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Patent Searching and Data


Title:
THERAPEUTIC AGENT FOR TYPE-2 DIABETES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011420
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a medicinal agent comprising ursodeoxycholic acid or a pharmacologically acceptable salt thereof as an active ingredient, which can be act as a therapeutic agent for type-2 diabetes accompanied by fatty liver or liver dysfunction.

Inventors:
ISHII SHINICHI (JP)
SHIRAISHI MUNESHIGE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063008
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI TANABE PHARMA CORP (JP)
ISHII SHINICHI (JP)
SHIRAISHI MUNESHIGE (JP)
International Classes:
A61K31/575; A61P3/10; C07J9/00
Other References:
ITOH, S. ET AL.: "Combined treatment with ursodeoxycholic acid and pioglitazone in a patient with NASH associated with type 2 diabetes and psoriasis", DIG DIS SCI, vol. 48, no. 11, 2003, pages 2182 - 2186
MARCHESINI, G. ET AL.: "Nonalcoholic fatty liver disease and the metabolic syndrome", MINERVA CARDIOANGIOL, vol. 54, no. 2, 2006, pages 229 - 239
SASS, D.A. ET AL.: "Nonalcoholic fatty liver disease: a clinical review", DIG DIS SCI, vol. 50, no. 1, 2005, pages 171 - 180, XP019237111
LINDOR, K.D. ET AL.: "Ursodeoxycholic acid for treatment of nonalcoholic steatohepatitis: Results of a randomized trial", HEPATOLOGY, vol. 39, no. 3, 2004, pages 770 - 778, XP002663026
BONDINI, S. ET AL.: "Non-alcoholic fatty liver disease and hepatitis C infection", MINERVA GASTROENTEROL DIETOL, vol. 52, no. 2, 2006, pages 135 - 143, XP002663026
TOLMAN, K.G. ET AL.: "Spectrum of liver disease in type 2 diabetes and management of patients with diabetes and liver disease", DIABETES CARE, vol. 30, no. 3, March 2006 (2006-03-01), pages 734 - 743, XP055354115
OZCAN, U. ET AL.: "Chemical chaperones reduce ER stress and restore glucose homeostasis in a mouse model of type 2 diabetes", SCIENCE, vol. 313, August 2006 (2006-08-01), pages 1137 - 1140, XP002674360
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshiyuki et al. (4-10 Higashi Nihonbashi 3-chome,Chuo-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療薬。
 ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬。
 肝機能障害が、肝機能障害に起因する脂肪肝である請求項2に記載の治療薬。
 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝炎である請求項2に記載の治療薬。
 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝硬変である請求項2に記載の治療薬。
 ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療方法。
 ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療方法。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の治療薬、および当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
Description:
2型糖尿病の治療薬

 本発明は、ウルソデオキシコール酸また その薬理学的に許容される塩を有効成分と て含有する脂肪肝や肝機能障害等を伴う2型 糖尿病の治療薬に関する。

 糖尿病は高血糖を主徴とし、食生活の変化 栄養過多や運動不足を背景とした慢性代謝 患の一つである。その患者数は2006年の段階 で、日本国内に約740万人、世界においては約 1億9400万人とも言われている。
 糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病に大別され 。

 1型糖尿病の成因としては、自己免疫機序 等によるインスリン産生細胞の膵ランゲルハ ンス島の破壊による絶対的インスリン欠乏が 挙げられる。そのため1型糖尿病の治療には ンスリン治療が必須となる。

 一方、2型糖尿病の成因としては、インスリ ン抵抗性およびインスリン分泌低下が挙げら れる。さらに2型糖尿病の発症には肥満、過 および運動不足等の生活習慣が深く関わっ いると考えられている。また2型糖尿病が日 人の糖尿病の約95%を占め、治療法の開発は 要な課題となっている。
 このように、1型糖尿病と2型糖尿病はそれ れの成因が異なるため、両者の治療法は区 すべきものであると考えられている。

 2型糖尿病の治療法としては、まず食事療 法や運動療法が選択される。しかし、食事療 法や運動療法によって十分な血糖コントロー ルが得られなかった場合や食事療法や運動療 法の継続的実施が困難な場合には、薬物療法 が併用される。現在、2型糖尿病治療薬とし は、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬 α-グルコシダーゼ阻害薬やインスリン抵抗 改善薬等が使用されている。しかし、これ の従来の2型糖尿病治療薬には肝機能障害の 生の可能性が報告されており、肝機能障害 伴った2型糖尿病患者への2型糖尿病薬の投 は禁忌あるいは慎重投与となっている。そ ため、肝機能障害を伴った2型糖尿病患者に 全に投与することができる有用性の高い2型 糖尿病治療薬の開発が嘱望されている。

 ウルソデオキシコール酸(以下、本明細書 において、ウルソデオキシコール酸を「UDCA と称することがある。)は、胆汁酸製剤であ 、胆汁うっ滞性肝疾患等の慢性肝炎に広範 使用されている薬剤である。UDCAの薬理作用 としては、利胆作用、細胞障害性を有するケ ノデオキシコール酸(CDCA)あるいはデオキシコ ール酸(DCA)等の内因性疎水性胆汁酸のUDCAへの 置換作用、細胞保護作用、抗アポトーシス作 用、RANTES誘導阻害作用等が報告されている( 許文献1、2、3、4及び非特許文献1)。

 これまで1型糖尿病のモデル動物であるア ロキサン投与ラットに、UDCAを経口投与した 果血糖が低下することが報告されている(非 許文献2)。しかし、上述の通り、1型糖尿病 2型糖尿病は病態としても明確に異なること が知られている。そのため、当該結果から、 UDCAが肝機能障害を伴った2型糖尿病患者に安 に投与することができる有用性の高い薬剤 あることは予測できず、またそのことに関 ては報告もない。

 また、タウリン抱合型ウルソデオキシコー 酸(以下、本明細書において、タウリン抱合 ウルソデオキシコール酸を「TUDCA」と称する とがある)が、2型糖尿病モデルマウス(ob/ob ウス)において、血糖を低下させることが報 されている(非特許文献3)。しかしながら、o b/obマウスはレプチン欠損による遺伝性の過 肥満に基づく糖尿病モデルであり、肝機能 害モデルとして使用することができるとい 報告はない。そのため、当該結果から、UDCA 肝機能障害を伴った2型糖尿病患者に安全に 投与することができる有用性の高い薬剤であ るは予測できず、またそのことに関しては報 告もない。

特開平9-59162号公報

特開平9-315979号公報

特開2004-35503号公報

特開2007-106730号公報 J Leukoc Biol 2005 78 442 Cell Biochem Func 2004 22 97 Science 2006 313 1137

 本発明の課題は、脂肪肝や肝機能障害等 伴う2型糖尿病の治療薬を提供することにあ る。

 本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭 検討した結果、ウルソデオキシコール酸ま はその薬理学的に許容される塩(ウルソデオ キシコール酸等と総称することもある)が脂 肝や肝機能障害等を伴う2型糖尿病の治療薬 して有用であることを見出した。本発明は 記の知見を基にして完成されたものである

 即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) ウルソデオキシコール酸またはその薬理 的に許容される塩を有効成分として含有す 脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療薬。
(2) ウルソデオキシコール酸またはその薬理 的に許容される塩を有効成分として含有す 肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬。
(3) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する脂 肝である上記(2)に記載の治療薬。
(4) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝 である上記(2)に記載の治療薬。
(5) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝 変である上記(2)に記載の治療薬。
(6) ウルソデオキシコール酸またはその薬理 的に許容される塩の有効量を投与対象に投 することを含む脂肪肝を伴う2型糖尿病の治 療方法。
(7) ウルソデオキシコール酸またはその薬理 的に許容される塩の有効量を投与対象に投 することを含む肝機能障害を伴う2型糖尿病 の治療方法。
(8) 上記(1)~(5)のいずれか1に記載の治療薬、 よび当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障 を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得る または使用すべきであることを記載した書 を含む商業的パッケージ。

 本発明によれば、脂肪肝や肝機能障害等 伴う2型糖尿病を治療するためにウルソデオ キシコール酸またはその薬理学的に許容され る塩を有効成分として含有する、安全に投与 することができ有用性の高い治療薬を提供す ることができる。

通常食群および高脂肪食群におけるa) 単位重量当たりの肝臓中中性脂肪を示し(通 食に対する%)、b)は血糖値(通常食対照に対 る%)を示す図である。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明は、ウルソデオキシコール酸または の薬理学的に許容される塩を有効成分とし 含有する、脂肪肝または肝機能障害を伴う2 型糖尿病の治療薬(以下本発明の治療薬とも う)を提供するものである。

 本発明においてウルソデオキシコール酸( UDCA)とは、胆汁酸の一種であり、特開2001-26169 6号公報に記載の方法またはそれに準じた方 により容易に合成することができる。また 田辺三菱製薬株式会社より「ウルソ(登録商 )」として市販されている。本発明において は、市販の「ウルソ(登録商標)」をそのまま 用することも可能である。

 本発明においてウルソデオキシコール酸 薬理学的に許容される塩とは、ナトリウム 、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシ ム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等アル リ土類金属塩、トリメチルアミン、トリエ ルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジ ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン 、トリエタノールアミン、シクロヘキシルア ミン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基 との塩等が挙げられる。これらの塩は、公知 の方法、例えば特開2001-261696号公報等に記載 方法により得ることができる。

 本発明において脂肪肝とは、肝臓に中性 肪が沈着している状態を指す。例えば、脂 滴を伴う肝細胞が30%以上認められる症例等 該当し、これは画像により診断することが 能である。

 脂肪肝はさらに、単純性脂肪肝、非アル ール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver di sease(NAFLD))および非アルコール性脂肪肝炎(nona lcoholic steatohepatitis(NASH))に分類される。ここ 、単純性脂肪肝とは、組織診断において肝 胞の脂肪沈着のみを認める症例を指す。非 ルコール性脂肪性肝疾患とは、脂肪肝の中 も、飲酒歴はないがアルコール性肝障害に 似した軽度の脂肪性肝障害を認める症例を す。非アルコール性脂肪肝炎とは、肝細胞 脂肪沈着に加え壊死・炎症等や線維化を伴 症例を指す(NASH・NAFLDの診療ガイドライン、 社団法人 日本肝臓学会、2006年8月22日発行) なお、単純性脂肪肝および非アルコール性 肪性肝の肝障害の程度は軽度であり、肝細 壊死を反映するアラニンアミノトランスフ ラーゼまたはグルタミン酸ピルビン酸トラ スアミナーゼ(ALTまたはGPTと略)といった肝障 害の指標となる臨床検査値が正常値を示す場 合もあることが知られている。

 本発明において肝機能障害とは、肝臓の する様々な機能の少なくとも一つが障害さ ている状態を示す。肝臓の機能としては、 謝機能、排泄機能、解毒機能、凝固・線溶 子の生成機能等が挙げられる(臨床検査法提 要 金井正光 編著 1993年 金原出版(株))。こ れらの機能がウィルス感染、過剰なアルコー ル摂取、生活習慣の乱れ、ストレス等の様々 な原因により障害されている状態を肝機能障 害という。

 肝機能障害に起因する疾患としては、例え 脂肪肝、急性肝炎、慢性肝炎、肝不全、肝 変等の疾患が挙げられる。
 ここで、肝機能を評価するための臨床検査 としては、ALT値が汎用されている。ただし 臨床検査値の正常値については、臨床検査 社ごとに差があることが知られている。具 的には三菱化学メディエンス社においては ヒトの場合にはALTの正常値は10から40 IU/Lと 定められている。本発明においては、三菱化 学メディエンス社の測定したサンプルのALT値 が、40 IU/Lよりも高値を示す場合には肝機能 害を伴うと認定する。なお本発明において 、三菱化学メディエンス社の指標に従うが 肝臓の様々な機能を検査する項目は多岐に るため、本発明における肝機能障害の定義 これらの記載に限定されるものではない。

 本発明において2型糖尿病とは、インスリ ン抵抗性が主原因となり、相対的なインスリ ン分泌不足を伴う病態、インスリン分泌低下 が主原因となり、インスリン抵抗性を伴う病 態等が含まれる。すなわち、インスリン分泌 低下とインスリン抵抗性の二つを原因とする 糖尿病のことである。ここで、1型糖尿病は 自己免疫機序等によるインスリン産生細胞 膵ランゲルハンス島の破壊による絶対的イ スリン欠乏を成因とする。そのため、2型糖 病で観察されるインスリン分泌低下と、1型 糖尿病で観察されるインスリン分泌欠乏は病 態が明らかに異なる(「科学的根拠(evidence)に づく糖尿病診療ガイドライン」2004年 初版 日本糖尿病学会発行)。

 本発明の治療薬は、ウルソデオキシコー 酸と1種または2種以上の製剤用添加物を含 医薬組成物を調製することができる。経口 与に適した医薬組成物としては、例えば、 剤、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤等を げることができ、非経口投与に適した医薬 成物としては、例えば、液剤あるいは懸濁 等の殺菌した液状の形態の医薬組成物を例 することができる。

 医薬組成物の調製に用いられる製剤用添 物の種類は特に制限されず、種々医薬組成 の形態に応じて適宜製剤用添加物を選択す ことができる。製剤用添加物は固体または 体のいずれであってもよく、例えば固体担 や液状担体等を用いることができる。

 固体担体の例としては、通常のゼラチンタ プのカプセルを用いることができる。また 例えば、有効成分を1種または2種以上の製 用添加物とともに、あるいは製剤用添加物 用いずに錠剤化することができ、あるいは 末として調製して包装することができる。 えば、これらのカプセル、錠剤、粉末には 一般的には製剤の全重量に対して、ウルソ オキシコール酸に換算して、5~95重量%、好ま しくは5~90重量%のウルソデオキシコール酸等 含有することができる。
また上記投与単位形態に配合される量として は、ウルソデオキシコール酸に換算して、5~5 00mg、好ましくは25~250mgのウルソデオキシコー ル酸等を含有するものが挙げられる。
 液状担体としては水、あるいは石油、ピー ツ油、大豆油、ミネラル油、ゴマ油等の動 物起源の油または合成の油が用いられる。 た、一般に生理食塩水、デキストロールあ いは類似のショ糖溶液、エチレングリコー 、プロピレングリコール、ポリエチレング コール等のグリコール類が液状担体として ましく、特に生理食塩水を用いた注射液の 合には、ウルソデオキシコール酸に換算し 、通常0.5~20%、好ましくは1~10%重量のウルソ オキシコール酸等を含むように調製するこ ができる。
 本発明の治療薬を医薬として用いる場合の 与量は、疾患の種類、投与方法、病態、患 の年令等によっても異なるが、通常、成人 対し1日当り、ウルソデオキシコール酸に換 算して、経口で30~3000mg、好ましくは150~1200mg 静注で5~400mg、好ましくは50~200mgである。こ らを1日1~6回、好ましくは1~3回に分割して投 することができる。食前、食後、食間は問 ず、投与期間は特に限定されない。

 本発明は、ウルソデオキシコール酸または の薬理学的に許容される塩の有効量を投与 象に投与することを含む脂肪肝または肝機 障害を伴う2型糖尿病の治療方法を提供する 。
 投与対象としては、脂肪肝または肝機能障 に罹患する可能性がある対象であれば特に られないが、ヒト、ヒト以外の哺乳動物(ブ タ、ウシ、ウマ、イヌ等の家畜、ネコ等の愛 玩動物等)が挙げられる。

 本発明は、ウルソデオキシコール酸を有 成分として含有する2型糖尿病の治療薬、お よび当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障害 を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得る または使用すべきであることを記載した書 を含む商業的パッケージを提供する。

 以下、実施例を示して詳細に説明するが 本発明はこれらの記載に限定されるもので ない。

 実施例1:
 以下の方法により2型糖尿病マウスに対する UDCAの血糖低下作用を評価した。

 2型糖尿病モデルであるKK-A y マウス(雄、入荷時5週齢、1群=5匹)の肝臓中の 中性脂肪を増加させるために、45%kcal高脂肪 (D12451:Research Diets, Inc.より購入)を8週間自由 摂取させた。一方対照として通常食(MF、オリ エンタル酵母工業より購入)を自由摂取させ 群を設けた。

 薬剤投与開始前の血糖値がほぼ等しくなる うに高脂肪食群および通常食群のそれぞれ 群を、UDCA投与群およびUDCA非投与群に群分 した。UDCA投与群には、UDCAを150mg/kg/日ずつ14 間経口投与して、UDCA非投与群には、精製水 (pH8.3)を5mL/kg/日ずつ14日間経口投与した。
 一晩絶食後投与13日目に採血し、血糖値を 定した。さらに、投与15日目に肝臓を採取し 、肝臓中の中性脂肪値を測定した。

 結果を図1に示す。
 45%kcal高脂肪食投与群の肝臓は、通常食投与 群の肝臓に比べて肝臓中の中性脂肪値が有意 に増加しており、脂肪肝を呈していた(図1a)
 また、UDCA投与により、通常食投与群の血糖 値を低下させなかったが、高脂肪食投与群に おいては、血糖値を低下させた(図1b)。
 すなわちUDCAは、高脂肪食負荷により増加し た血糖値を有意に低下させた。

 以上のことから、UDCAは脂肪肝や肝機能障 害を伴わない2型糖尿病には効果が認められ いが、脂肪肝や肝機能障害を伴う2型糖尿病 対しては有効であることが明らかとなった さらに、UDCA投与に起因する肝機能障害の発 生は認められておらず、UDCAは肝機能障害を う2型糖尿病患者に安全に投与することがで る2型糖尿病治療薬として有用であることが 明らかになった。

 本発明によれば、新規な脂肪肝や肝機能 害等を伴う2型糖尿病の治療薬を提供するこ とができる。

 以上、本発明の具体的な態様のいくつか 詳細に説明したが、当業者であれば示され 特定の態様には、本発明の教示と利点から 質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更 なすことは可能である。従って、そのよう 修正および変更も、すべて後記の請求の範 で請求される本発明の精神と範囲内に含ま るものである。

 本出願は日本で出願された特願2007-186430 基礎としており、その内容は本明細書に全 包含されるものである。




 
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