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Title:
STENT FOR TREATING CHRONIC OBSTRUCTIVE PULMONARY DISEASE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075106
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for treating chronic obstructive pulmonary disease (COPD) and a stent to be used therein. The above-described stent is a stent having a hollow tube structure which is to be used in a method of treating COPD involving the step of placing the stent in a narrowed site in a peripheral bronchus (at around from the fifth bronchus to the seventh bronchus), characterized in that the outer diameter of the hollow tube ranges from 2 to 4 mm while the length of the hollow tube ranges from 10 to 20 mm. The method of treating COPD using the stent as described above is a less invasive and reversible method which never damages the pulmonary functions since a collapsed and blocked site (chalk point) of a thin bronchus is opened and the lung is saved thereby. Thus, this method is applicable not only to the case with confined tumor but also to the case with diffusely scattered tumor.

Inventors:
MIYAZAWA TERUOMI
Application Number:
PCT/JP2008/003698
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV SCHOOL ST MARIANNA (JP)
MIYAZAWA TERUOMI
International Classes:
A61F2/04; A61F2/82; A61M29/02
Foreign References:
JP2005523061A2005-08-04
Attorney, Agent or Firm:
WASHIDA, Kimihito (Shintoshicenter Bldg. 24-1, Tsurumaki1-chome, Tama-sh, Tokyo 34, JP)
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Claims:
 末梢気管支の狭窄部位にステントを留置するステップを含む慢性閉塞性肺疾患の治療方法に使用される中空管構造のステントであって、
 展開後の中空管の外径が2~4mmの範囲内で、展開後の中空管の長さが10~20mmの範囲内である、慢性閉塞性肺疾患治療用のステント。
 前記末梢気管支は、第5次気管支から第7次気管支までの細気管支である、請求項1に記載のステント。
 前記慢性閉塞性肺疾患は、肺気腫である、請求項1に記載のステント。
Description:
慢性閉塞性肺疾患治療用ステン

 本発明は、慢性閉塞性肺疾患の治療方法 よびそれに用いられるステントに関する。

 慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonar y Disease:以下「COPD」という)は、慢性気管支 、肺気腫または両者の併発により引き起こ れる閉塞性換気障害を特徴とする疾患であ 。COPD病変部の肺組織では、呼気時の気流制 および細い気管支の虚脱・閉塞(チェックバ ルブ・メカニズム)により、肺胞は、内部に り込んだ空気を外部に排出することができ 、過膨張の状態(エアートラッピング)になっ ている。したがって、胸腔内に占める病変部 位の体積が増大するとともに、横隔膜や胸郭 は膨張位にシフトし、呼吸運動の駆動力が減 少してしまう。また、残された正常な肺組織 も胸腔内で十分に膨張することができなくな るため、換気効率が著しく低下してしまう。

 従来のCOPDの治療方法としては、薬物療法 (気管支拡張剤などの投与)、呼吸リハビリテ ション(理学療法や運動療法など)、在宅酸 療法などが知られている。しかしながら、 れらの方法は対症療法であるため、病態の 行を遅らせることはできても止めることは きなかった。また、病変部を外科的に切除 、残された正常な部位の機能を回復させる 科的肺容量減少術も行われているが、開胸 て過大な侵襲を与えてしまうという問題が った。

 上記外科的肺容量減少術の問題点を解決 る治療方法として、近年、気管支を閉塞し COPD病変部を虚脱する内視鏡的肺容量減少術 が開発されている(例えば、特許文献1および 許文献2参照)。この方法は、病変部の中枢 の気管支を一方弁や充填物などで閉塞する とにより胸腔内に占める病変部の体積を減 させ、横隔膜、胸郭の運動を改善すること より、肺機能および自覚症状を改善しよう する治療方法である。この内視鏡的肺容量 少術法は、低侵襲かつ可逆的な措置である いう点で優れているが、外科的肺容量減少 と同様に病変部が肺の上葉に限局している 合は有効だが、病変部がびまん性に存在す 場合は肺機能が低下してしまうことから下 を虚脱できないので適応ではないという問 がある。

 一方、従来、様々な疾患においてステント 使用されている。例えば呼吸器系では、外 8~20mm、長さ30~80mm程度(ともに展開後のサイ )の中空管構造のステントが、悪性腫瘍によ 気管または中枢気管支(主気管支など)の狭 を改善させるために使用されている。

特開2003-33357号公報

特開2003-33362号公報

 COPDの新規治療方法として検討されている 一方弁や充填物を用いた内視鏡的肺容量減少 術は、まだ確立したものではなく、海外にお いて臨床試験が行われている段階である。ま た、一方弁や充填物で気管支を閉塞してCOPD 変部を虚脱する方法には、上述の通り、病 部が肺の上葉に限局している場合は有効だ 、病変部がびまん性に存在する場合は適応 はないという問題がある。

 本発明の目的は、病変部がびまん性に存 する場合にも適用できるCOPDの治療方法およ びそれに用いる医療器具を提供することであ る。

 本発明者は、上記課題を解決するべく鋭 研究を行った結果、COPD患者の末梢の細い気 管支で見られる狭窄部位にステントを留置す ることでエアートラッピングが改善すること を見出し、さらに検討を加えて本発明を完成 させた。

 すなわち、本発明は、以下のCOPDを治療する ためのステントに関する。
 [1]末梢気管支の狭窄部位にステントを留置 るステップを含むCOPDの治療方法に使用され る中空管構造のステントであって、展開後の 中空管の外径が2~4mmの範囲内で、展開後の中 管の長さが10~20mmの範囲内である、COPD治療 のステント。
 [2]前記末梢気管支は、第5次気管支から第7 気管支までの細気管支である、[1]に記載の テント。
 [3]前記COPDは、肺気腫である、[1]に記載のス テント。

 本発明のステントを用いたCOPDの治療方法 は、低侵襲かつ可逆的にCOPDを治療すること できる。また、本発明のステントを用いたCO PDの治療方法は、気管支を閉塞させて肺葉を 脱させるのではなく、気管支を開通させて を温存するため、肺機能が低下することな 、病変部がびまん性に存在する場合も適応 なる。

図1Aは、正常な肺の組織を示す模式図 あり、図1Bは、COPD患者の病変部の肺の組織 示す模式図である。 本発明の治療方法を示すためのCOPD患者 の病変部の肺の組織を示す模式図であり、図 2Aは、本発明のステントを留置する前の模式 、図2Bは、本発明のステントを留置した後 模式図である。ステントにより細い気管支 開くため脱気されている様子である。 ステントを留置してから17ヶ月後のイ の末梢気管支内の気管支鏡像である。

 本発明のCOPDの治療方法は、末梢細気管支 の狭窄部位に本発明のステントを留置するこ とを特徴とする。

 図1Aは正常な肺組織の模式図であり、図1B はCOPD病変部の肺組織の模式図である。

 図1Aに示すように、正常な肺では、吸気 には空気が末梢細気管支110を経由して肺胞12 0内に取り込まれ、呼気時には肺胞120内の空 が末梢細気管支110を経由して排出される。 のとき、肺胞120内ではわずかに側副換気も じている。

 一方、COPD患者の肺の高分解能CT(HRCT)所見 は、エアートラッピング(空気とらえ込み現 象)を示すモザイクパターンが見られるとと に、呼気時に末梢細気管支(第5次気管支から 第7次気管支付近)に狭窄部位(チョークポイン ト)が現れる。この呼気時の末梢細気管支の 窄は支持組織の減少によるものと考えられ おり、これによりこの部位の気道抵抗が大 に増加する。その結果、図1Bに示すように、 狭窄部位130で生じた呼気時の気流制限により 、肺胞140内の空気を外部に排出することがで きなくなり、さらには側副換気(太い矢印)が 達してしまう。本発明者は、この所見から 呼気時の狭窄部位を開かせて肺胞内の空気 外部に排出可能な状態とすることでエアー ラッピングを改善させることができると考 、鋭意研究を行った結果、本発明のステン を末梢細気管支の狭窄部位に留置するCOPDの 新規治療方法を完成させたのである。

 本発明のステントは、末梢細気管支(第5 気管支から第7次気管支付近)に留置するため の中空管構造のステントであって、展開後の 中空管の外径が2~4mmの範囲内で、展開後の中 管の長さが10~20mmの範囲内であることを特徴 とする。中空管の外径を2~4mmの範囲内とした は、COPDの患者において狭窄が生じうる部位 (第5次気管支から第7次気管支付近)の正常状 の内腔径である2~4mm程度まで拡張させるため である。また、中空管の長さを10~20mmの範囲 としたのは、気流制限部位をカバーするた である。

 本発明のステントの材質は、特に限定さ ず、当業者に公知のものから適宜選択する とができる。例えば、本発明のステントは 金属ステント(Ni-Ti系合金、ステンレス鋼な )、シリコンステント、またはハイブリッド ステント(金属ステントに樹脂膜やシリコン などを被せたステント)などであればよいが 留置後に取り出し可能なものが好ましい。 属ステントの場合、金属線の太さや金属線 編み方は特に限定されず、留置する場所(第 5次気管支から第7次気管支付近)に応じて適宜 設定すればよい。また、本発明のステントは 、自己拡張型であってもよいしバルーン拡張 型であってもよい。なお、ステントが硬すぎ ると、ステントの移動、ステント内腔への気 道分泌物の貯留、および肉芽形成などの合併 症が生じる可能性がある。一方、ステントが やわらかすぎると、金属疲労などにより(金 ステントの場合)気管支内でステントが壊れ しまう可能性がある。したがって、いずれ 素材を用いる場合も、ステントの硬さや拡 力が適度なものとなるようにするのが好ま く、末梢細気管支に生体適合性のよいステ トを選択することが好ましい。

 本発明のステントの留置方法は、ステン の材質や種類(自己拡張型かバルーン拡張型 か)などに応じて当業者に公知の方法から適 選択すればよい。例えば、本発明のステン が自己拡張型の金属ステントである場合は 本発明のステントを気管支鏡観察下でガイ ワイヤーに沿わせて狭窄部位まで挿入し、 該部位でステントを展開させ、留置すれば い。このとき使用する気管支鏡は、中枢気 支にステントを留置する方法と異なり、超 径気管支ファイバースコープ(超細径軟性気 支鏡)が好ましい。

 以下、図2Aを参照して、本発明のCOPDの治 方法の手順の一例を説明する。ここでは、 発明のステントが自己拡張型の金属ステン である場合の例を説明するが、本発明のス ントはこれに限定されるものではない。

 まず、高分解能胸部CT(HRCT)で得られた画 および超細径気管支ファイバースコープ210 よる観察から、COPD患者の末梢細気管支110に ける狭窄部位130を同定する。この狭窄部位1 30は、末梢細気管支の第5次気管支から第7次 管支付近に存在することが多い。次いで、 定した狭窄部位130の長さおよび内腔径を超 径気管支ファイバースコープ210を用いて測 する。狭窄部位130の長さおよび内腔径は、 部CTで得られた画像を精査することによって 測定してもよい。次いで、測定した結果に基 づいて、留置するステント240のサイズを選択 し、対応するデリバリーシステム(本発明の テントが装着されているデリバリーカテー ル)230を準備する。このとき、展開後のサイ が狭窄部位130を完全にブリッジするために 分な長さ(通常10~20mm)で、かつ正常近位内腔 内径にほぼ等しい外径(通常2~4mm)のステント 240を選択する。

 次に、ガイドワイヤー220を狭窄部位130ま 挿入する。次いで、準備したデリバリーシ テム230を超細径気管支ファイバースコープ2 10視認下でガイドワイヤーに沿わせて狭窄部 130まで前進させ、所定の方法により、狭窄 位130にステント240を展開させ、留置する。 後に、ステント240が正常に留置されたこと 超細径気管支ファイバースコープ210で確認 た後、ガイドワイヤー220、デリバリーシス ム230を抜去する。なお、病変部位がびまん に存在する場合は、数個のステント240の留 が必要となる。

 以上の手順により、図2Bに示すように、CO PD患者の末梢細気管支110の狭窄部位130に本発 のステント240を留置することができ、病変 の気管支110における呼気時の気流制限つま チョークポイントの部位でのチェックバル ・メカニズムによるエアートラッピングを 除して肺胞150内の空気を十分に吐き出すこ ができるようにすることができる。これに り、COPD患者の労作時における呼吸困難を起 こりにくくすることができる。

 以下、本発明を実施例を参照して詳細に 明するが、本発明はこれらの実施例により 定されない。

 本実施例では、金属ステントをイヌ(ビー グル)の末梢細気管支に留置した例を示す。

 外径4mm、長さ20mmのナイチノール(Ni-Ti系合 金)製のステントが装着されているデリバリ カテーテルを準備した。ガイドワイヤーを ヌの末梢細気管支まで挿入した。次いで、 備したデリバリーシステムをガイドワイヤ に沿わせて前進させ、末梢細気管支の所望 位置にステントを展開させた。全部で4つの テントを留置した。

 図3は、末梢気管支110内にステント240を留 置してから17ヶ月後の留置箇所の気管支鏡像 ある。この写真から、肉芽形成などの合併 が生じていないことがわかる。以上のこと ら、本発明のステントは、安全性が高く、C OPDを治療するための医療器具として有用であ ることが示唆される。

 本出願は、2007年12月10日出願の特願2007-318 442に基づく優先権を主張する。当該出願明細 書および図面に記載された内容は、すべて本 願明細書に援用される。

 本発明のステントは、気管支を開通させ 肺を温存するので肺機能を損なうことなく 病変部が肺の上葉に限局している場合だけ なく、びまん性に存在する場合にもCOPDを低 侵襲に治療することができるため、COPDを治 するための医療器具として有用である。