Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
THERAPEUTIC AGENT FOR INFECTIOUS SKIN OR MUCOSAL DISEASE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117767
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a therapeutic agent for a skin or mucosal disease, which is applied to an infected region for ameliorating a condition which is developed at the infected region by the infection with a pathogenic microorganism. Specifically disclosed is a therapeutic agent for an infectious skin or mucosal disease, which comprises a chlorine dioxide solution comprising a dissolved chlorine dioxide gas.

Inventors:
SHIBATA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055384
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
March 24, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TAIKO PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
SHIBATA TAKASHI (JP)
International Classes:
A61K33/20; A61K33/08; A61P1/00; A61P11/00; A61P15/00; A61P17/00; A61P27/00; A61P31/04; A61P31/10; A61P31/12
Domestic Patent References:
WO2003082304A12003-10-09
Foreign References:
JPS62106022A1987-05-16
JPH0446003A1992-02-17
JP2000063217A2000-02-29
JPH11278808A1999-10-12
JPH03505203A1991-11-14
US6287551B12001-09-11
JP2005525090A2005-08-25
JPS6140803A1986-02-27
Other References:
CROUGHAN W.S. ET AL.: "Comparative study of inactivation of herpes simplex virus types 1 and 2 by commonly used antiseptic agents", JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY, vol. 26, no. 2, 1988, pages 213 - 215, XP008113924
THURSTON-ENRIQUEZ J.A. ET AL.: "Inactivation of enteric adenovirus and feline calicivirus by chlorine dioxide", APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, vol. 71, no. 6, 2005, pages 3100 - 3105, XP008113918
JUNLI H. ET AL.: "Disinfection effect of chlorine dioxide on viruses, algae and animal planktons in water", WATER RESEARCH, vol. 31, no. 3, 1997, pages 455 - 460, XP004055024
See also references of EP 2133083A4
Attorney, Agent or Firm:
KITAMURA, Shuichiro (Nakanoshima 2-chome Kita-k, Osaka-shi Osaka 05, JP)
Download PDF:
Claims:
 病原性微生物の感染により発症した感染部位の症状を改善すべく、前記感染部位に適用される皮膚疾患および粘膜疾患の治療薬であって、
 溶存二酸化塩素ガスを構成成分に有する二酸化塩素液剤を含有してなることを特徴とする感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 病原性微生物の感染により発症した感染部位の症状を改善すべく、前記感染部位に適用される皮膚疾患および粘膜疾患の治療薬であって、
 溶存二酸化塩素ガス、亜塩素酸塩、及びpH調整剤からなる二酸化塩素液剤を含有してなることを特徴とする感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムであり、前記pH調整剤が25℃における5%水溶液のpHが2.5~6.8となる緩衝性のある酸またはその塩であることを特徴とする請求項2に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムであり、前記pH調整剤がリン酸またはその塩であることを特徴とする請求項2に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムであり、前記pH調整剤がリン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムとリン酸一水素ナトリウムの混合物であることを特徴とする請求項2に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記微生物が細菌であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記微生物が真菌であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記微生物がウイルスであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記ウイルスが、ヒトパピローマウイルスであることを特徴とする請求項8に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記ウイルスが、アデノウイルスであることを特徴とする請求項8に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
 前記ウイルスが、ヘルペスウイルスであることを特徴とする請求項8に記載の感染性皮膚および粘膜疾患治療薬。
Description:
感染性皮膚および粘膜疾患治療

 本発明は、病原性微生物の感染により発 した感染部位の症状を改善すべく、前記感 部位に適用される皮膚および粘膜における 患の治療薬(感染性皮膚疾患ならびに感染性 粘膜疾患に用いる治療薬の意。以下、総称し て「皮膚疾患治療薬」ともいう)に関し、詳 くは溶存二酸化塩素を含有し、これまで効 的な治療方法がなかったヒトパピローマウ ルスによる皮膚疾患など、難治性の皮膚疾 であってもこれを治癒し得る皮膚疾患治療 に関する。

 感染することにより皮膚疾患や皮膚粘膜疾 をもたらす病原性微生物、例えばヒトパピ ーマウイルスは、皮膚や粘膜の微小な傷か 入り込み、手足の指などに疣贅(ゆうぜい) 起こすばかりか、尖圭コンジローマ(コンジ ーム)や種々の皮膚癌、子宮癌の原因ともな り、ウイルスの型によっては悪性の腫瘍にな る可能性もある。現在、ヒトパピローマウイ ルスに起因する皮膚疾患には、例えばブレオ マイシン軟膏の塗布などの薬物療法や、イン ターフェロン投与による免疫療法がとられて いる(特許文献1参照)。
 周知のとおり抗生物質や抗菌薬、抗真菌薬 開発が進化をとげ、感染性の皮膚疾患に関 ても、これら薬剤を使用することにより治 するケースが多い。しかしながら、その一 で、抗生物質や抗菌薬の乱用により耐性菌 出現し、またインターフェロンを用いた場 にあっても治療抵抗性が生じ、皮膚疾患も 治性に展開する症例も目立ってきている。

特表2005-525090公報

 菌交代症や院内感染症も社会問題に発展し いることからも考えると、ヒトの皮膚や皮 粘膜に生じた疾患の治療薬として、既存の 生物質や抗菌薬、真菌薬、インターフェロ に代わる新たな治療薬の開発が熱望されて る。
 本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも であり、その目的は、微生物の感染によっ 発症する皮膚疾患を治療する新たな薬剤を 供するところにある。

 上記目的を達成するための本発明の感染 皮膚および粘膜疾患治療薬の第一特徴構成 、病原性微生物の感染により発症した感染 位の症状を改善すべく、前記感染部位に適 される皮膚疾患および粘膜疾患の治療薬で って、溶存二酸化塩素ガスを構成成分に有 る二酸化塩素液剤を含有した点にある。

 本発明の第二特徴構成は、病原性微生物 感染により発症した感染部位の症状を改善 べく、前記感染部位に適用される皮膚疾患 よび粘膜疾患の治療薬であって、溶存二酸 塩素ガス、亜塩素酸塩、及びpH調整剤から る二酸化塩素液剤を含有した点にある。

 本発明の第三特徴構成は、前記亜塩素酸 を亜塩素酸ナトリウムとし、前記pH調整剤 25℃における5%水溶液のpHが2.5~6.8となる緩衝 のある酸またはその塩とした点にある。

 本発明の第四特徴構成は、前記亜塩素酸 を亜塩素酸ナトリウムとし、前記pH調整剤 リン酸またはその塩とした点にある。

 本発明の第五特徴構成は、前記亜塩素酸 を亜塩素酸ナトリウムとし、前記pH調整剤 リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水 ナトリウムとリン酸一水素ナトリウムの混 物とした点にある。

 本発明の第六特徴構成は、前記微生物を 菌とした点にある。

 本発明の第七特徴構成は、前記微生物を 菌とした点にある。

 本発明の第八特徴構成は、前記微生物を イルスとした点にある。

 本発明の第九特徴構成は、前記ウイルス ヒトパピローマウイルスとした点にある。

 本発明の第十特徴構成は、前記ウイルス アデノウイルスとした点にある。

 本発明の第十一特徴構成は、前記ウイル をヘルペスウイルスとした点にある。

 本発明の皮膚疾患治療薬は、皮膚や粘膜 疾患をもたらす広い範囲の病原性微生物に して不活性化効果を有するとともに、当該 生物の感染による皮膚疾患を治療すること でき、既存の抗生物質や抗菌薬、真菌薬に わる新たな皮膚疾患治療薬となる。

は、実施例3の子宮頸部炎治療における 2月13日(初診時)の患部状態を示す写真画像を す図であり、 は、実施例3の子宮頸部炎治療における 2月17日(治療中)の患部状態を示す写真画像を す図であり、 は、実施例3の子宮頸部炎治療における 2月19日(治療中)の患部状態を示す写真画像を す図であり、 は、実施例3の子宮頸部炎治療における 2月24日(治療中)の患部状態を示す写真画像を す図であり、 は、実施例4の子宮頸部悪性腺腫治療に おける1月19日(初診時)の患部状態を示す写真 像を示す図であり、 は、実施例4の子宮頸部悪性腺腫治療に おける2月26日(治療中)の患部状態を示す写真 像を示す図であり、 は、本発明の皮膚疾患治療薬に関する クサッキーウイルスB5不活性化効果を示し グラフ((a)は感作時間を1分とした場合、(b)は 濃度を10ppmとした場合)を示す図である。

 本発明の皮膚疾患治療薬は、病原性微生 の感染により発症した感染部位の症状を改 すべく、前記感染部位に適用される皮膚疾 および粘膜疾患の治療薬であって、溶存二 化塩素ガスを構成成分に有する二酸化塩素 剤を含有する。

〔実施態様1〕
 本実施形態の皮膚疾患治療薬は、溶存二酸 塩素ガス、亜塩素酸塩、及びpH調整剤から る二酸化塩素液剤を含有する。例えば、亜 素酸塩は亜塩素酸ナトリウムであり、pH調整 剤は25℃における5%水溶液のpHが2.5~6.8となる 衝性のある酸またはその塩である。
 また、亜塩素酸塩を亜塩素酸ナトリウムと 、pH調整剤をリン酸またはその塩としても い。
 さらに、亜塩素酸塩を亜塩素酸ナトリウム し、pH調整剤をリン酸二水素ナトリウムま はリン酸二水素ナトリウムとリン酸一水素 トリウムの混合物としてもよい。

 本発明で使用できる亜塩素酸塩としては、 えば、亜塩素酸アルカリ金属塩や亜塩素酸 ルカリ土類金属塩が挙げられる。亜塩素酸 ルカリ金属塩としては、例えば亜塩素酸ナ リウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチ ムが挙げられ、亜塩素酸アルカリ土類金属 としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸 グネシウム、亜塩素酸バリウムが挙げられ 。
 なかでも、入手が容易という理由のみなら 、二酸化塩素活性の持続性に優れていると う点から、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸 リウムが好ましく、亜塩素酸ナトリウムが も好ましい。

 本発明で使用し得るpH調整剤としては、緩 性のある酸であれば好適に使用し得る。
 有機酸またはその塩としては、蟻酸、酢酸 プロピオン酸、酪酸、乳酸、ピルビン酸、 エン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、 リコール酸、フマル酸、マロン酸、マレイ 酸、シュウ酸、コハク酸、アクリル酸、ク トン酸、シュウ酸、グルタル酸、及びこれ の塩が挙げられる。
 無機酸としては、リン酸、ホウ酸、メタリ 酸、ピロリン酸、スルファミン酸などが挙 られる。無機酸の塩としては、例えば、リ 酸二水素の塩(ナトリウム塩やカリウム塩、 以下同様)、リン酸二水素塩とリン酸一水素 の混合物などが挙げられる。pH調整剤は、1 を単独で使用してもよいし、2種以上を併用 ることもできる。

 保存安定性に優れ、それ故、長期保存後で 優れた抗微生物活性が得られるという点で 25℃における5%水溶液のpHが2.5~6.8となる緩衝 性のある酸(無機酸、有機酸)またはその塩の 用が好ましい。前記pHが2.5未満であっても また6.8を超えても、溶存二酸化塩素の保存 定性が低下し、保存中における二酸化塩素 剤の液性(pH)の変動が大きくなる。
 25℃における5%水溶液のpHが3.5~6.0となる緩衝 性のある酸(無機酸、有機酸)またはその塩を 用することが好ましく、pH4.0~5.5であること さらに好ましい。なかでも、無機酸として ン酸またはその塩を使用することがさらに ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸 水素ナトリウムとリン酸一水素ナトリウム 混合物を使用することがさらに好ましい。

 二酸化塩素液剤は、例えば、次のように製 される。すなわち、(a)亜塩素酸塩を水に溶 して2000~180000ppmの亜塩素酸塩水溶液を調整 、(b)二酸化塩素ガスを水中にバブリングし 溶解することにより100~2900ppmの二酸化塩素水 溶液を調整し、そして、(c)亜塩素酸塩を水に 溶解して2000~180000ppmの亜塩素酸塩水溶液を調 した後、この溶液に、その1000ml当たり、pH 整剤0.5~100gを溶解してpH調整剤を含有する亜 素酸塩水溶液を調整する。
 次に、前記(a)の亜塩素酸水溶液5.0~990ml、好 しくは50~300ml、前記(b)の二酸化塩素水溶液5. 0~990ml、好ましくは50~800ml及び前記(c)のpH調整 を含有する亜塩素酸水溶液5.0~990ml、好まし は50~400mlを混合し室温で十分に攪拌して二 化塩素液剤とする。

 なお、二酸化塩素液剤の最終的なpHは4.5~6 .5とすることが好ましい。この範囲から外れ と保存安定性が低下し、保存中の薬理活性 変動したり、例えば2年後といった長期保存 後の薬理活性が弱くなる可能性がある。本発 明における二酸化塩素液剤のさらに好ましい pH範囲は5.5~6.0である。

〔実施態様2〕
 本実施形態の皮膚疾患治療薬は、溶存二酸 塩素ガス、亜塩素酸塩及び酸性を示す界面 性剤からなる二酸化塩素液剤を含有する。 えば、亜塩素酸塩は亜塩素酸ナトリウムで り、酸性を示す界面活性剤は、ショ糖脂肪 エステル、クエン酸ナトリウム、プロピレ グリコール及びエタノールよりなる混合界 活性剤である。

 pH調整剤を用いない場合、酸性(25℃にお る5%水溶液のpHが3.5~6.0となる緩衝性のある酸 またはその塩であることが好ましく、pH4.0~5.5 であることがさらに好ましい)を示す界面活 剤を使用することができる。

 酸性を示す界面活性剤として、特に限定 るものではないが、例えば、リン酸エステ 塩系界面活性剤(ポリオキシエチレンリン酸 エステル、アルキルリン酸エステル塩など) スルホン酸塩系界面活性剤(ラウリルスルホ 酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン ナトリウムなどのアルキルまたはアルキル ンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタ ンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナ タレンスルホン酸塩、アルキルジフェニル ーテルスルホン酸塩など)、硫酸エステル塩 系界面活性剤(アルキルまたはアルキルベン ン硫酸塩、オキシエチレンアルキルフェニ エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアル ルフェニルエーテル硫酸塩など)、カルボン 塩系界面活性剤(アルキルスルホコハク酸塩 など)が挙げられる。また、市販されている ョ糖脂肪酸エステル、クエン酸ナトリウム プロピレングリコール及びエタノールより る混合界面活性剤[ショクセンSE(三菱化学フ ズ社製)]を使用することもできる。

〔実施態様3〕
 本実施形態の皮膚疾患治療薬は、溶存二酸 塩素ガス、亜塩素酸塩及びpH調整剤からな 二酸化塩素液剤並びに高吸水性樹脂を含有 る(ゲル状組成物)。
 例えば、高吸水性樹脂はデンプン系吸水性 脂、セルロース系吸水性樹脂または合成ポ マー系吸水性樹脂であり、亜塩素酸塩は亜 素酸ナトリウムであり、pH調整剤はリン酸 水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリ ムとリン酸一水素ナトリウムの混合物であ 。

 溶存二酸化塩素ガス、亜塩素酸塩及びpH 整剤を含有する二酸化塩素液剤を高吸水性 脂と混合してゲル状組成物とすることがで る。

 高吸水性樹脂としては、デンプン系吸水 樹脂(デンプン-アクリロニトリルグラフト 重合体、デンプン-アクリル酸グラフト共重 体、デンプン-スチレンスルホン酸グラフト 共重合体、デンプン-ビニルスルホン酸グラ ト共重合体などのグラフト化デンプン系高 水性樹脂など)、セルロース系吸水性樹脂(セ ルロース-アクリロニトリルグラフト共重合 、セルロース-スチレンスルホン酸グラフト 重合体、架橋カルボキシメチルセルロース どのセルロース系高吸水性樹脂、紙や布を ン酸エステル化したもの、布をカルボキシ チル化したものなど)、及び合成ポリマー系 吸水性樹脂(架橋ポリビニルアルコールなど ポリビニルアルコール系高吸水性樹脂、架 ポリアクリル酸塩、ポリアクリロニトリル 重合体ケン化物、ポリエチレングリコール (メタ)アクリレート架橋体などのアクリル系 高吸水性樹脂、架橋ポリエチレンオキシド系 高吸水性樹脂など)が挙げられる。

 市販されているものとしては、例えば、 ンプン/ポリアクリル酸系樹脂[アクアリッ (日本触媒社製、粉末)、サンウエット(三洋 成社製、粉末)]、架橋ポリアクリル酸系樹脂 [アラソーブ(荒川化学社製、粉末)、ワンダー ゲル(花王社製、粉末)、アクアキープ(住友精 化社製、粉末)、ダイアウエット(三菱油化社 、粉末)]、イソブチレン/マレイン酸系樹脂[ KIゲル(クラレ社製、粉末)]、及び、ポバール/ ポリアクリル酸塩系樹脂[スミカゲル(住友化 社製、粉末)]などがあり、本発明を実施す において、これらを使用することもできる

 高吸水性樹脂を混合してゲル状組成物と る場合は、例えば、実施態様1のように調整 された二酸化塩素液剤50~99重量%を高吸収性樹 脂(粉末)1.0~50重量%に添加し、これらを室温で 十分に攪拌して製造する。このような「ゲル 状組成物」は、例えば、少なくとも一方に開 口部を有する容器(特開昭61-40803号公報)に充 して一般用途に供することができるが、合 繊維を構成繊維とする紙または不織布によ 形成された容器であって、該容器の周縁が 成繊維の熱融着または合成樹脂接着剤によ シールされた容器中に充填して一般用途に することもできる。前記合成繊維は、例え ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、 リアミド繊維など従来公知の熱可塑性合成 維である。このような合成繊維を構成繊維 する紙または不織布により形成された容器 、「ゲル状組成物」の付着による目詰まり 防止しつつ、「ゲル状組成物」から二酸化 素を持続的に気化させることができる。

〔実施態様4〕
 本実施形態の皮膚疾患治療薬は、溶存二酸 塩素ガス及び亜塩素酸塩からなる二酸化塩 液剤並びに酸性を示す高吸水性樹脂を含有 る(ゲル状組成物)。
 例えば、酸性を示す高吸水性樹脂は部分ナ リウム塩架橋ポリアクリル酸系樹脂であり 亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである。

 pH調整剤を用いない場合には、酸性(25℃に ける5%水溶液のpHが3.5~6.0となる緩衝性のある 酸またはその塩であることが好ましく、pH4.0~ 5.5であることがさらに好ましい)を示す高吸 性樹脂を使用し、この樹脂に溶存二酸化塩 ガス、亜塩素酸塩を含ませてゲル状組成物 することができる。
 このような酸性を示す高吸水性樹脂として 、市販されている部分ナトリウム塩架橋ポ アクリル酸系樹脂[アクアリック(日本触媒 製)]が用いられるが、これによって限定され ない。

〔実施態様5〕
 本実施形態の皮膚疾患治療薬は、溶存二酸 塩素ガス、亜塩素酸塩及びpH調整剤からな 二酸化塩素液剤並びに泡剤を含有する(発泡 組成物)。
 泡剤は、例えば界面活性剤及び泡安定剤で 成するか、界面活性剤・泡安定剤・エアゾ ル噴射剤で構成する。また、例えば、亜塩 酸塩は亜塩素酸ナトリウムであり、pH調整 はリン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二 素ナトリウムとリン酸一水素ナトリウムの 合物である。

 溶存二酸化塩素ガス、亜塩素酸塩及びpH 整剤を含有する二酸化塩素液剤を泡剤と混 して発泡性組成物とすることができる。

 泡剤は、(1)界面活性剤及び泡安定剤で構成 れるか、または(2)界面活性剤、泡安定剤及 エアゾール噴射剤で構成される。
 界面活性剤は、例えば、(1)ポリオキシエチ ンアルキルエーテルカルボン酸等のカルボ 酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア キルナフタレンスルホン酸塩等のスルホン 塩、高級アルコール硫酸エステル等の硫酸 ステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエ テルリン酸塩等のリン酸エステル塩から選 れる少なくとも1種のアニオン系界面活性剤 、(2)脂肪酸第4級アンモニウム塩等のカチオ 系界面活性剤、(3)カルボキシベタイン型両 界面活性剤、(4)ポリオキシエチレンアルキ エーテル、ポリオキシエチレングリセリン 肪酸エステルポリエチレングリコール脂肪 エステル、脂肪酸アルカノールアミド等の ニオン系界面活性剤、(5)フッ素系界面活性 、あるいは(6)サポニンなどが挙げられるが これらによって限定されるものではない。

 泡安定剤は、例えば、(7)上記アニオン系 面活性剤にモノまたはジエタノールアミン 添加したもの、(8)上記ノニオン系界面活性 に長鎖アルコールまたはアルキルスルホキ ドを添加したもの、或いは(9)流動パラフィ などが挙げられるが、これらによって限定 れるものではない。

 エアゾール噴射剤は、例えば液化天然ガ (LPG)、液化ブタン、ジメチルエーテル等の 毒性性の高圧ガスなどが挙げられるが、こ らによって限定されるものではない。

 泡剤を含ませて発泡性組成物とする場合 、例えば密閉容器内において、実施態様1の ように調整された二酸化塩素液剤1.0~20重量% 発泡剤5.0~20重量%及び界面活性剤60~95重量%を 加し、これらを室温で十分に攪拌すること より製造される。このような「発泡性組成 」は、例えばトリガー式泡形成容器、ポン 式泡形成容器等に封入して供される。

〔適応対象となる皮膚疾患(細菌性皮膚疾患)
 細菌性皮膚疾患の原因菌としては、例えば 色ブドウ球菌、緑膿菌、連鎖球菌、淋菌、 毒菌などが挙げられ、これら細菌によって き起こされる次のような疾患の治療用とし 本発明の皮膚疾患治療薬を使用することが きる。即ち、尋常性ざ瘡(ニキビ)、伝染性 痂疹(とびひ)、褥瘡(とこずれ)、麦粒腫(もの もらい)、眼瞼縁炎、歯槽膿漏などの歯周病 蜂窩織炎(ほうかしきえん)、毛包炎、ブドウ 球菌性熱傷様皮膚症候群などが挙げられる。 また、外傷、熱傷および手術創などの二次感 染の予防にも使用することができる。

〔適応対象となる皮膚疾患(真菌性皮膚疾患)
 真菌性皮膚疾患の原因菌としては、例えば 癬菌、マラセチア菌、カンジダなどが挙げ れ、これら真菌によって引き起こされる次 ような疾患の治療用として本発明の皮膚疾 治療薬を使用することができる。即ち、足 白癬、体部白癬、股部白癬、爪白癬、その の白癬菌感染症、皮膚カンジダ症、外陰カ ジダ症のようなカンジダ症、指間びらん症 乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、でん風、脂漏 皮膚炎などが挙げられる。

〔適応対象となる皮膚疾患(ウイルス性皮膚 患)〕
 ウイルス性皮膚疾患の原因菌としては、例 ば水痘・帯状疱疹ウイルス、単純性疱疹ウ ルス、アデノウイルス、エンテロウイルス ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭種ウイル ス)、ボックスウイルス、コクサッキーウイ スなどが挙げられ、これらウイルスによっ 引き起こされる次のような疾患の治療用と て本発明の皮膚疾患治療薬を使用すること できる。即ち、尖圭コンジローマ、手足口 、子宮頸部炎、子宮頸部悪性腺腫、咽頭乳 腫症、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜 炎(はやり目)、急性出血性結膜炎、口唇ヘル ス、顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、 部ヘルペス、性器ヘルペス、ヘルペス性ひ う疽、多型滲出性紅斑、水痘、帯状疱疹、 腔粘膜炎、口内炎などが挙げられる。

〔適用部位〕
 本発明の皮膚疾患治療薬が使用できる身体 部位としては、例えば頭皮、顔、目(眼瞼、 結膜または角膜)、耳(外耳、外耳道など)、鼻 (鼻孔、鼻粘膜など)、口唇、口腔内、咽頭、 頭、声門、気道粘膜、食道、胃、十二指腸 小腸、結腸、舌、歯肉(歯茎)、首、胴体部 や手足(手指・足指の間隙を含む)、陰茎、包 皮陰部、外陰、膣、子宮頚部、子宮内膜、肛 門、直腸、爪などが挙げられる。本発明の皮 膚疾患治療薬は、粘膜にも好適に使用可能で ある。
 また、人体のみならず、犬や猫などのペッ や、家畜(ウシ、ブタ、ニワトリ、ヒツジな ど)の皮膚や皮膚粘膜にも使用することがで る。

〔使用形態(剤形)・使用量〕
 本発明の皮膚疾患治療薬は、その剤形とし 液剤が好ましいが、これに限定されるもの はなく、二酸化塩素液剤を従来公知の基材 含ませて、例えばクリーム状、ゲル状、ゼ ー状、乳液状、ペースト状、泡状などの形 に調製したもの(例えば、軟膏剤、クリーム 剤、ローション剤、噴霧剤、リニメント剤等 )や、前記の形態に調製したものを用いたハ プ剤、プラスター剤、テープ剤とすること できる。
 なお、前記基材としては薬学的に許容され ものであれば特に限定はなく、ミツロウ、 ホバ油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、 豆油、アボカド油、椿油、落花生油、ポリ キシエチレン硬化ヒマシ油などの油脂類、 色ワセリン、流動パラフィン、シリコーン 、揮発性シリコーン油、ペトロラタム等の 油、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリ 酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、エタノ ル、イソプロパノールなどの低級アルコー 、トリエタノールアミン、水などが挙げら る。
 また、吸水性を保有するものに二酸化塩素 剤を含ませて、外耳や鼻孔、膣などに使用 ることもできる。

 また、体内における粘膜、例えば消化管 膜(胃や腸の粘膜)や子宮内膜、気管支粘膜 どの患部に関しては、従来公知の内視鏡や 二酸化塩素液剤が封入されたタイムリリー カプセルを使用して直接、本発明の皮膚疾 治療薬を感染患部に投与することもできる

 本発明の皮膚疾患治療薬は、その形態に応 、慣用的に用いられる製造方法(例えば、日 本薬局方などに記載される通常の方法)に従 て調製することができ、製造された皮膚疾 治療薬を、皮膚患部に塗布、噴霧、貼付ま は挿入して使用することができる。
 その使用量は、患部の症状の程度や大きさ 疾患の種類等によって異なるので一概には えないが、通常、二酸化塩素濃度として0.01 ppm~500ppm、好ましくは0.1ppm~200ppm含む製剤を、1 日あたり1回もしくは2~5回適量使用する。

[実施例]
〔二酸化塩素液剤の調製例(1)〕
 次のようにして二酸化塩素液剤を調製した すなわち、二酸化塩素ガス2000ppm溶存水250ml 水680mlと亜塩素酸ナトリウム25%溶液80mlを加 て撹拌し、次にこの溶液のpHが5.5~6.0となる のリン酸二水素ナトリウム(25℃における5% 溶液のpHは4.1~4.5)を加えて撹拌して、溶存二 化塩素ガス、亜塩素酸ナトリウム、及びリ 酸二水素ナトリウムからなる二酸化塩素液 1000mlを得た。

〔二酸化塩素液剤の調製例(2)〕
 リン酸二水素ナトリウムの代わりに有機酸 あるクエン酸(25℃における5%水溶液のpHは1.8 ~2.2)を使用したという以外は調整例1と同様に して二酸化塩素液剤を調製した。

〔保存安定化試験〕
 調整例1及び調製例2で得た二酸塩素液剤を 来公知の方法を用いて希釈し、100ppmと500ppm 濃度をもつ二酸化塩素液剤とした。これら 剤の保存安定性を調べるべく、二酸化塩素 度(ppm)の経時的変化を測定した。なお、安定 化試験は加速試験(保存温度:54℃、14日間が常 温の1年に相当する)により行った。保存安定 の結果を表1,2に示す(反応当量以上のリン酸 二水素ナトリウムを加えた場合と、反応当量 以上のクエン酸を加えた場合の比較データを 示す)。

 表1,2から明らかなように、pH調整剤とし 、25℃における5%水溶液のpHが2.5~6.8となるリ 酸二水素ナトリウムを使用することにより 二酸化塩素液剤の保存安定性が飛躍的に向 することがわかる。

〔臨床試験および抗ウイルス試験に用いた二 酸化塩素液剤〕
 後述する各臨床試験および抗ウイルス試験 供する二酸化塩素液剤は、公知の方法によ 各濃度に希釈したのち、合成樹脂製の容器 8ヶ月間放置したものを使用した。すなわち 、調製例1及び調製例2で得た二酸塩素液剤を 釈後、直径2cmの開口部を持つ合成樹脂製の 器に入れ、蓋を閉じた状態で8ヶ月間、室温 にて放置した。

[実施例1]ウイルスによる皮膚疾患(尖圭コン ローム)の治療
 尖圭コンジローム(Condyloma acuminatum)(原因ウ ルスは、ヒトパピローマウイルス)に感染し たと診断された男性(本試験の目的を予め説 し、同意が得られた男性)の陰茎に対し、医 の監督下で処置した。すなわち、調製例1で 得られた二酸化塩素液剤(希釈時の二酸化塩 濃度100ppm)を陰茎患部に1日3回、適量を塗布 た。塗布した1日後、患部における白色硬結 赤色硬結に変化し、2日後には縮小し、3日 にはカサブタ様になり消失した。

[実施例2]ウイルスによる皮膚疾患(子宮頸部 )の治療
 帯下を主訴に来院した女性(本試験の目的を 予め説明し、同意が得られた女性)を医師が 察した。子宮頸部は発赤し、びらんを認め 一部小隆起病変を認めた。また、初診時(1月 20日)のヒトパピローマウイルス(HPV)のウイル 検査(PCR正常値0-1pg/ml)の数値が301.59pg/mlであ たことから、医師は、疾患名をヒトパピロ マウイルス(HPV)による子宮頸部炎と診断し 。

 この女性に対する1回目の治療を1月25日に 行なった。すなわち、調製例1で得られた二 化塩素液剤(希釈時の二酸化塩素濃度:150ppm) 適量を約20×20cmの布(ガーゼ)に含ませ、これ タンポン状にして膣内に挿入し、約30分後 取り除いた。同様の治療を1月27日(2回目治療 )および1月30日(3回目治療)にも行なった。そ 結果、子宮頸部の発赤は消失し、自覚症状 軽快した。また、HPVウイルス検査の数値は0. 41pg/mlとなり、顕著な治療効果が確認された

[実施例3]ウイルスによる皮膚疾患(子宮頸部 )の治療
 来院した女性(本試験の目的を予め説明し、 同意が得られた25歳の女性)を医師が診察した 結果、図1に示すように子宮頸部および膣前 部に1mm前後の軽度びらん、及び発赤を伴う 隆起性病変を多数認めた。また、初診時(2月 13日)にヒトパピローマウイルス(HPV)のウイル 検査を実施したところ33pg/mlであったことか ら、医師は疾患名をヒトパピローマウイルス による子宮頸部炎と診断した。

 1回目の治療を同日(2月13日)に行なった。す わち、調製例1で得られた二酸化塩素液剤( 釈時の二酸化塩素濃度:150ppm)の適量を約20×20 cmの布(ガーゼ)に含ませ、これをタンポン状 して膣内に挿入し、約30分後に取り除いた。 同様の治療を2月15日(2回目治療)および2月17日 (3回目治療)にも行なった。なお、3回目の治 を行う前の患部観察において、図2に示すよ に病変消失を確認した。
 合計3回の治療を行ったあと、HPVウイルス検 査を2月19日に行った結果、その数値は3.9pg/ml あった。またその時の病変は、図3に示すよ うに一部粘膜面に凹凸を認めるものの、5日 の2月24日には、図4に示すように軽快してい 。

[実施例4]ウイルスによる皮膚疾患(子宮頸部 性腺腫)の治療
 来院した女性(45歳)を医師が膣鏡検査を行っ た結果、図5に示すように子宮頸部にびらん 出血を認めた(1月19日)。また同時にHPVウイル ス検査を実施したところ、2353.55pg/mlと高値を 示した。これにより医師は疾患名を子宮頸部 悪性腺腫のステージ1と診断した。
 この女性に対し主治医は、遺伝子組み換え ヒト・インターフェロン・アルファ-2b(rIFN  α-2b)膣用発泡性カプセル製剤(recombinant human  interferon α-2b vaginal effervescent capsules)を投与 して治療を試みたが効果は得られず、女性は 別の病院に転院した。

 転院先の病院の医師は、この女性(本試験の 目的を予め説明し、同意が得られた女性)に し、2月26日までに3回にわたって次のような 療を試みた。すなわち、調製例1で得られた 二酸化塩素液剤(希釈時の二酸化塩素濃度:150p pm)の適量を約20×20cmの布(ガーゼ)に含ませ、 れをタンポン状にして膣内に挿入し、約30分 後に取り除いた。
 その結果、図6に示すように出血は止まり、 子宮頸部の腫大も軽快し、自覚症状も改善し た。またHPVウイルス検査の数値は1336.01pg/mlま で大幅に低下した。

[実施例5]抗ウイルス試験(コクサッキーウイ スB5)
 コクサッキーウイルスB5(手足口病の原因ウ ルス)に調製例1および調製例2で得た二酸化 素液剤を加え、各感作時間経過後、チオ硫 ナトリウム溶液にて薬剤を中和し、10倍希 列を作成した。一方、マイクロプレート(96 )にて、37℃、5%CO2の条件下で宿主細胞(LLCMK2 胞)を3日間培養した。この宿主細胞に前記の 10倍希釈列液を接種し、のち5日間培養した。 なお、比較対照用として、安定化二酸化塩素 水溶液(亜塩素酸イオン水溶液)(有効二酸化塩 素濃度10ppm)および次亜塩素酸ナトリウム(有 塩素濃度10ppm)を用いて同様の試験を行った

 ウイルスによる細胞変性効果(CPE)を指標と てTCID 50 (50% Tissue Culture Infective Dose)(log10)を算出し 各二酸化塩素液剤の抗ウイルス活性効果を 価した。ウイルス対照は液剤の代わりに蒸 水で希釈を行ったものを使用した。結果を 7(a),(b)に示す。図7からも明らかなように、 発明の皮膚疾患治療薬は、コクサッキーウ ルスB5(手足口病)に対して顕著な不活性化効 を示し、濃度10ppm、感作時間1分間で次亜塩 酸ナトリウムより32倍、2分間で100倍の効果 あった。

[実施例6]抗真菌試験(白癬菌)
 足部白癬(汗疱状白癬)と診断された患者20名 (本試験の目的を予め説明し、同意が得られ 男女20名)に対し、医師は、調製例1で得られ 二酸化塩素液剤(希釈時の二酸化塩素濃度:15 0ppm)が入ったスプレー容器を渡し、自宅で毎 朝と夜の1日2回、足の患部に向けて適量を プレーして治療することを指示した。治療 始から2~3日後、患者20名中15名において患部 痒みが消失し、1週間後の医師の診察におい て、18名の患部において小水泡が消えていた

[実施例7]抗細菌試験(ブドウ球菌)
 細菌感染により膿胞が認められる尋常性ざ の患者20名(本試験の目的を予め説明し、同 が得られた男女20名)に対し、医師は、調製 1で得られた二酸化塩素液剤(希釈時の二酸 塩素濃度:150ppm)が入った容器を渡し、自宅で 毎日朝と夜の1日2回、これを市販の滅菌ガー に含ませ、毎日3分間程度、顔の患部に塗布 するように指示した。1週間後の医師の診察 おいて、患者20名中17名の患部において膿胞 イズが小さくなっていることを確認するこ ができ、また新たな膿胞が発生した患者は なかった。

[実施例8]アデノウイルス感染症治療薬の可能 性(1)
 本実施例では、濃度10ppm以上の二酸化塩素 剤が、流行性角結膜炎などを発症するアデ ウイルスを不活化し、かつこの二酸化塩素 剤は250ppmの濃度でも眼球に対して刺激を与 ない旨を示したデータを開示する。
 従って、少なくとも10~250ppmの濃度をもつ二 化塩素液剤はヒトにおける眼球結膜のアデ ウイルス感染症(流行性角結膜炎)の治療薬 して有効に使用することができる可能性が る。また、このように眼球粘膜の疾患に対 て効果的、かつ安全に使用することができ ことから、少なくとも眼球結膜より薬物刺 が弱く出る粘膜部位(たとえば口腔粘膜など) における疾患の治療薬にも使用可能であるこ とがわかる。以下、詳述する。

(抗アデノウイルス試験)
 抗アデノウイルス試験の実験方法は以下の りである。
 1.供試薬剤
(1)調製例1で得られた二酸化塩素液剤(クレベ ン(登録商標、大幸薬品株式会社製、二酸化 塩素濃度500ppm)を使用しても構わない)
(2)次亜塩素酸ナトリウム:半井化学株式会社 、特級;有効塩素濃度(122000ppm)
(3)安定化二酸化塩素水溶液(亜塩素酸イオン 溶液)(キンダイ・ケミカル社製の「スプレッ ティ」(商品名))(濃度4988ppm)

 2.ウイルス
 BK細胞(ウシ腎臓初代培養細胞)で培養した500 mlのウイルス(イヌアデノウイルス2型 ワクチ ン株)培養液を3000rpmで2時間遠心後、沈渣に5ml の蒸留水を加えてウイルス浮遊液を調整した 。ウイルス浮遊液を0.45μmのメンブランフィ ターで濾過滅菌し、使用時まで-80℃に凍結 存した。

 3.薬剤濃度の調整
 各種薬剤を滅菌蒸留水で希釈し、1250ppm、125 ppm、12.5ppm、1.25ppm、0.125ppmおよび0.0125ppmの希 列を調整した。

 4.中和剤
 薬剤中の二酸化塩素を中和するため、イー ルMEMを用いて0.0025Mチオ硫酸ナトリウム溶液 を調整し、0.22μmのメンブランフィルターで 過滅菌を行った。

 5.ウイルスの薬剤処理
 各濃度の薬剤(240μl)にウイルス(60μl)を加え 攪拌し、ウイルスと薬剤を15秒、30秒、60秒 120秒および180秒間感作した後、それぞれの 応液から40μlのウイルスを0.0025Mチオ硫酸ナ リウム溶液(360μl)に加えて二酸化塩素を中 した。ウイルス対照は薬剤の代わりに蒸留 で希釈を行ったものを使用した。

 6.薬剤処理ウイルス液の希釈
 薬剤処理ウイルス液および蒸留水で希釈し 対照ウイルス液を0.0025Mチオ硫酸ナトリウム 溶液で中和した後、中和ウイルス(30μl)をイ グルMEM(270μl)で希釈し、処理ウイルスの10倍 釈列を作成した。

 7.ウイルスの感染価(TCID50)の測定
 96wellのマイクロプレートにBK細胞(50μl/well) A549細胞(50μl/well)およびVero細胞(50μl/well)を2 間培養後、希釈したウイルスを接種(50μl/well 、4well/dilution)し、1時間吸着を行った後、4%牛 胎児血清添加イーグルMEMを添加(50μl/well)した 。37℃のCO 2 孵卵器で5から8日間培養を行い、CPEの観察を った。TCID 50 の算出はKerberの公式(数1)から算出した。

 結果を表3に示す。表3から、アデノウイ スが二酸化塩素10ppmで失活することが分かる 。

(眼球への刺激に関する試験)
 眼球への刺激に関する試験の実験方法は以 の通りである。
 1.供試薬剤(被験物質)
 調製例1で得られた二酸化塩素液剤(二酸化 素濃度250ppm)。

 2.試験系
(1)使用動物
 雄性日本白色種ウサギ(コンベンショナル) 8匹(購入時体重:2.10~2.30kg)購入し、8日間の予 飼育を行った。このうち、より健康で、特 眼に異常のない動物を6匹試験に供した。
(2)識別方法
 購入時に油性黒フェルトペンで右耳に入荷 物番号を、また群分けには油性赤フェルト ンで左耳に試験動物番号を記した。さらに 各ケージおよび飼育棚にもラベル表示を行 て、その場所に動物を収納した。
(3)群分け
 群分けに当たっては、被験物質投与前日に サギの両眼が肉眼的に異常のないことを確 した。さらに、フルオレセインナトリウム 2%水溶液0.1mlを点眼して直ちに20mlの注射用 留水で洗浄し、スリットランプ(株式会社ナ ツ製)を用いて角膜に損傷のないことを確認 した。
 また、被験物質投与日に全動物の体重を測 し、体重が2.60~2.75kgの範囲内の健康なウサ を用い、非洗眼と洗眼群で平均体重の差が さくなるように群分けした。
(4)飼育管理
 動物は個別にアルミニウム製ブランケット ージ(幅320×奥550×高さ350mm)に収納し、温度22 ±3℃、湿度55±15%、換気回数10回以上/時間、 工照明8時間/日(午前9時~午後5時)のウサギ飼 室(中動物飼育室2)で飼育し、毎日、飼育室 飼育棚を清掃した後、ネオクロールクリー (四国化成工業社製)で床を消毒した。
 飼料は市販の固形飼料RC4(オリエンタル酵母 工業社製)を、飲料水は水道水(千早赤坂村村 水道水)を自動給水装置で自由に摂取させた 。

 3.試験方法
(1)投与方法
 ウサギ6匹を3匹ずつ2群に分け、一方を洗眼 、他方を非洗眼群とした。各動物の右眼に 験物質0.1mlを下眼瞼を袋状にした状態で単 投与し、眼球全体に行きわたらせるため上 眼瞼を閉じさせて約1秒間そのまま保持した なお、各動物の左眼は無処理対照とした。 洗眼群はそのまま洗眼せずに、一方、洗眼 は1分後に注射用蒸留水30mlで洗眼して、い れも1時間ステンレス製の首かせをしてケー に収納した。
(2)観察および測定
 観察期間中、毎日、動物の一般状態を観察 、被験物質投与日(0日)および観察終了日(7 後)に体重を測定した。
 眼の状態は、被験物質投与1時間、24時間、7 2時間および4日、7日後に、非洗眼および洗眼 群の右眼(被験物質投与)および左眼(無処理対 照)について、表4の評価基準(Draize法)に基づ て、結膜(浮腫、分泌物、発赤)、角膜(混濁 程度、混濁の面積)、虹彩(程度)の状態を採 し、評価した。

 4.試験結果
 観察期間中、全例のウサギの一般状態に異 は認められず、体重も順調な増加を示した
 非洗眼群(試験動物番号1~3)と洗眼群(試験動 番号4~6)の平均体重の比較においてもほぼ同 様の増加を示した。被験物質をウサギの右眼 に0.1ml単回投与したとき、非洗眼群において 投与1時間後に全例(3例)の結膜に軽度の分泌 物と軽度の発赤が認められたが、眼瞼浮腫は 認められなかった。これらの症状は時間の経 過とともに軽減し、24時間後には1例で消失し 、48時間後には残りの2例でも消失した。なお 、角膜および虹彩には観察期間中、異常は認 められなかった。
 尚、結果については、表5~7に試験動物番号1 ~3、表8,9に試験動物番号5,6の評価を示し、表1 0に試験動物番号1~6の総合評価を示した。

[実施例9]アデノウイルス感染症治療薬の可能 性(2)
 イヌアデノウイルス2型をヒトアデノウイル ス2型に変え、実施例8と同様の実験を行った 各薬剤の抗ウイルス活性を表11に示す。

 (結論)
 6匹のウサギを用いて被験物質を右眼に単回 投与し、1分後に注射用蒸留水で洗眼する群(3 匹)と洗眼しない群(3匹)とに分け、被験物質 眼刺激性について7日間にわたり観察した。 眼は無処理対照とした。非洗眼群において 与1時間後に全例の結膜に軽度の分泌物およ び軽度の発赤が認められたが、これらの症状 は時間の経過とともに軽減し、48時間後には 例で消失した。一方、洗眼群においては投 1時間後に全例の結膜に軽度の発赤が認めら れたが、24時間後には全例で消失した。両群 も角膜および虹彩には異常が認められなか た。このように、被験物質(二酸化塩素液剤 )の眼に対する刺激性は洗眼により軽減した

 上記したデータにより、少なくとも10~250p pmの濃度をもつ二酸化塩素液剤はヒトにおけ 眼球結膜のアデノウイルス感染症(流行性角 結膜炎)の治療薬として有効に使用すること できる可能性があることがわかる。また、 のように眼球粘膜の疾患治療薬として効果 、かつ安全に使用することができることか 、少なくとも眼球結膜より薬物刺激が弱く る粘膜部位(たとえば口腔粘膜など)における 疾患の治療薬にも使用可能であることがわか る。

[実施例10]ヘルペスウイルス1型に対する抗ウ ルス活性
 ヘルペスウイルス1型(HSV-1,Herpes simplex virus type1)(主に、口唇ヘルペスを生じ、ヘルペス 内炎、ヘルペス角膜炎、単純ヘルペス脳炎 原因となるウイルス)に対する抗ウイルス活 性を測定した。実験方法は以下の通りである 。

 1.供試薬剤
(1)調製例1で得られた二酸化塩素液剤(クレベ ン(登録商標、大幸薬品株式会社製、二酸化 塩素濃度500ppm)を使用しても構わない)
(2)次亜塩素酸ナトリウム:半井化学株式会社 、特級;有効塩素濃度(122000ppm)
(3)安定化二酸化塩素水溶液(亜塩素酸イオン 溶液)(キンダイ・ケミカル社製の「スプレッ ティ」(商品名))(濃度4988ppm)

2.ウイルス
 CRFK細胞(ネコ腎臓細胞)で培養した500mlのウ ルス(ヘルペスウイルス1型 kos)培養液を3000rp mで3時間遠心後、沈渣に4mlの蒸留水を加えて イルス浮遊液を調整した。ウイルス浮遊液 0.45μmのメンブランフィルターで濾過滅菌し 、使用時まで-80℃に凍結保存した。

3.薬剤濃度の調整
 各種薬剤を滅菌蒸留水で希釈し、1250ppm、125 ppm、12.5ppm、1.25ppmおよび0.125ppmの希釈列を調 した。

4.中和剤
 薬剤中の二酸化塩素を中和するため、イー ルMEMを用いて0.0025Mチオ硫酸ナトリウム溶液 を調整し、0.22μmのメンブランフィルターで 過滅菌を行った。

5.ウイルスの薬剤処理
 各濃度の薬剤(240μl)にウイルス(60μl)を加え 攪拌し、ウイルスと薬剤を15秒、30秒、60秒 120秒および180秒間感作した後、それぞれの 応液から40μlのウイルスを0.0025Mチオ硫酸ナ リウム溶液(360μl)に加えて二酸化塩素を中 した。ウイルス対照は薬剤の代わりに蒸留 で希釈を行ったものを使用した。

6.薬剤処理ウイルス液の希釈
 薬剤処理ウイルス液および蒸留水で希釈し 対照ウイルス液を0.0025Mチオ硫酸ナトリウム 溶液で中和した後、中和ウイルス(100μl)をイ グルMEM(900μl)で希釈し、処理ウイルスの10倍 希釈列を作成した。

7.ウイルスの感染価(TCID 50 )の測定
 96wellのマイクロプレートにCRFK細胞(50μl/well) を3日間培養後、希釈したウイルスを接種(50μ l/well、4well/dilution)した。37℃のCO 2 孵卵器で5日間培養を行い、CPEの観察を行っ 。TCID 50 の算出は、上述した数1(Kerberの公式)から算出 した。
 結果を表12に示す。

(結果)
1.二酸化塩素のヘルペスウイルス1型に対する 抗ウイルス活性
 精製したヘルペスウイルス1型に各種濃度の 二酸化塩素(最終濃度0.01~10ppm)を15,30,60,120およ び180秒間感作後、ウイルス感染価を測定する ことにより、二酸化塩素のヘルペスウイルス 1型に対する抗ウイルス活性を測定した。10ppm の二酸化塩素でウイルスを感作した場合、ウ イルス感染価は15秒以内に3.5logの低下が認め れ、30秒以上では4.5log以上のウイルス感染 の低下が認められた。しかし、1ppmでは30秒 感作で1.5logの低下が認められたが、180秒の 作でも2logの低下であった。

2.次亜塩素酸ナトリウムのヘルペスウイルス1 型に対する抗ウイルス活性
 10ppmの次亜塩素酸ナトリウムでウイルスを 作した場合、二酸化塩素に比べ不活化され くく、感染価は180秒の感作でも1log以下の低 であった。1ppm以下で感作した場合には、明 らかな感染価の低下は認められなかった。

3.安定化二酸化塩素水溶液(亜塩素酸イオン水 溶液)のヘルペスウイルス1型に対する抗ウイ ス活性
 10ppmの安定化二酸化塩素水溶液で180秒間感 を行った場合でもウイルス感染価の低下は められなかった。

(考察)
 大型ウイルスでDNAの遺伝子を持ち、エンベ プを有するヘルペスウイルス1型ウイルスに 対する二酸化塩素系の消毒剤の二酸化塩素、 次亜塩素酸ナトリウムおよび安定化二酸化塩 素水溶液(亜塩素酸イオン水溶液)の抗ウイル 活性を測定した。
 ヘルペスウイルス1型は、口唇ヘルペス、ヘ ルペス性口内炎、ヘルペス性角膜炎、カポジ 水痘様発疹症、ヘルペス性脳炎などの原因ウ イルスとして重要なウイルスである。
 その結果、二酸化塩素は10ppmの濃度でウイ スと15秒間の感作を行うことで、感染価が3.0 log以上低下したが、次亜塩素酸ナトリウムお よび安定化二酸化塩素水溶液では明らかな感 染価の低下は認められなかった。

[実施例11]ヘルペスウイルス2型に対する抗ウ ルス活性
 ヘルペスウイルス2型(HSV-2,Herpes simplex virus type2)(主に、性器ヘルペス、新生児ヘルペス ヘルペス髄膜炎、ヘルペス脊髄炎の原因と るウイルス)に対する抗ウイルス活性を測定 した。実験は、ヘルペスウイルス1型をヘル スウイルス2型(標準株;UF strain)に変えたとい う以外は、実施例10と同様にして行った。
 結果を表13に示す。

 (総括)
 本発明の皮膚疾患治療薬は、長期保存後で っても広範囲の病原性微生物による皮膚疾 に対して効果がることがわかる。しかも、 濃度で有効なため刺激性が少なく、人体、 に皮膚粘膜への悪影響も最小限に抑えるこ ができ、皮膚疾患治療薬として臨床的にも 広く使用することができる。

 さらに以下のように付け加える。すなわ 、本発明の皮膚疾患治療薬において、溶存 酸化塩素濃度を長期間一定に保持でき、前 皮膚疾患治療薬から二酸化塩素が少しずつ スとして放出され続けても、該皮膚疾患治 薬における二酸化塩素濃度を略一定の範囲 に保持させることができるといった優れた 存安定性が得られる。ここでいう「少しず ガスとして放出され続ける」なる意味は、 えば搬送中あるいは保存中、閉蓋していて 自然に二酸化塩素がガスとして抜け出てし うことを意味する。

 緩衝性のある無機酸またはその塩(pH調製剤) として、リン酸またはその塩、好ましくはリ ン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナ トリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物 を使用した場合にあっては、その他の無機酸 (あるいはその塩)や有機酸を使用する場合と べ、保存安定性が飛躍的に向上し(保存安定 期間がさらに延長され)、また保存中におけ 液性(pH)の経時的な揺れ(変動)も小さくなる いった効果を奏する。これにより、本発明 皮膚疾患治療薬を長期間(例えば1年~3年)保存 することを想定する場合、pH調製剤としてリ 酸またはその塩、好ましくはリン酸二水素 トリウムまたはリン酸二水素ナトリウムと ン酸水素二ナトリウムの混合物を使用し、 塩素酸ナトリウムと組み合わせて組成物と ることが好ましい。リン酸二水素ナトリウ またはリン酸二水素ナトリウムとリン酸水 二ナトリウムの混合物を選択し、これを亜 素酸ナトリウムと組み合わせて用いること より、保存安定性がさらに向上し、また保 中における二酸化塩素濃度の経時的な揺れ さらに小さくなる。すなわち、亜塩素酸ナ リウムが二酸化塩素に変わる反応の過剰な 行が極めて起こり難くなるため、自然分解 容器の蓋部分あるいは容器の壁面からの放 によって失われる二酸化塩素のみが亜塩素 ナトリウム由来の亜塩素酸イオンから補充 れるというガス平衡状態が保たれる。
 このように、亜塩素酸ナトリウムの不要な 耗が抑制され、亜塩素酸ナトリウムが効率 に消費されるので、保存安定性がさらに向 し(延長され)、また保存中における二酸化 素濃度の経時的な揺れ(変動)がさらに小さく なる(濃度の低下のみならず、濃度の上昇も 制される)。
 また、この皮膚疾患治療薬における、亜塩 酸ナトリウムから二酸化塩素を長期に亘っ 補給するメカニズムは、当該皮膚疾患治療 を使用した皮膚や皮膚粘膜上でも発現する これは、皮膚疾患治療薬の病原性不活性化 用が長く続き、より一層効果的に皮膚疾患 治療することができるといった優れた持続 果を患者にもたらす。

 本発明は、病原性微生物の感染により発 した感染部位の症状を改善すべく、前記感 部位に適用される皮膚および粘膜における 患の治療薬に利用できる。