MATSUMURA FUMIKO (JP)
OKA NATSUHISA (JP)
WADA TAKESHI (JP)
MATSUMURA FUMIKO (JP)
OKA NATSUHISA (JP)
"88th Annual Meeting on Chemical Society of Japan in Spring 2008 Nen Koen Yokoshu II", 12 March 2008, article FUMIKO MATSUMURA ET AL.: "To 1 - Boranophosphate o Mochiita To 1 - Phosphoric Acid Yudotai no Goseiho"
FRANCOISE H. ROUTIER ET AL.: "Characterization of the Elongating a-D-Mannosyl Phosphate Transferase from Three Species of Leishmania Using Synthetic Acceptor Substrate Analogues", BIOCHEMISTRY, vol. 39, 2000, pages 8017 - 8025
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MAMORU SHIMIZU ET AL.: "A Novel Method for the Synthesis of Dinucleoside Boranophosphates by a Boranophosphotriester Method", J. ORG. CHEM., vol. 69, 2004, pages 5261 - 5268
TAKASHI WADA ET AL.: "A new boranophosphorylation reaction for the synthesis of deoxyribonucleoside boranophosphates", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 43, 2002, pages 4137 - 4140
TSUNEO IMAMOTO ET AL.: "New Boranophosphorylation Reagents, Dimethyl Boranophosphate Monopotassium Salt and Tetramethyl Boranopyrophosphate", J. AM. CHEM. SOC., vol. 119, 1997, pages 9925 - 9926
TOSHIHIDE KAWANAKA ET AL.: "Synthesis of dinucleoside phosphates and their analogs by the boranophosphotriester method using azido- based protecting groups", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 48, 2007, pages 1973 - 1976
MAMORU SHIMIZU ET AL.: "BH3 as a protecting group for phosphonic acid: a novel method for the synthesis of dinucleoside H-phosphonate", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 45, 2004, pages 371 - 374
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Patent business corporation patent firm Sykes (JP)
下記の一般式(I): |
糖化合物がグルコース、ガラクトース、マンノース、N-アセチルグルコサミン、又はグルクロン酸である請求項1に記載の方法。 |
請求項1に記載の一般式(I)で表される糖1-ボラノホスフェート化合物を塩基で処理して一般式(I)においてR 2 が水素原子である化合物を製造する方法。 |
請求項1に記載の一般式(I)で表される糖1-ボラノホスフェート化合物においてR 2 が水素原子である化合物とR 3 -OHで表されるアルコール化合物(R 3 はアルキル基(該アルキル基は置換基を有していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよい)を示し、ただしR 2 とは異なるアルキル基である)とを縮合することにより、上記一般式(I)においてR 2 で表されるアルキル基がR 3 で表される他のアルキル基に変換された糖1-ボラノホスフェート化合物を製造する方法。 |
請求項1に記載の一般式(I)(式中、R 1 はアルキル基(該アルキル基は置換基を有していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよい)を示し、R 2 はアルキル基(該アルキル基は置換基を有していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよい)又は水素原子を示し、ただしR~O-がグルコース又は保護されたグルコースの残基である場合にはR及びOの結合がα結合である場合を除き、かつRO-がフコース又は保護されたフコースの残基である場合を除く)で表される糖1-ボラノホスフェート化合物。 |
下記の一般式(III): (a)上記一般式(I)で表される糖1-ボラノホスフェート化合物(式中の定義は上記と同義であり、ただしR 1 及びR 2 は同一ではない)のR 2 で表される基を除去する工程; (b)上記工程(a)で得られた化合物をトリチルカチオンで処理して脱ボラン化してH-ホスホネートジエステル化合物を製造する工程、及び必要に応じて上記のH-ホスホネートジエステル化合物にR 3 で表される基(ただし、R 3 が水素原子である場合を除く)を導入する工程 を含む方法。 |
請求項6に記載の一般式(III)(R 1 及びRは上記と同義であり、R 3 は酸素原子を示す)で表される糖1-リン酸化合物の製造方法であって、請求項1に記載の一般式(I)で表される糖1-ボラノホスフェート化合物(式中の定義は上記と同義である)を過酸誘導体を用いて酸化する工程を含む方法。 |
過酸誘導体がm-クロロ過安息香酸である請求項7に記載の方法。 |
本発明は糖1-リン酸化合物の効率的な製 に有用な糖ボラノホスフェート化合物及び の用途に関する。
糖化合物のアノマー位 (C1位)にリン酸が 合した化合物 (糖1-リン酸化合物) は、糖 の生合成反応の基質として極めて重要であ 。また、糖-1リン酸構造は、細菌や酵母の細 胞壁や莢膜、動物の糖タンパク質の糖鎖部分 などに認められ、抗原決定基として機能する ことが報告されている。このような理由から 、糖転移酵素の機能解明のためのプローブと なること、糖転移酵素の阻害剤としての可能 性を有すること、及び細菌等に対するワクチ ンとしての可能性を有するなどの点において リン酸部位に化学修飾を施した糖1-リン酸ア ログが注目されている。しかしながら、糖1 -リン酸化合物は化学的に不安定であり、合 が困難であるという問題を有している。
糖1-リン酸化合物の製造方法としては、 ン酸、亜リン酸を求核種とするグリコシル 法、又は糖アノマー位水酸基の脱水縮合に って糖1-リン酸トリエステル、糖1-アミダイ 及びホスファイト、又は糖1-H-ホスホネート へと誘導する方法が知られている。しかしな がら、これらの方法で得られる反応生成物は 化学的に不安定であり、比較的単純な化学構 造の糖1-リン酸化合物しか製造できないとい 問題がある。糖1-H-ホスホネートへの誘導方 法では長鎖ホスホグリカンなど複雑な分子の 合成が報告されているが、多くの場合に収率 が低いという問題を有している。従って、よ り効率的な糖1-リン酸化合物の製造方法の提 が望まれている。
一方、糖ボラノホスフェート化合物は糖リ 酸エステル化合物のリン酸部位の非架橋酸 原子の一つをBH 3 基で置き換えた糖ホスフェート化合物の一種 である。この修飾様式は核酸化学において開 発されたリン酸部位の修飾様式であり(Chem. R ev., 107, pp.4746-4796, 2007)、ヌクレオシド水酸 のボラノホスホリル化反応及びボラノホス ェートジエステル結合からトリチルカチオ を用いたH-ホスホネートジエステル結合へ 変換反応が報告されている(Tetrahedron Lett., 4 3, pp.4137-4140, 2002; J. Org. Chem., 69, pp.5261-526 8, 2004; J. Org. Chem., 71, pp.4262-4269, 2006; Tetr ahedron Lett., 45, pp.371-374, 2004; Tetrahedron Lett. , 48, pp.1973-1976, 2007)。
糖1-ボラノホスフェート化合物の製造方法
しては、臭化糖を用いたグリコシル化法が
られている(J. Am. Chem. Soc., 119, pp.9925-9926,
1997)。しかしながら、上記文献にはグリコシ
ルボラノホスフェートの合成例がわずか一例
示されているにすぎない。また、臭素原子の
アノマー効果により原料としてα-ブロム体し
か入手できず、立体反転を伴うこの方法では
β体の合成しかできないという問題がある。
らに、臭化糖の状態自体が不安定な糖には
用できないという問題もある。H-ホスホネ
トジエステルからボラノ化する合成例の報
もあるが(H-ホスホネート法)、ボラノ化の際
反応条件の厳密な制御が必要となることや
ボラノ化剤による基質の還元等の副反応が
行し、あるいは立体的に込み入ったリン原
のボラノ化が進行しにくく収率が低いとい
問題がある(Tetrahedron, 56, pp.4811-4815, 2000)。
本発明の課題は効率的な糖1-リン酸化合 の製造方法を提供することにある。また、 発明の別の課題は、糖1-リン酸化合物を効率 的に製造するために有用な製造用中間体を提 供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭 研究を行った結果、トリエチルアンモニウ ジエチルボラノホスフェートなどのボラン 合物と還元糖とを脱水縮合することにより 1-ボラノホスフェート化合物を効率的に製 できること、及び糖1-ボラノホスフェートを 糖1-H-ホスホネートへと変換した後、H-ホスホ ネート法により糖1-リン酸化合物を効率的に 造できることを見出した。本発明は上記の 見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明により、下記の一般式(I):
上記発明の好ましい態様によれば、R 1 及びR 2 がメチル基である上記の方法;糖化合物が還 糖である上記の方法;糖化合物がグルコース ガラクトース、マンノース、N-アセチルグ コサミン、又はグルクロン酸である上記の 法が提供される。
上記の方法において、得られた一般式(I)で される化合物を塩基で処理することによりR 2 が水素原子である化合物を製造することがで きる。得られたR 2 が水素原子である化合物とR 3 -OHで表されるアルコール化合物(R 3 はアルキル基(該アルキル基は置換基を有し いてもよく、不飽和結合を含んでいてもよ )を示し、ただしR 2 とは異なるアルキル基である)とを縮合する とにより、上記一般式(I)においてR 2 で表されるアルキル基がR 3 で表される他のアルキル基に変換された化合 物を製造することができる。
別の観点からは、上記一般式(I)で表される 1-ボラノホスフェート化合物(式中、R 1 はアルキル基(該アルキル基は置換基を有し いてもよく、不飽和結合を含んでいてもよ )を示し、R 2 はアルキル基(該アルキル基は置換基を有し いてもよく、不飽和結合を含んでいてもよ )又は水素原子を示し、ただしRO-がグルコー 又は保護されたグルコースの残基である場 にはR及びOの結合がα結合である場合を除き 、かつRO-がフコース又は保護されたフコース の残基である場合を除く)が提供される。
上記発明の好ましい態様によれば、R 1 及びR 2 がメチル基である上記の化合物;糖化合物が 元糖である上記の化合物;糖化合物がグルコ ス、ガラクトース、マンノース、N-アセチ グルコサミン、又はグルクロン酸である上 の化合物が提供される。
さらに別の観点からは、下記の一般式(III):
(a)上記一般式(I)で表される糖1-ボラノホスフ
ート化合物(式中の定義は上記と同義であり
、ただしR 1
及びR 2
は同一ではない)のR 2
で表される基を除去する工程;
(b)上記工程(a)で得られた化合物をトリチルカ
チオンで処理して脱ボラン化してH-ホスホネ
トジエステル化合物を製造する工程、及び
要に応じて上記のH-ホスホネートジエステ
化合物にR 3
で表される基(ただし、R 3
が水素原子である場合を除く)を導入する工
を含む方法が提供される。
また、上記一般式(III)(R 1
、R、及びR 3
は上記と同義である)で表される糖1-リン酸化
合物の製造用中間体として用いるための上記
一般式(I)(R 1
、R 2
、及びRは上記と同義である)で表される糖1-
ラノホスフェート化合物が本発明により提
される。
さらに、上記一般式(III)(R 1
及びRは上記と同義であり、R 3
は酸素原子を示す)で表される化合物の製造
法であって、上記一般式(I)で表される糖1-ボ
ラノホスフェート化合物(式中の定義は上記
同義である)を過酸誘導体を用いて酸化する
程を含む方法も本発明により提供される。
本発明の方法により多様な置換基を有す 化学的に安定な糖1-ボラノホスフェート化 物を極めて効率的かつ高収率に製造するこ ができる。本発明の方法によれば、立体的 込み合った複雑な複合糖化合物のリン酸部 への化学修飾が可能であり、臭化糖化合物 利用できない場合にも効率的に糖1-ボラノホ スフェート化合物を製造することができる。 また、上記の糖1-ボラノホスフェート化合物 原料化合物として用いる本発明の方法によ 、糖1-リン酸化合物を効率的かつ高収率に 造することができる。
上記一般式(I)においてR 1 及びR 2 はそれぞれ独立にアルキル基を示す。R 1 及びR 2 は同一でも異なっていてもよい。アルキル基 としては直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれ らの組み合わせからなるアルキル基のいずれ であってもよい。アルキル基の炭素数は特に 限定されないが、炭素数1~20程度、好ましく 炭素数1~12程度である。アルキル基は1個又は 2個以上の不飽和結合(二重結合又は三重結合) を含んでいてもよく、2個以上の不飽和結合 含む場合には、それらは共役していても非 役であってもよい。二重結合と三重結合を 宜組合わせて含んでいてもよい。アルキル は任意の位置に1個又は2個以上の置換基を有 していてもよく、2個以上の置換基を有する 合にはそれらは同一でも異なっていてもよ 。例えば、ハロゲン原子、水酸基、オキソ 、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、 ェニル基などのアリール基、又はピリジル などのヘテロアリール基などを有していて よく、これらの置換基はさらに別の置換基 有していてもよい。置換基を有するアルキ 基の例としては、例えばベンジル基やシア エチル基などを挙げることができるが、こ らに限定されることはない。一般式(II)にお るR 1 及びR 2 、並びに一般式(III)におけるR 1 についても同様である。好ましくは炭素数1~6 個程度の直鎖又は分枝鎖アルキル基を用いる ことができ、より好ましいくはメチル基を用 いることができる。
R~O-は糖化合物残基を示す。該糖化合物残 基は、糖化合物が単糖化合物である場合には アノマー位(1位)の水酸基から水素原子を除い た残基を示す。糖化合物が単糖化合物以外の 糖化合物である場合には、糖化合物を構成す る複数の糖化合物のうち還元末端の糖化合物 におけるアノマー位(1位)の水酸基から水素原 子を除いた残基を示す。糖化合物残基を構成 する糖化合物は水酸基のほか、アミノ基(ア キル基やアセチル基などの置換基を有して てもよい)などの官能基を有していもてよい 糖化合物残基を構成する糖化合物の水酸基 アミノ基などの官能基は適宜の保護基を有 ていてもよい。保護基の種類は特に限定さ ないが、一般的には、アセチル基、ベンジ 基、ベンゾイル基、ピバロイル基、トリメ ルシリル基、Tert-ブチルジメチルシリル基 エーテル保護基など適宜の保護基を1種又は2 種以上組合わせて用いることができる。糖化 合物の保護基についてはGreenら、Protective Grou ps in Organic Synthesis, 3rd Edition, 1999, John Wil ey & Sons, Inc.などの成書を参照すること できる。一般式(I)において、式中の波線は 糖化合物残基におけるR及びOの結合がα結合 しくはβ結合、又はそれらの混合物である とを示す。一般式(III)においても同様である 。アノマーとしてはα結合又はβ結合のいず かの純粋な形態のアノマーが好ましく、α結 合の糖化合物がより好ましいが、β結合の糖 合物が好ましい場合もある。
糖化合物残基を構成する糖化合物の種類 特に限定されず、単糖化合物又は二糖以上 オリゴ糖又は多糖類のいずれであってもよ 。例えば、アロース、タロース、グロース グルコース、アルトロース、マンノース、 ラクトース、イドース、フルクトース、リ ース、リキソース、キシロース、アラビノ ス、アピオース、エリトロース、トレオー 、グリセルアルデヒド、セドヘプツロース コリオース、プシコース、フルクトース、 ルボース、タガトース、リブロース、キシ ロース、エリトルロース、ジヒドロキシア トン、トレハロース、コージビオース、ニ ロース、マルトース、イソマルトース、イ トレハロース、ソホロース、ラミナリビオ ス、セロビオース、メリビオース、ゲンチ ビオース、ラクトース、スクロース、デオ シリボース、フコース、ラムノース、グル ロン酸、ガラクツロン酸、グルコサミン、 ラクトサミン、N-アセチルガラクトサミン N-アセチルマンノサミン、N-アセチルラクト ミン、グリセリン、キシリトール、ソルビ ール、アスコルビン酸、グルクロノラクト 、グルコノラクトン、デンプン、アミロー 、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロ ス、ペクチン、グルコマンナン、又はイズ ン酸など、あるいはその立体異性体などが げられるが、これらに限定されることはな 。
糖化合物の残基として例えば以下の化合物
例示することができるが、これらに限定さ
ることはない。式中、R'としては、例えば
水素原子の他、アセチル基、ピバロイル基
ベンゾイル基、ベンジル基、又はtert-ブチル
ジメチルシリル基などの保護基を必要に応じ
て適宜組合わせて用いることができる。
本発明の方法は、上記の一般式(I)で表され 化合物を製造するにあたり、R~OHで表される 糖化合物と一般式(II)で表される化合物とを 応させる工程を含むことを特徴としている 一般式(II)において、X + は一価の陽イオンを示す。陽イオンの種類は 特に限定されず、無機陽イオン又は有機化合 物カチオンのいずれであってもよい。無機陽 イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン 、カリウムイオンなどを用いることができ、 有機化合物カチオンとしては、例えば、トリ エチルアンモニウムなどの第三級アミン化合 物のカチオンやテトラn-ブチルアンモニウム ど第四級アンモニウムなどを用いることが きる。一般式(II)で表される化合物として、 例えば、R 1 及びR 2 がメチル基であり、X + がトリエチルアンモニウムである化合物が好 ましいが、この化合物に限定されることはな く、所望の一般式(I)で表される化合物の構造 に応じて一般式(II)で表される化合物を適宜 択可能であることは言うまでもない。
R~OHで表される糖化合物と一般式(II)で表 れる化合物との反応は、例えば、テトラヒ ロフラン(THF)などの不活性溶媒の存在下でJ. Org. Chem., 69, pp.5261-5268, 2004に記載されたボ ラノホスホリル化反応に準じて行うことがで きる。この反応は、例えば、塩化ビス(2-オキ ソ-3-オキサゾリジニル)-ホスフィン(Bop-Cl)を 合剤として用い、3-ニトロ-1,2,4-チラゾール(N T)を求核触媒としてジイソプロピルエチルア ンの存在下で行うことが好ましい。この反 を行うことにより、例えば、一般式(I)に包 される下記の化合物を製造することができ が、この反応により製造可能な化合物は下 の化合物に限定されることはない。式中、B nはベンジル基、Acはアセチル基、Meはメチル を示す。
得られた一般式(I)で表される化合物を塩基 処理することによりR 2 が水素原子である化合物を製造することがで きる。塩基の種類は特に限定されないが、例 えばトリエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2 .2.2]オクタン(DABCO)、又は1,8-ジアザビシクロ[5 .4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)などの有機アミンを いることが好ましい。反応はジクロルメタ やTHFなどの不活性溶媒の存在下に例えば氷 下から室温程度の反応温度で1時間から1日程 度で完了する。得られたR 2 が水素原子である化合物とR 3 -OHで表されるアルコール化合物とを反応させ ることにより、上記一般式(I)においてR 2 で表されるアルキル基がR 3 で表される他のアルキル基に変換された化合 物を製造することができる。この反応は、例 えば、上記の縮合反応に準じて、例えばテト ラヒドロフランなどの不活性溶媒中で塩化ビ ス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスフィン 3-ニトロ-1,2,4-チラゾール、及びジイソプロ ルエチルアミンの存在下に行うことができ 。
一般式(I)で表される化合物は置換基の種 に応じて塩の形態として存在する場合もあ 、例えば、酸付加塩又は塩基付加塩の形態 あってもよい。酸付加塩としては塩酸塩、 酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、p-トルエンス ホン酸塩やメタンスルホン酸塩などの有機 塩を挙げることができ、塩基付加塩として ナトリウム塩、カリウム塩などの無機塩、 ンモニウム塩、トリエチルアミン塩などの 機アミン塩を挙げることができる。アミノ との塩を形成する場合もある。また、一般 (I)で表される化合物は、純粋な形態の任意 立体異性体であってもよく、あるいは光学 性体又はジアステレオ異性体の任意の混合 として存在していてもよい。さらに、一般 (I)で表される化合物は水和物又は溶媒和物 して存在する場合もあるが、これらの物質 いずれも本発明の範囲に包含される。
別の観点から提供される本発明の方法は、 記一般式(III)で表される化合物の製造方法 あって、(a)上記一般式(I)で表される糖1-ボラ ノホスフェート化合物のR 2 で表される基を除去する工程;及び(b)上記工 (a)で得られた化合物をトリチルカチオンで 理して脱ボラン化してH-ホスホネートジエス テル化合物を製造する工程を含むことを特徴 としており、さらに必要に応じて上記のH-ホ ホネートジエステル化合物にR 3 で表される基(ただし、R 3 が水素原子である場合を除く)を導入する工 を含むことを特徴としている。
一般式(III)において、R 3 が示すアルキル基としてはR 1 が示すアルキル基として説明したものと同様 である。アミノ基が置換基を有する場合、置 換基の種類は特に限定されず、例えば、R 1 と同様のアルキル基を1個又は2個有する場合( 2個のアルキル基を有する場合にはそれらは 一でも異なっていてもよい)のほか、アセチ 基やベンゾイル基などのアシル基、フェニ 基などのアリール基、ピリジル基などのヘ ロアリール基を有する場合を挙げることが きるが、これらに限定されることはない。 ロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原 、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれであ てもよい。
一般式(I)で表される化合物からR 2 を除去する方法は上記に説明したR 2 が水素原子である化合物を製造する方法と同 様である。例えばトリエチルアミン、DABCO、 はDBUなどの塩基の存在下で好適に行うこと できる。得られた化合物をトリチルカチオ で処理して脱ボラン化する反応は、例えば ジクロルメタンなどの不活性溶媒の存在下 トリチルカチオンで処理することにより行 ことができる。トリチルカチオンの供給源 しては、例えば、トリチルメチルエーテル どのトリチルエーテル化合物を用いること できる。トリチルカチオンの発生のために いる酸としては、例えば、ジクロロ酢酸の か、無水トリフルオロ酢酸、無水トリクロ 酢酸などの酸無水物も利用できる。これら 試薬が当業者に適宜選択可能であることは うまでもない。反応は通常は氷冷下から室 程度の反応温度で速やかに定量的に進行す 。
脱ボロン化により得られた一般式(III)にお てR 3 が水素原子であるH-ホスホネートジエステル 合物は化学的に不安定であるが、この化合 に対してR 3 として水素原子以外の基を導入することによ り安定化することができる。この反応はH-ホ ホネートジエステル化合物からリン原子が 飾されたリン酸化合物を製造する方法とし 公知の方法を適宜適用することができる。 の反応により、例えば、グリコシルホスホ チオエート、グリコシルホスホロアミダイ 、グリコシルアルキルホスホネート、グリ シルホスホロフルオリダイト、又はグリコ ルホスホロセレノエートなどの糖1-リン酸 合物を製造することができる。
また、例えば、一般式(I)で表される化合物 過酸誘導体を用いて酸化することにより、 記一般式(III)においてR 3 が酸素原子である化合物を製造することがで きる。過酸誘導体としては、例えば、m-クロ 過安息香酸(mCPBA)などを用いることができる 。反応は例えばジクロルメタンなどの不活性 溶媒中で氷冷下から室温程度の反応温度で速 やかに進行する。また、この反応はアノマー 位の立体異性体比を保存したまま反応を行う ことができるという特徴がある。
以下、実施例により本発明をさらに具体的
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例
限定されることはない。実施例中、Meはメ
ル基、Etはエチル基、Bnはベンジル基、Acは
セチル基を示す。
例1
還元糖2 (273 mg) とジイソプロピルエチル
ミン (10当量) を トリエチアンモニウムジ
チルボラノホスフェート(化合物1)の0.3 M
トラヒドロフラン(THF)溶液 (3当量;モレキュ
ーシーブス 4Aにて乾燥)に加えた。続いて3-
ニトロ-1,2,4-チラゾール(NT、5当量)及び塩化ビ
ス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスフィン(
Bop-Cl、5当量)をこの順に加えた。この反応溶
を室温にて1時間撹拌した後、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液を加え、ジクロロメタンにて
希釈した。 有機層を飽和炭酸水素ナトリウ
水溶液で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥した。 次いでろ過にて固形物を
去した後、溶媒を減圧留去した。シリカゲ
カラムクロマトグラフィーで精製して目的
10を得た。同様に還元糖3~9を用いて化合物11
~17を得た。表中、収率(a)は単離収率を示し、
アノマー比(b)は 1
H-NMRで決定した比率を示し、条件cにおける還
元糖2~9/化合物1/Bop-Cl/NT/i-Pr 2
NEtのモル比は1/3/5/5/10であり、条件dにおける
ル比は1/2/2.5/2.5/10である。
化合物10
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 3088, 3063, 3031, 2953, 2907, 2867, 2400, 2356, 1
496, 1454, 1361, 1209, 1178, 1150, 1093, 1028, 943,
867, 834, 737, 698. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 7.40-7.10 (m, CH 2
Ph), 5.80 (dd, J = 3.3 Hz, 7.7 Hz, αH-1), 5.10 (
t, J = 7.4 Hz, βH-1), 4.96-4.43 (m, CH 2
Ph), 3.97-3.51 (m, αH-2-αH-6, βH-2-βH-6, αPOCH 3
, βPOCH 3
), 1.2 to -0.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.4-116.5 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 97.9 (d, J C-P
= 3.7 Hz, βC-1), 94.6 (d, J C-P
= 2.3 Hz, αC-1). HRMS (ESI): calcd for [M+H] +
: 647.2947; found: 647.2946.
化合物11(α:β = 5:5)
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 2959, 2854, 2404, 2359, 1754, 1437, 1369, 1224, 1
150, 1036, 949, 839. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.81 (dd, J = 3.4 Hz, 7.9 Hz, αH-1), 5.48
(t, J = 9.8 Hz, αH-3), 5.28-4.97 (m, αH-2, αH-4,
βH-1-βH-4), 4.29-4.08 (m, αH-5, αH-6, βH-6), 3.
78-3.68 (m, βH-5, αPOCH 3
, βPOCH 3
), 2.08-2.00 (m, COCH 3
), 1.2 to -0.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.2-117.0 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 95.7 (βC-1), 92.8 (d, J C-P
= 1.7 Hz, αC-1). HRMS (ESI): calcd for [M-H] +
: 453.1331; found: 453.1329.
化合物11(β体)
IR (KBr, cm -1
) 2960, 2854, 2404, 2359, 1754, 1440, 1368, 1222, 1
032, 839. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.27-5.16 (m, 2H, H-1, H-3), 5.11-5.05 (m, 2H,
H-2, H-4), 4.26 (dd, J = 5.2 Hz, 12.4 Hz, 1H, H
-6), 4.15 (dd, J = 2.5 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6), 3.8
3-3.78 (m, 1H, H-5), 3.72 (dd, J = 10.1 Hz, 11.3
Hz, 6H, POCH 3
), 2.09 (s, 3H, COCH 3
), 2.08 (s, 3H, COCH 3
), 2.04 (s, 3H, COCH 3
), 2.02 (s, 3H, COCH 3
), 1.2 to -0.1 (br, 1H, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.4-117 4(m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 170.3, 169.8, 169.3, 169.1 (COCH 3
), 95.7 (C-1), 72.7 (C-5), 72.2 (C-3), 71.2 (d, J
C-P
= 6.9 Hz, C-2), 67.9 (C-4), 61.5 (C-6), 53.5 (dd
J = 2.0, 5.2 Hz, POCH 3
), 20.8, 20.7 (COCH 3
). HRMS (ESI): calcd for [M-H] +
: 453.1331; found: 453.1329.
化合物12
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 3059, 3022, 2947, 2910, 2866, 2397, 2359, 1499, 1
454, 1362, 1173, 1099, 1029, 937, 835, 738, 698. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 7.42-7.15 (m, CH 2
Ph), 5.69 (dd, J = 1.9 Hz, 7.7 Hz, αH-1), 5.14 (
d, J = 7.2 Hz, βH-1), 4.90-4.47 (m, CH 2
Ph), 4.06-3.52 (m, αH-2-αH-6, βH-2-βH-6, αPOCH 3
, βPOCH 3
), 1.2 to -0.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.4-116.5 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 96.3 (βC-1), 95.1 (d, J C-P
= 3.2 Hz, αC-1). HRMS (ESI): calcd for [M+H] +
: 647.2947; found: 647.2949.
化合物13
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 2956, 2854, 2405, 2359, 1752, 1437, 1370, 1223, 1
164, 1033, 962, 838. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.61 (dd, J = 1.7 Hz, 7.4 Hz, αH-1), 5.49
(d, J = 3.0 Hz, βH-2), 5.40-5.11 (m, αH-2-αH-4 a
nd βH-1, βH-3, βH-4), 4.33-4.09 (m, αH-5, αH-6,
βH-5, βH-6), 3.79 (dd, αPOCH 3
, J = 5.0 Hz, 11.3 Hz), 3.72 (dd, βPOCH 3
, J = 9.0 Hz, 11.3 Hz), 2.20-2.01 (m, COCH 3
), 1.2 to -0.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.2-117.0 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 93.9 (d, J C-P
= 2.6 Hz, αC-1), 93.4 (βC-1). HRMS (ESI): calcd
for [M-H] +
: 453.1331; found: 453.1331.
化合物14
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 3059, 3030, 2947, 2869, 2399, 2359, 1496, 1454, 1
363, 1102, 1028, 936, 834, 737, 697. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 7.40-7.20 (m, CH 2
Ph), 5.81 (dd, J = 3.5 Hz, 7.6 Hz, αH-1), 5.06 (
t, J = 7.7 Hz, βH-1), 4.95-4.36 (m, CH 2
Ph), 4.12-3.86 (m, αH-2, αH-3, αH-4, αH-5, βH-2,
βH-4), 3.71-3.54 (m, αH-6, βH-3, βH-5, βH-6,
POCH 3
, βPOCH 3
), 1.2 to -0.1 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.4-116.8 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 98.2 (d, J C-P
= 3.5 Hz, βC-1), 95.4 (d, J C-P
= 2.9 Hz, αC-1). HRMS (ESI): calcd for [M+H] +
: 647.2947; found: 647.2944.
化合物15
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 2959, 2854, 2404, 2359, 1751, 1438, 1371, 1221, 1
071, 1031, 945, 839. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.86 (dd, J = 3.3 Hz, 7.7 Hz, αH-1), 5.49
(dd, J = 1.2 Hz, 3.2 Hz, αH-4), 5.41 (dd, J = 1
.1 Hz, 3.3 Hz, βH-4), 5.37-5.20 (m, αH-2, αH-3,
βH-2), 5.16 (t, J = 7.7 Hz, βH-1), 5.07 (dd, J
= 3.3 Hz, 10.5 Hz, βH-3), 4.42-4.00 (m, αH-5, αH
-6, βH-5, βH-6), 3.80-3.70 (m, αPOCH 3
, βPOCH 3
), 2.17-2.00 (m, COCH 3
), 1.2 to -0.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.2-117.0 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ96.1 (βC-1), 93.5 (d, J C-P
= 2.0 Hz, αC-1). HRMS (ESI): calcd for [M-H] +
: 453.1331; found: 453.1332.
化合物16
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 3627, 3285, 2958, 2854, 2402, 2369, 1749, 1664, 1
543, 1442, 1369, 1232, 1134, 1035, 939, 835. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.71-5.58 (αNH, βNH, αH-1), 5.27-5.14 (m, α
H-3, αH-4, βH-1, βH-3, βH-4), 4.39-4.35 (m, αH-2
), 4.30-4.10 (m, αH-5, αH-6,βH-2), 3.83-3.67 (m,
POCH 3
, βPOCH 3
), -0.1 to -1.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 122.0-116.0 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 95.6 (βC-1), 92.5 (d, J C-P
= 4.9 Hz, αC-1). HRMS (ESI): calcd for [M-H] +
: 452.1490; found: 452.1489.
化合物17
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 3068, 3031, 2953, 2854, 2401, 2359, 1751, 1496, 1
454, 1360, 1219, 1183, 1096, 1029, 946, 836, 738, 6
98. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 7.31-7.18 (m, CH 2
Ph), 5.78 (dd, J
= 3.3 Hz, 7.7 Hz, αH-1), 5.17 (t, J = 7.4 Hz,
H-1), 4.94-4.55 (m, CH 2
Ph), 4.36 (d, J = 9.9 Hz, αH-5), 4.01-3.54 (m, α
H-2, αH-3, αH-4, βH-2, βH-3, βH-4, βH-5, αCOOC
H 3
, βCOOCH 3
, αPOCH 3
, βPOCH 3
), -0.1 to -1.2 (br, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 121.6-117.8 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 97.7 (d, J C-P
= 3.2 Hz, βC-1), 94.4 (αC-1). HRMS (ESI): calcd
for [M+H] +
: 585.2425; found: 585.2481.
例2
DABCO (1.69 g, 10 当量) を 0.025 Mの化合物 11β(678 mg)ジクロロメタン溶液に加え、室温 て6時間撹拌した。この溶液を 1 M 炭酸ト エチルアンモニウム水溶液にて5回洗浄した 溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムク マトグラフィー[CH 2 Cl 2 -MeOH-Et 3 N (80:10:1, v/v/v)]で精製して化合物18を含む溶 液を1 M 炭酸トリエチルアンモニウム水溶 にて洗浄し、溶媒を減圧留去することによ 化合物18(743 mg, 収率92%)を得た。
モレキュラーシシーブス4Aにて乾燥した化 合物18(135 mg)の0.05 Mジクロロメタン溶液に0° でトリチルメチルエーテル(TrOMe, 3当量)とジ ロル酢酸(DCA, 5当量)を加えた。反応溶液を1 0分撹拌した後, トリエチルシラン(0.50 ml)を えた。この混合物をジクロロメタンにて希 し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて3回 洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥 し、ろ過して固形物を除いた後に溶媒を減圧 留去した。 1 H 及び 31 P NMR スペクトルにより化合物19が得られた とを確認した。この残渣にt-ブチルアミン(15 0μl)四塩化炭素(250μl)のアセトニトリル溶液(5 .0 ml)を0°で加え、室温にて一時間撹拌した この溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を え、ジクロロメタンにて希釈した。有機層 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄し 後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。 いでろ過にて固形物を除去した後、溶媒を 圧留去した。 シリカゲルカラムクロマトグ ラフィー を用いた精製により化合物20(99.7 m g, 収率80%)を得た。
上記と同様にして得た未精製の化合物19を リジン(1.0 ml)に溶解し、S 8 (4当量) を加えて室温にて2時間撹拌した。 過して固形物を除去した後、溶媒留去した シリカゲルカラムクロマトグラフィー[CH 2 Cl 2 -MeOH-Et 3 N (90:10:1, v/v/v)]で精製して化合物21を含む溶 液を得た。この溶液を1 M 炭酸トリエチル ンモニウム水溶液にて洗浄し、溶媒を減圧 去することにより化合物21を得た(75.1 mg, 率54%)。
化合物18
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 3420, 2984, 2949, 2639, 2366, 1751, 1376, 1227, 1
150, 1118, 1062, 1037, 910, 806. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 12.43 (br, 1H, NH +
), 5.27-4.97 (m, 4H, H-1-H-4), 4.27-4.08 (m, 2H, H-6
), 3.79-3.74 (m, 1H, H-5), 3.54 (dd, 3H, J = 10.7H
z, 14.3Hz, POCH 3
), 3.02 (q, 6H, CH 2
CH 3
), 2.07-1.99 (12H, COCH 3
), 1.30 (t, 9H, J = 7.4 Hz, CH 2
CH 3
), 1.2 to -0.2 (br, 3H, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 103.1-94.5 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 170.4, 170.0, 169.8, 169.7, 169.5, 169.4, 169.4
, 94.7, 94.5 (d, J C-P
= 2.3 Hz), 73.0, 72.9, 72.0, 71.9, 71.8, 68.6, 68
.4, 62.2, 61.8, 50.5 (d, J C-P
= 5.2 Hz), 49.9 (d, J C-P
= 6.9 Hz), 45.4, 21.1, 20.9, 20.9, 20.8, 20.7, 8.6.
HRMS (ESI): calcd for [M+2H] +
: 439.1174; found: 439.1175.
化合物20
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 3478, 3347, 3218, 2970, 1756, 1432, 1368, 1229, 1
162, 1088, 1036, 911, 880, 853. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.32-5.04 (m, 4H, H-1-H-4), 4.28-4.14 (m, 2H,
H-6), 3.85-3.80 (m, 1H, H-5), 3.68 (dd, 3H, J = 11
.6 Hz, 16.5 Hz, POCH 3
), 2.81 (d, J = 8.3 Hz, NH), 2.75 (d, J = 7.7 H
z, NH), 2.08-2.00 (m, 12H, COCH 3
), 1.27 (s, tert-Bu), 1.26 (s, tert-Bu). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 7.9, 7.4. 13
C NMR (CDCl 3
) δ170.2, 169.8, 169.7, 169.2, 169.0, 95.3 (d, J C-P
= 4.6 Hz), 95.2 (d, J C-P
= 5.8), 72.6, 72.5, 72.3, 72.3, 71.3, 71.3, 71.2,
71.1, 67.9, 67.9, 61.6, 61.5, 53.2 (d, J C-P
= 1.4 Hz), 53.1 (d, J C-P
= 1.1 Hz), 51.2, 51.0, 31.1, 31.1, 31.1, 31.0, 20
.7, 20.7, 20.7, 20.6, 20.6. HRMS (ESI): calcd for [
M+Na] +
: 520.1554; found: 520.1554.
化合物21
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 3434, 2986, 2947, 2682, 2441, 1753, 1368, 1229, 1
155, 1038, 911, 815, 783. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 11.9 (br, 1H, NH +
), 5.47 (dd, J = 8.0 Hz, 11.0 Hz, H-1), 5.39 (dd,
J = 8.0 Hz, 11.3 Hz, H-1), 5.25 (t, J = 9.5 Hz
, H-3), 5.24 (t, J = 9.5 Hz, H-3), 5.13-5.01 (m,
2H, H-2, H-4), 4.27-4.09 (m, 2H, H-6), 3.84-3.79 (m,
1H, H-5), 3.58 (dd, 3H, J = 13.5 Hz, 14.6 Hz, P
OCH 3
), 3.07 (q, 6H, CH 2
CH 3
), 2.06-1.99 (m, 12H, COCH 3
), 1.32 (t, 9H, J = 7.4 Hz, CH 2
CH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 59.2, 59.1. 13
C NMR (CDCl 3
) δ 170.7, 170.7, 170.2, 170.1, 169.8, 169.7, 169.7
, 169.6, 96.7 (d, J C-P
= 3.7 Hz), 96.4 (d, J C-P
= 4.6 Hz), 73.3, 72.3, 72.2, 72.1, 72.1, 71.8, 71
.7, 68.8, 68.6, 62.4, 62.0, 53.60 (d, J C-P
= 6.6 Hz), 53.5 (d, J C-P
= 6.0 Hz), 45.9, 21.4, 21.1, 21.1, 21.1, 21.0, 8.
9. HRMS (ESI): calcd for [M] -
: 457.0575; found: 457.0575.
例3
化合物18(81.6 mg)、(S)-β-シトロネロール(1. 2当量)、及びジイソプロピルエチルアミン (1 0当量)のTHF溶液にNT (2.5当量) と Bop-Cl (2.5当 量) を順に加えた。この反応溶液を室温にて 1時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム 液を加え、ジクロロメタンにて希釈した。 有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で4 洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥 た。ろ過して固形物を除去した後、溶媒を 圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグ フィーで精製して化合物22を得た(81.3 mg, 収 率96%)。
化合物22(73.2 mg)の0.1 MTHF溶液にベンゼンチ ール (20当量) とトリエチルアミン (20当量 ) を加えた。 この反応溶液を室温にて20時 撹拌した後、溶媒を減圧留去した。シリカ ルカラムクロマトグラフィー[CH 2 Cl 2 -MeOH-Et 3 N (98.5:0.5:1, v/v/v)]で精製して化合物23を得た( 83.7 mg, 収率97%)。
化合物23(83.4 mg) を25% アンモニア水中室温 にて一時間撹拌した後、1 M 炭酸トリエチル アンモニウム水溶液を加え、溶媒を減圧留去 した。セファデックス LH-20 [MeOH-Et 3 N (99:1, v/v)]による精製を行い化合物24 を得 (50.9 mg, 収率93%)。
化合物22
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 2961, 2917, 2863, 2403, 2357, 1757, 1437, 1368, 1
225, 1037, 909, 855, 830. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.27-5.05 (m, 5H), 4.28-3.97 (m, 4H), 3.82-3.78
(m, 1H, H-5), 3.70 (t, 3H, J = 11.3 Hz, POCH 3
) 2.08-1.13 (m, 25H), 0.94 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 1
.2 to -0.2 (br, 3H, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ120.2-115.2 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 170.3, 169.8, 169.2, 169.1, 169.0, 131.3, 124.3
, 124.2, 95.7, 95.6, 72.6, 72.3, 71.3, 71.2, 68.0,
67.9, 66.0 (d, J C-P
= 4.3 Hz), 65.9 (d, J C-P
= 4.9 Hz), 61.5, 53.3 (d, J C-P
= 5.5 Hz), 37.1, 37.0, 37.0, 36.9, 36.8, 29.0, 25
.8, 25.4, 20.7, 20.6, 19.3, 19.2, 17.7. HRMS (ESI):
calcd for [M-H] +
: 577.2584; found: 577.2570.
化合物23
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 2959, 2917, 2863, 2364, 1754, 1451, 1377, 1226, 1
061, 908, 808. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 12.51 (br, 1H, NH +
), 5.26-4.96 (m, 5H), 4.28-4.07 (m, 2H, H-6), 4.01-3
.73 (m, 3H), 3.02 (q, 6H, CH 2
CH 3
), 2.06-1.07 (m, 34H), 0.89 (d, 3H, J = 1.9 Hz),
1.2 to -0.2 (br, 3H, BH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 100.2-93.5 (m). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 170.4, 170.4, 169.9, 169.8, 169.6, 169.39, 169.
35, 169.3, 130.9, 124.7, 124.6, 94.6, 73.0, 71.9, 68
.4, 62.2, 62.1, 62.0, 61.8, 61.7, 61.6, 45.3, 37.9,
37.8, 37.2, 37.1, 29.4, 29.3, 25.8, 25.5, 21.1, 20.
8, 20.7, 19.5, 19.4, 17.7, 8.5. HRMS (ESI): calcd f
or [M] -
: 563.2438; found: 563.2418.
化合物24
Colorless foam. IR (KBr, cm -1
) 3389, 2956, 2921, 2863, 2695, 2490, 2368, 1640, 1
452, 1379, 1132, 1064, 901, 823. 1
H NMR (CD 3
CN) δ 5.13-5.07 (m, 1H, allyl), 4.90-4.83 (m, 1H,
H-1), 3.95-3.80 (m, 2H), 3.79-3.50 (m, 2H, H-6), 3.3
8-3.10 (m, 4H, H-2, H-3, H-4, H-5), 3.05 (q, 6H, C
H 2
CH 3
), 1.98 (m, 1H), 1.67-1.08 (m, 21H), 0.89 (d, 3H,
J = 6.6 Hz), 1.2 to -0.2 (br, 3H, BH 3
). 31
P NMR (CD 3
CN) δ97.5-91.5 (m). 13
C (CD 3
CN) NMR δ 131.6, 125.4, 97.0 (d J C-P
= 3.2 Hz), 96.6 (d, J C-P
= 7.2 Hz), 77.5, 77.5, 77.3, 77.3 (d, J C-P
= 4.0 Hz), 75.2 (d, J C-P
= 3.5 Hz), 71.0, 70.8, 62.8 (d, J C-P
= 3.7 Hz), 62.5, 62.3, 62.2 (d, J C-P
= 4.9 Hz), 46.6, 38.4, 38.3, 37.7, 37.7, 29.9, 29
.9, 26.0, 26.0, 25.7, 19.6, 17.7, 8.9. HRMS (ESI):
calcd for [M] -
: 345.2015; found: 345.2015.
例4
化合物11β(90.6 mg)をジクロルメタン(1.0 ml)
溶解しm-クロロ過安息香酸(2.0 当量)を室温
何度かに分けて添加した。混合物を室温で10
分間拡販し、10%ナトリウムチオスルフェート
溶液(10 ml)とジクロルメタン(15 ml)を加え、
機層を分離して重曹水で洗浄し、無水硫酸
トリウムで乾燥し、濾過して濾液を減圧濃
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
フィー(酢酸エチル)で生成して化合物26を得
(82.3 mg, 収率90%)。同様にして化合物10から
合物25を得た。また、比較のため、酸化剤
してtert-ブチルハイドロペルオキシド(TBHP)又
は(+)-[(8,8-ジクロロカンホリル)スルホニル]オ
キサジリジン(DCSO)を用いて同様の反応を行っ
た。下記の表中、収率(a)は単離収率、収率(b)
は31P NMRでの推定値、n.d.は測定せずを意味す
る。
化合物25
Colorless oil. IR (KBr, cm -1
) 3086, 3031, 3022, 2947, 2910, 2857, 1496, 1453, 1
361, 1150, 1092, 1038, 959, 880, 851, 738. 698. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 7.37-7.10 (m, CH 2
Ph), 5.85 (dd, J = 3.3 Hz, 7.7 Hz, αH-1), 5.14 (
t, J = 7.4 Hz, βH-1), 4.96-4.44 (m, CH 2
Ph), 3.99-3.51 (m, αH-2-αH-6, βH-2-βH-6, αPOCH 3
, βPOCH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ 0.7 (β), 0.7 (α). 13
C NMR (CDCl 3
) δ 98.8 (d, J C-P
= 6.3 Hz, βC-1), 95.3 (d, J C-P
= 6.0 Hz, αC-1). HRMS (FAB): calcd for [M+Na] +
: 671.2380; found: 671.2360.
化合物26
Colorless solid. IR (KBr, cm -1
) 2962, 2862, 1754, 1439, 1369, 1221, 1094, 1035, 8
81. 1
H NMR (CDCl 3
) δ 5.28 (t, J = 7.6 Hz, 1H, H-1), 5.22 (t, J
= 9.4 Hz, 1H, H-3), 5.14-5.06 (m, 2H, H-2, H-4), 4
.27 (dd, 1H, J = 5.0 Hz, 12.4 Hz, H-6), 4.16 (dd,
1H, J = 2,2 Hz, 12.4 Hz, H-6), 3.85-3.80 (m, 1H,
H-5), 3.78 (d, 3H, J = 11.6 Hz, POCH 3
), 3.74 (d, 3H, J = 11.3 Hz, POCH 3
), 2.08 (s, 3H, COCH 3
), 2.07 (s, 3H, COCH 3
), 2.04 (s, 3H, COCH 3
), 2.01 (s, 3H, COCH 3
). 31
P NMR (CDCl 3
) δ-0.30. 13
C NMR (CDCl 3
) δ 170.3, 169.8, 169.2, 169.1, 96.1 (d, J C-P
= 4.6 Hz), 72.6, 72.2 (d, J C-P
= 1.7 Hz), 71.1 (d, J C-P
= 8.9 Hz), 67.8, 61.5, 54.7 (d, J C-P
= 1.4 Hz), 54.6 (d, J C-P
= 1.2 Hz), 20.8, 20.6. HRMS (ESI): calcd for [M+N
a] +
: 479.0925; found: 479.0903.
本発明の方法により多様な置換基を有す 化学的に安定な糖1-ボラノホスフェート化 物を極めて効率的かつ高収率に製造するこ ができる。本発明の方法によれば、立体的 込み合った複雑な複合糖化合物のリン酸部 への化学修飾が可能であり、臭化糖化合物 利用できない場合にも効率的に糖1-ボラノホ スフェート化合物を製造することができる。