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Title:
SYNTHESIZER AND RECEPTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116262
Kind Code:
A1
Abstract:
A synthesizer (119) includes: a synthesizer unit (101) which generates a local oscillation signal (SL1) based on a reference oscillation signal (SREF1) outputted from a reference oscillator (102) having an MEMS transducer (114); a frequency fluctuation detector (108) which detects a frequency fluctuation of the local oscillation signal; and a frequency adjustment unit (107) which adjusts the frequency of the local oscillation signal in accordance with the frequency fluctuation detected by the frequency fluctuation detector. The synthesizer can output a signal having a stable frequency even when using an MEMS transducer having a large oscillation frequency change for the temperature.

Inventors:
NAMBA AKIHIKO
TSUKIO YASUNOBU
Application Number:
PCT/JP2009/001166
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
NAMBA AKIHIKO
TSUKIO YASUNOBU
International Classes:
H03L7/183; H03B5/30; H03H9/24; H03L1/02
Domestic Patent References:
WO2007013226A12007-02-01
Foreign References:
JP2007175577A2007-07-12
JPH0537414A1993-02-12
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (JP)
Fumio Iwahashi (JP)
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Claims:
MEMS振動子を有する基準発振器から出力された基準発振信号を基に局部発振信号を生成するシンセサイザ部と、
温度変化による前記MEMS振動子の周波数変動を検出する周波数変動検出器と、
前記周波数変動検出器が検出した周波数変動に基づいて、前記局部発振信号の前記周波数を調整する周波数調整部と、
を備えたシンセサイザ。
前記シンセサイザは、受信信号を受信する受信装置に用いられるよう構成されており、
前記周波数変動検出器は、前記局部発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差異に基づいて温度変化による前記MEMS振動子の周波数変動を検出する、請求項1に記載のシンセサイザ。
前記受信信号は複数のキャリアを含み、
前記周波数変動検出器が検出する周波数分解能は、前記複数のキャリアの間隔以内である、請求項2に記載のシンセサイザ。
前記MEMS振動子の1次の温度係数は、1.2ppm/℃以上である、請求項1記載のシンセサイザ。
MEMS振動子を有する基準発振器から出力された基準発振信号を基に第1の局部発振信号を生成する第1のシンセサイザ部と、
前記第1の局部発振信号に基づいて、受信信号を周波数変換する第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器が出力する信号と前記受信信号とに基づいて、前記MEMS振動子の周波数変動を検出する周波数変動検出器と、
前記周波数変動検出器が検出した周波数変動に基づいて、前記第1局部発振信号の前記周波数を調整する第1の周波数調整部と、
を備えた受信装置。
第2の局部発振信号を発生する第2のシンセサイザ部と、
前記第2の局部発振信号に基づいて、前記第1の周波数変換器が出力する前記信号を周波数変換する第2の周波数変換器と、
を備え、
前記周波数変動検出器は、前記第2の周波数変換器が出力する信号に基づいて前記MEMS振動子の周波数変動を検出する、請求項5に記載の受信装置。
前記周波数変動検出部が検出した周波数変動に基づいて、前記第2の局部発振信号の周波数を調整する第2の周波数調整部をさらに備えた、請求項6に記載の受信装置。
温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記第1の周波数調整部は、前記温度検出部の検出結果又は前記周波数変動検出器が検出した周波数変動の少なくとも一方に基づいて、前記第1の局部発振信号の周波数を調整する、請求項5に記載の受信装置。
前記受信信号は基準シンボルを含み、
前記周波数変動検出器は、前記基準シンボルに基づいて周波数変動を検出する、請求項5に記載の受信装置。
前記MEMS振動子は、前記第1シンセサイザ部とは異なる半導体基板に形成された請求項5に記載の受信装置。
基準発振器から出力された基準発振信号を基に第1の局部発振信号を生成する第1のシンセサイザ部と、
前記第1の局部発振信号に基づいて受信信号を周波数変換する第1の周波数変換器と、
第2の局部発振信号を生成する第2のシンセサイザ部と、
前記第2の局部発振信号に基づいて前記第1の周波数変換器から出力された信号を周波数変換する第2の周波数変換器と、
温度を検出する温度センサと、
前記検出された温度に基づいて、前記第1の局部発振信号の前記周波数と前記第2の局部発振信号の周波数の少なくとも一方を調整する第1の周波数調整部と、
前記第2周波数変換器が出力する信号に基づいて、前記第1の局部発振信号の前記周波数と前記第2の局部発振信号の周波数の少なくとも一方を調整する第2の周波数調整部と、
を備えた受信装置。
前記第1の周波数調整部が調整する前記周波数の範囲は、前記第2の周波数調整部が調整する前記周波数の範囲より大きい、請求項11に記載の受信装置。
前記第1の周波数調整部は、前記検出された温度の時間変化率に基づいて調整量を決定する、請求項11に記載の受信装置。
前記周波数調整量が任意の閾値を超えたときに前記第1の周波数調整部を動作させる制御部をさらに備えた、請求項11に記載の受信装置。
前記周波数調整量の時間変化率が任意の閾値を超えたときに前記第1の周波数調整部を動作させる制御部をさらに備えた、請求項11に記載の受信装置。
前記第1の周波数調整部を動作させるとともに、前記第2の周波数調整部が調整する周波数の量を所定値に設定する制御部をさらに備えた、請求項11に記載の受信装置。
前記第2の周波数変換器が出力する前記信号を復調する復調部をさらに備え、
前記第1の周波数調整部が調整する前記周波数の量は前記復調部の許容周波数変動量より小さい、請求項11に記載の受信装置。
前記第2の周波数変換器の出力する前記信号に基づいてタイミング信号を出力する復調部と、
前記タイミング信号に基づいて前記第1の周波数調整部を動作させる制御部と、
をさらに備えた、請求項11に記載の受信装置。
前記第2の周波数変換器が出力する前記信号に基づいて前記第1の周波数調整部に同期検出信号を出力する復調部をさらに備え、
前記第1の周波数調整部は前記同期検出信号が出力された場合に、前記検出された温度に基づいて前記周波数を調整する、請求項11に記載の受信装置。
前記第2の周波数変換器が出力する前記信号を復調する復調部と、
前記復調された信号を表示する表示部と、
をさらに備えた、請求項11に記載の受信装置。
Description:
シンセサイザと受信装置

 本発明は、シンセサイザ、及び、このシ セサイザを用いた受信装置に関する。

 マイクロエレクトロメカニカルシステム( MEMS)技術は、シリコン等の半導体材料の微細 工技術を用いてデバイスを作製する技術で る。MEMS技術は、デバイスを容易に大量生産 でき、小型化かつ低コスト化でき、さらに集 積回路(IC)と容易に一体化させることができ で、加速度センサや、角加速度センサ、イ クジェットプリンタヘッド、高周波フィル 等のセンサデバイス、アクチュエーターデ イス、フィルタデバイスの作製に多く用い れている。

 半導体材料によりMEMS技術で作製されたデ バイスは、周囲温度の変化で寸法や弾性率等 の機械的特性が変化する。MEMS技術で作製さ たデバイスであるMEMS振動子の共振周波数は 料の寸法(熱膨張率)や弾性率に依存する。 たがって、MEMS振動子の温度の変化に対する 動周波数の変化は水晶振動子に比べて格段 大きく、温度の変化に対する振動周波数の 化を示す周波数温度特性は悪い。例えば、 さで周波数が決定される振動モードでは、 度上昇に伴い材料が伸びると振動の周波数 下がる。また、温度上昇に伴い、弾性率が がって材料が軟らかくなると、振動の周波 は下がる。例えば、MEMS振動子であるシリコ ン振動子では、1℃だけ温度が変わると、周 数が-30ppmだけ変化する。したがって、MEMSデ イスは動作タイミングを決定するクロック 放送、通信に用いる高周波を発生する基準 振器には使用しにくい。

 水晶よりなる水晶振動子も温度によりそ 機械的特性は変化するが、水晶は異方性の 結晶材料であり、その切断角度を変えるこ で、優れた周波数温度特性を有することが きる。したがって、水晶振動子は多くの電 機器において基準発振器に用いられている

 しかしながら、水晶振動子は、その加工 法や形状から、小型化、低背化しにくく、 雑な調整工程を要することから、コストを くできない。ICが急速に小型化されている もかかわらず、水晶振動子が大きいために 受信装置を小さくできない。

 MEMS振動子を基準発振器に用いるために温 度による周波数の変化を補償することが必要 である。図33は、特許文献1に記載されている 従来のシンセサイザ201のブロック図である。 シンセサイザ201は基準発振器202の温度による 発振主歯数の変化を補償する。シンセサイザ 201は、発振周波数を変えられる電圧制御発振 器(VCO)206と、VCOから出力された発振信号を分 する分周器207と、基準発振器202から出力さ た発振信号を分周する分周器203と、分周器2 03、207で分周された信号の位相差に応じた信 を出力する比較器204と、比較器204の出力す 信号を積分するローパスフィルタ(LPF)205と 備える。LPF205は比較器204の出力する信号を 分して、直流近傍の周波数を有する電圧に 換する。この電圧に基づいてVCO206は発振信 の周波数を変えて局部発振信号として出力 る。温度センサ208は基準発振器202の周囲の 度を検知する。制御回路211は、受信するチ ンネルと検知された温度に基づいて分周器20 7での分周数を決定する。温度センサ208は検 した温度に基づくアナログ信号を出力する そのアナログ信号はアナログ/デジタル(A/D) 換器209でデジタル信号に変換される。不揮 性メモリ210は、複数の温度にそれぞれ対応 る複数の補正値を予め記憶しており、A/D変 器209が出力するデジタル信号から複数の補 値のうちの1つの補正値を読み出して制御回 211へ送る。制御回路211は送られた補償値に づいて分周器207の分周数を決定する。

 シンセサイザ201において、温度センサ208の 出精度は高々±0.1℃程度である。したがっ 、基準発振器202は、水晶振動子などの温度 対する周波数の変化率が小さい振動子で発 を行うか、或いは、良好な周波数温度特性 要求されないシステムに用いられている。

特開平03-209917号公報

 シンセサイザは、MEMS振動子を有する基準 発振器から出力された基準発振信号を基に局 部発振信号を生成するシンセサイザ部と、局 部発振信号の周波数の変動を検出する周波数 変動検出器と、周波数変動検出器が検出した 周波数の変動に基づいて局部発振信号の周波 数を調整する周波数調整部とを備える。

 このシンセサイザは、温度に対する発振 波数の変化が大きいMEMS振動子を用いても、 安定した周波数の信号を出力できる。

図1は本発明の実施の形態1によるシン サイザを備えた受信装置のブロック図であ 。 図2Aは実施の形態1による受信装置の受 信信号のキャリアの周波数分布を示す。 図2Bは実施の形態1による受信装置の振 動子の1次の温度係数を示す。 図3は実施の形態1によるシンセサイザ 動作を示すブロック図である。 図4Aは実施の形態1によるシンセサイザ が周波数を検出する信号の波形を示す。 図4Bは実施の形態1によるシンセサイザ が周波数を検出する信号の波形を示す。 図4Cは実施の形態1によるシンセサイザ が周波数を検出する信号の波形を示す。 図5は実施の形態2による受信装置のブ ック図である。 図6は実施の形態2による他の受信装置 ブロック図である。 図7は実施の形態2による受信装置のビ ト誤り率を示す。 図8は実施の形態2による受信装置のビ ト誤り率を示す。 図9Aは実施の形態2による受信装置のビ ット誤り率を示す。 図9Bは実施の形態2による受信装置の振 動子の1次の温度係数を示す。 図9Cは実施の形態2による受信装置の振 動子の1次の温度係数を示す。 図9Dは実施の形態2による受信装置の振 動子の1次の温度係数を示す。 図10は実施の形態2による受信装置のビ ット誤り率を示す。 図11は実施の形態4によるシンセサイザ のブロック図である。 図12は実施の形態4によるシンセサイザ の受信信号の構造を示す。 図13は実施の形態5によるシンセサイザ のブロック図である。 図14は実施の形態5による受信装置のブ ロック図である。 図15Aは実施の形態6による受信装置の 視図である。 図15Bは実施の形態7による受信装置の 視図である。 図16は実施の形態8によるシンセサイザ のブロック図である。 図17は実施の形態9における受信装置の ブロック図である。 図18は比較例の受信装置のブロック図 ある。 図19は比較例の受信装置の基準発振信 の周波数を示す。 図20は比較例の受信装置の局部発振信 の周波数を示す。 図21は比較例の受信装置の中間周波数 号の周波数を示す。 図22は比較例の受信装置のベースバン 信号の周波数を示す。 図23は実施の形態9にけるシンセサイザ 部のブロック図である。 図24は実施の形態10における受信装置 ブロック図である。 図25は比較例の受信装置のベースバン 信号の周波数を示す。 図26は実施の形態10における受信装置 ベースバンド信号の周波数の変動を示す。 図27は実施の形態10における他の受信 置のブロック図である。 図28は実施の形態11における受信装置 ブロック図である。 図29は実施の形態12における受信装置 ブロック図である。 図30は実施の形態12における受信装置 ベースバンド信号の周波数を示す。 図31は実施の形態13における受信装置 ブロック図である。 図32は実施の形態15における受信装置 ブロック図である。 図33は従来のシンセサイザのブロック である。

符号の説明

101  シンセサイザ部(第1のシンセサイザ部)
102  基準発振器
107  周波数調整部(第1の周波数調整部)
108  周波数変動検出器
114  MEMS振動子
118  周波数変換器(第1の周波数変換器)
121  シンセサイザ部(第2のシンセサイザ部)
122  周波数変換部(第2の周波数変換器)
125  周波数調整部(第2の周波数調整部)
126  温度センサ
119N  半導体基板(第1の半導体基板)
119P  半導体基板(第2の半導体基板)
1002  周波数変換器(第1の周波数変換器)
1003  シンセサイザ部(第1のシンセサイザ部)
1004  基準発振器
1005  温度センサ
1006  周波数調整部(第1の周波数調整部)
1007  周波数変換器(第2の周波数変換器)
1008  シンセサイザ部(第2のシンセサイザ部)
1010  周波数調整部(第2の周波数調整部)
1011  復調部
1011B  表示部
1903  制御部
2303  制御部
2305  復調部
2403  制御部
2703  復調部

 (実施の形態1)
 図1は本発明の実施の形態1におけるシンセ イザ119を備えた受信装置119Aのブロック図で る。シンセサイザ119は、振動子を有する基 発振器102から出力された基準発振信号SREF1 基に局部発振信号を生成するシンセサイザ 101と、シンセサイザ部101から出力された局 発振信号SL1に基づいて基準発振信号SREF1の周 波数変動を検出する周波数変動検出器108と、 メモリ117と、周波数変動検出器108が検出した 周波数変動に基づいてメモリ117を参照し局部 発振信号SL1の周波数fL1を調整する周波数調整 部107とを備える。

 受信装置119Aは、シンセサイザ119に基準発 振信号SREF1を入力する基準発振器102と、シン サイザ119から出力された局部発振信号SL1を いて受信信号SRを周波数変換する周波数変 器118とを備える。

 シンセサイザ部101は、基準発振器102からの 準発振信号SREF1を所定の分周数R1で分周する 分周器103を備える。分周器103は、周波数fREF1 有する基準発振信号SREF1を下記の周波数fREF2 :
fREF2=fREF1×(1/R1)
を有する基準発振信号SREF2に変換する。シン サイザ部101は、局部発振信号SL1を出力する 振器105と、局部発振信号SL1の周波数fL1を分 数R2で分周して分周信号SD1を発生する分周 106と、分周器106の分周数R2を制御する周波数 調整部107とをさらに備える。発振器105は電圧 制御発振器(VCO)からなる。シンセサイザ部101 、分周器103が出力する基準発振信号SREF2と 周器106が出力する分周信号SD1とを比較して 比較結果に応じた信号を出力する比較器104 備える。比較器104は、基準発振信号SREF2を分 周信号SD2の位相を比較してもよく、周波数を 比較してもよく、位相と周波数とを比較して もよく、遅延量を比較してもよい。実施の形 態1では、比較器104は、基準発振信号SREF2を分 周信号SD2の位相と周波数とを比較する位相周 波数比較器である。シンセサイザ部101は、比 較器104の出力に接続されたチャージポンプ110 と、チャージポンプの出力に接続されたルー プフィルタ109とを備える。チャージポンプ110 は電流源とスイッチで構成することができる 。ループフィルタ109は、例えばローパスフィ ルタである。

 分周器106は、周波数調整部107の出力に接 されたアキュムレータ111と、アキュムレー 111の出力と周波数調整部107の出力とを加算 て分周数R2を出力する加算器112と、局部発 信号SL1を分周数R2で分周する可変分周器113と を備える。長時間で平均すると可変分周器113 の分周数R2は分数となる。

 基準発振器102は、振動子114と、振動子114 駆動するドライバ回路115と、周波数fREF1を 整し動作を安定させる負荷容量116とを備え 。振動子114は、マイクロエレクトロメカニ ルシステム(MEMS)技術で微細加工された半導 材料よりなるMEMS振動子であり、実施の形態1 ではシリコンよりなる。

 シンセサイザ119では、分周器106の分周数R 2を温度に応じて非常に細かく制御している このような細かい調整が必要な理由に関し 、日本のデジタルテレビ放送方式であるISDB- T規格に基づいて説明する。

 ISDB-T規格では、直交周波数分割多重(OFDM) 式が用いられている。ISDB-T規格での受信帯 幅は約5.6MHzであり、その受信帯域幅は13の グメントに分割されている。家庭用のテレ では、そのうちの12セグメント(以下フルセ メントと言う)が利用され、携帯電話などの バイル用途のテレビでは、そのうちの1セグ メントが利用されている。OFDM方式ではマル キャリア方式が採用されている。図2Aは、OFD M方式での1つの受信チャンネルのキャリアの 波数分布を示す。図2Aにおいて、横軸はキ リアの周波数を示し、縦軸はそのキャリア 電力強度を示す。例えば、ワンセグ方式のMo de3方式では約1kHzの周波数間隔で433本のキャ アが並んで1つの受信チャンネルを構成して る。従って、隣接するキャリアを識別して 信信号SRを検波して復調するためには1kHz以 の精度が必要である。通常、受信信号SRは 部発振信号SL1と乗算されて周波数変換され 例えば、受信信号SRより低い560kHz等の中間周 波数を有する中間周波信号に変換される。受 信信号SRと中間周波信号の周波数の差異がキ リアの周波数間隔1kHz以下である必要がある 。すなわち、それぞれのキャリアを受信する ための局部発振信号の周波数の差異である周 波数差異をキャリアの周波数間隔以内に抑え る必要があり、局部発振信号SL1の周波数fL1を 周波数間隔の範囲で調整する必要がある。こ の周波数差異の1kHz以内との条件を以下「キ リア識別の周波数差異条件」と呼ぶ。

 日本において、デジタルテレビ放送で用い れる信号帯域はUHF帯(470MHz~770MHz)である。例 ば、その帯域の最高周波数の770MHzで前記キ リア識別の周波数差異条件に必要な周波数 整分解能1kHz(以下、所定の周波数調整分解 と呼ぶ)を実現するには以下の周波数調整分 能比:
(所定の周波数分解能比)=(周波数調整分解能)/ (最高キャリア周波数)
が求められ、上記の条件下では、所定の周波 数分解能比は1.3ppm(=1kHz/770MHz)となる。図33に す従来のシンセサイザ201ではMEMS技術で作製 れた振動子でこのような小さい分解能比を 現することは困難である。

 次に、実施の形態1によるシンセサイザ119 の動作に関して説明する。基準発振器102から の周波数fREF1を有する基準発振信号SREF1は分 器103により分周数R1で分周され、分周器103が 周波数fREF2(=fREF1/R1)を有する基準発振信号SREF2 を比較器104に送る。発振器105は、比較器104か ら出力された信号に基づいて局部発振信号SL1 を出力する。実施の形態1では、チャージポ プ110は比較器104が出力する信号を電流に変 する。ループフィルタ109はその電流の直流 傍の成分を取り出して発振器105へ供給する 発振器105はその成分に応じた周波数fL1を有 る局部発振信号SL1を発生する。ループフィ タ109はチャージポンプ110が出力する電流で 放電されるコンデンサC109を有し、コンデン C109はその電流を積分した値に比例した電圧 を発生する。ループフィルタ109はその電圧の 高周波数成分をカットして直流を含む低周波 数成分のみを有する電圧を発振器105に出力す る。発振器105はその電圧に応じた周波数fL1の 局部発振信号SL1を出力する電圧制御発振器(VC O)である。

 分周器106は、周波数調整部107で制御され 分周数R2で局部発振信号SL1を分周して得た 周信号SD1を比較器104へ出力する。周波数調 部107は、周波数変動検出器108が出力する信 により、温度に対する基準発振器102の周波 fREF1の変動を補正するように、分周数R2を制 する。周波数調整部107は、周波数fREF1の変 を補正するためのみならず、受信するチャ ネルを切替える際に局部発振信号SL1の周波 fL1を変更するためにも分周数R2を制御しても よい。比較器104は、分周器106は基準発振信号 SREF2と分周信号SD1とを比較して、この比較結 に応じた信号をチャージポンプ110に出力す 。実施の形態1では、比較器104は信号SREF2、S D1の位相と周波数の双方を比較する位相周波 比較器であり、したがって、信号SREF2、SD1 位相差が2×π以上である場合でも、正負の符 号が逆転しない信号を出力することができる 。

 以下、分周器106の動作について詳述する

 周波数調整部107は分周器106での分周数R2 変化させる。分周器106は分周数R2を変えるこ とにより発振器105が出力する局部発振信号SL1 の周波数fL1の変動を抑える。これにより、基 準発振器102の周波数FREF1が温度等の周囲条件 より変動しても、シンセサイザ119は局部発 信号SL1の周波数fL1を安定化することができ 。周波数調整部107は、整数分周数Mと分数分 周数Nとを分周器106に出力する。分数分周数N 、整数を示す整数分周数Mで表すことのでき ない1より小さい数を示す。アキュムレータ11 1は分数分周数Nを加算してオーバーフローが 生した場合に1を出力し、オーバーフローが 発生していない場合には0を出力する。加算 112は、整数分周数Mに、アキュムレータ111か 出力された0又は1を加算し、可変分周器113 分周数R2をM又はM+1とする。この分周数M、及 、M+1を交互に切り替えることにより、分周 R2を実質的に分数にすることができる。例 ば、アキュムレータ111が計算する数がkビッ である場合、分周数R2と局部発振信号SL1の 波数fL1はそれぞれ以下の式1と式2で表される 。

 R2=M+N/2 k  …(式1)
 fL1=(M+N/2 k )×fREF2=(M+N/2 k ) …(式2)
 アキュムレータ111のビット数kを大きくする ことにより、より細かく周波数fL1を調整する ことができる。ビット数kは周波数fL1の最小 整範囲が上記の所定周波数調整分解能以下 なるように設定される。

 しかし、周波数調整分解能を細かくして 、温度を検出する温度センサの精度によっ 、使用できる振動子114の種類が制約される 図33に示す従来のシンセサイザ201では温度 ンサ208の検出した温度により分周器207の分 比が決定される。したがって、温度センサ20 8の温度の検出分解能や検出精度によって、 波数調整分解能の絶対値や精度が決まる。 に、温度の検出精度は、分周比の値の信頼 に関わる重要なものである。

 温度センサ208としては、半導体を流れる 流の温度特性を利用した半導体ベースのセ サやサーミスタ等の素子が一般的に用いら る。以下に、このような素子を温度センサ2 08に用いた場合に必要となる振動子の周波数 度特性について説明する。図2Bは、±0.5℃、 ±0.1℃、±0.05℃の温度精度をそれぞれ有する 子を温度センサ208に用いた場合に必要とさ る振動子の1次の温度係数の絶対値を示す。

 半導体ベースの素子は、小型、低価格、I C内蔵化などの多くのメリットを有するが、± 0.5℃程度の精度を有することが多い。この素 子は無調整の素子のうち最も高い精度を有す る。温度センサ208の温度精度が±0.5℃である 合には、±0.5℃の温度の変動に対して調整 た分周比を信頼できない。つまり、±0.5℃だ け温度が変動したときの局部発振信号の周波 数の変動幅が所定の周波数調整分解能を超え る場合には、調整した分周比の信頼性は低い 。

 振動子の周波数温度特性について説明す 。温度が基準温度T0から温度Tに変化した際 振動子の共振周波数fの変化量δfと周波数変 動率δf/fは以下の式3で表される。

 δf/f=α×(T-T0)+β×(T-T0) 2 +γ×(T-T0) 3  …(式3)
 ここでα、β、γはそれぞれ1次の温度係数、 2次の温度係数、3次の温度係数である。1次の 温度係数αは1℃だけ温度が変化した際の周波 数の変化の初期周波数に対する比である。±0 .5℃の温度精度は、真の温度の値からプラス には0.5℃の誤差、マイナス側にも0.5℃の誤 が存在する可能性があることを意味である 例えば、温度の真値が25℃の場合、±0.5℃の 温度精度を有する温度センサの検出した値は 24.5℃から25.5℃までの範囲の値になる可能性 ある。ここで、温度の真値からのずれは最 で0.5℃である。温度精度を絶対値で表示す ために、プラス側の温度精度のみを考慮す 。振動子の発振周波数の1次の温度係数α(ppm /℃)が温度に対する周波数の変化に支配的で ると仮定すると以下の式3が成り立つ必要が ある。

 (プラス側の温度精度)×|α|≦(所定の周波数 整分解能)…(式4)
 プラス側の温度精度は0.5(ppm/℃)なので、式4 は、
|α|≦(所定の周波数調整分解能比)/0.5 …(式4A )
と変形できる。

 キャリアを識別するための周波数差異条 を満たすための所定の周波数調整分解能比 1.3なので、振動子は2.6ppm/℃(=1.3/0.5)の絶対 の周波数温度特性を有する必要がある。

 温度センサ206として、個体ばらつきを個 に調整して最適化を行った半導体ベースの 子を用いた場合には、温度センサ208の温度 度は±0.1℃程度に向上させることができる したがって式4Aより、振動子の周波数温度特 性の絶対値は13ppm/℃(=1.3/0.1)以下である必要 ある。

 温度センサ208としてサーミスタを用いる ±0.05℃程度の精度が得られる。式4Aより、 の場合には、振動子の周波数温度特性の絶 値は1.3/0.05=26ppm/℃(=1.3/0.05)以下である必要が ある。

 水晶振動子の1次温度係数αは0であり、2 温度係数と3次の温度係数は非常に小さい。 般的に、2次の温度係数βは1次の温度係数α り小さく、2次の温度係数βは1次の温度係数 αより小さい。したがって、温度係数βや温 係数γは周波数温度特性に1次の温度係数αよ りも与える影響は小さい。したがって、1次 温度係数αが0である水晶振動子の周波数温 特性は非常に良好であり、温度による共振 波数の変動が非常に小さい。

 水晶振動子の温度係数は、水晶の引き上 後の固まりである水晶インゴットから水晶 を切り出す際のカット角度によって変わる その良好な周波数温度特性から最も広く使 されている水晶振動子としてATカット水晶 動子がある。ATカット水晶振動子は、例えば 、使用温度範囲(-40~85℃)において、±20~±100ppm 程度の周波数変動率を有する。周波数変動率 の幅はカット角度の微小な違いによって生じ る。

 図33に示す従来のシンセサイザ201とATカッ ト水晶振動子を有する基準発振器202を有する 回路を作製して評価した。この振動子は-40℃ ~85℃の使用温度範囲において±20ppm程度の非 に良好な周波数温度特性を有する。テレビ 携帯電話などの電子機器においては、この 度の特性を有する振動子が一般的に用いら る。ATカット水晶振動子の1次温度係数αは0 あり、その周波数温度特性は、室温付近で その傾きが小さく、高温や低温ではその傾 が大きくなる。使用温度範囲での周波数温 特性を平均して、この振動子の擬似的な1次 温度係数αPを求めることができ、擬似的な 度係数αPは0.32ppm/℃(=40ppm/125℃)であった。

 MEMS技術で作製されたシリコンよりなるシ リコン振動子の1次の温度係数αは-30ppm/℃と きい。上記の使用温度範囲において、周波 温度特性は1次の温度係数αが支配的である で、以下、2次の温度係数βと3次の温度係数 を無視して周波数の変動率を説明する。

 水晶振動子の擬似的な1次の温度係数αPは 0.32ppm/℃であり図2Bに示す条件を満たす。シ コン振動子の1次の温度係数αは-30ppm/℃であ 図2Bに示す条件を満たすことが困難となる

 次に、シリコン振動子においてキャリア 識別する周波数差異条件を満たすために、 度センサ208に必要な精度について説明する 式4を変形することにより以下の式5を得る

 (プラス側の温度精度)≦(所定の周波数調整 解能比)/|α| …(式5)
 所定の周波数調整分解能比の絶対値は1.3ppm 下である必要があり、|α|=30ppm/℃であるの 、温度センサ208の温度精度は±0.043℃以下で る必要がある。

 図1に示すシンセサイザ119では、従来の温 度センサ208ではなく、周波数変動検出器108が 受信信号SRの既知の周波数fcとシンセサイザ 101から出力される局部発振信号SL1の周波数fL 1との差異を検出し、検出した差異から温度 値を得て周波数調整部107に送る。振動子114 周波数温度特性が分かっていれば、得られ 温度に基づいて周波数調整部107は分周器106 分周数R2を制御することが可能となる。メモ リ117は、周波数の差異から得られる温度の値 と分周数R2の値を予め記憶している。周波数 整部107は周波数変動検出器108から送られた 波数の差異に応じてメモリ117から温度の値 読み出し、分周器106の分周数R2を設定する

 なお、周波数変動検出器108が出力する周 数の差異を温度の値に変換せず、直接的に 周数R2を算出してもよい。アキュムレータ11 1のビット数kと基準発振信号SREF2の周波数fREF2 により、周波数を調整する最小幅δdivは以下 式で表される。

 δdiv=fREF2/2 k
 周波数変動検出器108が出力する周波数の差 δFと最小幅δdivにより、周波数の差異δFを0 するためには、周波数調整部107は分周器106 分周数R2を補正数δF/δdivだけ大きくするよ に制御する。この制御を実現するために、 モリ117は差異δFの複数の値と、差異δFの複 の値にそれぞれ対応する補正数δF/δdivとを 憶してもよい。この場合には周波数調整部10 7はメモリ117から差異δFの値に対応する補正 δF/δdivの値により分周数R2を決定する。もし くは、周波数調整部107は差異δFから補正数δF /δdivを算出して分周数R2を制御してもよい。 お、ここで、アキュムレータのビット数をk ビットとすると、アキュムレータの最大値は 2 k となり、δdiv=fREF2/2 k となる。

 温度の検出について詳細に説明する。図3 は図1に示すシンセサイザ119の動作を示すブ ック図である。周波数fcを有する受信信号SR 、シンセサイザ部101が出力した周波数fL1を する局部発振信号SL1と周波数変換器118で乗 され、周波数変換器118は周波数|fL1-fc|、|fL1+ fc|の2つの信号を発生する。周波数変換器118 2つの信号のうちローパスフィルタ機能によ 周波数|fL1+fc|を有する信号を除去して周波 |fL1-fc|の信号のみを出力する。以下の式に示 すように、実際の受信信号SRの周波数fcは差 δfc1だけ、本来の周波数fc0よりもずれている 場合がある。

 fc=fc0+δfc1
 また、局部発振信号SL1の周波数fL1は、本来 周波数fc0と振動子114の周波数温度特性に起 する周波数変動δftとにより以下の式で表さ れる。

 fL1=fc0+δft
 したがって、周波数変換器118が出力する信 の周波数は正確には、
|fL1-fc|=δft-δfc1
となる。ここで、δft≫δfc1であるので
|fL1-fc|=δft
とみなすことができる。つまり、周波数|fL-fc |は実質的には振動子114の温度による周波数 動δftを検出しており、したがって、周波数 動検出器108は温度センサとして機能する。

 なお、実際の受信信号SRと本来の周波数fc 0との差異δfc1が発生する要因として、放送局 でのキャリアを生成するシンセサイザに入力 される基準発振信号の初期の周波数ばらつき が挙げられる。放送局では、通常、基準発振 信号を生成する基準発振器の振動子として、 初期調整された水晶振動子を用いる。この水 晶発振子の初期の周波数ばらつきは±2ppm程度 に抑えられている。キャリアが770MHzを有する 場合にはこのばらつきすなわち差異δfc1は±1. 5kHzとなる。これに対して、振動子114の周波 変動δftは-40℃~85℃の全使用温度範囲では以 の式で表される。

 δft=fc×{85-(-40)}×30(ppm/℃)
=fc×3750(ppm)
 受信信号SRの周波数fcが770MHzの場合には周波 数変動δftは2888kHzとなる。5℃の温度変化でも 周波数変動δftの周波数fcに対する割合は150ppm で、周波数変動δftは115.5kHzとなり、1.5kHzのδf c1よりも非常に大きい。

 なお、放送局での差異δfc1は時間や温度 よっては殆ど変動しないので、δft≫δfc1の 係が成り立たない場合でも、局部発振信号SL 1の周波数fL1を受信の初期に補正することに りδfc1≒0とすることができる。

 周波数変動検出器108は入力された信号の 波数の変化を電圧の変化として出力する周 数弁別器や、周波数を直接カウントする周 数カウンタなどの周波数を検出する回路を いて構成できる。この場合には、周波数が い周波数に変換されているので、周波数変 検出器108はキャリア周波数(例えば、770MHz) 関係なく、周波数の差異δfを高精度にかつ 易に検出できる。

 ここで、周波数変動検出器108が周波数の 異δfを検出する精度について説明する。周 数変動検出器108が周波数カウンタで構成さ ている場合には、信号の波形の立ち上がり 立ち下がりを検出して数えて周波数を検出 る。周波数が下がると、検出の精度は上が 。図4A~図4Cは周波数を検出する信号の波形 示す。図4Aと図4Bに示す信号の周波数は100Hz あり、図4Cに示す信号の周波数は33Hzである 周波数変動検出器108は所定の期間ごと、例 ば図4A~図4Cでは5msecごとに信号のレベルを検 する。図4Aに示すように、時点TP1で信号の ベルがハイレベルであり、次の時点TP2でレ ルがローレベルに変わっていれば、周波数 動検出器108は時点TP1から時点TP2までの期間 信号が立ち下がっていることを検出できる 図4Bに示すように、時点TP1、TP2では共に信号 のレベルがローレベルである場合には、周波 数変動検出器108はこの信号の周波数を正しく 検出できない。図4Cに示すように、信号の周 数が33Hzと低い場合には、時点TP1で信号のレ ベルがローレベルであり、次の時点TP2でレベ ルがハイレベルに変わっているので、周波数 変動検出器108は時点TP1から時点TP2までの期間 に信号が立ち上がっていることを検出できる 。このように、周波数が低いほうが、信号の 立ち上がりや立ち下がりを容易に検出できる 。なお、期間P1を短くすることで、周波数カ ンタで構成された周波数変動検出器108が検 できる周波数を高くすることができる。し し、一般に、期間P1を短くして動作周波数 上げると、周波数変動検出器108の回路規模 消費電流が大きくなる。したがって、振動 114の周波数の変動の大きさに応じて期間P1を 決定する。立ち上がりや立ち下がりを検出す る周波数カウンタは、例えば、排他的論理和 やフリップフロップなどを使ったラッチ回路 で構成することができる。

 実施の形態1では、受信信号SRの周波数fc 単一周波数であるが、ISDB-T規格やW-CDMA方式 テレビシステム、携帯電話システムでは、 信信号SRの周波数はある帯域に広がっている 。この場合、例えば、周波数fcはその帯域の 心の中心周波数である。

 実施の形態1によるシンセサイザ119では、 周波数変動検出器108は受信信号の周波数fcと 部発振信号SL1の周波数fL1の差異を検出する とで、温度の値を検出する。実施の形態1に よるシンセサイザ119では受信信号の代わりに 、別の既知の信号の周波数と周波数fL1との差 異を検出することで同様の効果が得られる。 例えば、受信装置119A内の別のシステムで用 られている既知の信号の周波数と周波数fL1 の差異を検出してもよい。また、受信信号 実際の所望データを含んだ希望信号である 要もない。例えば、全地球測位システム(GPS) 用の信号を受信して受信信号として用いても 良い。

 実施の形態1による受信装置119Aは、周波 変換器118が出力する信号を復調する復調部11 9Bと、復調部119Bで復調された信号を復号する 復号部119Cと、復号部119Cで復号された信号を 示する表示部119Dをさらに備えてもよい。周 波数変動検出器108は、復調部119Bに、或いは 復調部119Bと復号部119Cの双方に含まれてもよ い。特に、図4A~図4Cに示すデジタル的な処理 法で周波数を検出する場合は、周波数変動 出器108が復調部119Bに含まれることで、受信 装置119Aの小型化を図ることが可能となる。

 (実施の形態2)
 図5は、本発明の実施の形態2による受信装 119Eのブロック図である。図6は、実施の形態 2による他の受信装置119Fのブロック図である 図5と図6において、図1に示すシンセサイザ1 19と同じ部分には同じ参照番号を付し、その 明を省略する。図5に示す受信装置119Eは、 ースバンド信号を復調する復調部120を備え 。図6に示す受信装置119Fは、図5に示す受信 置119Eに、MPEGデコーダ124と表示部124Aをさら 備える。

 実施の形態1では、キャリア識別の周波数 差異条件に関して説明を行ったが、幾種類の 他の周波数差異条件もあり、それぞれに所定 の周波数調整分解能、或いは周波数調整分解 能比が対応している。

 他の周波数差異条件としては、表示部124A に表示される画像の質により定められる条件 がある。周波数調整分解能が300Hz以内であれ 、画像の劣化が目視確認できない。以下、 の条件を、「画像受信の周波数差異条件」 呼び、必要な周波数調整分解能比は0.4ppm以 に相当する。

 なお、復調の受信品質の指標として受信 号SRのビット誤り率(BER)がある。復調部120で 、リードソロモン符号のデコードまで終了し たデータはMPEG-TS信号としてMPEGデコーダ124へ 力される。MPEGデコーダ124ではその信号から 画像信号を復号して表示部124Aに送り、表示 124Aは画像信号を画像として表示する。

 ここで、誤り訂正符号のデコードなどの復 の動作に関して、説明する。復調部120では デインターリーブや、誤り訂正符号のデコ ドなどの信号処理を行う。デインターリー とは、バースト誤りを軽減するために変調 に骨子されたデータの並び替えであるイン ーリーブを解除することである。一般に、 続した誤りは訂正するのが困難であるので インターリーブ及びデインターリーブの一 の処理により、一定期間連続したバースト りをランダムな誤りに変換でき、誤り訂正 改善できる誤り率を上昇させることができ 。また、国内向けのISDB-Tや、海外のDVB-Hな のシステムでは、誤り訂正符号として、ビ ビ符号と、リードソロモン符号が採用され いる。復調部120に入ってきた信号には、ま 、ビタビ符号のデコードが行われる。この 、リードソロモン符号のデコードが行われ 。最終的に、エラーのほとんどない、いわ る、エラーフリーの状態を得るためには、 タビ符号のデコード後のBERがある値、例え 、2×10 -4 以下となっていることが必要となる。ここで 示した「エラーフリー」の受信品質の状態、 BERの1×10 -11 以下の値は、1日受信を続けた状態で、ビッ 誤りの発生が数個以下という状態を実現す 。

 なお、図5や図6に示す受信装置119E、119Fは 受信した高周波を直接、直流近傍まで変換す るダイレクト・コンバージョンのタイプであ る。つまり、周波数変換器118は受信信号をベ ースバンド信号に変換する。周波数変換器118 と復調部120の間に別の回路ブロックを備えて もよい。例えば、ISDB-T規格では、受信信号SR 中間周波数の信号に変換され、さらに別の 波数変換器により、ベースバンド信号に変 される。

 図7にBERを示す。図7において、縦軸はBERを し、横軸は周波数の差異δfを示す。図7では δf=0にて、BERが感度点付近となっている。 なわち、δf=0にて、ビタビ符号のデコード後 のBERが2×10 -4 となっている。感度点とは、エラーフリーの 状態が得られる最低限必要な受信信号電力で ある最小入力感度レベル程度の受信波しか受 信できていない状態に相当し、受信環境とし てはかなり劣悪である。画像のノイズが目視 できない状態では、ビタビ符号のデコード後 のBERが3×10 -3 となっている必要があり、このときの差異δf は差異δfcd1と差異-δfcd1である。差異δfcd1は15 0Hzである。つまり、差異δfは
-150Hz≦δf≦150Hz
となり、所定の周波数調整分解能は300Hzとな 。

 図8はBERとは別の受信品質の指標であるキ ャリア/ノイズ(C/N)比を示す。C/N比は、受信信 号のうちの希望信号(キャリア)の電力のノイ の電力に対する比である。図8において、縦 軸はC/N比を示し、横軸は周波数差異δfを示す 。図6において、δf=0にて感度点となる場合の 差異δfとC/N比の関係を示す。周波数差異δfが 大きくなるとC/N比が小さくなり受信品質が悪 くなる。周波数差異δfが差異δfcd1より大きく なると、画像にノイズが観測される閾値S1よ もC/N比は小さくなる。閾値S1は、δf=0の時の C/N比であるS0から約1dBだけ小さい。実施の形 1、2による受信装置119A、119E、119Fでは周波 変換器118が仏力する信号で局部発振信号SL1 周波数fL1の変動を検出するので、図8に示すC /N比は周波数変換器118より後ろでの信号のC/N である。C/N比は、例えば、デジタル復調す 前のコンスタレーションの状態におけるエ ーベクトル振幅(EVM)から算出することがで る。ここで、差異δf、δfcd1は絶対値を示す

 また、さらに他の周波数差異条件としては 復調された信号のエラーが実質的にゼロで るエラーフリーの状態が得られる「エラー リーの周波数差異条件」がある。この条件 は、周波数調整分解能が100Hzである。すな ち、±50Hzの範囲内で、受信信号SRの周波数fc 、局部発振信号SL1の周波数fcが一致した場 にエラーフリーの状態を実現できる。この 件は0.24ppm程度の周波数調整分解能比に相当 る。図9Aは、この条件を実現するBERを示す 図9Aにおいて、縦軸はBERを示し、横軸は差異 δfを示す。図9Aでは、δf=0のときに、ビタビ 号のデコード後のBERが1×10 -4 となるように設定されている。本来、エラー フリー状態を実現するBERは2×10 -4 であるが、通常のシンセサイザではBERは1×10 -4 程度のばらつきを有するので、受信品質がば らついても2×10 -4 のBERを得るために、δf=0のときのBERを1×10 -4 に設定している。図9Aにおいて、BERが2×10 -4 のときの差異δfである閾値-δfef1、δfef1と差 δfが
-δfef1≦δf≦δfef1
を満たすと、エラーフリーを実現できる。実 施の形態2ではδfef1は50Hzであり、したがって 定の周波数分解能は100Hzとなる。なお、BER 1×10 -4 の増加は最小入力感度の0.1dB程度の低下に相 する。例えば、最小入力感度が初期から0.1d Bだけ低下する際の差異δfは、δfef1、-δfef1と ぼ一致する。また、C/N比が初期から0.1dB低 する際の差異δfは、δfcd1、-δfcd1とほぼ一致 る。したがって、受信品質を示す指標であ BER、C/N比、最小入力感度は互いに相関を有 、したがって、いずれを基にして受信品質 評価してもよい。「エラーフリーの周波数 異条件」を満たすことで、ほぼ完全に、誤 が受信性能へ影響しない状態が実現できる なお、このことは、テレビシステムだけで く、携帯電話の通話システム、データ通信 ステム等のデジタル変調を用いた他のシス ムに関しても同様であり、同等の効果が得 れる。

 図9Bは、周波数差異条件を満たすために 要な振動子114の1次温度係数を示す。1次温度 係数は実施の形態1と同様に式4で算出してい 。

 水晶振動子は、0.32ppm/℃の擬似的な1次の 度係数αPを有するので、すべての温度セン で画像受信の周波数差異条件を満たす。ま 、水晶発振子は、±0.1℃以下の温度精度を する温度センサでエラーフリーの周波数差 条件を満たす。しかしながら、シリコンよ なるMEMS振動子は、その1次の温度係数αは-30p pm/℃であるので、±0.05℃の温度精度を有する 温度センサでも画像受信の周波数差異条件も エラーフリーの周波数差異条件も満たすこと ができない。

 シリコンよりなるMEMS振動子では、式5に り、「画像受信の周波数差異条件」を満た ためには±0.013℃以下の精度の温度センサが 要である。また、その振動子では、エラー リーの周波数差異条件を満たすためには±0. 004℃以下の精度の温度センサが必要となる。 半導体ベースのトランジスタや、サーミスタ などの温度センサはこのような高い精度を有 することは困難であり、したがって、これら の条件を満たすことができない。実施の形態 1、2による受信装置119A、119E、119Fはシリコン りなるMEMS振動子である振動子114を用いても これらの条件を満たすことができる。

 なお、所定の周波数調整分解能100Hz(=2×δf ef1)は、QPSK方式のデジタル変調方式のワンセ 放送に適用される。所定の周波数調整分解 はデジタル変調方式によって変わる。図10 、ワンセグ放送のQPSK方式、ワンセグ放送の1 6QAM方式、フルセグ放送の64QAM方式でビット誤 り率を示す。16QAM方式では、所定の周波数調 分解能は80Hz程度(=2×δfef2)となる。64QAM方式 は、所定の周波数調整分解能は50Hz程度(=2× fef3)となる。これらの値により、温度センサ の条件を算出することができる。したがって 、特に断らない限り、ワンセグ放送のQPSK方 に関して受信装置の動作を説明する。なお 「画像受信の周波数差異条件」での所定の 波数調整分解能(2×δfcd1)に関しても同様に、 QPSK方式で受信装置の動作を説明する。

 なお、温度センサは実用上では半導体ベ スのものを用いることが一般的である。サ ミスタは比較的大きいので、MEMS振動子の小 型化のメリットが事実上相殺されてしまい、 シンセサイザを大きくする。したが、現実的 な温度センサの温度精度は±0.5℃である。ま 。コストを考慮せずに個々に制度を調整し 温度センサの精度は±0.1℃となり、小型の ンセサイザ、受信装置が得られる精度であ 。

 また、実使用上、より好ましい周波数差 条件は画像受信の周波数差異条件である。 の条件を満たすことで、テレビ視聴に実使 上問題が起こらない。したがって、図9Bよ 、精度±0.1℃を考慮すると、1次の温度係数α が4ppm/℃以上であるMEMS振動子を用いた場合に は半導体ベースの温度センサで周波数を補償 することは困難である。実施の形態1、2によ 受信装置119A、119E、119Fは、小型化と周波数 温度補償とを両立することが可能となる。

 エラーフリーの周波数差異条件では、受 装置がデータを誤りなく受信でき、この条 を満たすことで信頼性の高い受信装置が得 れる。図9Bより、温度センサの精度±0.1℃を 考慮すると、1次の温度係数αが1.2ppm/℃以上 MEMS振動子を用いた場合には半導体ベースの 度センサで周波数を補償することは困難で る。実施の形態1、2による受信装置119A、119E 、119Fは、小型化と周波数の温度補償とを両 することが可能となる。

 なお、MEMS振動子としては、例えば、シリ コンやポリシリコンなどの半導体より形成さ れている振動子がある。ポリシリコンよりな る振動子の1次の温度係数αは-22ppm/℃程度で る。また、シリコンと酸化ケイ素を組み合 せた複合材料により構成された振動子は、 別に補償されたものを除き、1次の温度係数 が無視できない値、例えば、1.2ppm/℃以上で る。

 なお、ポリシリコンを用いた振動子では 各周波数差異条件にて、求められる温度セ サの精度はキャリア識別の周波数差異条件 ±0.059℃以下、画像受信の周波数差異条件で ±0.0182℃以下、エラーフリーの周波数差異条 で±0.0054℃以下となる。温度センサでは、 り実用的な画像受信の周波数差異条件での 度精度を満足することが困難である。

 (実施の形態3)
 実施の形態1、2では、日本のデジタルテレ 放送のISDB-T規格での信号帯域であるUHF帯(470M Hz~770MHz)の最高周波数770MHzでの受信装置119A、1 19E、119Fの動作を説明した。実施の形態3では 受信信号の周波数fcについて説明する。周 数fcがキャリア周波数閾値fthより低い場合は 、温度センサの精度が悪い場合でも、所定の 周波数調整分解能を満足する場合がある。基 準発振器を構成する振動子はシリコンよりな るMEMS振動子である。

 式4における所定の周波数調整分解能比は、
(所定の周波数調整分解能比)=(所定の周波数 整分解能)/(キャリア周波数fc0)
で求められる。ここで、式4を周波数fc0に関 て変形すると次の式6が得られる。

 fc0≦1/(|α|×et×10 3  …(式6)
 ここで、etは、温度センサの温度精度(プラ 側)である。キャリア識別の周波数差異条件 の所定の周波数調整分解能1kHzに関して式6を 形する。式6のαに-30×10 -6 (--30ppm/℃)を代入し、etに温度センサの精度で ある0.5、0.2、0.05を代入すると、図9Cに示す温 度センサの精度が得られる。図9Cに示す条件 一部の条件ではISDB-T規格の帯域を満足でき が、全帯域に渡って満足することは困難で る。

 同様に、式4を画像受信の周波数差異条件 、エラーフリーの周波数差異条件に関しても 変形し、周波数fcの最高周波数を算出すると 9Dに示す温度センサの条件が得られる。図9D に示す精度ではISDB-T規格の帯域を満足するこ とが困難である。このように、温度センサに よる温度補償で得られない周波数差異条件で も、実施の形態1、2による受信装置119A、119E 119Fは満たすことができる。

 (実施の形態4)
 図11は実施の形態4によるシンセサイザ119Gの ブロック図である。図11において、図1に示す シンセサイザ119と同じ部分には同じ参照番号 を付し、その説明を省略する。シンセサイザ 119Gは、図1に示す受信装置119Aの周波数変動検 出器108は周波数変動検出部123とシンセサイザ 部121と周波数変換器122を有する。ISDB-T規格で は、受信信号SRを中間周波(IF)信号SIFに変換す る。ISDB-T規格のワンセグ放送では、IF信号SIF 周波数は560kHz程度である。周波数変換器122 IF信号SIFをシンセサイザ部121から出力され 局部発振信号SL2と乗算して、直流近傍の成 を有するデジタル信号であるベースバンド 号に変換する。周波数変動検出部123は受信 号SRの周波数fcと局部発振信号SL1の周波数fL1 差異を検出する。

 周波数変動検出部123は、所定の既知信号 信号処理することにより、受信信号SRの周 数fcと局部発振信号SL1の周波数fL1の差異を検 出する。図12はワンセグ放送の信号の1シンボ ルの構造を示す。1シンボルは、有効シンボ とガードインターバル(GI)とで構成されてい 。有効シンボルは画像のデータを含む有効 信号である。ガードインターバルは有効シ ボルの一部をコピーすることにより生成さ ている。したがって、受信信号と、受信信 を所定の期間(例えば、有効シンボルの期間 )遅延させた信号との相関を取ると、ガード ンターバルが検出された期間ごとに相関の ークが出力される。なお、2つの信号の畳み み積分を行うことでそれらの信号の相関を ることができる。デジタル信号処理では、2 つの信号のそれぞれで各ビットの排他的論理 和の否定をとり、その後2つの信号を加算す ことによって得られる。放送局から送られ 信号でのガードインターバルは放送局の設 で発生した基準発振信号を基に作製されて る。MEMS振動子114の周波数が温度で大きく変 する場合、この変動のほとんどは基準発振 102の温度による周波数変動に起因する(δft δfc1)。2つの信号の相関により、受信信号SR 周波数fcとシンセサイザ部101の局部発振信号 SL1の周波数fL1の差異を検出して、温度による 振動子114の発振周波数の変動を検出すること ができる。検出した変動を周波数調整部107へ 送ることにより、分周器106を調整して周波数 を補償する。

 なお、直交変調されている信号の相関を す信号からは以下の方法で周波数の差異を 出できる。受信信号SRがI信号である場合、I 信号と所定時間遅延させたI信号との畳み込 積分により相関を示す相関信号SRL1を発生さ る。I信号と直交する信号であるQ信号とI信 との畳み込み積分により相関を示す相関信 SRL2を発生させる。相関信号SRL1と相関信号SR L2の比から周波数の差異を検出する。ここで 2つの信号が直交すると言うのは、2つの信 の畳み込み積分値が0になると言う意味であ 。

 以上説明した方法では、既知信号の現れ 周波数間隔に対応する周波数変動を検出で る。例えば、ワンセグ放送のmode3の場合、 知信号であるガードインターバル信号によ 1kHzまでの変動が検出できる。また、可能な 波数の変動検出幅の0.5%以下の精度(±0.25%)、 及び分解能で変動が検出できる。つまり、5Hz 以下の精度を有することになる。この精度は 770MHzの周波数では±0.0033ppm(=±2.5Hz/770MHz)の周 数精度に相当し、1次の温度係数αが-30ppm/℃ あるシリコン振動子では、±0.00011℃の精度 温度を検出していることに相当する。また 1次の温度係数αが-22ppm/℃であるポリシリコ ン振動子では、±0.00015℃の精度で温度を検出 していることに相当する。これらの精度は、 キャリア識別の周波数差異条件、画像受信の 周波数差異条件、エラーフリーの周波数差異 条件の全てを満たす。

 なお、以上の説明では、ガードインター ルを検出する狭帯域周波数差異を検出する 法について説明したが、ガードインターバ の他の既知信号に基づいて周波数のしても い。

 また、1kHz以上の変動が発生した場合には 、ガードインターバルの他に既知信号を受信 信号に挿入しておくことで、周波数を補償す ることができる。例えば、215kHzの周波数変動 を検出したい場合には、OFDM信号の215kHzおき 既知信号を挿入する。この場合、前記のガ ドインターバルのように、1シンボル内に既 信号を埋め込むのではなく、シンボル自体 既知信号とみなす(例えば、複数シンボルか らなる既知信号)。つまり、基準となる基準 ンボルを所定の時間の間隔で所定の周波数 間隔で受信信号に埋め込んでおく。また、 い周波数変動幅を検出する場合は、狭い変 幅のガードインターバルの検出と併用する とで、高い検出精度と広い検出変動幅の両 を得ることができる。

 また、本実施の形態では、3つの周波数差 異条件は周波数の差異値で定義されており、 実施の形態によるシンセサイザは周波数の差 異を直接検出している。したがって、振動子 114の周波数温度特性に合わせて温度精度を向 上させる必要がない。前述の例では、振動子 114の温度係数αにかかわらず±2.5Hzの周波数精 度は変わらない。ワンセグ放送では、エラー フリーを得るためには±50Hzに周波数精度を抑 えることが必要であるが、実施の形態による シンセサイザでは振動子114の性能や種類にか かわらず、所定の周波数精度を実現すること ができる。分周器106での周波数調整分解能を 高くすることで、細かく周波数を調整できる ことが好ましい。また、実施の形態による±2 .5Hzの周波数精度は±50Hzの1/20の周波数精度で り、十分な性能が得られている。なお、こ 周波数精度±2.5Hzはこの値に限るものではな く、システムの要求仕様に合わせて、決定す れば良く、少なくとも、エラーフリーの周波 数差異条件では±50Hzを満たせば良い。

 なお、実施の形態によるシンセサイザで 、日本のISDB-T規格のワンセグ放送のみなら 、家庭用の据え置きテレビなどのフルセグ 送、外国のDVB-T、DVB-H、或いは、携帯電話シ ステムでも同様の効果が得られる。例えば、 ISDB-T規格の64QAM方式のフルセグ放送の場合、 記のエラーフリーの周波数差異条件が、±20 ~30Hzになる。前記の周波数精度±2.5Hzであって も、この範囲内に入っているので、実施の形 態によるシンセサイザをこの方式でも用いる ことができる。

 周波数変動検出器108は、復調部120を含む 積回路(IC)内に設けてもよい。特に、信号処 理がデジタル回路によって達成される場合は 、受信装置の小型化ができる。

 (実施の形態5)
 図13は実施の形態5におけるシンセサイザ119H のブロック図である。図13において、図11に す実施の形態4におけるシンセサイザ119Gと同 じ部分には同じ参照番号を付して、その説明 を省略する。図13に示すシンセサイザ119Hは、 図11に示す実施の形態4におけるシンセサイザ 119Gと周波数調整部125をさらに備える。周波 変動検出部123は検出した周波数差異を周波 調整部107、125へ送り、シンセサイザ部101、12 1の両方を調整している。これにより、周波 調整部107のみで調整するシンセサイザと比 して、ひとつのシンセサイザ部で調整する 波数の幅を減らすことができ、したがって 波数調整のための周波数シフト幅に起因す 位相雑音を低減することができる。シンセ イザ部101の分周器106で周波数を調整する場 、周波数を変える幅を大きくしすぎると、 部発振信号SL1の位相雑音が増加し、受信装 に悪影響をもたらす。

 図14は実施の形態5によるシンセサイザ119H を備えた受信装置119Jのブロック図である。 信装置119Jはシンセサイザ119Hに、周波数変換 器122が出力する信号を復調する復調部120をさ らに備える。BERやC/N比をモニタすることで、 実施の形態2と同様の効果が得られる。なお 実施の形態5によるシンセサイザ119Hでは、周 波数変動検出部123の出力を周波数調整部107へ 直接送ってもよい。

 シンセサイザ部121は、シンセサイザ部101 様のフェーズロックドループ(PLL)で構成す ことができる。周波数調整部125からの信号 周波数をけることができれば、シンセサイ 部121は、ディレイロックドループ(DLL)で構成 してもよく、または、ループを構成しないダ イレクトデジタルシンセサイザ(DDS)で構成し もよい。DDSでは、例えば、メモリにあらか め記憶された信号の情報をアナログ信号に 換して、種々の周波数の信号を生成する。 た、発振器の出力に分周器を直接接続して 周波数を調整してもよい。また、スイッチ 複数のコンデンサを基準発振器の負荷容量 して接続し、そのスイッチを切り替えるこ により負荷容量を離散的に切り替えて基準 振器の周波数を調整してもよい。

 (実施の形態6)
 図15Aは実施の形態6による受信装置119Kの斜 図である。受信装置119Kは、図14に示す実施 形態5による受信装置119Jを1つの半導体基板11 9Lに搭載している。例えば、基準発振器102の 動子104と周波数変換器118と周波数変動検出 108とが一体的に1つの半導体基板119Lに形成 れている。なお、周波数調整部107は、本実 の形態ではシンセサイザ部101に含まれ、同 に半導体基板119Lに形成されている。また、 動子104はシリコンよりなる。シリコン等の 導体よりなる振動子は、反応性イオンエッ ング(RIE)などの半導体加工プロセスや、フ トリソグラフィープロセスで形成できるの 、容易に他の回路と一体化することができ 。また、このようなプロセスにより、振動 104自体も小型化できることに加え、一体化 より、配線スペース、実装スペースも減り 受信装置119Kの格段の小型化を図ることが可 となる。

 (実施の形態7)
 図15Bは実施の形態7による受信装置119Mの斜 図である。受信装置119Mは、図14に示す実施 形態5による受信装置119Jを2つの半導体基板11 9N、119Pに搭載している。例えば、基準発振器 102の振動子114は半導体基板119Nに形成され、 波数変換器118と周波数変動検出器108とが半 体基板119Nとは別の半導体基板119Pに形成され ている。

 振動子114の共振周波数の初期ばらつきは きい。振動子114と周波数変換器118と周波数 動検出器108とが一体的に1つの半導体基板119 Lに形成されている実施の形態6による受信装 119Kの製造時の歩留まりは振動子114の歩留ま りにより制限される。実施の形態7による受 装置119Mのように振動子114を独立の半導体基 119Nに形成することで、半導体基板119Nの歩 まりにかかわらず、別の半導体基板119Pの製 時の歩留まりを良好に維持することができ 。

 シンセサイザ部101や復調部120がひとつの 導体ICに集積されている場合、より小型化 低コスト化のためにプロセスルールは復調 120に合わせられ、例えば、90nmや65nmが採用さ れる。90nmや65nmのプロセスルールはフォトリ グラフィーで得られる幅の最小寸法を表し いる。デジタル回路の寸法は最小寸法に合 せて小さくなる。しかしながら、MEMS振動子 の寸法は所定の共振周波数に基づき決定され るので最小寸法に合わせて小さくならない。 したがって、このプロセスルールの微細化に よる小型化の効果はMEMS振動子では得られな 。プロセスルールの最小寸法が小さくなれ 、単位面積当たりの半導体ICのコストは増大 するので、小型化の効果が得られないMEMS振 子114はシンセサイザ部101や復調部120と別の 板119Nに形成して基板119Pに外付けすることで シンセサイザ119Mをより低コストかできる場 もある。

 また、実施の形態による受信装置では他 回路から基準発振信号を供給されている場 には、受信装置は振動子114自体を備える必 がない。

 温度センサで周波数を補償するシンセサ ザでは、温度センサがMEMS振動子から離れて 配置されている場合には、検出する温度と振 動子の温度とのずれが大きくなる。この場合 には、温度センサの温度精度にさらに温度の ずれが加わり、周波数差異条件を満たすこと はさらに困難になる。実施の形態にとるシン セサイザでは、周波数変動検出器108が間接的 に温度を検出しており、MEMS振動子114と周波 変動検出器108の実際の温度に無関係に高精 で温度を検出できる。したがって、MEMS振動 114を周波数変動検出器108と一体化させる必 はなく、任意の場所に配置することができ 。

 (実施の形態8)
 図16は実施の形態8におけるシンセサイザ119Q のブロック図である。図16において図1に示す 実施の形態1によるシンセサイザ119と同じ部 には同じ参照番号を付し、その説明を省略 る。シンセサイザ119Qは図1に示すシンセサイ ザ119に、温度センサ126をさらに備える。温度 センサ126は周波数変動検出器108と共に周波数 調整部107を制御する。

 温度センサ126は、温度が大きく変わった 合、例えば、数℃/sec以上の温度変化があっ た場合に周波数調整部107を制御する。周波数 変動検出器108がガードバンドで周波数変動を 検出する場合には、ベースバンドでの信号の 同期が必要である。この場合、急激な温度変 化により同期が取れるまでに過度に長い時間 がかかる場合がある。同期が取れるまでの間 、温度センサ126で検出された温度により周波 数調整部107を制御して粗く周波数を調整し、 同期が取れた後で周波数変動検出器108が周波 数調整部107を制御して周波数を調整する。

 このような大きな温度変化は、携帯電話 のテレビ、ノートPC、モバイルテレビなど モバイル用途の受信装置を持って、操作者 室内から室外へ移動する、或いは、自動車 から外に移動する場合に起こる。また、室 の冷暖房機器を投入した直後でも、このよ な大きな温度変化が発生する。また、電源 入直後では、すべての電子機器において急 な温度上昇を伴うことが多い。なお、周囲 境による温度変化の程度は受信装置の熱容 によっても変わり、特に、携帯電話などの 型の受信装置は熱容量が小さく、環境温度 対してより敏感に温度が変化する。実施の 態8によるシンセサイザ119Qは大きな温度変化 が起きても、安定な周波数を有する局部発振 信号を迅速に出力することができる。

 (実施の形態9)
 図17は実施の形態9におけるシンセサイザ1000 Aを備えた受信装置1000のブロック図である。 信装置1000は、基準発振信号SREF1を出力する 準発振器1004と、基準発振信号SREF1に基づい 局部発振信号SL1を生成するシンセサイザ部1 003と、局部発振信号SL1に基づいて受信信号SR 周波数変換する周波数変換器1002と、温度を 検出する温度センサ1005と、温度センサ1005の 出した温度に基づいて局部発振信号SL1の周 数fL1の調整を行う周波数調整部1006と、基準 発振信号SREF2を出力する基準発振器1009と、基 準発振信号SREF2に基づいて局部発振信号SL2を 成するシンセサイザ部1008と、局部発振信号 SL2に基づいて周波数変換器1002から出力され 信号を周波数変換する周波数変換器1007と、 波数変換器1007から出力された信号の周波数 の変動を検出する周波数変動検出器1010Aと、 波数の検出した変動に基づいて局部発振信 SL2の周波数fL2の調整を行う周波数調整部1010 と、周波数変換器1007から出力された信号を 調する復調部1011と、復調された信号を処理 る信号処理部1011Aと、処理された信号を表 する表示部1011Bとを備える。シンセサイザ100 0Aは、シンセサイザ部1003と温度センサ1005と 波数調整部1006とシンセサイザ部1008と周波数 変動検出器1010Aと周波数調整部1010とを備える 。

 実施の形態9に記載のシンセサイザ1000Aは 周波数変動検出器1010Aによる温度検出に加 、温度センサ1005で基準発振器1004の温度を検 出し、局部発振信号SL1の周波数fL1を補償する 。周波数変動検出器1010Aによる高精度な温度 出と、温度センサ1005による広範囲な温度検 出の両特性を利用した周波数温度補償制御を 実現することが可能となる。

 以下、周波数変動検出器1010Aと周波数調 部1010の動作を説明する。なお、実施の形態9 による受信装置1000はデジタル放送信号の受 装置である。周波数変動検出器1010Aは、広帯 域周波数差異算出回路と狭帯域周波数差異算 出回路とを有する。広帯域周波数差異算出回 路は、放送局により所定の周期で挿入された 周波数同期用の基準シンボルに基づいてキャ リア間隔単位の周波数差異を算出することが できる。日本のデジタル放送方式であるISDB-T 規格においては直交周波数分割多重(OFDM)方式 が採用され、その受信帯域幅5.6MHzの中に周波 数同期用の配置パターンが4種類あるため、1 期は約1.4MHz(=5.6MHz/4)である。したがって、 波数変動検出器1010Aは内部で生成した既知信 号と、周波数変換器1007が出力するベースバ ド信号に含まれる既知信号とを比較するこ により、±700kHz(=1.4MHz/2)の周波数差異を検出 ることができる。一方、狭帯域周波数差異 出回路は、OFDM方式の信号に含まれるガード インターバルを利用する。ガードインターバ ルは有効シンボルの後部のコピーであること から、ガードインターバルと有効シンボルの 後部との間の相関に基づいてキャリア間隔以 内の周波数差異を検出する。狭帯域周波数差 異算出回路は、周波数調整部1010に含まれる 分器であるループフィルタのループ利得を 切に設定することによりキャリア間隔の1%以 内の周波数差異を検出することが可能である 。ISDB-T規格のMode3ではキャリアの間隔は約1kHz であるので、周波数変動検出器1010Aは10Hz以下 の分解能で周波数差異を検出することが可能 である。周波数調整部1010はシンセサイザ部10 08の局部発振信号SL2の周波数fL2の設定値に対 て、広帯域周波数差異算出回路及び狭帯域 波数差異算出回路で検出した周波数差異を 算することにより局部発振信号SL2の周波数f L2を調整し、その周波数差異を除去する。こ ように、周波数変動検出器1010Aと周波数調 部1010は、放送局の局部発振信号と局部発振 号SL1の周波数fL2との差異、若しくは伝送路 起因して発生した周波数差異を除去するこ ができる。

 図18は比較例の受信装置1101のブロック図で る。図18において、図17に示す受信装置1000 同じ部分には同じ参照番号を付し、その説 を省略する。受信装置1101は受信装置1000の温 度センサと周波数調整部1006を備えていない 基準発振器1004に水晶振動子を用いる。水晶 振子の周波数変動幅は受信装置の使用温度 囲内の-40℃~+85℃において高々±30ppmである デジタル放送ではUHF帯(470MHz~770MHz)が用いら るので、周波数変換器1002の出力する中間周 数信号SIFの周波数が57MHzである場合に、局 発振信号SL1の周波数fL1は最高で713MHz(=770-57) ある。したがって、使用温度範囲内の変動 は最大で約±21kHz(=713MHz×30×10 -6 )となる。中間周波数信号SIFの周波数は受信 号SRの周波数と局部発振信号SL1の周波数fL1の 差分であるので、その変動幅は同じく約±21kH zとなる。この変動幅は周波数調整部1010の調 範囲である±700kHzに比べて十分小さいので 周波数調整部1010はその変動幅を補償するこ ができる。実施の形態9による受信装置1000 は、基準発振器1004が、シリコンよりなるMEMS 技術で作製されたMEMS振動子1004Aにより基準発 振信号SREF1を発生する。MEMS振動子1004Aの発振 波数は約-30ppm/℃の変動率で変動するので、 基準発振信号SREF1の周波数fREF1は-40℃~+85℃の 度範囲で3750ppmもの変動幅で変動する。これ により、局部発振信号SL1の周波数fL1の変動幅 は約2674kHz(=713MHz×3750×10 -6 )となり、中間周波数信号SIFの周波数の変動 も約2674kHzとなる。この変動幅は周波数調整 1010の調整範囲を超えるので、周波数変換器 1007においてこの周波数差異を調整すること できず、復調部1011において周波数同期が取 ないので、周波数変換器1007が出力するベー スバンド信号の復調処理ができなくなる。MEM S振動子1004Aは小型で低コストであるため、デ ジタル回路用のクロック等の分野において、 近年実用化されているが、デジタル放送の受 信装置等の高周波受信装置に適用を検討する 中で、上述の課題があることが明らかになっ た。

 図19は基準発振器1004が出力する基準発振 号SREF1の周波数fREF1の変動を示す。図19にお て、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示 。受信信号SRの周波数は770MHzである。図19に おいて、時間t0で温度は25℃であり、その後 温度は時間tに対して直線的に上昇し、時間t 1で65℃となる。MEMS振動子1004Aがシリコンより なる場合は、その温度係数は-30ppm/℃である MEMS振動子1004Aを有する基準発振器1004の基準 振信号SREF1の周波数fREF1が25℃において10MHz ある場合には、65℃まで温度が上昇すること により周波数fREF1は-1200ppm(=-30ppm×(65-25))だけ 動し、9.988MHzとなる。図20は局部発振信号SL1 周波数fL1の変動を示す。中間周波数信号SIF 周波数が57MHzである場合には、温度25℃の時 間t0において局部発振信号SL1の周波数fL1を713M Hzに設定する。基準発振信号SREF1の周波数fREF1 の変動に起因して、周波数fL1が温度65℃では7 12.144MHzまで下降する。図21は中間周波数信号S IFの周波数の変動を示す。中間周波数信号SIF 周波数は温度25℃の時間t0では57MHzであるが 局部発振信号SL1の周波数fL1の変動(856kHz)が のまま中間周波数信号SIFの周波数の変動と るので、65℃では56.144MHzまで下降する。図22 比較例の受信装置1101のベースバンド信号の 周波数の変動を示す。シンセサイザ部1008が 力する局部発振信号SL2の周波数fL2は中間周 数信号SIFと同じ57MHzに設定される。周波数変 換器1007は中間周波数信号SIFをベースバンド 号に変換する。図22において、特性1101Aは周 数調整部1010を動作させない場合のベースバ ンド信号の周波数を示す。特性1101Bでは、温 25℃の時間t0ではベースバンド信号の周波数 は0Hzとなるが、温度65℃では-856Hzまで下降す 。図23において、特性1101Bは周波数調整部101 0を動作させている場合のベースバンド信号 周波数を示す。周波数調整部1010は±700kHzま 局部発振信号の周波数fL2を調整できるので ベースバンド信号の周波数差異が-700kHzとな 25℃から57.7℃までの温度では周波数fL2の調 によりベースバンド信号の周波数を0Hzとす ことができる。しかし、57.7℃以上の温度で はベースバンド信号の周波数差異が周波数調 整部1010の調整範囲を超えるので、ベースバ ド信号の周波数は周波数調整部1010を動作さ ない特性1101Aと同じ傾きで下降する。この 態では復調部1011では周波数同期がとれず、 ースバンド信号の復調処理を行うことはで ず、57.7℃以上の温度では受信装置1101は信 SRを受信できない。同様に、25℃から温度が 降する場合には、-7.7℃温度までしか周波数 調整部1010は動作しない。このように、比較 の受信装置1101は、基準発振器1004がシリコン よりなるMEMS振動子1004Aで基準発振信号SREF1を 生する場合は、-7.7℃~+57.7℃の温度範囲しか 受信装置1101は受信信号SRを受信できず、全使 用温度範囲(-40℃~+85℃)をカバーすることがで きない。

 実施の形態9による受信装置1000では、温 センサ1005の検出した温度に基づいて局部発 信号SL1の周波数fL1を調整することにより、 度変化に起因する基準発振信号SREF1の周波 fREF1の変化を補償する。図23は受信装置1000の シンセサイザ部1003のブロック図である。シ セサイザ部1003は、局部発振信号SL1を発生す 電圧制御発振器(VCO)1204と、基準発振信号SREF 1と比較信号の位相差に応じた信号を出力す 位相比較器1202と、位相比較器1202が出力する 信号の低域成分の信号を出力するループフィ ルタ1203と、局部発振信号SL1を分周して比較 号を出力する分周器1205とからなり、フェー ロックドループ(PLL)を構成している。位相 較器1202が出力する信号は基準発振信号SREF1 比較信号の位相差に比例したパルス幅を有 る。分周器1205は周波数調整部1006が設定した 分周数Mで局部発振信号SL1を分周して、周波 fREF1/Mを有する比較信号を出力する。VCO1204は 、ループフィルタ1203が出力する信号に基づ て周波数fL1を決定する。PLLの動作により、 波数fL1/Mと周波数fREF1が同一になるようにル プフィルタ1203の出力する電圧が収束する。 したがって、局部発振信号SL1の周波数fL1は式 7で表される。

 fL1=fREF1×M …(式7)
 周波数調整部1006は分周器1205の分周数Mを制 することにより、シンセサイザ部1003から所 望の周波数fL1を有する局部発振信号SL1を出力 させることができる。分周器1205において分 分周を実現する方法としてフラクショナルN 式やδσ方式が用いられており、これらの方 式を用いることにより、周波数fL1の設定分解 能を格段に小さくすることが可能となる。

 基準発振信号SREF1が10MHzの場合に、局部発 振信号SL1の周波数fL1を713MHzにするためには、 周波数調整部1006は分周器1205の分周数Mを71.3 設定する。

 基準発振器1004がシリコンよりなるMEMS振 子1004Aを有する場合には、温度の変動に対応 して基準発振信号SREF1の周波数fREF1が大きく 動する。温度センサ1005は基準発振器1004、特 にMEMS振動子1004Aの周囲温度を検出し、周波数 調整部1006は検出された温度に基づいて分周 1205の分周数Mを制御し、周波数fL1を一定の値 に保つことができる。以下、シリコンよりな るMEMS振動子1004Aを有する基準発振器1004の出 する基準発振信号SREF1の周波数fREF1が温度25 で10MHzであり、シンセサイザ部1003が出力す 局部発振信号SL1の周波数fL1が713MHzである場 の受信装置1000の動作について説明する。MEMS 振動子1004Aの温度が25℃である場合には、前 の通り、周波数調整部1006は分周器1205の分周 数Mを71.3と設定する。MEMS振動子1004Aの温度が3 0℃となった場合には、振動子1004Aの1次の温 係数αが-30ppm/℃なので、周波数fREF1は9.9985MHz (=10MHz+10MHz×(-30ppm/℃)×5℃)となる。したがっ 、周波数調整部1006は分周器1205の分周数Mを71 .3107(=713MHz/9.9985MHz)に設定する。このように、 周波数調整部1006は温度センサ1005の検出した 度に基づき、分周器1205の分周数Mを制御す ことにより周波数fL1を一定の値に保つこと できる。なお、周波数調整部1006は温度セン 1005が検出した温度と振動子1004Aの温度係数 に基づいて周波数fL1を得るための分周数Mを 出する。または、周波数調整部1006は、温度 の複数の値と、それらにそれぞれ対応する分 周数Mの複数の値とをあらかじめ記憶しても く、検出された温度の値に対応する値に分 数Mを設定してもよい。

 周波数調整部1006は分周器1205の分周数Mを 御することにより、VCO1204の周波数可変幅( 百MHz~数GHz)にわたってfL1を調整することがで きる。また、温度センサ1005は半導体ベース 温度センサやサーミスタなどを用いること できるが、その温度検出範囲は使用温度範 (-40℃~+85℃)に比べて十分に広い。すなわち 周波数調整部1010による調整範囲が±700kHzで るのに対し、周波数調整部1006はシリコンよ なるMEMS振動子1004Aの温度特性に起因する局 発振信号SL1の周波数fL1の変化幅(約2674kHz)を 分に調整することができる。

 周波数調整部1010は、放送局の局部発振信 号と局部発振信号SL1の周波数差異、若しくは 伝送路に起因して発生した周波数差異を調整 することができる。周波数調整部1006はMEMS振 子1004Aの周囲温度のみに基づいて周波数fL1 調整するので、放送局の局部発振信号がオ セットを有する場合や、伝送路に起因して 信信号の周波数にオフセットが生じた場合 は、周波数fL1を正確に調整することができ い。実施の形態9による受信装置1000は、周波 数調整部1006がMEMS振動子1004Aの温度特性に起 する局部発振信号SL1の周波数fL1の広範な範 の変化を調整し、周波数調整部1010が、放送 の局部発振信号のオフセットと伝送路に起 するオフセットによる周波数fL1のずれを調 することができる。

 また、実施の形態9による受信装置1000で 、周波数同期が未確立の期間でも、局部発 信号SL1の周波数fL1の差異を調整することが きる。すなわち、受信信号SRのレベルが低い ときに周波数変動検出器1010Aが基準シンボル 検出できず周波数同期が取れない場合、ま は、選局直後で周波数同期が確立していな 場合は、周波数調整部1010は局部発振信号SL1 の周波数fL1の差異を調整することができない 。しかし、これらの場合でも、周波数調整部 1006は温度センサ1005の検出した温度に基づい 周波数同期の有無に関わらず、常に周波数f L1の調整が可能である。

 実施の形態9による受信装置1000では、温 の変化に対して短い時間で応答する効果を 有する。周波数調整部1010は数百ミリ秒の応 速度を有し、例えば、キャリアの間隔の0.4 の周波数差異を約250シンボルで収束させる とができる。ISDB-T規格では、キャリアの間 は約1kHzであり、1シンボルの期間は約1ミリ である。したがって、周波数調整部1010は約 400Hzの周波数差異を約250ミリ秒で収束させる とができ、1.6kHz/秒(=400Hz/0.25秒)の周波数の 整速度を有する。したがって、MEMS振動子1004 Aを有する基準発振器1004の出力する基準発振 号SREF1の周波数fREF1が2.24ppm/秒(=1.6kHz/713MHz)を 超える速さで変動する場合にはこの変動に追 従できない。したがって、MEMS振動子1004Aの温 度が0.075℃/秒(=2.24/30)以上で変化した場合に 、受信品質が劣化する。一方、温度センサ10 05の温度検出速度は周波数調整部1010の収束速 度に比べて十分に速いので、周波数調整部100 6が十分速い速さで周波数fL1を調整すること より、0.075℃/秒を超える温度変化に対して 局部発振信号SL1の周波数差異を調整するこ ができる。

 温度センサ1005としては、一般的に用いら れている半導体を流れる電流の温度特性を利 用したような半導体ベースのセンサや、サー ミスタなどを用いることができる。また、例 えば互いに異なる温度特性を有する2つの振 子の周波数の差から間接的に温度を検出す ことができる。或いは、別のクロックや周 数を有する信号との比較や乗算により、そ 差分を検知して、温度に起因する基準発振 号SREF1の周波数fREF1のずれを検出することが きる。そのクロックとしては、希望波とな 受信信号SRそのものや、全地球測位システ (GPS)用の信号、或いは、受信装置の他の回路 ブロックから供給された信号を用いることが できる。このように、温度センサ1005として 温度を直接的に或いは間接的に検出する装 を用いることができる。

 また、受信装置1000は基準発振器1004を内 しているが、基準発振信号SREF1を受信装置100 0の外部の基準発振器から入力する入力端子 備えてもよい。これにより、受信装置1000は の回路と基準発振器を共用することができ 。

 また、受信装置1000では基準発振器1009の出 する基準発振信号SREF2に基づいて局部発振信 号SL2を発生する。基準発振器1009もシリコン の半導体よりなるMEMS振動子を有していても い。受信装置1000は基準発振器1009を備えず 、基準発振器1004が出力する基準発振信号SREF 1に基づいて局部発振信号SL2を発生してもよ 。これにより、受信装置1000の更に小型化、 コスト化を実現することが可能となる。こ らの場合は、局部発振信号SL2の周波数fL2もM EMS振動子の温度特性に起因して変動する。局 部発振信号SL2の周波数fL2が低い場合には、周 波数fL2の変動幅は周波数調整部1010の調整範 内となるので、周波数調整部1010は正しく周 数fL2を調整することができる。局部発振周 数は約2674kHzの変動幅で変動するが、中間周 波数信号SIFの周波数が57MHzの場合は、使用温 範囲内において局部発振信号SL2の周波数fL2 変動する変動幅は約214kHz(=57MHz×3750×10 -6 )となる。

 また、周波数変換器1002は受信信号SRを周 数変換するが、受信装置1000は周波数変換器 1002の前段に接続されて受信信号SRを処理する 他の回路をさらに備えてもよい。また、受信 装置1000は周波数変換器1002、1007の間に接続さ れた他の回路をさらに備えてもよい。

 また、周波数調整部1010は周波数変換器100 7の出力する信号に基づいて局部発振信号SL1 周波数fL1を調整してもよい。周波数調整部10 06は温度センサ1005の検出する温度に基づいて 局部発振信号SL2の周波数fL2を調整してもよい 。

 また、周波数調整部1006は温度センサ1005 検出する温度の時間変化率に基づいて局部 振信号SL1の周波数fL1を調整してもよい。例 ば、温度の時間変化率に基づき周波数調整 1006が分周器1205の分周数Mを所定周期で所定 ずつ増加あるいは減少させることにより、 準発振信号SREF1の周波数変化率を分周数Mの 御速度で相殺することができ、局部発振信 SL1の周波数fL1の時間変動を抑制することが きる。同様に、周波数調整部1010は、周波数 換器1007が出力する周波数の時間変化率に基 づいて局部発振信号SL1、SL2の周波数fL1、fL2を 調整してもよい。

 また、受信装置1000はデジタル放送信号を 受信するが、携帯電話の信号や無線LANの信号 を受信する受信装置であってもよい。携帯電 話や無線LANの信号の周波数はそれぞれ約2.4GHz 、約1.8GHzとデジタル放送よりも高い。受信信 号SRがこのような高い周波数を有する場合に 、基準発振信号SREF1の周波数fREF1の変動に起 因する局部発振信号SL1の周波数fL1変動する幅 は更に大きくなる。したがって、MEMS振動子10 04Aで基準発振器1004を構成する場合は、周波 調整部1110のみで周波数fL1の調整を行うこと 更に困難となり、周波数調整部1006、1110の 方で周波数fL1を調整することができる。

 (実施の形態10)
 図24は実施の形態10における受信装置1901の ロック図である。図24において、図17に示す 施の形態9による受信装置1000と同じ部分に 同じ参照番号を付し、その説明を省略する 受信装置1901は図17に示す受信装置1000の周波 調整部1006の代わりに周波数調整部1902を備 、制御部1903をさらに備える。

 制御部1903は、周波数調整部1010が調整す 周波数の量に基づいてイネーブル信号SENを 力し、周波数調整部1902はイネーブル信号SEN 基づいて動作と非動作が切替えられる。制 部1903は、閾値を格納する閾値メモリ1904と 周波数を調整する量とその閾値とを比較し イネーブル信号SENを出力する比較器1905とで 成される。受信装置1901は、さらに安定して 周波数fL1の調整を行うことができる。

 周波数調整部1902は実施の形態9による受 装置1000の周波数調整部1006と同様に、温度セ ンサ1005が検出した温度に基づいて局部発振 号SL1の周波数fL1を調整し、MEMS振動子1004Aの 度特性に起因する周波数fL1の変動幅にわた て周波数fL1の調整を行うことが可能である しかし、周波数調整部1902は、周波数調整部1 110では発生しない課題が発生する場合がある 。この課題は、温度センサ1005の検出分解能 起因し、以下に説明する。温度センサ1005は 検出した温度に応じた電圧等のアナログ信 を出力するセンサ素子1005Aと、そのアナロ 信号をデジタル信号に変換するアナログ/デ タル(A/D)コンバータ1005Bとを有する。温度セ ンサ1005は、半導体ベースのものやサーミス 等のセンサ素子1005Aの種類にかかわらずA/Dコ ンバータ1005Bを備える。A/Dコンバータ1005Bの 子化雑音により、温度の検出分解能は高々± 0.1℃である。この検出分解能により、周波数 調整部1902の周波数調整の分解能が律束され 。具体的には、シリコンよりなるMEMS振動子1 004Aの温度係数αは-30ppm/℃であるので、温度 ンサ1005の検出分解能が0.1℃である場合には 周波数調整部1902の周波数調整の分解能は3pp m(=30ppm/℃×0.1℃)となる。したがって、局部発 振信号SL1の周波数fL1が713MHzである場合は、周 波数調整部1902の周波数調整の分解能は2.14kHz なりこの値が周波数fL1を調整する最小の幅 なる。この幅は、変復調方式によっては復 部1011の復調処理に悪影響を与える場合があ る。例えばISDB-T規格では、OFDM信号を構成す 各キャリアは約1kHz間隔で配置されている。 ンセサイザ部1003の出力する信号の周波数を 2.14kHzだけ変動させると、ベースバンド信号 周波数は2キャリア分以上の幅で変動し、復 部1011の周波数同期に悪影響を与え、受信品 質の劣化をもたらす。

 図25は実施の形態9における受信装置1000の シリコンよりなるMEMS振動子1004Aの温度が25℃ ら65℃まで上昇したときのベースバンド信 の周波数の変動を示す。図25において、特性 1902Aは周波数調整部1006、1010の双方とも動作 せない場合のベースバンド信号の周波数を し、特性1902Bは周波数調整部1006、1010を双方 もに動作させた場合のベースバンド信号の 波数を示す。周波数調整部1902は十分広範囲 に周波数fL1を調整することができるので時間 t1で温度65℃になり、特性1902Aでベースバンド 信号の周波数が-856kHzとなった場合でも、特 1902Bでベースバンド信号の周波数を0Hzとする ことが可能である。周波数調整部1006は2.14kHz 単位でしか周波数fL1を調整することができ いので、温度変化に対して十分速くシンセ イザ部1003を制御しても、周波数fL1を調整す るたびに2.14kHzの幅の変動である調整リップ を生じる。この調整リップルは、前述の通 、復調部1011に悪影響を与え、受信品質の劣 をもたらす場合がある。

 この調整リップルは、周波数調整部1006、 1010が互いに独立に動作していることに起因 て発生する。周波数調整部1010は、受信信号 含まれる基準シンボルや信号形式の特徴を いて周波数差異を検出するので、調整分解 は十分小さくできるメリットがある。実施 形態9による受信装置1000では、調整分解能 10Hz以下に抑えられ、調整リップルはこの調 分解能以下となり、図22に示すように、調 リップルは生じない。一方、周波数調整部10 10は周波数fL1の調整幅が例えば±700kHzと狭い いうデメリットがある。周波数調整部1006は 度センサ1005が検出した温度に基づいて周波 数差異を算出するので、周波数fL1の調整幅を 十分大きくできるめりっとがある。一方、周 波数調整部1006の調整分解能は温度センサの 解能に起因して大きく、図25に示すように、 2.14kHzの調整リップルが生じるというデメリ トがある。これらの特徴は、デジタル放送 受信装置に限らず携帯受信装置や無線LAN装 でも同様である。

 そこで、2つの周波数調整部1006(1902)、1010 メリットとデメリットが互いに相反する関 にあることに着目し、制御部1903は2つの周 数調整部1006(1902)、1010を連係動作させること により、復調部1011に与える悪影響を軽減す 。

 具体的には、制御部1903は、周波数調整部 1010が周波数fL2を調整する量が所定の閾値以 である場合には周波数調整部1902を動作させ に周波数調整部1010のみを動作させ、周波数 調整部1010が周波数fL2を調整する量が所定の 値を超えた場合に周波数調整部1902を動作さ る。以下、制御部1903の動作について説明す る。閾値メモリ1904には、例えば、周波数調 部1010の調整範囲である700kHzの閾値があらか め記憶されている。比較器1905は周波数調整 部1010が調整する周波数の量と閾値メモリ1904 格納された閾値を比較し、周波数調整部1010 が調整する周波数の量の絶対値が閾値よりも 小さい場合にはイネーブル信号SENを出力せず に周波数調整部1902を動作させない。一方、 波数調整部1010が調整する周波数の量の絶対 が閾値よりも大きい場合には、比較器1905は イネーブル信号SENを出力して周波数調整部190 2を動作させ、温度センサ1005の検出した温度 基づいて局部発振信号SL1の周波数fL1を調整 る。これにより、局部発振信号SL1及び中間 波数信号SIFの周波数差異が除去される。こ 結果、周波数調整部1010が調整する周波数の は徐々に0Hzに収束し、周波数調整部1010は±700 kHzの範囲で周波数fL2を調整することができる 。これにより周波数調整部1010が調整する周 数の量の絶対値が閾値メモリ1904に記憶され いる閾値以下となるので、比較器1905はイネ ーブル信号SENを出力しない。局部発振信号SL1 の周波数fL1にさらに700kHzのずれが生ずるまで は周波数調整部1902は動作しないので、周波 調整部1902の動作に起因する調整リップルの 生は大幅に抑制される。

 図26は実施の形態10による受信装置1901の ースバンド信号の周波数の変動を示す。図26 において、特性1901Aは周波数調整部1010、1902 共に動作していない場合のベースバンド信 の周波数の変動を示す。特性1901Bは制御部190 3が周波数調整部1010、1902を上記のように制御 した場合のベースバンド信号の周波数の変動 を示す。閾値メモリ1904は700kHzの閾値を記憶 ているので、周波数調整部1010が調整する周 数の量が-700kHzとなるまでは比較器1905はイ ーブル信号SENを出力しない。したがって、 波数調整部1902は動作せず、周波数調整部1010 のみが動作しているので、図23と同様に調整 ップルはほとんど生じない。周波数調整部1 010が調整する周波数の量が-700kHzを越えた時 で、比較器1905はイネーブル信号SENを出力す 。これにより周波数調整部1902が動作し、温 度センサ1005の検出する温度に基づいて局部 振信号SL1の周波数fL1を調整する。これによ 、局部発振信号SL1の周波数fL1及び中間周波 信号SIFの周波数の差異が除去される。一方 この時点で周波数調整部1010の調整する量は- 700kHzであるので、ベースバンド信号は+700kHz なる。しかし、周波数調整部1010は数百ミリ で追従してベースバンド信号を0Hzに収束さ るので、復調部1011へ与える影響は高々数百 ミリ秒である。この後は、周波数調整部1010 調整する周波数の量の絶対値が700kHzを超え までは、制御部1903は周波数調整部1902を動作 させず、周波数調整部1010のみを動作させる で、周波数調整部1902の動作に起因する調整 ップルの発生を抑制することができる。

 以上に説明したように、実施の形態10に る受信装置1901では、周波数調整部1010の小さ い調整分解能のメリットを活かしてベースバ ンド信号の周波数を安定的に調整するととも に、狭い調整範囲のデメリットを周波数調整 部1902により補う。また周波数調整部1902の動 する頻度を減らすことにより、周波数調整 1902による調整リップルのデメリットを抑制 することが可能となる。

 また、閾値メモリ1904は調整する周波数の 量の時間変化率を閾値として記憶してもよい 。この場合には、制御部1903は、周波数調整 1010が調整する周波数の量の時間変化率の絶 値がその閾値を超えた場合に、比較器1905が イネーブル信号SENを出力する。周波数調整部 1010は周波数を調整する所定の速さを有し、 施の形態9による受信装置1901では、その速さ は1.6kHz/秒である。この速さを超えて局部発 信号SL1の周波数fL1の差異が生ずる場合には 周波数調整部1010の調整範囲内であってもベ スバンド信号の周波数は変動し、受信品質 劣化する。調整する周波数の量の時間変化 に基づいて比較器1905がイネーブル信号SENを 出力して周波数調整部1902を動作させること より、MEMS振動子1004Aの温度の時間変化率が きい場合でも、受信品質の劣化を抑制する とが可能となる。

 図27は実施の形態10による他の受信装置200 1のブロック図である。図27において、図24に す受信装置1901と同じ部分には同じ参照番号 を付し、その説明を省略する。受信装置2001 、図24に示す受信装置の制御部1903の代わり 制御部2003を備える。制御部2003は温度センサ 1005が検出する温度に基づいて周波数調整部20 02にイネーブル信号SENを出力する。制御部2003 は、温度の閾値を格納する閾値メモリ2004と 温度センサ1005の検出した温度とその閾値を 較しイネーブル信号SENを出力する比較器2005 とで構成される。制御部2003は、検出された 度の絶対値が閾値を超えた場合のみ、周波 調整部2002を動作させる。この構成により、 受信時等の期間において周波数調整部1010が 周波数fL2の変動を検出できない場合であって も、局部発振信号SL1の周波数fL1を調整するこ とができる。また、制御部2003は検出された 度の時間変化率に基づいて周波数調整部2002 動作を制御してもよい。これにより、周波 調整部1010の調整できる速さを超える速さで 温度が変化した場合に、周波数調整部2002を 作させることができる。

 制御部1903、2003は回路で構成してもよいし フトウェアで実現してもよい。制御部1903、2 003は復調部1011に内蔵されてもよく、または 復調部1011の後段に接続される表示部に内蔵 れてもよい。実施の形態10では、周波数調 部1010の調整する周波数の範囲を±700kHzとし が、実際には周波数調整部1010に含まれる基 シンボルとの比較用メモリのサイズ削減の めに、その範囲は±100kHz程度に制限されて る場合が多く、この場合には、閾値メモリ19 04に格納する閾値を100kHzとする。また、さら マージンを確保するために閾値を、周波数 整部1010が調整可能な周波数の範囲より小さ い50kHz等の値にしてもよい。また、シリコン りなるMEMS振動子1004Aの温度係数αを-30ppm/℃ して説明したが、振動子1004Aを多結晶シリ ンで形成することにより温度係数αを約-22ppm /℃にまで改善することができる。さらにシ コンと逆の周波数温度特性を有するSiO 2 とシリコンとを組み合わせることで温度係数 αを数ppm/℃程度に改善することができる。こ のように、振動子1004Aの温度係数αが改善さ た場合には、閾値メモリ2004が記憶する温度 閾値を上げることができる。

 (実施の形態11)
 図28は実施の形態11における受信装置2301の ロック図である。図28において、図24に示す 信装置1901と同じ部分には同じ参照番号を付 し、その説明を省略する。受信装置2001は、 24に示す受信装置1901の制御部1903の代わりに 御部2303を備える。

 制御部2303は復調部2305の出力するタイミ グ信号STに基づいて周波数調整部1902の動作 制御している。復調部2305は周波数変動の復 への影響が軽微な期間を検出し、この期間 タイミング信号STを出力する。これにより 図26に示す、周波数調整部1902の動作に起因 る一時的な周波数のずれによる受信品質の 化を回避することができる。

 この周波数のずれにより通常は復調部2305 が行う復調処理に悪影響を与えるが、送受信 方式によっては必ずしも全ての時間で復調処 理に大きな影響を与えるわけではない。例え ば、時分割多元接続(TDMA)方式では、自端末に 割り当てられた通信時間以外は周波数変動が 発生しても復調処理に与える影響は小さい。 また、デジタル放送の受信装置においても、 OFDM信号のガードインターバルの期間では有 シンボルの期間と比べて周波数変動が復調 理に与える影響は小さい。また、チャンネ 選局の期間は復調処理が中断するので、周 数の変動は許容される。復調部2305はこのよ な期間にタイミング信号STを出力する。制 部2303はタイミング信号STが出力されている 間に、周波数調整部1010が調整する周波数の に基づいてイネーブル信号SEN1を出力する。 具体的には、比較器1905の出力する信号SENと 調部2305のタイミング信号STとをAND回路2304に 力し、両方が有効な期間のみイネーブル信 SEN1を出力する。制御部2303がイネーブル信 SEN1を出力していないときには周波数調整部1 902は動作しない。制御部2303がイネーブル信 SEN1を出力しているときには、周波数調整部1 902は動作して周波数fL1を調整する。イネーブ ル信号SEN1が出力されている期間は、周波数 変動が復調処理へ与える影響は軽微な期間 あるので、制御部2303は、復調処理に影響を えずに、周波数調整部1902を動作させて周波 数fL1を調整することができる。

 (実施の形態12)
 図29は実施の形態12による受信装置2401のブ ック図である。図29において、図24に示す受 装置1901と同じ部分には同じ参照番号を付し 、その説明を省略する。受信装置2401は、図24 に示す受信装置1901の制御部1903と周波数調整 1010の代わりに制御部2403と周波数調整部2402 備える。制御部2403は周波数調整部2402に接 されている。制御部2403はイネーブル信号SEN 出力して周波数調整部1902を動作させている 際に、周波数調整部2402に所定値D1を出力する 。周波数調整部2402は所定値D1に基づいて局部 発振信号SL2の周波数fL2を調整する。典型的に は、制御部2403は周波数調整部1902を動作させ 際に、周波数調整部2402に送る所定値D1を0Hz 設定する。制御部2403は、シンセサイザ部100 3の出力する周波数fL1または受信信号SRの周波 数が所定のオフセットを有する場合は、この オフセットを所定値D1に設定する。これによ 、図26に示す、周波数調整部1902の動作に起 する一時的な周波数のずれの影響を軽減す ことができる。図30は受信装置2401のベース ンド信号の周波数を示す。図30において、 較器1905がイネーブル信号SENを出力した際に 制御部2403が周波数調整部2402に送る所定値D1 を0Hzに設定している。この場合、周波数調整 部1902が動作することにより局部発振信号SL1 周波数fL1の変動は除去され、同時に周波数 整部2402が調整する周波数の量が0Hzとなるの 、特性2401Aに示すように、周波数調整部1902 動作に起因する一時的な周波数のずれは発 しない。実際には、周波数調整部1902の動作 により局部発振信号SL1の周波数fL1の変動が除 去されるタイミングと、周波数調整部2402が 定値D1を基に周波数を調整するタイミングと を合わせる必要があるが、周波数調整部1902 動作より復調部2305への悪影響を大幅に軽減 ることが可能となる。

 (実施の形態13)
 図31は実施の形態13による受信装置2601のブ ック図である。図31において、図24に示す受 装置1901と同じ部分には同じ参照番号を付し 、その説明を省略する。受信装置2601は、図24 に示す受信装置1901の制御部1903と周波数調整 1902とシンセサイザ部1003の代わりに制御部26 09と周波数調整部2508とシンセサイザ部2602を える。シンセサイザ部2602は、基準発振信号S REF1と比較信号の位相差に比例したパルス幅 有する信号を出力する位相比較器2603と、位 比較器2603が出力する信号の低域成分の信号 を出力するループフィルタ2604と、局部発振 号SL1を発生する電圧制御発振器(VCO)2605と、 準発振信号SREF1及び周波数調整部2608からの 定値に基づいてオーバーフロー信号を出力 るアキュムレータ2607と、VCO2605の出力する信 号を分周して比較信号を出力する可変分周器 2606とからなり、PLLを構成している。VCO2605は ループフィルタ2604が出力する信号に基づい て局部発振信号SL1の周波数fL1を決定する。可 変分周器2606は局部発振信号SL1を、周波数調 部2608からの設定値及びオーバーフロー信号 基づいて決定する分周数で分周する。制御 2609は周波数調整部1010の出力する信号に基 いて周波数調整部2608の動作を制御している

 可変分周器2606の分周数は分数に設定する ことができる。アキュムレータ2607は周波数 整部2608から最大値Q以下の分数分周数Fを設 することができ、基準発振信号SREF1に基づい て分数分周数Fを加算する。加算した値が最 値Qを超えた時点でアキュムレータ2607はオー バーフロー信号を出力する。また、可変分周 器2606は周波数調整部2608から整数分周数Mを設 定することができ、アキュムレータ2607から オーバーフロー信号が入力されるたびに分 数をMまたはM+1に切替える。その結果、可変 周器2606が位相比較器2603に対して出力する 較信号の周波数は、VCO2605の出力する信号SL1 周波数fL1を分周数Mで分周した周波数と、分 周数M+1で分周した周波数とに交互に切り替わ る。長時間平均において分周数は分周数Mと 周数M+1との間の値に設定できる。したがっ 、基準発振信号SREF1の周波数fREF1によりVCO2605 が出力する局部発振信号SL1の周波数fL1は式8 表される。

 fL1=fREF1×(M+F/Q) …(式8)
 シンセサイザ部2602では基準発振信号SREF1の 波数fREF1を下げずに、非常に小さな調整分 能を得ることができる。例えば、アキュム ータ2607が20ビットである場合には、最大値Q 2 20 となる。周波数fREF1が10MHzである場合には、 波数調整部2608が調整可能な分解能は約9.54Hz( =10MHz/2 20 )となる。実際には、基準発振器1004とシンセ イザ部2602との間に整数分周器を入れること で分数分周を実現できる。VCO2605と可変分周 2606の間にプリスケーラを入れることでも分 分周を行うことができる。

 シンセサイザ部2602により、周波数調整部 2608を動作させることに起因して発生するリ プルをなくすと共に、調整ずれの発生頻度 抑制することが可能となる。前述の通り、 波数調整部2608を使用することにより局部発 信号SL2の周波数が周波数調整部1010の調整す る範囲を超えないようにできる。しかし、温 度センサ1005の検出できる温度の分解能が高 0.1℃であることに起因して、周波数調整部26 08は2.14kHz単位の調整リップルをもたらし、受 信品質を劣化させる。しかし、周波数調整部 2608は0.1℃の温度変化を検出した場合に一度 周波数fL1を2.14kHzだけ周波数を調整せず、復 部1011の復調処理に影響を与えない許容周波 数変動量で周波数fL1を調整することにより、 受信品質の劣化を引き起こさず周波数fL1を調 整することが可能となる。ここで、許容周波 数変動量は主として受信装置のドップラー耐 性で決定される。一般に携帯電話やポータブ ルテレビなどの携帯型の受信装置は移動しな がら信号SRを受信するので、受信信号SRのレ ルは時間変動する。この時間変動は移動速 及び受信信号SRの周波数から定まるドップラ ー周波数と相関がある。受信装置が信号を正 しく受信することができる最大のドップラー 周波数をドップラー耐性と言う。例えば、ド ップラー耐性が100Hzの場合、受信信号SRの周 数が100Hzで変動しても受信が可能である。こ れは、100Hzのドップラー周波数に対応する移 速度で受信可能なことを意味する。受信装 のドップラー耐性は主として復調部1011の伝 送路推定方法で決まる。

 ここで、復調部1011にとっては、受信信号 SRの周波数の変動と、局部発振信号SL1の周波 fL1の変動は等価である。つまり、周波数変 器1002は受信信号SRと局部発振信号SL1の周波 fL1との差の周波数の信号SIFを出力する。し がって、局部発振信号SL1の周波数fL1の変動 受信信号SRのドップラー周波数に起因する 動と同じように復調部1011へ入力されるベー バンド信号の周波数を変動させる。したが て、復調部1011が100Hzのドップラー耐性を有 る場合は、局部発振信号SL1の周波数fL1変動 100Hz以内であれば、受信装置2601は受信信号S Rを受信できる。

 このように復調部1011の許容周波数変動量 は主としてドップラー耐性で規定される。周 波数調整部2608はこの許容周波数変動量より さい単位で分周数を制御することにより、 整リップルをなくすことができる。ここで 許容周波数変動量より小さい単位で分周数 制御するために、シンセサイザ部2602は分数 周の可能なPLLを用いる。シンセサイザ部2602 では、20ビットのアキュムレータ2607により、 約9.54Hzの単位で周波数fL1を調整することがで きる。したがって、復調部1011の許容周波数 動量が100Hzである場合は、周波数調整部2608 分数分周数Fを10ずつ増やす、あるいは減ず ように設定すれば、局部発振信号SL1の周波 fL1は約95.4Hzの幅で変えることができる。こ 幅は復調部1011の許容周波数変動量より小さ ので、復調部1011はベースバンド信号を復調 することができる。

 以下、制御部2609が周波数調整部2608を動 させることに起因して発生する調整ずれの 生頻度を抑制する方法について説明する。 波数調整部1010はベースバンド信号に基づい 周波数を調整する量を出力し、制御部2609は この量が閾値を超えたらイネーブル信号SENを 周波数調整部2608に出力する。また、周波数 整部2608はイネーブル信号SENが出力された場 に、温度センサ1005の検出する温度に基づい て、シンセサイザ部2602の分数分周数F及び整 分周数Mを設定する。このとき、制御部2609 、周波数調整部1010に対して所定値を出力し もよい。一方、制御部2609がイネーブル信号 SENを出力していない時には、周波数調整部260 8は温度センサ1005の検出する温度に基づいて 復調部1011の許容周波数変動量より小さい単 位でシンセサイザ部2602の分数分周数Fを設定 る。具体的には、温度が0.1℃上昇した場合 は、局部発振信号SL1の周波数fL1を約2.14kHzだ け小さくする必要がある。分数分周数Fを10ず つ増加することにより、局部発振信号SL1の周 波数fL1を約95.4Hzずつ低くする。したがって、 周波数調整部2608は所定の周期で23回(2.14kHz/95. 4Hz)だけ分周数を設定することで、復調部1011 復調処理を継続したまま、局部発振信号SL1 周波数fL1を2.14kHzだけ低くすることができる 。例えば、分周数の設定周期が10ミリ秒であ 場合には、0.1℃の温度変化に起因する基準 振信号SREF1の周波数fREF1の変動を230ミリ秒で 調整することができる。この場合の調整速度 は0.43℃/秒である。図26では、周波数調整部10 10が調整する周波数の量が-700kHzを超えたとき に周波数調整部2608が動作してベースバンド 号に調整ずれを生じる。実施の形態13による 受信装置2601では、制御部2609がイネーブル信 SENを出力していないときでも、周波数調整 2608は許容周波数変動量より小さい単位で局 部発振信号SL1の周波数fL1を調整する。したが って、温度変化率が0.43℃/秒以下の場合は、 部発振信号SL2の周波数fL2の変動は周波数調 部1010の調整範囲を超えない。このように、 温度変化率が所定値以下であれば、周波数調 整部1010と、許容周波数変動量以下で調整す 周波数調整部2608を同時に動作させることに り、分周数の大幅調整に起因するベースバ ド信号の調整ずれの発生を防ぐことができ 。

 (実施の形態14)
 図32は実施の形態14による受信装置2701のブ ック図である。を説明する。図32において、 図17に示す実施の形態9による受信装置1000と じ部分には同じ参照番号を付し、その説明 省略する。受信装置2701は、図17に示す受信 置1000の周波数調整部1006と復調部1011の代わ に周波数調整部2702と復調部2703を備える。復 調部2703は同期検出信号SSを出力し、周波数調 整部2702には同期検出信号SSと、周波数調整部 1010が調整する周波数の量が入力されている

 復調部2703は、ベースバンド信号に基づい て周波数同期を取った後にベースバンド信号 を復調する。復調部2703は周波数同期が取れ いる期間に同期検出信号SSを出力し、周波数 同期が取れていない期間は同期検出信号SSを 力しない。周波数調整部2702は、同期検出信 号SSが入力されている期間は、周波数調整部1 010は調整する周波数の量に基づいて局部発振 信号SL1の周波数fL1を調整し、同期検出信号SS 入力されていない期間は温度センサ1005の検 出する温度に基づいて局部発振信号SL1の周波 数fL1を調整する。これにより、受信装置2701 、周波数同期が取れている期間は調整分解 を高くすることができ、周波数同期が取れ いない期間は温度センサ1005で検出した温度 基づいて周波数fL1、fL2を調整することがで る。

 このように、周波数同期が取れている期 は、周波数fL2の差異の分解能の小さい周波 調整部1010のみに基づいて周波数fL2を調整す ることができる。

 復調部2703ではなく、周波数調整部1010が 期検出信号を出力してもよい。

 実施の形態1~14による受信装置では、MEMS振 子114、1004Aとして、シリコン等の半導体材料 よりなる振動子、ポリシリコンよりなる振動 子である。MEMS振動子114、1004Aは、AlN、ZnO、PZT 等の薄膜圧電材料をベースとした薄膜バルク 弾性共振器(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)や、S iO 2 などの他の薄膜材料をベースとした振動子で あってもよい。また、MEMS振動子114、1004Aは弾 性表面波を用いた弾性表面波(SAW)振動子や、 なる物質の境界を伝播する境界波を用いた 性境界波振動子であってもよい。これらの 動子は、ATカット水晶振動子と同程度の周 数温度特性を有しておらず、そのほとんど 1次の温度係数αはゼロではない。例えば、 加する電界と同一方向に振動する厚み縦振 でAlNよりなるFBARの振動子の温度係数α-25ppm/ であり、ZnOよりなる振動子の温度係数αは-6 0ppm/℃程度である。また、でも、基材に36°y ットのタンタル酸リチウムよりなるSAW振動 の温度係数αは-35ppm/℃程度であり、64°Yカッ トのニオブ酸リチウムよりなるSAW振動子の温 度係数αは-72ppm/℃程度である。これらの振動 子は、水晶振動子より小型にでき、実施の形 態1~14によるシンセサイザや受信装置で用い ことができる。また、これらの振動子は半 体ICと一体化することができる。半導体ICの くがシリコン基板上に形成されるので、特 シリコンよりなるMEMS振動子はICと同時に形 できる。また、AlN、ZnOなどの圧電薄膜材料 なわちFBARの材料も半導体基板上に、配向さ せ、成膜できるので、振動子をICと一体化で る。なお、SAWや境界波を用いた振動子や、F BARを用いる場合、小型化するために、より高 い共振周波数を有するように振動子を構成し た方がより好ましく、その場合、PLLを構成し ないシンセサイザが良い場合もある。例えば 、SAW振動子を有する基準発振器に分周器を接 続し、その分周器を調整して周波数を調整す る。また、SAW振動子を有する基準発振器に負 荷容量として、スイッチを有する複数のコン デンサを接続し、スイッチを切り替えること により負荷容量を離散的に切り替えて周波数 を調整することができる。

 シンセサイザ部101、2602はPLLよりなるが、 遅延ロックドループ(DLL)より構成されていて よい。また、シンセサイザ部101、2602は、ダ イレクトデジタルシンセサイザ(DDS)等のルー を構成しないシンセサイザであってもよい シンセサイザ101、2602を構成するDDSは、例え ば、予め信号を記憶するメモリと、その信号 をアナログ信号に変換するデジタル/アナロ (A/D)変換器を備えてもよい。また、基準発振 器102に直接接続された分周器で周波数を調整 してもよい。また、基準発振器の負荷インピ ーダンスを調整して周波数を調整してもよい 。基準発振器の負荷印ピーダンスとして、ス イッチを有する複数のコンデンサを基準発振 器に接続し、そのスイッチを切り替えること により負荷インピーダンスを離散的に切り替 えて周波数を調整することができる。

 実施の形態1~14によるシンセサイザは周波 数を大きく変化させることもでき、周波数温 度補償のみならず、チャンネル切替えにも用 いることが可能となる。この場合は、整数分 周数も同時に変化させる。なお、周波数温度 補償の場合でも、分数分周数のみではなく、 整数分周数を切替えても良い。

 なお、ISDB-T規格の受信装置を説明したが 放送方式はこれに限るものではない。テレ システムでは、例えば、欧州等での規格で るDVB-T規格やDVB-H規格などのシステムでも良 く、これらのシステムでは、ISDB-T同様のOFDM 式が採用されており、最小のキャリアの間 は1kHzである。また、携帯電話システムなど 、実施の形態1~14による受信装置を適用して も同様の効果が得られる。例えば、周波数差 異条件の設定では、画像受信の周波数差異条 件の代わりに、通話時の受信品質に着目した 周波数差異条件や、データ受信時にエラーフ リーとなるようなエラーフリーの周波数差異 条件が想定でき、それに応じた所定の周波数 調整分解能を設定する。

 周波数を補償するためのデータを記憶す メモリ117はシンセサイザの外部に備えても い。そのデータは、温度に対応する分周数 のものであってもよく、そのデータに基づ て外部で分周数を算出できてもよい。

 本発明によるシンセサイザは、温度に対 る発振周波数の変化が大きい振動子を用い も、安定した周波数の信号を出力でき、携 電話端末や放送受信機等の小型で低コスト 受信装置に有用である。