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Patent Searching and Data


Title:
SYSTEM FOR MAINTAINING STERILE ENVIRONMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123359
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a system for maintaining sterile environment by which a sterile room can be sterilized within a shorter period of time than by the existing systems. A system for maintaining sterile environment comprising a sterile room (10) having an air inlet port (11) and an air outlet port (12), an HEPA filter (3) which is located so as to cover the air inlet port (11) or the air inlet port (11) and the air outlet port (12) of the sterile room (10), and a sterilizing agent-supply unit for supplying a sterilizing agent such as hydrogen peroxide into the sterile room (10), wherein the sterile room (10) is provided with a detoxifying agent-supply unit from which a detoxifying agent such as ozone is sprayed toward the HEPA filter (3).

Inventors:
ONISHI JIRO (JP)
YOKOI YASUHIKO (JP)
IWAMA AKIFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055880
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANYO ELECTRIC CO (JP)
ONISHI JIRO (JP)
YOKOI YASUHIKO (JP)
IWAMA AKIFUMI (JP)
International Classes:
A61L2/20; A61L2/22; B01L1/00
Foreign References:
JP2006068122A2006-03-16
JP2004044823A2004-02-12
JP2006223463A2006-08-31
Other References:
See also references of EP 2133101A4
Attorney, Agent or Firm:
NISHIOKA, Nobuyasu (1-13 Uchihonmachi 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 26, JP)
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Claims:
 吸気口及び排気口を有する無菌室と、該無菌室の吸気口若しくは吸気口及び排気口を塞ぐ様に設置された微粒子捕集フィルターと、滅菌物質を前記無菌室に供給する滅菌物質供給部とを具えた無菌環境維持装置であって、前記微粒子捕集フィルターへ向けて、前記滅菌物質を無害化するための無害化物質を放出する無害化物質供給部が配備されていることを特徴とする無菌環境維持装置。
 前記無害化物質供給部は、前記吸気口を塞ぐ様に設置された前記微粒子フィルターの前記吸気口側の面に向けて無害化物質を放出していることを特徴とする請求項1記載の無菌環境維持装置。
 前記滅菌物質供給部は、無菌室に前記滅菌物質を含むガス若しくは溶存した液体の微粒子を供給するものであり、前記無害化物質供給部は、前記微粒子捕集フィルターへ向けて、前記無害化物質を含むガス若しくは溶存した液体の微粒子を供給するものである請求項1又は請求項2に記載の無菌環境維持装置。
 前記滅菌物質は第1の活性酸素種であり、前記無害化物質は第2の活性酸素種であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の無菌環境維持装置。
 前記滅菌物質は過酸化水素又はオゾンであり、前記無害化物質はアルカリ水であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の無菌環境維持装置。
 吸気口及び排気口を有する無菌室と、該無菌室の吸気口若しくは吸気口及び排気口を塞ぐ様に設置された微粒子捕集フィルターと、滅菌物質を前記無菌室に供給する滅菌物質供給部とを具えた無菌環境維持装置であって、前記微粒子捕集フィルターへ向けて、前記滅菌物質を無害化する照射手段が配備されていることを特徴とする無菌環境維持装置。
 前記滅菌物質は活性酸素種であり、前記照射手段は紫外線照射装置、超音波照射装置、熱照射装置、赤外線照射装置の何れか又はそれらの組み合わせである請求項6に記載の無菌環境維持装置。
 吸気口及び排気口を有する無菌室と、該無菌室の吸気口及び排気口を塞ぐ様に設置された微粒子捕集フィルターと、滅菌物質を前記無菌室に供給する滅菌物質供給部とを具えた無菌環境維持装置であって、前記微粒子捕集フィルターは前記滅菌物質を無害化するための無害化物質を含有していることを特徴とする無菌環境維持装置。
 前記無害化物質は、酸化剤、還元剤、活性炭、白金、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、カタラーゼ、フラーレン、ポリフィリンの亜鉛錯体、クロロフィル類の化合物の何れか1種類以上含むことを特徴とする請求項8に記載の無菌環境維持装置。
Description:
無菌環境維持装置

 本発明は、アイソレータやクリーンベン の如く、その内部空間を無菌環境に維持す ことが出来る無菌環境維持装置に関するも である。

 無菌環境とは、ある作業を行なう場合、 の作業に必要な物質以外の混和を回避する めの限りなく無塵無菌に近い環境であり、 菌作業台とは、無菌環境維持装置において 菌環境に維持された無菌室で作業を行なう めの装置であり、代表的なものとして細胞 製用等のアイソレータ、クリーンベンチ、 全キャビネット等がある。

 アイソレータとは、無菌室とその周囲環 との物理的な隔離状態を維持しながら無菌 内での作業が可能な無菌作業台であり、図1 8に示す一例の如く、前面扉(101)を閉じた状態 でグローブ(102)(無菌室における作業を可能に する作業手段)を介した作業により無菌室の 離状態が維持できる構造になっている。

 クリーンベンチとは、無菌室内の気流制 によって無菌室の無菌状態が維持される無 作業台であり、作業時において無菌室の前 扉が半開状態(無菌室における作業を可能と する作業手段)であっても、前記気流により 菌状態が維持される。

 安全キャビネットとは、無菌室内の気流 御によって無菌室の無菌状態が維持される 菌作業台であり、作業時において無菌室の 面扉が半開状態(無菌室における作業を可能 とする作業手段)であっても、前記気流によ 無菌状態が維持され、更に、その気流は無 室内の物質が周囲へ拡散しないように制御 れている。

 従来、アイソレータにおいては、図16に す如くキャビネット(1)内に、吸気口(11)及び 気口(12)を有する無菌室(10)が形成され、無 室(10)には、吸気口(11)及び排気口(12)をそれ れ塞ぐ様に、微粒子捕集を目的とするHEPAフ ルター(3)(3)が設置されている。

 又、無菌室(10)には、過酸化水素発生器(2) (滅菌物質発生部)から滅菌物質である過酸化 素を供給する過酸化水素供給管(21)(滅菌物 供給部)が接続され、排気口(12)の近傍位置に は過酸化水素除去フィルター(40)が設置され いる。

 更に、無菌室(10)には、温度、湿度、過酸 化水素濃度等を検知するセンサーユニット(90 )が配備され、その検知信号が制御装置(70)へ 給され、該制御装置(70)によって過酸化水素 発生器(2)等が制御されている。

 上記アイソレータにおいては、無菌室(10) 内における1つの作業が終了した後、次の作 に際して、過酸化水素発生器(2)から無菌室(1 0)内に過酸化水素ガスを噴霧して、無菌室(10) 内に過酸化水素ガスを充満させて、無菌室(10 )内を滅菌することが行なわれている(例えば 本国公開特許公報2002-360672号参照)。

 そして、滅菌工程の終了後は、吸気口(11) からHEPAフィルター(3)を経て空気を取り入れ つ、無菌室(10)内の過酸化水素ガスをHEPAフィ ルター(3)を経て排気口(12)から排出し、無菌 (10)内の過酸化水素ガスを空気によって置換 る、ガス置換処理が施される。

 しかしながら、従来のアイソレータにお ては、図17に示す如く、過酸化水素の噴霧 よる滅菌工程の後、長時間に亘るガス置換 理を実施する必要があり、無菌室(10)内の滅 に必要な時間が極めて長くなる問題があっ 。

 本発明の目的は、従来よりも短時間で無 室内を無菌化することが出来る無菌環境維 装置を提供することである。

 そこで本発明者は、上記目的を達成する く鋭意研究を重ねた結果、従来のアイソレ タにおいて滅菌工程後のガス置換処理に長 時間が必要となる原因として、滅菌工程で 菌室内に過酸化水素ガスを充満させること よりHEPAフィルターに過酸化水素が液化状態 で付着し、ガス置換によってはこの過酸化水 素をHEPAフィルターから剥離させることが困 であることを究明し、本発明の完成に至っ 。

 本発明に係る第1の無菌環境維持装置は、 吸気口及び排気口を有する無菌室と、該無菌 室の吸気口若しくは吸気口及び排気口を塞ぐ 様に設置された微粒子捕集フィルターと、滅 菌物質を無菌室に供給する滅菌物質供給部と を具え、前記微粒子捕集フィルターへ向けて 、前記滅菌物質を無害化するための無害化物 質を放出する無害化物質供給部が配備されて いる。

 前記無害化物質供給部は、前記吸気口を ぐ様に設置された前記微粒子フィルターの 記吸気口側の面に向けて無害化物質が放出 れるのが好ましい。

 前記滅菌物質供給部は、無菌室に滅菌物 を含むガス若しくは溶存した液体の微粒子 供給するものであり、前記無害化物質供給 は、前記微粒子捕集フィルターへ向けて、 害化物質を含むガス若しくは溶存した液体 微粒子を噴射するものである。

 ここで、前記滅菌物質は第1の活性酸素種 であり、前記無害化物質は第2の活性酸素種 ある。また前記滅菌物質が過酸化水素又は ゾンの場合、前記無害化物質はアルカリ水 も良い。

 上記本発明の無菌環境維持装置によれば 滅菌工程によって滅菌物質が付着すること なる微粒子捕集フィルターに対して、無害 物質が直接に吹き付けられるので、該無害 物質によって微粒子捕集フィルターの滅菌 質が効果的に分解され、短時間で無害化さ ることになる。

 本発明に係る第2の無菌環境維持装置は、 吸気口及び排気口を有する無菌室と、該無菌 室の吸気口若しくは吸気口及び排気口を塞ぐ 様に設置された微粒子捕集フィルターと、滅 菌物質を無菌室に供給する滅菌物質供給部と を具え、前記微粒子捕集フィルターへ向けて 、前記滅菌物質を無害化する照射手段が配備 されている。

 ここで、前記滅菌物質は活性酸素種であ 、前記照射手段は紫外線照射装置、超音波 射装置、熱照射装置、赤外線照射装置の何 か又はそれらの組み合わせである。

 上記本発明の無菌環境維持装置によれば 滅菌工程によって滅菌物質が付着した微粒 捕集フィルターに対して、紫外線、超音波 赤外線の何れか又はそれらの組み合わせが 接に照射されるので、微粒子捕集フィルタ の滅菌物質が効果的に分解され、短時間で 害化されることになる。

 本発明に係る第3の無菌環境維持装置は、 吸気口及び排気口を有する無菌室と、該無菌 室の吸気口若しくは吸気口及び排気口を塞ぐ 様に設置された微粒子捕集フィルターと、滅 菌物質を無菌室に供給する滅菌物質供給部と を具え、前記微粒子捕集フィルターは前記滅 菌物質を無害化するための無害化物質を含有 している。

 上記本発明の無菌環境維持装置によれば 滅菌工程によって滅菌物質が付着した微粒 捕集フィルターは滅菌物質を無害化するた の無害化物質を含有しているので、滅菌物 と無害化物質が反応して分解され、短時間 無害化されることになる。

 又、上記本発明の無菌環境維持装置を用 たアイソレータ等の無菌作業台によれば、 来よりも短時間で無菌化でき、無菌室内の 業を効率よく実施できる。

 本発明に係る無菌環境維持装置によれば 従来よりも短時間で無菌室内を無菌化する とが出来る。

図1は本発明に係る第1のアイソレータ 構成を示す図である。 図2はオゾン噴霧装置の斜視図である。 図3はオゾン噴霧装置の側面図である。 図4はオゾン噴霧装置の正面図である。 図5はオゾン噴霧装置の平面図である。 図6はオゾン発生器の構成を示す図であ る。 図7はオゾン発生器の他の構成を示す図 である。 図8は過酸化水素発生器の構成を示す図 である。 図9は過酸化水素発生器の他の構成を示 す図である。 図10は該アイソレータにおける滅菌処 の複数例を示す図である。 図11は本発明に係る第2のアイソレータ の構成を示す図である。 図12はUVランプの配置を示す正面図で る。 図13はUVランプ及び往復移送機構を示 平面図である。 図14は該アイソレータにおける滅菌処 の一例を示す図である。 図15は無害化処理の反応化学式を示す である。 図16は従来又は本発明に係る第3のアイ ソレータの構成を示す図である。 図17は従来の滅菌処理を示す図である 図18は図16に示すアイソレータの中央 を上下方向に、紙面と垂直方向の断面図で る。 図19は循環滅菌式の第1のアイソレータ の構成を示す図である。 図20はHEPAフィルターを吸気口のみに設 置した第1のアイソレータの構成を示す図で る。

符号の説明

(1) キャビネット
(10) 無菌室
(11) 吸気口 
(12) 排気口
(2) 過酸化水素発生器
(29) 流路切替えバルブ
(3) HEPAフィルター
(4) オゾン・過酸化水素除去フィルター
(5) オゾン発生器
(60) オゾン供給管
(61) オゾン噴霧器
(7) 制御装置
(8) UVランプ
(9) センサーユニット 

 以下、本発明をアイソレータに実施した 態につき、図面に沿って具体的に説明する

 <実施例1>
 本発明に係る第1のアイソレータにおいては 、図1に示す如く、キャビネット(1)内に、吸 口(11)及び排気口(12)を有する無菌室(10)が形 され、無菌室(10)には、吸気口(11)及び排気口 (12)をそれぞれ塞ぐ様にHEPAフィルター(3)(3)が 置されている。

 そして、無菌室(10)には、両HEPAフィルタ (3)(3)に対向させてオゾン噴霧装置(6)(6)が設 され、両オゾン噴霧装置(6)(6)はオゾンを供 するためのオゾン供給管(60)(無害化物質供給 部)を経てオゾン発生器(5)(滅菌物質発生部)に 繋がっている。

 又、無菌室(10)には、過酸化水素発生器(2) から滅菌物質である過酸化水素を供給する過 酸化水素供給管(21)が接続され、排気口(12)とH EPAフィルター(3)との間には、活性炭等からな るオゾン・過酸化水素除去フィルター(4)が設 置されている。

 更に、無菌室(10)には、温度、湿度、過酸 化水素濃度、オゾン濃度等を検知するセンサ ーユニット(9)が配備され、その検知信号が制 御装置(7)へ供給され、該制御装置(7)によって 過酸化水素発生器(2)、オゾン発生器(5)等が制 御されている。

 オゾン噴霧装置(6)は、図2に示す如くオゾ ン供給管(60)から分岐する一対のオゾン噴霧 (61)(61)を具え、各オゾン噴霧器(61)には、図3 示す如く複数のノズル(62)がHEPAフィルター(3 )に向けて開設されている。

 一対のオゾン噴霧器(61)(61)からは、図4に す様にHEPAフィルター(3)の表面全域に向けて 滅菌物質を無害化するための無害化物質であ るオゾンが溶存した液体のミスト(以下、オ ンミストという)が噴射される。

 尚、図5に示す如く一対のオゾン噴霧器(61 )(61)は、HEPAフィルター(3)の両端部に設置され 、各オゾン噴霧器(61)はHEPAフィルター(3)の複 の折り目とは直交する方向に伸びている。 って、両オゾン噴霧器(61)(61)からはHEPAフィ ター(3)の複数の折り目に沿ってオゾンガス しくはオゾンミストが噴射され、HEPAフィル ター(3)の隅々までオゾンが供給されることに なる。

 オゾン発生器(5)は、図6に示すオゾンミス ト発生器によって構成することが可能である 。該オゾンミスト発生器においては、制御基 盤(59)による制御の下、純水タンク(51)内の純 (52)を水封キャップ(53)から電解槽(54)内へ供 し、該電解槽(54)内のオゾン発生電極(56)に ってオゾン水を生成し、該オゾン水に対し 超音波発振子(57)から超音波振動を与えるこ により、オゾンミスト(58)を発生させるもの である。該オゾンミスト(58)はオゾン供給管(6 0)から外部へ供給される。

 又、オゾン発生器(5)は、図7に示すオゾン ガス発生器によって構成することも可能であ る。該オゾンガス発生器においては、酸素供 給源(501)から供給器(502)を経て放電式オゾン 生器(503)へ酸素を供給し、放電式オゾン発生 器(503)にて放電によってオゾンガスを発生さ 、このオゾンガスを加湿器(505)へ供給して 水(504)により加湿し、加湿されたオゾン(506) 得る。

 過酸化水素発生器(2)は、図8に示す過酸化 水素ミスト発生器によって構成することが出 来る。該過酸化水素ミスト発生器においては 、制御基盤(28)による制御の下、過酸化水素 タンク(22)内の過酸化水素水(23)を水封キャッ プ(24)から過酸化水素水槽(25)に供給し、該過 化水素水槽(25)内の過酸化水素水に対して超 音波発振子(26)から超音波振動を与えること より、過酸化水素ミスト(27)を発生させるも である。

 又、過酸化水素発生器(2)は、図9に示す過 酸化水素気化器によって構成することも可能 である。該過酸化水素気化器においては、送 風ファン(202)の運転によって吸気口(201)から 風ダクト(207)へ取り込んだ空気を、送風ダク ト(207)の出口に設置されているエレメント(205 )を経て排気口(206)から排出する一方、過酸化 水素水槽(204)からポンプ(203)によって過酸化 素水を汲み上げ、エレメント(205)に滴下する ことにより、該エレメント(205)を通過する空 流によって過酸化水素水を気化させる。そ て、気化した過酸化水素ガスが過酸化水素 給管(21)から外部へ供給される。

 上記アイソレータにおいては、無菌室(10) 内を滅菌するために図10(a)に示す処理が実行 れる。図示の如く、過酸化水素発生器(2)か 無菌室(10)内に過酸化水素ガス若しくはミス トを噴霧して無菌室(10)内を滅菌する滅菌工 の前に、オゾン噴霧装置(6)からオゾンミス 若しくはオゾンガスを噴霧する。そして、 菌工程の後に、従来と同様のガス置換を実 する。

 この様に、無菌室(10)内を滅菌する滅菌工 程の前に、オゾン噴霧装置(6)からオゾンミス ト若しくはオゾンガスを噴霧することによっ て、HEPAフィルター(3)にオゾンが付着し、そ 後の滅菌工程において、HEPAフィルター(3)に 着したオゾンに過酸化水素が付加される。 の結果、図15(a)に示す様にオゾンと過酸化 素とが反応して、酸素と水が生成され、こ によって過酸化水素に対する無害化処理が されることになる。

 従って、図10(a)の如く滅菌工程後のガス 換は短時間で終了し、滅菌に要する時間は 来よりも大幅に短縮される。

 又、上記アイソレータにおいては、図10(b )に示す如く滅菌工程の後に、オゾン噴霧装 (6)からオゾンミスト若しくはオゾンガスを 霧し、その後に従来と同様のガス置換を実 することも可能である。

 この様に、滅菌工程後にのみ、オゾンミ ト若しくはオゾンガスを噴霧することによ ても、滅菌工程でHEPAフィルター(3)に付着し た過酸化水素にオゾンが付加され、この結果 、過酸化水素とオゾンが反応して、酸素と水 が生成されることになる。

 従って、図10(b)の如くガス置換は短時間 終了し、滅菌に要する時間は従来よりも大 に短縮される。

 又、上記アイソレータにおいては、図10(c )に示す如く滅菌工程の前後に、オゾン噴霧 置(6)からオゾンミスト若しくはオゾンガス 噴霧し、その後に従来と同様のガス置換を 施することも可能である。

 これによってガス置換の時間が更に短縮 れることになる。

 更に、上記アイソレータにおいては、図1 0(d)に示す如く滅菌工程の前後、並びに滅菌 程の途中においても1乃至複数回に亘ってオ ンミスト若しくはオゾンガスを噴霧し、そ 後に従来と同様のガス置換を実施すること 可能である。

 これによってガス置換の時間が更に短縮 れて、滅菌に要する時間は従来よりも大幅 短縮されることになる。

 尚、上記アイソレータでは、過酸化水素 生器(2)で発生された過酸化水素を供給する 酸化水素供給管(21)が無菌室(10)に直接接続 れているが、図19に示す如く過酸化水素発生 器(2)が無菌室(10)の外部に設置され、過酸化 素が過酸化水素発生器(2)、吸気口側HEPAフィ ター(3)、無菌室(10)、排気口側HEPAフィルタ (3)、過酸化水素発生器(2)の順で循環して、 菌室(10)を滅菌する循環滅菌式でも実施する とが可能である。

 その場合、オゾン供給管(60)は、図19に示 如く吸気口側HEPAフィルター(3)の無菌室側の 面、無菌室側の面、排気口側HEPAフィルター(3 )の無菌室側の面、排気口側の面の4面に夫々 設置され、オゾンを噴霧して無害化処理を うことになる。尚、オゾンは4面全てに必ず しも噴霧する必要はなく、HEPAフィルター(3)(3 )への過酸化水素の付着具合に応じて噴霧し も良い。HEPAフィルター(3)(3)への過酸化水素 付着は、吸気口側HEPAフィルター(3)の吸気口 側の面、無菌室側の面、排気口側HEPAフィル ー(3)の無菌室側の面、排気口側の面の順で いため、付着順に応じて無害化するのが好 しく、更に吸気口側HEPAフィルター(3)の吸気 側の面を優先的に無害化するのが好ましい

 また図20に示す如く、HEPAフィルター(3)が 気口のみに設置されるアイソレータでも同 に可能である。

 尚、上記アイソレータでは、滅菌物質と て過酸化水素(第1の活性酸素種)、無害化物 としてオゾン(第2の活性酸素種)を用いてい が、活性酸素種として酸化作用の強い順に ドロキシラジカル、オゾン、次亜塩素酸、 酸化水素、スーパーオキサイド、一重項酸 、などがあり、第1の活性酸素種より第2の 性酸素種の酸化力が大きい組み合わせが望 しいが、逆の組み合わせでも良い。例えば 滅菌物質としてオゾン(第1の活性酸素種)、 害化物質として過酸化水素(第2の活性酸素種 )を用いることも可能である。この場合、過 化水素よりオゾンの方が酸化力は大きいが 図15(a)に示す様にオゾンと過酸化水素とが反 応して、酸素と水が生成され、これによって オゾンに対する無害化処理が施されることと なる。

 オゾンと過酸化水素の組み合わせの場合 互いに反応して、滅菌に要する時間が短縮 れる効果が得られるだけでなく、オゾンと 酸化水素が反応して酸素と水が生成される での過程において生成する、ヒドロキシラ カル等の強力な酸化力によって、より効果 な滅菌作用が期待される。

 また滅菌物質が過酸化水素又はオゾンで り、無害化物質がアルカリ水の場合には、 ルカリ水中の水酸化イオンと滅菌物質が接 することにより分解されることとなる。

 <実施例2>
 本発明に係る第2のアイソレータにおいては 、図11に示す如く、キャビネット(1)内に、吸 口(11)及び排気口(12)を有する無菌室(10)が形 され、無菌室(10)には、吸気口(11)及び排気 (12)をそれぞれ塞ぐ様にHEPAフィルター(3)(3)が 設置されている。

 そして、無菌室(10)には、各HEPAフィルタ (3)を挟んで両側に、それぞれ2本のUVランプ(8 )(8)が配備されている。

 又、無菌室(10)には、過酸化水素発生器(2) の過酸化水素供給管(21)が接続され、排気口(1 2)とHEPAフィルター(3)との間には、活性炭等か らなるオゾン・過酸化水素除去フィルター(4) が設置されている。

 更に、無菌室(10)には、温度、湿度、過酸 化水素濃度等を検知するセンサーユニット(9) が配備され、その検知信号が制御装置(7)へ供 給され、該制御装置(7)によって過酸化水素発 生器(2)、UVランプ(8)等が制御されている。

 図12及び図13に示す如く、HEPAフィルター(3 )の上下に配備された2本のUVランプ(8)(8)はそ ぞれ、HEPAフィルター(3)の幅よりも稍大きな さを有し、その両端部は往復移送機構(81)(81 )によって支持されている。

 両UVランプ(8)(8)は、往復移送機構(81)(81)の 駆動によりHEPAフィルター(3)の両面に沿って 復移動し、HEPAフィルター(3)の両面に向けて 外線を照射する。

 上記アイソレータにおいては、無菌室(10) 内を滅菌するために図14に示す処理が実行さ る。図示の如く、先ず、過酸化水素発生器( 2)から無菌室(10)内に過酸化水素ガス若しくは ミストを噴霧して無菌室(10)内を滅菌する滅 工程を開始し、その終了の直前若しくは直 に全てのUVランプ(8)を点灯し、該UVランプ(8) 往復移動させて、HEPAフィルター(3)の両面に 紫外線を照射する。

 そして、滅菌工程の終了後、従来と同様 ガス置換を開始し、その後、紫外線照射と ス置換を終了する。

 この様に、滅菌工程の開始後、UVランプ(8 )からHEPAフィルター(3)の両面に紫外線を照射 ることにより、HEPAフィルター(3)に付着した 過酸化水素に紫外線が作用する。この結果、 図15(b)に示す様に過酸化水素が紫外線の作用 受けて、酸素と水が生成され、過酸化水素 対する無害化処理が施されることになる。

 従って、図10(a)の如く滅菌工程後のガス 換は短時間で終了し、滅菌に要する時間は 来よりも大幅に短縮される。

 これは、図19に示す如く滅菌循環式のア ソレータでも可能であり、HEPAフィルター(3)( 3)への過酸化水素の付着具合に応じて照射し も良い。HEPAフィルター(3)(3)への過酸化水素 の付着は、吸気口側HEPAフィルター(3)の吸気 側の面、無菌室側の面、排気口側HEPAフィル ー(3)の無菌室側の面、排気口側の面の順で いため、付着順に応じて無害化するのが好 しく、更に吸気口側HEPAフィルター(3)の吸気 口側の面を優先的に無害化するのが好ましい 。

 また図20に示す如くHEPAフィルター(3)が吸 口のみに設置されるアイソレータでも同様 可能である。

 尚、上記アイソレータでは、紫外線照射 置(照射手段)を用いているが、超音波照射 置や赤外線照射装置や熱照射装置でも良く それらの組み合わせでも良い。分解の効果 紫外線照射が最も高く、次いで超音波照射 熱照射、赤外線照射と続く。これは紫外線 射の場合、紫外線が直接滅菌物質分子に吸 され、吸収エネルギーが原子間結合を切断 るため効率が良いためである。超音波照射 場合、溶液中のキャビテーション(直径数ナ メートルの超高温・高圧の泡を指す)内で生 じた熱分解反応が滅菌物質の原子間結合を切 るが、並行して滅菌物質が溶解する溶媒の分 子の原子間結合にも作用するため効率が悪い 。また熱照射(例えばヒーター等)や赤外線照 の場合、与えた熱エネルギーがまず滅菌物 と溶媒の蒸発に消費され、後に滅菌物質の 解に熱エネルギーが供されるため、効率が くなるためである。

 超音波照射装置でHEPAフィルターに超音波 を照射する場合、フィルター上で局所的な振 動により発生する熱により、滅菌物質が熱分 解を経て無害化される。更に滅菌物質の曝露 に耐えられる素材で構成されたメッシュ状に 穴を開けた網板部品をHEPAフィルターで覆う 造にすると、より効果的に振動を発生する とができる。

 尚、上記アイソレータでは、滅菌物質と て過酸化水素を用いているが、滅菌物質と てオゾンを用いることも可能である。この 合も、図15(c)に示す様にオゾンが紫外線の 用を受けて、酸素が生成されることになり これによってオゾンの無害化処理が施され 。

 又、上記アイソレータでは、オゾン若し は過酸化水素が紫外線の作用を受けて、滅 に要する時間が短縮される効果が得られる けでなく、オゾン若しくは過酸化水素が紫 線の作用を受けて分解し、酸素が生成され までの過程において生成する、ヒドロキシ ジカル等の強力な酸化力によって、より効 的な滅菌作用が期待される。

 <実施例3>
 本発明に係る第3のアイソレータにおいては 、図16に示す如く、キャビネット(1)内に、吸 口(11)及び排気口(12)を有する無菌室(10)が形 され、無菌室(10)には、吸気口(11)及び排気 (12)をそれぞれ塞ぐ様にHEPAフィルター(3)(3)が 設置されている。従来のアイソレータと違い 、予め、このHEPAフィルター表面には白金を パッタリングして含有させている。

 又、無菌室(10)には、過酸化水素発生器(2) から滅菌物質である過酸化水素を供給する過 酸化水素供給管(21)が接続され、排気口(12)とH EPAフィルター(3)との間には、活性炭等からな るオゾン・過酸化水素除去フィルター(4)が設 置されている。

 上記アイソレータにおいては、無菌室(10) 内を滅菌するために、過酸化水素発生器(2)か ら無菌室(10)内に過酸化水素ガス若しくはミ トを噴霧して無菌室(10)内を滅菌すると、HEPA フィルター(3)に付着した過酸化水素は、HEPA ィルターに含有している白金の触媒反応に り分解消去される。

 尚、上記アイソレータでは、HEPAフィルタ ー(3)に含有される無害化物質として白金を用 いているが、酸化剤、還元剤、活性炭、白金 、酸化鉄、酸化銅、マンガン、カタラーゼ、 フラーレン、ポリフィリンの亜鉛錯体、クロ ロフィル類の化合物の何れか1種類以上含む のでも良い。

 無害化物質のうち白金が再利用性、触媒 率の面で優れる。以下順に酸化剤、還元剤 活性炭、酸化鉄、酸化銅、マンガン、フラ レン、ポリフィリンの亜鉛錯体と続く。カ ラーゼは滅菌物質が過酸化水素である場合 有効である。

 特にポリフィリンの亜鉛錯体、クロロフ ル類の化合物は、波長400nm近傍の光が照射 れると錯体表面上に酵素ラジカルが生じ、 の酵素ラジカルにより滅菌物質が無害化さ るので波長400nm近傍の光を照射する光源を具 備するのが望ましい。

 そして、滅菌工程の後に、従来と同様の ス置換を実施すると、HEPAフィルター(3)に含 有される無害化物質による滅菌物質の分解作 用により、滅菌工程後のガス置換は短時間で 終了し、滅菌に要する時間は従来よりも大幅 に短縮される。

 これは同様に、図20に示す如くHEPAフィル ー(3)が吸気口のみに設置されるアイソレー でも可能である。

 尚、本発明の各部構成は上記実施の形態 限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範 内で種々の変形が可能である。又、本発明 係る無菌環境維持装置はアイソレータに限 ず、クリーンベンチ等の無菌室を有する各 の装置に応用することが出来る。