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Title:
TEMPORARY POST JOINT, TEMPORARY STRUCTURE, AND SLAB CONSTRUCTING METHOD FOR MULTIPLE FLOORS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041123
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a temporary post joint capable of shortening a working term drastically while keeping high the degree of freedom for a slab design. The temporary post joint (10) is formed usably in a temporary structure, which is constituted to include a first temporary post (2) and a second temporary post (5) to be arranged in a higher floor. The temporary structure includes a bottom face, which is so formed as can be connected to the upper end portion (2b) of the first temporary post (2), and an upper face, which is so formed as can be connected to the lower end portion (5a) of the second temporary post (5). The first temporary post (2) and the second temporary post (5) are so vertically connected as can engage with reinforcing iron bars to be arranged and as are integrally held in slabs even after the concrete placed in the field in contact with the reinforcing iron bars was hardened/solidified. The field-placed concretes of the upper and lower floors can be simultaneously hardened/solidified in parallel so that the working term can be drastically shortened.

Inventors:
NISHIJIMA SHIGEYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060283
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JUST WILL CO LTD (JP)
NISHIJIMA SHIGEYUKI (JP)
International Classes:
E04G11/48; E04B1/16
Foreign References:
JPS60233269A1985-11-19
JPH0343569A1991-02-25
JPS6286270A1987-04-20
Attorney, Agent or Firm:
HIRANO, Kazuyuki (1-23-203 Tenjin 4-Chome, Chuo-K, Fukuoka-Shi Fukuoka 01, JP)
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Claims:
第1の仮設支柱と前記第1の仮設支柱よりも上層階に配置される第2の仮設支柱とを含んで構成される仮設構造体において使用可能に形成される、仮設支柱継手であって、
 前記第1の仮設支柱の上端部に連結可能に形成される底面と、
 前記第2の仮設支柱の下端部に連結可能に形成される上面とを備え、
 前記仮設構造体において、前記第1の仮設支柱と前記第2の仮設支柱とを上下方向に連結し、
 配筋される鉄筋と係合可能に形成され、
 前記鉄筋に接して現場打ちされるコンクリートの硬化・凝固後も前記スラブ内に一体的に保持されることを特徴とする仮設支柱継手。
前記底面から前記上面に至る高さが、前記現場打ちされるコンクリートの厚さと一致する請求の範囲第1項記載の仮設支柱継手。
前記底面は、前記コンクリートに接する型枠を介して、前記第1の仮設支柱の上端部に連結される請求の範囲第1項記載の仮設支柱継手。
前記上面及び前記底面には、アンカーが配設される請求の範囲第1項記載の仮設支柱継手。
開口部を介して前記コンクリート側へ開口する、配筋空間が内部に設けられ、前記鉄筋が前記開口部を介して前記配筋空間を貫通することにより、前記鉄筋と係合する請求の範囲第1項記載の仮設支柱継手。
比重が前記現場打ちされるコンクリートの比重以上である請求の範囲第1項記載の仮設支柱継手。
中実なプレキャストコンクリートブロックから構成され、前記コンクリートブロックの側部から外向きに張り出す張出鉄筋を有し、前記張出鉄筋により、前記配筋される鉄筋と係合する請求の範囲第1項記載の仮設支柱継手。
第1の階層に立てられる複数の第1の仮設支柱と、
 前記複数の第1の仮設支柱により、前記第1の階層と前記第1の階層の直上の第2の階層との境界に支持される第1の型枠と、
 前記複数の第1の仮設支柱の上端部にそれぞれ連結される底面を備える複数の第1の仮設支柱継手と、
 前記複数の第1の仮設支柱継手の上面に、それぞれの下端部が連結され、前記第2の階層に立てられる、複数の第2の仮設支柱と、
 前記複数の第2の仮設支柱により、前記第2の階層と前記第2の階層の直上の第3の階層との境界に支持される第2の型枠と、
 前記複数の第2の仮設支柱の上端部にそれぞれ連結される底面を備える複数の第2の仮設支柱継手とを備える、ことを特徴とする仮設構造体。
第1の階層に複数の第1の仮設支柱を立てるステップと、
 前記複数の第1の仮設支柱により、前記第1の階層と前記第1の階層の直上の第2の階層との境界に、第1の型枠を支持するステップと、
 複数の第1の仮設支柱継手の底面を、前記複数の第1の仮設支柱の上端部にそれぞれ連結するステップと、
 前記複数の第1の仮設支柱継手の上面に、複数の第2の仮設支柱のそれぞれの下端部を連結し、前記複数の第2の仮設支柱を前記第2の階層に立てるステップと、
 前記複数の第2の仮設支柱により、前記第2の階層と前記第2の階層の直上の第3の階層との境界に、第2の型枠を支持するステップと、
 複数の第2の仮設支柱継手の底面を、前記複数の第2の仮設支柱の上端部にそれぞれ連結するステップと、
 前記第1の型枠に接して第1の生コンクリートを現場打ちするステップと、
 前記第2の型枠に接して第2の生コンクリートを現場打ちするステップと備え、
 前記第1の生コンクリートと、前記第2の生コンクリートとを、少なくとも一部において時間的に並列して硬化・凝固させ、
 しかる後に、硬化・凝固したコンクリートからなるスラブ内に前記複数の第1、第2の仮設支柱継手を一体的に保持させる、ことを特徴とする複数階のスラブ構築方法。
Description:
仮設支柱継手、仮設構造体、及 複数階のスラブ構築方法

 本発明は、型枠を用いて生コンクリート 現場打ちし、複数階のスラブを並行して構 するための、仮設支柱継手、仮設構造体、 び複数階のスラブ構築方法に関するもので る。

 特許文献1(特開平9-217417号公報)は、プレ ャスト桁行き梁を架設し、プレキャストコ クリート板材をクレーンで吊り、上方から 体内に取りこむ技術を開示する。こうすれ 、支保工無しにスラブを施工できる。

 しかしながら、このようにすると、スラ の広さは、プレキャスト板材の倍数になら るを得ず、スラブの厚さも同様に限定され 。言い換えれば、スラブ施工の自由度が低 といわざるを得ない。

 したがって、特許文献2(特開平8-270069号公 報)が開示するように、支保工を使用して型 を支持し、各階ごとにスラブを施工するの 、一般である。

 このようにすると、スラブ設計の自由度は いが、現場打ちされる生コンクリートの硬 ・凝固に長時間を要し、工期及びそれによ 工事費用が長大となるという問題点がある

特開平9-217417号公報

特開平8-270069号公報

 そこで本発明は、スラブ設計の自由度を く維持しながら、しかも工期を大幅に短縮 きる仮設支柱継手、仮設構造体、及び複数 のスラブ構築方法を提供することを目的と る。

 第1の発明に係る仮設支柱継手は、第1の 設支柱と第1の仮設支柱よりも上層階に配置 れる第2の仮設支柱とを含んで構成される仮 設構造体において使用可能に形成される、仮 設支柱継手であって、第1の仮設支柱の上端 に連結可能に形成される底面と、第2の仮設 柱の下端部に連結可能に形成される上面と 備え、仮設構造体において、第1の仮設支柱 と第2の仮設支柱とを上下方向に連結し、配 される鉄筋と係合可能に形成され、鉄筋に して現場打ちされるコンクリートの硬化・ 固後もスラブ内に一体的に保持される。

 この構成において、仮設支柱継手が、第1 の仮設支柱と第2の仮設支柱とを上下方向に 結することにより、第1の仮設支柱上と、第2 の仮設支柱上とに、生コンクリートを現場打 ちでき、打たれたコンクリートの硬化・凝固 を時間的に並列に実施することができる。

 このため、一階ごとに生コンクリートの 設及び硬化・凝固を行っていた従来技術よ も、格段に工期を短縮できる。

 しかも、型枠の使用は妨げられないから 設計の自由度を高く保持できる。

 さらに、仮設支柱継手は、現場打ちされ コンクリートの硬化・凝固後もスラブ内に 体的に保持されるから、現場打ちされるコ クリートの硬化・凝固後に、型枠及び仮設 柱を撤去するだけで、スラブの完成に至る とができる。

 第2の発明に係る仮設支柱継手では、底面 から上面に至る高さが、現場打ちされるコン クリートの厚さと一致する。

 この構成により、生コンクリートを打設 る作業員は、仮設支柱継手の上面を目印と て生コンクリートを吐出すればよく、従来 らの根拠もなく勘に頼っていた作業をより 確かつ容易に実施でき、スラブの厚さ精度 向上できる。

 第3の発明に係る仮設支柱継手では、底面 は、コンクリートに接する型枠を介して、第 1の仮設支柱の上端部に連結される。

 この構成により、型枠をはさんで、仮設 柱継手は、第1の仮設支柱と第2の仮設支柱 を上下方向に連結し、強固な仮設構造体を 築できる。

 第4の発明に係る仮設支柱継手では、上面 及び底面には、アンカーが配設される。

 この構成により、作業者は、アンカーボ トを使用して、仮設支柱と仮設支柱継手を 固に連結できるとともに、仮設支柱の撤去 には、アンカーボルトを緩めることにより 容易に作業できる。

 第5の発明に係る仮設支柱継手では、開口 部を介してコンクリート側へ開口する、配筋 空間が内部に設けられ、鉄筋が開口部を介し て配筋空間を貫通することにより、鉄筋と係 合する。

 この構成により、作業者は、仮設支柱継 が存在しない場合とほぼ変わりなく、配筋 間に鉄筋を通すだけで、よく作業を容易に える。また、仮設支柱継手を、箱状あるい 筒状のように、側面から突出する部材がな フラットな形状にすることができ、仮設支 継手の荷積み時や搬送時に突出する部材が 魔になったり、作業員が怪我をしたりする れを低減できる。

 第6の発明に係る仮設支柱継手では、比重 が現場打ちされるコンクリートの比重以上で ある。

 この構成により、生コンクリートが打設 れ、それが硬化・凝固するまでの間、浮力 より仮設支柱継手が浮き上がる恐れを低減 き、安定したスラブ構築が可能となる。

 第7の発明に係る仮設支柱継手では、中実 なプレキャストコンクリートブロックから構 成され、コンクリートブロックの側部から外 向きに張り出す張出鉄筋を有し、張出鉄筋に より、配筋される鉄筋と係合する。

 この構成により、現場で鉄筋を仮設支柱 手に通す必要がなく、張出鉄筋を周囲の鉄 と係合させて、スラブを構築できる。

 第8の発明に係る複数階のスラブ構築方法 は、第1の階層に複数の第1の仮設支柱を立て ステップと、複数の第1の仮設支柱により、 第1の階層と第1の階層の直上の第2の階層との 境界に、第1の型枠を支持するステップと、 数の第1の仮設支柱継手の底面を、複数の第1 の仮設支柱の上端部にそれぞれ連結するステ ップと、複数の第1の仮設支柱継手の上面に 複数の第2の仮設支柱のそれぞれの下端部を 結し、複数の第2の仮設支柱を第2の階層に てるステップと、複数の第2の仮設支柱によ 、第2の階層と第2の階層の直上の第3の階層 の境界に、第2の型枠を支持するステップと 、複数の第2の仮設支柱継手の底面を、複数 第2の仮設支柱の上端部にそれぞれ連結する テップと、第1の型枠に接して第1の生コン リートを現場打ちするステップと、第2の型 に接して第2の生コンクリートを現場打ちす るステップと備え、第1の生コンクリートと 第2の生コンクリートとを、少なくとも一部 おいて時間的に並列して硬化・凝固させ、 かる後に、硬化・凝固したコンクリートか なるスラブ内に複数の第1、第2の仮設支柱 手を一体的に保持させる。

 この構成により、第1の仮設支柱と第2の 設支柱とを仮設支柱継手で上下方向に連結 、型枠を用いて、複数階のスラブ構築を同 並列に実施できる。したがって、一階ごと 生コンクリートの打設及び硬化・凝固を行 ていた従来技術よりも、格段に工期を短縮 きる。

 しかも、型枠の使用は妨げられないから 設計の自由度を高く保持できる。

 さらに、仮設支柱継手は、現場打ちされ コンクリートの硬化・凝固後もスラブ内に 体的に保持されるから、現場打ちされるコ クリートの硬化・凝固後に、型枠及び仮設 柱を撤去するだけで、スラブの完成に至る とができる。

 本発明によれば、仮設支柱継手を活用し 、複数階のスラブ構築を同時並列に実施で るから、従来法よりも大幅に工期を短縮で るし、型枠を使用して、自由度の高い設計 可能となる。

本発明の一実施の形態におけるスラブ 工方法の工程説明図 本発明の一実施の形態におけるスラブ 工方法の工程説明図 本発明の一実施の形態におけるスラブ 工方法の工程説明図 本発明の一実施の形態におけるスラブ 工方法の工程説明図 本発明の一実施の形態におけるスラブ 工方法の工程説明図 本発明の第1例における仮設支柱継手の 斜視図 図6A-A線による断面図 本発明の第2例における仮設支柱継手の 側面図 本発明の第3例における仮設支柱継手の 斜視図 本発明の第4例における仮設支柱継手 斜視図 本発明の第5例における仮設支柱継手 平面図 本発明の第6例における仮設支柱継手 平面図 本発明の一実施の形態における複数階 スラブ構築工程説明図

符号の説明

h1~h3 支持高さ
t1~t2 スラブしろ
1 既設スラブ
2、3、5 仮設支柱
2a、3a、5a 下端板
2b、3b、5b 上端板
4、6 型枠
10、20、30、40、50、60、70、80 仮設支柱継手
31、41、54 上面
32、42、55 底面
33、56、64 アンカー
35、36、45、58、66 開口部
34、44、57、65 配筋空間
37 骨材
53、63 柱
51、61 天板
52、62 底板
71、81 プレキャストコンクリート柱
73、83 張出鉄筋

 以下、図面を参照しながら、本発明の実 の形態を説明する。第1に、本形態のスラブ 施工方法の各工程を述べ、次に、それに使用 する各種の仮設継手を説明し、最後に、従来 工法と本形態のスラブ施工方法による、工期 例を比較しながら説明する。

 (スラブ施工方法)
 図1~図5は、本発明の一実施の形態における ラブ施工方法の工程説明図である。なお、 下では、柱あるいは壁というように、垂直 起立する要素に関する構築法及びそのため 各要素は、本発明の主題に関係せず、その めには常法を使用して差し支えないので、 の説明は省略する。

 <前提事項>
 はじめに、図1に示すように、水平な既設ス ラブ1がすでに構築されているものとする。 の上に、複数階のスラブを構築し、中規模 は大規模の(2階建て以上)コンクリート構造 を構築する。既設スラブ1は、通常、コンク ートスラブからなるが、後述する仮設支柱 を支障なく支持できるものであれば、理論 には任意に構成できる。

 本例では、既設スラブ1の上に、支持高さ h1、h2、h3からなる三層の空間を形成する。ま た、支持高さh1と支持高さh2との間にスラブ ろt1が設定され、支持高さh2と支持高さh3と 間にスラブしろt2が設定される。

 支持高さh1、h2、h3は、建物の階高に相当 、仮設支柱の実質的な高さを変更すれば、 持高さh1、h2、h3を、それぞれ、あるいは、 部のみ、異ならしめることも可能であり、 のようにしても本発明に包含される。

 但し、以下、説明を簡単にするために、 階に同じ実質的な高さを有する仮設支柱を 用するものとし、ゆえに、支持高さh1、h2、 h3は、いずれも等しいものとする。

 同様に、スラブしろt1、t2も等しいものと する。ここで、スラブしろt1、t2は、構築さ るべきスラブの厚さと支柱継手下の型枠の 質的な厚さ(もしあれば)の和である。なお、 いうまでもないが、型枠は、上下階層の境界 に位置することになる。

 図示の都合上、図1~図5では、三階までに 当する分の空間(スラブ間の)のみが示され いるが、これは単なる例示に過ぎず、二階 みとしてもよいし、以下の構築方法を繰り すことにより、四階以上としてもよく、こ ような場合も本発明に包含される。

 <下層階の仮設構造体>
 まず、上述のような既設スラブ1が準備でき てから、複数の仮設支柱2、3を既設スラブ1上 に適宜間隔をあけて立ててゆく。ここで、仮 設支柱2は、中層階あるいは上層階からの荷 を受けることを予定するものであり、その パンL1は、たとえば1400ミリメートル程度と る。もちろん、この数値も例示に過ぎず、 宜変更できる。

 一方、仮設支柱3は、中層階あるいは上層 階からの荷重(型枠、鉄筋及び打設されたコ クリートの荷重は除く。)を受けることを予 しない、補強的な支柱である。図示した例 は、スパンL1の中間に配置しているが、こ も適宜変更できる。

 但し、図示しているように、下層階では 多数の仮設支柱2、3が林立し、これらの間 作業員が縫うように移動することになるか 、仮設構造体の強度を維持しつつ、あまり 多数の仮設支柱2、3が林立することにより、 作業員の移動が妨げられないように配慮する のが好ましい。

 仮設支柱2、3は、市販の仮設支柱で差し えないが、下端部に既設スラブ1に接する下 板2a、3aを有し、上端部に上端板2b、3bを有 、高さ調整ができるものが好ましい。下端 2a、3a、2b、3bは、それぞれ水平なフランジ状 に幅広に形成されているのが好ましい。支柱 本体の水平断面は、矩形等の多角形でもよい し、円形等でもよい。

 <中層階の仮設構造体>
 次に、型枠4を上端板2b、3b上に配置する。 枠4は、通常、水平なコンクリートパネルと それを補強する根太及び大引(図示せず)を えて構成されるが、仮設構造体の構成及び コンクリートの打設及びその養生(硬化・凝 )に支障がなければ、必ずしもこれに限定さ れるわけではない。

 次に、型枠4の設置が完了したら、中層階 において、仮設支柱2の上端板2bの真上に、仮 設支柱継手10を配置する。つまり、仮設支柱 手10は、スパンL1毎に配置される。

 仮設支柱継手10については、後に各種例 挙げて詳しく説明するが、「仮設支柱継手 、仮設構造体において、仮設支柱を上下方 に連結し、配筋される鉄筋と係合可能に形 され、鉄筋に接して現場打ちされるコンク ートの硬化・凝固後もスラブ内に一体的に 持される」点は、各種例に共通する。

 仮設支柱継手10が、たとえば型枠4のコン リートパネル上に位置し、その真下に根太 大引もないならば、仮設支柱継手10の底面 設けられるアンカー(詳細は後述)に、作業員 が、下層階側から上向きにアンカーボルトを ねじ込み、コンクリートパネルを貫通し、仮 設支柱継手10のアンカーと結合させることが ましい。

 通常の型枠を使用するとしても、仮設支 継手10がコンクリートパネル上に位置し、 の真下に根太も大引もないようにレイアウ することは、設計的事項により容易に対応 きる。

 この関係が成立するならば、上述したス ブしろt1は、仮設支柱継手10の高さとコンク リートパネルの厚さの和ということになる。

 なお、コンクリートパネル(つまり型枠4 一部)に貫通孔を開け、仮設支柱継手10の底 と、上端板2bの上面とを直結させてもよい。 但し、この場合には、この貫通孔を介して、 打設された生コンクリートが漏洩しないよう に配慮する必要がある。

 次に、図2に示すように、中層階において 、仮設支柱継手10の上に、仮設支柱5を立てて ゆく。この際、上述と同様に、仮設支柱5は 下端部に下端板5a、上端部に上端板5bを有し 下端板5a、5bは水平なフランジ状をなすこと が好ましい。

 本例では、支持高さh1~h3はすべて等しい ら、仮設支柱5は、仮設支柱2、3と同じ高さ 有する。下端板5aと仮設支柱継手10の上面上 アンカーとは、アンカーボルトで連結する が好ましい。

 以上の結果、スパンL1をあけて仮設支柱 手10上にそれぞれ仮設支柱5が立てられるこ になる。

 <上層階の仮設構造体>
 次に、上層階において、中層階と同様に、 枠6を上端板5b上に配置する。型枠6は、型枠 4と同様に、通常、水平なコンクリートパネ と、それを補強する根太及び大引を備えて 成されるが、仮設構造体の構成及び生コン リートの打設及びその養生(硬化・凝固)に支 障がなければ、必ずしもこれに限定されるわ けではない。

 次に、型枠6の設置が完了したら、上層階 において、仮設支柱5の上端板5bの真上に、仮 設支柱継手20を配置する。つまり、仮設支柱 手20は、仮設支柱継手10と同様に構成される とともに、スパンL1毎に配置される。

 仮設支柱継手20が、たとえば型枠6のコン リートパネル上に位置し、その真下に根太 大引もないならば、作業員が、仮設支柱継 20の底面に設けられるアンカー(詳細は後述) に下層階側から上向きにアンカーボルトをね じ込み、コンクリートパネルを貫通し、仮設 支柱継手20のアンカーと結合させることが好 しい。

 この関係が成立するならば、上述したス ブしろt2は、仮設支柱継手20の高さとコンク リートパネルの厚さの和ということになる。

 なお、コンクリートパネル(つまり型枠6 一部)に貫通孔を開け、仮設支柱継手20の底 と、上端板5bの上面とを直結させてもよい。 但し、この場合には、この貫通孔を介して、 打設された生コンクリートが漏洩しないよう に配慮する必要がある。

 以上により、本形態の仮設構造体が完成 る。

 仮設支柱継手10は、仮設支柱2と仮設支柱5 とを長手方向において着脱可能に連結する継 手であることが、図3を見れば理解されよう しかも、仮設支柱継手10は、後述するように 、コンクリートの打設、硬化・凝固後も、コ ンクリート内に一体的に保持される点に注目 されたい。

 <配筋>
 次に、図3に示すように、中層階において仮 設支柱継手10と係合させながら、鉄筋7を配筋 する。また、上層階において仮設支柱継手20 係合させながら、鉄筋8を配筋する。

 配筋法及び鉄筋7、8については、周知技 を適用すれば足りるから、それらの詳細な 明は省略する。

 なお、中層階の配筋は、上層階の仮設構 体の構築に先立って、あるいはそれと並行 て実施しても良い。

 <生コンクリートの打設>
 中層階において、コンクリート14を、上層 においてコンクリート15を、それぞれ生コン クリート供給ホース9を用いて現場打ちする

 ここで、従来スラブを現場打ちで打設す 際、スラブの厚さ(打設されるコンクリート の深さ)は、作業員の勘や経験力にまかされ のが常であり、熟練した作業員であっても スラブの厚さにムラや偏りが生ずることが かった。

 しかしながら、本形態によれば、作業員 、仮設支柱継手10、20の上面までコンクリー トを打設すればよい。言い換えれば、作業員 は、打設中に、厚さの指標(仮設支柱継手10、 20の上面)を目視で確認できるため、このよう なムラや偏りを極力抑制でき、高品質のスラ ブを容易に構築できる。

 また、配筋と同様に、中層階に関する生 ンクリートの打設は、上層階に関する生コ クリートの打設に先立ち、あるいはそれと 行して実施しても良い。

 <コンクリートの養生>
 中層階及び上層階における、生コンクリー の打設が完了したら、コンクリートが硬化 凝固するのを待つ。コンクリートの硬化・ 固は、中層階及び上層階において、ほぼ同 並列に進行する点は、図4を見れば明らかで あろう。

 即ち、複数階の現場打ちコンクリートを 同時並行して一気に、硬化・凝固させるこ ができ、これにより、作業が停滞する無駄 間を削減し、工期全体を大幅に圧縮できる

 <スラブ完成及び繰り返し>
 図5に示すように、コンクリートの養生が完 了したら、下層階及び中層階に立てていた、 仮設支柱2、3、5を撤去する。これにより、下 層階の天井であり中層階の床であるコンクリ ート14と、中層階の天井であり上層階の床で るコンクリート15の構築が完成する。

 図5を見れば、仮設支柱継手10は、仮設支 2と仮設支柱5とを長手方向において単に連 する継手であるだけでなく、コンクリート 打設、硬化・凝固後も、コンクリート内に 体的に保持される、埋込体でもある点が、 解されよう。

 本発明者は、この仮設支柱継手10を案出 ることにより、それを利用し、工期を従来 工法よりも大幅に短縮できる、複数階のス ブ構築方法を完成するに至ったものである

 この後、必要ならば、コンクリート15を 図1における既設スラブ1とみなし、図1以降 工程を繰り返せば、さらに上層階のスラブ 構築できる。その際にも、複数階の現場打 コンクリートを、同時並行して一気に、硬 ・凝固させることができる。

 以上の説明では、仮設構造体を二階分の ラブを構築するものとしたが、仮設支柱の 度や密度等を変更し、三階分以上のスラブ 構築するように拡張してもよく、本発明は そのような場合も包含する。

 (支柱継手)
 以下、各種の支柱継手を具体例を挙げなが 、説明する。以下の各種支柱継手は、仮設 柱継手10、20のいずれとしても使用すること ができる。

 上述したように、本形態の支柱継手は、 設支柱同士を長手方向において単に連結す 継手であるだけでなく、コンクリートの打 、硬化・凝固後も、コンクリート内に一体 に保持される、埋込体でもある。

 生コンクリートが打設された後、その硬 ・凝固が完了するまでの間、支柱継手の比 が生コンクリートの比重よりも小さいと、 力を受けることになる。

 したがって、支柱継手の比重は、生コン リートの比重と等しいか、あるいはそれよ もやや大きいことが望ましい。

 即ち、本形態の支柱継手は、スラブにボ ドを形成するために、生コンクリート内に め込まれる部材とは、まったく趣旨が異な ものであることが理解されよう。

 しかしながら、支柱継手のフランジとア カー止めされる場合には、若干の浮力を受 ても差し支えなく、本発明の支柱継手は、 コンクリートの比重以上の比重を持つ部材 限定されるわけではない。

 <第1例>
 図6は、本発明の第1例に係る支柱継手の斜 図、図7は、図1A-A線による断面図である。

 図6は、プレキャストコンクリートからな る、第1例にかかる仮設支柱継手30を示してい る。

 第1例の仮設支柱継手30は、ほぼ四角柱状 なし、その上面31と底面32には、4箇所アン ー33が配設されている。

 アンカー33にアンカーボルトをねじ込む とにより、上面31は、上層階に配置される仮 設支柱と連結可能であり、底面32は、下層階 配置される仮設支柱と連結可能である。

 底面32と、下層階に配置される仮設支柱 は、型枠のコンクリートパネル等を介在し 連結されても良いし、型枠のコンクリート ネル等にあけられる孔を介し直接連結され も良い。

 仮設支柱継手30の内部には、水平断面で 字状をなす配筋空間34があけられている。配 筋空間34は、4つの側面の開口部35、36により 部へ開口する。

 図7に示すように、開口部35、36を介して 筋7、8を配筋空間34内へ挿通でき、また、さ に反対側へ貫通させることができる。

 配筋空間34は水平断面で十字状をなすの 、鉄筋7、8は、配筋空間34内で互いに直交さ ることができる。これにより、鉄筋7、8は 仮設支柱継手30と係合する。

 底面32のレベルは、型枠のレベルと略同 であり、上面31のレベルは、吐出すべき生コ ンクリートの上限を示す指標となる。

 生コンクリートを仮設支柱継手30の周囲 吐出すると、生コンクリートに含まれる鉄 7も開口部35から配筋空間34内へ入り込むこと ができ、配筋空間34内においても仮設支柱継 30の外部と同様に、生コンクリートの成分 分布させることができ、また、同様に硬化 凝固させることができる。

 ここで、図6、図7に示すように、仮設支 継手30には、配筋空間34から上方へ開口する 気孔38があけられており、生コンクリート 開口部35から配筋空間34内へ入り込むに伴い 配筋空間34の内部に存在していた空気は、 気孔38を介して上方外部へ排出される。なお 、第2例以降では、通気孔の図示を省略して るが、同様に通気孔を設けることが望まし 。加えて、生コンクリートが通気孔38を充填 し、さらに一部通気孔38上に盛り上がる程度 で、コンクリートを打設するのが望ましい この状態になると、配筋空間34は、生コン リートで充満しており、空気が残存してい おそれは少ない。生コンクリートが通気孔38 から盛り上がったら、作業員が、コテで余分 な生コンクリートを除去するようにすると良 い。

 図6からわかるように、鉄筋7、8が配筋空 34に挿入されるまでは、仮設支柱継手30の外 面は、フラットで突出するような部品はない 。したがって、仮設支柱継手30を荷積みした 、作業員が搬送したりするような場合、突 部品(特に、張出鉄筋等)に邪魔されたり、 るいは、それで怪我をしたりということが く、仮設支柱継手30は、きわめて容易に取り 扱うことができる。

 <第2例>
 第1例では、ボックス状の仮設支柱継手30と たが、図8に示すように、第2例では、仮設 柱継手40の上部を、その下部よりも幅広のフ ランジ部43としている。よって、上面41は、 面42よりも広く形成される。

 第2例でも、水平断面で十字状をなす配筋 空間44が形成され、配筋空間44は、開口部45に おいて外部に露呈する。

 したがって、第1例と同様に、第2例にお ても、鉄筋7、8を挿通及び貫通させ、配筋空 間44の内部で直交するように配置できる。こ により、鉄筋7、8は、仮設支柱継手40と係合 する。

 底面42のレベルは、型枠のレベルと略同 であり、上面41のレベルは、と出すべき生コ ンクリートの上限を示す指標となる。

 図2に示す第1例と同様に、生コンクリー を吐出し、硬化・凝固させることができる

 第2例でも、図8からわかるように、鉄筋7 8が配筋空間34に挿入されるまでは、仮設支 継手40の外面は、フランジ部43を除き、フラ ットで突出するような部品はない。

 したがって、第1例と同様に、第2例に係 仮設支柱継手40を荷積みしたり、作業員が搬 送したりするような場合、突出部品(特に、 出鉄筋等)に邪魔されたり、あるいは、それ 怪我をしたりということがない。

 加えて、作業員が仮設支柱継手40を手で ぶような場合には、フランジ部43の縁部を手 がかりとすることもでき、取り扱いが非常に 容易である。

 <第3例>
 第1例、第2例では、プレキャストコンクリ トによる、仮設支柱継手を述べた。第3例で 、図9に示すように、プレキャストコンクリ ートではなく、鋼製又は強化プラスチック製 の仮設支柱継手50を採用する。

 仮設支柱継手50の比重は、生コンクリー のそれ以上であることが望ましい。比重が 足するような場合は、適宜、錘を追加する どして対応しても良い。

 図9に示すように、矩形で水平な上下一対 の、天板51と底板52とを、四隅の柱53で連結し 、ボックス状とする。柱53としては、図示し いるように、断面L字状のアングル材を用い ると好適である。

 天板51及び底板52には、適宜、アンカー56 配設する。

 このようにすると、それぞれ矩形板であ 、天板51の上面54が仮設支柱継手50の上面54 なり、底板52の底面55が仮設支柱継手50の底 55となる。

 第1例、第2例と同様に、底面55のレベルは 型枠のレベルと略同一となり、上面54のレベ は、吐出すべき生コンクリートの上限を示 指標となる。

 生コンクリートを仮設支柱継手50の周囲 吐出すると、生コンクリートに含まれる鉄 7も開口部58から配筋空間57内へ入り込むこと ができ、配筋空間57内においても仮設支柱継 50の外部と同様に、生コンクリートの成分 分布させることができ、また、同様に硬化 凝固させることができる。

 図9からわかるように、鉄筋7、8が開口部5 8に挿入されるまでは、仮設支柱継手50の外面 から突出するような部品はない。

 したがって、仮設支柱継手50を荷積みし り、作業員が搬送したりするような場合、 出部品(特に、張出鉄筋等)に邪魔されたり、 あるいは、それで怪我をしたりということが なく、仮設支柱継手50は、きわめて容易に取 扱うことができる。

 <第4例>
 第4例では、図10に示すように、第3例と同様 に、プレキャストコンクリートではなく、鋼 製又は強化プラスチック製の仮設支柱継手60 採用する。

 仮設支柱継手60の比重は、生コンクリー のそれ以上であることが望ましい。比重が 足するような場合は、適宜、錘を追加する どして対応しても良い。

 第4例は、第3例の形状に変更を加えてあ 。図10に示すように、水平な上下一対の円板 からなる、天板61と底板62とを、複数の柱63で 連結し、円筒状とする。柱63としては、図示 ているように、断面円形の丸棒またはパイ 材を用いると好適である。

 天板61及び底板62には、適宜、アンカー64 配設する。

 このようにすると、それぞれ円板である 天板61の上面が仮設支柱継手60の上面となり 、底板62の下面が仮設支柱継手60の下面とな 。

 第1例、第2例と同様に、底板62の下面のレ ベルは型枠のレベルと略同一となり、天板61 上面のレベルは、吐出すべき生コンクリー の上限を示す指標となる。その他の点は、 3例と同様である。

 <第5例、第6例>
 第1例から第4例までは、内部に配筋空間を える仮設支柱継手を述べた。図11は、第5例 仮設支柱継手の平面図であり、図12は、第6 の同様な平面図である。

 図11には、中実で円筒柱状をなす仮設支 継手70から側方外向きに所定長さL2だけ張り す張出鉄筋73を有する仮設支柱継手が示さ 、図12には、中実で八角形柱状をなす仮設支 柱継手80から側方外向きに所定長さL2だけ張 出す張出鉄筋83を有する仮設支柱継手が示さ れている。

 また、これらのプレキャストコンクリー ブロック71、81には、それぞれアンカー72、8 2が配設される。図11、図12に示すように、コ クリートブロックは、水平断面が円状であ てもよいし、四角形、六角形、八角形等の 角形状であっても良い。

 さらには、例えば、台形状あるいは錘体 というように、上下方向において水平断面 変化するようにしても良い。

 第5例、第6例のように、コンクリートブ ックから外向きに張出鉄筋を張り出させ、 出鉄筋により、配筋される鉄筋と係合する 、仮設支柱継手内に鉄筋を通す必要はない 、仮設支柱継手を荷積みしたり、搬送する に、張出鉄筋が邪魔になったり、それによ 作業員が怪我をする恐れがあるため、取り いには注意を要する。

 (工期の比較)
 図13は、従来のスラブ構築方法と、本形態 スラブ構築方法による、それぞれの工期を す。従来のスラブ構築方法によると、下層 の工事を完了し、その養生を済ませないと その直上の階の工事に着手できない点が、 13から理解されよう。

 一方、本形態のスラブ構築法によれば、 述した仮設支柱継手を活用することにより 下層階の工事と、上層階の工事とを並行で 行できるし、しかも、生コンクリートの打 及びその養生を、上層階と下層階とで同時 行して進行できるため、従来技術よりも大 な(図13の例では、約40%強)工期短縮が可能と なっている。

 しかしながら、図13もあくまで例示であ て、本発明は、これに限定されれるもので ない。

 以上の説明において、仮設支柱継手は、 筋の交差点の全てに配置される必要がない とは、言うまでもない。即ち、本発明は、 設支柱継手が配置されない鉄筋の交差点を む場合も包含される。

 本発明の仮設支柱継手及びそれを用いる ラブの構築方法は、例えば、型枠を使用し 現場打ちのコンクリートにより、複数階の ラブを構築する分野にて、特に工期短縮の め好適に利用できる。