とした。

 次に、上記実施例1と同様にして、中間反 射層(反射層232)上に、第2セル(第2光電変換部2 33)、ZnO層及びAg層(裏面電極層24)を順次形成し た。

 上述した中間反射層(反射層232)の形成条件 表6に示す。尚、第1セル(第1光電変換部231)、 第2セル(第2光電変換部233)の形成条件は、上 実施例1における形成条件と同様である。ま 、ZnO層及びAg層(裏面電極層24)の厚さは、上 実施例1と同様に、それぞれ90nm、200nmとした 。

 以上により、本比較例1では、図5に示す うに、第1セル(第1光電変換部231)と第2セル( 2光電変換部233)との間に、ZnO層により構成さ れる中間反射層(反射層232)を有する太陽電池2 0を形成した。

 〈比較例2〉
 以下のようにして、比較例2に係る太陽電池 20を作製した。

 まず、上記実施例1と同様にして、厚さ4mmの ガラス基板(基板21)上に、SnO 2 層(受光面電極層22)、第1セル(第1光電変換部23 1)を順次形成した。

 次に、第1セル(第1光電変換部231)上に、ス パッタ法を用いて、中間反射層(反射層232)を 成した。本比較例2では、第1セル(第1光電変 換部231)上にMgZnO層のみを形成し、当該MgZnO層 中間反射層(反射層232)とした。

 次に、上記実施例1と同様にして、中間反 射層(反射層232)上に、第2セル(第2光電変換部2 33)、ZnO層及びAg層(裏面電極層24)を順次形成し た。

 上述した中間反射層(反射層232)の形成条件 表7に示す。尚、第1セル(第1光電変換部231)、 第2セル(第2光電変換部233)の形成条件は、上 実施例1における形成条件と同様である。ま 、ZnO層及びAg層(裏面電極層24)の厚さは、上 実施例1と同様に、それぞれ90nm、200nmとした 。

 以上により、本比較例2では、図5に示す うに、第1セル(第1光電変換部231)と第2セル( 2光電変換部233)との間に、MgZnO層により構成 れる中間反射層(反射層232)を有する太陽電 20を形成した。

 〈特性評価(その1)〉
 実施例1、比較例1及び比較例2に係る太陽電 について、開放電圧、短絡電流、曲線因子 び光電変換効率の各特性値の比較を行った 比較結果を表8に示す。尚、表8においては 比較例1における各特性値を1.00として規格化 して表している。

 表8に示すように、比較例2では、短絡電 については比較例1よりも増加しているが、 線因子については比較例1よりも低下するこ とが確認された。そして、比較例2では、結 として、光電変換効率が比較例1よりも低下 ることが確認された。

 短絡電流の増加については、比較例2に係 る太陽電池20では、中間反射層(反射層232)が ZnO層よりも屈折率の低いMgZnO層によって構成 されているためであると考えられる。一方で 、曲線因子の低下については、比較例2に係 太陽電池20では、中間反射層(反射層232)を構 するMgZnO層が、第1セル(第1光電変換部231)及 第2セル(第2光電変換部233)に直接接触してい るために、比較例2に係る太陽電池20における シリーズ抵抗値が増大したためと考えられる 。そして、比較例2では、曲線因子の低下の 合いが大きいために、光電変換効率が比較 1よりも低下したものと考えられる。

 これに対し、実施例1では、短絡電流につ いては比較例1よりも増加しており、曲線因 については比較例1と同等の値を維持できる とが確認された。その結果、実施例1では、 比較例1よりも光電変換効率を向上させるこ ができることが確認された。

 〈実施例2〉
 以下のようにして、実施例2に係る太陽電池 10を作製した。

 まず、厚さ4mmのガラス基板(基板1)上に、SnO 2 層(受光面電極層2)を形成した。

 次に、SnO 2 層(受光面電極層2)上に、プラズマCVD法を用い て、p型非晶質シリコン系半導体と、i型非晶 シリコン系半導体と、n型非晶質シリコン系 半導体とを積層し、第1セル(第1光電変換部31) を形成した。

 次に、第1セル(第1光電変換部31)上に、プ ズマCVD法を用いて、p型微結晶シリコン系半 導体と、i型微結晶シリコン系半導体と、n型 結晶シリコン系半導体とを積層し、第2セル (第2光電変換部33)を形成した。

 次に、第2セル(第2光電変換部33)上に、ス ッタ法を用いて、中間反射層(反射層32)を形 成した。具体的には、ITO層(第1層32a)及びMgZnO (第2層32b)を第2セル(第2光電変換部33)上に順 積層することによって、2層構造を有する裏 面反射層(反射層32)を形成した。

 次に、裏面反射層(反射層32)上に、スパッ タ法を用いて、Ag層(裏面電極層4)を形成した

 上述した第1セル(第1光電変換部31)、第2セル (第2光電変換部33)及び裏面反射層(反射層32)の 形成条件を表9に示す。尚、Ag層(裏面電極層4) の厚さは200nmとした。

 以上により、本実施例1では、図2に示す うに、第2セル(第2光電変換部33)とAg層(裏面 極層4)との間に、MgZnO層(第2層32b)を含む裏面 射層(反射層32)を有する太陽電池10を形成し 。また、MgZnO層(第2層32b)と第2セル(第2光電 換部33)との間に、ITO層(第1層32a)を介挿した

 〈比較例3〉
 以下のようにして、比較例3に係る太陽電池 30を作製した。

 まず、上記実施例2と同様にして、厚さ4mmの ガラス基板(基板31)上に、SnO 2 層(受光面電極層32)、第1セル(第1光電変換部33 1)、第2セル(第2光電変換部333)を順次形成した 。

 次に、第2セル(第2光電変換部333)上に、ス パッタ法を用いて、裏面反射層(反射層332)を 成した。本比較例3では、第2セル(第2光電変 換部333)上にZnO層のみを形成し、当該ZnO層を 面反射層(反射層332)とした。

 次に、上記実施例1と同様にして、裏面反 射層(反射層332)上に、Ag層(裏面電極層34)を形 した。

 上述した裏面反射層(反射層332)の形成条件 表10に示す。尚、第1セル(第1光電変換部331) 第2セル(第2光電変換部333)の形成条件は、上 実施例2における形成条件と同様である。ま た、Ag層(裏面電極層34)の厚さは、上記実施例 2と同様に、200nmとした。

 以上により、本比較例3では、図6に示す うに、第2セル(第2光電変換部333)とAg層(裏面 極層34)の間に、ZnO層により構成される裏面 射層(反射層332)を有する太陽電池10を形成し た。

 〈特性評価(その2)〉
 実施例2及び比較例3に係る太陽電池につい 、開放電圧、短絡電流、曲線因子及び光電 換効率の各特性値の比較を行った。比較結 を表11に示す。尚、表11においては、比較例3 における各特性値を1.00として規格化して表 ている。

 表11に示すように、実施例2では、短絡電 については比較例3よりも増加しており、曲 線因子については比較例3と同等の値を維持 きることが確認された。その結果、実施例2 は、比較例3よりも光電変換効率を向上させ ることができることが確認された。

 [Mg含有率の最適化]
 〈光吸収係数測定〉
 次に、MgZnO層におけるMgの含有率(Zn,Mg,Oに対 るMgの割合)の最適化を行った。具体的には Mg含有率を0at%乃至40at%の範囲で変化させた 数のMgZnO層を作製し、それぞれについてMg含 率をX線光電子分光法(XPS)により測定すると もに、それぞれについて光吸収係数を測定 た。尚、各MgZnO層はスパッタ法により作成 、厚さはそれぞれ約100nmとした。MgZnO層にお るMg含有率と光吸収係数との関係を、図7に す。MgZnO層の光吸収係数としては、波長域70 0~800nmにおける光吸収係数の平均値α700-800と 波長域900~1000nmにおける光吸収係数の平均値 900-1000とを測定した。尚、図7において、Mg含 有率xが0である点は、ZnO層の光吸収係数α700-8 00及び光吸収係数α900-1000を示す。

 図7に示すように、Mg含有率xが、0at%より きく、かつ25at%以下である(即ち、0<x≦25(at %)である)場合に、MgZnO層の光吸収係数α700-800 ZnO層の光吸収係数α700-800よりも小さくなり かつ、MgZnO層の光吸収係数α900-1000がZnO層の 吸収係数α900-1000よりも小さくなることが確 認された。MgZnO層の光吸収係数α700-800がZnO層 光吸収係数α700-800よりも小さくなることは MgZnO層が、ZnO層よりも波長域700~800nmにおけ 光を透過し易いことを示す。また、MgZnO層の 光吸収係数α900-1000がZnO層の光吸収係数α900-10 00よりも小さくなることは、MgZnO層が、ZnO層 りも波長域900~1000nmにおける光を透過し易い とを示す。

 従って、中間反射層に含まれるMgZnO層に けるMg含有率を、0at%より大きく、かつ25at%以 下(即ち、0<x≦25(at%))とすることにより、MgZ nOを含まない中間反射層(例えば、比較例1に る中間反射層)を用いる場合と比較して、中 反射層を透過して第2セルに入射する光の量 を増加することができるため、太陽電池にお ける短絡電流を増大することができる。従っ て、太陽電池の光電変換効率をさらに向上す ることができる。

 〈屈折率測定〉
 MgZnO層におけるMg含有率が、0at%より大きく かつ25at%以下である(即ち、0<x≦25(at%)であ )場合について、MgZnO層の屈折率の測定を確 実験として行った。MgZnO層におけるMg含有率 と屈折率との関係を、図8に示す。ここで、 折率の値としては、波長600nmの値n600を用い 。尚、図8において、Mg含有率xが0である点は 、ZnO層の屈折率を示す。

 図8に示すように、MgZnO層におけるMg含有 が、0at%より大きく、かつ25at%以下である(即 、0<x≦25(at%)である)場合には、MgZnO層の屈 折率がZnO層の屈折率よりも低くなることが確 認された。従って、中間反射層に含まれるMgZ nO層におけるMg含有率を、0at%より大きく、か 25at%以下(即ち、0<x≦25(at%))とすることに り、MgZnOを含まない中間反射層(例えば、比 例1に係る中間反射層)を用いる場合と比較し て、第1セル側に反射される光の量を増加す とともに、第2セル側に透過される光の量を 加することができることが確認された。

 以上のように、本発明によれば、光電変 効率を向上させた太陽電池を提供すること できるため、太陽光発電分野において有用 ある。