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Title:
SYNTHESIZER AND RECEPTION DEVICE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101792
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a synthesizer (1) including: a synthesizer unit (16) which generates an oscillation signal based on a reference oscillation signal outputted from a MEMS oscillator (14) and inputs the oscillation signal to a frequency converter (18); and a control unit (7) which adjusts the frequency of the oscillation signal outputted from the synthesizer unit. In frequency adjustment by the control unit, if the synthesizer unit has a frequency adjustment unit as a predetermined value F at which quality of the output signal from the frequency converter is a quality limit threshold value, the frequency adjustment unit Δfcont of the synthesizer unit is within a predetermined value F.

Inventors:
NAMBA AKIHIKO
TSUKIO YASUNOBU
FUKUSHIMA SUSUMU
Application Number:
PCT/JP2009/000520
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
February 10, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
NAMBA AKIHIKO
TSUKIO YASUNOBU
FUKUSHIMA SUSUMU
International Classes:
H03L7/183; H03L1/02; H03L7/08
Foreign References:
JPH10271001A1998-10-09
JP2003069426A2003-03-07
JPH07154252A1995-06-16
JPH07336220A1995-12-22
JP2007175577A2007-07-12
JPH0998109A1997-04-08
JP2004201286A2004-07-15
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
MEMS振動子からなる基準発振器から出力された基準発振信号を基に発振信号を生成しこれを周波数変換器に入力するシンセサイザ部と、
前記シンセサイザ部から出力される発振信号の周波数調整を行う制御部と、を備え、
前記制御部による周波数調整時に、前記周波数変換器からの出力信号の品質が品質限界閾値となる、前記シンセサイザ部の周波数調整単位を所定値Fとすると、
前記シンセサイザ部の周波数調整単位δfcontを所定値F以内とした
シンセサイザ。
前記品質限界閾値は、誤り率限界閾値である
請求項1に記載のシンセサイザ。
前記誤り率限界閾値は、3×10^-3である
請求項2に記載のシンセサイザ。
前記シンセサイザは、時分割信号を受信する受信装置に搭載されるものであり、
前記制御部は、前記受信装置が希望信号を受信していない時間に、前記シンセサイザ部の周波数調整単位を前記所定値Fより大きくする
請求項1に記載のシンセサイザ。
前記シンセサイザは、ガードインターバル信号を含む信号を受信する受信装置に搭載されるものであり、
前記制御部は、前記受信装置がガードインターバル信号を受信している時間に、前記シンセサイザ部の周波数調整単位を前記所定値Fより大きくする
請求項1に記載のシンセサイザ。
発振信号の周波数変動が許容範囲外となった場合、前記シンセサイザ部の周波数調整単位を前記所定値Fより大きくする
請求項1に記載のシンセサイザ。
温度を検出する温度検出部を、さらに備え、
前記制御部は、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記発振信号の周波数調整を行う
請求項1に記載のシンセサイザ。
前記周波数変換器の出力側に接続された周波数差異検出部を、さらに備え、
前記制御部は、前記周波数差異検出部の検出結果に基づいて、前記発振信号の周波数調整を行う
請求項1に記載のシンセサイザ。
前記制御部は、前記検出結果で導出された周波数調整量を、複数回の周波数調整で実行する
請求項8に記載のシンセサイザ。
前記所定値Fは、160Hzである
請求項1に記載のシンセサイザ。
請求項1に記載のシンセサイザを搭載した
受信装置。
発振信号を出力するシンセサイザにおいて、
前記シンセサイザを用いる電子機器の使用状態に基づいて、
前記シンセサイザの発振周波数の補正量が決められている
シンセサイザ。
基準発振信号が入力される比較器と、
前記比較器の出力信号に基づいて発振信号を出力する発振器と、
前記発振器の出力信号を制御部からの制御信号に基づいて分周する分周器と、を備え、
前記比較器は、前記分周器からの出力信号と前記基準発振器からの出力信号とを比較してこの比較結果を示す信号を前記発振器に出力し、
前記シンセサイザを用いる電子機器の使用状態に基づいて、
前記分周器の分周比の値が決められている
請求項12に記載のシンセサイザ。
前記分周器の分周比を、前記電子機器の使用状態に対して決められている分周比の値に変更するタイミングは、予め決められている
請求項13に記載のシンセサイザ。
請求項12に記載のシンセサイザと、
このシンセサイザの出力側に接続された信号処理部と、を有する
受信装置。
基準発振器から出力された基準発振信号が入力される比較器と、
前記比較器の出力信号に基づいて発振信号を出力する電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器の出力信号を制御部からの制御信号に基づいて分周する分周器と、を備え、
前記比較器は、前記分周器からの出力信号と前記基準発振器からの出力信号とを比較してこの比較結果を示す信号を前記電圧制御発振器に出力し、
前記制御部は、温度を検出する温度検出部の温度信号に基づいて前記分周器の分周比を不均一な時間間隔で変化させる
シンセサイザ。
前記制御部は、温度を検出する温度検出部の温度信号に基づいて前記分周器の分周比を非周期的な時間間隔で変化させる
請求項16に記載のシンセサイザ。
前記温度検出部からの温度信号が時間間隔T1で前記制御部へ送信され、
前回、前記制御部より制御信号が送信された任意時間t1よりT2=n(nは2以上の整数)×T1だけ時間が経過したt2において、新たに前記制御部より制御信号が送信された場合、t2以降は前記温度検出部からの温度信号が時間間隔T3=m(m>1の数)×T1で前記制御部へ送信され、
前回、前記制御部より制御信号が送信された任意時間t1よりT2=T1だけ時間が経過したt2において、新たに前記制御部より制御信号が送信された場合、t2以降は前記温度検出部からの温度信号が時間間隔T4=k(kは0<k<1の少数)×T1で前記制御部へ送信される
請求項16に記載のシンサセイザ。
請求項16に記載のシンセサイザと、
前記シンセサイザからの前記発振信号に基づいて、受信信号の周波数を変換する混合器と、を備えた
受信装置。
前記温度検出部は、前記シンセサイザからの前記発振信号と受信信号との周波数の差異を検出することにより、温度情報を検出する
請求項19記載の受信装置。
Description:
シンセサイザとこれを用いた受 装置

 本発明は、周波数の温度特性を有し、温 に対する周波数補正を周波数が離散的(デジ タル的)に変化するように行うシンセサイザ 、これを用いた受信装置に関する。

 以下、基準発振信号を出力する基準発振 の温度補償を行う従来のシンセサイザにつ て、図31を用いて説明する。

 図31は、従来のシンセサイザ100のブロッ 図である。図31において、従来のシンセサイ ザ100は、基準発振器101から出力された基準発 振信号を分周する第1の分周器102と、この第1 分周器102からの出力信号が入力される比較 103と、比較器103からの出力信号が入力され 直流近傍の周波数を持つ信号電圧値を出力 るローパスフィルタ104と、を備える。さら 、シンセサイザ100は、ローパスフィルタ104 ら出力された信号電圧値に基づいて発振信 を出力し、その他方を第2の分周器106へ入力 する発振器105を備える。なお、発振器105とし ては、電圧制御発振器VCO(Voltage Controlled Oscil lator)がよく用いられる。また、シンセサイザ 100は、チャンネル指定に従って、制御回路107 から指定される分周数で、発振器105からの出 力信号を分周する第2の分周器106を備える。 して、比較器103は、第2の分周器106からの出 信号と第1の分周器102からの出力信号とを比 較する。

 以上が、一般的なシンセサイザの構成で る。図31で示したシンセサイザ100は、さら 、周囲温度を検知する温度センサ108と、こ 温度センサ108が検知した温度に基づいて、 2の分周器106の分周数を制御する制御回路107 、を備える。このように、シンセサイザ100 、温度センサ108を用いて、周囲温度変化に 因した発振周波数のずれの補正を行う。な 、この出願の発明に関連する先行技術文献 報としては、例えば、特許文献1が知られて いる。

 しかしながら、例えば、従来のシンセサイ 100において、制御回路107による周波数調整 位がある所定値Fより大きい場合、発振信号 の位相雑音が大きくなり、受信装置のC/Nが劣 化し、良好な受信特性が実現できなくなる。

特開平03-209917号公報

 本発明は、周波数制御に起因したスプリ スの発生を抑え、受信特性の良好な受信装 を実現可能なシンセサイザと、これを用い 受信装置を提供する。

 本発明のシンセサイザは、MEMS(Micro-Electro- Mechanical System)振動子からなる基準発振器か 出力された基準発振信号を基に発振信号を 成しこれを周波数変換器に入力するシンセ イザ部と、このシンセサイザ部から出力さ る発振信号の周波数調整を行う制御部とを える。そして、この制御部による周波数調 時に、周波数変換器からの出力信号の品質 品質限界閾値となる、シンセサイザ部の周 数調整単位を所定値Fとすると、このシンセ イザ部の周波数調整単位δfcontを所定値F以 としたものである。

 上記構成により、本発明のシンセサイザ 、温度変化に対応して、分周器の分周数を 更するような周波数調整を行う際、シンセ イザの周波数調整単位を所定値F以内に抑え ることにより、受信品質の劣化を抑制するこ とができる。

図1は、本発明の実施の形態1における ンセサイザのブロック図である。 図2は本発明の実施の形態1のシンセサ ザを搭載した受信装置のブロック図である 図3は本発明の実施の形態1の受信装置 搭載した電子機器のブロック図である。 図4は、周波数調整単位δfcontを切替え 場合の図1に示す発振器5の瞬間的な出力スペ クトルを示す図である。 図5AはOFDMを用いたテレビシステムの場 合の受信信号の周波数スペクトルを示す図で ある。 図5BはOFDMを用いたテレビシステムの場 合の受信信号の周波数スペクトルを示す図で ある。 図6Aは周波数調整単位δfcontを変化させ た場合におけるVCOの瞬間的な出力スペクトル を示す図である。 図6Bは周波数調整単位δfcontを変化させ た場合におけるVCOの瞬間的な出力スペクトル を示す図である。 図6Cは周波数調整単位δfcontを変化させ た場合におけるVCOの瞬間的な出力スペクトル を示す図である。 図6Dは周波数調整単位δfcontを変化させ た場合におけるVCOの瞬間的な出力スペクトル を示す図である。 図7は本発明の実施の形態1の電子機器 別のブロック図である。 図8は周波数調整単位δfcontを変えてい た場合のBERの変化を示す図である。 図9は異なる受信環境において周波数調 整単位δfcontを変えていった場合のBERの変化 示す図である。 図10Aは通常の受信装置の回路構成で 波数調整を行なった際の周波数の推移状況 示す図である。 図10Bは本実施の形態1における受信装 の回路構成で周波数調整を行なった際の周 数の推移状況を示す図である。 図11は本実施の形態1における受信装置 の回路構成で別の周波数調整を行なった際の 周波数の推移状況を示す図である。 図12は本発明の実施の形態2における受 信装置のブロック図である。 図13は本発明の実施の形態2における受 信装置の別のブロック図である。 図14は本発明の実施の形態3におけるシ ンセサイザのブロック図である。 図15は本発明の実施の形態3におけるシ ンセサイザを用いた受信装置のブロック図で ある。 図16は本発明の実施の形態3における受 信装置内のMEMS振動子と温度検出部の温度変 特性図である。 図17は本発明の実施の形態3における受 信装置の有するシンセサイザの第2の分周器 分周比の時間変化を示す図である。 図18は本発明の実施の形態3における受 信装置の有する他のシンセサイザの第2の分 器の分周比の時間変化を示す図である。 図19は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザのブロック図である。 図20Aはシンセサイザにおける分周比 制御する時間間隔が等間隔である場合のシ セサイザの出力信号のスペクトラムを示す である。 図20Bは本発明の実施の形態4における ンセサイザの出力信号のスペクトラムを示 図である。 図21は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザの制御部が第2の分周器に制御信 を送信するタイミングチャートである。 図22は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザの制御部が第2の分周器に制御信 を送信する他のタイミングチャートである 図23は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザに適用される乱数発生装置を示す 図である。 図24は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザの制御部が第2の分周器に制御信 を送信する別のタイミングチャートである 図25は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザの制御部が第2の分周器に制御信 を送信する別のタイミングチャートである 図26は本発明の実施の形態4におけるシ ンセサイザの制御部が第2の分周器に制御信 を送信する他のタイミングチャートである 図27は本発明の実施の形態5における発 振器モジュールのブロック図である。 図28は本発明の実施の形態6における電 子機器のブロック図である。 図29は本発明の実施の形態6における電 子機器の他のブロック図である。 図30は本発明の実施の形態6における電 子機器の他のブロック図である。 図31は従来のシンセサイザのブロック である。

符号の説明

1,201,401  シンセサイザ
2,202,402  基準発振器
3,203,403  第1の分周器
4,204,404  比較器
5  発振器
6,206,406  第2の分周器
7,207,407  制御部
8  温度センサ
9,410  ループフィルタ
10,409  チャージポンプ
11  アキュムレータ
12  足し算器
13  可変分周器
14,211,421  MEMS振動子
15,414  ドライバアンプ
16  シンセサイザ部
17  メモリ
18,411  周波数変換器(混合器)
22  受信装置
20  RF-IC(Radio Frequency IC)
21  BB-IC(Base Band IC)
19,213,419  ベース基板
23,214,423  アンテナ
24  第1の周波数フィルタ
25,216,425  LNA(Low Noise Amplifier:低雑音増幅器)
26  第2の周波数フィルタ
27,218,427  バラン
28  MPEGデコーダ
29  フロントエンド部
30  復調部
31  受信IC(RF-IC+BB-IC)
32,33  制御ライン
205,405  電圧制御発振器
208,408  温度検出部
209  チャージポンプ
210  ループフィルタ
212,418  半導体IC
215,424  第1フィルタ
217,426  第2フィルタ

 (実施の形態1)
 以下、実施の形態1のシンセサイザについて 説明する。図1は、本発明の実施の形態1にお るシンセサイザのブロック図である。

 図1において、シンセサイザ1は、シリコ からなるMEMS振動子14と、このMEMS振動子14を 気的に駆動するためのドライバアンプ15とを 有する基準発振器2を備える。さらに、シン サイザ1は、基準発振器2から出力された基準 発振信号を基に発振信号を生成しこれを周波 数変換器18に入力するシンセサイザ部16を備 る。このシンセサイザ部16は、例えば、基準 発振信号を分周する第1の分周器3と、この第1 の分周器3からの出力信号と第2の分周器6から の出力信号とを比較する比較器4と、この比 器4から出力された比較結果を示す信号に基 いて、発振信号を周波数変換器18に入力す 発振器5とを備える。なお、発振器5としては 、例えば、電圧制御発振器VCO(Voltage Controlled Oscilator)などが用いられ、直流電圧に対応し 、周波数が変化する発振器である。さらに ンセサイザ部16は、発振器5の他の出力側に 続されて制御部7からの制御に基づいて分周 数を変化させて分周後の信号を比較器4に入 する第2の分周器6を備える。なお、シンセサ イザ部16は、例えば、比較器4と発振器5との に接続されて比較器4の出力を電流成分に変 するチャージポンプ10や、そのチャージポ プ10の出力のうち、直流近傍の成分のみ取り 出すループフィルタ9等を備えていても良い このループフィルタ9は、コンデンサによる 較器4からの電流(電荷)の充電部分と、低周 を通過させる低域通過フィルタを備える。

 さらに、シンセサイザ1は、温度を検出す る温度センサ8の出力信号に基づいて第2の分 器6へ適当な整数分周数Mや分数分周数Nの制 信号を送り、第2の分周器6の分周数を変化 せる制御部7を備える。また、メモリ17には 温度に応じた分周数などが記憶され、制御 7は、このメモリ17から読み出した分周数で 2の分周器6を制御する。もちろん、制御部7 、チャネル切替要求信号に基づいても、第2 分周器6の分周数を変化させている。

 第2の分周器6は、分周数Mが入力される整 部分と、分周数Nが入力される分数部分とに より構成される。第2の分周器6は、これらの 周数を切り替えることにより、発振器5から の出力周波数を変化させる。なお、分数分周 はアキュムレータ11にある加算値を加えてい ことにより達成され、アキュムレータ11が ーバーフローを起こした場合に1を出力し、 の1が足し算器12で整数分周数Mに加算され、 可変分周器13の分周数がM+1となる。この分周 M、及び、M+1を交互に切り替えることにより 、分数分周数の制御を実現している。

 なお、ここで説明した分周器は、分数分 器と呼ばれる分周器であり、細かな周波数 御が可能である。しかし、変化させる周波 範囲や分周数などに従って、整数分周器な 他の分周器を用いても良い。また、分数分 器としても、ここで説明した以外のものを いても良い。要は、発振器5の周波数を切り 替えられるような構成回路であればどのよう な構成でも良い。また、ここでは、基準発振 器の周波数変動量を検知する手段として、温 度センサ8を用いている。しかし、これに限 ものではなく、基準発振器の周波数変動量 、直接、或いは、間接的に検知できれば良 、結果として、シンセサイザ1の出力周波数 所定の値になるようにすれば良い。

 図2は本発明の実施の形態1のシンセサイ を搭載した受信装置のブロック図である。 実施の形態1で用いた受信装置22は、国内の ジタルテレビ放送(ISDB-T)の受信システムに、 本実施の形態1のシンセサイザ1を搭載したも である。

 ここで、ISDB-Tに関して説明する。ISDB-Tに 、直交周波数分割多重方式OFDM(Orthogonal Frequ ency Division Multiplexing)が用いられている。そ 受信帯域幅は約5.6MHzであり、それが、13の 波数セグメントに分割されている。家庭用 テレビでは、そのうちの12セグメント(フル グ)が利用され、携帯電話などのモバイル用 のテレビでは、そのうちの1セグメント(ワ セグ)が利用されている。また、OFDMでは、マ ルチキャリア方式が採用されており、例えば 、ワンセグ方式のモード3では、約1kHzのキャ ア間隔で、キャリアが、433本、並んで、一 の受信チャンネルを構成している。

 シンセサイザ1は、RF-IC20に内蔵されてい 。図2において、アンテナ23で受信されたテ ビ信号は、妨害波を除去する第1の周波数フ ルタ24を通過する。例えば、携帯電話に搭 されたテレビ受信装置なら、携帯電話自身 発する信号が、テレビ受信装置に対して、 も強力な妨害波となり、これを除去するた の周波数フィルタが配置される。次に、第1 周波数フィルタ24からの出力信号は、信号 増幅するための低雑音アンプ25を通過し、さ らに、妨害波を除去するための第2の周波数 ィルタ26を通過する。第2の周波数フィルタ26 では、第1の周波数フィルタ24で完全に除去で きなかった妨害波や、強度が、比較的、弱い ような別の妨害波を除去する。

 次に、第2の周波数フィルタ26からの出力 号は、アンバランス信号をバランス信号に 換するバラン27を通過し、RF-IC20のフロント ンド部29に入力される。フロントエンド部29 で、さらに、低雑音アンプで増幅されるなど した信号は、周波数変換器18に入力された後 シンセサイザ1の出力である発振信号と合成 され、中間周波数(IF:Intermidiate Frequency)に変 される。なお、MEMS振動子14を駆動するドラ バ回路部や、負荷容量は図示していない。

 中間周波数IFに変換された信号は、BB-IC(Ba se Band IC)21、つまり、復調ICへ入力される。 調側では、デインターリーブや、誤り訂正 号のデコードなどの信号処理を行い、デー 復調される。ここで、デインターリーブと 、バースト誤りを軽減するため、変調時に データの並び替えを行うインターリーブを 除することである。また、日本国内向けのI SDB-Tや、海外のDVB-Hなどのシステムでは、誤 訂正符号として、ビタビ符号と、リードソ モン符号が採用されている。

 復調部に入ってきた信号は、まず、ビタ 符号のデコードが行われる。この後、リー ソロモン符号のデコードが行われる。その 、エラーのほとんどない、いわゆる、エラ フリーの状態(例えば、BER=1×10^-11以下、な 「^」は、べき乗を表す記号とし、10が底で -11が指数を表す)を得るためには、ビタビ符 のデコード後のBERがある値以下の状態(例え ば、BER=2×10^-4以下)となっていることが必要 なる。なお、BER(Bit Error Rate)はビット誤り を意味し、周波数変換器18からの出力信号、 つまり、受信信号の品質を知る上での尺度と なる。ここで示した「エラーフリー」の受信 品質の状態の例、BER=1×10^-11以下という値は 1日受信を続けた状態で、ビット誤りの発生 数個以下という状態を実現する閾値であり 最も厳しい条件の閾値である。また、「画 認識エラー無し」という受信品質の状態も 義でき、これは、テレビ視聴を実際に行う で、画像劣化が目視確認できないレベルで る。実用的には、このレベルがより現実的 あり、この場合も、ビタビ符号のデコード のBERがある値以下の状態(例えば、BER=3×10^-3 )となっている必要がある。さらに、初期の ータの「同期」が取れるか否かで、受信信 の品質を定義することも出来る。ここで言 初期のデータの「同期」とは、インターリ ブされた符号を元の配列に戻すデインター ーブや、誤り訂正符号のデコードを行う前 取るべき同期を指す。なお、これらの受信 号の品質の具体的な例に関しては、後述の 明に記載する。

 以上の処理で、受信からデータ復調まで 処理が完了する。なお、本実施の形態1では 、BB-IC21を主たる構成回路とする復調部を、 信装置22に内包して説明した。しかし、これ に限るものではなく、復調部を含まない部分 を受信装置22としても良い。実際に、家庭用 テレビ受信装置や、携帯電話用のテレビ受 装置でも、復調部を含まない部分を受信装 としている場合もある。この場合、受信装 の外部に復調部を別途有することになる。

 図3は本発明の実施の形態1の受信装置を 載した電子機器のブロック図である。図3に いて、画像などを表示するディスプレイ、 まり、表示部は図示していない。図2で説明 した受信装置22の出力側に、さらに、MPEGデコ ーダ28が接続されている。復調部においてリ ドソロモン符号のデコードまで終了したデ タは、MPEG-TS信号としてMPEGデコーダ28へ入力 される。MPEGデコーダ28では、画像信号を再生 して、画像として表示する。

 次に、本実施の形態1のシンセサイザの動 作、及び、その動作を実現するための構成に 関して説明する。

 図4は、周波数調整単位δfcontを切替えた 合の図1に示す発振器5の瞬間的な出力スペク トルを示す図である。なお、δfcontは、絶対 を示しており、実際には、プラス側に調整 る場合はプラスの符号が、マイナス側に調 する場合は、マイナスの符号がつく。以下 すべて、プラス側の表示で説明を行うが、 述する所定値Fに関しても、同様とする。例 ば、所定値Fが60Hzの場合は、所定値Fの絶対 が60Hzということである。また、本実施の形 態1では、発振器5の出力が直接、発振信号と っている。

 図4において、縦軸は出力強度で、対数表 示となっている。横軸は、周波数である。中 心部分のAで示しているピークが本来の発振 号のピークで、その他のサブピーク、例え 、Bの部分は、スプリアスと呼ばれる、本来 不要な電力である。このスプリアス部分が いと、周波数変換器18により、局部発振出 を受信信号と乗算した後の出力信号の品質 劣化し、結果として、受信性能を劣化させ 原因となる。

 このスプリアスなどのノイズ成分と本来 所望信号(図4では、発振信号)成分との単位 波数あたりの電力比を、位相雑音と呼ぶ。 の位相雑音性能が悪いと、周波数変換器18 ある周波数ミキサからの出力信号において 希望信号(キャリア)と、ノイズ成分の比であ るC/N(Carrier Noise Ratio)も悪化してしまう。さ には、受信側、つまり、図1でのIF出力を受 る復調部などの後段部でのエラーも増えて まう。例えば、デジタル通信であれば、受 信号のエラーの比率であるBER(Bit Error Rate) 悪化させる結果となる。テレビの場合、こ ようなBERの悪化は、受信映像に乱れを生じ せる。また、最悪の場合は、受信できない いう事態に陥ることもある。このような、C /NやBERなどは、受信信号の品質を知る上での 度となる。

 従来の一般的なシンセサイザでは、可変 周器13を頻繁に切り換えることがなかった め、スプリアス等のノイズは問題とならな った。しかしながら、MEMS振動子などの周波 温度特性の悪い振動子を基準発振器として いる場合には、可変分周器13を頻繁に切り える必要があるため、図4に示すスプリアス のノイズ成分の低減が重要である。

 図5A、5BはOFDMを用いたテレビシステムの 合の受信信号の周波数スペクトルを示す図 る。OFDMはマルチキャリア方式であり、情報 のった複数のキャリアから構成されている 図5A、5Bでは、5本のみ示しているが、実際 、1000本以上のキャリアの集合から信号が構 されることが多い。位相雑音を便宜上わか やすく示すために、ここでは実際の信号、 び、スプリアスの先頭値部分を線でつない 図を示している。

 図5Aにおいて、キャリアA2に着目すると、 スペクトルの広がりは小さく隣接キャリアA1 A3への影響は少ない。これはシンセサイザ 位相ノイズの良い状態を示している。しか ながら、発振信号の位相雑音が悪くなると 図5Bに示すように、キャリアA2の位相雑音が 隣接キャリアA1、A3へ影響してしまう。この ことが、受信信号のC/N劣化を引き起こす。発 振信号の位相雑音が大きい、つまり、図4の うな状態であるということは、周波数変換 18によって、受信信号と乗算される受信信号 にも影響し、結果として、図5Bのような状況 引き起こす。

 このように、シンセサイザや発振器の位 雑音性能は、受信装置や電子機器のシステ 全体に大きな影響を与える。図4に示したよ うに、切替えの瞬間的な位相雑音の劣化であ っても、信号の品質を落とし、一時的な受信 劣化、受信不能状態を引き起こし、画像の途 切れや乱れを生じさせてしまう。

 図6A~6Dは周波数調整単位δfcontを変化させ 場合におけるVCOの瞬間的な出力スペクトル 示す図である。図6A~6Dにおいて、縦軸は、 力強度で、対数表示となっている。横軸は 周波数である。

 図6A、6B、6C、6Dの周波数調整単位δfcontは 順にδfa、δfb、δfc、δfdであり、δfa<δfb< ;δfc<δfdの関係がある。すなわち、周波数 整単位δfcontが、大きくなるにしたがって、 プリアスレベルが増大し、位相雑音が増加 ている。この結果は、周波数の調整量と、 相雑音レベルに相関があることを示してい 。

 本実施の形態1では、この結果を鑑み、分 周数を変化させる際、一度に、変化させる周 波数の量、つまり周波数調整単位δfcontを、 力信号の品質劣化が少ないレベルに抑える とを特徴としている。ここで言う、出力信 の品質とは、周波数変換器18以降、つまり、 シンセサイザ1の出力と、受信信号が合成さ た後の信号の品質を指している。これは、 発明は、シンセサイザの位相雑音の劣化が 信信号へ与える影響に着目しているためで る。また、出力信号の品質を判断するパラ ータを設定し(C/N、BER等)、想定する受信品質 (エラーフリー、画像認識エラー無し等)に合 せて、品質限界閾値(BER=2×10^-4等)を設定す 。その品質限界閾値よりも良好になるよう 、δfcontを所定値F以内にし、受信特性の劣化 を想定した受信品質が得られるレベルまで、 抑えている。

 出力信号の品質となるパラメータの設定 、数値化できる尺度がより好ましく、例え 、前述のようなC/NやBER等が用いられる。C/N モニターは、周波数変換器18の直後に接続 れていても良いが、その後の回路ブロック 中のどの部分に接続されていても、同様の 果が得られる。

 図7は本発明の実施の形態1の電子機器の のブロック図である。図7において、C/Nのモ ターが周波数変換器18の直後に接続された 合、制御ライン32が付加される。また、その 他の回路ブロックでC/Nのモニターを行う場合 に関しては、例えば、デジタル復調する前の コンスタレーションの状態において、そのず れ(EVM:Error Vector Magnitude)から、C/Nを算出する 等の方法などが挙げられる。本実施の形態1 は、これを用いており、図7で示すように制 ライン33が付加される(BB-IC内の詳細回路ブ ック表示なし)。

 C/Nは、デジタル変調方式などを規定する とで、受信感度と結び付けられ、出力信号 品質となるパラメータを受信感度とするこ も可能である。また、BERは、ビタビ符号の コード後のBERや、リードソロモン符号のデ ード後のBER等がある。誤り率には、BER以外 、フレーム誤り率やパケット誤り率なども り、そちらを出力信号の品質となるパラメ タとして用いても良い。

 以上説明した場合でも、同様に、図7で示 す制御ライン33が付加される。なお、BB-IC21内 部には演算回路などの回路が具備されている ため、出力信号の品質となるパラメータ(例 ば、C/N、BER)の使用時の値の算出が容易に行 、判定制御ライン33を付加する構成の方が り好ましい。

 図8は周波数調整単位δfcontを変えていっ 場合のBERの変化を示す図である。図8におい 、縦軸がビタビ符号のデコード後のBERで、 発明では、この値を、出力信号の品質を評 するパラメータ、つまり、品質限界閾値を 定するパラメータとして、利用している。 た、横軸が周波数調整単位δfcontである。ま た、図8のBERの測定値は、劣悪な受信環境を 定した受信装置の最小感度点付近における 定値を示す。すなわち、最終の誤り訂正デ ードが終了した段階(前述の例では、リード ロモン符号のデコード後)で、エラーフリー の状態で受信するのに最低限必要な受信信号 電力付近での測定値を示す。

 図8に示すように、温度制御を行わない周 波数調整単位δfcontが0の場合に、ビタビ符号 デコード後のBER=1×10^-4となるように、設定 ている。本来、エラーフリーを実現するBER 2×10^-4である。初期のBERを1×10^-4としたのは 、基準発振器として、水晶発振器を用いた場 合でも、種々のばらつき、変動などによって 、1×10^-4程度の劣化が見込まれ、この値を初 値と設定することで、最終的に、劣化が起 っても、エラーフリーの状態が実現できる うにするためである。

 まず第1に、最終の誤り訂正デコード終了 後(上記のリードソロモン符号のデコード後) エラーフリーとなるように、品質限界閾値 設定した場合に関して、説明する。

 図8において、破線で示しているBER=2×10^-4 のラインが、品質限界閾値である。ここでは 、品質限界閾値を誤り率限界閾値として定義 している。このラインと交差する周波数fa1が 、周波数調整単位δfcontの限界となる所定値F ある。つまり、δfcont≦F=fa1とすることで、 号品質を損なわず、エラーフリーの受信品 が保てる。

 なお、デジタル変調方式にもよるが、概 て、前述の1×10^-4の劣化は、最小入力感度 いう0.1dB程度にあたる。別の品質限界閾値と して、例えば、最小入力感度が、初期から0.1 dB劣化する値としても、ほぼ同等の効果が得 れる。また、C/Nでも同様のことが言え、初 から、0.1dB劣化した値を品質限界閾値とし も良い。ここで言う初期値の決定は、δfcont= 0の時の値を用いれば良い。

 以上説明した品質限界閾値を用いる構成 することで、ほぼ完全に、信号品質への影 ない状態が実現できる。これは、この条件( BER=2×10^-4)が、最も厳しいデジタル変調方式 場合でも、ほとんどビット誤りが起こらな 状態を実現できるためである。なお、この とは、テレビシステムだけでなく、携帯電 の通話システム、データ通信システム等の ジタル変調を用いた他のシステムに関して 言え、同様の構成により、同等の効果が得 れる。

 第2に、テレビ視聴を実際に行う上で、画 像劣化が目視確認できないレベルで、品質限 界閾値を設定した場合に関して説明する。こ れは、「画像認識エラー無し」の受信品質の 状態である。実用的には、このレベルがより 現実的で、好ましい品質限界閾値となる。

 図8におけるBER=3×10^-3の破線が、品質限界 閾値であり、誤り率限界閾値として定義して いる。このラインと交差する周波数fb1が、周 波数調整単位δfcontの限界となる所定値Fであ 。つまり、δfcont≦F=fb1とすることで、テレ 視聴上の信号品質を損なわず、画像認識エ ー無し受信品質が保てる。なお、概して、B ERの1×10^-4から3×10^-3までの劣化は、最小入力 感度でいう1~1.2dB程度にあたる。別の品質限 閾値として、例えば、最小入力感度が、初 から1dB劣化する値としても、ほぼ同等の効 が得られる。また、C/Nでも同様のことが言 、初期から、1dB劣化する値を品質限界閾値 しても良い。なお、この状態は、概して、 ケットエラーフリーの状態と一致し、これ 品質限界閾値としても、同様の効果が得ら る。

 このことは、テレビシステムだけでなく 携帯電話の通話システム等のビット誤りが る程度許容されるデジタル変調システムに して言える。それぞれのシステムにおいて 許容される出力信号の品質から、品質限界 を規定して、δfcontの限界となる所定値Fを 定すれば、同様の構成により、同等の効果 得られる。なお、携帯電話の通話システム では、ほぼ同等の品質限界閾値を用いて、 ぼ同等の効果が得られる。これは、人間の と、耳の認識力と、誤り率の関係が大きく 異ならないためである。また、データ通信 どの、誤りの許容が厳しいシステムにおい も、誤ったデータを再度送信してもらう再 要求機能などを併用することにより、この 質限界閾値を用いることも可能となる。

 第3に、テレビ視聴を実際に行う上で、画 像劣化を許容し、画像確認できる程度で、視 聴を行うことができるレベルで、品質限界閾 値を設定した場合に関して説明する。この品 質限界閾値は、同期の確立が出来るかどうか で判断される。ここでいう同期は、データの 同期であり、この後、デインターリーブ、誤 り訂正符号のデコードが行われる。従って、 この同期が確立するか否かが、その後の復調 へ大きな影響を与え、受信品質を決定する上 でも大きな影響を与える閾値となる。

 図8におけるfc1は、この同期確立の限界と なる所定値Fであり、δfcont≦F=fc1とすること 、同期確立は達成され、その後の、デイン ーリーブ、及び、誤り訂正符号のデコード よって、誤り率の改善がなされ、ある程度 信号品質を有する信号が得られる。天気予 、ニュースなどの情報を得るためだけのテ ビ視聴、スポーツなどの経過を知りたいよ な目的のテレビ視聴の場合、この品質限界 値でも、十分な効果が得られる。

 このことは、テレビシステムだけでなく 携帯電話の通話システム等のデジタル変調 用いた他のシステムに関しても言え、同様 構成により、同等の効果が得られる。本品 限界閾値の設定のポイントは、低レベルの 信品質状態でも、受信するメリットが得ら る際に用いるということで、温度変動の激 い劣悪な通話環境などで、連絡のみでも行 たい、要件のみでも伝えたいといった場合 非常に効果的である。これは、人間の耳、 自体に誤り訂正能力があり、誤った、或い 、聞こえない箇所が合っても、補正して理 することが可能であるためである。

 次に、具体的な数値に関して、説明する 例えば、日本国内のISDB-Tのワンセグ放送の ード3において、本実施の形態1を適用する 、限界となる所定値Fは、fa1=60Hz、fb1=130Hz、fc 1=160Hzとなる。これは、最小感度点付近にお ては、δfcontを160Hz以下に抑えれば、テレビ 聴が可能となることを意味する。なお、モ ド3におけるマルチキャリアのキャリア間隔 約1kHzであり、モード3はワンセグ放送の中 位相雑音の影響を最も受けやすいモードで る。従って、品質限界閾値、限界となる所 値Fを適用することにより、他のモードでも 等以上の効果が得られる。なお、海外、例 ば、欧州での規格であるDVB-TやDVB-Hでも、同 様のOFDM方式が採用されている。いずれの場 も、最小のキャリア間隔は1kHzであり、前述 たように同等以上の効果が得られる。

 なお、日本国内の家庭用のデジタルテレ (フルセグ)や、欧州等での規格であるDVB-T(Di gital Video Broadcasting-Terrestrial)では、より多値 化されたデジタル変調方式(64QAM)が採用され いる。この場合、fa1は、20~30Hzの値となる。 た、実際運用されている例は少ないが、ワ セグ方式でも、16QAMのデジタル変調方式を った場合は、fa1は40~50Hz程度となる。なお、 ンセグでは、デジタル変調方式として、QPSK が一般に用いられ、これは、欧州のモバイル 用の規格であるDVB-H(Digital Video Broadcasting-Hand held)も同様である。また、一部の海外のケー ルテレビ等で使用されている256QAM方式では fa1は、10~15Hzの値となる。

 以上、3つの限界閾値の条件下での周波数 調整単位δfcontの所定値Fに関して、説明を行 た。このようなことは、特に、周波数温度 性の悪い基準発振器を用いる際に、大きな 果を発揮する。周波数温度特性が悪いと、 度に対する周波数変動が大きく起こり、分 数による周波数の調整も大きく行う必要が じる。何も意図せずに、調整を行ってしま と、出力信号の品質を大幅に劣化させてし う。本実施の形態1のように、出力信号の品 質を規定するパラメータを決め、その品質限 界閾値を決め、さらに、周波数調整単位δfcon tの所定値Fを決定することで、受信品質を確 できる。その際に、特に、最終的に必要な 信品質を考慮して、どの所定値Fを選ぶかを 決めれば、最適な受信が達成できる。

 以上は、最小感度点付近の受信状態が非 に悪い場合に関しての考察である。受信状 が良い場合には、さらに、δfcontを大きくし ても良い。

 図9は異なる受信環境において周波数調整 単位δfcontを変えていった場合のBERの変化を す図である。すなわち、3種類の受信環境下 のδfcontとBERの関係を示している。図9にお て、受信環境の劣悪の度合いは、受信環境1 受信環境2、受信環境3の順に低くなる(受信 境が良くなる)。

 受信環境は電波の受信状態が良好か否か 決まることが多い。電波の受信状態が良い 合は、受信信号強度が高く、ノイズとの比 大きく取れる、つまり、C/Nの高い受信波を 信できる。従って、δfcontを大きくして、位 相雑音が劣化した場合でも、初期の受信信号 のC/Nが高いため、許容されるδfcontが上がる つまり、エラーフリーの状態が得られる品 限界閾値に関しては、fa1<fa2<fa3の関係が 成り立つ。また、画像視聴上、ノイズが目視 出来ないレベルの状態が得られる品質限界閾 値に関しては、fb1<fb2<fb3の関係が成り立 。さらに、画像確認が出来るレベルの状態 得られる品質限界閾値に関しては、fc1<fc2 <fc3の関係が成り立つ。

 以上のことより、限界となるδfcontの所定 値Fは、受信状態によって変化する。周波数 換器からの出力信号の希望波の強度、もし は、信号品質に基づいて、決定する構成と ることで、より大きなδfcontとすることがで る。その結果、大きな基準周波数変動にも えうるシンセサイザ、とこれを用いた受信 置及び電子機器を提供することが可能とな 。

 なお、BERを計測するためには、ある一定 間を要する。従って、より瞬時に判断した 場合は、C/Nをモニターする方がより好まし 。また、受信した信号のC/Nがある程度高い 態では、BERは、エラーフリーの状態しか示 ないため、C/Nをモニターする方がより好ま い。

 BERをモニターする場合には、例えば、δfc ontを上昇させながら、BERの変化を計測し、誤 り率限界閾値付近以下になるように、δfcont 設定する。つまり、周波数調整単位δfcontを 化させながら、それに伴って、変化する信 品質に基づいて、信号品質限界閾値を超え いようなδfcontの所定値Fを決定し、その決 された所定値F以内で、周波数調整を行う。

 以上説明した本実施の形態1の構成では、 BB-IC21より出力された制御ライン33を用いて制 御を行っていた。BER自体の演算がBB-IC21内で われているためである。BERの値がMPEGデコー 28へ送られる場合は、MPEGデコーダ28から制 ラインを持ってくる構成でも良い。希望信 の品質を決定するパラメータを何にするか 、どこの回路ブロックから制御ラインを持 てくるかを選択すれば良い。

 なお、このような制御ライン33を設けて C/NやBERをモニターしなくても、本実施の形 1の効果は得られる。例えば、受信のシステ が固定されていれば、初期に、所定値Fを決 定しておき、周波数調整単位をそれに合わせ て、周波数調整すれば良い。ワンセグでQPSK は、fa1の所定値Fを60Hzとしておけば、常に、 エラーフリーの条件が満たせる。また、家庭 用のデジタルテレビにも使いたい場合は、fa1 を20Hzとしておけば良い。

 本実施の形態1では、基準発振器2を構成 るMEMS振動子14として、シリコン振動子など MEMS振動子を用いている。その理由に関して 説明する前に、周波数温度特性に関して、 明を行う。

 一般に、基準温度をT0、現在の温度をT、 準温度での共振周波数をf、温度がT0からTに 変化した際の共振周波数変化量をδTとすると 、T0からTまで温度が変化した際の周波数の変 動率δf/fは、(式1)で表される。

 ここで、α、β、γをそれぞれ1次、2次、3 の周波数温度係数と呼ぶ。これらの温度係 が小さい振動子は、周波数温度特性が良い 以下に、シリコン振動子などのMEMS振動子を 用いて、本発明の効果を説明する。

 まず第1に、MEMS振動子の周波数温度特性 、水晶振動子に比べて悪いということが挙 られる。例えば、水晶振動子は、その周波 温度係数が、1次が0で、2次、3次の温度係数 小さい振動子である。一般に、温度係数は 1次、2次、3次となるに従って小さくなり、 つ、使用温度範囲における周波数温度特性 占める影響も小さくなる。よって、1次の温 度係数が0であるということは、その振動子 周波数温度特性が非常に良好であることを している。水晶の各温度係数は、水晶イン ット(水晶の引き上げ後の固まり)から、水晶 板を切り出す際のカット角度によって変わる 。その良好な周波数温度特性から、最も広く 使用されている水晶振動子に、ATカット水晶 動子がある。これは、例えば、使用温度範 (-30~85℃)において、周波数の変動率が、±20~ ±100ppm程度となる。この周波数の変動率の幅 、カット角度の微小な違いによって生じる

 MEMS振動子の一つであるシリコン振動子は 、水晶とは違い、周波数温度特性が良くない 。1次の温度係数が大きく、-30ppm/℃である。 用する温度範囲において、この1次の温度係 数が支配的であるため、以下では、2次、3次 温度係数を無視して、周波数の変動率を考 る。シリコン振動子の周波数の変動率は、 用する全温度範囲で考えると、±1725ppmと水 振動子よりも10倍以上大きな値となってし う。

 本実施の形態1で使用しているシンセサイ ザ1では、温度変化などによって、基準発振 がずれた場合に、その周波数をシンセサイ 1の第2の分周器6の分周数を変えることによ 、シンセサイザ1が出力する周波数をほぼ一 値にする。或いは、後段において、影響の ない程度の周波数にする。

 ここで、基準発振器2の温度に対する周波 数変動が大きいと、周波数の補正幅を大きく 取らなければならない。周波数調整単位δfcon tを所定値Fにしなければ、シンセサイザ1の出 力の位相雑音性能を劣化させることになる。 詳細は後述するが、簡単に、日本国内のISDB-T のワンセグ放送のモード3での例を説明する

 シリコン振動子では、1℃/secの温度変化 起こった場合、30ppmの周波数変動が起こり、 500MHzの発振信号周波数を想定すると、15kHzの 波数変動が発生する。周波数制御間隔が仮 、100msecと設定されていると、周波数調整単 位δfcontは1.5kHzとなり、受信が出来ない状況 引き起こすことになる。これが、水晶であ ば、1ppm/℃の変動で済み、周波数調整単位δf contは50Hzとなり、エラーフリーのレベルを実 することができる。このように、温度特性 悪い振動子を搭載した基準発振器を用いる ど、本発明の効果を顕著に奏する。

 また、周波数温度特性が悪いと、変動が きいため、周波数をダイナミックに変化さ る必要がある。その反面、高い周波数精度 要求されることから、周波数を細かく変化 せる必要もある。両者を共に実現させる必 があるため、選択できる周波数補正方法に 限りが出てきて、どうしても本実施の形態1 で説明したようなデジタル的な変化を伴うも のになってしまう。このような変化は、前述 のような位相雑音性能への影響を引き起こす 。つまり、デジタル的な周波数変化に起因し た位相の不連続を引き起こすような周波数温 度補償方法を用いた構成では、位相雑音が大 きくなり、受信装置のC/Nが劣化し、良好な受 信特性が得られない。従って、携帯電話やテ レビシステムなどの位相雑音性能の要求され るシステムにおいて、従来例で示したような 構成において、MEMS振動子を用いて基準発振 を構成すると、その使用が困難であった。

 第2に、MEMS振動子を使ったMEMS発振器の位 雑音性能が、水晶発振器に比べて悪いとい ことが挙げられる。水晶振動子を用いた水 発振器は、位相雑音性能においても優れて るため、周波数補償による位相雑音の劣化 起こった場合でも、シンセサイザ全体とし の必要性能を保てる可能性がある。一方、M EMS発振器の場合、その構造、材料、使用する 振動モードなどにもよるが、水晶発振器ほど の位相雑音性能を有しない場合が多い。また 、たとえ位相雑音性能が良かったとしても、 周波数を変化させる量が大きいので、目的の 周波数にたどり着くまでに、時間を要する。 一方、周波数変化を早く制御しようとすると 、周波数のオーバーシュート(位相の不連続 大きくなる)があり、結果として、シンセサ ザ全体としての位相雑音性能を悪化させて まう。

 なお、MEMS振動子としては、例えば、シリコ ンなどの半導体をベースにしたものや、AlN、 ZnO、PZTと言った薄膜圧電材料をベースとした FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)と呼ばれるもの 、SiO 2 などのその他の薄膜材料をベースとしたもの が挙げられる。また、弾性表面波を用いたSAW (Surface Acoustic Wave)振動子や、異なる物質の 界を伝播する境界波などを用いた振動子もME MS振動子の一例である。これらの振動子のう で、ATカット水晶振動子と同程度の周波数 度特性を持つものは、ほとんどなく、また そのほとんどが、1次の温度係数を有する(無 視できない)ものである。

 例えば、AlNを用いたFBARでは、厚み縦振動 (印加電界と同一方向に振動)を用いた振動子 、-25ppm/℃、ZnOでは、-60ppm/℃程度となる。 た、SAWを用いた振動子でも、基材に36°yカッ トのタンタル酸リチウムを用いたものでは、 周波数温度特性が-35ppm/℃程度、基材に64°yカ ットのニオブ酸リチウムを用いたものでは、 -72ppm/℃程度となる。

 これらのMEMS振動子は、水晶振動子より小 型にできるものが多い。また、MEMS振動子は 導体ICと一体化することができるものが多い 。特に、シリコン振動子は、半導体の多くが シリコン基板上に形成されることから、IC形 と一括して、作り込めるなどの多くのメリ トを有する。また、AlN、ZnOなども半導体基 上に作り込めるため、一体化の効果は大き 。

 なお、SAWや境界波を用いた振動子や、FBAR を用いる場合、小型化を行うには、より高周 波の共振周波数となるように振動子を構成し た方がより好ましい。その場合、PLL(Phase Lock ed Loop)を構成しない構成が良い場合もある。 その構成例は、SAW振動子で構成された基準発 振器の後に、第2の分周器を持ってきて、そ 第2の分周器を調整し、周波数を調整するよ な構成である。別の構成例は、SAW振動子で 成された基準発振器の負荷容量として、ス ッチ機能を有するコンデンサを複数用いて スイッチを切り替えることにより、負荷容 を離散的に切り替えて、周波数調整を行う うな構成例である。以上の構成例でも、デ タル的な周波数の変化を伴うために、本発 の効果を顕著に奏することになる。

 以上説明したシリコン振動子などのMEMS技 術を用いたMEMS振動子は、小型、低コスト化 大きなメリットがある。しかしながら、周 数温度特性が悪く、温度補償制御を行って 、周波数精度や位相雑音性能が求められる レビや携帯電話といったシステムには用い ことが困難であった。また、その他の電子 器用のタイミングクロックなどの用途にお ても、周波数精度や位相雑音性能の要求が しいものには、使用することが困難であっ 。なお、位相雑音性能を時間軸で評価した 合、この位相雑音はジッタに相当する。タ ミングクロックの分野では、位相雑音性能 評価する変わりに、このジッタ性能を評価 、この性能について高いレベルが求められ 場合、使用することが困難であった。なお このジッタの評価は、ジッタ時間を直接測 したり、アイパターンと言われるデジタル 号の重ね合わせ波形により評価したりする

 以上の理由により、MEMS振動子、特に、シ リコン振動子の利用は、前述した大きなメリ ットがあるにも関わらず、ごく一部での利用 に限られていた。

 ここで、本実施の形態1の構成とすること で、以上のような場合でも、受信品質を悪化 させずに、MEMS振動子を用いたシンセサイザ 、これを用いた受信装置、及び電子機器を 現することができる。以下、その実施の形 に関して、より具体的、定量的に、使用環 を想定して、説明する。

 まず、第1に、室内での環境下においての 温度の変化は、0.1℃/sec程度が想定される。 の場合、周波数の変動は、3ppm/sec程度となる 。500MHzのローカル周波数を想定すると、1500Hz /secの変動に相当する。ここで、ワンセグ放 のモード3での受信を例に考えてみる。画像 目視確認できるノイズがほとんどない実用 の許容レベルを想定すると、δfcont≦130Hzを たす必要がある。

 図10A、10Bは、受信装置の周波数調整を示 図である。すなわち、f0であった周波数が ある瞬間f1にδfshiftだけ変動した場合に、周 数調整を行った際の周波数の推移状況を示 。

 図10Aは通常の受信装置の回路構成で周波 調整を行なった際の周波数の推移状況を示 図である。図10Aにおいて、制御部は調整開 と同時に一気にf0まで戻している。ここで δfshiftを1500Hzであると仮定すると、周波数調 整単位δfcont=1500Hzであるために、フレーム同 はずれが発生し、画像がほとんど出力され い状況となる。

 図10Bは本実施の形態1における受信装置の 回路構成で周波数調整を行なった際の周波数 の推移状況を示す図である。図10Bにおいて、 制御部は12回に分けてf0まで戻している。δfsh iftを1500Hzであると仮定すると、周波数調整量 を12回に分割しているため、周波数調整単位 fcont=125Hzで、テレビ視聴は可能な状態となる 。

 なお、水晶振動子はシリコン振動子より 、温度特性が一桁以上良いため、もし水晶 動子を用いた場合は、0.1℃/sec程度の温度変 動では、周波数の変動が実用上の許容レベル 130Hz以下となる。従って、本実施の形態1を示 す図10Bにおいては、シリコン振動子などの周 波数温度特性の悪い振動子を用いたときにこ そ、顕著な効果を得られることになる。なお 、この例では、1秒間に、12回周波数調整を行 うため、1回当たりの周波数調整を83msec以下 行えば良い。

 第2に、携帯電話用のテレビ、ノートPC、 バイルテレビなど、モバイル用途の電子機 を想定する。室内から室外へ入ってくる、 いは、自動車内にて、テレビを視聴してい 際に、車外に出たり、ドアを開けたりした 合、携帯電話の周囲は1~2℃/sec等の大きな温 度変化が予想される。この場合は、周波数の 変動は、30~60ppm/sec程度となる。500MHzのローカ ル周波数を想定すると、15000~30000Hz/secの変動 相当する。同様に、ワンセグ放送のモード3 での受信を想定すると、1秒間で、116~232回に けて周波数を調整する必要があり、1回当た りの調整を8.6~4.3msec程度で行えばよい。

 このように、急激な温度変化により急激 周波数がずれた場合でも、許容できるδfcont を考慮して、一度に、所定の周波数に戻さず に、複数回に分割して、所定の周波数に近づ ける方が良い。これは、調整時間の制約、例 えば、最小の調整時間が10msecなどの制約があ り、周波数を近づけるのに時間がかかったと しても、δfcontを考慮して、複数回に分割し 周波数を戻す方が、より受信性能へ与える 影響は少ない場合もあるからである。また 前述したような周囲環境による温度変化の 度は、電子機器の有する熱容量によっても わる。特に、携帯電話などの小型の電子機 は熱容量が小さく、環境温度に対して、よ 敏感に温度が変化するので、本実施の形態1 用いることで、顕著な効果が得られる。な 、室内用の電子機器でも、電源投入直後や 室内の冷暖房機器を投入した直後など、こ ような温度変化が発生する状況は想定でき 。

 第3に、温度変化がより急激な場合、例え ば、寒冷地で、自動車内や室内から外に出た 場合、或いは、逆の場合、また、電子機器の 電源投入直後など環境下を想定する。この場 合、調整時間間隔を極端に小さくして、調整 回数を増加する必要がある。しかし、システ ム上の制約により、それが困難になる場合が ある。つまり、可能な周波数の最小調整時間 内での周波数変動量(或いは、変化させるべ 周波数)が、周波数調整単位δfcontの所定値F りも大きい場合である。この時の周波数変 の条件を許容範囲外と定義する。

 例えば、周波数調整単位δfcontが160Hzであ 、システム上、可能な最小調整時間が50msec ある場合に、49msecで、200Hzの周波数変動を じた場合である。この条件下では、ある期 の受信を犠牲にして、周波数調整を行う。 まり、ある一定期間、画像に混入するノイ や、画像の乱れを許容したり、或いは、極 な場合、受信自体を行わなくしたりする。

 図11は本実施の形態1における受信装置の 路構成で別の周波数調整を行なった際の周 数の推移状況を示す図である。図11におい 、ある瞬間、基準発振器2が温度により変動 た結果、シンセサイザの出力周波数がf0か f1まで大きく変化する。次の調整のタイミン グで、制御部はf1からf2まで周波数を一気に 整する。この期間は、テレビ受信や復調が 能となるが、その後、また、所定のδfcontに づいて、制御部は周波数を戻していく。制 部が周波数をf1からf2へ戻す間の時間は、テ レビ視聴ができないが、その他の大部分の時 間は、視聴可能となる。通常、この期間は、 1sec以下、例えば、前述した例では、8.6msecと 常に小さいため、頻繁にこのような温度変 が起こる場合を除けば、実用上問題ないレ ルでの視聴が可能となる。

 なお、3番目に説明したこの例では、一定 期間周波数調整単位δfcontを所定値Fより大き する必要があり、その一定期間に限れば、 発明の特徴である「δfcontを所定値F以内に る」ことによる効果が得られない。しかし がら、受信時の大部分は、本発明の特徴を いている。この制御方法は、少ない一定期 のみを犠牲にして、本発明の特徴を最大限 活用する方法である。

 なお、制御部がf1からf2へ周波数を戻す間 の時間が、同期の取れる信号品質で規定され るδfcontであれば、より好ましい。例えば、 述した例では、δfcont≦160Hzであれば、より ましい。この場合、画像受信が不能となる 間帯は存在しない。

 また、このように制御部がf1からf2へ大き く周波数を調整するタイミングは、データ受 信上の問題のない期間、或いは、問題の小さ い期間であれば、より好ましい。例えば、ISD B-Tのシステムでは、受信信号中にガードイン ターバル信号が入っている。この信号は、元 来、マルチパス対策で設けられていて、遅延 波を考慮して、マルチパスによるシンボル間 干渉を避けるために挿入されている。このガ ードインターバル信号は、例えば、有効シン ボル期間の信号の一部のコピーの場合が多い 。ガードインターバル信号はデータ自体では なく、この信号の受信期間(以下、ガードイ ターバル期間という)中に制御部がシンセサ ザ部の周波数調整単位を所定値Fより大きく しても、受信品質に大きく影響はしない。な お、このガードインターバル期間の検出は、 BB-IC21で行われており、符号の相関出力を検 して、その検出信号を用いて、ガードイン ーバル期間を知ることが可能である。そう て検知されたガードインターバル期間に、 御部が周波数調整を行えば良い。

 また、海外のモバイルテレビ用のシステ であるDVB-Hでは、タイムスライシングと言 技術が用いられている。これは、省電力化 狙って、時分割信号を受信するシステムで る。つまり、希望信号を受信している期間 、していない期間が存在し、希望信号を受 していない期間を狙って、制御部はシンセ イザ部の周波数調整単位を所定値Fより大き する制御を行えば良い。この制御は、携帯 話の時分割システム、例えば、TDMA(Time Divis ion Multiple Access)や、送受信の時間切替えTDD(T ime Division Duplex)などにも適用できる。

 以上は、急激な温度変化が起こる環境下 想定した説明であったが、システム上の制 で、調整間隔を小さくできない場合も、以 説明した実施の形態1により、同様の効果が ある。また、この制御方法は、熱容量の小さ い小型の電子機器に対して、よりいっそうの 効果を奏する。また、電源投入直後の温度変 化を想定する場合は、電源を入れた瞬間から テレビを視聴することが少ない初期の時間に 、制御部がシンセサイザ部の周波数調整単位 を所定値Fより大きくする制御を行い、周波 を大きくシフトさせてしまえば良い。初期 期間としては、例えば、数十msec~数百msecが ましい。また、チャンネル切替を行った際 、温度による周波数変動ではないが、初期 周波数が合っていないということが想定さ 、その場合も本発明の制御を行うことによ 、同様の効果を得ることができる。

 以上、シンセサイザが基準発振器を備え 構成に関して、説明を行った。しかし、シ セサイザの外部から基準発振信号を供給し もらっても良い。本実施の形態1のシンセサ イザは、位相雑音の劣化のない周波数補正機 能を有するため、シンセサイザの外部から信 号をもらう場合でも、特に、精度の高い信号 供給の必要がない。この場合、シンセサイザ は内部に基準発振器を持たないため、小型化 、低コスト化に有利となる。

 また、本実施の形態1では、振動子として は、MEMS振動子に関して説明を行ったが、こ に限るものではない。本実施の形態1の特徴 一つは、周波数温度特性に左右されずに、 動子を選択できるということである。その の圧電単結晶を用いた振動子やセラミック 動子などを用いてもよい。

 以上説明した実施の形態1では、発振器5 出力をシンセサイザ1の出力とした。しかし 発振器5の後に、分周器を入れて、シンセサ イザ1の出力としても良い。これにより、発 器5の発振周波数を高くすることができ、発 器5のサイズを小さくすることが可能となる 。

 なお、図1において、発振器5の周波数が ぼ一定値となるように、第2の分周器6の制御 を行った。しかし、それに限るものではなく 、システム全体で、受信性能がでるように調 整を加えれば良い。例えば、周波数変換器18 後段に、さらに、第2周波数変換器を設けて 、その前後の回路ブロックに周波数調整機構 を設けて、第2の周波数変換器の出力が一定 周波数になるように調整を行っても良い。

 (実施の形態2)
 次に、本発明のシンセサイザを使用したテ ビ受信装置の実施の形態に関して説明する

 図12は本発明の実施の形態2における受信 置のブロック図である。図12において、本 明のシンセサイザ1は温度センサ8を含めて同 一のRF-IC20に一括に形成され、ベース基板19に 実装されている。また、基準発振器の構成要 素としてMEMS振動子14が用いられ、ベース基板 19の上に実装されている。基準発振器の構成 素としてMEMS振動子14を用いることで、テレ 受信装置22の小型化を実現することができ 。

 例えば、同等コストの水晶振動子が、2.5 2.0mmのサイズであるのに対し、MEMS振動子で 、0.5×0.5mm~0.3mm×0.3mmのサイズで構成できる。 また、高さも半分以下となる。携帯電話に搭 載するような小型のテレビ受信用モジュール では、サイズが、9×9mm~8×8mmと小型になって るため、このサイズ効果は非常に大きいも となる。

 ベース基板19には、アンテナ23が受信した 受信信号が入力される第1の周波数フィルタ24 と、第1の周波数フィルタ24の出力信号が入力 されるLNA(Low Noise Amplifier)25と、LNA25の出力信 号が入力される第2の周波数フィルタ26と、第 2の周波数フィルタ26の出力信号が入力される バラン27が実装されている。そして、バラン2 7の出力信号はRF-IC20に入力される。なお、本 明では、シンセサイザ部をRF-IC内に形成し こと例に関して、説明を行ったが、BB-IC側へ 形成しても良い。

 図12では、MEMS振動子14をRF-IC20内へ取り込 でいる。このように、MEMS振動子14と温度セ サ8が同一のICチップ(RF-IC20)内に内蔵される とにより、実際のMEMS振動子の温度をより正 確に検知することが可能となり、MEMS発振器 発振周波数の調整精度を向上させることが きる。例えば、急激な温度変化が起こった でも、温度伝導の遅延がほぼ無い状態で温 検知が可能となり、それによる受信劣化を き起こさなくなる。また、RF-IC20にMEMS振動子 を内蔵しているため、MEMS自身のサイズ効果 加え、実装時の隣接部品間のスペースも不 となる。つまり、個別に実装する場合の部 間のスペース、例えば、MEMS振動子14の四辺 々、0.2mm程度のスペースが削減でき、より大 きな小型化効果がある。

 また、図示していないが、RF-IC20内のフロ ントエンド部29を最適化することにより、LNA2 5、第2の周波数フィルタ26、バラン27などを取 り除いた構成も実現可能で、その場合、更な る小型化が可能となる。この場合も、フロン トエンド部29内に設けられるLNAのゲインを大 くするなどの工夫が必要となり、発熱が大 くなると考えられる。従って、MEMS振動子を 温度センサと同じIC内に取り込むことによる 果が、さらに期待できる。

 図13は本発明の実施の形態2における受信 置の別のブロック図である。図13において 図12のRF-IC20とBB-IC21とは、一つの受信IC31とし て構成されている。BB-IC21は、復調部30に集約 されている。両方の機能を持つ受信IC31は、 信装置のほとんどの機能が一つのICに集約さ れており、大幅な小型化ができると共に、製 造効率を向上させることが出来る。

 また、ベース基板19上の部品点数の減少 つながるため、ベース基板19の層数を小さく することができ、受信装置22の薄型化につな る。また、層数が減ることで、ベース基板1 9のコストも低くなり、また、部品点数の減 により、製造コストも低くなり、全体とし 、受信装置、電子機器のコストを低くでき 。

 また、機能の集約と同時に、温度センサ8 とMEMS振動子14を一つのIC内に形成した構成に いて本発明の構成にすることにより、発熱 減効果を顕著に得ることができる。

 また、モバイル用途の受信装置では、受 状態の良し悪しを見ながら、電力制御など 行う場合もあり、温度の変化がシステム上 しくなる場合もある。また、DVB-Hなどのシ テムでは、タイムスライシングを行ってい ため、常に、温度の変化が大きい状態が発 する。このような場合にも、本発明の構成 することにより、本発明の効果をさらに顕 に得ることができる。

 なお、以上はPLL(Phase Locked Loop)を用いた 度補償型シンセサイザに関して説明を行っ が、DLL(Delay Locked Loop)を用いても良い。ま 、ループを構成しないDDS(Direct Digital Synthes izer)などでも良い。

 DDSの例としては、予め、メモリに記憶さ た信号情報をD/A(Digital/Analog)変換して、種々 の周波数の信号を生成する方法などが挙げら れる。また、基準発振器2(図1参照)の後に、 接分周器を接続し、周波数を調整するよう 構成にしても、同様の効果は得られる。そ 構成例は、基準発振器の後に、第2の分周器 配置し、その第2の分周器を調整し、周波数 を調整するような構成である。また、基準発 振器の負荷インピーダンスを調整するような 構成でも良い。その構成例は、基準発振器の 負荷容量として、スイッチ機能を有するコン デンサを複数用いて、そのスイッチを切り替 えることにより、負荷容量を離散的に切り替 えて、周波数調整を行うような構成例である 。

 以上、種々の温度補償型シンセサイザに して説明したが、要は、周波数がデジタル に切り替わり、位相の不連続が発生し、位 雑音が悪化するような周波数調整機構を有 るものであれば、本発明の効果を顕著に得 ことができる。

 なお、以上の実施の形態2で説明した温度 センサとしては、一般的に用いられている半 導体を流れる電流の温度特性を利用したよう な半導体ベースのものや、サーミスタなどが 挙げられるが、これに限るものではない。例 えば、温度特性の異なる振動子を2つ用意し その周波数差から、間接的に温度をセンシ グすることも可能である。或いは、別のク ックや周波数情報を有する信号との比較や 算により、その差分を検知して、温度に起 する基準周波数のずれをセンシングしても い。別のクロックとしては、希望波となる 信信号そのものや、GPS(Global Positioning System) 用の信号、或いは、電子機器なら、他の回路 ブロックから、供給してもらった信号などが 挙げられる。

 例えば、周波数変換器18の出力側に周波 誤差検出部を付加することにより、受信周 数と局部発振出力の周波数差異を検出して その検出結果に基づいて、局部発振出力の 波数を調整してもよい。MEMS振動子の場合、 度による周波数変動が大きいため、この差 がほとんどMEMS発振器の周波数変動に相当す るとしても良い。周波数差異検出部の機構と しては、FMで用いるような周波数弁別器や、 ジタル回路で構成される周波数カウンタな が挙げられる。また、受信信号内の既知信 などから、周波数差異を検出して、温度情 を抽出するような機構としても良い。要は 受信信号とシンセサイザ出力の周波数差異 、周波数や位相の検波を行うで、抽出でき 機構とすれば良い。

 このような温度センサの代替機構を設け ことで、温度センサとMEMS振動子の物理的な 位置、熱容量などによる温度伝達遅延の影響 や、温度センサの温度検出精度の影響を軽減 できる。

 以上説明したように、温度情報を直接、 いは間接に検知できる手段であれば良い。 た、半導体ICへの一体化というメリットを えると、温度センサは、半導体ベースのも がより好ましい。

 (実施の形態3)
 図14は本発明の実施の形態3におけるシンセ イザのブロック図である。図14において、 実施の形態3におけるシンセサイザ201は、電 機器の使用状態が変化した時などにシンセ イザ201の温度変化が大きくなり、より大き 周波数を制御しなければならない場合の不 合を軽減するものである。例えば、電子機 の電源がオフの状態からオンの状態へ変化 た瞬間に、基準発振器の温度変化は瞬間的 大きくなる。大きな温度変化に対しては、 変分周器を急激に制御して、周波数を調整 る必要がある。しかし、所定値Fを越えると 、BERが悪化するなどの不具合が生じる。また 、電子機器の使用状態が変化した直後では、 温度センサ(或いは、別の温度検出機構)と基 発振器とに温度差が生じてしまう。この場 、温度センサの出力値に基づいて周波数の 整を行うと、実質的な周波数ずれを引き起 し、BERを悪化させてしまう。

 そこで、本実施の形態3のシンセサイザ201 では、電子機器の使用状態が変化した場合の シンセサイザの発振周波数が、所望の発振周 波数からずれることを抑制する構成としてい る。

 すなわち、本実施の形態3のシンセサイザ は、電子機器の使用状態に対して、予め、分 周器の分周比が決められているため、電子機 器の使用状態が変化した直後、温度検出部か らの温度情報を用いずに、分周器の分周比を 変更することができる。これにより、電子機 器の使用状態が変化した直後に、所望の発振 周波数にすることが可能なシンセサイザを提 供できる。

 また、本実施の形態3のシンセサイザを局 部発振器として用いた場合、受信信号と、シ ンセサイザの周波数のずれが、受信装置が許 容できる周波数ずれδFopt以内となるように、 温度検出部からの温度情報を用いず、分周器 の分周比を変更する。これにより、電子機器 の使用状態が変化した場合でも、受信性能の 劣化が少ない受信装置、電子機器を提供する ことが可能となる。

 図14において、シンセサイザ201は、MEMS発 器202から出力された基準発振信号(fREF1=10MHz) が入力される第1の分周器203と、第1の分周器2 03で分周後(fREF2=5MHz)の信号が入力される比較 204と、比較器204の出力信号に基づいて発振 号を出力する電圧制御発振器205と、電圧制 発振器205の発振信号の一部が入力される第2 の分周器206と、温度検出部208からの温度デー タを基に第2の分周器206の分周比を制御する 御部207とを有する。第2の分周器206の出力信 は比較器204へ入力される。比較器204は、第2 の分周器206からの入力信号と第1の分周器203 らの入力信号とを比較して、この比較結果 示す信号を電圧制御発振器205に出力する。

 上記における「比較器204の出力信号に基 いて」とは、少なくとも比較器204の出力結 を間接、或いは、直接受けてと言う意味で る。従って、間に別の回路ブロックを介し 、その出力を電圧制御発振器205が受けても い。

 本実施の形態3では、比較器204の出力をチ ャージポンプ209により電流成分に変換する。 チャージポンプ209の出力信号をループフィル タ210へ入力し、ループフィルタ210において直 流近傍の成分のみ取り出して、電圧制御発振 器205へ供給する。また、ループフィルタ210は 、コンデンサによる比較器204からの電流(電 )の充電部分と、低周波を通過させる低域通 フィルタで構成されている。

 制御部207は、温度を検出する温度検出部2 08の出力信号に基づいて、第2の分周器206へ適 当な整数分周数M、および分数分周数Nの制御 号を送り、第2の分周器206の分周比を変化さ せる。つまり、第2の分周器206は、分周数Mが 力される整数部分と、分周数Nが入力される 分数部分により構成される。また、シンセサ イザ201を搭載した電子機器が受信する周波数 チャネルを変更する場合、電子機器はチャネ ル切替信号を制御部207に送信し、チャネル切 替信号を受信した制御部207は、切替後のチャ ネルに基づいた分周比へ第2の分周器206の分 比を変更する。

 なお、MEMS発振器202が有するMEMS振動子211 、例えば、シリコン、或いは、その化合物 主材料として構成される。例えば、シリコ で構成された振動子の場合、温度特性が、1 の周波数温度係数で、-30ppm/℃程度と非常に 大きいため、ATカット水晶振動子などを用い 場合と比べ、前述したような温度制御を頻 に行う必要がある。なお、周波数温度係数 ついては、実施の形態1に示した通りである (式1)。また、シンセサイザ201を搭載する受信 装置(後述、図15)は、シンセサイザ201と、こ シンセサイザ201の出力側に接続された信号 理部とを備える。信号処理部は、例えば、 ンテナ(図示せず)が受信した受信信号とシン セサイザ201からの発振信号とを混合し、周波 数変換した後、この信号を復調する作業を行 う。

 なお、シンセサイザ201を搭載する電子機 (図示せず)は、上記受信装置と、この受信 置における信号処理部の出力側に接続され 表示部(図示せず)とを備える。

 図15は本発明の実施の形態3におけるシン サイザを用いた受信装置のブロック図であ 。図15において、シンセサイザ201は、温度 出部208を含めて同一の半導体IC212に形成され 、ベース基板213に実装されている。また、基 準発振器の構成要素としてMEMS振動子211が用 られ、ベース基板213の上に実装されている MEMS振動子211を用いることで、受信装置の小 化を実現することができる。例えば、水晶 動子は2.5×2.0mmのサイズであるが、MEMS振動 211を用いた振動子は1.0×1.0mm~0.3mm×0.3mmのサイ ズで構成できる。また、高さについても、MEM S振動子211を用いた振動子は、水晶振動子の 分以下となる。これは、例えば、MEMS振動子2 11がシリコンで構成される場合、RIE(Reactive Io n Etching)やフォトリソグラフィー等の半導体 ロセスで形成できるためである。また、前 したMEMS振動子のサイズは、代表例であり、 従来の水晶などの圧電単結晶などを用いる場 合に比べ、より小型に作成できる可能性を有 している。また、携帯電話に搭載するような 小型のテレビ用受信装置のサイズは9×9mm~8×8m mと小型であるため、上記のサイズ効果は非 に大きいものとなる。

 ベース基板213には、アンテナ214が受信し 受信信号が入力される第1フィルタ215と、第 1フィルタ215の出力信号が入力されるLNA(Low No ise Amplifier)216と、LNA216の出力信号が入力され る第2フィルタ217と、第2フィルタ217の出力信 が入力されるバラン218とが実装されている そして、バラン218の出力信号は半導体IC212 入力される。

 ここで、温度検出部208とMEMS振動子211とは 、それらの配置される位置関係によって、温 度差が生じてしまう。温度差発生の原因とし ては、位置関係の他に、MEMS振動子211や、半 体IC212、ベース基板213などの熱伝導率の差な どが挙げられる。熱の伝わる速度によって、 温度差が生じてしまうからである。また、こ の温度差は、急激な温度変化が起こった際に 、特に大きくなりやすい。この場合、温度検 出部208で検出した温度とMEMS振動子211との実 の温度が異なってしまい、温度補正時に、 違った周波数に補正してしまう。それによ て、シンセサイザ201の発振周波数が所望の 、つまり、受信する信号の周波数からずれ 受信劣化が引きおこされる。特に、周波数 度特性が良くない、つまり、周波数温度係 の大きいMEMS振動子を用いたシンセサイザの 合には、温度差による周波数の補正誤差も きく、受信特性の劣化が顕著に表れる。

 そこで、電子機器の使用状態が変わった 間にMEMS振動子211の周囲温度が急激に変化す る場合、本実施の形態3の受信装置の有する ンセサイザ201は、予めこの使用状態に対応 た分周比データを保有している。そして、 子機器がこのような使用状態になったとき は、制御部207は、使用状態に対応した分周 データを参照して、第2の分周器206の分周比 変更する。つまり、本実施の形態3の受信装 置の有するシンセサイザ201は、電子機器の使 用状態が変化した瞬間においては、温度検出 部208から得られる温度データを参照せずに、 第2の分周器206の分周比を変更する。これに り、MEMS振動子211と温度検出部208の間の温度 に起因したシンセサイザ201の発振周波数の れを抑制することができる。これは、量産 の電子機器であれば、当然、部品の配置、 材の種類は同じ(熱伝導率が同じ)で、また 熱発生の要素である電流値なども、使用状 を規定することで一意に決定できることに り達成される。

 本発明の実施の形態3における受信装置を 有する電子機器として、例えば、携帯電話を 考えた場合の使用状態の一例を(表1)に示す。

 (表1)において、使用状態のケース1は、携 帯電話の電源がオフの状態からオンの状態に なった場合である。このケース1の場合、携 電話内の各ICに一斉に電流が流れ始めるため 、本実施の形態3の受信装置の周囲の温度が 激に上昇することが想定される。使用状態 ケース2では、携帯電話の待ち受け状態から 話状態に変化した場合である。

 この(表1)におけるケース2の場合、RF回路 送信側回路の1つであるパワーアンプに大き な電流が急に流れ始めることになり、受信装 置の周囲の温度が急激に上昇することが想定 される。

 (表1)において、使用状態のケース3は、携 帯電話の待ち受け状態からテレビ受信機能を オンさせた場合である。このケース3の場合 テレビ信号の受信に必要なRF回路やベースバ ンド回路等に一斉に電流が流れ始め、受信装 置の周囲の温度が急激に上昇することが想定 される。

 (表1)において、使用状態のケース4は、携 帯電話の通話状態から待ち受け状態に変化し た場合であり、使用状態のケース5は、携帯 話のテレビ受信機能がオンの状態から待ち け状態に変化した場合である。共に、それ で携帯電話内の必要部品に流れていた比較 大きな電流が急激に流れなくなるため、受 装置の周囲の温度が急激に下降することが 定される。

 (表1)において、使用状態のケース6は、携 帯電話の電源オフ状態から携帯電話の電源と テレビ受信機能とを同時にオンさせた場合で ある。このケース6の場合、携帯電話の電源 オフの状態から携帯電話内の各IC等に一斉に 電流が流れ始めることになり、受信装置の周 囲の温度が急激に上昇することが想定される 。

 上記のケース1~6において、使用状態の変 により受信装置の周囲温度が急激に変化す ため、受信装置内で、物理的位置の異なるM EMS振動子211と温度検出部208との間に温度差が 生じてしまう。

 図16は本発明の実施の形態3における受信 置内のMEMS振動子と温度検出部の温度変化特 性図である。図16において、(表1)のケース6の 場合における、MEMS振動子211と温度検出部208 温度変化を示す。MEMS振動子211の方が温度検 部208よりも熱源となるデバイスに近い位置 配置されている場合、或いは、熱容量の関 で環境温度に対する追従が良い(周囲温度に 合わせて、温度が変化しやすい)場合を示し いる。

 図16において、横軸に時間を取り、縦軸 はMEMS振動子211と温度検出部208のそれぞれの 度を取っている。携帯電話の使用状態は、 間t0の瞬間に、(表1)のケース6に示したよう 変化している。これにより、本実施の形態3 の受信装置の周囲の温度は急激に上昇する。 その結果、MEMS振動子211と温度検出部208自体 温度も上がり始める。ただ、MEMS振動子211と 度検出部208とは、前述した位置関係、熱容 により、時間に対する温度プロファイルが なる。図16では、MEMS振動子211の温度は、温 検出部208の温度よりも急激に上昇している そして、MEMS振動子211と温度検出部208との温 度は、一定時間Tの間は大きく異なる。この 果、温度検出部208の温度データを基に第2の 周器206の分周比を調整すると、所望の発振 波数が得られなくなる。これを防止するた 、本実施の形態3の受信装置の有するシンセ サイザ201は、電子機器の使用状態と、これに 対応した第2の分周器の分周比の値とのデー ベースを保有している。このデータベース 一例を(表2)に示す。

 (表2)における左端の列の「ケース」は、( 表1)の使用状態の変化を表している。

 (表1)および(表2)に示したデータベースは 例えば、制御部207が有しているメモリ部に 録された構成としてもよい。要するに、制 部207がアクセスできるメモリ部に(表1)およ (表2)のデータベースが記録されていればよ 。

 制御部207は、電子機器の使用状態の変化 あった瞬間に、電子機器からその使用状態 ついての情報を取得し、変化前と変化後と 使用状態からメモリ部に記録されているデ タベースの内、どの使用状態変化のケース 一致するか検索する。そして、制御部207は 一致したケースに対応した第2の分周器206の 分周比データを取得し、第2の分周器206の分 比を変更する。これにより、電子機器の使 状態が変化した瞬間は、温度検出部208の温 データを用いずに第2の分周器206の分周比を 適な値に変更できる。よって、温度検出部2 08とMEMS振動子211との温度差に起因した発振周 波数の差異を小さくすることができる。

 また、ここで、(表1)のケース1から6で想 している最終到達温度をそれぞれ、T1からT6 すると、T1、T2、T3、T6>T4、T5となるのは、 明白である。1次の周波数温度係数が-30ppm/℃ シリコンで構成されたMEMS振動子を用いた場 合、温度係数が負であるために、温度が高い と、MEMS振動子の共振周波数は低くなる。従 て、第2の分周器6の分周数を大きく設定する 必要があるため、N1、N2、N3、N6>N4、N5の関 となる。

 また、ケース1、3、6についても、本実施 形態3の場合、各ケースでの温度が、T1<T3& lt;T6の関係があり、第2の分周器6の分周数に しても、N1<N3<N6の関係が成り立つ。

 なお、図16において、一定時間Tの決め方 しては、MEMS振動子211と温度検出部208の温度 差δTempが、所定温度差δToptに収まる時間に設 定する。ここで、δTempによって、受信システ ムが影響を受けない程度に、所定温度差δTopt は設定されることが好ましい。言い換えれば 、δTempによって、MEMS振動子211の共振周波数(M EMS発振器202の発振周波数)が変動し、その変 によって、シンセサイザ201の局部発振出力 周波数が、本来的な受信信号と同一の周波 値から変動し、受信信号の周波数との間に 波数の差δFが発生してしまう。それによっ 、受信状態が悪化しないように、所定温度 δToptは設定されることが好ましい。

 ここで、受信状態が悪化するといった不 合の例としては、テレビ受信の場合には、 像にノイズが発生することや、データの同 が取れず、受信自体ができないことなどの 態が挙げられる。また、このδToptに対応す 周波数の差δFopt(δTemp=δToptの時のδF)も受信 ステム構成(請求の範囲における「信号処理 部」の構成を言う)によって依存する値とな 。

 δF≦δFoptの範囲に、周波数の差δFを抑え ことによって、所定の受信性能を維持でき ことになる。本実施の形態3では、この条件 を満たすように、種々の受信状態のケース( えば、表1)において、第2の分周器の分周比 調整する(例えば、表2)ことが、さらに好ま い。

 なお、日本国内用のテレビシステムであ ISDB-Tでの構成例では、例えば、δFoptを±25kHz とすることができる。キャリア周波数を770MHz とすると、±25kHzは、±32.5ppmの変動に相当す 。ここで、シリコンで構成されたMEMS振動子 考えると、-30ppm/℃の1次の周波数温度係数 あることから、±32.5ppmの周波数変動は、温 変動としては±1.1℃程度の変動に相当する。 この範囲内になるように、δToptを設定すれば 良い。なお、ここで、δToptを絶対値として、 定義すれば、符号を考慮することなく使用で きる。

 なお、ここで、δFopt=±25kHzとしたが、こ 値に限るものではない。この値は、システ 設計時に決定される事項であり、個々のシ テムに合わせて決めれば良い。

 また、(表1)に示したのは、使用状態の一 であり、これ以外の使用状態の変化に対し 本実施の形態3の受信装置の有するシンセサ イザを適用しても、同様の効果が得られる。 また、(表1)においては、電子機器の具体的使 用状態を記載した表を用いた。しかし、実際 的には、それぞれの使用状態に対して番号等 を割り当てて、管理してもよい。

 例えば、携帯電話の電源オフの状態を番 「1」で、携帯電話の電源オンの状態を番号 「2」で管理し、電子機器から制御部207に電 機器の使用状態を知らせる場合も、この番 を用いることとしてもよい。

 図17は本発明の実施の形態3における受信 置の有するシンセサイザの第2の分周器の分 周比の時間変化を示す図である。図17におい 、横軸に時間を取り、縦軸に第2の分周器206 の分周比を取っている。時間t0までは携帯電 は電源オフ状態であり、時間t0の瞬間、携 電話は電源オン及びテレビ受信機能オン状 に変化した例を示している。時間t0の瞬間、 携帯電話の使用状態が変化し、それに応じて 、第2の分周器206の分周比は瞬時に分周比Aへ 更されている。これにより、温度検出部208 MEMS振動子211との温度差に起因したシンセサ イザ201の発振周波数の差異を抑制することが できる。

 なお、時間t0の瞬間、制御部207が予め決 られていた分周比Aへ第2の分周器206の分周比 を変更した後は、温度検出部208から得られる 温度データを基に、制御部207は第2の分周器20 6の分周比を変更する。ただし、これは、時 t0以降で、温度検出部208とMEMS振動子211の温 差がほぼなくなる一定時間(図17における一 時間T)経過後に実行される。これにより、電 子機器の使用状態が変化した後、一定時間T 過後のシンセサイザ201の発振周波数の精度 向上する。

 なお、テレビ信号の復調作業は、一定時 T経過中に開始しても良い。本実施の形態3 受信装置の有するシンセサイザ201は、携帯 話の使用状態の変化直後においても精度の い発振周波数を出力できるためである。ま 、テレビ信号の復調作業開始までの時間を 時間にする必要が無いのであれば、テレビ 号の復調作業は、一定時間T経過後に開始し も良い。

 なお、時間t0から一定時間T経過後で、温 検出部208から得られる温度情報を基に制御 207が第2の分周器206の分周比を変化させてい る期間において、選択された第2の分周器206 分周比データを記録しておき、その記録デ タを参考にして、次回、携帯電話の使用状 が待ち受け状態から通話状態へ変化した時 用いる第2の分周器206の分周比を修正する構 としてもよい。実際的には、電子機器の使 状態に対応した第2の分周器206の分周比の値 は予め設定し、メモリ部等に記録しておく。 しかし、電子機器の実使用状態において、こ の予め設定されていた分周比の値が、理想的 な分周比の値からずれている場合も想定され る。このような場合に、上記のような構成を シンセサイザに持たせておけば、事後的に、 第2の分周器206の分周比を理想値に修正する とができる。この結果、本実施の形態3の受 装置の有するシンセサイザ201は、実使用状 において、高精度な発振周波数を実現する とができる。

 分周比の修正方法の一例としては、例え 、携帯電話の使用状態が待ち受け状態から 話状態へ変化してから一定時間T経過した後 の期間において、記録された複数の分周比デ ータの平均値を計算することが考えられる。 制御部207は、この平均値を次回の待ち受け状 態から通話状態への変化時に分周比として使 用する。なお、平均値の算出に用いる分周比 データは、一定期間T経過後から所定期間の の分周比データのみを使用することとして よい。使用状態が変化し、一定期間T経過し 直後の分周比データを使用することが、使 状態変化時に使用する分周比データを修正 る上では、最も信頼性が高いためである。 た、分周比の修正に用いるデータ数を所定 間内のものに限定することにより、記録す 必要のあるデータ数を減らすことができる め、メモリ部のサイズを小さくすることが きる。

 図18は本発明の実施の形態3における受信 置の有する他のシンセサイザの第2の分周器 の分周比の時間変化を示す図である。図18に いて、横軸に時間を取り、縦軸に第2の分周 器206の分周比を取っている。時間t0までは携 電話は待ち受け状態であり、時間t0の瞬間 携帯電話は通話状態に変化した例を示して る。時間t0の瞬間、携帯電話の使用状態が変 化し、それに応じて、第2の分周器206の分周 は瞬時に分周比Bへ変更される。次に、時間t 1の瞬間、第2の分周器206の分周比は瞬時に分 比Cへ変更される。次に、時間t2の瞬間、第2 の分周器206の分周比は瞬時に分周比Dへ変更 れる。次に、時間t3の瞬間、第2の分周器206 分周比は瞬時に分周比Dへ変更される。

 このように、温度検出部208とMEMS振動子211 との間に温度差が生じている一定時間Tの間 MEMS振動子211の温度変化が、図17の場合と比 て緩やかな場合には、図18に示したように、 分周比の値をステップ状に変更してもよい。 このような構成とすることで、シンセサイザ 201の発振周波数の精度を向上させることがで きる。

 上記の構成を実現する具体的な方法とし は、一例として、予め、電子機器の使用状 に対応した第2の分周器206の分周比データと 、分周比変更のタイミングデータとをメモリ 部に記録しておく方法が考えられる。(表3)に 、このデータベースの一例を示す。

 (表3)における左端の列の「ケース」は、( 表1)の使用状態の変化を表している。(表3)の ータベースは、制御部207がアクセス可能な モリ部に記録されている。

 制御部207は、(表3)の分周比変化のタイミ グデータを参照し、最適なタイミングで第2 の分周器206の分周比を変更する。これにより 、発振周波数の精度の高いシンセサイザを実 現できる。

 なお、電子機器の使用状態に対して予め められている第2の分周器206の分周比の値は 、温度検出部208の温度情報に基づいて修正さ れてもよい。具体的には、図17または図18の 間t0(電子機器の使用状態が変化する時間)の 前の温度センサ8から得られる温度データを 基に、電子機器の使用状態に対して予め決め られている第2の分周器206の分周比の値を修 することを意味している。これは、電子機 の使用状態変化後のMEMS振動子211の温度変化 ロファイルが、使用状態変化前のMEMS振動子 211の温度により異なることが予想されるため である。故に、電子機器の使用状態が変化す る直前に温度センサ8から得られた温度デー を基に、予め決められている第2の分周器206 分周比の値が修正されることで、発振周波 の精度の高いシンセサイザを実現すること 可能となる。

 具体的な修正方法としては、電子機器内 各部品の熱抵抗等を勘案して導出した修正 (近似式)を用いる方法等が考えられる。

 また、電子機器の使用状態が変化する直 の温度データを使用する他の手段としては (表4)に示すような、各温度に対して予め分 比データをメモリ部に記録しておく方法も えられる。

 (表4)における左端の列の「ケース」は、( 表1)の使用状態の変化を表している。

 (表4)のデータベースは、制御部207がアク ス可能なメモリ部に記録しておく。そして 制御部207は電子機器から状態変化に対応し 信号を受信した後、この状態変化を示す信 を受信する直前の温度データを基に、(表4) データベースより第2の分周器206の分周比デ ータを読み出し、それに基づいて、第2の分 器206の分周比を変化させる。これにより、 振周波数の精度の高いシンセサイザを実現 ることができる。

 なお、本実施の形態3受信装置の有するシ ンセサイザ201は、出力したい各発振周波数に 対して、例えば、(表2)から(表4)のようなデー タベースを保有しておいてもよい。これによ り、複数の発振周波数においても精度の高い シンセサイザを実現することができる。

 以上、説明した本発明の実施の形態3にお ける受信装置では、電圧制御発振器205の出力 をシンセサイザ201の出力としたが、電圧制御 発振器205の後に、分周器を入れて、シンセサ イザ201の出力としても良い。これにより、電 圧制御発振器205の発振周波数を高くすること ができ、電圧制御発振器205のサイズを小さく することが可能となる。

 また、温度検出部208としては、例えば、 導体を流れる電流の温度特性を利用した半 体トランジスタをベースとしたものや、サ ミスタと呼ばれる温度に対して抵抗値が変 する特性を利用したものや、熱起電力を利 する熱電対を利用したものなどが挙げられ 。

 なお、本発明の実施の形態3における受信 装置の構成は、周波数温度特性が良くない振 動子に対して、特に大きな効果を発揮する。 これは、周波数温度特性が悪いほど、図15に けるMEMS振動子211と温度検出部208との実際の 温度差によるシンセサイザの発振周波数の差 異が大きくなってしまうためである。

 この周波数温度特性は、(式1)で表される め、本実施の形態3の受信装置において、MEM S振動子を用いた構成では、より一般的な水 振動子を用いた構成よりも、特に、大きな 果がある。

 また、本実施の形態3では、MEMS振動子とし 、半導体材料を基材としたシリコン振動子 用いて、説明した。しかし、MEMS振動子の他 例としては、同じ半導体材料であるポリシ コン振動子を用いたものが挙げられる。ま 、AlN、ZnO、PZTと言った薄膜圧電材料をベー としたFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)と呼ばれ るものやSiO 2 などのその他の薄膜材料をベースとしたもの が挙げられる。また、弾性表面波を用いたSAW (Surface Acoustic Wave)振動子や、異なる物質の 界を伝播する境界波などを用いた振動子も の一例である。これらの振動子のうちで、AT カット水晶振動子と同程度の周波数温度特性 を持つものは、ほとんどなく、また、そのほ とんどが、1次の温度係数を有する(無視でき い)ものである。

 例えば、AlNを用いたFBARは、厚み縦振動( 加電界と同一方向に振動)を用いた振動子で -25ppm/℃の温度係数を有し、ZnOは、-60ppm/℃ 度の温度係数を有する。また、SAWを用いた 動子でも、基材に36°yカットのタンタル酸リ チウムを用いたものは、-35ppm/℃程度、基材 64°yカットのニオブ酸リチウムを用いたもの は、-72ppm/℃程度の温度係数を有する。

 なお、本実施の形態3では、第1シンセサ ザ部として、PLL(Phase Locked Loop)を用いた温 補償型シンセサイザに関して説明を行った 、DLL(Delay Locked Loop)や、ADPLL(All Digital PLL) 用いても良い。また、ループを構成しないDD S(Direct Digital Synthesizer)などでも良い。

 DDSの例としては、予め、メモリに記憶さ た信号情報をD/A(Digital/Analog)変換して、種々 の周波数の信号を生成する方法などが挙げら れる。また、基準発振器の後に、直接分周器 を接続し、周波数を調整するような構成にし てもよい。その構成例は、基準発振器202の後 に、第2の分周器206を配置し、その第2の分周 を調整し、周波数を調整するような構成で る。

 また、基準発振器の負荷インピーダンス 調整するような構成でも良い。その構成例 、基準発振器の負荷容量として、スイッチ 能を有するコンデンサを複数用いて、その イッチを切り替えることにより、負荷容量 離散的に切り替えて、周波数調整を行うよ な構成例である。

 以上、種々の温度補償型シンセサイザに して説明したが、要は、所定の周波数調整 での周波数調整が達成できる温度補償方法 あれば良い。

 なお、本実施の形態3の効果として、PLLな どの位相や周波数のロックループを用いた場 合、ロックまでの収束時間を短くできる。PLL を例に説明する。

 PLLの動作は、まず、周波数引き込みがな れ(周波数ロック動作)、その後、位相の引 込みがなされる(位相ロック動作)。これは、 図14の比較器204で、第1の分周器203と、第2の 周器206の信号を比較することにより、行わ る。通常、この2つの信号の周波数が大きく なっている場合、周波数ロックされるまで 、時間がかかってしまうという難点がある しかし、本実施の形態3の場合、電子機器の 使用状態に合わせて、第2の分周器を事前に 定するため、初期の周波数の差を小さくす ことができ、周波数ロック、位相ロックに する時間を短くすることができる。これに り、より早く、良好な受信状態を確立する とが可能となる。

 なお、本実施の形態3では、δFopt=±25kHzと て、説明を行い、これが設計時に決定され ものであり、この値に限るものではないと う説明を行ったが、以下に、詳細に説明す 。

 日本のデジタルテレビ放送方式(ISDB-T)は 直交周波数分割多重方式OFDMが用いられてい 。その受信帯域幅は約5.6MHzであり、それが 13の周波数セグメントに分割されている。 庭用のテレビでは、そのうちの12セグメント (フルセグ)が利用され、携帯電話などのモバ ル用途のテレビでは、そのうちの1セグメン ト(ワンセグ)が利用されている。また、マル キャリア方式が採用されており、例えば、 ード3では、約1kHzのキャリア間隔で、キャ アが、433本、並んで、一つの受信チャンネ を構成している。これらのキャリアに同期 の既知信号を予め埋め込み、周波数を補正 ることにより、この周波数の差異δFを実質 になくしてしまうということが可能となる これにより、既知信号が埋め込まれたキャ アの間隔の半分まで、周波数が補正できる とになる。但し、補正可能な周波数を大き しすぎると、補正に時間がかかってしまっ り、回路に負担がかかったりといった不具 もあることから、それらとのトレードオフ よって、設計時に決定される。本実施の形 3に適用する場合は、それらから決定された 正可能な周波数である、本実施の形態3でい うδFoptに合わせて、δToptを所定温度差として やれば良い。なお、本実施の形態3では、こ らを勘案して、δFopt=±25kHzとしている。

 ここで、温度検出部は、半導体ベースや サーミスタ等の温度センサであっても良い 、別の温度検出機構であっても良い。また 温度検出部と、MEMS発振器の物理的な位置の 違いを補正する効果は、直接温度を測定する ような検出機構の方が、さらに大きくなる。 また、受信周波数と局部発振出力の周波数差 異を検出して、その検出結果に基づいて、局 部発振出力の周波数を調整するなどの間接的 な温度検出方法の場合は、検出までのタイム ラグを勘案して、タイムテーブルを作ること で、本実施の形態3の効果が大きくなる。こ でいうタイムラグとは、例えば、周波数差 を検出するまでの信号処理に要する時間な を指し、実際に、温度がずれてから周波数 整に入るまでの時間を指す。

 (実施の形態4)
 実施の形態1で説明した構成により、BERの劣 化は大幅に軽減できる効果を有するが、本実 施の形態4を併用することで、この効果をさ に高めることができる。

 実施の形態1の図4で説明したように、可 分周器13を制御することで、スプリアスが発 生し、信号のC/Nを悪化させ、BERを劣化させる 。この主なスプリアスの間隔は、制御の時間 間隔の逆数であった。つまり、均一な時間間 隔で制御信号を送信し、周囲温度変化に起因 した発振周波数のずれの補正を行っている。 しかし、均一な時間間隔で制御信号を送信す ることに起因して、同じ周波数の位置にスペ クトルが集中し、結果的に、位相雑音が大き くなり、受信機のC/Nが劣化し、良好な受信特 性が実現できなくなることがわかった。本実 施の形態4では、この制御信号を送信する時 間隔に着目している。

 本実施の形態4のシンセサイザは、制御部 から制御信号が不均一な時間間隔で送信され るため、均一な時間間隔で送信した場合のよ うに発振周波数に対してある特定の周波数分 だけ離れた周波数にノイズが集中して発生す ることを抑えることができる。これにより、 良好な受信特性を有する受信機を実現可能な シンセサイザを提供できる。

 図19は本発明の実施の形態4におけるシン サイザのブロック図である。図19において シンセサイザ401は、MEMS発振器402から出力さ た基準発振信号(fREF1=10MHz)が第1の分周器403 分周された後(fREF2=5MHz)、比較器404へ入力さ る。比較器404の出力信号に基づいて、電圧 御発振器405は発振信号を出力し、その一方 第2の分周器406へ入力される。ここで、「比 器404に基づいて」というのは、少なくとも 較器404の出力結果を間接、或いは、直接受 てと言う意味である。よって、間に別の回 ブロックを介して、その出力を電圧制御発 器405が受けてもよい。本実施の形態4では、 比較器404の出力をチャージポンプ409により、 電流成分に変換する。さらに、そのチャージ ポンプ409の出力をループフィルタ410で受けて 、直流近傍の成分のみ取り出して、電圧制御 発振器405へ供給している。また、ループフィ ルタ410は、コンデンサによる比較器404からの 電流(電荷)の充電部分と低周波を通過させる 域通過フィルタとで構成されている。

 次に、第2の分周器406は、制御部407からの 制御信号に基づいて電圧制御発振器405の発振 信号を分周し、比較器404へ出力する。比較器 404では、第2の分周器406からの入力信号と前 した第1の分周器403からの入力信号とを比較 て、この比較結果を示す信号を電圧制御発 器405に出力する。以上の繰り返しにより、 ンセサイザ401は動作する。

 温度検出部408は、周囲の温度を検知し、 の温度データをアナログ量からデジタル量 変換し、制御部407に送信する。制御部407は 温度を検出する温度検出部408の出力信号に づいて第2の分周器406へ適当な整数分周数M 分数分周数Nの制御信号を送り、第2の分周器 406の分周比を変化させる。つまり、第2の分 器406は、分周数Mが入力される整数部分と、 周数Nが入力される分数部分により構成され る。制御部407は、温度を検出する温度検出部 408の温度信号に基づいて第2の分周器406の分 比を不均一な時間間隔で変化させる。

 図20Aはシンセサイザにおける分周比を制 する時間間隔が等間隔である場合のシンセ イザの出力信号のスペクトラムを示す図で る。図20Aにおいて、縦軸は、スペクトル強 で、横軸は、周波数であり、一定期間の平 の周波数スペクトルを示している。

 シンセサイザにおける分周比を制御する 間間隔を等間隔にすると、電圧制御発振器4 05の出力信号の位相雑音が悪化してしまう。 こでは、均一な時間間隔、例えば、20msecお に、周波数の制御を行った際の、シンセサ ザ出力のスペクトルの様子を説明する。図2 0Aで着目すべきは、本来のキャリア信号以外 スプリアス部分の周波数であり、これは、 心に位置するキャリア信号から、上下に、 定周波数、つまり、1/Tp=50Hz間隔で、位置し いる。この50Hzは、制御周期20msecに対応する 周波数、つまり、1/(20×10^-3)に相当する。

 本発明者らは、この結果に着目し、分周 の制御間隔を均一でない時間間隔で制御す ことにより、スプリアスレベルを下げるこ ができるということを見出した。

 図20Bは本発明の実施の形態4におけるシン セサイザの出力信号のスペクトラムを示す図 である。縦軸は、スペクトル強度で、横軸は 、周波数であり、一定期間の平均の周波数ス ペクトルを示している。

 図20Bにおいて、制御の間隔を不均一にし 場合のシンセサイザ出力のスペクトルの様 を示している。ここでは、制御する時間間 Tは、乱数を生成することによって決定され ており、ほぼランダムになっている。これに より、一定間隔で現れるスプリアス(例えば 50Hz間隔)のレベルが下がり、位相雑音も軽減 される。

 次に、より簡便に、時間間隔を切替えて ある周期で繰り返すことで、位相雑音が下 られる例に関して、説明する。

 図21は本発明の実施の形態4におけるシン サイザの制御部が第2の分周器に制御信号を 送信するタイミングチャートである。図21に いて、温度検出部408が制御部407に温度信号 送信する間隔は、T1で均一である。このタ ミングで、毎回、制御部407が第2の分周器に 御信号を送信すると、T1の時間間隔で電圧 御発振器の発振周波数は変化することにな 。その結果、この発振周波数に対して1/T1の 波数間隔でスプリアスが発生し、位相雑音 能を悪化させる。このスプリアスの発生を 圧するため、本発明の実施の形態4における シンセサイザでは、制御部407が第2の分周器40 6へ不均一な時間間隔で制御信号を送信する

 図21の下側のタイムチャートにおいて、 初、時間間隔T1で2回、制御信号が送信され 。その後、時間間隔がT2、T3、T4、T1と不均一 に変化し、全体としても非周期的である。そ の結果、第2の分周器406の切り替え制御に伴 スプリアスの発生を低減することができ、 相雑音性能の悪化を軽減することができる この場合、時間間隔T1、T2、T3、T4に相当する 周波数1/T1、1/T2、1/T3、1/T4に対応する周波数 隔にスプリアスを分散させることで、位相 音を低減している。

 また、請求の範囲に記載した「不均一な 間間隔」とは、図21に示したように、制御 号を送信する時間間隔が少なくとも一部で なっていることを指している。

 図22は本発明の実施の形態4におけるシン サイザの制御部が第2の分周器に制御信号を 送信する他のタイミングチャートである。図 22において、制御信号の送信間隔は不均一な 間間隔となっているが、全体として、T4の 間間隔で制御信号が送信されており、非周 的な時間間隔で制御信号が送信されていな 。よって、図22のタイムチャートに従い制御 信号を送信した場合、図21のタイムチャート 従って制御信号を送信した場合よりもノイ が発生することが予想される。但し、従来 シンセサイザのように、図22の温度検出部40 8から制御部407に、温度信号が送信される度 、制御部407から制御信号が送信された場合 比較すると、発生するスプリアスは低減さ ることになる。これも、前述したように、 プリアスを分散させる効果によるためであ 。ただ、理想的には、より不均一な時間間 であると共に、非周期的の時間間隔で制御 号を送信した方が、スプリアスは低減され ため、乱数などを用いて発生させた時間間 を用いて制御する方が、より好ましい。

 乱数の発生は、シミュレーションなどで いられるモンテカルロ法や、或いは、M系例 (最大周期系列)などを用いても良い。後者は 擬似雑音符号などとしても知られ、シフト ジスタと排他的論理和(XOR)、足し算器など 論理回路で簡単に構成することが可能であ 。

 図23は本発明の実施の形態4におけるシン サイザに適用される乱数発生装置を示す図 ある。図23において、7段のシフトレジスタ1 ~7に対して、第7のレジスタの出力と、第1の ジスタの出力の排他的論理和(XOR)を取り、入 力段にフィードバックしている。クロックの 入力ごとに、シフトレジスタをシフトし、内 容を書き換える。制御の間隔の数値として用 いるのは、例えば、各々のシフトレジスタ1~7 の値を用いる方法や、出力をあるビット数保 持しておき、その数値を用いる方法等がある 。

 例えば、ある瞬間のシフトレジスタ1~7の が、1、1、1、1、1、1、1であれば(図中の時 t1)、次のクロックで、0、1、1、1、1、1、1と る(図中の時間t2)。次々にクロックが来るた びに、シフトレジスタの内容は書き変わり、 そのたびに、乱数が発生する(t3、t4・・・・ )。ある瞬間のシフトレジスタの値をSとす と、初期のt1ではS=1111111(2進数表記)である。 クロック入力のたびに、再演算されるSの値 そのまま、制御の間隔として用いてもよい 、間隔の大小に差がありすぎると判断され 場合には、Sの関数として、制御間隔Tを再定 義してもよい。

 例えば、制御間隔T=f(S)=T0+a×Sなどで定義 てもよい。この場合、周期T0が残るので、T0 体をSの関数とすれば、さらにランダム性は 増すことになる。

 以上説明した乱数を、制御の間隔として いることで、よりいっそう、位相雑音性能 悪化を軽減することができる。なお、前述 例では、乱数は2^7-1回のクロックで、元の に戻る。つまり、周期となる回数は2^7-1とな る。

 次に、図21および図22の「制御部→第2の 周器」のタイムチャートにおいて、制御信 を送信するか否かの判断基準の一例を示す

 制御部407はメモリを有しており、メモリ は、離散的な温度データと、それに1対1で 応した分周比データが記録されている。メ リに記録されたデータの一例を(表5)に示す

 (表5)においては、温度データは0.1度刻み 記録されている。ここで、温度検出部408よ 、周囲温度は20.3度であるとの温度信号を制 御部407が受信した場合、制御部407はメモリの (表5)を参照し、第2の分周器406に送信すべき 周比が15932であることを確認する。そして、 制御部407は分周比を15932に変更するための制 信号を第2の分周器406へ送信する。

 次に、制御部407が、温度検出部408から周 温度が20.33度である旨の温度信号を受信し 場合、再度、制御部407はメモリの(表1)を参 する。しかし、温度データは0.1度刻みであ ため、20.33度に相当する分周比データは記録 されていない。また、記録されている温度デ ータである「20.3度」と「20.4度」で比較した 合、20.33度は「20.3度」に近いため、「20.3度 」の分周比データ「15932」を採用する。しか 、前回、制御部407から第2の分周器406へは分 周比「15932」に変更するための制御信号を第2 の分周器406へ送信しているため、第2の分周 の分周数は15932に既にセットされている。よ って、今回は、制御信号を送信する必要はな いと判断できる。

 以上の判断基準により、現実の温度変化 基準にして、制御信号の送信の有無を判断 ることにより、簡易的に制御信号の送信間 を不均一なものにすることは可能である。 れは、自然界の温度変化自体のランダム性 有するということを使った例である。

 上記の簡易的な方法では、制御信号の送 間隔の不均一性が低くなる危険性があるた 、この点を改良した方法を以下に示す。

 制御信号の送信間隔の不均一性を向上さ るため、メモリに記録されたデータの内容 改良を図る。メモリの内容について、(表6) 具体的に示す。

 (表6)において、データNo.300~303までは、温 度データが0.1度刻みとなっているが、データ No.303以降は、温度データの間隔が不均一にな るように設定されている。これにより、上記 の簡易な判断基準により制御信号の送信の有 無を判断した場合にも、制御信号の送信間隔 の不均一性が低くなることを防止することが 可能となる。また、基準発振器402の温度特性 において、感度の低い温度範囲においては、 データNo.303以降のように温度データを間引い た方が、頻繁に制御信号を送信する必要が減 る。これにより、スプリアスの発生する頻度 自体を減らすことができるので、トータルで 見た場合の位相雑音が悪化する時間をより短 くすることが可能である。

 図24は本発明の実施の形態4におけるシン サイザの制御部が第2の分周器に制御信号を 送信する別のタイミングチャートである。図 24を用いて、制御信号の送信間隔の不均一性 さらに向上させる方法を示す。

 図24において、制御部407は、温度検出部40 8から温度信号を受信してから第2の分周器406 制御信号を送信するまでに、任意の遅延時 を入れている。この遅延時間の長さは、制 信号を送信する毎に変更されるため、制御 号の送信間隔の不均一性は向上されること なる。なお、制御部407が遅延時間の長さを 定する方法としては、前述したような乱数 生やM系例などの擬似雑音符号の足し算値を 使用する方法が考えられる。

 また、制御信号の送信間隔の不均一性を 上させる別の方法としては、過去の任意回 分の制御信号の送信間隔をメモリに記録し おく方法が考えられる。制御部407が制御信 を送信する際は、メモリより過去の任意回 分の制御信号の送信間隔を読み出し、それ 送信間隔と異なる間隔で制御信号を送信す こととなる。これにより、制御信号の送信 隔を非常に不均一なものにすることが可能 なる。

 図25は本発明の実施の形態4におけるシン サイザの制御部が第2の分周器に制御信号を 送信する別のタイミングチャートである。図 25において、温度検出部408からの温度信号が 間間隔T1で制御部407へ送信され、前回、制 部407より制御信号が送信された時間t1よりT2= 2×T1だけ時間が経過したt2において、新たに 御部407より制御信号が送信されている。こ 場合、時間t1から時間間隔T1だけ経過した状 では温度変化が小さく、基準発振器402の周 数変化量が小さかったため、制御部407は制 信号を送信しなかった。ゆえに、温度検出 408が制御部407へ温度信号を送信する時間間 を、T1より長くしても良いことが予想され 。よって、時間t2以降、温度信号の送信間隔 をT3=T1×1.4に変更することにした。これによ 、温度変化が少ない場合に、温度検出部408 不要に温度信号を制御部407へ送信すること 防ぐことができる。時間間隔T1の1.4倍とした が、これは1より大きい数字の倍数であれば 同様の効果が得られる。

 時間t2以降は、時間間隔T3(=T1×1.4)で、温 検出部408から温度信号が送信される。そし 、時間t2から1回目の温度信号の送信時であ 時間t3において、制御部407より制御信号が送 信されている。これは、時間間隔T3の間に、 たな分周比データを送信する必要が生じる どの温度変化が生じたことを意味している ゆえに、この温度変化の状態に対して、時 間隔T3では、温度のサンプリング間隔が長 ぎる可能性も予想される。よって、時間t3以 降、温度検出部408は時間間隔T4=T3×0.5で温度 号を送信している。これにより、大きな温 変化が生じても、柔軟にその状況に対応す ことができ、シンセサイザ401の発振周波数 ずれを最小減に抑えることができる。なお 時間間隔T4をT3の0.5倍としたが、これは0より 大きく1より小さい数字の倍数であれば、同 の効果が得られる。

 時間t3以降は、時間間隔T4で、温度検出部 408から制御部へ送信される。そして、時間t3 ら4回目の温度信号の送信時である時間t4に いて、制御部407より制御信号が送信されて る。結果的に、時間t3からt4までの時間間隔 においては、温度変化の状態が緩やかであっ たため、時間間隔T4以上の時間間隔で周囲温 をサンプリングしても良いことが予想され 。ゆえに、時間t4以降、時間間隔T6=T4×3.4で 度信号を送信している。

 このように、前回、制御信号を送信して ら、今回、制御信号を送信するまでの期間 、制御部407が温度検出部408より温度信号を 信した回数に応じて、倍数mの値を決定して も良い。また、倍数mや倍数kの値は、制御信 を送信する度に変更しても良い。これによ 、制御信号の送信間隔の不均一性をさらに 上させることができる。なお、倍数mと倍数 kは、(式2)の関係を満たした方が良い。

 (式2)の関係を満たさない(1/m)=kの場合を例 にとり、(式2)を満たすことによるメリットを 説明する。

 図25において、(1/m)=kの関係を満たして時 間隔を決定した場合、時間間隔T1と時間間 T4と時間間隔T7は等しい時間間隔となる。ま 、時間間隔T3と時間間隔T6は等しい時間間隔 となる。ゆえに、全体的に周期性を有した時 間間隔となる可能性が生じてしまう。(式2)の 関係を満たして、時間間隔を決定すれば、こ のような危険性を防止することができる。

 図26は本発明の実施の形態4におけるシン サイザの制御部が第2の分周器に制御信号を 送信する他のタイミングチャートである。図 26に示したタイミングチャートについても、 度検出部408からの温度信号の送信間隔を不 一にするものである。

 温度検出部408から制御部407へ温度信号が 信される時間間隔は、温度検出部408が検知 た前回の温度と今回の温度との差が既定値 り小さい場合には、次回の時間間隔は前回 時間間隔より長くなるように設定されてい 。また、温度検出部408が検知した前回の温 と今回の温度との差が既定値より大きい場 には、次回の時間間隔は前回の時間間隔よ 短くなるように設定されている。

 図26においては、前回の温度と今回の温 との差の既定値が0.25度に設定された場合の である。時間間隔を長くする割合、短くす 割合は、温度信号を送信するたびに変更さ ることとしてもよい。これにより、温度信 の送信間隔の不均一性を向上させることが き、その結果、制御信号の送信間隔の不均 性を向上させることが可能となる。また、 度信号が送信されるたびに制御信号を送信 る方式としたが、図21、図22、図24に示した うに、制御信号を送信する回数を間引く等 てもよい。これにより、制御信号の送信間 の不均一性を向上させることが可能となる

 なお、前回の温度と今回の温度との差の 定値は、基準発振器402の温度特性を基準に 温度領域毎に随時変更しても良い。これに り、基準発振器402の温度に対する周波数変 の大きい温度領域では既定値を小さくし、 準発振器402の温度に対する周波数変化の小 い温度領域では既定値を大きく設定でき、 要に制御信号を送信することを防止できる

 また、温度信号を送信するたびに、既定 を変更しても良い。これにより、温度信号 送信間隔の不均一性を向上させることがで 、その結果、制御信号の送信間隔の不均一 を向上させることが可能となる。

 なお、シンセサイザ401を有するシンセサ ザモジュール(図示せず)は、シンセサイザ40 1と、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)素子から る振動子により構成された基準発振器402と 有し、この基準発振器402の出力信号が第1の 周器403を介して比較器404に入力される。MEMS 素子は、例えば、シリコン、或いは、その化 合物を主材料として構成される。

 例えば、シリコン振動子の場合、温度特 が、-30ppm/℃程度と非常に大きいため、ATカ ト水晶振動子などを用いた場合と比べ、前 したような温度制御を頻繁に行う必要があ 。従って、位相雑音の悪化も頻度、量とも きくなり、前述の制御間隔を不均一にする とによる効果は大きくなる。

 また、シンセサイザ401を搭載する受信装 (図示せず)は、シンセサイザ401と、このシ セサイザ401からの発振信号に基づいて受信 号の周波数を変換する混合器411(図19参照)と 備える。この場合、シンセサイザ401は、受 信号を異なる周波数に変換するための、局 発振器として用いられる。つまり、受信信 の周波数選択の基準となる発振器として用 られるため、前述のような位相雑音の悪化 、システム全体へ影響することになる。

 例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multi plexing)などのマルチキャリアシステムでは、 接するキャリアに、スプリアスが重畳する 以上のことから、受信装置として用いられ 場合は、位相雑音の悪化の効果は、システ 全体に波及することになる。

 なお、シンセサイザ401を搭載する電子機 (図示せず)は、上記受信装置における混合 411の出力側に接続された信号処理部(図示せ )と、この信号処理部の出力側に接続された 表示部とを備える。この場合、例えば、シン セサイザ401の出力を、直接、或いは、周波数 を変えるなどして、間接的に、別のブロック にも用いる場合は、当然、同様の効果が得ら れる。

 また、テレビ受像機、携帯電話機の場合 は、耐妨害特性の向上にもつながる。さら 、スプリアスが、別のシステムにノイズと て混入し、ミキシングされて、まったく異 る周波数帯域の信号となり、別システムへ 響するなどと言った不具合を軽減すること できる。シンセサイザ部の信号は、高周波 路ブロックの中では、比較的、高電力の信 であるため、スプリアスは、他への影響を え、極力小さくしておくことが望ましい。 れは、シンセサイザを単独で用いる場合と べ、電気機器として使う場合、つまり、複 システムが共存する機器として用いる場合 、特に顕著であり、本発明の効果、影響が きくなる。

 以上説明したように、制御間隔に不均一 (ランダム性)を持たせることにより、シン サイザの位相雑音の悪化を軽減することが 能となる。また、極力、制御回数を少なく ることで、位相雑音が悪化する時間を短く ることができる。

 (実施の形態5)
 以下、実施の形態5の発振器モジュールにつ いて、図27を用いて説明する。図27は本発明 実施の形態5における発振器モジュールのブ ック図である。図27において、発振器モジ ール412は、温度検出部408と、周波数可変発 器413とにより構成される。さらに、周波数 変発振器413は、ドライバアンプ414と、ドラ バアンプ414に接続された振動子415と、この 動子415に接続されたスイッチ部416と、この イッチ部416とグランドの間に接続されたリ クタンス部417で構成される。

 制御部407は、温度検出部408の温度信号に づいて、周波数可変発振器413の発振周波数 離散的に変化させる。具体的には、制御部4 07から送信される制御信号は、スイッチ部416 入力され、温度変化により周波数変化を補 するために最適なスイッチの状態変更が成 れる。「発振周波数を離散的に変化させる とは、第1の周波数から第2の周波数へデジ ル的に変化させることを指しており、バリ ャップなどの印加電圧のみを用いて、アナ グ的に周波数を変更していくことは指して ない。アナログ的に周波数を変化させた場 には、位相の不連続が発生せず、位相雑音 発生しにくいためである。例えば、スイッ 部416がなく、直接、リアクタンス部417に振 子415が接続されており、リアクタンス部417 バリキャップであり、バリキャップに印加 る電圧をアナログ的に変化させるような構 の場合は、本実施の形態5に当てはまらない 但し、バリキャップの電圧をデジタル的に 例えば、0.5V、1V、1.5Vなどから選ばれる離散 量で制御する場合は、本実施の形態5に当て まり、その効果が得られることになる。

 図27に示した発振器モジュールにおいて 制御部407による周波数可変発振器413の制御 不均一な時間間隔で行われる。これにより 実施の形態4で説明した本発明のシンセサイ の場合と同様に、スイッチ部416の制御に伴 ノイズの発生が抑圧される。制御部407によ 周波数可変発振器413への制御信号の時間間 の決定方法は、実施の形態4の図21から図26 示した方法と同様である。これにより、位 雑音の少ない発振器モジュールを実現する とができる。

 (実施の形態6)
 図28は本発明の実施の形態6における電子機 のブロック図である。図28において、シン サイザは温度検出部408を含めて同一の半導 IC418に一括に形成され、ベース基板419に実装 されている。また、基準発振器の構成要素と してMEMS振動子421が用いられ、ベース基板419 上に実装されている。基準発振器の構成要 としてMEMS振動子421を用いることで、テレビ 信用モジュール422の小型化を実現すること できる。

 例えば、水晶振動子では2.5×2.0mmのサイズ が必要だが、MEMS振動子では1.0×1.0mm~0.3mm×0.3mm のサイズで構成できる。また、高さも半分以 下となる。これは、MEMS振動子421が、例えば シリコン振動子で構成される場合、半導体 ロセス、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)など 加工プロセスや、フォトリソグラフィープ セスで、形成できるためである。また、前 のサイズは、代表例であり、従来の水晶な の圧電単結晶などを用いる場合に比べ、よ 小型に作成できる可能性を有している。ま 、携帯電話に搭載するような小型のテレビ 信用モジュールでは、サイズが、9×9mm~8×8mm 小型になっているため、以上のサイズ効果 非常に大きいものとなる。つまり、振動子 イズによる受信モジュールのサイズへの影 を軽減できる。

 ベース基板419には、アンテナ423が受信し 受信信号が入力される第1フィルタ424と、第 1フィルタ424の出力信号が入力されるLNA(Low No ise Amplifier)425と、LNA425の出力信号が入力され る第2フィルタ426と、第2フィルタ426の出力信 が入力されるバラン427が実装されている。 して、バラン427の出力信号は半導体IC418に 力される。

 図29、図30は本発明の実施の形態6におけ 電子機器の他のブロック図である。図29では 、MEMS振動子421をIC内へ取り込んでいる。また 、図30では、前述したLNA425は、半導体IC418の 部に取り込み、第2フィルタ426、バラン427は ICを構成する際に不要になるようなシステ 構成としている。

 このように、MEMS振動子と温度検出部が同 一のICチップ内に内蔵されることにより、実 のMEMS振動子の温度をより正確に検知するこ とが可能となり、MEMS発振器の発振周波数の 整精度を向上させることができる。

 例えば、急激な温度変化が起こった際で 、温度伝導の遅延がほぼ無い状態で温度検 が可能となり、それによる受信劣化を引き こさなくなる。また、特に、図30の構成で 、1つの半導体IC418内に外部の構成要素も形 できるため、大幅な小型化ができると共に 製造効率を向上させることができる。また アンプなどの発熱部品が、内部に取り込ま たため、図29の構成に比べ、より温度検出部 408をMEMS振動子421と同一のICチップ内に搭載す る効果が大きくなる。

 なお、以上説明した本発明の実施の形態6 では、図19に示すように電圧制御発振器405の 力をシンセサイザ401の出力としたが、電圧 御発振器405の後に、分周器を入れて、シン サイザ401の出力としても良い。これにより 電圧制御発振器405の発振周波数を高くする とができ、電圧制御発振器405のサイズを小 くすることが可能となる。

 また、図30においては、MEMS振動子421を用 たが、前述した小型化の効果を考慮する必 が無ければ、水晶振動子を用いてもよく、 た、その他の圧電単結晶を用いた振動子や ラミック振動子、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonat or)等の薄膜を用いた振動子を用いても良い。 また、一般にこのような振動子には、バルク 波の振動モードが用いられるが、弾性表面波 の振動モードを用いたSAW振動子などを用いて もよい。これらの振動子の選択は、本発明の シンセサイザの使用用途に応じて行えばよい 。

 なお、以上、説明した温度検出部として 、一般的に用いられている半導体を流れる 流の温度特性を利用したような半導体トラ ジスタをベースとしたセンサや、サーミス と呼ばれる温度に対して、抵抗値が変化す 特性を利用したものや、熱起電力を利用す 熱電対を利用したものなどが挙げられるが これに限るものではない。

 例えば、温度特性の異なる振動子を2つ用 意し、その周波数差から、温度を間接的に、 センシングしたり、或いは、別のクロックや 周波数情報を有する信号との比較や乗算によ り、その差分を検知して、周波数ズレをセン シングしたりしても良い。別のクロックとし ては、希望波となる受信信号そのものや、GPS (Global Positioning System)用の信号、或いは、電 機器なら、他の回路ブロックから、供給し もらった信号などが挙げられる。要は、温 情報を、間接、或いは、直接、検知できる 段であれば良い。

 また、受信装置、あるいは、電子機器の 合、受信信号と、シンセサイザ出力の差分 検知して、その差異から、周波数のズレを 知し、その周波数のズレから、温度を間接 に検出しても良い。

 例えば、受信信号とシンセサイザ出力を 波数混合器(ミキサー)へ入力する。この周 数混合器からは、受信信号と、シンセサイ 出力の和、及び、差の周波数が出力される シンセサイザの出力周波数が所望の狙った となっている場合には、この差の周波数は 定値となるが、違った場合、差の周波数が なった値となる。この差の周波数を検知す ことで、間接に温度情報を検知することが 能となる。半導体トランジスタをベースと た温度検出部などの直接的に温度検知を行 センサの場合、その精度は、高々0.1℃程度 あるが、差の周波数を検知する方法では、 リコン振動子を用いた場合で、これよりも2 程度の精度の温度検出が可能となる。シリ ン振動子の温度特性は-30ppm/℃であり、差の 周波数を検知する方法では、0.01~0.1ppm程度の 波数ずれの検知が可能である。ここで、0.01 ~0.1ppmは、シンセサイザ出力に対しての比で る。例えば、0.05ppmのずれは、温度で言うと 0.0017℃に相当する。

 なお、直接的に温度検知を行うセンサと 差の周波数を検知するような間接的に温度 知を行うセンサの両方を併用しても良い。

 例えば、初期の同期が確立する前は、直 的に温度検知を行うセンサを用い、確立後 、後者を用いるなどの方法を用いても良い 要は、システム、用途に応じて、使い分け ばよい。

 なお、図28から図30は、本発明のシンセサ イザを使用した例として説明したが、本発明 の発振器モジュールを使用した場合も同様で ある。

 本発明のシンセサイザは、制御部による 波数調整時に、周波数変換器からの出力信 の品質が品質限界閾値より良好となるよう 、シンセサイザ部の周波数調整単位δfcontを 所定値F以内にしたものである。

 従って、基準発振器を構成する振動子の 波数温度特性への依存を軽減することがで るので、デジタルTV受信機等に有用である