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Patent Searching and Data


Title:
SOLDER BONDING STRUCTURE AND SOLDERING FLUX
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104693
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a solder bonding structure that can maintain sufficiently high solder bonding strength and guarantee high bonding reliability even in a severe environment with significantly large temperature differences. Said solder bonding structure has an electronic component (4) mounted on the main plane (1a) of a substrate having an electrode part (2) and an insulating film (3) on the main plane (1a). Said electrode part (2) and the electronic component (4) are electrically bonded via a solder part (5). The flux residue (6) leached from said solder part (5) is present between the electronic component (4) and the insulating film (3). Said flux contains an acrylic resin, an active agent, and a thixotropic agent having a hydroxyl group. The glass transition point of said acrylic resin is -40°C or less, or greater than or equal to the softening temperature of said flux residue. Also, the maximum value of the linear expansion coefficient of said flux residue in the temperature range from -40°C to the softening temperature of said flux residue is 300x10-6/K or less.

Inventors:
AIHARA MASAMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052925
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HARIMA CHEMICALS INC (JP)
AIHARA MASAMI (JP)
International Classes:
B23K35/363; B23K3/00; H05K3/34
Foreign References:
JP2002336992A2002-11-26
JPH09186442A1997-07-15
JP2001150184A2001-06-05
JPH05228689A1993-09-07
JPH1077380A1998-03-24
JP2008062252A2008-03-21
JPH09234588A1997-09-09
JPH09122975A1997-05-13
JP2001150184A2001-06-05
Other References:
See also references of EP 2243592A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAI, Toshikazu (JP)
Toshikazu Fukai (JP)
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Claims:
 電極部および絶縁膜を備えた基板の主面上に電子部品を搭載し、前記電極部と前記電子部品とがはんだ部を介して電気的に接合され、電子部品と絶縁膜との間に前記はんだ部から浸出したフラックスの残渣が介在しているはんだ接合構造であって、
 前記フラックスは、アクリル樹脂、活性剤および水酸基を有するチキソ剤を含有し、かつ前記アクリル樹脂のガラス転移点が-40℃以下または前記フラックス残渣の軟化温度以上であるとともに、
 前記フラックス残渣は、-40℃から該フラックス残渣の軟化温度までの温度範囲における線膨張係数の最大値が300×10 -6 /K以下である、ことを特徴とするはんだ接合構造。
 前記はんだ部は、はんだ合金粉末と前記フラックスとを混合したはんだペースト組成物をリフローさせることにより形成されている、請求項1記載のはんだ接合構造。
 はんだ合金粉末と混合してリフローさせることによりはんだ付けに用いられるはんだ付け用フラックスであって、
 アクリル樹脂、活性剤および水酸基を有するチキソ剤を含有し、かつ前記アクリル樹脂のガラス転移点が-40℃以下またはリフロー後のフラックス残渣の軟化温度以上であるとともに、
 リフロー後のフラックス残渣は、-40℃から該フラックス残渣の軟化温度までの温度範囲における線膨張係数の最大値が300×10 -6 /K以下である、ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。
 酸化防止剤をも含有する、請求項3記載のはんだ付け用フラックス。
 前記アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の各種エステル、メタクリル酸の各種エステル、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸のエステル、無水マレイン酸のエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニルおよび酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和基含有モノマーを重合してなる、請求項3または4に記載のはんだ付け用フラックス。
 前記アクリル樹脂は、分子量が3万以下である、請求項3~5のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
 前記アクリル樹脂の含有量が、フラックス総量に対して10~80重量%である、請求項3~6のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
 さらにロジン系樹脂をも含有する、請求項3~7のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
 はんだ合金粉末と請求項3~8のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとを含む、ことを特徴とするはんだペースト組成物。
 90℃以上の温度と-30℃以下の温度との間で冷熱サイクルを繰り返す温度負荷条件下におけるはんだ部の接合強度の低下を防止する方法であって、
 前記はんだ部をはんだ合金粉末と請求項3~8のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとを用いて形成することを特徴とするはんだ接合強度の低下防止方法。
Description:
はんだ接合構造およびはんだ付 用フラックス

 本発明は、例えば寒暖差が大きい環境下 使用される回路基板に対して電子部品等を んだ接続する際に有用なはんだ接合構造お びはんだ付け用フラックス等に関する。

 従来から、回路基板への電子部品の実装 際しては、はんだ合金粉末とフラックスと 含むはんだペースト組成物を基板に印刷し 電子部品を搭載した後に加熱接合するはん 付け方法が汎用されている。このとき、フ ックスは、はんだおよび基板表面の金属酸 物を除去するとともに、はんだ付け時の金 の再酸化を防止したり、はんだの表面張力 低下させたりする作用を果たすものであり はんだ付けを良好に行なうためには必要不 欠である。しかし、フラックスを用いて回 基板に電子部品をはんだ付けすると、はん 付け終了後にフラックスの一部または大部 が基板に残ることになる。これが一般に「 ラックス残渣」と称されるものである。例 ば、電極部および絶縁膜を備えた基板の主 上に電子部品を搭載して該電極部と電子部 とをはんだ接続しようとする場合、両者を 続するはんだ部からフラックス成分が浸出 、電子部品と絶縁膜との間にフラックス残 が介在することになる。

 ところが、このようなフラックス残渣に 亀裂が発生しやすい。そのため、はんだ付 後に基板上や電子部品と絶縁膜との間など フラックス残渣が存在したはんだ接合構造 おいては、亀裂部から水分が浸入して部品 ード間の短絡不良を招き、はんだの接合信 性を損なうという問題があった。

 そこで、フラックス残渣の亀裂を防止す 方法として、これまでに以下のような手段 提案されてきた。すなわち、a)ロジンをベ ス樹脂とするはんだペーストにおいて、高 点可塑剤であるトリメリット酸のエステル 添加する方法(特許文献1参照)のように、高 点の可塑剤を添加してはんだ付け後の残渣 に可塑剤を残留させる手段、b)エチレン-ア リル共重合体を使用したはんだ付け用フラ クス(特許文献2参照)や、ガラス転移温度が-5 0~-35℃の範囲のアクリル樹脂を使用したはん 付け用フラックス(特許文献3参照)のほか、 チレンあるいはプロピレンの重合体等を使 したフラックスのように、柔軟性を有する う設計した合成樹脂をベース樹脂とする手 、c)はんだ付け後に洗浄を行い、フラック 残渣を取り除く手段、である。

特開平9-234588号公報

特開平9-122975号公報

特開2001-150184号公報

 しかしながら、近年、実装基板が配置さ る環境が多様化しており、例えば車載基板 は、エンジンルーム内のエンジン付近のよ に、寒暖差が非常に大きく、しかも激しい 動がかかるといった、より過酷な環境への 装基板の配置が増えている。そのような中 フラックス残渣の亀裂を防止する手段を講 た従来の方法ではんだ付けされた実装基板 あっても、充分な接合信頼性を確保できな 場合があった。この接合信頼性が悪化する いう問題は、特に、電極部および絶縁膜を えた基板の主面上に電子部品を搭載して該 極部と電子部品とをはんだ接続し、電子部 と絶縁膜との間にフラックス残渣が介在す こととなった実装基板において顕著に現わ る。これは、寒暖差が非常に大きい過酷な 境においては、形成されたはんだ部の金属 亀裂の伸展が生じ、その結果、接合強度が しく低下する、というフラックス残渣の亀 とは別の問題が発生し、これが起因して接 信頼性が悪化したものと考えられた。寒暖 が非常に大きく、しかも振動も負荷される 酷な環境に配置される実装基板は、今後ま ます増えていくことが予想されるため、そ ような過酷な環境においても充分な接合強 を保持し、優れた接合信頼性を発揮しうる んだ接合構造の開発が求められているのが 状である。

 そこで、本発明は、寒暖差が非常に大き といった過酷な環境においても、充分なは だ接合強度を保持し、高い接合信頼性が確 できるはんだ接合構造と、これを可能にす はんだ付け用フラックス等を提供すること 目的とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究を重ねた。その結果、例えば90℃以上 温度と-30℃以下の温度との間で冷熱サイク を繰り返すといった過酷な負荷条件下にお て、フラックス残渣だけでなく、はんだ部 金属に生じる亀裂をも抑制し、はんだの接 強度を保持させるためには、リフロー後の ラックス残渣の所定温度範囲における線膨 係数の最大値と、フラックス成分とするア リル樹脂のガラス転移点とがそれぞれ特定 囲になるよう設定することが重要であるこ 、それにはフラックス成分として水酸基を するチキソ剤が必須となること、を見出し 本発明を完成した。

 すなわち、本発明のはんだ接合構造は、電 部および絶縁膜を備えた基板の主面上に電 部品を搭載し、前記電極部と前記電子部品 がはんだ部を介して電気的に接合され、電 部品と絶縁膜との間に前記はんだ部から浸 したフラックスの残渣が介在しているはん 接合構造であって、前記フラックスは、ア リル樹脂、活性剤および水酸基を有するチ ソ剤を含有し、かつ前記アクリル樹脂のガ ス転移点が-40℃以下または前記フラックス 渣の軟化温度以上であるとともに、前記フ ックス残渣は、-40℃から該フラックス残渣 軟化温度までの温度範囲における線膨張係 の最大値が300×10 -6 /K以下である、ことを特徴とする。

 本発明のはんだ付け用フラックスは、はん 合金粉末と混合してリフローさせることに りはんだ付けに用いられるはんだ付け用フ ックスであって、アクリル樹脂、活性剤お び水酸基を有するチキソ剤を含有し、かつ 記アクリル樹脂のガラス転移点が-40℃以下 たはリフロー後のフラックス残渣の軟化温 以上であるとともに、リフロー後のフラッ ス残渣は、-40℃から該フラックス残渣の軟 温度までの温度範囲における線膨張係数の 大値が300×10 -6 /K以下である、ことを特徴とする。

 本発明のはんだペースト組成物は、はんだ 金粉末と前記本発明のはんだ付け用フラッ スとを含む、ことを特徴とする。
 本発明のはんだ接合強度の低下防止方法は 90℃以上の温度と-30℃以下の温度との間で 熱サイクルを繰り返す温度負荷条件下にお るはんだ部の接合強度の低下を防止する方 であって、前記はんだ部をはんだ合金粉末 前記本発明のはんだ付け用フラックスとを いて形成することを特徴とする。

 本発明によれば、寒暖差が非常に大きい いった過酷な環境においても、充分なはん 接合強度を保持し、高い接合信頼性が確保 きる、という効果が得られる。具体的には 本発明によれば、90℃以上の温度と-30℃以 の温度との間で冷熱サイクルを繰り返す温 負荷条件下においても、はんだの接合強度 低下を防止することができる。

本発明のはんだ構造の一実施形態を部 的に示す拡大断面図である。

 まず、本発明のはんだ付け用フラックスお びはんだペースト組成物の一実施形態につ て詳細に説明する。
 本発明のはんだ付け用フラックスは、はん 合金粉末と混合してリフローさせることに り、はんだ付けに用いられる。詳しくは、 発明のフラックスをはんだ合金粉末と混合 てリフローさせることで、はんだが形成さ るのであるが、その際、本発明のフラック はフラックス残渣となる。本発明において 、このリフロー後のフラックス残渣の-40℃ ら該フラックス残渣の軟化温度までの温度 囲における線膨張係数の最大値(以下、「最 大線膨張係数」と称する)が300×10 -6 /K以下であることが重要である。好ましくは 前記最大線膨張係数は200×10 -6 /K以下であるのがよい。これにより、過酷な 熱サイクルを負荷された場合であっても、 合強度の低下を抑制することができ、その 果、寒暖差が大きい環境で使用される際に 高い接合信頼性を確保することが可能とな 。本発明において、リフロー後のフラック 残渣の軟化温度は、フラックスのみを所定 温度で加熱して溶媒等を除去したときに生 る固化物(残渣)について測定した軟化温度 あってもよいし、フラックスをはんだ合金 末と混合した状態(すなわち、後述する本発 のはんだペースト組成物とした状態)とし、 これを所定の温度で加熱してはんだを溶融さ せるとともに溶媒等を除去したときにはんだ の周囲に生じる固化物(残渣)について測定し 軟化温度であってもよい。なお、最大線膨 係数は、例えば、後述する実施例に記載の 法で求めることができる。

 本発明のフラックスは、アクリル樹脂を 須成分として含有する。アクリル樹脂とし は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、 クリル酸の各種エステル、メタクリル酸の 種エステル、クロトン酸、イタコン酸、マ イン酸、無水マレイン酸、マレイン酸のエ テル、無水マレイン酸のエステル、アクリ ニトリル、メタクリロニトリル、アクリル ミド、メタクリルアミド、塩化ビニルおよ 酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なく も1種の重合性不飽和基含有モノマーを重合 してなるものが、好ましく挙げられる。なお 、これら重合性不飽和基含有モノマーの重合 は、例えば、過酸化物等の触媒を用い、塊状 重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合 法等のラジカル重合により行うことができる 。

 本発明において、アクリル樹脂は、ガラ 転移点が-40℃以下またはリフロー後のフラ クス残渣の軟化温度以上であることが重要 ある。アクリル樹脂のガラス転移点が-40℃ 超え、かつリフロー後のフラックス残渣の 化温度未満である場合には、例えば90℃以 の温度から-30℃以下の温度までの過酷な冷 サイクル負荷がかかった際に接合強度が著 く低下する。ここで、リフロー後のフラッ ス残渣の軟化温度は、上述した通り、フラ クスのみを加熱して生じる固化物(残渣)につ いて測定した軟化温度であってもよいし、フ ラックスをはんだ合金粉末と混合した状態で 加熱してはんだの周囲に生じる固化物(残渣) ついて測定した軟化温度であってもよい。 お、本発明においては、このリフロー後の ラックス残渣の軟化温度は、-40℃よりも高 ことを前提にする。

 なお、本発明において、ガラス転移点(Tg)は 、各種ホモポリマーのTgを用いて下記計算式 より算出するものとする。

 アクリル樹脂の酸価には、特に制限はな が、例えば、10mgKOH/g以上であることが、活 作用をさらに助長させうる点では好ましい ただし、例えば、前記重合性不飽和基含有 ノマーとしてエステル類のみを用いた場合 どには、アクリル樹脂の酸価は0mgKOH/gであ てもよい。

 アクリル樹脂は、分子量が3万以下であるこ とが好ましく、より好ましくは2万以下であ のがよい。アクリル樹脂の分子量が前記範 であると、たとえリフロー時の加熱により 脂がある程度高分子化しても、それによる 性劣化などの影響を抑制することができる で、寒暖差が大きい環境において、はんだ の亀裂防止とともに、フラックス残渣に生 る亀裂も防止することができる。その結果 亀裂部に水分が浸入して部品リード間の短 不良を招くといった問題を回避することが 能となる。
 なお、本発明において、アクリル樹脂の分 量は、重量平均分子量を意味するものとす 。

 前記アクリル樹脂の含有量は、フラック 総量に対して、10~80重量%であることが好ま く、より好ましくは20~70重量%であるのがよ 。アクリル樹脂が前記範囲より少ないと、 んだ付け時において金属に活性剤を均一に 布することが困難になるため、はんだ付け 良が発生するおそれがある。また、はんだ け後の皮膜性が低下し、高温耐久性が低下 てしまうおそれもある。一方、アクリル樹 が前記範囲より多いと、フラックス自体の 度が高くなってしまい、フラックスの厚膜 によるはんだ付け性の低下という問題が生 るおそれがある。

 本発明のフラックスは、活性剤を必須成分 して含有する。活性剤によって、はんだ付 時に金属表面の酸化膜を除去し、良好なは だ付け性を確保するのである。
 活性剤としては、例えば、エチルアミン、 ロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチ アミン、エチレンジアミン、アニリン等の ロゲン化水素酸塩、乳酸、クエン酸、ステ リン酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸等の 機カルボン酸等が挙げられる。これら活性 は、1種のみであってもよいし2種以上であ てもよい。
 活性剤の含有量は、フラックス総量に対し 、0.1~30重量%であることが好ましく、より好 ましくは1~20重量%であるのがよい。活性剤が 記範囲より少ないと、活性力が不足し、は だ付け性が低下するおそれがある。一方、 性剤が前記範囲より多いと、フラックスの 膜性が低下し、親水性が高くなるので、腐 性および絶縁性が低下するおそれがある。

 本発明のフラックスは、水酸基を有するチ ソ剤を必須成分として含有する。例えば、 酸基を有さないチキソ剤を含有し、水酸基 有するチキソ剤を含有しない場合、前述し 最大線膨張率が前記範囲を外れることとな 、その結果、過酷な冷熱サイクル負荷がか った後の接合強度が著しく低下することと る。
 水酸基を有するチキソ剤としては、例えば 硬化ひまし油、メチロールベヘン酸アミド 12-ヒドロキシステアリン酸エチレンビスア ド、エルカ酸モノエタノールアミド、12-ヒ ロキシステアリン酸ヘキサメチレンビスア ド、酸化パラフィンワックスなどが挙げら る。これら水酸基を有するチキソ剤は、1種 のみであってもよいし2種以上であってもよ 。
 水酸基を有するチキソ剤の含有量は、フラ クス総量に対して、0.5 ~10重量%であること 好ましく、より好ましくは2~8重量%であるの がよい。水酸基を有するチキソ剤が前記範囲 より少ないと、充分なチキソ性を得られず、 印刷等の作業性が低下してしまうおそれがあ る。一方、水酸基を有するチキソ剤が前記範 囲より多いと、フラックスの粘度が高くなり 、作業性を損なうおそれがある。

 なお、水酸基を有さないチキソ剤として 、例えば、パラフィンワックス、ポリエチ ンワックス、ポリプロピレンワックス、ス アリン酸アミド、オレイン酸アミド、エル 酸アミド、ラウリン酸エチレンビスアミド ステアリン酸ブチレンビスアミド、ステア ン酸キシリレンビスアミド、N,N’-ジステア リルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセ シン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタ 酸アミド、キシリレンビスステアリル尿素 どが挙げられる。これら水酸基を有さない キソ剤は、本発明の必須成分ではないが、 発明の効果を損なわない範囲であれば含有 せてもよい。

 本発明のフラックスは、酸化防止剤をも含 することが好ましい。酸化防止剤をも含有 ることにより、リフロー時の加熱によるフ ックス残渣の酸化が防止され、寒暖差が大 い環境において、はんだ部の亀裂防止とと に、フラックス残渣に生じる亀裂も防止す ことができる。その結果、亀裂部に水分が 入して部品リード間の短絡不良を招くとい た問題をも回避することが可能となる。
 酸化防止剤としては、特に制限はなく、例 ば、フェノール系、リン系、アミン系、硫 系の公知の酸化防止剤が挙げられる。これ 酸化防止剤は、1種のみであってもよいし2 以上であってもよい。
 フェノール系の酸化防止剤としては、例え 、2,6-ジ-t-ブチル-4-[4,6-ビス(オクチルチオ)-1 ,3,5-トリアジン-2-イルアミノ]フェノール、2,6 -ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,4-ジメチル-6-t- チル-フェノール、スチレネートフェノール 2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾー などが挙げられる。リン系の酸化防止剤と ては、例えば、トリフェニルフォスファイ 、トリエチルフォスファイト、トリラウリ トリチオフォスファイト、トリス(トリデシ )フォスファイトなどが挙げられる。アミン 系の酸化防止剤としては、例えば、α-ナフチ ルアミン、トリエチルアミン、N,N’-ジイソ チル-p-フェニレンジアミン、フェニル-β-ナ リルアミンなどが挙げられる。硫黄系の酸 防止剤としては、例えば、ジラウリルチオ プロピオネート、ジラウリルサルファイド 2-メルカプトベンゾイミダゾール、ラウリ ステアリルチオジプロピオネートなどが挙 られる。
 酸化防止剤の含有量は、特に制限されない 、例えば、フラックス総量に対して、0.05~10 重量%であることが好ましく、より好ましく 0.1~5重量%であるのがよい。

 本発明のフラックスは、さらにロジン系樹 をも含有することが好ましい。ロジン系樹 を含有させると、これが金属に前記活性剤 均一に付着させるためのバインダーとして 用し、金属表面の酸化膜の除去をより効率 く行うことができる。
 ロジン系樹脂は、従来から一般的にフラッ スに用いられているものであればよく、特 限定されないが、例えば、通常のガムロジ 、トール油ロジン、ウッドロジンのほか、 れらの誘導体(例えば、不均斉化ロジン、熱 処理した樹脂、重合ロジン、アクリル化ロジ ン、水素添加ロジン、ホルミル化ロジン、ロ ジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、 ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アル キド樹脂等)などが挙げられる。これらロジ 系樹脂は、1種のみであってもよいし2種以上 であってもよい。
 ロジン系樹脂を含有させる場合、フラック 中にアクリル樹脂以外の新たな樹脂成分が わることになるので、その含有量は、アク ル樹脂およびロジン系樹脂のそれぞれのガ ス転移点と含有量から算出した、アクリル 脂と該ロジン系樹脂との混合物の平均ガラ 転移点が、前述したアクリル樹脂のガラス 移点の範囲に入るように設定することが望 しい。通常、例えば、フラックス総量に対 て、1~20重量%であることが好ましく、より ましくは5~10重量%であるのがよい。

 本発明のフラックスは、さらに必要に応じ 、有機溶剤を含有していてもよい。有機溶 としては、上述した含有成分を溶解して溶 とする極性溶剤が好ましく、通常、例えば エチルアルコール、イソプロピルアルコー 、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール ヘキシルカルビトール等のアルコール系溶 が好ましく用いられる。また、例えば、酢 エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤や トルエン、テレピン油等の炭化水素系溶剤 も有機溶剤として用いることができる。こ らの中でも、揮発性や活性剤の溶解性の点 ヘキシルカルビトールが好ましい。これら 機溶剤は、1種のみであってもよいし2種以 であってもよい。
 有機溶剤の含有量は、特に制限されないが 例えば、フラックス総量に対して、15~70重 %であるのがよい。有機溶剤が前記範囲より 少ないと、フラックスの粘性が高くなり、 ラックスの塗布性が悪化するおそれがある 一方、有機溶剤が前記範囲よりも多いと、 ラックスとしての有効成分(上述した必須成 分)が相対的に少なくなってしまうため、は だ付け性が低下するおそれがある。 

 さらに、本発明のフラックスは、前述し 各成分のほかに、本発明の効果を損なわな 範囲で、一般にフラックスのベース樹脂と て用いられている従来公知の合成樹脂(例え ば、スチレン-マレイン酸樹脂、エポキシ樹 、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェ キシ樹脂、テルペン樹脂等)や、防黴剤、つ 消し剤等の添加剤を含有させることもでき 。

 本発明のはんだペースト組成物は、はんだ 金粉末と前述した本発明のはんだ付け用フ ックスとを含むものである。
 前記はんだ合金粉末としては、特に制限は く、一般に用いられている錫-鉛合金、さら に銀、ビスマスまたはインジウムなどを添加 した錫-鉛合金等を用いることができる。ま 、錫-銀系、錫-銅系、錫-銀-銅系、錫-ビスマ ス系等の鉛フリー合金を用いてもよい。なお 、はんだ合金粉末の粒径は、5~50μm程度であ のがよい。

 本発明のはんだペースト組成物におけるフ ックスとはんだ合金粉末との重量比(フラッ クス:はんだ合金粉末)は、所望されるはんだ ーストの用途や機能に応じて適宜設定すれ よく、特に制限されないが、5:95~20:80程度で あるのがよい。
 本発明のはんだペースト組成物は、リフロ させることによりはんだ付けに用いられる リフローは、例えば、130~200℃程度でプリヒ ートを行った後、最高温度170~250℃程度で行 ばよいが、これに限定されるものではない なお、はんだ付けに際し、はんだペースト 成物は、通常、ディスペンサーやスクリー 印刷等により基板上に塗布される。

 次に、本発明のはんだ接合構造の一実施形 について、図面を用いて説明する。
 図1は、本発明のはんだ構造の一実施形態を 部分的に示す拡大断面図である。このはんだ 接合構造は、主面1aに電極部2および絶縁膜3 備えた基板1上(主面1a上)に電子部品4が搭載 れており、前記電極部2と前記電子部品4とは はんだ部5を介して電気的に接合されている このはんだ接合構造においては、電子部品4 絶縁膜3との間には前記はんだ部5から浸出 たフラックスの残渣6が介在している。
 本発明のはんだ接合構造において、前記は だ部5は、はんだ合金粉末とフラックスとを 混合したはんだペースト組成物をリフローさ せることにより形成される。ここで、用いら れるフラックスは、アクリル樹脂、活性剤お よび水酸基を有するチキソ剤を含有し、かつ 前記アクリル樹脂のガラス転移点が-40℃以下 または前記フラックス残渣の軟化温度以上で ある本発明のフラックスであり、このフラッ クスの残渣6の最大線膨張係数(すなわち、-40 から該フラックス残渣の軟化温度までの温 範囲における線膨張係数の最大値)は300×10 -6 /K以下である。これにより、過酷な冷熱サイ ルを負荷された場合であっても、接合強度 低下を抑制することができ、その結果、寒 差が大きい環境で使用される際にも高い接 信頼性を確保することが可能となる。

 このように、図1に示すようなはんだ接合構 造におけるはんだ部5を、はんだ合金粉末と 発明のフラックスとを用いて形成すること 、90℃以上の温度と-30℃以下の温度との間( 体的には、例えば-40℃~125℃)で冷熱サイクル を繰り返す温度負荷条件下におけるはんだの 接合強度の低下を防止する方法として、有用 である。すなわち、本発明のはんだ接合強度 の低下防止方法は、90℃以上の温度と-30℃以 の温度との間で冷熱サイクルを繰り返す温 負荷条件下におけるはんだ部の接合強度の 下を防止する方法であって、前記はんだ部 はんだ合金粉末と前記本発明のはんだ付け フラックスとを用いて形成するものである
 なお、本発明のはんだ接合構造における「 ラックス残渣」については、本発明のフラ クスの説明で述べた「リフロー後のフラッ ス残渣」に関する記載を適用すればよく、 発明のはんだ接合構造における「フラック 残渣の軟化温度」については、本発明のフ ックスの説明で述べた「リフロー後のフラ クス残渣の軟化温度」に関する記載を適用 ればよい。

 以下、実施例および比較例を挙げて本発明 さらに詳細に説明するが、本発明は以下の 施例に限定されるものではない。
 なお、以下の各製造例や表中に示すアクリ 樹脂の平均分子量は、いずれも重量平均分 量である。
 実施例および比較例における各種測定およ 評価は、下記の方法で行なった。

 <フラックス残渣の最大線膨張係数および フラックス残渣の軟化温度>
 はんだペースト組成物約0.5gを銅板(50mm×50mm 0.5mm)上に載せ、250℃に設定したホットプレ ト上で30秒間加熱することによりはんだを溶 融させた後、常温まで冷却し、生じたフラッ クス残渣を掻き取って回収した。この操作を 5回行ない、回収した全ての残渣を均一に溶 ・混合した後、幅3mm、厚さ3mm、長さ10mmの形 に成形し、これを試料とした。
 次いで、この成形した試料の膨張、収縮を 機械分析装置(セイコーインスツルメンツ製 「TMA/SS120」)を用いて測定し、線膨張係数を めた。測定に際しては、試料をアルゴンガ 雰囲気下にて毎分5℃の昇温速度で-40℃から 熱していった。試料を加熱していくと、試 の軟化が始まると同時に試料の見かけ長さ 急激な収縮が起こり、最終的に試料長がほ ゼロとなるので、試料の見かけ長さの急激 収縮が起こり始めた温度をフラックス残渣 軟化温度とした。そして、この軟化温度か プラス30℃の温度になるまで加熱を継続し 線膨張係数を求めた。このようにして求め -40℃から軟化温度までの線膨張係数のうち 大値を最大線膨張係数とした。なお、軟化 度からプラス30℃の温度になるまで加熱する 間に、試料は完全に溶解し、試料長はほぼゼ ロとなったことを確認した。

 <接合強度試験>
 3.2mm×1.6mmのサイズのチップ部品(電子部品) 120個実装できるパターンを有する絶縁膜と ップ部品を接続する電極とを備えたガラス ポキシ基板2枚に、それぞれ、同じパターン 有する厚み150μmのメタルマスクを用いては だペースト組成物を印刷し、120個のチップ 品を搭載した。チップ部品を搭載後10分以 に、酸素濃度1500ppmの窒素雰囲気下において1 60±5℃で80±5秒間プリヒートを行い、引き続 、最高温度240±5℃でリフローを行うことに って、はんだ付けを実施した。
 このようにして得られたはんだ接続構造に いては、電極とチップ部品とがはんだ部を して電気的に接合されているとともに、チ プ部品とガラスエポキシ基板表面の絶縁膜 の間にフラックス残渣が介在していた。
 次に、はんだ付け後の2枚の基板のうちの1 に、-40℃×30分→125℃×30分を1サイクルとし 1000サイクルの条件で冷熱サイクル負荷をか た。その後、冷熱サイクル負荷をかけた基 と冷熱サイクル負荷をかけなかった基板に いて、それぞれ、基板上の120個のチップ部 の接合強度(せん断強度)を、加圧せん断試 機を用い、JIS Z-3198-7に準拠して測定した。 ん断強度の測定に際しては、ジグは、径0.5m mの圧子をもつせん断ジグとし、せん断ジグ チップ部品に対し、垂直かつ部品の中央部 位置するように基板を試験装置にセットし 後、せん断ジグを15mm/分の速度で移動させて 加重を加えた。
 そして、冷熱サイクル負荷をかけなかった 板のせん断強度に対する、冷熱サイクル負 をかけた基板のせん断強度の割合を百分率 示した値を残存強度率(%)として求め、この 存強度率により、接合部でのはんだ亀裂発 による強度低下を評価した。具体的には、 存強度率は、基板の接合信頼性の観点から7 0%以上を「適」とした。

 (製造例1)
 エチルメタクリレート34.2重量部、ラウリル アクリレート24.0重量部、ベンジルメタクリ ート35.2重量部およびメタクリル酸6.6重量部 らなるモノマー成分を、溶液重合法で重合 て、熱可塑性アクリル樹脂Aを得た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Aは、ガラス転移 点(Tg)が51℃、酸価が43mgKOH/g、平均分子量が約 6000であった。

 (製造例2)
 t-ブチルメタクリレート25.4重量部、セチル クリレート53.1重量部、シクロヘキシルアク リレート13.8重量部およびメタクリル酸7.7重 部からなるモノマー成分を、溶液重合法で 合して、熱可塑性アクリル樹脂Bを得た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Bは、ガラス転移 点(Tg)が54℃、酸価が50mgKOH/g、平均分子量が約 23500であった。

 (製造例3)
 ラウリルアクリレート24重量部、セチルア リレート29.7重量部、n-ブチルアクリレート25 .6重量部およびメタクリル酸20.7重量部からな るモノマー成分を、溶液重合法で重合して、 熱可塑性アクリル樹脂Cを得た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Cは、ガラス転移 点(Tg)が14℃、酸価が135mgKOH/g、平均分子量が 12000であった。

 (製造例4)
 2-エチルヘキシルアクリレート63.2重量部、n -ブチルアクリレート22.0重量部およびメタク ル酸14.8重量部からなるモノマー成分を、溶 液重合法で重合して、熱可塑性アクリル樹脂 Dを得た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Dは、ガラス転移 点(Tg)が-62℃、酸価が97mgKOH/g、平均分子量が 27000であった。

 (製造例5)
 ラウリルメタクリレート28.9重量部、2-エチ ヘキシルアクリレート41.9重量部およびn-ブ ルアクリレート29.2重量部からなるモノマー 成分を、溶液重合法で重合して、熱可塑性ア クリル樹脂Eを得た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Eは、ガラス転移 点(Tg)が-71℃、酸価が0mgKOH/g、平均分子量が約 9500であった。

 (製造例6)
 イソボルニルアクリレート26.0重量部、シク ロヘキシルアクリレート19.2重量部、ベンジ メタクリレート44.0重量部およびメタクリル 10.8重量部からなるモノマー成分を、溶液重 合法で重合して、熱可塑性アクリル樹脂Fを た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Fは、ガラス転移 点(Tg)が62℃、酸価が70mgKOH/g、平均分子量が約 7500であった。

 (製造例7)
 フェノキシエチルアクリレート36.3重量部、 シクロヘキシルアクリレート29.1重量部、ベ ジルアクリレート30.5重量部およびメタクリ 酸4.1重量部からなるモノマー成分を、溶液 合法で重合して、熱可塑性アクリル樹脂Gを 得た。
 この熱可塑性アクリル樹脂Gは、ガラス転移 点(Tg)が1℃、酸価が27mgKOH/g、平均分子量が約1 7500であった。

 (実施例1~4および比較例1、2)
 ベース樹脂として上記各製造例で得られた クリル樹脂A、B、Cおよび不均斉化ロジン(ガ ラス転移点(Tg)40℃)のうちの1種以上と、活性 としてジフェニル酢酸、アジピン酸および ニリン臭化水素酸塩と、水酸基を有するチ ソ剤として12-ヒドロキシステアリン酸エチ ンビスアミドと、フェノール系酸化防止剤 してチバスペシャリティーケミカルズ製の イルガノックス565」と、溶剤としてヘキシ カルビトールとを、それぞれ表1に示す配合 組成で混合し、均一になるように充分に熱を 加えて溶解、拡散させ、フラックスをそれぞ れ得た。
 次いで、得られた各フラックスと、Sn-Pb合 (Sn:Pb=63.0:37.0(重量比))からなるはんだ合金粉 (粒径38~25μm)とを、フラックス:はんだ合金 末=10:90(重量比)の比率で混合して、はんだペ ースト組成物をそれぞれ得た。
 得られた各はんだペースト組成物を用いて 接合強度試験を行った。結果を表1に示す。

 表1から、アクリル樹脂と水酸基を有するチ キソ剤を使用し、残渣の最大線膨張係数が300 ×10 -6 /K以下であり、かつアクリル樹脂のガラス転 点が-40℃以下またはリフロー後の残渣の軟 温度以上である実施例1~4は、-40℃から125℃ での過酷な冷熱サイクルを負荷した後も高 接合強度を保持している。なお、実施例4は 、アクリル樹脂にロジン系樹脂を併用した例 であるが、アクリル樹脂とロジン系樹脂の混 合物の平均ガラス転移点を算出すると52℃で り、リフロー後のフラックス残渣の軟化温 以上の値であった。
 これに対して、アクリル樹脂の代わりにロ ン系樹脂を単独で用いた比較例1においては 、残渣の最大線膨張係数が300×10 -6 /Kを超えており、冷熱サイクル後の接合強度 著しい低下が認められる。また、比較例2で は、アクリル樹脂のガラス転移点が、-40℃を 超え、かつリフロー後のフラックス残渣の軟 化温度未満の範囲内にあるため、冷熱サイク ル後の接合強度の著しい低下が認められる。

 (実施例5~8および比較例3~5)
 ベース樹脂として上記各製造例で得られた クリル樹脂D、E、F、Gおよび不均斉化ロジン (ガラス転移点(Tg)40℃)のうちの1種以上と、活 性剤としてジフェニル酢酸、アジピン酸およ びモノエチルアミン塩酸塩と、チキソ剤とし てメチロールベヘン酸アミド(水酸基を有す チキソ剤)およびステアリン酸ヘキサメチレ ビスアミド(水酸基を有さないチキソ剤)の ずれか一方と、フェノール系酸化防止剤と てチバスペシャリティーケミカルズ製の「 ルガノックス565」と、溶剤としてヘキシル ルビトールとを、それぞれ表2に示す配合組 で混合し、均一になるように充分に熱を加 て溶解、拡散させ、フラックスをそれぞれ た。
 次いで、得られた各フラックスと、Sn-Ag-Cu 金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなる鉛フリ のはんだ合金粉末(粒径38~25μm)とを、フラッ クス:はんだ合金粉末=12:88(重量比)の比率で混 合して、はんだペースト組成物をそれぞれ得 た。
 得られた各はんだペースト組成物を用いて 接合強度試験を行った。結果を表2に示す。

 表2から、アクリル樹脂と水酸基を有するチ キソ剤を使用し、残渣の最大線膨張係数が300 ×10 -6 /K以下で、かつアクリル樹脂のガラス転移点 -40℃以下またはリフロー後の残渣の軟化温 以上である実施例5~8は、-40℃から125℃まで 過酷な冷熱サイクルを負荷した後も高い接 強度を保持している。なお、実施例6と実施 例8は、アクリル樹脂にロジン系樹脂を併用 た例であるが、アクリル樹脂とロジン系樹 の混合物の平均ガラス転移点を算出すると 実施例6は-46℃、実施例8は-54℃であり、-40℃ 以下の温度であった。
 これに対して、実施例5と同じアクリル樹脂 を用いているが、水酸基を有さないチキソ剤 を使用している比較例3は、残渣の線膨張係 が300×10 -6 /Kを超えることとなるため、冷熱サイクル後 接合強度が著しく低下している。また、ア リル樹脂のガラス転移点はリフロー後の残 の軟化温度以上であるが、残渣の線膨張係 が300×10 -6 /Kを超えている比較例4でも、冷熱サイクル後 の接合強度の著しい低下が認められる。さら に、アクリル樹脂のガラス転移点が-40℃を超 え、かつリフロー後のフラックス残渣の軟化 温度未満の範囲内にあり、残渣の線膨張係数 が300×10 -6 /Kを超えている比較例5でも、冷熱サイクル後 の接合強度の著しい低下が認められる。

 以上、本発明にかかるはんだ接合構造お びはんだ付け用フラックスについて詳しく 明したが、本発明の範囲はこれらの説明に 束されることはなく、本発明の趣旨を損な ない範囲で適宜変更または改善しうるもの ある。




 
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