Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SOLID IMAGING DEVICE, METHOD FOR FABRICATING SOLID IMAGING DEVICE, AND IMAGING APPARATUS EMPLOYING THE SOLID IMAGING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126549
Kind Code:
A1
Abstract:
A solid imaging device (10) comprises a sensor chip (1) on which an effective pixel region (1a) is formed, a glass plate (3) arranged opposite to the effective pixel region (1a) and having planar dimensions equivalent to those of the effective pixel region (1a), a spacer (5) formed contiguously to the effective pixel region (1a) to surround the effective pixel region (1a) for holding the sensor chip (1) and the glass plate (3) in parallel, a sealing resin (7) sealing a portion of the sensor chip (1), the sidewall of the glass plate (3) and the sidewall of the spacer (5), and an optical element (9) composed of a transparent resin and formed on the glass plate (3). Since a portion of the optical element (9) is in contact with the surface of the sealing resin (7), a solid imaging device to which a function is imparted while achieving compaction and thinning by using a simple inexpensive method can be provided.

Inventors:
MIKI RENZABURO
INUI TOSHIHARU
Application Number:
PCT/JP2008/054311
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
March 10, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SHARP KK (JP)
MIKI RENZABURO
INUI TOSHIHARU
International Classes:
H01L27/14; H04N5/225; H04N5/335
Foreign References:
JP2006303482A2006-11-02
JP2002329851A2002-11-15
Attorney, Agent or Firm:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK (2-6 Tenjinbashi 2-chome,Kita, Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 41, JP)
Download PDF:
Claims:
 少なくとも、
 有効画素領域が形成された固体撮像素子と、
 上記有効画素領域と対向するように配置され、かつ該有効画素領域と同等の平面寸法を有する透明板と、
 上記固体撮像素子の一部、および上記透明板の側壁を封止する封止樹脂と、
 上記透明板上に形成され、かつ透明な樹脂から構成された光学素子と、
を備えており、
 上記光学素子の少なくとも一部が上記封止樹脂と接している
ことを特徴とする固体撮像装置。
 少なくとも、
 有効画素領域が形成された固体撮像素子と、
 上記有効画素領域と対向するように配置され、かつ該有効画素領域と同等の平面寸法を有する透明板と、
 上記透明板上に形成され、かつ透明な樹脂から構成された光学素子と、
を備えており、
 上記光学素子の少なくとも一部が上記透明板の側壁と接している
ことを特徴とする固体撮像装置。
 上記光学素子の一部が、該光学素子と上記封止樹脂との物理的な接着力または化学的な結合力を向上させるための接着力向上部を介して、上記封止樹脂上面の一部と接着されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の固体撮像装置。
 上記接着力向上部が、上記封止樹脂の粗化された表面であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の固体撮像装置。
 上記接着力向上部が、上記封止樹脂の表面に付与された官能基であることを特徴とする請求の範囲第3項または第4項に記載の固体撮像装置。
 上記透明板と上記光学素子との間には、さらにシランカップリング剤が付与されていることを特徴とする請求の範囲第1項~第5項のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
 上記光学素子が、-60℃~270℃の温度条件において、80%以上の可視光の透過率を有することを特徴とする請求の範囲第1項~第6項のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
 上記透明板の一部が、上記光学素子から露出していることを特徴とする請求の範囲第1項~第7項のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
 上記光学素子の可視光に対する屈折率が、1.3~1.4であることを特徴とする請求の範囲第1項~第8項のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
 上記光学素子には、上記有効画素領域の外側へ向かって封止樹脂の外縁付近まで形成されている、平坦な上面を有する張り出しが形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項および第3項~第9項のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
 請求の範囲第1項~第10項のいずれか1項に記載の固体撮像装置を備えていることを特徴とする撮影装置。
 少なくとも、
 固体撮像素子の有効画素領域と対向するように該有効画素領域と同等の平面寸法を有する透明板を配置する工程と、
 少なくとも上記固体撮像素子の一部および上記透明板の側壁を樹脂封止する工程と、
 上記透明板上、および上記封止樹脂上の一部に、透明な樹脂から構成された光学素子を形成する工程と
を包含することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
 少なくとも、
 固体撮像素子の有効画素領域と対向するように該有効画素領域と同等の平面寸法を有する透明板を、該固体撮像素子に固定する工程と、
 上記透明板の上部、および該透明板の側壁の一部にわたって、透明な樹脂から構成された光学素子を形成する工程と
を包含することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
 光学素子を形成する上記工程が、
  流動性を有するエネルギー硬化性樹脂を型に充填する処理、および
  光エネルギーまたは熱エネルギーの付与によってエネルギー硬化性樹脂を硬化する処理
を含むことを特徴とする請求の範囲第12項または第13項に記載の固体撮像装置の製造方法。
 上記型として透明な型を使用し、かつエネルギー硬化性樹脂を硬化する上記処理が、透明な該型を通して上記光学素子を形成すべき位置を確認しながら行われることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の固体撮像装置の製造方法。
 エネルギー硬化性樹脂を型へ充填する上記処理において、上記光学素子を形成するための必要量を超えるエネルギー硬化性樹脂を型へ充填することを特徴とする請求の範囲第14項または第15項に記載の固体撮像装置の製造方法。
Description:
固体撮像装置、固体撮像装置の 造方法およびその固体撮像装置を用いた撮 装置

 本発明は、受光素子が形成された固体撮 素子によって被写体の像を撮像する固体撮 装置、その製造方法およびその固体撮像装 を用いた撮影装置に関する。より詳細には デジタルカメラやビデオカメラなどに用い れる固体撮像装置、その製造方法およびそ 固体撮像装置を用いた撮影装置に関する。

 デジタルカメラやビデオカメラなどの撮 装置は、被写体からの光を電気信号に変換 、該電気信号に基づいて被写体の画像デー を形成する。上記撮影装置には、撮像レン によって結像された被写体からの光を認識 る撮像部(固体撮像装置)が備えられている 固体撮像装置によって認識された光は、固 撮像装置内部の固体撮像素子によって電気 号に変換され、該電気信号として出力され 。出力された電気信号に基づいて、上記撮 装置の処理部において被写体の画像が形成 れる。

 上述のような固体撮像装置の従来の構成 しては、固体撮像素子が平行平面板状の保 ガラスを備えたユニットケース内に収めら ている構成を挙げることができる。上記保 ガラスは、光の入射を妨げずに、ユニット ースへの異物(塵や埃など)の侵入や固体撮 装置の製造工程における固体撮像素子への の部材の接触を防ぐ。つまり、上記保護ガ スは、固体撮像素子に対する悪影響(異物の 着や物理的な原因による素子の破損)から固 体撮像素子を保護する部材である。

 上記構成を有する固体撮像装置を撮影装 に適用した場合における、固体撮像素子に 射する光の角度について、図12を用いて説 する。

 図12に示すように、撮像レンズを透過し 光は、保護ガラス101を介して固体撮像素子10 2に到達する。仮想線O-O’は、撮像レンズを 過した光の中心軸を表している。

 固体撮像素子102に入射する光の内、仮想 O-O’から離れた位置に入射する光ほど仮想 O-O’から外側へ広がるような角度を有する 光が保護ガラス101内に入射する際、内側に 折されるが、保護ガラス101から出射する際 保護ガラス101への入射光と平行な光として 射される。つまり、固体撮像素子102の外側 位置するほど、仮想線O-O’から外側に離れ ような角度を有する光が、固体撮像素子102 入射する。

 入射光が仮想線O-O’から外側に離れるよ な角度を有していると、固体撮像素子102へ 入射効率が低下するため、光を効率的に電 信号に変換することが困難になる。

 上述のような平行平面板状の保護ガラス 備えた固体撮像装置を撮影装置に適用し、 固体撮像装置を小型化および薄型化した場 、必然的に、撮像レンズを透過した光が広 化する。光の広角化によって、固体撮像素 の中心部と周辺部との間における入射効率 差がさらに拡大するため、形成された画像 閲覧すると周辺部が極端に暗くなってしま という問題が生じる。

 固体撮像素子の保護部材として透明な平 平面板状の部材を用いた場合、上記問題の に、以下のような問題が生じる。

 固体撮像素子として多く用いられるCCD(Cha rge Coupled Device:電荷結合素子)やC-MOSデバイス は、比較的広い波長の光を電気信号に変換す ることができる。例えば、CCDやC-MOSデバイス 、可視光領域のみならず近赤外領域(750~2500n m)の波長を有する光を電気信号に変換するこ ができる。

 しかし、通常のカメラとして用いる場合 固体撮像素子が近赤外線を電気信号に変換 ることは、無意味であるだけでなく、解像 の低下や画像のムラなど画質の劣化を引き こす。このため、通常、ビデオカメラ等の 学系に赤外カットフィルタとして色ガラス どを挿入することによって、入射光の内、 赤外線がカットされる。近年、装置の低コ ト化および小型化のために、赤外カットフ ルタとして安価な誘電体多層膜を保護ガラ に形成することによって近赤外線をカット( 反射)する方法が多く採用されている。

 ここで、誘電体多層膜は、入射する光の 度によって反射する光の波長の範囲が変化 る角度依存性を有している。光の入射角が きくなるほど、誘電体多層膜が反射できる の波長の範囲は、より短波長へシフトする つまり、光の入射角が大きくなるほど、誘 体多層膜は、近赤外線が有する波長よりも い波長を有する光を反射し易くなる。言い えると、光の入射角が大きくなるほど、誘 体多層膜の赤外カットフィルタとしての機 が低下する。

 このため、固体撮像素子によって変換さ た電気信号に基づいて形成された画像は、 の中心部から周辺部へ向かうに従って青み 強くなる。よって、解像度の低下や画像の ラなど画質の劣化を十分に防止することが きなくなる。

 上述のような画像の周辺部における画質 劣化という問題を解決するために、保護ガ スの上部にレンズを形成した撮像素子ユニ ト(固体撮像装置)が特許文献1に開示されて る。また、特許文献2には、樹脂製集束レン ズを有する誘電体多層膜フィルタの製造方法 および固体撮像デバイス(固体撮像装置)が開 されている。

 特許文献1の固体撮像装置について図13を 特許文献2の固体撮像装置および誘電体多層 膜フィルタの製造方法について図14および図1 5を用いて説明する。

 図13に示すように、特許文献1の固体撮像 置は、ユニットケース112、ユニットケース1 12内に配置されたセンサチップ114、センサチ プ114上に形成されたレンズ部116、およびセ サチップ114を保護する保護ガラス115を備え いる。上記固体撮像装置の光の入射面側に 、水晶の複屈折によって光線を2つに分光す るための水晶フィルタ111および被写体からの 光を結像するための撮像レンズ110が備えられ ている。仮想線Oは、結像レンズ110から入射 る光の中心軸を表している。

 ここで、レンズ部116は、センサチップ114 構成する複数の受光画素のそれぞれ1つに対 して形成された、1つのマイクロレンズ116aか 構成されている。保護ガラス115は、平板状 ガラス板115aおよびレンズ部115bから構成さ ており、ガラス板115aおよびレンズ部115bは、 一体に形成されている。レンズ部115bは、ガ ス板115aにおける光の入射面側に形成されて る。保護ガラス115に形成されたレンズ部115b は、結像作用を有していないアフォーカル系 のレンズ機能を有している。

 特許文献1の固体撮像装置は、レンズ部115 bを備えているので、センサチップ114の周辺 に入射する光を、仮想線Oとほぼ平行になる うに屈折させる。従って、センサチップ114 周辺部における光の入射効率の低下を抑制 、得られる画像全体の均一性を達成し得る

 また、図14に示すように、特許文献2の固 撮像装置130は、ユニットケース136、ユニッ ケース136内に配置されたセンサチップ135、 よびセンサチップ135の上部に形成された誘 体多層膜フィルタ131を備えている。誘電体 層膜フィルタ131は、センサチップ135を保護 る光透過性基板134、光透過性基板134の平坦 に形成された誘電体多層膜133および樹脂製 束レンズ132から構成されている。

 固体撮像装置130の光の入射面側には、被写 からの光を結像するための光学系140が備え れている。矢印L 0 は、センサチップ135の中心部に入射する光の 経路を示しており、矢印L 2 は、センサチップ135の外周付近に入射する光 の経路を示している。

 矢印L 2 上を進む光は、樹脂製集束レンズ132の光の入 射面において、矢印L 0 とより平行になるように屈折する。よって、 樹脂製集束レンズ132から出射し、誘電体多層 膜133に入射する光は、樹脂製集束レンズ132へ の入射前と比較して矢印L 0 を進む光と平行に近くなる。つまり、固体撮 像装置130の外周付近に入射する光であっても 、比較的垂直な角度で誘電体多層膜133に入射 させることができる。

 このため、固体撮像装置130は、その外周 近に入射する光の角度を適切に補正するこ によって、不要な赤外線をカットすること できる。よって、画像全体の解像度の低下 色ムラを防止することができる。

 さらに、図15に示すように、特許文献2の 電体多層膜フィルタの製造方法は、以下S101 ~S105のような製造プロセスからなる。

 大面積の光透過性基板134および凸面成形 137を準備する(S101)。大面積の光透過性基板1 34の一面には、予め誘電体多層膜133が形成さ ている。凸面成形型137には、樹脂製集束レ ズ132の凸面を転写するための凹型キャビテ 137aおよび平坦な形成面137bを有している。

 大面積の光透過性基板134と凸面成形型137 を重ね合わせる。光硬化性樹脂138は、光透 性基板134と凸面成形型137とを重ね合わせる および後いずれかの状態で充填される。そ て、光透過性基板134側から紫外線を照射す ことによって、光硬化性樹脂138を硬化させ (S102)。

 紫外線照射後の透過性基板134から凸面成 型137を分離する(S103)。これによって、複数 樹脂製集束レンズ132が形成された透過性基 134(形成体)を作製することができる。

 切断線139に沿って、複数の樹脂製集束レ ズ132が形成された誘電体多層膜フィルタ131 切断する(S104)。

 この結果、複数の誘電体多層膜フィルタ1 31を製造することができる(S105)。

 以上のように、特許文献2の誘電体多層膜 フィルタの製造方法を採用すれば、光の入射 位置に関わらず効率的に近赤外線をカットし 得る複数の誘電体多層膜フィルタ131を、1度 製造工程で簡便に製造することができる。 らに、レンズが光硬化性樹脂から構成され いるため、ガラスを用いてレンズを形成し 場合とは異なり、レンズ表面を所望の形状 成形することが容易である。

 ここで、カメラ付き携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などに搭載するためのカメラ ジュールは、製品自体の小型化および薄型 を達成するために、小型化および薄型化の 求が高まっている。

 しかし、図13および図14に示した固体撮像 装置において、固体撮像素子を保護するため の部材(保護ガラス115および誘電体多層膜フ ルタ131)を、固体撮像素子の平面寸法(サイズ )より大きく形成せざるを得ない。この理由 以下に説明する。

 撮影装置を用いて被写体の像を撮影する めには、固体撮像素子によって被写体から 光が変換された電気信号を、固体撮像装置 外部にある処理部へ該電気信号を出力する 要がある。当然、電気信号の出力には配線 必要である。この配線として、通常、ボン ィングワイヤによって固体撮像素子と処理 とを接続する。このボンディングワイヤが 体撮像素子の外側に張り出すように接続さ ることから、ユニットケースを固体撮像素 よりも十分大きく形成する必要がある。結 として、保護ガラス115および誘電体多層膜 ィルタ131を大きくせざるを得ないので、上 のような固体撮像装置および固体撮像装置 小型化に不向きな構造を有している。

 さらに、ボンディングワイヤを保護ガラ 115および誘電体多層膜フィルタ131などと接 させないためには、ユニットケースを十分 く形成する必要があるので、上述のような 体撮像装置は薄型化することも困難である

 ここで、小型化および薄型化が容易な撮 装置が特許文献3に開示されている。特許文 献3の撮影装置の構造について、図16を用いて 以下に説明する。

 図16に示すように、特許文献3の撮影装置 、両面に複数の導体配線150が形成された配 基板142、配線基板142上に形成された画像処 用のDSP144、スペーサ143を介してDSP144と接着 れた固体撮像装置141、配線基板142の一部や 体撮像装置141の側面を封止する封止樹脂148 封止樹脂148上に固定されたレンズ保持具152 および固体撮像装置141と対向して配置され かつ固体撮像装置141への光路を画定する光 画定器として機能するレンズ151を備えてい 。センサチップ141およびDSP144と配線基板142 は、導体配線150およびボンディングワイヤ1 49とを介して電気的に接続されている。

 固体撮像装置141は、センサチップ146、セ サチップ146の有効画素領域と対向するよう 配置された透光性蓋部145、およびセンサチ プ146と光透過性基板145とを接着する接着部1 47から構成されている。配線基板142とセンサ ップ146とを電気的に接続するためのボンデ ングワイヤ149が、接着部147の外側に接続さ ている。さらに、センサチップ146上にある 効画素領域に沿って接着部147が配置されて る。またさらに、センサチップ146の平面寸 より小さい平面寸法の透光性蓋部145とセン チップ146とが、接着部147を介して接着され いる。

 平面寸法の小さい透光性蓋部145を用いて ンサチップ146上にある有効画素領域を封止 ることができるため、透光性蓋部145が配線 たボンディングワイヤ149に干渉しない。よ て、センサチップ146の近傍に透光性蓋部145 配置し得る。

 つまり、ボンディングワイヤ149と他の部材 の接触を回避するための空間が不要になる 上記空間を設ける必要がなくなった分だけ 固体撮像装置141の小型化および薄型化が可 である。結果として、撮影装置全体の小型 および薄型化が容易である。

日本国公開特許公報「特開平11-97659(平成 11年4月9日)」

日本国公開特許公報「特開2005-234038(平成 17年9月2日)」

日本国公開特許公報「特開2004-296453(平成 16年10月21日)」

 しかし、特許文献1および2の固体撮像装 を撮影装置に適用した場合、以下のような 題が生じる。

 特許文献1および2おいて、レンズが形成 れた保護部材(115または131)は、ユニットケー スを覆っている。上記保護部材を固体撮像素 子と平行になるように取り付けなければ、固 体撮像素子に入射する光束の中心軸と上記レ ンズの中心軸とが一致せず、大きな角度を有 する(傾いた)状態になる。2つの中心軸間のず れは固体撮像素子に入射する光の収差を拡大 させるため、形成された画像の歪みやぼやけ の原因になる。上記保護部材を正確に取り付 けるには、ユニットケースの形状が高精度に 形成されていることが重要であるが、ユニッ トケースの形状を高精度化するには、製造工 程におけるコストアップを避けることができ ない。

 また、特許文献2の誘電体多層膜フィルタ 131の製造方法において、光透過性基板134の一 面または両面に誘電体多層膜133を形成した後 、樹脂製集束レンズ132を形成することが記載 されている。

 通常、誘電体多層膜は40層~50層の多層膜 ら構成されているため、光透過性基板の一 のみに誘電体多層膜を形成した場合、誘電 多層膜の膜応力によって光透過性基板に反 が生じる。反りが生じたままの光透過性基 上に樹脂製集束レンズを形成すると、光透 性基板の反りが樹脂製集束レンズに伝わり 特に樹脂製集束レンズの周辺部が変形する 樹脂製集束レンズが変形すると、光の入射 を適切に補正することができなくなるので 樹脂製集束レンズの変形は製品の良品率を きく低下させる。

 例えば、樹脂製集束レンズの形成前に、 電体多層膜を形成した光透過性基板をダイ ングによって小片化すれば、上記膜応力を 放(無視できる程度にまで軽減)することが きる。しかし、先にダイシングを行うと、 造工程の簡略化および低コスト化を実現す ことができなくなる。

 また、光透過性基板の両面に誘電体多層 を形成した場合、両面に形成された誘電体 層膜の膜応力が互いに打ち消しあってくれ ので、樹脂製集束レンズの形成後にダイシ グを行ってもよい。しかし、光透過性基板 固体撮像素子と対向する面に誘電体多層膜 形成すると、以下のような問題が生じる。

 誘電体多層膜は、赤外線を反射する機能 は影響しない程度のひび割れを無数に有し いる。誘電体多層膜は温度変化に影響を受 易いので、製造工程や実装後における装置 駆動によって生じる温度変化に伴って、上 ひび割れが拡大する可能性がある。ひび割 の拡大(複数のひび割れが繋がること)によ て、赤外線を反射する機能にはほとんど影 しない程度の、膜の微小剥離が生じる。誘 体多層膜の微小剥離を起こした小片が有効 素領域上に付着すると、画像にしみを形成 てしまう。

 すなわち、光透過性基板の両面に誘電体 層膜を形成した場合、固体撮像装置の良品 および長期的な信頼性が低下する。さらに 光透過性基板の両面に誘電体多層膜を形成 ると、当然のことながら、固体撮像装置の 型化および薄型化の妨げになる。

 ここで、特許文献3の固体撮像装置141(図16 参照)に特許文献1または特許文献2に記載の技 術を適用すると、ユニットケース作製による 作業の煩雑さやコストアップ、誘電体多層膜 の微小剥離を解決すると同時に、固体撮像装 置の小型化および薄型化を達成し得る。

 特許文献1や特許文献2の問題は、以下の(1 )~(3)の理由によって解決し得る。(1)透光性蓋 を有効画素領域のサイズより若干大きくす だけでよいので、ボンディングワイヤと他 部材との接触を回避するための空間が不要 なる、(2)上面にレンズが形成された透光性 部と固体撮像素子とが非常に薄い接着部を して固定されているので、入射光の中心軸 レンズの中心軸とが大きく傾くことがない および(3)小片化された透光性蓋部を用いて るので、誘電体多層膜の膜応力によるレン の変形が起こらない。

 特許文献3の固体撮像装置141に樹脂製レン ズを適用する場合、図15を用いて説明した製 方法を採用すると、以下のような利点があ 。図15に示した製造方法を用いることによ て、製造コストの削減を達成し得る。また 樹脂製レンズの大きさを透光性蓋部と等し することができるので、迷光の入射を抑制 得る。大面積の透光性蓋部の上部に樹脂製 ンズを形成した後、ダイシングによって分 するので、誘電体多層膜を形成したときに じるような、膜応力による透光性蓋部の反 を抑制し得る。

 樹脂製レンズを適用した固体撮像装置141 について、図17を用いて以下に説明する。 17(a)は、樹脂製レンズを適用した固体撮像装 置141’の構成およびレンズの端部に入射する 光の様子を示す断面図であり、図17(b)は、図1 7(a)のレンズの端部付近を拡大した断面図で る。

 図17(a)に示すように、固体撮像装置141’ 、下部に外部接続端子150が形成された基板14 2、基板142の上面に形成されたセンサチップ14 6、センサチップ146の有効画素領域と対向す ように配置された透光性蓋部145、センサチ プ146と透光性蓋部145とを接着する接着層147 基板142の一部、センサチップ146の側壁およ 接着部の側壁を封止する封止樹脂148、なら に透光性蓋部145を覆う樹脂製レンズ153を備 ている。樹脂製レンズ153の上方には、撮像 ンズ151が設けられている。

 空気層154は、センサチップ146、接着層147 よび透光性蓋部145に囲まれた、密閉された 間である。基板142とセンサチップ146とはワ ヤ149を介して電気的に接続されている。

 ここで、樹脂製レンズ153は、透光性蓋部1 45と同じ表面形状を有しており、センサチッ 146の有効画素領域とほとんど同じ表面形状 有している。樹脂製レンズ153および透光性 部145の側壁は、平らな面を形成している。 脂製レンズ153および透光性蓋部145の側壁が らな面を形成しているのは、樹脂製レンズ1 53および透光性蓋部145が、ダイシングによっ 個片化されているためである。

 上記方法を用いて製造されているため、 体撮像装置141’は、製造コストの削減、迷 の入射の抑制、透光性蓋部145の反りの抑制 達成し得る。

 しかし、樹脂製レンズ153の端部が平坦な 壁を有しているため、該側壁において光が 射される。樹脂製レンズ153の端部付近に入 する光170が、上記側壁において反射され、 記有効画素領域上に迷光として入射する。

 樹脂製レンズ153の端部付近は、上記有効 素領域の真上からわずかに外側へはみ出し いる。

 このため、図17(b)に示すように、樹脂製 ンズ153の端部付近に入射する光170は、樹脂 レンズ153の凸面において屈折された屈折光17 0aとして樹脂製レンズ153に入射する。屈折光1 70aは、樹脂製レンズ153の端部の上記側壁およ び封止樹脂148から露出した透光性蓋部145の側 壁において反射した反射光170bになる。反射 170bは、上記有効画素領域上に画像の形成に 要な光として入射する。この結果、固体撮 装置141’を用いて形成された画像の画質が 下する。

 ここで、上述のように、固体撮像装置141 において、封止樹脂148から透光性蓋部145の 壁の一部が露出している。これは、封止樹 148が透光性蓋部145の上面に進入しないよう するためである。

 センサチップ146および透光性蓋部145など 樹脂封止する際、過剰量の流動性を有する 止樹脂148を充填すると、透光性蓋部145の上 に封止樹脂148が侵入し易くなる。よって、 記樹脂封止において、流動性を有する封止 脂148は、センサチップ146および透光性蓋部1 45などの封止に必要な量よりも少なめに充填 れる。

 従って、封止樹脂148から透光性蓋部145の 壁の一部が露出する。通常、透光性蓋部145 側壁の内、透光性蓋部145の上面から高さ50~1 00μm程度の部分が、封止樹脂148から露出して る。

 以上のように、特許文献3の固体撮像装置 にレンズ153を形成すると、透光性蓋部145の側 壁およびレンズ153端部の側壁における光の反 射に伴い、有効画素領域へ入射する迷光が増 加する。特に、封止樹脂148を備えてない固体 撮像装置において、透光性蓋部145の側壁の全 面が光の反射面として機能する、有効画素領 域へ入射する迷光がさらに増加する。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたも であり、本発明の目的は、簡便で安価な方 を用いて、小型化および薄型化を達成し、 つ高い信頼性(耐環境性)および性能を付与 た固体撮像装置およびその製造方法を提供 ることである。

 また、本発明の他の目的は、簡便で安価 方法を用いて、小型化および薄型化を達成 、かつ高い信頼性(耐環境性)および性能を する固体撮像装置を備えた撮影装置を提供 ることである。

 本発明の固体撮像素子は、上記課題を解 するために、少なくとも、有効画素領域が 成された固体撮像素子と、該有効画素領域 対向するように配置され、かつ該有効画素 域と同等の平面寸法を有する透明板と、上 固体撮像素子の一部、および上記透明板の 壁を封止する封止樹脂と、該透明板上に形 され、かつ透明な樹脂から構成された光学 子と、を備えており、上記光学素子の少な とも一部が該封止樹脂と接している。

 上記構成において、有効画素領域の全体 覆うために、透明板上に形成された光学素 の一部が、さらに封止樹脂の上面と接して る。つまり、透明板から光学素子の一部が 出して、封止樹脂の上面にまたがるように 光学素子が形成されている。よって、光学 子を形成するために、ダイシングによって 割する必要がない。

 光学素子がダイシングによって分割され いないので、該光学素子の端部は、光を反 してしまうような側壁を有していない。光 素子の断面形状としては、例えば、通常の ンズと同様に略円弧を有している。このた 、光学素子の端部付近に入射する光は、図1 7を用いて説明したような、光学素子の端部 よび封止樹脂から露出した透明板の側壁に ける反射を起こさない。

 光学素子の端部付近に入射する光が反射 れないので、有効画素領域に迷光が入射す ことを抑制することができる。

 また、上記構成を有することによって、 体撮像装置に光が入射することができる開 部は、透明板の平面寸法と同じであるので 有効画素領域とほとんど同じ大きさである そして、光学素子は透明板の外側(封止樹脂 の一部)にも形成されているが、透明板の外 を覆う光学素子(光学素子の有効領域外)に光 が入射しても、光学素子の直下にある封止樹 脂において、その光は吸収されてしまう。つ まり、光学素子の有効領域外に入射する不要 な光は、有効画素領域に入射しないか、無視 してもよい程度である。

 また、固体撮像素子を保護するための透 板が、有効画素領域と同等の平面寸法を有 ているので、固体撮像素子の小型化が容易 ある。さらに、固体撮像素子において変換 れた電気信号を外部へ出力するための配線 透明板と固体撮像素子の有効画素領域との に配置する必要がない。つまり、透明板と 体撮像素子の有効画素領域とをより近くに 置することができるので、固体撮像素子を 背化(薄型化)することができる。

 また、上述のように、固体撮像素子とレ ズが形成された透明板とを、より近い位置 配置することができる。よって、固体撮像 子と透明板とを平行に配置するためには、 体撮像素子と透明板とを均一な厚さを有す 薄い部材を介して固定すればよい。このた 、固体撮像素子に入射する光束の中心軸と 学素子との中心軸を容易に一致させること できる。

 また、光学素子を構成する材料として、 ネルギー硬化性樹脂を採用することができ 。つまり、図15に示したような成形型を用 て光学素子を形成する方法を利用すること できる。このため、所望の形状を有する光 素子の凸面(パワーを有する非球面レンズ、 レネル形状を有するレンズおよび微細なレ ーフ形状が施された回折レンズなど)を容易 に形成することができる。

 すなわち、上記の構成によれば、所望の 置に所望の形状の光学素子を形成すること できるので、固体撮像素子を用いて、収差 少なく、解像度の高い画像を形成すること できる。

 本発明の固体撮像素子の製造において、 面積の透明板上に複数の光学素子を形成す ことはできないが、光学素子を除いて作製 完了し、封止樹脂や基板によって連結され 状態の複数の固体撮像装置に対して、光学 子を形成することができる。光学素子の形 後、個々の固体撮像装置に分割すればよい このため、所望の形状を有する光学素子を 易に形成するとともに、一度の製造工程に いて光学素子を備えた複数の固体撮像装置 製造することができる。

 以上のことから、簡便で安価な方法を用 て、小型化および薄型化を達成し、かつ高 性能を付与した固体撮像装置を提供するこ ができるという効果を奏する。

 本発明の固体撮像素子は、上記課題を解 するために、少なくとも、有効画素領域が 成された固体撮像素子と、該有効画素領域 対向するように配置され、かつ該有効画素 域と同等の平面寸法を有する透明板と、該 明板上に形成され、かつ透明な樹脂から構 された光学素子と、を備えており、該光学 子の少なくとも一部が該透明板の側壁と接 ている。

 上記構成において、光学素子の一部が透 板の側壁と接している。これは、透明板の 壁が光学素子によって覆われていると言い えることができる。透明板の側面が、光学 子によって覆われていると、透明板の側面 入射した光のほとんどが反射せずに、該光 素子へ透過していく。つまり、光学素子の 部付近に入射した光の反射が抑制されるの 、有効画素領域へ入射する迷光を減少させ ことができる。

 さらに、光学素子が透明板の上面および 壁と接しているため、光学素子が透明板の 面とのみ接している場合と比較して、光学 子と透明板との接着力が強固である。つま 、光学素子と透明板との接触面積が大きい め、光学素子と透明板との接着力が向上す 。

 また、光学素子が透明板の上面および側 と接しているため、光学素子として樹脂製 光学素子を適用した固体撮像装置を高温条 に曝露したときに発生する、光学素子の透 板からの剥離を抑制し得る。

 この理由について説明する。高温条件下 樹脂製の光学素子を備えた固体撮像素子を 露すると、樹脂製の光学素子と透明板とが なる熱膨張係数を有しているため、樹脂製 光学素子は熱応力を受ける。

 樹脂製の光学素子が受ける上記熱応力は せん断力だけでなく引張力も含まれる。樹 は、引張力に対して変形しないよう反発す 力(収縮する力)が強い。このため、透明板 上面および側壁と接するように(透明板の上 から側壁へ回りこむように)樹脂製の光学素 子を形成すると、高温条件下に曝露した場合 、透明板は樹脂製の光学素子によって締め付 けられるような力を受ける。

 従って、透明板と樹脂製の光学素子との 着性が向上する。透明板と樹脂製の光学素 との密着性が向上するので、高温条件下に 脂製の光学素子を備えた固体撮像装置を曝 したときに発生する、光学素子の透明板か の剥離を抑制し得る。

 上記高温条件としては、固体撮像装置の 装工程の内、無鉛半田リフロー処理などを げることができる。固体撮像素子の実装方 として、無鉛半田リフロー処理を用いた場 、固体撮像素子の実装コストを削減するこ ができる。

 また、固体撮像装置に光が入射すること できる開口部は、透明板の平面寸法と同じ あるので、有効画素領域とほとんど同じ大 さである。つまり、光学素子の有効領域外 入射する不要な光が、有効画素領域に入射 ないか、無視してもよい程度である。

 また、固体撮像素子を保護するための透 板が、有効画素領域と同等の平面寸法を有 ているので、固体撮像素子の小型化が容易 ある。さらに、固体撮像素子において変換 れた電気信号を外部へ出力するための配線 透明板と固体撮像素子の有効画素領域との に配置する必要がない。つまり、透明板と 体撮像素子の有効画素領域とをより近くに 置することができるので、固体撮像素子を 背化(薄型化)することができる。

 また、上述のように、固体撮像素子とレ ズが形成された透明板とを、より近い位置 配置することができる。よって、固体撮像 子と透明板とを平行に配置するためには、 体撮像素子と透明板とを均一な厚さを有す 薄い部材を介して固定すればよい。このた 、固体撮像素子に入射する光束の中心軸と 学素子との中心軸を容易に一致させること できる。

 また、光学素子を構成する材料として、 ネルギー硬化性樹脂を採用することができ 。つまり、図15に示したような成形型を用 て光学素子を形成する方法を利用すること できる。このため、固体撮像素子を用いて 収差が少なく、解像度の高い画像を形成す ことができる。

 本発明の固体撮像素子の製造において、 学素子を除いて作製が完了し、封止樹脂や 板によって連結された状態の複数の固体撮 装置に対して、光学素子を形成することが きる。光学素子の形成後、個々の固体撮像 置に分割すればよい。このため、所望の形 を有する光学素子を容易に形成するととも 、一度の製造工程において光学素子を備え 複数の固体撮像装置を製造することができ 。

 以上のことから、本発明の固体撮像素子 よれば、上述の固体撮像装置と同様の効果 奏する。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記光学素子の一部が、該光学素子と上記封 樹脂との物理的な接着力または化学的な結 力を向上させるための接着力向上部を介し 、該封止樹脂表面と接着されていることが ましい。

 本願の発明者らは、光学素子を、その一 を封止樹脂と接するように形成する場合、 下の点について注意すべきであることを見 している。

 すなわち、有機物から構成されている光 素子は、無機物から構成されている透明板 対して十分な接着力を有しているが、有機 から構成され、かつ物理的および化学的に 活性な状態の封止樹脂に対してはあまり強 接着力を有していない。さらに、通常、光 素子と封止樹脂とが熱膨張係数が異なる材 から構成されている。よって、固体撮像装 がおかれる温度条件が変化すると、光学素 は、封止樹脂との接触部において剥離する 能性があることを考慮すべきである。

 固体撮像装置は、例えば製造工程におけ 加熱冷却処理や製品への実装後における使 環境の変化などのような温度条件の変化に される。このため、固体撮像装置の良品率 よび長期的な信頼性を向上させるために、 学素子と封止樹脂との物理的な接着力また 化学的な結合力を向上させることが好まし 。

 上記構成において、接着力向上部は、封 樹脂の表面が有する形状、または封止樹脂 表面に付与された構成であり得る。接着力 上部は、例えば、封止樹脂の表面の微小な 凸、および/または官能基などである。

 例えば、接着力向上部が封止樹脂の表面 微小な凹凸である場合、光学素子と封止樹 表面との接触面積が大きくなる、さらに該 小な凹凸が光学素子に食い込むことによっ 引っ掛け部として作用することから、光学 子と封止樹脂との物理的な接着力を向上し る。

 封止樹脂の表面に微小な凹凸を形成する 法としては、Arプラズマ処理を挙げること できる。封止樹脂の表面にArプラズマ処理を 施すことによって、樹脂封止の表面を粗化す ることができる。ここで、樹脂封止において 封止の完了した固体撮像装置を金型から引き 離すために封止樹脂の表面には離型剤が付着 している。封止樹脂の表面に付着した離型剤 は、封止樹脂と光学素子との接着力を低下さ せる。Arプラズマ処理によって、封止樹脂の 面に付着した離型剤を除去することができ ので、封止樹脂と光学素子との接着力の向 に寄与する。

 また、例えば、接着力向上部が水酸基、 ルボニル基およびカルボキシル基などの官 基である場合、封止樹脂の表面を化学的に 性化した状態に改質することができる。こ ため、官能基を介して、封止樹脂と光学素 との化学的な結合力を向上させることがで る。

 封止樹脂の表面に水酸基、カルボニル基お びカルボキシル基などの官能基を付与する 法としては、大気中におけるコロナ放電、O 2 プラズマ処理やCH 4 プラズマ処理を挙げることができる。封止樹 脂の表面に大気中におけるコロナ放電、O 2 プラズマ処理やCH 4 プラズマ処理を施すことによって、封止樹脂 の表面に水酸基、カルボニル基およびカルボ キシル基などの官能基を付与する。封止樹脂 の表面に水酸基、カルボニル基およびカルボ キシル基などの官能基を付与すれば、封止樹 脂の表面に化学的な活性を付与することがで きる。

 なお、接着力向上部が、封止樹脂の表面 微小な凹凸、および官能基である場合、封 樹脂と光学素子と物理的な接着力および化 的な結合力を、同時に向上させることがで る。

 以上に例示したような接着力向上部を、 学素子と封止樹脂との間に形成することに って、光学素子と封止樹脂との物理的な接 力または化学的な結合力を向上させること できる。

 光学素子が封止樹脂から剥離し易くなる 因としては、例えば上述のように、光学素 および封止樹脂のそれぞれが有する熱膨張 数が異なり、固体撮像装置の製造工程にお る加熱冷却処理、および固体撮像装置を製 に実装した後における該製品の使用環境の 化(季節の変化による温度変化)に曝される とが挙げられる。光学素子と封止樹脂との に接着力向上部が形成されていることによ て、製造工程および最終製品化の後におい 、光学素子の封止樹脂からの剥離を抑制す ことができる。

 以上のように、光学素子の一部が上記接 力向上部を介して封止樹脂表面と接着され いることにより、上述の効果に加え、高い 頼性(耐環境性)および製品歩留まりを向上 得る。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記接着力向上部は、上記封止樹脂の粗化さ た表面であってもよい。

 上述のように、封止樹脂の表面が粗化さ ていれば、光学素子と封止樹脂との接着性 向上し得る。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記接着力向上部は、上記封止樹脂の表面に 与された官能基であってもよい。

 上記構成における官能基としては、例え 、水酸基、カルボニル基およびカルボキシ 基などを挙げることができる。封止樹脂の 面に水酸基、カルボニル基およびカルボキ ル基を付与すれば、従来公知の種々の透明 樹脂によって形成した光学素子と封止樹脂 の化学的な結合力(反応性)を向上し得る。

 封止樹脂表面に付与された水酸基、カル ニル基およびカルボキシル基との結合力が い、透明な樹脂としては、例えば、変性ア リレート樹脂、メタクリレート複合樹脂、 リシロキサン系樹脂、シリコンレジン、シ コンゴム、シリカ配合複合型エポキシ樹脂 および透明ポリイミドなどを挙げることが きる。

 さらに、封止樹脂表面に水酸基、カルボ ル基およびカルボキシル基を付与した場合 通常、無機物と有機物とを密着させるため 用いる従来公知の種々のシランカップリン 剤を、いずれも有機物から構成されている 学素子と封止樹脂との結合力を向上させる めに用いることができる。

 従来公知のシランカップリング剤と光学素 の材料との好ましい組み合わせとしては、 えば、以下の(1)(2)を挙げることができる。
(1)変性アクリレート樹脂およびメタクリレー ト複合樹脂などとアミノ系のシランカップリ ング剤、またはメタクリロキシ系のシランカ ップリング剤との組み合わせ。
(2)ポリシロキサン系樹脂、シリコンレジン、 シリコンゴム、シリカ配合複合型エポキシ樹 脂、および透明ポリイミドなどとアミノ系の シランカップリング剤、またはエポキシ系の シランカップリング剤との組み合わせ。

 以上のように、封止樹脂の表面に官能基 付与されていれば、光学素子と封止樹脂と 接着性を向上し得る。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記透明板と上記光学素子との間には、さら シランカップリング剤が付与されているこ が好ましい。

 透明板上に光学素子との結合力を向上し るようなシランカップリング剤を付与する とによって、透明板と光学素子との接着を らに強固にすることができる。

 透明板と光学素子との接着力を向上し得 シランカップリング剤としては、例えばエ キシ系やアミノ系のシランカップリング剤 挙げられる。

 透明板と光学素子とは、もともと接着力 強い。さらに、透明板と光学素子との接着 を向上させることによって、光学素子全体 剥離を抑制する。もし、封止樹脂と光学素 とが剥離した場合であっても、少なくとも 明板上が、光学素子に覆われた状態を維持 得る。

 よって、透明板と光学素子との間にシラ カップリング剤を付与することによって、 体撮像素子の生産歩留まり、および固体撮 素子を備えた最終製品の信頼性を、さらに 上し得るという効果を奏する。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記光学素子は、-60℃~270℃の温度条件におい て、80%以上の可視光の透過率を有しているこ とが好ましい。

 上記温度条件において光学素子を構成す 樹脂が変性した場合、固体撮像素子を適切 補正し得なくなる。しかし、上記構成を有 ることによって、光学素子が上記温度条件 曝された場合であっても、固体撮像素子に 射する光を、固体撮像素子にほぼ垂直に入 するように補正するという光学素子の作用 維持し得る。

 ここで、光学素子を形成しない場合、通 、固体撮像装置は、その外部接続端子とフ キシブルプリント基板(FPC:flexible printed circ uits)などの基板上の配線とをリフロー処理に って半田を熔解および凝固させることによ て基板に実装される。リフロー処理の後、 体撮像装置に光学レンズを搭載することに って撮影装置(カメラモジュール)を作製す 。

 固体撮像装置のリフロー処理による実装 、例えば、固体撮像装置をFPCなどにマウン する場合、無鉛半田リフロー実装工程を、 18に示すような温度プロファイルで行う。

 加熱処理を開始する前に、半田と固体撮 装置の外部接続端子とを位置合わせしなが 、基板に固体撮像装置を載置する。図18に すように、基板上の半田を溶解させるため 本加熱を行う前に、予備加熱を行って180℃ 度まで温度を上昇させる。その後、本加熱 よって250℃まで温度を上昇させる。そして リフロー実装工程のピーク温度である250℃ 維持する。半田が十分に熔解した時点で、 熱を終了する。熔解した半田に固体撮像装 の外部接続端子が沈み込む。この状態で冷 すれば、基板と固体撮像装置との電気的接 が完了する。

 固体撮像装置の透明板上に光学素子を形 する場合、リフロー処理を用いた実装方法 して2通りの方法が考えられる。

 1つ目は、固体撮像装置を基板に実装した 後の透明板上にレンズを形成する方法である 。この方法では、FPC(基板)の形状や大きさに わせた、光学素子を形成するための装置を 種類、用意する必要がある。つまり携帯電 やPDAなどの機器に合わせて、FPCの形状や大 さを変える必要があるため、製造する機器 種類だけ光学素子を形成するための装置を 意する必要がある。つまり、同一の形状の 学素子を形成する場合であっても、同一の 置を用いた同一の工程によって光学素子を 成することができないので、製造工程の煩 化および製造コストの増大を招く。

 2つ目は、透明板上に光学素子を形成した 後、リフロー処理を行うことによってFPC等に 固体撮像装置をマウントする方法である。

 しかし、通常、レンズを構成し得るよう 樹脂を150℃以上の温度に曝露すると、樹脂 レンズが変形する。このため、樹脂製レン を透明板上に形成した状態では、リフロー 理を用いて固体撮像装置を基板へ実装する とができない。

 さらに、リフロー実装工程における加熱 よび冷却によって、樹脂製レンズと封止樹 とが膨張および収縮する。樹脂製レンズと 止樹脂とを構成する材料がそれぞれ異なる め、熱膨張係数も異なる。つまり、リフロ 実装工程の加熱および冷却によって、樹脂 レンズと封止樹脂との膨張率および収縮率 異なる。よって、樹脂製レンズが封止樹脂 ら剥離しやすい。

 ここで、例えば、アルキル基および/また はフェニル基を有するシリコン樹脂、ならび に炭素骨格とシリコン骨格とがハイブリッド された有機無機ハイブリッドシリコン樹脂な どのエネルギー硬化性樹脂を用いて、光学素 子を構成すれば、上記温度条件における光学 素子の変形および変性を抑制することができ る。

 光学素子を構成するために好ましい材料 して、より具体的には、変性アクリレート 脂、メタクリレート複合樹脂、ポリシロキ ン系樹脂、シリコンレジン、シリコンゴム シリカ配合複合型エポキシ樹脂、および透 ポリイミドなどを挙げることができる。

 すなわち、例示したような材料から光学 子を構成することによって、透明板上に光 素子を形成した状態であっても、リフロー 理によって固体撮像装置を基板に実装する とができる。

 よって、例示したような材料から光学素 を構成することによって、より安価かつ簡 な方法を用いて、信頼性の高い固体撮像装 を提供することができるという効果を奏す 。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記透明板の一部は、上記光学素子から露出 ていることが好ましい。

 透明板の一部が光学素子から露出してい 構成は、以下のような方法で実現すること できる。

 例えば、透明板の平面形状が正方形であ 場合、図15に示したような成形型を用いて 学素子を形成する方法において、成形型の 坦な部分が正方形の透明板が有する4つの角 密着した状態において、エネルギー硬化性 脂を硬化させることによって上記構成を実 できる。

 上記例示において、成形型の平坦な部分 正方形の透明板が有する4つの角と密着して いるので、形成された光学素子の中心軸が透 明板の平坦面と垂直になるように形成するこ とが容易である。上述のように、透明板と固 体撮像素子とを平行に配置することがようで ある。

 すなわち、上記構成を有することによっ 、光学素子の中心軸が固体撮像素子と垂直 なるように形成することが容易である。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記光学素子の可視光に対する屈折率は、1.3~ 1.4であることが好ましい。

 通常、固体撮像素子への光の入射効率を 上させるために、光学素子の光の入射面に 反射防止コーティングが施される。反射防 コーティング用の材料が有する熱膨張係数 、光学素子を構成する樹脂の熱膨張係数と 較して、約0.1~0.01倍程度である。このため 固体撮像装置の製造工程に含まれる加熱冷 処理(特に、リフロー処理)において、反射防 止コーティングの割れや剥がれが生じる。反 射防止コーティングに割れや剥がれが生じた 箇所において入射効率が低下するため、形成 された画像にムラが生じる。

 反射防止コーティングを行う方法として 、真空蒸着法やスパッタリング法を挙げる とができる。例えば、リフロー処理の後に 射防止コーティングを行う場合、基板に実 した固体撮像装置にコーティングを施さな ればならないので、コーティング用装置が 型化すること、コーティング処理の煩雑化 よび処理時間の延長など製造コストの増大 繋がる。特に、コーティング方法が真空条 を必要とするものであれば、コーティング 装置内の真空度を維持するのが困難である

 ここで、本発明に係る固体撮像素子が備 ている光学素子の可視光に対する屈折率を 1.3~1.4とすることによって、光学素子の光の 入射面における光の反射を、形成された画像 の画質に影響を与えない程度にまで抑制する ことができる。すなわち、入射効率を向上さ せるために反射防止コーティングを施す必要 がない。

 よって、光学素子の可視光に対する屈折 を、1.3~1.4とすることによって、固体撮像装 置の製造工程の簡略化および製造コストの低 減を達成し得るという効果を奏する。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記光学素子には、上記有効画素領域の外側 向かって封止樹脂の外縁付近まで形成され いる、平坦な上面を有する張り出しが形成 れていることが好ましい。

 例えば、張り出しは、図15に示したよう 成形型を用いて光学素子を形成する方法に いて形成すればよい。この場合、張り出し 形成する方法として以下の方法を挙げるこ ができる。

 成形型に光学素子の凸面を形成するため 略球状の窪みとそのくぼみの周りに平坦な みとを形成し、かつ過剰量のエネルギー硬 性樹脂を充填する方法である。平坦な窪み 、その端部が封止樹脂の外縁付近を対向す ように形成されていればよい。

 エネルギー硬化性樹脂を充填した成形型 透明板に押し付ける。すると、エネルギー 化性樹脂の一部は、上記略球状の窪みから の窪みの周りの平坦な窪みに向かって押し される。さらに、エネルギー硬化性樹脂の 部は、周りの平坦な上記窪みにから上記型 外側に押し出される。

 このとき、エネルギー硬化性樹脂を充填 た型を透明板に接触させたときに生じる気 を、略球状の窪みには収まりきらないエネ ギー硬化性樹脂を用いて成形型の平坦な窪 に気泡を押し出すことができる。さらに、 坦な窪みに押し出されてきた気泡を成形型 外側へ押し出すことができる。なお、上記 泡は、光学素子の凸面から押しだされてい ばよく、成形型の平坦な窪みまたはその窪 の外側に押し出されていればよい。

 このように、光学素子が外側に向かって り出しを有していれば、エネルギー硬化性 脂を用いて光学素子を形成する場合、凸面 構成する部分に気泡が入ることを抑制し得 。

 ここで、固体撮像装置を用いて撮影装置 作製するためには、固体撮像装置に光路画 器であるレンズを配置する。レンズの中心 、固体撮像素子の有効画素領域の中心と対 するように配置される。レンズの中心が有 画素領域の中心と正確に対向していないと レンズを通過する(固体撮像装置に入射する )光の光路がずれを生じる。光路のずれは撮 装置によって形成された画像にゆがみやム を生じるため、レンズの正確な配置は撮影 置の良品率を左右する。

 レンズは、通常、その側面からレンズを 定する部材(レンズ固定部)を介して、固体 像装置における封止樹脂の外縁付近に取り けられる。レンズの中心と有効画素領域の 心とを正確に対向するようにレンズを取り けるためには、固体撮像装置におけるレン 固定部を取り付けるための箇所(取り付け箇 )が、固体撮像素子と平行に形成されている 必要がある。

 ここで、上記構成において、上記張り出 が封止樹脂の外縁付近まで形成されている は、該張り出しがレンズ固定部の取り付け 所の一部に達するように形成されていると い換えることができる。

 よって、本発明に係る固体撮像装置は、 学素子の張り出しが封止樹脂の外縁付近ま 形成されているので、レンズ固定部の取り け箇所を固体撮像素子と平行に形成するこ が容易である。また、レンズ固定部の取り け箇所を固体撮像素子と平行になるように 正することができる。

 これは、固体撮像装置における取り付け 所の上面を、成形型を用いて形成すること できるためである。成形型にエネルギー硬 性樹脂を充填して、固体撮像装置における ンズ固定部の取り付け面を形成すれば、容 に該取り付け面を均す、または固体撮像素 と平行にすることができる。

 さらに、光学素子とその張り出しとが一 に形成されていることによって、光学素子 封止樹脂との接触面積を大きくすることが きる。つまり、光学素子と封止樹脂との物 的な接着力を向上させることができる。こ ため、光学素子の端部の変形および封止樹 からの剥離をさらに抑制することができる

 以上のように、上記張り出しを封止樹脂 外縁付近まで形成することにより、より一 、信頼性(耐環境性)を高めた固体撮像装置 生産歩留まりを向上させることができると う効果を奏する。

 また、本発明の撮影装置は、上記固体撮 装置を備えていることが好ましい。

 上記構成を有することによって、簡便で 価な方法を用いて小型化および薄型化を達 し、かつ高い信頼性(耐環境性)および性能 付与した撮影装置を提供することができる

 本発明の固体撮像素子の製造方法は、上 課題を解決するために、少なくとも、固体 像素子の有効画素領域と対向するように該 効画素領域と同等の平面寸法を有する透明 を配置する工程と、少なくとも該固体撮像 子の一部および該透明板の側壁を樹脂封止 る工程と、該透明板上、および該封止樹脂 の一部に、透明な樹脂から構成された光学 子を形成する工程とを包含する。

 上記構成おいて、光学素子は、封止樹脂 の一部にも形成されている。つまり、透明 から光学素子の一部が突出するように、光 素子が形成されているということである。 って、光学素子を形成するために、ダイシ グによって分割する必要がない。

 光学素子がダイシングによって分割され いないので、該光学素子の端部は、光を反 してしまうような側壁を有していない。光 素子の断面形状は、例えば、通常のレンズ 同様に略円弧状となる。このため、光学素 の端部付近に入射する光は、図17を用いて 明したような、光学素子の端部および封止 脂から露出した透明板の側壁における反射 起こさない。

 光学素子の端部付近に入射する光が反射 れないので、有効画素領域に迷光が入射す ことを抑制することができる。

 すなわち、上記固体撮像素子の製造方法 よれば、上記固体撮像装置と同様の効果を する。

 本発明の固体撮像素子の製造方法は、上 課題を解決するために、少なくとも、固体 像素子の有効画素領域と対向するように該 効画素領域と同等の平面寸法を有する透明 を、該固体撮像素子に固定する工程と、該 明板の上部、および該透明板の側壁の一部 、透明な樹脂から構成された光学素子を形 する工程とを包含する。

 上記構成おいて、光学素子は、透明板の 壁の一部と接している。つまり、透明板の 側壁の一部が、光学素子に覆われている。

 透明板の側面に入射した光のほとんどが 射せずに、該光学素子内へ透過していく。 まり、光学素子の端部付近に入射した光の 射が抑制されるので、有効画素領域へ入射 る迷光を減少させることができる。

 したがって、上記固体撮像素子の製造方 によれば、上記固体撮像装置と同様の効果 奏する。

 また、本発明の固体撮像素子の製造方法 おいて、光学素子を形成する上記工程は、 動性を有するエネルギー硬化性樹脂を型に 填する処理、および光エネルギーまたは熱 ネルギーの付与によってエネルギー硬化性 脂を硬化する処理を含むことが好ましい。

 上記構成を有することによって、エネル ー硬化性樹脂を充填した成形型を用いて光 素子を形成することができる。このため、 望の形状を有する光学素子の凸面(パワーを 有する非球面レンズ、フレネル形状を有する レンズおよび微細なレリーフ形状が施された 回折レンズなど)を容易に形成することがで る。

 また、本発明の固体撮像素子において、 記型として透明な型を使用し、かつエネル ー硬化性樹脂を硬化する上記処理が、透明 該型を通して上記光学素子を形成すべき位 を確認しながら行われることが好ましい。

 上記構成において、型に充填されるエネ ギー硬化性樹脂と型とが透明であるため、 ネルギー硬化性樹脂を充填した型を通して 固体撮像素子が有する有効画素領域の中心 視認することができる。つまり、カメラな を用いて位置の確認を行いながら、透明板 の所望の位置に光学素子を形成することが きる。このため、有効画素領域の中心の真 に光学素子の中心を正確に配置することが きる。

 よって、本発明の固体撮像素子の製造方 によれば、固体撮像装置の生産歩留まりを 上し得る。

 また、本発明の固体撮像素子の製造方法 は、エネルギー硬化性樹脂を型へ充填する 記処理において、上記光学素子を形成する めの必要量を超えるエネルギー硬化性樹脂 型へ充填することが好ましい。

 成形型に過剰量のエネルギー硬化性樹脂 充填して透明板に成形型を押し付けると、 ネルギー硬化性樹脂の一部が成形型の外側 押し出される。仮に、エネルギー硬化性樹 に気泡が含まれていた場合、成形型の外側 押し出されるエネルギー硬化性樹脂ととも 、気泡も外部に排除することができる。つ り、光学素子に気泡が形成されることを抑 し得る。

 よって、本発明の固体撮像素子の製造方 によれば、固体撮像装置の生産歩留まりを 上し得る。

 本発明の他の目的、特徴、および優れた は、以下に示す記載によって十分分かるで ろう。また、本発明の利点は、添付図面を 照した次の説明によって明白になるであろ 。

(a)は、本発明の一実施形態に係る固体 像装置の構成を示す平面図であり、(b)は、( a)のA-A’における断面図であり、(c)は、(a)のB -B’における断面図である。 図1の固体撮像装置を形成するための一 工程を示す、図1(a)のC-C’における断面図で る。 (a)は、図1の固体撮像装置のレンズの端 部へ光が入射する様子を示す断面図であり、 (b)は、(a)のレンズの端部付近を拡大した断面 図である。 (a)は、図1の変形例である固体撮像装置 の構成を示す断面図であり、(b)は、図1の他 変形例である固体撮像装置の構成を示す断 図である。 図1の固体撮像装置の製造方法における 各工程を説明する断面図である。 (a)は、図5の製造方法の変形例に用いる 型を示す断面図であり、(b)は、図5の製造方 の他の変形例に用いる型を示す断面図であ 。 図1の固体撮像装置を備えた撮影装置の 構成を示す断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る固 撮像装置の構成を示す断面図であり、(b)は (a)の固体撮像装置のレンズの端部に光が入 する様子を示す断面図であり、(c)は、(b)の ンズの端部付近を拡大した断面図である。 図8の固体撮像装置を形成するための一 工程を示す断面図である。 図8の固体撮像装置の製造方法におけ 各工程を説明する断面図である。 図8の固体撮像装置を備えた撮影装置 構成を示す断面図である。 固体撮像素子に入射する光の光路を説 明する断面図である。 従来の固体撮像装置の構成を示す断面 図である。 従来の他の固体撮像装置の構成を示す 断面図である。 従来の固体撮像装置の製造方法におけ る各工程を説明する断面図または平面図であ る。 従来の撮影装置の構成を示す断面図で ある。 図15の方法を用いて、図16の固体撮像 置にレンズを適用した構成を示す断面図で る。 無鉛半田リフロー実装工程における温 度変化を示すグラフである。

 本発明に係る実施形態について、図1~図11 を用いて以下に説明する。以下の説明におい て同一の部材および構成要素のそれぞれには 、同一の符号を付してある。それらの名称お よび機能も同様である。従ってそれらについ ての詳細な説明は繰り返さない。

 〔実施の形態1〕
 本発明の一実施形態である固体撮像装置10 構成および形成方法について、図1~図3を用 て以下に説明する。図1(a)は、固体撮像装置1 0の構成を示す平面図であり、図1(b)は、固体 像装置10の構成を示す、A-A’における断面 であり、図1(c)は、固体撮像装置10の構成を す、B-B’における断面図である。図2は、固 撮像装置10の製造工程の内、一工程を説明 るための図1のC-C’における断面図である。 3(a)は、図1の固体撮像装置10のレンズ9の端 9aへ光が入射する様子を示す断面図であり、 図3(b)は、(a)のレンズ9の端部9a付近を拡大し 断面図である。

 図1(b)に示すように、本実施形態の固体撮 像装置10は、下部に外部接続端子17が形成さ たセンサ基板13、センサ基板13上に形成され センサチップ1(固体撮像素子)、センサチッ 1の有効画素領域1aと対向するように配置さ たガラス板3(透明板)、センサチップ1とガラ ス板3とを平行に保持するスペーサ5、センサ 板13の一部、センサチップ1の一部、ガラス 3の側壁およびスペーサ5の側壁を封止する 止樹脂7、ならびにガラス板3を覆う樹脂製の レンズ9(光学素子)を備えている。

 なお、封止樹脂7表面にはArプラズマ処理 施されている。Arプラズマ処理によって、 止樹脂7表面には微小な凹凸(接着力向上部) 形成されており、かつ封止樹脂7表面からは 樹脂封止後に金型から固体撮像装置10を剥 するための離型剤が除去されている。また 有効画素領域1aは、スペーサ5に挟まれたセ サチップ1上の領域に形成されている。レン 9は、紫外線の照射によって硬化する光硬化 性樹脂9’を型に充填し、紫外線照射によっ 硬化させたものである。

 センサチップ1の有効画素領域1a、ガラス 3およびスペーサ5に囲まれた空間は、密閉 れた空気層11を形成している。ガラス板3は 空気層11への湿気、塵および埃などの侵入、 ならびに製造工程において有効画素領域1aに の部材や製造装置の部品などが接触するこ によって生じる有効画素領域1aの破損など ら有効画素領域1aを保護している。スペーサ 5は、センサチップ1とガラス板とに挟まれた 硬化性樹脂を熱硬化させることによって形 する。このため、空気層11は完全に密閉さ ている。

 センサチップ1とセンサ基板13とは、ボン ィングワイヤ15によって電気的に接続され いる。すなわち、センサチップ1は、ボンデ ングワイヤ15、センサ基板13および外部接続 端子1を介して、外部へ電気信号を出力する とができる。ボンディングワイヤ15も封止樹 脂7によって封止されており、封止樹脂7は、 ンディングワイヤ15同士の接触や、ボンデ ングワイヤ15の断線などを防止している。

 ここで、ボンディングワイヤ15は、セン チップ1のスペーサ5が形成された領域よりも 外側に接続されている。このため、ガラス板 3は、有効画素領域1aを覆うことができるだけ の平面寸法(サイズ)を有していれば、有効画 領域1aを保護することができる。

 さらに、空気層11内部にボンディングワ ヤ15を配置する必要がないので、空気層11(ス ペーサ5)の高さはガラス板3が有効画素領域1a 接触しない程度であればよい。すなわち、 ンディングワイヤ15を空気層11内部に配置す る必要がないので、固体撮像装置10の小型化 よび薄型化(低背化)することができる。

 ガラス板3上に形成されたレンズ9は、凸 ンズ状に形成されているので、レンズ9に入 した光を屈折させることによって、該光の 度が直角に近づくように補正することがで る。光の入射する位置が、有効画素領域1a 中心から離れるほど、その光の角度は垂直 ら離れる。有効画素領域1aが入射光を認識し 、電気信号に変換する効率は、入射光の角度 が直角から離れるほど低くなるため、上記補 正が必要になる。このため、レンズ9は、有 画素領域1aの外周部における光の入射効率を 高めるためには、有効画素領域1aの全面を覆 ている必要がある。

 図面から明らかなように、レンズ9の端部 9aは、ガラス板3からはみ出し、封止樹脂7の 部と接着している(図1(a)および図3(a)などを 照のこと)。

 上述のように、ガラス板3は、スペーサ5 よってセンサチップ1と接着させるためのス ースを確保し、かつ有効画素領域1aを覆う とができるだけのサイズを有していればよ 。固体撮像装置10を小型化するため、ガラス 板3のサイズは、有効画素領域1aのサイズとほ とんど同じである。有効画素領域1aとガラス 3とのサイズにほとんど差がないため、有効 画素領域1aの全体をレンズ9によって覆うと、 必然的に、レンズ9の端部9aがガラス板3から み出す。したがって、レンズ9の端部9aと封 樹脂7とが接着する。

 レンズ9の端部9aと封止樹脂7とが接着して いることによって、有効画素領域に入射する 迷光を抑制することができる。図3(a)および(b )を用いて、この理由について説明する。

 図3(a)に示すように、被写体からの光を集 光する撮像レンズ62から出射された光には、 ンズ9の端部付近に入射する光20が含まれて る。

 図3(b)に示すように、光20がレンズ9に入射 すると、光20は、レンズ9の凸面において屈折 された屈折光20aとしてレンズ9内部を進む。

 屈折光20aの一部は、レンズ9内部から直接 、封止樹脂7に到達する。封止樹脂7に到達し 屈折光20aは、光の透過性を有してない封止 脂7によって吸収される。屈折光20aの一部が レンズ9内部から直接、封止樹脂7に到達する は、レンズ9が、端部9aにおいて側壁を有し おらず、ガラス板3よりも外側にまで形成さ れているためである。

 また、屈折光20aの一部は、レンズ9内部か らガラス板3に入射する。ガラス板3に入射し 屈折光20aは、ガラス板3の側壁を通過して、 再度、レンズ9内部に入射する。再度、レン 9内部に入射した屈折光20aは、封止樹脂7に到 達する。上述のように、封止樹脂7に到達し 屈折光20aは、封止樹脂7によって吸収される 屈折光20aがガラス板3の側壁を通過していく のは、ガラス板3と屈折率の近いレンズ9がガ ス板3の側壁を覆うように形成されているた めである。レンズ9によって覆われているガ ス板3の側壁は、光の反射面として機能しな 。

 以上のように、レンズ9の端部9aと封止樹 7とが接着していることによって、レンズ9 端部9a付近に入射する光20は、レンズ9および ガラス板3の内部から、反射することなく(角 を変えずに)出射される。このため、光20は 封止樹脂7によって吸収される。つまり、レ ンズ9の端部9aに入射する画像の形成に不要な 光20は、有効画素領域に入射しない。

 よって、有効画素領域に入射する迷光が 少するので、固体撮像装置10を用いて形成 れた画像の画質の低下を抑制することがで る。

 上述のように、レンズ9の端部9aが、封止 脂7の一部と接着しているが、レンズ9と封 樹脂7との接着力は小さい。これは以下の2つ の理由による。(1)封止樹脂7が金型を用いて 縮形成された後にレンズ9が形成されるため レンズ9の形成時に封止樹脂7が化学的に活 を有していない。(2)樹脂封止の終了後に封 樹脂7とそれを形成するための金型とが剥が 易くなるように、封止樹脂7表面には離型剤 が付着している。さらに、レンズ9と封止樹 7とは、異なる樹脂から構成されているので 熱膨張係数が異なる。

 よって、単にレンズ9を封止樹脂7上に形 しただけでは、固体撮像装置10の実装工程に おける加熱冷却処理や固体撮像装置10を内蔵 た製品を使用する環境温度の変化によって レンズ9の端部9aが封止樹脂7から剥離する。 そして、レンズ9の端部9aが封止樹脂7から剥 することによって、レンズ9が変形してしま 。

 ここで、上述のように、本実施形態に係 固体撮像装置10の封止樹脂7表面は、プラズ 処理によって、粗化(微小な凹凸(接着力向 部)が形成)され、かつ封止樹脂7表面の離型 が除去されている。このため、封止樹脂7表 に対する、レンズ9を構成する、流動性のエ ネルギー硬化性樹脂の濡れ性が向上する。さ らに、レンズ9と封止樹脂7との接触面積が大 くなる。また、さらに、上記微小な凹凸が ンズ9を構成する樹脂に対するアンカーの役 割を果たす。

 以上のように、本実施形態に係る固体撮 装置10は、封止樹脂7表面に微小な凹凸が形 され、かつ離型剤が付着していないため、 ンズ9と封止樹脂7との物理的な接着力が向 している。よって、本実施形態に係る固体 像装置10は、製造工程内の加熱冷却工程にお けるレンズ9の剥離、および実装された製品 使用環境の変化によるレンズ9の剥離を抑制 ることができる。

 すなわち、小型化および薄型化を達成し かつ高い信頼性(耐環境性)および性能を有 る固体撮像装置10を提供することができる。

 本実施形態において、封止樹脂7とレンズ9 の物理的な接着力を向上させるために、Arプ ラズマ処理によって封止樹脂7表面に凹凸を 成し、かつ封止樹脂7表面から離型剤を除去 ているが、本発明はこれに限定されるもの はない。例えば、封止樹脂7表面を大気中に おけるコロナ放電、O 2 プラズマやCH 4 プラズマで処理することによって、水酸基、 カルボニル基およびカルボキシル基などの官 能基を封止樹脂7表面に付与してもよい。封 樹脂7表面に水酸基、カルボニル基およびカ ボキシル基などの官能基を付与することに って、封止樹脂7とレンズ9との化学的な結 力を向上させることができる。さらに、封 樹脂7とレンズ9との物理的な接着力および化 学的な結合力の向上を同時に行うことによっ て、レンズ9の封止樹脂7からの剥離をさらに 制することができる。

 本実施形態の固体撮像装置10の他の特徴 について、図1(a)を用いて以下に説明する。

 図1(a)に示すように、本誌実施形態の固体 撮像装置10は、固体撮像装置10の側面および 面の一部を覆う封止樹脂7、封止樹脂7に取り 囲まれたガラス板3、ガラス板3上に形成され 樹脂性のレンズ9、およびレンズ9とガラス 3とを透過した光が入射する有効画素領域1a 備えている。ガラス板3上面の4つの角周辺は 、レンズ9から露出した露出部3aを構成してお り、レンズ9の端部端部9aが封止樹脂7と接着 ている。

 有効画素領域1aは、対向する1組の辺が長 W1を有し、かつ他の1組の辺が長さW2を有し いる。ガラス板3の上面は、対向する1組の辺 が長さW3を有し、かつ他の1組の辺が長さW4を している。長さW1と長さW3との差は、または 長さW2と長さW4との差は、スペーサ5の幅に等 い。つまり、ガラス板3の上面のサイズ(W3×W 4)は、有効画素領域1aのサイズ(W1×W2)にスペー サ5上面のサイズを加えたものであり、上述 ように、ガラス板3の上面のサイズと有効画 領域1aのサイズとはほとんど変わらない。

 ガラス板3の上面のサイズと有効画素領域 1aのサイズとはほとんど変わらないので、有 画素領域1aの全体を覆うようにレンズ9を形 すると、レンズ9の端部9aがガラス板3からは み出すが、レンズ9がガラス板3の上面をすべ 覆っている必要はない。上述のように、ガ ス板9は、レンズ9から露出した露出部3aを有 している。

 本実施形態において、レンズ9は、紫外線 照射によって硬化する光硬化性樹脂9’から 成されている。レンズ9は、光硬化性樹脂9’ を型19の窪みに充填し、型19の平坦部をガラ 板3および封止樹脂7に接触させた状態で紫外 線を照射することによって形成されている( 2を参照のこと)。

 レンズ9は、固体撮像装置10に入射する光 角度を直角に近づくように補正するための 成であり、レンズ9の中心を透過する光が有 効画素領域1aへ直角に入射するように形成さ る必要がある。入射光の角度の補正を適切 行えるようにレンズ9を形成するためには、 型19の平坦部(図2の破線で囲んだ箇所)を有効 素領域1aと平行な面に接触させる必要があ 。

 ガラス板3は、有効画素領域1aと対向する うにスペーサ5を介してセンサチップ1に接 されている。ガラス板3が平行平面状である と、およびスペーサ5が均一な厚さを有する 非常に薄い構成であることから、ガラス板3 上面は有効画素領域1aと平行である。

 レンズ9は、型19の平坦部が有効画素領域1 aと平行なガラス板3の上面に接触した状態で 成されているため、レンズ9の中心を透過す る光を正確に有効画素領域1aに対して直角に 射させることができる。つまり、ガラス板3 にレンズ9からの露出部3aを有しているため、 レンズ9の取り付け精度を高めることができ 。

 図1(c)において、図1(b)と比較して、レン 9の端部9aが封止樹脂7と接着している面積が さい。これは、ガラス板3上面の形状が、W4 W3よりもわずかに長い、長方形を有してい ためである。同様に、有効画素領域1aの形状 は、W2がW1よりもわずかに長い、長方形を有 ている。本実施形態において、有効画素領 1a(ガラス板3上面)が長方形を有する固体撮像 装置10について説明しているが、有効画素領 1a(ガラス板3上面)の形状は、必要に応じて 宜変更することができる。

 以上において、本実施形態の固体撮像装 10の主な構成について説明した。以下に固 撮像装置10のより好ましい構成および固体撮 像装置10に採用可能な構成について説明する

 本実施形態において、レンズ9が紫外線の 照射によって硬化する光硬化性樹脂9’を用 ているが、レンズ9を構成する樹脂としては 紫外線を除く光の照射によって硬化する光 化性樹脂9’であってもよく、さらに、熱エ ネルギーの付与によって硬化する熱硬化性樹 脂であってもよい。本発明に係るレンズ9を 成する樹脂としては、エネルギーを付与す ことによって硬化する樹脂であり、硬化し 後に光透過性を有する樹脂であれば従来公 の樹脂から適宜選択し得る。なお、本明細 において、光硬化性樹脂9’および熱硬化性 脂を総称して「エネルギー硬化性樹脂」と 載する場合がある。

 本発明に係るレンズ9を構成する樹脂とし ては、-60℃~270℃の温度条件に暴露した後、 視光の透過率が80%以上であり、温度条件の 加前の形状を維持し得るものが好ましい。

 上記構成を有することによって、固体撮 装置10の製造工程における加熱冷却処理お び固体撮像装置10を実装した製品の使用温度 環境の変化に対して、レンズ9が有する可視 の透過率、および形状を好適な状態に保つ とができる。特に、固体撮像装置10の実装方 法として、270℃程度まで加熱する必要がある リフロー処理を採用することができる。リフ ロー処理、例えば、無鉛半田リフロー処理は 、安価かつ簡便な実装処理工程であるため、 固体撮像装置10の実装コストを低減し得る。

 上記条件を満たす樹脂としては、アルキ 基および/またはフェニル基を有するシリコ ン樹脂、ならびに炭素骨格とシリコン骨格と がハイブリッドされた有機無機ハイブリッド シリコン樹脂などのエネルギー硬化性樹脂を 挙げることができる。

 本発明に係るレンズ9が有する可視光に対 する屈折率は、1.3~1.4であることが好ましい

 上記構成を有することによって、レンズ9 の光の入射面に反射防止コーティングを施す 必要がない。

 例えば、可視光に対する屈折率が1.5であ レンズを用いた場合、該レンズに対して垂 に入射する光の反射率は4%である。レンズ9 、有効画素領域1aの外周部へ効率的に光を 射させるための構成であり、レンズ9として 記反射率を有するレンズを用いる場合、反 防止コーティングを施す必要がある。上記 射防止コーティングは、通常、酸化物系の 機物を蒸着法やスパッタ法によって、レン 9の光入射面に形成される。酸化物系の無機 物は、線膨張係数が小さいため、リフロー処 理などの高温処理によって割れや剥離が生じ やすい。

 一方、レンズ9が有する可視光に対する屈 折率が1.3~1.4であれば、レンズ9に対して垂直 入射する光の反射率は2%程度に抑えること できる。レンズ9は、有効画素領域1a到達す 光が最後に通過するレンズであるため、レ ズ9が有する上記反射率を2%程度に抑えるこ ができれば、光の透過率を十分確保するこ ができる。つまり、有効画素領域1aへ入射す る光量を、画像のムラなどが生じない程度に 、維持することができる。さらに、光の反射 率が低下すれば、光の乱反射を抑制すること ができるので、有効画素領域1aへ迷光が入射 ることを抑制できる。すなわち、固体撮像 置10によって形成された画像に表れるゴー トやフレアを確実に抑制することができる

 さらに、レンズ9が有する可視光に対する 屈折率が1.3~1.4であれば、屈折率の低下を補 するために、レンズ9の形状を極端に変化さ る必要がない。

 上記構成を有することによって、高画質 画像を提供し得る固体撮像装置10をより簡 な方法を用いて提供することができる。

 レンズ9は、エネルギー硬化性樹脂9’を 19に充填し、型19をガラス板3および封止樹脂 7を接触させた状態で硬化させることによっ 形成されている。このため、レンズ9は、所 の形状に形成することが容易である。レン 9の凸面の形状としては、レンズ9に入射す 光を、有効画素領域1aに垂直に出射し得るよ うに補正する形状であればよく、球面または 非球面であってもよい。例えば、レンズ9は パワーを有する非球面レンズ、フレネル形 を有するレンズおよび微細なレリーフ形状 施された回折レンズとして形成されていて よい。

 ガラス板3上には、シランカップリング剤 が付与されていることが好ましい。

 ガラス板3に付与するシランカップリング 剤は、レンズ9との化学的な接着力を向上し るのもであればよく、従来公知のシランカ プリング剤から、レンズ9を構成する樹脂の 質に合わせて、適宜選択すればよい。

 レンズ9とガラス板3との接着力を向上さ るシランカップリング剤としては、エポキ 系やアミノ系のシランカップリング剤が好 しい。

 シランカップリング剤のガラス板3への付 与は、以下のように行えばよい。シランカッ プリング剤をイソプロピルアルコールなどの 有機溶媒によって1%程度に希釈する。希釈し シランカップリング剤にガラス板3の上面を 浸漬(ディップ)する。シランカップリング剤 ディップしたガラス板3を乾燥させることに よって、ガラス板3にシランカップリング剤 付与することができる。なお、ここで説明 た方法以外にも、従来公知の方法を用いて ラス板3にシランカップリング剤を付与する とができる。

 なお、センサチップ1の有効画素領域1a上 は、マイクロレンズが形成されていること 好ましい。

 上記構成を有することによって、レンズ9 から出射された(出射角度が補正された)光を さらに、上記マイクロレンズによって有効 素領域1aに入射する光の角度を補正するこ ができる。よって、固体撮像装置10の有効画 素領域1aに入射する光をより最適な状態に補 することができる。

 なお、固体撮像装置10を撮影装置に適用 る場合、上記マイクロレンズの形成位置な も考慮に入れて、撮影装置全体の光学系(レ ズ9、マイクロレンズおよび撮影用レンズな ど)の設計(形状および配置など)を行うことが 好ましい。

 さらに、ガラス板3とレンズ9の間には、 外線カットフィルタが形成されていること 好ましい。

 カメラやビデオレコーダーカメラなどの 影装置に固体撮像装置10を内蔵させる場合 画像の形成に不要な赤外線がセンサチップ1 入射することを回避する必要がある。赤外 のセンサチップ1への入射を回避するために は、赤外線を反射および/または吸収(カット) する必要がある。ここでは、赤外線を反射す るための誘電体多層膜をガラス板3とレンズ9 の間に形成することを例として、以下に説 を行う。

 誘電体多層膜は、光の入射角に応じて、 射する光の波長の範囲が変化する。このた 、曲面(例えば、レンズ9など)上に誘電体多 膜を形成すると、中心付近と端部付近とに いて反射する光の波長が異なるため、逆に 質の悪化に繋がる。このため、平坦なガラ 板3上に形成することが好ましい。

 さらに、誘電体多層膜は、ガラス板3にお けるレンズ9を形成するための面に製膜され 。ガラス板3の有効画素領域1aとの対向面に 電体多層膜を形成すると、誘電体多層膜が 離を起こした場合、有効画素領域1aに付着す ることによって、画質を低下させるためであ る。

 ガラス板3の一面だけに誘電体多層膜を形 成すると、誘電体多層膜の膜応力によって、 ガラス板3に反りが生じる。しかし、大面積 ガラス板3に誘電体多層膜を製膜した後、ガ ス板3はダイシングによって小片に分割され るので、上記膜応力を開放(低下)し得る。こ ため、誘電体多層膜の形成によるガラス板3 の反りは、固体撮像装置10によって形成され 画像の質を低下させることはない。

 赤外線反射の誘電体多層膜は、スパッタ や蒸着法などによって、高い屈折率の層と い屈折率の層とが交互に形成された多層膜 ある。

 上記高い屈折率の層を構成する材料として 、TiO 2 (n=2.4)、Ta 2 O 5 (n=2.1)、Nb 2 O 5 (n=2.2)、およびZrO 2 (n=2.05)などが挙げられる。上記低い屈折率の を構成する材料としては、SiO 2 (n=1.46)、Al 2 O 3 (n=1.63)、およびMgF 2 (n=1.38)などが挙げられる。なお、括弧内のnは 、単一の材料で形成した層が有する、500nmの 長を有する光に対する屈折率を示しており 該屈折率は、入射する光が有する波長によ て変化する。

 誘電体多層膜は、通常、上記高い屈折率 層と上記低い屈折率の層とは、同じ光学的 厚に形成される。カットしたい光が有する 長の範囲の中心付近を設計波長λとすると 光学的膜厚ndは、1/4λと表すことができる。 して、光学的膜厚ndを有する上記高い屈折 の層を1H、光学的膜厚ndを有する上記低い屈 率の層を1Lと表す。

 ここで、“(0.5H、1L、0.5H)S”と表すと、1/8 λの膜厚を有する上記高い屈折率の層が2層あ り、この2層の間に1/4λの膜厚を有する上記低 い屈折率の層が形成されているものが1組以 ある状態を意味している。さらに、“S”は スタック数と呼ばれ、括弧内の組がいくつ 層されているのかを表している。

 実際に積層された誘電体多層膜は、2S+1層 から構成されており、Sの値を大きくするほ 、反射から透過へ変化する立ち上がり特性( 峻さ)を大きくすることができる。Sの値と ては3~20の範囲から選択される。

 誘電体多層膜を構成する各層の屈折率と 記対上がり特性とからカットできる波長を する光を決定することができる。通常、赤 線をカット(反射)するための誘電体多層膜 、40層~60層の積層構造から形成される。

 ガラス板3としては、平行平面板状の透明 な部材であればよく、ガラスに限らず、樹脂 などから構成されていてもよい。

 センサ基板13は、絶縁性を有する平板状 構成であればよく、センサ基板13全体が絶縁 性の材料から構成されていても、センサ基板 13表面が絶縁性を有していてもよい。センサ 板13を構成するための材料は、セラミック 樹脂など、従来公知の種々の材料から選択 ることができる。また、センサ基板13表面に 絶縁性を付与する方法は、従来公知の種々の 方法を採用し得る。

 スペーサ5は、センサチップ1とガラス板3 を平行に保持し得る材料であればよく、例 ば、接着性を有する材料など、従来公知の 々の材料から選択できる。なお、ガラス板3 以外の部材から光が入射することがないよう に、スペーサ5は不透明な材料から構成され いることが好ましい。

 封止樹脂7を構成する材料としては、従来 公知の種々の樹脂から選択すればよい。なお 、ガラス板3以外の部材から光が入射するこ がないように、封止樹脂7は不透明な材料か 構成されていることが好ましい。また、封 樹脂7を形成するための方法としては、例え ば従来公知の種々の方法も採用することがで きる。

 〔実施の形態2〕
 本発明の一実施形態について、図4を用いて 以下に説明する。図4(a)は、図1の変形例であ 固体撮像装置31の構成を示す断面図であり 図4(b)は、図1の他の変形例である固体撮像装 置33の構成を示す断面図である。

 図4(a)に示すように、固体撮像装置31は、 部に外部接続端子17が形成されたセンサ基 13、センサ基板13上に形成されたセンサチッ 1、センサチップ1の有効画素領域1aと対向す るように配置されたガラス板3、センサチッ 1とガラス板3とを平行に保持するスペーサ5 センサ基板13の一部、センサチップ1の一部 ガラス板3の側壁およびスペーサ5の側壁を封 止する封止樹脂7、ならびにガラス板3を覆う 脂製のレンズ32(光学素子)を備えている。

 なお、封止樹脂7表面にはArプラズマ処理 施されている。Arプラズマ処理によって、 止樹脂7表面には微小な凹凸が形成されてお 、かつ封止樹脂7表面からは、樹脂封止後に 金型から固体撮像装置31を剥離するための離 剤が除去されている。また、有効画素領域1 aは、スペーサ5に挟まれたセンサチップ1上の 領域に形成されている。レンズ32は、紫外線 照射によって硬化する光硬化性樹脂9’を型 に充填し、紫外線照射によって硬化させたも のである。レンズ32からやや外周側に離れた 止樹脂7上には、レンズ32と同じ樹脂から構 された張り出し32aが形成されている。

 固体撮像装置31は、封止樹脂7表面をArプ ズマ処理することによって、接着力向上部 形成されている。このため、封止樹脂7とレ ズ9とが強固に接着している(詳細について 実施の形態1を参照のこと)。

 固体撮像装置31が、実施の形態1の固体撮 装置10と異なる点は、レンズ32からやや外周 側に離れた封止樹脂7上に、レンズ32と同じ樹 脂から構成された張り出し32aが形成されてい ることである。

 張り出し32aは、型51に充填したエネルギ 硬化性樹脂32’を硬化させることによって形 成される。すなわち、レンズ32と同時に形成 れる(型51およびエネルギー硬化性樹脂32’ ついては図6(a)参照のこと)。

 レンズ32を形成するために、エネルギー 化性樹脂32’を充填した型51をガラス板3に接 触させたとき、ガラス板3とエネルギー硬化 樹脂32’との界面に気泡が生じることがある 。レンズ32の凸面に気泡が混入している場合 当然、気泡に光が照射されると、予期しな ような光の拡散を生じる。拡散した光が迷 として有効画素領域1aに入射する上、気泡 下方にある有効画素領域1aへの光の入射効率 が低下する。

 つまり、レンズ32の凸面に気泡が混入し いる場合には、レンズ9が、有効画素領域1a 入射する光の角度を適切に補正することが きなくなる上、気泡が局所的に入射効率の 下を招く。このように、レンズ32の凸面への 気泡の混入は、形成された画像の画質を極端 に低下させる。

 張り出し32aは、上記気泡をレンズ32から り除くために形成されたものである。張り し32aが形成される場合に、上記気泡が取り かれる理由について、以下に説明する。

 レンズ32を形成するために必要な量以上 エネルギー硬化性樹脂32’を型51に充填する そして、過剰量のエネルギー硬化性樹脂32 を充填した型51をガラス板3に接触させる。 のとき、エネルギー硬化性樹脂32’とガラス 板3との界面に気泡が発生したとする。

 型51をしっかりとガラス板3に密着させる 、過剰量のエネルギー硬化性樹脂32’が型51 の外側へ押し出されるのに伴い、上記気泡が 型51の外部へ押し出される。そして、型51を ラス板3に密着させた状態でエネルギー硬化 樹脂32’を硬化させる。これより、型51の外 側へ押し出されたエネルギー硬化性樹脂32’ 、気泡を含んだ状態で硬化する。以上のよ にして、張り出し32aが形成される。

 本実施形態に係る固体撮像装置31は、張 出し32aを備えているので、樹脂製のレンズ32 に気泡が混入することがない。したがって、 固体撮像装置31の生産歩留まりを向上し得る

 次に、固体撮像装置31の変形例について 4(b)を用いて説明する。

 図4(b)に示すように、固体撮像装置33は、 部に外部接続端子17が形成されたセンサ基 13、センサ基板13上に形成されたセンサチッ 1、センサチップ1の有効画素領域1aと対向す るように配置されたガラス板3、センサチッ 1とガラス板3とを平行に保持するスペーサ5 センサ基板13の一部、センサチップ1の一部 ガラス板3の側壁およびスペーサ5の側壁を封 止する封止樹脂7、ならびにガラス板3を覆う 脂製のレンズ34(光学素子)を備えている。

 なお、封止樹脂7表面にはArプラズマ処理 施されている。Arプラズマ処理によって、 止樹脂7表面には微小な凹凸が形成されてお 、かつ封止樹脂7表面からは、樹脂封止後に 金型から固体撮像装置33を剥離するための離 剤が除去されている。また、有効画素領域1 aは、スペーサ5に挟まれたセンサチップ1上の 領域に形成されている。レンズ34は、紫外線 ど光の照射によって硬化する光硬化性樹脂9 ’を型に充填し、紫外線照射によって硬化さ せたものである。レンズ34は、封止樹脂7の外 周付近まで延びた、平板状の張り出し34aを有 している。

 固体撮像装置33と固体撮像装置31との相違 点は、形成された張り出し34aおよび張り出し 32aの形状と形成位置が異なる。張り出し34aと 張り出し32aとは、形状および形成位置は異な っているが、レンズ34およびレンズ32の凸面 ら気泡を除去するという機能は同じである

 張り出し34aは、型52に充填されたエネル ー硬化性樹脂34’を用いて形成されている。 型52は、レンズ34を形成するための略球面状 窪みと該窪みを取り巻くように平坦な窪み 形成されている(図6(b)参照のこと)。上記平 な窪みが封止樹脂7の外周付近の領域までと 向するように形成されているので、張り出 34aは、固体撮像装置33の上面の大部分を覆 ている。

 張り出し34aは、有効画素領域1aと平行に るように形成されている。張り出し34aは、 52に沿った形状に形成されるので、張り出し 34aの形状を容易に平坦化し、かつ該平坦面を 有効画素領域1aと平行にすることができる。 らに、型52の平坦な窪みの一部をガラス板3 4つの角に接触させながら、エネルギー硬化 性樹脂34’の硬化を行うことによって、実施 形態1における説明を参照して、有効画素領 域1aと平行な張り出し34a(フラットベッド構造 )を容易に形成することができる。

 固体撮像装置33を撮影装置に搭載する場 、被写体からの光の光路を画定するための ンズを設ける必要がある。上記レンズを設 する際、レンズの中心を透過する光の軸が 有効画素領域1aの中心と正確に直交するよう に注意が必要である。ここで、レンズの中心 を透過する光の軸が、有効画素領域1aの中心 らずれたり、レンズの中心を透過する光の が有効画素領域1aと正確に直交しなかった する場合、当然、撮影装置によって形成さ る画像にゆがみなどが生じる。

 レンズの中心を透過する光の軸が、有効 素領域1aの中心と正確に直交するように上 レンズを配置するためには、固体撮像装置33 の有効画素領域1aと平行な面に対して、該レ ズを固定する部材を形成することが好まし 。

 なお、張り出し34aを形成するために過剰 のエネルギー硬化性樹脂34’を型52に充填す る際、上記レンズを固定する部材の形成を妨 げない程度の量に抑える必要がある。

 ここで、張り出し34aは、封止樹脂7の外周 付近まで延びている。このため、レンズ34と 止樹脂7との接着面積を、張り出し34aが有す る面積だけ大きくすることができる。つまり 、レンズ34と封止樹脂7との接着力を向上させ ることができる。

 よって、製造工程における加熱冷却処理 よび製品の使用環境の変化によって生じる レンズ34の剥離をより確実に抑制すること できる。

 以上のように、張り出し34aが封止樹脂7の 外周付近まで延びており、かつ有効画素領域 1aと平行になるように形成されている。これ よって、固体撮像装置33を内蔵する撮影装 の組み立てを安価かつ簡便な方法で、精度 く行うことができる。さらに、製品の信頼 をさせることができる。

 以上に説明したように、樹脂製のレンズ9 の封止樹脂7からの剥離が抑制された本発明 係る固体撮像装置10、31および33は、製造コ トの削減、信頼性の向上、小型化および薄 化を達成、ならびに入射光の広角化によっ 生じる課題の解決を同時に行い得る。入射 の広角化によって生じる課題とは、(1)有効 素領域1aの外周部における光の入射光率の低 下、および(2)赤外線カットフィルタを用いた 場合の有効画素領域1a外周部における色調変 である。このため、品質の高い画像を形成 得る固体撮像装置10、31および33を提供する とができる。

 また、上記問題を固体撮像装置に搭載す 光学系によって解決する場合、センサチッ の近傍に配置される光学素子の外周部(端部 )における光学形状(凸面の形状)の設計が非常 に困難になる。本発明に係る固体撮像装置10 31および33は、上記課題を光学系によって解 決する必要がないため、光学系の設計(形状 配置)の自由度が高い。

 さらに、レンズ9はレプリカ法によって形 成できるため、レンズ9の光学面を、高い精 で所望の機能を有するように形成すること 容易である。

 〔実施の形態3〕
 本発明の一実施形態である固体撮像装置10 製造方法について、図5を用いて以下に説明 る。図5は、固体撮像装置10の製造方法にお る各工程を説明する断面図である。

 図5に示すように、樹脂封止後の未完成の 固体撮像装置(以下、単に固体撮像装置と称 る)にレンズ9を形成する工程は、S41~S44の順 行われる。

 レンズ9を形成するための準備として、封 止樹脂7表面をArプラズマ処理することによっ て、封止樹脂7表面に微小な凹凸を形成し、 つ封止樹脂7表面から離型剤を除去する。

 封止樹脂7表面をArプラズマ処理した固体 像装置を、ガラス板3が下方を向くように、 マウンター装置(図示せず)のロッド41を用い 真空固定(バキュームチャッキング)する。同 時に、透明な型19のレンズ9表面形状を転写す るために形成された窪みに流動性を有する光 硬化性樹脂9’を充填する(S41)。

 ここで、本実施形態においては、レンズ9 を構成する樹脂として、紫外線の照射によっ て硬化する光硬化性樹脂9’を例に説明して るが、エネルギー硬化性樹脂であれば、本 明の固体撮像装置の製造方法に適用するこ ができる。

 透明な型19、光硬化性樹脂9’およびガラ 板3を介して、カメラ42を用いて有効画素領 1aの形状(平面形状および中心の位置など)を 撮像する。続いて、画像処理装置を用いて、 上記撮像した有効画素領域1aの画像に画像処 を施し、有効画素領域1aの中心を求める。 して、上記画像処理装置に予め認識させて いた透明な型19の中心と画像処理にて求めた 有効画素領域1aの中心とが一致するように、X 軸方向および/またはY軸方向に位置合わせを う(S42)。

 ここで、ガラス板3には、S41の前にシラン カップリング剤が付与されていてもよい(ガ ス板3へのシランカップリング剤の付与につ ては実施の形態1を参照のこと)。

 上記位置合わせの終了後、光硬化性樹脂9 ’を充填した透明な型19をガラス板3および封 止樹脂7へ接触した状態で固定する。透明な 19を固定した後、UVランプを点灯し、紫外線 射を行う(S43)。

 ここで、S43においては、透明な型19は封 樹脂7と接触しているが、実施の形態1におい て説明したように、透明な型19の平坦部がガ ス板3の4つの角と接触していてもよい。こ により、レンズ9の中心を透過する光が有効 素領域1aの中心に入射するようにレンズ9を 成することができる。

 S43における紫外線の照射によって、透明 型19に充填された光硬化性樹脂9’が硬化す 。

 光硬化性樹脂9’が十分に硬化することに よって、レンズ9が形成された後、透明な型19 を固体撮像装置10から離型させる(S44)。

 本実施形態に係る製造方法を用いれば、 ワーを有する非球面レンズ、フレネル形状 有するレンズおよび微細なレリーフ形状が された回折レンズなど、複雑な形状を有す レンズ9を容易に形成することができる。さ らに、レンズ9の中心が有効画素領域1aの中心 と正確に対向するように位置合わせをしなが ら、レンズ9を形成することができるので、 差が小さく、かつ解像度の高い画像を形成 ることができる固体撮像装置10を提供するこ とができる。

 なお、実施の形態2において説明した固体 撮像装置31および33は、本実施形態に係る固 撮像装置10の製造方法の一部を改変すること によって製造することができる。固体撮像装 置31および33の製造方法における、図5からの 変事項について図6を用いて以下に説明する 。図6(a)は、固体撮像装置31のレンズ32および り出し32a’を形成するための一工程を示す 面図であり、図6(a)は、固体撮像装置33のレ ズ34および張り出し34a’を形成するための 工程を示す断面図である。

 図6(a)に示しているのは、透明な型51の中 と有効画素領域1aの位置合わせが完了し、 明な型51と封止樹脂7とが接触した状態であ 。透明な型51は、封止樹脂7の表面寸法より 小さくなるように形成されている。

 固体撮像装置31の製造方法において、透 な型51には過剰量の光硬化性樹脂32’が充填 れている。このため、透明な型51に充填さ た光硬化性樹脂32’の一部が透明な型51の外 にはみ出している。

 上述のように、透明な型51に充填された 硬化性樹脂32’がガラス板3に接触するとき 光硬化性樹脂32’とガラス板3との界面に気 が形成されることがある。

 しかし、封止樹脂7へ透明な型51を密着さ ようとすると、余剰の光硬化性樹脂32’が 明な型51の外側に押し出される。このとき、 上記界面に形成された気泡は、光硬化性樹脂 の一部32a’に封入され状態で外部に押し出さ れる。

 よって、この状態で光硬化性樹脂32’お びその一部32’を硬化させることによって、 レンズ34に気泡が含まれていない固体撮像装 31を作製することができる。

 図6(b)に示しているのは、図6(a)と同様の 造工程の状態である。よって、光硬化性樹 34’および34a’の一部34b’が、透明な型52か はみ出している。このため、上記気泡を光 化性樹脂34’から押し出すことができる。

 図6(a)と異なる点は、透明な型52が封止樹 7の平面寸法よりも大きいこと、および透明 な型52には、レンズ34の形状を転写するため 略球面状の窪みの外側に、平坦な窪みが形 されていることである。

 透明な型52の平坦な窪みの底面は、有効 素領域1aと平行になるように形成および位置 合わせされる。

 図6(b)において、封止樹脂7とガラス板3と 平坦に形成されているが、図4(b)に示したよ うに、ガラス板3が僅かに突出している状態 あってもよい。このとき、透明な型52の平坦 な窪みの底面をガラス板3の4つの角と接触さ ながら、光硬化性樹脂34’および34a’の硬 を行うことができる。

 よって、この状態で、光硬化性樹脂34’ よび34a’を硬化させることにより、レンズ34 の中心軸が有効画素領域1aと垂直になるよう 形成固体撮像装置33を作製することができ 。

 〔実施の形態4〕
 本発明に係る一実施形態について図7を用い て以下の説明する。図7は、固体撮像装置10を 内蔵した撮影装置61の構成を説明する断面図 ある。

 図7に示すように、撮影装置61は、固体撮 装置10、平板状の面と2つの凸面とからなる 像用レンズ62、撮像用レンズ62の平板状の面 を挟んで形成された遮光部63、ならびに撮像 レンズ62とセンサチップ1との光軸方向の距 を調節および固定するためのスペーサ64を えている。

 撮像用レンズ62は、固体撮像装置10に入射 する光の光路を画定する光路画定器である。 遮光部63は、撮像用レンズ62の絞りであり、 つ撮像用レンズ62に入射する光の内、迷光の 入射を抑制する。スペーサ64は、封止樹脂7の 外周部付近に形成されている。

 なお、固体撮像装置10の底面に設けられ 外部接続端子17は、配線基板上に形成された 導体配線と電気的に接続されている(図示せ )。さらに、上記導体配線は、上記配線基板 に接着された画像処理装置を電気的に接続 れている(図示せず)。つまり、固体撮像装 10は、上記導体配線を介して、上記画像処理 装置と電気的に接続されている。

 このため、撮像用レンズ62から入射した は、レンズ9、ガラス板3、空気層11を介して センサチップ1上の有効画素領域1aに入射す 。有効画素領域1aに入射した光は電気信号 変換され、上記画像処理装置に送信される 送信された電気信号に基づいて上記画像処 装置が画像を形成する。

 以上の構成を有しているので、撮影装置6 1は、固体撮像装置10と同様の機能および作用 を有する。

 なお、撮影装置61は、固体撮像装置10の代 わりに、固体撮像装置31または固体撮像装置3 3を備えていてもよい。特に、撮影装置61が固 体撮像装置33を備えている場合、封止樹脂7と スペーサ64との間には、張り出し34aが形成さ ている。このため、実施の形態2において説 明したように、製造工程における加熱冷却処 理および製品の使用環境の変化によって生じ る、レンズ34の剥離をより確実に抑制するこ ができる。よって、撮影装置61の生産歩留 りおよび信頼性をより向上させることがで る。

 〔実施の形態5〕
 本発明に係る一実施形態について図8を用い て以下に説明する。図8(a)は、本実施形態の 体撮像装置81の構成を示す断面図であり、図 8(b)は、固体撮像装置81のレンズ91の端部に光 入射する様子を示した断面図であり、図8(c) は、図8(b)のレンズ91の端部付近を拡大した断 面図である。

 固体撮像装置81は、実施の形態1の固体撮 装置10と多くの点において共通している。 体撮像装置81の構成の内、固体撮像装置10の 成と同じ番号が付されている構成は、名称 よびその機能が同じである。よって、本実 形態において、固体撮像装置10の構成と同 番号が付されている構成およびその機能に いては、実施の形態1を参照すればよい。

 図8(a)に示すように、本実施形態に係る固 体撮像装置81は、下部に外部接続端子17が形 されたセンサ基板13、センサ基板13上に形成 れたセンサチップ1(固体撮像素子)、センサ ップ1の有効画素領域1aと対向するように配 されたガラス板3(透明板)、センサチップ1と ガラス板3とを平行に保持するスペーサ5、な びにガラス板3の上面および側壁と接する樹 脂製のレンズ91(光学素子)を備えている。レ ズ91は、有効画素領域1aと空気層11を介して 向する面を除いたガラス板3の全ての面と接 ている。

 固体撮像装置81がセンサチップ10と異なる 点は、封止樹脂7によって樹脂封止されてい いこと、およびレンズ91のサイズがガラス板 3のサイズよりも明らかに大きいことである

 しかし、レンズ91の凸面の形状は、実施 形態1のレンズ9(図1を参照のこと)の凸面の形 状と同じである。よって、レンズ91は、レン 91に入射した光を屈折させることによって 該光の角度が直角に近づくように補正する めの構成であり、レンズ9と同じ機能を有し いる。

 図面から明らかなように、レンズ91の端 91aは、ガラス板3が有する6つの面の内、有効 画素領域1aと空気層11を介して対向する面(以 、単に「底面」と称する)を除いた5つの面(1 つの上面および4つの側壁)と接している。

 レンズ91が、ガラス板3の1つの上面および 4つの側壁と接していることによる利点につ て、以下に説明する。

 図8(c)に示すように、被写体からの光を集 光する撮像レンズ62から出射された光には、 ンズ91の端部91a付近に入射する光20が含まれ ている。

 図8(b)に示すように、光20がレンズ91に入 すると、光20は、レンズ91の凸面において屈 された屈折光20aとしてレンズ9内部を進む。 屈折光20aは、レンズ91内部からガラス板3に入 射する。

 ガラス板3に入射した屈折光20aの一部は、 ガラス板3の側壁を通過して、再度、レンズ91 内部に入射する。再度、レンズ91内部に入射 た屈折光20aは、レンズ91の端部91aの下面に 達する。レンズ91の端部91aの下面に到達した 屈折光20aは、固体撮像装置81の外側へ向かう うに屈折して、屈折光20cとしてレンズ91か 出射される。このため、屈折光20aの内、レ ズ91の端部91aの下面に到達する屈折光20aは、 有効画素領域へ入射しない。

 また、ガラス板3に入射した屈折光20aの一 部は、外気と接しているガラス板3の側壁に 達する。ガラス板3の側壁に到達した屈折光2 0aは、ガラス板3と外気との屈折率の差が大き いため、ガラス板3の側壁において反射され 。ガラス板3の側壁において反射された反射 20dは、固体撮像装置81の内側に向かう。し し、反射光20dは、有効画素領域外に配置さ たスペーサ5に到達する。つまり、反射光20d 、有効画素領域に入射しない。さらに、ス ーサ5が光透過性を有していないため、反射 光20dは、スペーサ5によって吸収される。

 以上のように、レンズ91の端部91aがガラ 板3の側壁と接していることによって、レン 91の端部91a付近に入射する光20は、有効画素 領域に入射しない。つまり、レンズ91の端部9 1aに入射する画像の形成に不要な光20が有効 素領域に入射する迷光が減少する。

 よって、有効画素領域に入射する迷光が 少するので、固体撮像装置81を用いて形成 れた画像の画質の低下を抑制することがで る。

 さらに、有効画素領域に入射する迷光が 少するという利点のほかに、レンズ91がガ ス板3の1つの上面および4つの側壁と接して ることによって得られる、以下のような利 をあげることができる。

 従来、樹脂性のレンズを備える固体撮像 置を無鉛半田リフロー処理によって実装し 場合、レンズの変形によってガラス板が剥 する。このため、通常、樹脂性のレンズを える固体撮像装置の実装方法として、安価 無鉛半田リフロー処理を採用することがで ない。

 しかし、上記構成によって、樹脂性のレ ズを備える固体撮像装置81を実装方法とし 、安価な無鉛半田リフロー処理を採用した 合に発生する、レンズのガラス板からの剥 を抑制することができる。

 樹脂性のレンズを備える固体撮像装置を 鉛半田リフロー処理によって固体撮像装置8 1の実装を行う(高温条件下に曝露する)と、レ ンズ91とガラス板3とが異なる熱膨張係数を有 しているため、樹脂製のレンズ91は熱応力を ける。

 樹脂製のレンズ91が受ける上記熱応力は せん断力だけでなく引張力も含まれる。樹 は、引張力に対して変形しないよう反発す 力(収縮する力)が強い。このため、ガラス板 3の上面および側壁と接するように(透明板の 面から側壁へ回りこむように)樹脂製のレン ズ91が形成された状態において、高温条件下 曝露すると、ガラス板3は樹脂製のレンズ91 よって締め付けられるような力を受ける。

 従って、ガラス板3と樹脂製のレンズ91と 密着性が向上する。ガラス板3と樹脂製のレ ンズ91との密着性(接着力)が向上するので、 温条件下に樹脂製のレンズ91を備えた固体撮 像装置81を曝露したときに発生する、レンズ9 1のガラス板3からの剥離を抑制し得る。

 レンズ91がガラス板3の1つの上面および4 の側壁と接しているため、樹脂性のレンズ91 を備えた固体撮像装置81の実装方法として、 価なリフロー処理を採用し得る。よって、 体撮像装置81の実装コストを削減すること できる。

 レンズ91とガラス板3との接着力を、さら 向上し得る方法として、ガラス板3の上面に シランカップリング剤を付与する方法を挙げ ることができる。シランカップリング剤を付 与する方法の詳細については、実施の形態1 参照のこと。

 本実施形態において、レンズ91(図8を参照 のこと)は、図9に示すように、紫外線照射に って硬化する光硬化性樹脂91’から構成さ ている。レンズ91は、光硬化性樹脂91’を型1 9’の窪みに充填し、型19’の平坦部をガラス 板3に接触させた状態で紫外線を照射するこ によって形成されている。

 レンズ91は、上述のように、固体撮像装 81に入射する光の角度を直角に近づくように 補正するための構成であり、レンズ91の中心 透過する光が有効画素領域1aへ直角に入射 るように形成される必要がある。入射光の 度の補正を適切に行えるようにレンズ91を形 成するためには、型19’の平坦部を有効画素 域1aと平行な面(例えば、ガラス板3の露出部 3a)に接触させる必要がある。

 ガラス板3は、有効画素領域1aと対向する うにスペーサ5を介してセンサチップ1に接 されている。ガラス板3が平行平面状である と、およびスペーサ5が均一な厚さを有する 非常に薄い構成であることから、ガラス板3 上面は有効画素領域1aと平行である。

 レンズ91は、型19’の平坦部が有効画素領 域1aと平行なガラス板3の露出部3aに接触した 態で形成されているため、レンズ91の中心 透過する光を正確に有効画素領域1aに対して 直角に入射させることができる。つまり、ガ ラス板3はレンズ91からの露出部3aを有してい ため、レンズ91の取り付け精度を高めるこ ができる。

 ここで、図8においては、ガラス板3の露 部3aが描写されていない。これは、図9が長 形を有するガラス板3の対角線に沿って固体 像装置81の断面を取った図であり、図8が、 方形を有するガラス板3の一辺に平行な線に 沿って固体撮像装置81の断面を取った図であ ためである。すなわち、ガラス板3の露出部 3aは、ガラス板3上面の長方形の各角付近に形 成されており、光硬化性樹脂91’の硬化時に 、型19’の平坦部と、ガラス板3上面の長方 の各角付近とが接触している。

 〔実施の形態6〕
 本発明の一実施形態である固体撮像装置81 製造方法について、図10を用いて以下に説明 する。図10は、固体撮像装置81の製造方法に ける各工程を説明する断面図である。

 本実施の形態の製造方法は、図5を用いて 説明した実施の形態3の製造方法と大きな差 ない。本実施の形態の製造方法と実施の形 3の製造方法とが異なる点は、光硬化性樹脂9 1’を充填するための図10の透明な型19’と図5 の透明な型19との窪みの大きさが異なる点で る。具体的には、透明な型19’のレンズ91表 面形状を転写するために形成された窪みの直 径が、透明な型19よりも大きいため、透明な 19’に形成された窪みの全体の大きさが透 な型19よりも大きい。

 以上のように、本実施の形態の製造方法 、実施の形態3の製造方法と大きく異なるの は、用いる型の形状が異なる点であるため、 各工程における差異を説明するに留める。各 工程の詳細については、必要に応じて実施の 形態3を適宜参照のこと。

 固体撮像装置を、ガラス板3が下方を向く ように、マウンター装置(図示せず)のロッド4 1を用いて真空固定(バキュームチャッキング) する。同時に、透明な型19’のレンズ91表面 状を転写するために形成された窪みに流動 を有する光硬化性樹脂91’を充填する(S11)。

 透明な型19’、光硬化性樹脂91’およびガ ラス板3を介して、カメラ42を用いて有効画素 領域1aの形状(平面形状および中心の位置など )を撮像する。続いて、画像処理装置を用い 、上記撮像した有効画素領域1aの画像に画像 処理を施し、有効画素領域1aの中心を求める そして、上記画像処理装置に予め認識させ おいた透明な型19’の中心と画像処理にて めた有効画素領域1aの中心とが一致するよう に、X軸方向および/またはY軸方向に位置合わ せを行う(S12)。

 上記位置合わせの終了後、光硬化性樹脂9 1’を充填した透明な型19’をガラス板3へ接 した状態で固定する。透明な型19’を固定し た後、UVランプを点灯し、紫外線照射を行う( S13)。

 S13における紫外線の照射によって、透明 型19’に充填された光硬化性樹脂91’が硬化 する。

 光硬化性樹脂91’が十分に硬化すること よって、レンズ91が形成された後、透明な型 19’を固体撮像装置10から離型させる(S14)。

 本実施形態に係る製造方法を用いれば、 ワーを有する非球面レンズ、フレネル形状 有するレンズおよび微細なレリーフ形状が された回折レンズなど、複雑な形状を有す レンズ91を容易に形成することができる。 らに、レンズ91の中心が有効画素領域1aの中 と正確に対向するように位置合わせをしな ら、レンズ91を形成することができるので 収差が小さく、かつ解像度の高い画像を形 することができる固体撮像装置81を提供する ことができる。

 〔実施の形態7〕
 本発明に係る一実施形態について図11を用 て以下の説明する。図11は、固体撮像装置81 内蔵した撮影装置61aの構成を説明する断面 である。

 本実施形態の撮影装置61aと実施の形態4の 撮影装置61とは、多くの点で共通している。 影装置61aと撮影装置61aとが大きく異なる点 、内蔵している固体撮像装置が異なること および撮像用レンズ62の取り付け位置が異 ることである。撮影装置61aが内蔵している 体撮像装置81の詳細については、実施の形態 5を参照すればよいため、ここでは説明を省 する。よって、撮影装置61aにおける撮像用 ンズ62の取り付け位置について、以下に説明 する。

 図11に示すように、撮影装置61aは、固体 像装置81、平板状の面と2つの凸面とからな 撮像用レンズ62、撮像用レンズ62の平板状の を挟んで形成された遮光部63、ならびに撮 用レンズ62とセンサチップ1との光軸方向の 離を調節および固定するためのスペーサ64を 備えている。

 撮像用レンズ62は、固体撮像装置81に入射 する光の光路を画定する光路画定器である。 遮光部63は、撮像用レンズ62の絞りであり、 つ撮像用レンズ62に入射する光の内、迷光の 入射を抑制する。スペーサ64は、ボンディン ワイヤ15と接触しないように、センサ基板13 の外周部付近に形成されている。

 なお、固体撮像装置81の底面に設けられ 外部接続端子17は、配線基板上に形成された 導体配線と電気的に接続されている(図示せ )。さらに、上記導体配線は、上記配線基板 に接着された画像処理装置を電気的に接続 れている(図示せず)。つまり、固体撮像装 81は、上記導体配線を介して、上記画像処理 装置と電気的に接続されている。

 このため、撮像用レンズ62から入射した は、レンズ91、ガラス板3、空気層11を介して 、センサチップ1上の有効画素領域1aに入射す る。有効画素領域1aに入射した光は電気信号 変換され、上記画像処理装置に送信される 送信された電気信号に基づいて上記画像処 装置が画像を形成する。

 以上の構成を有しているので、撮影装置6 1aは、固体撮像装置81と同様の機能および作 を有する。

 本発明は上述した各実施形態に限定され ものではなく、請求項に示した範囲で種々 変更が可能であり、異なる実施形態にそれ れ開示された技術的手段を適宜組み合わせ 得られる実施形態についても本発明の技術 範囲に含まれる。

 〔その他の構成〕
 なお、本発明は以下の構成であっても実現 能である。

 (第1の構成)
 少なくとも、一面に有効画素領域を有する 体撮像素子と、
 前記有効画素領域に一定の間隔をあけて対 して配置され、前記有効画素領域の平面寸 と同等以上で前記固体撮像素子の平面寸法 り小さい平面寸法を有する透光性蓋部と、
 前記有効画素領域及び透光性蓋部の間であ て前記有効画素領域を除く領域に形成され かつ前記有効画素領域を取り囲むように設 られた不透光性の接着層と、
 前記固体撮像素子と前記透光性蓋部と前記 着層とで形成される密封空間を除く領域一 に形成された不透光性の封止樹脂部と、
 前記透光性蓋部上に配置された光学素子と を備える固体撮像装置であって、
 前記光学素子が、前記透光性蓋部および前 封止樹脂にまたがって形成されている光学 子付き固体撮像装置。

 (第2の構成)
 少なくとも、一面に有効画素領域を有する 体撮像素子と、
 前記有効画素領域に一定の間隔をあけて対 して配置され、前記有効画素領域の平面寸 と同等以上で前記固体撮像素子の平面寸法 り小さい平面寸法を有する透光性蓋部と、
 前記有効画素領域及び透光性蓋部の間であ て前記有効画素領域を除く領域に形成され かつ前記有効画素領域を取り囲むように設 られた接着層と、
 前記透光性蓋部より物体側に配置された光 素子と、を備える固体撮像装置であって、
 前記光学素子が、前記透光性蓋部および前 封止樹脂にまたがって形成されている光学 子付き固体撮像装置。

 (第3の構成)
 前記光学素子は、-60~270℃の温度に暴露され た後でも、可視光帯域おける透過率が80%以上 の透光性を持つ樹脂で形成されている第1ま は2の構成に係る光学素子付き固体撮像装置

 (第4の構成)
 前記透光性蓋部の一部には前記光学素子が 成されていない第1~3のいずれか1つの構成に か係る光学素子付き固体撮像装置。

 (第5の構成)
前記封止樹脂部の物体側面が親水性を有して いる第1~4のいずれか1つの構成に係る光学素 付き固体撮像装置。

 (第6の構成)
 前記透光性蓋部の物体側の面がシランカッ リング処理されている第1~5のいずれか1つの 構成に係る光学素子付き固体撮像装置。

 (第7の構成)
 前記光学素子は、可視光領域において屈折 1.3~1.4の透光性樹脂材料で形成されている第 1~6のいずれか1つの構成に係る光学素子付き 体撮像装置。

 (第8の構成)
 前記光学素子と同時に形成される透光性樹 製の構造体が形成されている第1~7のいずれ 1つの構成に係る記載の光学素子付き固体撮 像装置。

 (第9の構成)
 少なくとも、
 封止樹脂部の物体側の面に親水性処理を施 工程と、
 光学素子の形状を転写するキャビティ部が けられた透光性成形型の前記キャビティ部 エネルギー硬化性樹脂を充填する工程と、
 前記透光性成形型の一部と、前記固体撮像 置の前記透光性蓋部の光学素子が形成され い部分とを接触させる工程と、
 前記エネルギー硬化性樹脂を硬化させ光学 子を形成する成形工程と、
前記透光性成形型を取り外す離型工程と、を 有する第1~8いずれか1つの構成に係る光学素 付き固体撮像装置の製造方法。

 (第10の構成)
 導体配線が形成された配線基板と、該配線 板に接着され前記導体配線に電気的に接続 れる画像処理装置と、前記導体配線に電気 に接続される光学素子付き固体撮像装置と 前記光学素子付き固体撮像装置に対向して 置され光学素子付き固体撮像装置への光路 画定する光路画定器とを備える撮像装置。

 以上のように、本発明によれば、光学素 の一部が、封止樹脂または透明板の側壁と するように該光学素子が形成されているこ によって、光学素子の端部の形状を自由に 定し得る、または透明板の側壁を光学素子 よって覆うことができるので、迷光(光学素 子の端部付近に入射した光の反射光)が有効 素領域に入射してしまうという従来の課題 解決し得る。よって、簡便で安価な方法を いて小型化および薄型化を達成し、高い性 を付与した固体撮像装置を提供することが きるという効果を奏する。

 発明の詳細な説明の項においてなされた 体的な実施形態または実施例は、あくまで 、本発明の技術内容を明らかにするもので って、そのような具体例にのみ限定して狭 に解釈されるべきものではなく、本発明の 神と次に記載する請求の範囲内において、 ろいろと変更して実施することができるも である。

 本発明によれば、簡便で安価な方法を用 て小型化および薄型化を達成し、かつ高い 頼性(耐環境性)および性能を付与した固体 像装置を提供することができるので、被写 からの光に基づいて画像を形成するための 学機器全般に適用可能である。特に、携帯 話用のカメラモジュールやデジタルカメラ どに適用することが有効である。装置の小 ・薄型化かつ広角化の用途に利用すること できる。