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Patent Searching and Data


Title:
STEERING DEVICE WITH VARIABLE STEERING ANGLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019909
Kind Code:
A1
Abstract:
A steering device with variable steering angle has a relatively simple structure manufacturable at low cost and capable of applying a necessary steering angle to steered wheels based on minimum operation of a steering wheel (1) even if an electric motor (11) fails. An intermediate rotation tube (10) is supported between an input shaft (8) rotated as the steering wheel (1) is rotated and an output shaft (9) for applying a steering angle to the steered wheels as the output shaft (9) is rotated. The intermediate rotation tube (10) is supported so as to be coaxial with and rotatable relative to the shafts (8, 9). The electric motor (11) can rotationally drive the intermediate rotation tube (10). An eccentric plate (12) for forming a ball type transmission (37) has a center axis eccentric relative to the center axis of the both shafts (8, 9) and is supported on the inner diameter side of the intermediate rotation tube (10) so as to be rotatable about the center axis. The ratio of rotation speeds between the input shaft (8) and the output shaft (9) is adjustable by changing the rotational direction and the rotational speed of the electric motor (11).

Inventors:
SUGITA SUMIO
ENDO SHUJI
Application Number:
PCT/JP2008/057037
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
April 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NSK LTD (JP)
SUGITA SUMIO
ENDO SHUJI
International Classes:
B62D5/04; B62D1/16; F16H1/32; F16H3/72; F16H25/06; B62D5/30
Foreign References:
JP2008120153A2008-05-29
JP2006142931A2006-06-08
JP2003172419A2003-06-20
JPS5869146U1983-05-11
JPS6121861A1986-01-30
JPS6148870U1986-04-02
JP2006143029A2006-06-08
JP2006117033A2006-05-11
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 ステアリングホイールの回転に伴って回転する入力軸と回転に伴って操舵輪に舵角を付与する出力軸とのうちの一方である第一回転軸と、
 前記第一回転軸と同心に、且つ、前記第一回転軸に対する相対回転を自在に支持された、前記入力軸と前記出力軸とのうちの他方である第二回転軸と、
 前記第二回転軸と前記第一回転軸との間に、前記第一回転軸及び第二回転軸と同心に、且つ、前記第一回転軸及び第二回転軸に対する相対回転を可能に支持された中間回転筒と、
 前記中間回転筒を両方向に回転駆動する為の回転駆動手段と、
 前記第一回転軸及び第二回転軸と平行で且つ前記両回転軸に対し偏心した中心軸を中心とする回転を可能として前記中間回転筒の一部に支持された回転伝達部材と、
 前記第一回転軸と前記回転伝達部材との間で回転を伝達する為の第一回転伝達手段と、
 前記回転伝達部材と前記第二回転軸との間で回転を伝達する為の第二回転伝達手段と、を備えた舵角可変式ステアリング装置。
 前記中間回転筒がハウジングの内側に回転自在に支持されており、
 前記回転駆動手段が、前記中間回転筒の外周面に設けられたロータと、前記ハウジングの内面で前記ロータと対向する部分に設けられたステータとを有する電動モータである、請求項1に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記第一回転伝達手段と第二回転伝達手段とのうちの少なくとも一方の回転伝達手段が、互いに軸方向に対向する1対の面にそれぞれ形成されたサイクロイド波形状又はトロコイド波形状の案内溝と、前記両案内溝同士の間に挟持された複数個のボールとを有するボール式変速装置である、請求項1に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記回転伝達部材が、軸方向両側面に案内溝を形成した円板状であり、
 前記第一回転伝達手段が、第一回転軸若しくは前記第一回転軸と共に回転する第一回転部材の端面に形成された第一回転軸側案内溝と、前記回転伝達部材の軸方向両側面のうちで前記第一回転軸側案内溝に対向する軸方向片側面部分に形成された回転伝達部材側第一案内溝と、前記回転伝達部材側第一案内溝と前記第一回転軸側案内溝との間に挟持された複数個の第一ボールとを有し、
 前記回転伝達部材側第一案内溝及び第一回転軸側案内溝は、直径が互いに同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系波形状又はトロコイド波形状であって、前記回転伝達部材の中心軸と前記第一回転軸の中心軸との偏心量分だけ互いに偏心しており、
 前記第二回転伝達手段が、第二回転軸若しくは前記第二回転軸と共に回転する第二回転部材の端面に形成された第二回転軸側案内溝と、前記回転伝達部材の軸方向両側面のうちで前記第二回転軸側案内溝に対向する前記軸方向他側面部分に形成された回転伝達部材側第二案内溝と、前記回転伝達部材側第二案内溝と前記第二回転軸側案内溝との間に挟持された複数個の第二ボールとを有し、
 前記回転伝達部材側第二案内溝及び第二回転軸側案内溝は、直径が互いに同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系波形状又はトロコイド波形状であって、前記回転伝達部材の中心軸と前記第二回転軸の中心軸との偏心量分だけ互いに偏心しており、
 前記回転伝達部材側第一案内溝の波数と前記回転伝達部材側第二案内溝の波数とが互いに異なる、請求項3に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記回転伝達部材側第一案内溝と第一回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝が、波数がNであるハイポサイクロイド形状又はハイポトロコイド形状であり、同じく他方の案内溝が、波数が「N-2」であるエピサイクロイド形状又はエピトロコイド形状であり、前記回転伝達部材側第一案内溝と前記第一回転軸側案内溝との間で、前記回転伝達部材の軸方向に関して前記回転伝達部材側第一案内溝と第一回転軸側案内溝とが重畳する部分に、「N-1」個のボールが配置されており、
 前記回転伝達部材側第二案内溝と第二回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝が、波数がMであるハイポサイクロイド形状又はハイポトロコイド形状であり、同じく他方の案内溝が、波数が「M-2」であるエピサイクロイド形状又はエピトロコイド形状であり、前記回転伝達部材側第二案内溝と前記第二回転軸側案内溝との間で、前記回転伝達部材の軸方向に関して前記回転伝達部材側第二案内溝と第二回転軸側案内溝とが重畳する部分に、「M-1」個のボールが配置されている、請求項4に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記回転伝達部材側第一案内溝及び第一回転軸側案内溝と前記各ボールとの接触部、並びに、前記回転伝達部材側第二案内溝及び第二回転軸側案内溝との接触部の滑りの要素を大きく設定する事により、前記回転駆動手段が前記回転伝達部材を回転駆動しない状態で、前記回転伝達部材と第一、第二両回転軸とが同期して回転自在としている、請求項4に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記回転伝達部材側第一案内溝、前記第一回転軸側案内溝、前記回転伝達部材側第二案内溝、前記第二回転軸側案内溝の断面形状が、それぞれゴシックアーチ状である、請求項6に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記回転伝達部材が、前記第一回転軸の端部に支持された外歯歯車であり、
 前記第一回転伝達手段が、前記外歯歯車と第一回転軸とを、径方向に関する相対変位及び回転力の伝達を可能に結合する結合部材であり、
 前記第二回転伝達手段が、前記第二回転軸の基端部に前記第二回転軸と同心に、且つ、前記第二回転軸と同期した回転を自在に結合され、前記外歯歯車と噛合した内歯歯車である、請求項1に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記結合部材が、それぞれの基半部を前記第一回転軸に固定し、それぞれの先半部を前記第一回転軸の端部から軸方向に突出させた複数本の結合ピンであり、
 前記各結合ピンの先半部は、外歯歯車に形成した、それぞれが前記各結合ピンの先半部の外径よりも大きな内径を有する複数の通孔に挿入される、請求項8に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記中間回転筒に凹凸係合部が設けられており、前記中間回転筒を収納したハウジング内で前記凹凸係合部に対向する部分に、アクチュエータにより前記中間回転筒に対し遠近動して前記凹凸係合部と係脱するストッパ片が設けられている、請求項1に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記出力軸の外周面に外嵌固定したウォームホイールと、前記電動モータの出力軸に固定したウォームとを噛合させる事で電動式パワーステアリング装置を構成すると共に、前記出力軸を通過するトルクを測定する為のトルクセンサを設け、前記トルクセンサが測定した前記出力軸を通過するトルクの値に基づき、前記電動モータへの通電量を制御する、請求項1に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記出力軸が、円管状の外筒と、前記外筒内に挿入されてその出力側端部を前記外筒の出力側端部に結合固定したトーションバーとを有し、
 前記ウォームホイールが前記外筒に外嵌固定されており、前記トーションバーの入力側端部で前記外筒から突出した部分は、前記出力軸を回転駆動する部分に結合固定されており、
 前記トルクセンサが、前記ウォームホイールを軸方向両側から挟む2個所位置にそれぞれ設けられて、前記トーションバーの入力側端部と前記外筒との間の捩れ角度を測定する、1対の回転角センサである、請求項11に記載した舵角可変式ステアリング装置。
 前記出力軸が、円管状の外筒と、前記外筒内に挿入されてその出力側端部を前記外筒の出力側端部に結合固定したトーションバーとを有し、
 前記ウォームホイールが前記外筒に外嵌固定されており、前記トーションバーの入力側端部で前記外筒から突出した部分は、前記出力軸を回転駆動する部分に結合固定されており、
 前記トルクセンサが、前記トーションバーの入力側端部と前記外筒との間に設けられて、前記トーションバーの入力側端部と外筒との相対回転に伴って出力を変化させる、磁気式のトルクセンサである、請求項11に記載した舵角可変式ステアリング装置。
Description:
舵角可変式ステアリング装置

 この発明は、自動車の操舵輪(フォークリ フト等の特殊車両を除き、一般的には前輪) 舵角を付与する為のステアリング装置のう 、ステアリングホイールの操作量と上記操 輪に付与される舵角との関係を調節可能な 舵角可変式ステアリング装置の改良に関す 。

 自動車用のステアリング装置は、例えば 12に示す様に構成されている。運転者がス アリングホイール1の操作に基づいてステア ングシャフト2を回転させると、この回転は 、自在継手3と中間シャフト4とを介してステ リングギヤユニット5の入力軸6に伝達され 。すると、このステアリングギヤユニット5 、この入力軸6の回転に伴って左右1対のタ ロッド7、7を押し引きし、操舵輪に舵角を付 与する。この様なステアリング装置で、上記 ステアリングホイール1の操舵角が小さい場 には、操舵量に比べて舵角の変化量を少な 抑え、操舵角が大きくなると操舵量に比べ 舵角の変化量を大きくする、所謂バリアブ ステアリング装置は、従来から一般的に使 されている。

 又、車速に応じて上記操舵量と舵角の変 量との関係を変化させる舵角可変式ステア ング装置に就いても、一部のスポーツカー 搭載されており、その構造に就いても、例 ば非特許文献1に記載される等により従来か ら知られている。この様な従来から実施され ている舵角可変式ステアリング装置は、基端 部に設けた枢軸を中心として揺動変位するピ ニオンギヤに形成した長孔の内側に、ステア リングホイールの操作に基づいて回転する入 力軸により揺動変位するピンを遊合させてい る。そして、車速に応じてこのピンを上記長 孔に沿って変位させる事により、上記操舵量 と舵角の変化量との関係を変化させる。この 従来構造は、一種の無段変速機を利用したも のであり、この操舵量と舵角の変化量との関 係(操舵比)を変化させる事はできるが、舵角 のものを上記ステアリングホイールの操作 独立して調節する事はできない。従って、 えば走行状態が不安定になった場合に、ス アリングホイールの操作に関係なく操舵輪 舵角を付与する、所謂カウンターステアを なう事はできない。

 これに対して、特許文献1~3には、無段変 機ではなく、差動機構をステアリング装置 組み込む事により、上記操舵量と舵角の変 との関係を自由に変更する事が可能な、舵 可変式ステアリング装置に関する発明が記 されている。上記特許文献1~3に記載された 角可変式ステアリング装置は、ステアリン ホイールの回転に伴って回転する入力軸と 回転に伴って操舵輪に舵角を付与する出力 との間に遊星歯車機構を設けると共に、こ 遊星歯車機構の構成部材の一部を電動モー により、所望の方向に所望の回転速度で回 駆動自在としている。

 この様な特許文献1~3に記載された舵角可 式ステアリング装置のうち、特許文献1~2に 載された構造の場合には、構造が複雑であ 為、コストが嵩む。又、特許文献1に記載さ れた構造の場合、電動モータが故障した場合 に、操舵量と舵角の変化量との関係が1:1から 大きく外れた状態となる。具体的には、必要 とする舵角を得る為に必要となる、ステアリ ングホイールの操作量が徒に大きくなる。こ れに対して特許文献2に記載された構造の場 には、電動モータの故障時に、操舵量と舵 の変化量との関係を、凡そ1:1にできるが、 歯車の摩擦損失に基づく回転抵抗が大きく り、大きな操舵力を要する事が避けられな ものと考えられる。

 一方、特許文献3に記載された構造の場合 には、上述した特許文献1、2に記載された構 の場合に生じる様な不都合を生じない代わ に、次の様な問題を生じる。即ち、操舵量 舵角の変化量との関係を変える為の電動モ タが、ステアリングシャフトと共に回転す 構造である為、構造が複雑で、小型・軽量 が難しい。しかも、このステアリングシャ トの回転に拘らず、上記電動モータに通電 たり、センサの検出信号を取り出したりす 為のスパイラルケーブルやスリップリング 必要になる。これらの部品は、使用時に繰 返し撓み量を変化させる可動部品であった 、摺動部品であったりする為、長期間に亙 使用に対応して十分な信頼性を確保する事 難しく、コストが嵩む。更に、比較的重量 嵩む上記電動モータの慣性力や、この電動 ータの起動、停止に伴う反力が上記ステア ングシャフトを介してステアリングホイー に伝わる為、このステアリングホイールを 作する運転者に違和感を与え易いものと考 られる。

 尚、後述する、本発明の舵角可変式ステ リング装置の第1、3、4実施形態に組み込む ール式変速装置を記載した刊行物として、 えば特許文献4~6がある。これら各特許文献 は、ボール式変速装置の構造及び作用が詳 く記載されている。但し、これら各特許文 には、ボール式変速装置を舵角可変式ステ リング装置の舵角可変機構に使用する事に いては記載されていない。勿論、ボール式 速装置を舵角可変式ステアリング装置に組 込む場合に、何れの部材を電動モータで回 駆動すれば良いかと言った事は全く記載さ ていない。

特開平10-287250号公報

特開2002-240729号公報

特許第3189627号公報

特公平7-62495号公報

特許第2863529号公報

特開2003-172419号公報 自動車雑誌「カー・アンド・ドライバー 」、ダイヤモンド社、平成12年8月10日、通巻2 3巻15、p.45-47

 本発明は、上述の様な事情に鑑みて、比 的簡単な構造で安価に製作でき、必要に応 て、電動モータの故障時にも、必要最低限 ステアリングホイールの操作に基づいて操 輪に対し必要な舵角を付与できる、舵角可 式ステアリング装置の構造を実現すべく発 したものである。

 本発明の舵角可変式ステアリング装置は、 一回転軸と、第二回転軸と、中間回転筒と 回転駆動手段と、回転伝達部材と、第一回 伝達手段と、第二回転伝達手段とを備える
 このうちの第一回転軸は、ステアリングホ ールの回転に伴って回転する入力軸と、回 に伴って操舵輪に舵角を付与する出力軸と うちの一方である。
 又、上記第二回転軸は、上記入力軸と上記 力軸とのうちの他方であって、上記第一回 軸と同心に、且つ、この第一回転軸に対す 相対回転を自在に支持されている。
 又、上記中間回転筒は、上記第一回転軸と 記第二回転軸との間に、これら第一回転軸 び第二回転軸と同心に、且つ、これら第一 転軸及び第二回転軸に対する相対回転を可 に支持されている。
 又、上記回転駆動手段は、上記中間回転筒 両方向に回転駆動する為のものである。こ 様な回転駆動手段は、例えば、電動モータ する。この場合には、上記中間回転筒をハ ジングの内側に回転自在に支持し、この中 回転筒の外周面にロータを、このハウジン の内面でこのロータと対向する部分にステ タを、それぞれ設ける。
 又、上記回転伝達部材は、上記第一回転軸 び第二回転軸と平行で且つこれら両回転軸 対し偏心した中心軸を中心とする回転を可 として、上記中間回転筒の一部に支持され いる。
 又、前記第一回転伝達手段は、上記第一回 軸と上記回転伝達部材との間で回転を伝達 る為のものである。
 更に、前記第二回転伝達手段は、上記回転 達部材と上記第二回転軸との間で回転を伝 する為のものである。

 上述の様な本発明の舵角可変式ステアリン 装置を実施する場合に、第一、第二両回転 同士の間に組み込んで、電動モータの回転 向及び回転速度に応じてこれら両回転軸同 の間の変速比を変える変速機としては、ボ ル式変速装置、或いは、歯車伝達機構を採 できる。
 例えば、上記第一回転伝達手段と上記第二 転伝達手段とのうちの少なくとも一方の回 伝達手段を、互いに軸方向に対向する1対の 面にそれぞれ形成されたサイクロイド波形状 又はトロコイド波形状の案内溝と、これら両 案内溝同士の間に挟持された複数個のボール とを有するボール式変速装置とする。

 なお、上記第一回転伝達手段と上記第二回 伝達手段との双方をボール式変速装置とす 場合、例えば、以下の様に構成する。
 先ず、上記回転伝達部材を、軸方向両側面 案内溝を形成した円板状とする。
 又、上記第一回転伝達手段を、上記第一回 軸若しくはこの第一回転軸と共に回転する 一回転部材の端面に形成された第一回転軸 案内溝と、上記回転伝達部材の軸方向両側 のうちでこの第一回転軸側案内溝に対向す 軸方向片側面部分に形成された回転伝達部 側第一案内溝と、この回転伝達部材側第一 内溝と上記第一回転軸側案内溝との間に挟 された複数個の第一ボールとから構成する そして、これら回転伝達部材側第一案内溝 び第一回転軸側案内溝を、直径が互いに同 であるピッチ円に沿うサイクロイド系波形 又はトロコイド波形状とし、上記回転伝達 材と上記第一回転軸との偏心分だけ、互い 偏心させる。
 又、上記第二回転伝達手段を、上記第二回 軸若しくはこの第二回転軸と共に回転する 二回転部材の端面に形成された第二回転軸 案内溝と、上記回転伝達部材の軸方向両側 のうちでこの第二回転軸側案内溝に対向す 上記軸方向他側面部分に形成された回転伝 部材側第二案内溝と、この回転伝達部材側 二案内溝と上記第二回転軸側案内溝との間 挟持された複数個の第二ボールとから構成 る。そして、これら回転伝達部材側第二案 溝及び第二回転軸側案内溝を、直径が互い 同じであるピッチ円に沿うサイクロイド系 形状又はトロコイド波形状とし、上記回転 達部材の中心軸と上記第二回転軸の中心軸 の偏心量分だけ、互いに偏心させる。
 更に、上記回転伝達部材側第一案内溝の波 と、上記回転伝達部材側第二案内溝の波数 を、互いに異ならせる。

 上述したボール式変速装置を利用した舵 可変式ステアリング装置を実施する場合に ましくは、上記回転伝達部材側第一案内溝 上記第一回転軸側案内溝とのうちの一方の 内溝を、波数がNであるハイポサイクロイド 形状又はハイポトロコイド形状とし、同じく 他方の案内溝を、波数が「N-2」であるエピサ イクロイド形状又はエピトロコイド形状とす る。そして、上記回転伝達部材側第一案内溝 と上記第一回転軸側案内溝との間で、回転伝 達部材の軸方向に関してこれら回転伝達部材 側第一案内溝と第一回転軸側案内溝とが重畳 する部分に、「N-1」個のボールを配置する。 一方、上記回転伝達部材側第二案内溝と上記 第二回転軸側案内溝とのうちの一方の案内溝 を、波数がM(≠N)であるハイポサイクロイド 状又はハイポトロコイド形状とし、同じく 方の案内溝を、波数が「M-2」であるエピサ クロイド形状又はエピトロコイド形状とす 。そして、上記回転伝達部材側第二案内溝 上記第二回転軸側案内溝との間で、上記回 伝達部材の軸方向に関してこれら回転伝達 材側第二案内溝と第二回転軸側案内溝とが 畳する部分に、「M-1」個のボールを配置す 。

 又、上述したボール式変速装置を利用し 舵角可変式ステアリング装置を実施する場 に好ましくは、上記回転伝達部材側第一案 溝及び上記第一回転軸側案内溝と上記各ボ ルとの接触部、並びに、上記回転伝達部材 第二案内溝及び上記第二回転軸側案内溝と 接触部の滑りの要素を大きく設定する。こ 為に、例えば、上記回転伝達部材側第一、 一回転軸側、回転伝達部材側第二、第二回 軸側、各案内溝の断面形状を、それぞれゴ ックアーチ状とする。そして、前記回転駆 手段が回転伝達部材を回転駆動しない状態 、この回転伝達部材と前記第一、第二両回 軸とが同期して回転自在とする。

 一方、歯車伝達機構を使用した構造は、例 ば、以下の様に構成する。
 先ず、前記回転伝達部材を、前記第一回転 の端部に支持された外歯歯車とする。又、 記第一回転伝達手段を、これら外歯歯車と 一回転軸とを、径方向に関する相対変位及 回転力の伝達を可能に結合する結合部材と る。この結合部材は、例えば請求項9に記載 した様に、それぞれの基半部を上記第一回転 軸に固定し、それぞれの先半部をこの第一回 転軸の端部から軸方向に突出させた複数本の 結合ピンとする。そして、これら各結合ピン の先半部を、外歯歯車に形成した、それぞれ がこれら各結合ピンの先半部の外径よりも大 きな内径を有する複数の通孔に挿入する。
 又、前記第二回転伝達手段を、前記第二回 軸の基端部にこの第二回転軸と同心に、且 、この第二回転軸と同期した回転を自在に 合され、上記外歯歯車と噛合した内歯歯車 する。

 又、例えば、上述した歯車伝達機構を利 した舵角可変式ステアリング装置を実施す 場合に好ましくは、上記中間回転筒に凹凸 合部を設ける。そして、上記中間回転筒を 納したハウジング内でこの凹凸係合部に対 する部分に、アクチュエータによりこの中 回転筒に対し遠近動してこの凹凸係合部と 脱する、ストッパ片を設ける。尚、この様 ストッパ機構は、上記歯車伝達機構を利用 た舵角可変式ステアリング装置を実施する 合に限らず、前述の様なボール式変速装置 利用した舵角可変式ステアリング装置を実 する場合にも利用可能である。

 尚、本発明を実施する場合に、舵角可変 ステアリング装置に電動式パワーステアリ グ装置を組み込む事もできる。例えば、前 出力軸の外周面に外嵌固定したウォームホ ールと、前記電動モータの出力軸に固定し ウォームとを噛合させる事で電動式パワー テアリング装置を構成すると共に、前記出 軸を通過するトルクを測定する為のトルク ンサを設け、前記トルクセンサが測定した 記出力軸を通過するトルクの値に基づき、 記電動モータへの通電量を制御することも 能である。

 この場合、例えば、出力軸が、円管状の 筒と、前記外筒内に挿入されてその出力側 部を前記外筒の出力側端部に結合固定した ーションバーとを有し、ウォームホイール 前記外筒に外嵌固定されており、トーショ バーの入力側端部で前記外筒から突出した 分は、出力軸を回転駆動する部分に結合固 されており、トルクセンサが、ウォームホ ールを軸方向両側から挟む2個所位置にそれ ぞれ設けられて、トーションバーの入力側端 部と外筒との間の捩れ角度を測定する、1対 回転角センサであるように構成されてもよ 。

 又、例えば、出力軸が、円管状の外筒と 外筒内に挿入されてその出力側端部を外筒 出力側端部に結合固定したトーションバー を有し、ウォームホイールが外筒に外嵌固 されており、トーションバーの入力側端部 外筒から突出した部分は、出力軸を回転駆 する部分に結合固定されており、トルクセ サが、トーションバーの入力側端部と外筒 の間に設けられて、トーションバーの入力 端部と外筒との相対回転に伴って出力を変 させる、磁気式のトルクセンサであるよう 構成されてもよい。

 上述の様に構成する本発明の舵角可変式 テアリング装置によれば、比較的簡単な構 で安価に製作できる。又、必要に応じて、 動モータの故障時にも、必要最低限のステ リングホイールの操作に基づいて操舵輪に し必要な舵角を付与でき、しかも、その状 でもこのステアリングホイールを操作する に要する力が過度に大きくならない構造を 現できる。

本発明の第1実施形態を示す断面図。 図1のA部拡大図。 (a)は、第一ボール変速機構を構成する 入力軸側案内溝と偏心プレート側第一案内 と複数個の入力側ボールとの関係を、(b)は 第二ボール変速機構を構成する、出力軸側 内溝と偏心プレート側第二案内溝と複数個 出力側ボールとの関係を、それぞれ図1~2の 下方向から見た状態で示す模式図。 上記各案内溝の断面形状を示す、図2の B部拡大図。 本発明の第2実施形態を示す要部断面図 。 歯車伝達機構の分解斜視図。 本発明の第3実施形態を示す断面図。 図7のC部拡大図。 図8のD-D断面図。 本発明の第4実施形態を示す断面図。 図10のE部拡大図。 ステアリング装置の1例を示す斜視図

符号の説明

  1  ステアリングホイール
  2  ステアリングシャフト
  3  自在継手
  4  中間シャフト
  5  ステアリングギヤユニット
  6  入力軸
  7  タイロッド
  8、8a 入力軸
  9、9a 出力軸
 10、10a、10b、10c 中間回転筒
 11、11a 電動モータ
 12  偏心プレート
 13、13a 第一ボール変速機構
 14  第二ボール変速機構
 15、15a ステアリングコラム
 16  入力側回転角センサ
 17、17a ハウジング
 18、18a 大径部
 19、19a 小径部
 20、20a 段付部
 21、21a 転がり軸受
 22、22a、22b ロータ
 23、23a ステータ
 24、24a、24b、24c 制御用回転角センサ
 25、25a 転がり軸受
 26  取付フランジ
 27、27a 駆動リング
 28  突出軸部
 29、29a 転がり軸受
 30  入力軸側案内溝
 31  偏心プレート入力側案内溝
 32  入力側ボール
 33  鍔部
 34  出力軸側案内溝
 35  偏心プレート出力側案内溝
 36  出力側ボール
 37、37a ボール式変速装置
 38  ナット
 39  外歯歯車
 40  結合ピン
 41  支持鍔部
 42  支持板部
 43  歯車部
 44  通孔
 45  内歯歯車
 46  結合板
 47  凹凸係合部
 48  アクチュエータ
 49  ストッパ片
 50  出力ロッド
 51  円筒部
 52  インナシャフト
 53  アウタチューブ
 54  インナコラム
 55  アウタコラム
 56  電動式パワーステアリング装置
 57  電動モータ
 58  外筒
 59  トーションバー
 60  出力部材
 61a、61b ピン
 62  ウォームホイール
 63  ウォーム
 64a、64b 回転角センサ
 65  スラスト軸受
 66  転がり軸受
 67  従動リング
 68  転がり軸受
 69  カバー
 70  ファイナルバックアップ機構
 71  係合凹部
 72  係合凸部
 73  サポート軸受
 74  ダストシール
 75  トルクセンサ
 76  被検出リング
 77  検出リング
 78  ハンドルスイッチパック
 79  センサギア
 80  予圧間座

  [第1実施形態]
 図1~4は、本発明の第1実施形態を示している 。本実施形態の舵角可変式ステアリング装置 は、第一回転軸である入力軸8と、第二回転 である出力軸9と、中間回転筒10と、回転駆 手段である電動モータ11と、回転伝達部材で ある偏心プレート12と、第一回転伝達手段で る第一ボール変速機構13と、第二回転伝達 段である第二ボール変速機構14とを備える。 このうちの入力軸8は、ステアリングコラム15 の内径側に、1対の転がり軸受により回転自 に支持されたもので、ステアリングホイー 1の回転に伴って回転する。この様な入力軸8 の回転角度(及び必要に応じて回転角速度)は 上記ステアリングコラム15の一端部(上記ス アリングホイール1側端部である、図1の上 部)に設置した、入力側回転角センサ16によ 検出自在としている。又、上記出力軸9は、 の入力側端部(図1の上端部)を、上記ステア ングコラム15の他端部(上記ステアリングホ ール1と反対側端部である、図1の下端部)に 合固定したハウジング17内に、上記入力軸8 同心に、且つ、この入力軸8に対する相対回 転を自在に支持している。

 又、上記中間回転筒10は、上記ハウジン 17内で上記入力軸8と上記出力軸9との間部分 、これら入力軸8及び出力軸9と同心に、且 、これら入力軸8及び出力軸9に対する相対回 転を可能に支持されている。尚、上記中間回 転筒10がこれら入力軸8及び出力軸9と同心で るとは、この回転中間筒10の外周面を基準と した状態である。本実施形態の場合、この中 間回転筒10は、大径部18と小径部19とを段付部 20により連続させる事で、断面クランク型で 体を段付円筒状に形成している。この様な 間回転筒10は、上記小径部19を上記出力軸9 外周面に、転がり軸受21により回転自在に支 持する事で、この出力軸9を介して上記ハウ ング17内に、回転自在に支持している。

 上述の様な中間回転筒10は、上記ハウジ グ17内に設置した前記電動モータ11により、 望の方向に所望の回転速度で、回転駆動自 としている。この為に本実施形態の場合に 、上記中間回転筒10の外周面にロータ22を、 上記ハウジング17の一部内面でこのロータ22 対向する部分にステータ23を、それぞれ設け ている。又、上記小径部19の外周面と上記ハ ジング17の他部内面との間に、制御用回転 センサ24を設けている。本実施形態の場合、 この制御用回転角センサ24として、レゾルバ 使用している。この構成により、上記中間 転筒10を、所望の方向に所望の回転速度で この回転速度を適切に規制しつつ、回転駆 自在としている。

 上述の様な中間回転筒10を構成する、上 大径部18の径方向に関する肉厚は、円周方向 に関して漸次変化させている。従って、この 大径部18の内周面の中心軸は、上記入力軸8及 び上記出力軸9に対し偏心している。そして この大径部18の内径側に前記偏心プレート12 、深溝型の玉軸受等の転がり軸受25により 回転自在に支持している。この様な構成に り、上記偏心プレート12を、上記入力軸8及 上記出力軸9と平行で且つこれら両軸8、9に し偏心した中心軸βを中心とする回転を可能 として、上記中間回転筒10の内径側に支持し いる。

 上述の様にして、上記大径部18の内径側 回転自在に支持した、上記偏心プレート12の 軸方向両側面と上記入力軸8及び上記出力軸9 の間に、前記第一ボール変速機構13と前記 二ボール変速機構14とを設置している。そし て、このうちの第一ボール変速機構13により 上記入力軸8から上記偏心プレート12に、上 第二ボール変速機構14によりこの偏心プレ ト12から上記出力軸9に、それぞれ回転を減 しつつ伝達可能としている。但し、上記入 軸8とこの出力軸9との間の回転速度比は、前 記電動モータ11により上記偏心プレート12の 転方向及び回転速度を調節する事で、調節 能である。

 上記両ボール変速機構13、14のうちの第一 ボール変速機構13を構成する為、上記入力軸8 の先端部(図1の下端部)で前記ハウジング17内 位置する部分に取付フランジ部26を固設し この取付フランジ部26に、第一回転部材であ る駆動リング27を結合固定している。この駆 リング27の内周面と、上記出力軸9の基端部( 図1の上端部)に形成した突出軸部28の外周面 の間に転がり軸受29を設けて、上記駆動リン グ27と上記出力軸9との同心性を厳密に確保で きる様にしている。更に本実施形態の場合に は、上記突出軸部28の先端部に螺合したナッ 38により、上記転がり軸受29を介して、上記 駆動リング27と後述する鍔部33との間に、互 に近付く方向の力を付与している。又、上 駆動リング27の軸方向両端面のうち、上記偏 心プレート12に対向する端面に、第一回転軸 案内溝である入力軸側案内溝30を形成して る。又、上記偏心プレート12の軸方向両側面 のうちでこの入力軸側案内溝30に対向する軸 向片側面部分に、回転伝達部材側第一案内 である、偏心プレート入力側案内溝31を形 している。これら両案内溝30、31のピッチ円 径は互いに同じである。又、入力軸側案内 30のピッチ円の中心は、前記入力軸8の中心 α上に存在し、偏心プレート入力側案内溝31 のピッチ円の中心は、上記偏心プレート12の 転中心軸β上に存在する。本実施形態の場 には、図3の(A)に示す様に、上記入力軸側案 溝30をエピサイクロイド形状とし、上記偏 プレート入力側案内溝31をハイポサイクロイ ド形状としている。この偏心プレート入力側 案内溝31の形状と上記入力軸側案内溝30の形 とは、互いに逆にしても良い。

 何れにしても、エピサイクロイド形状の 内溝の波数が、ハイポサイクロイド形状の 内溝の波数よりも2個だけ少ない。本実施形 態の場合には、ハイポサイクロイド形状であ る上記偏心プレート入力側案内溝31の波数をN とし、エピサイクロイド形状である上記入力 軸側案内溝30の波数を「N-2」としている。そ て、上記偏心プレート入力側案内溝31と上 入力軸側案内溝30との間で、偏心プレート12 軸方向に関してこれら偏心プレート入力側 内溝31と入力軸側案内溝30とが重畳する部分 に、「N-1」個の入力側ボール32、32を配置し いる。

 又、前記第二ボール変速機構14を構成す 為、前記出力軸9の基端寄り部分の外周面に 向フランジ状の鍔部33を形成し、この鍔部33 の軸方向両端面のうちで上記偏心プレート12 対向する端面に、第二回転軸側案内溝であ 出力軸側案内溝34を形成している。又、上 偏心プレート12の軸方向両側面のうちでこの 出力軸側案内溝34に対向する軸方向他側面部 に、回転伝達部材側第二案内溝である、偏 プレート出力側案内溝35を形成している。 れら両案内溝34、35のピッチ円直径は互いに じである。又、出力軸側案内溝34のピッチ の中心は、上記出力軸9の中心軸α上に存在 、偏心プレート出力側案内溝35のピッチ円の 中心は、上記偏心プレート12の回転軸β上に 在する。本実施形態の場合には、図3の(B)に す様に、上記出力軸側案内溝34をエピサイ ロイド形状とし、上記偏心プレート出力側 内溝35をハイポサイクロイド形状としている 。この偏心プレート出力側案内溝35の形状と 記出力軸側案内溝34の形状とは、互いに逆 しても良い。

 何れにしても、エピサイクロイド形状の 内溝の波数が、ハイポサイクロイド形状の 内溝の波数よりも2個だけ少ない。本実施形 態の場合には、ハイポサイクロイド形状であ る上記偏心プレート出力側案内溝35の波数をM とし、エピサイクロイド形状である上記出力 軸側案内溝34の波数を「M-2」としている。そ て、上記偏心プレート出力側案内溝35と上 出力軸側案内溝34との間で、偏心プレート12 軸方向に関してこれら偏心プレート出力側 内溝35と出力軸側案内溝34とが重畳する部分 に、「M-1」個の出力側ボール36、36を配置し いる。上記偏心プレート入力側案内溝31の波 数Nと上記偏心プレート出力側案内溝35の波数 Mとは、互いに異ならせている(N≠M)。上記各 力側ボール36、36と前記各入力側ボール32、3 2とには、前記ナット38の緊締に基づき、予圧 を付与している。従って、上記各ボール32、3 6と上記各案内溝31、30、35、34との転がり接触 部ががたつく事はない。

 それぞれが上述の様な構成を有し、前記 間回転筒10を介して組み合わされた、前記 一ボール変速機構13と前記第二ボール変速機 構14とを有するボール式変速装置37を備えた 本実施形態の舵角可変式ステアリング装置 場合には、上記中間回転筒10の回転制御によ って、前記入力軸8と前記出力軸9との回転速 比(相対角)を自由に変更できる。この様な 実施形態の舵角可変式ステアリング装置の 用は、前述の特許文献6に記載されているボ ル式変速装置を、固定部を持たない差動機 として看做す事により説明できる。即ち、 記特許文献6のハウジング(11)及び第一動力 (12)を本発明の入力軸8とし、この特許文献6 出力軸(21)を本実施形態の構造の出力軸9とし 、この特許文献6のクランク軸(20)を本実施形 の構造の中間回転筒10と看做す事により、 記入力軸8と上記出力軸9との間に相対角を生 じさせる為の差動動作を説明できる。

 例えば、前記ステアリングホイール1を保持 して上記入力軸8を固定した状態では、上記 許文献6に記載されたボール式変速装置と同 の動作を行なう。この状態での、上記出力 9が1回転する間での上記中間回転筒10の回転 数を、上記ボール変速装置37の減速比Kとする 。この減速比Kは、上記特許文敵6に記載され いる様に、自由に設計する事ができる。一 、上記ステアリングホイール1が操作されて 、上記入力軸8が回転する場合は、機構全体 回転すると考えれば、次の(1) 式の関係が成 り立つ事が分かる。
  K=(N 10 -N 8  )/(N 9  -N 8  ) --- (1) 
 この(1) 式中の符号N 8  、N 9 、N 10 は、それぞれ入力軸8、出力軸9、中間回転筒1 0の回転数若しくは回転角度を表している。

 一方、上記減速比Kは、前記各案内溝30、31 34、35の波数によって定まる、設計可能な定 である。これらの事を考慮すれば、上記入 軸8の回転数若しくは回転角度N 8  が定まれば、上記中間回転筒10の回転数若 くは回転角度N 10 を適宜調節する事により、上記出力軸9の回 数若しくは回転角度N 9 を任意に調節できる事が分かる。即ち、本実 施形態の舵角可変式ステアリング装置は、上 記入力軸8と上記出力軸9との回転速度比(相対 角)を自由に変更できる構造となっている。

 例えば、上記中間回転筒10の回転数若しく 回転角度N 10 を次の(2) 式の様に設定した場合に就いて考 る。
  N 10 ={K(k-1)+1}N 8   --- (2) 
 この(2) 式を上記(1) 式に代入する事で、次 の(3) 式を得られる。
  N 9  =k・N 8  --- (3) 
 この(3) 式から明らかな通り、上記中間回 筒10の回転数若しくは回転角度N 10 を上記(2) 式の様に規制する事で、本実施形 の構造は、舵角比kの舵角可変式ステアリン グ装置となる。その他にも、前記電動モータ 11により上記中間回転筒10の回転数若しくは 転角度N 10 を操作して、出力軸角N 9 を自由に制御する事ができる。更には、車両 の横滑りやスピンを検知し、自動的に修正舵 (カウンターステア)を与える操作も可能とな 。

 尚、上記入力軸8及び上記中間回転筒10の回 数若しくは回転角度N 8  、N 10 は、前記入力側、制御用、両回転角センサ16 24により計測可能である。但し、スペース の都合で、このうちの入力側回転角センサ16 を設置できず、上記入力軸8の回転数若しく 回転角度N 8 を計測できない場合も考えられる。この様な 場合には、前記出力軸9側に、この出力軸9の 転数若しくは回転角度N 9  を計測する為の角度センサ(図示せず)を設 る。そして、この回転角度N 9 を使用して、上記(2) 式の代わりに次の(4)  を利用して制御を行なえば、上記入力軸8の 転数若しくは回転角度N 8  を計測した場合と同様に、上記(3) 式の様 制御を行なえる。
  N 10 ={K(1-1/k)+1/k}N 9  --- (4) 

 尚、本実施形態の舵角可変式ステアリン 装置を構成するボール式変速装置37は、前 した特許文献6に記載されたボール式変速装 の構造を基本としている。但し、特許文献6 に記載されたボール式変速装置の構造をその まま使用したのでは、この特許文献6に記載 れたボール式変速装置を構成するクランク を電動モータで回転させしかも回転角度を 御する為に、この電動モータ自身もボール 変速装置と共に回転させなければならず、 パイラルケーブル等の、高価で信頼性確保 難しい部品を必要とする。これに対して本 施形態の構造の場合には、上記舵角比kを変 させる為の部材として、外径側から偏心回 を制御可能な上記中間回転筒10を採用し、 記電動モータ11のステータ23を固定可能な構 としている。そして、上記スパイラルケー ル等の、高価で信頼性確保が難しい部品を 用する必要がない、簡単で安価に構成でき しかも信頼性を確保し易い構造を実現して る。

 更に、図示の例では、上記電動モータ11の 障時にも、前記入力軸8の回転を上記出力軸9 に伝達可能にすべく、次の(a)(b)の様な構成を 合わせ持たせている。
(a) 上記両ボール変速機構13、14から成るボー ル式変速装置37の減速比Kを高く(例えば20~100 度に)設定する。
(b) 前記偏心プレート入力側案内溝31及び前 入力軸側案内溝30と上記各入力側ボール32、3 2との接触部、並びに、上記偏心プレート出 側案内溝35及び上記出力軸側案内溝34と上記 出力側ボール36、36との接触部の滑りの要素 を大きく設定する。本実施形態の場合、この 様な設定を行なう為に、上記各案内溝31、30 35、34の断面形状を、それぞれ図4に示す様な ゴシックアーチ状としている。より具体的に は、これら各案内溝31、30、35、34と上記各ボ ル32、36とのレスト角θを25~60度とし、同じ 溝R比(これら各案内溝31、30、35、34の曲率半 R/上記各ボール32、36の直径Da)を0.505~0.54の範 囲に設定する。
 そして、上記(a)(b)の様な構成を合わせ持た る事により、上記電動モータ11が前記中間 転筒10を回転駆動せず、上記偏心プレート12 対し、外部から公転運動方向の力が加わら い状態で、この偏心プレート12と上記入力 8及び上記出力軸9とが同期して回転する(上 ボール式変速装置37がセルフロックする)様 している。

 尚、本実施形態の構造の場合には、上記 力軸9に送り出されるトルクは、上記入力軸 8に入力されるトルクと、上記電動モータ11か ら加えられる(又は減じられる)トルクとの合 になる。従って、この電動モータ11による 記中間回転筒10の回転駆動状態により、前記 ステアリングホイール1の操作感が変わる事 なる。即ち、上記電動モータ11による上記中 間回転筒10の駆動トルクは、前記ボール式変 装置37の減速比Kの値と符号とにより変わり 上記ステアリングホイール1を回転させる為 に要する力(操舵力)も変化する。上記電動モ タ11の駆動トルクがあまり大きいと、上記 テアリングホイール1を操作する運転者に違 感を与えるので、上記減速比Rを20~100程度の 大きな値に設定する事が好ましい。上記特許 文献6に記載されている様に、上記ボール式 速装置37の減速比Kの符号(加減状態)は、上記 各案内溝31、30、35、34の波数N、N-2、M、M-2の 号(大小関係)を変える事で反転できる。従っ て、舵角比kを大きくする(又は小さくする)場 合に上記操舵力が大きくなるか、或いは小さ くなるかは、本実施形態の舵角可変式ステア リング装置を搭載する自動車の性格(スポー カーであるか商用車であるか等)により、設 的に定める(上記各案内溝31、30、35、34の形 に基づく、波数N、N-2、M、M-2の符号を規制 る)。又、上記電動モータ11により付加され トルクを補償する様に、電動パワーステア ング装置を構成する別の電動モータによる シストトルクを調節する事で、上記電動モ タ11による制御の影響を運転者に感じさせな い様にする事もできる。

 更に、上記電動モータ11が故障し、上記 間回転筒10が上記電動モータ11により回転駆 されない状態では、上記両ボール変速機構1 3、14がロックする。即ち、上記各入力側ボー ル32、32が入力軸側、偏心プレート入力側両 内溝31、30同士の間に食い込むと共に、上記 出力側ボール36、36が出力軸側、偏心プレー ト出力側両案内溝35、34同士の間に食い込む この状態では、上記偏心プレート12と、入力 軸8及び出力軸9との相対回転が阻止され、こ 入力軸8の回転がこの出力軸9にそのまま伝 る。この状態では、特に大きな抵抗を受け 事なく、通常のステアリング装置と同様に て、操舵輪に舵角を付与できる。

 又、本実施形態の構造の場合には、上記 間回転筒10と、この中間回転筒10を回転駆動 する為の電動モータ11とを径方向に重畳させ 状態で配置している為、軸方向寸法を短く える事ができる。即ち、前述の特許文献1~2 記載されている従来構造の様に、遊星歯車 構と、この遊星歯車機構の構成部材を回転 動する為の電動モータとを軸方向にずらせ 配置した構造の場合には、軸方向寸法が嵩 事が避けられない。一方、ステアリング装 には、衝突事故の際に運転者を保護する為 衝撃を吸収しつつ軸方向寸法を縮める為の 撃吸収機構を組み込む。従って、舵角を調 する為の機構の軸方向寸法が嵩む事は、こ 衝撃吸収機構の設計の自由度を低くする為 好ましくない。これに対して本実施形態の 造によれば、舵角を調節する為の機構の軸 向寸法を短く抑えて、上記衝撃吸収機構の 計の自由度を高くできる。又、軸方向寸法 確保する事が難しい、ステアリングコラム に設置する事も可能になる。

  [第2実施形態]
 図5~6は、本発明の第2実施形態を示している 。本実施形態の場合には、第一回転軸である 入力軸8の先端部(図5の下端部)に、回転伝達 材である外歯歯車39を、結合部材である複数 本(図示の例では4本)の結合ピン40、40により 径方向に関する相対変位及び回転力の伝達 可能に結合している。これら各結合ピン40、 40の基半部は、上記入力軸8の先端部に固設し た外向フランジ状の支持鍔部41に形成した取 孔に、締り嵌めにより内嵌固定している。 の状態で上記各結合ピン40、40の先半部を、 上記支持鍔部41から軸方向に突出させている 一方、上記外歯歯車39は、円形の支持板部42 の外周縁に歯車部43を設けて成る。そして、 の支持板部42の円周方向複数個所で上記各 合ピン40、40と整合する部分に、通孔44、44を 形成している。これら各通孔44、44の内径は 上記各結合ピン40、40の外径よりも、次述す 入力軸8の中心軸αと外歯歯車39の中心軸βと の偏心量の2倍だけ大きい。そして、これら 結合ピン40、40の先半部を、上記各通孔44、44 に、これら各結合ピン40、40の先半部の外周 がこれら各通孔44、44の内周面に接する様に 入して、第一伝達手段を構成している。

 又、上記外歯歯車39は、上記入力軸8の先 部に、この入力軸8の中心軸αを中心とする 転と、この中心軸αに対し偏心した中心軸β を中心とする自転とを自在に支持している。 この為に本実施形態の場合には、上記支持板 部42の軸方向片側面に、上記歯車部43と同心 設けた円筒部51を、中間回転筒10aの内径に設 けられた、上記中心軸βをその中心とする偏 孔に、転がり軸受25aを介して支持している 上記中間回転筒10aは、ハウジング17a内で上 入力軸8の先端部周囲部分に、深溝型玉軸受 等の転がり軸受21aにより、この入力軸8と同 に、且つ、この入力軸8に対する相対回転を 能に支持されている。本実施形態の場合も 上記中間回転筒10aがこの入力軸8と同心であ るとは、この回転中間筒10aの外周面(電動モ タ11aを構成するロータ22aの外周面)を基準と た状態である。

 又、上記中間回転筒10aは、上記ハウジン 17a内に設置した電動モータ11aにより、所望 方向に所望の回転速度で、回転駆動自在と ている。この為に本実施形態の場合には、 記中間回転筒10aを構成する小径部19aの外周 にロータ22aを、上記ハウジング17aの一部内 でこのロータ22aと対向する部分にステータ2 3aを、それぞれ設けている。又、このステー 23aの軸方向一端面(図5の上端面)と上記ハウ ング17aの他部内面との間に、制御用回転角 ンサ24aを設けている。本実施形態の場合、 の制御用回転角センサ24aとして、ホールセ サ等の、磁気検知式の回転角度検出センサ 使用している。この構成により、上記中間 転筒10aを、所望の方向に所望の回転速度で この回転速度を適切に規制しつつ、回転駆 自在としている。尚、上記入力軸8の回転方 向及び回転速度は、前述した第1実施形態と 様の入力側回転角度センサ16(図1参照)により 検出自在としている。

 本実施形態の場合も、上記中間回転筒10a 構成し、段付部20aにより上記小径部19aと連 した、大径部18aの径方向に関する肉厚を、 周方向に関して漸次変化させて、この大径 18aの内周面の中心軸βを、上記入力軸8及び 力軸9の中心軸αに対し偏心させている。そ て、上記大径部18aの内径側に前記外歯歯車3 9を、深溝型の玉軸受等の転がり軸受25aによ 、回転自在に支持している。この様な構成 より、上記外歯歯車39を、上記入力軸8及び 記出力軸9の中心軸αを中心とする公転、及 、この中心軸αと平行でこの中心軸αに対し 心した中心軸βを中心とする自転を可能と て、上記中間回転筒10aの内径側に支持して る。

 一方、第二回転軸である出力軸9の基端部 (図5の上端部)に、第二回転伝達手段である内 歯歯車45を、この出力軸9と同心に、且つ、こ の出力軸9と同期した回転を自在に結合して る。この為に本実施形態の場合には、上記 力軸9の基端部と上記内歯歯車45とを、結合 46を介して結合している。そして、この内歯 歯車45と上記外歯歯車39とを噛合させている 尚、この内歯歯車45のピッチ円直径はこの外 歯歯車39のピッチ円直径よりも大きい事は勿 であるが、これら両歯車45、39の噛合(噛み いに基づく相対変位)が可能である限り、で るだけ近い大きさ(「内歯歯車45のピッチ円 径/外歯歯車39のピッチ円直径」の値を、1よ りも大きく、できるだけ1に近い値)に設定す 。尚、上記内歯歯車45及び上記外歯歯車39の 形状は、サイクロイド曲線、トロコイド曲線 、円弧曲線等一般的な形状を使用できる。

 更に、上記中間回転筒10aの外周面に、円 方向に関して凹部と凸部とを交互に配置し 、歯車状の凹凸係合部47を設けている。そ て、上記中間回転筒10aを収納した、前記ハ ジング17a内でこの凹凸係合部47に対向する部 分に、ストッパ片49を設けている。このスト パ片49は、ソレノイド等のアクチュエータ48 の出力ロッド50の先端部に支持しており、こ アクチュエータ48により上記中間回転筒10a 径方向に変位して、上記凹凸係合部47と係脱 する。そして、係合時に、上記中間回転筒10a の回転を阻止する。

 上述の様に構成する本実施形態の舵角可変 ステアリング装置の場合、前記入力軸8の回 転は、前記各結合ピン40、40を介して上記外 歯車39に伝わり、この外歯歯車39を回転させ 。この外歯歯車39は、上記中間回転筒10aの 径側に、偏心した状態で支持されているの 、上記入力軸8の回転に伴って上記外歯歯車3 9は、前記中心軸βを中心として自転しつつ、 上記中間回転筒10aの回転に伴って前記中心軸 αの周囲を公転する。この際、この中間回転 10aが停止していると仮定した場合には、上 外歯歯車39と上記内歯歯車45とにより構成さ れる歯車伝達機構による回転力の伝達状態は 、上記中心軸βを中心として自転する上記外 歯車39の回転が、上記中心軸αを中心として 自転する上記内歯歯車45に伝達されると考え 事ができる。従って、この状態では、上記 力軸8が1回転すると、前記出力軸9は、上記 歯歯車39の歯数N 39 と上記内歯歯車45の歯数N 45 との比(N 39 /N 45 )に応じた分回転する。

 これに対して、上記入力軸8を固定した状態 を考えると、上記中間回転筒10aを1回転させ 事で上記出力軸9が、上記外歯歯車39の歯数N 39 と上記内歯歯車45の歯数N 45 との差に応じた分、即ち、(N 39 -N 45 )/N 39 だけ回転する。尚、この値は負であり、上記 出力軸9が上記中間回転筒10aと逆方向に回転 る事を意味する。(N 39 -N 45 )/N 39 =Kとし、このKを減速比とすれば、上記入力軸 8及び上記出力軸9の回転数若しくは回転角度 上記中間回転筒10aの回転数若しくは回転角 との関係は、前述した第1実施形態と等価で ある。即ち、前述の(1) 式の動作が可能であ 、舵角比の変更や自動カウンタステア(修正 舵)の動作を、上記第1実施形態と同様に行な る。

 上記電動モータ11aの故障時には、前記ア チュエータ48により前記ストッパ片49を前進 させ、このストッパ片49を前記凹凸係合部47 係合させ、上記中間回転筒10aの回転を阻止 れば、上記入力軸8の回転に伴って上記出力 9が、上記両歯車39、45の歯数の比に応じた 転速度で回転する。上述の様な本実施形態 構造は、セルフロックの特性を持たせる事 難しいので、上述の様なストッパ片49と凹凸 係合部47とによるロック機構が必要になるが その分、トルク伝達機構の効率が高い。従 て、上記電動モータ11aの小型化や省電力化 可能になる。

  [第3実施形態]
 図7~9は、第3実施形態を示している。尚、本 実施形態を表す図7~8の上下方向と実際に車体 に組み付ける状態での上下方向との関係は、 前述の図1、2、5の場合とは異ならせている。 この理由は、本実施形態は、衝突事故の際に 運転者保護の為の収縮代の確保を意図してお り、図面上の前後方向と車体の前後方向とを 近く描く方が、本実施形態の意図が分かり易 くなると考えられる為である。尚、前後は車 体への組み付け状態で言い、後とは図7~8の右 側。反対に、図7~8の左側を前と言う。本実施 形態の構造と前述の第1~2実施形態の構造とが 、車体への組み付け時で組み付け方向が大き く異なる訳ではない。実際の組み付け時には 、図7の状態よりも少し反時計方向に回動さ 、後方に向かう程上方に向かう様に傾斜さ る。本実施形態の場合も、電動モータ11bと ール式変速装置37aとを組み合わせて、入力 8aと出力軸9aとの回転速度比を可変とする部 の基本的な構造及び作用は、前述の図1~4に した第1実施形態の場合と同様である。就い ては、同等部分に関する説明は、省略若しく は簡略にし、以下、上記第1実施形態の場合 異なる、本実施形態の特徴部分を中心に説 する。

 本実施形態の場合、入力軸8aとして、イ ナシャフト52とアウタチューブ53とを、衝撃 重に基づいて収縮可能に組み合わせて成る ラプシブルステアリングシャフトを使用し いる。又、ステアリングコラム15aとして、 ンナコラム54とアウタコラム55とを衝撃荷重 に基づいて収縮可能に組み合わせて成るコラ プシブルステアリングコラムを使用している 。衝突事故の際には、上記入力軸8aと上記ス アリングコラム15aとが、衝撃エネルギを吸 しつつ、上記アウタコラム55の前端縁がハ ジング17bの後面に突き当たるまで、図7のス ロークL分だけ縮む。この様に、衝突事故の 際に上記入力軸8aと上記ステアリングコラム1 5aとが縮む量(コラプスストローク)を確保す 事が、運転者の保護を充実させる面から重 である。本実施形態の場合には、以下に述 る様な構造により、電動式パワーステアリ グ装置56を設けた構造で、上記コラプススト ロークの確保を図っている。

 本実施形態の場合には、前述の図1~4に示 た第1実施形態の構造に電動式パワーステア リング装置56を組み込んでいる。この電動式 ワーステアリング装置56は、電動モータ57に より出力軸9aに操舵補助力(アシスト力)を付 自在とすると共に、この出力軸9a部分で伝達 されるトルクを測定して、上記電動モータ57 の通電量を調節し、上記操舵補助力を適正 調節する様にしている。この様な電動式パ ーステアリング装置56を構成する為に本実 形態の場合には、上記出力軸9aを、円管状の 外筒58と、この外筒58内に挿入されたトーシ ンバー59とから構成している。そして、この トーションバー59の後端部で上記外筒58の後 に突出した部分を、基本的に上記第1実施形 のボール式変速装置37(図1~2参照)と同様の構 成を有するボール式変速装置37aの出力部材60 、ピン61aにより結合固定している。従って 記トーションバー59の後端部は、この出力 材60と共に回転する。これに対してこのトー ションバー59の前端部は、上記外筒58の前端 に、別のピン61bにより結合固定している。 って上記トーションバー59の前端部は、上記 外筒58と共に回転する。

 上記電動モータ57から上記出力軸9aに操舵 補助力を付与自在とする為に、上記出力軸9a うちの外筒58の中間部にウォームホイール62 を外嵌固定し、このウォームホイール62と、 記電動モータ57の出力軸に固定したウォー 63とを噛合させている。又、このウォームホ イール62の前後に1対の回転角センサ64a、64bを 配置して、上記出力軸9a部分で伝達されるト クを測定自在としている。本実施形態の場 、上記両回転角センサ64a、64bとしてレゾル を使用している。そして、後側の回転角セ サ64aを、上記出力部材60の外周面とハウジ グ17bの内周面との間に設けている。これに して、前側の回転角センサ64bを、このハウ ング17bの内周面と上記外筒58の外周面との間 に設けている。これら両回転角センサ64a、64b の出力信号の位相は、上記トーションバー59 捩れ角度分だけずれるので、これら両回転 センサ64a、64bの出力信号の位相のずれに基 いて、上記出力軸9a部分で伝達されるトル を求められる。

 本実施形態の場合には、この様に出力軸9 a部分で伝達されるトルクを求める為の1対の 転角センサ64a、64bを、前記電動式パワース アリング装置56を構成するウォームホイー 62の前後に振り分けて配置する事により、こ の電動式パワーステアリング装置56の軸方向 法の短縮を図っている。即ち、上記ウォー ホイール62の軸方向両側内径寄り部分に存 する余裕空間を有効利用する事で、上記両 転角センサ64a、64bを含む、上記電動式パワ ステアリング装置56の軸方向寸法の短縮を図 り、前記コラプスストロークLを確保し易い 造としている。又、上記両回転角センサ64a 64b同士の間に上記ウォームホイール62を配置 する事により、これら両回転角センサ64a、64b 同士の間隔を確保すると同時に、これら両回 転角センサ64a、64b同士の間での磁気的、電気 的な干渉を防止して、これら両回転角センサ 64a、64bの性能(測定精度、耐ノイズ性)を向上 せられる様にしている。

 尚、本実施形態の場合、上記電動式パワ ステアリング装置56を設けた事に伴って、 力軸9aの前端位置が、この電動式パワーステ アリング装置56を設けていない、前記第1実施 形態の構造の場合よりも前方に位置する。こ の為、上記出力軸9aの前端部と中間シャフト4 の後端部とを接続する自在継手3(図12参照)の 後位置がずれ、上記出力軸9aと、ステアリ グギヤユニット5の入力軸6(図12参照)との等 性を確保する為の条件がずれる可能性があ 。但し、このずれは、中間シャフト4の両端 にそれぞれ自在継手を、同じジョイント角 位相を整えて組み込む限り、一般的には僅 で、操舵感に殆ど影響しない為、無視でき 場合が多い。又、無視できない場合でも、 れの方向及び大きさは規則的で予測できる 、前記電動モータ11とボール式変速装置37a を組み合わせて成る舵角可変機構により上 ずれを補償(ずれを打ち消して、上記出力軸9 aと上記入力軸6との等速性を確保)できる。

 又、トルク測定用に上記後側の回転角セ サ64aを設置したのに伴って、制御用回転角 ンサ24bを、中間回転筒10bの後端部外周面と 記ハウジング17bの内周面との間に設置して る。本実施形態の場合には、この様な構成 より、上記制御用回転角センサ24bを、第一 ール変速機構13aを構成する駆動リング27aの 径側に配置して、この制御用回転角センサ2 4bの設置部分の軸方向寸法の短縮を図ってい 。この様な軸方向寸法の短縮も、前記コラ スストロークLを確保して、衝突事故の際の 運転者保護に役立つ。尚、前記インナシャフ ト52の前端部外周面と上記駆動リング27aの内 面とはスプライン係合して、このインナシ フト52からこの駆動リング27aへの、回転力 伝達を自在としている。

 又、本実施形態の場合には、上記ボール 変速装置37aを構成する各入力側ボール32、32 と各出力側ボール36、36とに予圧を付与する のナット38と駆動リング27aとの間に、スラス ト軸受65を設けている。このスラスト軸受65 しては、例えばスラストニードル軸受を使 する。上記ナット38の締め付け力を、軸方向 に関する剛性が高い、上記スラスト軸受65を して上記駆動リング27aに伝達する事で、上 各ボール32、36と各案内溝31、30、35、34との がり接触部のがたつきを、より確実に防止 きる様にしている。

 尚、上記スラスト軸受65の内径側に予圧 座(シム)80を設け、この予圧間座80として適 な厚さ寸法を有するものを選択使用する。 して、上記ナット38の締め付けに伴って、上 記スラスト軸受65に過度なスラスト荷重を加 る事なく上記ボール式変速装置37aに適切な 圧を付与し、このボール式変速装置37a内部 がたつきを抑えて、このボール式変速装置3 7aの動力伝達性能の維持を図っている。即ち 上記ボール式変速装置37aを構成する上記駆 リング27aと次述する従動リング67との間で ルクを伝達する際には、上記各ボール32、36 上記各案内溝30、31、34、35に乗り上げる傾 になって、上記両リング27a、67同士を、軸方 向に関して互いに離す方向の力が働く。この 為、上記スラスト軸受65の剛性が低いと、上 両リング27a、67同士の間隔が拡がり、上記 ール式変速装置37aのトルク伝達方向に関す 剛性(捩れ剛性)が低下し、このボール式変速 装置37aを組み込んだ舵角可変式ステアリング 装置の操舵感が低下する。これに対して、上 記スラスト軸受65は剛性が高い為、上記捩れ 性の低下を防止して、上記操舵感の低下を 止できる。

 尚、上記駆動リング27aは前記出力部材60 周囲に、単列深溝型の玉軸受等、心合わせ の転がり軸受29aにより、同心に保ったまま 転自在に支持している。又、前記中間回転 10bは、上記駆動リング27aの周囲に、単列深 型の玉軸受等の転がり軸受66により、回転自 在に支持している。更に、上記駆動リング27a の他部内径側に偏心プレート12と従動リング6 7とを、それぞれ単列深溝型の玉軸受等の転 り軸受25、68により、回転自在に支持してい 。上記各転がり軸受29a、66、25、68は何れも 各転動体(玉)に予圧を付与すると共に、内 両輪を相手面に、締り嵌め若しくは接着に り嵌合固定してラジアル方向のがたつきを くし、必要とする同心性及び偏心量の確保 図っている。尚、上記従動リング67は、前述 した第1実施形態の鍔部33(図1~2参照)の代わり なるもので、上記出力部材60の中間部外周 にスプライン係合させて、この出力部材60と 共に回転する様にしている。これら出力部材 60と従動リング67とは、一体としても良い。

 本実施形態の場合には、上述の様にして 記ボール式変速装置37aを構成する各部材27a 12、60の同心性或いは偏心量を確保すると共 に、上記各ボール32、36と各案内溝31、30、35 34との転がり接触部のがたつきを抑えている 。この為、上記ボール式変速装置37aの剛性を 高くして、ステアリングホイール1(図1参照) 操舵感を良好にできる。又、上記ボール式 速装置37aの逆効率(上記駆動リング27a及び上 従動リング67の回転が上記中間回転筒10aに わる割合)を低くして、逆作動(上記駆動リン グ27a及び上記従動リング67の回転に伴って上 中間回転筒10bが回転する現象)が発生しにく くできる。この結果、電動モータ11bの故障時 に、この中間回転筒10aを停止した状態のまま 、上記駆動リング27aから上記従動リング67へ トルク伝達が可能になって、必要最小限の 能を確保できる(フェールセーフを図れる) 造を実現できる。

 前記スラスト軸受65として使用するスラ トニードル軸受は、各ニードルの転動面と スラスト軌道面との接触部の差動滑りが大 く、動トルクが大きい(損失が大きい)為、上 記ボール式変速装置37aの伝達効率が低下する 。本実施形態の場合には、上記電動モータ11b の故障時のフェイルセーフを図る為に、上記 ボール式変速装置37aの逆効率が0である事が まれる。この点で、予圧付与の為の軸受と て、動トルクが大きなスラストニードル軸 を使用する事は有利である。上記スラスト 受65として、スラストニードル軸受に代えて スラスト滑り軸受を使用すれば、スラスト軸 受としての効率が更に低く抑えられるので、 上記逆効率を完全に0にし易い。スラスト滑 軸受は、スラストニードル軸受よりも剛性 高く、負荷容量も大きい為、上記ボール式 速装置37a部分で伝達するトルクが大きく、 記スラスト軸受65に加わる荷重が大きくなる 場合に有利である。尚、このスラスト軸受65 設置する、前記インナシャフト52の前端と 記駆動リング27aの後側面とは、相対回転速 が遅く、総回転数も極端に大きくなる事は い。この為、逆効率を低くする為に、上記 ラスト軸受65として動トルクが大きなものを 使用しても、舵角可変式ステアリング装置全 体としての極端に効率が悪くなったり、上記 スラスト軸受65の設置部分で著しい磨耗が発 する事はない。従って、上記スラストニー ル軸受や上記滑り軸受を使用できる。

 更に、本実施形態の場合には、下記の(A) ~( C) の点を工夫している。
 (A) 前記電動モータ11bを構成する永久磁石 のロータ22bを、高分子材料等の非磁性材製 薄肉のカバー69により覆っている。
 万一、上記ロータ22bが割れたり、或いは剥 れたりした場合でも、このロータ22bの破片 が、上記ボール式変速装置37a等、前記ハウ ング17b内に収納された各部に入り込んで、 作不良、誤動作等を起こす事を防止する為 ある。

 (B) 上記インナシャフト52の前端と前記出力 部材60との間に、ファイナルバックアップ機 70を設けている。
 このファイナルバックアップ機構70は、万 、上記ボール式変速装置37aが破損しても、 舵輪に対し舵角を付与する為の必要最低限 機能を確保する為に、上記インナシャフト52 の前端面に設けた係合凹部71に、上記出力部 60の後端部に設けた係合凸部72を挿入する事 で構成している。これら係合凹部71と係合凸 72とは、通常状態では図9の(A)に示す様に、 対回転可能に係合している。これに対して 故障時に、上記インナシャフト52を上記出 部材60に対し大きく回動させると、図9の(B) 示す様に、上記係合凸部72が上記係合凹部71 端部にくさび状に食い込み、上記インナシ フト52と上記出力部材60とが同期して回転す る様にして、上記必要最低限の機能を確保す る。この状態では、ステアリングホイールの 中立位置が正常時とはずれるが、操舵輪に対 し舵角を付与する事は可能になる。

 (C) 上記インナシャフト52と上記ハウジング 17bとの間部分に、サポート軸受73及びダスト ール74を設けている。
 上記サポート軸受73としては、ラジアル滑 軸受が適切である。上記間部分は、本来特 負荷が加わる部分ではないので、この部分 使用する上記サポート軸受73として、低コス トでしかも設置スペースが嵩まないラジアル 滑り軸受を使用する事により、省スペース、 低コストを図れる。又、上記ダストシール74 合わせて、上記インナシャフト52の前端部 適度な摩擦を付与する事により、このイン シャフト52の微振動を抑えて、操舵感を改善 できる。

  [第4実施形態]
 図10~11は、本発明の第4実施形態を示してい 。本実施形態の場合には、出力軸9a部分で 達されるトルクを測定する為に、ホールICや MRセンサの如き磁気検出素子を組み込んだ、 ルクセンサ75を使用している。この様な磁 式のトルクセンサ75を構成する為に本実施形 態の場合には、上記出力軸9aを構成する外筒5 8とトーションバー59とのうち、外筒58の側に 久磁石を組み込んだ被検出リング76と磁気 出素子を組み込んだ検出リング77とのうちの 一方のリングを、トーションバー59の基端部( 入力側端部)側に他方のリングを、それぞれ 筒58及びトーションバー59と同心に支持して る。これら両リング76、77は、このトーショ ンバー59の入力側端部と上記外筒58との相対 転に伴って相対回転(捩り方向に相対変位)し 、上記検出リング77に設けた各磁気検出素子 特性を変化させて、出力を変化させる。こ 様な磁気検出式のトルクセンサ75を構成す 場合に、上記被検出リング76に設けた永久磁 石と上記検出リング77に組み込んだ磁気検出 子とを半径方向に対向させれば、上記トル センサ75の軸方向寸法を小さく(薄く)できる 。この為、ボール式変速装置37a等を収納した ハウジング17cをステアリングコラム15aの前端 部に設置した、コラム式の舵角可変機構と組 み合わせる事で、設置スペースの自由度が高 くなったり、コラプスストロークを確保し易 い等の効果を得られる。

 又、本実施形態の場合には、中間回転筒1 0cの回転角度を求める為の制御用回転角セン 24cとして、磁気検出素子とエンコーダとを み合わせた、磁気検知式のものを使用して る。前述した各実施形態の様に、中間回転 の回転角度をレゾルバで検出する場合には 高価なデジタル変換用ICを使用するか、演 負荷の大きいソフトウェア処理を行なう必 がある。これに対して、磁気検知式の回転 センサは、従来からアンチロックブレーキ ステム(ABS)等に広く使用されており、低コス トでしかも演算負荷も小さい。但し、上記磁 気検知式の回転角センサは、角度の変化分し か分からず、角度の絶対値は分からない。こ の為、上記中間回転筒10cを回転駆動する電動 モータ11cであるブラシレスDCモータの始動時 、この電動モータ11cを回転させる為に必要 転流角度を求める動作を自動的に行なう(自 動転流角検知)。

 この自動転流検知では、始動時に上記電 モータ11cに直流を流して、この電動モータ1 1cを構成するロータが落ち着く角度を検出す 。直流電流に対するこのロータの落ち着き 置が一度でも分かれば、上記電動モータ11c 極数と、上記制御用回転角センサ24cを構成 るエンコーダのカウント数及び回転方向と 関係は予め分かっているので、どのタイミ グで転流すれば上記電動モータ11cを回転さ られるかが分かる。尚、自動転流検知を行 う場合には、単純に直流を流すだけではな 、上記ロータの回転角度を測定しながら適 に電流を制御し、少ない回転で検知したり 頼性を上げる工夫を行なう事もできる。

 上述の様な自動転流検知を行なう際には 上記電動モータ11cのロータが回転するので 一般的には自動転流検知が使えない場合が る。これに対して本実施形態の場合には、 記モータ11cにより回転駆動する中間回転筒1 0cが、差動機構であるボール式変速装置37aを 成するものである事、上記電動モータ11cの 数が多く、上記転流角を検知する際の回転 度が小さくて済む事、上記ボール式変速装 37a減速比が大きい事、このボール式変速装 37aの入力側、出力側に結合したインナシャ ト52と出力軸9aの外筒58が固定されていても 間に存在するトーションバー59が捻じれる 等から、上記ロータを回転させて行なう、 記自動転流検知が可能である。例えばステ リングホイール1を回転させた状態でも、上 電動モータ11cに直流を流せば、この電動モ タ11cを構成するロータの位置が、落ち着き 置に固定される。この事から、上記自動転 検知が使用可能な事が分かる。

 尚、上述の図10~11に示した機構中には、 テアリングホイールの操作角を検出する為 手段がない。従って、この操作角を検出す 為に、ハンドルスイッチパック78(方向指示 やライトのスイッチ類等をステアリングホ ール部に収納したユニット)に内蔵された舵 センサを利用する事等を考慮する。又、ス アリングコラム部に舵角センサを設置する ができない場合には、ステアリングギヤユ ット5(図12参照)に設けたピニオン軸に舵角 ンサを配置する事もできる。

 又、本実施形態の場合には、上記中間回 筒10cの回転角度を検出する為、この中間回 筒10cに外嵌固定したセンサギア79の外周縁 、フェイルセーフの為の凹凸係合部47(図5参 )の代わりに利用している。即ち、上記セン サギア79の外周縁と、アクチュエータ48によ 進退するストッパ片49とにより、前述の図5 示した第2実施形態と同様のフェイルセーフ 構を構成している。この様なフェイルセー 機構は、上記電動モータ11cを小型化する為 上記ボール式変速装置37aの効率を高くして ルフロック構造としない場合や、セルフロ クよりも確実なフェイルセーフを期待する 合に用いる。上記電動モータ11cの故障時に 、上記アクチュエータ48のコイルへの通電 断たれ、上記ストッパ片49がばねの弾力によ り上記センサギア79の外周面に押し付けられ 、前記中間回転筒10cがロックする。この状 で前記出力軸9aは、ステアリングシャフト2 ほぼ同じ角速度で回転する。この様な本実 形態の構造は、上記センサギア79をフェイ セーフ機構の構成部品として利用するので スペース効率を高くして、小型に構成でき 。

 本発明を実施する場合に、入力軸と出力軸 は、図示の各実施形態の場合と逆にする事 できる。
 又、前述の第1実施形態で、電動モータ11の 障時にボール式変速装置37をセルフロック せるべく、各案内溝30、31、34、35と各ボール 32、36との転がり接触部の滑り要素を多くす 為には、それぞれがサイクロイド波形状又 トロコイド波形状である上記各案内溝を、 かにオフセットさせる事で対応する事もで る。何れの場合でも、上記転がり接触部で 滑りは局所的なものであり、入力軸と出力 との相対回転に影響を及ぼすものではない

 又、前述した第3~4実施形態の様に、本発 の舵角可変式ステアリング装置と電動式パ ーステアリング装置とを組み合わせて実施 る事もできる。この場合には、ステアリン ホイールから入力軸に加えられるトルクを 定する為の、トーションバー式のトルクセ サが必要になるが、このトルクセンサを、 発明の舵角可変式ステアリング装置よりも 記ステアリングホイール側に設けるか、或 は上記第3~4実施形態の様に反対側に設ける は自由である。反対側に設ける場合には、 ーションバーを電動式パワーステアリング 置の内部に設けられる為、上記トルクセン の設置部分をコンパクトに構成する事が可 になる。但し、この場合には、このトルク ンサが、舵角可変式ステアリング装置を構 する電動モータから付加されるトルクも検 する事になる為、この付加トルクをキャン ルする為の演算が必要になる。この付加さ るトルクによる上記トーションバーの捩れ 影響は、上記電動モータへの通電量に基づ て求められ、上記付加されるトルクは既知 なるので、上記演算は、十分な信頼性を確 した状態で、且つ、実用上十分な処理速度 行なえる。

 更に、前述の第1、3、4実施形態では、ボ ル式変速装置37として、前述の特許文献6に 載された如き構造のものを使用した場合に いて説明した。これに対して、本発明の舵 可変式ステアリング装置を実施する場合に 前述の特許文献4~5に記載されたボール式変 装置、更にはボール式変速装置と他の構造 変速装置とをトルクの伝達方向に関して互 に直列に配置した複合型の変速装置を使用 る事もできる。この場合に於いて、特許文 4に記載されたボール式変速装置を使用する 場合には、この特許文献4の図1に記載された 板6を偏心プレートとし、同じく偏心軸8の わりに中間回転筒を組み込む。但し、この 合には、電動モータの故障時にボール式変 装置をセルフロックさせる事が難しくなる で、上述した本発明の第2、4実施形態の場合 と同様に、故障時にこの電動モータ若しくは 上記中間回転筒の回転を阻止する為のロック 機構を設ける。又、特許文献5に記載された ール式変速装置を使用する場合には、この 許文献5の第1図に記載された第1の動板5を偏 プレートとし、この第1の動板5に外径側か 偏心運動をさせる機構を加える。尚、特許 献5の第1図に記載された静止部材1を入力軸 し、出力軸9をそのまま出力軸とする。

 なお、本出願は、2007年8月8日出願の日本 許出願(特願2007-206603)に基づくものであり、 その内容はここに参照として取り込まれる。