Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SWITCHING ELEMENT AND SWITCHING ELEMENT MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051105
Kind Code:
A1
Abstract:
A switching element is provided with an ion conduction layer, and a first electrode (11) and a second electrode (12) arranged by being brought into contact with the ion conduction layer; and a third electrode (15) which is brought into contact with the ion conduction layer and controls electrical conductivity between the first electrode and the second electrode. The shortest distance between any of the two electrodes among the first, second and third electrodes (11, 12, 13) is specified by the thickness of the ion conduction layer.

Inventors:
SAKAMOTO TOSHITSUGU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068581
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 14, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NEC CORP (JP)
SAKAMOTO TOSHITSUGU (JP)
International Classes:
H01L49/00; H01L21/82; H01L27/10; H01L45/00
Domestic Patent References:
WO2005008783A12005-01-27
WO2006070693A12006-07-06
WO2006070773A12006-07-06
WO2006075731A12006-07-20
WO2003094227A12003-11-13
Foreign References:
JP2008226954A2008-09-25
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Teruo et al. (16th Kowa Bldg. 9-20, Akasaka 1-chome, Minato-k, Tokyo 52, JP)
Download PDF:
Claims:
 イオン伝導層と、該イオン伝導層に接して設けられた第1の電極および第2の電極と、前記イオン伝導層に接し、前記第1の電極と第2の電極間の電気伝導度を制御するための第3の電極とを有するスイッチング素子であって、
 前記第1、第2および第3の電極のうちどの2つの電極についても、電極間の最短距離が前記イオン伝導層の膜厚で規定されている、スイッチング素子。
 前記イオン伝導層は第1のイオン伝導層および第2のイオン伝導層からなり、
 前記第1の電極および前記第2の電極の間に前記第1のイオン伝導層が設けられ、
 前記第2の電極および前記第3の電極の間に前記第2のイオン伝導層が設けられ、
 前記第1の電極および前記第3の電極の間に前記第1および第2のイオン伝導層が積層された膜が設けられている、請求の範囲第1項記載のスイッチング素子。
 前記第3の電極の上に前記第2のイオン伝導層が設けられ、
 前記第2の電極は、前記第2のイオン伝導層の上に設けられ、該第2の電極の一部が前記第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の一部を覆い、
 前記第1のイオン伝導層は、前記第2のイオン伝導層の上面のうち前記第2の電極を除く領域と前記第2の電極の側面および上面を覆い、
 前記第1の電極は、前記第1のイオン伝導層の上に設けられ、該第1の電極の一部が前記第1のイオン伝導層を介して前記第2の電極の一部を覆い、該第1の電極の他の一部が前記第1および第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の他の一部を覆っている、請求の範囲第2項記載のスイッチング素子。
 前記第1の電極は、前記第1のイオン伝導層と接触する部位が金属イオンを供給する材料を含み、
 前記第2の電極は、前記第1および第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給しない材料で構成され、
 前記第3の電極は、前記第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給しない材料で構成されている、請求の範囲第3項記載のスイッチング素子。
 前記第1の電極は、前記第1のイオン伝導層と接触する部位が金属イオンを供給する材料を含み、
 前記第2の電極は、前記第1および第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給しない材料で構成され、
 前記第3の電極は、前記第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給する材料を含む構成である、請求の範囲第3項記載のスイッチング素子。
 前記金属イオンを供給する材料は、銅、銀および鉛のうち少なくともいずれかを主材料とする金属または合金であり、
 前記金属イオンを供給しない材料は、白金、アルミニウム、金、チタン、タングステン、ニッケル、パラジウム、タンタル、クロム、もしくはモリブデン、または、これらの金属のうち少なくともいずれかの窒化物、または、これらの金属のうち少なくともいずれかのシリサイド、または、これらの金属のうち複数の金属を組み合わせた合金であり、
 前記第1および第2のイオン伝導層の材料は、金属または半導体と、酸素、硫黄、セレンおよびテルルのうちいずれかのカルコゲン元素との化合物である、請求の範囲第4項または第5項記載のスイッチング素子。
 前記金属イオンを供給する材料が銅であり、前記金属イオンを供給しない材料が白金であり、前記第1および第2のイオン伝導層の材料が酸化タンタルである、請求の範囲第6項記載のスイッチング素子。
 前記第1のイオン伝導層がスパッタリング法により堆積した膜で形成されている、請求の範囲第3項から第7項のいずれか1項記載のスイッチング素子。
 第1および第2のイオン伝導層と、該第1イオン伝導層に接して設けられた第1の電極および第2の電極と、前記第2イオン伝導層に接し、前記第1の電極と第2の電極間の電気伝導度を制御するための第3の電極とを有するスイッチング素子の製造方法であって、
 基体上に前記第3の電極を形成し、
 前記第3の電極の上に前記第2のイオン伝導層を形成し、
 前記第2のイオン伝導層の上に、一部が前記第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の一部を覆う前記第2の電極を形成し、
 前記第2のイオン伝導層の上面のうち前記第2の電極を除く領域と前記第2の電極の側面および上面を覆う前記第1のイオン伝導層を形成し、
 前記第1のイオン伝導層の上に、一部が前記第1のイオン伝導層を介して前記第2の電極の一部を覆い、他の一部が前記第1および第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の他の一部を覆う前記第1の電極を形成する、スイッチング素子の製造方法。
 前記第1のイオン伝導層の形成にスパッタリング法を用いる請求の範囲第9項記載のスイッチング素子の製造方法。
Description:
スイッチング素子、およびスイ チング素子の製造方法

 本発明は、論理集積回路装置および演算 路装置などの再構成可能な半導体集積回路 ならびに半導体記憶装置に用いられるスイ チング素子およびその製造方法に関する。

 再構成可能な半導体集積回路の一例とし 、FPGA(フィールドプログラマブルゲートア ー)がある。FPGAは、再構成可能なロジックセ ルと再構成可能な配線を備え、ユーザがロジ ックセルおよび配線を設計ツールにしたがっ てプログラムすることにより再構成すること ができる。ユーザの手元でユーザが欲しい機 能を備えた半導体集積回路を得ることができ る。FPGAは汎用部品であり、用途に応じてロ ックセルの規模・周辺回路等が異なるもの 数種類用意されている。

 FPGAの利点が2つある。1つ目は、ユーザ向 に半導体集積回路を設計する必要がないた 、集積回路の製造に必要なユーザに特化し 設計開発の費用・マスク等の初期費用がほ んど不要になることである。2つ目は、新た に半導体集積回路を開発・製造する必要がな いために開発期間が非常に短くできることに ある。

 しかし、FPGAには、ロジックセルおよび配 線を構成するためのスイッチを搭載している 点や、ユーザによって使用されないロジック セルの領域が存在する点などから、チップサ イズが専用設計された集積回路に比べると数 十倍も大きくなってしまう。そのため、初期 費用を除いた1チップあたりの製造単価は非 に高く、また、チップサイズが大きいこと 配線長が長くなり、動作速度が遅く、消費 力が大きくなる。そのため、ユーザが集積 路を大量に必要とする場合や、高性能な集 回路を必要とする場合には、専用設計され 集積回路が適している。

 ロジックセルおよび配線を再構成するた のスイッチの面積は、FPGAのチップ面積の半 分以上を占めており、スイッチの面積がFPGA 性能、製造コストに大きな影響を与える。 在用いられているスイッチはSRAM(スタティッ クランダムアクセスメモリ)とパストランジ タを組み合わせたSRAMスイッチと呼ばれるタ プである。ロジックセルと同様の方法によ 製造できる利点がある。

 FPGAのためのスイッチとしては、スイッチ の面積が小さく、オン時の抵抗が小さい方が 望ましい。上記のSRAMスイッチは、スイッチ 面積は120F2(Fは集積回路の最小加工寸法)であ り、オン時の抵抗は1kオーム程度である。

 スイッチの一例が特開2006-339667号公報(以 では、特許文献1と称する)に開示されてい 。特許文献1に開示されたスイッチは、スイ チの面積として8F2、オン時の抵抗として100 ーム程度を実現している。そのため、この イッチをFPGAのスイッチとして用いることが できれば、FPGAの性能の向上、製造費用の大 な引き下げが可能となる。

 さらに、特許文献1のスイッチを用いたFPG Aでは、SRAMスイッチを用いたFPGAと同じチップ サイズで比較すると、より多くのロジックセ ルを搭載することが可能となる。そのため、 SRAMスイッチを用いたFPGAではロジックセル数 上限を超えてしまうためにマッピングが不 能であったアプリケーションも、特許文献1 のスイッチを用いたFPGAで実行させることが 能となる。

 ここで、特許文献1に開示されたスイッチ の動作を簡単に説明する。このスイッチは3 の電極を備えた3端子型スイッチである。第1 電極と第2電極間のイオン伝導層に電流経路 形成することで、オフ状態からオン状態へ イッチする。電極間を接続する電流経路の 成および消滅は銅イオンの析出・溶解によ 電気化学反応によって行われ、その電気化 反応は第3電極によって制御される。なお、 オン伝導層はイオン伝導体や固体電解質層 も称されるが、以下では、「イオン伝導層 の用語を用いる。

 特許文献1に開示されたスイッチにおいて 、電極間の距離が非常に重要である。第1電 と第2電極の最短距離の部分に電流経路が形 されるため、第1電極と第2電極の距離は重 である。また、電流経路の生成および消滅 第3電極が制御するため、第1電極および第2 極のそれぞれと第3電極との最短距離も重要 ある。

 特許文献1の図2に示す構造では、第1電極 よび第2電極のそれぞれと第3電極との最短 離はイオン伝導層の膜厚で決まるが、第1電 と第2電極の最短距離はリソグラフィ工程に より決まる。イオン伝導層の膜厚の精度は1nm 以下であり、非常に精度が高い。ところが、 リソグラフィ工程による距離の規定の精度は 最先端の装置を用いても10nm程度である。

 特許文献1の図9に示す構造では、第1電極 第2電極が異なる材料であるため、それぞれ のパタン形成のためにリソグラフィ工程が電 極毎に行われる。そのため、第1電極と第2電 との最短距離はリソグラフィ工程の合わせ れの影響を受けるおそれがある。電極間の 短距離が製造毎に異なると、スイッチング 子の特性が製造ロット毎にばらついてしま ことになる。

 本発明の目的の一例は、製造ロット間の 性ばらつきを低減したスイッチング素子お びその製造方法を提供することである。

 本発明の一側面のスイッチング素子は、 オン伝導層と、イオン伝導層に接して設け れた第1の電極および第2の電極と、イオン 導層に接し、第1の電極と第2の電極間の電気 伝導度を制御するための第3の電極とを有す スイッチング素子であって、第1、第2および 第3の電極のうちどの2つの電極についても、 極間の最短距離がイオン伝導層の膜厚で規 されている構成である。

 一方、本発明の一側面の、スイッチング 子の製造方法は、第1および第2のイオン伝 層と、第1イオン伝導層に接して設けられた 1の電極および第2の電極と、第2イオン伝導 に接し、第1の電極と第2の電極間の電気伝 度を制御するための第3の電極とを有するス ッチング素子の製造方法であって、基体上 第3の電極を形成し、第3の電極の上に第2の オン伝導層を形成し、第2のイオン伝導層の 上に、一部が第2のイオン伝導層を介して第3 電極の一部を覆う第2の電極を形成し、第2 イオン伝導層の上面のうち第2の電極を除く 域と第2の電極の側面および上面を覆う第1 イオン伝導層を形成し、第1のイオン伝導層 上に、一部が第1のイオン伝導層を介して第 2の電極の一部を覆い、他の一部が第1および 2のイオン伝導層を介して第3の電極の他の 部を覆う第1の電極を形成するものである。

図1は本実施形態のスイッチング素子の 一構成例を示す断面模式図である。 図2はイオン伝導層をスパッタリング法 で形成した場合を示す断面模式図である。 図3Aは実施例1のスイッチング素子の一 構成例を示す電子顕微鏡写真である。 図3Bは実施例1のスイッチング素子の一 構成例を示す断面模式図である。 図4は実施例1のスイッチング素子の動 原理を模式的に示す断面図である。 図5は実施例1のスイッチング素子の電 特性を示すグラフである。 図6は実施例1のスイッチング素子をオ 状態からオフ状態に遷移させたときの電気 性を示すグラフである。 図7は図6に示した電圧電流特性につい 、スイッチング素子の動作原理を説明する めの断面模式図である。 図8は実施例2におけるスイッチング素 の一構成例を示す断面模式図である。 図9Aは実施例2におけるスイッチング素 子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Bは実施例2におけるスイッチング素 子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Cは実施例2におけるスイッチング素 子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Dは実施例2におけるスイッチング素 子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Eは実施例2におけるスイッチング素 子の製造方法を示す断面模式図である。 図10は実施例3におけるスイッチング素 子の一構成例を示す断面模式図である。 図11は実施例4におけるスイッチング素 子の一構成例を示す断面模式図である。

符号の説明

 11  第1電極
 12  第2電極
 13  第1イオン伝導層
 14  第2イオン伝導層
 15  第3電極

 本実施形態のスイッチング素子の構成を 明する。本実施形態のスイッチング素子は3 端子型スイッチである。

 図1は本実施形態のスイッチング素子の一 構成例を示す断面模式図である。

 図1に示すように、スイッチング素子は、 第1電極11および第2電極12と、これら2つの電 に接する第1イオン伝導層13と、第2電極12お び第1イオン伝導層13に接する第2イオン伝導 14と、第2イオン伝導層14に接する第3電極15 を有する。ここでは、第3電極15は、図に示 ない導電性基板上に形成されている。

 第1電極11は、第1イオン伝導層13および第2 イオン伝導層14に金属イオンを供給可能な金 材料から構成されている。また、第2電極12 、第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層 14に金属イオンを供給しない材料で構成され いる。

 第3電極15の上に第2イオン伝導層14が設け れている。第2イオン伝導層14の上面には、 部に第2電極12が形成され、それ以外の領域 第1イオン伝導層13が形成されている。第1イ オン伝導層13は、第2イオン伝導層14の上面の ち第2電極12で覆われた部位を除く領域と、 2電極12のパタンの側面および上面を覆って る。この構成により、第1イオン伝導層13は 第2電極12のパタンの外周部で形成された段 を覆うことになる。図1に示すように、第2 極12の形状が第1イオン伝導層13に反映される ため、第2電極12の外周部で第1イオン伝導層13 に段差が生じている。

 第1イオン伝導層13の上に第1電極11が設け れている。第1電極11は、第1イオン伝導層13 介して、第2電極12の外周部を覆っている。 の構成により、第2電極12のパタンが転写さ た第1イオン伝導層13の段差を被覆するよう 第1電極11が形成されている。

 図1に示す構成では、第2電極12は、その一 部が第2イオン伝導層14を介して第3電極15の一 部を覆っており、第2電極12と第3電極15の最短 距離は第2イオン伝導層14の膜厚で決まる。

 第1電極11は、その一部が第1イオン伝導層 13を介して第2電極12の一部を覆っている。そ ため、第1電極11と第2電極12の最短距離は第1 イオン伝導層13の膜厚で決まる。また、第1電 極11は、他の一部が第1イオン伝導層13および 2イオン伝導層14の積層膜を介して第3電極15 一部を覆っている。そのため、第1電極11と 3電極15の最短距離は、第1イオン伝導層13お び第2イオン伝導層14のそれぞれの膜厚を合 した値で規定される。

 このように、本実施形態では、各電極間 最短距離がイオン伝導層の膜厚で規定され いるため、製造ロット間における、スイッ ング素子の特性のばらつきを低減すること できる。

 図1を見ると、第1イオン伝導層13が第2イ ン伝導層14の上から第2電極12のパタンの側壁 に沿って立ち上がるところで、90度に屈折し いる。その形状が転写された第1電極11も基 面に平行な水平方向から垂直方向に立ち上 るところで90度に近い角度で屈折している そのため、第1電極11は、屈折部分が第2電極1 2の方向に先鋭化した断面形状になっている

 第1電極11の屈折部分を第2電極12の方向に り先鋭化するには、第1イオン伝導層13を形 する際に、スパッタリング法を用いるとよ 。

 図2はイオン伝導層をスパッタリング法で 形成した場合を示す断面模式図である。スパ ッタリング法は、ターゲットと呼ばれる電極 材料にアルゴンイオンをぶつけて電極材料の 粒子をたたき出し、その粒子を基板表面に堆 積させる膜形成方法である。スパッタリング 法は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法と違って膜 堆積速度に異方性があり、平坦部に比べて 壁での堆積速度が遅いという性質がある。

 基板表面に設けられたパタンの側壁にお る膜の形成過程に注目すると、側壁での形 途中の膜がその後に飛んで来る粒子にとっ 遮蔽物になる。そのため、側壁の下側ほど 積速度が遅くなる。その結果、図2に示すよ うに、第1イオン伝導層13の膜厚は、第2イオ 伝導層14の上面と第2電極12の側壁との交差部 分で他の領域に比べて薄くなる。第1イオン 導層13の上に形成される第1電極11は、第1イ ン伝導層13の屈折部分で、図2に示すような 鋭部16の形状が得られる。図2の断面形状に いて、精鋭部16は図1に示した第1電極11の屈 部分よりも角度が小さく、より精鋭化して ることがわかる。

 次に、本実施形態のスイッチング素子の 作を説明する。

 本実施形態のスイッチング素子の動作は 本的には特許文献1に開示された3端子型ス ッチング素子と同様であるため、ここでは その動作を簡単に説明する。

 はじめに、第1電極11と第2電極12の2つの電 極間に電圧を印加して、スイッチをオフから オンに切り替える場合を説明する。第2電極12 に対して第1電極11に正の電圧を印加すると、 第1電極11の金属が金属イオンになってイオン 伝導層に溶解する。そして、第1イオン伝導 13に含まれる金属イオンがイオン伝導層中に 金属になって析出し、析出した金属により第 1電極11と第2電極12を接続する金属架橋が形成 される。金属架橋で第1電極11と第2電極12が電 気的に接続することで、スイッチがオン状態 になる。

 ここで、金属架橋が形成される場所につ て図1を用いて説明する。

 2つの電極のうち一方を接地して他方の電 極に電圧を印加すると、2つの電極間に生じ 電界強度はそれらの電極間の距離の2乗に反 例する。金属架橋は、2つの電極間で最短距 離の電界強度が最も強い部位に形成される。 ここで、図1に示した第1電極11の断面形状を ると、屈折部分が他の領域と比べて第2電極1 2の方向に先鋭化している。第2電極12と第1電 11との間に電圧を印加すると、第1電極11の 鋭化した部分に電界が集中する。そのため 金属イオンのイオン伝導度が大きくなり、 の部分に金属架橋が好適に成長する。

 続いて、スイッチをオンからオフに切り える場合を説明する。

 オン状態において、第3電極15に対して、 1電極11および第2電極12に正の電圧を印加す と、金属架橋の金属が金属イオンとなって 1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に 解する。溶解によって、金属架橋の一部が 断されると、スイッチがオフ状態になる。

 このスイッチをオンからオフに切り替え 場合において、下記のいずれかの方法を用 ると切り替えが容易である。第1の方法は、 第1電極11と第2電極12の間に電位差を設けて、 金属架橋の切断を促進する方法である。第2 極12を第1電極11に対して高い電位にすると、 第1電極11側にも金属架橋を構成する金属イオ ンが引き抜かれ、架橋の切断が促進される。

 第2の方法は、環境温度を室温より高温に することで、金属イオンの移動を促進し、金 属架橋10の切断を促進する方法である。150℃ 度とすると金属イオンの拡散速度が増大す 。これら第1および第2の方法を併用するこ でさらに効果的である。

 上記の方法でオフさせた後、再び、第2電 極12に対して第1電極11に正の電圧を印加する とによって、スイッチをオフからオンに遷 させたときの原理と同様にして、2つの電極 間に架橋を形成することが可能となる。この とき、一旦形成された金属架橋の一部が切断 された状態からオンさせるので、一度もスイ ッチングさせていない場合に比べると、オン へのスイッチングに要する時間および印加電 圧が少なくて済む。

 次に、第3電極15が、第1イオン伝導層13お び第2イオン伝導層14に金属イオンを供給可 な金属材料から構成されている場合に、ス ッチをオフからオンに切り替える方法につ て説明する。ここでは、スイッチングによ 金属架橋を第1電極11と第2電極12の間に一旦 成し、その後、金属架橋の一部を切断して フした状態からオン状態に遷移させる。

 第3電極15に対して第1電極11および第2電極 12に正の電圧を印加する。このとき、第3電極 15の金属が金属イオンとなって第2電極12、第1 電極11および金属架橋に金属となって堆積す 。上述したように金属架橋を一旦形成した にオフ状態にしたので、金属架橋の欠損部 が最小限に抑えられていた。そのため、こ では、その欠損部分に金属が析出するだけ 、第1電極11と第2電極12を結ぶ金属架橋が形 され、第1電極11および第2電極12が接続され 。

 なお、電気的接続の完全な切断/短絡によ る動作ではなくとも、第1電極と第2電極間の 気抵抗が変化する、あるいは電極間容量が 化したりするなどの電気特性の変化をセン して、スイッチあるいは記憶作用として用 ることも当然可能であり、本発明ではこれ も含めて電気伝導度の変化をスイッチング 作とする。

 また、本実施形態では、金属イオンを供 する材料で第1電極11が構成されるものとし が、第1電極11は、少なくともイオン伝導層 接触する部位がイオン伝導層に金属イオン 供給する材料を含んでいればよい。第3電極 15についても同様である。また、金属イオン 供給しない材料で第2電極12が構成されるも としたが、第2電極12は、少なくともイオン 導層と接触する部位が金属イオンを供給し い材料であればよい。

 本実施例のスイッチング素子の構成を説 する。

 本実施例のスイッチング素子は、図1に示 した構成において、電極の材料として、第1 極11に銅を用い、第2電極12に白金/チタンの 層膜を用い、第3電極15に白金を用いた。ま 、イオン伝導層の材料として、第1イオン伝 層13および第2イオン伝導層14に五酸化二タ タルを用いた。

 次に、本実施例のスイッチング素子の製 方法を説明する。

 導電性シリコン基板上に真空蒸着法を用 て白金/チタン(膜厚50nm/5nm)の積層構造を形 し、この積層構造を第3電極15とする。スパ タリング法を用いて、膜厚20nmの五酸化二タ タルを第3電極15の上に形成し、これを第2イ オン伝導層14とする。

 続いて、第2イオン伝導層14の上にLORレジ ト(化薬マイクロケム株式会社製)および電 ビームレジスト(PMMA:化薬マイクロケム株式 社製)を順次スピンコートしてポストベーキ グを行う。これらのレジストに対して電子 ーム露光を行い、PMMAレジストの現像および LORレジストの現像を行って、第2電極12を形成 するための開口パタンをレジストに形成する 。真空蒸着法を用いて、開口パタンを有する レジストの上に白金/チタン薄膜(膜厚20nm/2nm) 形成する。その後、有機溶剤でレジストを 解させることで、不要な金属膜を除去して 白金/チタン(膜厚20nm/2nm)が積層された構成 第2電極12を形成する。このように、レジス とともにその上に堆積した金属膜を除去す 方法は、リフトオフ法と呼ばれている。

 さらに、上述のレジスト塗布、露光およ 現像を含むリソグラフィ工程と、真空蒸着 による膜形成工程およびリフトオフ工程を って、次のようにして、第1イオン伝導層13 よび第1電極11を形成する。

 上面の一部に第2電極12が形成された第2イ オン伝導層14の上にLORレジスト(化薬マイクロ ケム株式会社製)および電子ビームレジスト(P MMA:化薬マイクロケム株式会社製)を順次スピ コートしてポストベーキングを行う。これ のレジストに対して電子ビーム露光を行い PMMAレジストの現像およびLORレジストの現像 を行って、これらのレジストに開口パタンを 形成する。

 ここで、LORレジストを現像する際、現像 間を制御して、LORレジストの開口面積をPMMA レジストの開口面積よりも一回り大きくなる ようにする。これにより、LORレジストの開口 パタン周辺から内側へ所定の長さのひさしが PMMAレジストにより形成される。

 このような開口パタンをレジストに形成 た後、その上からスパッタリング法を用い 膜厚20nmの五酸化二タンタルを形成する。こ の膜形成工程では、PMMAによるひさしの下に 五酸化二タンタルが堆積する。続いて、真 蒸着法を用いて五酸化二タンタルの上に銅 形成する。その後、リフトオフ法を用いて 酸化二タンタルおよび銅の不要な部分を除 することで、五酸化二タンタルからなる第1 オン伝導層13と、銅からなる第1電極11が形 される。

 上述したように、PMMAによるひさしの下に も五酸化二タンタルが堆積するため、第1イ ン伝導層13のパタンは第1電極11のパタンより も一回り大きくなり、第1イオン伝導層13が第 1電極11よりも外側にはみ出した構造になる。 このような構造にすることで、第1電極11と第 2電極12の間の絶縁耐性が良好になる。第1電 11のパタンの側壁と第1イオン伝導層13のパタ ンの側壁の位置が一致してしまうと、電極間 で第1イオン伝導層13の側壁を電流が伝わるリ ークパスが生じてしまう。第1イオン伝導層13 のパタンを第1電極11よりも大きくすることで 、このリークパスを防ぐことが可能となる。

 上述の製造方法で作製したスイッチング 子の構造を説明する。

 図3Aは本実施例のスイッチング素子の電 顕微鏡写真であり、図3Bは図3Aに示す破線部 の断面模式図である。

 図3Aはスイッチング素子を斜め上方から った写真である。本実施例では、第2電極12 パタンは長方形である。第2電極12の一部を って第1イオン伝導層13が形成されている。 1イオン伝導層13のパタンは、方形であり、 2電極12の短辺と平行な辺の長さが第2電極12 短辺よりも長い。

 第1イオン伝導層13の上に第1電極11が形成 れている。第1電極11のパタンも方形である 、第2電極12の短辺と平行な辺の長さが第2電 極12の短辺よりも長く、第1イオン伝導層13よ も短い。これは、上述の製造方法で説明し ように、第1イオン伝導層13のパタンの方が 2電極12よりも一回り大きいからである。

 図3Aに示す第1電極11の上面を見ると、第1 オン伝導層13を介して第2電極12を覆う部位 他の領域よりも上方に飛び出している。こ は、第2電極12のパタンによる段差が第1イオ 伝導層13を介して第1電極11に転写されてい からである。

 次に、スイッチング素子の動作について 明する。本実施例のスイッチング素子は、O N/OFF動作する3端子型スイッチである。スイッ チング素子をMOS(Metal Oxide Semiconductor)トラン スタにあてはめて考えると、第1電極11はMOS ランジスタのソース電極に相当し、第2電極 12はドレイン電極に相当し、第3電極13はゲー 電極に相当する。

 はじめに、スイッチをオフからオンにす 場合を説明する。第2電極12および第3電極15 接地し、第1電極11に正の電圧を印加すると 第1電極11の銅が銅イオンになって第1イオン 伝導層13に溶解する。そして、第1イオン伝導 層13に含まれる銅イオンが第1イオン伝導層中 に金属になって析出し、析出した金属により 第1電極11と第2電極12を接続する銅架橋が形成 される。銅架橋で第1電極11と第2電極12が電気 的に接続することで、スイッチがオン状態に なる。

 続いて、スイッチをオンからオフにする 合を説明する。第1電極11に負の電圧を印加 ると、銅架橋の銅が銅イオンとなって第1イ オン伝導層13および第2イオン伝導層14に溶解 る。溶解によって、銅架橋の一部が切断さ ると、スイッチがオフ状態になる。

 次に、本実施例のスイッチング素子の電 特性を説明する。

 図4はスイッチング素子の動作原理を模式 的に示す断面図である。ここでは、銅架橋の 成長および切断をより理解しやすくするため に、図2に示したスイッチング素子の場合を す。

 図5はスイッチング素子の電圧電流特性を 示すグラフである。図5のグラフは、第1電極1 1に印加する電圧と第1電極11に流れる電流の 係を示している。横軸は第1電極11に印加す 電圧V1を示し、縦軸は第1電極11に流れる電流 I1を示す。電圧電流特性の測定は、測定時に ける環境温度が室温(約20℃)の場合と、150℃ の場合の2通り行った。図5には、室温の場合 測定データを破線で示し、150℃の場合の測 データを実線で示している。

 図4(a)に示すオフ状態から、第2電極12およ び第3電極15を接地して第1電極11に正電圧を印 加する。第1電極11に印加する正電圧を大きく していくと、第1電極11と第2電極12との間の電 界強度は図4(a)に示す先鋭部16で最も大きくな るため、先鋭部16に銅が析出しやすくなる。 4(b)に示すように、銅架橋10が第2電極12に伸 て、第1電極11と第2電極12が銅架橋10で接続 れる。このようにして素子はオン状態にな 。

 オン状態になった後、第1電極11に負電圧 印加して、電圧の絶対値を大きくしていく 、銅架橋10の銅がイオン伝導層に溶解し、 4(b)に示すように、銅架橋10が切断する。こ ようにして素子はオフ状態になる。以下に それぞれの状態遷移における電圧電流特性 変化の様子を説明する。

 図5のグラフで環境温度が室温の場合の電 圧電流特性を見ると、第1電極11に印加する正 電圧を0Vから大きくしていくと、2V程度で、 れまで0Aの電流が1mAに増大する。このとき、 第1電極11と第2電極12が銅架橋10を介して接続 れた状態になる。なお、測定では、測定電 が1mAを超えないように制限している。

 その後、第1電極11に印加する電圧を0Vに してもオン状態は維持される。さらに、第1 極11に印加する負電圧の絶対値を大きくし いくと、-0.5V付近で、電流の絶対値が小さく なり、オフ状態へ遷移していることがわかる 。

 一方、図5のグラフで環境温度が150℃の場 合の電圧電流特性を見ると、オフ状態からオ ン状態に遷移するときの電圧が約1Vであり、 ン状態からオフ状態に遷移するときの電圧 約-0.2Vである。

 図5のグラフから、スイッチング素子の環 境温度を上げることにより、スイッチが切り 換わるときの電圧の絶対値が小さくなってい ることがわかる。これは、温度を上げること により、銅イオンの拡散速度が大きくなり、 銅架橋の接続および切断のそれぞれの現象が 促進するからである。

 次に、第3電極15に電圧を印加して、スイ チング素子をオン状態からオフ状態に遷移 せる場合について説明する。

 図6はスイッチング素子をオン状態からオ フ状態に遷移させたときの電圧電流特性を示 すグラフである。横軸は第1電極11に印加する 電圧V1を示し、縦軸は第1電極11に流れる電流I 1を示す。

 オン状態のスイッチング素子の第3電極15 よび第2電極12を接地し、第1電極11に負電圧 印加する。図5に示したグラフの測定時と同 様に、第1電極11に印加する負電圧の絶対値を 大きくしていくと、図6の破線に示すように -0.4V付近でオフすることが確認できる。

 一方、スイッチング素子をオン状態から フ状態させる際、第3電極15を接地する替わ に-3.5Vの負電圧を印加する。第3電極15に印 する電圧をV3とする。その状態で、第1電極11 に印加する負電圧を0Vから変化させると、図6 の実線に示すように、-0.2V付近でオフするこ がわかる。

 このように、第3電極15に負電圧を印加す ことで、オン状態からオフ状態に遷移させ ための電圧V1が-0.4Vから-0.2Vになり、その絶 値が小さくなる。また、スイッチング時に れる電流も約0.5mA小さくなる。

 図7は、図6に示した電圧電流特性につい 、スイッチング素子の動作原理を説明する めの断面模式図である。ここでも、図2に示 たスイッチング素子を用いた場合としてい 。

 オン状態からオフ状態に遷移させる際、 1電極11だけでなく第3電極15にも負電圧を印 することで、第1電極11と第2電極12を接続す 銅架橋10の銅が銅イオンとして第1電極11お び第3電極13のそれぞれの方向に引き抜かれ 。そのため、スイッチング時の電圧が、第1 極11のみに電圧を印加した場合(図6に破線で 示す測定データ)よりも小さくなる。

 本実施例は、本実施形態のスイッチング 子を半導体装置に実装した場合の一例であ 。ここでは、第3電極が金属イオンを供給可 能な材料を含んでいる場合とする。

 本実施形態のスイッチング素子を半導体 置に実装するに際して、スイッチング素子 形成可能な基体について説明する。

 半導体デバイスの機能上必要な能動素子 どが形成された半導体基板を基体として用 ることが可能である。また、表面を絶縁膜 覆った半導体基板を基体としてもよい。こ 場合、半導体基板の表面に形成された能動 子を絶縁膜で覆うようにしてもよい。さら 、半導体基板上に層間絶縁膜と配線からな 多層配線構造が形成されたものを基体とし もよい。このように、本実施形態のスイッ ング素子を種々の基体上に形成することが 能である。

 特に、本実施形態のスイッチング素子を 構成可能回路のスイッチとして用いる場合 は、半導体基板上に多層配線が形成された 造を基体として用いることが好適である。 の場合、多層配線を有する基体上の最上層 本実施形態のスイッチング素子を設ける場 に限らない。多層配線を有する基体上にス ッチング素子を形成し、その上に層間絶縁 を形成してスイッチング素子を被覆し、さ に、その層間絶縁膜の上層に配線を形成し もよい。この構造は、本実施形態のスイッ ング素子を半導体デバイスの多層配線構造 に埋め込む形で形成することが可能である

 次に、本実施形態のスイッチング素子を 導体装置に実装した場合の構成について説 する。図8はスイッチング素子を半導体装置 に実装した場合の一構成例を示す断面模式図 である。

 本実施例の半導体装置は、図に示さない 導体素子を接続するための多層配線構造(不 図示)と、スイッチング素子とを有する。多 配線構造は基体上に設けられ、スイッチン 素子は多層配線構造の一部と同層に、また 多層配線構造の上に形成される。

 図8に示すように、スイッチング素子は、 図1で説明した構成と同様に、第1電極21、第2 極22、第3電極25、第1イオン伝導層23および 2イオン伝導層24を有する構成である。第1電 21および第3電極25は金属イオンを供給可能 材料を含む構成である。第1プラグ36は第1バ アメタル35を介して第1電極21と接続され、 2プラグ38は第2バリアメタル37を介して第2電 22と接続されている。以下に、図8に示す構 を詳しく説明する。

 シリコン基板(不図示)の上に、図に示さ い半導体素子および半導体素子を覆う絶縁 が形成されたものを基体20とする。その基体 20の上に第1ストップ絶縁膜31、第1層間絶縁層 27、第2ストップ絶縁層32および第1拡散防止層 26が順に形成されている。これらの膜の積層 の配線用溝に図に示さない配線および第3電 極25が形成されている。

 第3電極25は底面および側面が第3バリアメ タル28で覆われている。第3電極25の上面は、 口部が設けられた第1拡散防止層26で覆われ いる。第1拡散防止層26の上に第2イオン伝導 層24が設けられている。第1拡散防止層26の開 部を介して、第3電極25の上面の一部が第2イ オン伝導層24と接触している。第2イオン伝導 層24に金属イオンが第3電極25から余分に拡散 ないように、開口部により金属イオンが拡 できる領域を規定している。図8に示すよう に、開口部は第3電極25の上面の面積よりも小 さいことが望ましい。

 第3電極25が第2イオン伝導層24と接触する 位を除いて拡散防止層またはバリアメタル 覆われている理由を説明する。

 第3電極25から第2イオン伝導層24に金属イ ンが溶出するという現象を利用することを えると、第3電極25が第2イオン伝導層24と接 するのは原理上必要なことである。しかし 基体20の絶縁膜および第1層間絶縁層27のそ ぞれに第3電極25が接触は好ましくない。そ は、絶縁膜や第1層間絶縁層27に金属が溶出 ると、溶出した金属が絶縁体の絶縁耐性を 化させてしまうからである。そのため、図8 示すように、第3電極25は、第2イオン伝導層 24と接触する部位を除いて、第3バリアメタル 28と第1拡散防止層26で覆われ、基体20の最上 の絶縁膜や第1層間絶縁層27と直接に接触し いない。そして、バリアメタルおよび拡散 止層は、第3電極25から溶出する金属イオン ブロックしている。

 第2イオン伝導層24のパタンの形状は平板 である。第2イオン伝導層24を平板状に形成 ることで、リソグラフィ工程で第2電極22と 3電極25の距離をより正確に制御することが 能となり、スイッチングさせる際に印加す 電圧の制御性が向上する。その一方、第2イ オン伝導層24を立体的に湾曲させて形成した 、第3電極25および第2電極22の界面に凸部や 部を形成したりすることで、第3電極25と第2 電極22間の最短距離を積極的に変えてもよい 例えば、第3電極25と第2電極22との最短距離 より短くすることで、低電圧でスイッチン 動作を行わせることが可能となる。

 第2イオン伝導層24は、第1拡散防止膜26の 口部の全てを覆っている方が望ましい。さ に、第2イオン伝導層24は第3電極25のパタン りも外側の第1層間絶縁層27の上方まで、そ パタンが達して形成されている方がより望 しい。このように第2イオン伝導層24のパタ をより大きくすると、第2イオン伝導層24に る、図の左右方向への金属イオンの拡散を ぐ効果が向上する。これは、半導体装置の 期信頼性を向上させる効果を同時にもたら ことになる。

 第2イオン伝導層24の上に第2電極22が設け れている。第2電極22のパタンと形状につい 説明する。第2電極22のパタンは、基体20の 直上方から見ると、第1拡散防止層26の開口 と一部重なっている。これにより、第2電極2 2のパタンの一部は第2イオン伝導層24を介し 第3電極25のパタンの一部と重なっている。 8に示すように、第2電極22のパタンの縁が上 開口部における第3電極25の中央部付近にあ ことが望ましい。これにより、リソグラフ 工程における位置合わせずれがあっても、 2電極22のパタンの縁が上記開口部を外れる とを防げる。また、図8に示すように、第2 極22のパタンの面積は、電気的な接続のため のプラグをその上面に形成するのに十分な大 きさである。

 第1イオン伝導層23は、図8に示すように、 第2電極22が形成された部位を除く、第2イオ 伝導層24の上面を覆っている。また、第2電 22の側面と、第2電極22の上面のうち電気的接 続をとるための部位を除く領域を覆っている 。

 スパッタリング法で第1イオン伝導層23を 成した場合、第1イオン伝導層23の膜厚は、 地の形状に依存して各部で異なる。第2電極 22のパタンの側面に形成される膜は第2電極22 上面に形成される膜に比べて、膜厚が小さ なる傾向がある。また、第2イオン伝導層24 上面に形成される膜のうち第2電極22のパタ の側面に近い領域では、第2電極22の上面に 成される膜に比べて、膜厚が小さくなる傾 がある。

 第1イオン伝導層23の上に第1電極21が設け れている。図8に示すように、第2イオン伝 層24に対する第2電極22のパタンによる段差が 第1イオン伝導層23に転写され、転写された第 1イオン伝導層23の段差部分に跨がって第1電 21が形成されている。第1電極21の第1イオン 導層23の段差部分に図2に示したような先鋭 が形成されている。

 第1電極21の側面は第2拡散防止層29で覆わ 、第1電極21の上面は電気的接続をとるため 部位を除いて第2拡散防止層29で覆われてい 。第1電極21の側面と上面のうち電気的接続 とるための部位を除いて、第2拡散防止層29 覆われているのは、第3電極25と同様に、第1 電極21から層間絶縁膜中に金属イオンが溶出 るのを防ぐためである。

 第2拡散防止層29の上には第2層間絶縁層30 設けられている。第2層間絶縁層30の上には 3ストップ絶縁層33が設けられている。第1イ オン伝導層23、第2拡散防止層29、第2層間絶縁 層30および第3ストップ絶縁層33を貫通して第2 電極22の上面に達する開口には、側面および 面が第2バリアメタル37で覆われた第2プラグ 38が設けられている。また、第2拡散防止層29 第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層33 貫通して第1電極21の上面に達する開口には 側面および底面が第1バリアメタル35で覆わ た第1プラグ36が設けられている。第3ストッ プ絶縁層33の上には、第1プラグ36および第2プ ラグ38の上面を覆う保護膜34が設けられてい 。

 第1プラグ36は第1電極21の電気的接続をと ための部位であり、第2プラグ38は第2電極22 電気的接続をとるための部位である。第1プ ラグ36が第1バリアメタル35および保護膜34で われているのは、プラグを構成する金属材 が第2層間絶縁層30に拡散するのを防ぐため ある。第2プラグ38が第2バリアメタル37およ 保護膜34で覆われているのも、第1プラグ36と 同じ理由である。

 なお、第1ストップ絶縁層31、第2ストップ 絶縁層32、第3ストップ絶縁層33および保護膜3 4については、スイッチング素子の機能のた というよりも、スイッチング素子を製造す 際に必要となる膜である。これらの膜の主 役目については、後述の製造方法で説明す 。

 次に、図8に示した半導体装置におけるス イッチング素子の主要部位について好適な材 料を説明する。

 第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層 24の材料としては、金属または半導体と、酸 、硫黄、セレンおよびテルル等のカルコゲ 元素との化合物が好ましい。特に、元素の 期律表における銅、タングステン、タンタ 、モリブデン、クロム、チタンおよびコバ トの金属のうち少なくともいずれかを含む 化物、酸化物、ならびに任意の硫黄-酸素比 を持つ酸硫化物などは好適である。

 スイッチング素子の半導体デバイスへの実 を考えると、第1イオン伝導層23および第2イ オン伝導層24の材料は、金属酸化物、特に酸 タンタル(Ta 2 O 5 )あるいは酸化チタン(TiO 2 )が好ましい。その理由は、第1に、金属酸化 は、半導体デバイスに既に用いられている 料であり、半導体デバイスのプロセスとの 合性が高いためである。第2に、スイッチン グ素子を再構成回路用のスイッチに用いる場 合、金属酸化物をイオン伝導層として用いる とスイッチング電圧をロジック動作電圧より も高くすることが可能だからである。スイッ チング電圧をロジック動作電圧よりも高くす ることで、繰り返し動作に対する耐性も高く 、高信頼性を確保できる。

 第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層 24のそれぞれの膜厚は5~200nm程度の範囲内で設 定することが可能であるが、特に10~100nmの範 とすることが好ましい。膜厚が10nm以下であ ると、トンネル電流やショットキー電流のた めにオフ時にリーク電流が発生しやすくなる 。一方、膜厚が100nm以上であると、スイッチ グ電圧が10V以上となって半導体デバイス等 の実用が困難になる。

 なお、それぞれのイオン伝導層は典型的 は単層膜で形成されるが、イオン伝導特性 るいは電気特性の異なる2種以上の膜からな る積層構造とすることも可能である。積層構 造をとることによりスイッチング電圧(閾値 圧)やオフ時のリーク特性を制御することが 能となる。

 第1電極21および第3電極25には、第1イオン 伝導層23および第2イオン伝導層24に対して金 イオンを供給可能な材料を含む構成として る。そのため、これらの電極には、銅(Cu)、 銀および鉛のうち少なくともいずれかを主材 料とする金属または合金を用いる。特に、半 導体プロセスとの整合性を考慮すると、主材 料はCuであることが望ましい。

 また、これらの金属または合金は、第1電 極21のうちの少なくとも第1イオン伝導層23に する面の一部に存在していればよく、第3電 極25のうちの少なくとも第2イオン伝導層24に する面の一部に存在していればよい。した って、第1電極21および第3電極25のそれぞれ 、図8に示したような単層に限らず、イオン 伝導層に接する層が金属イオンを供給可能な Cuなどの材料で構成した層と別の材料の層と 積み重ねた積層構造にすることも可能であ 。また、イオン伝導層との接触面が、金属 オンを供給可能なCuなどの金属と、金属イ ンを供給しない金属との複合面となるよう 構成してもよい。

 第3電極25の少なくとも第2イオン伝導層24 金属イオンを供給する部分は、好適にはCu 主成分とする金属で構成される。Cuは電解メ ッキ法により形成されるが、その際、メッキ に必要な電流を均一に供給する、あるいは、 バリアメタルとの密着性を向上させるために 銅のシード層を設ける。シード層にはエレク トロマイグレーション耐性の向上を目的とし てアルミニウムなどの金属不純物を微量含有 させる。このような手法で形成するCu膜は下 側に含有させたアルミニウムなどの金属不 物を有すること、および成膜初期膜(下面近 傍)に高濃度の不純物を含有している。

 このようにして、金属イオン供給機能を たすCuを、第2イオン伝導層24に対する下部 極(第3電極25)に設けることが可能となる。ま た、メッキ法によるCu膜の形成では、膜の下 よりも上層の方がCuの純度が高くなる。そ ため、Cu膜の上面をイオン供給源として用い ることで、高純度の金属イオンを供給可能な 電極を実現できる。

 第2電極22としては、イオン伝導層との間 金属イオンの収受が生じにくい導電体を用 る。具体的には、白金、アルミニウム、金 チタン、タングステン、ニッケル、パラジ ム、タンタル、クロム、もしくはモリブデ などの高融点金属、または、これらの金属 うち少なくともいずれかの窒化物、または これらの金属のうち少なくともいずれかの リサイド、または、これらの金属のうち複 の金属を組み合わせた合金が好適である。

 第2電極22については、第2電極22のうちの なくともイオン伝導層に接する面が上記材 により構成されていればよい。したがって 第2電極22は、図8に示したような単層に限ら ず、イオン伝導層に接する層が金属イオンの 収受を生じない材料で構成した層と別の材料 の層とを積み重ねた積層構造にすることも可 能である。

 第2拡散防止層29および第1拡散防止層26に 、スイッチング素子の動作においてイオン 導層内に溶解/析出を生じる金属種の拡散を 防止する材料を用いる。例えば、第1電極21お よび第3電極25としてCuを用いる場合には、窒 を含有する絶縁膜、特にシリコン窒化膜、 リコン酸窒化膜、またはそれらの中に任意 量の炭素を含む材料(炭窒化シリコン)など 好適に用いることが可能である。第2拡散防 層29および第1拡散防止層26の膜厚は、用い れる材料によって拡散防止能力が異なるが 2nm程度以上あれば拡散防止の役目を果たし 5nm以上あれば十分である。

 なお、上述の「窒素を含有する絶縁膜」 用いる場合、この膜は比較的誘電率が高い め、拡散防止機能が確保できる範囲で、膜 をできるだけ薄くすることが好ましい。具 的には、膜厚の上限は200nm程度とすること 望ましい。誘電率が低い方が望ましいのは 誘電率が高いと配線間容量が大きくなり、 路動作の速度が遅くなるからである。

 第2層間絶縁層30および第1層間絶縁層27と ては、半導体デバイスにおいて既に用いら ている材料から選ぶことが可能である。例 ば、酸化シリコンの他、有機系または無機 の低誘電率絶縁材料などが好適である。

 次に、本実施例の半導体装置におけるス ッチング素子の製造方法を説明する。図9A~ 9Eは本実施例の半導体装置におけるスイッ ング素子の製造方法を示す断面模式図であ 。説明上、製造方法を大きく6つの工程に分 ている。

 [工程1]シリコン基板(不図示)上に形成さ た半導体素子を含む基体20を用意する。基体 20の最上層には絶縁膜が設けられている。図9 Aに示すように、第1ストップ絶縁層31、第1層 絶縁層27および第2ストップ絶縁層32を順に 体20の上に形成する。なお、第1層間絶縁層27 はシリコン窒化膜であり、シリコン窒化膜を CVD法で形成している。

 [工程2]フォトリソグラフィ技術およびエ チング技術を用いて、配線を形成するため 開口部を第1ストップ絶縁層31、第1層間絶縁 層27および第2ストップ絶縁層32中に形成する このエッチングの際、第1ストップ絶縁層31 第1層間絶縁層27のエッチングのストッパー 役目を果たす。形成した開口部に第3バリア メタル28および銅シード層(不図示)をCVD法に り形成する。銅シード層の厚みを20~100nm程度 とし、銅シード層に少量の不純物(例えば、 ルミニウム)を含有させる。そして、電解メ キを行って銅シード層上に銅を形成する。 成する銅の厚みは800~1200nm程度でよい。

 続いて、第2ストップ絶縁層32の開口部以 に堆積された不要なバリアメタルおよび銅 CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング) により削り取り、図9Bに示すように、第3電 25を形成する。その際、第3電極25と同一層の 下部配線(不図示)を形成する。このCMP法を実 する際、第2ストップ絶縁層32がCMPのストッ ーの役目を果たす。

 さらに、熱処理を行って不純物を下部配 および第3電極25のそれぞれの全体に拡散さ る。この熱処理により下部配線のエレクト マイグレーション耐性が向上する。ここで 明した下部配線および第3電極25の形成方法 、半導体装置の配線形成工程として広く用 られている方法である。その後、スパッタ ング法またはCVD法を用いて、第1拡散防止層 26として膜厚100nmの炭窒化シリコンを第2スト プ絶縁層32の上に形成する(図9B)。第1拡散防 止層26により第3電極25の上面が覆われる。

 フォトリソグラフィ技術およびエッチン 技術を用いて、第1拡散防止層26に開口部を 成する。ここでは、開口部は第3電極25の上 にまで達する貫通孔である。

 [工程3]第1拡散防止層26の開口部に銅をス ッタリング法またはCVD法により形成する。 の厚みは第1拡散防止層26の膜厚100nm以上と る。続いて、開口部以外に堆積された不要 銅をCMP法により削り取って銅の上面を平坦 し、開口部に形成された銅を図9Bに示す第3 極25に合流させる。第3電極25の上面を平坦化 して段差をなくすことによって、これ以降の リソグラフィ工程でフォトレジストを塗布す る際に膜厚を均一に塗布できることや、膜形 成の際に膜厚を均一に成膜できることなどの 利点がある。

 [工程4]スパッタリング法またはCVD法を用 て、第1拡散防止層26および第3電極25の上に 2イオン伝導層24として膜厚15nmの酸化タンタ ルを形成する(図9C)。

 第2電極22を形成するための膜として、膜 50nmの白金を第2イオン伝導層24の上に形成す る。フォトリソグラフィ技術およびエッチン グ技術を用いて白金を加工し、図9Dに示すよ に、第2電極22を形成する。続いて、スパッ リング法またはCVD法を用いて、第2イオン伝 導層24の露出面と第2電極22の上に、第1イオン 伝導層23として膜厚15nmの酸化タンタルを形成 する。

 [工程5]第1電極21を形成するための膜とし 、膜厚50nmの銅を第1イオン伝導層23の上に形 成する。フォトリソグラフィ技術およびエッ チング技術を用いて銅を加工し、図9Dに示す うに、第1電極21を形成する。その後、スパ タリング法またはCVD法を用いて、第1イオン 伝導層23の露出面と第1電極21の上に、第2拡散 防止層29として膜厚100nmの炭窒化シリコンを 成する(図9D)。

 [工程6]CVD法を用いて、第2拡散防止層29の に第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層 33を順に形成する。フォトリソグラフィ技術 よびエッチング技術を用いて、第1電極21の ラグ形成のために、第3ストップ絶縁層33、 2層間絶縁層30および第2拡散防止層29を貫通 て第1電極21の上面に達する開口部を形成す 。それと同時に、第2電極22のプラグ形成の めに、第3ストップ絶縁層33、第2層間絶縁層 30、第2拡散防止層29および第1イオン伝導層23 貫通して第2電極22の上面に達する開口部を 成する。

 形成した開口部にバリアメタル、および の一部となる銅シード層(不図示)をスパッ リング法またはCVD法により形成する。銅シ ド層の厚みは20~100nm程度でよい。メッキ法で 銅シード層上に銅を形成する。銅の厚みは800 ~1200nm程度でよい。さらに、開口部以外に堆 された不要なバリアメタルおよび銅をCMP法 より削り取る。このCMP法を実行する際、第3 トップ絶縁層33がCMPのストッパーの役目を たす。このようにして、図9Eに示すように、 下面および側面が第1バリアメタル35で覆われ た第1プラグ36と、下面および側面が第2バリ メタル37で覆われた第2プラグ38が形成される 。

 さらに、必要に応じて保護膜34として、 厚50nmの炭窒化シリコンをスパッタリング法 たはCVD法により第3ストップ絶縁層33上に形 する(図9E)。第1プラグ36および第2プラグ38の 上面が保護膜34で覆われる。保護膜34は、そ 後の熱処理で第1プラグ36および第2プラグ38 ら銅が拡散するのを防止する役目を果たす

 本実施例の製造方法では、各電極間の最 距離がイオン伝導層の膜厚で規定すること 可能となる。また、第1イオン伝導層23の形 にスパッタリング法を用いることで、第1電 極21から第2電極22の方向への精鋭部の屈折角 をより小さくすることができる。

 本実施例は、本実施形態のスイッチング 子を半導体装置の搭載した場合の一構成例 あるが、その他にも様々な変形を行うこと 可能である。以下の実施例3および実施例4 おいて、その変形例を説明する。

 本実施例は、実施例2で説明した半導体装 置において、第1プラグが第1電極を兼ねる構 にしたものである。

 本実施例の半導体装置の構成を説明する 図10は本実施例の半導体装置におけるスイ チング素子の一構成例を示す断面模式図で る。実施例2と同様な構成については、その 細な説明を省略する。

 図10に示すように、本実施例では、図8に した第1電極21が設けられていない。その代 り、第1プラグ201が第1イオン伝導層23の段差 部分を覆うように形成されている。第1プラ 201の側面は第1バリアメタル35で覆われてい が、底面は第1イオン伝導層23と接している 第1プラグ201が第1電極の役目を兼ねている。 そのため、第1プラグ201の材料は、実施例2で 明した第1電極21の材料である。

 次に、本実施例の半導体装置におけるス ッチング素子の製造方法を説明する。なお 実施例1および実施例2と共通部分の詳細な 明を省略する。

 本実施例では、実施例2で説明した工程の うち、[工程5]と[工程6]を下記のように変更す る。[工程5]を変更したものを[工程5’]とし、 [工程6]を変更したものを[工程6’]とする。

 [工程5’]CVD法を用いて、第1イオン伝導層 23の上に第2層間絶縁層30および第3ストップ絶 縁層33を順に形成する。フォトリソグラフィ 術およびエッチング技術を用いて、第1プラ グ201を形成するための、第2層間絶縁層30およ び第3ストップ絶縁層33を貫通して第1イオン 導層23の上面に達する開口部を形成する。形 成した開口部の底面と側面に、スパッタリン グ法またはCVD法を用いてバリアメタルを形成 する。続いて、バリアメタルに対して異方性 エッチングを行うことにより、開口部の底面 に堆積したバリアメタルを除去して、図10に す第1バリアメタル35を形成する。この異方 エッチングの際、第3ストップ絶縁層33の上 堆積していたバリアメタルもエッチングさ る。

 続いて、側面にバリアメタルが形成され 開口部の内部に、スパッタリング法またはC VD法を用いて銅シード層(不図示)を形成する 銅シード層の厚みは20~100nm程度でよい。さら に、メッキ法を用いて銅シード層上に銅を形 成する。銅の厚みは800~1200nm程度でよい。開 部以外に堆積した不要な銅をCMP法により削 取ることで、側面が第1バリアメタル35で覆 れた第1プラグ201が形成される。なお、不要 バリアメタルが第3ストップ絶縁層33の上に っていても、CMPで除去される。

 [工程6’]フォトリソグラフィ技術および ッチング技術を用いて、第2プラグ38を形成 るための、第3ストップ絶縁層33、第2層間絶 縁層30および第1イオン伝導層23を貫通して第2 電極22の上面に達する開口部を形成する。形 した開口部にバリアメタル、および銅の一 となる銅シード層(不図示)をスパッタリン 法またはCVD法により形成する。銅シード層 厚みは20~100nm程度でよい。メッキ法で銅シー ド層上に銅を形成する。銅の厚みは800~1200nm 度でよい。さらに、開口部以外に堆積され 不要なバリアメタルおよび銅をCMP法により り取る。このようにして、下面および側面 第2バリアメタル37で覆われた第2プラグ38が 成される。

 さらに、必要に応じて保護膜34として、 厚50nmの炭窒化シリコンをスパッタリング法 たはCVD法により第3ストップ絶縁層33上に形 する。

 本実施例では、構造上、第2拡散防止層29 不要になり、製法上、第2拡散防止層29およ 第1電極21を形成する工程が不要となる。

 本実施例は、実施例2で説明した半導体装 置において、第3電極が金属イオンをイオン 導層に供給しない材料で構成されるもので る。

 本実施例の半導体装置の構成を説明する 図11は本実施例の半導体装置におけるスイ チング素子の一構成例を示す断面模式図で る。実施例2と同様な構成については、その 細な説明を省略する。

 図11に示すように、本実施例では、図8に した第3電極25の部分が銅配線55と第3電極203 からなる。第1ストップ絶縁層31、第1層間絶 縁層27および第2ストップ絶縁層32に設けられ 開口部には、第3電極203を引き出すための銅 配線55が形成されている。銅配線55の側面お び底面は第3バリアメタル28で覆われている

 第2ストップ絶縁層32の上に設けられた第1 拡散防止層26には貫通孔が設けられ、その貫 孔に第3電極203が形成されている。第3電極20 3の下面が銅配線55に接触し、第3電極203の上 が第2イオン伝導層24で覆われている。第3電 203の材料は第2イオン伝導層24に金属イオン 供給しない材料で構成されている。

 次に、本実施例の半導体装置におけるス ッチング素子の製造方法を説明する。なお 実施例1および実施例2と共通部分の詳細な 明を省略する。

 本実施例では、実施例2で説明した工程の うち、[工程2]の第3電極25を銅配線55とし、[工 程3]を下記の[工程3’]に変更する。

 [工程3’]第1拡散層防止層26の開口部に第3 電極203を形成するために、スパッタリング法 またはCVD法を用いて白金を形成する。白金の 厚みは第1拡散防止層26の膜厚100nm以上とする 続いて、開口部以外に堆積された不要な白 をCMP法により削り取って白金の上面を平坦 する。第3電極203の上面を平坦化して段差を なくすことによって、これ以降のリソグラフ ィ工程でフォトレジストを塗布する際に膜厚 を均一に塗布できることや、膜形成の際に膜 厚を均一に成膜できることなどの利点がある 。

 本実施例では、金属イオンの供給を第1電 極21のみから行う。オフ状態からオン状態に 移させる際には、第2電極22と第1電極21との に電圧を印加することで、図5に示したよう に動作する。オン状態からオフ状態に遷移さ せる際には、第3電極203に負電圧を印加する とで、図6に示したように流れる電流を抑え ことができる。

 また、第3電極203を白金などの金属のよう に金属イオンを供給しない材料にすれば、熱 処理によって金属イオンがイオン伝導層に拡 散するのを防げる。

 本発明の効果の一例として、製造ロット の特性ばらつきを低減することができる。

 以上、実施形態および実施例を参照して 願発明を説明したが、本願発明は上記実施 態および実施例に限定されるものではない 本願発明の構成や詳細には、本願発明のス ープ内で当業者が理解し得る様々な変更を ることができる。

 この出願は、2007年10月19日に出願された 本出願の特願2007-272699の内容が全て取り込ま れており、この日本出願を基礎として優先権 を主張するものである。