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Title:
TEXTURE-IMPROVING AGENT FOR HEATED CAKES AND HEATED CAKE HAVING IMPROVED TEXTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022616
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a heated cake in which a low meltability in mouth has been improved. By using little denatured soybean proteins having been extracted with water, the meltability in mouth of a heated cake can be improved without increasing the fat content thereof or adding an emulsifier. More specifically, the texture of a heated cake can be improved by adding a texture-improving agent, which contains little denatured soybean proteins as the active ingredient, to a cake dough followed by molding, if necessary, and then heating. The heated cake thus prepared is scarcely broken because of having an elevated texture strength.

Inventors:
KANAMORI JIRO (JP)
YAMAWAKI YOSHIO (JP)
SAKASHITA YUKIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064182
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJI OIL CO LTD (JP)
KANAMORI JIRO (JP)
YAMAWAKI YOSHIO (JP)
SAKASHITA YUKIHIRO (JP)
International Classes:
A21D2/14; A23G3/50
Domestic Patent References:
WO2007026674A12007-03-08
Foreign References:
JP2003079309A2003-03-18
JP2000325023A2000-11-28
Other References:
AKIO KOBAYASHI ET AL.: "Kashi no Jiten", ASAKURA SHOTEN, 2000, pages 2 - 7 , 10 to 11
FUMIO YAMAUCHI ET AL.: "series Daizu no Kagaku", ASAKURA SHOTEN, 1992, pages 138 - 147 , 180 to 181
TAKAHIKO SOEDA: "Kanetsu ni yoru Daizu Protein Bunshi Keitai Henka no Kento", NIHON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI, vol. 41, no. 10, 1994, pages 676 - 681
ATSUSHI YAMAMOTO ET AL.: "Gluten Daitai Protein no Kensaku ni Kansuru Kenkyu (the 4th report) Daizu 7S, 11S Globulin Tenkado no Reito Shori ni yoru Seipansei eno Eikyo ni Tsuite", SHOKUHIN TO TEION, vol. 10, no. 2, 1984, pages 48 - 55
ATSUSHI YAMAMOTO ET AL.: "Gluten Daitai Protein no Kensaku ni Kansuru Kenkyu (the 8th report) Kaishitsu Daizu 7S Globulin no Seipansei ni Tsuite", SHOKUHIN TO TEION, vol. 12, no. 3, 1986, pages 93 - 97
BIAN, YILIN ET AL.: "Functional properties of soy protein fractions produced using a pilot plant-scale process.", JOURNAL OF THE AMERICAN OIL CHEMISTS' SOCIETY, vol. 80, no. 6, 2003, pages 545 - 549
HENN, RUTH L. ET AL.: "Biochemical characterization and enzymatic hydrolysis of different commercial soybean protein isolates.", JOURNAL OF AGRICULTURAL AND FOOD CHEMISTRY, vol. 46, no. 8, 1998, pages 3009 - 3015, XP002278839, DOI: doi:10.1021/jf980074i
SAIO KYOKO ET AL.: "Differences in functional properties of 7S and 11S soybean proteins.", JOURNAL OF TEXTURE STUDIES, vol. 9, 1978, pages 135 - 157
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Claims:
水抽出低変性大豆蛋白質を有効成分とする加熱菓子用食感改良剤。
加熱菓子の配合が、小麦粉、水抽出低変性大豆蛋白質及び澱粉類の総量100部に対して、油脂類が30部以下、糖類が40部以下である請求項1記載の加熱菓子用食感改良剤。
生地に水抽出低変性大豆蛋白質を配合することを特徴とする加熱菓子の食感改良方法。
小麦粉、水抽出低変性大豆蛋白質及び所望により澱粉類、油脂、糖類を配合することを特徴とする加熱菓子。
水抽出低変性大豆蛋白質の配合量が、水抽出低変性大豆蛋白質、小麦粉及び澱粉類の総配合量100部に対して、0.1部以上50部未満である請求項4記載の加熱菓子。
小麦粉、水抽出低変性大豆蛋白質及び澱粉類の総配合量100部に対して、油脂類が30部以下、糖類が40部以下含まれる請求項4記載の加熱菓子。
Description:
加熱菓子用食感改良剤及び食感 改良された加熱菓子

 本発明は、加熱菓子用の食感改良剤に関 る。

 クッキーやビスケット、クラッカー、ド ナツ、パイ、バターケーキなどはいずれも 麦粉を主体とする生地を焼成またはフライ て得られる菓子であり、風味と共に口溶け 良さも求められる。これらの菓子は、とも れば生地を混練することにより口溶けが悪 なり、糊状のねちゃついた食感が生じてし う。

 焼き菓子類の口溶けを改善する方法につ ては、従来から小麦粉に対する油脂や乳化 などの添加量を増加させることもとられて る。しかし油脂量をあまり増やしては製造 械などへの付着が多くなって製品歩留を低 させたり、得られた焼き菓子が油っぽくな てしまう。また乳化剤等を増量すると焼き 子の呈味を悪くするなどの問題があった。 ずれにせよ十分な効果が得られているとは いがたい。

 また焼き菓子の中には、ハードビスケッ やプレッツェル、乾パンのように硬く歯ご えある食感が特徴のものもある。例えばハ ドビスケットの代表的な製造方法では、小 粉を含む配合材料を混合し良く混捏し生地 調製し、該生地をラミネーターで6 枚程度 展延積層し、さらにシーターで所定の厚さ 圧延し、これを焼成して製造されている。 麦粉としては、薄力粉のみでなく、中力粉 強力粉が利用される場合もある。特別な配 を組んだり、複雑な工程を経ずとも、こう た焼き菓子の硬い食感を増すことができる 法が望まれていた。

 尚、大豆蛋白素材を加えて調製された焼 菓子類もある。特許文献1(特開2002-191292)は 原料総固形分重量に対して蛋白質10-20重量% 有する高栄養焼き菓子であり、1-10重量%のト レハロースを必須成分として含む。そして原 料となる植物性高蛋白質素材として、大豆蛋 白粉、濃縮大豆蛋白粉、分離大豆蛋白粉が挙 げられている。又、特許文献2(特開2002-142680) は小麦粉、砂糖、卵及び油脂を主原料とし 生地を焙焼する焼き菓子であって、生地に ーグルトを20~50%、大豆蛋白を3~15%含有する き菓子が開示されている。該大豆蛋白は濃 大豆蛋白又は分離大豆蛋白であり、これら 分解物を好ましいとする。しかしこれら市 の大豆蛋白素材は、いずれも本発明におけ 水抽出の低変性大豆蛋白質とは異なり、焼 菓子の口溶けを改良する効果はない。

特開2002-191292号公報

特開2002-142680号公報

 本発明の目的は、焼き菓子やフライ菓子 どの加熱菓子に添加することで、口溶けを 善したり、歯ごたえを増したりできる食感 良剤を提供することにある。

 本発明者らは、上記の課題に対して鋭意 究を重ねた結果、水抽出された低変性の大 蛋白質を、加熱菓子類の生地に添加するこ で、加熱菓子類の口溶けが改善されたり、 さが増して歯ごたえが良くなることを見出 、遂に本発明を完成させた。

 即ち、本発明は、
(1)水抽出低変性大豆蛋白質を有効成分とする 加熱菓子用食感改良剤、
(2)加熱菓子の配合が、小麦粉、水抽出低変性 大豆蛋白質及び澱粉類の総量100部に対して、 油脂類が30部以下、糖類が40部以下である(1) 載の加熱菓子用食感改良剤、
(3)生地に水抽出低変性大豆蛋白質を配合する ことを特徴とする加熱菓子の食感改良方法、
(4)小麦粉、水抽出低変性大豆蛋白質及び所望 により澱粉類、油脂、糖類を配合することを 特徴とする加熱菓子、
(5)水抽出低変性大豆蛋白質の配合量が、水抽 出低変性大豆蛋白質、小麦粉及び澱粉類の総 配合量100部に対して、0.1部以上50部未満であ (4)記載の加熱菓子、
(6)小麦粉、水抽出低変性大豆蛋白質及び澱粉 類の総配合量100部に対して、油脂類が30部以 、糖類が40部以下含まれる(4)記載の加熱菓 、
である。

 本発明により、食感が改良された各種の 熱菓子を得ることができる。具体的には口 けが改善されたり、組織に硬さが付与され ごたえがしっかりした加熱菓子を提供でき 。

 以下、本発明を詳細に説明する。本発明 、水抽出低変性大豆蛋白質を有効成分とす 加熱焼き菓子用の食感改良剤である。

 水抽出低変性大豆蛋白質は、これを含む 豆蛋白質組成物として得ることができる。 なわち、大豆,脱脂大豆,濃縮大豆蛋白質等 大豆素材から、水または温水にて抽出して 維質を除去した豆乳溶液や、場合によって pH4~5程度の等電点沈殿で蛋白質を分離したの ち、再溶解させた蛋白質濃縮溶液や、あるい はこれら溶液の噴霧乾燥や凍結乾燥等による 乾燥物として、水抽出低変性大豆蛋白質を含 む大豆蛋白質組成物を調製することができる 。

 pH,温度,抽出水量,攪拌強度,分離方法等の 抽出大豆蛋白質の抽出や、濃縮,殺菌,乾燥, 性の改良等を目的とした処理の条件は、必 量の大豆蛋白質が、変性を起こすことなく 出できれば特に限定されるものではないが 抽出率が低くなるように設定した方が、大 蛋白質組成物中の蛋白質純度が高くなり、 り食感改良効果の高いものを得ることがで る。例えば、pHを6.5~7.0の範囲に設定する,温 度を低くする,抽出水量を低くする,攪拌速度 低くする,遠心分離をより高速で行う,など より、蛋白質の抽出率を低くすることがで 、その結果、リン脂質等の混入の少ない、 白質純度が高い大豆蛋白質組成物を得るこ が出来る。また、公知な分画処理を行い、 られたβ-コングリシニンやグリシニンを使 することもできる。また、抽出後に酵素に り部分加水分解することもできる。

 大豆蛋白質が変性しない或いは僅かな変 しか起こさない範囲内であれば、フィルタ 処理や穏やかな加熱処理によって殺菌もし は除菌することができる。大豆蛋白質が変 しない範囲内で大腸菌を殺菌するためには 60~65℃で30分程度の加熱が有効である。この 際、蛋白質溶液中に食塩を終濃度で0.3重量% 上、好ましくは0.6重量%以上添加すると大豆 白質の熱安定性が増すため、さらに適切で る。

 この様な方法により得られた大豆蛋白質 成物の組成は、換算係数6.25としたケルダー ル法による蛋白質含量が、大豆蛋白質組成物 の固形分中の60重量%以上、好ましくは80重量% 以上であり、プロスキー変法による食物繊維 含量は、大豆蛋白質組成物の固形分中の15重 %以下好ましくは10重量%以下である。

 大豆蛋白質の変性度は、例えば、示差走 熱量分析において、吸熱ピークの大きさに って判定することができる(日本食品工業学 会誌、第41巻、第10号、p.676-681、1994年)。具体 的には、蛋白質として12重量%に調製した水溶 液を試料に、2℃/分で20℃から120℃まで昇温 せる系に於て、70℃付近のβ-コングリシニン に由来するピークと、90℃付近のグリシニン 由来するピークの吸熱量の合計(δH)として 定でき、この数値が大きい程大豆蛋白質の 性が少ない事を示す。

 本発明で用いる水抽出低変性大豆蛋白質 、12重量%水溶液重量を分母とした吸熱量で るδHが、0.7mJ/mg以上の低変性であることが 要である。またδHは通常1.5mJ/mgを超えること はない。対して、分離大豆蛋白質や豆乳など 、現在市販されている大豆加工品では、その 蛋白質成分は製造工程に於て加熱変性してお り、上記試験では明確な吸熱ピークを得るこ とができない。また、80℃,30分ほど加熱した 豆蛋白質溶液や強酸性処理をした大豆蛋白 溶液では、δHは0.6mJ/mg以下であり、この様 大豆蛋白質では、加熱菓子に添加しても食 改良効果を得ることができない。

 本発明の食感改良剤は、上述した水抽出 変性大豆蛋白質を有効成分として含む。本 明における食感改良剤は、それ単独で効果 あり、例えば同じく食感改良を目的として いられる乳化剤等を必要としない優れたも であるが、これらを含むことを妨げるもの はない。また他の従来公知の食感改良効果 有する添加剤を含んでも良く、グルテン、 燥卵白、乾燥卵黄、化工澱粉等が例示され 。またこの他に食感改良効果を妨げない範 で、他の任意の食品成分を含んでもよい。 感改良剤中の具体的な水抽出低変性大豆蛋 質の含量は特に定めないが、例えば食感改 剤の乾燥重量当り10重量%以上あれば問題な 使用できるし、30重量%以上あれば更に効率 く使用できる。水抽出低変性大豆蛋白質含 が低過ぎると、加熱菓子への使用量が増え 作業性が低下する場合がある。

 本発明における食感改良剤を用いる加熱 子は、主原料となる小麦粉のほか、水、さ に任意に糖類、油脂類(大豆油、綿実油、コ ーン油、サフラワー油、菜種油、米ぬか油、 ゴマ油等の液状油や乳脂、ラード、魚油等の 各種の動植物性油脂及びそれらの硬化油、分 別油、エステル交換油、バター、ショートニ ングなど)、牛乳、脱脂粉乳、卵、全卵粉、 黄粉、卵白粉、食塩、香料、乳化剤、増粘 、イースト、膨張剤、重曹などの原料を含 生地を加熱して得られるものである。加熱 法は、生地の中まで火が通れば良く特に限 されず、焼き、フライ、蒸し、マイクロ波 熱等が挙げられる。一例を挙げればクッキ 、ビスケット、クラッカー、パイ、乾パン ラスク、ゴーフル、プレッツェル、ウエハ ス、ドーナツ等である。本発明における加 菓子は、ここに挙げた原料以外にも、チョ レート、ココア、果実類、レーズン、ごま ナッツ、小麦フスマなど、加熱菓子に用い 従来公知の原料を、目的とする加熱菓子の 類に応じて自由に含むことができる。

 尚、生地中の水抽出低変性大豆蛋白質は 加熱により変性を起こし、上述の低変性の 件からは外れることになる。しかし、水抽 低変性大豆蛋白質が低変性であることは、 麦粉を含む配合材料を混合、混捏して生地 調製する工程でのみの必須要件であり、生 を加熱することによるこれら変性は本発明 何ら問題を与えない。

 本発明における食感改良剤は、加熱菓子 組織を強くし歯ごたえを増す効果があるの 、比較的硬い食感が求められる加熱菓子類 たとえば、ハードビスケット類、クラッカ 類、プレッツェル類などに用いると特に好 しい。こうした加熱菓子の生地配合は、小 粉、水抽出低変性大豆蛋白質、澱粉類(配合 される場合)の総量を100部としたとき、概ね 脂類が30部以下、好ましくは20部以下であり また砂糖、転化糖、ブドウ糖、糖アルコー などの糖類が40部以下、好ましくは30部以下 であり、油脂も糖類も配合しなくてもよい。

 逆に小麦粉、水抽出低変性大豆蛋白質、 粉類(澱粉類が配合される場合)の総量を100 としたとき、油脂類が30部より多いもしくは 糖類が40部より多いの配合の加熱菓子類は、 ッキー、ソフトビスケット等のような比較 柔らかい食感を特徴とする菓子類である。 発明の食感改良剤を、こうした柔らかめの 熱菓子類に添加して口溶けの改善を行うこ ができるが、同時に食感が硬くなる傾向に る。従って柔らかい食感を損なわないよう 宜添加量を調整して用いる。

 本発明の食感改良剤は、水抽出低変性大 蛋白質換算で、水抽出低変性大豆蛋白質、 麦粉及び澱粉類(澱粉類が配合される場合) 総配合量を100部としたとき、好ましくは0.1 以上、より好ましくは0.5部以上を加熱菓子 生地に配合する。食感改良剤の配合量が少 すぎると効果が低くなる。また、好ましく 50部未満、より好ましくは35部未満配合する 食感改良剤の配合量が多すぎると、生地調 時の作業性が低下したり、コストが高くな たりする。

 本発明における加熱菓子は、本発明にお る食感改良剤を生地に添加する以外は、従 公知の方法で調製できる。具体的には、食 改良剤及び主原料となる小麦粉のほか、水 所望により糖類、油脂類、牛乳、脱脂粉乳 卵、全卵粉、卵黄粉、卵白粉、食塩、香料 乳化剤、増粘剤、イースト、膨張剤、重曹 どの原料を混合し生地を調製し、得られた 地を成型し、さらに加熱する工程を経て作 れる。本発明における食感改良剤を生地に 加する方法は限定されず、例えば乾燥した 体として添加してもよいし、水溶液で添加 てもよい。粉体で添加する場合は小麦粉等 粉体原料と混合してともに混練しても良い 、水溶液の場合は混練時に使用する水に混 しても良い。

 これら加熱菓子は、本発明における食感 良剤を用いることで、口溶け良好なものと きる。また本発明における食感改良剤は、 熱菓子の組織を強くする効果があるので、 ごたえを強くするだけでなく、輸送時の衝 等による割れ等の破損が抑制されたり、加 菓子をさらに加工したりする場合の加工特 が増強されたりする。

 本発明はまた、焼き菓子の食感を改良す 方法に関する。加熱菓子の生地に水抽出低 性大豆蛋白質を配合し、これを加熱するこ で、加熱菓子の食感を改良し、口溶けを良 することができる。同時に加熱菓子の組織 強くし歯ごたえを増すことができる。

 本発明はまた、水抽出低変性大豆蛋白を 合してなることを特徴とする加熱菓子であ 。すなわち本発明における加熱菓子は、水 出低変性大豆蛋白、小麦粉のほか、水、所 により糖類、油脂類、牛乳、脱脂粉乳、卵 全卵粉、卵黄粉、卵白粉、食塩、香料、乳 剤、増粘剤、イースト、膨張剤、重曹など 原料を混合し生地を調製し、得られた生地 成型し、さらに加熱する工程を経て作られ 。水抽出低変性大豆蛋白質の好ましい配合 は、水抽出低変性大豆蛋白質、小麦粉及び 粉類(澱粉類が配合される場合)の総配合量 100部としたとき、好ましくは0.1部以上、よ 好ましくは0.5部以上である。また、好まし は50部未満、より好ましくは35部未満配合す 。少なすぎると口溶けが良好な加熱菓子と らず、多すぎると生地調製時の作業性が低 したり、コストが高くなったりする。

 本発明の加熱菓子は、水抽出低変性大豆 白質を配合されてなることで、口溶けが良 こと、しっかりした組織を有すること、歯 たえあることなどを特徴とする。従って本 明の加熱菓子は、種々の加熱菓子の中でも 較的硬い食感が求められるものが好ましく たとえば、ハードビスケット類、クラッカ 類、プレッツェル類などが例示される。こ した加熱菓子の生地配合は、小麦粉、水抽 低変性大豆蛋白質、澱粉類(配合される場合 )の総量を100部としたとき、油脂類が30部以下 、好ましくは20部以下であり、また砂糖、転 糖、ブドウ糖、糖アルコールなどの糖類が4 0部以下、好ましくは30部以下であり、油脂も 糖類も配合しなくともよい。

 以下に実施例を記載するが、この発明の 術思想がこれらの例示によって限定される のではない。

(製造例1)加熱菓子用の食感改良剤の調製
 脱脂大豆に10倍量の水を加えて水酸化ナト ウムにてpH6.7として50℃にて混合・抽出し、 心分離にて沈殿物を除去したのち、さらに6 850×gで遠心分離することによって清澄化され た豆乳を得た。pH4.5に調整して蛋白質を沈殿 せ、遠心分離にて回収した。水を加えたの さらに遠心分離することにより洗浄した。 び水を加えて中和して12重量%濃度とし、終 度0.7重量%の食塩を加え、62~64℃,45分間処理 たのち、熱風温度180℃,排風温度70℃にてス レードライして粉末状の分離大豆蛋白質Aを 得た。分離大豆蛋白質Aを蛋白質として12重量 %になるように水に溶解し、2℃/分で20℃から1 20℃までの示差走査熱量分析を行ったところ 転移熱量δHは0.9mJ/mgであった。この分離大 蛋白質Aを加熱菓子用食感改良剤として、以 の検討に使用した。

(比較製造例1)
 製造例1の中和溶液をVTIS(アルファラバル社 )で120℃、6秒間高温加圧処理したのち、ス レードライして粉末状の分離大豆蛋白質Bを た。分離大豆蛋白質Bは示差走査熱量分析に おいて吸熱ピークが存在せず、転移熱量δHは 0mJ/mgとした。

(実施例1、比較例1、対照区)
 表1の配合の加熱菓子を調製した。上白糖は 半分の重量の水で加熱溶解し用いた。また食 塩は、分離大豆蛋白質AまたはBに含まれる分 考慮し、実施例1、比較例1、対照区で同じ になるよう添加した。コートミキサーにて35 ℃保温しながら低速30分ミキシングし、生地 度36℃で捏ね上げた。常温5~10分放置後、シ ターで3つ折り2回(ゲージ厚4mm)シーティング し、最終厚2.8mm×6mm×90mmに成型した。上火220 、下火210℃で3分焼成した。
焼成後室温になるまで放冷し、袋詰めして1 放置し、試食評価および物性試験を行った 物性試験は、インストロン万能材料試験機 用い、直径2cmの穴の開いた試料台の上に試 を置き、クサビ型プランジャー、測定速度6m m/minで試料が割れるまで上から押し、最大の 重値を破断荷重とした。試食評価は5人のパ ネラーによる5段階評価で行った。結果を表2 示す。

(表1)焼き菓子配合

(表2)焼き菓子の評価結果 

 物性試験の結果、表2のように実施例1は対 区に比べて破断荷重が大きく、硬い物性で った。熱変性している分離大豆蛋白質Bを添 した比較例1では対照区よりは硬かったもの の、それほど大きな差ではなかった。
 試食評価の結果、実施例1は比較例1に比べ かみ始めが硬く、口どけの良い食感であり 総合的に最も優れていた。対照区は咀嚼し いくと口のなかでダンゴ状になり、好まし なかった。熱変性している分離大豆蛋白質B 添加した比較例1では、対照区よりはやや硬 かったが大きな差ではなく、物性試験の結果 と一致した。また咀嚼によって口のなかでダ ンゴ状になる口どけの悪さは対照区と同等ま たはそれ以上であった。

 本発明により、低変性水抽出大豆蛋白質 加熱菓子に添加することで、油脂の配合を やしたり乳化剤等を添加せずとも、これら 熱菓子の口溶けが改善することできる。硬 組織と歯ごたえを特徴とする加熱菓子に添 した場合、そうした特長をさらに増強する とができ好ましい。




 
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